JP5125787B2 - 車両用差動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用差動装置に関し、特に差動機構の差動を制限する差動制限機構を備えた車両用差動装置に関する。
従来の車両用差動装置として、1対の出力軸のうち一方の出力軸と入力軸とをクラッチによって連結し、差動機構の差動を制限するようにしたものがある(特許文献1)。
この車両用差動装置は、入力軸と共に回転する入力部材としてのハウジングと、このハウジングからの回転力を差動分配する差動機構と、この差動機構の差動を制限するメインクラッチと、このメインクラッチを駆動する駆動機構とから構成されている。
ハウジングは、一方に開口する有底円筒状のフロントハウジング、及びこのフロントハウジングの開口部に装着された円環状のリヤハウジングからなり、入力軸に連結されている。そして、車両用のエンジンなど駆動源の駆動力を入力軸から受けて回転するように構成されている。
差動機構は、1対の出力軸をそれぞれ連結する1対の出力ギヤとしてのリングギヤ,太陽歯車、これらリングギヤ,太陽歯車に噛合する入力ギヤとしての複数の遊星歯車、及びこれら遊星歯車を支持するキャリアを有し、ハウジング内に収容されている。そして、ハウジングからの回転力を1対の出力軸に差動分配するように構成されている。
クラッチは、アウタクラッチプレート及びインナクラッチプレートからなり、フロントハウジングの内周面とリングギヤの外周面との間に配置されている。そして、アウタクラッチプレートとインナクラッチプレートとが摩擦係合して入力軸と一方の出力軸とを連結し、上述したように差動機構の差動を制限するように構成されている。アウタクラッチプレートはフロントハウジングの内周面に、またインナクラッチプレートはリングギヤの外周面にそれぞれ交互に複数個ずつスプライン嵌合されている。
駆動機構は、電磁クラッチと、この電磁クラッチの電磁力を受けて駆動するパイロットクラッチと、このパイロットクラッチの駆動によってハウジングからの回転力をメインクラッチ側への押圧力に変換するカムとを有し、1対の出力軸の周囲に配置され、かつハウジング内に収容されている。そして、カムの出力部材からの押圧力を筒部及び底部からなる有底円筒状の出力伝達部材(底部)に付与し、さらには出力伝達部材(筒部)からメインクラッチ側に付与してアウタクラッチプレートとインナクラッチプレートとを摩擦係合させるように構成されている。
以上の構成により、例えば車両のエンジン側からの駆動力が入力軸を介してハウジングに入力されると、ハウジングが回転軸線の回りに回転する。ハウジングが回転すると、この回転力がキャリアを介して遊星歯車に伝達され、さらに遊星歯車からリングギヤと太陽歯車とに伝達される。リングギヤ及び太陽歯車にはそれぞれ出力軸が連結されているため、エンジン側からの駆動力が車両の走行状況に応じて差動分配され、この差動分配されたトルクが左右の出力軸に伝達される。
この場合、電磁クラッチに通電すると、電磁クラッチの電磁力によってパイロットクラッチが駆動される。次に、パイロットクラッチの駆動時にハウジングからの回転力をカムが受けると、この回転力がカムによって押圧力に変換され、この押圧力が出力部材から出力伝達部材を介してメインクラッチに付与される。そして、メインクラッチのアウタクラッチプレートとインナクラッチプレートとが相対的に接近して摩擦係合し、この摩擦係合によってハウジングとリングギヤとが、すなわち入力軸とリングギヤに対応する出力軸とがトルク伝達可能に連結される。これにより、差動機構の差動が制限される。
特開2007−138983号公報
しかしながら、特許文献1の車両用差動装置によると、クラッチによって得られる差動機構の差動制限力をハウジングと内歯車との間に発生させているため、効率よく差動制限力を得ることができないという問題があった。
また、特許文献1の車両用差動装置においては、カム機構による押圧力がキャリアのメインクラッチ側と反対側からクラッチに伝達されるため、キャリアを挿通させる出力伝達部材等を必要とし、部品点数が嵩むばかりか、構造全体が複雑になり、コスト高になるという問題もあった。
従って、本発明の目的は、走行性能向上に必要十分な差動制限力を効率よく得ることができるとともに、コストの低廉化を図ることができる車両用差動装置を提供することにある。
(1)本発明は、上記目的を達成するために、駆動源の駆動トルクによって回転するキャリア、前記キャリアのギヤ収容支持部に収容され前記キャリアの回転力を受けて自転可能な入力側ギヤ、及び前記入力側ギヤから前記キャリアの回転力を受けて1対の出力軸に差動分配する1対の出力側ギヤを有する差動機構と、前記差動機構の差動を制限するクラッチを有する差動制限機構とを備え、前記差動機構は、前記キャリアが前記1対の出力側ギヤ間に介在して配置され、前記1対の出力側ギヤが互いに前記クラッチを介してトルク伝達可能に連結され、前記入力側ギヤは、前記1対の出力側ギヤにそれぞれ噛合し、かつ互いに異なるピッチ円直径をもつ大小2つのギヤ部を有する遊星歯車からなり、前記1対の出力側ギヤは、前記大小2つのギヤ部のうちピッチ円直径が大きいギヤ部に噛合する太陽歯車、及び前記大小2つのギヤ部のうちピッチ円直径が小さいギヤ部に噛合する内歯車からなり、前記ギヤ収容支持部は、前記キャリアの径方向内側に開口して前記ピッチ円直径が大きいギヤ部を収容する第1収容孔、及び前記キャリアの径方向外側に開口して前記ピッチ円直径が小さいギヤ部を収容する第2収容孔からなることを特徴とする車両用差動装置を提供する。
(2)本発明は、上記目的を達成するために、駆動源の駆動トルクによって回転するキャリア、前記キャリアのギヤ収容支持部に収容され前記キャリアの回転力を受けて自転可能な入力側ギヤ、及び前記入力側ギヤから前記キャリアの回転力を受けて1対の出力軸に差動分配する1対の出力側ギヤを有する差動機構と、前記差動機構の差動を制限するクラッチを有する差動制限機構と、前記差動制限機構を作動させる押圧機構とを備え、前記差動機構は、前記キャリアが前記1対の出力側ギヤ間に介在して配置され、前記1対の出力側ギヤが互いに前記クラッチを介してトルク伝達可能に連結され、前記入力側ギヤは、前記1対の出力側ギヤにそれぞれ噛合し、かつ互いに異なるピッチ円直径をもつ大小2つのギヤ部を有する遊星歯車からなり、前記1対の出力側ギヤは、前記大小2つのギヤ部のうちピッチ円直径が大きいギヤ部に噛合する太陽歯車、及び前記大小2つのギヤ部のうちピッチ円直径が小さいギヤ部に噛合する内歯車からなり、前記ギヤ収容支持部は、前記キャリアの径方向内側に開口して前記ピッチ円直径が大きいギヤ部を収容する第1収容孔、及び前記キャリアの径方向外側に開口して前記ピッチ円直径が小さいギヤ部を収容する第2収容孔からなることを特徴とする車両用差動装置を提供する。
