JP5125736B2 - 静電荷像現像用トナーと画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナーと画像形成方法に関するものである。
近年、写真画像をデジタル化するようになり、電子写真方式においても、銀塩写真のような高光沢画像の要望が出てきている。
従来の方法で高光沢画像を得るには、トナー画像上に離型剤層を均一に形成させる必要があり、定着温度の上昇や、定着速度ダウン、転写中抜け故障を起こしやすく、やもう得ずトナー画像上に透明トナー層を更に形成させるなどの技術手段が採られている。
一方、消費電力低減や高速印刷のために定着装置の低エネルギー化(低温定着化)が近年図られているが、上記した高光沢の技術手段で低エネルギー化することは、光沢むらなどの問題を生じてしまい高光沢と低エネルギー化を両立することが困難であった。
また、低温定着化を試みると、結着樹脂の軟化点やガラス転移温度を低く抑える必要があり、これにより連続プリント時の現像ローラー上、トナー層を規制するブレードやトナー搬送ローラー、或いは定着器の加熱ローラーなどへのトナー融着を引き起こし、画像欠陥の原因となっていた。
これを解決するために、表面張力の低いシリコンオイルをトナー中に含有させ、画質の向上を試みも検討がされている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、実用化に十分な効果は上がっていない。
特開2004−295074号公報
本発明は、上記課題を解決するために成された。
即ち、本発明の目的は、低温定着においてもソリッド光沢ムラを抑制し、転写中抜けを改善することである。
本発明の目的は、下記構成を採ることにより達成されることがわかった。
(1)
少なくとも結着樹脂と離型剤及び着色剤を塩析・融着してなる静電荷像現像用トナーにおいて、炭素数12〜30の直鎖アルキルアルコールあるいは、炭素数12〜30の分岐アルキルアルコールを含有する静電荷像現像用トナーであって、
前記炭素数12〜30の直鎖アルキルアルコール、あるいは、前記炭素数12〜30の分岐アルキルアルコールと前記離型剤との混合物を用い、当該混合物の水酸基価を5乃至25mgKOH/gの範囲にしたことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(2)
前記離型剤がエステルワックスであることを特徴とする(1)記載の静電荷像現像用トナー。
(3)
少なくとも乳化重合微粒子及び着色剤粒子を塩析・融着してなる乳化重合・会合型トナーであることを特徴とする(1)又は(2)記載の静電荷像現像用トナー。
(4)
(1)〜(3)の何れか1項記載の静電荷像現像用トナーを用い、電子写真感光体上に形成された静電荷像を現像することを特徴とする画像形成方法。
本発明の構成を採ることにより、低温定着においてもソリッド光沢ムラを抑制し、転写中抜けを改善することができる。
本発明をさらに説明する。
本発明の構成は、第一義的に、少なくとも結着樹脂と離型剤及び着色剤を凝集、加熱融着してなる静電荷像現像用トナーにおいて、長鎖のアルキルアルコールを含有させるというものである。
以下、本発明を構成する各要件について以下説明する。
〔長鎖アルキルアルコール〕
本発明の効果は、トナー中に長鎖のアルキルアルコール(高級アルコール)を含有させることで達成される。長鎖アルキルアルコールの例としては、炭素数12乃至30の直鎖アルキルアルコール、分岐アルキルアルコールが挙げられる。
これら長鎖アルキルアルコールは、融点、溶融粘度により選択され、融点としては、30℃以上、溶融粘度は100℃において2mPa・s以上が好ましい。
本発明の長鎖アルキルアルコールは、離型剤と混合し又は別々に用いることが出来る。例えば離型剤と混合し溶融後、界面活性剤水溶液中で分散し微粒子として用いることが出来る。
又、離型剤とは別に界面活性剤水溶液に分散し、長鎖アルキルアルコール微粒子分散液として用いることができる。更には、上記離型剤、長鎖アルキルアルコール微粒子をコア粒子としてシード重合を行なった微粒子を用いることも可能である。なかでも好ましい方法としては、モノマー溶液に離型剤及び長鎖アルキルアルコールを溶解し、これを界面活性剤水溶液中に微分散し、重合を行なう所謂ミニエマルション重合によって得られる微粒子を用いることが好ましい。
本発明の長鎖アルキルアルコールの添加量は離型剤と混合した際に、水酸基価(OHV)で5乃至25mgKOH/gの範囲となるよう添加することが好ましい。
水酸基価とは、原料1g中の水酸基に対応する水酸化ナトリウムのmg数であり、試料中の水酸基(−OH)をアセチル化して、アセチル化に要した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量を、試料1gに対するmg数で表したものであり、試料中の水酸基の含有量を示す尺度である。アセチル化には各種の試薬が使用されるが、通常ピリジンと無水酢酸混合物が使用され、アセチル化前後の酸濃度の差を滴定することによって測定される。
本発明の長鎖アルキルアルコールの添加量は離型剤と混合した際に、水酸基価(OHV)で5乃至25mgKOH/gの範囲となるよう添加することが好ましい。5mgKOH/gより少ないとソリッド光沢ムラ抑制効果が少なく、25mgKOH/gより多いとトナーの帯電性が悪化し中抜け転写が起こりやすくなることがある。
〔離型剤〕
離型剤としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類、カルナウバワックス、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ等の動物系ワックス、モンタンワックス、セレシン、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の好物・石油系ワックスが挙げられる。好ましくは、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸パルミチル、べへン酸ベヘニル等の炭素数12乃至30の長鎖アルキルモノアルコールと炭素数12乃至30の高級脂肪酸のエステル類、イタコン酸ジベヘニル、マレイン酸ジステアリル、アコニット酸トリステアリル等の多価カルボン酸と炭素数12乃至30の長鎖アルキルアルコールからなるエステル類、トリステアリン酸グリセリド、トリベヘン酸グリセリド、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等の多価アルコールと炭素数12乃至30の高級脂肪酸からなるエステル類、テトラステアリン酸ジグリセリド、テトラベヘン酸ジグリセリド、ヘキサベヘン酸トリグリセリド、デカステアリン酸で課グリセリド、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート等の炭素数12乃至30の高級脂肪酸と多価アルコール多量体のエステル類、ソルビタントリステアレート、ソルビタントリべへネート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン高級脂肪酸エステル類、コレステリルステアレート、コレステリルベヘネート、コレステリルオレエート等のコレステロール脂肪酸エステル類等が挙げられる。これらは、融点、溶融粘度等により選択され、単独又は2種以上併用しても良い。
これらの離型剤は融点が30℃以上、溶融粘度が100℃で2mPa・s以上が好ましい。本発明における離型剤はトナーに対する含有量としては、0.5乃至50質量%が好ましく、1乃至40質量%が更に好ましい。
特には融点が50〜100℃の離型剤を1〜15質量%添加することにより、定着温度が低い時でのオフセット性の向上と、光沢ムラ抑制度が大きくなるためより好ましい。
