JP2007311207A - 非水電解液二次電池用負極材料およびそれを用いた非水電解液二次電池、ならびに非水電解液二次電池用負極材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高容量かつ優れた充放電サイクル特性を有する非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】リチウムと合金化可能な元素を含む活物質粒子と、前記活物質粒子の表面に担持されたカーボンナノファイバとを含む複合粒子からなる非水電解液二次電池用負極材料であって、前記カーボンナノファイバは、空気中での20℃/minの昇温において550℃を超える温度域のみにおいて焼失する。
【選択図】図1
【解決手段】リチウムと合金化可能な元素を含む活物質粒子と、前記活物質粒子の表面に担持されたカーボンナノファイバとを含む複合粒子からなる非水電解液二次電池用負極材料であって、前記カーボンナノファイバは、空気中での20℃/minの昇温において550℃を超える温度域のみにおいて焼失する。
【選択図】図1
Description
本発明は、非水電解液二次電池用負極材料およびそれを用いた非水電解液二次電池、ならびに非水電解液二次電池用負極材料の製造方法に関する。
近年、電池の高エネルギー密度化のために、理論容量密度の高い負極活物質として、リチウムと合金化可能なSi、Sn、またはPbやこれらの酸化物および合金などを用いることが検討されている。しかし、これらの材料は、リチウムの吸蔵・放出にともなう体積変化が非常に大きく、充放電サイクル時に膨張と収縮を繰り返すため、活物質粒子の微紛化や活物質粒子間の導電性の低下により、サイクル特性が大幅に劣化するという欠点がある。
これに対しては、例えば、特許文献1では、リチウムと合金化可能な元素を含む活物質粒子と、前記活物質粒子の表面に担持されたカーボンナノファイバとを含む複合粒子を負極材料に用いて、リチウムイオン二次電池の高容量化およびサイクル特性の向上を実現することが提案されている。
上記複合粒子は、活物質粒子の表面に触媒を担持し、これを高温の不活性雰囲気にて炭素含有ガスと反応させることにより、触媒を基点としてカーボンナノファイバが成長し、これが活物質粒子の表面に担持することにより得られる。活物質粒子の表面に担持された粒子状の触媒は、その担持量の調整などにより粒子径を小さくすることができる。しかし、単位面積当たりの数密度を減らすことは困難であるため、成長したカーボンナノファイバで形成される部分の嵩密度は高いものになりやすい。また、上記で得られるカーボンナノファイバは均一ではなく、非常に細かいカーボンナノファイバや、煤のような非晶質の炭素が活物質粒子表面に付着する場合がある。
従って上記の複合粒子では、活物質粒子表面に存在するカーボンナノファイバを含む炭素成分は、非常に緻密であり、比表面積が非常に大きい。カーボンナノファイバを含む炭素成分が緻密であると、応力に対する柔軟性が低下するため、充放電時の活物質粒子の体積変化にともない活物質粒子間の電子伝導性が低下しやすい。また、カーボンナノファイバを含む炭素成分の比表面積が大きいと、電解液との接触により初期において生じる副反応の量が大きくなり、負極における不可逆容量やガス発生量などが増大する場合がある。
特開2004−349056号公報
上記より、複合粒子の形態としては、活物質粒子表面に均一に成長したカーボンナノファイバがあまり緻密にならずに存在しているのが好ましい。しかし、特許文献1の製造方法では、活物質表面を覆うカーボンナノファイバを含む炭素成分が高嵩密度で高比表面積となりやすい。
活物質粒子に対するカーボンナノファイバの重量比率が非常に低ければ上記のような問題は起こりにくいと考えられる。しかし、良好な電池特性、特に優れたサイクル特性を得るためには、活物質粒子に対するカーボンナノファイバの重量比率は、好ましくは10%〜50%であり、より好ましくは15%〜40%である必要がある。また、特許文献1などの製造方法では、上記の重量比率の範囲において、上記の好ましい形態の複合粒子を作製することは困難であった。
そこで、本発明は、上記従来の問題を解決するため、活物質粒子表面に炭素成分が担持された複合粒子において、活物質粒子表面における炭素成分の被覆形態を容易に適正化することが可能な負極材料の製造方法を提供することを目的とする。また、上記の製造方法により得られた負極材料を用いて、高容量および優れた充放電サイクル特性を有する非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、リチウムと合金化可能な元素を含む活物質粒子と、前記活物質粒子の表面に担持されたカーボンナノファイバとを含む複合粒子からなる非水電解液二次電池用負極材料であって、前記カーボンナノファイバは、空気中での20℃/minの昇温において550℃を超える温度域のみにおいて焼失することを特徴とする。
また、本発明の複合粒子の製造方法は、(1)リチウムと合金可能な元素を含む活物質粒子の表面に触媒を担持させる工程、(2)触媒を担持させた前記活物質粒子を高温の不活性雰囲気にて炭素含有ガスと反応させ、触媒を基点として活物質粒子上でカーボンナノファイバを成長・担持させて、複合粒子を得る工程、および(3)前記複合粒子を酸化雰囲気にて550℃以下の温度域で熱処理して、活物質粒子上のカーボンナノファイバを疎化させる工程を含む。
