JP5130718B2 - ニッケル−水素蓄電池用負極およびニッケル−水素蓄電池 - Google Patents

ニッケル−水素蓄電池用負極およびニッケル−水素蓄電池 Download PDF

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Description

本発明は、ニッケル−水素蓄電池に関し、特に水素吸蔵合金を主成分とする負極の改良に関するものである。
水素吸蔵合金を含む負極を用いたニッケル−水素蓄電池は、従来のニッケル−カドミウム蓄電池に比べて、環境に優しくエネルギー密度が高いという特徴を有し、通信機器・パソコンなど各種のコードレス機器や電子機器の電源として、あるいは大電流での充放電が不可欠な電動工具や電気自動車の電源として用いられている。このような用途の拡大に相応して、さらなる充放電特性の向上が望まれている。
従来のニッケル−水素蓄電池用負極は、微粉化した水素吸蔵合金粉末にポリテトラフルオロエチレン、スチレンブタジエンラバーのような結着剤、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアルコールのような増粘剤を加え、これらを水で混練してペースト化し、そのペーストを芯材であるパンチングメタルに塗着、乾燥・加圧して活物質層を形成することにより構成される。
このようにして製造されたニッケル−水素蓄電池用負極の水素吸蔵合金粉末は、表面が結着剤で被覆されるために合金粉末間の導電性の低下を招きやすい。導電性が低下すると、充放電に関与しない合金粉末の割合が増加することによって、電池の過充電時の内圧上昇や大電流放電特性の低下を招くという問題がある。
上記問題を解決するために、導電剤として負極内に炭素粉末を添加する技術(例えば特許文献1)により水素吸蔵合金粉末間の導電性を高める方法が報告されている。ただし単に導電性を高めるだけでは過充電時の内圧上昇を抑えるには不十分であり、炭素粉末の表面の少なくとも一部の領域を金属被膜で被う技術(例えば特許文献2)や、導電剤として0.2〜3重量%の炭素が含有されているニッケル粉末を用いる技術(例えば特許文献3)を用いることにより、併せてガス吸収反応を促進することが有効と考えられる。
特開平11−185745号公報 特開平11−111298号公報 特開平07−065826号公報
しかしながらニッケル−水素蓄電池を急速で充電した場合、特許文献2の技術を用いてもなお十分に電池内圧を抑制できないという問題があった。また特許文献3は急速充電における電池内圧の抑制効果は高いが、大電流放電特性を十分に向上できないという問題があった。
本発明は上記課題を解決するもので、電池の内圧上昇を抑制するとともに、大電流放電特性に優れた大容量なニッケル−水素蓄電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明のニッケル−水素蓄電池用負極は、導電性支持体上に水素吸蔵合金粉末と炭素粉末とを含む活物質層を設けた構成において、前記炭素粉末の少なくとも一部にイオウおよびリンから選ばれる少なくとも1つの非金属元素を含有させたことを特徴とする。
導電剤である炭素粉末の内部に非金属元素を含有させることによって、理由は不明だが電池内で発生する酸素ガスとの親和性と導電性の双方が高まる。導電性が高まることによって大電流放電特性が向上するだけでなく急速充電時のロス反応(ガス発生反応)が抑制できる。また急速充電時に発生した酸素ガスは本発明の炭素材料が有するガス親和性によって水に還元されるので、電池内圧の上昇を大幅に低減できる)。
上述の本発明の構成によれば、炭素粉末に良好な導電性とガス親和性とが付与できるので、急速充電を行った場合でも内圧上昇が抑止でき、かつ大電流放電特性に優れたニッケル−水素蓄電池を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
第1の発明は、導電性支持体上に水素吸蔵合金粉末と炭素粉末とを含む活物質層を設けた構成において、前記炭素粉末の少なくとも一部にイオウおよびリンから選ばれる少なくとも1つの非金属元素を含有させたことを特徴とするニッケル−水素蓄電池用負極に関する。導電剤である炭素粉末の内部に非金属元素を含有させることによって、理由は不明だが電池内で発生する酸素ガスとの親和性と導電性の双方が高まる。導電性が高まることによって大電流放電特性が向上するだけでなく急速充電時のロス反応(ガス発生反応)が抑制できる。また急速充電時に発生した酸素ガス本発明の炭素材料が有するガス親和性によって負極に導かれた後、水素吸蔵合金に吸蔵された水素と反応して水に還元されるので、電池内圧の上昇を大幅に低減できる。
