JP5113413B2 - アルミニウム鋳塊の鋳造方法 - Google Patents

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本発明は、例えば、反射板、スパッタターゲット材、電解コンデンサーの電極箔などの圧延素材として有用なアルミニウム鋳塊を半連続して鋳造する、アルミニウム鋳塊の鋳造方法および該鋳造方法に用いる鋳造装置に関する。
従来から、高純度アルミニウムの板や箔は、反射板、スパッタターゲット材、電解コンデンサーの電極箔などに使用されている。これら用途に用いる板や箔には、表面処理性、結晶方位、再結晶粒径などが均一であることが求められる。このような板や箔の特性は、鋳塊材料の鋳造工程に引き続き行われる均質化処理工程や圧延加工工程で主に制御されるが、素材として用いる鋳塊の均一性にも影響される。
素材として用いられる高純度アルミニウム鋳塊は、種々の鋳造方法により製造されるが、中でも水冷却縦型半連続鋳造鋳型を用いた鋳造方法が最も一般的である。詳しくは、上下を開放した四角柱形を呈した中空部を有する筒状の鋳型に、上部からアルミニウム溶湯を供給し、鋳型周囲の筒内に供給した冷却水により鋳壁を通して1次冷却するとともに、前記冷却水を鋳型の下端から斜め下向きに注加することにより2次冷却することでアルミニウム溶湯を凝固させて、連続的に下部から引き抜くことにより、鋳塊を一定の長さに鋳造する、いわゆる半連続鋳造方法である。この場合、通常、熱伝導性の観点から、銅、アルミニウム等の金属からなる鋳型が用いられている。
しかしながら、上述した従来公知の水冷却縦型半連続鋳造鋳型を用いると、溶湯の温度は1次冷却から徐々に下がり、2次冷却で強制的に冷却されて凝固するまでに、ある程度の時間がかかることになる。換言すれば、溶湯の冷却は緩やかに進行することになり、その結果、2次冷却で直接水冷される鋳肌付近のマクロ組織やミクロ組織は細かくなり、鋳塊中心部分のマクロ組織やミクロ組織は粗くなるという不均一性を招く傾向があった。このような不均一性は、得られたアルミニウム鋳塊を板材や箔材として用いる場合に、板や箔の幅方向や厚さ方向の結晶方位や再結晶粒径、表面処理性などに悪影響を及ぼし、製品としての歩留まりを低下させる。
また、上述した従来公知の水冷却縦型半連続鋳造鋳型を用いた場合、鋳型を構成する金属とアルミニウム溶湯との滑り性が不充分であるという問題もあった。アルミニウム溶湯の滑りが悪いと、鋳造中に凝固した部分が降下しないといった問題を生じる。
そこで、これまで、鋳型表面を粗面化したり(特許文献1参照)、もしくは図4に示すように鋳造方向(溶湯の進行方向)に複数の溝20を設けたりすることにより、アルミニウム溶湯と鋳型との接触面を少なくし、それによって、鋳型に断熱性を付与して1次冷却における溶湯の温度低下を抑制するとともに、アルミニウム溶湯の滑り性をも改善するようにした金属製鋳型が提案されていた。
特開昭55−64950号公報
しかしながら、従来の金属製鋳型では、アルミニウム溶湯の滑り性はかなり改善されるものの、断熱性については、未だ得られる鋳塊のマクロ組織やミクロ組織の均一性が満足しうるレベルに達するまでには至らないのが現状であった。
そこで、本発明の目的は、表面付近から内部にかけてのマクロ組織やミクロ組織の均一性に優れたアルミニウム鋳塊を半連続して鋳造することができる、アルミニウム鋳塊の鋳造方法および該鋳造方法に用いる鋳造装置を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、水冷却縦型半連続鋳造鋳型を用いてアルミニウム鋳塊を半連続鋳造するにあたり、アルミニウム溶湯と接触する鋳型内面の一部を黒鉛製の板で代替した鋳型を用いるとともに、鋳型に供給するアルミニウム溶湯の温度(鋳造温度)を760℃以上と従来よりも高く設定し、かつ冷却水の水量を25L/kg−Al以上と従来よりも多く使用することにより、表面付近から内部にかけてのマクロ組織やミクロ組織が均一な鋳塊を半連続鋳造できることを見出した。