上記の製造方法の工程(2)により得られた複合粒子を熱分析すると、空気中のTG/DTA測定において、20℃/minの昇温速度では550℃付近と600℃付近以上との2つ以上の発熱ピークが存在することが分かった。リチウムと合金化可能な活物質粒子はμmオーダーの大きさを持つため、短時間であれば空気中のような酸化雰囲気でも熱的に安定であり、この発熱ピークはカーボンナノファイバを含む炭素成分の燃焼によるものと考えられる。2つ以上の発熱ピークが存在することから、複合粒子には熱的な安定性の異なる2種類以上の炭素成分が含まれていることがわかる。
熱的な安定性の低い炭素成分は、上述した非晶質な炭素や非常に細かいカーボンナノファイバなどであると考えられ、複合粒子を酸化雰囲気で短時間の熱処理を行うことにより、これら熱安定性の低い炭素成分だけを選択的に燃焼させ除去することが可能である。このようにして作製した複合粒子は、熱的な安定性の高い均一なカーボンナノファイバのみが残っていると考えられ、上記の酸化雰囲気での熱処理を行わない複合粒子に比べてカーボンナノファイバを含む炭素成分の嵩密度および比表面積が小さい。
本発明によれば、活物質粒子表面に炭素成分が担持された複合粒子において、活物質粒子表面における炭素成分の被覆形態を適正化して、応力に対する柔軟性が改善されるとともに、初期における電解液との副反応を抑制することができる。このため、この複合粒子を負極材料に用いた非水電解液二次電池では、不可逆容量の低減により高容量化することができるとともに、優れた充放電サイクル特性が得られる。
本発明は、(1)リチウムと合金可能な元素を含む活物質粒子の表面に触媒を担持させる工程、(2)触媒を担持させた前記活物質粒子を高温の不活性雰囲気にて炭素含有ガスと反応させ、触媒を基点として活物質粒子上でカーボンナノファイバを成長・担持させて、複合粒子を得る工程、および(3)前記複合粒子を酸化雰囲気にて550℃以下の温度域で熱処理して、活物質粒子上のカーボンナノファイバを疎化させる工程を含むことを特徴とする非水電解液二次電池用負極材料の製造方法に関する。
これにより、活物質粒子表面における炭素成分の被覆形態を、容易にかつ確実に、非水電解液二次電池用負極材料に適した形態に改善することができる。
これにより、活物質粒子表面における炭素成分の被覆形態を、容易にかつ確実に、非水電解液二次電池用負極材料に適した形態に改善することができる。
上記の作製方法についてより詳細に述べると、まず、不活性雰囲気にて複合粒子を500℃付近まで昇温した後、空気などの酸化性ガスを系内に流入してカーボンナノファイバを含む炭素成分のうち熱的に不安定なものを選択的に燃焼させ、再び不活性ガスを系内に流入しながら系を冷却する。熱処理の温度や時間などは、カーボンナノファイバを含む炭素成分の状態、目的とする担持量、または活物質粒子の種類や粒径などに応じて調整すればよい。
工程(1)では、例えば、活物質粒子と触媒粒子とを水等の分散媒で混合させて、その後乾燥等により分散媒を除去することにより、活物質粒子の表面に触媒粒子を担持させることができる。また、例えば、無電解めっき法などにより活物質粒子上に触媒層を形成することにより、活物質粒子上に触媒を担持させることができる。なお、層状の触媒は、工程(2)(カーボンナノファイバの成長・担持工程)における昇温時の熱により粒子状に凝集する。
活物質粒子の材料としては、種々の公知の化合物が用いられるが、リチウムと合金化可能な元素は、Al、Si、Zn、Ge、In、Sn、Sb、およびPbからなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、その中でも、SiおよびSnの少なくとも1つの元素であることが、電池特性の面から特に好ましい。また、空気中で熱安定性の高い酸化物であることが好ましい。また、活物質粒子としては、例えば、粒径0.1〜100μmのものが用いられる。
触媒は、特に限定されないが、例えば、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、もしくはMoなどの元素、またはこれらの元素を含む化合物が用いられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
触媒が粒子状の場合、例えば、粒径は1〜1000nmである。また、触媒が層状の場合、例えば、層の厚みは1〜500nm程度である。
触媒が粒子状の場合、例えば、粒径は1〜1000nmである。また、触媒が層状の場合、例えば、層の厚みは1〜500nm程度である。
工程(2)では、工程(1)で得られた触媒を担持した活物質粒子を、例えば、500℃付近の高温の不活性雰囲気にて炭素含有ガスと反応させ、触媒を基点として活物質粒子上でカーボンナノファイバを成長・担持させて、複合粒子を得る。
炭素含有ガスは、特に限定されないが、メタン、エタン、ブタン、エチレン、アセチレン、一酸化炭素、ベンゼン、またはトルエンなどが挙げられる。触媒、炭素含有ガス、および反応温度によって、成長するカーボンナノファイバの形態が異なるが、後述する工程(3)により、カーボンナノファイバを含む炭素成分を選択的に燃焼させることにより嵩密度と比表面積が低減されるという効果は種々の組み合わせにおいてみられる。不活性ガスには、ヘリウムガスやアルゴンガス等が用いられる。
炭素含有ガスは、特に限定されないが、メタン、エタン、ブタン、エチレン、アセチレン、一酸化炭素、ベンゼン、またはトルエンなどが挙げられる。触媒、炭素含有ガス、および反応温度によって、成長するカーボンナノファイバの形態が異なるが、後述する工程(3)により、カーボンナノファイバを含む炭素成分を選択的に燃焼させることにより嵩密度と比表面積が低減されるという効果は種々の組み合わせにおいてみられる。不活性ガスには、ヘリウムガスやアルゴンガス等が用いられる。
ここで、工程(2)で得られた複合粒子の一例を図2に示す。
