JP6498476B2 - 麺類用生地の製造方法及び麺類の製造方法、並びに該製造方法を用いた麺類及び乾麺類 - Google Patents

麺類用生地の製造方法及び麺類の製造方法、並びに該製造方法を用いた麺類及び乾麺類 Download PDF

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Description

本発明は、麺類用生地の製造方法に関する。より詳しくは、製麺時の作業性及び品質性を兼ね備えた麺類用生地の製造方法及び麺類の製造方法、並びに該製造方法を用いた麺類及び乾麺類に関する。
従来から、品質の良い麺類を得るために、製造技術について様々な改良が重ねられている。例えば、湯捏ね製法を用いて麺類用生地を製造することにより、常温水を用いて麺類用生地を製造する場合に比べて、透明感やもち感があり、色調の優れた食感を有する麺が製造できることが知られている。
例えば、特許文献1には、小麦粉と水分とを含有し、温度が40〜150℃であるペースト状の前生地を製造し、このペースト状の前生地に、小麦粉を更に加えて製造した本生地を使用して麺線を製造する技術が開示されている。
また、特許文献2には、全原料粉体に熱湯を加えて瞬間水和して水和生地を生成した後、この水和生地を用いて常法により製麺する技術が開示されている。この方法は、湯捏ねを、連続瞬間水和機を用いて実施するという技術である。
湯捏ね製法は、湯を用いて生地を捏ねる製法であるが、混捏工程において生地温度が高いほど、澱粉のα化が進行しやすいため、湯捏ねによる改質効果が高い。その反面、生地成分に活性グルテンが含有されている場合、加熱でのグルテン(たん白質)変性や混捏により、グルテン組織が著しく破壊され、破壊された割合に応じて、生地強度や製品強度、もしくは、品質(食感)が大きく損なわれるといった問題がある。
また、生地温度が高い状態で、混捏の次工程である成形工程などに移行した場合、生地水分の発散、部分的な乾燥等の発生、生地温度変化などの物性変化によって、成形不良や品質不良といった不都合が発生する問題もある。
特に、目的の最終製品が乾麺の場合、通常の湯捏ね製法においては、茹で時間の短縮、食感上での硬さや脆さの軽減などの効果があるが、その一方で、著しく製麺性が劣り、その結果として圧延時の肌荒れ、ゆで時の煮崩れがかなり多くなるという問題が発生する。
このような様々な問題点を解決するための技術改良も行われている。例えば、特許文献3には、穀粉を主原料とする全麺原料に対し、70〜100℃の温水を添加して混捏した後、0〜10℃の冷水を添加しながら更に混捏することにより、製麺性及び作業性を維持しながら、品質のよい麺類を製造する技術が開示されている。
特開2004−105150号公報 特開2003−180279号公報 特開2013−223461号公報
上述のように、製麺時の作業性及び品質性を兼ね備えた麺類用生地の製造技術は、様々に改良が重ねられているが、更なる技術の向上が期待されているのが実情である。
そこで、本発明では、通常の湯捏ね製法と同等以上の湯捏ね特有の品質を保ちつつ、製麺時の作業性を改善することが可能な製造技術を提供することを主目的とする。
本願発明者らは、製麺技術について鋭意研究を行った結果、生地を作製する際の混捏工程を段階的に行い、更に、その際の生地の状態を工夫することで、湯捏ね特有の品質を保ちつつ、製麺時の作業性を改善することに成功し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明では、原料粉の一部を60℃以上の練水で混捏してそぼろ状とする第1混捏工程と、
残りの原料粉を加えて混捏して生地を作製する第2混捏工程と、
を少なくとも行う麺類用生地の製造方法を提供する。
本発明に係る製造方法における前記第2混捏工程では、更に練水を加えて混捏することができる。
本発明に係る製造方法における前記第1混捏工程に供される原料粉の比率は特に限定されないが、全原料粉の20〜80質量%とすることができる。
また、前記第1混捏工程に供される原料粉中には、澱粉が含まれていてもよい。
この場合、前記第1混捏工程に供される原料粉中の澱粉の量は、前記第2混捏工程に供される原料粉中の澱粉の量よりも多く設定することができる。
