以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態によるナースコールシステムの構成例を示すブロック図を図1に示す。同図に示すように、本実施形態によるナースコールシステムは、ナースコール子機1、ICタグ2、入退室検出装置3、ナースコール親機(特許請求の範囲の管理装置に該当する)10、携帯通信端末20を備えて構成されている。
また、ナースコール親機10は、制御部11、インターフェース(以下、I/Fとする)部(特許請求の範囲の送信部を含む)12、記憶部13、入室情報生成部14、カウント部15、判定部16を備えて構成されている。また、携帯通信端末20は、端末用制御部21、端末用インターフェース(以下、I/Fとする)部22、端末用報知部23、端末用表示部24を備えて構成されている。
図1において、ナースコール子機1は、病室内の患者の近辺(例えば、ベッド近傍など)に設置されており、患者が呼出ボタンなどの呼出操作部(図示せず)を操作することにより、医療従事者に対して呼び出しを行うための呼出信号を出力する。ここで、本実施形態のナースコール子機1としては周知のナースコール子機を使用するため、ナースコール子機1の具体的な構成および処理の説明は省略する。また、ナースコール子機1は、ナースコール親機10に伝送線を介して接続されている。
ナースコール親機10は、医療従事者の居る部屋(例えば、スタッフルームなど)に設置されており、患者からの呼び出しに応答するためのものである。ここで、ナースコール親機10は、ナースコール子機1から出力された呼出信号を入力すると、図示しない報知部により呼び出しを報知する。報知部により呼び出しが報知されている状態で、医療従事者がナースコール親機10に備えられたハンドセットをオフフックするなどして患者からの呼び出しに応答すると、ナースコール親機10は、報知部の動作を停止し、ナースコール子機1との間で通話路を形成する。また、ナースコール親機10には、複数のナースコール子機1が接続されている。また、ナースコール親機10とナースコール子機1との間には、図示しない制御機および廊下灯が設置されている。制御機は、ナースコール子機1とナースコール親機10との間の通話やデータの送受信に関する制御を行う。また、廊下灯は、自装置に設けた表示灯を点灯または点滅させ、ナースコール子機1による呼び出しを報知する。
ICタグ2は、携帯通信端末20とともに医療従事者によって常に携行される。ここで、ICタグ2は、名札や携帯通信端末20などに取り付けられている。また、ICタグ2は、ICタグ2と入退室検出装置3とが無線通信可能となる距離に近づいた際に無線を介して入退室検出装置3に接続される。ここで、ICタグ2と入退室検出装置3とが無線通信可能となる距離は、少なくとも入退室検出装置3の前を医療従事者が通過した場合にICタグ2と無線通信を確実に行うことができる距離(換言すると、入退室検出装置3が設置されている出入口の幅以上)であることが好ましい。また、ICタグ2には、ICタグ2を識別するためのICタグ識別情報が予め記憶されている。
入退室検出装置3は、所謂ICタグリーダであり、病棟の各病室の出入口近傍に設置されるものである。ここで、入退室検出装置3は、伝送線を介してナースコール親機10に接続されている。入退室検出装置3は、ICタグ2が読み取り可能な距離に近づいた場合に、ICタグ2を接続してICタグ2に記憶されているICタグ識別情報を読み取る。具体的には、医療従事者が病室の出入口を通過すると、入退室検出装置3は、医療従事者が携行しているICタグ2と通信してICタグ識別情報を読み取る。また、入退室検出装置3は、医療従事者が移動する方向により病室を入室したか退室したかを判定し、その判定結果を判定情報とする。そして、入退室検出装置3は、ICタグ識別情報および判定情報をナースコール親機10へ出力する。
