JP5097309B1 - 電源開閉装置およびそれを備える電源システム - Google Patents

電源開閉装置およびそれを備える電源システム Download PDF

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Abstract

制御信号VGA,VGB,VGCのレベルに応じて定まる上限電流値以下の電流であって、直流電源BAの電圧値とコンデンサ102の充電電圧値の差分に応じた電流を流す半導体素子107A,107B,107C、各半導体素子に各制御信号を出力するコントローラ105、各半導体素子の温度を検出する温度検出回路を備え、コントローラ105は、上記電路を閉状態にしてから所定期間が経過するまでは、上記電路に流れる電流が制限電流値を超えないように、温度検出回路により検出された温度に応じて各制御信号のレベルを調整し、かつ、所定期間経過後は、上記電路に流れる電流が制限電流値を超えることを許容するように各制御信号のレベルを調整する。
【選択図】図5

Description

本発明は、直流電源と容量素子とを結ぶ電路を開閉する予備充電方式の電源開閉装置およびそれを備える電源システムに関する。
バッテリ等の直流電源からモータ等の負荷に電力を供給する電源システムは、平滑コンデンサ等の容量素子,直流電源と容量素子とを結ぶ電路を指令に応じて開閉する電源開閉装置,直流電力を交流電力に変換する電力変換装置を、その主要な構成として備える。
上記の電源開閉装置は、負荷を駆動させない間は直流電源と容量素子とを結ぶ電路を開状態にする(電路を遮断する)。そして、負荷を駆動させる場合には上記電路を閉状態にする(電源と容量素子を導通させる)。しかしながら、上記電路を閉状態にした際には先ず容量素子が充電される必要があるため、上記電路にいわゆる突入電流が流れることとなる。この突入電流は、電源と容量素子とを結ぶ電路に挿入される素子の破壊、電源電圧の一時的な低下による他の機器への悪影響等の原因となる。この問題を解決するものとして、上記電路を閉状態にさせる指令を受けてから所定時間が経過するまでは、抵抗を介して容量素子を充電することにより、上記電路が閉状態となった際の突入電流を抑制する、いわゆる予備充電方式の電源開閉装置が種々知られている(例えば、特許文献1,2)。
図34は、特許文献1に係る予備充電方式の電源開閉装置を含む電源システム1000の全体構成を示す図である。
電源システム1000は、電源開閉装置91,容量素子92,電力変換装置93を備える。電源開閉装置91は、直流電源BAと容量素子92とを結ぶ電路に設けられ、外部からの指令に応じて電路を開閉する。容量素子92は、いわゆる平滑コンデンサである。電力変換装置93は、容量素子92と三相交流モータ(以下、単に「モータ」という)94とを結ぶ電路に設けられ、直流を三相交流に変換するインバータである。
電源開閉装置91は、詳細には、直流電源BAと容量素子92とを結ぶ電路に挿入されたスイッチ類(システムメインリレーSMR1,SMR2、スイッチング素子98),逆流防止用のダイオード99,スイッチ類のオンオフを制御するコントローラ95を備える。システムメインリレーSMR1,SMR2のオンオフは、それぞれ励磁回路96,97への通電の有無により制御され、スイッチング素子98のオンオフは、ゲート端子への制御信号(ゲート電圧)により制御される。なお、スイッチング素子98にはオン抵抗の高い素子が採用されている(特許文献1の図4参照)。
コントローラ95は、次のようにスイッチ類を動作させる。まず、電路を閉状態にさせる指令を受けたときから所定期間が経過するまで、システムメインリレーSMR1をオフにしたままでスイッチング素子98をオンにする。そして、所定期間経過後には、スイッチング素子98をオフにしてシステムメインリレーSMR1をオンにする。この間、システムメインリレーSMR2は、常時オンとする。この動作により、電源投入直後には、オン抵抗の高いスイッチング素子98を介して電流が流される。このようにすることで直流電源BAと平滑コンデンサ92を結ぶ電路に流れる電流を過大にならず、その結果、突入電流を防止することができる。
特開2009−44914号公報 特開2005−312156号公報
特許文献1に記載の電源開閉装置では、システムメインリレーとして、励磁回路に通電することによる電磁作用で接点を開閉する、いわゆる機械式リレーが用いられている。しかしながら、機械式リレー自体の寸法が大きい上に、コイルに発生する誘導起電力を逃がすためのバイパス回路等を設ける必要があり、これに伴って、電源開閉装置も大型化してしまうという問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、小型化が可能な電源開閉装置、およびそれを備えた電源システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本明細書において開示される電源開閉装置等は、直流電源と容量素子とを結ぶ電路を外部からの指令に応じて開閉する電源開閉装置であって、前記電路に挿入されるとともに、入力される制御信号のレベルに応じて定まる上限電流値以下の電流であって、前記直流電源の電圧値と前記容量素子の充電電圧値の差分に応じた電流を流す、1以上の半導体素子と、前記1以上の半導体素子に対し個別に制御信号を出力するコントローラと、前記1以上の半導体素子の温度を検出する温度検出回路と、を備え、前記コントローラは、前記電路を閉状態にさせる指令を受けてから所定期間が経過するまでは、前記電路に流れる電流が制限電流値を超えないように、前記温度検出回路により検出された温度に応じて個々の制御信号のレベルを調整し、かつ、前記所定期間経過後は、前記電路に流れる電流が前記制限電流値を超えることを許容するように個々の制御信号のレベルを調整する。
本明細書において開示される電源開閉装置等によれば、小型化を図ることが可能となる。
第1の実施形態に係る電源開閉装置101を備える電源システム100の全体構成を示す図である。 (a)第1の実施形態に係るコントローラ105の構成の一例を示すブロック図と、(b)可変電圧回路112に入力される制御指令信号Dgのレベルと、可変電圧回路112から出力される制御信号Vgのレベルの対応関係を示す図である。 半導体素子のI−V特性を模式的に示す図である。 第1の実施形態に係るタイミングチャートの一例を示す図である。 第2の実施形態に係る電源開閉装置201を備える電源システム200の全体構成を示す図である。 第2の実施形態に係るコントローラ205が行う動作のフローチャートを示す図である。 第2の実施形態の変形例に係る電源開閉装置201aを備える電源システム200aの全体構成を示す図である。 第2の実施形態の変形例に係るコントローラ205aが行う動作のフローチャートを示す図である。 第3の実施形態に係る電源開閉装置301を備える電源システム300の全体構成を示す図である。 半導体素子の温度依存性を説明するための図である。 (a)コントローラ305のメモリに格納されているテーブルt3を示す図と、(b)半導体素子のI−V特性を模式的に示す図である。 第3の実施形態に係るコントローラ305が行う動作のフローチャートを示す図である。 第3の実施形態に係るタイミングチャートの一例を示す図である。 第4の実施形態に係る電源開閉装置401を備える電源システム400の全体構成を示す図である。 コントローラ405のメモリに格納されているテーブルt4を示す図である。 第4の実施形態に係るコントローラ405が行う動作のフローチャートを示す図である。 第5の実施形態に係る電源開閉装置501を備える電源システム500の全体構成を示す図である。 コントローラ505のメモリに格納されているテーブルt5を示す図である。 第6の実施形態に係る電源開閉装置601を備える電源システム600の全体構成を示す図である。 コントローラ605のメモリに格納されているテーブルt6を示す図である。 第7の実施形態に係る電源開閉装置701を備える電源システム700の全体構成を示す図である。 第7の実施形態に係るコントローラ705が行う動作のフローチャートを示す図である。 第7の実施形態に係るタイミングチャートの一例を示す図である。 第8の実施形態に係る電源開閉装置801を備える電源システム800の全体構成を示す図である。 コントローラ805のメモリに格納されているテーブルt8を示す図である。 第8の実施形態に係るコントローラ805が行う動作のフローチャートを示す図である。 第9の実施形態に係る電源開閉装置901を備える電源システム900の全体構成を示す図である。 第9の実施形態に係るコントローラ905が行う動作のフローチャートを示す図である。 (a)相互コンダクタンスが大きい場合における半導体素子のI−V特性を模式的に示す図と、(b)相互コンダクタンスが小さい場合における半導体素子のI−V特性を模式的に示す図である。 変形例(27)に係るコントローラ505のメモリに格納されているテーブルを示す図である。 変形例(27)に係るコントローラ505が行う動作のフローチャートを示す図である。 変形例(28)に係るコントローラ505のメモリに格納されているテーブルを示す図である。 変形例(28)に係るコントローラ505が行う動作のフローチャートを示す図である。 特許文献1に係る電源開閉装置91を備える電源システム1000の全体構成を示す図である。 変形例(30)に係る電源開閉装置を備える電源システム100Aの全体構成を示す図である。