複合粒子は、活物質粒子1、および活物質粒子1の表面に担持されたカーボンナノファイバ3および非晶質炭素4などの炭素成分からなる。そして、カーボンナノファイバ3は、十分に成長したカーボンナノファイバ3b(繊維径30〜200nm、繊維長1〜500μm)および成長が不十分な細かいカーボンナノファイバ3a(繊維径1〜30nm、繊維長0.5〜100μm)の両方からなる。
粒子状の触媒2ははじめ活物質粒子1の表面上に担持されているが、触媒2の一部はカーボンナノファイバの成長にともない、カーボンナノファイバとともに移動する。なお、図2中では、便宜上、カーボンナノファイバの先端に位置する触媒2のみを示すが、これ以外に、触媒2は、例えばカーボンナノファイバの中腹や基点にも存在する。
複合粒子は、活物質粒子1、および活物質粒子1の表面に担持されたカーボンナノファイバ3および非晶質炭素4などの炭素成分からなる。そして、カーボンナノファイバ3は、十分に成長したカーボンナノファイバ3b(繊維径30〜200nm、繊維長1〜500μm)および成長が不十分な細かいカーボンナノファイバ3a(繊維径1〜30nm、繊維長0.5〜100μm)の両方からなる。
粒子状の触媒2ははじめ活物質粒子1の表面上に担持されているが、触媒2の一部はカーボンナノファイバの成長にともない、カーボンナノファイバとともに移動する。なお、図2中では、便宜上、カーボンナノファイバの先端に位置する触媒2のみを示すが、これ以外に、触媒2は、例えばカーボンナノファイバの中腹や基点にも存在する。
工程(3)では、工程(2)で得られた複合粒子を酸化雰囲気にて550℃以下の温度域で熱処理して、活物質粒子上のカーボンナノファイバを疎化させる。
工程(3)に示す複合粒子の酸化雰囲気での熱処理により、活物質粒子上に存在する炭素成分のうち、図2に示す複合粒子における、活物質粒子1表面に付着する非晶質の炭素4や、非常に細かいカーボンナノファイバ3aなどの熱安定性の低い成分を選択的に燃焼することができる。その結果、図1に示すように、活物質粒子1表面に熱安定性の高い比較的均一なカーボンナノファイバ3bのみが担持された複合粒子が得られる。
工程(3)に示す複合粒子の酸化雰囲気での熱処理により、活物質粒子上に存在する炭素成分のうち、図2に示す複合粒子における、活物質粒子1表面に付着する非晶質の炭素4や、非常に細かいカーボンナノファイバ3aなどの熱安定性の低い成分を選択的に燃焼することができる。その結果、図1に示すように、活物質粒子1表面に熱安定性の高い比較的均一なカーボンナノファイバ3bのみが担持された複合粒子が得られる。
上記の熱安定性の低い成分の選択的な燃焼は、空気中で20℃/minの昇温速度でのTG/DTA測定(示差熱・熱重量同時測定)においてみられる複数の発熱ピークのうち、550℃以下の温度領域に存在する発熱ピークに対応する。
従って、上記の製造方法により得られる非水電解質二次電池用負極材料である複合粒子におけるカーボンナノファイバは、空気中での20℃/minの昇温において550℃以下の温度域では焼失しない、すなわち、空気中での20℃/minの昇温において550℃を超える温度域のみにおいて焼失する。さらに換言すれば、上記カーボンナノファイバは、空気中で20℃/minの昇温速度でのTG/DTA測定において、550℃以下の温度域では発熱ピークを有しない、すなわち、空気中で20℃/minの昇温速度でのTG/DTA測定において、550℃を超える温度域のみに発熱ピークを有する。
従って、上記の製造方法により得られる非水電解質二次電池用負極材料である複合粒子におけるカーボンナノファイバは、空気中での20℃/minの昇温において550℃以下の温度域では焼失しない、すなわち、空気中での20℃/minの昇温において550℃を超える温度域のみにおいて焼失する。さらに換言すれば、上記カーボンナノファイバは、空気中で20℃/minの昇温速度でのTG/DTA測定において、550℃以下の温度域では発熱ピークを有しない、すなわち、空気中で20℃/minの昇温速度でのTG/DTA測定において、550℃を超える温度域のみに発熱ピークを有する。
上記のように工程(3)により、活物質粒子表面に存在するカーボンナノファイバを容易に電池特性に適した形態にすることができる。すなわち、工程(2)の複合粒子における活物質粒子上の炭素成分の嵩密度および比表面積を電池特性に対して好ましい範囲に低減することができる。また、工程(3)で得られる複合粒子において、活物質粒子に対するカーボンナノファイバの重量比率は、例えば10〜50%である。
また、上記複合材料を負極材料に用いた非水電解液二次電池では、初期における電解液との接触により生じる副反応が抑制され、不可逆容量が低減されるため、高容量化が可能となる。また、副反応にともなうガス発生の量が減少する。さらに、充放電の繰り返し時において、活物質粒子間の良好な電子伝導性が維持されるため、優れた充放電サイクル特性が得られる。
本発明の非水電解液二次電池の負極に用いられるバインダー、集電体、または負極作製時に集電体に塗布する負極合剤ペーストなどは特に限定されるものではなく、公知のものを使用すればよい。さらに、本発明の非水電解液二次電池に用いられる正極、セパレータ、および電解液などの構成部材も特に限定されることなく、公知の材料を使用すればよい。
本発明の非水電解液二次電池の負極に用いられるバインダー、集電体、または負極作製時に集電体に塗布する負極合剤ペーストなどは特に限定されるものではなく、公知のものを使用すればよい。さらに、本発明の非水電解液二次電池に用いられる正極、セパレータ、および電解液などの構成部材も特に限定されることなく、公知の材料を使用すればよい。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
(1)負極材料の作製