第1の発明において、炭素粉末の全てが非金属元素を含有する必要はなく、少なくとも粉末の一部が非金属元素を含有していれば、第1の発明の効果は発現される。また上記非金属元素のうち1種のみを炭素粉末に含有させてもよく、非金属元素を2種とも炭素粉末に含有させてもよい。
なおこの炭素粉末の比表面積は特に限定されないが、1000〜5000m2/gの範囲であるのが好ましい。本発明においてガス親和性は炭素粉末の比表面積に比例するので、比表面積が1000m2/g未満の場合はガス親和性が不十分となり、過充電時の内圧上昇が増大する。一方で比表面積が5000m2/gを超えると、活物質層を形状保持する役割を担う結着剤が炭素粉末に過剰に吸収されるために強度が損なわれ、導電性基板からの活物質層の剥離を生じやすくなる。なお比表面積の好適範囲は全ての炭素粉末に対する平均値として計算されるものであって、全ての炭素粉末がこの好適範囲内である必要はない。
また炭素粉末の嵩密度は特に限定されないが、0.05〜0.09g/cm3の範囲であるのが好ましい。嵩密度が0.05g/cm3未満の場合、活物質層の前駆体である炭素粉末を含むペーストを調整する際にペースト粘度が高くなりすぎて活物質層の作製が困難となる。逆に嵩密度が0.09g/cm3を越える場合、炭素粉末が凝集しやすくなって負極内での分散が不均一となり、導電性が若干低下する。なお嵩密度の好適範囲は全ての炭素粉末に対する平均値として計算されるものであって、全ての炭素粉末がこの好適範囲内である必要はない。
さらに炭素粉末の添加量は特に限定されないが、水素吸蔵合金100重量部に対し0.1〜1.0重量部の範囲であるのが好ましい。添加量が0.1重量部未満になると水素吸蔵合金粉末間に炭素粉末が均一に配置されないので、導電性およびガス親和性が十分に向
上できない。一方添加量が1.0重量部を超えると負極の単位体積当たりの水素吸蔵合金量が減少するだけでなく活物質層を形状保持する役割を担う結着剤が炭素粉末に過剰に吸収されるために強度が損なわれ、導電性基板からの活物質層の剥離を生じやすくなる。
第2の発明は、第1の発明において、炭素粉末における非金属元素の含有量を0.001〜1.50重量%としたことを特徴とする。この含有量が0.001重量%未満の場合はガス親和性が低下するので好ましくなく、1.50重量部を超える場合はこれらの非金属元素を炭素粉末中に添加しづらくなるので好ましくない。なおこの含有量の好適範囲は全ての炭素粉末に対する平均値として計算されるものであって、全ての炭素粉末がこの好適範囲内である必要はない。
第3の発明は、第1の発明において、炭素粉末の少なくとも一部に、さらにNi、Co、Ca、Fe、Mg、Mn、TiおよびVからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属元素を含有させたことを特徴とする。上述した金属元素を添加することにより炭素粉末の導電性を高めることができるので、大電流放電特性をさらに向上させることが可能となる。なお炭素粉末の全てが金属元素を含有する必要はなく、少なくとも粉末の一部が金属元素を含有していれば、第3の発明の効果は発現される。
なお第3の発明において、炭素粉末における金属元素の含有量は特に限定されないが、0.001〜1.50重量%の範囲であるのが好ましい。この含有量が0.001重量%未満の場合は炭素粉末の導電性がさほど向上しないので好ましくなく、1.50重量部を超える場合は炭素粉末に含有しにくくなる。なおこの含有量の好適範囲は全ての炭素粉末に対する平均値として計算されるものであって、全ての炭素粉末がこの好適範囲内である必要はない。
第4の発明は、第1の発明において、炭素粉末のジブチルフタレート吸収量(以下DBP吸油量と称する)を400ml/100g以上としたことを特徴とする。DBP吸油量は炭素粉末の導電性の尺度であり、この値が400ml/100gの炭素粉末を用いることにより、高い導電性を有するニッケル−水素蓄電池用負極を作製することができる。なお本発明の炭素粉末に関するDBP吸油量の上限値は特にないが、製造時のハンドリングを考慮すると、一般的には450ml/100g以下の炭素粉末が実用的である。またDBP吸油量の好適範囲は全ての炭素粉末に対する平均値として計算されるものであって、全ての炭素粉末がこの好適範囲内である必要はない。
