JP5129642B2 - 表面処理銅箔及びその表面処理銅箔を用いて得られる銅張積層板並びにその銅張積層板を用いて得られるプリント配線板 - Google Patents

表面処理銅箔及びその表面処理銅箔を用いて得られる銅張積層板並びにその銅張積層板を用いて得られるプリント配線板 Download PDF

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Description

本件発明は、表面処理銅箔及びその表面処理銅箔を用いて得られる銅張積層板並びに、その銅張積層板を用いて得られるプリント配線板に関する。
表面処理銅箔は、絶縁樹脂基材と張り合わされ、プリント配線板製造の材料である銅張積層板が製造される。この表面処理銅箔とは、銅箔の表面に、前記絶縁樹脂基材との密着性の向上や保存性の付与を目的とした粗化処理や防錆処理等の表面処理を施したものである。ここで行う粗化処理とは、表面に粗化処理粒子を付着させたり、エッチングする等して凹凸形状を形成し、アンカー効果を利用して密着性を改善する処理である。そして、防錆処理とは、保存性の付与の他に、絶縁樹脂基材との張り合わせ面の化学的な接着効果を付与して密着性を改善する処理である。
ところが、粗化処理で大きな凹凸形状を形成してアンカー効果を高めると、配線回路をエッチングで形成する際には、粗化処理の凸部分を溶解するために必要とされるオーバーエッチング時間を長くする必要がある。その結果、良好なエッチングファクターを備える微細な配線回路の形成が困難になる。この様な、配線回路のエッチングファクターが悪い配線回路では、部品の表面実装が困難になることが多い。また、化学的に安定した防錆処理を過剰に施すと、エッチング後の絶縁樹脂基材表面に防錆成分が残留し、表層マイグレーションによる回路ショートの原因になることがある。従って、粗化処理と防錆処理とは、最終製品であるプリント配線板の用途に適合した最適レベルに設定する必要がある。
一方、プリント配線板が組み込まれる電子機器、電気製品等には、軽薄短小化の要求が著しく、同時に高機能化の要求もなされることが多い。そして、表面処理銅箔を用いて得られるプリント配線板に対しては、まず、エッチングファクターに優れた微細な配線回路を備えることが要求される。この要求に対し、表面処理銅箔は、ロープロファイル化で対応してきた。更に、ロープロファイル化すれば、配線回路端面の直線性が良好になり、電気特性では高周波特性、特にGHz帯の周波数域での伝送特性が改善される。即ち、CPU等の高クロック周波数化にとっても好ましいことであると認識されている。
ところで、近年の電子機器には多層プリント配線板を多用する傾向にあり、一旦形成した配線回路を薬液で処理する頻度が増加している。従って、表面処理銅箔と基材樹脂との界面の耐薬品性や、露出した基材樹脂の耐吸湿性も重要な特性である。そして、微細配線回路を備える配線板を用いる加工工程数が増えると、ハンドリング中に配線回路が剥がれる危険性も高くなる。従って、表面処理銅箔の絶縁樹脂基材との接着表面のロープロファイル化に際しては、引き剥がし強さや耐薬品性等の諸特性の低下を最小限に抑制する必要がある。
そこで、特許文献1には、銅箔粗化面の粗度Rが低くても接着強度の高い銅箔及びその製造方法を提供することを目的として、銅箔試料(S)の粗化面の表面積をレーザー顕微鏡で3次元的に測定して得られる3次元的表面積A(S)及び該3次元的表面積A(S)の測定区域の面積である測定区域面積B(S)よりA(S)/B(S)で規定される面積係数C(S)と、触針式粗度計を用いて測定される前記銅箔試料Sの粗化面の粗度R(S)とが、0.5×R(S)+0.5≦C(S)[式中、R(S)は単位μmでの数値である。]の関係を有し、且つ前記粗度R(S)が1.0μm〜3.0μmである銅箔を採用する技術が開示されている。
この特許文献1に開示の表面処理電解銅箔は、その実施例によれば、18μm厚さでFR−4基材樹脂との接着強度が1.0kgf/cmを示している。即ち、プリント配線板用銅箔としてIPC規格に規定されているType−Vを超えるロープロファイルのレベルでありながら、表面処理銅箔と絶縁樹脂基材との間に一定レベルの接触面積を担保することによって接着強度を確保している。
特開2005−290519号公報
しかしながら、引き剥がし強さの値は、プリント配線板の配線回路と絶縁樹脂基材との密着安定性を示す絶対的指標とはなりえない。なぜならば、プリント配線板の規格に示された試験方法では、密着安定性を保証することが困難であるからである。規格が示す試験方法では、配線回路と絶縁樹脂基材との接着強さは、絶縁樹脂基材から90℃方向に配線回路を引き剥がす際に必要な荷重として測定される。具体的な引き剥がし強さの測定は、万能試験機を用い、直線状の配線回路の一定距離を引き剥がした際に要した荷重を連続したチャートに記録する。ここで得られる測定チャートは、一定の振幅を持って記録されるが、引き剥がし強さには、測定チャートの記録から、異常値を除いたときの最低値を採用している。従って、最低値をクリアさえすれば、測定チャートの振幅の大きさや、振幅を持ったうねりの存在などについては、何ら問題にされることがなかった。
ところが、実用上必要とされる特性を考えると、配線回路と絶縁樹脂基材との密着安定性とは、常態での引き剥がし強さだけでなく、薬品処理に対する密着安定性を示すための耐薬品性能、湿式のエッチング加工プロセス等における樹脂基材の吸湿に対する密着安定性を示すための耐吸湿性能等を含め議論されるべきものである。そして、本件発明者等の研究及び経験によれば、常態での引き剥がし強さの測定チャートに大きな振幅が見られ、最小値と最大値との差(振幅)が大きい配線回路では、当該配線回路の薬品処理後及び吸湿処理後の引き剥がし強さの測定チャートの振幅は、更に大きくなる傾向にある。即ち、この様な傾向を備える配線回路とは、薬品処理や吸湿処理による密着性の劣化が大きい配線回路であり、実用上好ましいものではない。
そして、配線回路の電気特性のうち、高周波信号を伝送する際の伝送損失は、導体である配線回路と、誘電体である絶縁樹脂基材との両方の影響を明確に受ける。また、配線回路に起因する伝送損失は、信号の周波数、特性インピーダンス、透磁率、及び比抵抗の関数として表されることが知られている。しかし、配線回路形状が同じでも、マイクロストリップラインとストリップラインとでは、絶縁樹脂基材の配置が異なるため、特性インピーダンスが異なる。そのため、実際のプリント配線板の設計に当たっては、銅箔厚み、絶縁樹脂基材と配線回路形状等を指定したシミュレーションを実施している。しかし、実際の製造で所望の特性を備えるプリント配線板を得るためには、設計と試作評価とを複数回繰り返すことが多く、納期管理とコスト管理に対する大きな制約となっていた。
