JP5138251B2 - 椅子へのオプション部材の取付構造 - Google Patents

Description

本発明は、ハンガーやヘッドレスト等のオプション部材を、椅子の背凭れに取付けるための構造に関する。

本願出願人は、椅子の背凭れにオプション部材としてのハンガーを取付ける構造の発明について、特許出願を行った（特開２００６−２８０４５５）。
この発明は、背凭れフレームにおけるハンガー取付部に設けた取付孔に、前方から左右１対のボスを備えるねじ座を、ボスを前記取付孔に貫挿させることにより取付けるとともに、後方に突出したボスを利用して、第１部材を取付け、この第１部材の後方から第２部材を、第１部材と第２部材間に、ハンガーの支持杆を挾持させた状態で、取付ねじを前記ボスのねじ孔に螺合することにより、ハンガーを背凭れフレームに取付けるものである。

しかし、ねじ座と第１、２部材の３個の部品を、嵌合等により、簡易に位置決めしているため、取付作業中に、これらの部品が分離しないように十分に注意して作業を行う必要があり、作業効率の向上が望まれるとともに、背凭れフレームに取付孔を穿設しなければならないという問題もあった。
特開２００６−２８０４５５号公報

本発明は、上記の現状に鑑み、背凭れフレームに取付孔を穿設することなく、オプション部材を背凭れに容易かつ強固に取付けることができるとともに、作業効率が良好なオプション部材の取付構造を提供することを目的とする。

本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
（１）椅子の背凭れにオプション部材を取付けるための構造において、オプション部材を、これを支持する支持部を有する取付支持体に取付けるとともに、この取付支持体を、左右方向を向く下向きの凹溝と、左右方向の枢軸と、オプション部材を前後方向に弾性的に挾持して支持する支持部とを有する第１取付部材と、前記枢軸に回動可能に嵌合する嵌合部と、前記凹溝の下部開口を、下方から閉塞する閉塞部とを有する第２取付部材とにより構成し、かつ背凭れのオプション部材取付部に、第１取付部材を、前記凹溝を上方から嵌合させることにより取付け、さらに第２取付部材の前記嵌合部を第１取付部材の前記枢軸に嵌合させて、第２取付部材を第１取付部材に取付けるとともに、第２取付部材の前記閉塞部により、第１取付部材の凹溝の下部開口を下方から閉塞して、第２取付部材を第１取付部材に固定することにより、取付支持体を背凭れのフレームに取付ける。

（２）上記(１)項において、背凭れのオプション部材取付部を、背凭れにおける左右方向を向くフレームとする。

（３）上記(１)項または（２）項において、第１取付部材を、背凭れにおける左右方向を向くフレームのオプション取付部に取付けた状態において、このオプション取付部の前方に、第１取付部材における枢軸、後方に、第１取付部材におけるオプション部材を支持する支持部が、それぞれ位置するようにする。

（４）上記(１)項〜(３)項のいずれかにおいて、第２取付部材における閉塞部をもって、第１取付部材における下向き凹溝の下部開口を閉塞した状態において、両取付部材に、相互に当接する傾斜面を形成するとともに、第１取付部材の枢軸と嵌合する、第２取付部材の嵌合部が設けられた端部と反対側の第２取付部材の端部に取付孔を穿設し、この取付孔を挿通させた取付ねじをもって、第２取付部材を第１取付部材に螺締することにより、前記両傾斜面を圧接させるようにする。

本発明によると、次のような効果が奏せられる。
上記(１)項記載の発明によれば、オプション部材を、これを支持する支持部を有する取付支持体に取付けるとともに、この取付支持体を、第１取付部材と第２取付部材とにより構成し、背凭れのオプション部材取付部に、第１取付部材の凹溝を上方から嵌合させることにより、第１取付部材をフレームに取付け、かつ第２取付部材の嵌合部を、第１取付部材の枢軸に嵌合させて、第２取付部材を第１取付部材に取付けるとともに、第２取付部材を回動させて、第１取付部材の凹溝の下部開口を、第２取付部材の閉塞部により下方から閉塞して、第２取付部材を第１取付部材に固定することにより、オプション部材が背凭れのフレームに取付けられるため、フレームに取付孔を穿設する必要がなく、かつオプション部材を背凭れに容易に強固に取付けることができ、さらに作業効率も優れて良好である。
また、第１取付部材に、オプション部材を支持する支持部が設けられているため、オプション部材を予め第１取付部材に支持させた後に、第１取付部材と第２取付部材からなる取付支持体を、背凭れのフレームに固定する作業を行うことができ、小さい部品の第１取付部材を直接握持することなく、オプション部材を握持して作業を行うことができるため、作業効率を一層向上させることができる。
さらに、第１取付部材における支持部が、オプション部材を前後方向に弾性的に挾持する構造となっているため、オプション部材を第１取付部材に容易に安定よく支持させることができるとともに、オプション部材を予め第１取付部材に支持させた後に、第１取付部材と第２取付部材とからなる取付支持体を、背凭れのフレームに固定する際にも、効率よく作業を行うことができる。

