JP4651901B2 - 両面印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷装置に関し、詳しくは1工程で用紙の両面に印刷を行うことが可能な両面印刷装置の製版関係の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、簡便な印刷方法としてデジタル式感熱孔版印刷が知られている。この孔版印刷装置は、微細な発熱素子が一列に配置されたサーマルヘッドを感熱孔版マスタ(以下、「マスタ」という)に接触させ、パルス的に発熱素子に通電させながらマスタを搬送することで画像情報に応じてマスタを加熱溶融穿孔し、このマスタを多孔性円筒状の版胴の外周面に巻装した後、用紙を介して版胴の外周面をプレスローラー等の押圧手段によって押圧することで、マスタ穿孔部よりインキを透過させてこれを用紙に転移させることにより印刷画像を得るものである。
【0003】
この孔版印刷において、近年では用紙の消費量及び書類の保管スペースを低減させるため等の目的から、用紙の両面に印刷を行う両面印刷が頻繁に行われるようになってきている。この両面印刷は、従来の方法では給紙部に積載した用紙を印刷部に通紙し、一面に印刷をした後に用紙を裏返して再度印刷部に通紙して他面に印刷をすることで両面印刷物を得ていたが、一度排紙された用紙を再度給紙部にセットしたり片面印刷後の用紙を揃えたりする作業が面倒であるという問題点があった。
【0004】
また、印刷終了後の印刷物はインキが十分に乾燥していないため、すぐに裏面に印刷しようとすると搬送ローラーやプレスローラー等が画像部に押し付けられて印刷画像が汚れたり乱れたりするという不具合が生じ、大抵の場合には数時間以上経過してから裏面への印刷を行っていた。特に、ベタ画像部がある場合には長時間の乾燥が必要であり、翌日になってから裏面への印刷が行われていた。
このように両面印刷は、一面印刷後に他面に印刷を行うまでには用紙を長時間乾燥させねばならず、しかも印刷部への通紙を2回行うために正味の印刷時間においても片面印刷に比べて2倍の時間を要し、時間がかかりすぎるという問題点があった。
【0005】
上述の問題点を解決するため、第1の版胴と、用紙搬送路を介して第1の版胴と対向配置された第2の版胴と、第1の版胴の外周面と第2の版胴の外周面とを互いに接離させる接離手段とを具備し、接離手段を作動させて各版胴同士を互いに圧接させることにより1工程で両面印刷物を得る孔版印刷装置が特開平6−71996号公報及び特開平6−135111号公報に開示されている。
【0006】
また、第1の版胴と、用紙搬送路を介して第1の版胴に対向配置され第1の版胴に対して圧接・離間可能に設けられた第1の押圧手段と、第1の版胴より用紙搬送方向下流側であって用紙搬送路を介して第1の版胴と対向する側に配置された第2の版胴と、用紙搬送路を介して第2の版胴に対向配置され第2の版胴に対して圧接・離間可能に設けられた第2の押圧手段とを具備し、第1の版胴と第1の押圧手段とを圧接させた後、第2の版胴と第2の押圧手段とを圧接させることにより1工程で両面印刷物を得る孔版印刷装置が特開平8−90893号公報及び特開平8−142477号公報に開示されている。
【0007】
さらに、版胴の回転方向に第1製版画像と第2製版画像とが2面並んだ分割製版済みマスタを用い、何れか一方の製版画像の画像領域と対応させてプレスローラーを版胴に直接当接させつつ版胴と共に回転させてプレスローラーの外周面に一方の製版画像と対応する第1印刷画像を転写する第1工程と、第1工程後に他方の製版画像の画像領域と第1印刷画像とが対応すべく、印刷用紙を介してプレスローラーを版胴に当接させつつ版胴と共に回転させて用紙のプレスローラーと対応する第1の面に第1印刷画像を再転写させると同時に、用紙の版胴と対応する第2の面に他方の製版画像と対応する第2印刷画像を転写させる第2工程とにより1工程で両面印刷物を得る孔版印刷方法、及びこれを行う孔版印刷装置が特開平8−332768号公報に開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平6−71996号公報及び特開平6−135111号公報に開示された技術では、2個の版胴を上下に配置してこれらを互いに圧接させる構成であるため片面印刷時においても各版胴同士を圧接させる必要があり、一方の版胴には製版済みマスタを、他方の版胴には未製版のマスタをそれぞれ巻装しなくてはならず、片面印刷時にはマスタが無駄に消費されてしまうという問題点がある。また、外周面上にマスタを保持するためのクランパーをそれぞれ有する2個の版胴を互いに圧接させるために各クランパーが向かい合う位置では各版胴を離隔させる必要が生じ、印刷速度が速くなるとこの離隔によって互いの版胴が接触する面積が減少して画像量域が減少するため、画像量域を確保するためには各版胴の外径を大きくする必要が生じて装置の小型化が困難となると共に、各版胴の接触時において大きな騒音が発生するという問題点がある。
【0009】
特開平8−90893号公報及び特開平8−142477号公報に開示された技術では、上述と同様に片面印刷時において一方の版胴に未製版のマスタを巻装する必要があり、マスタが無駄に消費されてしまうという問題点がある。また、用紙搬送方向に2個の版胴を直列に並べているため、片面印刷用の孔版印刷装置に比して装置が2倍近くも大きくなり、その設置スペースの確保が困難になるという問題点がある。
【0010】
特開平8−332768号公報に開示された技術では、第1製版画像及び第2製版画像(表面画像及び裏面画像)のうちの何れか一方を版胴から用紙に直接転写させ、他方をプレスローラーに転写させた後に用紙に再転写させているため、印刷用紙上における画像濃度が表面と裏面とで異なってしまうという問題点がある。
【0011】
本発明は上述の問題点を解決し、無駄なマスタを用いることなく片面印刷を行うことができると共に両面印刷時には画質良好な印刷物を得ることができ、さらに設置スペースの増大を抑制することが可能な1工程両面印刷装置における製版に関する技術の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、原稿上の画像に基づき、両面印刷時においてマスタの長さ方向に第1製版画像と第2製版画像とを有する分割製版済みマスタを製版し、片面印刷時において第1製版画像と第2製版画像との2面分の画像領域をもった第3製版画像を有する製版済みマスタを製版する製版部と、前記分割製版済みマスタまたは前記製版済みマスタを外周面上に巻装する版胴及び版胴の回転位置を検出するホームポジションセンサー並びにエンコーダー及び前記版胴に対して接離自在に設けられたプレスローラーを有する印刷部と、用紙を積載する給紙トレイを有し、前記用紙を前記印刷部に向けて給送する給紙部と、前記印刷部において印刷がなされた印刷済み用紙を機外に排出する排紙部と、前記印刷部においてその表面に印刷画像を形成された表面印刷済み用紙を一時的に貯容する補助トレイと、前記補助トレイ上に貯容された表面印刷済み用紙を前記プレスローラーに向けて搬送する再給紙搬送部材と、前記再給紙搬送部材によって搬送された表面印刷済み用紙を前記プレスローラーの手前の所定位置で一時停止させる再給紙位置決め部材と、前記再給紙位置決め部材によって所定位置で一時停止された表面印刷済み用紙を所定のタイミングで回転中の前記プレスローラーに接触させる再給紙レジスト部材と、前記再給紙レジスト部材によって回転中の前記プレスローラーに接触され前記プレスローラーの回転力によって搬送される表面印刷済み用紙を前記プレスローラーの周面に当接させて前記印刷部に向けて案内する再給紙案内部材とを有し、前記補助トレイから前記プレスローラーの外周面に沿う態様で前記印刷部に向けて再給紙する再給紙手段と、前記印刷部を通過した用紙を前記補助トレイまたは前記排紙部の何れかに案内する切換部材とを有し、両面印刷時に、前記給紙部より1枚目の用紙を前記印刷部に給送してその表面に第1製版画像または第2製版画像の何れか一方を印刷し、印刷された1枚目の用紙を前記切換部材により前記補助トレイに案内した後、前記給紙部より2枚目の用紙を前記印刷部に給送してその表面に第1製版画像または第2製版画像の何れか一方を印刷すると共に前記再給紙手段により1枚目の用紙を前記印刷部に再給紙してその裏面に第1製版画像または第2製版画像の何れか他方を印刷し、前記切換部材により1枚目の用紙を前記排紙部に、2枚目の用紙を前記補助トレイにそれぞれ案内し、片面印刷時に、前記給紙部より用紙を前記印刷部に給送してその表面に第3製版画像を印刷し、印刷された用紙を前記切換部材により前記排紙部に案内する両面印刷装置であって、前記給紙部は前記ホームポジションセンサー並びにエンコーダーからの信号に基づいて第1製版画像及び第3製版画像に合致するタイミングで前記用紙を前記印刷部に向けて給送すると共に、前記再給紙手段は前記ホームポジションセンサー並びにエンコーダーからの信号に基づいて第2製版画像に合致するタイミングで前記補助トレイ上の表面印刷済み用紙を前記印刷部に向けて再給紙し、両面印刷時において、前記製版部は前記用紙のサイズにかかわらず、前記マスタの先端から第1の距離だけ離れた第1の位置から第1製版画像を作成した後に第1の位置から第2の距離だけ離れた第2の位置から第2製版画像を作成することを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の両面印刷装置において、さらに両面印刷時において前記製版部は第1製版画像及び第2製版画像をそれぞれ個別に回転して製版可能であることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の両面印刷装置において、さらに前記原稿のサイズ及び向きを検知する原稿サイズ検知手段と前記用紙のサイズ及び向きを検知する用紙サイズ検知手段とを有し、前記用紙の向きに合わせて前記各製版画像を回転して製版することを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載の両面印刷装置において、さらに両面印刷時に前記製版部は左右開きの印刷物が得られる第1の製版動作と上下開きの印刷物が得られる第2の製版動作とを行うことができ、前記製版部に第1の製版動作を行わせるか第2の製版動作を行わせるかを切り換える製版動作切換手段を有することを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の両面印刷装置において、さらに両面印刷時に第1製版画像の画像領域及び第2製版画像の画像領域以外の無製版領域における前記マスタの搬送速度を前記各画像領域における前記マスタの搬送速度に比して高速とすることを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか1つに記載の両面印刷装置において、さらに前記製版部は前記マスタを切断する切断手段を有し、第2製版画像または第3製版画像の形成後、前記切断手段は前記マスタの前記各画像領域よりもマスタ搬送方向下流側の未製版部分を通常の長さよりも短い長さで切断することを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか1つに記載の両面印刷装置において、さらに両面印刷時に前記給紙トレイ上に積載された前記用紙のサイズが前記製版部で製版された通常の長さの前記分割製版済みマスタ及び製版済みマスタのサイズの2分の1を超えた場合に警告を発する警告手段を有することを特徴とする。
【0020】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし7の何れか1つに記載の両面印刷装置において、さらに前記製版部は第1製版画像及び第2製版画像及び第3製版画像のそれぞれについて印刷物の綴じ代に対応した余白部を形成可能であることを特徴とする。
【0021】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の両面印刷装置において、さらに前記余白部の大きさを設定する余白部設定手段を有することを特徴とする。
【0022】
【実施例】
図1は、本発明の一実施例を採用した両面印刷装置を示している。同図において両面印刷装置1は、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読取部7、補助トレイ8、再給紙手段9、切換部材10等を有している。
【0023】
印刷装置本体11のほぼ中央に配設された印刷部2は、版胴12とプレスローラー13とを有している。
版胴12は、インキ供給パイプを兼ねた支軸14に回転自在に支持された図示しない一対のフランジと、各フランジの外周面に巻装された図示しない多孔性支持板と、図示しない多孔性支持板の外周面に巻装された図示しないメッシュスクリーンとから主に構成されており、版胴駆動手段121(図8参照)によって回転駆動されると共に印刷装置本体11に対して着脱可能に構成されている。本実施例において版胴12は、その直径が180mmであって片面印刷時において最大でA3サイズの印刷物を得ることが可能に構成されている。
【0024】
版胴12の内部にはインキ供給手段15が配設されている。インキ供給手段15は、支軸14、インキローラー16、ドクターローラー17等を有している。
インキローラー16は版胴12内に設けられた図示しない側板間に回転自在に支持されており、その周面を版胴12の内周面に近接して配置され、図示しない駆動手段によって版胴12と同方向に回転駆動される。ドクターローラー17も前記側板間に回転自在に支持されており、その周面をインキローラー16の周面に近接して配置され、図示しない駆動手段によって版胴12とは逆方向に回転駆動される。支軸14には複数の小さな孔が穿設されており、支軸14から供給されたインキがインキローラー16とドクターローラー17との近接部に形成される断面楔形状の空間に溜まることによりインキ溜まり18が形成される。
【0025】
版胴12の外周面上には、版胴12の一母線に沿った平面をなす図示しないステージ部が形成されており、この上には版胴12の外周面上にマスタの先端を保持させるクランパー19が配設されている。クランパー19は、版胴12が所定の位置まで回転されたときに図示しない開閉手段によって開閉される。
【0026】
版胴12の下方にはプレスローラー13が配設されている。プレスローラー13は金属製の芯部13aにゴム等の弾性体を巻成して構成されており、版胴12の軸方向に延在して設けられている。プレスローラー13は、図2に示すように芯部13aの両端部を一対のアーム部材20によって回転自在に支持されている。ほぼL字形状を呈する各アーム部材20は、その曲折部近傍の部位に取り付けられた揺動軸21によってそれぞれ一体化されており、揺動軸21は印刷装置本体11によって回動自在に支持されている。本実施例においてプレスローラー13は、少なくともその周面がポリテトラフルオロエチレン樹脂等の撥インキ性を有する部材によって構成されている。
【0027】
各アーム部材20間には、プレスローラー13の他、再給紙案内部材22、再給紙レジストローラー23、再給紙位置決め部材24、再給紙搬送部材25、クリーニングローラー26、ガイド板27等が設けられている。
【0028】