従って、プリント配線板に形成した配線回路のエッジに良好な直線性が得られ、絶縁樹脂基材との密着性はもとより、耐薬品性や耐吸湿性も良好で、GHz帯の高周波信号の伝送損失や特性インピーダンスなどについて、設計値に近い電気特性の作り込みが可能な表面処理銅箔が求められていた。
本件発明に係る表面処理銅箔: 本件発明に係る表面処理銅箔は、絶縁樹脂基材と張り合わせる接着表面は、表面粗さ(Rzjis)が2.5μm以下で、且つ、2次元表面積が6550μmの領域をレーザー法で測定したときの3次元表面積(A)μmと2次元表面積との比[(A)/(6550)]の値である表面積比(B)が1.2〜2.5であり、且つ、前記絶縁樹脂基材と張り合わせる接着表面は、未処理銅箔の粗化処理前の表面粗さ(Rzjis)が1.0μm未満の表面を粗化処理した接着表面であり、粗化処理前に2次元表面積が6550μm の領域をレーザー法で測定した3次元表面積を(a)μm としたとき、粗化処理後に2次元表面積が6550μm の領域をレーザー法で測定した前記3次元表面積の値(A)と値(a)との比[(A)/(a)]の値が1.15〜2.50であることを特徴としている。
本件発明に係る表面処理銅箔においては、前記絶縁樹脂基材と張り合わせる接着表面は、10cm×10cmの2次元領域内の10箇所で測定した表面粗さ(Rzjis)の値が示す、粗化処理後の表面粗さ(Rzjis)の測定値の変動係数(CV)と、未処理銅箔の粗化処理前の表面粗さ(Rzjis)の測定値の変動係数(CV)とが、CV≦CVの関係を備える接着表面であることも好ましい。
本件発明に係る表面処理銅箔においては、前記絶縁樹脂基材と張り合わせる接着表面は、10cm×10cmの2次元領域の評価において、亜鉛−ニッケル合金層が含む亜鉛とニッケルとの合計量(C)mg/mが40mg/m以上であることも好ましい。
本件発明に係る表面処理銅箔においては、前記絶縁樹脂基材と張り合わせる接着表面は、前記亜鉛−ニッケル合金層が含む亜鉛とニッケルとの合計量の値(C)と前記表面積比(B)との比[(C)/(B)]の値が30以上であることも好ましい。
本件発明に係る銅張積層板: 本件発明に係る銅張積層板は、前記表面処理銅箔と絶縁樹脂基材とを張り合わせて得られるものであることを特徴としている。
本件発明に係るプリント配線板: 本件発明に係るプリント配線板は、前記銅張積層板を用いて得られるものであることを特徴としている。
本件発明に係る表面処理銅箔は、表面粗さ(Rzjis)が2.5μm以下で、且つ、2次元表面積が6550μmの領域をレーザー法で測定したときの3次元表面積(A)μmと2次元表面積との比[(A)/(6550)]の値である表面積比(B)が1.2〜2.5である絶縁樹脂基材との接着表面を備える。そして、未処理銅箔の粗化処理前の表面粗さ(Rzjis)が1.0μm未満の表面を粗化処理し、2次元表面積が6550μmの領域をレーザー法で測定したときの、粗化処理前の3次元表面積を(a)μmとしたとき、値(A)と値(a)との比[(A)/(a)]の値が1.15〜2.50であれば、周波数が10GHzを超える高周波信号の伝送損失は、従来のプリント配線板用銅箔を用いた場合と比べて小さくなり、バラツキも小さくなる。
本件発明に係る表面処理銅箔の形態: 本件発明に係る表面処理銅箔は、「絶縁樹脂基材との接着表面の表面粗さ(Rzjis)が2.5μm以下で、且つ、2次元表面積が6550μmの領域をレーザー法で測定したときの3次元表面積(A)μmと2次元表面積との比[(A)/(6550)]の値である表面積比(B)が1.2〜2.5」という要件と、「前記絶縁樹脂基材と張り合わせる接着表面は、未処理銅箔の粗化処理前の表面粗さ(Rzjis)が1.0μm未満の表面を粗化処理した接着表面であり、粗化処理前に2次元表面積が6550μm の領域をレーザー法で測定した3次元表面積を(a)μm としたとき、粗化処理後に2次元表面積が6550μm の領域をレーザー法で測定した前記3次元表面積の値(A)と値(a)との比[(A)/(a)]の値が1.15〜2.50」という要件を満たすものである。
上記表面粗さ(Rzjis)とは、JIS規格に定める10点平均粗さであり、本件発明に係る表面処理銅箔は、絶縁樹脂基材との接着表面が2.5μm以下の表面粗さ(Rzjis)を備える。平滑な未処理銅箔の表面に、粗化処理粒子を電解法で付着形成する粗化処理であっても、表面粗さ(Rzjis)の値が2.5μm以下であれば、電流が極端に集中して粗化処理粒子が形成された部分は少なく、粗化処理粒子同士が重なり合うように析出した部分も少ない。即ち、付着形成された粗化処理粒子の形状にはバラツキが少ない。そして、より安定した引き剥がし強さ、耐薬品性、耐吸湿性を保証するためには、当該表面粗さ(Rzjis)が、1.5μm〜2.4μmの接着表面とすることがより好ましい。
更に、前記絶縁樹脂基材との接着表面の2次元表面積が6550μmの領域をレーザー法で測定したときの3次元表面積(A)μmと2次元表面積との比[(A)/(6550)]の値である表面積比(B)が1.2〜2.5である。銅箔をエッチングするサブトラクティブ法で微細配線回路を形成することを考えると、付着形成する粗化処理粒子は、少ない量で最大の接触面積を得ることが好ましい。この観点から、前記粗化処理粒子の形状は略球状であることが好ましい。この粗化処理粒子が真球であると仮定して、表面積をレーザー法で測定すると、上半球は球の表面積として計測され、下半球は円筒として計測されることになる。従って、真球が存在する部分における表面積は、投影面積の4倍になると考えられる。
しかし、接着表面を略球状の粗化処理粒子で埋め尽くすことは不可能であり、且つ、形成される粗化処理粒子の表面は平滑ではない。従って、粗化処理後の粗化処理粒子同士は、ある離間距離を備えた状態で分布する。しかし、表面積比の値(B)が1.2を下回る状態では、粗化処理粒子の離間距離が大きくて分布がまばらであったり、また、粗化処理粒子の形状がアンカー効果が得られにくい形状(例えば、円錐や半球など)を備える傾向が見られるようになる。その結果、この様な表面処理銅箔を用いたプリント配線板では、絶縁樹脂基材と配線回路の密着性、耐薬品性、耐吸湿性等を満足することが困難になるため好ましくない。