本発明によると、走行性能向上に必要十分な差動制限力を効率よく得ることができるとともに、コストの低廉化を図ることができる。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために一部を破断して示す分解斜視図である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために一部を破断して示す組立斜視図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために示す断面図である。図4は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置のキャリアに収容支持される入力側ギヤを一方側から見た状態を示す分解斜視図である。図5は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置のキャリアに収容支持される入力側ギヤを他方側から見た状態を示す分解斜視図である。図6は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置のキャリアを一方側から見た状態を示す斜視図である。図7は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置のキャリアを他方側から見た状態を示す斜視図である。図8は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置の1対の出力側ギヤのうち一方の出力側ギヤと入力ギヤとの噛合状態を示す断面図である。図9は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置の1対の出力側ギヤのうち他方の出力側ギヤと入力ギヤとの噛合状態を示す断面図である。
〔車両用差動装置の全体構成〕
図1〜図3において、符号1で示す車両用差動装置は、例えば4輪駆動車の駆動源の駆動力を前輪側のディファレンシャル装置と後輪側のディファレンシャル装置とに配分するセンターデフとして用いられ、駆動源の駆動トルク(エンジントルク)を前輪側及び後輪側の1対の出力軸(図示せず)に差動分配する差動機構2と、この差動機構2の差動を制限する差動制限機構3と、この差動制限機構3を作動させる押圧機構4とから大略構成されている。
(差動機構2の構成)
差動機構2は、図1〜図3に示すように、入力部材としてのプラネタリキャリア2Aと、このプラネタリキャリア2Aの回転力を受ける入力側ギヤとしての複数の遊星歯車2B,2B,…と、これら複数の遊星歯車2B,2B,…に噛合する一方側の出力側ギヤとしての太陽歯車2Cと、この太陽歯車2Cと同一の軸線上で複数の遊星歯車2B,2B,…に噛合する他方側の出力側ギヤとしての内歯車2Dと、この内歯車2D及び太陽歯車2C・プラネタリキャリア2A・複数の遊星歯車2B,2B,…を収容するデフケース2Eとを備えている。
<プラネタリキャリア2Aの構成>
プラネタリキャリア2Aは、図1〜図7に示すように、キャリア基部20A及びキャリア鍔部21Aからなり、太陽歯車2Cと内歯車2Dとの間に介在して配置され、各内径及び各外径がそれぞれ互いに異なる段状の円筒体によって形成されている。キャリア鍔部21Aは、キャリア基部20Aに連通し、プラネタリキャリア2Aの回転軸線方向に開口する円環体によって形成されている。キャリア鍔部21Aの外径はキャリア基部20Aの外径よりも、またその内径はキャリア基部20Aの内径よりもそれぞれ大きい寸法に設定されている。そして、回転軸線Oの回りに回転し得るように構成されている。プラネタリキャリア2Aには、遊星歯車2B,2B,…を自転可能に収容支持するギヤ収容支持部22Aが設けられている。
ギヤ収容支持部22Aは、第1収容孔220A及び第2収容孔221Aからなり、キャリア基部20A及びキャリア鍔部21Aに跨って配置されている。
第1収容孔220Aは、プラネタリキャリア2Aの径方向内側(キャリア鍔部21Aの内周面)及び回転軸線Oと平行な方向(太陽歯車側及び内歯車側)に開口し、キャリア鍔部21Aに配置されている。第1収容孔220Aの内周面(トルク伝達面)は、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部20B,20B,…(後述)の歯先面に適合する曲率面からなる第1ギヤ支持面2200Aで形成されている。
第2収容孔221Aは、プラネタリキャリア2Aの径方向外側(キャリア基部20Aの外周面)及び回転軸線Oと平行な方向(太陽歯車側)に開口し、かつ第1収容孔220Aに連通し、キャリア基部20Aに配置されている。第2収容孔221Aの内周面(トルク伝達面)は、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部21B,21B,…(後述)の歯先面に適合する曲率面からなる第2ギヤ支持面2210Aで形成されている。第2収容孔221Aの底面は、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部21B,21B,…の軸線方向先端面(自由端面)を摺動可能に支持する第3ギヤ支持面2211Aで形成されている。
キャリア基部20Aは、プラネタリキャリア2Aの回転軸線方向に開口する円筒体によって形成されている。キャリア基部20Aの内周面には、入力軸(図示せず)を移動可能に連結するスプライン嵌合部200Aが設けられている。
<遊星歯車2B,2B,…の構成>
遊星歯車2B,2B,…は、図2及び図3に示すように、それぞれ各ピッチ円直径D,D(D>D)が互いに異なる(捩れ方向は同一である)大小2つのギヤ部20B,21B(ギヤ部20Bがピッチ円直径Dの歯車諸元を、ギヤ部21Bがピッチ円直径Dの歯車諸元をもつ)を有するヘリカルギヤからなり、プラネタリキャリア2Aの第1収容孔220A及び第2収容孔221A内に自転可能に収容されている。
ギヤ部20Bは、図3及び図8に示すように太陽歯車2Cに噛合し、第1収容孔220A内に自転可能に収容されている。そして、太陽歯車2Cを介してプラネタリキャリア2Aの回転力を図3の左方の出力軸(フロント車軸連結用の出力軸)に伝達し得るように構成されている。ギヤ部20Bの軸方向線先端面(自由端面)とデフケース2E(フロントケース20E)の底部2010Eとの間には、太陽歯車2Cの外周囲に位置する環状のスラストワッシャ5が介装されている。ギヤ部20Bの歯数Zは、ギヤ部21Bの歯数Z(Z>Z)よりも大きい歯数に設定されている。
ギヤ部21Bは、図3及び図9に示すように、内歯車2Dに噛合し、第2収容孔221A内に自転可能に収容されている。そして、内歯車2Dを介してプラネタリキャリア2Aの回転力を右方の出力軸(リヤ車軸連結用の出力軸)に伝達し得るように構成されている。
<太陽歯車2Cの構成>
