JP5111218B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ及び複合機等の画像形成装置に関し、特に、磁性キャリアにより非磁性のトナーを帯電させる2成分現像剤を使用して、帯電されたトナーのみを現像ローラ上に保持し、このトナーを静電潜像に飛翔させることで該潜像を現像する非接触現像方式を用いた画像形成装置に関する。
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ及び複合機等の画像形成装置では、1成分現像剤を使用した非接触現像方式での現像が検討されてきた。また、近年、印刷の高速化に伴い、高速画像形成方式用の現像、特に、感光体上に複数のカラー画像を順次形成する1ドラム色重ね方式用の現像についても検討がなされている。この1ドラム色重ね方式は、感光体上に正確にトナーを重ねることで色ズレの少ないカラー画像形成が可能であり、カラー画像の高画質化に対応する技術として注目されている。
最近では、トナーの各色に対応した複数の感光体を用いて、転写部材の送りに同期させてカラー画像を形成し、転写部材上で色重ねを行う所謂タンデム方式が注目されてきている。この方式は高速性に優れているという利点があるものの、各色の電子写真プロセス部材(画像形成ユニット)を並べて配置しなければならず装置が大型化してしまう。これに対し、感光体同士の間隔を狭くして小型化された画像形成ユニットを配置した小型タンデム画像形成装置が提案されている。
米国特許第3,929,098号公報 特開2003−21961号公報 特開2003−21966号公報 特開2001−134050号公報 特開2005−242281号公報 特開2003−280357号公報 特開2001−272857号公報
このタンデム画像形成装置に関し、例えば特許文献1には、磁気ローラを用いて現像剤をドナーローラ(現像ローラ)に送り、このドナーローラ上にトナーを転移させてトナー層を形成することで現像を行う技術が開示されている。しかしながらこの技術では、トナーの帯電制御が複雑であり、感光体に高い表面電位と大きな現像電界とを印加することが必要である。
さらに、ドナーローラ上の未現像トナーをリフレッシュすることが困難であるため、ドナーローラ上にトナーの消費領域と非消費領域とが生じるとこのドナーローラ上におけるトナーの付着状態及びトナーの電位差にばらつきが生じるという関係から、前回の現像画像の一部が次回の現像時に残像(ゴースト)として現れる現象、所謂、履歴現象が発生し易いという不具合がある。
これに対し、例えば特許文献2、特許文献3には、内部に固定された磁極部材によってキャリア及びトナーを有する2成分現像剤を用いて形成した磁気ブラシを保持する磁気ローラ(磁気ブラシローラ)と、この磁気ブラシによる摺擦によりトナー層を形成する現像ローラと、現像ローラと感光体との間に交番電界を形成する電源とを設け、この交番電界によって上記トナー層から飛翔させたトナーにより感光体上の潜像を現像することで、カブリの発生を回避しつつ現像時の残像(ゴースト)の発生を防止する技術が開示されている。
また特許文献4には、1成分現像剤を用い、感光体に接触した現像ローラと、この現像ローラに接触した供給ローラとを備え、供給ローラでトナーを現像ローラに供給し、規制ブレードによって摩擦帯電して薄層状態にして感光体上の潜像を現像する現像装置において、供給ローラに対しても交流電圧を印加し、両者の交流電圧を同一周波数で且つ異なる位相とする技術が開示されている。
この技術では、低濃度画像や細線画像が現像され難いという問題、或いはトナー帯電量の上昇により濃度ムラが発生するのを防止する観点から、現像ローラへ印加する現像電界を交流とすると、低濃度画像や細線画像が良好に現像され、現像未消費のトナーが掻き落とし易くなるものの、交流電圧を高くするとカブリが発生し、交流電圧が低いと現像未消費のトナーを掻き落とす効果が小さくなるという問題を解決するようにしている。
また、特許文献5には、上記問題を解決するべく、2成分現像剤で形成した磁気ブラシによる摺擦により現像ローラにトナー層を担持させ、現像ローラと感光体との間に第1の電源により形成した矩形波からなる交番電界によって現像ローラからトナーを飛翔させて感光体上の潜像を現像するようにした現像装置において、第2の電源によって、磁気ローラと現像ローラとの間に上記第1の電源で生成した交番電界と同一周波数で逆位相、且つデューティ(Duty)比を逆転させた矩形波による交番電界を印加するという技術が開示されている。
しかしながら、上記各技術では、例えば現像ローラに印加するバイアス電圧(交流バイアス)をVslv、磁気ローラ(磁気ブラシ)に印加するバイアス電圧をVmagとすると、バイアス電圧印加の電源構成は例えば図6に示すように、現像ローラ901と磁気ローラ902とに対してそれぞれ第1及び第2バイアス電源911、912(各電源は個別にグランドされている)によってバイアス電圧Vslv及びVmagが印加される構成となるため、磁気ローラ902−現像ローラ901間の電位差は、バイアス電圧Vslvとバイアス電圧Vmagとの差として得られる。
以下、説明を簡単にするため、磁気ローラを“M”、現像ローラを“S”、磁気ローラ及び現像ローラ間のことを“MS間”と表現する。
MS間での現像ローラ901上の未現像トナーの引き剥がし、トナー薄層形成、及びトナー現像性等のバランスを考慮すると、MS間に掛かる交流バイアス電圧は、例えば、上記現像ローラ901に印加するバイアス電圧Vslvではデューティ比10〜30%、周波数4kHz、Vpp1.6kV、一方、磁気ローラ902に印加するバイアス電圧Vmagでは、逆位相、同周期でデューティ比70〜90%、周波数4kHz、Vpp0.3kVが最適なものとなる。
なお、以下の記載において、デューティ比はすべてパーセント(%)表記している。
しかしながら、高速化及びさらなる高画質化のためにトナー粒径の小径化に伴い、上記バランスをとれる範囲が狭くなる。そのため、耐久性も考慮すると、最適値を確保することが困難である。
MS間の電位差は、上述したように、バイアス電圧Vslvとバイアス電圧Vmagとの差として得られるため、MS間の電位差を直接的に設定することができず、第1及び第2バイアス電源911、912の各出力電圧のバランスをとって、MS間の電位差が所望の電位差になるように制御する必要がある。
そうすると、第1及び第2バイアス電源911、912の各出力電圧は、現像ローラ901上の未現像トナーの引き剥がし、トナー薄層形成、及びトナー現像性等の制御に関係しているため、これらの制御に適した電圧と、MS間の電位差とのバランスをとりながら、MS間の電位差を所望の電位差に設定することが容易でない。
以下、説明を簡単にするため、感光体ドラムを“D”、現像ローラを“S”、感光体ドラム及び現像ローラ間のことを“DS間”と表現する。
例えば特許文献6には、現像ローラにデューティ比が10〜50%の交流バイアス電圧を印加する技術が開示されている。この技術は、交流バイアス電圧を磁気ローラには印加せず、現像ローラのみに印加するものであり、特許文献6には、磁気ローラ及び現像ローラに印加する交流バイアス電圧のデューティ比の関係については何ら言及されていない。
また、この現像方式(タッチダウン現像方式;磁気ローラまでは2成分方式で処理し、その後は磁気ローラから現像ローラへ薄膜を形成してトナーを飛翔させる1成分方式のプロセスで現像を行う方式)においては、磁気ローラ上からトナーを移動させて現像ローラ上にトナー薄層を形成する際に、移動し易いトナーが選択的(優先的)にトナー薄層を形成してしまい、印字開始時と印字出力を重ねた後とでは、2成分現像剤中のトナー帯電量個数分布(トナー粒度分布)の変動が大きく、画像濃度不良、カブリ、トナー飛散等の問題が発生し、長期に亘って安定した性能を維持することが困難となる場合がある。