あらかじめ粉砕し、分級して粒径10μm以下とした一酸化ケイ素(SiO)粉末(和光純薬(株)製、試薬)100重量部と、硝酸ニッケル(II)六水和物(関東化学(株)
製、特級試薬)5重量部とを、イオン交換水中で混合した。この混合物を1時間攪拌したのちエバポレーター装置で水分を除去し乾燥させることで、一酸化ケイ素の粒子表面に硝酸ニッケル(II)が担持された粒子を得た。この粒子をSEMで分析した結果、硝酸ニッ
ケル(II)が粒径100nm程度の粒子状であることが確認された。
《実施例1》
(1)負極材料の作製
あらかじめ粉砕し、分級して粒径10μm以下とした一酸化ケイ素(SiO)粉末(和光純薬(株)製、試薬)100重量部と、硝酸ニッケル(II)六水和物(関東化学(株)
製、特級試薬)5重量部とを、イオン交換水中で混合した。この混合物を1時間攪拌したのちエバポレーター装置で水分を除去し乾燥させることで、一酸化ケイ素の粒子表面に硝酸ニッケル(II)が担持された粒子を得た。この粒子をSEMで分析した結果、硝酸ニッ
ケル(II)が粒径100nm程度の粒子状であることが確認された。
得られた活物質粒子をセラミック製反応容器に投入し、ヘリウムガス中で500℃まで昇温させた。ヘリウムガスを水素ガス50%とエチレンガス50%の混合ガスに置換して、500℃で1時間保持し、硝酸ニッケル(II)を還元するとともにカーボンナノファイ
バを成長させた。その後、混合ガスをヘリウムガスに置換して室温まで冷却し、SiO粒子の表面にカーボンナノファイバが担持された複合粒子を得た。
バを成長させた。その後、混合ガスをヘリウムガスに置換して室温まで冷却し、SiO粒子の表面にカーボンナノファイバが担持された複合粒子を得た。
得られた複合粒子を再び上記の反応容器に投入し、ヘリウムガス中で500℃まで昇温させた。ヘリウムガスを空気に置換して500℃で5分間保持し、複合粒子の炭素成分のうち熱的安定性が低い成分を選択的に燃焼させた。その後、空気をヘリウムガスに置換して室温まで冷却し、負極材料を得た。
この負極材料をSEMで分析した結果、繊維径80nm程度および繊維長100μm程度のカーボンナノファイバがほぼ均一に形成されており、繊維径10nm程度のような非常に細かいカーボンナノファイバは見られなかった。さらに、SiO粒子の表面には煤のような非晶質の炭素も付着していなかった。また、成長したカーボンナノファイバの重量比率は、合成前後での活物質粒子に対する重量増加分から算出したところ、複合粒子全体に対して25%程度であった。
この負極材料を、空気中において20℃/minの昇温速度でTG/DTA測定した結果、550℃以下の温度域で発熱ピークはみられなかった。なお、TG/DTA測定には、Rigaku製のThermoPlus 2を用いた。
この負極材料を、空気中において20℃/minの昇温速度でTG/DTA測定した結果、550℃以下の温度域で発熱ピークはみられなかった。なお、TG/DTA測定には、Rigaku製のThermoPlus 2を用いた。
(2)負極の作製
上記負極材料100重量部と、バインダーとしてスチレンブタジエンゴムのエマルジョンを固形分換算で10重量部と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(第一工業製薬(株)製、セロゲン、4H)3重量部とを、イオン交換水を適量加えながら十分混合してペーストを得た。このペーストを集電体である厚み15μmのCu箔の両面に塗布した後、乾燥、圧延して負極を得た。
上記負極材料100重量部と、バインダーとしてスチレンブタジエンゴムのエマルジョンを固形分換算で10重量部と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(第一工業製薬(株)製、セロゲン、4H)3重量部とを、イオン交換水を適量加えながら十分混合してペーストを得た。このペーストを集電体である厚み15μmのCu箔の両面に塗布した後、乾燥、圧延して負極を得た。
(3)正極の作製
正極活物質としてLiCoO2粉末100重量部と、導電剤としてアセチレンブラック(電気化学工業(株)製、デンカブラック)10重量部と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを固形分換算で8重量部とを、N−メチル−2−ピロリドンを適量加えながら十分混合してペーストを得た。このペーストを集電体である厚み20μmのAl箔の両面に塗布した後、乾燥、圧延して正極を得た。
正極活物質としてLiCoO2粉末100重量部と、導電剤としてアセチレンブラック(電気化学工業(株)製、デンカブラック)10重量部と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを固形分換算で8重量部とを、N−メチル−2−ピロリドンを適量加えながら十分混合してペーストを得た。このペーストを集電体である厚み20μmのAl箔の両面に塗布した後、乾燥、圧延して正極を得た。
(4)評価用電池の作製
上記で得られた正極と負極とを、それぞれ必要な大きさに切断したのち、正極集電体の末端にAlリードを、負極集電体の末端にNiリードを溶接した。この正極および負極を、セパレータとして厚み20μmの多孔質ポリエチレンフィルム(旭化成(株)製、ハイポア)を介して重ねた後、この積層物を巻回して、電極群を得た。電極群の上下それぞれにポリプロピレン製の絶縁板を配し、直径18mmおよび高さ65mmの電池外装缶に挿入した後、電池外装缶内に非水電解液を注入した。非水電解液には、1mol/LのLiPF6を含む、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒(体積比1:1)(三菱化学(株)製、ソルライト)を用いた。外装缶を減圧して電極群に電解液を含浸させ、封口板を用いて密閉して円筒型電池を作製した。なお、この電池の設計容量は2400mAhである。