本発明に係る製造方法で製造される麺類用生地は、乾麺類用生地として用いることができる。
本発明に係る麺類用生地の製造方法は、麺類の製造方法に好適に用いることができる。
本発明では、次に、本発明に係る麺類の製造方法を用いて製造した麺類を提供する。
本発明に係る麺類の製造方法を用いて製造した麺類は、乾麺類とすることも可能である。
ここで、本発明に用いる技術用語の定義付けを行う。
本発明において、「麺類」とは、例えば、うどん、冷や麦、そうめん、中華麺、そば麺、皮類(餃子、ワンタン、シュウマイ等)、冷麺、米麺(ビーフン)、パスタ類(スパゲッティ、マカロニ、フェットチーネ、ラザニア等)等であり、原料粉を混合して製麺したものをいう。商品形態としては、チルド麺(生麺、茹で麺、蒸し麺)、生タイプ即席麺、即席麺、乾麺、冷凍麺等のいずれの形態も含む概念である。
本発明において、「混捏」とは、混合かつ捏ねる動作のことをいうが、目的の状態に応じ、混合に限りなく近い動作であっても、捏ねに限りなく近い動作であっても、混合と捏ねとの中間的な動作であっても包含される。
本発明において、「そぼろ状」とは、原料粉が大きなまとまりにはなっておらず、多数の小塊になっている状態をいい、例えば、長径が2〜30mmの小塊が複数存在する状態をいう。
本発明によれば、通常の湯捏ね製法と同等以上の湯捏ね特有の品質を保ちつつ、製麺時の作業性を著しく改善することが可能である。
本発明に係る麺類用生地及び麺類の製造方法のフローチャートである。 「そぼろ状」と「ドウ状」の一例を示す図面代用写真である。
以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
図1は、本発明に係る麺類用生地及び麺類の製造方法のフローチャートである。本発明に係る麺類用生地及び麺類の製造方法は、(1)第1混捏工程Iと、(2)第2混捏工程IIと、を少なくとも行う方法である。その他、必要に応じて、(3)成形工程III、(4)乾燥工程IVなどを行うことも可能である。以下、材料、各工程について、詳細に説明する。
[材料]
本発明に係る麺類用生地及び麺類の製造方法では、(a)原料粉と、(b)練水と、を少なくとも用いる。また、必要に応じて、その他の(c)副原料、(d)添加物等を加えることも可能である。以下、各原料の詳細を説明する。
(a)原料粉
原料粉には、主原料として、穀粉を用いることができる。本発明において「穀粉」とは、穀類、豆類、擬穀類、芋類および木の実などを挽いて作った粉を全て包含する概念である。本発明に係るパンの製造方法で用いることができる穀粉の種類は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、公知の穀粉を、1種または2種以上、自由に選択して用いることができる。例えば、薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉などの小麦粉:デュラム小麦由来の小麦粉:米粉:ライ麦粉:大麦粉:オーツ粉:そば粉:ヒエ粉:アワ粉:コーンフラワーなどが挙げられる。
また、原料粉には、澱粉を含有させることもできる。本発明に用いることができる澱粉の種類は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、公知の澱粉を1種または2種以上、自由に選択して用いることができる。例えば、コーンスターチ(例えば、通常のコーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチなど)、小麦澱粉、米澱粉(例えば、もち米澱粉、うるち米澱粉など)などの穀類澱粉;馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉(例えば、キャッサバ澱粉、マニオカ澱粉など)、甘藷澱粉などのイモ類澱粉;サゴ澱粉などの幹茎澱粉;エンドウ豆澱粉、緑豆澱粉などの豆類澱粉などが挙げられる。また、これら澱粉を原料とした加工澱粉であっても良い。
原料粉に澱粉を含有させる場合、その含有量は発明の効果を損なわない限り特に限定されず、目的に応じて自由に設定することができる。