トナーの離型剤融点は、「DSC−7示差走査カロリメーター」(パーキンエルマー製)、「TAC7/DX熱分析装置コントローラー」(パーキンエルマー製)を用いて行うことができる。
測定手順としては、トナー4.5〜5.0mgを小数点以下2桁まで精秤しアルミニウム製パン(KIT No.0219−0041)に封入し、DSC−7サンプルホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。測定条件としては、測定温度0℃〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−cool−Heatの温度制御で行い、その2nd.Heatにおけるデータをもとに解析を行い、離型剤吸熱ピークのピークトップの温度を離型剤融点とした。
〔トナーの作製〕
次に、本発明のトナーの製造方法について説明する。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂と離型剤及び着色剤を凝集、加熱融着してなる静電荷像現像用トナーであるが、特にその中でも、コア粒子表面にシェルを設けたコア・シェル構造を有するものが好ましい。前記コア粒子中には、前記離型剤や長鎖アルキルアルコールを含んでいることが好ましい。
従って、以後、コア・シェル構造を有するトナーの製造方法を中心に記載する。
コア・シェル構造を有するトナーのコア粒子は、懸濁重合法により調製された多層構造を有する複合樹脂粒子や、乳化重合、特に、多段重合法とよばれる多層構造を有する複合樹脂粒子を、着色剤粒子(或いは着色樹脂粒子)とともに凝集剤の存在下で凝集・融着させることにより得られる。そして、このように形成された複合樹脂粒子や着色樹脂粒子より形成されるコア粒子に、更に別途用意された樹脂粒子分散液を用いてシェリング操作を施し、コア粒子表面に少なくとも1層のシェルを形成する。このように、コア粒子表面にシェリング操作を施すことにより樹脂微粒子からなるシェルを形成したトナー粒子を作製することが出来る。
さらに、通常は生成されたシェル表面に外添剤を添加してコア・シェル構造を有する本発明のトナーが作製される。
本発明のトナーのコア粒子とシェル(単一層でも複数層でもよい)の質量比は、シェルの質量比率はコア粒子の質量に対して、10〜30質量%であることが好ましい。
次に、本発明のトナーの製造方法について説明する。
本発明のトナーは、例えば、以下のような工程を経て作製されるものである。
(1)ラジカル重合性単量体に溶解或いは分散する溶解/分散工程
(2)樹脂微粒子の分散液を調製するための重合工程
(3)水系媒体中で樹脂微粒子と着色剤粒子をえん凝集、融着させてコア粒子(会合粒子)を得る凝集・融着工程
(4)会合粒子を熱エネルギーにより熟成して形状を調整する第1の熟成工程
(5)コア粒子(会合粒子)分散液中に、シェル用の樹脂粒子を添加してコア粒子表面にシェル用粒子を凝集、融着させてコア・シェル構造のトナー粒子を形成するシェル化工程(6)コア・シェル構造のトナー粒子を熱エネルギーにより熟成して、コア・シェル構造のトナー粒子の形状を調整する第2の熟成工程
(7)冷却されたトナー粒子分散液からトナー粒子を固液分離し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程
(8)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程
また、必要に応じて乾燥工程の後に、
(9)乾燥処理されたトナー粒子に必要に応じて外添剤を添加する工程
を有する。
上記工程については、以下に詳述する。
本発明のトナーを製造する場合、先ず、樹脂粒子と着色剤粒子とを会合融着させてコアとなるコア粒子を作製する。次に、コア粒子分散液中にシェル用樹脂粒子を添加して、コア粒子表面にこの樹脂粒子を凝集、融着させることによりコア粒子表面を被覆してコア・シェル構造を有するトナー粒子を作製する。このように、本発明のトナーは、各種製法で作製されたコア粒子の分散液中に、シェル用樹脂粒子を添加してコア粒子に融着させてコア・シェル構造のトナーを作製するものである。
本発明のトナーを構成するコア粒子は、樹脂微粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させる製法により作製される。コア粒子の形状は、例えば、凝集・融着工程の加熱温度、第1の熟成工程の加熱温度と時間を制御することにより制御される。すなわち、凝集・融着工程で加熱温度を低めに制御することで、樹脂粒子同士の融着の進行が抑制されて異形化を促進させる。また、第1の熟成工程で加熱温度を低めに、且つ、時間を短くしてコア粒子を異形化したり形状を制御することが可能である。
形状の制御には、第1の熟成工程における時間制御が最も効果的である。熟成工程は、会合粒子の円形度を調整することを目的としていることから、この時間を長くすると会合粒子の形状は真球に近い形状になる。
次に、前述した本発明のトナーを作製することが可能なトナーの製造方法を詳細に説明する。
本発明のトナーを構成するコア粒子は、例えば、樹脂(A)を形成する重合性単量体に離型剤成分を溶解或いは分散させた後、水系媒体中に機械的に微粒分散させ、ミニエマルジョン重合法により重合性単量体を重合させる工程を経て形成した複合樹脂微粒子と着色剤粒子とを塩析・融着させる方法が用いられる。重合性単量体中に離型剤成分を溶かすときは、離型剤成分を溶解させて溶かしても溶融して溶かしてもよい。
コア粒子の製造方法は、多段重合法によって得られる樹脂(A)を含有する複合樹脂微粒子と着色剤粒子とを塩析・融着させる工程が好ましく用いられる。具体的には、以下の方法が挙げられる。
〔溶解/分散工程〕
この工程では、ラジカル重合性単量体に離型剤化合物を溶解させて、離型剤を混合したラジカル重合性単量体溶液を調製する工程である。この工程中に長鎖アルキルアルコールを添加することが好ましい。
〔重合工程〕
この重合工程の好適な一例においては、臨界ミセル濃度(CMC)以下の界面活性剤を含有した水系媒体中に、前記長鎖アルキルアルコールの混合物を溶解或いは分散含有したラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤を添加し、当該液滴中において重合反応を進行させる。尚、前記液滴中に油溶性重合開始剤が含有されていてもよい。このような重合工程においては、機械的エネルギーを付与して強制的に乳化(液滴の形成)処理が必須となる。かかる機械的エネルギーの付与手段としては、ホモミキサー、超音波、マントンゴーリンなどの強い撹拌又は超音波振動エネルギーの付与手段を挙げることができる。
この重合工程により、離型剤、長鎖アルキルアルコール等と結着樹脂とを含有する樹脂微粒子が得られる。かかる樹脂微粒子は、着色された微粒子であってもよく、着色されていない微粒子であってもよい。着色された樹脂微粒子は、着色剤を含有する単量体組成物を重合処理することにより得られる。また、着色されていない樹脂微粒子を使用する場合には、後述する凝集・融着工程において、樹脂微粒子の分散液に、着色剤微粒子の分散液を添加し、樹脂微粒子と着色剤微粒子とを融着させることでトナー粒子とすることができる。
〔凝集・融着工程〕(含第1の熟成工程)
前記融着工程における凝集、融着の方法としては、重合工程により得られた樹脂微粒子(着色又は非着色の樹脂微粒子)を用いた塩析・融着法が好ましい。また、当該凝集・融着工程においては、樹脂微粒子や着色剤微粒子とともに、離型剤微粒子や荷電制御剤などの内添剤微粒子を凝集し融着させることもできる。