上記で得られた正極と負極とを、それぞれ必要な大きさに切断したのち、正極集電体の末端にAlリードを、負極集電体の末端にNiリードを溶接した。この正極および負極を、セパレータとして厚み20μmの多孔質ポリエチレンフィルム(旭化成(株)製、ハイポア)を介して重ねた後、この積層物を巻回して、電極群を得た。電極群の上下それぞれにポリプロピレン製の絶縁板を配し、直径18mmおよび高さ65mmの電池外装缶に挿入した後、電池外装缶内に非水電解液を注入した。非水電解液には、1mol/LのLiPF6を含む、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒(体積比1:1)(三菱化学(株)製、ソルライト)を用いた。外装缶を減圧して電極群に電解液を含浸させ、封口板を用いて密閉して円筒型電池を作製した。なお、この電池の設計容量は2400mAhである。
《実施例2》
一酸化ケイ素の代わりにケイ素粉末(和光純薬(株)製、試薬)を用いたこと以外、実施例1と同様の方法により負極材料を得た。
Si粒子表面に担持された硝酸ニッケル(II)の粒径、ならびに成長したカーボンナノ
ファイバの繊維径、繊維長、および重量比率は、それぞれ実施例1とほぼ同じ値であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃以下に発熱ピークは見られなかった。
上記の負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
一酸化ケイ素の代わりにケイ素粉末(和光純薬(株)製、試薬)を用いたこと以外、実施例1と同様の方法により負極材料を得た。
Si粒子表面に担持された硝酸ニッケル(II)の粒径、ならびに成長したカーボンナノ
ファイバの繊維径、繊維長、および重量比率は、それぞれ実施例1とほぼ同じ値であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃以下に発熱ピークは見られなかった。
上記の負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
《実施例3》
Ti−Si合金を以下の方法で作製した。チタン粉末(高純度化学(株)製、試薬150μm以下)50重量部とケイ素粉末(和光純薬(株)製、試薬)100重量部とを混合し、その混合物3.5kgを振動ミル装置に投入した。直径2cmのステンレスボールを装置内体積の70%となるように投入し、アルゴンガス中で80時間メカニカルアロイング操作を行って、Ti−Si合金を得た。
Ti−Si合金を以下の方法で作製した。チタン粉末(高純度化学(株)製、試薬150μm以下)50重量部とケイ素粉末(和光純薬(株)製、試薬)100重量部とを混合し、その混合物3.5kgを振動ミル装置に投入した。直径2cmのステンレスボールを装置内体積の70%となるように投入し、アルゴンガス中で80時間メカニカルアロイング操作を行って、Ti−Si合金を得た。
得られたTi−Si合金をXRDやTEMなどで観察した結果、非晶質な相と、10nm〜20nm程度の微結晶なSiの相およびTiSi2の相とが存在していることが確認された。SiとTiSi2のみからなると仮定した場合、重量比でおよそSi:TiSi2=30:70程度であった。
一酸化ケイ素の代わりに、上記で得られたTi−Si合金を用いたこと以外、実施例1と同様の方法により負極材料を得た。
一酸化ケイ素の代わりに、上記で得られたTi−Si合金を用いたこと以外、実施例1と同様の方法により負極材料を得た。
Ti−Si合金粒子表面に担持された硝酸ニッケル(II)の粒径、ならびに成長したカ
ーボンナノファイバの繊維径、繊維長、および重量比率は、それぞれ実施例1とほぼ同じ値であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃以下に発熱ピークは見られなかった。
上記で得られた負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
ーボンナノファイバの繊維径、繊維長、および重量比率は、それぞれ実施例1とほぼ同じ値であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃以下に発熱ピークは見られなかった。
上記で得られた負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
《実施例4》
一酸化ケイ素の代わりに酸化スズ(IV)粉末(関東化学(株)製、特級試薬)を用いた
こと以外、実施例1と同様の方法により負極材料を得た。
SnO2粒子表面に担持された硝酸ニッケル(II)の粒径、ならびに成長したカーボン
ナノファイバの繊維径、繊維長、および重量比率は、それぞれ実施例1とほぼ同じ値であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃以下に発熱ピークは見られなかった。
上記で得られた負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
一酸化ケイ素の代わりに酸化スズ(IV)粉末(関東化学(株)製、特級試薬)を用いた
こと以外、実施例1と同様の方法により負極材料を得た。
SnO2粒子表面に担持された硝酸ニッケル(II)の粒径、ならびに成長したカーボン
ナノファイバの繊維径、繊維長、および重量比率は、それぞれ実施例1とほぼ同じ値であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃以下に発熱ピークは見られなかった。
