JP5130211B2 - 3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類およびその製造方法ならびにその使用 - Google Patents
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Description
下記式(I)で表される3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類またはその塩
R2は、水素原子またはCOOR3を意味し、
ここにおいて、R1がtert-C4−6アルキル基以外のC1−6アルキル基;C3−8シクロアルキル基;またはC1−4アルキル基およびC1−4アルコキシ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の基で置換されていてもよいアリール基若しくはへテロアリール基であるとき、R3は、tert-C4−6アルキル基;2,2,2−トリクロロエチル基;またはベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選ばれる1個または2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基を意味し、
R1がtert-C4−6アルキル基であるとき、R3は、2,2,2−トリクロロエチル基;またはベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基を意味し、
R1が、ベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基およびシアノ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基であるとき、R3は、tert-C4−6アルキル基または2,2,2−トリクロロエチル基を意味する。)。
R1がtert-C4−6アルキル基以外のC1−6アルキル基であり、R2が水素原子またはCOOR3であり、R3がtert-C4−6アルキル基、またはベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基である、[項1]に記載の3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類またはその塩。
R1がメチル基、エチル基、プロピル基またはイソプロピル基であり、R2が水素原子、tert-ブトキシカルボニル基またはベンジルオキシカルボニル基である、[項1]に記載の3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類またはその塩。
エチル 2−[N,N’−ビス(ベンジルオキシカルボニル)ヒドラジノ]−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート、
エチル 2−[N,N’−ビス(tert-ブトキシカルボニル)ヒドラジノ]−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート、および
エチル 2−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート 一塩酸塩
からなる群から選ばれる[項1]に記載の3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類またはその塩。
下記式(Ia)
R1がtert-C4−6アルキル基以外のC1−6アルキル基;C3−8シクロアルキル基;またはC1−4アルキル基およびC1−4アルコキシ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の基で置換されていてもよいアリール基若しくはへテロアリール基であるとき、R3は、tert-C4−6アルキル基;2,2,2−トリクロロエチル基;またはベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基を意味し、
R1がtert-C4−6アルキル基であるとき、R3は、2,2,2−トリクロロエチル基;またはベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基を意味し、
R1が、ベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基およびシアノ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基であるとき、R3は、tert-C4−6アルキル基または2,2,2−トリクロロエチル基を意味する。)
で表される3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類の製造方法であって、
下記式(II)
で表される化合物に下記式(III)
R3OOC−N=N−COOR3(III)
(式中、R3は前掲と同じものを意味する。)
で表される化合物を付加させる工程を含む製造方法。
下記式(Ib)
で表される3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類の製造方法であって、
(1)R3が、ベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基である[項5]に記載の式(Ia)で表される化合物をパラジウム触媒を用いて水素化分解する工程、
(2)R3がtert-C4−6アルキル基である[項5]に記載の式(Ia)で表される化合物と酸とを反応させる工程、または
(3)R3が2,2,2−トリクロロエチル基である[項5]に記載の式(Ia)で表される化合物と亜鉛とを反応させる工程を含む製造方法。
[項7]
下記式(Ic)
R31は、2,2,2−トリクロロエチル基、またはベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基を意味する。)で表される化合物を使って下記式(IV)
で表される化合物を製造する方法であって、
