JP2008119627A - 臼式製粉のための調質方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】臼式製粉の製粉効率を向上するための方法を提供すること。
【解決手段】製粉前に小麦の水分を14.5質量%〜15.5質量%に調質することを特徴とする臼式製粉による小麦粉の製造方法である。小麦として、軟質小麦、硬質小麦、デュラム小麦を挙げることができる。ロール式製粉では小麦の種類によって水分を調整するが本発明では前記水分の範囲は、これらの小麦に共通である。
【効果】臼式製粉において灰分が低く、二次加工性の良い小麦粉を高歩留で得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、臼式製粉のための調質方法に関する。
小麦は主に粉状に加工して利用されるが、粉状にする方法として古くから臼を使用した製粉方法が行われていた。
その時代の小麦の製粉は、収穫したまま、もしくは保存性を増す目的で天日乾燥した小麦を使用して行われ、調質、つまり製粉性を改良するための小麦の水分調整は行われていなかった。
19世紀ごろ臼式製粉よりも効率が良く、大規模な製粉に向くロール式製粉が実用化され、さらにその方法による小麦粉は二次加工性面で優れた点が多かったため、次第にロール式製粉に切換えられていった。
ロール式製粉では、小麦を多数のロール機を使用して段階的に製粉していくが、まず小麦をブレーキロールにより破砕し、破砕された小麦粒を篩分けして、粒状の胚乳部を集めて粉砕することで小麦粉とする。
20世紀に入る頃には臼式製粉は大規模製粉工場からはほぼ完全に姿を消し、自家製粉を行う一部のベーカリーなどや家内性工業的小規模製粉所で細々とその命脈を保つという状況であった。
調質機械の開発により、大量の小麦を精度良く水分調整できるようになると、ロール機による挽砕の前に調質が行われるようになったが、それは小麦粉製造の主流がロール式に移行した後のことである。
ロール式製粉における調質とは、小麦に加水することでフスマを強じんにし、胚乳部を軟化させて、破砕や粉砕の効率を向上させることを目的としている(例えば非特許文献1参照)。
臼式製粉を採用している小規模の製造現場では、旧来の製粉方法をそのまま踏襲していることが多く、さらには市販の調質機械が小規模生産に向かないこと、技術情報の不足、手間とコストの増大の回避、などというような事情も加わって、調質は採用されなかった。
21世紀に入る頃には、食に関する嗜好の多様化などによりロール式製粉とは違った特徴がある臼式製粉の小麦粉が見直され始め、改めて臼式製粉を採用する小麦粉メーカーも徐々にだが増えている。
日本麦類研究会、「小麦粉」、昭和56年1月31日
臼式製粉はロール式製粉に比べ効率が悪く、小麦粉の二次加工性も一般に劣るとされているが、製造した小麦粉はロール式製粉で製造した小麦粉とは違った特徴があり、食の多様化に伴い見直されてきている製粉方法である。
臼式製粉の再流行の兆しが現れると、その欠点である粉砕効率と小麦粉の二次加工性の向上が求められていた。
本発明の目的は、臼式製粉の製粉効率と小麦粉の二次加工性を向上するための方法を提供することである。
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、製粉前に小麦の水分を14.5質量%〜15.5質量%に調質することで臼式製粉による小麦の製粉効率および小麦粉の二次加工性が向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は、製粉前に小麦の水分を14.5質量%〜15.5質量%に調質することを特徴とする臼式製粉による小麦粉の製造方法である。
臼式製粉において灰分が低く、二次加工性の良い小麦粉を高歩留で得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において使用できる臼は、従来小麦粉の製粉に使用されていたものであれば特に限定されない。