上記で得られた負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
《実施例5》
硝酸ニッケル(II)六水和物の代わりに硝酸コバルト(II)六水和物(関東化学(株)
製、特級試薬)を用いたこと以外、実施例1と同様の方法により負極材料を得た。
SiO粒子表面に担持された硝酸コバルト(II)の粒径、ならびに成長したカーボンナ
ノファイバの繊維径、繊維長、および重量比率は、それぞれ実施例1とほぼ同じ値であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃以下に発熱ピークは見られなかった。
上記で得られた負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
硝酸ニッケル(II)六水和物の代わりに硝酸コバルト(II)六水和物(関東化学(株)
製、特級試薬)を用いたこと以外、実施例1と同様の方法により負極材料を得た。
SiO粒子表面に担持された硝酸コバルト(II)の粒径、ならびに成長したカーボンナ
ノファイバの繊維径、繊維長、および重量比率は、それぞれ実施例1とほぼ同じ値であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃以下に発熱ピークは見られなかった。
上記で得られた負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
《実施例6》
カーボンナノファイバの成長工程において、500℃で水素ガス50%とエチレンガス50%の混合ガスを流入させる代わりに、800℃で水素ガス50%とメタンガス50%の混合ガスを流入させたこと以外、実施例1と同様の方法により負極材料を得た。
成長したカーボンナノファイバの繊維径、繊維長、および重量比率は、それぞれ実施例1とほぼ同じ値であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃以下に発熱ピークは見られなかった。
上記で得られた負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
カーボンナノファイバの成長工程において、500℃で水素ガス50%とエチレンガス50%の混合ガスを流入させる代わりに、800℃で水素ガス50%とメタンガス50%の混合ガスを流入させたこと以外、実施例1と同様の方法により負極材料を得た。
成長したカーボンナノファイバの繊維径、繊維長、および重量比率は、それぞれ実施例1とほぼ同じ値であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃以下に発熱ピークは見られなかった。
上記で得られた負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
《実施例7》
硝酸ニッケル(II)六水和物の代わりに硝酸コバルト(II)六水和物を用いたこと以外
、実施例6と同様の方法により負極材料を得た。
成長したカーボンナノファイバの繊維径、繊維長、および重量比率は、それぞれ実施例1とほぼ同じ値であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃以下に発熱ピークは見られなかった。
上記で得られた負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
硝酸ニッケル(II)六水和物の代わりに硝酸コバルト(II)六水和物を用いたこと以外
、実施例6と同様の方法により負極材料を得た。
成長したカーボンナノファイバの繊維径、繊維長、および重量比率は、それぞれ実施例1とほぼ同じ値であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃以下に発熱ピークは見られなかった。
上記で得られた負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
《比較例1》
カーボンナノファイバの成長工程の後、空気中で熱処理しない以外、実施例1と同様の方法により負極材料を得た。
この複合粒子をSEMで分析した結果、成長したカーボンナノファイバは繊維径が80nm程度および繊維長が100μm程度のおよそ均一なものであったが、それ以外に繊維径10nm程度の非常に細かいカーボンナノファイバや、SiO粒子の表面に煤のような非晶質の炭素の付着物などが確認された。また、成長したカーボンナノファイバの重量比率は、合成前後での活物質粒子に対する重量増加分から算出したところ、複合粒子全体に対して35%程度であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃付近に発熱ピークが認められた。
上記で得られた負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
カーボンナノファイバの成長工程の後、空気中で熱処理しない以外、実施例1と同様の方法により負極材料を得た。
この複合粒子をSEMで分析した結果、成長したカーボンナノファイバは繊維径が80nm程度および繊維長が100μm程度のおよそ均一なものであったが、それ以外に繊維径10nm程度の非常に細かいカーボンナノファイバや、SiO粒子の表面に煤のような非晶質の炭素の付着物などが確認された。また、成長したカーボンナノファイバの重量比率は、合成前後での活物質粒子に対する重量増加分から算出したところ、複合粒子全体に対して35%程度であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃付近に発熱ピークが認められた。