太陽歯車2Cは、図3及び図8に示すように、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部20B,20B,…に噛合して内歯車2Dの軸線上で回転可能に配置され、かつプラネタリキャリア2A内に収容され、全体が回転軸線Oと同一の軸線をもつ円筒状のヘリカルギヤによって形成されている。そして、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部20B,20B,…からの回転力を受け、図3の左方の出力軸(前輪側出力軸)に出力するように構成されている。太陽歯車2Cの内周面には、前輪側の出力軸を移動可能に連結するスプライン嵌合部20Cが設けられている。太陽歯車2Cのピッチ円直径D及び歯数Zは、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部20B,20B,…のピッチ円直径D及び歯数Zよりも大きい寸法と歯数に設定されている。
<内歯車2Dの構成>
内歯車2Dは、図3及び図9に示すように、ボス部20D及びギヤ部21Dからなり、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部21B,21B,…に噛合してプラネタリキャリア2Aの軸線上で回転可能に配置され、かつデフケース2E(リヤケース21Eの第1ケースエレメント210E)に軸受(ニードルベアリング)6を介して保持され、全体が回転軸線Oと同一の軸線をもつ円筒状のヘリカルギヤによって形成されている。そして、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部21B,21B,…からの回転力を受け、図3の右方の出力軸(後輪側出力軸)に出力するように構成されている。
ボス部20Dは、図3に示すように、各外径が互いに異なる大小2つの外周面を有する段状の円筒体からなり、太陽歯車2Cにプラネタリキャリア2Aを介して対向する位置に配置されている。ボス部20Dの両外周面のうち外径の大きい外周面には、プラネタリキャリア2Aの太陽歯車側端面と反対側の端面に対向するフランジ端面をもつ鍔部200D、及びこの鍔部200Dに軸線方向に所定の間隔をもって隣接するスプライン嵌合部201Dが設けられている。ボス部20Dの内周面には、後輪側出力軸を移動可能に連結するスプライン嵌合部202Dが設けられている。
ギヤ部21Dは、図3に示すように、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部21B,21B,…に噛合してプラネタリキャリア2Aの外周囲に配置され、かつ内歯車2Dのボス部20Dに鍔部200Dを介して一体に形成されている。ギヤ部21Dのピッチ円直径D及び歯数Zは、太陽歯車2Cのピッチ円直径D及び歯数Zよりも大きい寸法と歯数に設定されている。これにより、入力側ギヤ(遊星歯車2B,2B,…のギヤ部20B,20B,…及びギヤ部21B,21B,…)のピッチ円直径と出力側ギヤ(太陽歯車2C及び内歯車2D)のピッチ円直径との間においてD/D<D/Dが成立し、エンジン側から遊星歯車2B,2B,…のギヤ部21B,21B,…を介して内歯車2Dに伝達される回転トルクが遊星歯車2B,2B,…のギヤ部21B,21B,…を介して太陽歯車2Cに伝達される回転トルクよりも大きくなる。本実施形態では、(D/D)/(D/D)≧2となるようにD〜Dが設定され、内歯車2Dに太陽歯車2Cに配分されるトルクの2倍以上のトルクが配分されるように構成されている。
<デフケース2Eの構成>
デフケース2Eは、図1〜図3に示すように、回転軸線Oに沿って一方向に開口する有底円筒状のフロントケース20Eと、このフロントケース20Eの開口部(後述する部品挿入口2000E)を覆う略円環状のリヤケース21Eとからなり、フロントケース20Eの底部は太陽歯車2Cの軸線方向両端面のうちプラネタリキャリア側端面と反対側の端面に溶接されている。そして、全体が差動機構2及び差動制限機構3・押圧機構4を内部に収容する段状の中空構造体によって形成されている。
フロントケース20Eは、各内径及び各外径がそれぞれ互いに異なる大小2つの円筒部200E,201Eからなる段状の有底円筒体によって形成されている。
一方(大径)の円筒部200Eは、部品挿入口2000Eをリヤケース側に有し、フロントケース20Eの軸線方向一方側(リヤケース側)に配置されている。
他方(小径)の円筒部201Eは、フロントケース20Eの軸線方向他方側に配置されている。円筒部201Eには、遊星歯車2B,2B,…(ギヤ部20B,20B,…)の軸線方向先端面にスラストワッシャ5を介して対向する底部2010E、及びこの底部2010Eを貫通して太陽歯車2C内に連通するスプライン嵌合部付きの貫通孔2011Eが設けられている。円筒部201Eの内周面には、円筒部200Eに近接する部位に位置するスプライン嵌合部2012Eが設けられている。
リヤケース21Eは、第1〜第3ケースエレメント210E〜212Eからなり、フロントケース20E(円筒部200E)の部品挿入口2000E内に螺着されている。
第1ケースエレメント210Eは、内歯車2D(ボス部20D)の鍔部200Dに対向する鍔部2100Eを外周面に有し、全体が軟鉄等の磁性材料からなる円筒体によって形成されている。第1ケースエレメント210Eの内周面と内歯車2D(ボス部20D)の外周面との間に軸受(ニードルベアリング)7が介装されている。
第2ケースエレメント211Eは、内歯車2D(ボス部20D)の鍔部200Dに対向する鍔部2110Eを内周面に有し、全体が軟鉄等の磁性材料からなる円筒体によって形成されている。第2ケースエレメント211Eの内周面と第1ケースエレメント210Eの外周面との間には環状空間Cが形成されている。
第3ケースエレメント212Eは、第1ケースエレメント210Eの鍔部2100Eと第2ケースエレメント211Eの鍔部2110Eとの間に介在し、全体がステンレス鋼等の非磁性材料からなるケースエレメント連結用の円環体によって形成されている。
(差動制限機構3の構成)
差動制限機構3は、図1〜図3に示すように、インナクラッチプレート3A,3A,…及びアウタクラッチプレート3B,3B,…を有する摩擦式のクラッチからなり、デフケース2E(フロントケース20E)の内周面と内歯車2D(ボス部20D)の外周面との間に配置されている。そして、太陽歯車2C(デフケース2E)と内歯車2Dとを互いに断続(トルク伝達)可能に連結し、差動機構2の差動を制限するように構成されている。
インナクラッチプレート3A,3A,…及びアウタクラッチプレート3B,3B,…は、それぞれが回転軸線Oに沿って交互に配置され、全体が環状の摩擦板によって形成されている。
インナクラッチプレート3A,3A,…は、内歯車2D(ボス部20D)のスプライン嵌合部201Dに回転軸線Oに沿って移動可能に連結されている。
アウタクラッチプレート3B,3B,…は、デフケース2(フロントケース20E)のスプライン嵌合部2012Eに回転軸線Oに沿って移動可能に連結されている。
(押圧機構4の構成)
押圧機構4は、図1〜図3に示すように、電磁石4A及びアーマチャ4Bを有する電磁クラッチからなり、差動機構2(内歯車2D)のリヤ出力軸側に配置されている。そして、差動制限機構3を作動させてインナクラッチプレート3A,3A,…及びアウタクラッチプレート3B,3B,…のうち互いに隣り合うクラッチ同士を押圧して摩擦摺動させるように構成されている。