一方、表面積比の値(B)が2.5を超えると、付着形成された粗化処理粒子の粒径バラツキが大きく、粗化処理粒子同士が近接して形成されていたり、大きな粗化処理粒子の間に小さな粗化処理粒子が隠れてしまう状態が見られるようになる。個々の粗化処理粒子間で粒径のバラツキが大きいと、エッチングにより配線回路を形成する際には、オーバーエッチング時間の短縮が困難となるため好ましくない。上記観点から、より以上に安定した引き剥がし強さ、耐薬品性、耐吸湿性を保証するためには、当該値(B)が1.5〜2.4の接着表面とすることが、より好ましい。
上記粗化処理粒子として、金属銅の微細な粒子を付着形成するには、電気めっき法や無電解めっき法を用いることができる。電気めっき法を用いて付着形成する場合には、未処理銅箔表面へ微細粗化処理粒子を付着形成するための第1段処理と、当該微細粗化処理粒子の銅箔への付着を強固にする第2段処理とからなる2段階の銅めっきにより粗化処理粒子を付着形成するのが一般的である。
2段階銅めっきで銅の粗化処理粒子を形成するには、まず、第1段処理では、銅濃度を10g/L〜25g/L、フリー硫酸濃度を50g/L〜150g/Lとし、必要に応じ、添加剤としてゼラチンなどを添加した硫酸系銅電解液を用い、陽極にはDSAを用い、液温20℃〜30℃、陰極電流密度20A/dm〜50A/dmの条件で電解し、微細粗化処理粒子を未処理銅箔の表面に付着形成する。そして、第2段処理では、銅濃度を45g/L〜100g/L、フリー硫酸濃度を50g/L〜150g/Lとした硫酸系銅電解液を用い、陽極にはDSAを用い、液温30℃〜50℃、陰極電流密度20A/dm〜60A/dmで電解し、付着形成した前記微細粗化処理粒子を包み込むように銅を平滑めっきして形状を整え、狙いとする形状の粗化処理粒子とする。
そして、本件発明に係る表面処理銅箔においては、前記絶縁樹脂基材と張り合わせる接着表面は、未処理銅箔の粗化処理前の表面粗さ(Rzjis)が1.0μm未満の表面を粗化処理した接着表面であり、粗化処理前に2次元表面積が6550μmの領域をレーザー法で測定した3次元表面積を(a)μmとしたとき、粗化処理後に2次元表面積が6550μmの領域をレーザー法で測定した前記3次元表面積の値(A)と値(a)との比[(A)/(a)]の値が1.15〜2.50という条件を満たす必要がある。
上述のように、本件発明では、粗化処理は未処理銅箔が備える表面粗さ(Rzjis)が1.0μm未満の表面に施す。この粗化処理粒子を付着形成する面は、表面粗さ(Rzjis)が1μm未満であれば、析出面であっても、光沢面であっても良く、また、析出面を機械加工又は化学研磨して表面粗さを整えた面であっても構わない。表面粗さ(Rzjis)を1.0μm未満としたのは、電解反応における電流が未処理銅箔表面が備える異常突起や凸部等へ集中し、粗化処理粒子が肥大化したり、局部的に付着形成することの防止を第1の目的としている。
一般的な用途に用いられる表面処理銅箔では、電解銅箔の析出面に粗化処理を施しており、この析出面は山形の円錐形状に析出した形態を示し、粗化処理前でも表面粗さ(Rzjis)は2μm以上を示すのが通常である。この様な銅箔表面に粗化処理を施すと、円錐形状の頂点に肥大化した粗化処理粒子が付着形成され、円錐形状の底辺部分や稜線部分には、粗化処理粒子は形成され難い。この様な、表面粗さ(Rzjis)が1.0μmを超えると、粗化処理粒子は未処理銅箔の表面が備える異常突起や凸部等へ集中して形成されることになる。この上限を超える未処理銅箔の表面を走査型電子顕微鏡で観察すると、うねりや凹凸形状を備える表面状態が観察されることが多い。
そして、粗化処理を施す未処理銅箔の表面を滑らかで平坦なものとする第2の目的は、この表面処理銅箔を用いて製造されるプリント配線板の電気特性の安定化にある。プリント配線板に実装する電子部品の特性を最大限に発揮させるためには、前述のように、伝送損失の低減はもとより、クロストークの低減や特性インピーダンスの管理が重要である。また、高周波領域の信号は、表皮効果によって配線回路の外周部分に集中して伝播することが知られており、その厚さは1GHzで厚さ2.1μm、10GHzでは厚さ0.7μmと計算できる。即ち、10GHzを超える高周波信号を用いる場合には、表面粗さ(Rzjis)が1μmを超える未処理銅箔で形成した配線回路を伝播する際には伝播距離が長くなり、受信側では変形した信号波形が得られることになる。そして、クロストークは、配線回路端面の突起が果たすアンテナ効果の影響を受けるとも言われている。更に、配線回路の表面凹凸にバラツキが大きいことは、配線回路抵抗やインピーダンスのバラツキに直結する。従って、表面が平滑な未処理銅箔を用いることで、プリント配線板の電気特性安定化に大きく寄与できる。
更に、2次元表面積が6550μmの領域をレーザー法で測定したときの粗化処理前の3次元表面積を(a)μmとし、粗化処理後の3次元表面積を(A)μmとしたとき、値(A)と値(a)との比[(A)/(a)]の値を1.15〜2.50としている。この指標は、粗化処理の強弱のレベルを示している。そして、[(A)/(a)]の値が1.15を下回っていると、粒状の良好な粗化処理が均一に行われていない状態である。即ち、粗化処理によるアンカー効果を大きくは期待できないため、好ましくない粗化処理状態である。一方、上記[(A)/(a)]の値が2.5を超えると、粗化処理が過剰であり、付着形成した粗化処理粒子の粒径にバラツキが大きくなるか、析出粗化処理粒子の析出状態が粗くなるか、又は、粒子形状が略球状からデンドライト状になるか、いずれかの傾向がある。その結果、サブトラクティブ法で配線回路を形成する際には、オーバーエッチング時間を長めに設定する必要があり、ファインピッチや直線性が良好なエッジを備える配線回路の形成が困難になるため好ましくない。