本発明では特に、原料粉に澱粉を含有させる場合、第1混捏工程Iに供される原料粉中の澱粉の量を、後述する第2混捏工程IIに供される原料粉中の澱粉の量よりも多く設定することが好ましい。麺類の原料配合として最終的に澱粉配合量が同じであっても、第1混捏工程Iの澱粉の量が、第2混捏工程IIの澱粉の量より多くなるほど、製麺性、製品の外観及び食感を向上させることができる。より具体的には、全澱粉量の50%以上を第1混捏工程Iで用いることが好ましく、66%以上を第1混捏工程Iで用いることがより好ましい。
あるいは、第1混捏工程Iで用いる原料粉中の澱粉の割合を、第2混捏工程IIで用いる原料粉中の澱粉の割合よりも多く設定することによっても、製麺性、製品の外観及び食感を向上させることができる。
(b)練水
練水としては、通常、水、又は、必要に応じて、後述する添加物等を溶解させた水を用いることが可能である。
(c)副原料
副原料としては、公知の麺原料に配合されている原料を自由に選択して用いることができる。例えば、大豆タンパク、小麦タンパク、とうもろこしタンパク、えんどう豆タンパク等の植物性タンパク、乳タンパク、卵黄粉、卵白粉、全卵粉、脱脂粉乳等の動物性タンパク等のタンパク素材;大豆油、コーン油、米油、ナタネ油、ヒマワリ油、パーム油、ココアバター等の植物性油脂、魚油、豚脂、牛脂等の動植物油脂、これらの油脂やその混合物を加工し粉末化した粉末油脂等の油脂類等を挙げることができる。
(d)添加物
添加物としては、公知の麺原料に配合されている添加物を自由に選択して用いることができる。例えば、食塩、糖類、甘味料、香辛料、調味料、かんすい、クロレラ、色素、焼成カルシウム、膨張剤、増粘剤、乳化剤、アルコール、ビタミン類、ミネラル類、香料等を挙げることができる。
(1)第1混捏工程I
第1混捏工程Iは、原料粉の一部を60℃以上の練水で混捏してそぼろ状とする工程である。
第1混捏工程Iでは、原料粉の一部を用いることを特徴とする。第1混捏工程Iでは、60℃以上の練水を用いるため、澱粉のα化による改質効果を得ることができる一方で、原料粉中の活性グルテンの熱変性や混捏により、グルテン組織が破壊され、生地強度や製品強度、食感等の品質が損なわれる場合がある。しかし、本発明の第1混捏工程Iでは、一部の原料粉を用いることで、熱によって変性が起こる活性グルテンの量を低減することができる。その結果、原料粉中の澱粉のα化による改質効果を得つつ、原料粉中のグルテン組織の破壊による生地強度や製品強度、食感等の品質などの低下を低減することができる。
第1混捏工程Iに供される原料粉の比率は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、目的に応じて自由に設定することができる。本発明では特に、第1混捏工程Iに供される原料粉の比率を、全原料粉の20〜80質量%に設定することが好ましい。20質量%以上とすることで、湯捏ね特有の品質を十分に得ることが可能である。また、80質量%以下とすることで、生地強度や製品強度、食感等の品質などの低下を低減することができる。
また、第1混捏工程Iでは、混捏により生地をそぼろ状とすることを特徴とする。前記の通り、原料粉の一部を用いることで、理論的には、生地強度や製品強度、食感等の品質などの低下を低減することができるが、後述するように、実際に製麺を行ってみると、原料粉の一部を用いるだけでは、製麺性や製品の外観を向上させることはできなかった。しかし、意外にも、第1混捏工程Iにおける混捏後の生地の状態を、そぼろ状とすることで、製麺性や製品の外観を向上させることに成功した。
このように第1混捏工程Iでは、原料粉の一部と60℃以上の練水とを用いて、原料粉の一部と練水とがそぼろ状になるまで混捏することを特徴とする。そのため、第1混捏工程Iで行う「混捏」とは、混合と捏ねとの中間的な動作である。
(2)第2混捏工程II
第2混捏工程IIは、残りの原料粉を加えて混捏して生地を作製する工程である。
第2混捏工程IIでは、練水が残っている場合には、練水を加えることも可能である。第2混捏工程IIにおいて、練水を加える場合、練水の温度は特に限定されないが、50℃以下の練水を用いることが好ましく、常温(20℃±15℃(5〜35℃)(JISZ 8703))の練水を用いることがより好ましい。