電磁石4Aは、リヤケース21Eの環状空間Cに配置され、かつ第1ケースエレメント210Eの外周面に軸受(ボールベアリング)8を介して相対回転可能に支持されている。
アーマチャ4Bは、内歯車2D(ボス部20Dの鍔部200D)と差動制限機構3との間でボス部20Dの外周囲に配置され、かつデフケース2E(フロントケース20Eの円筒部201E)のスプライン嵌合部2012Eに連結されている。そして、電磁石4Aの電磁力によって回転軸線Oに沿って移動するように構成されている。
〔車両用差動装置1の動作〕
車両のエンジン側からのトルクがプラネタリキャリア2Aに入力されると、プラネタリキャリア2Aが回転軸線Oの回りに回転駆動される。プラネタリキャリア2Aが回転駆動されると、この回転力が遊星歯車2B,2B,…に伝達され、さらに遊星歯車2B,2B,…のギヤ部20B,20B,…から太陽歯車2Cに、また遊星歯車2B,2B,…のギヤ部21B,21B,…から内歯車2Dにそれぞれ伝達される。この場合、太陽歯車2Cが前輪側出力軸に、また内歯車2Dが後輪側出力軸にそれぞれスプライン嵌合されているため、エンジン側からのトルクがプラネタリキャリア2A及び遊星歯車2B,2B,…、さらに太陽歯車2C及び内歯車2Dを介して左右(前後輪側)の出力軸に伝達される。
ここで、車両が直進状態であり、かつ前後各車輪に路面との間でスリップが発生しない場合には、エンジン側からのトルクがプラネタリキャリア2Aに伝達されると、プラネタリキャリア2Aが回転軸線Oの回りに回転すると共に、遊星歯車2B,2B,…が太陽歯車2C及び内歯車2Dの中心軸回りに自転することなく公転し、遊星歯車2B,2B,…及び太陽歯車2C・内歯車2Dがプラネタリキャリア2Aと共に一体に回転するため、エンジン側からのトルクが前後各出力軸にD/D(前):D/D(後)の配分比を基準に、静摩擦時の差動制限トルク配分内で路面反力のアンバランスに瞬時に対応して損失なく前後各出力軸に伝達され、前後各出力軸が等しい回転数で回転する。
本実施形態では、(D/D)/(D/D)≧2となるようにD〜Dが設定されているので、前輪側に配分される2倍以上のトルクが後輪側に配分される。このような駆動力配分を採ることにより、車両のコーナリング時に運転者のアクセル踏み込み量に応じて後輪をドリフトアウトさせることができ、遠心力によってコースから飛び出すことなく高速で旋回することができる。この車両特性は特に上級者がスポーツ走行をする際には有効である。しかし、アクセルを踏みすぎたり路面の摩擦係数が低い場合には、オーバーステア傾向が過大となり、車両のスピンにつながるおそれがある。このような場合には、ヨーレートセンサによって検出したヨーレート及び車速や舵角に基づいて判断した車両走行状態に基づいて押圧機構4を作動させ、内歯車2Dと太陽歯車2Cとの間に車両を安定させるために必要な差動制限力を作用させる。これにより、後輪側に偏重配分されていたトルクを前輪側に振り向け、前輪側へ配分されるトルク割合が高まるとともに後輪側へ配分されるトルク割合が低減され、車両を安定させることができる。
本実施の形態においては、プラネタリキャリア2Aにエンジントルクが入力された状態で次の(1)及び(2)に示す作用によって出力側ギヤ(太陽歯車2C及び内歯車2D)に差動制限トルクが発生する。
(1)遊星歯車2B,2B,…がトルクを入力した状態で自転すると、これら遊星歯車2B,2B,…(ギヤ部20B,20B,…及びギヤ部21B,21B,…)の各歯先面がプラネタリキャリア2A(第1収容孔220A及び第2収容孔221A)の第1ギヤ支持面2200Aと第2ギヤ支持面2210Aで、これら第1ギヤ支持面2200A,第2ギヤ支持面2210Aと遊星歯車2B,2B,…の各歯先面との間に摩擦抵抗が発生し、これら摩擦抵抗によって太陽歯車2C,内歯車2Dに差動制限トルクが発生する。
一方、遊星歯車2B,2B,…のトルクを入力した状態での自転によってギヤ噛み合い面で各ギヤ(遊星歯車2B,2B,…及び太陽歯車2C・内歯車2D)に回転軸線Oに沿ってスラスト力が発生する。この場合、遊星歯車2B,2B,…(ギヤ部21B,21B,…)の軸線方向先端面がプラネタリキャリア2A(第2収容孔221A)の第3ギヤ支持面2211A、もしくはフロントケース20Eの底部2010Eでそれぞれ摺動し、太陽歯車2C及び内歯車2Dが互いに離れる方向、もしくは押し合う方向に移動する。この際、遊星歯車2B,2B,…(ギヤ部21B,21B,…)で発したスラスト力によって生まれる摺動部の間で摩擦抵抗が発生し、これら摩擦抵抗によっても太陽歯車2C,内歯車2Dに差動制限トルクが発生する。
(2)押圧機構4の電磁石4Aに通電すると、フロントケース20E及びリヤケース21E・アーマチャ4Bに跨って磁気回路が形成され、その磁力によってアーマチャ4Bが電磁石側(リヤケース側)に移動する。このアーマチャ4Bの移動によって差動制限機構3(インナクラッチプレート3A,3A,…及びアウタクラッチプレート3B,3B,…)がリヤケース側に押圧され、これに伴いインナクラッチプレート3A,3A,…及びアウタクラッチプレート3B,3B,…が相対的に接近して互いに摩擦係合する。これら摩擦係合によってデフケース2Eと内歯車2Dとが、すなわち太陽歯車2Cと内歯車2Dとがインナクラッチプレート3A,3A,…及びアウタクラッチプレート3B,3B,…を介してトルク伝達可能に連結される。これにより、太陽歯車2C,内歯車2Dに差動制限トルクが発生する。
[第1の実施の形態の効果]
以上説明した第1の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
(1)差動制限機構3(インナクラッチプレート3A及びアウタクラッチプレート3B)によって得られる差動機構2の差動制限力を1対の出力側ギヤ間(太陽歯車2Cと内歯車2Dとの間)に発生させるため、効率よく差動制限力を得ることができる。つまり、差動発生時に太陽歯車2C及び内歯車2Dがインナクラッチプレート3A及びアウタクラッチプレート3Bを介して互いに逆方向に回転するため、内歯車2Dからインナクラッチプレート3A及びアウタクラッチプレート3Bを介して太陽歯車2Cに伝達されるトルクが太陽歯車2Cを、また太陽歯車2Cからインナクラッチプレート3A及びアウタクラッチプレート3Bを介して内歯車2Dに伝達されるトルクが内歯車2Dをそれぞれ回転規制するように作用する。これにより、差動機構2の差動制限力を倍増することが可能となる。
(2)押圧機構4による押圧力がクラッチプレートに直接伝達されるため、従来必要とした出力伝達部材等が不要になり、部品点数を削減することができるので、構造全体が簡単になり、コストの低廉化を図ることができる。また、電流に対する差動制限力のレスポンスを向上できるとともに、カムを使用したものでは不可避であった差動反転時におけるトルク抜けをなくすこともできる。
