JP5123835B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
電動パワーステアリング装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5123835B2 JP5123835B2 JP2008313837A JP2008313837A JP5123835B2 JP 5123835 B2 JP5123835 B2 JP 5123835B2 JP 2008313837 A JP2008313837 A JP 2008313837A JP 2008313837 A JP2008313837 A JP 2008313837A JP 5123835 B2 JP5123835 B2 JP 5123835B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steering
- unit
- control
- motor
- control unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
- Regulating Braking Force (AREA)
- Power Steering Mechanism (AREA)
Description
制御手段は、車両のアンダステア状態を抑制すべくモータを制御するアンダステア制御手段、車両のオーバステア状態を抑制すべくモータを制御するオーバステア制御手段、及び左右の車輪の接する路面の摩擦係数が異なる路面において、制動したときの車両挙動を抑制すべくモータを制御するスプリットμ制御手段のうちの少なくとも1つを含んで構成される第1制御部と、転舵輪への外乱が入力されたときの操向ハンドルのハンドル取られを抑制すべくモータを制御する外乱抑制制御手段、及びカント路の走行における車体流れを抑制すべくモータを制御する車体流れ制御手段のうちの少なくとも1つを含んで構成される第2制御部と、を有し、第1制御部が作動してモータを制御している場合には、第2制御部がモータを制御する出力のゲインを低下させることを特徴とする。
先ず、図1を参照しながら本発明に係る実施形態の電動パワーステアリング装置を適用した車両の全体概要について説明する。
図1は、本発明に係る実施形態の電動パワーステアリング装置を適用した車両の全体概念図である。
車両1は、例えば、エンジンEとトランスミッションTMを車両前部に横置きし、前側左右の車輪(転舵輪)3,3を駆動する前輪駆動車両である。図1において、電動パワーステアリング装置9は、操向ハンドル6が設けられたステアリングシャフトと、ピニオン軸とが、図示省略の中間シャフトとユニバーサルジョイント(自在継手)によって連結され、また、ピニオン軸の下端部に設けられたピニオンギアは、車幅方向に往復運動可能なラック軸8のラック歯に噛合し、ラック軸8の両端には、タイロッドを介して前側左右の車輪3,3が連結されている。この構成により、電動パワーステアリング装置9は、操向ハンドル6の操作時に車両の進行方向を変えることができる。
EPSモータ7にはモータ回転角センサSAMが設けられ、EPSモータ7のモータ回転角を検出し、角度信号を出力するものである。
これら操舵トルクセンサST、ハンドル操作角センサSAH、モータ電流センサ、モータ電圧センサ、モータ回転角センサSAMからの各信号はECU15に出力される。
また、車両1には、エンジンEを制御するエンジンECU11が設けられ、ECU15と通信回線、例えば、CAN(Controller Area Network)通信で接続されている。
エンジンECU11及びECU15は、例えば、CPU、ROM、RAM等を含むマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータに各種信号を入力するための入力インタフェース回路、マイクロコンピュータからの出力信号を出力するための出力インタフェース回路等を含んで構成されている。
本実施形態におけるECU15は、各車輪3に設けられたブレーキ装置4を油圧回路である制動ユニット5を介して制動制御するVSA(Vehicle Stability Assist)制御部22と、EPSモータ7を制御するEPS制御部23を含んで構成されている。
VSA制御部22は、制動時の車輪ロックを防止するABS(Anti-lock Brake System)機能や、加速時の車輪空転防止機能に加えて、車両の横滑り抑制機能をつかさどっている。