第2混捏工程IIでは、混捏後の最終生地の状態は特に限定されず、後述する成形工程で製麺を行うことができれば、そぼろ状であってもドウ状であってもよい。本発明では、特に、第2混捏工程IIでの最終生地の状態もそぼろ状であることが好ましい。そぼろ状とすることで、製麺性を向上させることができる。
第2混捏工程IIの最終生地の状態は、そぼろ状であってもドウ状であってもよいので、第2混捏工程IIで行う「混捏」とは、最終生地の状態をそぼろ状とする場合には、混合と捏ねとの中間的な動作であり、最終生地の状態をドウ状とする場合には、捏ねに近い動作である。
(3)成形工程III
成形工程IIIは、前記第1混捏工程I及び前記第2混捏工程IIを経て製造された麺類用生地を用いて、線状、棒状、帯状などの目的の麺形態に成形する工程である。
成形工程IIIで行う成形方法は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、公知の方法を自由に選択して用いることができる。例えば、麺類用生地を圧延して所定の厚みに形成した後に切断、切り出しなどを行う方法、麺類用生地を目的の形態に押し出す方法、麺類用生地を目的の形態に引き伸ばす方法、及びこれらの方法を組み合わせて製麺する方法等が挙げられる。
なお、成形工程IIIは、少なくとも前記第1混捏工程I及び前記第2混捏工程IIを経た後であれば、その工程の順番は特に限定されない。例えば、前記第1混捏工程I及び前記第2混捏工程IIを経て製造された麺類用生地を、一定時間熟成させた麺類用生地、あるいは一旦冷蔵又は冷凍の温度帯で保管した後に、常温に戻した麺類用生地を用いて、成形工程IIIを行うことも可能である。
上記の混捏工程終了後においては、生地の状態、または成形工程の麺帯等の途中段階で、必要により小分けや包装した後、常温・冷蔵・冷凍の状態で保管・流通させることもできる。
(4)乾燥工程IV
乾燥工程IVは、前記第1混捏工程I、前記第2混捏工程II及び成形工程IIIを経て得られた麺類を乾燥する工程である。この乾燥工程IVは、本発明に係る麺類の製造方法では必須の工程ではなく、本発明に係る製造方法を用いて得られた麺類を乾麺類として用いる場合に、必要に応じて行うことができる。
本発明において乾燥条件や乾燥方法は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、一般的な乾燥食品を製造する工程で用いられる条件および方法を自由に選択して用いることができる。
なお、乾燥工程IVは、少なくとも前記第1混捏工程I、前記第2混捏工程II及び成形工程IIIを経た後であれば、その工程の順番は特に限定されない。例えば、前記第1混捏工程I、前記第2混捏工程II及び成形工程IIIを経て製造された麺類を、前述のように一定時間熟成させたり、あるいは一旦冷蔵又は冷凍の温度帯で保管した後に常温に戻したりした麺類を用いて、乾燥工程IVを行うことも可能である。
また、後述するように、本発明に係る製造方法を用いて得られた麺類を即席麺として用いる場合、前記第1混捏工程I、前記第2混捏工程II及び成形工程IIIを経て製造された麺類を、即席麺への加工を施した後に、乾燥工程IVを行うことも可能である。
本発明に係る製造方法を用いて製造された麺類は、乾麺類として好適に用いることが可能である。通常の湯捏ね製法においては、生地強度が大きく損なわれることにより、製麺性が著しく劣り、その結果として圧延時の肌荒れ、ゆで時の煮崩れがかなり多くなるという問題が発生する。しかしながら、本発明に係る製造方法を用いれば、生地強度や製品強度の低下を低減することができるため、本発明に係る製造方法は、生地強度の影響を受けやすい乾麺類の製造に好適に用いることができる。
(6)その他
本発明に係る製造方法を用いて得られた麺類を生タイプ即席麺又は即席麺として用いる場合、前記第1混捏工程I、前記第2混捏工程II及び成形工程IIIを経て製造された麺類に、加熱処理、その他必要な処理を施して、即席麺への加工を行うことも可能である。
即席麺への加工方法は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、一般的な即席食品を製造する工程で用いられる方法を自由に選択して用いることができる。