これに関し、例えば特許文献7には、現像ローラ上のトナーの帯電量個数分布と、磁気ローラ上の現像剤中のトナーの帯電量個数分布とが異なるように現像する技術が開示されている。
しかしながら、現像ローラ上と磁気ローラ上との帯電量個数分布が異なっているということは、磁気ローラ上の2成分現像剤中における特定の帯電量のトナーが選択的に現像ローラ上に移行させられていることとなる。すなわち選択的なトナーの移動が行われると、これにより2成分現像剤中のトナーの帯電量分布がブロードに移行してしまい、長期に亘って安定した現像ローラへのトナー薄層形成(画像形成動作;印刷動作)が困難となることになる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、画像濃度不良、カブリ、トナー飛散、ゴースト現象等を抑制し、長期に亘って安定した性能を維持することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る画像形成装置は、トナー及びキャリアを含む2成分現像剤を用いる画像形成装置であって、静電潜像が担持される潜像担持体と、前記潜像担持体に対向配置され、前記静電潜像を現像するべく該現像領域に搬送される前記トナーを担持するトナー担持体と、前記トナー担持体と対向配置され、前記2成分現像剤を担持して該2成分現像剤中のトナーを前記トナー担持体に供給する現像剤担持体と、前記トナー担持体上に担持されるトナーの層厚を6μm〜15μmにするとともに、前記トナー担持体上に担持されたトナーの帯電量に対する個数の分布である第1トナー帯電量個数分布と、前記現像剤担持体に担持された2成分現像剤中のトナーの帯電量に対する個数の分布である第2トナー帯電量個数分布との半値幅の差を0.8(10−10C/m)以下にする調整部とを備え、前記調整部は、前記第1及び第2トナー帯電量個数分布のピーク位置の差を1.0(10 −10 C/m)以下にし、前記第1トナー帯電量個数分布の半値幅は、2.8〜3.4(10 −10 C/m)の範囲内にされ、前記第2トナー帯電量個数分布の半値幅は、3.1〜3.5(10 −10 C/m)の範囲内にされている
この構成によれば、画像形成装置が、静電潜像が担持される潜像担持体と、潜像担持体に対向配置され、静電潜像を現像するべく該現像領域に搬送されるトナーを担持するトナー担持体と、トナー担持体と対向配置され、2成分現像剤を担持して該2成分現像剤中のトナーをトナー担持体に供給する現像剤担持体と、調整部とを備えたものとされ、調整部によって、トナー担持体上に担持されたトナーの帯電量に対する個数の分布である第1トナー帯電量個数分布と、現像剤担持体に担持された2成分現像剤中のトナーの帯電量に対する個数の分布である第2トナー帯電量個数分布との半値幅の差が0.8(10−10C/m)以下にされる。さらに、トナー担持体上に担持されるトナーの層厚が6μm〜15μmにされている。
このように、トナーの層厚が6μm〜15μmと薄くされているので、トナー担持体(現像ローラ)上のトナーが全て(可能な限り)現像に使用されるようにしたり、或いはトナー担持体上の現像残トナーが潜像担持体(感光体ドラム)に戻らないようにしたりすることができる。また、上記半値幅差及びピーク位置差が0.8(10−10C/m)以下と小さくなるので、トナー担持体上のトナー薄層におけるトナー帯電量個数分布と、現像剤担持体上の2成分現像剤中におけるトナー帯電量個数分布との差(ズレ)を小さくする(一致するようにする)ことができ、トナー担持体及び現像剤担持体間(或いは現像剤担持体及び潜像担持体間)のトナー移動の選択性を小さくすることができる。これらのことから、画像濃度不良、カブリ、トナー飛散、ゴースト現象等を抑制し、長期に亘って安定した性能を維持可能となることを、実験的に見出した。
これによれば、調整部によって、第1及び第2トナー帯電量個数分布のピーク位置の差が1.0(10−10C/m)以下にされるので、トナー担持体上のトナー薄層におけるトナー帯電量個数分布と、現像剤担持体上の2成分現像剤中におけるトナー帯電量個数分布との差(ズレ)をより一層小さくする(一致するようにする)ことができ、トナー担持体及び現像剤担持体間(或いは現像剤担持体及び潜像担持体間)のトナー移動の選択性をより確実に小さくすることができる。
また、前記調整部は、前記トナー担持体の表面に所定厚で被覆されるシリコン変性ウレタン樹脂を含むことが好ましい。
これによれば、調整部として、トナー担持体の表面に所定厚で被覆されるシリコン変性ウレタン樹脂が設けられる。これにより、トナー担持体上にシリコン変性ウレタン樹脂を被覆するという簡易な構成によって、半値幅差を0.8(10−10C/m)以下にしたり、さらにピーク位置差を1.0(10−10C/m)以下にしたりすることを容易に実現することができる。
また、前記調整部は、前記トナー担持体に、デューティ比がDuty(slv)である交流バイアス電圧を印加する第1バイアス印加部と、前記現像剤担持体に、デューティ比がDuty(mag)である交流バイアス電圧を印加する第2バイアス印加部とを含み、前記Duty(slv)、及び前記Duty(mag)が、100(%)−Duty(mag)<Duty(slv)の条件を満たすデューティ比に設定されていることが好ましい。
これによれば、調整部が、100(%)−Duty(mag)<Duty(slv)の条件を満たすデューティ比でトナー担持体に交流バイアスを印加する第1バイアス印加部と現像剤担持体に交流バイアスを印加する第2バイアス印加部とを含むことで、当該条件を満たすデューティ比でトナー担持体に交流バイアスを印加するという簡易な構成によって、該調整部により、半値幅差を0.8(10−10C/m)以下にしたり、或いは、半値幅差を0.8(10−10C/m)以下にし、かつピーク位置差を1.0(10−10C/m)以下にしたりすることが容易である。
また、前記第1バイアス印加部が出力する前記交流バイアス電圧の周波数をf(mag)とし、前記第2バイアス印加部が出力する前記交流バイアス電圧の周波数をf(slv)とすると、f(mag)>f(slv)であり、かつf(mag)は2.5kHz以上であることが好ましい。
これによれば、半値幅差を0.8(10−10C/m)以下、さらにピーク位置差を1.0(10−10C/m)以下とする効果が得られることを、見出した。
また、前記第2バイアス印加部は、前記第1バイアス印加部と直列接続され、当該第1バイアス印加部を介してグラウンドに電気的接続されていることが好ましい。
これによれば、第1バイアス印加部と第2バイアス印加部とが直列接続され、第2バイアス印加部が第1バイアス印加部を介してグランドに電気的接続されているので、現像剤担持体に印加されるバイアス電圧が、トナー担持体に印加されるバイアス電圧をベースとしてこのバイアス電圧に重畳された構成をとることができる結果、トナー担持体及び現像剤担持体(トナー担持体及び現像剤担持体間或いは現像剤担持体及び潜像担持体間)に印加する交流バイアス電圧、及び上記デューティ比を個別に調整することが容易に可能となる。
本発明によれば、トナーの層厚が6μm〜15μmと薄くされているので、トナー担持体(現像ローラ)上のトナーが全て(可能な限り)現像に使用されるようにしたり、或いはトナー担持体上の現像残トナーが潜像担持体(感光体ドラム)に戻らないようにしたりすることができる。また、上記半値幅差及びピーク位置差が0.8(10−10C/m)以下と小さくなるので、トナー担持体上のトナー薄層におけるトナー帯電量個数分布と、現像剤担持体上の2成分現像剤中におけるトナー帯電量個数分布との差(ズレ)を小さくする(一致するようにする)ことができ、トナー担持体及び現像剤担持体間(或いは現像剤担持体及び潜像担持体間)のトナー移動の選択性を小さくすることができる。これらのことから、画像濃度不良、カブリ、トナー飛散、ゴースト現象等を抑制し、長期に亘って安定した性能を維持可能となることを、実験的に見出した。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る画像形成装置の一例としてのプリンタについて図面を参照しながら説明する。図1は第1の実施形態におけるプリンタの一例を示す概略構成図である。図1に示すように、プリンタ1は所謂タンデム型の画像形成装置であって、プリンタ本体内にマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)及びブラック(K)の各色別に画像形成部2M、2C、2Y、2Kが並設されている。