車両の横滑り抑制機能には、例えば、(1)車両の旋回運動時に操向ハンドル6の急激な切り過ぎ等によって起こりがちな後側左右の車輪(後輪)3,3のスリップによる車両1の巻き込みに対して、旋回方向外側の前側の車輪3のブレーキ装置4への制動制御によって旋回方向外向きのモーメントを発生させ、同時に前側左右の車輪3,3のコーナリングフォースを低減して、スピンモーメントを減少することで車両挙動を安定化させるオーバステア制御機能、(2)旋回加速時のアクセルペダルの踏み過ぎ等によって起こりがちな駆動輪(前側左右の車輪)スリップによる軌跡の旋回方向外側へのはらみに対して、CAN通信を介してエンジンECU11に信号を出力してエンジンEのトルクを低減させ、旋回方向内側の前側の車輪3のブレーキ装置4の制動制御により前側左右の車輪3,3のサイドフォースを確保し、旋回方向内向きモーメントを発生させることで、旋回方向外側へのはらみを抑制する加速アンダステア制御機能、(3)発進時等に、左右輪で路面状況が異なる場合に、エンジントルクが低μ路側の車輪3に伝達されてしまい、大きな駆動力を得ることができないため、低μ路側の車輪3のブレーキ装置4を制動制御し、高μ路側の車輪3にエンジントルクを伝達することで、より強い発進・加速力を得る発進制御機能がある。
なお、ハンドル操作角センサSAHからハンドル操作角θHを示す信号や、ヨーレートセンサSYからヨーレートγを示す信号は、ECU15の前記した入力インタフェース回路に含まれるローパスフィルタ(略してLPFと表現することもある)で雑音処理して用いられる。
例えば、運転者の制動操作時にVSA制御部22において左右輪のスリップ比をチェックしてスプリットμ路と判定した場合は、左右路面μ差を示す情報(以下、「路面μ差情報」と称する)、例えば、右車輪のブレーキ油圧PBR、左車輪のブレーキ油圧PBLをEPS制御部23に出力し、スプリットμ路におけるアクティブ操舵の制御に用いられる。
次に、図2から図9に示す制御機能ブロック構成図にもとづいてECU15のEPS制御部23における制御機能について説明する。図2は、EPS制御部の制御機能ブロック構成図である。
EPS制御部23は、図2に示すように操舵トルクTSと車速に応じて、EPSモータ7が出力すべき操舵補助力の目標電流値ITBを出力するベース電流算出部31を有している。ベース電流算出部31は、公知のものであり、車速VSと操舵トルクTSをパラメータとした目標電流値ITBの二次元マップを有しており、車速VSが小さいときは、操舵トルクTSに応じて大きな操舵補助力を出力し、車速VSが大きくなるほど操舵補助力を弱くして、運転者に操向ハンドル6の操作を重く感じさせるようにする。
EPS制御部23は、ベース電流算出部31の他に、車両挙動の安定性向上のために、例えば、ハンドル操作角θHの変化から操向ハンドル6の切り戻し操作を検出して、切り戻し操作を容易にする、例えば、切り戻し操作時の操向ハンドル6から運転者が受ける操舵抵抗を小さく制御する、または、積極的に中立位置に戻すようにEPSモータ7を制御するハンドル戻し制御部(ハンドル戻し制御手段)32、ハンドル操作角θHと車速VSに応じた規範ヨーレートγTA(図4参照)を算出して、それとヨーレートセンサSγからの実際のヨーレートγとを比較して、アンダステア状態と判定したとき、EPSモータ7に切り込み方向の出力制御をするアンダステア制御部(アンダステア制御手段)33、ハンドル操作角θHと車速VSに応じた規範ヨーレートγTB(図5参照)を算出して、それとヨーレートセンサSγからの実際のヨーレートγとを比較して、オーバステア状態と判定したとき、EPSモータ7に切り戻し方向の出力制御をするオーバステア制御部(オーバステア制御手段)34、車両1の旋回走行中のヨーレートγに応じた反力を操向ハンドル6に与えるようにEPSモータ7を制御するヨーレート反力制御部35、VSA制御部22においてスプリットμ路を検出したときに、VSA制御部22からの前記した路面μ差情報に応じて車体のヨーモーメントを打ち消すように前側左右の車輪3,3をアクティブ制御で操舵させるべくEPSモータ7を制御するスプリットμ制御部(スプリットμ制御手段)36を有している。
これら、ハンドル戻し制御部32、アンダステア制御部33、オーバステア制御部34、ヨーレート反力制御部35、スプリットμ制御部36は、請求項に記載の「第1制御部」に対応し、車両の旋回走行時の車両挙動の安定性に係るEPSモータ7の制御機能をつかさどる機能部である。
外乱抑制制御部37と車体流れ制御部38は、請求項に記載の「第2制御部」に対応し、操向ハンドル6操作時の運転者の負担軽減に係るEPSモータ7の制御機能をつかさどる機能部である。
そして、加算部47では、オーバステア制御部34からの補正電流値ΔIOS *、ヨーレート反力制御部35からの補正電流値ΔIY *、スプリットμ制御部36からの補正電流値ΔISμ*も加算される。