本明細書において開示される電源開閉装置の構成によれば、コントローラにより、各々の半導体素子を流れる電流量の上限値(上限電流値)が0[A]となるように個々の制御信号のレベルを調整することで、直流電源と容量素子を結ぶ電路が開状態となる。また、上限電流値が0[A]ではない有限の電流値となるように個々の制御信号のレベルを調整することで、直流電源と容量素子を結ぶ電路が閉状態となる。このように、本発明では機械式リレーによらずに電路の開閉が行われるため、誘導起電力が発生しない。したがって、誘導起電力を逃がすためのバイパス回路等を設ける必要がなくなる分、電源開閉装置を小型化することができる。また、機械式リレー特有の他の問題(例えば、接点の溶着等)も招来しない。
さらに、上記の電路を閉状態にさせる指令を受けてから所定期間が経過するまでの期間(予備充電期間)においては、制御信号のレベルを調整することで、上記の電路に流れる電流が所定の制限電流値を超えないように制御され、その結果、電路を閉状態にした際の突入電流を抑制することができる。このような構成によれば、予備充電経路とシステムメインリレーを別個に設けることなく、半導体素子にその両者の機能を持たせることができる。よって、電源開閉装置のさらなる小型化を図ることができる。
ここで、予備充電期間においては、上記電路に流れる電流(予備充電電流)を細かく制御できる方が望ましい。仮に電源開閉装置を大電流容量の半導体素子1つで構成した場合には、予備充電電流のような小電流が上記電路に流れるように制御信号を制御することは難しい。そのため、電源開閉装置を半導体素子で構成する場合には、小電流の制御が容易な小電流容量の半導体素子を複数並列接続して用いることが望ましい。さらに、上限電流値が温度に依存して変化する温度依存性を有する半導体素子の場合、ある程度の温度変化に対応できるようにするため、さらに多くの半導体素子を用いる必要がある。したがって、電源開閉装置を単に半導体素子で構成したとしても、当該装置に含まれる半導体素子の個数が多くなる結果、小型化の実効が図れないおそれがある。
しかしながら、本明細書において開示される電源開閉装置は温度検出回路を備えているため、当該回路により検出された温度に応じて、個々の制御信号のレベルを調整することができる。このため、温度依存性を有する半導体素子であったとしても、温度変化に対応させるための余分な半導体素子は不要となる。また、温度検出回路は小型な回路であるため、余分な半導体素子を備える場合と比較して、温度検出回路を備えることによる電源開閉装置のサイズに与える影響は小さい。よって、温度検出回路を備えることで、電源開閉装置を半導体素子で構成した際の小型化の実効を図ることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
≪構成≫
図1は、第1の実施形態に係る電源開閉装置を備える電源システム100の全体構成を示す図である。
電源システム100は、入力側が直流電源BA、出力側がモータ104にそれぞれ接続されてなる。電源システム100は、電源開閉装置101,平滑コンデンサ102,インバータ103,を備える。
直流電源BAは電源系統を整流して得られる直流電源、または、バッテリタイプ(代表的には、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池)の直流電源である。
モータ104は、三相交流電力の供給を受ける三相巻線から構成される三相交流モータである。
電源開閉装置101は、直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ電路を指令に応じて開閉するものであり、コントローラ105,電流量可変部106からなる。
平滑コンデンサ102は、直流電源BAから電源開閉装置101を介して入力された直流電力を平滑化し、インバータ103へ出力する。
インバータ103は、直流電源BAから供給される直流電力を、位相が各々120°(2π/3ラジアン)ずれたU相,V相,W相の三相交流電力に変換し、その三相交流電力をモータ104に供給する。
電流量可変部106は、直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ電路に挿入された、1以上の半導体素子107A,107B,107Cを備える。半導体素子107A,107B,107Cは、入力される制御信号のレベルに応じて定まる上限電流値以下の電流であって、直流電源BAの電圧値と平滑コンデンサ102の電圧値(充電電圧値)の差分に応じた電流を流す半導体素子である。本実施形態では、半導体素子の個数が3個とし、半導体素子をN型の金属−絶縁体−半導体電界効果トランジスタ(Metal−Insulator−Semiconductor Field Effect Transistor,以下、MISFETと記載する。)等のスイッチング素子としている。半導体素子107A,107B,107Cのゲート端子には、ゲート駆動回路GDが接続されている。
半導体素子107A,107B,107Cは並列接続されている。したがって、直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ電路に流れる電流値は、半導体素子107A,107B,107Cが流す電流値、すなわち、各半導体素子のドレインからソースに流れる電流値(順方向電流値)の合計に相当する。各半導体素子の順方向電流値は、ゲート端子に入力される制御信号のレベルと、直流電源BAの電圧値と平滑コンデンサ102の電圧値の差分により定まる。本実施形態においては、半導体素子としてMISFETが用いられているため、ここでの制御信号はゲート電圧に対応する。したがって、直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ電路に流れる電流値は、ゲート端子に入力される制御信号のレベルと、直流電源BAの電圧値と平滑コンデンサ102の電圧値の差分により定まることとなる。このことについては、図3で詳細を述べることとする。
(コントローラ105)
コントローラ105は、電流量可変部106とインバータ103を制御する。電流量可変部106に対する制御動作として、コントローラ105は、ゲート駆動回路GDを介して、半導体素子107A,107B,107Cに対し個別に制御信号Vgを出力する。これにより、各半導体素子の順方向電流の上限値(以下、「順方向電流の上限値」を単に「上限電流値」と記載する。)の大きさが制御される。図1において、半導体素子107Aに対する制御信号VgをVGA,半導体素子107Bに対する制御信号VgをVGB,半導体素子107Cに対する制御信号VgをVGCと図示している。
図2(a)は、コントローラ105の構成の一例を示すブロック図である。図2(a)は、コントローラ105の構成のうち、電流量可変部106の制御を行う部分のみを抜粋して図示している。図2(a)に示すように、コントローラ105はマイコン110,メモリ111,可変電圧回路112を備える。
マイコン110は、外部(例えばイグニッションキー)から電源開閉装置101をオンする指令Son(直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ電路を閉状態にさせる指令)、またはオフする指令Soff(直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ電路を開状態にさせる指令)を受ける。さらに、マイコン110は、メモリ111に格納されたテーブル等の情報に従って、可変電圧回路112に出力する制御信号指令DgCの設定値を変化させる。図2(a)において、半導体素子107A,107B,107Cに対応する制御信号指令Dgを、それぞれ、DgA,DgB,DgCとしている。
可変電圧回路112は、いわゆるD/A(デジタル/アナログ)コンバータであり、デジタルの制御指令信号DgA、DgB、DgCを、それぞれ、アナログの制御信号VGA、VGB、VGCに変換する。
図2(b)は、可変電圧回路112に入力される(マイコン110が出力する)制御指令信号Dgのレベルと、可変電圧回路112から出力される制御信号Vgのレベルの対応関係を示す図である。例えば、DgAとして制御信号指令Dg3が入力された可変電圧回路112は、半導体素子107Aに対し制御信号Vg3を出力する。