R21が水素原子またはCOOR31であり、ここにおいてR31が2,2,2−トリクロロエチル基である式(Ic)の化合物を亜鉛と反応させる工程;あるいはR21が水素原子またはCOOR31であり、ここにおいてR31が、ベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基である式(Ic)の化合物(但しR1が、ベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基およびシアノ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基である化合物を除く)を水素化分解する工程を含む製造方法。
本願発明によれば、[項5]または[項6]に記載の製法で[項1]に記載の式(I)の化合物を製造する工程、および該式(I)の化合物を2’−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン−3,4’(1’H)−ピロロ[1,2−a]ピラジン]−1’,2,3’,5(2’H)−テトラオンに変換する工程を含む新規な2’−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン−3,4’(1’H)−ピロロ[1,2−a]ピラジン]−1’,2,3’,5(2’H)−テトラオンの製造方法が提供される。
本願発明によれば、2’−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン−3,4’(1’H)−ピロロ[1,2−a]ピラジン]−1’,2,3’,5(2’H)−テトラオンを製造するための[項1]に記載の式(I)の化合物の使用が提供される。
[項1]〜[項4]いずれか一項に記載の3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類またはその塩の医薬合成のための使用。
(3R)−2’−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン−3,4’(1’H)−ピロロ[1,2−a]ピラジン]−1’,2,3’,5(2’H)−テトラオンの合成のための[項1]〜[項4]いずれか一項に記載の3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類またはその塩の使用。
(3R)−2’−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン−3,4’(1’H)−ピロロ[1,2−a]ピラジン]−1’,2,3’,5(2’H)−テトラオンの製造方法であって、[項1]〜[項4]いずれか一項に記載の3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類またはその塩を中間体または出発物質として用いる製造方法。
[項1]〜[項4]いずれか一項に記載の3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類またはその塩が[項5]または[項6]に記載の製造方法によって製造されることを特徴とする、[項12]に記載の製造方法。
(3R)−2’−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン−3,4’(1’H)−ピロロ[1,2−a]ピラジン]−1’,2,3’,5(2’H)−テトラオンの製造方法であって、[項7]に記載の式(IV)で表わされる化合物の製造工程、および該工程で製造された式(IV)で表わされる化合物を(3R)−2’−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン−3,4’(1’H)−ピロロ[1,2−a]ピラジン]−1’,2,3’,5(2’H)−テトラオンへ変換する工程を含む製造方法。
(3R)−2’−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン−3,4’(1’H)−ピロロ[1,2−a]ピラジン]−1’,2,3’,5(2’H)−テトラオンの製造方法であって;
(1)[項7]に記載の式(IV)で表わされる化合物の製造工程;
(2)前記工程(1)で製造された式(IV)で表わされる化合物を光学分割する工程;
(3)前記工程(2)で製造された光学活性化合物(ここにおいて、該化合物のジオキソピロリジン環上の3位の炭素原子の絶対配置はRである)のアミノ基を1−ピロリル基に変換する工程;
(4)前記工程(3)の生成物のピロリル基を2−トリクロロアセチルピロール−1−イル基に変換する工程;および
(5)前記工程(4)の生成物と4−ブロモ−2−フルオロベンジルアミンとを反応させて(3R)−2’−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン−3,4’(1’H)−ピロロ[1,2−a]ピラジン]−1’,2,3’,5(2’H)−テトラオンへ変換する工程を含む製造方法。
1H NMR(300 MHz, CDCl3, 23 ℃)δ: 4.28 (2H, q, J = 7.4 Hz), 3.85 (1H, dd, J = 5.0, 9.5 Hz), 3.15 (1H, dd, J = 5.0, 18.5 Hz), 2.95 (1H, dd, J = 9.3, 18.5 Hz), 1.32 (3H, t, J = 7.1 Hz). 13C NMR (75 MHz, CDCl3, 24 ℃)δ: 175.9, 172.7, 167.2, 62.7, 47.7, 33.3, 14.0.
エチル 2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート(3.92 g)の酢酸エチル(60 ml)溶液に、ジベンジルアゾジカルボキシレート(7.27 g)次いで炭酸カリウム(317 mg)を室温で加えた。この混合物を室温で1時間撹拌した後、セライト濾過した。濾液を濃縮して得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、目的物(10.1 g, 94%)を非晶質として得た。
1H NMR(300 MHz, DMSO-d6, 120 ℃)δ:11.4 (1H, br), 9.66 (1H, br), 7.35-7.25 (10H, m), 5.15-5.02 (4H, m), 4.14 (2H, q, J = 7.1 Hz), 3.40 (1H, d, J = 18.3 Hz), 3.17 (1H, d, J = 18.2 Hz), 1.14 (3H, t, J = 7.1 Hz).