画像形成部2M、2C、2Y及び2K(これらを纏めて画像形成部2という)は、用紙に対するカラー画像の形成(印刷)を行うものであり、例えばアモルファスシリコン(a−Si)からなる感光体ドラム21(潜像担持体)、この感光体ドラム21の周囲に配設された帯電部22、露光部23及び現像部24を備えている。
帯電部22は、感光体ドラム21の表面を所定電位に均一に帯電させるものである。露光部23は、画像データに基づき生成されたレーザービーム(LED光)を感光体ドラム21の表面に照射し、該ドラム表面上に静電潜像を形成するものである。現像部24は、感光体ドラム21に形成された静電潜像に対してトナーを供給してこれを付着させることで、トナー像として静電潜像を顕在化させるものである。本実施形態では、この現像部24(及び上記感光体ドラム21)の構成に主な特徴点を有しているが、この詳細については後述する。
画像形成部2M〜2Kの下方には、感光体ドラム21表面に顕在化したトナー像の中間転写(一次転写)を行うための中間転写ローラ31(一次転写ローラ)及び中間ベルト(中間転写ベルト)32を備えた中間転写部3が配設されている。中間ベルト32は、所定のベルト体からなり、上記各色の感光体ドラム21と対向配置された中間転写ローラ31によって感光体ドラム21に押圧された状態で、駆動ローラ33〜35によって無端回転するように構成されている。感光体ドラム21上に形成される各色のトナー像は、無端回転される中間ベルト32上に、それぞれタイミングを合わせて、マゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの順に転写されて重ね合わされる。これにより中間ベルト32上にY、M、C、Kの4色からなるカラー画像が形成される。
駆動ローラ35と対向する位置には、中間ベルト32を介して2次転写ローラ36が設けられている(2次転写ローラ36は中間転写部3に含むものとする)。2次転写ローラ36は、後述の制御部100からの転写バイアス電圧によって中間ベルト32上のカラー画像を用紙へ転写するものである。
また、プリンタ1は、画像形成部2Y〜2Kへ向けて給紙を行う給紙部4を備えている。給紙部4は、各サイズの用紙を収納する給紙カセット41、用紙が搬送される経路である搬送路42、及び搬送路42中の用紙の搬送を行う搬送ローラ43等を備え、給紙カセット41から1枚ずつ取り出された用紙Pを画像形成部2Y〜2K、すなわち2次転写ローラ36の位置へ向けて搬送する。ところで、搬送路42における2次転写ローラ36より下流側の適所には、定着部5が設けられている。定着部5は、用紙に転写されたトナー像を定着させるものである。定着部5はヒートローラ51及び圧ローラ52からなり、ヒートローラ51の熱によって用紙上のトナーを溶かし、圧ローラ52によって圧力をかけてトナーを用紙上に定着させる。給紙部4は、2次転写処理された用紙Pを定着部5へ搬送し、この定着処理された用紙Pをプリンタ本体上部の用紙排出トレイ44へ排出する。
また、プリンタ1は、内部適所に制御部6を備えている。制御部6は、各種制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、データを一時的に保管したり作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)、及び上記制御プログラム等をROMから読み出して実行するマイクロコンピュータなどからなり、プリンタ1の各機能部に対する各種制御信号の送受信を行い、プリンタ1全体の動作制御を司るものである。本実施形態では、特に制御部6は、後述の図2に示す第1バイアス電源246(調整部、第2バイアス印加部)及び第2バイアス電源247(調整部、第1バイアス印加部)の駆動を制御して磁気ローラ244(現像剤担持体)及び現像ローラ245(トナー担持体)に対するバイアス電圧印加動作(周期、位相、VPP、周波数やデューティ比)を制御する。
なお、プリンタ1は、LAN等のネットワークを介して接続されたPC等の情報処理装置(外部装置)との間における種々のデータの送受信を制御するネットワークI/F部7や、プリンタ1の例えばフロント部に設けられ、ユーザによる各種指示入力が行われる入力キーとして機能したり、所定の情報を表示したりする操作パネル部8等も備えている。
ここで、現像部24について詳述する。現像部24は、現像剤容器241、攪拌ミキサー242、パドルミキサー243、磁気ローラ244及び現像ローラ245を備えている。現像剤容器241は、上記各色の現像剤(トナー)を収容する例えばカートリッジタイプの収容部である。攪拌ミキサー242は、現像剤容器241から補給された現像剤を攪拌するものである。パドルミキサー243は、現像剤を攪拌するとともに、現像ローラ245上の現像に使用されなかった残留トナーを回収した磁気ブラシを掻き取ることによって該現像剤を回収するものである。
磁気ローラ244は、内部に配設された磁石によって、現像剤に含まれるキャリアで磁気ブラシを発生させて、現像ローラ245上にトナー薄層を形成するものである。現像ローラ245は、トナー薄層を担持して、感光体ドラム21上の静電潜像を現像するものである。
本実施形態では、上記現像剤として、トナーとキャリヤとからなる所謂2成分現像剤が採用されている。トナーは、着色剤、電荷制御剤およびワックス等の添加剤をバインダー樹脂中に分散させた粒径が例えば6〜12μmの微粉体であり、ここでは、正帯電性トナーを採用している。これに対してキャリヤは、磁鉄鉱(Fe)等の粒径が例えば60〜200μmの磁性粒子であり、トナーの帯電に使用される。キャリアは、トナーの回収と供給との役割を有しており、例えば体積固有抵抗が10Ωcm〜1013Ωcmであるものを用いている。
そして、現像ローラ245及び磁気ローラ244間のニップにおいて、強固に静電的に付着したトナーを磁気ブラシで引き剥がすとともに、現像に必要なトナーを供給する。このとき、トナーとの接点を増やすためには、50μm以下の小径のキャリアを用いて、キャリアの表面積を高めることが望ましい。ここでは、体積固有抵抗が1010Ωcm、飽和磁化が65emu/g、及び平均粒径45μmのコーティングフェライトキャリアを用いている。
現像部24における当該2成分現像剤は、磁気ローラ244上にトナーとキャリアとからなる磁気ブラシを形成する。このトナーは攪拌ミキサー242によって攪拌されて適正なレベルに帯電される。そして、この2成分現像剤によって磁気ローラ244上に磁気ブラシが形成され、穂切りブレード(図略)によって層規制されながら一定の層厚で現像ローラ245に接触し、磁気ローラ244及び現像ローラ245間の電位差|DC1−DC2|(この電位差をΔVと表現する)によって、その磁気ブラシから現像ローラ245上にトナーのみの薄層が形成される。
このように、現像ローラ245表面に担持されるトナーの層厚は、ΔVや穂切りブレードによる層規制その他、公知の技術によって制御され、例えば6μm〜15μmにされている。
上記“DC1”は、第1バイアス電源246によって磁気ローラ244に印加されるトナー供給バイアス電圧の直流成分を示し、“DC2”は第2バイアス電源247によって現像ローラ245に印加される現像バイアス電圧の直流成分を示している。ただし、本実施形態のプリンタ1は、磁気ローラ244及び現像ローラ245へバイアス電圧を印加する構成が上記図6に示すものと異なり、図2に示す構成となっている。