ここで、第2総和ゲイン補正値算出部43は、図2に示すように第1総和補正電流値ΔIt1の絶対値が所定の第1の閾値を超えると、ゲインGt2を急速に低減して、所定の第2の閾値を超えるとゲインGt2をゼロとする。
以下に、EPS制御部23の前記した各機能部の機能ブロック構成について説明する。
まず、ハンドル戻し制御部32について説明する。
図3は、図2におけるハンドル戻し制御部の詳細な機能ブロック構成図である。ハンドル戻し制御部32は、ハンドル戻し補正電流算出部51、ゲイン補正値算出部52,53,54、乗算部55,56,57、切り戻し判別ゲイン切替部58を含んで構成されている。
ハンドル戻し補正電流算出部51は、ハンドル操作角θHをパラメータとした一次元マップを有し、図3に示すようにハンドル操作角θHが左右方向所定の閾値範囲内では、補正電流値ΔIHRをゼロとし、ハンドル操作角θHが左右方向所定の閾値範囲以上のときに、徐々に増加して、所定値で飽和する切り戻し方向の補正電流値ΔIHRを乗算部55に出力する。
ちなみに、ハンドル操作角θHが右側方向の操作角の場合を正とし、中立状態をゼロとし、左側方向の操作角の場合を負とする。また、後記するモータ回転角速度ωMや操舵トルクTSも、右側方向への転舵の場合に正、左側方向への転舵の場合に負と定義する。
図3においては、ハンドル戻し補正電流算出部51のマップはハンドル操作角θHの絶対値で表示してある。
ちなみに、図3においては、ゲイン補正値算出部52のマップはモータ回転角速度ωMの絶対値で表示してある。
この補正は、車速VSが所定値までの範囲では、車速VSが大きくなるほど中立位置への切り戻し方向に対する操舵抵抗力を低減、または、中立位置への戻し操作を促進するように操舵補助力を出力するように補正電流値ΔIHRを出力し、車速VSが所定以上では一定値の中立位置への切り戻し方向に対する操舵抵抗力、または、中立位置への戻し操作を促進するように一定値の操舵補助力を出力するように補正電流値ΔIHRを補正するものである。
ちなみに、図3においては、ゲイン補正値算出部54のマップは操舵トルクTSの絶対値で表示してある。
なお、切り戻し判別ゲイン切替部58における電動パワーステアリング装置9が切り戻し状態か、切り込み状態かの判別は、ハンドル操作角θHとモータ回転角速度ωMの積の符号が正のとき切り込み状態であり、負のとき切り戻し状態であると容易に判別できる。
次に、アンダステア制御部33について説明する。
図4は、図2におけるアンダステア制御部の詳細な機能ブロック構成図である。アンダステア制御部33は、規範ヨーレート算出部61、減算部62、アンダステア補正電流算出部63(以下、「U/S補正電流算出部63」と称する)、ゲイン補正値算出部64、乗算部65、アンダステア修正判別ゲイン切替部66を含んで構成されている。
規範ヨーレート算出部61は、公知のものでありハンドル操作角θHと車速VSにもとづいて予め記憶されているハンドル操作角θHと車速VSをパラメータとした二次元マップにもとづいて規範ヨーレートγTAを算出する。算出された規範ヨーレートγTAは減算部62、U/S補正電流算出部63及びアンダステア修正判別ゲイン切替部66に入力される。そして、減算部62において規範ヨーレートγTAに対してヨーレートセンサSYからのヨーレートγを減算し、ヨーレート偏差Δγが得られ、U/S補正電流算出部63に入力される。U/S補正電流算出部63では、規範ヨーレートγTAが示す旋回方向を示すヨーレート符号またはハンドル操作角θHの符号と、ヨーレート偏差Δγの符号にもとづいて、車両の旋回状態がアンダステア状態であるか否かを判定し、アンダステア状態と判定したとき、ヨーレート偏差Δγに応じた補正電流値ΔIUSを切り込み方向の符号を付して乗算部65に出力する。アンダステア状態でない場合には、補正電流値ΔIUSをゼロとして乗算部65に出力する。
次に、オーバステア制御部34について説明する。
図5は、図2におけるオーバステア制御部の詳細な機能ブロック構成図である。オーバステア制御部34は、要求ヨーレート算出部71、規範ヨーレート限界値算出部72、規範ヨーレート決定部73、減算部74、オーバステア補正電流算出部75(以下、「O/S補正電流算出部75」と称する)、乗算部76、ゲイン補正値算出部77を含んで構成されている。
要求ヨーレート算出部71は、公知でありハンドル操作角θHと車速VSにもとづいて予め記憶されているハンドル操作角θHと車速VSをパラメータとした二次元マップにもとづいて要求ヨーレートγRを算出する。算出された要求ヨーレートγRは規範ヨーレート決定部73に入力される。また、規範ヨーレート限界値算出部72は、車速VS及び横GセンサSGSからの横加速度AS(図5中、横G_ASと表示)にもとづいて、具体的には予め記憶されている車速VSと横G_ASをパラメータとした二次元マップにもとづいて規範ヨーレートの限界値を算出し、規範ヨーレート決定部73に入力する。