メモリ111には、第1の期間および第2の期間に出力する制御信号指令Dgの設定値の情報が格納されている。ここで、第1の期間とは、電源開閉装置101をオンする指令Son(直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ電路を閉状態にさせる指令)をマイコン110が受けてから所定期間が経過するまでの期間を指す。また、第2の期間とは、上記所定期間経過後から電源開閉装置101をオフする指令Soff(上記電路を開状態にさせる指令)を受けるまでの期間を指す。
本実施形態におけるメモリ111には、第1の期間はDgA=Dg3,DgB=Dg0,DgC=Dg0とし、第2の期間はDgA=Dg7,DgB=Dg7,DgC=Dg7とする、設定値の情報が格納されている。最終的には、コントローラ105は、第1の期間にはVGA=Vg3,VGB=Vg0,VGC=Vg0の制御信号を出力し、第2の期間には、VGA=Vg7,VGB=Vg7,VGC=Vg7の制御信号を出力することになる。このようにして、コントローラ105は、第1の期間および第2の期間において、半導体素子107A,107B,107Cに出力する制御信号のレベルを個々に調整している。
(半導体素子のI−V特性)
図3は、半導体素子107A,107B,107CのI−V特性を模式的に示す図である。図3を用いて、半導体素子に入力される制御信号Vg0〜Vg8と、半導体素子の上限電流値との関係について説明する。なお、以下では、半導体素子がノーマリオフ型である場合について説明する。図3において、横軸は半導体素子のドレイン−ソース間電圧[V](VDS)、縦軸は順方向電流[A](ID)を示している。
制御信号Vg0の場合、VDSがどのような値であってもIDの値は0[A]であり、したがって、上限電流値は0[A]である。このとき、半導体素子は順方向電流が流れないオフ状態となる。また、制御信号Vg1〜Vg6の場合、VDSの上昇に伴ってIDも上昇するが、VDSが所定の値を超えるとIDは上限電流値に達し、IDは略一定の値を示すようになる。図3に示すように、Vg1<Vg2<・・・<Vg5<Vg6の順にIDの上限電流値は大きくなる。さらに、制御信号Vg7,Vg8の場合、VDSの上昇とともにIDも上昇し、IDは熱制約などで飽和するまで上昇し続ける。制御信号Vg7もしくはVg8が入力されている半導体素子は、制御信号Vg1〜Vg6が入力されている半導体素子と比較してオン抵抗が小さいため、より低損失で動作させることができる。
図3に示すように、上限電流値は、入力される制御信号のレベルVg0〜Vg8に応じて定まることが分かる。したがって、コントローラ105が半導体素子107A,107B,107Cに出力する制御信号Vgのレベルを調整することで、直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ電路に流れる電流量を調整することが可能となる。また、制御信号Vgの各レベルにおける順方向電流値は、ドレイン−ソース間電圧(VDS)、すなわち、直流電源BAの電圧値と平滑コンデンサ102の電圧値の差分に応じて定まることも、図3から見て取れる。
本実施形態のコントローラ105の動作について総括すると、上述したように、第1の期間にはVGA=Vg3,VGB=Vg0,VGC=Vg0の制御信号を出力し、第2の期間には、VGA=Vg7,VGB=Vg7,VGC=Vg7の制御信号を出力する。したがって、コントローラ105は、半導体素子107A,107B,107Cに出力する制御信号のレベルを個々に調整することで、第1の期間においては、上記電路に流れる電流が所定の制限電流値を超えないようにし、一方、第2の期間においては、上記電路に流れる電流が上記制限電流値を超えることを許容するようにする。
なお、ここでいう「許容するようにする」とは、電路に流すことが可能な電流の上限値が制限電流値を超えるように、コントローラ105によって当該上限値を引き上げることを意味する。したがって、制限電流値を超えるような電流を実際に電路に流すことまでは意味しない。実際に電路を流れる電流は、あくまでも電流量可変部106に印加される電圧に応じて決まる。詳細は後述する。
ここで、制限電流値の望ましい値は、直流電源BAの種類、平滑コンデンサ102の静電容量、直流電源BAの電圧値と平滑コンデンサ102の電圧値の差分等によって決まる。例えば、直流電源BAの定格電圧が300[V]とし、平滑コンデンサ102の定格容量が888[μF]であり、かつ、平滑コンデンサ102が充電されていない場合の制限電流値は、約20[A]である。また、制限電流値は、直流電源BAの最大出力電流値以下の値、もしくは、直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ電路に挿入されている各素子(例えば、ヒューズ、配線等)における最大定格電流の合計値以下の値とすることもできる。半導体素子107A,107B,107の第1の期間における上限電流値の足し合わせが、上記のように定まる制限電流値以下となるように、制御信号Vgのレベルが調整される。本実施形態では、制限電流値をID3に設定した上で、第1の期間に出力する制御信号をVGA=Vg3,VGB=Vg0,VGC=Vg0としている。すなわち、以下の説明では、第1の期間における上限電流値の足し合わせが、制限電流値と等しい場合について説明する。
〈インバータ103〉
インバータ103は、平滑コンデンサ102とモータ104とを結ぶ電路に挿入される。インバータ103は、U相アーム108u,V相アーム108v,W相アーム108wが並列接続されてなる。U相アーム108uは、入力される制御信号のレベルに応じた電流を流す半導体素子109A,109Bが直列接続されてなる。半導体素子109A,109Bは、電源開閉装置101が備える半導体素子と同様の構成の半導体素子で構成されている。電源開閉装置101の場合と同様に、半導体素子109A,109Bのゲート端子もゲート駆動回路GDと接続されている。
上記のコントローラ105は、電源開閉装置101が備える半導体素子107A,107B,107Cに対する制御信号だけでなく、インバータ103が備える半導体素子109A,109Bに対する制御信号であるパルス幅変調信号(PWM信号)も生成している。図1において、半導体素子109A,109Bに対するパルス幅変調信号をPWM1と図示している。PWM信号PWM1は、ゲート駆動回路GDを介して半導体素子109A,109Bのゲート端子に出力される。
V相アーム108v,W相アーム108wもU相アーム108uと同様の構成である。V相アーム108vが備える半導体素子109C,109Dは、PWM信号PWM2により制御され、W相アーム108wが備える半導体素子109E,109Fは、PWM信号PWM3により制御される。
ここで、電源開閉装置101が備える半導体素子107A,107B,107Cと、インバータ103が備える半導体素子109A〜109Fは、同一のパッケージに収容されている。このようにすることで、電源システムのさらなる小型化、電源システム100の製造工程における作業負荷の低減、部品点数の削減、低コスト化に貢献できる。さらに、インバータ103が備える半導体素子109A〜109Fと平滑コンデンサ102までの配線距離が短縮されることにより配線インダクタンスを低減できるので、過大なサージ電圧を抑制することもできる。
また、半導体素子107A〜107Cならびに109A〜109Fは、動作中に発熱するので、これらの熱を冷却器等で放熱する必要がある。この場合、電源開閉装置101が備える半導体素子107A〜107Cと、インバータ103が備える半導体素子109A〜109Fを、同一の冷却器上(例えばヒートシンク上)に実装し、冷却されることが望ましい。このようにすることで、半導体素子107A〜107C用の冷却器と、半導体素子109A〜109F用の冷却器とを別個に用意する必要がなくなるので、その分、小型化を図ることができる。
≪電源システム100の全体動作≫
次に、図4を参照しながら、電源システム100における全体動作について説明する。
図4は、本実施形態に係るタイミングチャートの一例を示す図である。上から順に、平滑コンデンサ102の電圧値VCの変動,制御信号VGAの波形,制御信号VGBの波形,制御信号VGCの波形,半導体素子107Aに流れる順方向電流IAの波形,半導体素子107Bに流れる順方向電流IBの波形,半導体素子107Cに流れる順方向電流ICの波形を、それぞれ示している。
上述したように、電源システム100の動作期間は、第1の期間(時刻(1)〜(4))と第2の期間(時刻(4)〜(5))に大別される。第1の期間においては、平滑コンデンサ102の予備充電を行い、第2の期間においては、直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ電路をより低損失で導通させる動作を行う。
〈第1の期間〉
先ず、図4の時刻(1)において、マイコン110が指令Son(図2)を受けることにより、電源システム100の全体動作が開始される。第1の期間(時刻(1)〜(4))において、コントローラ105は、制御信号VGAとしてVg3、制御信号VGB,VGCとしてVg0を出力する。