磁気ローラ244には、第1バイアス電源246(第2バイアス印加部)によってバイアス電圧が印加されている。現像ローラ245には、第2バイアス電源247(第1バイアス印加部)によってバイアス電圧が印加されている。また、そして、第1バイアス電源246の基準電位側端子(負極側端子)は、第2バイアス電源247の出力端子に接続されている。
第1バイアス電源246は、デューティ比がDuty(mag)に設定された矩形波状の交流電圧成分AC1と、直流電圧成分DC1とが加算されたバイアス電圧Vb1を、磁気ローラ244に印加する電源回路である。Duty(mag)は、磁気ローラ244から現像ローラ245へトナーが移行する方向の電圧が印加されている状態の時間T1と現像ローラ245から磁気ローラ244へトナーを引き戻す方向の電圧が印加されている状態の時間T2との合計時間に対する、T1の比率である。第1の実施形態においては、Duty(mag)は、例えば70%に設定されている。
また、第2バイアス電源247は、デューティ比がDuty(slv)に設定された矩形波状の交流電圧成分AC2と、直流電圧成分DC2とが加算されたバイアス電圧Vb2を、現像ローラ245に印加する電源回路である。Duty(slv)は、現像ローラ245から感光体ドラム21へトナーが移行する方向の電圧が印加される状態の時間T3と感光体ドラム21から現像ローラ245へトナーを引き戻す方向の電圧が印加される状態の時間T4との合計時間に対する、T3の比率である。第1の実施形態においては、Duty(slv)は、例えば30%に設定されている。
これにより、磁気ローラ244に対してバイアス電圧を印加する第1バイアス電源246は、現像ローラ245に対してバイアス電圧を印加する第2バイアス電源247を介して第2バイアス電源247と共通のグランドに接続されている。そして、第1バイアス電源246のグランドと、第2バイアス電源247のグランドとが共通(1つ)のグランドとなるような回路構成(配線)となっている。
そうすると、第2バイアス電源247と第1バイアス電源246とが直列接続されるので、第2バイアス電源247から出力されるバイアス電圧Vb2と、第1バイアス電源246から出力されるバイアス電圧Vb1とが加算されて、磁気ローラ244に印加される。このとき、MS間に印加される電圧は、第1バイアス電源246から出力されるバイアス電圧Vb1と等しい。
図6に示す従来例の場合では、第1バイアス電源911と第2バイアス電源912との交流(AC)成分が、それぞれ現像ローラ901と磁気ローラ902とに対して、謂わば互いに向き合って掛かるので、MS間の電圧は第1バイアス電源911の出力と第2バイアス電源912の出力との差分となる。
そのため、MS間の電圧は、第1バイアス電源911の出力電圧と第2バイアス電源912の出力電圧とを両方制御しなければ設定できない。一方で、第1バイアス電源911の出力電圧は、DS間の交流バイアス電圧に関連し、現像ローラ245からのトナーの引き剥がしと、感光体ドラム21へのトナーの現像性とにも影響を与えるから、MS間の交流バイアス電圧(AC電圧)とDS間の交流バイアス電圧とをそれぞれの効果が最適となる電圧値とすることが難しく、どちらかの効果を低減させて調整する(バランスをとる)必要があった。
しかしながらこの図2に示す場合では、第1バイアス電源246は、第2バイアス電源247を介して第2バイアス電源247と共通のグランドに接続されているから、現像ローラ245に印加されるバイアス電圧Vb2をベースとして、バイアス電圧Vb2にバイアス電圧Vb1が重畳されて、磁気ローラ244にVb1+Vb2が印加される。換言すれば、第1バイアス電源246における調整の基準を、第2バイアス電源247側に合わせることができる。
その結果、第2バイアス電源247の出力電圧とは独立して、第1バイアス電源246の出力電圧がそのままMS間電圧となるので、容易に上記MS間とDS間との交流バイアス電圧を個別に調整することが可能となる、すなわち、MS間とDS間とにそれぞれ周期、位相、VPP、周波数等(後述する直流電圧(Vdc)、交流電圧(VPP)、周波数(f)及びデューティ比等)が異なる交流バイアス電圧を印加することが可能となる。
現像ローラ245上のトナーの薄層は、現像剤の抵抗や、現像ローラ245と磁気ローラ244との回転速度差などによっても変化するが、上記電位差ΔVによっても制御することが可能である。現像ローラ245上のトナーの層は、ΔVを大きくすると厚くなり、ΔVを小さくすると薄くなる。磁気ローラ244及び現像ローラ245のΔVの範囲は、一般的に100Vから350V程度が適切である。
帯電されたトナーは、磁気ローラ244及び現像ローラ245間の電位差ΔVに応じた厚さで現像ローラ245上に薄層で保持される。また、現像ローラ245及び感光体ドラム21間に、直流電圧と交流電圧とが重畳されたバイアス電圧を印加することで、現像ローラ245から感光体ドラム21へトナーが飛翔し、感光体ドラム21上の静電潜像が現像される。トナーの飛散を防止するために、交流電圧は現像の直前に印加する。
現像ローラ245上の現像残トナーは、掻き取りブレード等の特別な装置を備えることなく、磁気ローラ244上の磁気ブラシが現像ローラ245上のトナー層に接触し、これらローラの周速差によるブラシ効果とパドルミキサー243によるスクリューでの攪拌効果とによって、容易に回収、入れ替えされる。
このとき、磁気ブラシの幅が、現像ローラ245上のトナーを回収する幅であるため、現像ローラ245の幅を磁気ブラシの幅よりも短くすることにより、確実に、現像ローラ245表面における現像残トナーの未回収領域を無くすことができる。これにより、磁気ブラシ領域外の現像ローラスリーブ(図略)に付着するトナーが無くなり(少なくなり)、現像ローラ245の両端部におけるトナー飛散を無くす(低減する)ことが可能となる。
また、磁気ローラ244の回転速度を現像ローラ245の回転速度に対して例えば1.0〜2.0倍に設定し、現像ローラ245上のトナーを回収するとともに、適切なトナー濃度に設定された現像剤を現像ローラ245へ供給することにより、均一なトナー層の形成が可能となる。
また、均一な画像濃度を維持するためには、現像タイミング以外の時間において磁気ローラ244及び現像ローラ245間の電位差ΔVを無くす(各電位を同電位にする)ことで、トナーに負担をかけずに現像ローラ245上のトナーを磁気ローラ244上に回収することが有効である。
ところで、感光体ドラム21の感光材料として上記a−Si感光体を用いた場合、その表面の露光後電位は20V以下の非常に低い電位となる特徴を有している。そして、このa−Si感光体の膜厚を薄くすると、飽和帯電電位が低下し、絶縁破壊に至る耐電圧の低下が生じる。その一方で、a−Si感光体の膜厚を薄くすると、潜像形成したときにおける感光体ドラム21表面の電荷密度は向上し、現像性能が向上する傾向がある。
この傾向は、誘電率が約10程度と高いa−Si感光体では、膜厚を25μm以下、さらに好ましくは20μm以下とする場合に特に顕著である。この場合、現像バイアス電圧における、直流電圧成分DC2は150V以下、交流電圧成分AC2としてピークtoピーク電圧VPPを200V〜2000V、及び周波数を1〜4kHzに設定して現像することが可能である。
画像形成装置に用いる感光体としては従来から有機感光体(OPC)が知られている。感光体ドラム21として、正帯電の有機感光体を用いた場合には、残留電位を100V以下にするために、感光層の膜厚を25μm以上に設定し、電荷発生材料の添加量を増やすことが重要である。特に、単層構造の有機感光体は感光層の中に電荷発生材料を添加することから、感光層の膜減りによっても感度変化が少なく、有利である。
この場合でも、現像バイアス電圧における、直流電圧成分DC2は400V以下、さらに好ましくは300V以下に設定することが、トナーに強い電界がかかることを防止する意味においても好ましい。また、感光体との電位差が1500Vを超えない程度に、当該DC2、VPPを設定することがリークを防止する観点からも好ましい。