減算部74において規範ヨーレートγTBに対してヨーレートセンサSYからのヨーレートγを減算し、ヨーレート偏差Δγが得られ、O/S補正電流算出部75に入力される。O/S補正電流算出部75では、規範ヨーレートγTBが示す旋回方向を示すヨーレートの符号またはハンドル操作角θHの符号と、ヨーレート偏差Δγの符号にもとづいて、車両の旋回状態がオーバステア状態であるか否かを判定し、オーバステア状態と判定したとき、ヨーレート偏差Δγに応じた補正電流値ΔIOSを切り戻し方向の符号を付して乗算部76に出力する。アンダステア状態でない場合には、補正電流値ΔIOSをゼロとして乗算部76に出力する。
なお、図5において点線枠で示した要求ヨーレート算出部71、規範ヨーレート限界値算出部72、規範ヨーレート決定部73、減算部74を含むオーバステア状態量算出部34aは、必ずしもEPS制御部23に含まれている必要は無く、VSA制御部22に含まれていて、VSA制御部22から出力されるヨーレート偏差Δγまたは他のオーバステア状態量を示すパラメータがオーバステア制御部34に入力され、そのオーバステア状態量を示すパラメータに応じたオーバステア抑制制御の補正電流値ΔIOSを、マップを用いてO/S補正電流算出部75で算出するようにしても良い。
次に、ヨーレート反力制御部35について説明する。図6は、図2におけるヨーレート反力制御部の詳細な機能ブロック構成図である。
ヨーレート反力制御部35は、ヨーレート反力補正電流算出部81、ゲイン補正値算出部82、ヨーレート反力補正電流算出部83、ゲイン補正値算出部84、乗算部85,86、往き戻り判定部87を含んで構成されている。
また、ヨーレート反力補正電流算出部81とヨーレート反力補正電流算出部83の補正電流値ΔIYG,ΔIYBは、絶対値的にはΔIYGの方がΔIYBより大きくなるように設定することが操向ハンドル6から運転者が受ける操舵抵抗力による操舵感覚としては好ましい。
次に、スプリットμ制御部36について説明する。図7は、図2におけるスプリットμ制御部の詳細な機能ブロック構成図である。
スプリットμ制御部36は、路面左右μ差算出部91、スプリットμ補正電流算出部92、ゲイン補正値算出部93、乗算部94を含んで構成されている。
ちなみに、図7においては、スプリットμ補正電流算出部92のマップはブレーキ左右油圧差ΔPの絶対値で表示してある。
なお、本実施形態のスプリットμ制御部36は、路面μ差情報としてVSA制御部22を介して、前側左右の車輪3,3のブレーキ装置4,4のブレーキ油圧PBL,PBRを用いることとしたがそれに限定されるものではない。路面μ差情報としてVSA制御部22から前側左右の車輪3,3のスリップ率を取得して用いても良い。
次に、外乱抑制制御部37について説明する。図8は、図2における外乱抑制制御部の詳細な機能ブロック構成図である。
外乱抑制制御部37は、方向判別部101,102、ハンドル取られ判定部103、変動トルク算出部104、電流変換部105(図8中、「ゲイン」と表示)、前後G係数算出部106、乗算部107、スイッチ部108を含んで構成されている。
方向判別部101は、ハンドル操作角θHを時間微分して、ハンドル操作角θHの変化方向を判別し、判別結果をハンドル取られ判定部103へ出力する。方向判別部102は、操舵トルクTSを時間微分して、操舵トルクTSの変化方向を判別し、判別結果をハンドル取られ判定部103へ出力する。
詳述すると、ハンドル取られ判定部103は、ハンドル操作角θHの変化方向と操舵トルクTSの変化方向とが異なると判定した場合には、ハンドル取られ状態と推定して、スイッチ部108をオンとし、ハンドル操作角θHの変化方向と操舵トルクTSの変化方向とが同じと判定した場合は、ハンドル取られ状態ではないと推定して、スイッチ部108をオフとする。
電流変換部105は、変動トルク算出部104から入力されたトルク変動に所定のゲインを乗じ、トルク変動の逆方向の符号の外乱抑制制御の補正電流値ΔIDisに変換し、乗算部107に出力する。
ちなみに、前記した、例えば、「−1G」は重力加速度を単位とした車両の減速状態の加速度を意味し、例えば、「+0.5G」は重力加速度を単位とした車両の加速状態の加速度を意味する。
次に、車体流れ制御部38について説明する。図9は、図2における車体流れ制御部の詳細な機能ブロック構成図である。
車体流れ制御部38は、車体流れ判定部111、車体流れ補正電流算出部112、スイッチ部113、ゲイン補正値算出部114、乗算部115、フェード・イン・アウト処理部116を含んで構成されている。