上記(２)項記載の発明によれば、第１取付部材の凹溝を、左右方向を向くフレームのオプション部材取付部に、上方から嵌合させて、第１取付部材をフレームのオプション部材取付部に取付ける際の作業を容易に行うことができる。

上記(３)項記載の発明によれば、第１取付部材において、枢軸とオプション部材の支持部とが、前後方向に離間しているため、第２取付部材の嵌合部を、第１取付部材の枢軸に嵌合させて回動し、第２取付部材を第１取付部材に固着する作業を行う際に、第２取付部材の回動を、オプション部材と干渉することなく、容易に行うことができる。

上記(４)項記載の発明によれば、第１取付部材と第２取付部材の両傾斜面が圧接されるため、第１取付部材と第２取付部材同士の固着が、より強固なものとなる。

以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図１は、オプション部材としてのハンガーを、椅子の背凭れに取付けた本発明の一実施形態を示す要部後方斜視図、図２、図３は、それぞれ同じく要部の正面図、側面図である。図４は、ハンガーの前方斜視図である。

オプション部材としてのハンガー１は、椅子の背凭れ２における左右方向の上部フレーム３に、取付支持体４により取付けられている。上部フレーム３は、平面視において後向きに突出する緩やかな湾曲をなしている（図１９参照）。

ハンガー１は、ハンガー本体５と、このハンガー本体５を支持する左右１対の支持杆６、６とにより構成されている。

ハンガー本体５は、背広等が掛けられる程度の長さに左右方向に延びている。ハンガー本体５を支持する左右１対の支持杆６、６は、互いに平行な下部支持杆７、７と、各下部支持杆７、７の上端から上方に向けて互いに離間する方向に湾曲しつつ、ハンガー本体５の左右両端部へと至り、かつ断面積が下部支持杆７側からハンガー本体５側に向けて漸次減少していく上部支持杆８、８と、下部支持杆７、７の下端から下方に向かうに従って、互いに接近する方向に湾曲された連結杆９、９とよりなり、両下部支持杆７、７は、両連結杆９、９を介して、その下端において、相互に連結されている。

上部支持杆８、８の上端を、図示を省略したビスをもってハンガー本体５の下面における左右端近傍に止着することにより、支持杆６、６はハンガー本体５に取付けられている。図４に示すように、下部支持杆７、７の前面には、側面視において、山形突起が上下方向に連続する波形面部１０が設けられている。

取付支持体４は、第１取付部材１１と第２取付部材１２とより構成されている。

図５〜図１０は、それぞれ第１取付部材１１の前方斜視図、後方斜視図、正面図、平面図、底面図、側面図である。図１１〜図１５は、それぞれ第２取付部材１２の前方斜視図、後方斜視図、正面図、平面図、側面図である。

第１取付部材１１は、本体部１３と後面板１４と前面版１５とより構成されている。

本体部１３は、左右方向に長い、四辺形状の天板１７の下面における左右端近傍に、側面版１８、１８が設けられ、天板１７の下面には、左右１対のねじ孔１９、１９が設けられている（図９参照）。

後面板１４は、その左右端１４ａ、１４ａが、本体部１３の天板１７よりも左右にはみ出した状態で、本体部１３の後面に一体化されている。

本体部１３における天板１７の前端縁には、前部が下向きに湾曲した前面版１５が一体的に設けられている。

前面板１５の上面１５ａと、本体部１３における天板１７の上面１７ａと、後面板１４の上端縁１４ｂは、同一平面上に一体化されている。

前面板１５における前板１５ａは、平面視において、前方に凹状に緩やかに湾曲している。前面板１５の内面と本体部１３の前面とにより、左右方向に下向きの凹溝２０が形成されている。この凹溝２０は、後記するように、第１取付部材１１を上方から、背凭れ２の上部フレーム３におけるオプション部材取付部３ａに嵌合させて第１取付部材１１を上部フレーム３に取付けるためのものである。