すなわち、アルミニウム溶湯と接触する鋳型内面の一部を黒鉛製の板で代替した鋳型を用いることにより、アルミニウム溶湯の滑り性が確保されると同時に、より確実な断熱性を発現させて溶湯が鋳型に接する領域において溶湯の熱が過剰に奪われることを回避することができる。このような鋳型において高温の溶湯を供給すると、溶湯は、高温を維持したままで鋳型との接触領域を通過し、鋳型の下端から斜め下向きに注加される冷却水によって高温状態から一気に急冷される。このような急冷により凝固させた場合、鋳塊の内部の冷却速度と表面付近の冷却速度との差を小さく抑えることができ、その結果、マクロ組織やミクロ組織の均一化が図れるのである。本発明は、これらの知見により完成されたものである。
本発明は以下の構成からなる。
(1)上下を開放した四角柱形を呈した中空部を有する筒状の水冷却縦型半連続鋳造鋳型の前記中空部に、その上部からアルミニウム溶湯を供給し、冷却水によって凝固させて、連続的に下部から引き抜くことにより、アルミニウム鋳塊を半連続的に鋳造する方法において、アルミニウム溶湯が供給される前記中空部に接する側面の鋳造方向の1/2以上が黒鉛製の板で構成されている鋳型(ただし、アルミニウム溶湯が供給される前記中空部に接する側面の全体が黒鉛製の板で構成されている鋳型を除く。)を用いるとともに、鋳型に供給するアルミニウム溶湯の温度を760℃以上とし、かつ、冷却水を鋳型下部のスリットから25L/kg−Al以上で放出する、ことを特徴とするアルミニウム鋳塊の鋳造方法。
(2)前記黒鉛製の板は、四角柱形を呈した中空部の角部には配されていない、前記(1)記載のアルミニウム鋳塊の鋳造方法。
(3)鋳造速度は55mm/分以下とする、前記(1)または(2)記載のアルミニウム鋳塊の鋳造方法。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載のアルミニウム鋳塊の鋳造方法に用いる鋳造装置であって、上下を開放した四角柱形を呈した中空部を有する筒状の水冷却縦型半連続鋳造鋳型と、該鋳型の中心軸付近に上方から垂下するスパウトと、該スパウトの下端付近に水平に配設された分流板と、前記鋳型の下方において昇降自在に位置するボトムブロックとを備え、前記鋳型のうちアルミニウム溶湯が供給される前記中空部に接する側面の鋳造方向の1/2以上(ただし、アルミニウム溶湯が供給される前記中空部に接する側面の全体を除く。)が黒鉛製の板で構成されている、ことを特徴とするアルミニウム鋳塊の鋳造装置。
(5)前記黒鉛製の板は、四角柱形を呈した中空部の角部には配されていない、前記(4)記載のアルミニウム鋳塊の鋳造装置。
(6)前記黒鉛製の板は、着脱可能に構成されている、前記(4)または(5)記載のアルミニウム鋳塊の鋳造装置。
なお、本明細書におけるアルミニウムには、純アルミニウムはもとより、各種のアルミニウム合金も含まれる。
本発明によれば、表面付近から内部にかけてのマクロ組織やミクロ組織の均一性に優れたアルミニウム鋳塊を半連続鋳造することができる、という効果が得られる。さらに、得られるアルミニウム鋳塊のマクロ組織が均一であると、均質化処理において均質な再結晶特性が得られる、という利点もある。また、得られるアルミニウム鋳塊のミクロ組織が均一であると、均質化処理の際に溶質元素が均一に固溶しやすく、均質化処理温度を下げたり、処理時間を短縮したりすることが可能になり、エネルギーコスト等の点でも有利になる。
以下、図面を用いて、本発明の鋳造装置の一実施形態について説明する。
図1は、本発明のアルミニウム鋳塊の鋳造方法に好ましく用いることができる本発明の鋳造装置の一実施形態を垂直断面にて示す概略図であり、図2は、図1に示す装置における鋳型3を部分的に拡大して示す垂直断面図であり、図3は、図1に示す装置における鋳型3をX−X断面で切断したときの断面図である。
図1に示すように、装置1は、上下を開放した四角柱形を呈した中空部2を有する筒状の水冷却縦型鋳型3と、この鋳型3の中心軸付近に上方から垂下するスパウト4と、スパウト4の下端付近に水平に配設された分流板5と、鋳型3の下方において昇降自在に位置するボトムブロック6とを備えており、さらに、スパウト4の下方の外側には、供給されたアルミニウム溶湯M上に浮上する矩形のフロート7が配される。なお、中空部2は、図3に示すように平面視で長方形を呈し、通常、短辺300〜600mm、長辺1000〜2000mm程度のサイズを有する。