石、セラミック、金属製などの臼を使用することができる。

本発明において使用できる小麦には、軟質小麦、硬質小麦、デュラム小麦を含み、さらにそれらの混合物も含む。
本発明において臼による製粉前に小麦の水分を14.5質量%〜15.5質量%になるように調質する。
調質は、ロール式製粉と同じ方法が使用でき、小麦に適当量の水分を加水して放置することで小麦の水分を調整することができる。
本発明においては、ロール式製粉と異なり、小麦の種類によらず水分は14.5質量%〜15.5質量%になるように調質する。
ロール式製粉においては、軟質小麦は硬質小麦より水分を少なく調質しており、例えば、カナダ産の硬質小麦では水分16質量%〜17質量%であり、アメリカ産ウエスタンホワイトでは15質量%〜16質量%である。
また、国内産硬質小麦では、16質量%〜17質量%、国内産軟質小麦では14質量%〜15.5質量%である(非特許文献1、P325参照)。
本発明において、小麦の水分が14.5質量%未満では、歩留、灰分が劣り、粉の色調も悪くなり、損傷澱粉(DS)が高くなりすぎ好ましくない。
15.5質量%を超えると、灰分は悪くはないが、歩留が低下し、さらに小麦粉水分が高くなりすぎる。
小麦粉の水分は、夏場14.5質量%、冬場15.0質量%程度が上限とされており、それを超えると保存性が悪くなり、ダマにもなりやすいので好ましくない。
なお、本発明の水分は135℃常圧乾燥法による値である。
本発明において臼で小麦を製粉する方法は従来の調質をしない小麦を製粉する方法と同様である。
本発明において得られた小麦粉の使用方法は特に限定されず、ロール式製粉で得られた小麦粉と同様に使用することができる。
以下本発明を実施例により具体的に説明する。
軟質小麦としてホクシン(小麦品種名)、硬質小麦として春よ恋(小麦品種名)、さらにデュラム小麦を使用して試験を行った。
[試験例1]
精選した北海道産ホクシン(等級1等、水分12.4質量%)を表1に示す水分になるように加水して室温で24時間放置しフォルマー社製石臼製粉機で製粉し、目開き132μmの篩を使用して小麦粉を得た。
石臼のギャップ(臼の隙間の幅)は直接測定できないが、通常小麦粉製粉に使用される設定を用いて製粉した。
結果を表1に示す。
表中、小麦水分12.4質量%のものは、加水を行っていない。
表中、灰分と蛋白は水分13.5質量%に換算した値、R53はフラワーペーストの530nmの反射率である。
歩留は、目開き132μmの篩いを抜けた小麦粉質量を、小麦粉とふすま(目開き132μmの篩いをオーバーした部分)を合わせた質量で除して百分率で表した値である。
水分は、135℃常圧燥法により測定した。
灰分は酢酸マグネシウム添加灰化法により測定した。
蛋白はケルダール法により測定した。
DSはメガザイム法により測定した損傷澱粉である。
また、(%)はR53を除いて質量%である
試験例2以下の表においても同じである。
Figure 2008119627
歩留は、小麦水分14.5質量%〜15.5質量%が最適であった。
小麦水分がその範囲よりも低いと小麦の胚乳が粉砕しきれず、高いとフレークになりやすく、いずれにしても歩留が低下するため好ましくなかった。
ここでフレークとは、小麦の胚乳が押し潰されて、薄片状の塊になったものである。
小麦水分16.0質量%の時には、小麦粉水分は15.0質量%を超えており好ましくなかった。
小麦水分が14.5質量%以上だと小麦粉灰分はほぼ一定だが、それよりも低いと小麦粉灰分は高くなった。
小麦粉灰分は二次加工製品の加工性、中でも色調に影響するので、低い方が好ましい。
小麦粉蛋白はほぼ一定であり、小麦水分の影響をほとんど受けなかった。
R53は小麦水分が上がるに従い徐々に高くなるが、小麦水分が14.0質量%〜14.5質量%の間で急激に変化していた。