ここで、現像ローラ245及び磁気ローラ244に対するバイアス電圧及びデューティ比について説明する。図7(a)は、従来の、現像ローラと磁気ローラとに対するバイアス電圧Vslv及びバイアス電圧Vmagと、バイアス電圧Vslv、VmagのMS間における合成バイアス電圧波形を示す図である。
図7(a)に示す波形921は、実線でバイアス電圧Vslvを示し、破線でバイアス電圧Vmagを示している。また、図7(a)に示す波形931は、バイアス電圧Vslv、Vmagによって生じるMS間の電圧(合成バイアス電圧)を示している。
図6に示す従来の電源接続構成を用いた場合、磁気ローラに対して現像ローラと同周期、同周波数で且つ逆位相の交流バイアスを印加する構成において、図7(b)の波形941で示すように、デューティ比(slv)≠100−デューティ比(mag)とすると、MS間の電位差は、図7(b)の符号951に示すような波形となる。すなわち、MS間には、波形941に示すバイアス電圧Vslv、Vmagの、最大バイアス電圧(Vmax)と最小バイアス電圧(Vmin)との間の電位が現れる。
そうすると、MS間電圧は、符号952で示すように、階段状の電圧波形となって、トナーの飛翔及び引き戻しの効果が低減してしまう。
ただし、デューティ比(slv)及びデューティ比(mag)はそれぞれ現像ローラ及び磁気ローラに対するデューティ比を示す。
したがって、図7(a)の符号931に示すような電圧を、MS間に印加しようとすると、MS間電圧に応じたデューティ比になるように、バイアス電圧Vslvのデューティ比を設定する必要が生じるため、バイアス電圧Vslvに基づく現像ローラへのトナー薄層形成時間が短くなるとともに現像ローラからの未現像トナーの回収時間も短くなる結果、効率が悪くなる。
本発明に係る実施形態では、MS間に掛かるバイアス電圧は、磁気ローラに印加するバイアス電圧Vb1と実質的に等しくなるため、現像ローラへのトナー薄層形成時間、及び現像ローラからの未現像トナーの回収時間は、磁気ローラに印加するバイアス電圧Vb1のみに依存する。
ここで、図6に示す従来の構成でデューティ比(slv)=100(%)−デューティ比(mag)とした場合には、MS間の合成波形は上記図7(a)のように、Vmagの絶対値とVslvの絶対値との加算値として現れ、この電圧による電界がトナーを移動させる力として働くのに対し、図2に示す本実施形態の構成では、MS間に掛かるバイアス電圧は、第1バイアス電源246の出力電圧がそのままMS間電圧となる。
したがって、図2に示す構成において、もし仮に第1バイアス電源246の出力電圧を図6におけるバイアス電圧Vmagと等しくすると、トナーを移動させる電界が弱くなってしまう。そのため、図2に示す本実施形態では、第1バイアス電源246が出力するバイアス電圧Vb1の出力電圧のVpp(ピークtoピーク電圧)を、図6におけるバイアス電圧Vmagよりも、大きくする必要がある。
第1の実施形態では、このようなプリンタ1を、以下の条件(現像条件)となるように構成(設定)した。すなわち、感光体ドラム21は上記a−Si感光体からなるa−Siドラムを用い、感光体ドラム21の外径(感光体ドラム径)を30mm、現像ローラ245の外径(現像ローラ径)を20mm、磁気ローラ244の外径(磁気ローラ径)を25mmとした。これらの周速は以下の通りである。
感光体ドラム21:300mm/sec
現像ローラ:450mm/sec
磁気ローラ:675mm/sec
また、現像ローラ245は、その表面をアルミ基材で構成し、このアルミ基材の表面をシリコン変性ウレタン樹脂により所定の厚みで被覆したものを用いた。ここではこの被覆厚を0.8μmとした。磁気ローラ244及び現像ローラ245間のギャップ(離間距離)は350μmとした。また、磁気ローラ244及び現像ローラ245に対する印加バイアス電圧は以下の通りである。
現像ローラ印加バイアス電圧Vb2:直流電圧Vdc2(DC2)=300V、交流電圧(AC2)VPP=1.6kV、周波数f=2.7kHz、デューティ比=30%
磁気ローラ印加バイアス電圧Vb1:直流電圧Vdc1(DC1)=400V、交流電圧(AC1)(現像ローラ245と同周期で且つ逆位相)VPP=2.8kV、周波数f=2.7kHz、デューティ比=70%
トナー:体積平均粒子径=6.5μm、個数分布のCV値=23.5%
キャリア:重量平均粒子径=45μm、飽和磁化=65emu/g
ただし、上記飽和磁化は、TOEI社製の「VSM−P7」を用いた、磁場79.6kA/m(1kOe)での測定により求めた。また、トナーの体積平均粒子径の個数分布におけるCV値は、ベックマン・コールター社製の「マルチサイザー3」を用いて、アパチャー径100μm(測定範囲2.0μm〜60μm)での測定により求めた。
なお、CV(coefficient of variation)値とは、粒子製品の粒子径(直径)の均一さ(粒径分布のシャープさ)を示す指標であり、平均粒子径に対する標準偏差の割合である。CV値が大きいほど粒度分布はブロードになり、小さいほど粒度分布はシャープなものとなる。ここでの、トナーの粒子径の個数分布におけるCV値は、トナー粒子径の標準偏差をトナーの平均粒子径で除した値として得られる。
この条件(現像条件)となる構成を備えたプリンタ1を動作させて、現像ローラ245上にトナー薄層を形成すると、現像ローラ245上のトナー薄層厚は12.5μmとなる。このトナー薄層厚は、KEYENCE社製のLASER SCAN DIAMETER LS−3100を用いて測定した。具体的には、トナー薄層が形成された現像ローラ径とトナー薄層が形成されていない現像ローラ径とを測定し、これらの差分をとることでトナー薄層を算出した。
このとき、図3に示すように、現像ローラ245上の該トナー薄層におけるトナー帯電量個数分布301の半値幅302は3.2(10−10C/m)、ピーク位置303は3.2(10−10C/m)となり、一方、磁気ローラ244上の2成分現像剤中におけるトナー帯電量個数分布311の半値幅312は3.1(10−10C/m)、ピーク位置313は3.1(10−10C/m)となる。
すなわち、両者の半値幅の差(半値幅差)は0.1(10−10C/m)となり、ピーク位置の差(ピーク位置差S1)は0.1(10−10C/m)となる。ただし、半値幅は、トナー帯電量個数分布のピーク高さが半分となるときの該分布の幅である。
なお、上記トナー帯電量個数分布は、ホソカワミクロン社製のE−SPART ANALAYZER MODEL EST−3を用いて測定した。具体的には、2成分現像剤を現像ローラ245上又は現像部24内から1g程度採取し、90mTの磁石に担持させてこのE−SPART ANALAYZERの測定位置(エアが当たる位置)に配置するとともに、現像ローラ245上のトナーは、エアがこのトナーに当たるように配置してこれら2成分現像剤及びトナーをそれぞれ測定する。
このとき、エア圧は0.55〜0.8kgf/cm(=0.055〜0.08Mpa)、PM VOLTAGE=−0.5kV、FILDE VOLTAGE=0.050kVとした。
このように、第1の実施形態では、トナーが上述のように正帯電性トナーの場合、現像ローラ245の表面をシリコン変性ウレタン樹脂で被覆することにより、トナーの選択的な移動が抑制される結果、2成分現像剤中のトナー粒度分布の変動が小さくなり、トナー帯電量個数分布の半値幅差が0.8(10−10C/m)以下を達成し、或いは、当該半値幅差が0.8(10−10C/m)以下で且つピーク位置差が1.0(10−10C/m)以下を達成できることを、実験的に見出した。