なお、正確には、マイコン110が指令Sonを受けてから可変電圧回路112が制御信号VGA,VGB,VGCを出力するまでには時間差がある。しかしながら、図4のタイミングチャートをはじめ、本明細書においては、簡略化のため、この時間差を考慮せずに(時間差が0[sec]であるものとして)説明している。
第1の期間においては、半導体素子107Aのみに上限電流値を比較的小さくする(オン抵抗を比較的大きくする)制御信号Vg3(図3)が出力されるので、平滑コンデンサ102に供給される電流は、制限電流値を超えない。この結果、上記電路を閉状態にした際の突入電流を抑制しつつ、平滑コンデンサ102を徐々に充電することができる。すなわち、第1の期間は予備充電するための期間として設けられていることとなる。
第1の期間(時刻(1)〜(4))における半導体素子107Aの動作について、もう少し詳しく説明する。制御信号Vg3の入力を受けて(時刻(1))、半導体素子107Aには順方向電流が流れ始める。この順方向電流が流れ始めてからしばらくの期間は、半導体素子107Aのドレイン−ソース間電圧(VDS)は比較的大きい。そのため、この期間における半導体素子107Aの特性は、図3の区間(A)で示す領域(飽和領域)のものになる。よって、順方向電流が流れ始めてからしばらくの期間(時刻(2)まで期間)に半導体素子107Aを流れる電流は、制御信号Vg3が入力された場合に対応する上限電流値ID3(本実施形態の第1の期間においては、制限電流値と等しい値)を超えない。
そして、平滑コンデンサ102の予備充電が進むにつれて、半導体素子107AのVDSが減少していき、VDSが区間(A)と区間(B)との境界に対応する電圧(ピンチオフ電圧)と等しくなった時点(時刻(2))から、半導体素子107Aの特性は区間(B)で示す領域(線形領域)のものになる。したがって、時刻(2)〜(4)にわたって、半導体素子107Aに流れる順方向電流は減少する。
〈第2の期間〉
次に、第2の期間(時刻(4)〜(5))では、コントローラ105は、制御信号VGA,VGB,VGCの全てをVg7に設定する。第2の期間においては、平滑コンデンサ102の充電は完了しているので、直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ電路に流れる電流が制限電流値を超えることを許容したとしても大きな突入電流は流れない。したがって、熱制約などで飽和するまで順方向電流値の上限がなく、ドレイン−ソース間電圧(VDS)に応じた順方向電流を流す制御信号Vg7を3個の半導体素子全てに出力することができる。その結果、直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ電路をより小さいオン抵抗で動作させることができる。
(制御信号Vgが入力される半導体素子の個数)
ここで、第2の期間において電流が流れる半導体素子(Vg1〜Vg8のいずれかのレベルの制御信号Vgが入力される半導体素子)の個数を、第1の期間において電流が流れる半導体素子の個数よりも多くしている理由について考察する。
第1の期間においては、直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ電路を閉状態にした際の突入電流を抑制する必要があるため、半導体素子のオン抵抗は大きいことが望ましい。逆に、第2の期間においては、直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ電路をより低損失で導通させる方が消費電力等の観点から有利であるため、半導体素子のオン抵抗は小さい方が望ましい。一般的に、オン抵抗を小さくするには、半導体素子のチップ面積拡大(すなわち、大電流化)が、逆にオン抵抗を大きくするには、半導体素子のチップ面積縮小(すなわち、低電流化)が有効である。そこで、本実施形態においては、入力する制御信号のレベルを調整することでオン抵抗の調整をするだけでなく、電流を流す半導体素子の個数を変えることでも、オン抵抗の調整を行っている。
第1の期間においては、精度良く上限電流値またはオン抵抗を設定できることが望ましい。本実施形態では、第1の期間においては電流が流されるのは半導体素子107Aのみである。このようにすることで、3個の半導体素子全てに電流が流れるようにした場合と比較して、上限電流値またはオン抵抗を細かく設定できるようにしている。
〈電源システム100の全体動作の終了、その他〉
時刻(5)において、マイコン110が指令Soff(図2)を受けることにより、電源システム100の全体動作が終了する。そして、時刻(6)において、再びマイコン110が指令Son(図2)を受けることにより、電源システム100の全体動作が開始される。2回目の全体動作における時刻(6)は、1回目の全体動作における時刻(1)に対応しており、時刻(6)から始まる2回目の全体動作も1回目の全体動作と同様の流れである。
次に、平滑コンデンサ102の電圧値VCの変動を参照しながら本実施形態における設計思想について説明する。予備充電に要する期間は電源システムを動作させるための言わば準備期間であるため、電源システムがどのような状況下に置かれていても、この期間は略一定であることが望ましいというユーザー側の要望がある。したがって、先ず、第1の期間(時刻(1)〜(4))の長さが定まることとなる。そうすると、次は、制御信号Vgの遅延による第1の期間から第2の期間への遷移期間等を考慮して、平滑コンデンサ102の充電を完了させる(平滑コンデンサ102の電圧値VCをVCfullまで上げる)のに使用できる時間(時刻(1)〜(3))が決まる。そして最後に、決められた時間内に充電時間が収まるように、第1の期間において直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ電路に流れることが許容される電流の値の上限が定まる。つまり、図4の最上段に示す平滑コンデンサ102の電圧値VCの変動は、設計段階であらかじめ決められているものである。
とはいえ、第1の期間の長さを決定するにあたっては、この長さがあまりにも短い場合、平滑コンデンサ102の予備充電が適切に行われず、突入電流を効果的に抑制することができない。したがって、電路に流れることが許容される電流の値が、定められた制限電流値以下となるような範囲内で、第1の期間の長さが設定されている。
また、時刻(3)は、制限電流値を超えない電流により平滑コンデンサ102を充電した場合に、平滑コンデンサ102が100%充電される時刻に相当する。上述したように、第1の期間が終了する時刻(4)は、時刻(3)よりも遅れるように設計されている。換言すると、第1の期間は、制限電流値を超えない電流により平滑コンデンサ102を充電した場合に、平滑コンデンサ102が0%から100%まで充電されるのに要する期間よりも長くなるように設計されたものである。
なお、図4に示す半導体素子107Aの順方向電流の波形は、有負荷時の場合(平滑コンデンサ102とインバータ103とが接続されている場合)を示している。有負荷時の場合、時刻(4)〜(5)の間は半導体素子107Aの順方向電流が0[A]ではないが、時刻(5)で電源システム100の全体動作が終了すると、順方向電流が0[A]となる。図示していないが、無負荷時の場合(平滑コンデンサ102とインバータ103とが接続されていない場合)は、時刻(4)〜(5)の間も半導体素子107Aの順方向電流が0[A]となる。
≪まとめ≫
以上説明したように、本実施形態においては、機械式リレーによらずに半導体素子によって電路の開閉が行われる。機械式リレーによる電路の開閉では誘導起電力が発生するため、これを逃がすためのバイパス回路等を設ける必要があったが、本実施形態ではこれらを設ける必要がなくなる分、電源開閉装置を小型化することができる。
上記以外にも、機械式リレーの課題としては、例えば、接点の摩耗等が原因の開閉寿命による信頼性低下やメンテナンスの問題がある。これ以外にも、機械式リレーの課題としては、開閉時に接点でアーク放電が起こることによるノイズ発生、ヒステリシス性が大きいことによる遅延等が挙げられる。しかしながら、本実施形態においては機械式リレーを採用していないため、これらの機械式リレー特有の問題は招来しない。
さらに、本実施形態では、半導体素子に入力する制御信号(ゲート電圧)のレベルを調整することで、直流電源と容量素子を結ぶ電路が開閉を行っている。また、直流電源と容量素子を結ぶ電路が閉状態のときには、同じく半導体素子に入力する制御信号レベルを調整することで、上記の電路に流れる電流量が制限電流値を超えないように制御している。したがって、特許文献1における予備充電経路とシステムメインリレーが担っていた機能を、半導体素子からなる電流量可変部だけで行うことができるので、電源開閉装置のさらなる小型化を図ることができる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態においては、第1の期間に電流が流される半導体素子は107Aで固定であった(図4)。本実施形態では、第1の期間に電流が流される半導体素子を切り替えることにより、半導体素子にかかる負荷を分散させるようにする構成について説明する。