R53は小麦粉の色調(明るさ)を表す指標であり、一般に高いほうが好ましいとされているため、小麦水分14.5質量%以上が石臼製粉に適していた。
DSは、菓子用粉麦粉で4質量%以下、うどん用小麦粉で3〜5質量%程度が適当とされている。
この試験での試作小麦粉は、小麦水分が14.0質量%以下で菓子用としてはDSが高めであり、小麦水分が12.4質量%では高すぎた。
平均粒径は、粗すぎるとスポンジケーキなど一部の菓子の加工性や食感を損なったり、うどんの食感にざらつきを与えるなどの悪影響がある。
石臼挽き小麦粉の粒径は一般に粗めになり易いが、特に小麦水分が13.0質量%以下の場合、粒子が粗すぎて二次加工性に悪影響を及ぼす可能性がある。
この試験の結果より、歩留、灰分、R53、DSなどからみて小麦水分が14.5質量%〜15.5質量%が、石臼製粉用として好ましい水分の範囲であり、加水を行わない場合よりも格段に高品質の小麦粉を高歩留で得ることができた。
[試験例2]
試験例1において、石臼ギャップを緩めた以外は、試験例1と同様にして小麦粉を得た。
ギャップは直接測定できないので、石臼のハンドルを試験例1の設定から半回転動かし、ギャップを緩めた。
結果を表2に示す。
Figure 2008119627
小麦水分が14.0質量%以下だと、歩留が少なく、小麦粉灰分が高く、R53が低く、DSが高めであった。
一方、小麦水分が16.0質量%だと、歩留が少なく、小麦粉水分が高すぎた。
従って、緩めた場合も歩留、灰分、R53、DSなどからみて小麦水分が14.5質量%〜15.5質量%が好ましい水分範囲であり、加水を行わない場合よりも格段に高品質の小麦粉を高歩留で得ることができた。
[試験例3]
試験例1において、石臼ギャップを締めた以外は、試験例1と同様にして小麦粉を得た。
ギャップは直接測定できないので、石臼のハンドルを試験例1の設定から半回転動かし、ギャップを締めた。
結果を表3に示す。
Figure 2008119627
小麦水分が14.0質量%以下だと、歩留が少なく、小麦粉灰分が高く、R53が低く、DSが高めであった。
一方、小麦水分が16.0質量%だと、歩留が少なかった。
従って、締めた場合も歩留、灰分、R53、DSなどからみて小麦水分が14.5質量%〜15.5質量%が好ましい水分範囲であり、加水を行わない場合よりも格段に高品質の小麦粉を高歩留で得ることができた。
試験例1〜3の結果より、軟質小麦を臼式製粉する場合の小麦水分は、石臼のギャップ設定によらず14.5質量%〜15.5質量%が最適範囲であることが確認された。
[試験例4]
試験例1において、原料小麦を精選した北海道産春よ恋(等級2等、水分12.2質量%)に、水分設定を表4に記載のとおりに変更した以外は、試験例1と同様にして小麦粉を得た。
結果を表4に示す。
表中、小麦水分12.2質量%のものは、加水を行っていない。
試験例5以下の表においても同じである。
Figure 2008119627
歩留は、小麦水分14.5質量%〜15.5質量%が最適であった。
小麦水分がその範囲よりも低いと小麦の胚乳が粉砕しきれず、高いとフレークになりやすく、いずれにしても歩留が低下するため好ましくなかった。
特に高水分におけるフレークの生成は、軟質小麦の場合よりも遥かに多かった。
ロール式製粉における小麦の調質は水分16質量%〜17質量%の範囲で行われることが多いが、石臼製粉においてはそのような高水分域は不適であった。
小麦粉水分は小麦水分16.0質量%以上の時に15.0質量%を超えており好ましくなかった。
小麦水分が14.5質量%以上だと小麦粉灰分はほぼ一定だが、それよりも低いと小麦粉灰分は高くなった。
小麦粉灰分は製品の色調に影響を与えるので低い方が良いとされているが、パン用小麦粉においては灰分1.0質量%を超えあたりからパンにふすま臭(苦味とエグミを伴う穀物臭)が目立ち始め、風味を損ない好ましくない。
小麦粉蛋白はほぼ一定であり、小麦水分の影響をほとんど受けていなかった。