第5の発明は、第1の発明において、炭素粉末を一次粒子が凝集した二次凝集粒としたことを特徴とする。このような炭素粉末は適度な大きさのため極板を製造し易いという利点を有する。ここで特に限定されないが一次粒子の平均粒子径が5〜30nm、二次凝集粒の平均粒子径が5〜20μmの範囲であるのが好ましい。一次粒子の平均粒子径が30nmを超えると導電性を確保するための鎖状の形成が不十分となり、炭素粉末の導電性がやや低下する。また一次粒子の平均粒子径が5nm未満になると炭素粉末の導電性やガス吸収性は十分なものの炭素粉末の製造が困難となるので、実用的ではない。一方凝集粒の平均粒子径が20μmを超えると分散性が低下して負極内で水素吸蔵合金粉末との接触が不均一になり、導電性がやや不十分になる。逆に凝集粒の平均粒子径が5μm未満になると炭素粉末の導電性やガス吸収性は十分なもののペーストの粘度が過剰になって負極の製造が困難となるので、実用的ではない。
第5の発明における炭素粉末は、芳香族炭化水素を高温下にて噴霧して作製できる。このような方法として代表的なのは不完全燃焼法であるオイルファーネス法である。以下この作製法について詳述する。まず2000℃以上の耐熱性を有する炉を1800℃近傍に昇温する。次に原料油として所定量の非金属元素を添加した芳香族炭化水素油を炉内にお
ける高温の反応部に連続的に噴霧し、空気と反応させる。得られた炭素粉末を捕集した後、粉砕・分級することにより第5の発明の炭素粉末が得られる。なお温度、時間および粉砕の条件を制御することにより、炭素粉末の粒子径を制御することができる。
製造した炭素粉末は、個々の粒子どうしが融着した連鎖状となる。個々の球状粒子は凝集ユニット表面の凹凸を特徴づけていて炭素粉末の粒子径はこれらを単一粒子(1次粒子)と見なして表される。このような粒子の数個ないし数百個から成る連鎖状凝集体は二次凝集粒と見なして表される。
本発明のニッケル−水素蓄電池用負極は、例えば以下の方法によって作製できる。まず本発明の炭素粉末を、水素吸蔵合金粉末、結着剤および純水と共に混練してペーストを調製し、作製したペーストを導電性支持体に塗着して活物質層を形成させ、乾燥した後、圧延成形するという方法である。
水素吸蔵合金粉末の組成は特に限定されるものではない。例えばCaCu5型構造を有するAB5系合金、ラーベス相構造(MgCu2型又はMgZn2型)を有するAB2系合金、CsCl型構造を有するAB系合金、またはMg2Ni型構造を有するA2B系合金などを使用するのが好ましい。これらの水素吸蔵合金粉末の平均粒子径は、活物質層における充填性などを考慮すると、10〜50μmであるのが好ましい。
結着剤にはスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを用いることができる。また上述したペーストを塗着しやすいものにするために、カルボキシメチルセルロース誘導体(CMC)やポリビニルアルコール(PVA)などの増粘剤を添加するのも好ましい。
導電性支持体にはニッケル−水素蓄電池の負極電位下において電気化学的に安定な構成を有するものを用いることができる。具体的には箔、穿孔板や三次元多孔体でニッケル製のものや、表面がニッケルメッキされているものなどを挙げることができる。
第6の発明は、上述した第1〜5のいずれかの発明のニッケル−水素蓄電池用負極を用いたことを特徴とするニッケル−水素蓄電池に関する。具体的には、第1〜5のいずれかの発明のニッケル−水素蓄電池用負極を、水酸化ニッケルを活物質とする正極とセパレータ(親水基を付与したポリプロピレン不織布など)を介して対峙させ、アルカリ水溶液(KOH、NaOH、LiOHなど)を注入することにより、本発明のニッケル−水素蓄電池が構成される。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
(電池A1)
(i)炭素粉末の作製
上述したオイルファーネス法に基づき、以下のように作製した。まず2000℃の耐熱性を有する炉を1800℃に昇温した。次に原料油としてプソイドクメン(芳香族炭化水素油C63(CH33)に0.045重量%の白リンを添加したものを炉内における高温の反応部に連続的に噴霧した。得られた炭素粉末を捕集して乳鉢で磨り潰し、325メッシュのふるいで分級し、非金属元素としてリンを含有する炭素粉末を作製した。
この炭素粉末について元素分析したところ、炭素粉末に対し0.05重量%相当のリン