第１取付部材１１における前板１５ａが前方に凹状に緩やかに湾曲しているため、同様に湾曲した上部フレーム３に、第１取付部材１１を良好に取付けることができる。

前記前板１５ａの前面における左右端近傍には、それぞれ左右１対の側面視ほぼ三角形状の取付片２１、２１が突設されており、これら１対の取付片２１、２１間に左右方向の枢軸２２が設けられている。

本体部１３における左右側面板１８、１８の左右方向の外側面には、前後方向に弾性変形可能に嵌合部２３が突設されている。図１０に示すように、嵌合部２３の後端縁は、後向きＶ字状の凹状面２３ａをなし、前端縁は、前方に傾斜する傾斜面２３ｂをなしている。

図１１〜図１５に示すように、第２取付部材１２は、基板部２４と嵌合部２５と取付部２６とより構成されている。基板部２４は、後方に傾斜するとともに、後方に凸状に緩やかに湾曲した縦片２４ａと、この縦片２４ａの下端から前向きに延設された横片２４ｂとより形成されている。基板部２４における横片２４ｂの前端縁には、左右１対の下向きに開口するフック状の嵌合部２５、２５が設けられている。縦片２４ａの後面における左右端近傍には、側面視ほぼ三角形状の突出部２７が設けられており、この突出部２７の後面上半部は、前方に傾斜する傾斜面２７ａをなしている。

基板部２４における縦片２４ａの後面中央には、側面視下向きコ字状の取付部２６が設けられ、この取付部２６には、左右１対の上下方向の通孔２８、２８が穿設されている。

次に、これら第１取付部材１１と第２取付部材１２とを用いて、ハンガー１を、背凭れ２の上部フレーム３に取付ける手順について説明する。

図１６は、前記手順を示す図であり、図２におけるＸＶＩ〜ＸＶＩ線断面図である。

図１７〜図１９は、それぞれ図２におけるＸＶＩＩ〜ＸＶＩＩ線断面図、ＸＶＩＩＩ〜ＸＶＩＩＩ線断面図、ＸＩＸ〜ＸＩＸ線断面図である。

まず、オプション部材１を、第１取付部材１１に支持させる。第１取付部材１１において、前面板１５と後面板１４との間に形成されている左右方向の外側向きに開口する左右１対の凹嵌部２９、２９が、オプション部材１の支持部となっている。

第１取付部材１１を、オプション部材１における左右の上部支持杆８、８間に位置させて、下方に向けて移動させ、第１取付部材１１における前記左右の凹嵌部２９、２９を下部支持杆７、７に嵌合させるとともに下部支持杆７の波形面部１０における山形部を、第１取付部材１１における嵌合部２３の凹状面２３ａに嵌合させる（図１６（ａ）参照）。

嵌合部２３は、前後方向に弾性変形可能となっているため、この弾性力と、前記山形部１０ａと凹状面２３との嵌合により、ハンガー１は、第１取付部材１１に位置を安定よく支持される。

次いで、図１６（ａ）に示すように、第１取付部材１１における凹溝２０を、背凭れ２における上部フレーム３のオプション部材取付部３ａに上方から勘合させることにより、第１取付部材１１を上部フレーム３に取付ける。

次に、第２取付部材１２を、天地逆にして、その嵌合部２５を、第１取付部材１１の枢軸２２に下方から嵌合させて、第２取付部材１２を第１取付部材１１に取付ける。

次に、図１６（ｂ）に示すように、第２取付部材１２を矢印Ａの向きに回動させて、図１６（ｃ）に示すように、第１取付部材１１における凹溝２０の下部開口を、第２取付部材１２を持って閉塞する。第２取付部材１２における基板部２４の横片２４ｂと、突出部２７とが閉塞部として機能している。

次に、図１７に示すように、取付ねじ３０を、第２取付部材１２における取付部２６の通孔２８を貫挿させて、第１取付部材１１における天板１７の下面に設けられたねじ孔１９に螺合して、第２取付部材１２を第１取付部材１１に螺締する。

これによって、第１取付部材１１における嵌合部２３の傾斜面２３ｂと、第２取付部材１２における突出部２７の傾斜面２７ａとは、相互に圧接し（図１６（ｃ）参照）、第１取付部材１１と第２取付部材１２同士が強固に固着されるとともに、この圧接により、第１取付部材１１の嵌合部２３が後方に押されて、ハンガー１が一層位置安定よく取付支持体４に支持される。
なお、実施例においては、オプション部材として、ハンガーを例にとり説明したが、その他、ヘッドレスト等の任意のオプション部材の取付に本発明を適用できる。