ここで、表面粗さ(Rzjis)が1.0μm未満の表面を備える銅箔の製造方法に関して述べておく。なお、ここで言う銅箔とは、圧延銅箔や電解銅箔の全てを含むものとして記載しているが、圧延銅箔の場合の表面粗さ(Rzjis)は1.0μmを超えることが少ないため、電解銅箔に関してのみ製造方法の一例を簡単に述べておく。表面が平滑な電解銅箔は、銅濃度を60g/L〜100g/L、フリー硫酸濃度を50g/L〜150g/Lとし、添加剤として活性硫黄化合物のスルホン酸塩の濃度を5mg/L〜1g/L、環状構造を持つ4級アンモニウム塩重合体の濃度を5mg/L〜500mg/L、塩素濃度を10mg/L〜100mg/Lに調整した硫酸系銅電解液を用い、陽極にはDSAを用いて、電解液温40℃〜60℃、陰極電流密度30A/dm〜100A/dmで電解する等により得られる。ここで添加剤として用いる活性硫黄化合物のスルホン酸塩には、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸(以下、「MPS」と称する。)及びビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド(以下、「SPS」と称する。)等を用いることができ、環状構造を持つ4級アンモニウム塩重合体には、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(以下、「DDAC」と称する。)重合体等を用いることができる。
更に、本件発明に係る表面処理銅箔においては、前記絶縁樹脂基材と張り合わせる接着表面は、10cm×10cmの2次元領域内の10箇所で測定した表面粗さ(Rzjis)の値が示す、粗化処理後の表面粗さ(Rzjis)の測定値の変動係数(CV)と、未処理銅箔の粗化処理前の表面粗さ(Rzjis)の測定値の変動係数(CV)とが、CV≦CVの関係を備える。上述してきた評価要素では、現実に使用されるプリント配線板の有効面積内でのバラツキを考慮していない、μmオーダーの領域を評価している。しかし、実際のプリント配線板は、数十cmレベルのサイズで加工される。従って、粗化処理や防錆処理等は、少なくとも10cm×10cmサイズで評価した場合のバラツキが小さくなければ、実用上の優劣の判断は困難である。一方、粗化処理前の銅箔であれば、10cm×10cmの単位に分割して評価した場合のいずれの場所においても、評価した諸特性にほとんど差がないように作り込める。
ここで、粗化処理前の未処理銅箔の表面粗さ(Rzjis)が粗化処理によって変化する現象を考えてみる。まず、粗化処理工程で、未処理銅箔の表面形状に沿って、ほぼ同一形状の粒子を付着形成させたと仮定する。この仮定の下では、表面粗さ(Rzjis)が粗化処理粒子の付着に起因して増加するとすれば、10点で測定した表面粗さ(Rzjis)の測定値の平均値は上昇する。そして、10点で測定した表面粗さ(Rzjis)のバラツキ(標準偏差)も上昇する。しかし、ほぼ同一形状の粒子を付着形成したものであれば、標準偏差の上昇の程度は、平均値の上昇の程度と比べれば小さいはずである。即ち、バラツキを示す標準偏差と平均値との比[(標準偏差)/(平均値))]の値である変動係数(Coefficient of Variation:以下、「CV値」と称する。)は、未処理銅箔の10点を測定した表面粗さ(Rzjis)のCV値よりも小さくなるはずである。よって、粗化処理面の表面粗さ(Rzjis)のCV値(CV)が、未処理銅箔表面の粗さ(Rzjis)のCV値(CV)よりも小さくなっている場合には、均一な粗化処理が施されていると判断可能な指標となる。そして、本件発明に係る表面処理銅箔は、CV≦CVの関係を備える接着表面である。
そして、上記のように絶縁樹脂基材との接着表面の表面積比が所定範囲にある本件発明に係る表面処理銅箔を用いて得られるプリント配線板は、高周波信号の伝送損失が小さく、伝送損失のバラツキも減少する。前述のように、高周波信号の伝送損失は、表皮効果を抜きにして考察することはできない。そして、高周波信号は誘電率が大きな方向に寄って流れる性質がある。従って、マイクロストリップラインでは、高周波信号は絶縁樹脂基材側を主に伝播する。即ち、マイクロストリップラインにおける伝送損失に大きく影響する銅箔の特性では、まず、銅箔接着表面の表面形状への依存性が大きく、次に配線回路エッジの直線性への依存性が大きい。従って、マイクロストリップラインで伝送損失を評価すると、表面処理銅箔の接着表面の影響が最も明確に現れる。その上で、本件発明に係る表面処理銅箔は、後の実施例に示すように、本件発明に係る表面処理銅箔の粗化処理面を絶縁樹脂基板と接着することにより、呼称厚さ18μmの銅箔とFR−4基材との組み合わせにおいて、周波数が10GHzの信号を配線回路幅220μmのマイクロストリップライン経由で伝送する際の伝送損失を、3.9db/cm以下にできる。即ち、従来から使用されている一般銅箔とは明らかに異なるレベルを示す。この伝送損失は、接着表面が粗くなるほど大きくなる傾向を備えるものである。
そして、従来から周波数10GHzを超える領域でのプリント配線板の電気特性の評価は信頼性に欠けると言われていたが、最近では測定機器の信頼性が上がり、測定結果に対する信頼性も向上してきた。ここの測定結果の信頼性を考えてみると、同一部位を測定した結果の再現性と、複数の測定箇所から得られるデータのバラツキをもって判断することが多い。従って、このバラツキは、測定機器と試験クーポンが内在するバラツキとを総合したものである。この観点からは、前記一般的な多層プリント配線板に用いられてきたプリント配線板用銅箔を用いた場合、伝送損失の絶対値が大きいだけではなくバラツキも大きいため、試験クーポンの伝送特性などを評価した結果を信頼してプリント配線板を設計しても、設計品質通りのプリント配線板を現実に製造することが困難であった。実際に、接着表面の状態を示す指標として、従来のプリント配線板用銅箔の接着表面を評価する指標である表面粗さ(Rzjis)を用いると、表面粗さ(Rzjis)の上昇と共に伝送損失が大きくなる傾向は把握できても、表面粗さ(Rzjis)が2.5μmを超える付近で、表面粗さ(Rzjis)と伝送損失との相関は不明確になる傾向がある。しかし、本件発明に係る表面積比を指標として用いると、表面粗さ(Rzjis)が2.5μmを超える表面処理銅箔に対しても、表面積比−伝送損失の相関関係がほぼ直線的な相関を示す。即ち、本件発明に係る表面処理銅箔は、指標として用いる表面積比を適正な範囲としているため、測定用の試験クーポンを作製しても内部のバラツキが小さく、伝送損失の測定データの信頼性が向上する。従って、本件発明に係る表面処理銅箔は、シミュレーションをベースとして製作したプリント配線板に対して、当初の設計品質通りの安定した電気特性、例えば、特性インピーダンスや高周波の伝送特性の作り込みが可能な表面処理銅箔である。