(3)ギヤ部20B,20B,…の歯先面がプラネタリキャリア2Aの径方向内側を、またギヤ部21B,21B,…の歯先面がプラネタリキャリア2Aの径方向外側をそれぞれ除く部位で支持されるため、遊星歯車2B,2B,…が太陽歯車2C及び内歯車2Dとの噛み合い反力によって傾動することがない。これにより、遊星歯車2B,2B,…の第1収容孔220A及び第2収容孔221Aにおける開口縁部への当接を阻止することができ、遊星歯車2B,2B,…及びギヤ収容支持部22Aの磨耗発生を抑制することができる。
(4)差動機構2を構成する各歯車で発生するスラスト力が差動制限機構3で発生する差動制限力に影響しないので、電磁石4Aに通電する電流に応じた差動制限力を精度よく得ることができる。すなわち、各車輪速や操舵角、ヨーレート等の車両走行状態に基づいて電磁石4Aの通電電流を増減制御することにより、車両の走行安定性を高精度に高めることができる。
[第2の実施の形態]
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために示す断面図である。図10において、図3と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
第2の実施の形態に示す車両用差動装置100は、図10に示すように、回転軸線Oに沿って内歯車2Dのクラッチ側への移動を規制する移動規制部材としてのリングボルト9を備えた点に特徴がある。
このため、リングボルト9がデフケース2E(フロントケース20Eの1対のケースエレメントのうちリヤケース側のケースエレメント)の内周面に螺着され、このリングボルト9に対向する鍔部210Dが内歯車2D(ギヤ部21D)の外周面に一体に設けられている。また、リングボルト9と鍔部210Dとの間にはスラストワッシャ10が介装されている。
本実施の形態においては、第1の実施の形態においてプラネタリキャリア2Aにエンジントルクが入力された状態で出力側ギヤ(太陽歯車2C及び内歯車2D)に発生する差動制限トルクに加え、次の差動制限トルクが加わる。
プラネタリキャリア2Aからエンジン側のトルクを受けて遊星歯車2B,2B,…が自転すると、ギヤ噛み合い面で各ギヤ(遊星歯車2B,2B,…及び太陽歯車2C・内歯車2D)に回転軸線Oに沿って発生したスラスト力によって遊星歯車2B,2B,…がデフケース2E(フロントケース20E)の底部2010Eに接近する方向に移動するとともに、太陽歯車2D及び内歯車2Dが押圧機構側に移動し、内歯車2Dの鍔部210Dがリングボルト9にスラストワッシャ10を介して圧接するため、スラストワッシャ10と内歯車2Dとの間に摩擦抵抗が発生し、これら摩擦抵抗によって太陽歯車2C,内歯車2Dに差動制限トルクが発生する。
[第2の実施の形態の効果]
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の場合と同様の効果が得られる。
なお、本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に、入力側ギヤ(遊星歯車2B,2B,…のギヤ部20B,20B,…及びギヤ部21B,21B,…)のピッチ円直径と出力側ギヤ(太陽歯車2C及び内歯車2D)のピッチ円直径との間においてD/D<D/Dが成立する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、D/D=D/Dが成立するような寸法に各ギヤのピッチ円直径を設定してもよい。この場合、太陽歯車に伝達されるトルクと内歯車に伝達されるトルクの比であるトルクバイアス比(Torque Bias Ratio:TBR)が50:50に設定され、太陽歯車及び内歯車には同一の大きさのトルクが伝達される。
また、入力側ギヤ(遊星歯車2B,2B,…のギヤ部20B,20B,…及びギヤ部21B,21B,…)のピッチ円直径と出力側ギヤ(太陽歯車2C及び内歯車2D)のピッチ円直径との間においてD/D>D/Dが成立するような寸法に各ギヤのピッチ円直径を設定してもよい。この場合、内歯車に伝達されるトルクが太陽歯車に伝達されるトルクよりも小さくなる。
[第3の実施の形態]
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために示す断面図である。図11において、図3と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
第3の実施の形態に示す車両用差動装置101は、図11に示すように、内歯車2Dがデフケース2Eに固定され、このデフケース2E(内歯車2D)と太陽歯車2Cとが差動制限機構3(クラッチ)を介してトルク伝達可能に互いに連結されている点に特徴がある。
プラネタリキャリア2Aは、遊星歯車2B,2B,…を自転可能に収容支持するギヤ収容支持部22Aと、このギヤ収容支持部22Aの内周面及び入力軸11の外周面にスプライン嵌合するキャリア筒部23Aとからなり、デフケース2Eと内歯車2Dとの間に配置されている。ギヤ収容支持部22Aはプラネタリキャリア2Aの外周部に、またキャリア筒部23Aはプラネタリキャリア2Aの内周部にそれぞれ配置されている。
太陽歯車2Cは、各口径が互いに異なる内外2つの筒体21C,22Cからなり、フロント出力ギヤ12を介して前輪側の出力軸(図示せず)に連結されている。一方(内側)の筒体21Cは、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部20B,20B,…に噛合するギヤ部210Cを有し、内歯車2Dの軸線(回転軸線O)上で回転可能に配置されている。他方(外側)の筒体22Cは、一方の筒体21Cの外周面にスプライン嵌合によって連結されている。
フロント出力ギヤ12は、入力軸11の外周囲に配置され、かつトランスファケース13内に軸受(テーパベアリング)14を介して回転可能に支持されている。
内歯車2Dは、各口径が互いに異なる内外2つの筒体22D,23Dからなり、後輪側の出力軸(図示せず)に連結されている。そして、入力軸11にスプライン嵌合するプラネタリキャリア2Aの一部を収容し得るように構成されている。一方(内側)の筒体22Dは、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部21B,21B,…に噛合するギヤ部220Dを有し、回転軸線O上で回転可能に配置され、全体が軸線2方向に開口する無底円筒体によって形成されている。他方(外側)の筒体23Dは、一方の筒体22Dを内部に収容可能な環状溝230D、及び後輪側の出力軸に連結するスプライン嵌合部231Dを有し、このうち環状溝230Dの溝壁(内周面)が一方の筒体22Dの外周面にスプライン嵌合されている。
デフケース2Eは、フロント出力軸側ケースエレメント22E及びリヤ出力軸側ケースエレメント23E・中間部ケースエレメント24E・端部ケースエレメント25Eからなり、内歯車2Dに相対回転不能に連結され、かつトランスファケース13内に軸受(ボールベアリング)15を介して回転可能に収容されている。そして、全体が差動機構2の一部を内部に収容する第1円筒部、及び差動制限機構3を内部に収容する第2円筒部からなる円筒体によって形成されている。