オプション部材としてのハンガーを、椅子の背凭れに取付けた本発明の一実施形態を示す要部後方傾斜視図である。 図１に示した本発明の一実施形態の正面図である。 同じく、側面図である。 ハンガーの前方斜視図である。 第１取付部材の前方斜視図である。 同じく、第１取付部材の後方斜視図である。 同じく、第１取付部材の正面図である。 同じく、第１取付部材の平面図である。 同じく、第１取付部材の底面図である。 同じく、第１取付部材の側面図である。 第２取付部材の前方斜視図である。 同じく、第２取付部材の後方斜視図である。 同じく、第２取付部材の正面図である。 同じく、第２取付部材の平面図である。 同じく、第２取付部材の側面図である。 第１取付部材と第２取付部材とを用いて、ハンガーを背凭れの上部フレームに取付ける手順を示す断面図である。 図２におけるＸＶＩＩ〜ＸＶＩＩ線断面図である。 同じく、図２におけるＸＶＩＩＩ〜ＸＶＩＩＩ線断面図である。 同じく、図２におけるＸＩＸ〜ＸＩＸ線断面図である。

１ ハンガー（オプション部材）
２ 背凭れ
３ 上部フレーム
３ａ オプション部材取付部
４ 取付支持体
５ ハンガー本体
６ 支持杆
７ 下部支持杆
８ 上部支持杆
９ 連結杆
１０ 波形面部
１０ａ 山形部
１１ 第１取付部材
１２ 第２取付部材
１３ 本体部
１４ 後面板
１５ 前面板
１７ 天板
１８ 側面板
１９ ねじ孔
２０ 凹溝
２１ 取付片
２２ 枢軸
２３ 嵌合部
２３ａ 凹状面
２３ｂ 傾斜面
２４ 基板部
２４ａ 縦片
２４ｂ 横片
２５ 嵌合部
２６ 取付部
２７ 突出部
２７ａ 傾斜面
２８ 通孔
２９ 凹嵌部（支持部）
３０ 取付ねじ

Claims (4)

1. 椅子の背凭れにオプション部材を取付けるための構造において、オプション部材を、これを支持する支持部を有する取付支持体に取付けるとともに、この取付支持体を、左右方向を向く下向きの凹溝と、左右方向の枢軸と、オプション部材を前後方向に弾性的に挾持して支持する支持部とを有する第１取付部材と、前記枢軸に回動可能に嵌合する嵌合部と、前記凹溝の下部開口を、下方から閉塞する閉塞部とを有する第２取付部材とにより構成し、かつ背凭れのオプション部材取付部に、第１取付部材を、前記凹溝を上方から嵌合させることにより取付け、さらに第２取付部材の前記嵌合部を第１取付部材の前記枢軸に嵌合させて、第２取付部材を第１取付部材に取付けるとともに、第２取付部材の前記閉塞部により、第１取付部材の凹溝の下部開口を下方から閉塞して、第２取付部材を第１取付部材に固定することにより、取付支持体を背凭れのフレームに取付けたことを特徴とする椅子へのオプション部材の取付構造。
2. 背凭れのオプション部材取付部を、背凭れにおける左右方向を向くフレームとしたことを特徴とする請求項１記載の椅子へのオプション部材の取付構造。
3. 第１取付部材を、背凭れにおける左右方向を向くフレームのオプション取付部に取付けた状態において、このオプション取付部の前方に、第１取付部材における枢軸、後方に、第１取付部材におけるオプション部材を支持する支持部が、それぞれ位置するようにしたことを特徴とする請求項１または２に記載の椅子へのオプション部材の取付構造。
4. 第２取付部材における閉塞部をもって、第１取付部材における下向き凹溝の下部開口を閉塞した状態において、両取付部材に、相互に当接する傾斜面を形成するとともに、第１取付部材の枢軸と嵌合する、第２取付部材の嵌合部が設けられた端部と反対側の第２取付部材の端部に取付孔を穿設し、この取付孔を挿通させた取付ねじをもって、第２取付部材を第１取付部材に螺締することにより、前記両傾斜面を圧接させるようにしたことを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の椅子へのオプション部材の取付構造。

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