が存在することが分かった。このリンの分布を調べるため、電子線マイクロアナライザ(EPMA)を用いて炭素粉末の断面を分析したところ、炭素粉末の内部からリンが検出された。この結果から、リンは炭素粉末の層間に侵入しているものと推定される。続いてJIS−K−6217に準拠した方法で、C.W.Brabender社製Absorpmeter−E型を用いたDBP吸油量の測定結果は410ml/100gであった。また島津製ASAP2000比表面積測定装置を用いたガス吸収法での比表面積の測定結果は2100m2であった。加えて嵩密度測定機(島津製乾式密度計アキュピック1330)を用いた嵩密度の測定結果は0.065g/cm3であった。さらに島津製SALD−2001レーザ式粒度分布測定装置(レーザ回折法)を用いた平均粒子径の測定結果は11.5μmであった。この炭素粉末を日本電子製JEOL JSM−5900LV電子顕微鏡を用いて観察したところ一次粒子が凝集した二次凝集粒であったので、同装置を用いて一次粒子の平均粒子径を測定した結果、13nmであった。
(ii)負極の作製
組成がMmNi3.55Co0.75Mn0.4Al0.3で表わされる水素吸蔵合金をボールミルで粉砕して平均粒子径24μmの粉末を得た。この水素吸蔵合金粉末の100重量部と、上述した炭素粉末を0.3重量部と、増粘剤であるCMCを0.15重量部と、結着剤であるSBRを0.8重量部とを分散媒である水と混合してペーストを作製した。このペーストを導電性支持体であるパンチングメタル(穿孔鋼板にニッケルメッキを施したもの)に塗着して活物質層を形成させ、乾燥および圧延を行って厚み0.33mm、幅3.5cm、長さ31cmに切断することによって負極を作製した。
(iii)ニッケル−水素蓄電池の作製
上述した負極を、セパレータ(親水基を付与したポリプロピレン製不織布)を介して公知のペースト式ニッケル正極(幅3.5cm、長さ26cm、厚み0.57mm)と組み合わせて渦巻き状に捲回して電極群を構成し、SCサイズの電池ケースに収納した。比重1.30の水酸化カリウム水溶液に40g/Lの割合で水酸化リチウムを溶解した電解液を注入した後、ケースの上部を封口板で密閉し、公称容量3000mAhのニッケル−水素蓄電池を作製した。これを電池A1とする。
(電池A2)
電池A1に対して、炭素粉末に含有させたリンをイオウに代えた(炭素粉末の物性値や非金属元素の添加量は全て電池A1と同様)こと以外は、電池A1と同様に構成したニッケル−水素蓄電池を電池A2とする。
(電池A3)
電池A1に対して、炭素粉末に非金属元素を含有させなかった(炭素粉末の物性値は全て電池A1と同様)こと以外は、電池A1と同様に構成したニッケル−水素蓄電池を電池A3とする。
上述した電池を25℃環境下で一日放置した後、20℃において300mAで15時間充電し、電池の端子電圧が1.0Vになるまで600mAで放電する充放電サイクルを2サイクル行い、初期活性化を行った。その後、20℃において3000mAの電流で1.2時間充電して、それぞれの電池内圧を測定した。結果を(表1)に示す。また20℃において3000mAで1.2時間充電し、電池の端子電圧が1.0Vになるまで3000mAで放電する充放電サイクルを10サイクル行った後、20℃において3000mAで1.2時間充電し、電池の端子電圧が0.8Vになるまで30Aで放電を行った。この30A放電時の平均放電電圧を(表1)に示す。さらに20℃において3000mAで1.2時間充電し、600mAで電池電圧が1.0Vになるまで放電した。600mA放電時の放電容量を100%とし、これに対する30A放電時の放電容量比率を(表1)に示す
本発明の電池A1およびA2は、比較例である電池A3に比べて大電流放電特性が優れているだけではなく、過充電時における電池の内部圧力の上昇が抑制されていた。この理由は以下のように考えられる。すなわち、非金属元素を含有させた炭素粉末は導電性およびガス吸収性が高いため、電池の過充電時や大電流充電時に電池の内圧が上昇することを抑制できたと考えられる。これに対して電池A3は炭素材料の熱伝導性が十分ではなかったために、上述した効果が得られなかったと考えられる。
(電池B1〜B8)
電池A1に対し、炭素粉末の作製において芳香族炭化水素油であるプソイドクメンに添加する白リンの量を比例的に変化させ、炭素粉末に対するリンの量を0.0005重量%(電池B1)、0.001重量%(電池B2)、0.005重量%(電池B3)、0.10重量%(電池B4)、0.50重量%(電池B5)、1.0重量%(電池B6)、1.5重量%(電池B7)、1.65重量%(電池B8)としたこと以外は、電池A1と同様に構成したニッケル−水素蓄電池を電池B1〜B8とする。
上述した電池を実施例1と同様の方法で初期活性化を行い、電池内圧測定および大電流放電特性の評価を行った。結果を電池A1とともに(表2)に示す。