プレスローラー13の右方近傍に配設された再給紙案内部材22は、各支軸28a,29a,30a上にそれぞれ一体的に設けられそれぞれの周面をプレスローラー13の周面に圧接させた複数のころ状のローラー28,29,30と、用紙Pをプレスローラー13の周面に沿わせるための曲面状に形成された用紙ガイド板31とを有している。各支軸28a,29a,30aはそれぞれの両端部を各アーム部材20に回転自在に支持されており、図示しない付勢手段によってそれぞれ芯部13aに向けて付勢されている。各ローラー28,29,30は、対応する支軸28a,29a,30aに、プレスローラー13のほぼ全幅にわたってそれぞれ所定の間隔をもって一体的に取り付けられている。用紙ガイド板31はプレスローラー13の周面から各ローラー28,29,30の半径よりも小さな距離である所定距離だけ離れた位置に配設されており、その両端部を各アーム部材20に固着されている。用紙ガイド板31は芯部13aを中心とした円弧を形成する曲面となるように形成されており、用紙ガイド板31には各ローラー28,29,30の周面をプレスローラー13の周面に当接させるための複数の開口部が形成されている。
【0029】
プレスローラー13の下方には再給紙レジストローラー23が配設されている。ころ状の再給紙レジストローラー23は支軸23aに回転自在に支持されており、支軸23aは揺動アーム32の一端に取り付けられている。ほぼへ字形状を呈する揺動アーム32は各アーム部材20間に固設された支軸32aにその曲折部を揺動自在に支持されており、その配設位置は再給紙レジストローラー23がプレスローラー13の幅方向のほぼ中央部に位置し、かつ自身が各ローラー30の配設位置の中間に位置するように定められている。揺動アーム32の他端には、図示しないブラケットを介して一方のアーム部材20に取り付けられたソレノイド33のプランジャ33aと、一端を一方のアーム部材20に固着され揺動アーム32に対して支軸32aを中心に図2において反時計回り方向への回動付勢力を付与する引張ばね34の他端とが取り付けられている。この構成より再給紙レジストローラー23は、ソレノイド33が作動されるとその周面を所定の圧接力でプレスローラー13の周面に圧接する図2に実線で示す圧接位置を占め、ソレノイド33の作動が解除されると引張ばね34の付勢力によってその周面がプレスローラー13の周面から離間する図2に二点鎖線で示す離間位置を占める。ソレノイド33と引張ばね34とによって再給紙レジスト接離機構40が構成されている。
【0030】
再給紙レジストローラー23の上方近傍には再給紙位置決め部材24が配設されている。再給紙位置決め部材24は断面L字形状を呈する板材からなり、その幅はプレスローラー13の幅とほぼ同じ幅となるように形成されていて、その曲折端部24aが上方を向く態様で両端部を各アーム部材20に固着されている。再給紙位置決め部材24には、再給紙レジストローラー23が揺動時に衝突しないための図示しない切欠部が形成されている。
【0031】
プレスローラー13の下方であって再給紙位置決め部材24の左方には再給紙搬送部材25が配設されている。再給紙搬送部材25は、搬送部材本体35、駆動ローラー36、従動ローラー37、無端ベルト38、吸引ファン39等を有しており、その上面に補助トレイ8を一体的に有している。
【0032】
上面が開放され、その幅が各アーム部材20間の間隔よりも若干小さくなるように形成された筐体である搬送部材本体35は用紙搬送方向上流側及び下流側の両側面に図示しない軸受を有しており、図示しない各軸受は駆動軸36a及び従動軸37aをそれぞれ回転自在に支持している。駆動軸36aはその両端部が搬送部材本体35の両側面を貫通しており、貫通した両端部は印刷装置本体11に設けられた図示しない軸受部材によって回転自在に支持されている。また、駆動軸36aの一端には図示しない駆動ギヤが取り付けられており、駆動軸36aは印刷装置本体11に設けられた搬送部材駆動モーター122(図8参照)によって回転駆動される。従動軸37aはその両端部が搬送部材本体35の両側面を貫通しないように構成されている。搬送部材本体35の用紙搬送方向上流側端部の両側面外側にはボス35aがそれぞれ一体的に設けられており、各ボス35aは各アーム部材20に形成された図示しない長穴にそれぞれ嵌合されている。この構成より搬送部材本体35は、後述するプレスローラー接離機構55によりプレスローラー13が版胴12に対して接離される際に、各アーム部材20の揺動に伴って駆動軸36aを中心とした揺動が可能となっている。
【0033】
ころ状をなす複数の駆動ローラー36はそれぞれ駆動軸36aに一体的に取り付けられており、各駆動ローラー36間にはそれぞれ所定の間隔が設けられている。駆動ローラー36と同形状である複数の従動ローラー37は、各駆動ローラー36と同間隔でそれぞれ従動軸37aに一体的に取り付けられている。各駆動ローラー36とこれに対応した各従動ローラー37との間には、図示しない複数の穴部を有する無端ベルト38が所定の張力で掛け渡されている。摩擦抵抗部材からなる無端ベルト38は、搬送部材駆動モーター122によって駆動軸36aが回転駆動されることにより図2に矢印で示す方向に移動される。
【0034】
搬送部材本体35の下面には吸引ファン39が一体的に取り付けられており、搬送部材本体35の上面には補助トレイ8が一体的に取り付けられている。補助トレイ8には各無端ベルト38を用紙搬送面に臨ませるための図示しない複数の開口部が形成されており、その用紙搬送方向下流側端部には搬送される用紙Pを受け止めるためのフェンス8aが一体的に形成されている。吸引ファン39の取付面である搬送部材本体35の下面には図示しない穴部が設けられており、これにより吸引ファン39が作動することで筐体である搬送部材本体35の内部に負圧を発生させ、移動する各無端ベルト38の上面に用紙Pを吸引させる。吸引ファン39の吸引力及び無端ベルト38の摩擦抵抗力は、用紙Pの先端が再給紙位置決め部材24の曲折端部24aに当接した際に、用紙Pと各無端ベルト38との間で滑りが発生する程度の強さにそれぞれ設定されている。
上述した再給紙案内部材22、再給紙レジストローラー23、再給紙位置決め部材24、及び再給紙搬送部材25によって再給紙手段9が構成されている。
【0035】
プレスローラー13の近傍であって再給紙搬送部材25の上方に位置する部位には、プレスローラー13の周面をクリーニングするクリーニングローラー26が配設されている。プレスローラー13の幅とほぼ同じ幅を有するクリーニングローラー26は、少なくともその表面が和紙やスポンジ等の吸湿性の高い材質によって構成されており、その中心に芯部26aを一体的に有している。クリーニングローラー26は芯部26aを各アーム部材20に形成された図示しない長穴に嵌合されることで回転自在に支持されており、この長穴内に設けられた図示しない付勢手段によってプレスローラー13に向けて付勢され、その周面をプレスローラー13の周面に所定の圧接力で常時圧接されている。クリーニングローラー26は、一方のアーム部材20に設けられた図示しないクリーニングローラー駆動手段によって、プレスローラー13の回転時においてプレスローラー13と同方向に、プレスローラー13の周速度の10分の1程度の周速度で回転駆動される。
【0036】
クリーニングローラー26の左上方にはガイド板27が配設されている。板材であるガイド板27はその両端部を各アーム部材20に固設されており、プレスローラー13によって版胴12に圧接された用紙Pがクリーニングローラー26に触れないように、かつ補助トレイ8に向かうように案内する。ガイド板27はプレスローラー13及びクリーニングローラー26の周面に近接する位置に配設されている。
【0037】
各アーム部材20のプレスローラー13が支持された一端側と対向する他端側には、それぞれ回転自在なカムフォロア41が互いに外側を向く態様で配設されている。また、各アーム部材20のカムフォロア41が配設された位置の近傍には、一端を印刷装置本体11に固着された印圧ばね42の他端がそれぞれ取り付けられている。これにより各アーム部材20は、揺動軸21を中心に図において時計回り方向への回動付勢力をそれぞれ付与されている。
【0038】
各カムフォロア41の左方近傍には、3枚のカム板43A,43B,43Cを有する多段カム43がそれぞれ配設されている。各カム板43A,43B,43Cは、両端を印刷装置本体11に回転自在かつ図2の紙面方向に移動自在に支持されたカム軸44にそれぞれ所定の間隙をもって固着されており、装置手前側からカム板43B、カム板43A、カム板43Cの順に配設されている。各カム板43A,43B,43Cは、カム軸44と同心の円板である基部とそれぞれ同一突出量の凸部とを有している。多段カム43は、図4に示すように、カム軸44に取り付けられた駆動ギヤ45及び印刷装置本体11に回転自在に支持された支軸46に取り付けられた伝達ギヤ47を介して版胴駆動手段121からの回転力を伝達され、図2において時計回り方向に回転駆動される。
【0039】
プレスローラー13は、各カム板43A,43B,43Cの何れかの凸部がカムフォロア41と当接したときにその周面が版胴12の周面より離間する図2に示す離間位置を占め、何れかの凸部とカムフォロア41との当接が解除されたときに印圧ばね42の付勢力によってその周面が版胴12の周面に圧接する図3に示す圧接位置を占める。各カム板43A,43B,43Cは、プレスローラー13が圧接位置を占めたときにその基部とカムフォロア41とが接触しないように構成されている。各カム板43A,43B,43Cの凸部の形状は、プレスローラー13と版胴12との接触範囲が、カム板43Aでは図1に示す表面領域と中間領域と裏面領域とを全て合わせた範囲となるように、カム板43Bでは表面領域と同じ範囲となるように、カム板43Cでは表面領域の下流側部分と中間領域と裏面領域とを合わせた範囲となるようにそれぞれ形成されている。また、各カム板43A,43B,43C間の間隔は、アーム部材20の板厚よりも十分に大きくなるように設定されている。
【0040】
図2において各アーム部材20の右方近傍には、プレスローラー13が離間位置を占めた状態で各アーム部材20の揺動を禁止する、図示しないプレスローラー係止手段が配設されている。図示しないプレスローラー係止手段は図示しないソレノイドを有しており、この図示しないソレノイドのオン・オフの切り換えによって各アーム部材20を保持する状態と保持を解除する状態とが選択的に切り換えられる。図示しないソレノイドは、カムフォロア41が各カム板43A,43B,43Cの何れかの凸部と当接した状態で作動される。
【0041】
カム軸44の下方近傍には、図4に示すように移動アーム48と段差カム49とが配設されている。ほぼL字形状を呈する移動アーム48は、印刷装置本体11に回転自在に支持された支軸48aにその曲折部を取り付けられており、移動アーム48の一端にはローラー48bが、また他端にはカムフォロア48cがそれぞれ回転自在に取り付けられている。さらに移動アーム48の他端と曲折部との間の部位には、一端を印刷装置本体11に取り付けられた引張ばね50の他端が取り付けられており、移動アーム48には支軸48aを中心に、図において時計回り方向への回動付勢力が付与されている。
【0042】
ローラー48bはカム軸44の中程に間隔をおいて固着された円板44a,44b間に配置されており、カムフォロア48cは引張ばね50の付勢力によりその周面を段差カム49の周面に当接させている。各円板44a,44b間の間隔は、ローラー48bの直径よりも僅かに大きくなるように設定されている。
【0043】
段差カム49はその周面に3箇所のカム部49a,49b,49cを有しており、印刷装置本体11に回転自在に支持された支軸51に固着されている。支軸51には、印刷装置本体11に取り付けられたステッピングモーター52の出力軸に取り付けられたギヤ53と噛合するギヤ54が取り付けられており、ステッピングモーター52の作動により段差カム49は図4の矢印方向に回転駆動される。この構成より、ステッピングモーター52が作動して段差カム49が回転すると移動アーム48が支軸48aを中心に揺動し、ローラー48bが円板44aあるいは円板44bを押すことでカム軸44が図4の左右方向に移動する。
【0044】
各カム部49a,49b,49cは、カムフォロア48cとカム部49aとが当接したときにカム板43Bがカムフォロア41と当接可能位置となるように、カムフォロア48cとカム部49bとが当接したときにカム板43Aがカムフォロア41と当接可能位置となるように、カムフォロア48cとカム部49cとが当接したときにカム板43Cがカムフォロア41と当接可能位置となるようにカム軸44を移動させる形状にそれぞれ形成されている。
【0045】
上述したカムフォロア41、印圧ばね42、多段カム43、図示しないプレスローラー係止手段、移動アーム48、段差カム49によってプレスローラー接離機構55が構成されており、このプレスローラー接離機構55の作動によってプレスローラー13は図2に示す離間位置と図3に示す圧接位置とを選択的に占める。
【0046】
版胴12とプレスローラー13との接触位置の左方であって用紙Pの搬送経路上には、用紙Pの搬送経路を切り換える切換部材10が配設されている。版胴12及びプレスローラー13とほぼ同じ幅を有する板材からなる切換部材10は、その用紙搬送方向下流側端部を印刷装置本体11に回動自在に支持された支軸に固着されており、ソレノイド123(図8参照)が作動することによって断面鋭角状に形成された用紙搬送方向上流側端部を図1に実線で示す第1の位置と二点鎖線で示す第2の位置とに選択的に位置決めされる。切換部材10は、第1の位置を占めたときにその先端がプレスローラー13の周面に近接すると共に版胴12上のクランパー19と干渉しない位置に置かれ、第2の位置を占めたときにその先端が版胴12の周面に近接する位置に置かれる。版胴12とプレスローラー13との間を通過した用紙Pは、切換部材10が第1の位置を占めたときに排紙部6へと案内され、切換部材10が第2の位置を占めたときにガイド板27と印刷装置本体11に固着されたガイド板56との間を通って補助トレイ8へと案内される。
【0047】
印刷装置本体11の右上方には製版部3が配設されている。製版部3は、マスタ保持部材57、プラテンローラー58、サーマルヘッド59、切断手段60、マスタストック部61、テンションローラー対62、反転ローラー対63等を有している。製版部3は後述するマスタ64に製版を行い、図5に示すような第1製版画像65Aと第2製版画像65Bとを有する分割製版済みマスタ65、あるいは図6に示すような第1製版画像65Aと第2製版画像65Bとの2面分の画像量域を有する第3製版画像66Aを有する製版済みマスタ66を作成する。第1製版画像65Aは、分割製版済みマスタ65が版胴12の外周面上に巻装されたときに図1に示す表面領域と対応する位置に形成され、第2製版画像65Bは裏面領域と対応する位置に形成される。なお、分割製版済みマスタ65の作成方法の詳細については後述する。
【0048】
マスタ保持部材57は印刷装置本体11の図示しない側板対にそれぞれ設けられており、熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを貼り合わせたマスタ64をロール状に巻成してなるマスタロール64aの芯部64bの両端を回転自在かつ着脱自在に支持する。