鋳型3は、中空部2の外側に断面角形の冷却水用中空部8を有する形状になっている。そして、その下端の中空部2側には、斜め下向きにスリット9が形成されており、中空部8に供給した冷却水Wを中空部2より下方のアルミニウム溶湯Mに対して斜め下向きに注加することができるようになっている。
鋳型3は、中空部2に接する側面、すなわちアルミニウム溶湯Mとの接触面の一部が、黒鉛製の板10で構成されている。黒鉛製の板10は、例えば、図2に示すように、鋳型3の中空部2に接する側面からその上部にかけて黒鉛製の板10を装着するスペースを設けておき、そのスペースに黒鉛製の板10を嵌め込み、その上部に嵌め込んだ蓋部材11をボルト12で固定することにより、着脱可能に構成される。このように、黒鉛製の板10が着脱可能であれば、凝固したアルミニウム溶湯Mとの接触等により黒鉛製の板10が傷付き、消耗・劣化した場合にも、取替え等のメンテナンスが容易になるという利点が得られる。
黒鉛製の板10は、好ましくは、図3に示すように、四角柱形を呈した中空部2の角部2’には配されていない。これにより、中空部2に供給されたアルミニウム溶湯Mは、鋳型3に接触している状態において、角部のみが断熱効果を受けることがなく若干凝固が進行することになるので、ボトムブロック6により下方に引き抜く際に、アルミニウム溶湯Mが鋳型3のコーナー部から漏れ出すことなく、比較的安定した形状を保持することができ、その結果、所望の鋳造速度での引き抜きが可能になる。なお、この場合、得られる鋳塊Cの角部は、他の部分と比較して、マクロ組織およびミクロ組織が均一にならない傾向があるが、板材や箔材とする際に面削したり、端部として除去したりすることにより、その悪影響は排除できる。
鋳型3の構成部材のうち黒鉛製の板10以外の部分(蓋部材11を含む)の素材は、特に制限はなく、一般的には銅やアルミニウム等の金属で構成されるが、軽量性や耐汚染性に優れる点でアルミニウム製であることが好ましい。
次に、本発明のアルミニウム鋳塊の鋳造方法の一実施形態について説明する。該実施形態においては、上述した図1に示す装置1を用いて、中空部2に、その上部からアルミニウム溶湯Mを供給し、冷却水Wによって凝固させて、連続的に下部から引き抜くことにより、アルミニウム鋳塊を半連続的に鋳造する。
アルミニウム溶湯Mを供給するに際しては、予め、鋳型3の中空部2の下部にボトムブロック6を配置しておく。この状態で、予め不純物を除去して精製したアルミニウムまたは必要な元素を適宜配合したアルミニウム合金の溶湯Mをスパウト4から注下し、分流板5に衝突させて、溶湯Mを中空部2内に放射状に供給する。このとき、フロート7を配しておくことで、一定量の溶湯Mが中空部2内に均一に充填される。ボトムブロック6は、供給したアルミニウム溶湯Mが中空部2内に充填されるとともに、下方に降下させる。
鋳型3に供給するアルミニウム溶湯Mの温度(鋳造温度)は、760℃以上とすることが重要であり、好ましくは780℃以上であるのがよい。鋳造温度が760℃未満であると、溶湯Mが冷却水の注加により冷却される際の温度勾配が小さくなり(換言すれば、急冷されなくなり)、マクロ組織やミクロ組織の均一化が不充分となる。
他方、鋳型3の冷却水用中空部8には、冷却水供給孔(図示せず)から所定の流量で連続して冷却水Wを供給し、鋳型3の下端のスリット9から斜め下向きに放出させる。
鋳型3下部のスリット9から放出させる冷却水Wの量は、25L/kg−Al以上(中空部2内に供給されたアルミニウム溶湯M1kg当たり25L以上)とする。好ましくは、30L/kg−Al以上とするのがよい。冷却水Wの量が25L/kg−Al未満であると、溶湯Mが冷却される際の温度勾配が小さくなり(換言すれば、急冷されなくなり)、マクロ組織やミクロ組織の均一化が不充分となる。