1H NMR(400 MHz, CDCl3, 22 ℃)δ:4.28 (2H, q, J = 7.1 Hz), 3.18 (1H, d, J = 18.0 Hz), 2.76 (1H, d, J = 18.0 Hz), 1.29 (3H, t, J = 7.2 Hz). 1H NMR(400 MHz, THF-d8, 23 ℃)δ:10.38 (1H,s), 4.18 (2H, q, J = 6.7 Hz), 3.07 (1H, d, J = 18.0 Hz), 2.57 (1H, d, J = 17.6 Hz), 1.22 (3H, t, J = 7.2 Hz). 13C NMR (100 MHz, THF-d8, 25 ℃)δ:177.6, 175.6, 171.8, 65.5, 62.8, 43.9, 14.4.
1H NMR(300 MHz, DMSO-d6, 25 ℃)δ:4.16 (2H, q, J = 7.1 Hz), 2.96 (1H, d, J = 17.8 Hz), 2.86 (1H, d, J = 17.9 Hz), 1.18 (3H, t, J = 7.1 Hz).
1H NMR(300 MHz, DMSO-d6, 120 ℃)δ:11.3 (1H, br), 8.80 (1H, br), 4.20 (2H, q, J = 7.1 Hz), 3.41 (1H, d, J = 18.1 Hz), 3.17 (1H, d, J = 18.1 Hz), 1.41 (9H, s), 1.40 (9H, s), 1.23 (3H, t, J = 7.1 Hz).
融点: 189-190 ℃ (分解). 1H NMR(300 MHz, DMSO-d6, 25 ℃)δ:12.1 (1H, br), 9.58 (3H, br), 4.23 (2H, q, J = 7.0 Hz), 3.15 (2H, s), 1.22 (3H, t, J = 7.1 Hz). 元素分析計算値 C7H12ClN3O4: C, 35.38; H, 5.09; Cl, 14.92; N, 17.68. 実測値: C,35.28; H,5.02; Cl,14.83; N,17.68.
エチル 3−アミノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート(8.00 g)と(S)-(+)-カンファースルホン酸(10.0 g)をエタノール(80 ml)に加温しながら溶かした後、全量が約45 mlになるまでこの溶液を減圧濃縮した。これを氷冷下で静置し、生じた結晶を濾取し、エタノールで洗った。この結晶をエタノールから再結晶し、目的物(4.70 g)を結晶として得た。
融点: 229-230 ℃ (分解). [α]D 27 +10.2° (c 1.03, MeOH). 1H NMR(400 MHz, D2O, 23 ℃)δ:4.43 (2H, q, J = 7.2 Hz), 3.56 (1H, d, J = 18.8 Hz), 3.28 (1H, d, J = 15.2 Hz), 3.22 (1H, d, J = 18.8 Hz), 2.86 (1H, d, J = 14.8 Hz), 2.46-2.37 (1H, m), 2.16 (1H, t, J = 4.8 Hz), 2.09-2.00 (1H, m), 1.84 (1H, d, J = 18.8 Hz), 1.68-1.61 (1H, m), 1.49-1.42 (1H, m), 1.30 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.04 (3H, s), 0.83 (3H, s).