≪構成≫
図5は、第2の実施形態に係る電源開閉装置を備える電源システム200の全体構成を示す図である。電源開閉装置201は、電源開閉装置101(第1の実施形態、図1)の構成に加え、温度検出回路213A,213B,213Cを備える点が特徴である。以下、第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
電流量可変部206は、第1の実施形態と同様の構成の半導体素子207A,207B,207Cからなる。
温度検出回路213A,213B,213Cは、それぞれ、半導体素子207Aの温度TA[℃],半導体素子207Bの温度TB[℃],半導体素子207C[℃]の温度TCを個別に検出する。
コントローラ205は、半導体素子207A,207B,207Cに対する制御信号VGA,VGB,VGCを出力する。コントローラ205は、さらに、温度検出回路213A,213B,213Cにより検出された温度TA,TB,TCの情報を取得し、検出された温度に応じて、第1の期間に電流を流す半導体素子を選択する。本実施形態においては、温度の低い半導体素子から順に第1の期間に電流を流す半導体素子として選択する。この動作を含めたコントローラ205の動作の詳細について、図6を用いて説明する。
≪コントローラ205が行う動作のフローチャート≫
図6は、本実施形態に係るコントローラ205が行う動作のフローチャートを示す図である。
先ず、コントローラ205は、電源開閉装置201をオンする指令(図2(a)のSon)があったか否かを判定する(ステップS201)。当該指令がないと判定すると(ステップS201においてNO)、ステップS201の処理に戻る。当該指令があったと判定すると(ステップS201においてYES)、電源システム200の全体動作を開始し、温度検出回路213A,213B,213Cにより検出された温度TA,TB,TCの情報を取得する(ステップS202)。
次いで、温度TA,TB,TCのうち、どの温度が最も低い温度かを判定する(ステップS203)。温度TAが最も温度が低いと判定すると(ステップS203においてTA)、コントローラ205は、VGAとしてVg3,VGBとしてVg0,VGCとしてVg0をそれぞれ出力する(ステップS204A、図2,3参照)。また、温度TBが最も温度が低いと判定すると(ステップS203においてTB)、コントローラ205は、VGAとしてVg0,VGBとしてVg3,VGCとしてVg0をそれぞれ出力する(ステップS204B)。そして、温度TCが最も温度が低いと判定すると(ステップS203においてTC)、コントローラ205は、VGAとしてVg0,VGBとしてVg0,VGCとしてVg3をそれぞれ出力する(ステップS204C)。
次に、コントローラ205は、第1の期間が終了したか否かを判定する(ステップS205)。第1の期間が終了していないと判定すると(ステップS205においてNO)、ステップS205の処理に戻る。第1の期間が終了したと判定すると(ステップS205においてYES)、コントローラ205は、VGAとしてVg7,VGBとしてVg7,VGCとしてVg7をそれぞれ出力する(ステップS206)。
そして、電源開閉装置201をオフする指令(図2(a)のSoff)があったか否かを判定する(ステップS207)。当該指令がないと判定すると(ステップS207においてNO)、ステップS207の処理に戻る。当該指令があったと判定すると(ステップS207においてYES)、電源システム200の全体動作を終了するため、VGA,VGB,VGCとしてVg0をそれぞれ出力する(ステップS208)。
以上説明したように、本実施形態では、コントローラは温度の最も低い半導体素子を第1の期間に電流を流す素子として選択する。このようにすることで、第1の期間に電流を流す半導体素子を固定的に選択する場合と比較して、半導体素子の発熱による負荷を分散させることが可能となる。その結果、半導体素子の寿命低下を抑制し、電源開閉装置の信頼性を向上させることができる。
[第2の実施形態の変形例]
第2の実施形態においては、半導体素子の温度を個別に検出していたが、半導体素子全体としての温度(電流量可変部206の温度)を検出する構成を採ることもできる。
≪構成≫
図7は、本変形例に係る電源開閉装置を備える電源システム200aの全体構成を示す図である。電源開閉装置201aは、電源開閉装置101(第1の実施形態、図1)の構成に加え、温度検出回路213aを備える点が特徴である。以下、第2の実施形態における電源開閉装置201と相違する点を中心に説明する。
温度検出回路213aは、半導体素子207A,207B,207C全体としての温度Tsur[℃]を検出する。
コントローラ205aは、温度検出回路213aにより検出された温度Tsurの情報を取得し、検出された温度Tsurに応じて、第1の期間に電流を流す半導体素子を選択する。本実施形態においては、温度Tsurが所定温度未満である場合は、前回の第1の期間において電流を流した半導体素子を、引き続き第1の期間に電流を流す半導体素子として選択する。一方、温度Tsurが所定温度以上である場合は、所定規則に従い、前記複数の半導体素子のうち、前回の第1の期間において電流を流した半導体素子の少なくとも1つを除く半導体素子を、新たに第1の期間に電流を流す半導体素子として選択する。この動作を含めたコントローラ205aの動作の詳細について、図8を用いて説明する。
≪コントローラ205aが行う動作のフローチャート≫
図8は、本変形例に係るコントローラ205aが行う動作のフローチャートを示す図である。
ステップS201aは、第2の実施形態におけるステップS201(図6)に対応する。コントローラ205aは、電源開閉装置201aをオンする指令があったと判定すると(ステップS201aにおいてYES)、電源システム200aの全体動作を開始し、温度検出回路213aにより検出された温度Tsurの情報を取得する(ステップS202a)。
次いで、温度Tsurが所定の閾値温度以上であるか否かを判定する(ステップS203a)。温度Tsurが閾値温度以上であると判定すると(ステップS203aにおいてYES)、コントローラ205aのマイコン等で記憶されているカウント値Ctをインクリメントし(ステップS204a)、ステップS205aの処理に移行する。温度Tsurが閾値温度以上でないと判定すると(ステップS203aにおいてNO)、カウント値CtをインクリメントせずにステップS205aの処理に移行する。
次に、コントローラ205aは、カウント値Ctを3(電流量可変部206に含まれる半導体素子の個数である。)で割った場合の剰余がいくらであるかを判定する(ステップS205a)。剰余が0である場合(ステップS205aにおいてCt=3n)、コントローラ205aは、VGAとしてVg3,VGBとしてVg0,VGCとしてVg0をそれぞれ出力する(ステップS206A)。剰余が1である場合(ステップS205aにおいてCt=3n+1)、コントローラ205aは、VGAとしてVg0,VGBとしてVg3,VGCとしてVg0をそれぞれ出力する(ステップS206B)。剰余が2である場合(ステップS205aにおいてCt=3n+2)、コントローラ205aは、VGAとしてVg0,VGBとしてVg0,VGCとしてVg3をそれぞれ出力する(ステップS206C)。ステップS207a〜S210aは、第2の実施形態におけるステップS205〜S208(図6)に対応する。
以上説明したように、本変形例では、半導体素子全体の温度が所定の閾値を超えた場合に、前回の電源システムの動作における第1の期間で電流を流した半導体素子とは異なる半導体素子を、新たに第1の期間で電流を流す半導体素子として選択する。このようにすることで、連続使用による半導体素子の過熱を防止し、半導体素子の寿命低下を抑制することができる。
[第3の実施形態]
MISFET等の半導体素子は、入力される制御信号のレベルによって決まる上限電流値が温度に依存して変化する温度依存性を有する。本実施形態では、半導体素子の温度に応じて制御信号のレベルを温度補償することにより、半導体素子温度が変化しても、第1の期間の長さを略一定に維持できるようにする構成について説明する。
≪構成≫
図9は、第3の実施形態に係る電源開閉装置を備える電源システム300の全体構成を示す図である。電源開閉装置301は、電源開閉装置101(第1の実施形態、図1)の構成に加え、第2の実施形態の変形例における温度検出回路213a(図7)に対応する温度検出回路313を備える点が特徴である。図9において、第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付している。
電流量可変部306は、第1の実施形態と同様の構成の半導体素子107A,107B,107Cからなる。
温度検出回路313は、半導体素子307A,307B,307C全体(電流量可変部306)の周囲温度Tsur[℃]を検出する。
コントローラ305は、半導体素子307A,307B,307Cに対する制御信号VGA,VGB,VGCを出力する。コントローラ305は、さらに、温度検出回路313により検出された周囲温度Tsurの情報を取得し、周囲温度Tsurに応じて、第1の期間に電流を流す半導体素子に対して出力する制御信号のレベルを調整する。
〈半導体素子の温度依存性〉
図10は、半導体素子の温度依存性を説明するための図である。図10(a)は、半導体素子の低温時におけるI−V特性を模式的に示す図であり、図10(b)は、半導体素子の高温時におけるI−V特性を模式的に示す図である。両図において、横軸は半導体素子のドレイン−ソース間電圧[V](VDS)、縦軸は順方向電流[A](ID)を示している。
図10に示すように、制御信号Vg1〜Vg6が入力された場合に注目すると、同じレベルの制御信号であっても、高温時の場合は低温時と比較して順方向電流が流れにくく、上限電流値が小さくなることがわかる。ここで、上述したように、第1の期間(予備充電期間)の長さは略一定であることが望ましい。仮に、同じレベルの制御信号Vgが入力されたとすると、高温時の場合は上記の上限電流値が小さくなるため、低温時の場合よりも予備充電時間に要する時間が長くなり、その結果、第1の期間を余分に取る必要が出てきてしまう。これを防止して第1の期間を略一定にするためには、高温時の場合は低温時よりも高いレベルの制御信号を入力することによる温度補償を行うのが有効である。
なお、制御信号Vg7,Vg8の場合、低温時と比べて高温時の方がVDSに対する順方向電流IDの上がり方は鈍く、高温の半導体素子の方が、より損失が多いことが分かる。また、制御信号Vg0の場合は、高温時でも低温時でも変化はない。
〈コントローラ305のメモリに格納されているテーブル〉
図11(a)は、コントローラ305のメモリに格納されているテーブルt3を示す図である。テーブルt3には、温度検出回路313により検出された周囲温度Tsur[℃]が属する温度範囲と、マイコン(図2)が出力する制御信号指令Dgのレベルとが列挙されている。テーブルt3において、T1<T2<T3<T4<T5の順に温度が高いことを示している。したがって、テーブルt3の下に行くほど周囲温度Tsurが高いことを意味している。なお、テーブルt3において制御信号指令Dgのレベルに対応する制御信号Vgのレベルを括弧書きにて示しているが、これは説明の都合上便宜的に示しているだけであり、実際上コントローラ305のメモリに記憶されているものではない。以下、他の実施形態のテーブルにおいても同様とする。
図11(b)は、図11(a)に示す制御信号Vg0,VgT0〜VgT5,Vg7〜Vg8と、これらの制御信号が入力された場合の上限電流値との関係を示す図である。制御信号Vg0の場合、第1の実施形態(図3)と同様に、VDSがどのような値であってもIDの値は0[A]であり、したがって上限電流値は0[A]である。制御信号VgT0〜VgT5の場合、VDSの上昇に伴ってIDも上昇するものの、IDには上限電流値がある。図11(b)に示すように、VgT0<VgT1<・・・<VgT4<VgT5の順にIDの上限電流値は大きくなる。制御信号Vg7,Vg8の場合も第1の実施形態(図3)と同様に、VDSの上昇とともにIDも上昇し続け、熱制約などで飽和するまでIDに上限はない。
コントローラ305は、テーブルt3に従って、周囲温度Tsurがどの温度範囲に属するかによって、出力する制御信号VgT0〜VgT5を調整する。具体的には、コントローラ305は、周囲温度Tsurが属する温度範囲が高いほど半導体素子の上限電流値が高くなるように、各半導体素子に出力する制御信号を調整する。例えば、周囲温度Tsurが比較的低い温度範囲である場合は、比較的上限電流値を小さくする制御信号VgT1が選択される。一方、周囲温度Tsurが比較的高い温度範囲である場合は、比較的上限電流値を大きくする制御信号VgT4が選択される。
次に、コントローラ305の一連の動作について、図12を用いて説明する。
≪コントローラ305が行う動作のフローチャート≫
図12は、本実施形態に係るコントローラ305が行う動作のフローチャートを示す図である。
ステップS301,S302は、第2の実施形態の変形例におけるステップS201a,S202a(図8)に対応する。コントローラ305は、温度検出回路313により検出された周囲温度Tsurの情報を取得した後(ステップS302)、テーブルt3より(図11(a))周囲温度Tsurが属する温度範囲に対応する制御信号Vg(制御指令信号Dg)を選択する(ステップS303)。コントローラ305は、VGAとしてVgX,VGBとしてVg0,VGCとしてVg0をそれぞれ出力する(ステップS304)。ここで、図12中のVgXは、制御信号VgT0〜VgT5のうち、ステップS303においてテーブルt3より選択した制御指令信号Dgに対応する制御信号Vgのことを指している。ステップS305〜S308は、第2の実施形態におけるステップS205〜S208(図6)に対応する。
≪タイミングチャートの一例≫
図13は、本実施形態に係るタイミングチャートの一例を示す図である。図13(a),(b)ともに、上から順に、平滑コンデンサ102の電圧値VCの変動,制御信号VGAの波形,制御信号VGBの波形,制御信号VGCの波形,半導体素子307Aに流れる順方向電流IAの波形,半導体素子307Bに流れる順方向電流IBの波形,半導体素子307Cに流れる順方向電流ICの波形を、それぞれ示している。また、同図に示す時刻(1)から(5)は、図4に示すタイミングチャート(第1の実施形態)における時刻(1)から(5)に対応している。
図13(a)は、周囲温度Tsurが比較的低い温度範囲である場合のタイミングチャートであり、具体的には、ステップS303において周囲温度Tsurがテーブルt3中のT1≦Tsur<T2に該当し、ステップS304においてVgXとしてVgT1を出力した場合である。図13(b)は、周囲温度Tsurが比較的高い温度範囲である場合のタイミングチャートであり、具体的には、ステップS303において周囲温度Tsurがテーブルt3中のT4≦Tsur<T5該当し、ステップS304においてVgXとしてVgT4を出力した場合である。図13に示すように、半導体素子が高温である場合(図13(b))は、低温時(図13(a))よりも入力する制御信号Vgのレベルを高くしているので、半導体素子307Aに流れる順方向電流IAの電流量が多くなっている(時刻(1)〜(2))。
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、半導体素子の温度変動に起因する上記上限電流値の変動を適切に温度補償することが可能である。その結果、電源開閉装置を動作により半導体素子の温度が変動しても、予備充電に要する時間を略一定にすることが可能である。
[第4の実施形態]
平滑コンデンサに流れる電流量は、直流電源の電圧値と平滑コンデンサの電圧値の差分に依存する。ここで、平滑コンデンサの静電容量は電源システムの仕様により決定され、また、通常の電源システムの動作中は大きく変動しないように選定される。したがって、このような平滑コンデンサの電位があまり変動しない電源システムにおいては、直流電源の電圧値が平滑コンデンサに流れる電流量に大きく影響する。
一方、直流電源BAに鉛蓄電池,ニッケル水素電池,リチウムイオン電池,キャパシタ,燃料電池等を用いた場合には、直流電源BAの電源電圧値は、電源開閉装置動作中に大きく変動する。例えば、鉛蓄電池を直流電源とする電気自動車に搭載される電源開閉装置の場合、定格電圧240Vに対し、電源開閉装置が動作可能な電源電圧は180〜320[V]程度である。
本実施形態では、平滑コンデンサの電位があまり変動しないが、直流電源の電位は変動する電源システムにおいて、第1の期間の長さを略一定に維持できるようにする構成について説明する。
≪構成≫
図14は、第4の実施形態に係る電源開閉装置を備える電源システム400の全体構成を示す図である。電源開閉装置401は、電源開閉装置101(第1の実施形態、図1)の構成に加え、電源電圧検出回路414を備える点が特徴である。図14において、第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付している。
電流量可変部406は、第1の実施形態と同様の構成の半導体素子407A,407B,407Cからなる。
電源電圧検出回路414は、直流電源BAの電圧値VB[V]を検出する。
コントローラ405は、半導体素子407A,407B,407Cに対する制御信号VGA,VGB,VGCを出力する。コントローラ405は、さらに、電源電圧検出回路414により検出された電圧値VBの情報を取得し、検出された電圧値VBに応じて、第1の期間に電流を流す半導体素子に対して出力する制御信号のレベルを調整する。
≪コントローラ405のメモリに格納されているテーブル≫
図15は、コントローラ405のメモリに格納されているテーブルt4を示す図である。テーブルt4には、電源電圧検出回路414により検出された電圧値VB[V]が属する電圧範囲と、マイコン(図2)が出力する制御信号指令Dgのレベルとが列挙されている。また、テーブルt4において制御信号指令Dgのレベルに対応する制御信号Vgのレベルを括弧書きにて示している。