【0049】
マスタ保持部材57の左方に設けられたプラテンローラー58は印刷装置本体11の図示しない側板に回転自在に支持されており、ステッピングモーターを含む製版駆動手段124(図8参照)によって回転駆動される。プラテンローラー58の下方に位置し多数の発熱素子を有するサーマルヘッド59は印刷装置本体11の図示しない側板に取り付けられており、図示しない付勢手段の付勢力によってその発熱素子面をプラテンローラー58に圧接されている。サーマルヘッド59はマスタ64の熱可塑性樹脂フィルム面に接触しつつ発熱素子を選択的に発熱させ、マスタ64に対して熱溶融穿孔製版を行う。
【0050】
プラテンローラー58及びサーマルヘッド59の左方には切断手段60が配設されている。印刷装置本体11の図示しないフレームに固設された固定刃60aと、この固定刃60aに移動自在に支持された可動刃60bとを有する切断手段60は、固定刃60aに対して可動刃60bが回転移動することによりマスタ64を切断する周知の構成である。切断手段60によるマスタ64の切断位置とサーマルヘッド59によるマスタ64への製版位置との間の距離は、後述する第1の距離L1よりも短くなるように設定されている。
【0051】
切断手段60のマスタ搬送方向下流側下方にはマスタストック部61が配設されている。分割製版済みマスタ65あるいは製版済みマスタ66を一時的に貯容する空間であるマスタストック部61は複数の板部材によってその内部を仕切られており、その最奥部には図示しない吸引ファンが配設されている。この吸引ファンが作動することにより密閉された空間であるマスタストック部61の内部に負圧が発生し、製版して搬送されてきた分割製版済みマスタ65あるいは製版済みマスタ66はマスタストック部61の最奥部に向けて貯容される。
【0052】
切断手段60とマスタストック部61との間の部位にはテンションローラー対62が配設されている。それぞれ印刷装置本体11の図示しない側板に回転自在に支持された駆動ローラー62aと従動ローラー62bとからなるテンションローラー対62は、従動ローラー62bが図示しない付勢手段によってその周面を駆動ローラー62aの周面に圧接されており、製版駆動手段124によって駆動ローラー62aが回転駆動されることによりマスタ64を挟持して搬送する。駆動ローラー62aは、その周速度がプラテンローラー58の周速度よりも若干速く設定されていると共にその内部には図示しないトルクリミッターが設けられており、プラテンローラー58とテンションローラー対62との間においてマスタ64に対して所定の張力が付与されるように構成されている。
【0053】
マスタストック部61のマスタ搬送方向下流側には、それぞれ印刷装置本体11の図示しない側板に回転自在に支持された駆動ローラー63aと従動ローラー63bとからなる反転ローラー対63が配設されている。反転ローラー対63は、製版駆動手段124によって回転駆動される駆動ローラー63aと図示しない付勢手段によってこれに圧接配置された従動ローラー63bとによってマスタ64を挟持して搬送する。駆動ローラー63aの内部には図示しないワンウェイクラッチが設けられている。
【0054】
また、テンションローラー対62と反転ローラー対63との間の部位には、図示しない可動マスタガイド板が配設されている。この可動マスタガイド板は図示しない支持部材に揺動自在に支持されており、図示しないソレノイドによってその上面がマスタ64の搬送路を構成する搬送位置と、マスタ64のマスタストック部61への進入を妨げない退避位置とに選択的に位置決めされる。
【0055】
製版部3の下方には給紙部4が配設されている。給紙部4は、給紙トレイ67、給紙ローラー68、分離ローラー69、分離パッド70、レジストローラー対71等を有している。
上面に多数の用紙Pを積載可能な給紙トレイ67は印刷装置本体11に上下動自在に支持されており、昇降手段を含む給紙駆動手段125(図8参照)によって上下動される。A3サイズの用紙Pを縦置き可能な給紙トレイ67の上面には、図示しないレール部材によって用紙搬送方向と直行する用紙幅方向に移動自在に支持された一対のサイドフェンス72が設けられている。また、給紙トレイ67の自由端部側には、積載された用紙Pのサイズを検知する複数の用紙サイズ検知センサー73が設けられている。用紙サイズ検知手段として機能する用紙サイズセンサー73は、各センサーの組み合わせによって用紙Pのサイズ及び向き(縦置きあるいは横置き)を検知する周知の構成である。
【0056】
給紙トレイ67の上方には、表面に高摩擦抵抗部材を有する給紙ローラー68が配設されている。給紙ローラー68は印刷装置本体11に揺動自在に支持された図示しないブラケットに回転自在に支持されており、給紙トレイ67が図示しない昇降手段によって上昇されたときに所定の圧接力で給紙トレイ67上の最上位の用紙Pに圧接する。給紙ローラー68は給紙駆動手段125によって回転駆動される。
【0057】
給紙ローラー68の左方には、表面にそれぞれ高摩擦抵抗部材を有する分離ローラー69と分離パッド70とが配設されている。分離ローラー69はタイミングベルト69aを介して給紙ローラー68に駆動連結されており、給紙ローラー68の回転駆動時にこれと同期して同方向に回転駆動される。分離パッド70は図示しない付勢手段の付勢力によって分離ローラー69に圧接されている。
【0058】
分離ローラー69及び分離パッド70の左方にはレジストローラー対71が配設されている。駆動ローラー71aと従動ローラー71bとからなるレジストローラー対71は、給紙駆動手段125に含まれる図示しないレジストローラー駆動モーターによって駆動ローラー71aが版胴12と同期した所定のタイミングで回転し、駆動ローラー71aに圧接された従動ローラー71bとによって用紙Pを印刷部2に向けて所定のタイミングで給送する。
【0059】
印刷部2の左上方には排版部5が配設されている。排版部5は、上排版部材74、下排版部材75、排版ボックス76、圧縮板77等を有している。
上排版部材74は、駆動ローラー78、従動ローラー79、無端ベルト80等を有し、排版駆動手段126(図8参照)によって駆動ローラー78が図の時計回り方向に回転駆動されることにより無端ベルト80が図1の矢印方向に移動する。下排版部材75は、駆動ローラー81、従動ローラー82、無端ベルト83等を有し、駆動ローラー78を回転駆動する排版駆動手段126の駆動力をギヤやベルト等の図示しない駆動力伝達手段によって伝達されることで駆動ローラー81が図の反時計回り方向に回転駆動されることにより、無端ベルト83が図1の矢印方向に移動する。また、下排版部材75は排版駆動手段126に含まれる図示しない移動手段によって移動自在に設けられており、図に示す位置と従動ローラー82の外周面上に位置する無端ベルト83が版胴12の外周面に当接する位置とを選択的に占める。
【0060】
内部に使用済みマスタを貯容する排版ボックス76は、印刷装置本体11に対して着脱自在に設けられている。上排版部材74と下排版部材75とによって運ばれた使用済みマスタを排版ボックス76の内部に押し込む圧縮板77は印刷装置本体11に上下動自在に支持されており、排版駆動手段126に含まれる図示しない昇降手段によって上下動される。
【0061】
排版部5の下方には排紙部6が配設されている。排紙部6は、剥離爪84、排紙搬送部材85、排紙トレイ86等を有している。
剥離爪84は版胴12の幅方向に複数配置され、印刷装置本体11に揺動自在に支持された支軸にそれぞれ一体的に取り付けられている。複数の剥離爪84は図示しない爪揺動手段によって揺動され、その先端が版胴12の周面に近接する図に示す位置と、クランパー19等の障害物を回避するためにその先端が版胴12の外周面から離間する位置とを選択的に占める。図示しない爪揺動手段は、版胴駆動手段121からの駆動力を図示しない駆動力伝達手段により伝達され、版胴12の回転と同期して剥離爪84を揺動させる。
【0062】
剥離爪84の下方であって切換部材10の左方に配設された排紙搬送部材85は、駆動ローラー87、従動ローラー88、無端ベルト89、吸引ファン90等を有している。ころ状の駆動ローラー87は図示しないユニット側板に回転自在に支持された図示しない支軸に所定の間隔で複数取り付けられており、排紙駆動手段127(図8参照)によってそれぞれ一体的に回転駆動される。従動ローラー88も同側板に回転自在に支持された図示しない支軸に各駆動ローラー87と等間隔で複数設けられており、各駆動ローラー87及びこれと対応する各従動ローラー88には複数の孔を有する無端ベルト89がそれぞれ掛け渡されている。駆動ローラー87、従動ローラー88、無端ベルト89の下方には吸引ファン90が配設されている。排紙搬送部材85は、吸引ファン90の吸引力によって各無端ベルト89上に用紙Pを吸引し、各駆動ローラー87の回転によって用紙Pを図1の矢印方向に搬送する。
排紙搬送部材85によって搬送された用紙Pをその上面に積載する排紙トレイ86は、用紙搬送方向に移動自在な1個のエンドフェンス91と、用紙幅方向に移動自在な一対のサイドフェンス92とを有している。
【0063】
印刷装置本体9の上部には画像読取部7が配設されている。画像読取部7は、原稿を載置するコンタクトガラス93、コンタクトガラス93に対して接離自在に設けられた圧板94、原稿画像を走査して読み取る反射ミラー95,96,97,98及び蛍光灯99、走査された原稿画像を集束するレンズ100、集束された画像を処理するCCD等の画像センサー101、原稿のサイズを検知する複数の原稿サイズ検知センサー102、読み取られた画像データを記憶する画像メモリ135等を有しており、原稿画像の読取動作は読取駆動手段128(図8参照)の作動によって行われる。原稿サイズ検知手段として機能する原稿サイズセンサー102は、各センサーの組み合わせによって原稿のサイズ及び向き(縦置きあるいは横置き)を検知する周知の構成である。
【0064】
また、図1に示すように、版胴12を構成する図示しないフランジの外面にはドグ133が取り付けられており、版胴12の周囲近傍には印刷装置本体11に取り付けられたホームポジションセンサー134が配設されている。ホームポジションセンサー134は、クランパー19がプレスローラー13と対向する位置を版胴12が占めたときにドグ133を検知して後述する制御手段129に向けて信号を出力する。
【0065】
図7は両面印刷装置1の操作パネルを示している。同図において印刷装置本体11の上部前面に設けられた操作パネル103は、その上面に製版スタートキー104、印刷スタートキー105、試し刷りキー106、連続キー107、クリア/ストップキー108、テンキー109、エンターキー110、プログラムキー111、モードクリアキー112、印刷速度設定キー113、4方向キー114、用紙サイズ設定キー115、用紙厚み設定キー116、両面印刷キー117、片面印刷キー118、7セグメントLEDからなる表示装置119、LCDからなる表示装置120、余白部設定手段としての余白設定キー136、製版動作切換手段としての製版モード切換キー137等を有している。
【0066】
製版スタートキー104は両面印刷装置1に製版動作を行わせる際に押下され、製版スタートキー104が押下されると排版動作及び原稿読取動作が行われた後に製版動作が行われ、その後、版付け動作が行われて両面印刷装置1は印刷待機状態となる。印刷スタートキー105は両面印刷装置1に印刷動作を行わせる際に押下され、両面印刷装置1が印刷待機状態となり各種印刷条件が設定された後に印刷スタートキー105が押下されることにより印刷動作が行われる。試し刷りキー106は両面印刷装置1に試し刷りを行わせる際に押下され、各種条件が設定された後に試し刷りキー106が押下されることにより1枚だけ印刷が行われる。連続キー107は製版動作と印刷動作とを連続して行う際に製版スタートキー104の押下前に押下され、連続キー107の押下後、印刷条件が入力された後に製版スタートキー104が押下されると、排版動作、原稿読取動作、製版動作に引き続いて印刷動作が行われる。
【0067】
クリア/ストップキー108は両面印刷装置1の動作を停止させる際あるいは置数のクリア時に押下され、テンキー109は数値入力に用いられる。エンターキー110は各種設定時に数値等を設定する際に、プログラムキー111はよく行う操作を登録したりそれを呼び出したりする際にそれぞれ押下され、モードクリアキー112は各種のモードをクリアして初期状態に戻す際に押下される。印刷速度設定キー113は印刷動作に先立って印刷速度を設定する際に押下され、濃いめの画像を得たい場合あるいは雰囲気温度が低い場合等には印刷速度を遅く、薄めの画像を得たい場合あるいは雰囲気温度が高い場合等には印刷速度を速く設定する。4方向キー114は上キー114a、下キー114b、左キー114c、右キー114dを有しており、画像編集時に画像位置を調整する場合あるいは各種設定時に数値や項目等を選択する場合等に押下される。
【0068】
用紙サイズ設定キー115は用紙サイズを任意で入力する際に押下され、用紙サイズ設定キー115で入力された用紙サイズは用紙サイズ検知センサー73によって検知された用紙サイズに優先される。用紙厚み設定キー116は両面印刷に先立って用紙Pの厚みを入力する際に押下され、本実施例では「普通紙」、「薄紙」、「厚紙」の3種類のうちの何れかを選択する構成となっている。
【0069】
両面印刷キー117は両面印刷装置1に両面印刷動作を行わせる際に製版スタートキー104の押下前に押下され、両面印刷キー117が押下されるとその近傍に配置されたLED117aが点灯してオペレーターに両面印刷モードであることが表示される。また、両面印刷キー117が押下された際には、用紙厚み設定キー116によって使用する用紙Pの厚みを入力した後でないと製版スタートキー104の入力が拒否される。片面印刷キー118も両面印刷キー117と同様に両面印刷装置1に片面印刷動作を行わせる際にスタートキー104の押下前に押下され、片面印刷キー118が押下されるとその近傍に配置されたLED118aが点灯してオペレーターに片面印刷モードであることが表示される。両面印刷装置1は初期状態時においてLED118aが点灯しており、片面印刷モードとなっている。
【0070】
7セグメントLEDからなる表示装置119は、主に印刷枚数等の数字を表示する。LCDからなる表示装置120は階層表示構造となっており、その下方に設けられた選択設定キー120a,120b,120c,120dを押下することにより、変倍や位置調整等の様々なモードへの変更及び各モードでの設定が可能に構成されている。また表示装置120には、図示したように「製版・プリントできます」のような両面印刷装置1の状態が表示される他、製版あるいは排版ジャム、給紙あるいは排紙ジャム等のアラーム、印刷用紙、マスタ、インキ等のサプライの供給指示等も表示される。
【0071】
余白設定キー136は、分割製版済みマスタ65あるいは製版済みマスタ66を作成する際に、その第1製版画像65Aあるいは第3製版画像66Aの画像領域に先端余白部を設定する際に押下される。なお、第1製版画像65Aに先端余白が設定されると第2製版画像65Bにはその先端余白に応じた後端余白が自動的に設定される。製版モード切換キー137は、両面印刷時において両面印刷装置1に左右開きの印刷物に応じた製版動作を行わせるか上下開きの印刷物に応じた製版動作を行わせるかを切り換える。製版モード切換キー137によって切り換えられた製版モードは表示装置120に表示される。