更に、本件発明に係る表面処理銅箔においては、前記絶縁樹脂基材と張り合わせる接着表面は、10cm×10cmの2次元領域の評価において、亜鉛−ニッケル合金層が含む亜鉛とニッケルとの合計量(C)mg/mが40mg/m以上である。当該亜鉛とニッケルとの合計量が40mg/m未満の場合には、亜鉛−ニッケル合金による銅箔表面の被覆が不十分な部分が存在し、この部分は絶縁樹脂基材との密着性や耐薬品性に劣るため好ましくない。亜鉛とニッケルとの合計量の40mg/mとは、完全にフラットな理想平面を、厚さ約40Åの亜鉛−ニッケル合金で被覆できる量である。そして、40Åの厚さで理想平面を覆う亜鉛−ニッケル合金量は、ほぼ平滑な表面に微細で形状のバラツキが小さい粗化処理粒子が存在する場合には、表面積比が2前後の粗化処理面の粗化処理粒子が備えるオーバーハング部分を含めて、十分に被覆可能な量である。
そして、前記亜鉛−ニッケル合金層は、ニッケルを65wt%〜90wt%、亜鉛を10wt%〜35wt%含有することが好ましい。ここの「wt%」表示は、亜鉛とニッケルとの合計を100wt%とし、不可避不純物の存在を考慮していないことを明記しておく。この亜鉛−ニッケル合金層が含むニッケルは、絶縁樹脂基材と金属銅との直接の接触を妨げ、絶縁樹脂基材と銅箔との密着性を安定させるように作用する。一般的に、金属銅と基材樹脂とが直接接触していると、加熱を受けた際に、貴金属である銅の触媒作用により、樹脂が変質(酸化)する。そして、樹脂の変質がおこると、接着強度、耐薬品性、耐吸湿性などほとんどの特性に悪影響を与えることになる。そこで、プリント配線板の加工工程で受ける熱履歴の範囲で、金属銅と合金化しにくいニッケルを含む亜鉛−ニッケル合金層を設け、銅と絶縁樹脂基材との直接接触を防止するバリアとして機能させる。
しかし、ニッケル含有量が90%を超えると、配線回路を形成する際に銅エッチング液で処理しても、完全にニッケルを溶解除去することが困難になり、表層マイグレーションの発生原因となるため好ましくない。一方、亜鉛の含有割合が35wt%を超えると、形成した配線回路の耐薬品性が低下する傾向が見られ、錫めっきを行った場合等には、析出錫の潜り込み現象が発生しやすくなる。上記両方の現象を回避するためには、亜鉛−ニッケル合金層が含むニッケルを70wt%〜85wt%、亜鉛を30wt%〜15wt%とすることが好ましい。
上記亜鉛−ニッケル合金層を形成するには、例えば、硫酸ニッケルを用いてニッケル濃度が1g/L〜3.5g/L、ピロリン酸亜鉛を用いて亜鉛濃度が0.1g/L〜1g/L、ピロリン酸カリウム濃度が50g/L〜250g/Lで、水酸化カリウムを用いてpH8〜11に調製したニッケルめっき液等を用いることができる。この様なめっき液の組成であれば、めっき液温を20〜50℃とし、銅箔の粗化処理面を陰極、対極に不溶性陽極を用い、電流密度0.3〜10A/dmで電解することで亜鉛−ニッケル合金層を銅箔表面に形成できる。しかし、めっき装置によっては、上記条件内であっても、ニッケル濃度が高く亜鉛濃度が低い場合には、ニッケル含有量が増加して亜鉛含有量が低下する。また、亜鉛濃度が高くニッケル濃度が低い場合には、亜鉛含有量が増加してニッケル含有量が低下する傾向となり、最適な含有比率が得られない場合がある。従って、予察試験を行って、装置の特性を考慮した最適条件を選択すれば良い。
そして、本件発明に係る表面処理銅箔においては、前記絶縁樹脂基材と張り合わせる接着表面は、前記亜鉛−ニッケル合金層が含む亜鉛とニッケルとの合計量の値(C)と前記表面積比(B)との比[(C)/(B)]の値が30以上である。前述のように、亜鉛とニッケルとの合計量は、亜鉛−ニッケル合金により銅箔表面を十分に被覆可能な量としなければならない。亜鉛−ニッケル合金層を形成する粗化処理面の表面積は、表面積比(B)の値に比例する。ここで、(B)の値が1.2〜2.5の範囲の場合、[(C)/(B)]の値を30以上とすれば、表面処理銅箔が備える粗化処理粒子の表面を、亜鉛−ニッケル合金層で完全に被覆した状態にできる。密着性や耐薬品性等のみを判断基準とすれば、[(C)/(B)]の値の上限に関しては、限定する意味合いはない。しかし、亜鉛とニッケルとの合計量が過剰になると、エッチングにより配線回路を形成する際に、オーバーエッチング時間をやや長めにすることが必要になる場合がある。表面マイグレーション等の発生を防止するためである。この観点から好ましい[(C)/(B)]の値の上限は50付近である。
また、前記亜鉛−ニッケル合金層の表面には、必要に応じてクロメート処理やシランカップリング剤処理を施すこともできる。クロメート層を形成するには、置換法や電解法等を採用できる。亜鉛−ニッケル合金層の表面にクロメート層を形成すれば、絶縁樹脂基材との密着性や耐薬品性が改善される。更に、シランカップリング剤を表面に吸着させれば、表面処理銅箔の表面と絶縁樹脂基材との濡れ性を改善できる。ここで用いるシランカップリング剤の種類は、絶縁樹脂基材の種類を勘案して適宜選択すれば良い。そして、樹脂と無機物との接着性を改善するために用いられる汎用のシランカップリング剤には、エポキシ官能性シランカップリング剤、オレフィン官能性シランカップリング剤、アクリル官能性シランカップリング剤等がある。しかし、ポリイミド樹脂の場合には、アミノ官能性シランカップリング剤又はメルカプト官能性シランカップリング剤を用いると、顕著な効果が得られるため好ましい。シランカップリング剤を表面処理銅箔の表面に吸着させるには、これらシランカップリング剤を含む水溶液を調製し、これを表面処理銅箔の表面と接触させれば良い。例えば、絶縁樹脂基材との接着表面のみにシランカップリング剤を吸着させるのであれば、シランカップリング剤を含む水溶液を粗化処理面にシャワーリングする方法等を用いることができる。
本件発明に係る銅張積層板の形態: 本件発明に係る銅張積層板は、本件発明に係る表面処理銅箔と絶縁樹脂基材とを張り合わせて得られる銅張積層板である。この銅張積層板は、前記表面処理銅箔が微細で均一に形成された粗化処理粒子を備えているため、プリント配線板を製造する際に、微細配線回路の形成が容易な銅張積層板となる。そして、形成された配線回路は、実用上十分な密着性を備え、耐薬品性や耐吸湿性にも優れ、電気特性も優れたものとなる。前述のように、高周波信号の伝送損失が小さく、特性インピーダンスの作り込みも容易であることからは、この銅張積層板は、クロック周波数が大きな半導体デバイスを直接搭載するパッケージ基板等の製造用途に好適である。