このシリコン変性ウレタン樹脂は、正帯電性トナーと同極性の帯電極性を持つウレタン樹脂成分を含有することで、磁気ローラ244に担持される磁気ブラシ又はシリコン変性ウレタン樹脂上に担持するトナーとの摩擦により負電荷が帯電することがない。そのため、シリコン変性ウレタン樹脂上に担持するトナーの帯電量が増大することがなく、従って電気的な付着力を増大させることがない。
また、シリコン成分による離型性も作用するため、トナーの現像ローラ245からの現像性を非常に増大させている。従って、現像ローラ245上に形成するトナー層厚を6〜15μmにし、移動するトナー量を減少させることによりシリコン変性ウレタン樹脂の効果で現像後に現像ローラ245上に残留するトナーが極端に少なくなる。そのため、現像ローラ245上に蓄積したトナーの帯電量の増大が抑制され、現像ローラ245上におけるトナー帯電量個数分布の変動が低減される結果、トナー薄層形成も安定して行えるため、現像ローラ245上のトナーと磁気ローラ244におけるトナーのトナー帯電量個数分布を変動しないようにすることが可能となる。
(第2実施形態)
第2の実施形態では、上記プリンタ1を、以下の条件(現像条件)となるように構成(設定)した。すなわち、感光体ドラム21は上記a−Si感光体からなるa−Siドラムを用い、感光体ドラム径を30mm、現像ローラ径を20mm、磁気ローラ径を25mmとした。これらの周速は以下の通りである。
感光体ドラム21:300mm/sec
現像ローラ:450mm/sec
磁気ローラ:675mm/sec
また、現像ローラ245は、その表面をアルミ基材で構成し、このアルミ基材の表面をアルマイト処理(上記第1の実施形態ではシリコン変性ウレタン樹脂で被覆している)したものを用いた。磁気ローラ244及び現像ローラ245間のギャップ(離間距離)は350μmとした。
また、磁気ローラ244及び現像ローラ245に対する印加バイアス電圧は以下の通りである。また、交流電圧(AC1)、(AC2)の波形を図8に示す。
現像ローラ印加バイアス電圧Vb2:直流電圧Vdc2(DC2)=300V、交流電圧(AC2)VPP=1.6kV、周波数f=2.7kHz、デューティ比=50%(第1の実施形態では30%)
磁気ローラ印加バイアス電圧Vb1:直流電圧Vdc1(DC1)=400V、交流電圧(AC1)(現像ローラ245と同周期で且つ逆位相)VPP=2.8kV、周波数f=2.7kHz、デューティ比=65%(第1の実施形態では70%)
トナー:体積平均粒子径=6.5μm、個数分布のCV値=23.5%
キャリア:重量平均粒子径=45μm、飽和磁化=65emu/g
第1の実施形態と同様、上記飽和磁化は、TOEI社製の「VSM−P7」を用いた、磁場79.6kA/m(1kOe)での測定により求めた。また、トナーの体積平均粒子径及び個数分布のCV値は、ベックマン・コールター社製の「マルチサイザー3」を用いた、アパチャー径100μm(測定範囲2.0μm〜60μm)での測定により求めた。
この現像条件となる構成を備えたプリンタ1を動作させて、現像ローラ245上にトナー薄層を形成すると、現像ローラ245上のトナー薄層厚は14.5μm(第1の実施形態では12.5μm)となる。このトナー薄層厚は、KEYENCE社製のLASER SCAN DIAMETER LS−3100を用いて測定し、上記と同様、トナー薄層が形成された現像ローラ径とトナー薄層が形成されていない現像ローラ径との差分をとることでトナー薄層を算出した。
このとき、図4に示すように、現像ローラ245上の該トナー薄層におけるトナー帯電量個数分布401の半値幅402は3.4(10−10C/m)、ピーク位置403は2.4(10−10C/m)となり、一方、磁気ローラ244上の2成分現像剤中におけるトナー帯電量個数分布411の半値幅412は3.5(10−10C/m)、ピーク位置413は2.8(10−10C/m)となる。すなわち、両者の半値幅の差(半値幅差)は0.1(10−10C/m)となり、ピーク位置の差(ピーク位置差S2)は0.4(10−10C/m)となる。
このように、第2の実施形態では、磁気ローラ244すなわち2成分現像剤に、印加する交流バイアス電圧(交流電圧)のデューティ比(65%)を上記Duty(mag)とし、現像ローラ245に印加する交流バイアス電圧のデューティ比(50%)を上記Duty(slv)としたとき、100(%)−Duty(mag)<Duty(slv)(100−65<50)とすることにより、磁気ローラ244から現像ローラ245にトナー薄層を形成するために好適なバイアス条件と、現像ローラ245から感光体ドラム21上へトナー像を形成するために好適なバイアス条件とを達成することができた。
これにより、トナーの選択的な移動が抑制されて、トナー帯電量個数分布の半値幅差が0.8(10−10C/m)以下を達成し、或いは当該半値幅差が0.8(10−10C/m)以下で且つピーク位置差が1.0(10−10C/m)以下にできることを実験的に見出した。
(第3実施形態)
上記第2の実施形態では、Duty(slv)=50%、Duty(mag)=65%としたが、これに限らず、上記100(%)−Duty(mag)<Duty(slv)を満たす、例えばDuty(slv)=35%、Duty(mag)=70%としてもよい。この場合の交流電圧(AC1)、(AC2)の波形を図9に示す。
この場合も、トナー帯電量個数分布の半値幅差が0.8(10−10C/m)以下を達成する、或いは当該半値幅差が0.8(10−10C/m)以下で且つピーク位置差が1.0(10−10C/m)以下にできることを実験的に見出した。
これら第1〜第3の実施形態に係る画像形成装置で用紙に画像を形成した場合の結果を図5に示す表に纏めた。図5には、第1〜第3の実施形態について得られた実験結果を、それぞれ実施例1〜3として記載している。また、本発明に係る他の実施例を、実施例4〜8として記載している。この表中には従来の場合の比較例1〜4も併記している。なお、図中の画像ムラ評価指数A、画像濃度ID、及びゴーストの具体的な評価方法については後述する。
図5に示すように、上記第1〜第3の実施形態における条件の下、印字率6%の画像を10000枚まで出力して画像ムラ評価指数Aを求めた。画像ムラ評価指数Aは、値が大きいほど画像のムラが大きいことを示している。図5においては、0.15を超えている画像ムラ評価指数Aを括弧で囲んで示している。
図5に示すように、本発明に係る実施例1〜3では、それぞれA=0.115、0.120、0.145(A≦0.15)となった。また、他の実施例4〜8においても、画像ムラ評価指数Aが0.15となり、良好な結果が得られた。
一方、従来例である比較例1,2,4では、画像ムラ評価指数Aが0.15を超えており、本発明に係る実施例1〜8の条件を満たすことにより、画像ムラが低減できることが確認できた。
また、画像濃度を評価するための評価指数である画像濃度IDを、1000枚印刷後に求めた。画像濃度IDは、値が大きいほど画像濃度が良好であることを示している。図5では、1.30に満たない画像濃度IDを括弧で囲んで示している。
図5に示すように、本発明に係る実施例1〜8では、いずれも従来例である比較例1〜3よりも画像濃度IDの値が大きくなった。これにより、本発明に係る実施例1〜8の条件を満たすことにより、従来例に係る画像形成装置よりも、印刷を繰り返した後の画像濃度を良好に維持できることが確認できた。
また、現像画像の一部が次の現像時に残像として現れるゴーストについて、目視による評価を行った。その結果、図5に示すように、本発明に係る実施例1、2、4〜6では、極めて良好な結果が得られ、実施例3、7、8についても良好な結果が得られた。一方、従来例である比較例1、2、4では、ゴーストについて、良好な結果が得られなかった。
このように、本発明に係る実施例1〜8において、長期に亘って安定して画像ムラやゴースト画像の発生が低減され、高画質な画像が得られることが確認できた。一方、従来例である比較例1〜4においては、画像ムラ評価指数Aが0.15以下、画像濃度IDが1.30以上、ゴーストが優又は良の評価条件を全て満足するものは一つもない。