【0072】
図8は、両面印刷装置1に用いられる制御手段のブロック図を示している。同図において制御手段129は、内部にCPU130、ROM131、RAM132を有する周知のマイクロコンピューターであり、印刷装置本体11の内部に設けられている。
【0073】
CPU130は、操作パネル103からの各種信号及び印刷装置本体11に設けられた各種センサーからの検知信号及びROM131から呼び出された動作プログラムに基づいて、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読取部7に設けられた各駆動手段、再給紙手段9に設けられた再給紙レジスト接離機構40及び搬送部材駆動モーター122、切換部材10を作動させるソレノイド123の作動等を制御し、両面印刷装置1全体の動作を制御する。ROM131には両面印刷装置1全体の動作プログラムが記憶されており、この動作プログラムはCPU130によって適宜呼び出される。RAM132は、CPU130の計算結果を一時的に記憶する機能、操作パネル103上の各種キー及び各種センサーから設定及び入力されたデータ信号及びオン・オフ信号を随時記憶する機能等を有している。また制御手段129は、ホームポジションセンサー134からのホームポジション信号と、版胴駆動手段121に設けられた図示しないエンコーダーからの信号とに基づいて、版胴12の位置の把握も行っている。
【0074】
上述の構成に基づき、以下に両面印刷装置1の動作を説明する。
オペレーターは給紙トレイ67上に印刷に使用される用紙Pを積載し、圧板94を開放してコンタクトガラス93上に印刷すべき原稿を載置した後、再び圧板94を閉じる。その後、操作パネル103上の各種キーによって製版条件を設定した後、両面印刷キー117あるいは片面印刷キー118を押下して印刷モードを設定して製版スタートキー104を押下する。先ず、片面印刷キー118を押下して片面印刷を行う場合を説明する。
【0075】
オペレーターは片面印刷モードであることをLED118aの点灯によって確認した後、製版スタートキー104を押下する。製版スタートキー104が押下されると、用紙サイズ検知センサー73から用紙サイズ検知信号が、また原稿サイズ検知センサー102から原稿サイズ検知信号がそれぞれ制御手段129に送られ、信号を受けた制御手段129は各信号を比較する。このとき、用紙サイズと原稿サイズとが同じ場合は直ちに画像読取動作が行われ、用紙サイズと原稿サイズとが異なる場合には、制御手段129はその旨を表示装置120に表示してオペレーターに注意を促す。用紙サイズと原稿サイズとが異なる場合に、制御手段129からの指令で自動的に拡大または縮小の変倍を行い、原稿サイズと画像サイズとを整合させるように構成してもよい。
【0076】
製版スタートキー104が押下されると、画像読取部7では原稿画像の読取動作が行われる。原稿画像の読み取りは、蛍光灯99によって露光された反射光を各反射ミラー95,96,97,98によって反射することにより行われ、読み取られた原稿画像はレンズ100で集束された後に画像センサー101に入射されて光電変換される。光電変換された電気信号は印刷装置本体11内の図示しないA/D変換器に入力された後、画像メモリ135内に画像データ信号として格納される。
【0077】
画像読取部7での画像読取動作と並行して、排版部5では版胴12の外周面から使用済みマスタを剥離する排版動作が行われる。製版スタートキー104が押下されると版胴12が回転を開始し、版胴12が図1に示すホームポジションに達するとドグ133がホームポジションセンサー134に検知され、ホームポジションセンサー134から制御手段129に向けてホームポジション信号が送られる。ホームポジション信号を受けた制御手段129は、このホームポジションを基点として図示しないエンコーダーが発するパルス数を計測し、版胴12の外周面上に巻装された使用済みマスタの先端が従動ローラー82の外周面上に位置する無端ベルト83と対応する所定の排版位置に達したと判断すると、版胴駆動手段121の作動を停止させる。
【0078】
版胴駆動手段121が停止されて版胴12が所定の排版位置で停止すると、版胴駆動手段121及び排版駆動手段126が作動して各駆動ローラー78,81が回転駆動されると共に下排版部材75が版胴12側に移動し、従動ローラー82の外周面上に位置する無端ベルト83が使用済みマスタと当接する。すると、版胴12の回転及び無端ベルト83の移動によって版胴12の外周面上よりすくい上げられた使用済みマスタは、下排版部材75と上排版部材74とで挟持搬送されて版胴12の外周面より剥離される。剥離された使用済みマスタは排版ボックス76内に廃棄された後、圧縮板77によって圧縮される。
外周面上より使用済みマスタが全て剥離された後も版胴12は回転を継続し、クランパー19が右上方に位置する所定の給版待機位置まで回転して停止する。版胴12が給版待機位置で停止すると図示しない開閉手段が作動してクランパー19が開放され、両面印刷装置1は給版待機状態となる。
【0079】
排版動作と並行して、製版部3では製版動作が行われる。製版スタートキー104が押下されると、プラテンローラー58、テンションローラー対62、反転ローラー対63がそれぞれ回転駆動されてマスタロール64aよりマスタ64が引き出される。このとき図示しない可動マスタガイド板は搬送位置に位置決めされている。マスタ64が引き出されてその画像形成領域がサーマルヘッド59の発熱素子と対応する位置に達すると、画像メモリ135内に格納されている画像データ信号が画像処理を施された後に呼び出され、図示しないサーマルヘッドドライバーがサーマルヘッド59の各発熱素子を選択的に発熱させることにより、マスタ64の熱可塑性樹脂フィルム面に第3製版画像66Aが形成される。マスタ64は製版されつつ搬送されその先端部が反転ローラー対63に挟持されると、図示しない可動マスタガイド板が退避位置に移動されると共に反転ローラー対63の回転が停止される。
【0080】
反転ローラー対63の回転停止後もプラテンローラー58及びテンションローラー対62は回転を継続しており、サーマルヘッド59によって製版された製版済みマスタ66はマスタストック部61内に貯容される。反転ローラー対63の停止時においてマスタストック部61に設けられた図示しない吸引ファンが作動されており、製版済みマスタ66は図示しない吸引ファンに吸引されることによって良好にマスタストック部61内に貯容される。
【0081】
上述の製版動作中、排版動作が完了して両面印刷装置1が給版待機状態となると、反転ローラー対63が回転を開始してマスタストック部61内に貯容されている製版済みマスタ66が開放されているクランパー19に向けて搬送される。そして、製版済みマスタ66の先端部がクランパー19によって挟持可能な所定位置まで搬送されると、図示しない開閉手段が作動してクランパー19が閉じられ、製版済みマスタ66はその先端部を版胴12の外周面上に保持される。
【0082】
その後、版胴12が図1において時計回り方向に間欠的に回転駆動され、製版済みマスタ66の版胴12への巻装動作が行われる。このとき反転ローラー対63は回転を停止しており、駆動ローラー63aは内部に設けられた図示しないワンウェイクラッチによって製版済みマスタ66の引き出しに伴い連れ回りする。そして、画像メモリ135からの画像データ信号が途絶えるとサーマルヘッド59の作動が停止し、1版分の製版済みマスタ66が製版搬送されるとプラテンローラー58、テンションローラー対62、反転ローラー対63の回転がそれぞれ停止されると共に切断手段60が作動して製版済みマスタ66が切断される。切断された製版済みマスタ66は版胴12の回転によって製版部3より引き出され、版胴12がホームポジションまで回転して停止することで製版動作及び給版動作が完了する。
【0083】
給版動作に引き続き版付け動作が行われる。版胴12がホームポジションで停止するとソレノイド123が作動して切換部材10が第1の位置に位置決めされた後、図示しないプレスローラー係止手段が作動すると共にステッピングモーター52が作動して段差カム49が回転され、そのカム部49bをカムフォロア48cに当接させる。これにより移動アーム48が支軸48aを中心に揺動されてカム軸44がカム板43Aをカムフォロア41に対して当接可能となる位置に移動され、その後、図示しないプレスローラー係止手段の作動が解除される。
【0084】
その後、給紙ローラー68、分離ローラー69、駆動ローラー87、吸引ファン90がそれぞれ駆動されると共に版胴12が低速で図1の時計回り方向に回転駆動され、給紙トレイ67上に積載された用紙Pの最上位の1枚が引き出されてその先端をレジストローラー対71に挟持される。そして、版胴12上に巻装された製版済みマスタ66の版胴回転方向における第3製版画像66Aの画像領域先端部がプレスローラー13と対応する位置に到達する所定のタイミングで図示しないレジストローラー駆動モーターが作動し、駆動ローラー71aが回転駆動されることにより給紙トレイ67上から引き出された用紙Pが版胴12とプレスローラー13との間に向けて給送される。
【0085】
版胴12の回転に同期して、プレスローラー接離機構55ではカム軸44及びこれと一体に設けられた多段カム43が回転駆動されており、上述したようにカムフォロア41と当接する位置に移動されたカム板43Aは、上記所定のタイミングにおいてその凸部をカムフォロア41から離脱させる。これによりプレスローラー13がその周面を版胴12の外周面に印圧ばね42の付勢力によって圧接させ、レジストローラー対71によって給送された用紙Pが版胴12に巻装された製版済みマスタ66に押圧される。この押圧動作によりプレスローラー13と用紙Pと製版済みマスタ66と版胴12とが圧接し、インキローラー16によって版胴12の内周面に供給されたインキが版胴12の開口部より滲出して、版胴12を構成する図示しない多孔性支持板及び図示しないメッシュスクリーン、及び版胴12に巻装された製版済みマスタ66の多孔性支持体に充填された後に製版済みマスタ66の穿孔部を介して用紙Pに転写され、いわゆる版付けが行われる。
【0086】
版付けにより第3製版画像66Aに応じた画像を印刷された用紙Pは、第1の位置を占めた切換部材10によって排紙搬送部材85へと案内されると共に、剥離爪84によってその先端部から版胴外周面上の製版済みマスタ66より剥離される。剥離された用紙Pは下方へと落下して排紙搬送部材85へと送られ、吸引ファン90の吸引力によって無端ベルト89の上面に引きつけられつつ左方へと搬送されて排紙トレイ86上に排出される。その後、版胴12が再びホームポジションまで回転して停止し、版付け動作を終えて両面印刷装置1は印刷待機状態となる。
【0087】
両面印刷装置1が印刷待機状態となった後、印刷速度設定キー113及び操作パネル103上の各種キーによって印刷条件を入力した後に試し刷りキー106が押下されると試し刷りが行われる。試し刷りキー106が押下されると、設定された印刷速度で版胴12が回転駆動されると共に給紙部4から用紙Pが1枚給送される。給送された用紙Pはレジストローラー対71で一時停留された後に版付け時と同じタイミングで給送され、プレスローラー13によって版胴外周面上の製版済みマスタ66に圧接される。画像を印刷された用紙Pは切換部材10によって排紙部6へと案内された後、剥離爪84によって版胴外周面上の製版済みマスタ66より剥離され、排紙搬送部材85により搬送されて排紙トレイ86上に排出される。
【0088】
試し刷りにより画像の位置あるいは濃度等が確認され、テンキー109によって印刷枚数が入力された後に印刷スタートキー105が押下されると、給紙部4から用紙Pが連続的に給送され、試し刷りと同条件で印刷動作が行われる。そして、設定された印刷枚数が消化されると版胴12がホームポジションで停止し、両面印刷装置1は再び印刷待機状態となる。
【0089】
次に、両面印刷キー117を押下して両面印刷を行う場合を説明する。オペレーターは両面印刷モードであることをLED117aの点灯によって確認した後、用紙厚み設定キー116を押下して使用する用紙Pの厚みを設定する。この両面印刷モードでは、用紙厚み設定キー116が押下されない場合には製版スタートキー104の入力を拒否し、用紙厚み設定キー116が押下されずに製版スタートキー104が押下された場合には、制御手段129は用紙の厚みを設定して下さいという旨の表示を表示装置120に表示させる。本実施例において、用紙厚み設定キー116によって設定された用紙Pの厚みが「普通紙」あるいは「薄紙」の場合には製版スタートキー104の入力が許容され、「厚紙」が設定された場合には用紙Pの搬送ジャムを防止するために製版スタートキー104の入力が拒否されると共に、制御手段129は表示装置120に正しい用紙をセットして下さいという旨の警告を表示させる。
【0090】
給紙トレイ67上に「普通紙」あるいは「薄紙」である用紙Pをセットし、用紙Pに基づいた用紙厚みを用紙厚み設定キー116によって設定した後、オペレーターは製版モード切換キー137を押下して左右開きの印刷物を印刷するか上下開きの印刷物を印刷するかを設定する。さらに、余白を設定する場合にはオペレーターは余白設定キー136を押下する。余白設定キー136が押下されると、表示装置120に「余白の数値を設定してください」というメッセージが表示され、オペレーターはテンキー109を押下して余白の数値を入力した後、エンターキー110を押下して設定する。これにより先端余白の数値がRAM132に記憶される。この例では、製版モード切換キー137により左右開きが選択され、先端余白が5mm設けられた場合を説明する。
【0091】
各種設定後に製版スタートキー104が押下されると、片面印刷時と同様に各センサー73,102から用紙サイズ検知信号及び原稿サイズ検知信号がそれぞれ制御手段129に送られ、制御手段129は入力された各信号を比較する。本実施例では、版胴12で印刷可能な最大用紙サイズがA3サイズであるため、両面印刷時において使用可能な用紙サイズはA4横置きまでである。原稿サイズと用紙サイズとを比較した結果、両サイズが同じ場合には直ちに画像読取動作が行われ、両サイズが異なる場合には、制御手段129はその旨を表示装置120に警告として表示してオペレーターに注意を促す。用紙サイズと原稿サイズとが異なる場合に、制御手段129からの指令で自動的に拡大または縮小の変倍を行って原稿サイズと画像サイズとを整合させる構成、表示装置120に縮小や画像データの回転等の手順を表示してオペレーターの操作の手助けを行う構成としてもよい。また、用紙サイズがA4横置きを超える大きさの場合には、制御手段129は両面印刷を禁止して片面印刷を促す旨の警告を表示装置120に表示させる。このときに表示装置120は警告手段として機能する。この警告の際にブザー等を鳴動させる構成としてもよい。
【0092】