上記で得られた負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
《比較例2》
カーボンナノファイバの成長工程の後、空気中で熱処理しない以外、実施例4と同様の方法により負極材料を得た。
成長したカーボンナノファイバの繊維径、繊維長、および重量比率は、それぞれ比較例1とほぼ同じ値であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃付近に発熱ピークが認められた。
上記で得られた負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
カーボンナノファイバの成長工程の後、空気中で熱処理しない以外、実施例4と同様の方法により負極材料を得た。
成長したカーボンナノファイバの繊維径、繊維長、および重量比率は、それぞれ比較例1とほぼ同じ値であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃付近に発熱ピークが認められた。
上記で得られた負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
《比較例3》
カーボンナノファイバの成長工程の後、空気中で熱処理しない以外、実施例5と同様の方法により負極材料を得た。
成長したカーボンナノファイバの繊維径、繊維長、および重量比率は、それぞれ比較例1とほぼ同じ値であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃付近に発熱ピークが認められた。
上記で得られた負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
カーボンナノファイバの成長工程の後、空気中で熱処理しない以外、実施例5と同様の方法により負極材料を得た。
成長したカーボンナノファイバの繊維径、繊維長、および重量比率は、それぞれ比較例1とほぼ同じ値であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃付近に発熱ピークが認められた。
上記で得られた負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
《比較例4》
カーボンナノファイバの成長工程の後、空気中で熱処理しない以外、実施例6と同様の方法により負極材料を得た。
成長したカーボンナノファイバの繊維径、繊維長、および重量比率は、それぞれ比較例1とほぼ同じ値であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃付近に発熱ピークが認められた。
上記で得られた負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
カーボンナノファイバの成長工程の後、空気中で熱処理しない以外、実施例6と同様の方法により負極材料を得た。
成長したカーボンナノファイバの繊維径、繊維長、および重量比率は、それぞれ比較例1とほぼ同じ値であった。また、負極材料をTG/DTA測定した結果、550℃付近に発熱ピークが認められた。
上記で得られた負極材料を用いて、実施例1と同様の方法により円筒型電池を作製した。
[電池特性の評価]
上記で作製した各電池について、20℃環境下において、電流値480mA(0.2C)で4.2V〜2.5Vの範囲で定電流充放電を行い、0.2C放電での放電容量を調べた。
また、20℃環境下において1680mA(0.7C)で4.2Vまで定電流充電した後、2400mA(1C)で2.5Vまで定電流放電する工程を繰り返した。そして、50サイクル後に、480mAで4.2V〜2.5Vの範囲で定電流充放電を行い、0.2C放電での放電容量を調べた。そして、初期の0.2C放電容量に対する50サイクル後の0.2C放電容量の比をサイクル容量維持率として求めた。
上記で作製した各電池について、20℃環境下において、電流値480mA(0.2C)で4.2V〜2.5Vの範囲で定電流充放電を行い、0.2C放電での放電容量を調べた。
また、20℃環境下において1680mA(0.7C)で4.2Vまで定電流充電した後、2400mA(1C)で2.5Vまで定電流放電する工程を繰り返した。そして、50サイクル後に、480mAで4.2V〜2.5Vの範囲で定電流充放電を行い、0.2C放電での放電容量を調べた。そして、初期の0.2C放電容量に対する50サイクル後の0.2C放電容量の比をサイクル容量維持率として求めた。
さらに、電池作製直後の各電池について、初期充放電を行った後、電池内のガスを捕集し、その総量を定量した。
上記評価結果を表1に示す。なお、表1中の熱処理は、複合粒子表面上のカーボンナノファイバを選択的に燃焼させる工程で行われる熱処理を意味する。
上記評価結果を表1に示す。なお、表1中の熱処理は、複合粒子表面上のカーボンナノファイバを選択的に燃焼させる工程で行われる熱処理を意味する。
リチウムと合金化可能な活物質粒子表面上でカーボンナノファイバを成長・担持させ、さらに空気中で熱処理して活物質表面を覆う炭素成分のうち熱的に不安定な成分を選択的に燃焼、除去させた複合粒子からなる負極材料を用いた実施例1〜7の電池では、いずれも良好な放電特性および充放電サイクル特性が得られた。活物質や触媒の種類、またはカーボンナノファイバの成長条件に関係なく、いずれも同様の効果が得られた。特に、本発明の最良の形態である酸化物の活物質を用いた実施例1および4〜7の電池では、活物質が酸化物でない実施例2および3の電池に比べて、優れた充放電サイクル特性が得られた。活物質が熱的に安定な酸化物であることで、空気中での熱処理による活物質の劣化が抑制されたためと考えられる。
カーボンナノファイバを成長させた後、空気中にて熱処理しなかった比較例1〜4の電池では、初期容量が電池設計よりも若干少ないだけでなく、サイクル容量維持率も空気中での熱処理を行った実施例1〜7の電池に比べてやや低い値が得られた。これは、カーボンナノファイバを含む炭素成分の嵩密度や比表面積が実施例1〜7の場合に比べて高いために、初期における電解液との副反応による不可逆容量が大きいこと、およびカーボンナノファイバを含む炭素成分の柔軟性の低下により活物質粒子間の電子伝導性が低下したことによるものと考えられる。
また、比較例1〜4の電池では実施例1〜7の電池に比べてガス発生量が非常に多いことが分かった。これは、上記で述べたように初期における電解液との副反応が大きくなったことによるものと考えられる。活物質自体の容量が大きいため、不可逆容量の面では大きな差はみられないが、ガス発生量の面から、空気中での熱処理によるカーボンナノファイバの疎化の効果がはっきりとみられた。
これらの結果から、リチウムと合金化可能な活物質粒子上でカーボンナノファイバを成長させ、さらに空気中で熱処理を行うことにより、カーボンナノファイバを含む炭素成分の嵩密度と比表面積を低減させることができる。そして、この複合粒子を負極材料に用いることにより、高容量かつ優れたサイクル特性が得られることがわかった。
本発明の非水電解液二次電池は、高容量かつ優れたサイクル特性を有し、携帯電話などのポータブル電子機器の電源等として好適に用いられる。
1 活物質粒子
2 触媒
3、3a、3b カーボンナノファイバ
4 非晶質炭素
2 触媒
3、3a、3b カーボンナノファイバ
4 非晶質炭素
Claims (7)
- リチウムと合金化可能な元素を含む活物質粒子と、前記活物質粒子の表面に担持されたカーボンナノファイバとを含む複合粒子からなる非水電解液二次電池用負極材料であって、
前記カーボンナノファイバは、空気中での20℃/minの昇温において550℃を超える温度域のみにおいて焼失することを特徴とする非水電解液二次電池用負極材料。 - リチウムと合金化可能な元素を含む活物質粒子と、前記活物質粒子の表面に担持されたカーボンナノファイバとを含む複合粒子からなる非水電解液二次電池用負極材料であって、
前記カーボンナノファイバは、空気中で20℃/minの昇温速度でのTG/DTA測定において、550℃を超える温度域のみに発熱ピークを有する請求項1記載の非水電解液二次電池用負極材料。 - 前記リチウムと合金化可能な元素が、SiおよびSnの少なくとも一つである請求項1または2記載の非水電解液二次電池用負極材料。
- 前記活物質粒子が、前記リチウムと合金化可能な元素を含む酸化物からなる請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解液二次電池用負極材料。
- (1)リチウムと合金可能な元素を含む活物質粒子の表面に触媒を担持させる工程、
(2)触媒を担持させた前記活物質粒子を高温の不活性雰囲気にて炭素含有ガスと反応させ、触媒を基点として活物質粒子上でカーボンナノファイバを成長・担持させて、複合粒子を得る工程、および
(3)前記複合粒子を酸化雰囲気にて550℃以下の温度域で熱処理して、活物質粒子上のカーボンナノファイバを疎化させる工程を含むことを特徴とする非水電解液二次電池用負極材料の製造方法。 - 請求項5記載の負極材料の製造方法により得られた非水電解液二次電池用負極材料。
- 請求項1〜4および6のいずれかに記載の負極材料を負極活物質として用いた非水電解液二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006139472A JP2007311207A (ja) | 2006-05-18 | 2006-05-18 | 非水電解液二次電池用負極材料およびそれを用いた非水電解液二次電池、ならびに非水電解液二次電池用負極材料の製造方法 |
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2007311207A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008117761A (ja) * | 2006-10-11 | 2008-05-22 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 非水電解質電池 |
JP2009272153A (ja) * | 2008-05-08 | 2009-11-19 | Hitachi Maxell Ltd | リチウム二次電池 |
JP2010095797A (ja) * | 2008-10-14 | 2010-04-30 | Korea Inst Of Science & Technology | カーボンナノチューブ被覆シリコン/金属複合粒子及びその製造方法、並びにこれを利用した二次電池用負極及び二次電池 |
JP2012014993A (ja) * | 2010-07-02 | 2012-01-19 | Hitachi Maxell Energy Ltd | 非水電解液二次電池 |
JP2014523066A (ja) * | 2011-06-24 | 2014-09-08 | ネクソン リミテッド | 構造化粒子 |
-
2006
- 2006-05-18 JP JP2006139472A patent/JP2007311207A/ja active Pending
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