フロント出力軸側ケースエレメント22Eは、第1〜第3エレメントピース220E〜222Eからなり、デフケース2Eのフロント出力軸側に配置されている。第1エレメントピース220Eは、押圧機構4の電磁石4Aとアーマチャ4Bとの間に介在して配置され、全体が軟鉄等の磁性材料からなる円筒体によって形成されている。第2エレメントピース221Eは、第1エレメントピース220Eの外周囲に配置され、全体が軟鉄等の磁性材料からなる円環体によって形成されている。第3エレメントピース222Eは、第1エレメントピース220Eと第2エレメントピース221Eとの間に介在して配置され、全体がステンレス鋼等の非磁性材料からなるケースエレメント連結用の円環体によって形成されている。
リヤ出力軸側ケースエレメント23Eは、デフケース2Eのリヤ出力軸側に配置され、かつ中間部ケースエレメント24Eに連結ピン16を介して連結され、全体がリヤ出力軸側に開口する有底円筒体によって形成されている。リヤ出力軸側ケースエレメント23Eの底面には、遊星歯車2B,2B,…(ギヤ部20B,20B,…)の自由側端面にスラストワッシャ18を介して対向するスラストワッシャ19が取り付けられている。スラストワッシャ18はプラネタリキャリア2Aに取り付けられている。
中間部ケースエレメント24Eは、フロント出力軸側ケースエレメント22Eとリヤ出力軸側ケースエレメント23Eとの間に介在してデフケース2Eの軸線方向中間部に配置され、かつフロント出力軸側ケースエレメント22Eにボルト17によって連結され、全体が軸線2方向に開口する円筒体によって形成されている。そして、フロント出力軸側ケースエレメント22Eと共に差動制限機構3を第1円筒部として内部に収容するように構成されている。中間部ケースエレメント24Eの内周面と筒体22Cの外周面との間には、太陽歯車2Cと内歯車2Dとを互いにトルク伝達可能に連結する差動制限機構3(クラッチ)が配置されている。
端部ケースエレメント25Eは、リヤ出力軸側ケースエレメント23Eの開口内周面に螺合するリングボルトからなり、筒体23Dの外周囲に配置されている。そして、筒体22D,23Dをリヤ出力軸側ケースエレメント23Eの底面に圧接して内歯車2Dをデフケース2Eに固定するように構成されている。また、リヤ出力軸側ケースエレメント23Eと共に差動機構2の一部を内部に収容するように構成されている。なお、本実施の形態では端部ケースエレメント25E及びリヤ出力軸側ケースエレメント23Eによって差動機構2の一部を収容する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、その全部を収容する構造としてもよい。
本実施の形態においては、プラネタリキャリア2Aにエンジントルクが入力された状態で押圧機構4の電磁石4Aに対する通電によって出力側ギヤ(太陽歯車2C及び内歯車2D)に次の差動制限トルクが発生する。
押圧機構4の電磁石4Aに通電すると、トランスファケース13及びデフケース2E(フロント出力軸側ケースエレメント22E,中間部ケース24E)・アーマチャ4Bに跨って磁気回路が形成され、その磁力によってアーマチャ4Bが電磁石側に移動する。このアーマチャ4Bの移動によって差動制限機構3(インナクラッチプレート3A,3A,…及びアウタクラッチプレート3B,3B,…)が電磁石側に押圧され、これに伴いインナクラッチプレート3A,3A,…及びアウタクラッチプレート3B,3B,…が相対的に接近して互いに摩擦係合する。これら摩擦係合によってデフケース2Eと太陽歯車2Cとが、すなわち太陽歯車2Cと内歯車2Dとがインナクラッチプレート3A,3A,…及びアウタクラッチプレート3B,3B,…を介してトルク伝達可能に連結される。これにより、太陽歯車2C,内歯車2Dに差動制限トルクが発生する。
[第3の実施の形態の効果]
以上説明した第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態の場合と同様の効果が得られる。
[第4の実施の形態]
図12は、本発明の第4の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために示す断面図である。図12において、図11と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
第4の実施の形態に示す車両用差動装置102は、図12に示すように、押圧機構4が太陽歯車2C及び内歯車2Dの軸線方向に移動して押圧力を出力するピストン4Cを有し、また差動機構2の太陽歯車2Cがピストン4Cの押圧力を差動制限機構3にその作動力として伝達する押圧力伝達部(第3ギヤエレメント25C)250Cを有し、デフケース2E及び差動制限機構3(クラッチ)を介して太陽歯車2Cと内歯車2Dとがトルク伝達可能に互いに連結されている点に特徴がある。
太陽歯車2Cは、第1〜第4ギヤエレメント23C〜26Cからなり、フロント出力ギヤ12を介して前輪側の出力軸(図示せず)に連結されている。
第1ギヤエレメント23Cは、遊星歯車2B,2B,…のギヤ部20B,20B,…に噛合するギヤ部230Cを有し、内歯車2Dの軸線(回転軸線O)上で回転可能に配置されている。そして、全体が太陽歯車2Cのギヤ軸線2方向に開口する円筒体によって形成されている。
第2ギヤエレメント24Cは、プラネタリキャリア2Aの内側でトランスファケース13に軸受(ニードルベアリング)21を介して回転可能に配置され、かつ第1ギヤエレメント23Cの内周面にスプライン嵌合によって連結されている。そして、全体が太陽歯車2Cのギヤ軸線2方向に開口するフランジ付きの円筒体によって形成されている。
第3ギヤエレメント25Cは、押圧力伝達部250Cを有する略環状体からなり、第2ギヤエレメント24Cにその外周囲で相対回転不能に配置され、かつピストン4Cの押圧部40Cに軸受(ニードルベアリング)22を介して回転可能に支持されている。そして、押圧伝達部250Cがピストン4Cの押圧力を押圧部40Cから受け、差動制限機構3にその作動力として伝達するように構成されている。
第4ギヤエレメント26Cは、押圧力伝達部250Cに差動制限機構3(クラッチプレート)を介して対向する押圧力受部260Cを有する略環状体からなり、第3ギヤエレメント25Cにその軸線方向に所定の間隔をもって並設され、かつ第2ギヤエレメント24Cにその外周囲で相対回転不能に配置されている。
フロント出力ギヤ12は、入力軸11の外周囲に配置され、かつトランスファケース13内に軸受(テーパベアリング)14を介して回転可能に支持されている。トランスファケース13には、太陽歯車2C及び内歯車2Dの軸線方向にピストン4Cを進退させる圧力室130、及びこの圧力室130に油圧を供給するための供給路131が設けられている。圧力室130及び供給路131は、ピストン4Cと共に押圧機構4として機能するように構成されている。ピストン4Cは、第3ギヤエレメント25Cに押圧力を付与する押圧部40Cを有し、押圧機構4の出力部として機能するように構成されている。