製版スタートキー104が押下されると、画像読取部7では片面印刷時と同様に1枚目の原稿画像が読み取られる。読み取られた原稿画像は画像メモリ135内に1枚目の画像データ信号として格納される。1枚目の原稿の読取動作が完了して画像データ信号が画像メモリ135内に格納されると、制御手段129は表示装置120に2枚目の原稿をセットして下さいという旨の表示を行わせる。オペレーターはこの表示に従って圧板94を開放してコンタクトガラス93上より1枚目の原稿を取り除き、2枚目の原稿を載置して再び圧板94を閉じる。圧板94が閉じられたことを図示しないセンサーが検知し、コンタクトガラス93上に原稿があることを他の図示しないセンサーが検知すると、1枚目と同様に2枚目の原稿の読取動作が行われる。読み取られた原稿画像は画像メモリ135内に2枚目の画像データ信号として格納される。
【0093】
なお、本実施例において、片面印刷モード時及び両面印刷モード時における原稿の読取動作はオペレーターが圧板94を開閉してコンタクトガラス93上に読み取られる原稿をセットする構成としたが、ADFを用いて自動的に原稿をコンタクトガラス93上に搬送する構成、あるいは図示しない外部装置から画像データを取り込む構成としてもよい。また、両面印刷モード時において1枚の原稿を反転させて搬送し、その表面及び裏面から2枚分の画像データを取得する構成としてもよい。
【0094】
画像読取部7での画像読取動作と並行して、排版部5では片面印刷時と同様に排版動作が行われる。外周面上より使用済みマスタを剥離された版胴12は給版待機位置で停止し、図示しない開閉手段によってクランパー19が開放される。また、この排版動作と並行して製版部3では製版動作が行われる。製版動作は片面印刷モード時と同様の手順で行われるが、マスタ64にはその熱可塑性樹脂フィルム面に第1製版画像65Aと第2製版画像65Bとが形成される。以下に、第1の実施例として製版部3において作成される分割製版済みマスタ65−1,65−2について説明する。
【0095】
図9において、上側はそれぞれA4サイズの第1製版画像65A−1及び第2製版画像65B−1を有する分割製版済みマスタ65−1を、下側はそれぞれB5サイズの第1製版画像65A−2及び第2製版画像65B−2を有する分割製版済みマスタ65−2をそれぞれ示している。先ず、分割製版済みマスタ65−1について説明する。
【0096】
分割製版済みマスタ65−1の先端位置から第1製版画像65A−1の製版開始位置である第1の位置Aまでの距離である第1の距離L1は、プレスローラー13がクランパー19を回避するために必要な距離であってその装置毎に特定の値に決められている。例えば東北リコー(株)製JP1300では、プレスローラーの揺動範囲が7mmであることから距離L1は85mmに設定されている。これは、プレスローラーを揺動させるためのカムの曲線を急な曲線として距離L1を短くすると、プレスローラーの揺動速度が上昇するためにプレスローラーが版胴外周面に衝突するエネルギーが上昇し、その結果第1製版画像の先端でプレスローラーがバウンドしてしまうことにより、図10に示すように用紙Pに転写された印刷画像において画像抜けあるいは画像むらが発生しやすくなるため、これらの発生を防止するにはある程度の距離が必要となる。この距離は実験の結果、80〜100mm程度必要であることが判明した。
【0097】
また、第1の位置Aから第2製版画像65B−1の製版開始位置である第2の位置Bまでの距離である第2の距離L2は、距離x1、距離w1、距離y1、距離y2をそれぞれ加えた距離となっている。ここで距離x1は先端余白設定キー136によって設定された先端余白の範囲であり、本実施例では5mmに設定されている。距離w1は、第1製版画像65A−1の画像領域の幅、すなわちA4サイズの横幅である210mmから先端余白の距離x1の5mmを差し引いた205mmに設定されており、距離y1は第2製版画像65B−1を印刷するために搬送される用紙Pの搬送余裕度を向上させるために必要な距離であって、本実施例では10mmに設定されている。また、距離y2は第1製版画像65A−1及び第2製版画像65B−1を図に矢印Eで示す用紙搬送方向に調整するために必要な距離であって、本実施例では10mmに設定されている。すなわち本実施例における第2の距離L2は、5+205+10+10=230mmに設定されている。
【0098】
第2の位置B以降はw2の距離で第2製版画像65B−1が製版され、その後方に後端余白の範囲である距離x2が設けられる。本実施例において距離w2は距離w1と同じ205mmであり、距離x2は距離x1と同じ5mmに自動的に設定される。第2の位置Bから距離w2と距離x2とを加えた距離だけ離れた位置D1は分割製版済みマスタ65−1の製版終了位置を示しており、製版開始位置である第1の位置Aから製版終了位置D1までの距離、すなわち距離L2と距離w2と距離x2とを加えた距離は、図6に示した製版済みマスタ66の第3製版画像66Aの幅と同じとなるように設定されている。
【0099】
製版終了位置D1のさらに後方には、版胴12の開孔部からインキが漏れることを防止するための範囲である距離z1が設けられている。この距離z1は20mm〜60mm程度必要となるが、本実施例では版胴12の直径が180mmであり、分割製版済みマスタ65−1の全長が最大で545mmであることから20mmに設定されている。なお、版胴12の直径を大きくして分割製版済みマスタ65−1の全長を長くすることにより、距離L1,z1をさらに大きく取ることが可能となる。
【0100】
次に、分割製版済みマスタ65−2について説明する。分割製版済みマスタ65−2の第1の位置A及び第2の位置Bは分割製版済みマスタ65−1と同じ位置に設定されており、第1の位置Aから第2の位置Bまでの距離である第2の距離L2は、距離x3、距離w3、距離y2、距離y3をそれぞれ加えた距離となっている。ここで先端余白の距離x3は距離x1と同じ5mmに設定されており、距離w3は第1製版画像65A−2の画像領域の幅、すなわちB5サイズの横幅である182mmから先端余白の距離x3の5mmを差し引いた177mmに設定されている。また、距離y3は距離y1にA4サイズの横幅とB5サイズの横幅との差の28mmを加えた距離である38mmに設定されている。
【0101】
第2の位置B以降は、w4の距離で第2製版画像65B−2が製版され、その後方に綴じ代を設けるために必要な後端余白の範囲である距離x4が設けられる。本実施例において、距離w4は距離w3と同じ177mmであり、距離x4は距離x3と同じ5mmに設定されている。第2の位置Bから距離w4と距離x4とを加えた距離だけ離れた位置D2は分割製版済みマスタ65−2の製版終了位置を示している。製版終了位置D2のさらに後方には、版胴12の開孔部からインキが漏れることを防止するための範囲である距離z2が設けられている。本実施例における距離z2は48mmとなる。
【0102】
第1の実施例における分割製版済みマスタ65−1,65−2が上述のような構成であることから、図示しない原稿のサイズがA4サイズの場合には分割製版済みマスタ65−1が、また原稿のサイズがB5サイズの場合には分割製版済みマスタ65−2が製版される。ここでは分割製版済みマスタ65−1を例にとって第1の実施例における分割製版済みマスタ65の製版給版動作について説明する。
【0103】
製版待機状態時において、マスタ64の先端は切断手段60の切断位置に位置している。この状態より製版指令が送られると製版駆動手段124が作動し、プラテンローラー58、各駆動ローラー62a,63aが回転駆動されると共に図示しない可動マスタガイド板が搬送位置に位置決めされる。プラテンローラー58を回転駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より、マスタ64の先端がサーマルヘッド59による製版位置から第1の距離L1である85mm引き出され、製版位置に第1の位置Aが到達したと判断されると、画像メモリ135内に格納されている1枚目の原稿に対応した画像データ信号が画像処理を施された後に呼び出されるが、本実施例では先端余白が設定されているため図示しないサーマルヘッドドライバーはサーマルヘッド59への動作信号を保留する。そして、さらにマスタ64の先端が先端余白分の距離x1である5mm送られると、図示しないサーマルヘッドドライバーよりサーマルヘッド59へと動作信号が送られてサーマルヘッド59の各発熱素子が選択的に発熱することにより、マスタ64の熱可塑性樹脂フィルム面に第1製版画像65A−1が形成される。マスタ64は製版されつつ搬送され、その先端部が反転ローラー対63に挟持されると、図示しない可動マスタガイド板が退避位置に移動されると共に反転ローラー対63の回転が停止される。
【0104】
反転ローラー対63の回転停止後もプラテンローラー58及びテンションローラー対62は回転を継続し、サーマルヘッド59による製版が継続される。そして、画像メモリ135内に格納されている1枚目の原稿に対応した画像データ信号が途絶えると、サーマルヘッド59の作動が停止される。この後もマスタ64は搬送され、図示しないステッピングモーターのステップ数より、マスタ64が第1の位置Aから第2の距離L2である230mm引き出されて第2の位置Bが製版位置に到達したと判断されると、画像メモリ135内に格納されている2枚目の原稿に対応した画像データ信号が画像処理を施された後に呼び出され、サーマルヘッド59が再び作動を開始してマスタ64の熱可塑性樹脂フィルム面に第2製版画像65B−1が形成される。この場合も本実施例では後端余白が設定されているので、図示しないサーマルヘッドドライバーは製版終了位置D1よりも後端余白分の距離x2である5mm手前の位置においてサーマルヘッド59への動作信号を停止する。
【0105】
製版された分割製版済みマスタ65−1はプラテンローラー58及びテンションローラー対62によって搬送されて、マスタストック部61内に順次貯容される。反転ローラー対63の停止時においてマスタストック部61に設けられた図示しない吸引ファンが作動されており、分割製版済みマスタ65−1は図示しない吸引ファンに吸引されることによって良好にマスタストック部61内に貯容される。
【0106】
上述の製版動作中、排版動作が完了して両面印刷装置1が給版待機状態となると、反転ローラー対63が回転を開始してマスタストック部61内に貯容されている分割製版済みマスタ65−1が開放されているクランパー19に向けて搬送される。そして、分割製版済みマスタ65−1の先端部がクランパー19によって挟持可能な所定位置まで搬送されると、図示しない開閉手段が作動してクランパー19が閉じられ、分割製版済みマスタ65−1はその先端部を版胴12の外周面上に保持される。
【0107】
その後、版胴12が図1において時計回り方向に間欠的に回転駆動され、分割製版済みマスタ65−1の版胴12への巻装動作が行われる。このとき反転ローラー対63は回転を停止しており、駆動ローラー63aは内部に設けられた図示しないワンウェイクラッチによって分割製版済みマスタ65−1の引き出しに伴い連れ回りする。そして、画像メモリ135からの2枚目の原稿に対応した画像データ信号が途絶えるとサーマルヘッド59の作動が停止し、図示しないステッピングモーターのステップ数より分割製版済みマスタ65−1が545mm送られて1版分が製版搬送されたと判断されると、プラテンローラー58、テンションローラー対62の回転がそれぞれ停止されると共に切断手段60が作動して分割製版済みマスタ65−1が切断される。切断された分割製版済みマスタ65−1は版胴12の回転によって製版部3より引き出され、版胴12がホームポジションまで回転して停止することで製版動作及び給版動作が完了する。
なお、分割製版済みマスタ65−2の場合も上述と同様に製版給版動作が行われ、上述と異なる点は画像メモリ135から送られてくる各画像データ信号が分割製版済みマスタ65−1の場合よりも早く途絶える点のみである。
【0108】
給版動作に引き続き版付け動作が行われる。版胴12がホームポジションで停止するとステッピングモーター52が作動して段差カム49が回転されると共に図示しないプレスローラー係止手段が作動され、カム部49aをカムフォロア48cに当接させる。これにより移動アーム48が支軸48aを中心に揺動されてカム軸44がカム板43Bをカムフォロア41に対して当接可能となる位置に移動された後、図示しないプレスローラー係止手段の作動が解除される。
【0109】
その後、給紙ローラー68、分離ローラー69、各駆動ローラー36,87、各吸引ファン39,90がそれぞれ駆動されると共に版胴12が低速で図1の時計回り方向に回転駆動され、給紙トレイ67上から1枚目の用紙P1が引き出されてその先端をレジストローラー対71に挟持される。そして、クランパー19が切換部材10と対応する位置を通過するとソレノイド123が作動して切換部材10が第2の位置に位置決めされ、その後、版胴12上に巻装された分割製版済みマスタ65−1の版胴回転方向における第1製版画像65A−1の画像領域先端部、すなわち第1の位置Aがプレスローラー13と対応する位置に到達する所定のタイミングで図示しないレジストローラー駆動モーターが作動し、駆動ローラー71aが回転駆動されることにより給紙トレイ67上から引き出された用紙P1が版胴12とプレスローラー13との間に向けて給送される。
【0110】
上記所定のタイミングにおいて、カムフォロア41と当接する位置に移動されたカム板43Bはその凸部をカムフォロア41から離脱させ、プレスローラー13が印圧ばね42の付勢力によってその周面を版胴12の外周面に圧接させる。これによりプレスローラー13と用紙P1と分割製版済みマスタ65−1の第1製版画像65A−1形成部と版胴12とが圧接し、インキローラー16によって版胴12の内周面に供給されたインキが版胴12の開口部より滲出して、版胴12に巻装された図示しない多孔性支持板及び図示しないメッシュスクリーン、及び分割製版済みマスタ65−1の多孔性支持体に充填された後に第1製版画像65A−1の穿孔部を介して用紙P1に転写され、分割製版済みマスタ65−1のうちの第1製版画像65A−1が形成された部分の版付けが行われる。
【0111】
版付けにより第1製版画像65A−1に応じた画像をその表面に印刷された用紙P1は、切換部材10の先端によってその先端部から版胴外周面上の分割製版済みマスタ65−1から剥離されつつ、第2の位置を占めた切換部材10によって再給紙手段9へと案内される。切換部材10によって下方へと導かれた用紙P1は、各ガイド板27,56間を通ってその先端をフェンス8aに当接させ、補助トレイ8上に載置される。補助トレイ8上に搬送された用紙P1は吸引ファン39の吸引力によって無端ベルト38上に保持されつつ図1の矢印方向に搬送され、その先端(第1製版画像65A−1の印刷時における後端)を曲折端部24aに当接させる。このとき用紙P1と無端ベルト38との間で滑りが発生するので、用紙P1はその先端を曲折端部24aに当接させた状態で停留される。なお、用紙P1の先端が曲折端部24aに当接したときにこれを検知する図示しないセンサーを設け、この図示しないセンサーが用紙P1の先端を検知したときに駆動ローラー36及び吸引ファン39の作動を停止させる構成としてもよい。
【0112】