車体流れ判定部111は、ハンドル操作角θHと操舵トルクTSとヨーレートγの信号にもとづき、車体流れ阻止操舵状態にあるか否かを判定する。本実施形態では、次の(1)〜(3)の3つの条件を同時に満足する状態が一定時間継続した場合に、車体流れ判定部111は車体流れ阻止操舵状態にあると判定する。
(1)ヨーレートγがゼロ近傍で安定している。
(2)操舵トルクTSが中立点から左右一方向に所定値以上の操舵トルクTSを示している。
(3)ハンドル操作角θHが中立点から左右一方向に所定値以上のハンドル操作角θHを示している。
換言すると、前記(1)〜(3)の3つの条件を満たしても、一定時間継続しないときや、前記(1)〜(3)の条件のいずれか1つでも満たしていないときには、車体流れ判定部111は車体流れ阻止操舵状態でないと判定する。本実施形態では上記(1)〜(3)の3条件と継続性を課すことによって、車体流れ阻止操舵状態の判定の正確性を期している。ただし、簡易的な方法として、前記(2)と(3)のいずれか一方と(1)の条件とを同時に満足する状態が一定時間継続した場合に車体流れ阻止操舵状態であると判定することも可能である。
ゲイン補正値算出部114は、車速VSにもとづき、車速VSをパラメータにした一次元マップを用いて、車速VSに応じたゲインGCantを算出する。ゲインGCantは、図9に示すように車速VSが0.0から閾値V1まではゼロであり、車速VSが閾値V1〜所定値V2の区間では直線的に第1の所定値まで増大し、車速VSが所定値V2〜V3の区間では前記第1の所定値を保ち、車速VSが所定値V3〜V4の区間では前記第1の所定値から第2の所定値まで減少し、車速VSが所定値V4以上では前記第2の所定値を保つ。
フェード・イン・アウト処理部116により徐々に補正電流値ΔICant *値を移行させるのは、瞬時に車体流れ抑制制御の補正電流値ΔICant *をゼロから所定値、または、所定値からゼロに切り換えると、運転者に与える操舵感覚が悪化するからである。
3 車輪
4 ブレーキ装置
5 制動ユニット
6 操向ハンドル
7 EPSモータ(モータ)
8 ラック軸
9 電動パワーステアリング装置
11 エンジンECU
15 ECU(制御手段)
22 VSA制御部
23 EPS制御部
25 モータ駆動回路
31 ベース電流算出部
32 ハンドル戻し制御部(ハンドル戻し制御手段、第1制御部)
33 アンダステア制御部(アンダステア制御手段、第1制御部)
34 オーバステア制御部(オーバステア制御手段、第1制御部)
34a オーバステア状態量算出部
35 ヨーレート反力制御部(第1制御部)
36 スプリットμ制御部(スプリットμ制御手段、第1制御部)
37 外乱抑制制御部(外乱抑制制御手段、第2制御部)
38 車体流れ制御部(車体流れ制御手段、第2制御部)
39 高値選択部
41,42,47,48 加算部
43 第2総和ゲイン補正値算出部
45,55,56,57,65,76,85,86,94,107,115 乗算部
51 ハンドル戻し補正電流算出部
52,53,54、64,77,82,84,93,114 ゲイン補正値算出部
58 切り戻し判別ゲイン切替部
61 規範ヨーレート算出部
62,74 減算部
63 アンダステア補正電流算出部
66 アンダステア修正判別ゲイン切替部
71 要求ヨーレート算出部
72 規範ヨーレート限界値算出部
73 規範ヨーレート決定部
75 オーバステア補正電流算出部
81,83 ヨーレート反力補正電流算出部
87 往き戻り判定部
91 差算出部
92 スプリットμ補正電流算出部
101,102 方向判別部
103 ハンドル取られ判定部
104 変動トルク算出部
105 電流変換部
106 前後G係数算出部
108,113 スイッチ部
111 車体流れ判定部
112 車体流れ補正電流算出部
116 フェード・イン・アウト処理部
E エンジン
SAM モータ回転角センサ
SAH ハンドル操作角センサ
SGFR 前後Gセンサ
SGS 横Gセンサ
ST 操舵トルクセンサ(操舵トルク検出手段)
SWV 車輪速センサ
SY ヨーレートセンサ
TM トランスミッション
Claims (2)
- 転舵輪に舵角を与える操舵系に操舵補助力を付加するモータと、操向ハンドルの操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、少なくとも前記操舵トルク検出手段の出力にもとづいて操舵補助力を前記モータに発生させるための制御手段とを備える電動パワーステアリング装置であって、
前記制御手段は、
車両のアンダステア状態を抑制すべく前記モータを制御するアンダステア制御手段、車両のオーバステア状態を抑制すべく前記モータを制御するオーバステア制御手段、及び左右の車輪の接する路面の摩擦係数が異なる路面において、制動したときの車両挙動を抑制すべく前記モータを制御するスプリットμ制御手段のうちの少なくとも1つを含んで構成される第1制御部と、