(表2)に示されるように、非金属元素の含有量が増加するに従って、負極のガス親和性が高くなり、電池内部圧力が低減する。しかしながら非金属元素の含有量が0.001重量%未満の電池B1は本発明の効果が十分に発揮できないため、内圧抑制効果の向上が不充分となる。一方で非金属元素の含有量が1.5重量%を超える電池B8は良好な電池内圧特性を示すが、非金属元素を炭素粉末中に添加しづらくなるため、生産歩留が低下するという課題が生じた。この傾向は非金属元素をリンからイオウに変えた場合も同等であった。よって炭素粉末における非金属元素の含有量は、0.001〜1.50重量%が望ましい。
(電池C1〜C5)
電池A1に対し、炭素粉末の作製において炉内温度および粉砕条件を変化させることにより炭素粉末のDBP吸油量を377ml/100g(電池C1)、389ml/100g(電池C2)、400ml/100g(電池C3)、420ml/100g(電池C4)、433ml/100g(電池C5)としたこと以外は、電池A1と同様に構成したニッケル−水素蓄電池を電池C1〜C5とする。
上述した電池を実施例1と同様の方法で初期活性化を行い、電池内圧測定および大電流放電特性の評価を行った。結果を電池A1とともに(表3)に示す。
(表3)に示されるように、DBP吸油量が増加するに従って、負極の導電性が高くなり、大電流放電特性向上および電池内部圧力の低減に対して効果が大きくなる。この理由として、水素吸蔵合金粉末間の接触抵抗が低減することによって電極反応が活性化し、充電時に水素が負極表面近傍の水素吸蔵合金にも容易に吸蔵されるため、電池の大電流充放電特性が向上するとともに水素ガスの漏出による電池内圧の上昇が防止できた結果と考えられる。しかしながらDBP吸油量が400ml/100gより小さい電池C1およびC2は上述した効果が十分ではない。この結果からDBP吸油量は400ml/100g以上が好適範囲であることがわかる。
(電池D1〜D8)
電池A1に対して、炭素粉末にさらに炭素粉末に対して0.03重量%のNi(電池D1)、Co(電池D2)、Ca(電池D3)、Fe(電池D4)、Mg(電池D5)、Mn(電池D6)、Ti(電池D7)、V(電池D8)を加えたこと以外は、電池A1と同様に構成したニッケル−水素蓄電池を電池D1〜D8とする。
上述した電池を実施例1と同様の方法で初期活性化を行い、電池内圧測定および大電流放電特性の評価を行った。結果を電池A1とともに(表4)に示す。
(表4)に示されるように、非金属元素に加え金属を含有する炭素粉末を用いることにより導電性がより高くなるため、水素吸蔵合金粉末間の接触抵抗が低減することによって電極反応が活性化し、充電時に水素が負極表面近傍の水素吸蔵合金にも容易に吸蔵されるため、電池の大電流充放電特性が向上するとともに水素ガスの漏出による電池内圧の上昇が防止できた結果と考えられる。
本発明の効果は全てのニッケル−水素蓄電池に対して利用が可能であるが、特に容量が大きい場合に顕著な効果を発揮できる。従って電動工具や電気自動車の電源として本発明の技術を展開したときに大きな効果が見込める。

Claims (6)

  1. 導電性支持体上に水素吸蔵合金粉末と炭素粉末とを含む活物質層を設けたニッケル−水素蓄電池用負極であって、
    前記炭素粉末の少なくとも一部に、イオウおよびリンから選ばれる少なくとも1つの非金属元素を含有させたことを特徴とするニッケル−水素蓄電池用負極。
  2. 前記炭素粉末における前記非金属元素の含有量を0.001〜1.50重量%としたことを特徴とする、請求項1記載のニッケル−水素蓄電池用負極。
  3. 前記炭素粉末の少なくとも一部に、さらにNi、Co、Ca、Fe、Mg、Mn、TiおよびVからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属元素を含有させたことを特徴とする、請求項1記載のニッケル−水素蓄電池用負極。
  4. 前記炭素粉末のジブチルフタレート吸収量を400ml/100g以上としたことを特徴とする、請求項1記載のニッケル−水素蓄電池用負極。
  5. 前記炭素粉末を一次粒子が凝集した二次凝集粒としたことを特徴とする、請求項1記載のニッケル−水素蓄電池用負極。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のニッケル−水素蓄電池用負極を用いたことを特徴とするニッケル−水素蓄電池。
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