即席麺への加工は、少なくとも前記第1混捏工程I、前記第2混捏工程II及び成形工程IIIを経た後であれば、いつでも行うことができる。例えば、前記第1混捏工程I、前記第2混捏工程II及び成形工程IIIを経た生麺類の他、更に冷凍処理を行った冷凍麺類や、更に乾燥工程IVを経て得られた乾麺類を用いて即席麺への加工を行うことも可能である。
また、本発明に係る製造方法を用いて得られた麺類は、茹で又は蒸し等の加熱処理を行って、茹で麺又は蒸し麺等として、常温・冷蔵・冷凍の状態で保管・流通させることもできる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
<実験例1>
実験例1では、生地を作製する際の混捏工程を段階的に行うこと、及び、その際の生地の状態に応じて、製麺時の作業性及び製造される麺類の品質(外観及び食感)に差が生じるか否かについて検討した。
(1)麺類用生地の製造
第1混捏工程として、容量4kg用の横軸ピン型ミキサーを用いて、下記表4に示す配合の原料粉と下記表4に示す温度の練水を、下記表4に示すミキシング条件にて混捏し、下記表4に示す生地状態にした。次に、第2混捏工程として、前記横軸ピン型ミキサーを用いて、下記表4に示す配合の原料粉と下記表4に示す温度の練水を、下記表4に示すミキシング条件にて混捏し、下記表4に示す生地状態として麺類用生地を製造した。なお、原料粉として、うどんには昭和産業株式会社製「星空」(登録商標)を、中華麺には昭和産業株式会社製「金蘭」(登録商標)を、それぞれ用いた。また、練水として、うどんには10%食塩水を、中華麺には4%かんすいを、それぞれ用いた。
(2)麺類の製造
前記で得られた麺類用生地を、ロール式製麺法にて、麺類を製造した。具体的には、うどんは切刃角#10番を用いて、麺線厚みが2.50mmとなるように製麺し、中華麺は切刃角#20番を用いて、麺線厚みが1.40mmとなるように製麺した。
(3)評価
[製麺性]
製麺性については、下記の表1に示す評価基準に基づいて評価を行った。
[麺の外観]
麺の外観については、前記で得られた麺類を、それぞれ調理した後、下記の表2に示す評価基準に基づいて評価を行った。具体的には、うどんについては、15分茹でた後、水洗冷却を行い、冷やしうどんとして評価を行った。中華麺については、2分茹でた後、スープに入れ、ラーメンとして評価を行った。
[麺の食感]
麺の食感については、前記麺の外観評価と同様の調理を行った後、下記の表3に示す評価基準に基づいて評価を行った。
(4)結果
結果を下記表4に示す。
表4中、「そぼろ状」とは、直径数cm以下の粒状の生地状態を示し(図2A参照)、「ドウ状」とは一塊の生地、又は直径10cm以上の大きな生地の集まりとなった生地状態を示す(図2B参照、以下、同じ)。
表4に示す通り、原料粉の一部を60℃以上の練水で混捏してそぼろ状とする第1混捏工程と、残りの原料粉を加えて混捏して生地を作製する第2混捏工程と、を行った参考例1〜10は、製麺性、麺の外観及び食感の全てについて、良好であった。
一方、第1混捏工程を行わず、第2混捏工程のみを行った通常の製麺方法を用いた比較例1は、製麺性や麺の外観は良好な結果であったが、麺の食感は劣るものであった。
第1混捏工程のみを行った通常の湯捏ね製麺方法を用いた比較例2は、麺の食感は良好な結果であったが、製麺性と麺の外観は著しく劣るものであった。
また、比較例3〜6は、第1混捏工程及び第2混捏工程を行ったが、第1混捏工程時の生地状態がそぼろ状ではなくドウ状であったために、麺の食感は良好であったが、製麺性と麺の外観は劣るものであった。
第1混捏工程で原料粉の全量を用いて80℃の練水にてそぼろ状の生地を得た後に、4℃の練水を加えて混捏して生地を作製する第2混捏工程を行った比較例7は、麺の食感が劣るものであった。
また、原料粉の全量に対して、短時間のミキシングで80℃の練水を水和させてそぼろ状の生地を得た比較例8は、製麺性と麺の外観が劣るものであった。
以上の結果から、原料粉の一部を60℃以上の練水で混捏する第1混捏工程と、残りの原料粉を加えて混捏して生地を作製する第2混捏工程を行うだけでは、製麺性と麺の外観を向上させることはできず、これらの工程を行うことに加え、第1混捏工程時の生地状態を、そぼろ状とするという全ての条件が揃わなければ、製麺性、麺の外観及び食感の全てについて、良好な結果が得られないことが確認できた。
<実験例2>