前記転舵輪への外乱が入力されたときの前記操向ハンドルの取られを抑制すべく前記モータを制御する外乱抑制制御手段、及びカント路の走行における車体流れを抑制すべく前記モータを制御する車体流れ制御手段のうちの少なくとも1つを含んで構成される第2制御部と、を有し、
前記第1制御部が作動して前記モータを制御している場合には、前記第2制御部が前記モータを制御する出力のゲインを低下させることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記第1制御部は、前記アンダステア制御手段と、前記操向ハンドルを中立位置へ戻すように前記モータを制御するハンドル戻し制御手段と、を少なくとも含んで構成され、
該ハンドル戻し制御手段が出力するハンドル戻し制御量と、前記アンダステア制御手段が出力するアンダステア制御量の値の切り込み方向に大きい方の制御量を選択して前記モータを制御することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008313837A JP5123835B2 (ja) | 2008-12-10 | 2008-12-10 | 電動パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008313837A JP5123835B2 (ja) | 2008-12-10 | 2008-12-10 | 電動パワーステアリング装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010137621A JP2010137621A (ja) | 2010-06-24 |
JP5123835B2 true JP5123835B2 (ja) | 2013-01-23 |
Family
ID=42348143
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008313837A Expired - Fee Related JP5123835B2 (ja) | 2008-12-10 | 2008-12-10 | 電動パワーステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5123835B2 (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5440630B2 (ja) * | 2011-04-25 | 2014-03-12 | 三菱自動車工業株式会社 | 車両統合制御装置 |
EP2703253B1 (en) * | 2011-04-27 | 2015-09-30 | Honda Motor Co., Ltd. | Vehicle steering device |
KR101316160B1 (ko) * | 2011-11-16 | 2013-10-08 | 현대자동차주식회사 | 스플리트 노면에서의 abs 감속 제어 방법 및 그 시스템 |
JP6220687B2 (ja) * | 2014-02-04 | 2017-10-25 | Kyb株式会社 | 電動パワーステアリング装置 |
DE112015001321T5 (de) | 2014-03-19 | 2016-12-15 | Hitachi Automotive Systems, Ltd. | Elektrische Servolenkungsvorrichtung und Steuervorrichtung für eine elektrische Servolenkungsvorrichtung |
JP6143802B2 (ja) | 2015-02-02 | 2017-06-07 | 本田技研工業株式会社 | 車両走行制御装置 |
JP6554006B2 (ja) * | 2015-09-28 | 2019-07-31 | 本田技研工業株式会社 | 車両用操舵装置 |
KR102262132B1 (ko) * | 2017-03-27 | 2021-06-10 | 현대자동차주식회사 | 차량용 조향 제어방법 |
JP6754466B2 (ja) * | 2019-05-13 | 2020-09-09 | 本田技研工業株式会社 | 車両用操舵装置 |
JP7255388B2 (ja) * | 2019-06-25 | 2023-04-11 | 株式会社アドヴィックス | 制動制御装置 |