本発明に係る実施例1〜8は、いずれの場合も、トナー薄層厚は6μm〜15μmの範囲の値となる(比較例1〜4に示す従来の場合はトナー薄層厚が15μm以上となる)。ここではこのトナーの層厚を可能な限り薄くしたい。トナーの層厚を薄くすることで、現像ローラ245上のトナーが全て(可能な限り)現像に使用されるようにして、現像ローラ245上の現像残トナーが感光体ドラム21に戻ることなどによる画像濃度不良やカブリ等の不具合の発生防止を図ることが可能となる。
また、図5の本発明に係る実施例1〜8は、いずれの場合も、トナー帯電量個数分布の半値幅差が0.8(10−10C/m)以下の条件を満たし、さらにはピーク位置差が1.0(10−10C/m)以下の条件をも満たしている。
このことは、上記図3、図4に示すように、現像ローラ245上のトナー薄層におけるトナー帯電量個数分布と、磁気ローラ244上の2成分現像剤中におけるトナー帯電量個数分布との差(ズレ)が小さいことを示している。トナー帯電量個数分布の差が小さく一致度が高い図3の場合の方が図4の場合よりも好ましい。
このように半値幅差の値が小さければ、或いは、該半値幅差及びピーク位置差の値が小さければ、現像ローラ245上のトナー薄層におけるトナー帯電量個数分布(301、401)と、磁気ローラ244上の2成分現像剤中におけるトナー帯電量個数分布(311、411)との差も小さいことになり、磁気ローラ244及び現像ローラ245間(或いは現像ローラ245及び感光体ドラム21間)のトナー移動の選択性を小さくすることができるため、画像濃度不良(ムラ)等の発生を防止することができる。
これは次のように換言することもできる。すなわち、各トナー帯電量個数分布の半値幅及びピーク位置がずれないということは、帯電し易く移動し易いトナーの選択的な移動が生じていないということであり、更に現像ローラ及び磁気ローラ間或いは現像ローラ上でのトナーの所謂チャージアップも抑制していることを示している。
また、第2及び第3の実施形態(表中の実施例2、3)では、Duty(slv)及びDuty(mag)はそれぞれ50、65%及び35、70%であるが(実施例1の場合のデューティ比30、70%は従来一般的な値である)、このDuty(slv)は35〜65%、Duty(mag)は40〜70%の範囲であることが望ましい。ただし、上記100(%)−Duty(mag)<Duty(slv)の条件は満たすようにする。
このように現像ローラ245に印加する交流バイアス電圧のDuty(slv)を35〜65%とすることで、現像ローラ245上に形成されたトナー薄層の潜像に対応する部分のトナーの残量が殆ど無い程度に現像することが可能である。また、磁気ローラ244に印加する交流バイアス電圧のDuty(mag)を40〜70%とし、当該交流バイアス電圧のピークtoピーク電圧Vppを現像ローラ245及び磁気ローラ244間でリークが起こらない程度の範囲で大きくすることにより、現像ローラ245への選択的なトナーの移動を抑制するとともに、現像ローラ245上の未現像トナーの引き戻しも十分に行うことができるため、長期に亘って所要の画像濃度を得ることができ、画像ムラの発生も抑制でき、さらにゴースト現象の発生をも抑制することが可能となる。
なお、上記画像ムラ評価指数Aは、画像が形成された用紙の複数箇所の輝度Piから以下の式(1)〜(4)を用いて求めた。ただし、黒色で塗りつぶしたベタ部分の輝度をPmax、白紙の輝度をPminとする。この輝度は王子計測機器社製のDot Analyzer DA−6000を用いて測定した。上述の第1〜第3の実施形態においては、25%網点面積率(600dpi)のハーフトーン画像をEPSON社製のカラースキャナES8500を用いて3000dpiで取り込んで得られた画像データを用いて用紙に画像を形成した。そしてこの用紙の複数箇所で輝度Piを測定した。輝度Piの測定には、上記Dot Analyzer DA−6000を用いた。
Di=Log[(Pmax−Pi)/Pmin] ・・・(1)
A=σ/Da ・・・(4)
但し、Pi:輝度、Di:輝度の画像濃度への換算値
画像ムラ評価指数Aの算出においては、先ず式(1)により、輝度データを濃度換算する。濃度換算するときには、Pmax(黒色で塗りつぶされたSolid部の輝度)とPmin(白紙部の輝度)に対するPiの相対濃度を求めて、濃度が高くなるほど画像濃度のムラが見え難くなる(輝度に現れ難くなる)ことから、Logをとって補正する。
次に、式(2)を用いてDiの平均値Daを算出する。そして、式(3)を用いてDiの平均値Daからのズレ量の平均を、平均二乗偏差(Root Mean Square)σとして算出し、所謂“フレ”を計算する。そして、式(4)を用いて、画像ムラ評価指数Aを算出する。
また、第1バイアス電源246によって、上記2成分現像剤(磁気ローラ244)に印加する交流電圧の周波数をf(mag)、第2バイアス電源247によって、現像ローラ245に印加する交流バイアス電圧の周波数をf(slv)とすると、f(mag)>f(slv)であり且つf(mag)を2.5kHz以上とすることによっても、半値幅差を0.8(10−10C/m)以下、さらにピーク位置差を1.0(10−10C/m)以下とする効果が得られる。
画像濃度IDは、以下のようにして求めた。まず、図10で示される評価画像を出力した。図10は、画像濃度IDの評価のための評価画像120の一例を示す。この評価画像120は、図10に示すように、ベタ部121を5箇所有する画像である。
次に、5箇所のベタ部121の画像濃度IDをそれぞれ測定し、その平均値を本評価の画像濃度IDとし、以下の基準で評価した。なお、画像濃度IDは、サカタインクスエンジニアリング株式会社製のグレタグマクベス ポータブル反射濃度計RD−19を用いて測定した。
ゴーストは、以下のようにして評価した。まず、図11(a)で示される評価画像を出力した。図11(a)及び図11(b)は、ゴースト評価を説明するための図面である。図11(a)は、ゴースト評価のための評価画像130の一例を示し、図11(b)は、ゴーストが発生したときの出力画像135の一例を示す。この評価画像130は、図11(a)に示すような、3箇所の網点面積率100%のベタ部131と、その印刷方向後端側に網点面積率10%又は25%のハーフトーン画像132とを含む画像である。
次に、出力された出力画像に、ハーフトーン画像132の中に、図11(b)に示すようなゴースト(残像)133が形成されているか否かを目視で判断し、以下の基準で評価した。
優 :ハーフトーン画像132が10%のハーフトーン画像であっても、ゴースト133が確認されない。
良 :ハーフトーン画像132が10%のハーフトーン画像である場合、わずかにゴースト133が確認されるが、ハーフトーン画像132が25%のハーフトーン画像である場合には、ゴースト133が確認されない。
不可:ハーフトーン画像132が25%のハーフトーン画像であっても、明らかにゴースト133が確認される。
以上のように本発明における画像形成装置(プリンタ1)によれば、画像形成装置が、静電潜像が担持される潜像担持体と、潜像担持体に対向配置され、静電潜像を現像するべく該現像領域に搬送されるトナーを担持するトナー担持体と、トナー担持体と対向配置され、2成分現像剤を担持して該2成分現像剤中のトナーをトナー担持体に供給する現像剤担持体と、調整部とを備えたものとされ、調整部によって、トナー担持体上に担持されるトナーの層厚が6μm〜15μmにされるとともに、トナー担持体上に担持されたトナーの帯電量に対する個数の分布である第1トナー帯電量個数分布と、現像剤担持体に担持された2成分現像剤中のトナーの帯電量に対する個数の分布である第2トナー帯電量個数分布との半値幅の差が0.8(10−10C/m)以下にされる。
