JP5125688B2 - 過給機及び過給機の冷却方法 - Google Patents
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しかし、実際には、噴射ノズルから噴射された潤滑油による冷却効果は、ハウジングの上半分のみで、下半分にまでは及ばず、このような不均一な冷却によって、駆動シャフトのシールリングの耐熱温度を越えた温度上昇が生じ、該シールリングのシール効果が低下するという問題が発生する。
第1の発明は、タービンハウジング及びコンプレッサハウジングの間に配置されたベアリングハウジングと、これら各ハウジング内に配置されて前記タービンハウジング内で発生した動力をコンプレッサハウジング内に伝達させる駆動シャフトと、前記ベアリングハウジングに形成されて前記駆動シャフトとベアリングとの間に油膜を形成するための潤滑油を供給する潤滑油供給路と、前記ベアリングハウジング内でかつ前記駆動シャフトを中心として周方向に形成されて前記潤滑油供給路によって供給された潤滑油の一部を導き入れて前記ハウジングを冷却する冷却路と、を具備する過給機であって、前記潤滑油供給路と冷却路との間に、該冷却路に対して上方に潤滑油を噴出させる複数の流路からなる潤滑油供給孔を配置し、かつ、該潤滑油供給孔の各流路を互いに略鉛直方向に対して傾斜角度を有するように配置することを特徴とする。
これによってシールリングの温度上昇に伴うシール効果の低下を防止することができ、かつ、ハウジングの変形が原因で生じるインペラとハウジングとの衝突を防止することができる。
これによってシールリングの温度上昇に伴うシール効果の低下を防止することができ、かつハウジングの変形が原因で生じるインペラとハウジングとの衝突を防止することができる。
これによってシールリングの温度上昇に伴うシール効果の低下を防止することができ、かつハウジングの変形が原因で生じるインペラとハウジングとの衝突を防止することができる。
本発明によれば、周方向に沿う冷却路にて潤滑油を循環させることができ、該冷却路内の潤滑油の温度を各所において均一とすることができる。
これによってシールリングの温度上昇に伴うシール効果の低下を防止することができ、かつ、ハウジングの変形が原因で生じるインペラとハウジングとの衝突を防止することができる効果が得られる。
図1は、本発明の一実施形態である過給機1の全体構成を示す正断面図であり、図2は、図1のII-II断面図である。
そのため、ベアリングハウジング8の上部には、外部から潤滑油を供給するための給油口11が、ベアリングハウジング8の下部には、内部から潤滑油を排出するための排油口12が備えられている。
ベアリングハウジング8のベアリングブッシュ8B内には、駆動シャフト4が挿通されてコンプレッサ側の径が大きく形成される軸支持部13と、この軸支持部13の周囲を取り巻く排油室14と、軸支持部13の上部においてこの軸支持部13に沿って穿孔されて、給油口11に直交するように連通する潤滑油供給路15とが備えられている。
すなわち、後述の給油孔20及び給油孔21からフローティングメタルに潤滑油が供給されるとフローティングメタルと軸支持部13との間及び駆動シャフト4とフローティングメタルとの間に潤滑油が行き渡り、高い回転数でも駆動シャフト4を円滑に回転させることが可能である。
なお、フローティングメタルは、軸支持部13に設けられるリテーニングリングや軸受スペーサ等により軸方向に移動ができないようになっている。
これによって駆動シャフト4に加わる空気圧力、ガス圧力や振動による軸方向の力を支える構成となっている。
そして、このようなシール部材32及び該シール部材32に設けられたシールリング33によって、ベアリング部102からコンプレッサ部101内に潤滑油が漏出しないようにシールされる。
第一の流路は、給油口11から給油されて潤滑油供給路15に至った潤滑油が、給油孔20及び給油孔21を経た後に軸支持部13に流入して、排油穴22を介して下部排油空間18に至り排油口12から排出される油路である。
第二の流路は、潤滑油供給路15を経てコンプレッサ方向に流れた潤滑油が、スラストカラー24の周囲を経由してスラストベアリング23とスラストカラー24間に至った後、下部排油空間18に流れ落ちて排油口12から排出される油路である。
第三の流路は、潤滑油供給路15を経てタービン方向に流れた潤滑油が、冷却路19に至った後に下部排油空間18に流れ落ちて排油口12から排出される油路である。
この潤滑油供給手段50は、潤滑油供給路15と冷却路19との間に、該冷却路19に対して上方に潤滑油を噴出させる2本の流路51A,51Bを有する潤滑油供給孔51を配置し、かつこれら流路51A,51Bを、互いに略鉛直方向に対して傾斜角度を有するように配置したものである。これら潤滑油供給孔51の流路51A,51Bは、駆動シャフト4の径方向に沿う同一の平面内にて、分岐点Oを中心としてかつ垂直な基準線Mからそれぞれ設定角度α傾斜するように配置されているものであって、全体としてV字を形成している。