実験例2では、原料粉に澱粉を加えた場合の効果について検討した。
(1)麺類用生地の製造
第1混捏工程として、容量4kg用の横軸ピン型ミキサーを用いて、下記表5に示す配合の原料粉と澱粉と80℃の練水とを、下記表5に示すミキシング条件にて混捏し、下記表5に示す生地状態にした。次に、第2混捏工程として、前記横軸ピン型ミキサーを用いて、下記表5に示す配合の原料粉と澱粉と常温の練水とを、下記表5に示すミキシング条件にて混捏し、下記表5に示す生地状態として麺類用生地を製造した。なお、原料粉として、昭和産業株式会社製「星空」(登録商標)を、練水として、10%食塩水を用いた。
(2)麺類の製造
前記で得られた麺類用生地を、前記実験例1のうどんと同様の製法で麺類(うどん)を製造した。
(3)評価
製麺性については、前記実験例1と同様の評価方法に基づいて評価を行った。
麺の外観及び食感については、うどんの茹で時間を12分とした以外は、前記実験例1と同様の評価方法に基づいて評価を行った。
(4)結果
結果を下記表5に示す。
表5の実施例11〜14及び16を比較すると、澱粉の全体量は同一であるが、第1混捏工程で用いた澱粉の量が多くなるほど、製麺性、麺の外観及び食感の全てについて、向上することが分かった。また、実施例15から、澱粉の種類には関わらず、同様の結果が得られることも分かった。
一方、比較例9及び10の結果から、澱粉を用いた場合であっても、第1混捏工程時の生地状態がドウ状であると、製麺性、麺の外観及び食感の全てについて、劣ることが分かった。
<実験例3>
実験例3では、麺類として、乾麺を製造した場合の効果について検討した。
(1)麺類用生地の製造
第1混捏工程として、容量4kg用の横軸ピン型ミキサーを用いて、下記表6に示す配合の原料粉と澱粉と80℃の練水とを、高速4分及び低速2分のミキシング条件にて混捏し、下記表6に示す生地状態にした。次に、第2混捏工程として、前記横軸ピン型ミキサーを用いて、下記表6に示す配合の原料粉と澱粉と常温の練水とを、高速2分及び低速6分のミキシング条件にて混捏し、下記表6に示す生地状態として麺類用生地を製造した。なお、原料粉として、昭和産業株式会社製「星空」(登録商標)を、澱粉として、タピオカ澱粉を、練水として、10%食塩水を用いた。
(2)麺類の製造
前記で得られた麺類用生地を、ロール式製麺法にて、切刃角#12番を用いて、麺線厚みが1.50mmとなるように製麺した後、常法にて乾燥し、乾麺(干しうどん)を製造した。
(3)評価
製麺性については、前記実験例1と同様の評価方法に基づいて評価を行った。
麺の外観及び食感については、うどんの茹で時間を10分とした以外は、前記実験例1と同様の評価方法に基づいて評価を行った。
(4)結果
結果を下記表6に示す。
表6に示す通り、麺類として、乾麺を製造した場合も実験例1と同様の結果が得られたが、乾麺としたことで、実験例1と比べ、実施例17及び18と、比較例11及び12と、の結果の差がより顕著であることが分かった。この結果から、本発明は、乾麺類の製造に好適に用いることができることが分かった。

Claims (6)

  1. タピオカ又はワキシーコーンスターチ由来の澱粉を含む原料粉の一部を60℃以上の練水で混捏してそぼろ状とする第1混捏工程と、
    残りの原料粉を加えて混捏して生地を作製する第2混捏工程と、
    を少なくとも行う麺類用生地の製造方法。
  2. 前記第2混捏工程では更に練水を加えて混捏する、請求項1記載の麺類用生地の製造方法。
  3. 前記第1混捏工程に供される原料粉の比率が、全原料粉の20〜80質量%である、請求項1又は2に記載の麺類用生地の製造方法。
  4. 前記第1混捏工程に供される原料粉中の澱粉の量が、前記第2混捏工程に供される原料粉中の澱粉の量よりも多い、請求項1から3のいずれか一項に記載の麺類用生地の製造方法。
  5. 前記麺類用生地は乾麺類用生地である、請求項1からのいずれか一項に記載の麺類用生地の製造方法。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載の製造方法を用いて製造された麺類用生地を用いた麺類の製造方法。
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