ここで、入退室検出装置3には、医療従事者が通過したか否かを検出するための二つのセンサ(例えば、赤外線センサなど)がさらに備えられている。二つのセンサのうち、一つ目のセンサは、任意の場所の人の通過を検出するように設置され、二つ目のセンサは、一つ目のセンサよりも病室寄りの人の通過を検出するように設置される。一つ目のセンサが二つ目のセンサよりも先に人の通過を検出した場合には、入退室検出装置3は、ICタグ2と通信してICタグ識別情報を読み取る。このICタグ識別情報が医療従事者のものである場合、入退室検出装置3は、医療従事者が病室に入室したと判断し、入室を示す判定情報を生成する。一方、一つ目のセンサが二つ目のセンサよりも後に人の通過を検出した場合には、入退室検出装置3は、ICタグ2と通信してICタグ識別情報を読み取る。このICタグ識別情報が医療従事者のものである場合、入退室検出装置3は、医療従事者が病室から退室したと判断し、退室を示す判定情報を生成する。なお、本実施形態では、二つのセンサを使用して、医療従事者が移動する方向を検出しているが、これに限定されない。医療従事者が移動する方向を検出することができればどのような方法であっても良い。
携帯通信端末20は、例えば、PHS(Personal Handyphone System)などであって、医療従事者により携行されており、患者からの呼び出しに応答するためのものである。ここで、複数の携帯通信端末20は、ナースコール親機10と無線通信可能である。また、ナースコール親機10と携帯通信端末20との間には、図示しない交換機および複数の無線基地局が設置されている。交換機は、所謂PBX(Private Branch eXchange)であり、ナースコール親機10と携帯通信端末20との接続を行う際の中継装置である。また、無線基地局は、携帯通信端末20と無線通信するためのものである。また、無線基地局は複数存在し、院内の所定の場所に分散して配置されている。携帯通信端末20は、無線通信可能となった無線基地局に接続される。
制御部11は、ナースコール親機10の各構成要素を後述するように制御する。I/F部12は、ナースコール親機10がナースコール子機1との間で通信するために図示しない子機用I/F部に接続されている。また、I/F部12は、ナースコール親機10が入退室検出装置3との間で通信するために図示しない検出装置用I/F部に接続されている。また、I/F部12は、ナースコール親機10が携帯通信端末20との間で無線を介して通信するために各無線基地局を接続している。また、I/F部12は、ナースコール子機1から出力された呼出信号を入力する。また、I/F部12は、入退室検出装置3から出力された識別情報および判定情報を入力する。また、I/F部12は、後述の処理により特定される携帯通信端末20へ呼出信号や制御信号を送信する。この制御信号とは、携帯通信端末20の端末用報知部23の動作を有効とするか無効とするかを制御するためのものである。
記憶部13は、医療従事者を識別するための識別情報、医療従事者が携行するICタグ2を識別するためのICタグ識別情報、医療従事者が携行する携帯通信端末20を識別するための端末識別情報および医療従事者が病室に入っているか否かを示す入室情報を関連付けて記憶する。ここで、記憶部13は、ナースコール親機10に設けられていても良いし、ナースコール親機10とネットワークを介して接続されている図示しないパソコンなどに設けられていても良い。また、記憶部13は、図2に示すように、医療従事者識別情報領域131、ICタグ識別情報領域132、端末識別情報領域133、入室情報領域134を格納している。また、記憶部13は、医療従事者識別情報領域131〜入室情報領域134を関連付けて記憶している。医療従事者識別情報領域131には、識別情報(例えば、001など)が格納されている。ICタグ識別情報領域132には、ICタグ識別情報(例えば、識別情報が001に対してICタグ識別情報がI001など)が格納されている。端末識別情報領域133には、端末識別情報(例えば、識別情報が001に対して端末識別情報がP001など)が格納されている。入室情報領域134には、入室情報(例えば、識別情報が001に対して入室情報が入室など)が格納されている。ここで、本実施形態では、入室情報領域134には、医療従事者が病室に入っていることを示す値として「入室」が、医療従事者が病室に入っていないことを示す値として「未入室」が格納されている。また、記憶部13には、呼び出しに応答可能なすべての携帯通信端末20の端末識別情報が記憶されている。また、端末識別情報に関連付けられて記憶部13に記憶されている入室情報の初期値として「未入室」が格納されている。