なお、基準線Mから傾斜した流路51A,51Bの設定角度αは、45〜60度の範囲内に設定することが好ましい。
図2(A)は2本の流路51A,51Bの設定角度αをそれぞれ30度とした第1実施例、図2(B)は2本の流路51A,51Bの設定角度αをそれぞれ45度とした第2実施例、図2(C)は2本の流路51A,51Bの設定角度αをそれぞれ60度とした第3実施例、図2(D)は一つの流路によって潤滑油供給孔(符号25で示す)を構成し、該流路を垂直として、潤滑油を冷却路19内に真上に向けて噴出させるようにした従来例である。
図3(A)〜(D)は、ベアリングハウジング8の温度変化の測定結果を示す図であって、図2(A)〜(D)に対応している。
なお、ベアリングハウジング8(B/H)内の冷却路19内の周方向に沿う温度変化の測定箇所は、冷却路19の上側、右側、下側、左側(方向は図2に対応)4ヶ所である。また、給油口11を通じて潤滑油供給路15に供給される潤滑油の初期温度は60度である。
また、基準線Mからの傾斜角度αが60度を越えた場合には、図示してはいないが、再び冷却路19の上側、右側、下側、左側の温度のばらつきが再び大きくなることが確認されている。
これによってシール部30の温度上昇に伴うシール効果の低下を防止することができ、かつ、ハウジングの変形が原因で生じるタービンインペラ2とタービンハウジング7との衝突を防止することができる。
例えば、基準線Mを垂直としたが、必ずしも垂直ではなく、冷却路19の特性に応じて若干傾斜するように配置しても良い。
例えば、該潤滑油供給孔51の各流路を2本としたが、これに限定されず、3本以上であっても良い。この場合、冷却路19に対して所定の潤滑油の噴出するように、流路の本数に応じて該潤滑油の供給圧力を上昇させても良い。
例えば、基準線M、潤滑油供給孔51をタービン側に向かって傾斜させても良い。そうすれば、潤滑油を潤滑油供給孔51からタービン側に向かって斜めに噴射させることができ、これにより、冷却路19のタービン側の部分を効率的に冷却させることができる。
7…タービンハウジング、 8…ベアリングハウジング、 10…コンプレッサハウジング、 15…潤滑油供給路、 19…冷却路、 50…潤滑油供給手段、
51…潤滑油供給孔、 51A…流路、 51B…流路、 O…分岐点、 M…基準線、 α…傾斜角度
Claims (4)
- タービンハウジング及びコンプレッサハウジングの間に配置されたベアリングハウジングと、これら各ハウジング内に配置されて前記タービンハウジング内で発生した動力をコンプレッサハウジング内に伝達させる駆動シャフトと、前記ベアリングハウジングに形成されて前記駆動シャフトとベアリングとの間に油膜を形成するための潤滑油を供給する潤滑油供給路と、前記ベアリングハウジング内でかつ前記駆動シャフトを中心として周方向に形成されて前記潤滑油供給路によって供給された潤滑油の一部を導き入れて前記ベアリングハウジング及びタービンハウジングを冷却する冷却路と、を具備する過給機であって、
前記潤滑油供給路と冷却路との間に、該冷却路に対して上方に潤滑油を噴出させる複数の流路からなる潤滑油供給孔を配置し、かつ、該潤滑油供給孔の各流路を互いに略鉛直方向に対して傾斜角度を有するように配置することを特徴とする過給機。 - 前記潤滑油供給孔は2本の流路によって構成されるとともに、該2本の流路が前記駆動シャフトの径方向に沿う同一平面内にて予め設定した傾斜角度でV字状に配置されていることを特徴とする請求項1記載の過給機。
- 前記傾斜角度は、45〜60度の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項2記載の過給機。
- タービンハウジング及びコンプレッサハウジングの間に配置されたベアリングハウジングと、これら各ハウジング内に配置されて前記タービンハウジング内で発生した動力をコンプレッサハウジング内に伝達させる駆動シャフトと、前記ベアリングハウジングに形成されて前記駆動シャフトとベアリングとの間に油膜を形成するための潤滑油を供給する潤滑油供給路と、前記ベアリングハウジング内でかつ前記駆動シャフトを中心として周方向に形成されて前記潤滑油供給路によって供給された潤滑油の一部を導き入れて前記ベアリングハウジング及びタービンハウジングを冷却する冷却路と、を具備する過給機の冷却方法であって、
前記潤滑油供給路と冷却路との間に、該冷却路に対して上方に潤滑油を噴出させる複数の流路からなる潤滑油供給孔を配置し、かつ、該潤滑油供給孔の各流路を互いに略鉛直方向に対して傾斜角度を有するように配置したことを特徴とする過給機の冷却方法。
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