デフケース2Eは、フロント出力軸側ケースエレメント26E及びリヤ出力軸側ケースエレメント27E・外周部ケースエレメント28Eからなり、内歯車2Dに相対回転不能に連結され、かつトランスファケース13内に回転軸線O上で回転可能に収容されている。そして、差動機構2の一部を内部に収容する第1円筒部、及び差動制限機構3を内部に収容する第2円筒部からなる円筒体によって形成されている。
フロント出力軸側ケースエレメント26Eは、全体がリングボルトからなり、デフケース2Eのフロント出力軸側に配置され、かつ外周部ケースエレメント28Eの内周面に螺着されている。
リヤ出力軸側ケースエレメント27Eは、鍔部270Eを外周面に有する円筒体からなり、デフケース2Eのリヤ出力軸側に配置され、かつその外周面が外周部ケースエレメント28Eの内周面にスプライン嵌合によって連結されている。
外周部ケースエレメント28Eは、リヤ出力軸側ケースエレメント27Eの鍔部270Eを介してフロント出力軸側ケースエレメント26Eの圧接力(締結力)を受ける段部280Eを有し、内歯車2Dの筒体23Dに一体に設けられ、全体がデフケース2Eの軸線2方向に開口する円筒体によって形成されている。そして、差動機構2の一部及び差動制限機構3と共にフロント出力軸側ケースエレメント26E及びリヤ出力軸側ケースエレメント27Eを内部に収容するように構成されている。外周部ケースエレメント28Eの内周面には、リヤ出力軸側ケースエレメント27Eがスプライン嵌合によって連結されている。外周部ケースエレメント28Eの内周面と第4ギヤエレメント26C(太陽歯車2C)の外周面との間には、太陽歯車2Cと内歯車2Dとを互いにトルク伝達可能に連結する差動制限機構3(クラッチ)が配置されている。なお、本実施の形態では、外周部ケースエレメント28Eによって差動機構2の一部を収容する場合について説明したが、本発明これに限定されず、その全体を収容する構造としてもよい。
本実施の形態においては、プラネタリキャリア2Aにエンジントルクが入力された状態で押圧機構4の供給路131に対する油圧の供給によって出力側ギヤ(太陽歯車2C及び内歯車2D)に次の差動制限トルクが発生する。
押圧機構4の供給路131に油圧を供給すると、この油圧が圧力室130内のピストン4Cに作用し、ピストン4Cがその押圧部40Cと共に第3ギヤエレメント25Cに向かって移動する。このピストン4Cの移動によって押圧部40Cが第3ギヤエレメント25Cを差動制限機構3側に押圧し、この押圧力が第3ギヤエレメント25Cを介して差動制限機構3(インナクラッチプレート3A,3A,…及びアウタクラッチプレート3B,3B,…)に伝達される。このため、差動制限機構3(インナクラッチプレート3A,3A,…及びアウタクラッチプレート3B,3B,…)が第4ギヤエレメント26C側に押圧され、これに伴いインナクラッチプレート3A,3A,…及びアウタクラッチプレート3B,3B,…が相対的に接近して互いに摩擦係合する。これら摩擦係合によってデフケース2Eと太陽歯車2Cとが、すなわち太陽歯車2Cと内歯車2Dとがインナクラッチプレート3A,3A,…及びアウタクラッチプレート3B,3B,…を介してトルク伝達可能に連結される。これにより、太陽歯車2C,内歯車2Dに差動制限トルクが発生する。
[第4の実施の形態の効果]
以上説明した第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態の場合と同様の効果が得られる。
以上、本発明の車両用差動装置を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
(1)各実施の形態では、太陽歯車2C及び内歯車2Dにそれぞれ噛合するギヤ部20B,20B,…及びギヤ部21B,21B,…を有する遊星歯車2B,2B,…がプラネタリキャリア2A(ギヤ収容支持部22A)内に4個収容支持されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、他の個数の遊星歯車をプラネタリキャリア内に配置しても勿論よい。
(2)各実施の形態では、入力側ギヤとして各ピッチ円直径D,Dが互いに異なるギヤ部20B,21Bを有する複数のヘリカルギヤであり、出力側ギヤとしてこれら各ヘリカルギヤのギヤ部20B,21Bにそれぞれ噛合する1対のヘリカルギヤである場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、入力側ギヤとして各ピッチ円直径が互いに異なる一対の歯車を相対回転不能に連結してなる複数対のヘリカルギヤであり、出力側ギヤとしてこれら各対のヘリカルギヤに噛合する1対のヘリカルギヤであってもよい。また、入力側ギヤとして各ピッチ円直径が互いに異なる複数対のスパーギヤであり、出力側ギヤとしてこれら各対のスパーギヤ(入力側ギヤ)に噛合する1対のスパーギヤであってもよい。
(3)各実施の形態では、差動機構2として遊星歯車機構を備えた車両用差動装置に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば入力側ギヤと出力側ギヤとが各ギヤ軸線を互いに直交させて噛合する他の歯車機構を備えた車両差動装置にも各実施の形態と同様に適用可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために一部を破断して示す分解斜視図。 本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために一部を破断して示す組立斜視図。 本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために示す断面図。 本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置のキャリアに収容支持される入力側ギヤを一方側から見た状態を示す分解斜視図。 本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置のキャリアに収容支持される入力側ギヤを他方側から見た状態を示す分解斜視図。 本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置のキャリアを一方側から見た状態を示す斜視図。 本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置のキャリアを他方側から見た状態を示す斜視図。 本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置の1対の出力側ギヤのうち一方の出力側ギヤと入力側ギヤとの噛合状態を示す断面図。 本発明の第1の実施の形態に係る車両用差動装置の1対の出力側ギヤのうち他方の出力側ギヤと入力側ギヤとの噛合状態を示す断面図。 本発明の第2の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために示す断面図。 本発明の第3の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために示す断面図。 本発明の第4の実施の形態に係る車両用差動装置を説明するために示す断面図。