R53は小麦水分が上がるに従い徐々に高くなるが、小麦水分が14.0質量%〜14.5質量%の間で急激に変化していた。
小麦水分が14.0質量%以下では、小麦粉色調が劣り好ましくない。
DSは、ロール式製粉の強力小麦粉においては7質量%〜9質量%程度だが、臼式製粉においては10質量%前後になることが多い。
DSが高いと、製パン吸水が高くなる反面、パン生地が締まったり、べたついたりする。
DSが10質量%程度でもややそのような傾向はみられるが、製パン上の許容範囲内である。
しかし、DSが極端に高いと(例えば12質量%以上)パンの生地性や食感が劣るため、パン用小麦粉として劣る。
この試験においては、小麦水分12.2質量%の場合にDSが高すぎた。
硬質小麦から石臼製粉で製造した小麦粉の平均粒径は、ロール式製粉に比べて粗くなり易い傾向にある。
この試験でも、ロール式製粉の小麦粉(55〜70μm)よりは粗めだが、製パン性に悪影響を及ぼすような極端な粗さではなかった(粗すぎると、製パン吸水が下がり、パン生地が緩むとともにドライになる)。
この試験で得た小麦粉は、DSが高めで粒径が粗めであったが、この場合DSと粒径は製パン性に対して正反対の効果を持っており、相殺されるためバランスは崩れない。
従って、小麦水分12.2質量%のように極端なDSの場合を除き、生地性に対するDSと粒径の悪影響は現れないと考えられる。
この試験の結果より、歩留、灰分、R53、DSなどからみて小麦水分が14.5質量%〜15.5質量%が好ましい水分範囲であり、加水を行わない場合よりも格段に高品質の小麦粉を高歩留で得ることができた。
[試験例5]
試験例4において、石臼ギャップを緩めた以外は、試験例4と同様にして小麦粉を得た。
ギャップは直接測定できないので、石臼のハンドルを半回転動かし、ギャップを緩めた。
結果を表5に示す。
Figure 2008119627
小麦水分が14.0質量%以下だと、歩留が少なく、小麦粉灰分が高すぎ、R53が低かった。
一方、小麦水分が16.0質量%以上だと、歩留が少なく、小麦粉水分が高すぎた。
従って、緩めた場合も歩留、灰分、R53、DSなどからみて小麦水分が14.5質量%〜15.5質量%が好ましい水分範囲であり、加水を行わない場合よりも格段に高品質の小麦粉を高歩留で得ることができた。
[試験例6]
試験例4において、石臼ギャップを締めた以外は、試験例4と同様にして小麦粉を得た。
ギャップは直接測定できないので、石臼のハンドルを半回転動かし、ギャップを締めた。
結果を表6に示す。
Figure 2008119627
小麦水分が14.0質量%以下だと、歩留が少なく、小麦粉灰分が高すぎ、R53が低かった。
さらに、小麦水分が12.2質量%だとDSが高すぎた。
一方、小麦水分が16.0質量%以上だとフレークの生成により歩留が極端に少なくなり、小麦水分が16.5質量%以上では小麦粉水分が高すぎた。
従って、締めた場合も歩留、灰分、R53、DSなどからみて小麦水分が14.5質量%〜15.5質量%が好ましい水分範囲であり、加水を行わない場合よりも格段に高品質の小麦粉を高歩留で得ることができた。
試験例4〜6の結果より、硬質小麦を石臼製粉する場合の小麦水分は、石臼のギャップ設定によらず14.5質量%〜15.5質量%が最適範囲であることが確認された。
さらに、試験例1〜3の結果も勘案すると、小麦を石臼製粉する場合の小麦水分は、小麦の種類や石臼のギャップ設定には依存せず、14.5質量%〜15.5質量%が最適範囲であることが確認された。
[試験例7]
試験例1において小麦水分14.0質量%、15.0質量%、16.0質量%で得られた小麦粉を使用してスポンジケーキを作り、ロール式製粉により得られたホクシンを原料とする小麦粉を対照として2次加工試験比較を行った。
試験は以下のとおり行った。
(1)ミキサー内で鶏卵170gと砂糖120gを混合し、良く泡立てた。
(2)篩った小麦粉を100g加えてミキシングし生地を得た。
(3)前記生地をスポンジ型に流し込んだ。