実施例1の化合物(2.04 g)の酢酸(30 ml)溶液に酸化白金(393 mg)を加え、これを水素雰囲気下(常圧)、50℃で8時間激しく撹拌した。この間、反応の進行と共に発生する二酸化炭素を取り除くため、反応容器中のガスを数回水素で置換した。反応混合物をセライト濾過し、少量の酢酸でセライトを洗浄した。濾液と洗液を合わせて濃縮し、残留する酢酸を除くため残渣にトルエンを加えて再度濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えて不溶物を濾去し、酢酸エチル溶液を濃縮して粗生成物(918 mg)を得た。粗生成物と(S)-(+)-カンファースルホン酸(1.09 g)をエタノール(40 ml)に加温しながら溶かした後、全量が4-5 mlになるまでこの溶液を減圧濃縮した。これを室温で静置し、生じた結晶を濾取し、エタノールで洗い、目的物(356 mg, 20%)を結晶として得た。
エチル (R)−3−アミノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレートの(S)-(+)-カンファースルホン酸塩(418 mg)を25%酢酸水溶液(4 ml)に溶かした。これに酢酸ナトリウム(82 mg)と2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン(0.143 ml)を加え、70℃で1.5時間撹拌した。放冷後、この混合物に酢酸エチル(20 ml)を加え、水、続いて飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。濾液を濃縮して油状物を得た。これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、目的物(230 mg, 97%)を油状物として得た。この生成物の1H NMRによる分析値は、非特許文献1に記載のそれと一致した。
1H NMR(400 MHz, CDCl3, 23 ℃)δ:9.05 (1H, br), 6.94 (2H, t, J = 2.2 Hz), 6.26 (2H, t, J = 2.2 Hz), 4.28 (2H, q, J = 7.2 Hz), 3.59 (1H, d, J = 17.6 Hz), 3.36 (1H, d, J = 18.0 Hz), 1.26 (3H, t, J = 7.2 Hz). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, 24 ℃)δ:172.7, 170.5, 166.8, 120.0, 110.1, 68.6, 63.9, 41.9, 13.8. MS (APCI): 237(M+H)
融点: 80-85 ℃. 1H NMR(400 MHz, DMSO-d6, 22 ℃)δ:6.96 (2H, t, J = 2.4 Hz), 6.01 (2H, t, J = 2.2 Hz), 4.14-4.07 (2H, m), 3.27 (1H, d, J = 17.2 Hz), 3.24-3.18 (2H, m), 2.98 (1H, d, J = 17.2 Hz), 1.14 (12H, d, J = 6.4 Hz), 1.13 (3H, t, J = 6.8 Hz).
(1)エチル (R)−2,5−ジオキソ−3−(ピロール−1−イル)ピロリジン−3−カルボキシレート(767 mg)の酢酸エチル(10 ml)溶液にトリクロロアセチルクロリド(1.1 ml)を加え、この溶液を一晩加熱還流した。この反応混合物を室温まで放冷後、トリクロロアセチルクロリド(1.1 ml)を加え、この混合物を3時間加熱還流した。この反応混合物を室温まで水冷し、残留したトリクロロアセチルクロリドを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で注意深く分解した。水層がアルカリ性であることを確認後、これを酢酸エチル(5 ml)で3回抽出し、合わせた抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、濃縮し油状の粗生成物を得た。これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル = 1 : 1)で精製し、エチル (R)−2,5−ジオキソ−3−(2−トリクロロアセチルピロール−1−イル)ピロリジン−3−カルボキシレート(1.17 g、94%)を得た。
1H NMR (400 MHz、DMSO-d6、22 ℃) δ: 12.4 (br s, 1H), 7.68 (dd, 1H, J = 1.2, 4.4 Hz), 7.55 (dd, 1H, J = 1.6, 2.8 Hz), 6.44 (dd, 1H, J = 2.4, 4.4 Hz), 4.25-4.08 (m, 2H), 3.72 (d, 1H, J = 18.0 Hz), 3.06 (d, 1H, J = 18.0 Hz), 1.11 (t, 3H, 7.2 Hz).
Mp: 189−191 ℃. 1H NMR (400 MHz、DMSO-d6、22 ℃) δ: 12.2 (br s, 1H), 7.73 (dd, 1H, J = 2.0, 3.2 Hz), 7.55 (dd, 1H, J = 2.0, 9.6 Hz), 7.36 (dd, 1H, J = 2.0, 8.4 Hz), 7.17-7.12 (m, 2H), 6.53 (dd, 1H, J = 2.8, 4.0 Hz), 5.04 (d, 1H, J = 15.2 Hz), 4.96 (d, 1H, J = 15.6 Hz), 3.57 (s, 2H).
Claims (15)
- 下記式(I)で表される3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類またはその塩
(式中、R1は、C1−6アルキル基;C3−8シクロアルキル基;ベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基およびシアノ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基;またはC1−4アルキル基およびC1−4アルコキシ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の基で置換されていてもよいアリール基若しくはヘテロアリール基を意味し、
R2は、水素原子またはCOOR3を意味し、
ここにおいて、R1がtert-C4−6アルキル基以外のC1−6アルキル基;C3−8シクロアルキル基;またはC1−4アルキル基およびC1−4アルコキシ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の基で置換されていてもよいアリール基若しくはヘテロアリール基であるとき、R3は、tert-C4−6アルキル基;2,2,2−トリクロロエチル基;またはベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基を意味し、
R1がtert-C4−6アルキル基であるとき、R3は、2,2,2−トリクロロエチル基;またはベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基を意味し、
R1が、ベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基およびシアノ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基であるとき、R3は、tert-C4−6アルキル基または2,2,2−トリクロロエチル基を意味する。)。 - R1がtert-C4−6アルキル基以外のC1−6アルキル基であり、R2が水素原子またはCOOR3であり、R3がtert-C4−6アルキル基、またはベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基である、請求項1に記載の3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類またはその塩。
- R1がメチル基、エチル基、プロピル基またはイソプロピル基であり、R2が水素原子、tert-ブトキシカルボニル基またはベンジルオキシカルボニル基である、請求項1に記載の3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類またはその塩。
- エチル 3−[N,N’−ビス(ベンジルオキシカルボニル)ヒドラジノ]−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート、
エチル 3−[N,N’−ビス(tert-ブトキシカルボニル)ヒドラジノ]−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート、および
エチル 3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート 一塩酸塩
からなる群から選ばれる請求項1に記載の3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類またはその塩。 - 下記式(Ia)
(式中、R1は、C1−6アルキル基;C3−8シクロアルキル基;ベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基およびシアノ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基;またはC1−4アルキル基およびC1−4アルコキシ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の基で置換されていてもよいアリール基若しくはヘテロアリール基を意味し、
R1がtert-C4−6アルキル基以外のC1−6アルキル基;C3−8シクロアルキル基;またはC1−4アルキル基およびC1−4アルコキシ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の基で置換されていてもよいアリール基若しくはへテロアリール基であるとき、R3は、tert-C4−6アルキル基;2,2,2−トリクロロエチル基;またはベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基を意味し、
R1がtert-C4−6アルキル基であるとき、R3は、2,2,2−トリクロロエチル基;またはベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基を意味し、
R1が、ベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基およびシアノ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基であるとき、R3は、tert-C4−6アルキル基または2,2,2−トリクロロエチル基を意味する。)
で表される3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類の製造方法であって、
下記式(II)
(式中、R1は前掲と同じものを意味する。)
で表される化合物に下記式(III)
R3OOC−N=N−COOR3(III)
(式中、R3は前掲と同じものを意味する。)
で表される化合物を付加させる工程を含む製造方法。 - 下記式(Ib)
(式中、R1は、C1−6アルキル基;C3−8シクロアルキル基;ベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基およびシアノ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基;またはC1−4アルキル基およびC1−4アルコキシ基らなる群から選ばれる1個若しくは2個の基で置換されていてもよいアリール基若しくはへテロアリール基を意味する。)
で表される3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類の製造方法であって、
(1)R3が、ベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基である請求項5に記載の式(Ia)で表される化合物をパラジウム触媒を用いて水素化分解する工程、
(2)R3がtert-C4−6アルキル基である請求項5に記載の式(Ia)で表される化合物と酸とを反応させる工程、または
(3)R3が2,2,2−トリクロロエチル基である請求項5に記載の式(Ia)で表される化合物と亜鉛とを反応させる工程を含む製造方法。 - 下記式(Ic)
(式中、R1は、C1−6アルキル基;C3−8シクロアルキル基;ベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基およびシアノ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基;またはC1−4アルキル基およびC1−4アルコキシ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の基で置換されていてもよいアリール基若しくはヘテロアリール基を意味する。またR21は、水素原子またはCOOR31を意味し、
R31は、2,2,2−トリクロロエチル基、またはベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基を意味する。)
で表される化合物を使って下記式(IV)
(式中、R1は前掲と同じものを意味する。)
で表される化合物を製造する方法であって、
R21が水素原子またはCOOR31であり、ここにおいてR31が2,2,2−トリクロロエチル基である式(Ic)の化合物を亜鉛と反応させる工程;あるいはR21が水素原子またはCOOR31であり、ここにおいてR31が、ベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基である式(Ic)の化合物(但しR1が、ベンゼン環部分がハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基およびシアノ基からなる群から選ばれる1個若しくは2個の原子若しくは基で置換されていてもよいベンジル基である化合物を除く)を水素化分解する工程を含む製造方法。 - 請求項5または請求項6に記載の製法で請求項1に記載の式(I)の化合物を製造する工程、および該式(I)の化合物を2’−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン−3,4’(1’H)−ピロロ[1,2−a]ピラジン]−1’,2,3’,5(2’H)−テトラオンに変換する工程を含む新規な2’−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン−3,4’(1’H)−ピロロ[1,2−a]ピラジン]−1’,2,3’,5(2’H)−テトラオンの製造方法。
- 2’−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン−3,4’(1’H)−ピロロ[1,2−a]ピラジン]−1’,2,3’,5(2’H)−テトラオンを製造するための請求項1に記載の式(I)の化合物の使用。
- 請求項1〜4いずれか一項に記載の3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類またはその塩の医薬合成のための使用。
- (3R)−2’−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン−3,4’(1’H)−ピロロ[1,2−a]ピラジン]−1’,2,3’,5(2’H)−テトラオンの合成のための請求項1〜4いずれか一項に記載の3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類またはその塩の使用。
- (3R)−2’−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン−3,4’(1’H)−ピロロ[1,2−a]ピラジン]−1’,2,3’,5(2’H)−テトラオンの製造方法であって、請求項1〜4いずれか一項に記載の3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類またはその塩を中間体または出発物質として用いる製造方法。
- 請求項1〜4いずれか一項に記載の3−ヒドラジノ−2,5−ジオキソピロリジン−3−カルボキシレート類またはその塩が請求項5または請求項6に記載の製造方法によって製造されることを特徴とする、請求項12に記載の製造方法。
- (3R)−2’−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン−3,4’(1’H)−ピロロ[1,2−a]ピラジン]−1’,2,3’,5(2’H)−テトラオンの製造方法であって、請求項7に記載の式(IV)で表わされる化合物の製造工程、および該工程で製造された式(IV)で表わされる化合物を(3R)−2’−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン−3,4’(1’H)−ピロロ[1,2−a]ピラジン]−1’,2,3’,5(2’H)−テトラオンへ変換する工程を含む製造方法。
- (3R)−2’−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン−3,4’(1’H)−ピロロ[1,2−a]ピラジン]−1’,2,3’,5(2’H)−テトラオンの製造方法であって;
(1)請求項7に記載の式(IV)で表わされる化合物の製造工程;
(2)前記工程(1)で製造された式(IV)で表わされる化合物を光学分割する工程;
(3)前記工程(2)で製造された光学活性化合物(ここにおいて、該化合物のジオキソピロリジン環上の3位の炭素原子の絶対配置はRである)のアミノ基を1−ピロリル基に変換する工程;
(4)前記工程(3)の生成物のピロリル基を2−トリクロロアセチルピロール−1−イル基に変換する工程;および
(5)前記工程(4)の生成物と4−ブロモ−2−フルオロベンジルアミンとを反応させて(3R)−2’−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[ピロリジン−3,4’(1’H)−ピロロ[1,2−a]ピラジン]−1’,2,3’,5(2’H)−テトラオンへ変換する工程を含む製造方法。
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