このように、鋳造温度および冷却水Wの放出量を上記範囲とすることによって、中空部2内に順次供給された溶湯Mは、殆ど熱を奪われることなく(ただし、実際には、加温や保温されない環境で自然に起こる僅かな放熱により、溶湯Mの形状を保持するための数ミリメートル程度の凝固層が表面にのみ形成されることになる)、鋳型3との接触領域、すなわち中空部2を通過した後、鋳型3の下端のスリット9から斜め下向きに注加される冷却水Wによって供給時の温度から一気に急冷され、その外側面から内部にかけて急速に凝固する。このように凝固した場合、図1に示す凝固界面Kの下方に鋳塊Cが順次形成される。
例えば、上記鋳型3に変えて、従来から汎用されている図4に示すような溝付きの金属製鋳型を用いた場合には、溶湯Mは鋳型との接触領域から徐々に冷却され始めるので、溶湯Mが鋳塊Cに変化する凝固界面は、図1に破線K’で示すように、鋳型との接触領域から徐々に低くなり、次いで冷却水Wにより冷却されて中心部寄りに延び、中心部付近が最も低く尖った形状となる。また、上記鋳型3を用いた場合であっても、鋳造温度および冷却水Wの放出量を上記範囲外とした場合などには、凝固界面の始点は、溶湯Mに冷却水Wが直接接触する表面(鋳肌)付近から低下することになるが、冷却時の温度勾配は本発明の鋳造方法による場合よりも小さくなるので、凝固界面の形状はやはり中心部付近が最も低く尖った形状となる。これに対し、本発明の鋳造方法によれば、凝固界面Kは、図1に示すように、鋳型3の下端の冷却水Wが注加される部分から徐々に低くなり、中心部付近にかけてほぼ平らな線を描くものとなる。これにより、表面付近から内部にかけてのマクロ組織やミクロ組織の均一性に優れたアルミニウム鋳塊Cが得られるのである。
形成された鋳塊Cをボトムブロック6により連続的に下部から引き抜く際には、ボトムブロック6の降下速度、すなわち鋳造速度を55mm/分以下とするのが好ましく、より好ましくは40〜50mm/分とするのがよい。鋳造速度が前記範囲よりも速いと、マクロ組織やミクロ組織の均一性が低下したり、鋳造中に溶湯Mが漏れたりするおそれがある。一方、鋳造速度があまりに遅すぎると、生産効率が低下するので好ましくない。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
アルミニウム溶解炉にて三層電解精製した高純度アルミニウム2000kgを溶融し、組成を、Si:10ppm、Fe:7ppm、Cu:33ppmに調整して、アルミニウム溶湯を得た。このアルミニウム溶湯を790℃に保持しつつ、図1〜図3に示すように、一部に黒鉛製の板を備えたアルミニウム製水冷却縦型半連続鋳造鋳型(鋳型3の寸法は、深さ(鋳造方向の長さ):100mm(内、黒鉛製の板:50mm)、中空部2の長辺:1000mm(内、黒鉛製の板:960mm)、中空部2の短辺:400mm(内、黒鉛製の板:360mm))に供給し(鋳造温度790℃)、冷却水を鋳型下部のスリットから30L/kg−Alで放出して凝固させ、50mm/分で下部から引き抜く(鋳造速度50mm/分)ことにより、2000mm長さの鋳塊材を得た。
(比較例1)
実施例1で用いた鋳型に代えて、図4に示すように、1.3mm間隔で幅0.8mm、深さ0.5mmの溝を有する細密溝付きアルミニウム製水冷却縦型半連続鋳造鋳型を用い、冷却水を鋳型下部のスリットから20L/kg−Alで放出して凝固させたこと以外は、実施例1と同様にして、2000mm長さの鋳塊材を得た。
(比較例2)
実施例1で用いた鋳型に代えて、図4に示すように、5mm間隔で幅2mm、深さ0.5mmの溝を有する粗溝付きアルミニウム製水冷却縦型半連続鋳造鋳型を用い、鋳造温度を740℃とし、冷却水を鋳型下部のスリットから20L/kg−Alで放出して凝固させたこと以外は、実施例1と同様にして、2000mm長さの鋳塊材を得た。
以上の実施例および比較例で得られたアルミニウム鋳塊におけるマクロ組織およびミクロ組織の均一性に関して、以下の方法で評価した。結果は表1に示す。
<マクロ組織結晶粒径>