(4)180℃のオーブンで30分焼成した。
(5)型から取り出して、放冷した。
(6)放冷後、ビニール袋に入れて保管し、翌日に10名のパネラーにより評価を行った。
15.0質量%のものは、対照に比べて内相の黄色味がやや濃く、サクサク感(ほろほろ感)が強く、風味も強いといったように、ロール式製粉により得られた小麦粉とは異なる特徴があり好ましかった。
14.0質量%のものは、ボリューム劣り、内相色調が暗く劣り、口溶け悪く、風味もやや劣り好ましくなかった。
16.0質量%のものは、スポンジケーキの骨格が弱く潰れ易いため、食感やや硬く感じられ好ましくなかった。
この結果より、小麦水分15.0質量%の小麦を石臼挽きして得た小麦粉が、他の水分の場合よりも優れることが確認された。
[試験例8]
試験例4において小麦水分14.0質量%、15.0質量%、16.0質量%で得られた小麦粉を使用して食パンを作り、ロール式製粉により得られた春よ恋を原料とする小麦粉を対照として2次加工試験比較を行った。
試験は以下のとおり行った。
(1)小麦粉700g, 水400ml,
イースト20g, イーストフード1gを、捏ね上げ温度24℃となるようにミキシングして中種を作り、27℃で4時間醗酵した。
(2)小麦粉300g, 水260ml,
塩20g, 砂糖50g, 脱脂粉乳20g, ショートニング50gを前記醗酵後の中種といっしょに、捏ね上げ温度28℃となるようにミキシングして生地を得た。
(3)前記生地を15分間休ませた後、230gに分割して丸め、さらに25分間休ませた後棒状に整形し食パンの型に詰め、38℃で40分間最終醗酵した。
(4)最終醗酵後の生地を200℃で40分間焼成した。
(5)焼成後室温で冷却し1時間後に袋に詰めた。
(6)翌日15mm厚にスライスし、10名のパネラーにより評価を行った。
15.0質量%のものは、対照に比べて外観ややくすみ、内相やや暗いものの、サクサク感が強く、風味が強く感じられるといったように、ロール式製粉により得られた小麦粉とは異なる特徴があり好ましかった。
14.0質量%のものは、内相、外観とも目立って暗くなり、パンのボリュームが劣り、食感は硬くなり、風味もやや劣る(やや
ふすま臭が感じられる)ので好ましくなかった。
16.0質量%のものは、食感と風味は15.0質量%のものと大差ないが、製パン吸水が劣り好ましくなかった。
これらの結果より、小麦水分15.0質量%の小麦を石臼挽した小麦粉から作ったパンは、ロール式製粉のものに比べて色調がやや劣るものの食感や風味に特徴があり、3種の水分設定のうちで最も優れていた。
試験例7〜8の結果より、小麦水分15.0質量%の小麦から臼式製粉した小麦粉は、小麦水分14.0質量%又は小麦水分16.0質量%の場合よりも二次加工性が優れることが確認された。
[試験例9]
石臼を使用して、デュラム小麦(カナダウエスタンアンバーデュラム)の製粉を行った。
デュラム小麦は、加水なし(水分含有量11.8質量%)のものと、15.0質量%の水分含有量になるように加水し24時間寝かせたものを使用した。
石臼のギャップは、試験例1よりもハンドルを1回転半緩めた。
石臼で粉砕したデュラム小麦粉砕物を、300μmの目開きの篩いで篩って、小麦粉(デュラムセモリナ)を得た。
水分15.0質量%の小麦から作った小麦粉は、加水無しのものに比べてスペック(ふすま小片の混入)が大幅に減少し、色調が優れていた。
さらに小麦粉歩留も、加水なしの61.7質量%に対して、15.0質量%の水分に調整したものは66.6質量%と増加した。
この結果より、デュラム小麦の製粉においても、小麦への加水により製粉性および小麦粉の品質が向上することが確認された。

Claims (1)

  1. 製粉前に小麦の水分を14.5質量%〜15.5質量%に調質することを特徴とする臼式製粉による小麦粉の製造方法。
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