本件発明に係るプリント配線板: 本件発明に係るプリント配線板は、前記銅張積層板を用いて得られるプリント配線板である。即ち、本件発明に係るプリント配線板は、前述の銅張積層板を用いた本件発明に係る表面処理銅箔の特徴を生かし、従来の一般的な多層プリント配線板と比べると、微細配線回路を備え、高周波信号の伝送損失が少なく、設計品質通りの特性インピーダンスを備えるプリント配線板となる。
実施例1では、厚さ9μmの未処理銅箔の析出面に粗化処理と防錆処理とを施して5種類の表面処理銅箔(試料1−1〜試料1−5)を作成し、各種評価を行った。粗化処理及び防錆処理の条件は、比較例1で用いた条件と併せて、後の表1に示す。
未処理銅箔の製造: 厚さ9μmの未処理銅箔は、銅電解液として以下に示す組成の硫酸酸性硫酸銅溶液を用い、陰極にチタン製の回転電極を、陽極にはDSAを用いて、液温45℃、電流密度55A/dmで電解して製造した。
銅濃度: 80g/L
フリー硫酸濃度: 140g/L
SPS濃度: 30mg/L
DDAC重合体濃度: 50mg/L
塩素濃度: 40mg/L
表面粗さ(Rzjis): 上記未処理銅箔の析出面の表面粗さ(Rzjis)は、先端のrが2μmのダイヤモンドスタイラスを備える、触針式の表面粗さ計(株式会社小坂研究所製、商品名:SEF−30D)を用い、JIS B 0601に準拠して測定した。その結果、表面粗さ(Rzjis)は、10箇所の測定結果の平均値は0.7μmであり、CV値(CV)は0.048であった。評価結果を、実施例1及び比較例1の評価結果を併せて、後の表2に示す。
3次元表面積: 3次元表面積は、株式会社キーエンス製超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9500(使用レーザー:可視光限界波長408nmのバイオレットレーザー)を用いて、未処理銅箔の析出面の、2次元表面積が6550μmの領域について測定した。その結果、3次元表面積は6588μmであった。評価結果を、実施例1及び後述する比較例の試料1−7の評価結果と併せて、後の表2に示す。
粗化処理: 粗化処理では、第1段処理で微細粗化処理銅粒子を付着形成し、第2段処理で平滑めっきし、粗化処理銅粒子の形状を整える2段階の電解銅めっきを実施した。まず、第1段処理では、銅濃度を10g/L、フリー硫酸濃度を100g/Lに調整し、液温を30℃とした第1銅電解液中で、未処理銅箔を陰極とし、未処理銅箔の析出面に対向させて陽極のDSAを配置して、後の表1に記載の各電流条件で未処理銅箔の析出面に微細粗化処理銅粒子を形成した。
そして、第2段処理では、銅濃度を70g/L、フリー硫酸濃度を150g/Lに調整し、液温を45℃とした第2銅電解液中で、銅箔を陰極とし、銅箔の析出面側に対向させて陽極のDSAを配置して、後の表1に記載の各電流条件で、微細粗化処理粒子を付着形成した未処理銅箔の析出面に平滑めっきを施し、粗化処理銅粒子の形状を整えた。
上記にて粗化処理銅粒子を形成後、銅箔の両面に無機防錆処理を施した、具体的には、ピロリン酸カリウム濃度を80g/L、亜鉛濃度を0.2g/L、ニッケル濃度を2g/Lに調整し、液温を40℃としたピロリン酸塩防錆浴中で、銅箔を陰極として、陽極のSUS板を銅箔の両側に配置し、銅箔の粗化処理面側には後の表1に記載の各電流条件で亜鉛−ニッケル合金層を形成した。
更に、電解法でクロメート層を形成した。具体的には、クロム酸濃度が1g/LでpHを11とした25℃の溶液中で、銅箔を陰極として、SUS板を陽極として粗化処理面と対向配置して電流密度1A/dmで電解し、クロメート層を形成した。
クロメート処理が完了すると水洗し、直ちに析出面側の防錆処理層の上にシランカップリング剤を吸着させた。具体的には、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランをイオン交換水に溶解して濃度が3g/Lの水溶液を調製し、この水溶液を析出面側の防錆層の全面が濡れるようにシャワーリングし、その後ロールと接触させて液膜厚さを均一にした。
シランカップリング剤処理が終了すると、銅箔温度が150℃になる雰囲気に設定した乾燥炉内に4秒間保持して水分を気散させ、9μm厚さの5種類の表面処理銅箔、試料1−1〜試料1−5を得た。
接着表面の表面粗さ(Rzjis): 試料1−1〜試料1−5の接着表面の表面粗さ(Rzjis)は、未処理銅箔の析出面と同様にして測定した。その結果、10箇所の測定結果の平均値は1.5μm〜2.3μmであり、CV値(CV)は0.031〜0.041であった。
3次元表面積: 未処理銅箔と同様にして、試料1〜試料5の、接着表面側の3次元表面積を測定した。その結果、3次元表面積は、8216μm〜11735μmであった。従って、2次元表面積が6550μmの測定領域との比であるBの値は1.25〜1.79であり、未処理銅箔の3次元表面積6588μmとの比である[(A)/(a)]の値は、1.25〜1.78であった。
合金層の組成: 亜鉛−ニッケル合金層の組成は、光沢面側が溶解しないようにドライフィルムレジストで保護し、接着表面の5cm×10cm領域を酸化性の酸溶液で溶解後、純水を加えて定容とし、この水溶液が含む合金成分濃度をICP発光分光分析装置を用いて分析した。合金成分量は、分析結果の成分濃度を換算し、1mの単位面積が含む量として算出した。前記分析の結果、合金層が含む亜鉛の量は10mg/m〜13mg/m、ニッケルの量は39mg/m〜46mg/m、亜鉛とニッケルとの合計量(C)は、49mg/m〜59mg/mであった。更に、この防錆量(C)を用い、3次元表面積あたりの防錆量[(C)/(B)]の値を算出したところ、(C)/(B)の値は31〜41であった。評価結果を、比較例1の評価結果と併せて、後の表3に示す。
密着性: 試料1〜試料5の絶縁樹脂基材との密着性は、厚さ約1.0mmのFR−4銅張積層板を作成して評価した。具体的には、厚さ0.18mmのFR−4プリプレグを5枚重ねた上に、上記表面処理銅箔の粗化処理面が上記FR−4プリプレグ側に接するようにして重ねたブックとし、このブックを20kgf/cm、165℃で60分間加熱加圧成形して、片面銅張積層板を作製した。
次に、上記片面銅張積層板の銅箔面を整面後、全面にネガ型ドライフィルムをラミネートした。このドライフィルム上に評価用の配線回路形状を形成するためのマスクフィルムを載せて露光、現像して、露光されていない部分のドライフィルムを除去し、エッチングレジストを形成した。次に、塩化第二銅エッチング液を用いて、エッチングレジストで被覆されていない部分の銅箔をエッチングした。更に、エッチングレジストをNaOH水溶液を噴霧して剥離し、密着性評価用の幅0.2mmの直線状の配線回路を備える試験クーポンを得た。
上記試験クーポンの常態引き剥がし強さ(Peel Strength as Recieved:以下、「P/S−A」と称する)は、万能試験機を用い、JIS C 6481に準拠して測定した。その結果、P/S−Aは0.81kgf/cm〜0.96kgf/cmであり、実用上十分な値であった。評価結果を、比較例1の評価結果と併せて、後の表4に示す。
耐薬品性: 耐薬品性の評価は、上記にて得られた試験クーポンを、希塩酸(水:濃塩酸=1:1)に室温で60分間の浸漬前後の引き剥がし強さの変化から求める耐塩酸性で評価した。具体的な試験方法では、試験クーポンを希塩酸に攪拌しながら浸漬し、60分間経過後試験クーポンを取り出してすぐに水洗して風乾し、規定時間以内にP/S−Aと同様の方法で、塩酸処理後の引き剥がし強さを測定した。耐塩酸性の指標である耐塩酸劣化率(%)は、塩酸処理後の引き剥がし強さとP/S−Aとの差の値をP/S−Aで除して算出した。その結果、耐塩酸劣化率は0%〜4.0%であり、良好な値であった。評価結果を、比較例1の評価結果と併せて、後の表4に示す。
耐吸湿性: 耐吸湿性の評価は、上記にて得られた試験クーポンを、120分間イオン交換水中で煮沸した前後の引き剥がし強さの変化から求める耐湿性で評価した。具体的な試験方法では、試験クーポンをイオン交換水中で煮沸し、120分後に試験クーポンを取り出して水洗して風乾、冷却し、規定時間内にP/S−Aと同様の方法で、煮沸後の引き剥がし強さを測定した。耐吸湿性の指標である耐湿劣化率(%)は、煮沸後の引き剥がし強さとP/S−Aとの差の値をP/S−Aで除して算出した。その結果、耐湿劣化率は0%〜3.0%であり、良好な値であった。評価結果を、比較例1の評価結果と併せて、後の表4に示す。
実施例2では、本件発明に係る粗化処理面を形成した18μm厚さの表面処理銅箔の伝送損失を、10GHzの高周波信号を用いて評価した。表面処理銅箔は、実施例1と同様にして18μmの未処理銅箔を製造し、未処理銅箔の析出面(Rzjis:0.6μm)に、実施例1の試料1−4と同様の条件で表面処理を施して作成した。表面処理後の表面粗さ(Rzjis)は2.0μm、表面積比(B)は1.61であり、試料1−4とほぼ同等であった。
伝送損失の評価は、上記表面処理銅箔をFR−4基材(三菱瓦斯化学(株)製GEPL−230TNT)と推奨条件で張り合わせた15cm×15cmサイズで板厚が0.1mmの両面銅張積層板を用いて実施した。評価用の試験クーポン2には、実施例1と同様、ドライフィルムをエッチングレジストとして用い、塩化第二銅エッチング液で不要部分の銅箔をエッチング除去して220μm幅で長さ150mmの配線回路を形成した。伝送損失は、アンリツ株式会社製のネットワークアナライザーを用いて評価した。その結果、10GHzの高周波信号を用いた場合の伝送損失は3.7db/cmであった。
比較例
[比較例1]
比較例1では、実施例1と同じ未処理銅箔を用いた試料1−6と、未処理銅箔として三井金属鉱業(株)製9μm厚さのVLP銅箔を用いた試料1−7とを、表1に記載の条件で表面処理を施して作成し、実施例1と同様の評価を行った。試料1−7の作製に用いたVLP銅箔の、析出面10箇所の表面粗さ(Rzjis)測定結果の平均値は2.0μmであり、CV値(CV)は0.052であった。また、2次元表面積が6550μmの領域について測定した3次元表面積は8512μmであった。この表面処理銅箔の、比較例1の処理条件を、実施例1の処理条件と併せて以下の表1に、接着面に関わる評価結果を実施例1の評価結果と併せて、後の表2に示す。
Figure 0005129642
上記にて得られた試料1−6を評価した結果、表面処理後の3次元表面積は7300μmであり、2次元表面積が6550μmの測定領域との比であるBの値は1.11、未処理銅箔の3次元表面積6588μmとの比である[(A)/(a)]の値は、1.11であった。この表面処理銅箔の、絶縁樹脂基材との接着表面10箇所の表面粗さ(Rzjis)の測定結果の平均値は1.3μmであり、CV値(CV)は0.045であった。接着表面の合金層の分析では、合金層が含む亜鉛の量は12mg/m、ニッケルの量は38mg/m、亜鉛とニッケルとの合計量(C)は50mg/mであり、同一条件で防錆処理を施した実施例1とほぼ同等であった。この防錆量(C)を用い、3次元表面積あたりの防錆量[(C)/(B)]の値を算出したところ、(C)/(B)の値は45であった。そして、FR−4基材におけるP/S−Aは0.66kgf/cm、耐塩酸劣化率は0.0%、耐湿劣化率は1.4%であった。評価結果を、実施例1及び試料1−7の評価結果と併せて、後の表2〜表4に示す。
そして、試料1−7を評価した結果、表面処理後の3次元表面積は13099μmであり、2次元表面積が6550μmの測定領域との比であるBの値は2.00、未処理銅箔の3次元表面積8512μmとの比である[(A)/(a)]の値は、1.54であった。また、この表面処理銅箔の、絶縁樹脂基材との接着表面10箇所の表面粗さ(Rzjis)測定結果の平均値は3.2μmであり、CV値(CV)は0.056であった。接着表面の合金層の分析では、合金層が含む亜鉛の量は11mg/m、ニッケルの量は46mg/m、亜鉛とニッケルとの合計量(C)は57mg/mであった。この防錆量(C)を用い、3次元表面積あたりの防錆量[(C)/(B)]の値を算出したところ、(C)/(B)の値は29であった。そして、FR−4基材におけるP/S−Aは1.03kgf/cm、耐塩酸劣化率は6.4%、耐湿劣化率は9.4%であった。評価結果は、実施例1と試料1−6の評価結果と併せて、以下の表3〜表4に示す。
Figure 0005129642
Figure 0005129642
Figure 0005129642
[比較例2]
比較例2では、市場に流通している無粗化銅箔を含む表面処理銅箔8種類を用い、実施例2と同様にして伝送損失を評価した。比較例2で評価した表面処理銅箔の表面粗さ(Rzjis)は0.4μm〜4.3μm、表面積比は1.0〜2.36であった。そして、10GHzの高周波信号の伝送損失は、3.2db/cm〜4.2db/cmであった。
<実施例1と比較例1との対比>
表2から明らかなように、実施例で得られた表面処理銅箔は、粗化処理面の表面粗さ(Rzjis)の評価結果のCV値(CV)が未処理銅箔の表面粗さの(Rzjis)評価結果のCV値(CV)よりも小さい。即ち、実施例の粗化処理面には粗化処理粒子が均一に付着形成されていることを示している。また、表4に見られるように、FR−4基材におけるP/S−Aも実用上十分であり、プリント配線板用途に好適に用いることができるレベルである。これに対し、表4に見られるように、比較例1の試料1−6はP/S−Aが低レベルである。そして、表2によれば、この表面処理銅箔の3次元表面積は7300μmと小さく、低P/S−Aは、粗化処理における粒子の形成が不十分であることに起因していることがわかる。また、試料1−7は、表2に見られるように、粗化処理面の表面粗さ(Rzjis)評価におけるCV値(CV)は0.056であり、未処理銅箔であるVLP箔のCV値(CV)の0.052よりもやや大きく、実施例と比較例とを通じた中で最大である。そして、表面粗さ(Rzjis)の絶対値も3.2μmと大きく、粗化処理面には粒子形状のバラツキが大きいことが明らかである。その結果、FR−4基材におけるP/S−Aを上昇させる効果が十分に得られていないと判断できる。更に、表3と表4とを対比すると、試料1−7ではC/Bの値が30を下回っていることから、亜鉛−ニッケル合金による表面被覆が不十分な部分が存在し、耐薬品性及び耐吸湿性に劣っていることがわかる。
<実施例2と比較例2との対比>
ここでは、表面処理銅箔の接着表面の評価指標である表面粗さ(Rzjis)と表面積比とが示す伝送損失との相関を対比する。表面積比と伝送損失との関係を図1に、表面粗さ(Rzjis)と伝送損失との関係を図2に示す。まず、表面積比を指標とした場合には、評価した表面処理銅箔の全体に亘って表面積比−伝送損失の相関関係が直線的な相関を示す。ところが、表面粗さ(Rzjis)を指標とした場合には、表面粗さ(Rzjis)が2.5μmを超えるとバラツキが大きくなり、良好な相関は見られていない。即ち、IPC規格に定めるプロファイルがType−Vのプリント配線板用銅箔を用いても、10GHzの高周波では必ずしも伝送特性が良好な配線回路を形成できるとは限らないことがわかる。従って、本対比からは、プリント配線板の電気特性は、本件発明に係る表面積比を指標として設計する方法に優位性があることが明らかである。
本件発明に係る表面処理銅箔は、表面粗さ(Rzjis)が2.5μm以下で、且つ、2次元表面積が6550μmの領域をレーザー法で測定したときの3次元表面積(A)μmと2次元表面積との比[(A)/(6550)]の値である表面積比(B)が1.2〜2.5である絶縁樹脂基材との接着表面を備える。そして、未処理銅箔の粗化処理前の表面粗さ(Rzjis)が1.0μm未満の表面を粗化処理し、2次元表面積が6550μmの領域をレーザー法で測定したときの、粗化処理前の3次元表面積を(a)μmとし、粗化処理後の3次元表面積を(A)μmとしたとき、値(A)と値(a)との比[(A)/(a)]の値が1.15〜2.50であれば、高周波信号の伝送損失の予測が容易になる。従って、半導体デバイスを直接搭載するパッケージ用途等では、誘電率及び誘電正接が更に小さな絶縁樹脂基材と本件発明に係る表面処理銅箔とを張り合わせれば、より高周波の信号を処理する際の伝送損失も小さくすることが可能である。更に、プリント配線板用銅箔を上記表面積比を指標として選択しプリント配線板を設計すれば、その電気特性は、設計値と実際の製品との乖離を小さくできる。その結果、少ない試作回数で電気特性が作り込まれたプリント配線板の製造が可能になる。
表面積比と伝送損失との関係を示す図である。 表面粗さ(Rzjis)と伝送損失との関係を示す図である。

Claims (6)

  1. プリント配線板用の表面処理銅箔であって、
    絶縁樹脂基材と張り合わせる接着表面は、表面粗さ(Rzjis)が2.5μm以下で、且つ、2次元表面積が6550μmの領域をレーザー法で測定したときの3次元表面積(A)μmと当該2次元表面積との比[(A)/(6550)]の値である表面積比(B)が1.2〜2.5であり、
    且つ、前記絶縁樹脂基材と張り合わせる接着表面は、未処理銅箔の粗化処理前の表面粗さ(Rzjis)が1.0μm未満の表面を粗化処理した接着表面であり、粗化処理前に2次元表面積が6550μm の領域をレーザー法で測定した3次元表面積を(a)μm としたとき、粗化処理後に2次元表面積が6550μm の領域をレーザー法で測定した前記3次元表面積の値(A)と値(a)との比[(A)/(a)]の値が1.15〜2.50であることを特徴とする表面処理銅箔。
  2. 前記絶縁樹脂基材と張り合わせる接着表面は、10cm×10cmの2次元領域内の10箇所で測定した表面粗さ(Rzjis)の値が示す、粗化処理後の表面粗さ(Rzjis)の測定値の変動係数(CV)と、未処理銅箔の粗化処理前の表面粗さ(Rzjis)の測定値の変動係数(CV)とが、CV≦CVの関係を備える接着表面である請求項1に記載の表面処理銅箔。
  3. 前記絶縁樹脂基材と張り合わせる接着表面は、10cm×10cmの2次元領域の評価において、亜鉛−ニッケル合金層が含む亜鉛とニッケルとの合計量(C)mg/mが40mg/m以上である請求項1又は請求項2に記載の表面処理銅箔。
  4. 前記絶縁樹脂基材と張り合わせる接着表面は、前記亜鉛−ニッケル合金層が含む亜鉛とニッケルとの合計量の値(C)と前記表面積比(B)との比[(C)/(B)]の値が30以上である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の表面処理銅箔。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の表面処理銅箔と絶縁樹脂基材とを張り合わせて得られたことを特徴とする銅張積層板。
  6. 請求項5に記載の銅張積層板を用いて得られたことを特徴とするプリント配線板。
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