入室情報生成部14は、I/F部12が入退室検出装置3からICタグ識別情報および判定情報を入力すると動作し、I/F部12が入力したICタグ識別情報に関連付けられて記憶部13に記憶されている識別情報により特定される医療従事者の入室情報を生成するものである。ここで、I/F部12が入力した判定情報が入室を示すものである場合に、入室情報生成部14は、記憶部13を参照し、I/F部12が入力したICタグ識別情報に関連付けられて記憶部13に記憶されている識別情報により特定される医療従事者が病室に入っていることを示す入室情報を生成する。一方、I/F部12が入力した判定情報が退室を示すものである場合に、入室情報生成部14は、記憶部13を参照し、I/F部12が入力したICタグ識別情報に関連付けられて記憶部13に記憶されている識別情報により特定される医療従事者が病室に入っていないことを示す入室情報を生成する。制御部11は、入室情報生成部14にて生成された入室情報に関連付けられている識別情報の入室情報の値を書き換えて記憶部13に記憶させる。
また、入室情報生成部14にて入室情報が生成されると、制御部11は、入室情報に従って制御信号を生成する。具体的には、医療従事者が病室に入っていることを示す入室情報が入室情報生成部14にて生成された場合に、制御部11は、携帯通信端末20の端末用報知部23の動作を無効とする制御信号を生成する。一方、医療従事者が病室に入っていないことを示す入室情報が入室情報生成部14にて生成された場合に、制御部11は、携帯通信端末20の端末用報知部23の動作を有効とする制御信号を生成する。また、制御部11は、記憶部13を参照し、識別情報と関連付けられて記憶部13に記憶されている端末識別情報を取得する。そして、I/F部12は、制御部11が取得した端末識別情報により特定される携帯通信端末20へ制御部11が生成した制御信号を送信する。
カウント部15は、I/F部12がナースコール子機1から出力された呼出信号を入力したタイミングで動作し、医療従事者が病室に入っていないことを示す入室情報の数をカウントする(換言すると、病室に入っていない医療従事者の数をカウントする)ものである。カウント部15は、記憶部13を参照し、値が未入室である入室情報の数を1からカウントする。
判定部16は、カウント部15が入室情報の数のカウントを終了したタイミングで動作し、カウント部15にてカウントした入室情報の数(医療従事者が病室に入っていないことを示す入室情報の数)が所定の数よりも少ないか否か(換言すると、病室に入っていない医療従事者の数が所定の数よりも少ないか否か)を判定する。ここで、所定の数とは、患者からの呼び出しに実際に対応することができる最低限の医療従事者の数を示し、医療従事者を管理する管理者などにより任意に設定される。
カウント部15にてカウントした入室情報の数(医療従事者が病室に入っていないことを示す入室情報の数)が所定の数以上である(換言すると、病室に入っていない医療従事者の数が所定の数以上である)と判定部16にて判断した場合に、病室に入っていない医療従事者の数が患者からの呼び出しに実際に対応することができる最低限の医療従事者の数以上なので、病室に入っていない医療従事者だけで患者からの呼び出しに対応することができるものとして、制御部11は、病室に入っている医療従事者が携行する携帯通信端末20に対して、端末用報知部23の動作を無効としたままにする。
一方、カウント部15にてカウントした入室情報の数(医療従事者が病室に入っていないことを示す入室情報の数)が所定の数よりも少ない(換言すると、病室に入っていない医療従事者の数が所定の数よりも少ない)と判定部16にて判断した場合に、病室に入っていない医療従事者の数が患者からの呼び出しに実際に対応することができる最低限の医療従事者の数よりも少なく、患者からの呼び出しに実際に対応することができなくなる可能性があるので、制御部11は、携帯通信端末20の端末用報知部23の動作を有効とする制御信号を生成するとともに、記憶部13を参照し、医療従事者が病室に入っていることを示す入室情報(換言すると、値が入室である入室情報)を記憶部13から取得する。また、制御部11は、記憶部13を参照し、取得した入室情報に関連付けられて記憶部13に記憶されている端末識別情報を取得する。そして、I/F部12は、制御部11が取得した端末識別情報により特定される携帯通信端末20へ制御部11が生成した制御信号を送信する。これにより、医療従事者が病室に入ることで、患者からの呼び出しに実際に対応することができる医療従事者の数が減った場合でも、ナースコール親機10は、病室に入っている医療従事者も患者からの呼び出しに対応させることができる。