このように、トナーの層厚が6μm〜15μmと薄くなるので、トナー担持体(現像ローラ)上のトナーが全て(可能な限り)現像に使用されるようにしたり、或いはトナー担持体上の現像残トナーが潜像担持体(感光体ドラム)に戻らないようにしたりすることができる。また、上記半値幅差が0.8(10−10C/m)以下と小さくなるので、トナー担持体上のトナー薄層におけるトナー帯電量個数分布と、現像剤担持体上の2成分現像剤中におけるトナー帯電量個数分布との差(ズレ)を小さくする(一致するようにする)ことができ、トナー担持体及び現像剤担持体間(或いは現像剤担持体及び潜像担持体間)のトナー移動の選択性を小さくすることができる。これらのことから、画像濃度不良、カブリ、トナー飛散、ゴースト現象等を抑制し、長期に亘って安定した性能を維持することが可能となる。
また、調整部によって、上記第1及び第2トナー帯電量個数分布の半値幅差が0.8(10−10C/m)以下にされるのに加えて、第1及び第2トナー帯電量個数分布のピーク位置の差が1.0(10−10C/m)以下にされるので、トナー担持体上のトナー薄層におけるトナー帯電量個数分布と、現像剤担持体上の2成分現像剤中におけるトナー帯電量個数分布との差(ズレ)をより一層小さくする(一致するようにする)ことができ、トナー担持体及び現像剤担持体間(或いは現像剤担持体及び潜像担持体間)のトナー移動の選択性をより確実に小さくすることができる。
また、調整部が、トナー担持体の表面に所定厚で被覆されるシリコン変性ウレタン樹脂とされるので、トナー担持体上にシリコン変性ウレタン樹脂を被覆するという簡易な構成(方法)によって、該調整部による上記トナーの層厚を6μm〜15μmにして、半値幅差を0.8(10−10C/m)以下にする、或いは、半値幅差及びピーク位置差を0.8(10−10C/m)以下及び1.0(10−10C/m)以下にすることを容易に実現することができる。
また、調整部が、100(%)−Duty(mag)<Duty(slv)の条件を満たすデューティ比でトナー担持体に交流バイアス電圧を印加する第1バイアス印加部と現像剤担持体に交流バイアス電圧を印加する第2バイアス印加部とされるので、当該条件を満たすデューティ比でトナー担持体に交流バイアス電圧を印加するという簡易な構成(方法)によって、該調整部による上記トナーの層厚を6μm〜15μmにして、半値幅差を0.8(10−10C/m)以下にする、或いは、半値幅差及びピーク位置差を0.8(10−10C/m)以下及び1.0(10−10C/m)以下にすることを容易に実現することができる。
さらに、第2バイアス印加部は、第1バイアス印加部と直列接続され、当該第1バイアス印加部を介してグラウンドに電気的接続されているので、現像剤担持体に印加されるバイアス電圧が、トナー担持体に印加されるバイアス電圧をベースとしてこのバイアス電圧に重畳された構成をとることができる結果、トナー担持体及び現像剤担持体(トナー担持体及び現像剤担持体間或いは現像剤担持体及び潜像担持体間)に印加する交流バイアス電圧すなわち上記デューティ比を個別に調整することが容易に可能となる。
第1の実施形態に係る画像形成装置の一例であるプリンタの概略構成図である。 第1〜第3の実施形態における磁気ローラ及び現像ローラへバイアス電圧を印加する構成を説明するための模式図である。 第1の実施形態での現像ローラ及び磁気ローラにおけるトナー帯電量個数分布を示すグラフ図である。 第2の実施形態での現像ローラ及び磁気ローラにおけるトナー帯電量個数分布を示すグラフ図である。 第1〜第3の実施形態におけるプリンタの動作結果を表として纏めた図である。 従来の磁気ローラ及び現像ローラへバイアスを印加する構成を示す模式図である。 (a)は、従来の現像ローラに印加されるバイアス電圧Vslvと、磁気ローラに印加されるバイアス電圧Vmagと、MS間の電圧(Vmag−Vslv)とを示す図である。(b)は、従来の構成において、バイアス電圧Vslvとバイアス電圧Vmagとのデューティ比の合計が100%にならない場合におけるバイアス電圧Vslv、バイアス電圧Vmag、及びMS間の電圧(Vmag−Vslv)を示す図である。 第2の実施形態における交流電圧(AC1)、(AC2)の波形図である。 第3の実施形態における交流電圧(AC1)、(AC2)の波形図である。 画像濃度IDの評価のための評価画像の一例を示す図面である。 (a)は、ゴースト評価のための評価画像の一例を示す図面である。(b)は、ゴーストが発生したときの出力画像の一例を示す図面である。
符号の説明
1 プリンタ(画像形成装置)
2、2M、2C、2Y、2K 画像形成部
21 感光体ドラム(潜像担持体)
24 現像部
241 現像剤容器
242 攪拌ミキサー
243 パドルミキサー
244 磁気ローラ(現像剤担持体)
245 現像ローラ(トナー担持体)
246 第1バイアス電源(調整手段)
247 第2バイアス電源(調整手段)
31 中間転写ローラ
32 中間ベルト
36 2次転写ローラ
4 給紙部
5 定着部
6 制御部
7 ネットワークI/F部
8 操作パネル部
G グランド

Claims (5)

  1. トナー及びキャリアを含む2成分現像剤を用いる画像形成装置であって、
    静電潜像が担持される潜像担持体と、
    前記潜像担持体に対向配置され、前記静電潜像を現像するべく該現像領域に搬送される前記トナーを担持するトナー担持体と、
    前記トナー担持体と対向配置され、前記2成分現像剤を担持して該2成分現像剤中のトナーを前記トナー担持体に供給する現像剤担持体と、
    前記トナー担持体上に担持されるトナーの層厚を6μm〜15μmにするとともに、
    前記トナー担持体上に担持されたトナーの帯電量に対する個数の分布である第1トナー帯電量個数分布と、前記現像剤担持体に担持された2成分現像剤中のトナーの帯電量に対する個数の分布である第2トナー帯電量個数分布との半値幅の差を0.8(10−10C/m)以下にする調整部とを備え
    前記調整部は、
    前記第1及び第2トナー帯電量個数分布のピーク位置の差を1.0(10 −10 C/m)以下にし、
    前記第1トナー帯電量個数分布の半値幅は、2.8〜3.4(10 −10 C/m)の範囲内にされ、
    前記第2トナー帯電量個数分布の半値幅は、3.1〜3.5(10 −10 C/m)の範囲内にされている
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記調整部は、
    前記トナー担持体の表面に所定厚で被覆されるシリコン変性ウレタン樹脂を含むことを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  3. 前記調整部は、
    前記トナー担持体に、デューティ比がDuty(slv)である交流バイアス電圧を印加する第1バイアス印加部と、
    前記現像剤担持体に、デューティ比がDuty(mag)である交流バイアス電圧を印加する第2バイアス印加部とを含み、
    前記Duty(slv)、及び前記Duty(mag)が、
    100(%)−Duty(mag)<Duty(slv)の条件を満たすデューティ比に設定されていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1バイアス印加部が出力する前記交流バイアス電圧の周波数をf(mag)とし、前記第2バイアス印加部が出力する前記交流バイアス電圧の周波数をf(slv)とすると、f(mag)>f(slv)であり、かつf(mag)は2.5kHz以上であること
    を特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  5. 前記第2バイアス印加部は、前記第1バイアス印加部と直列接続され、当該第1バイアス印加部を介してグラウンドに電気的接続されていること
    を特徴とする請求項又はに記載の画像形成装置。
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