JP5126371B2 - 車両安定化制御装置 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、車両安定化制御装置に関するものである。特に、この発明は、車両の制動時における安定性を確保できる車両安定化制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車両安定化制御装置では、車輪で発生させる制動力を制御し、車両の走行中に運転者の意思に関わらず車両の走行時の状態に応じて車輪の制動力を制御することにより、車両走行時の安定性を確保しているものがある。例えば、特許文献1に記載の車輌の制動力制御装置では、制動時に車輪がロックする状況の場合には、ロックする車輪に制動力を発生させるホイールシリンダに付与する油圧を低下させることにより車輪のロックを抑制し、また、ヨー方向の挙動制御を行う場合には、左右の車輪の制動力配分制御を行うことにより、車両の左右で減速度を異ならせ、ヨー方向の挙動制御を行っている。
【0003】
さらに、特許文献1に記載の車輌の制動力制御装置では、運転者の踏力によって発生する制動力よりも大きな制動力を発生させる制御であるブレーキアシスト制御の実行中に、車輪ごとの制動力を調節することによって行うヨー方向の挙動制御などの制動力増大抑制制御が開始された場合には、ブレーキアシスト制御のみが行われる場合と比較して、制動制御時にホイールシリンダに付与する油圧の元になる圧力である制動元圧を抑制する。これにより、ブレーキアシスト制御で増圧する制動元圧を不必要に高く増圧することを抑制することができ、制動時のエネルギー効率を改善したり、制動圧の調節を精度よく行ったりすることができる。
【0004】
【特許文献1】
国際公開第2006/006453号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ブレーキアシスト制御とヨー方向の挙動制御とを同時に行った場合、車輪の制動力はブレーキアシスト制御とヨー方向の挙動制御との双方の制御により制動力が制御されるため、左右の車輪の制動力は、ヨー方向の挙動制御による制動力の配分と異なる場合がある。このため、ヨー方向の挙動制御を効果的に行うことができなくなる場合がある。また、ブレーキアシスト制御とヨー方向の挙動制御とが同時に行われる状況において、より確実なヨー方向の挙動制御を行うことを目的としてブレーキアシスト制御による制動力の増加の割合を低減させた場合、制動力が不足し、運転者が要求する減速度を得ることができなくなる場合がある。これらのように、ブレーキアシスト制御とヨー方向の挙動制御とを同時に行う場合、ヨー方向の挙動制御による車両走行時の安定性の確保と、ブレーキアシスト制御による減速度の確保とを共に満たすことは、大変困難なものとなっていた。
[0006]
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、より確実に車両走行時の安定性の確保と減速度の確保とを両立できる車両安定化制御装置を供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0007]
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る車両安定化制御装置は、車両のヨー方向の挙動を推定するヨー方向挙動推定手段と、運転者の制動操作によって作動油の油圧を変化させることにより前記車両が有する車輪に制動力を発生させることが可能な制動手段と、前記制動手段を制御して前記作動油の油圧を制御することにより前記制動力を制御可能に設けられていると共に、所定の変化速度以上の操作速度で前記制動操作を行った場合には、前記制動操作に応じて変化する前記油圧をかさ上げすることにより、前記制動操作によって発生する前記制動力以上の前記制動力を発生させる制御である制動補助制御を行い、また、前記ヨー方向挙動推定手段で推定した前記ヨー方向の挙動が所定の挙動以上の場合には、左右の前記車輪のうち左側の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧と右側の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧とで差を設けることによって左右の前記車輪で発生させる前記制動力に差を設けることにより前記ヨー方向の挙動を低減させる制御である左右配分制御を行い、さらに、前記制動補助制御と前記左右配分制御とを同時に行う場合には、前記油圧をかさ上げする際における昇圧勾配を左側の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧と右側の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧とで同じ勾配にし、左右の前記車輪で発生させる前記制動力の差を一定にした状態で前記制動操作によって発生する前記制動力以上の制動力を発生させる制御を行う制動手段制御手段と、を備えることを特徴とする。
[0008]
また、この発明に係る車両安定化制御装置は、上記車両安定化制御装置において、前記制動手段は、作動油の油圧を変化させることにより前記制動力を発生させることが可能に設けられており、前記制動手段制御手段は、前記作動油の油圧を制御することにより前記制動力を制御可能に設けられていると共に、前記制動補助制御を行う場合は、前記制動操作に応じて変化する前記油圧をかさ上げすることにより、前記制動操作によって発生する前記制動力以上の前記制動力を発生させ、また、前記左右配分制御を行う場合は、左右の前記車輪のうち左側の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧と右側の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧とで差を設けることにより左右の前記車輪で発生させる前記制動力に差を設け、さらに、前記制動補助制御と前記左右配分制御とを同時に行う場合には、前記油圧をかさ上げする際における昇圧勾配を左側の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧と右側の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧とで同じ勾配にする。
【0009】
また、この発明に係る車両安定化制御装置は、上記車両安定化制御装置において、前記制動手段制御手段は、前記制動補助制御と前記左右配分制御とを同時に行う場合には、左右の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧のうち、一方の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧の減圧後、左右の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧同士の昇圧勾配を同じ勾配にする。
【0010】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る車両安定化制御装置は、車両のヨー方向の挙動を推定するヨー方向挙動推定手段と、運転者の制動操作により前記車両が有する車輪に制動力を発生させると共に作動油の油圧を変化させることにより前記制動力を発生させることが可能な制動手段と、前記作動油の油圧を制御することにより前記制動手段で前記車輪に発生させる前記制動力を制御可能に設けられていると共に、所定の変化速度以上の操作速度で前記制動操作を行った場合には、前記作動油の油圧を変化させる際の勾配を前記制動操作によって昇圧する際の勾配以上の昇圧勾配に決定して行う制御である制動補助制御を行い、また、前記ヨー方向挙動推定手段で推定した前記ヨー方向の挙動が所定の挙動以上の場合には、左右の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧に差を設けることにより前記ヨー方向の挙動を低減させる制御である左右配分制御を行い、さらに、前記制動補助制御と前記左右配分制御とを同時に行う場合には、左右の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧のうち、一方の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧は前記制動補助制御時の前記昇圧勾配に決定し、他方の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧は減圧後、決定した前記昇圧勾配に基づいて制御を行う制動手段制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る車両安定化制御装置は、より確実に車両走行時の安定性の確保と減速度の確保とを両立することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施例に係る車両安定化制御装置が設けられた車両の概略図である。