また、制御部11は、I/F部12がナースコール子機1から出力された呼出信号を入力したか否かを判定する。I/F部12がナースコール子機1から出力された呼出信号を入力したと制御部11にて判断した場合に、制御部11は、上述のカウント部15を動作させる。また、カウント部15が入室情報の数のカウントを終了したタイミングで、制御部11は、判定部16を動作させるとともに、記憶部13を参照し、記憶部13に記憶されている端末識別情報を取得する。そして、I/F部12は、制御部11が取得した端末識別情報により特定される携帯通信端末20へ呼出信号を送信する。ここで、呼出信号は、記憶部13に記憶されているすべての携帯通信端末20に対して送信される。
端末用制御部21は、携帯通信端末20の各構成要素を後述するように制御する。端末用I/F部22は、携帯通信端末20がナースコール親機10との間で無線を介して通信するために、各無線基地局を接続している。ここで、端末用I/F部22は、ナースコール親機10から送信された呼出信号および制御信号を受信するとともに、ナースコール親機10を介してナースコール子機1へ復旧信号を送信する。また、ナースコール子機1による呼び出しの操作により携帯通信端末20が報知を行っている場合、呼び出しの操作を行ったナースコール子機1は、呼び出しの操作ができない状態となる。そのため、携帯通信端末20に図示しない復旧操作部(例えば、応答ボタンなど)を設けている。復旧操作部の操作により患者からの呼び出しに対して医療従事者が応答すると、端末用制御部21は、復旧信号を生成するとともに報知を停止させる。これに伴い、ナースコール親機10によりナースコール子機1と携帯通信端末20との間で通話路が形成され、携帯通信端末20は、自装置に備えられたマイクによる音声の入力およびスピーカによる音声の出力を開始する。また、復旧信号を入力したナースコール子機1は、自装置に備えられたマイクによる音声の入力およびスピーカによる音声の出力を開始し、患者は、ナースコール子機1を使用して、通話路が形成された携帯通信端末20を持つ医療従事者と通話することができる。そして、ナースコール子機1では、通話が終了すると図示しない子機用制御部がナースコール子機1を呼び出し操作の前の状態に戻す。
端末用報知部23は、スピーカやバイブレータなどにより構成されており、スピーカから呼び出し音を出力させたり、バイブレータを振動させたりして、ナースコール子機1による呼び出しの操作が行われたことを報知する。これにより、医療従事者は、携帯通信端末20を直接見なくても、呼び出し音を聞いたり、バイブレータによる振動を感じ取ったりすることで、患者が呼び出しを行ったことを把握することができる。
端末用表示部24は、表示ディスプレイなどにより構成されており、ナースコール子機1により呼び出しの操作が行われたことを表示する。これにより、医療従事者は、表示ディスプレイなどを直接見ることで、患者が呼び出しを行ったことを把握することができる。ここで、端末用表示部24は、必須の構成要素ではない。
端末用制御部21は、端末用I/F部22がナースコール親機10から送信された制御信号を受信したか否かを判定する。端末用I/F部22がナースコール親機10から送信された制御信号を受信したと端末用制御部21にて判断した場合に、端末用制御部21は、受信した制御信号に従って端末用報知部23を制御する。具体的には、受信した制御信号が携帯通信端末20の端末用報知部23の動作を有効とするというものである場合に、端末用制御部21は、端末用報知部23の動作を有効とする。そして、端末用I/F部22が呼出信号を受信した際に、端末用制御部21は、端末用報知部23を動作させて、患者からの呼び出しを報知する。一方、受信した制御信号が携帯通信端末20の端末用報知部23の動作を無効とするというものである場合に、端末用制御部21は、端末用報知部23の動作を無効とする。そして、端末用I/F部22が呼出信号を受信した際に、端末用制御部21は、端末用報知部23を動作させず、患者からの呼び出しを報知しないようにする。ここで、端末用表示部24には、患者が呼び出しを行ったことが表示されるので、端末用報知部23の動作が無効であっても、医療従事者が携帯通信端末20の端末用表示部24を注視していれば、患者からの呼び出しを把握することができる。