ここで、上述したように、直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ電路を閉状態にした際、平滑コンデンサ102は先ず直流電源BAの電圧値VBまで充電される必要がある。電圧値VBが高いほど平滑コンデンサ102を予備充電するのに多くの電流が供給されなければならず、平滑コンデンサ102の予備充電を完了するのに要する時間が長くかかることを意味する。したがって、本実施形態のコントローラ405は、テーブルt4に従って、電圧値VBが高い電圧範囲にあるほど半導体素子の上限電流値が高くなるように、各半導体素子に出力する制御信号を調整する。
次に、コントローラ405の一連の動作について、図16を用いて説明する。
≪コントローラ405が行う動作のフローチャート≫
図16は、本実施形態に係るコントローラ405が行う動作のフローチャートを示す図である。
ステップS401は、第2の実施形態におけるステップS201(図6)に対応する。コントローラ405は、電源電圧検出回路414により検出された電圧値VBの情報を取得した後(ステップS402)、テーブルt4より電圧値VBが属する電圧範囲に対応する制御信号Vg(制御指令信号Dg)を選択する(ステップS403)。次いで、コントローラ405は、VGAとしてVgX,VGBとしてVg0,VGCとしてVg0をそれぞれ出力する(ステップS404)。ここで、VgXは、制御信号Vg1〜Vg6のうち、ステップS403においてテーブルt4より選択した制御指令信号Dgに対応する制御信号Vgのことを指している。ステップS405〜S408は、第2の実施形態におけるステップS205〜S208(図6)に対応する。
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、直流電源の電圧値が変動した場合であっても、制御信号のレベルを適切に調整することで予備充電に要する時間を略一定に維持することが可能である。
[第5の実施形態]
第4の実施形態では、平滑コンデンサの電位があまり変動しないが、直流電源の電位が変動する電源システムの場合に、第1の期間の長さを略一定にする構成について説明した。本実施形態では、第4の実施形態とは逆に、平滑コンデンサの電位は変動するが、直流電源の電位はあまり変動しない電源システムの場合に有効な構成について説明する。
≪構成≫
図17は、第5の実施形態に係る電源開閉装置を備える電源システム500の全体構成を示す図である。電源開閉装置501は、電源開閉装置101(第1の実施形態、図1)の構成に加え、容量電圧検出回路515を備える点が特徴である。図17において、第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付している。
電流量可変部506は、第1の実施形態と同様の構成の半導体素子507A,507B,507Cからなる。
容量電圧検出回路515は、平滑コンデンサ102の電圧値VC[V]を検出する。
コントローラ505は、半導体素子507A,507B,507Cに対する制御信号VGA,VGB,VGCを出力する。コントローラ505は、さらに、容量電圧検出回路515により検出された電圧値VCの情報を取得し、検出された電圧値VCに応じて、第1の期間に電流を流す半導体素子に対して出力する制御信号のレベルを調整する。
≪コントローラ505のメモリに格納されているテーブル≫
図18は、コントローラ505のメモリに格納されているテーブルt5を示す図である。テーブルt5には、容量電圧検出回路515により検出された電圧値VC[V]が属する電圧範囲と、マイコン(図2)が出力する制御信号指令Dgのレベルとが列挙されている。また、テーブルt5において制御信号指令Dgのレベルに対応する制御信号Vgのレベルを括弧書きにて示している。
電圧値VCが小さい値であるほど、平滑コンデンサ102の充電量は少なく、平滑コンデンサ102の予備充電を完了するのに要する時間が長くかかることを意味する。したがって、本実施形態のコントローラ505は、テーブルt5に従って、電圧値VCが小さい電圧範囲にあるほど半導体素子の上限電流値が高くなるように、各半導体素子に出力する制御信号を調整する。
≪コントローラ505が行う動作のフローチャート≫
コントローラ505の一連の動作については、図16に示すフローチャートにおけるステップS402〜S404を除いて同様の動作である。ステップS402に対応するステップでは、コントローラ505は、容量電圧検出回路515により検出された電圧値VCの情報を取得する。ステップS403に対応するステップでは、テーブルt5より電圧値VCが属する電圧範囲に対応する制御信号Vg(制御指令信号Dg)を選択する。ステップS404に対応するステップでは、VGAとしてVgX,VGBとしてVg0,VGCとしてVg0をそれぞれ出力する。ここで、VgXは、制御信号Vg1〜Vg6のうち、ステップS403に対応するステップにおいて、テーブルt5より選択した制御指令信号Dgに対応する制御信号Vgのことを指している。
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、平滑コンデンサの電圧値が大きく変動した場合であっても、制御信号のレベルを適切に調整することで予備充電に要する時間を略一定に維持することが可能である。
[第6の実施形態]
本実施形態では、平滑コンデンサ、直流電源の双方の電位が変動する電源システムの場合に、第1の期間の長さを略一定にする構成について説明する。
≪構成≫
図19は、第6の実施形態に係る電源開閉装置を備える電源システム600の全体構成を示す図である。電源開閉装置601は、電源開閉装置101(第1の実施形態、図1)の構成に加え、第4の実施形態における電源電圧検出回路414(図14)に対応する電源電圧検出回路614と、第5の実施形態における容量電圧検出回路515(図17)に対応する容量電圧検出回路615を備える点が特徴である。図19において、第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付している。
電流量可変部606は、第1の実施形態と同様の構成の半導体素子607A,607B,607Cからなる。
電源電圧検出回路614は、直流電源BAの電圧値VB[V]を検出する。
容量電圧検出回路515は、平滑コンデンサ102の電圧値VC[V]を検出する。
コントローラ605は、半導体素子607A,607B,607Cに対する制御信号VGA,VGB,VGCを出力する。コントローラ605は、さらに、電源電圧検出回路614により検出された電圧値VBおよび容量電圧検出回路615により検出された電圧値VCの情報を取得し、電圧値VBと電圧値VCの差Difに応じて、第1の期間に電流を流す半導体素子に対して出力する制御信号のレベルを調整する。
≪コントローラ605のメモリに格納されているテーブル≫
図20は、コントローラ605のメモリに格納されているテーブルt6を示す図である。テーブルt6には、電圧値VBと電圧値VCの差Difが属する数値範囲と、マイコン(図2)が出力する制御信号指令Dgのレベルとが列挙されている。また、テーブルt6において制御信号指令Dgのレベルに対応する制御信号Vgのレベルを括弧書きにて示している。テーブルt6において、Dif1<Dif2<Dif3<Dif4<Dif5の順に数値が高いことを示している。したがって、テーブルt6の下に行くほど電圧値VBと電圧値VCの差Difが大きいことを意味している。
差Difが大きい値であるほど、平滑コンデンサ102の充電量は少なく、平滑コンデンサ102の予備充電を完了するのに要する時間が長くかかることを意味する。したがって、本実施形態のコントローラ605は、テーブルt6に従って、差Difが大きい数値範囲にあるほど半導体素子の上限電流値が高くなるように、各半導体素子に出力する制御信号を調整する。
≪コントローラ605が行う動作のフローチャート≫
コントローラ605の一連の動作については、図16に示すフローチャートにおけるステップS402〜S404を除いて同様の動作である。ステップS402に対応するステップでは、コントローラ605は、電源電圧検出回路614により検出された電圧値VB、および容量電圧検出回路615により検出された電圧値VCの情報を取得する。ステップS403に対応するステップでは、テーブルt6より電圧値VBと電圧値VCの差Difが属する数値範囲に対応する制御信号Vg(制御指令信号Dg)を選択する。ステップS404に対応するステップでは、VGAとしてVgX,VGBとしてVg0,VGCとしてVg0をそれぞれ出力する。ここで、VgXは、制御信号Vg1〜Vg6のうち、ステップS403に対応するステップにおいて、テーブルt6より選択した制御指令信号Dgに対応する制御信号Vgのことを指している。