符号の説明
1,101,102…車両用差動装置
2…差動機構
2A…プラネタリキャリア、20A…キャリア基部、21A…キャリア鍔部、200A…スプライン嵌合部、22A…ギヤ収容支持部、220A…第1収容孔、2200A…第1ギヤ支持面、221A…第2収容孔、2210A…第2ギヤ支持面、2211A…第3ギヤ支持面、23A…キャリア筒部
2B…遊星歯車、20B,21B…ギヤ部
2C…太陽歯車、20C…スプライン嵌合部、21C…内側の筒体、22C…外側の筒体、210C…ギヤ部、23C…第1ギヤエレメント、230C…ギヤ部、24C…第2ギヤエレメント、25C…第3ギヤエレメント、250C…押圧力伝達部、26C…第4ギヤエレメント、260C…押圧力伝達部
2D…内歯車、20D…ボス部、200D…鍔部、201D,202D…スプライン嵌合部、21D…ギヤ部、210D…鍔部、22D…内側の筒体、220D…ギヤ部、23D…外側の筒体、230D…環状溝、231D…スプライン嵌合部
2E…デフケース
20E…フロントケース、200E…大径の円筒部、2000E…部品挿入口、201E…小径の円筒部、2010E…底部、2011…スプライン嵌合部付きの貫通孔、2012E…スプライン嵌合部
21E…リヤケース、210E…第1ケースエレメント、2100E…鍔部、211E…第2ケースエレメント、2110E…鍔部、212E…第3ケースエレメント
22E…フロント出力軸側ケースエレメント、220E…第1エレメントピース、221E…第2エレメントピース、222E…第3エレメントピース
23E…リヤ出力軸側ケースエレメント
24E…中間部ケースエレメント
25E…端部ケースエレメント
26E…フロント出力軸側ケースエレメント、27E…リヤ出力軸側ケースエレメント、270E…鍔部、28E…外周部ケースエレメント、280E…段部
3…差動制限機構、3A…インナクラッチプレート、3B…アウタクラッチプレート
4…押圧機構、4A…電磁石、4B…アーマチャ、4C…ピストン、40C…押圧部
5…スラストワッシャ
6…軸受(ニードルベアリング)
7…軸受(ニードルベアリング)
8…軸受(ボールベアリング)
9…リングボルト
10…スラストワッシャ
11…入力軸
12…フロントワッシャ
13…トランスファケース、130…圧力室、131…供給路
14…軸受(テーパベアリング)
15…軸受(ボールベアリング)
16…連結ピン
17…ボルト
18,19…スラストワッシャ
21,22…軸受(ニードルベアリング)
C…環状空間
O…回転軸線

Claims (8)

  1. 駆動源の駆動トルクによって回転するキャリア、前記キャリアのギヤ収容支持部に収容され前記キャリアの回転力を受けて自転可能な入力側ギヤ、及び前記入力側ギヤから前記キャリアの回転力を受けて1対の出力軸に差動分配する1対の出力側ギヤを有する差動機構と、
    前記差動機構の差動を制限するクラッチを有する差動制限機構とを備え、
    前記差動機構は、前記キャリアが前記1対の出力側ギヤ間に介在して配置され、前記1対の出力側ギヤが互いに前記クラッチを介してトルク伝達可能に連結され
    前記入力側ギヤは、前記1対の出力側ギヤにそれぞれ噛合し、かつ互いに異なるピッチ円直径をもつ大小2つのギヤ部を有する遊星歯車からなり、
    前記1対の出力側ギヤは、前記大小2つのギヤ部のうちピッチ円直径が大きいギヤ部に噛合する太陽歯車、及び前記大小2つのギヤ部のうちピッチ円直径が小さいギヤ部に噛合する内歯車からなり、
    前記ギヤ収容支持部は、前記キャリアの径方向内側に開口して前記ピッチ円直径が大きいギヤ部を収容する第1収容孔、及び前記キャリアの径方向外側に開口して前記ピッチ円直径が小さいギヤ部を収容する第2収容孔からなる
    ことを特徴とする車両用差動装置。
  2. 前記大小2つのギヤ部は、捩れ方向が同一であるヘリカルギヤによって形成されている請求項に記載の車両用差動装置。
  3. 前記太陽歯車はピッチ円直径が寸法D に設定され、
    前記内歯車はピッチ円直径が寸法D に設定され、
    前記遊星歯車は、前記ピッチ円直径の大きいギヤ部のピッチ円直径が寸法D に設定され、前記ピッチ円直径の小さいギヤ部のピッチ円直径が寸法D に設定されている場合、D/D<D/Dが成立する請求項に記載の車両用差動装置。
  4. 前記太陽歯車は、その回転軸線を中心軸線とする円筒部を有し、前記円筒部が前記差動機構及び前記差動制限機構を収容するデフケースによって形成されている請求項1に記載の車両用差動装置。
  5. 前記1対の出力側ギヤは、一方の出力側ギヤが他方の出力側ギヤの前記クラッチ側への移動を規制する移動規制部材を有する請求項1に記載の車両用差動装置。
  6. 前記内歯車は、その回転軸線を中心軸線とする円筒部を有し、前記円筒部が前記差動機構の少なくとも一部を収容する第1円筒部及び前記差動制限機構を収容する第2円筒部からなるデフケースによって形成されている請求項1に記載の車両用差動装置。
  7. 駆動源の駆動トルクによって回転するキャリア、前記キャリアのギヤ収容支持部に収容され前記キャリアの回転力を受けて自転可能な入力側ギヤ、及び前記入力側ギヤから前記キャリアの回転力を受けて1対の出力軸に差動分配する1対の出力側ギヤを有する差動機構と、
    前記差動機構の差動を制限するクラッチを有する差動制限機構と、
    前記差動制限機構を作動させる押圧機構とを備え、
    前記差動機構は、前記キャリアが前記1対の出力側ギヤ間に介在して配置され、前記1対の出力側ギヤが互いに前記クラッチを介してトルク伝達可能に連結され
    前記入力側ギヤは、前記1対の出力側ギヤにそれぞれ噛合し、かつ互いに異なるピッチ円直径をもつ大小2つのギヤ部を有する遊星歯車からなり、
    前記1対の出力側ギヤは、前記大小2つのギヤ部のうちピッチ円直径が大きいギヤ部に噛合する太陽歯車、及び前記大小2つのギヤ部のうちピッチ円直径が小さいギヤ部に噛合する内歯車からなり、
    前記ギヤ収容支持部は、前記キャリアの径方向内側に開口して前記ピッチ円直径が大きいギヤ部を収容する第1収容孔、及び前記キャリアの径方向外側に開口して前記ピッチ円直径が小さいギヤ部を収容する第2収容孔からなる
    ことを特徴とする車両用差動装置。
  8. 前記押圧機構は、前記1対の出力側ギヤの軸線方向に移動して押圧力を出力するピストンを有し、
    前記差動機構は、前記1対の出力側ギヤのうち一方の出力側ギヤが前記ピストンの押圧力を前記差動制限機構にその作動力として伝達する押圧力伝達部を有する請求項に記載の車両用差動装置。
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