このように構成された本実施形態によるナースコールシステムでは、医療従事者が病室に入っている状態で、患者により呼び出しが行われた場合には、その医療従事者が携行する携帯通信端末20は、端末用報知部23の動作を無効にし、医療従事者が病室から出ている状態で、患者により呼び出しが行われた場合には、その医療従事者が携行する携帯通信端末20は、端末用報知部23の動作を有効にしている。また、医療従事者が病室に入っている状態でも、病室に入っていない医療従事者の数が所定の数よりも少ない場合には、病室に入っている医療従事者が携行する携帯通信端末20は、端末用報知部23の動作を有効にして、音や振動により呼び出しを報知している。
次に、本実施形態によるナースコールシステムの動作を説明する。図3は、本実施形態によるナースコールシステムの動作を示すフローチャートである。まず、制御部11は、I/F部12が入退室検出装置3から出力されたICタグ識別情報および判定情報を入力したか否かを判定する(ステップS1)。I/F部12が入退室検出装置3から出力されたICタグ識別情報および判定情報を入力していないと制御部11にて判断した場合には(ステップS1にてNO)、ステップS7の処理に移行する。一方、I/F部12が入退出検出装置3から出力されたICタグ識別情報および判定情報を入力したと制御部11にて判断した場合には(ステップS1にてYES)、制御部11は、入力した判定情報が入室を示すものであるか否かを判定する(ステップS2)。
入力した判定情報が入室を示すものであると制御部11にて判断した場合には(ステップS2にてYES)、制御部11は、入室情報生成部14を動作させる。入室情報生成部14は、記憶部13を参照し、I/F部12が入力したICタグ識別情報に関連付けられて記憶部13に記憶されている識別情報により特定される医療従事者が病室に入っていることを示す入室情報を生成する。制御部11は、入室情報生成部14にて生成された入室情報に関連付けられている識別情報の入室情報の値を書き換えて記憶部13に記憶させる(ステップS3)。また、制御部11は、その識別情報の端末識別情報により特定される携帯通信端末20の端末用報知部23の動作を無効とする制御信号を生成して、I/F部12は、制御部11が生成した制御信号を特定された携帯通信端末20へ送信し(ステップS4)、ステップS7の処理に移行する。
一方、入力した判定情報が退室を示すものであると制御部11にて判断した場合には(ステップS2にてNO)、制御部11は、入室情報生成部14を動作させる。入室情報生成部14は、記憶部13を参照し、I/F部12が入力したICタグ識別情報に関連付けられて記憶部13に記憶されている識別情報により特定される医療従事者が病室に入っていないことを示す入室情報を生成する。制御部11は、入室情報生成部14にて生成された入室情報に関連付けられている識別情報の入室情報の値を書き換えて記憶部13に記憶させる(ステップS5)。また、制御部11は、その識別情報の端末識別情報により特定される携帯通信端末20の端末用報知部23の動作を有効とする制御信号を生成して、I/F部12は、制御部11が生成した制御信号を特定された携帯通信端末20へ送信し(ステップS6)、ステップS7の処理に移行する。
ステップS7では、制御部11は、I/F部12がナースコール子機1から出力された呼出信号を入力したか否かを判定する。I/F部12がナースコール子機1から出力された呼出信号を入力していないと制御部11にて判断した場合には(ステップS7にてNO)、ステップS1の処理に戻る。一方、I/F部12がナースコール子機1から出力された呼出信号を入力したと制御部11にて判断した場合には(ステップS7にてYES)、制御部11は、カウント部15を動作させる。カウント部15は、医療従事者が病室に入っていないことを示す入室情報の数を記憶部13を参照してカウントする(ステップS8)。カウント部15が入室情報の数のカウントを終了すると、制御部11は、判定部16を動作させる。判定部16は、カウント部15にてカウントした入室情報の数が所定の数よりも少ないか否かを判定する(ステップS9)。