鋳塊の鋳造方向(凝固方向)に直交する断面で切断してなる試料を、25℃の王水(塩酸:硝酸(重量比)=3:1)に3〜10分間浸漬して、充分にエッチングすることにより、前記断面にマクロ組織が表れるようにした。このマクロ組織を目視にて観察し、鋳肌近傍のマクロ組織結晶粒径と鋳塊内部のマクロ組織結晶粒径を、長さ250mmの直線を横切る結晶粒の個数(X)を計数して下記式に基づき算出した。なお、結晶粒を計数するに際し、比較的細粒である鋳肌近傍では、鋳肌から15mm内部に位置する部分で計数し(換言すると、計数する長さ250mmの直線が全長にわたり鋳肌から15mm内部に位置するように設定する)、その値を代表値とした。他方、粗粒である鋳塊内部では、鋳肌からそれぞれ50mm、100mm、150mm内部に位置する3箇所の部分で計数し(換言すると、計数する長さ250mmの直線が全長にわたり鋳肌からそれぞれ50mm、100mm、150mm内部に位置するように設定する)、それらの平均値を代表値とした。
マクロ組織結晶粒径(mm)=250mm/個数(X)
<ミクロ組織間隔>
鋳塊の鋳造方向(凝固方向)に平行する断面で切断してなる試料に、エメリー研磨、バフ研磨、電解研磨を順次施した後、50℃の5%NaOH水溶液にて5分間エッチングすることにより、前記断面にミクロ組織が表れるようにした。このミクロ組織には、不純物の濃縮した部分がエッチングで除去されたことで鋳造方向に平行に生じた複数のセルが観察される。このミクロ組織を50倍の金属顕微鏡にて観察し、ミクロ組織においてセルが平行して観察される部分の間隔(ミクロ組織のセル間隔)を計測した。
Figure 0005113413
本発明のアルミニウム鋳塊の鋳造方法に好ましく用いることができる本発明の鋳造装置の一実施形態を垂直断面にて示す概略図である。 図1に示す装置における鋳型3を部分的に拡大して示す垂直断面図である。 図1に示す装置における鋳型3をX−X断面で切断したときの断面図である。 従来の溝付き金属製水冷却縦型半連続鋳造鋳型の部分垂直断面を斜視した概略図である。
符号の説明
1 装置
2 中空部
3 水冷却縦型鋳型
4 スパウト
5 分流板
6 ボトムブロック
7 フロート
8 冷却水用中空部
9 スリット
10 黒鉛製の板
11 蓋部材
12 ボルト
M アルミニウム溶湯
W 冷却水
C アルミニウム鋳塊

Claims (6)

  1. 上下を開放した四角柱形を呈した中空部を有する筒状の水冷却縦型半連続鋳造鋳型の前記中空部に、その上部からアルミニウム溶湯を供給し、冷却水によって凝固させて、連続的に下部から引き抜くことにより、アルミニウム鋳塊を半連続的に鋳造する方法において、
    アルミニウム溶湯が供給される前記中空部に接する側面の鋳造方向の1/2以上が黒鉛製の板で構成されている鋳型(ただし、アルミニウム溶湯が供給される前記中空部に接する側面の全体が黒鉛製の板で構成されている鋳型を除く。)を用いるとともに、鋳型に供給するアルミニウム溶湯の温度を760℃以上とし、かつ、冷却水を鋳型下部のスリットから25L/kg−Al以上で放出する、ことを特徴とするアルミニウム鋳塊の鋳造方法。
  2. 前記黒鉛製の板は、四角柱形を呈した中空部の角部には配されていない、請求項1記載のアルミニウム鋳塊の鋳造方法。
  3. 鋳造速度は55mm/分以下とする、請求項1または2記載のアルミニウム鋳塊の鋳造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム鋳塊の鋳造方法に用いる鋳造装置であって、上下を開放した四角柱形を呈した中空部を有する筒状の水冷却縦型半連続鋳造鋳型と、該鋳型の中心軸付近に上方から垂下するスパウトと、該スパウトの下端付近に水平に配設された分流板と、前記鋳型の下方において昇降自在に位置するボトムブロックとを備え、前記鋳型のうちアルミニウム溶湯が供給される前記中空部に接する側面の鋳造方向の1/2以上(ただし、アルミニウム溶湯が供給される前記中空部に接する側面の全体を除く。)が黒鉛製の板で構成されている、ことを特徴とするアルミニウム鋳塊の鋳造装置。
  5. 前記黒鉛製の板は、四角柱形を呈した中空部の角部には配されていない、請求項4記載のアルミニウム鋳塊の鋳造装置。
  6. 前記黒鉛製の板は、着脱可能に構成されている、請求項4または5記載のアルミニウム鋳塊の鋳造装置。
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