【図2】図2は、図1に示した制動装置の構成概略図である。
【図3】図3は、図1に示した車両安定化制御装置の要部構成図である。
【図4】図4は、ブレーキアシスト制御を行う場合の油圧の変化を示す説明図である。
【図5】図5は、ブレーキアシスト制御と左右配分制御とを行う場合の油圧の変化を示す説明図である。
【図6】図6は、ブレーキアシスト制御によるかさ上げ量が上限値になった後に左右配分制御を行う場合の油圧の変化を示す説明図である。
【図7】図7は、実施例に係る車両安定化制御装置の処理手順を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0013】
1 車両
2 車両安定化制御装置
5 車輪
6 前輪
7 後輪
10 エンジン
20 ハンドル
21 アクセルペダル
22 ブレーキペダル
40 制動装置
41 マスタシリンダ
50 油圧経路
51 第1油圧経路
52 第2油圧経路
55 リターン経路
56 供給経路
60 ブレーキアクチュエータ
61 マスタカット弁
62 保持弁
63 減圧弁
64 加圧ポンプ
66 駆動用モータ
69 マスタシリンダ圧センサ
71 ホイールシリンダ
75 ブレーキディスク
82 ブレーキストロークセンサ
83 ヨーレートセンサ
85 車輪速度センサ
86 舵角センサ
90 ECU
91 処理部
92 アクセル開度取得部
93 ブレーキストローク量取得部
94 舵角取得部
95 車輪速度取得部
96 ヨーレート取得部
97 G取得部
98 ヨー方向挙動推定部
99 エンジン制御部
100 制動装置制御部
101 ブレーキアシスト判定部
102 ヨー方向挙動制御判定部
103 制動判定部
110 記憶部
111 入出力部
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明に係る車両安定化制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の実施例に係る車両安定化制御装置が設けられた車両の概略図である。実施例に係る車両安定化制御装置2を備える車両1は、内燃機関であるエンジン10を動力発生手段としており、エンジン10が発生した動力が自動変速機15を介して、車両1が有する車輪5のうち駆動輪として設けられる後輪7へ伝達されることにより走行可能になっている。また、エンジン10は、車両1の各部を制御するECU(Electronic Control Unit)90によってエンジン回転数やトルク(出力)が制御される。
【0016】
なお、実施例において、エンジン10はガソリンを燃料とするレシプロ式の火花点火式エンジンであるが、エンジン10はこれに限定されるものではない。エンジン10は、例えば、LPG(Liquefied Petroleum Gas:液化石油ガス)やアルコールを燃料とする火花点火式エンジンであってもよいし、いわゆるロータリー式の火花点火式エンジンであってもよいし、ディーゼル機関であってもよい。また、動力発生手段は内燃機関以外のものでもよく、例えば、電気によって作動するモータや、エンジンとモータとを併用したものであってもよい。
【0017】
動力発生手段であるエンジン10は、車両1の進行方向における前側部分に搭載されており、自動変速機15、プロペラシャフト16、デファレンシャルギヤ17、ドライブシャフト18を介して後輪7を駆動する。この後輪7は、車両1の進行方向における左側に位置する後輪7である左後輪7Lと、車両1の進行方向における右側に位置する後輪7である右後輪7Rとが共にドライブシャフト18に接続されており、共に駆動輪として設けられている。このように、実施例に係る車両安定化制御装置2を備える車両1は、エンジン10が車両1の進行方向における前側部分に搭載され、後輪7が駆動輪として設けられた、いわゆるFR(Front engine Rear drive)の駆動形式となっている。なお、実施例に係る車両安定化制御装置2は、動力発生手段で発生した動力が駆動輪へ伝達される車両1であれば、駆動形式に関わらず適用できる。また、エンジン10の回転を変速する変速機は自動変速機15以外のものでもよく、例えば手動で変速をする手動変速機でもよい。
【0018】
車両1が有する車輪5のうち後輪7は、このように駆動輪として設けられるのに対し、前輪6は車両1の操舵輪として設けられている。操舵輪である前輪6は、車両1の運転席に配設されるハンドル20によって操舵可能に設けられている。このハンドル20は、車両1の運転者が車輪5を操舵する際における操舵補助力を発生する操舵補助装置であるEPS(Electric Power Steering)装置31にステアリングシャフト32を介して接続されている。このように、ハンドル20はEPS装置31に接続されるため、ハンドル20を操作することにより前輪6を操舵可能に設けられている。つまり、前輪6のうち車両1の進行方向における左側に位置する前輪6である左前輪6Lと、車両1の進行方向における右側に位置する前輪6である右前輪6Rとは、共にそれぞれタイロッド35やナックルアーム36を介してEPS装置31に接続されており、これにより、左前輪6Lと右前輪6Rとは、ハンドル20を操作することによって操舵可能に設けられている。また、EPS装置31には、ハンドル20の回転角度である舵角を検出する舵角検出手段である舵角センサ86が設けられている。
【0019】
また、車両1には、車輪5に制動力を発生させる制動装置40が設けられており、各車輪5の近傍には、制動装置40が有すると共に油圧によって作動するホイールシリンダ71と、このホイールシリンダ71と組みになって設けられると共に車輪5の回転時には車輪5と一体となって回転するブレーキディスク75とが設けられている。即ち、ホイールシリンダ71は、左前輪6L、右前輪6R、左後輪7L、右後輪7Rの近傍に設けられるホイールシリンダ71が、順に左前輪ホイールシリンダ72L、右前輪ホイールシリンダ72R、左後輪ホイールシリンダ73L、右後輪ホイールシリンダ73Rとなって設けられている。同様に、ブレーキディスク75は、左前輪6L、右前輪6R、左後輪7L、右後輪7Rの近傍に設けられるブレーキディスク75が、順に左前輪ブレーキディスク76L、右前輪ブレーキディスク76R、左後輪ブレーキディスク77L、右後輪ブレーキディスク77Rとなって設けられている。
【0020】
このうち、ホイールシリンダ71は、車両1の制動時に当該ホイールシリンダ71に作用させる油圧の経路である油圧経路50に接続されている。この油圧経路50には、車両1の制動時に油圧経路50内の油圧を制御可能なブレーキアクチュエータ60が設けられており、ブレーキアクチュエータ60は、各ホイールシリンダ71に作用させる油圧を、それぞれ独立して作用させることができる。これにより、複数の車輪5の制動力は、それぞれ独立して発生させることができる。
【0021】
さらに、各車輪5の近傍には、車輪5の回転速度である車輪速度を検出する車輪速度検出手段である車輪速度センサ85が設けられている。この車輪速度センサ85は、各車輪5に独立して設けられており、各車輪5の車輪速度を独立して検出可能になっている。
【0022】
また、車両1には、車両1の運転席に運転者が座った状態における運転者の足元付近に、エンジン10の出力を調整する際に操作するアクセルペダル21と、走行中の車両1を制動する際に操作するブレーキペダル22とが併設されている。このうち、アクセルペダル21の近傍には、アクセルペダル21の開度を検出可能なアクセル開度検出手段であるアクセル開度センサ81が設けられている。また、ブレーキペダル22は、後述するマスタシリンダ41(図2参照)等を介して油圧経路50に接続されており、さらに、ブレーキペダル22の近傍には、ブレーキペダル22のストロークを検出可能なブレーキストローク検出手段であるブレーキストロークセンサ82が設けられている。
【0023】
制動装置40は、車両1の運転者がブレーキペダル22を踏み込んで制動操作を行うことにより、車輪5に制動力を発生させることが可能になっている。このように制動装置40は、少なくとも運転者の制動操作により車両1が有する車輪5に制動力を発生させることが可能な制動手段として設けられている。
【0024】
また、この車両1には、少なくとも車両1の幅方向の加速度を検出可能なGセンサ84と、車両1の走行時のヨーレートを検出可能なヨーレート検出手段であるヨーレートセンサ83とが設けられている。これらのアクセル開度センサ81、ブレーキストロークセンサ82、ヨーレートセンサ83、Gセンサ84、車輪速度センサ85、舵角センサ86、EPS装置31、ブレーキアクチュエータ60、エンジン10及び自動変速機15は、車両1の各部を制御するECU90に接続されており、ECU90によって制御可能に設けられている。
【0025】
図2は、図1に示した制動装置の構成概略図である。車両1(図1参照)の制動時に操作をするブレーキペダル22は、エンジン10(図1参照)の吸気通路(図示省略)に接続されることにより、エンジン10の運転時に発生する負圧の伝達が可能な負圧経路43が接続されたブレーキブースタ42に接続されている。このようにブレーキブースタ42に接続される負圧経路43には、吸気通路側からブレーキブースタ42の方向への空気の流れを遮断する逆止弁である負圧経路逆止弁44と、負圧経路43内の負圧を検出可能な負圧検出手段である負圧センサ45とが設けられている。
【0026】
また、ブレーキブースタ42は、油圧を発生させることができるマスタシリンダ41に接続されており、油圧経路50は、このマスタシリンダ41に接続されている。このようにマスタシリンダ41に接続されている油圧経路50は、作動油として用いられるブレーキフルード(図示省略)が満たされており、制動装置40は、このブレーキフルードの油圧を変化させることにより車輪5に制動力を発生させることが可能に設けられている。また、この油圧経路50は、2系統に分かれて構成されており、2系統の油圧経路50である第1油圧経路51と第2油圧経路52とが、それぞれ独立してマスタシリンダ41に接続されている。
【0027】
ブレーキペダル22は、これらのようにブレーキブースタ42とマスタシリンダ41とを介して油圧経路50に接続されており、このうちブレーキブースタ42は、公知の真空式倍力装置となっており、ブレーキペダル22に入力された踏力を、負圧経路43から伝達された負圧と大気圧との差を利用することにより増大してマスタシリンダ41に伝達可能に設けられている。また、マスタシリンダ41は、ブレーキブースタ42から伝達された力によって油圧を発生させ、発生させた油圧を油圧経路50に伝達可能に設けられている。
【0028】
また、マスタシリンダ41に接続される油圧経路50には、その端部にホイールシリンダ71が接続されており、第1油圧経路51と第2油圧経路52とで、車両1における互い違いの位置に配設されている車輪5の近傍に設けられるホイールシリンダ71が接続されている。つまり、第1油圧経路51には左前輪ホイールシリンダ72Lと右後輪ホイールシリンダ73Rとが接続され、第2油圧経路52には右前輪ホイールシリンダ72Rと左後輪ホイールシリンダ73Lとが接続されている。
【0029】
また、油圧経路50には、車両の制動時に油圧経路50内の油圧を制御可能なブレーキアクチュエータ60が複数設けられており、ブレーキアクチュエータ60は、常開のソレノイドバルブであるマスタカット弁61と保持弁62、及び常閉のソレノイドバルブである減圧弁63とを有している。これらのマスタカット弁61と保持弁62と減圧弁63とは、車輪5に付与する制動力の配分を制御可能な制動力配分制御手段として設けられている。このうち、マスタカット弁61は、第1油圧経路51と第2油圧経路52とにそれぞれ1つずつ配設されている。
【0030】
また、保持弁62は、油圧経路50において、マスタシリンダ41からマスタカット弁61を経てホイールシリンダ71に向かう経路に設けられており、4つのホイールシリンダ71に対応して保持弁62も4つ設けられている。
【0031】
また、減圧弁63は、保持弁62からホイールシリンダ71に向かう経路から分岐し、マスタカット弁61と保持弁62との間の経路に接続される経路であるリターン経路55に設けられている。このように、減圧弁63が設けられるリターン経路55は、4つの保持弁62とホイールシリンダ71との間の経路からそれぞれ分岐しており、減圧弁63は、分岐した各経路に設けられているため、減圧弁63は油圧経路50に4つ設けられている。即ち、減圧弁63は、保持弁62と同様に4つのホイールシリンダ71に対応して4つ設けられている。
【0032】
また、リターン経路55は、減圧弁63の下流側、つまりリターン経路55における、減圧弁63よりもマスタカット弁61と保持弁62との間の経路に接続される側の部分が、第1油圧経路51における2つのリターン経路55同士、及び第2油圧経路52における2つのリターン経路55同士で接続されて、それぞれ1つの経路になっている。このように、リターン経路55における1つの経路になった部分には、ブレーキアクチュエータ60である加圧ポンプ64と、リターン経路55に設けられる逆止弁であるリターン経路逆止弁65とが配設されており、リターン経路逆止弁65は、リターン経路55における、加圧ポンプ64よりもマスタカット弁61と保持弁62との間の経路に接続される側に配設されている。
【0033】
このうち、加圧ポンプ64には駆動用モータ66が接続されており、加圧ポンプ64は、駆動用モータ66によって作動させることにより、リターン経路55内のブレーキフルードを減圧弁63側からマスタカット弁61或いは保持弁62側に供給可能に設けられている。また、リターン経路逆止弁65は、加圧ポンプ64からマスタカット弁61或いは保持弁62方向へのブレーキフルードのみ流し、反対方向のブレーキフルードの流れを遮断する。加圧ポンプ64とリターン経路逆止弁65とは、これらのように設けられているため、第1油圧経路51と第2油圧経路52とにそれぞれ1つずつ設けられており、全部でそれぞれ2つずつ設けられている。
【0034】
また、油圧経路50におけるマスタカット弁61の上流側、即ち、油圧経路50におけるマスタシリンダ41とマスタカット弁61との間の部分からは、リターン経路55に接続される経路である供給経路56が分岐しており、供給経路56はリターン経路55に接続されている。また、この供給経路56にはリザーバ67と、供給経路56に設けられる逆止弁である供給経路逆止弁68とが配設されており、供給経路逆止弁68は、供給経路56における、リザーバ67よりもマスタシリンダ41とマスタカット弁61との間の経路に接続される側に配設されている。
【0035】
このうち、リザーバ67は、供給経路56を流れるブレーキフルードを所定量貯留可能に設けられており、供給経路逆止弁68は、マスタカット弁61或いは保持弁62側からリターン経路55の方向へのブレーキフルードのみ流し、反対方向のブレーキフルードの流れを遮断する。リザーバ67と供給経路逆止弁68とは、これらのように設けられているため、第1油圧経路51と第2油圧経路52とにそれぞれ1つずつ設けられており、全部でそれぞれ2つずつ設けられている。
【0036】
また、第1油圧経路51におけるマスタシリンダ41とマスタカット弁61との間には、操作圧力検出手段であるマスタシリンダ圧センサ69が設けられている。このマスタシリンダ圧センサ69は、第1油圧経路51におけるマスタシリンダ41とマスタカット弁61との間の油圧を、運転者がブレーキ操作をしてブレーキペダル22を踏んだ場合に発生する操作圧力として検出可能に設けられている。
【0037】
これらのように設けられる負圧センサ45、マスタシリンダ圧センサ69、マスタカット弁61、保持弁62、減圧弁63、駆動用モータ66は、ECU90に接続されており、ECU90によって制御可能に設けられている。
【0038】
図3は、図1に示した車両安定化制御装置の要部構成図である。ECU90には、処理部91、記憶部110及び入出力部111が設けられており、これらは互いに接続され、互いに信号の受け渡しが可能になっている。また、ECU90に接続されているエンジン10、自動変速機15、EPS装置31、アクセル開度センサ81、ブレーキストロークセンサ82、ヨーレートセンサ83、Gセンサ84、車輪速度センサ85、舵角センサ86、負圧センサ45、マスタシリンダ圧センサ69、マスタカット弁61、保持弁62、減圧弁63、駆動用モータ66は、入出力部111に接続されており、入出力部111は、これらのセンサ類等との間で信号の入出力を行う。
【0039】
また、記憶部110には、本実施例に係る車両安定化制御装置2を制御するコンピュータプログラムが格納されている。この記憶部110は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、またはフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ(CD−ROM等のような読み出しのみが可能な記憶媒体)や、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、或いはこれらの組み合わせにより構成することができる。
【0040】
また、処理部91は、メモリ及びCPU(Central Processing Unit)により構成されており、アクセル開度センサ81での検出結果よりアクセル開度を取得可能なアクセル操作取得手段であるアクセル開度取得部92と、ブレーキストロークセンサ82での検出結果よりブレーキペダル22のストローク量を取得可能な制動操作取得手段であるブレーキストローク量取得部93と、舵角センサ86での検出結果よりハンドル20の回転角である舵角を取得可能な舵角取得手段である舵角取得部94と、車輪速度センサ85での検出結果より車輪速度を取得可能な車輪速度取得手段である車輪速度取得部95と、ヨーレートセンサ83での検出結果より、車両1の走行時におけるヨーレートを取得可能なヨーレート取得手段であるヨーレート取得部96と、Gセンサ84での検出結果より、車両1の走行時における横Gを取得可能なG取得手段であるG取得部97と、車両1のヨー方向の挙動を推定するヨー方向挙動推定手段であるヨー方向挙動推定部98と、を有している。
【0041】
また、処理部91は、エンジン10の運転状態を制御可能なエンジン制御手段であるエンジン制御部99と、制動装置40を制御してブレーキフルードの油圧を制御することにより車輪5に発生させる制動力を制御可能な制動手段制御手段である制動装置制御部100と、運転者の制動操作に応じて変化するブレーキフルードの油圧をかさ上げすることにより、制動操作によって発生する制動力以上の制動力を発生させる制動補助制御であるブレーキアシスト制御を行うか否かを判定する制動補助判定手段であるブレーキアシスト判定部101と、ヨー方向挙動制御を行うか否かを判定するヨー方向挙動制御判定手段であるヨー方向挙動制御判定部102と、制動操作中であるか否かを判定する制動判定手段である制動判定部103と、を有している。
【0042】
ECU90によって制御されるマスタカット弁61等の制御は、例えば、ヨーレートセンサ83などによる検出結果に基づいて、処理部91が前記コンピュータプログラムを当該処理部91に組み込まれたメモリに読み込んで演算し、演算の結果に応じてマスタカット弁61等を作動させることにより制御する。その際に処理部91は、適宜記憶部110へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を実行する。なお、このようにマスタカット弁61等を制御する場合には、前記コンピュータプログラムの代わりに、ECU90とは異なる専用のハードウェアによって制御してもよい。
【0043】
この実施例に係る車両安定化制御装置2は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。車両1の走行時には、エンジン10を運転させてエンジン10の動力を駆動輪である後輪7に伝達することにより走行する。詳しくは、エンジン10の運転中は、エンジン10が有するクランクシャフト(図示省略)の回転が自動変速機15に伝達され、自動変速機15で車両1の走行状態に適した変速比で変速される。自動変速機15で変速された回転は、プロペラシャフト16、デファレンシャルギヤ17、ドライブシャフト18を介して後輪7に伝達される。これにより、駆動輪である後輪7は回転し、車両1は走行する。
【0044】
また、エンジン10の回転が後輪7に伝達されることにより走行をする車両1の車速は、アクセルペダル21を運転者が足で操作し、エンジン10の回転数や出力を調節することにより調節する。アクセルペダル21を操作した場合には、アクセルペダル21のストローク量、即ちアクセル開度が、アクセルペダル21の近傍に設けられるアクセル開度センサ81によって検出される。アクセル開度センサ81による検出結果は、ECU90の処理部91が有するアクセル開度取得部92に伝達されてアクセル開度取得部92で取得し、さらに、取得したアクセル開度が、ECU90の処理部91が有するエンジン制御部99に伝達される。エンジン制御部99は、アクセル開度取得部92で取得したアクセル開度や、その他のセンサによる検出結果に基づいて、エンジン10を制御する。
【0045】
車両1は、このようにエンジン10を運転させることにより走行するが、走行時には車輪5の回転速度である車輪速度を、車輪速度センサ85で検出する。車輪速度センサ85で検出した車輪速度は、ECU90の処理部91が有する車輪速度取得部95に伝達され、車輪速度取得部95で取得する。車輪速度取得部95で車輪速度を取得する際には、4つの車輪速度センサ85による検出結果を独立して取得する。即ち、車輪速度取得部95は、4つの車輪5の車輪速度を、それぞれ独立して取得する。
【0046】
また、車両1の走行中に、アクセルペダル21を戻すことによる速度の低下以上の低下速度で車速を低下させる場合には、ブレーキペダル22を踏み込むことによって車両1を制動する。このように、ブレーキペダル22を踏み込んでブレーキ操作を行った場合、その踏力がブレーキブースタ42に伝達される。ここで、このブレーキブースタ42には負圧経路43が接続されており、ブレーキブースタ42にはエンジン10の運転時における吸気行程で発生する負圧が負圧経路43を介して伝達可能に設けられている。このため、踏力がブレーキブースタ42に対して入力された場合、ブレーキブースタ42はこの負圧と大気圧との差圧により、踏力を増力させてマスタシリンダ41に入力する。踏力に対して増力した力が入力されたマスタシリンダ41は、入力された力に応じてブレーキフルードに対して圧力を与え、マスタシリンダ41内のブレーキフルードの油圧であるマスタシリンダ油圧を上昇させる。
【0047】
マスタシリンダ油圧が上昇した場合、マスタシリンダ41に接続されている油圧経路50内のブレーキフルードの圧力も上昇し、油圧経路50内の油圧はマスタシリンダ油圧と同じ圧力になる。さらに、このように油圧経路50内の油圧が上昇した場合、この油圧は常開のソレノイドバルブであるマスタカット弁61と保持弁62とを介してホイールシリンダ71にも伝達される。この場合、減圧弁63は常閉であるため、油圧経路50内のブレーキフルードは保持弁62側から減圧弁63を通ってリターン経路55には流れないため、保持弁62からホイールシリンダ71に伝達される油圧は低下しない。
【0048】
このように、上昇した油圧がホイールシリンダ71に伝達された場合、ホイールシリンダ71は伝達された油圧により作動する。即ち、ホイールシリンダ71は、マスタシリンダ油圧で作動する。ホイールシリンダ71が作動した場合、ホイールシリンダ71は、当該ホイールシリンダ71と組みになって設けられ、且つ、車輪5の回転時に車輪5と一体となって回転するブレーキディスク75の回転速度を低下させる。これにより、車輪5の回転速度も低下するため、車輪5は路面に対して制動力を発生し、車両1は減速する。
【0049】
これらのように、ブレーキペダル22を操作することにより、ホイールシリンダ71にはブレーキディスク75の回転速度を低下させる力であるブレーキ力が発生するため、ブレーキディスク75の回転速度の低下を介して車輪5の回転速度を低下させることができ、走行中の車両1を制動することができる。
【0050】
また、このようにブレーキペダル22を操作する場合には、ブレーキペダル22のストローク量が、ブレーキペダル22の近傍に設けられるブレーキストロークセンサ82によって検出される。ブレーキストロークセンサ82による検出結果は、ECU90の処理部91が有するブレーキストローク量取得部93で取得する。ECU90の処理部91が有する制動装置制御部100は、ブレーキストローク量取得部93で取得したブレーキペダル22のストローク量や車両1に設けられる他のセンサでの検出結果に応じてブレーキアクチュエータ60を制御することにより、ホイールシリンダ71に作用させる油圧を制御する。
【0051】
制動装置制御部100は、ブレーキストローク量取得部93で取得したブレーキペダル22のストローク量等に応じてホイールシリンダ71に作用させる油圧を制御するが、ブレーキストローク量取得部93で取得したブレーキペダル22のストローク量が、急激に大きくなっている場合、制動装置制御部100はブレーキアシスト制御を行う。つまり、運転者がブレーキペダル22を急激に踏み込んだ場合、このブレーキペダル22の操作は、ブレーキストロークセンサ82でブレーキペダル22のストローク量の変化として検出し、ブレーキストローク量取得部93で取得する。ブレーキストローク量取得部93で取得したブレーキペダル22のストローク量は、ECU90の処理部91が有するブレーキアシスト判定部101に伝達され、ブレーキアシスト判定部101でブレーキアシスト制御を行うと判定した場合には、制動装置制御部100はブレーキアシスト制御を行う。
【0052】
ブレーキアシスト制御を行う場合には、制動装置制御部100は駆動用モータ66を作動させることにより加圧ポンプ64を作動させる。加圧ポンプ64が作動した場合には、リターン経路55内のブレーキフルードは、マスタカット弁61と保持弁62との間の経路の方向に流れる。これにより、保持弁62方向に流れるブレーキフルードの油圧は増圧し、ホイールシリンダ71に作用する油圧も増圧する。このため、ホイールシリンダ71に作用する油圧は、加圧ポンプ64が作動しない状態で運転者がブレーキペダル22を踏んだ際に発生する油圧よりも高い油圧になり、加圧ポンプ64が作動しない状態よりも制動力が上昇する。このように、ブレーキアシスト制御では、車両1の制動時に、運転者がブレーキペダル22を踏んだ際に発生する油圧以上の油圧をホイールシリンダ71に作用させる場合には、駆動用モータ66を作動させ、加圧ポンプ64を作動させることにより、油圧を増圧させる。
【0053】
図4は、ブレーキアシスト制御を行う場合の油圧の変化を示す説明図である。ブレーキアシスト制御では、このように加圧ポンプ64を作動させることにより、ホイールシリンダ71に作用させる油圧を増加させるが、この場合における油圧の変化について説明をすると、ブレーキペダル22を踏み込んだ場合には、まず、マスタシリンダ油圧Pmが上昇する。通常の制動時にはブレーキアシスト制御は行われないので、ブレーキペダル22を踏み込んだ初期段階では、ブレーキアシスト制御は行われない。このため、ホイールシリンダ71に作用する油圧であるブレーキ油圧Pwは、マスタシリンダ油圧Pmと同じ大きさの圧力になる。このように、ブレーキアシスト制御が行われていない状態の場合には、ブレーキペダル22を踏み込むことによりマスタシリンダ油圧Pmが上昇し、ブレーキ油圧Pwの上昇に伴いブレーキ油圧Pwも上昇する。
【0054】
ブレーキペダル22を急激に踏み込み、ブレーキアシスト判定部101でブレーキアシスト制御を行うと判定してブレーキアシスト制御を行う場合には、加圧ポンプ64を作動させることにより、ホイールシリンダ71に作用する油圧は、マスタシリンダ油圧Pmより増加した状態で作用する。即ち、ブレーキアシスト制御時には、ホイールシリンダ71に作用するブレーキフルードの油圧を変化させる際の勾配を、ブレーキペダル22の制動操作によって昇圧する際の勾配以上の昇圧勾配に決定して制動装置制御部100でブレーキアクチュエータ60を制御することにより、ブレーキ油圧Pwはマスタシリンダ油圧Pmに対してかさ上げされる。これにより、車輪5で発生する制動力は、ホイールシリンダ71にマスタシリンダ油圧Pmのみが作用する場合よりも大きくなり、車両1の減速度は大きくなる。
【0055】
また、車両1を旋回させるなど車両1の進行方向を変化させる場合には、ハンドル20を、ステアリングシャフト32を回転軸として回転させ、ハンドル操作をする。ハンドル20を回転させることによりステアリングシャフト32を回転させた場合、その回転はEPS装置31に伝達される。EPS装置31は、ステアリングシャフト32の回転に応じて作動し、タイロッド35に対して押力、または引張り力を出力する。EPS装置31からタイロッド35に与えられた力はナックルアーム36に伝達され、ナックルアーム36はこの力により回動する。これにより前輪6も回動するので、前輪6の回転方向は車両1の前後方向とは異なる方向になり、車両1は進行方向が変化して旋回等を行う。
【0056】
これらのように、車両1はハンドル20を操作することにより旋回するが、ハンドル20を操作することにより変化する舵角は、EPS装置31に設けられる舵角センサ86で検出する。舵角センサ86で検出した舵角は、ECU90の処理部91が有する舵角取得部94に伝達され、舵角取得部94で取得する。
【0057】
車両1が旋回する場合には、車両1には、車両1の鉛直軸周りの回転力であるヨーモーメントが発生する。このように、車両1にヨーモーメントが発生した場合、ヨーレートセンサ83は、ヨーモーメントが発生して車両1が鉛直軸周りに回転した場合におけるヨー角速度であるヨーレートを検出する。ヨーレートセンサ83で検出したヨーレートは、ECU90の処理部91が有するヨーレート取得部96に伝達され、ヨーレート取得部96で取得する。
【0058】
また、車両1が旋回した場合には、車両1には遠心力が発生するため、遠心力によって車両1の幅方向の加速度、即ち横方向の加速度である横Gが発生する。このように車両1の旋回中に発生する横Gは、Gセンサ84で検出し、検出結果をECU90の処理部91が有するG取得部97で取得する。
【0059】
車両1の旋回中に取得した車輪速度やヨーレート、横Gは、ECU90の処理部91が有するヨー方向挙動推定部98に伝達されてヨー方向挙動推定部98でヨー方向の挙動を推定する。ヨー方向挙動推定部98で推定したヨー方向の挙動は、車両1の旋回中に取得したハンドル20の舵角と共にヨー方向挙動制御判定部102に伝達され、これらに基づいてヨー方向挙動制御を行うか否かをヨー方向挙動制御判定部102で判定する。ヨー方向挙動制御を行うとヨー方向挙動制御判定部102で判定した場合には、制動装置制御部100は、左右の車輪5で発生させる制動力に差を設けることによりヨー方向の挙動を低減させる制御である左右配分制御を行う。
【0060】
この左右配分制御では、制動装置制御部100は駆動用モータ66やマスタカット弁61、保持弁62、減圧弁63を適宜作動させることにより、左右の車輪5、即ち、左前輪6Lと右前輪6R、及び左後輪7Lと右後輪7Rの制動力をそれぞれ制御し、左右の車輪5で制動力差を発生させることによりヨー方向の力を発生させ、ヨー方向の挙動を安定させる。即ち、車両1のヨー方向の挙動と反対方向の挙動を発生させることができるように左右の車輪5の制動力を制御し、車両1のヨー方向の挙動を低減させる。
【0061】
例えば、運転者がブレーキ操作をしていない状態で左右配分制御を行う場合には、駆動用モータ66を作動させることによって加圧ポンプ64を作動させ、この状態でマスタカット弁61の開度を調節することにより、リターン経路55から保持弁62の方向に流れるブレーキフルードの量を調節し、油圧経路50内のブレーキフルードの油圧を制御する。さらに、左右の車輪5において相対的に制動力を低減させる車輪5に対応する減圧弁63を開くことにより、左右の車輪5に対応するホイールシリンダ71間で、ホイールシリンダ71に付与する油圧が異なった状態になるため、車輪5で発生する制動力は、左右の車輪5で異なった状態になる。これにより、車両1のヨー方向の挙動と反対方向のヨー方向の挙動を発生させ、車両1に発生しているヨー方向の挙動を低減する。つまり、左右配分制御を行う場合は、左右の車輪5のうち左側の車輪5に制動力を発生させる油圧と右側の車輪5に制動力を発生させる油圧とで差を設けることにより左右の車輪5で発生させる制動力に差を設け、ヨー方向の挙動を低減する。
【0062】
なお、このように左右配分制御を行う場合には、操舵輪である左右の前輪6の制動力差、即ち、左前輪6Lの制動力と右前輪6Rの制動力との差を制御することによって車両1のヨー方向の挙動を低減するのが好ましい。
【0063】
図5は、ブレーキアシスト制御と左右配分制御とを行う場合の油圧の変化を示す説明図である。制動装置制御部100は、これらのようにブレーキアシスト制御や左右配分制御を行うが、車両1の走行中には、これらの制御を同時に行う場合がある。このようにブレーキアシスト制御と左右配分制御とを同時に行う場合について説明すると、ブレーキペダル22を踏み込むと、まず、ブレーキアシスト制御が行われない状態でマスタシリンダ油圧Pmが上昇し、この状態ではブレーキ油圧Pwはマスタシリンダ油圧Pmと同じ大きさになる。ブレーキペダル22を急激に踏み込むことにより、ブレーキアシスト制御が行われると、ブレーキ油圧Pwは制動装置40が有するブレーキアクチュエータ60の作用によってマスタシリンダ油圧Pmからかさ上げされ、マスタシリンダ油圧Pmよりも大きくなる。
【0064】
ブレーキアシスト制御が行われている状態で、ヨー方向挙動制御判定部102でヨー方向挙動制御を行うと判定し、制動装置制御部100で左右配分制御を行う場合には、左右の車輪5、例えば、左右の前輪6のうち、一方の前輪6で発生させる制動力を低減させる。この場合、左右の前輪6に対応するホイールシリンダ71のうち、一方のホイールシリンダ71に作用させる油圧は、ブレーキアシスト制御によるブレーキ油圧Pwを保持した油圧である保持側ブレーキ油圧Pwmにし、他方のホイールシリンダ71に作用させる油圧は、ブレーキ油圧Pwよりも低減させた油圧である減圧側ブレーキ油圧Pwdにする。即ち、左前輪ホイールシリンダ72Lと右前輪ホイールシリンダ72Rとのうち、一方のホイールシリンダ71には保持側ブレーキ油圧Pwmを作用させ、他方のホイールシリンダ71には、保持側ブレーキ油圧Pwmよりも低い油圧となる減圧側ブレーキ油圧Pwdを作用させる。
【0065】
ブレーキアシスト制御と左右配分制御とを同時に行う場合には、これらの保持側ブレーキ油圧Pwmと減圧側ブレーキ油圧Pwdとを共に上昇させるが、その際における上昇の度合いは、保持側ブレーキ油圧Pwmと減圧側ブレーキ油圧Pwdとで同じにする。詳しくは、ブレーキアクチュエータ60を制御することによってホイールシリンダ71に作用する油圧を制御する制動装置制御部100は、ブレーキアシスト制御と左右配分制御とを同時に行う場合には、左右の車輪5に制動力を発生させる油圧のうち、一方の車輪5に制動力を発生させる油圧はブレーキアシスト制御時の昇圧勾配に決定して、この昇圧勾配になるように油圧を制御する。これにより、保持側ブレーキ油圧Pwmの制御を行う。また、他方の車輪5に制動力を発生させる油圧は、減圧後、反対側の車輪5に制動力を発生させる油圧である保持側ブレーキ油圧Pwmの勾配として決定した昇圧勾配に基づいて、油圧の制御を行う。これにより、減圧側ブレーキ油圧Pwdの制御を行う。これらのように保持側ブレーキ油圧Pwmと減圧側ブレーキ油圧Pwdとを制御することにより、保持側ブレーキ油圧Pwmと減圧側ブレーキ油圧Pwdとの差を一定にした状態で共に昇圧させ、保持側ブレーキ油圧Pwmと減圧側ブレーキ油圧Pwdとで、昇圧勾配を同じにする。
【0066】
つまり、ブレーキアシスト制御と左右配分制御とで、それぞれ独立して制動制御を行う場合には、保持側ブレーキ油圧Pwmと、左右配分制御により減圧する側のブレーキ油圧Pwである独立制御時減圧側ブレーキ油圧Pwdiとは、ヨー方向の挙動に応じて独立して制御される。このため、昇圧勾配は、保持側ブレーキ油圧Pwmと独立制御時減圧側ブレーキ油圧Pwdiとで異なるが、実施例に係る車両安定化制御装置2による制御では、ブレーキアシスト制御と左右配分制御とを関連させて制御するため、保持側ブレーキ油圧Pwmと減圧側ブレーキ油圧Pwdとで昇圧勾配を同じにする。
【0067】
このように、ブレーキアシスト制御と左右配分制御とを同時に行う場合には、制動装置制御部100は、制動装置40を制御して保持側ブレーキ油圧Pwmと減圧側ブレーキ油圧Pwdとを同じ昇圧勾配にすることにより、ブレーキアシスト制御で油圧をかさ上げする際における昇圧勾配を左側の車輪5に制動力を発生させる油圧と右側の車輪5に制動力を発生させる油圧とで同じ勾配にする。これにより、制動装置制御部100は、左右の車輪5で発生させる制動力の差を一定にした状態で、運転者の制動操作によって発生する制動力以上の制動力を発生させることができ、左右の車輪5で発生する制動力を、同じ度合いで上昇させることができる。
【0068】
図6は、ブレーキアシスト制御によるかさ上げ量が上限値になった後に左右配分制御を行う場合の油圧の変化を示す説明図である。制動装置40で車両安定化制御を行う場合には、これらのようにブレーキ油圧Pwを制御し、制動力を制御することによって行うが、ブレーキアシスト制御は、早急に減速をする必要がある場合など緊急時に行う制御であるため、ブレーキアシスト制御によるかさ上げ量は短時間で上限値になり、ブレーキ油圧Pwは、ブレーキアシスト制御の開始後短時間で上限値になる。このように、ブレーキアシスト制御によるかさ上げ量が上限値になった後、左右配分制御を行う場合には、保持側ブレーキ油圧Pwmはブレーキ油圧Pwの上限値のまま一定になり、減圧側ブレーキ油圧Pwdが、車両1のヨー方向の挙動に応じて減圧される。これにより、ヨー方向の挙動は安定方向に変化するため、減圧側ブレーキ油圧Pwdは、時間の経過に応じて変化するヨー方向の挙動に応じて、ブレーキ油圧Pwの上限値を上限として上昇する。
【0069】
図7は、実施例に係る車両安定化制御装置の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例に係る車両安定化制御装置2の制御方法、即ち、当該車両安定化制御装置2の処理手順について説明する。なお、以下の処理は、ブレーキアシスト制御によるかさ上げ量が上限値になる前の処理手順となっており、車両1の走行中に各部を制御する際に、所定の期間ごとに呼び出されて実行する。
【0070】
実施例に係る車両安定化制御装置2の処理手順では、まず、制動操作中であるか否かを判定する(ステップST101)。この判定は、ECU90の処理部91が有する制動判定部103で行う。制動判定部103は、ブレーキストローク量取得部93で取得したブレーキペダル22のストローク量が0より大きい場合には、運転者による制動操作中であると判定し、ブレーキストローク量取得部93で取得したブレーキペダル22のストローク量が0の場合には、運転者は制動操作を行っていないと判定する。制動判定部103での判定により、制動操作を行っていないと判定された場合には、この処理手順から抜け出る。
【0071】
制動判定部103での判定(ステップST101)により、制動操作中であると判定された場合には、次に、左右配分制御を実行するか否かを判定する(ステップST102)。この判定は、ECU90の処理部91が有するヨー方向挙動制御判定部102で行う。ヨー方向挙動制御判定部102で左右配分制御を実行するか否かの判定をする場合には、まず、ECU90の処理部91が有するヨー方向挙動推定部98で車両1のヨー方向の挙動を推定する。ヨー方向挙動推定部98でヨー方向の挙動を推定する場合には、ヨーレート取得部96で取得した車両走行時のヨーレートや車輪速度取得部95で取得した車輪速度等に基づいて、車両1のヨー方向の挙動を推定する。ヨー方向挙動推定部98で推定したヨー方向の挙動は、舵角取得部94で取得したハンドル20の舵角と共にヨー方向挙動制御判定部102に伝達され、ヨー方向挙動制御判定部102は、ヨー方向挙動推定部98で推定したヨー方向の挙動がハンドル20の舵角に適した挙動であるか否かにより、ヨー方向の挙動は安定しているか否かを判定する。
【0072】
つまり、ヨー方向挙動制御判定部102は、ヨー方向挙動推定部98で推定したヨー方向の挙動と、例えば、ハンドル20の舵角と車速とから導出される所定のヨー方向の挙動とを比較することにより、ヨー方向の挙動は安定しているか否かを判定する。この判定により、推定したヨー方向の挙動が、ハンドル20の舵角と車速とから導出した所定のヨー方向の挙動以上の場合には、推定したヨー方向の挙動は舵角取得部94で取得した舵角に適した挙動にはなっておらず、ヨー方向の挙動は不安定であると判定する。なお、ハンドル20の舵角と車速とからヨー方向の挙動を導出する場合には、舵角と車速とヨー方向の挙動との関係として予め設定され、ECU90の記憶部110に記憶されたマップを参照することにより導出する。
【0073】
このようにヨー方向の挙動が不安定であると判定した場合には、ヨー方向挙動制御判定部102は、さらにヨー方向の挙動を安定させる方向に行う挙動制御であるヨー方向挙動制御を実行すると判定する。ヨー方向挙動制御を制動装置40で実行する場合には、制動装置40を左右配分制御するので、ヨー方向挙動制御を実行すると判定した場合には、制動装置40においては左右配分制御を実行するとの判定になる。即ち、ヨー方向挙動制御判定部102は、車両1のヨー方向の挙動が安定している場合には左右配分制御は実行しないと判定し、ヨー方向の挙動が不安定な場合には左右配分制御を実行すると判定する。
【0074】
ヨー方向挙動制御判定部102での判定(ステップST102)により、左右配分制御を実行すると判定した場合には、次に、ブレーキアシスト制御(BA制御)を実行するか否かを判定する(ステップST103)。この判定は、ECU90の処理部91が有するブレーキアシスト判定部101で行う。ブレーキアシスト判定部101は、運転者がブレーキペダル22を制動操作する際の操作速度に基づいて、ブレーキアシスト制御を実行するか否かを判定する。つまり、ブレーキアシスト判定部101は、所定の変化速度以上の操作速度で制動操作を行った場合にはブレーキアシスト制御を実行すると判定する。
【0075】
具体的には、ブレーキアシスト判定部101は、ブレーキペダル22を制動操作する際の操作速度として、ブレーキペダル22のブレーキストローク量の変化速度を用いて判定する。このため、ブレーキアシスト判定部101は、ブレーキストローク量取得部93で取得するブレーキペダル22のストローク量を取得し続け、取得したストローク量の増加速度が、所定の増加速度よりも大きい場合には、ブレーキアシスト制御を実行すると判定し、ブレーキストローク量取得部93で取得したストローク量の増加速度が、所定の増加速度以下の場合には、ブレーキアシスト制御は実行しないと判定する。このブレーキアシスト制御を実行するか否かの判定に用いるストローク量の所定の増加速度は、ブレーキアシスト制御を実行するか否かを判定する際の閾値として予め設定され、ECU90の記憶部110に記憶されている。
【0076】
ブレーキアシスト判定部101での判定(ステップST103)により、ブレーキアシスト制御を実行すると判定した場合には、ホイールシリンダ71に作用させる油圧を上昇させる際における油圧の昇圧勾配を左右の車輪5に設けられるホイールシリンダ71間で同じにする(ステップST104)。このホイールシリンダ71に作用させる油圧の制御は、ECU90の処理部91が有する制動装置制御部100で行う。
【0077】
制動装置制御部100で、昇圧勾配を左右の車輪5に設けられるホイールシリンダ71間で同じにする場合において、左右配分制御によって一方の車輪5に設けられるホイールシリンダ71に作用させる油圧を減圧していない場合には、まず、ヨー方向挙動推定部98で推定したヨー方向の挙動に応じて、左右の車輪5のうち一方の車輪5に設けられるホイールシリンダ71に作用させる油圧を、一旦減圧する(図5、減圧側ブレーキ油圧Pwd参照)。この場合、他方の車輪5に設けられるホイールシリンダ71に作用させる油圧は減圧せずに、ブレーキアシスト制御は実行して左右配分制御を行わない場合における油圧を保持する(図5、保持側ブレーキ油圧Pwm参照)。例えば、左前輪ホイールシリンダ72Lと右前輪ホイールシリンダ72Rとのうち、一方のホイールシリンダ71に作用する油圧は一旦減圧し、他方のホイールシリンダ71に作用する油圧は、ブレーキアシスト制御を実行する際における昇圧勾配で上昇させる状態で油圧を保持する。
【0078】
制動装置制御部100は、このように左右配分制御によって、左前輪ホイールシリンダ72Lと右前輪ホイールシリンダ72Rとのうち一方のホイールシリンダ71に作用する油圧を減圧させた後、ブレーキアシスト制御によって、他方のホイールシリンダ71に作用する油圧を減圧させない側のホイールシリンダ71に作用する油圧の昇圧勾配に基づいて上昇させる。これにより、左右の双方のホイールシリンダ71に作用させる油圧を、同じ昇圧勾配で昇圧させる。つまり、左前輪ホイールシリンダ72Lに作用させる油圧と右前輪ホイールシリンダ72Rに作用させる油圧との差を一定にした状態で、双方のホイールシリンダ71に作用させる油圧を、ブレーキアシスト制御によって昇圧させる。このように、制動装置制御部100は、ブレーキアシスト制御と前記左右配分制御とを同時に行う場合には、左右の車輪5に制動力を発生させる油圧のうち、一方の車輪5に制動力を発生させる油圧の減圧後、左右の車輪5に制動力を発生させる油圧同士の昇圧勾配を同じ勾配にする。これにより、車輪5に発生する制動力は、ブレーキペダル22を操作する際の踏力によって発生する制動力よりも大きな制動力になった状態で、さらに、ヨー方向の挙動を低減させることができる制動力になる。制動装置制御部100で、左右の前輪6に設けられるホイールシリンダ71に作用させる油圧を同じ昇圧勾配で昇圧させる制御を行った後は、一旦この処理手順から抜け出る。
【0079】
これに対し、ブレーキアシスト判定部101での判定(ステップST103)により、ブレーキアシスト制御は実行しないと判定した場合には、ホイールシリンダ71に作用させる油圧を、左右配分制御に従った油圧にする(ステップST105)。このように、ホイールシリンダ71に作用させる油圧を左右配分制御に従った油圧にする場合には、ホイールシリンダ71に作用させる油圧を、ヨー方向挙動推定部98で推定したヨー方向の挙動の反対方向のヨー方向の挙動を発生させ、車両1のヨー方向の挙動を低減させることができるように制動装置制御部100で制御する。
【0080】
具体的には、制動装置制御部100で制動装置40に対して左右配分制御を行い、左前輪ホイールシリンダ72Lと右前輪ホイールシリンダ72Rとのうち一方のホイールシリンダ71に作用する油圧を、ヨー方向挙動推定部98で推定したヨー方向の挙動に基づいて減圧する。これにより、左前輪6Lと右前輪6Rとで制動力に差を設け、ヨー方向挙動推定部98で推定したヨー方向の挙動を低減させる。このように、ホイールシリンダ71に作用させる油圧を、左右配分制御に従った油圧にする制御を行った後は、一旦この処理手順から抜け出る。
【0081】
これらに対し、ヨー方向挙動制御判定部102での判定(ステップST102)により、左右配分制御は実行しないと判定した場合には、次に、ブレーキアシスト制御を実行するか否かを判定する(ステップST106)。この判定は、ヨー方向挙動制御判定部102での判定(ステップST102)で、左右配分制御を実行すると判定し、さらに、ブレーキアシスト制御を実行するか否かを判定(ステップST103)する場合と同様に、ブレーキアシスト判定部101で行う。即ち、ブレーキアシスト判定部101は、ブレーキストローク量取得部93で取得するブレーキペダル22のストローク量の変化に基づいて、ブレーキアシスト制御を実行するか否かを判定する。
【0082】
ブレーキアシスト判定部101での判定(ステップST106)により、ブレーキアシスト制御を実行すると判定した場合には、ホイールシリンダ71に作用させる油圧のかさ上げを行う(ステップST107)。このホイールシリンダ71に作用させる油圧のかさ上げは、制動装置制御部100で行う。即ち、制動装置制御部100は、ホイールシリンダ71に作用させる油圧の昇圧勾配を決定し、油圧がこの昇圧勾配で変化するように制動装置40が有する駆動用モータ66等のブレーキアクチュエータ60を作動させることにより、制動装置40に対してブレーキアシスト制御を行う。これにより、ホイールシリンダ71に作用させる油圧であるブレーキ油圧を、マスタシリンダ油圧より昇圧させ、油圧のかさ上げを行う。このように、ホイールシリンダ71に作用させる油圧のかさ上げを行うことにより、車輪5に発生する制動力は、ブレーキペダル22を操作する際の踏力によって発生する制動力よりも大きな制動力になり、車両1は、この制動力により減速する。ホイールシリンダ71に作用させる油圧のかさ上げを行う制御を行った後は、一旦この処理手順から抜け出る。
【0083】
これに対し、ブレーキアシスト判定部101での判定(ステップST106)により、ブレーキアシスト制御は実行しないと判定した場合には、制動装置制御部100は、制動装置40の制御を行わない(ステップST108)。つまり、制動装置制御部100は、制動装置40に対して左右配分制御やブレーキアシスト制御を行わないため、ホイールシリンダ71に作用する油圧は、運転者がブレーキペダル22を操作する際の踏力により発生する油圧であるマスタシリンダ油圧が作用する。これにより、車輪5に発生する制動力は、ブレーキペダル22を操作する際の踏力によって発生する制動力になり、車両1は、この制動力により減速する。このように、制動装置40の制御を行わずに制動力を発生させた後は、一旦この処理手順から抜け出る。
【0084】
実施例に係る車両安定化制御装置2での制動制御は、所定の期間ごとに上述した処理が呼び出され、制動判定部103での判定(ステップST101)により、制動操作を行っていないと判定されるまで、これらの処理は繰り返される。
【0085】
以上の車両安定化制御装置は、ブレーキアシスト制御と左右配分制御とを同時に行う場合には、左右の車輪5で発生させる制動力の差を一定にした状態で、運転者の制動操作によって発生する制動力以上の制動力を発生させるので、ブレーキアシスト制御による減速度を確保しつつ、左右配分制御によって車両走行時の安定性を確保することができる。つまり、ブレーキアシスト制御と左右配分制御とを同時に行う場合に、運転者の制動操作によって発生する制動力以上の制動力を車輪5に発生させるので、運転者が大きな減速度を要求している場合に所望の減速度を得ることができ、また、左右の車輪5で発生させる制動力に差を設けるので、車両1にヨー方向の挙動が発生している場合に、制動力の差によって、このヨー方向の挙動を低減することができる。さらに、この場合には、ブレーキアシスト制御を行いつつ、左右の車輪5で発生させる制動力の差を一定にして左右配分制御を行うので、左右配分制御を行う際に、ブレーキアシスト制御による制動力の増加によって左右の車輪5の制動力の差が不必要に大きくなり、ヨー方向の挙動を低減し難くなることを抑制できる。これらの結果、より確実に車両走行時の安定性の確保と減速度の確保とを両立することができる。
【0086】
また、ブレーキアシスト制御を行う場合は、ホイールシリンダに作用する油圧をかさ上げすることによって、運転者の制動操作により発生する制動力以上の制動力を発生させるので、より確実に制動力を増加し、減速度を増加させることができる。また、左右配分制御を行う場合は、左右の車輪5のうち左側の車輪5に制動力を発生させる油圧と右側の車輪5に制動力を発生させる油圧、即ち、車両1の左側に設けられる車輪5の近傍に設けられるホイールシリンダ71に作用する油圧と、車両1の右側に設けられる車輪5の近傍に設けられるホイールシリンダ71に作用する油圧とで差を設けるので、より確実に左右の車輪5で発生させる制動力に差を設けることができ、ヨー方向の挙動を低減することができる。さらに、ブレーキアシスト制御と左右配分制御とを同時に行う場合には、ブレーキアシスト制御によって油圧をかさ上げする際における昇圧勾配を、左右のホイールシリンダ71に作用する油圧同士で同じ勾配にするので、左右配分制御を行う際に、ブレーキアシスト制御での油圧のかさ上げによって左右の車輪5の制動力の差が不必要に大きくなり、ヨー方向の挙動を低減し難くなることを抑制できる。これらの結果、より確実に車両走行時の安定性の確保と減速度の確保とを両立することができる。
【0087】
また、制動装置制御部100は、ブレーキアシスト制御と左右配分制御とを同時に行う場合には、左右の車輪5に制動力を発生させる油圧のうち、一方の車輪5に制動力を発生させる油圧の減圧後、左右の車輪5に制動力を発生させる油圧同士の昇圧勾配を同じ勾配にするので、左右の車輪5間でより確実に制動力に差を設けることができる。これにより、ブレーキアシスト制御によって制動力を増加させる場合でも、より確実にヨー方向の挙動を低減させることができる。この結果、より確実に車両走行時の安定性の確保と減速度の確保とを両立することができる。
【0088】
また、左右配分制御を、左前輪6Lの制動力と右前輪6Rの制動力との差を制御することによって行うことにより、操舵輪である前輪6によって、左右の制動力差によるヨー方向の挙動を発生させるので、より確実に制動力差によるヨー方向の挙動を発生させることができる。これにより、車両1にヨー方向の挙動が発生している場合に、この挙動と反対方向の挙動をより確実に発生させ、車両1に発生しているヨー方向の挙動を低減することができる。この結果、より確実に車両走行時の安定性の確保と減速度の確保とを両立することができる。
【0089】
また、ブレーキアシスト制御と左右配分制御とを同時に行う場合には、左右の車輪5で発生させる制動力のうち、一方の車輪5に制動力を発生させる油圧はブレーキアシスト制御時の昇圧勾配に決定して油圧の制御を行うので、運転者が大きな減速度を要求している場合に、より確実に所望の減速度を得ることができる。また、他方の車輪5の制動力を発生させる油圧は、減圧後、反対側の車輪5に制動力を発生させる油圧の勾配として決定した昇圧勾配に基づいて制御を行うので、ヨー方向の挙動を低減することができ、且つ、ブレーキアシスト制御によって左右の車輪5の制動力の差が不必要に大きくなることに起因してヨー方向の挙動を低減し難くなることを抑制できる。これらの結果、より確実に車両走行時の安定性の確保と減速度の確保とを両立することができる。
【0090】
なお、実施例に係る車両安定化制御装置2では、制動装置40は、ブレーキアシスト制御を行わない場合には、ブレーキペダル22を制動操作する運転者の踏力によりホイールシリンダ71に作用させる油圧を発生させているが、ブレーキアシスト制御を行わない場合でも、制動装置制御部100で制動装置40のブレーキアクチュエータ60を制御し、ブレーキアクチュエータ60を作動させることにより、ホイールシリンダ71に作用させる油圧を発生させてもよい。この場合、ブレーキアシスト制御の実行時には、ブレーキアシスト制御を実行しない場合よりも、ホイールシリンダ71に作用する油圧が高くなるようにブレーキアクチュエータ60を制御し、ブレーキアシスト制御の実行時にはホイールシリンダ71に作用する油圧のかさ上げを行う。このように、ブレーキアシスト制御の実行時には、ブレーキアシスト制御を実行しない場合よりも、ホイールシリンダ71に作用する油圧が高くなり、車輪5で発生させることができる制動力を増加できるものであれば、制動装置40の形態は問わない。
【0091】
また、実施例に係る車両安定化制御装置2は、制動装置40は、各車輪5の近傍にホイールシリンダ71とブレーキディスク75とを備える、いわゆるディスクブレーキによって制動する制動装置40として構成されているが、制動装置40は、車輪5の近傍にブレーキドラムとブレーキシューとを備える、いわゆるドラムブレーキによって制動する制動装置40として構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
以上のように、本発明に係る車両安定化制御装置は、各車輪で独立して制動力を調節可能な車両に有用であり、特に、制動時における車両の安定性を向上させる場合に適している。

Claims (3)

  1. 車両のヨー方向の挙動を推定するヨー方向挙動推定手段と、
    運転者の制動操作によって作動油の油圧を変化させることにより前記車両が有する車輪に制動力を発生させることが可能な制動手段と、
    前記制動手段を制御して前記作動油の油圧を制御することにより前記制動力を制御可能に設けられていると共に、所定の変化速度以上の操作速度で前記制動操作を行った場合には、前記制動操作に応じて変化する前記油圧をかさ上げすることにより、前記制動操作によって発生する前記制動力以上の前記制動力を発生させる制御である制動補助制御を行い、また、前記ヨー方向挙動推定手段で推定した前記ヨー方向の挙動が所定の挙動以上の場合には、左右の前記車輪のうち左側の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧と右側の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧とで差を設けることによって左右の前記車輪で発生させる前記制動力に差を設けることにより前記ヨー方向の挙動を低減させる制御である左右配分制御を行い、さらに、前記制動補助制御と前記左右配分制御とを同時に行う場合には、前記油圧をかさ上げする際における昇圧勾配を左側の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧と右側の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧とで同じ勾配にし、左右の前記車輪で発生させる前記制動力の差を一定にした状態で前記制動操作によって発生する前記制動力以上の制動力を発生させる制御を行う制動手段制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両安定化制御装置。
  2. 前記制動手段制御手段は、前記制動補助制御と前記左右配分制御とを同時に行う場合には、左右の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧のうち、一方の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧の減圧後、左右の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧同士の昇圧勾配を同じ勾配にする請求項1に記載の車両安定化制御装置。
  3. 車両のヨー方向の挙動を推定するヨー方向挙動推定手段と、
    運転者の制動操作により前記車両が有する車輪に制動力を発生させると共に作動油の油圧を変化させることにより前記制動力を発生させることが可能な制動手段と、
    前記作動油の油圧を制御することにより前記制動手段で前記車輪に発生させる前記制動力を制御可能に設けられていると共に、所定の変化速度以上の操作速度で前記制動操作を行った場合には、前記作動油の油圧を変化させる際の勾配を前記制動操作によって昇圧する際の勾配以上の昇圧勾配に決定して行う制御である制動補助制御を行い、また、前記ヨー方向挙動推定手段で推定した前記ヨー方向の挙動が所定の挙動以上の場合には、左右の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧に差を設けることにより前記ヨー方向の挙動を低減させる制御である左右配分制御を行い、さらに、前記制動補助制御と前記左右配分制御とを同時に行う場合には、左右の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧のうち、一方の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧は前記制動補助制御時の前記昇圧勾配に決定し、他方の前記車輪に前記制動力を発生させる前記油圧は減圧後、決定した前記昇圧勾配に基づいて制御を行う制動手段制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両安定化制御装置。
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