カウント部15にてカウントした入室情報の数が所定の数以上であると判定部16にて破断した場合には(ステップS9にてNO)、ステップS11の処理に移行する。一方、カウント部15にてカウントした入室情報の数が所定の数よりも少ないと判定部16にて判断した場合には(ステップS9にてYES)、制御部11は、携帯通信端末20の端末用報知部23の動作を有効とする制御信号を生成するとともに、記憶部13を参照し、医療従事者が病室に入っていることを示す入室情報に関連付けられて記憶部13に記憶されている端末識別情報を取得する。また、I/F部12は、制御部11が取得した端末識別情報により特定される携帯通信端末20へ制御部11が生成した制御信号を送信する(ステップS10)。そして、ステップS11では、制御部11は、記憶部13を参照し、記憶部13に記憶されている端末識別情報を取得し、I/F部12は、制御部11が取得した端末識別情報により特定される携帯通信端末20(記憶部13に記憶されているすべての携帯通信端末20)へ呼出信号を送信する。
一方、携帯通信端末20では、その初期状態として、端末用制御部21は、端末用報知部23の動作を有効としている。この状態で、端末用制御部21は、端末用I/F部22がナースコール親機10から送信された制御信号を受信したか否かを判定する(ステップS12)。端末用I/F部22がナースコール親機10から送信された制御信号を受信していないと端末用制御部21にて判断した場合には(ステップS12にてNO)、ステップS16の処理に移行する。一方、端末用I/F部22がナースコール親機10から送信された制御信号を受信したと端末用制御部21にて判断した場合には(ステップS12にてYES)、端末用制御部21は、受信した制御信号が端末用報知部23の動作を有効とするものであるか否かを判定する(ステップS13)。
受信した制御信号が端末用報知部23の動作を有効とするものであると端末用制御部21にて判断した場合には(ステップS13にてYES)、端末用制御部21は、端末用報知部23の動作を有効とし(ステップS14)、ステップS16の処理に移行する。一方、受信した制御信号が端末用報知部23の動作を無効とするものであると端末用制御部21にて判断した場合には(ステップS13にてNO)、端末用制御部21は、端末用報知部23の動作を無効とし(ステップS15)、ステップS16の処理に移行する。
ステップS16では、端末用制御部21は、端末用I/F部22がナースコール親機10から送信された呼出信号を受信したか否かを判定する。端末用I/F部22がナースコール親機10から送信された呼出信号を受信していないと端末用制御部21にて判断した場合には(ステップS16にてNO)、ステップS12の処理に戻る。一方、端末用I/F部22がナースコール親機10から送信された呼出信号を受信したと端末用制御部21にて判断した場合には(ステップS16にてYES)、端末用制御部21は、端末用報知部23の動作が有効となっているか否かを判定する(ステップS17)。
端末用報知部23の動作が無効となっていると端末用制御部21にて判断した場合には(ステップS17にてNO)、端末用制御部21は、端末用報知部23を動作させず、患者からの呼び出しを報知しない(ステップS18)。そして、ステップS12の処理に戻る。一方、端末用報知部23の動作が有効となっていると端末用制御部21にて判断した場合には(ステップS17にてYES)、端末用制御部21は、端末用報知部23を動作させて、患者からの呼び出しを報知する(ステップS19)。
端末用制御部21は、復旧操作部の操作により患者に対して医療従事者が応答したか否かを判定する(ステップS20)。復旧操作部の操作により患者に対して医療従事者が応答していないと端末用制御部21にて判断した場合には(ステップS20にてNO)、ステップS20の処理を繰り返す。一方、復旧操作部の操作により患者に対して医療従事者が応答したと端末用制御部21にて判断した場合には(ステップS20にてYES)、端末用制御部21は、復旧信号を生成するとともに呼び出しを止める。端末用I/F部22は、端末用制御部21が生成した復旧信号をナースコール親機10へ送信し(ステップS21)、ステップS12の処理に戻る。
また、ナースコール親機10では、制御部11は、I/F部12が携帯通信端末20から送信された復旧信号を受信したか否かを判定する(ステップS22)。I/F部12が携帯通信端末20から送信された復旧信号を受信していないと制御部11にて判断した場合には(ステップS22にてNO)、ステップS22の処理を繰り返す。一方、I/F部12が携帯通信端末20から送信された復旧信号を受信したと制御部11にて判断した場合には(ステップS22にてYES)、I/F部12は、ナースコール子機1へ復旧信号を出力し(ステップS23)、ステップS1の処理に戻る。
以上、詳しく説明したように、本実施形態のナースコールシステムでは、医療従事者が病室に入っている状態で、患者により呼び出しが行われた場合には、その医療従事者が携行する携帯通信端末20は、端末用報知部23の動作を無効にして、音や振動による呼び出しを報知せず、医療従事者が病室から出ている状態で、患者により呼び出しが行われた場合には、その医療従事者が携行する携帯通信端末20は、端末用報知部23の動作を有効にして、音や振動により呼び出しを報知している。また、医療従事者が病室に入っている状態でも、病室に入っていない医療従事者の数が所定の数よりも少ない場合には、病室に入っている医療従事者が携行する携帯通信端末20は、端末用報知部23の動作を有効にして、音や振動により呼び出しを報知している。これにより、医療従事者が患者からの呼び出しに対応しきれなくならない範囲で、呼び出しを受ける携帯通信端末20を持つ医療従事者は、病室に入った場合でも看護業務に集中することができる。
なお、前述した実施形態では、入室情報生成部14、記憶部13、タイマー部15、判定部16は、ナースコール親機10に備えられているが、これに限定されない。例えば、入室情報生成部14、記憶部13、タイマー部15、判定部16は、図示しない制御機に備えられても良い。
また、前述した実施形態では、カウント部15は、I/F部12がナースコール子機1から出力された呼出信号を入力したタイミングで動作しているが、これに限定されない。例えば、カウント部15は、記憶部13に記憶されている入室情報が更新されたタイミングで動作するようにしても良い。ここで、本変形例に記載のタイミングで動作するカウント部15は、医療従事者が病室に入っていないことを示す入室情報の数を1からカウントするようにしても良いし、初期状態における医療従事者が病室に入っていないことを示す入室情報の数を予めカウントしておき、入室情報が更新された際に、差分のみをカウントするようにしても良い。
また、前述した実施形態では、病室に入っていない医療従事者の数が所定の数よりも少ない判定部16にて判断した場合に、ナースコール親機10は、病室に入っている医療従事者が携行する携帯通信端末20すべてに対して、患者からの呼び出しを報知させているが、これに限定されない。例えば、病室に入っていない医療従事者の数が所定の数よりも少ないと判定部16にて判断した場合に、ナースコール親機10は、病室に入っていない医療従事者の数と所定の数との差の数だけ、病室に入っている医療従事者が携行する携帯通信端末20に対して、患者からの呼び出しを報知させるようにしても良い。要は、病室に入っていない医療従事者が患者からの呼び出しに対応しきれなくならない範囲で、ナースコール親機10は、病室に入っている医療従事者が携行する携帯通信端末20に対して、患者からの呼び出しを報知させるようにすれば良い。
また、前述した実施形態では、ナースコール親機10が端末用報知部23を有効にするか無効にするかを制御することで、携帯通信端末20における音や振動による報知の有無を制御しているが、これに限定されない。例えば、ナースコール親機10が医療従事者が携行する携帯通信端末20への呼び出しの有無を制御することで、携帯通信端末20における音や振動による報知の有無を制御するようにしても良い。