前記凝集・融着工程における「水系媒体」とは、主成分(50質量%以上)が水からなるものをいう。ここに、水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
着色剤微粒子は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。また、使用される界面活性剤としては、前述の界面活性剤と同様のものを挙げることができる。尚、着色剤(微粒子)は表面改質されていてもよい。着色剤の表面改質法は、溶媒中に着色剤を分散させ、その分子量液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温することにより反応させる。反応終了後、着色剤を濾別し、同一の溶媒で洗浄濾過を繰り返した後、乾燥することにより、表面改質剤で処理された着色剤が得られる。
好ましい凝集、融着方法である塩析・融着法は、樹脂微粒子と着色剤微粒子とが存在している水中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩及び3価の塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで、前記樹脂微粒子のガラス転移温度以上であって、且つ前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う工程である。ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げられる。
凝集、融着を塩析・融着で行う場合、塩析剤を添加した後に放置する時間をできるだけ短くすることが好ましい。この理由として明確では無いが、塩析した後の放置時間によって、粒子の凝集状態が変動し、粒径分布が不安定になったり、融着させたトナーの表面性が変動したりする問題が発生する。また、塩析剤を添加する温度としては少なくとも樹脂微粒子のガラス転移温度以下であることが必要である。この理由としては、塩析剤を添加する温度が樹脂微粒子のガラス転移温度以上であると樹脂微粒子の塩析・融着は速やかに進行するものの、粒径の制御を行うことができず、大粒径の粒子が発生したりする問題が発生する。この添加温度の範囲としては樹脂のガラス転移温度以下であればよいが、一般的には5〜55℃、好ましくは10〜45℃である。
また、塩析剤を樹脂微粒子のガラス転移温度以下で加え、その後にできるだけ速やかに昇温し、樹脂微粒子のガラス転移温度以上であって、且つ、前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱する。この昇温までの時間としては1時間未満が好ましい。更に、昇温を速やかに行う必要があるが、昇温速度としては、0.25℃/分以上が好ましい。上限としては特に明確では無いが、瞬時に温度を上げると塩析が急激に進行するため、粒径制御がやりにくいという問題があり、5℃/分以下が好ましい。この融着工程により、樹脂微粒子及び任意の微粒子が塩析・融着されてなる会合粒子(コア粒子)の分散液が得られる。
そして、本発明では、凝集・融着工程の加熱温度や第1の熟成工程の加熱温度と時間を制御することにより、形成したコア粒子が凹凸形状を有するものになるように制御する。具体的には、凝集・融着工程で加熱温度を低めにして樹脂粒子同士の融着の進行を抑制させて異形化を促進させたり、第1の熟成工程で加熱温度を低めに、且つ、時間を短くしてコア粒子を凹凸形状のものに制御する。
〔シェル化工程〕(含第2の熟成工程)
シェル化工程では、コア粒子分散液中にシェル用の樹脂粒子分散液を添加してコア粒子表面にシェル用の樹脂粒子を凝集、融着させ、コア粒子表面にシェル用の樹脂粒子を被覆させてトナー粒子を形成する。
具体的には、コア粒子分散液は上記凝集・融着工程及び第1の熟成工程での温度を維持した状態でシェル用樹脂粒子の分散液を添加し、加熱撹拌を継続しながら数時間かけてゆっくりとシェル用樹脂粒子をコア粒子表面に被覆させてトナー粒子を形成する。加熱撹拌時間は、1時間〜7時間が好ましく、3時間〜5時間が特に好ましい。そして、シェル化によりトナー粒子が所定の粒径になった段階で塩化ナトリウムなどの停止剤を添加して粒子成長を停止させ、その後もコア粒子に付着させたシェル用樹脂粒子を融着させるために数時間加熱撹拌を継続する。そして、シェル化工程ではコア粒子表面に厚さが10〜500nmのシェルを形成する。このようにして、コア粒子表面に樹脂微粒子を固着させてシェルを形成し、まるみを帯び、しかも形状の揃ったトナー粒子が形成される。
本発明では、上述の工程を経ることにより、まるみを帯び、しかも形状の揃ったトナーを作製することが可能である。また、第2の熟成工程の時間を長めに設定したり、熟成温度を高めに設定することでトナー粒子の形状を真球方向に制御することが可能である。
〔冷却工程〕
この工程は、前記トナー粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
〔固液分離・洗浄工程〕
この固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却されたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウェット状態にあるトナー粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。ここに、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法など特に限定されるものではない。
〔乾燥工程〕
この工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥処理し、乾燥されたトナー粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
〔外添処理工程〕
この工程は、乾燥されたトナー粒子に必要に応じ外添剤を混合し、トナーを作製する工程である。
外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
本発明のトナーの平均粒径は体積基準におけるメディアン粒径(D50)にて2.5〜7.0μmであることが好ましい。この体積基準におけるメディアン粒径(D50)は「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを30000個に設定して測定する。尚、コールターマルチサイザーのアパチャー径は100μmのものを使用した。
本発明のトナーは、黒トナー、或いはカラートナーとして用いることができる。
次に、本発明のトナーを構成する化合物(結着樹脂、着色剤、荷電制御剤、外添剤、滑剤)について説明する。
〔結着樹脂〕
結着樹脂を構成する重合性単量体として使用されるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレン或いはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独或いは組み合わせて使用することができる。
また、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが更に好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
更に、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
これら重合性単量体はラジカル重合開始剤を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げることができる。
また、乳化重合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