用紙P1が補助トレイ8上に案内されている間も版胴12は回転を継続しており、プレスローラー13は版胴12の表面領域との接触を終えるとカム板43Bの凸部がカムフォロア41に当接することで離間位置を占める。このカム板43Bの働きにより、用紙Pが存在しない状態で版胴12の裏面領域とプレスローラー13とが圧接することがなく、プレスローラー13の周面へのインキの転移を防止できる。このとき図示しないプレスローラー係止手段が作動してプレスローラー13を離間位置で保持した後、ステッピングモーター52が作動して段差カム49が回転され、そのカム部49bをカムフォロア48cに当接させる。これにより移動アーム48が支軸48aを中心に揺動され、カム軸44がカム板43Aをカムフォロア41に対して当接可能となる位置に移動される。
【0113】
また、上述の動作とほぼ同時に給紙ローラー68及び分離ローラー69が駆動され、給紙トレイ67上から2枚目の用紙P2が引き出されてその先端をレジストローラー対71に挟持される。そして、上述と同様の所定のタイミングで駆動ローラー71aが回転駆動され、引き出された用紙P2は版胴12とプレスローラー13との間に向けて給送される。
【0114】
一方、プレスローラー接離機構55では、移動されたカム板43Aの凸部がカムフォロア41と当接可能な位置までカム軸44が回転すると、図示しないプレスローラー係止手段の作動が解除される。このときカム軸44と同期して回転している版胴12は、表面領域及び裏面領域及び中間領域以外の部位である非開口部がプレスローラー13と対向する位置を占めている。また、版胴12の表面領域がプレスローラー13との対向部を通過し、クランパー19が再び切換部材10と対応する位置を占めるまでの間にソレノイド123が作動され、切換部材10が第2の位置から第1の位置に変位される。
【0115】
用紙P2がレジストローラー対71によって給送される所定のタイミングにおいて、カム板43Aがその凸部をカムフォロア41から離脱させることによりプレスローラー13が印圧ばね42の付勢力によってその周面を版胴12の外周面に圧接させる。これによりプレスローラー13と用紙P2と分割製版済みマスタ65の第1製版画像65A−1形成部と版胴12とが圧接し、インキローラー16によって版胴12の内周面に供給されたインキが版胴12の開口部、図示しない多孔性支持板及び図示しないメッシュスクリーン、第1製版画像65A−1の穿孔部を介して用紙P2に転写される。
【0116】
第1製版画像65A−1に応じた画像を印刷された用紙P2は、第1の位置を占めた切換部材10によって排紙搬送部材85へと案内されると共に、剥離爪84によってその先端部から版胴外周面上の分割製版済みマスタ65より剥離される。剥離された用紙P2は下方へと落下して排紙搬送部材85へと送られた後に排紙トレイ86上に排出される。
【0117】
また、レジストローラー対71によって用紙P2が給送された後、分割製版済みマスタ65−1の版胴回転方向における第2製版画像65B−1の画像領域先端部、すなわち第2の位置Bがプレスローラー13と対応する位置に到達するよりもやや早いタイミングである所定のタイミングでソレノイド33が作動され、揺動アーム32が支軸32aを中心に図2における時計回り方向に揺動される。これにより再給紙レジストローラー23が離間位置から圧接位置に揺動され、先端を曲折端部24aに当接させた状態で停留されていた用紙P1が版胴12と当接して従動回転しているプレスローラー13の周面に当接される。
【0118】
再給紙レジストローラー23によりプレスローラー13の周面に当接された用紙P1は、プレスローラー13の回転力によってその回転方向下流側へと搬送され、用紙ガイド板31及び各ローラー28,29,30によってプレスローラー13の周面に密着した状態で版胴12との当接部に向けて搬送される。このとき用紙P1の表面には第1製版画像65A−1に応じた画像が印刷されているが、再給紙案内部材22の働きによって用紙P1がプレスローラー13の周面に密着されているので、一度プレスローラー13の周面に接触した用紙P1がずれることがなく、擦れ汚れあるいは画線の太りといった不具合の発生が防止される。そして、用紙P2の後端及び中間領域がプレスローラー13と対応する位置を通過した後、第2の位置Bがプレスローラー13と対応する位置に到達するタイミングで用紙P1が版胴12とプレスローラー13との当接部に送り込まれる。
【0119】
これによりプレスローラー13と用紙P1と分割製版済みマスタ65−1の第2製版画像65B−1形成部と版胴12とが圧接し、インキローラー16によって版胴12の内周面に供給されたインキが版胴12の開口部、図示しない多孔性支持板及び図示しないメッシュスクリーン、第2製版画像65B−1の穿孔部を介して用紙P1に転写され、分割製版済みマスタ65−1のうちの第2製版画像65B−1が形成された部分の版付けが行われる。
【0120】
第1製版画像65A−1に応じた画像を表面に、第2製版画像65B−1に応じた画像を裏面にそれぞれ印刷された用紙P1は、第1の位置を占めた切換部材10によって排紙搬送部材85へと案内されると共に、剥離爪84によってその先端部から版胴外周面上の分割製版済みマスタ65−1より剥離される。剥離された用紙P1は下方へと落下して排紙搬送部材85へと送られた後に排紙トレイ86上に排出され、これにより分割製版済みマスタ65−1の版付け動作が完了して両面印刷装置1は印刷待機状態となる。
【0121】
なお、分割製版済みマスタ65−2の場合も上述と同様に版付け動作が行われる。この版付け動作時において、分割製版済みマスタ65−1及び分割製版済みマスタ65−2における各第1製版画像65A−1,65A−2と各第2製版画像65B−1,65B−2の製版開始位置が共に第1の位置A及び第2の位置Bと同じであるので、版付け動作時におけるレジストローラー対71による用紙P1及び用紙P2の給送タイミング及び再給紙手段9からの再給紙タイミングは分割製版済みマスタ65−1の場合と同じとなる。
【0122】
両面印刷装置1が印刷待機状態となった後、印刷速度設定キー113及び操作パネル103上の各種キーによって印刷条件を入力した後に試し刷りキー106が押下されると、試し刷りが行われる。この試し刷りキー106の押下時においても制御手段129は用紙の厚みを設定して下さいという旨の表示を表示装置120に表示させ、「厚紙」が設定された場合には試し刷りキー106の入力を拒否して表示装置120に正しい用紙をセットして下さいという旨の警告を表示させる。
【0123】
試し刷りキー106が押下されると、版付け時と同様にカム板43Bがカムフォロア41に当接可能となる位置にカム軸44が移動された後に設定された印刷速度で版胴12が回転駆動され、さらに版付け時と同様に切換部材10が第2の位置に位置決めされる。版胴12の回転開始後、給紙部4から1枚目の用紙P1が給送され、給送された用紙P1はレジストローラー対71で一時停留された後に版付け時と同じタイミングで給送されてプレスローラー13によって分割製版済みマスタ65−1の第1製版画像65A−1に圧接される。表面に第1製版画像65A−1に対応した画像を印刷された用紙P1は、切換部材10によって版胴外周面上の分割製版済みマスタ65−1より剥離されつつ補助トレイ8へと案内される。補助トレイ8上に搬送された用紙P1は、吸引ファン39の吸引力によって無端ベルト38上に保持されつつ先端を曲折端部24aに当接させた状態で停留される。
【0124】
その後、図示しないプレスローラー係止手段が作動してプレスローラー13が離間位置で保持され、段差カム49が回転してカム板43Aをカムフォロア41に対して当接可能となる位置にカム軸44が移動された後、図示しないプレスローラー係止手段の作動が解除される。切換部材10は、クランパー19が再び切換部材10と対応する位置を占めるまでの間に第2の位置から第1の位置に変位される。また、この動作とほぼ同時に給紙部4から2枚目の用紙P2が給送され、給送された用紙P2はレジストローラー対71で一時停留された後に用紙P1と同じタイミングで印刷部2に向けて給送される。
【0125】
給送された用紙P2は揺動するプレスローラー13によって分割製版済みマスタ65の第1製版画像65A−1に圧接され、表面に第1製版画像65A−1に対応した画像を印刷された用紙P2は第1の位置を占めた切換部材10によって排紙搬送部材85へと案内される。用紙P2は剥離爪84によって分割製版済みマスタ65−1より剥離され、下方へと落下して排紙搬送部材85によって搬送されて排紙トレイ86上に排出される。
【0126】
レジストローラー対71によって用紙P2が給送された後、版付け時と同じタイミングでソレノイド33が作動されて再給紙レジストローラー23が離間位置から圧接位置へと変位され、一時停留されていた用紙P1が回転しているプレスローラー13の周面に当接される。用紙P1はプレスローラー13の回転力によって搬送され、再給紙案内部材22によってプレスローラー13の周面に密着した状態で印刷部2へと搬送される。
【0127】
搬送された用紙P1はプレスローラー13によって分割製版済みマスタ65−1の第2製版画像65B−1に圧接され、その両面に各製版画像65A−1,65B−1に対応した画像を印刷された用紙P1は切換部材10によって排紙搬送部材85へと案内される。その後、用紙P1が剥離爪84によって分割製版済みマスタ65−1より剥離され、排紙搬送部材85によって搬送されて排紙トレイ86上に排出されることにより試し刷りが完了する。
【0128】
試し刷りにより画像の位置あるいは濃度等が確認され、テンキー109によって印刷枚数が入力された後に印刷スタートキー105が押下されると、印刷動作が行われる。この印刷スタートキー105の押下時においても制御手段129は用紙の厚みを設定して下さいという旨の表示を表示装置120に表示させ、「厚紙」が設定された場合には印刷スタートキー105の入力を拒否して表示装置120に正しい用紙をセットして下さいという旨の警告を表示させる。本実施例では、印刷枚数としてN枚が入力された場合を説明する。
【0129】
印刷スタートキー105が押下されると、版付け時及び試し刷り時と同様にカム板43Bがカムフォロア41に対して当接可能となる位置にカム軸44が移動された後に設定された印刷速度で版胴12が回転駆動され、さらに版付け時及び試し刷り時と同様に切換部材10が第2の位置に位置決めされる。版胴12の回転開始後に給紙部4から1枚目の用紙P1が給送され、給送された用紙P1はレジストローラー対71で一時停留された後に試し刷り時と同じタイミングで給送される。用紙P1はプレスローラー13によって分割製版済みマスタ65−1の第1製版画像65A−1に圧接されることで、その表面に第1製版画像65A−1に対応した画像を印刷される。表面に画像を印刷された用紙P1は、第2の位置を占めた切換部材10によって剥離案内されて補助トレイ8上に搬送され、先端を曲折端部24aに当接させた状態で停留される。
【0130】
その後、図示しないプレスローラー係止手段が作動してプレスローラー13が離間位置で保持され、カム板43Aがカムフォロア41に対して当接可能となる位置にカム軸44が移動された後、図示しないプレスローラー係止手段の作動が解除される。また、この動作とほぼ同時に給紙部4から2枚目の用紙P2が給送され、用紙P2はレジストローラー対71で一時停留された後に用紙P1と同じタイミングで印刷部2に向けて給送される。切換部材10はクランパー19との衝突を回避すべく第1の位置に位置決めされた後、クランパー19の通過後に再び第2の位置に位置決めされる。
【0131】
給送された用紙P2はプレスローラー13によって分割製版済みマスタ65−1の第1製版画像65A−1に圧接され、表面に第1製版画像65A−1に対応した画像を印刷された後、第2の位置を占めた切換部材10によって剥離案内されて補助トレイ8上に搬送される。給紙部4から用紙P2が給送された後、試し刷り時と同じタイミングでソレノイド33が作動され、補助トレイ8上に停留されていた用紙P1がプレスローラー13の回転力によって印刷部2へと搬送される。用紙P1は用紙P2の後端が版胴12とプレスローラー13との当接部を抜けきった後、版胴12の中間領域がプレスローラー13と対向する位置を通過して裏面領域がプレスローラー13と対向するタイミングで版胴12とプレスローラー13との当接部に送られ、プレスローラー13によって分割製版済みマスタ65−1の第2製版画像65B−1に圧接されることでその裏面に第2製版画像65B−1に対応した画像を印刷される。
【0132】
上述の動作中、版胴12の中間領域がプレスローラー13と対向する位置を占める直前にソレノイド123が作動され、切換部材10が第2の位置から第1の位置に変位される。これにより切換部材10によって案内されていた用紙P2の後端は、切換部材10の下面10aとプレスローラー13の周面との間の僅かな隙間を通って補助トレイ8上に案内され、これに続いて搬送された用紙P1の先端は、切換部材10の上面10bに沿って排紙搬送部材85へと案内される。用紙P1は、剥離爪84によって分割製版済みマスタ65−1より剥離された後に排紙搬送部材85によって搬送され、排紙トレイ86上に排出される。
【0133】
その後、給紙部4から3枚目の用紙P3が給送され、用紙P3はレジストローラー対71で一時停留された後に用紙P1と同じタイミングで印刷部2に向けて給送される。切換部材10はクランパー19との衝突を回避すべく第1の位置に位置決めされ、クランパー19の通過後に再び第2の位置に位置決めされる。給送された用紙P3は表面に第1製版画像65A−1に対応した画像を印刷された後、切換部材10によって補助トレイ8上に案内される。給紙部4から3枚目の用紙P3が給送された後に所定のタイミングでソレノイド33が作動され、補助トレイ8上に停留されていた用紙P2が印刷部2へと搬送される。用紙P2は上述の用紙P1と同様のタイミングで版胴12とプレスローラー13との当接部に送られ、その裏面に第2製版画像65B−1に対応した画像を印刷される。切換部材10は上述と同様のタイミングで第2の位置から第1の位置に変位され、用紙P3の後端は切換部材10の下面10aとプレスローラー13の周面との間の僅かな隙間を通って補助トレイ8上に案内される。また、これに続いて補助トレイ8上より搬送された用紙P2の先端は切換部材10の上面10bに沿って排紙搬送部材85へと案内され、用紙P2は剥離爪84によって分割製版済みマスタ65−1より剥離された後に排紙搬送部材85によって搬送され、排紙トレイ86上に排出される。
【0134】
以下、上述と同様の印刷動作が(N−1)枚目まで行われる。そして、N枚目の用紙PNが給紙部4から給送されその表面に第1製版画像65A−1に対応した画像を印刷されて補助トレイ8上に案内された後、(N−1)枚目の用紙P(N−1)がその裏面に第2製版画像65B−1に対応した画像を印刷されて排紙トレイ86上に排出されると、図示しないプレスローラー係止手段が作動してプレスローラー13が離間位置で保持され、カム板43Cをカムフォロア41に対して当接可能となる位置にカム軸44が移動された後、図示しないプレスローラー係止手段の作動が解除される。このとき切換部材10は第1の位置を占めた状態を維持している。
【0135】