具体的には、I/F部12が入力した判定情報が入室を示すものである場合に、入室情報生成部14は、記憶部13を参照し、I/F部12が入力したICタグ識別情報に関連付けられて記憶部13に記憶されている識別情報により特定される医療従事者が病室に入っていることを示す入室情報を生成する。一方、I/F部12が入力した判定情報が退室を示すものである場合に、入室情報生成部14は、記憶部13を参照し、I/F部12が入力したICタグ識別情報に関連付けられて記憶部13に記憶されている識別情報により特定される医療従事者が病室に入っていないことを示す入室情報を生成する。制御部11は、入室情報生成部14にて生成された入室情報に関連付けられている識別情報の入室情報の値を書き換えて記憶部13に記憶させる。
I/F部12がナースコール子機1から出力された呼出信号を入力したと制御部11にて判断した場合に、カウント部15は、医療従事者が病室に入っていないことを示す入室情報の数をカウントし、判定部16は、カウント部15にてカウントした病室に入っていないことを示す入室情報の数が所定の数よりも少ないか否かを判定する。I/F部12がナースコール子機1から出力された呼出信号を入力したと制御部11にて判断した場合に、カウント部15にてカウントした入室情報の数(病室に入っていない医療従事者の数)が所定の数以上であると判定部16にて判断したときに、制御部11は、医療従事者が病室に入っていないことを示す入室情報を記憶部13から取得し、取得した入室情報に関連付けられて記憶部13に記憶されている端末識別情報により特定される携帯通信端末20へ呼出信号を送信する。
一方、I/F部12がナースコール子機1から出力された呼出信号を入力したと制御部11にて判断した場合に、カウント部15にてカウントした入室情報の数(病室に入っていないことを示す入室情報の数)が所定の数よりも少ない判定部16にて判断したときに、制御部11は、医療従事者が病室に入っていないことを示す入室情報および医療従事者が病室に入っていることを示す入室情報を記憶部13からそれぞれ取得し、取得した入室情報に関連付けられて記憶部13に記憶されている端末識別情報により特定される携帯通信端末20へ呼出信号を送信する。そして、端末用I/F部22がナースコール親機10からの呼出信号を受信したと端末用制御部21にて判断した場合に、端末用制御部21は、端末用報知部23を動作させて、患者からの呼び出しを報知する。
これにより、患者が呼び出しを行った場合、病室に入っていない医療従事者の数が所定の数以上であれば、ナースコール親機10から呼出信号が送信されないため、病室に入っている医療従事者が携行する携帯通信端末20では、呼び出しが報知されない。一方、病室に入っていない医療従事者の数が所定の数よりも少なければ、ナースコール親機10から呼出信号が送信され、病室に入っている医療従事者が携行する携帯通信端末20では、その呼出信号が受信されて呼び出しが報知されるので、医療従事者は、患者からの呼び出しに対応しきれなくならない範囲で、呼び出しを受ける携帯通信端末20を持つ医療従事者が病室に入った場合でも看護業務に集中することができる。また、医療従事者が携行する携帯通信端末20への呼び出しの有無をナースコール親機10にて制御するので、携帯通信端末20は、端末用報知部23の動作を有効とするか無効とするかを示す制御信号を受信する必要がなくなるとともに、呼出信号を受信した場合に、端末用報知部23の動作を有効としたり無効としたりする制御を行う必要がなくなる。従って、本発明を実施する際に、通常の携帯通信端末を使用することができる。
また、前述した実施形態では、判定部16は、病室に入っていない医療従事者の数が所定の数よりも少ないか否か(病室に入っていない医療従事者の数が所定の数以上であるか否か)を判定しているが、これに限定されない。例えば、判定部16は、病室に入っていない医療従事者の数が所定の数以下であるか否か(病室に入っていない医療従事者の数が所定の数を超えているか否か)を判定するようにしても良い。ここで、本変形例に用いられる所定の数は、患者からの呼び出しに対応しきれなくなる医療従事者の数であると定義するようにすれば良い。
その他、ナースコールシステムの構成、処理手順、内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の組み合わせにより種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除するようにしても良い。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせるようにしても良い。