〔着色剤〕
本発明に用いられる着色剤は、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。具体的な着色剤を以下に示す。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
また、マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
また、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
尚、これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用しても良い。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
〔荷電制御剤〕
本発明のトナーには、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、公知の化合物を用いることができ、具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩或いはその金属錯体等が挙げられる。含有される金属としては、Al、B、Ti、Fe、Co、Niなどが挙げられる。荷電制御剤として特に好ましいのはベンジル酸誘導体の金属錯体化合物である。尚、荷電制御剤は、好ましくはトナー全体に対して0.1〜20.0質量%の含有率とすると、良好な結果を得ることができる。
〔外添剤〕
本発明のトナーは、小径外添剤と大径外添剤を添加して作製してもよい。
小径外添剤による現像剤の流動性の付与と、大径外添剤による転写性の付与により、低温定着トナーを長期にわたって使用した際の画像欠陥の発生を抑制する効果が得られるからである。
小径外添剤としては、数平均一次粒子径が10〜60nmのものが好ましく、具体的には、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム粒子等一般的なものが挙げられる。
大径外添剤としては、数平均一次粒子径が80nm〜1μmのものが好ましく、具体的には前記粒径を有する一般的な滑剤、有機微粒子、無機微粒子が挙げられる。
滑剤としては、高級脂肪酸の金属塩を挙げることができる。かかる高級脂肪酸の金属塩の具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸銅、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリン酸金属塩;オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸銅、オレイン酸マグネシウム等のオレイン酸金属塩;パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム等のパルミチン酸金属塩;リノール酸亜鉛、リノール酸カルシウム等のリノール酸金属塩;リシノール酸亜鉛、リシノール酸カルシウム等のリシノール酸金属塩等が挙げられる。
有機粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、ベンゾグアナミン、メラミン等の粒子が挙げられる。
大粒径の無機粒子としては、チタンドープシリカ等のドープ物が好ましく用いられ、更に、これらの無機粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等によって疎水化処理されていることが好ましい。
外添剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
外添剤の数平均一次粒子径は、具体的には下記の方法によって測定されるものである。
走査型電子顕微鏡にてトナーの3万倍写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込む。画像処理解析装置「LUZEX AP」(ニレコ製)にて、該写真画像のトナー表面に存在する外添剤について2値化処理し、外添剤1種につき100個についての水平方向フェレ径を算出、その平均値を数平均一次粒子径とする。尚、外添剤の数平均一次粒子径が小径であり凝集体としてトナー表面に存在する場合は、該凝集体を形成する一次粒子の粒子径を測定するものとする。
〔現像剤〕
本発明のトナーは、一成分現像剤、二成分現像剤として用いることができる。一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤或いはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、何れにも使用することができる。また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の鉄含有磁性粒子に代表される従来から公知の材料を用いることができるが、特に好ましくはフェライト粒子もしくはマグネタイト粒子である。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは20〜80μmのものが良い。
キャリアの体積平均粒径の測定は、レーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているコーティングキャリア、或いは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
また、キャリアとトナーの混合比は、質量比でキャリア:トナー=1:1〜50:1の範囲とするのが良い。
〔画像形成方法〕
本発明に係る画像形成方法は、本発明のトナーを用いて形成された転写材上のトナー画像を、定着装置を構成する加熱部材間を通過させて定着する接触型定着方式である。
以下、画像形成方法に用いられる画像形成装置と定着装置について説明する。
図1は、本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置としてクリーニングブレードを用い二成分系現像剤を使用する画像形成装置の一例を示す。
図1において、1Y、1M、1C、1Kは感光体、4Y、4M、4C、4Kは現像手段、5Y、5M、5C、5Kは1次転写手段としての1次転写ロール、5Aは2次転写手段としての2次転写ロール、6Y、6M、6C、6Kはブレードクリーニング手段、7は中間転写体ユニット、24は熱ロール式定着装置、70は中間転写体を示す。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、転写部としての無端ベルト状中間転写体ユニット7と、記録部材Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としての熱ロール式定着装置24とを有する。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
各感光体に形成される異なる色のトナー像の1つとして、イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1Y、該感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、1次転写手段としての1次転写ロール5Y、クリーニング手段6Yを有する。また、別の異なる色のトナー像の1つとして、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1M、該感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、1次転写手段としての1次転写ロール5M、クリーニング手段6Mを有する。また、更に別の異なる色のトナー像の1つとして、シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1C、該感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、1次転写手段としての1次転写ロール5C、クリーニング手段6Cを有する。また、更に他の異なる色のトナー像の1つとして、黒色画像を形成する画像形成部10Kは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1K、該感光体1Kの周囲に配置された帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K、1次転写手段としての1次転写ロール5K、クリーニング手段6Kを有する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のロールにより巻回され、回動可能に支持された中間転写エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kより形成された各色の画像は、1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材として用紙等の記録部材Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ロール22A、22B、22C、22D、レジストロール23を経て、2次転写手段としての2次転写ロール5Aに搬送され、記録部材P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された記録部材Pは、熱ロール式定着装置24により定着処理され、排紙ロール25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、2次転写ロール5Aにより記録部材Pにカラー画像を転写した後、記録部材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、1次転写ロール5Kは常時、感光体1Kに圧接している。他の1次転写ロール5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
2次転写ロール5Aは、ここを記録部材Pが通過して2次転写が行われるときにのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とを有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Kの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ロール71、72、73、74、76を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、1次転写ロール5Y、5M、5C、5K及びクリーニング手段6Aとからなる。
筐体8の引き出し操作により、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とは、一体となって、本体Aから引き出される。
このように感光体1Y、1M、1C、1K上に帯電、露光、現像によりトナー像を形成し、無端ベルト状中間転写体70上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して記録部材Pに転写し、定着装置24で加圧及び加熱により固定して定着する。トナー像を記録部材Pに転移させた後の感光体1Y、1M、1C、1Kは、クリーニング装置6Aで転写時に感光体に残されたトナーを清掃した後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
本発明で用いられる記録部材(転写材)とは、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写体或いは転写紙と通常よばれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
図2は、本発明で用いられる定着装置(加圧ローラーと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す断面図である。
図2に示す定着装置10は、加熱ローラー71と、これに当接する加圧ローラー72とを備えている。尚、図2において、17は転写材(転写紙)P上に形成されたトナー像である。
加熱ローラー71は、フッ素樹脂又は弾性体からなる被覆層82が芯金81の表面に形成されてなり、線状ヒーターよりなる加熱部材75を内包している。
芯金81は、金属から構成され、その内径は10〜70mmとされる。芯金81を構成する金属としては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アルミニウム、銅等の金属或いはこれらの合金を挙げることができる。
芯金81の肉厚は0.1〜15mmとされ、省エネの要請(薄肉化)と、強度(構成材料に依存)とのバランスを考慮して決定される。例えば、0.57mmの鉄よりなる芯金と同等の強度を、アルミニウムよりなる芯金で保持するためには、その肉厚を0.8mmとする必要がある。
被覆層82の表面を構成するフッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)及びPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などを例示することができる。
フッ素樹脂からなる被覆層82の厚みは10〜500μmとされ、好ましくは20〜400μmとされる。
フッ素樹脂からなる被覆層82の厚みが10μm未満であると、被覆層としての機能を十分に発揮することができず、定着装置としての耐久性を確保することができない。一方、500μmを超える被覆層の表面には紙粉によるキズがつき易く、当該キズ部にトナーなどが付着し、これに起因する画像汚れを発生する問題がある。
また、被覆層82を構成する弾性体としては、LTV、RTV、HTVなどの耐熱性の良好なシリコンゴム及びシリコンスポンジゴムなどを用いることが好ましい。
被覆層82を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは60°未満とされる。
また、弾性体からなる被覆層82の厚みは0.1〜30mmが好ましく、0.1〜20mmがより好ましい。
加熱部材75としては、ハロゲンヒーターを好適に使用することができる。
加圧ローラー72は、弾性体からなる被覆層84が芯金83の表面に形成されてなる。被覆層84を構成する弾性体としては特に限定されるものではなく、ウレタンゴム、シリコンゴムなどの各種軟質ゴム及びスポンジゴムを挙げることができ、被覆層84を構成するものとして例示したシリコンゴム及びシリコンスポンジゴムを用いることが好ましい。
また、被覆層84の厚みは0.1〜30mmが好ましく、0.1〜20mmがより好ましい。
また、定着温度(加熱ローラー10の表面温度)は70〜210℃、定着線速は80〜640mm/secが好ましい。また、加熱ローラーのニップ幅は8〜40mm、好ましくは11〜30mmに設定する。
尚、加熱ローラーは、シリコンオイルを1プリント当たり0.3mg以下塗布して用いても良いが、オイルレスで用いても良い。
図3は、本発明で用いられる定着装置(ベルトと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す概略図である。