そして、分割製版済みマスタ65−1の第2の位置Bがプレスローラー13と対応する位置に到達するよりも早いタイミングでカムフォロア41と当接しているカム板43Cはその凸部をカムフォロア41から離脱させ、プレスローラー13が印圧ばね42の付勢力によってその周面を版胴12の外周面に圧接させる。その後、分割製版済みマスタ65−1の第2の位置Bがプレスローラー13と対応する位置に到達するよりもやや早いタイミングでソレノイド33が作動され、揺動アーム32が支軸32aを中心に図2における時計回り方向に揺動される。これにより再給紙レジストローラー23が離間位置から圧接位置に揺動され、先端を曲折端部24aに当接させた状態で停留されていた用紙PNが版胴12と当接して従動回転しているプレスローラー13の周面に当接される。
【0136】
用紙PNは用紙P1と同様のタイミングで版胴12とプレスローラー13との当接部に送られ、その裏面に第2製版画像65B−1に対応した画像を印刷される。画像を印刷された用紙PNは切換部材10の上面10bに沿って排紙搬送部材85へと案内され、剥離爪84によって分割製版済みマスタ65−1より剥離された後に排紙搬送部材85によって搬送され、排紙トレイ86上に排出される。その後、プレスローラー13は版胴12の裏面領域との接触を終えるとカム板43Cの凸部がカムフォロア41に当接することで離間位置を占める。このカム板43Cの働きにより、用紙Pが存在しない状態で版胴12の表面領域とプレスローラー13とが圧接することがなく、プレスローラー13の周面へのインキの転移を防止できる。このとき図示しないプレスローラー係止手段が作動してプレスローラー13が離間位置で保持され、その後に版胴12がホームポジションで停止して両面印刷装置1は印刷動作を終えて再び印刷待機状態となる。
【0137】
この第1の実施例によれば、製版動作時において分割製版済みマスタ65−1と分割製版済みマスタ65−2の各第1製版画像65A−1,65A−2及び各第2製版画像65B−1,65B−2の製版開始位置を共に第1の位置A及び第2の位置Bと同じとすることにより、版付け動作時及び試し刷り動作時及び印刷動作時における給紙部4からの用紙Pの給紙タイミング及び再給紙手段9からの再給紙タイミングを、原稿サイズあるいは用紙サイズにかかわらず表面画像時毎及び裏面画像時毎に全て同じタイミングとすることができ、装置の構成及び制御を簡略化することにより操作性を向上することができる。
【0138】
図11は、製版モード切換キー137により上下開きが選択され、先端余白が5mm設けられた場合の分割製版済みマスタ65−5を示している。この上下開きの分割製版済みマスタ65−5では、左右開きの分割製版済みマスタ65−1と比較して第1の位置A、第2の位置B、製版終了位置D1は変化しないが、第1製版画像65A−5に対して第2製版画像65B−5が180度回転した状態で製版される点、用紙搬送方向Eと直行する用紙幅方向Fに先端余白及び後端余白が形成される点が異なっている。先端余白及び後端余白の距離tは、第1製版画像65A−5の上側、反転した第2製版画像65B−5の下側にそれぞれ設けられる。図中の距離sは、A4サイズの長さ297mmから先端余白の距離tの5mmを差し引いた292mmである。
【0139】
この分割製版済みマスタ65−5の製版動作は、左右開きであって先端余白が設定されていない場合の分割製版済みマスタ65−1の製版開始位置と同じ位置から第1製版画像65A−5の製版が開始され、その製版動作が210mmの距離で継続される。ただし、この際にマスタ搬送方向の右側部分には先端余白が設定されているため、第1製版画像65A−5の右側5mmの部分ではサーマルヘッド59の作動が停止される。その後、y1+y2の距離である20mmだけマスタ64が搬送された後、第2製版画像65B−5の製版動作が開始される。このとき、第2製版画像65B−5が180度回転して製版されるため、画像メモリ135からの画像データの読み出しが逆の順序で行われる。また、この場合にもマスタ搬送方向の右側部分には後端余白が設定されているため、第2製版画像65B−5の右側5mmの部分ではサーマルヘッド59の作動が停止される。なお、分割製版済みマスタ65−2における上下開きも分割製版済みマスタ65−1と同様に形成される。
【0140】
上記実施例において、各製版画像65A−1,65B−1,65A−2,65B−2,65A−5,65B−5を用紙搬送方向Eと同方向である左右方向に移動させる場合には、製版スタートキー104の押下前に操作パネル103上のテンキー109、各選択設定キー120a,120b,120c,120d、4方向キー114等を用いて移動方向及び移動量を設定する。移動方向及び移動量が決定されると、CPU130がこれを計算して図示しないレジストローラー駆動モーター及びソレノイド33の作動タイミングがずらされ、給紙部4からの用紙Pの給紙タイミング及び再給紙手段9からの用紙Pの再給紙タイミングがそれぞれずらされることで、用紙P上に形成される画像位置が移動される。
【0141】
図12は、本発明の第2の実施例において製版部3で作成される分割製版済みマスタ65−3,65−4を示している。同図において、上側に示す分割製版済みマスタ65−3はそれぞれA4サイズの第1製版画像65A−3,65B−3を、下側に示す分割製版済みマスタ65−4はそれぞれB5サイズの第1製版画像65A−4,65B−4を有している。この第2の実施例では、各分割製版済みマスタ65−3,65−4の先端位置から等距離だけ離れた所定の距離に第1製版画像と第2製版画像との振り分け位置を設定し、この振り分け位置のマスタ搬送方向上流側に第1製版画像を、マスタ搬送方向下流側に第2製版画像をそれぞれ製版する。先ず製版モード切換キー137により左右開きが選択され、先端余白が5mm設けられた場合の分割製版済みマスタ65−3について説明する。
【0142】
分割製版済みマスタ65−3の先端位置から第1製版画像65A−3と第2製版画像65B−3との振り分け位置である第3の位置Cまでの距離である第3の距離L3は、分割製版済みマスタ65−3で製版可能な最大サイズであるA4サイズの製版領域を基に設定されている。ここで第3の位置Cを決定する第3の距離L3としては、第3の位置Cよりも製版時におけるマスタ搬送方向の上流側に第1の実施例と同様の距離x1、距離w1、距離y1をそれぞれ設けたときに、第1の位置Aまでの距離である第1の距離L1が80mm以上確保可能である位置に設定されている。本実施例では各距離L1,x1,w1,y1がそれぞれ85mm、5mm、205mm、10mmであるので、距離L3はこれらの合計である305mmに設定されている。
【0143】
第3の位置Cよりも製版時におけるマスタ搬送方向の下流側には、第1の実施例と同様に距離y2が設けられ、その下流側に距離w2、距離x2がそれぞれ設けられる。第3の位置Cから距離y2と距離w2と距離x2とを加えた距離だけ離れた位置は第1の実施例と同様の製版終了位置D1となり、その下流側にインキが漏れることを防止するための距離z1が設けられる。この第2の実施例では、版胴12の直径を大きくして分割製版済みマスタ65−3の全長を長くすることにより距離L3をさらに大きく設定することが可能となり、これにより距離L1,z1を大きくすることが可能となる。上述したように第3の距離L3の限界値が300mm(L1=80mm、x1+w1=210mm、y1=10mmの場合)であるので、版胴12として直径が191mm以上のものを使用した場合には、第3の位置Cをクランパー19と対向する位置(版胴12の外周面上においてクランパー19の中心から180度離れた位置)に設定することが可能となり、版胴12に対するプレスローラー13の押圧範囲を大きく取ることが可能となる。
【0144】
次に、分割製版済みマスタ65−4について説明する。分割製版済みマスタ65−4の第3の位置Cは分割製版済みマスタ65−3と同じ位置に設定されており、その上流側には距離y1、距離w3、距離x3がそれぞれ設けられ、第3の位置Cから各距離y1,w3,x3を加えた距離だけ上流側に遡った位置から第1製版画像65A−4の製版が行われる。ここで、第3の位置Cから各距離y1,w3,x3を加えた距離だけ上流側に遡った位置と第1の位置Aとの間には距離vが存在する。この距離vはA4サイズの横幅である210mmとB5サイズの横幅である182mmとの差である28mmとなる。
【0145】
第3の位置Cの下流側には第1の実施例と同様に距離y2が設けられ、その下流側に距離w4、距離x4がそれぞれ設けられる。第3の位置Cから各距離y2,w4,x4を加えた距離だけ下流側の位置は第1の実施例と同様の製版終了位置D2となり、その下流側に距離z2が設けられる。
【0146】
以下に、分割製版済みマスタ65−4を例にとって第2の実施例における分割製版済みマスタ65の製版給版動作について説明する。この第2の実施例では、版胴12の直径に応じた第3の距離であるL3の値及び各原稿サイズに応じた距離vの値がROM131に予め記憶されている。例えば原稿サイズがA4の場合にはvの値は0、原稿サイズがB5の場合にはvの値は28mmである。
【0147】
製版待機状態から製版指令が送られると製版駆動手段124が作動し、プラテンローラー58、各駆動ローラー62a,63aが回転駆動されると共に図示しない可動マスタガイド板が搬送位置に位置決めされる。プラテンローラー58を回転駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より、マスタ64の先端がサーマルヘッド59による製版位置から第1の距離L1と距離vとを加えた距離である113mm引き出され、製版位置にマスタ64の製版開始位置が到達したと判断されると、画像メモリ135内に格納されている1枚目の原稿に対応した画像データ信号が画像処理を施された後に呼び出される。しかし、この第2の実施例でも第1の実施例と同様に先端余白が設定されているので、図示しないサーマルヘッドドライバーからサーマルヘッド59への動作信号は保留される。その後、さらにマスタ64の先端が先端余白分の距離x3である5mm送られると、図示しないサーマルヘッドドライバーからサーマルヘッド59に動作信号が送られてサーマルヘッド59の各発熱素子が選択的に発熱し、マスタ64の熱可塑性樹脂フィルム面に第1製版画像65A−4が形成される。マスタ64は製版されつつ搬送され、その先端部が反転ローラー対63に挟持されると、図示しない可動マスタガイド板が退避位置に移動されると共に反転ローラー対63の回転が停止される。
【0148】
反転ローラー対63の回転停止後もプラテンローラー58及びテンションローラー対62は回転を継続し、サーマルヘッド59による製版が継続される。そして、画像メモリ135内に格納されている1枚目の原稿に対応した画像データ信号が途絶えると、サーマルヘッド59の作動が停止される。この後もマスタ64は搬送され、図示しないステッピングモーターのステップ数より、マスタ64が第3の位置Cから距離y2である10mm引き出されて第2製版画像65B−4の製版開始位置が製版位置に到達したと判断されると、画像メモリ135内に格納されている2枚目の原稿に対応した画像データ信号が画像処理を施された後に呼び出され、サーマルヘッド59が再び作動を開始してマスタ64の熱可塑性樹脂フィルム面に第2製版画像65B−4が形成される。第2の実施例でも後端余白が設定されているので、図示しないサーマルヘッドドライバーは製版終了位置D2よりも後端余白分の距離x4である5mm手前の位置においてサーマルヘッド59への動作信号を停止する。製版された分割製版済みマスタ65−4は、第1の実施例と同様にマスタストック部61内に貯容される。
【0149】
以下、第1の実施例と同様に、排版動作完了後に分割製版済みマスタ65−4の先端がクランパー19によって版胴12の外周面上に保持され、版胴12が間欠回転される。その後、画像メモリ135からの2枚目の原稿に対応した画像データ信号が途絶えるとサーマルヘッド59の作動が停止し、図示しないステッピングモーターのステップ数より分割製版済みマスタ65−4が545mm送られて1版分が製版搬送されたと判断されると、プラテンローラー58、テンションローラー対62の回転がそれぞれ停止されると共に切断手段60が作動して分割製版済みマスタ65−4が切断される。切断された分割製版済みマスタ65−4は版胴12の回転によって製版部3より引き出され、版胴12がホームポジションまで回転して停止することで製版動作及び給版動作が完了する。
【0150】
この第2の実施例によれば、製版動作時において分割製版済みマスタ65−3と分割製版済みマスタ65−4の各第1製版画像65A−3,65A−4及び各第2製版画像65B−3,65B−4を、共に同じ第3の位置Cのマスタ搬送方向上流側及び下流側に振り分けて製版することにより、マスタ64の中央に製版画像を配置することができ、プレスローラー13のバウンドによる印刷不良あるいはマスタ64の後端からのインキ漏れによる印刷不良の発生をより一層防止することができる。また、A4サイズよりも小サイズの印刷物を得る場合には、マスタ先端から製版開始位置までの距離を大きく取ることができるので、画像先端付近位置にべた画像が存在する場合であっても巻き上がりの発生を防止することができる。
【0151】
上述した第2の実施例においても、上下開きの場合は左右開きの分割製版済みマスタ65−3,65−4と同じ位置から各製版画像65A−3,65B−3,65A−4,65B−4が製版され、第1製版画像65A−3,65A―4に対して第2製版画像65B−3,65B−4が180度回転した状態で製版される。先端余白及び後端余白は、第1製版画像65A−3,65A−4の上側、反転した第2製版画像65B−3,65B−4の下側にそれぞれ形成される。
【0152】
上記各実施例では、製版時においてマスタ64を搬送するプラテンローラー58、テンションローラー対62、反転ローラー対63のマスタ搬送速度を常に一定とする構成としたが、プラテンローラー58及び各駆動ローラー62a,63aを回転駆動する回転駆動手段として速度可変型のモーターを用い、サーマルヘッド59の各発熱素子を作動させる必要のない非画像領域(図9に示す分割製版済みマスタ65−1ではL1,x1,y1,y2,x2,z1の範囲)でのマスタ64の搬送速度を画像領域(w1,w2の範囲)での搬送速度に比して高速(例えば画像領域での搬送速度が2mm/secの場合に非画像領域での搬送速度を4mm/secとする)とすることによりファーストプリントタイムを短縮することができ、作業効率を向上させることができる。
【0153】
さらに上記各実施例では、各分割製版済みマスタ65−1,65−3の第2製版画像65B−1,65B−3の後方及び各分割製版済みマスタ65−2,65−4の第2製版画像65B−2,65B−4の後方にインキ漏れ防止のための距離z1,z2をそれぞれ設ける構成としたが、図13に示すようにそれぞれの製版終了位置D1,D2で切断手段60を作動させて各分割製版済みマスタ65−1,65−2,65−3,65−4を切断する構成としてもよい。このような構成とすることにより後端部の余分なマスタをカットすることができ、マスタを節約することができる。なお、この構成を採用する場合には、カットされた後端部分に版胴12の開孔部が存在する場合があるため、プレスローラー13の版胴12に対する押圧範囲が第2製版画像の画像領域となるようなカム板を多段カム43に組み込み、このカム板を用いて印刷を行うことで版胴12からのインキ漏れを防止することができる。