CN114771643B (zh) * | 2022-04-11 | 2024-06-04 | 中国第一汽车股份有限公司 | 在车辆转向助力不足时利用电控制动***进行转向的方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3914224B2 (ja) * | 2004-09-24 | 2007-05-16 | 三菱電機株式会社 | 車両用操舵装置 |
JP4419997B2 (ja) * | 2006-08-28 | 2010-02-24 | トヨタ自動車株式会社 | 電動パワーステアリング装置 |
JP5279182B2 (ja) * | 2006-10-31 | 2013-09-04 | 株式会社アドヴィックス | 車両の制御装置 |
JP4924068B2 (ja) * | 2007-02-01 | 2012-04-25 | トヨタ自動車株式会社 | 操舵支援装置 |
-
2008
- 2008-12-10 JP JP2008313837A patent/JP5123835B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010137621A (ja) | 2010-06-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5123835B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
US8494721B2 (en) | Vehicle integrated control apparatus | |
JP5431745B2 (ja) | 車両の運動制御装置 | |
JP2004082862A (ja) | 電動式パワーステアリング装置 | |
JP2007331570A (ja) | 電動ステアリング制御装置 | |
JP2008307910A (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
JP2006231947A (ja) | 反力装置の制御方法 | |
JP4404693B2 (ja) | 車両用操舵装置 | |
WO2009131116A1 (ja) | 車体流れ抑制装置 | |
JP2007168641A (ja) | 可変舵角操舵装置及びその方法、並びにその可変舵角操舵装置を搭載した自動車 | |
JP5194430B2 (ja) | 車両の4輪操舵制御装置 | |
JP5034725B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
JP2009090842A (ja) | 車両用制御装置 | |
JP2008037132A (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
JP5272570B2 (ja) | 舵角制御装置及び舵角制御方法 | |
JP4601650B2 (ja) | 車両挙動状態推定装置 | |
JP6868173B2 (ja) | 車両制御装置、車両制御方法および電動パワーステアリング装置 | |
JP5167086B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
JP2005001481A (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
JP5194429B2 (ja) | 車両の4輪操舵制御装置 | |
JP4675655B2 (ja) | 反力装置の制御方法 | |
JP4909937B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
JP4630039B2 (ja) | 車両の操舵制御装置 | |
US20100138111A1 (en) | Acceleration computing apparatus and electric power steering apparatus | |
JP4062754B2 (ja) | 車両 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20101125 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120920 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121002 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121026 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151102 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |