JP5125736B2 - 静電荷像現像用トナーと画像形成方法 - Google Patents
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Description
少なくとも結着樹脂と離型剤及び着色剤を塩析・融着してなる静電荷像現像用トナーにおいて、炭素数12〜30の直鎖アルキルアルコール、あるいは、炭素数12〜30の分岐アルキルアルコールを含有する静電荷像現像用トナーであって、
前記炭素数12〜30の直鎖アルキルアルコール、あるいは、前記炭素数12〜30の分岐アルキルアルコールと前記離型剤との混合物を用い、当該混合物の水酸基価を5乃至25mgKOH/gの範囲にしたことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
前記離型剤がエステルワックスであることを特徴とする(1)記載の静電荷像現像用トナー。
少なくとも乳化重合微粒子及び着色剤粒子を塩析・融着してなる乳化重合・会合型トナーであることを特徴とする(1)又は(2)記載の静電荷像現像用トナー。
(1)〜(3)の何れか1項記載の静電荷像現像用トナーを用い、電子写真感光体上に形成された静電荷像を現像することを特徴とする画像形成方法。
本発明の効果は、トナー中に長鎖のアルキルアルコール(高級アルコール)を含有させることで達成される。長鎖アルキルアルコールの例としては、炭素数12乃至30の直鎖アルキルアルコール、分岐アルキルアルコールが挙げられる。
離型剤としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類、カルナウバワックス、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ等の動物系ワックス、モンタンワックス、セレシン、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の好物・石油系ワックスが挙げられる。好ましくは、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸パルミチル、べへン酸ベヘニル等の炭素数12乃至30の長鎖アルキルモノアルコールと炭素数12乃至30の高級脂肪酸のエステル類、イタコン酸ジベヘニル、マレイン酸ジステアリル、アコニット酸トリステアリル等の多価カルボン酸と炭素数12乃至30の長鎖アルキルアルコールからなるエステル類、トリステアリン酸グリセリド、トリベヘン酸グリセリド、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等の多価アルコールと炭素数12乃至30の高級脂肪酸からなるエステル類、テトラステアリン酸ジグリセリド、テトラベヘン酸ジグリセリド、ヘキサベヘン酸トリグリセリド、デカステアリン酸で課グリセリド、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート等の炭素数12乃至30の高級脂肪酸と多価アルコール多量体のエステル類、ソルビタントリステアレート、ソルビタントリべへネート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン高級脂肪酸エステル類、コレステリルステアレート、コレステリルベヘネート、コレステリルオレエート等のコレステロール脂肪酸エステル類等が挙げられる。これらは、融点、溶融粘度等により選択され、単独又は2種以上併用しても良い。
次に、本発明のトナーの製造方法について説明する。
(1)ラジカル重合性単量体に溶解或いは分散する溶解/分散工程
(2)樹脂微粒子の分散液を調製するための重合工程
(3)水系媒体中で樹脂微粒子と着色剤粒子をえん凝集、融着させてコア粒子(会合粒子)を得る凝集・融着工程
(4)会合粒子を熱エネルギーにより熟成して形状を調整する第1の熟成工程
(5)コア粒子(会合粒子)分散液中に、シェル用の樹脂粒子を添加してコア粒子表面にシェル用粒子を凝集、融着させてコア・シェル構造のトナー粒子を形成するシェル化工程(6)コア・シェル構造のトナー粒子を熱エネルギーにより熟成して、コア・シェル構造のトナー粒子の形状を調整する第2の熟成工程
(7)冷却されたトナー粒子分散液からトナー粒子を固液分離し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程
(8)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程
また、必要に応じて乾燥工程の後に、
(9)乾燥処理されたトナー粒子に必要に応じて外添剤を添加する工程
を有する。
この工程では、ラジカル重合性単量体に離型剤化合物を溶解させて、離型剤を混合したラジカル重合性単量体溶液を調製する工程である。この工程中に長鎖アルキルアルコールを添加することが好ましい。
この重合工程の好適な一例においては、臨界ミセル濃度(CMC)以下の界面活性剤を含有した水系媒体中に、前記長鎖アルキルアルコールの混合物を溶解或いは分散含有したラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤を添加し、当該液滴中において重合反応を進行させる。尚、前記液滴中に油溶性重合開始剤が含有されていてもよい。このような重合工程においては、機械的エネルギーを付与して強制的に乳化(液滴の形成)処理が必須となる。かかる機械的エネルギーの付与手段としては、ホモミキサー、超音波、マントンゴーリンなどの強い撹拌又は超音波振動エネルギーの付与手段を挙げることができる。
前記融着工程における凝集、融着の方法としては、重合工程により得られた樹脂微粒子(着色又は非着色の樹脂微粒子)を用いた塩析・融着法が好ましい。また、当該凝集・融着工程においては、樹脂微粒子や着色剤微粒子とともに、離型剤微粒子や荷電制御剤などの内添剤微粒子を凝集し融着させることもできる。
シェル化工程では、コア粒子分散液中にシェル用の樹脂粒子分散液を添加してコア粒子表面にシェル用の樹脂粒子を凝集、融着させ、コア粒子表面にシェル用の樹脂粒子を被覆させてトナー粒子を形成する。
この工程は、前記トナー粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
この固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却されたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウェット状態にあるトナー粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。ここに、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法など特に限定されるものではない。
この工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥処理し、乾燥されたトナー粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
この工程は、乾燥されたトナー粒子に必要に応じ外添剤を混合し、トナーを作製する工程である。
結着樹脂を構成する重合性単量体として使用されるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレン或いはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独或いは組み合わせて使用することができる。
本発明に用いられる着色剤は、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。具体的な着色剤を以下に示す。
本発明のトナーには、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、公知の化合物を用いることができ、具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩或いはその金属錯体等が挙げられる。含有される金属としては、Al、B、Ti、Fe、Co、Niなどが挙げられる。荷電制御剤として特に好ましいのはベンジル酸誘導体の金属錯体化合物である。尚、荷電制御剤は、好ましくはトナー全体に対して0.1〜20.0質量%の含有率とすると、良好な結果を得ることができる。
本発明のトナーは、小径外添剤と大径外添剤を添加して作製してもよい。
本発明のトナーは、一成分現像剤、二成分現像剤として用いることができる。一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤或いはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、何れにも使用することができる。また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の鉄含有磁性粒子に代表される従来から公知の材料を用いることができるが、特に好ましくはフェライト粒子もしくはマグネタイト粒子である。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは20〜80μmのものが良い。
本発明に係る画像形成方法は、本発明のトナーを用いて形成された転写材上のトナー画像を、定着装置を構成する加熱部材間を通過させて定着する接触型定着方式である。
〔着色剤微粒子分散液の調製例1〕
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に撹拌、溶解し、C.I.Pigment Blue 15:3;25質量部を徐々に添加し、次いで、「クリアミックスWモーションCLM−0.8」(エムテクニック杜製)を用いて分散して体積基準のメジアン径が158nmである着色剤微粒子〔1〕を含有する着色剤微粒子分散液〔1〕を得た。
(測定条件)
・サンプル屈折率:1.59
・サンプル比重:1.05(球状粒子換算)
・溶媒屈折率:1.33
・溶媒粘度:30℃にて0.797×10−3Pa/s、20℃にて1.002×10−3Pa/sである。
〔着色剤微粒子分散液の調製例2〕
着色剤微粒子分散液の調製例におけるC.I.Pigment Blue 15:3をC.I.Pigment Red 122に変更した以外は同様に着色剤微粒子分散液を調製し、体積基準のメジアン径が183nmである着色剤微粒子〔2〕を含有する着色剤微粒子分散液〔2〕を得た。
〔着色剤微粒子分散液の調製例3〕
着色剤微粒子分散液の調製例におけるC.I.Pigment Blue 15:3をC.I.Pigment Yellow 74に変更した以外は同様に着色剤微粒子分散液を調製し、体積基準のメジアン径が176nmである着色剤微粒子〔3〕を含有する着色剤微粒子分散液〔3〕を得た。
〔着色剤微粒子分散液の調製例4〕
着色剤微粒子分散液の調製例におけるC.I.Pigment Blue 15:3をMogul Lに変更した以外は同様に着色剤微粒子分散液を調製し、体積基準のメジアン径が171nmである着色剤微粒子〔4〕を含有する着色剤微粒子分散液〔4〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例1〕
1)第1段重合:
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に下記式1で表されるアニオン系界面活性剤4質量部をイオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
式1:C10H21(OCH2CH2)2SO3Na
2)第2段重合:
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン233質量部、n−ブチルアクリレート123.7質量部、メタクリル酸24.5質量部、n−オクチルメルカプタン3.48質量部からなる単量体混合液に、下記化合物1で表される離型剤85.6質量部とベヘニルアルコール 8.2質量部を添加し、80℃に加温して溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、上記式1で表されるアニオン系界面活性剤3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤溶液を80℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、上記のラテックス〔A1〕を固形分換算で32.8質量部添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エムテクニック社製)により、前記離型剤の単量体溶液を30min混合分散させ、分散液(乳化液)を調製した。
3)第3段重合:
上記のようにして得られた樹脂粒子〔A2〕に、重合開始剤(KPS)3.19質量部をイオン交換水130質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン173質量部、n−ブチルアクリレート83.4質量部、n−オクチルメルカプタン4.16質量部からなる単量体混合液を1時間かけて満下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱、撹拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却し、多層構造を有する複合樹脂粒子よりなるコア形成用樹脂粒子〔A〕の分散液であるラテックス〔A3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例2〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の離型剤を下記化合物2に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔B〕の分散液であるラテックス〔B3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例3〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の離型剤を化合物3に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔C〕の分散液であるラテックス〔C3〕を得た。
CH3(CH2)20COO(CH2)20CH3
化合物3:ベヘン酸ベヘニル
〔コア形成用樹脂粒子の調製例4〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の離型剤をパラフィンワックス「HNP−12」(日本精蝋社製)に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔D〕の分散液であるラテックス〔D3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例5〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の化合物1で表される離型剤85.6質量部とベヘニルアルコール 8.2質量部を化合物1で表される離型剤91.1質量部とベヘニルアルコール 2.7質量部に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔E〕の分散液であるラテックス〔E3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例6〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の化合物1で表される離型剤85.6質量部とベヘニルアルコール 8.2質量部を化合物1で表される離型剤80.2質量部とベヘニルアルコール 13.6質量部に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔F〕の分散液であるラテックス〔F3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例7〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の化合物1で表される離型剤85.6質量部とベヘニルアルコール 8.2質量部を化合物1で表される離型剤87質量部とステアリルアルコール 6.8質量部に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔G〕の分散液であるラテックス〔G3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例8〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の化合物1で表される離型剤85.6質量部とベヘニルアルコール 8.2質量部を化合物1で表される離型剤90.4質量部とペンタエリスリトール 3.4質量部に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔H〕の分散液であるラテックス〔H3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例9〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の化合物1で表される離型剤85.6質量部とベヘニルアルコール 8.2質量部を化合物1で表される離型剤92.7質量部とベヘニルアルコール 1.1質量部に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔I〕の分散液であるラテックス〔I3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例10〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の化合物1で表される離型剤85.6質量部とベヘニルアルコール 8.2質量部を化合物1で表される離型剤77.4質量部とベヘニルアルコール 16.4質量部に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔J〕の分散液であるラテックス〔J3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例11〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の化合物1で表される離型剤85.6質量部とベヘニルアルコール 8.2質量部を化合物1で表される離型剤93.8質量部に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔K〕の分散液であるラテックス〔K3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例12〕
コア形成用樹脂粒子の調製例11の化合物1で表される離型剤を化合物2で表される離型剤に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔L〕の分散液であるラテックス〔L3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例13〕
コア形成用樹脂粒子の調製例11の化合物1で表される離型剤を化合物3で表される離型剤に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔M〕の分散液であるラテックス〔M3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例14〕
コア形成用樹脂粒子の調製例11の化合物1で表される離型剤をパラフィンワックス「HNP−12」(日本精蝋社製)に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔N〕の分散液であるラテックス〔N3〕を得た。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた1Lの反応容器に水600質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を70℃に昇温させた。そこにスチレン119質量部、n−ブチルアクリレート33質量部、メタクリル酸8質量部、n−オクチルメルカプタン4.5質量部を添加し、重合開始剤(過硫酸カリウム;KPS)3質量部をイオン交換水40質量部に溶解させた水溶液を添加し、この系を70℃にて10時間にわたって加熱、撹拌することによってシェル形成用樹脂粒子を調製した。
〔トナーの作製例1〕
1)コア粒子の形成:
上記のコア形成用樹脂粒子〔A〕のラテックスを固形分換算で420質量部と、イオン交換水900質量部と、着色剤微粒子分散液〔1〕200質量部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に入れて撹拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜11に調整した。
2)シェル層の形成:
次いで、65℃においてシェル形成用樹脂粒子のラテックス210質量部を添加し、さらに塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、10分間かけて添加した後、70℃(シェル化温度)まで昇温し、1時間にわたって撹拌を継続し、コア粒子の表面に、シェル形成用樹脂粒子を融着させた後、75℃で20分熟成処理を行い、シェル層を形成させた。ここで、塩化ナトリウム40.2質量部を加え、6℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、コア粒子の表面にシェル層が形成されたトナー〔1〕を作製した。
〔トナーの作製例2〜56〕
トナーの作製例1において、着色剤微粒子分散液及びコア形成用樹脂粒子をそれぞれ下記表2,表3に記載の通り変更したことの他は同様にしてトナー〔2〕〜〔56〕を作製した。
上記で調製した「トナー1〜56」に疎水性シリカ(数平均一次粒径=12nm、疎水化度=68)を1質量%および疎水性酸化チタン(数平均一次粒径=20nm、疎水化度=63)を1.2質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合し、その後45μmの目開きの篩を用いて粗大粒子を除去して「トナー1〜56」を調製した。
(測定条件)
・サンプル屈折率:1.59
・サンプル比重:1.05(球状粒子換算)
・溶媒屈折率:1.33
・溶媒粘度:30℃にて0.797×10−3Pa・s、20℃にて1.002×10−3Pa・s
なお、測定セルにイオン交換水を入れ、ゼロ点調整を行った。
次いで、上記調製した各トナーに対して、スチレンアクリル樹脂を被覆した体積平均粒径35μmのフェライトキャリアを混合し、それぞれトナー濃度が8質量%の「現像剤1〜56」を調製した。
上記調製した現像剤を用い、市販のデジタル複写機bizhub PRO C500を用いて温度20℃、相対湿度50%RHの環境下において、画素率が30%のフルカラー画像を連続して3万枚形成し、形成された3万枚目の画像について、目視にて画像欠陥(文字の転写中抜け、ソリッド光沢ムラ)の有無を確認すると共に、マクベス反射濃度計「RD−918」により定着画像の印字のされてない白地部分の任意の20ヶ所の絶対画像濃度を測定して平均値を算出し、この平均値と、画像形成処理に供する前の転写紙における任意の20ヶ所の絶対画像濃度を測定した平均値との差をカブリ濃度として求めた。結果を表に示す。
・転写中抜け
感光体上に現像されたトナー層の中で、転写部分でトナー間の凝集力が強すぎた場合、特に細線画像部分で画像の中央付近でトナーが転写体に転写されず、感光体上に残存し、画像上には中抜け故障が発生する。
bizhub C350を用い、白紙(印字率0%)の画像をA4横で50枚コピーした後、線幅0.4mmの格子画像をY,M,C,K各色1枚コピーして画像を確認する。
○(良):格子画像中にスポットでの中抜けが15倍ルーペで見て確認できる。
・ソリッド光沢ムラ
トナー画像が定着された後、画像上のトナーが冷却される際に、トナー中のワックスの再結晶化の速度にバラツキが生じるため、画像上に光沢のムラがスジ上に発生する。
記録媒体としてアート紙(三菱製紙(株)製、特菱アート)を用い、プリントアウトしたソリッド画像を、目視あるいはルーペで見て以下の様に評価を行い、◎または○を合格とした。
○:ルーペで拡大しない限り、光沢のムラがまったく検知できない
×:スジ状の光沢のムラが目視で検知できる。
4Y、4M、4C、4K 現像手段
5Y、5M、5C、5K 1次転写手段
6Y、6M、6M、1K ブレ−ドクリーニング手段
7 中間転写体
P 記録部材(転写材)
Claims (4)
- 少なくとも結着樹脂と離型剤及び着色剤を塩析・融着してなる静電荷像現像用トナーにおいて、炭素数12〜30の直鎖アルキルアルコール、あるいは、炭素数12〜30の分岐アルキルアルコールを含有する静電荷像現像用トナーであって、
前記炭素数12〜30の直鎖アルキルアルコール、あるいは、前記炭素数12〜30の分岐アルキルアルコールと前記離型剤との混合物を用い、当該混合物の水酸基価を5乃至25mgKOH/gの範囲にしたことを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 前記離型剤がエステルワックスであることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
- 少なくとも乳化重合微粒子及び着色剤粒子を塩析・融着してなる乳化重合・会合型トナーであることを特徴とする請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1〜3の何れか1項記載の静電荷像現像用トナーを用い、電子写真感光体上に形成された静電荷像を現像することを特徴とする画像形成方法。
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