【0154】
図14は、本発明の第2の実施例の変形例において製版部3で作成される分割製版済みマスタ65−3,65−4を示している。この変形例において、分割製版済みマスタ65−3は第2の実施例と同様に製版され、分割製版済みマスタ65−4のみが第2の実施例とは異なっている。
【0155】
この変形例における、分割製版済みマスタ65−4の先端位置から第1製版画像65A−4と第2製版画像65B−4との振り分け位置である第3の位置C1までの距離である第3の距離L4は、第1製版画像65A−4の製版領域を基に設定されている。ここで、第3の位置C1を決定する第3の距離L4としては、第3の位置C1よりも製版時におけるマスタ搬送方向の上流側に第2の実施例と同様の距離x3、距離w3、距離y1をそれぞれ設けたときに、第1の位置Aまでの距離である第1の距離L1が80mm以上確保可能である位置に設定されている。この変形例では各距離L1,x3,w3,y1がそれぞれ85mm、5mm、177mm、10mmであるので、距離L4はこれらの合計である277mmに設定されている。
【0156】
第3の位置C1よりも製版時におけるマスタ搬送方向の下流側には、第2の実施例と同様に距離y2が設けられ、その下流側に距離w4、距離x4がそれぞれ設けられる。第3の位置C1から距離y2と距離w4と距離x4とを加えた距離だけ離れた位置は製版終了位置D3となり、その下流側にインキが漏れることを防止するための距離z3が設けられる。この変形例では、A4サイズの場合の第3の距離L3と他のサイズの場合の第3の距離L4(B5サイズの場合)との差である距離uの値がROM131に予め記憶されている。例えば原稿サイズがB5の場合にはuの値は28mmである。
【0157】
この変形例によれば、原稿サイズがA4サイズよりも小さい場合に距離z3を大きく取ることができ、マスタ後端からのインキ漏れを確実に防止することが可能となる。また、上述した例のように後端マスタカットを行うと、原稿サイズが小さくなればなるほどz3の距離が大きくなり、原稿サイズに応じて最小限のマスタ使用量を達成することができ、マスタを最大限に節約することができる。
【0158】
上記各実施例では、再給紙手段9からの用紙P1の再給紙時において、用紙P1の印刷面と接触することでプレスローラー13の表面に用紙P1からのインキが再転移するが、プレスローラー13の周面が撥インキ性を有すると共にクリーニングローラー26がプレスローラー13の周面をクリーニングするので、用紙P1からプレスローラー13の周面への再転移インキ量が減少されると共にプレスローラー13の周面からの再転移インキの除去が促進され、以下の印刷時においてプレスローラー13から用紙Pの裏面へのインキの再転移を防止できる。
【0159】
この両面印刷装置1によれば、片面印刷時には製版部3が製版済みマスタ66を作成してこれを版胴12に巻装し、給紙部4より用紙Pを給送してこれをプレスローラー13によって版胴12に圧接させるので、マスタ64を無駄に使用することなく通常の孔版印刷装置と同様に片面印刷を行うことができる。また、両面印刷時には製版部3が分割製版済みマスタ65を作成してこれを版胴12に巻装し、給紙部4より1枚目の用紙P1を給送してこの表面をプレスローラー13によって版胴12に圧接させた後に補助トレイ8上に排出し、給紙部4より2枚目の用紙P2を給送してこの表面をプレスローラー13によって版胴12に圧接させた後に補助トレイ8上に排出すると共に、再給紙手段9によって1枚目の用紙P1を反転給送してこの裏面をプレスローラー13によって版胴12に圧接させた後に排紙トレイ86上に排出するので、用紙Pに印刷される表面画像及び裏面画像が共にプレスローラー13により版胴12から転移されるインキによって形成され、良好な両面印刷物を得ることができる。
【0160】
また、印刷部2の構成が版胴12と版胴12よりも小径のプレスローラー13とからなり、補助トレイ8が排紙部6を構成する排紙搬送部材85の下方に配設されているので、通常の片面印刷用の孔版印刷装置に比して大幅に大型化することなく装置を構成でき、設置スペースの増大を抑制することができる。
【0161】
さらに、プレスローラー13の周面をクリーニングするクリーニング部材として、再給紙レジストローラー23と同様に図示しない接離手段によってプレスローラー13の周面に対して接離自在に構成されたものを用いてもよい。この場合、プレスローラー13の周面に用紙Pからのインキが再転移しない片面印刷時にはクリーニング部材をプレスローラー13の周面から離間させることで、クリーニング部材の劣化を抑制することができる。
【0162】
上記各実施例では、両面印刷モードの版付け時及び試し刷り時において、カム板43Bがカムフォロア41と当接可能となるようにカム軸44を移動させた後に給紙部4から1枚目の用紙P1を給送し、用紙P1の表面に第1製版画像65A−1を印刷してこれを補助トレイ8に案内した後、カム板43Aがカムフォロア41と当接可能となるようにカム軸44を移動させて給紙部4から2枚目の用紙P2を給送し、用紙P2の表面に第1製版画像65A−1を印刷してこれを排紙トレイ86に排出すると共に補助トレイ8から用紙P1を給送してその裏面に第2製版画像65B−1を印刷してこれを排紙トレイ86に排出する構成としたが、カム板43Bがカムフォロア41と当接可能となるようにカム軸44を移動させた後に給紙部4から1枚の用紙Pを給送し、用紙Pの表面に第1製版画像65A−1を印刷してこれを補助トレイ8に案内した後にカム板43Cがカムフォロア41と当接可能となるようにカム軸44を移動させ、プレスローラー13の周面を版胴12の外周面に圧接させた後に分割製版済みマスタ65−1の第2の位置Bがプレスローラー13と対応する位置に到達するよりもやや早いタイミングでソレノイド33を作動させ、補助トレイ8から用紙Pを給送してその裏面に第2製版画像65B−1を印刷してこれを排紙トレイ86に排出する構成としてもよい。この構成とすることにより版付け及び試し刷りを1枚の用紙Pで賄うことができ、コストを低減することができる。
【0163】
上記各実施例では、プレスローラー13を版胴12に当接させて従動回転させる構成を示したが、図示しないプレスローラー駆動モーターによってプレスローラー13を回転駆動する構成、版胴駆動手段121の回転駆動力をギヤやベルト等の図示しない駆動力伝達手段によって伝達してプレスローラー13を回転駆動する構成としてもよい。
【0164】
【発明の効果】
本発明によれば、製版動作時において画像領域の異なる各分割製版済みマスタの各第1製版画像及び各第2製版画像の製版開始位置を共に第1の位置A及び第2の位置Bと同じとすることにより、版付け動作時及び試し刷り動作時及び印刷動作時における給紙部からの用紙の給紙タイミング及び再給紙手段からの再給紙タイミングを、原稿サイズあるいは用紙サイズにかかわらず表面画像時毎及び裏面画像時毎に全て同じタイミングとすることができ、装置の構成及び制御を簡略化することにより操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を採用した両面印刷装置の概略正面図である。
【図2】本発明の一実施例における版胴外周面から離間したプレスローラーを示す概略正面図である。
【図3】本発明の一実施例における版胴外周面に接触したプレスローラーを示す概略正面図である。
【図4】本発明の一実施例に用いられるプレスローラー接離機構を説明する概略図である。
【図5】本発明の一実施例に用いられる分割製版済みマスタを説明する概略図である。
【図6】本発明の一実施例に用いられる製版済みマスタを説明する概略図である。
【図7】本発明の一実施例に用いられる操作パネルを示す概略図である。
【図8】本発明の一実施例に用いられる制御手段のブロック図である。
【図9】本発明の第1の実施例において作成される左右開きの分割製版済みマスタを説明する概略図である。
【図10】本発明の第1の実施例における印刷物の不具合状況を説明する概略図である。
【図11】本発明の第1の実施例において作成される上下開きの分割製版済みマスタを説明する概略図である。
【図12】本発明の第2の実施例において作成される左右開きの分割製版済みマスタを説明する概略図である。
【図13】本発明の各実施例の他の実施例において作成される左右開きの分割製版済みマスタを説明する概略図である。
【図14】本発明の第2の実施例の変形例において作成される左右開きの分割製版済みマスタを説明する概略図である。
【符号の説明】
1 両面印刷装置
2 印刷部
3 製版部
4 給紙部
6 排紙部
8 補助トレイ
9 再給紙手段
10 切換部材
12 版胴
13 プレスローラー
60 切断手段
64 マスタ
65,65−1,65−2,65−3,65−4,65−5 分割製版済みマスタ
65A,65A−1,65A−2,65A−3,65A−4,65A−5 第1製版画像
65B,65B−1,65B−2,65B−3,65B−4,65B−5 第2製版画像
66 製版済みマスタ
66A 第3製版画像
67 給紙トレイ
73 用紙サイズ検知手段(用紙サイズ検知センサー)
102 原稿サイズ検知手段(原稿サイズ検知センサー)
120 警告手段(LCDからなる表示装置)
136 余白部設定手段(余白設定キー)
137 製版動作切換手段(製版モード切換キー)
A 第1の位置
B 第2の位置
C 第3の位置
L1 第1の距離
L2 第2の距離
L3 第3の距離
P 用紙
x1,x2,x3,x4 余白の距離

Claims (9)

  1. 原稿上の画像に基づき、両面印刷時においてマスタの長さ方向に第1製版画像と第2製版画像とを有する分割製版済みマスタを製版し、片面印刷時において第1製版画像と第2製版画像との2面分の画像領域をもった第3製版画像を有する製版済みマスタを製版する製版部と、
    前記分割製版済みマスタまたは前記製版済みマスタを外周面上に巻装する版胴及び版胴の回転位置を検出するホームポジションセンサー並びにエンコーダー及び前記版胴に対して接離自在に設けられたプレスローラーを有する印刷部と、
    用紙を積載する給紙トレイを有し、前記用紙を前記印刷部に向けて給送する給紙部と、
    前記印刷部において印刷がなされた印刷済み用紙を機外に排出する排紙部と、
    前記印刷部においてその表面に印刷画像を形成された表面印刷済み用紙を一時的に貯容する補助トレイと、
    前記補助トレイ上に貯容された表面印刷済み用紙を前記プレスローラーに向けて搬送する再給紙搬送部材と、前記再給紙搬送部材によって搬送された表面印刷済み用紙を前記プレスローラーの手前の所定位置で一時停止させる再給紙位置決め部材と、前記再給紙位置決め部材によって所定位置で一時停止された表面印刷済み用紙を所定のタイミングで回転中の前記プレスローラーに接触させる再給紙レジスト部材と、前記再給紙レジスト部材によって回転中の前記プレスローラーに接触され前記プレスローラーの回転力によって搬送される表面印刷済み用紙を前記プレスローラーの周面に当接させて前記印刷部に向けて案内する再給紙案内部材とを有し、前記補助トレイから前記プレスローラーの外周面に沿う態様で前記印刷部に向けて再給紙する再給紙手段と、
    前記印刷部を通過した用紙を前記補助トレイまたは前記排紙部の何れかに案内する切換部材とを有し、
    両面印刷時に、前記給紙部より1枚目の用紙を前記印刷部に給送してその表面に第1製版画像または第2製版画像の何れか一方を印刷し、印刷された1枚目の用紙を前記切換部材により前記補助トレイに案内した後、前記給紙部より2枚目の用紙を前記印刷部に給送してその表面に第1製版画像または第2製版画像の何れか一方を印刷すると共に前記再給紙手段により1枚目の用紙を前記印刷部に再給紙してその裏面に第1製版画像または第2製版画像の何れか他方を印刷し、前記切換部材により1枚目の用紙を前記排紙部に、2枚目の用紙を前記補助トレイにそれぞれ案内し、
    片面印刷時に、前記給紙部より用紙を前記印刷部に給送してその表面に第3製版画像を印刷し、印刷された用紙を前記切換部材により前記排紙部に案内する両面印刷装置であって、
    前記給紙部は前記ホームポジションセンサー並びにエンコーダーからの信号に基づいて第1製版画像及び第3製版画像に合致するタイミングで前記用紙を前記印刷部に向けて給送すると共に、前記再給紙手段は前記ホームポジションセンサー並びにエンコーダーからの信号に基づいて第2製版画像に合致するタイミングで前記補助トレイ上の表面印刷済み用紙を前記印刷部に向けて再給紙し、
    両面印刷時において、前記製版部は前記用紙のサイズにかかわらず、前記マスタの先端から第1の距離だけ離れた第1の位置から第1製版画像を作成した後に第1の位置から第2の距離だけ離れた第2の位置から第2製版画像を作成することを特徴とする両面印刷装置。
  2. 請求項1記載の両面印刷装置において、
    両面印刷時において、前記製版部は第1製版画像及び第2製版画像をそれぞれ個別に回転して製版可能であることを特徴とする両面印刷装置。
  3. 請求項2記載の両面印刷装置において、
    前記原稿のサイズ及び向きを検知する原稿サイズ検知手段と、前記用紙のサイズ及び向きを検知する用紙サイズ検知手段とを有し、前記用紙の向きに合わせて前記各製版画像を回転して製版することを特徴とする両面印刷装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか1つに記載の両面印刷装置において、
    両面印刷時に前記製版部は左右開きの印刷物が得られる第1の製版動作と上下開きの印刷物が得られる第2の製版動作とを行うことができ、前記製版部に第1の製版動作を行わせるか第2の製版動作を行わせるかを切り換える製版動作切換手段を有することを特徴とする両面印刷装置。
  5. 請求項1ないし4の何れか1つに記載の両面印刷装置において、
    両面印刷時に第1製版画像の画像領域及び第2製版画像の画像領域以外の無製版領域における前記マスタの搬送速度を前記各画像領域における前記マスタの搬送速度に比して高速とすることを特徴とする両面印刷装置。
  6. 請求項1ないし5の何れか1つに記載の両面印刷装置において、
    前記製版部は前記マスタを切断する切断手段を有し、第2製版画像または第3製版画像の形成後、前記切断手段は前記マスタの前記各画像領域よりもマスタ搬送方向下流側の未製版部分を通常の長さよりも短い長さで切断することを特徴とする両面印刷装置。
  7. 請求項1ないし6の何れか1つに記載の両面印刷装置において、
    両面印刷時に前記給紙トレイ上に積載された前記用紙のサイズが前記製版部で製版された通常の長さの前記分割製版済みマスタ及び製版済みマスタのサイズの2分の1を超えた場合に警告を発する警告手段を有することを特徴とする両面印刷装置。
  8. 請求項1ないし7の何れか1つに記載の両面印刷装置において、
    前記製版部は第1製版画像及び第2製版画像及び第3製版画像のそれぞれについて印刷物の綴じ代に対応した余白部を形成可能であることを特徴とする両面印刷装置。
  9. 請求項8記載の両面印刷装置において、
    前記余白部の大きさを設定する余白部設定手段を有することを特徴とする両面印刷装置。
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