図3の定着装置10は、ニップ幅を確保するためにベルトと加熱ローラーを用いたタイプのもので、加熱ローラー601とシームレスベルト11、及びシームレスベルト11を介して加熱ローラー601に押圧される圧力パッド(圧力部材)12a、圧力パッド(圧力部材)12b、前記潤滑剤供給部材40とで主要部が構成されている。
加熱ローラー601は、金属製のコア(円筒状芯金)10aの周囲に耐熱性弾性体層10b、及び離型層(耐熱性樹脂層)10cを形成したものであり、コア10aの内部には、加熱源としてのハロゲンランプ14が配置されている。加熱ローラー601の表面の温度は温度センサー15によって計測され、その計測信号により、図示しない温度コントローラーによってハロゲンランプ14がフィードバック制御されて、加熱ローラー601の表面が一定温度になるように調整される。シームレスベルト11は、加熱ローラー601に対し所定の角度巻き付けられるように接触し、ニップ部を形成している。
シームレスベルト11の内側には、低摩擦層を表面に有する圧力パッド12がシームレスベルト11を介して加熱ローラー601に押圧される状態で配置されている。圧力パッド12は、強いニップ圧がかかる圧力パッド12aと、弱いニップ圧がかかる圧力パッド12bとが設けられ、金属製等のホルダー12cに保持されている。
更にホルダー12cには、シームレスベルト11がスムーズに摺動回転するようにベルト走行ガイドが取り付けられている。ベルト走行ガイドはシームレスベルト11内面と摺擦するため摩擦係数が低い部材が望ましく、且つ、シームレスベルト11から熱を奪いにくいように熱伝導の低い部材がよい。
図4は、本発明で用いられる定着装置(ソフトローラーと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す概略図である。
図4に示す着装置10は、定着ニップを確保するとともに、転写材の巻き付きを防止し、画質に優れるソフトローラーと加熱ローラーを用いたタイプのもので、加熱ローラー部材として加熱ローラー601と、ソフトローラー部材としてのソフトローラー17bを用い、加熱ローラー601の内部に加熱部材としてのハロゲンランプ14を備えたものである。
加熱ローラー601とソフトローラー17bとの間にニップ部Nを形成し、ニップ部Nを通して熱と圧力とを加えることにより、転写材P上のトナー像を定着するものである。上記において、ソフトローラー17bの内部にも加熱部材としてのハロゲンランプ14(不図示)を配設するようにしてもよい。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」とは「質量部」を意味する。
〔着色剤微粒子分散液の調製例1〕
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に撹拌、溶解し、C.I.Pigment Blue 15:3;25質量部を徐々に添加し、次いで、「クリアミックスWモーションCLM−0.8」(エムテクニック杜製)を用いて分散して体積基準のメジアン径が158nmである着色剤微粒子〔1〕を含有する着色剤微粒子分散液〔1〕を得た。
なお、体積基準のメジアン径は「MICROTRAC UPA 150」(日機装社製)により下記の測定条件で測定したものである。
(測定条件)
・サンプル屈折率:1.59
・サンプル比重:1.05(球状粒子換算)
・溶媒屈折率:1.33
・溶媒粘度:30℃にて0.797×10−3Pa/s、20℃にて1.002×10−3Pa/sである。
なお、測定セルにイオン交換水を入れ、ゼロ点調整を行った。
〔着色剤微粒子分散液の調製例2〕
着色剤微粒子分散液の調製例におけるC.I.Pigment Blue 15:3をC.I.Pigment Red 122に変更した以外は同様に着色剤微粒子分散液を調製し、体積基準のメジアン径が183nmである着色剤微粒子〔2〕を含有する着色剤微粒子分散液〔2〕を得た。
〔着色剤微粒子分散液の調製例3〕
着色剤微粒子分散液の調製例におけるC.I.Pigment Blue 15:3をC.I.Pigment Yellow 74に変更した以外は同様に着色剤微粒子分散液を調製し、体積基準のメジアン径が176nmである着色剤微粒子〔3〕を含有する着色剤微粒子分散液〔3〕を得た。
〔着色剤微粒子分散液の調製例4〕
着色剤微粒子分散液の調製例におけるC.I.Pigment Blue 15:3をMogul Lに変更した以外は同様に着色剤微粒子分散液を調製し、体積基準のメジアン径が171nmである着色剤微粒子〔4〕を含有する着色剤微粒子分散液〔4〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例1〕
1)第1段重合:
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に下記式1で表されるアニオン系界面活性剤4質量部をイオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤(下記、式1)溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム;KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン532質量部、n−ブチルアクリレート200質量部、メタクリル酸68質量部、n−オクチルメルカプタン16.4質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたって加熱、撹拌することによって重合(第1段重合)を行い、核粒子の分散液であるラテックス〔A1〕を調製した。このラテックス〔A1〕中の核粒子の重量平均分子量(Mw)は16,500であった。
式1:C1021(OCHCHSONa
2)第2段重合:
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン233質量部、n−ブチルアクリレート123.7質量部、メタクリル酸24.5質量部、n−オクチルメルカプタン3.48質量部からなる単量体混合液に、下記化合物1で表される離型剤85.6質量部とベヘニルアルコール 8.2質量部を添加し、80℃に加温して溶解させて単量体溶液を調製した。
Figure 0005125736
化合物1:ペンタエリスルトールテトラベヘン酸エステル
一方、上記式1で表されるアニオン系界面活性剤3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤溶液を80℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、上記のラテックス〔A1〕を固形分換算で32.8質量部添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エムテクニック社製)により、前記離型剤の単量体溶液を30min混合分散させ、分散液(乳化液)を調製した。
次いで、この分散液に、重合開始剤(KPS)11.9質量部をイオン交換水290質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたって加熱、撹拌することにより重合(第2段重合)を行い、ラテックス〔A2〕を調製した。
3)第3段重合:
上記のようにして得られた樹脂粒子〔A2〕に、重合開始剤(KPS)3.19質量部をイオン交換水130質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン173質量部、n−ブチルアクリレート83.4質量部、n−オクチルメルカプタン4.16質量部からなる単量体混合液を1時間かけて満下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱、撹拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却し、多層構造を有する複合樹脂粒子よりなるコア形成用樹脂粒子〔A〕の分散液であるラテックス〔A3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例2〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の離型剤を下記化合物2に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔B〕の分散液であるラテックス〔B3〕を得た。
Figure 0005125736
化合物2:グリセリントリベヘン酸エステル
〔コア形成用樹脂粒子の調製例3〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の離型剤を化合物3に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔C〕の分散液であるラテックス〔C3〕を得た。
CH(CH20COO(CH20CH
化合物3:ベヘン酸ベヘニル
〔コア形成用樹脂粒子の調製例4〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の離型剤をパラフィンワックス「HNP−12」(日本精蝋社製)に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔D〕の分散液であるラテックス〔D3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例5〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の化合物1で表される離型剤85.6質量部とベヘニルアルコール 8.2質量部を化合物1で表される離型剤91.1質量部とベヘニルアルコール 2.7質量部に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔E〕の分散液であるラテックス〔E3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例6〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の化合物1で表される離型剤85.6質量部とベヘニルアルコール 8.2質量部を化合物1で表される離型剤80.2質量部とベヘニルアルコール 13.6質量部に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔F〕の分散液であるラテックス〔F3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例7〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の化合物1で表される離型剤85.6質量部とベヘニルアルコール 8.2質量部を化合物1で表される離型剤87質量部とステアリルアルコール 6.8質量部に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔G〕の分散液であるラテックス〔G3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例8〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の化合物1で表される離型剤85.6質量部とベヘニルアルコール 8.2質量部を化合物1で表される離型剤90.4質量部とペンタエリスリトール 3.4質量部に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔H〕の分散液であるラテックス〔H3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例9〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の化合物1で表される離型剤85.6質量部とベヘニルアルコール 8.2質量部を化合物1で表される離型剤92.7質量部とベヘニルアルコール 1.1質量部に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔I〕の分散液であるラテックス〔I3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例10〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の化合物1で表される離型剤85.6質量部とベヘニルアルコール 8.2質量部を化合物1で表される離型剤77.4質量部とベヘニルアルコール 16.4質量部に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔J〕の分散液であるラテックス〔J3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例11〕
コア形成用樹脂粒子の調製例1の化合物1で表される離型剤85.6質量部とベヘニルアルコール 8.2質量部を化合物1で表される離型剤93.8質量部に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔K〕の分散液であるラテックス〔K3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例12〕
コア形成用樹脂粒子の調製例11の化合物1で表される離型剤を化合物2で表される離型剤に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔L〕の分散液であるラテックス〔L3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例13〕
コア形成用樹脂粒子の調製例11の化合物1で表される離型剤を化合物3で表される離型剤に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔M〕の分散液であるラテックス〔M3〕を得た。
〔コア形成用樹脂粒子の調製例14〕
コア形成用樹脂粒子の調製例11の化合物1で表される離型剤をパラフィンワックス「HNP−12」(日本精蝋社製)に変更した以外は同様にコア形成用樹脂粒子〔N〕の分散液であるラテックス〔N3〕を得た。
Figure 0005125736
〔シェル形成用樹脂粒子の調製例〕
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた1Lの反応容器に水600質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を70℃に昇温させた。そこにスチレン119質量部、n−ブチルアクリレート33質量部、メタクリル酸8質量部、n−オクチルメルカプタン4.5質量部を添加し、重合開始剤(過硫酸カリウム;KPS)3質量部をイオン交換水40質量部に溶解させた水溶液を添加し、この系を70℃にて10時間にわたって加熱、撹拌することによってシェル形成用樹脂粒子を調製した。
このシェル形成用樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は13200であった。また、シェル形成用樹脂粒子を構成する複合樹脂粒子の個数平均粒径は221nmであり、ガラス転移点温度(Tg)は55.4℃であった。
〔トナーの作製例1〕
1)コア粒子の形成:
上記のコア形成用樹脂粒子〔A〕のラテックスを固形分換算で420質量部と、イオン交換水900質量部と、着色剤微粒子分散液〔1〕200質量部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に入れて撹拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜11に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて65℃まで昇温した。その状態で「コールターカウンターTA−II」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準のメジアン径が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加して粒径成長を停止させ、さらに、熟成処理として液温度70℃にて1時間にわたって加熱撹拌することにより融着を継続させ、コア粒子〔1〕を形成した。このコア粒子〔1〕の円形度を「FPIA2000」(システックス社製)にて測定したところ、その平均値は0.918であった。
2)シェル層の形成:
次いで、65℃においてシェル形成用樹脂粒子のラテックス210質量部を添加し、さらに塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、10分間かけて添加した後、70℃(シェル化温度)まで昇温し、1時間にわたって撹拌を継続し、コア粒子の表面に、シェル形成用樹脂粒子を融着させた後、75℃で20分熟成処理を行い、シェル層を形成させた。ここで、塩化ナトリウム40.2質量部を加え、6℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、コア粒子の表面にシェル層が形成されたトナー〔1〕を作製した。
〔トナーの作製例2〜56〕
トナーの作製例1において、着色剤微粒子分散液及びコア形成用樹脂粒子をそれぞれ下記表2,表3に記載の通り変更したことの他は同様にしてトナー〔2〕〜〔56〕を作製した。
Figure 0005125736
Figure 0005125736
〔外添処理工程〕
上記で調製した「トナー1〜56」に疎水性シリカ(数平均一次粒径=12nm、疎水化度=68)を1質量%および疎水性酸化チタン(数平均一次粒径=20nm、疎水化度=63)を1.2質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合し、その後45μmの目開きの篩を用いて粗大粒子を除去して「トナー1〜56」を調製した。
なお、体積基準のメジアン径は「MICROTRAC UPA 150」(日機装社製)により下記の測定条件で測定したものである。
(測定条件)
・サンプル屈折率:1.59
・サンプル比重:1.05(球状粒子換算)
・溶媒屈折率:1.33
・溶媒粘度:30℃にて0.797×10−3Pa・s、20℃にて1.002×10−3Pa・s
なお、測定セルにイオン交換水を入れ、ゼロ点調整を行った。
〔現像剤の調製〕
次いで、上記調製した各トナーに対して、スチレンアクリル樹脂を被覆した体積平均粒径35μmのフェライトキャリアを混合し、それぞれトナー濃度が8質量%の「現像剤1〜56」を調製した。
〔実写テスト1〜12〕
上記調製した現像剤を用い、市販のデジタル複写機bizhub PRO C500を用いて温度20℃、相対湿度50%RHの環境下において、画素率が30%のフルカラー画像を連続して3万枚形成し、形成された3万枚目の画像について、目視にて画像欠陥(文字の転写中抜け、ソリッド光沢ムラ)の有無を確認すると共に、マクベス反射濃度計「RD−918」により定着画像の印字のされてない白地部分の任意の20ヶ所の絶対画像濃度を測定して平均値を算出し、この平均値と、画像形成処理に供する前の転写紙における任意の20ヶ所の絶対画像濃度を測定した平均値との差をカブリ濃度として求めた。結果を表に示す。
転写中抜け、ソリッド光沢ムラの評価方法については、以下の如くである。
・転写中抜け
感光体上に現像されたトナー層の中で、転写部分でトナー間の凝集力が強すぎた場合、特に細線画像部分で画像の中央付近でトナーが転写体に転写されず、感光体上に残存し、画像上には中抜け故障が発生する。
〈転写中抜け評価〉
bizhub C350を用い、白紙(印字率0%)の画像をA4横で50枚コピーした後、線幅0.4mmの格子画像をY,M,C,K各色1枚コピーして画像を確認する。
◎(優):格子画像中に全く中抜け発生なし
○(良):格子画像中にスポットでの中抜けが15倍ルーペで見て確認できる。
△(可):格子画像中にスジ状の中抜けが15倍ルーペで見て確認できる。
×(不可):格子画像中にスジ状の中抜けが目視で確認できる。
・ソリッド光沢ムラ
トナー画像が定着された後、画像上のトナーが冷却される際に、トナー中のワックスの再結晶化の速度にバラツキが生じるため、画像上に光沢のムラがスジ上に発生する。
〈ソリッド光沢ムラ評価〉
記録媒体としてアート紙(三菱製紙(株)製、特菱アート)を用い、プリントアウトしたソリッド画像を、目視あるいはルーペで見て以下の様に評価を行い、◎または○を合格とした。
◎:光沢のムラがまったく検知できない
○:ルーペで拡大しない限り、光沢のムラがまったく検知できない
×:スジ状の光沢のムラが目視で検知できる。
Figure 0005125736
Figure 0005125736
本発明内の現像剤1〜32はいずれの特性も良好であるが、本発明外の現像剤41〜56は、少なくともいずれかの特性に問題が出ることがわかる。
本発明で用いられる画像形成装置の一例を示す断面構成図。 本発明で用いられる定着装置(加圧ローラーと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す断面図。 本発明で用いられる定着装置(ベルトと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す概略図。 本発明で用いられる定着装置(ソフトローラーと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す概略図。
符号の説明
1Y、1M、1C、1K 感光体
4Y、4M、4C、4K 現像手段
5Y、5M、5C、5K 1次転写手段
6Y、6M、6M、1K ブレ−ドクリーニング手段
7 中間転写体
P 記録部材(転写材)

Claims (4)

  1. 少なくとも結着樹脂と離型剤及び着色剤を塩析・融着してなる静電荷像現像用トナーにおいて、炭素数12〜30の直鎖アルキルアルコールあるいは、炭素数12〜30の分岐アルキルアルコールを含有する静電荷像現像用トナーであって、
    前記炭素数12〜30の直鎖アルキルアルコール、あるいは、前記炭素数12〜30の分岐アルキルアルコールと前記離型剤との混合物を用い、当該混合物の水酸基価を5乃至25mgKOH/gの範囲にしたことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記離型剤がエステルワックスであることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 少なくとも乳化重合微粒子及び着色剤粒子を塩析・融着してなる乳化重合・会合型トナーであることを特徴とする請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 請求項1〜3の何れか1項記載の静電荷像現像用トナーを用い、電子写真感光体上に形成された静電荷像を現像することを特徴とする画像形成方法。
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