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、電源電圧ならびに平滑コンデンサ双方の電圧値が大きく変動した場合であっても、制御信号のレベルを適切に調整することで予備充電に要する時間を略一定にすることができる。
[第7の実施形態]
本実施形態では、第2および第4の実施形態を組み合わせた例について説明する。すなわち、直流電源の電位変動があった場合でも第1の期間の長さを略一定に維持しつつ、第1の期間に電流が流される半導体素子を切り替えることにより半導体素子にかかる負荷を分散させるようにする構成について説明する。
≪構成≫
図21は、第7の実施形態に係る電源開閉装置を備える電源システム700の全体構成を示す図である。電源開閉装置701は、電源開閉装置101(第1の実施形態、図1)の構成に加え、第2の実施形態における温度検出回路213A,213B,213C(図5)にそれぞれ対応する温度検出回路713A,713B,713Cと、第4の実施形態における電源電圧検出回路414(図14)に対応する電源電圧検出回路714を備える点が特徴である。
電流量可変部706は、第1の実施形態と同様の構成の半導体素子707A,707B,707Cからなる。
温度検出回路713A,713B,713Cは、それぞれ、半導体素子707Aの温度TA[℃],半導体素子707Bの温度TB[℃],半導体素子707Cの温度TC[℃]を個別に検出する。
電源電圧検出回路714は、直流電源BAの電圧値VBを検出する。
コントローラ705は、半導体素子707A,707B,707Cに対する制御信号VGA,VGB,VGCを出力する。コントローラ705は、また、温度検出回路713A,713B,713Cにより検出された温度TA,TB,TCの情報を取得し、この情報を基に、温度の低い半導体素子から順に第1の期間に電流を流す半導体素子として選択する。さらに、コントローラ705は、電源電圧検出回路714により検出された電圧値VBの情報を取得し、電圧値VBに応じて、第1の期間に電流を流す半導体素子に対して出力する制御信号のレベルを調整する。コントローラ705のメモリには、第4の実施形態におけるテーブルt4(図15)と同様のテーブルが格納されている。
≪コントローラ705が行う動作のフローチャート≫
図22は、本実施形態に係るコントローラ705が行う動作のフローチャートを示す図である。ステップS701〜S703は、第4の実施形態におけるステップS401〜S403(図16)に対応する。ステップS704,S705は、それぞれ、ステップS202,S203に対応する。
次いて、温度TAが最も温度が低いと判定すると(ステップS705においてTA)、コントローラ705は、VGAとしてVgX,VGBとしてVg0,VGCとしてVg0をそれぞれ出力する(ステップS706A)。ここで、VgXは、制御信号Vg1〜Vg6のうち、ステップS703においてテーブルt4より選択した制御指令信号Dgに対応する制御信号Vgのことを指している。温度TBが最も温度が低いと判定すると(ステップS705においてTB)、コントローラ705は、VGAとしてVg0,VGBとしてVgX,VGCとしてVg0をそれぞれ出力する(ステップS706B)。そして、温度TCが最も温度が低いと判定すると(ステップS705においてTC)、コントローラ705は、VGAとしてVg0,VGBとしてVg0,VGCとしてVgXをそれぞれ出力する(ステップS706C)。
ステップS707〜S710は、第2の実施形態におけるステップS205〜S208(図6)に対応する。
≪タイミングチャートの一例≫
図23は、本実施形態に係るタイミングチャートの一例を示す図である。図23(a),(b)ともに、上から順に、平滑コンデンサ102の電圧値VCの変動,制御信号VGAの波形,制御信号VGBの波形,制御信号VGCの波形,半導体素子707Aに流れる順方向電流IAの波形,半導体素子707Bに流れる順方向電流IBの波形,半導体素子707Cに流れる順方向電流ICの波形を、それぞれ示している。また、同図に示す時刻(1)から(5)は、図4に示すタイミングチャート(第1の実施形態)における時刻(1)から(5)に対応している。
図23(a)は、ステップS703においてテーブルt4より制御信号Vg2を選択し、ステップS705において温度TAが最も温度が低いと判定した場合である。すなわち、
S706Aにおいて、VGAとしてVg2,VGBとしてVg0,VGCとしてVg0が出力される場合である。図23(b)は、ステップS703においてテーブルt4より制御信号Vg4を選択し、ステップS705において温度TBが最も温度が低いと判定した場合である。すなわち、S706Aにおいて、VGAとしてVg0,VGBとしてVg4,VGCとしてVg0が出力される場合である。
以上説明したように、本実施形態によれば、直流電源の電位変動による予備充電期間の変動の問題を解消することができる。さらに、半導体素子にかかる負荷を分散し、過熱による半導体素子の寿命低減を抑制することができる。
[第8の実施形態]
本実施形態では、第3および第4の実施形態を組み合わせた例について説明する。すなわち、直流電源の電位変動があった場合でも第1の期間の長さを略一定に維持しつつ、さらに、半導体素子の温度依存性による上限電流値の変動を温度補償する構成について説明する。
≪構成≫
図24は、第8の実施形態に係る電源開閉装置を備える電源システム800の全体構成を示す図である。電源開閉装置801は、電源開閉装置101(第1の実施形態、図1)の構成に加え、第3の実施形態における温度検出回路313(図9)に対応する温度検出回路813と、第4の実施形態における電源電圧検出回路414(図14)に対応する電源電圧検出回路814を備える点が特徴である。
電流量可変部806は、第1の実施形態と同様の構成の半導体素子807A,807B,807Cからなる。
温度検出回路813は、半導体素子807Aの温度TA[℃]を検出する。本実施形態では、第1の期間において電流を流す半導体素子は半導体素子807Aのみである。したがって、温度検出回路813は半導体素子807Aのみの温度を検出する構成としている。
電源電圧検出回路814は、直流電源BAの電圧値VB[V]を検出する。
コントローラ805は、半導体素子807A,807B,807Cに対する制御信号VGA,VGB,VGCを出力する。コントローラ805は、また、温度検出回路813により検出された温度TAの情報、および電源電圧検出回路814により検出された電圧値VBの情報を取得する。さらに、コントローラ805は、温度TA,電圧値VBに応じて、メモリに格納されているテーブルに基づき、半導体素子807Aに対して第1の期間に出力する制御信号のレベルを調整する。
≪コントローラ805のメモリに格納されているテーブル≫
図25は、コントローラ805のメモリに格納されているテーブルt8を示す図である。テーブルt8の最左列には、電源電圧検出回路814により検出された電圧値VB[V]が属する電圧範囲が、テーブルt8の最も上段の行には、温度検出回路813により検出された温度TAが属する温度範囲が、それぞれ示されている。テーブルt8の右下における二重線で囲まれた部分(テーブルt8の最も左側の列と最も上段の行を除く部分)には、コントローラ805がVGA,VGB,VGC(図2(a))として出力する制御指令信号Dgのレベルと、これらに対応する制御信号Vgのレベルが括弧書きにて列挙されている。
コントローラ805は、温度TAが属する温度範囲に対応する列と、電圧値VBが属する電圧範囲に対応する行が交差する部分に該当するレベルの制御信号Vgを選択する。例えば、温度TAがT2以上T3未満であり(「T2≦TA<T3」)であり、電圧値VBが275[V]である(「250〜299」)場合、VGAとしてVg3−T2を出力する。
ここで、テーブルt8の最左列においては、下側に行くほど電圧値VBは大きくなる。最上段においては、T1<T2<…<T5の順に温度が高く、右側に行くほど温度TAは高くなる。制御信号Vg(または制御指令信号Dg)のレベルについて、「Vg」(または「Dg」)の直後に付されている数字が同じである場合(テーブルt8で同じ行に属する場合)は、「T」の直後に付されている下付き数字が大きいほど制御信号のレベルが高く、半導体素子の上限電流値は大きくなることを示している。また、「T」の直後に付されている下付き数字が同じである場合(テーブルt8で同じ列に属する場合)、「Vg」(または「Dg」)の直後に付されている数字が大きいほど、制御信号のレベルが高いことを示している。
第4の実施形態で述べたように、電圧値VBの値が大きいほど、平滑コンデンサ102の予備充電を完了するのに要する時間が長くかかることを意味する。したがって、第4の実施形態におけるテーブルt4(図15)と同様に、テーブルt8の下側に行くに従って、制御信号のレベルは高くなるようにしている。また、第3の実施形態で述べたように、半導体素子の温度依存性により、同じレベルの制御信号が入力された場合には、低温時の上限電流値よりも高温時の上限電流値の方がより小さくなるため、予備充電時間に要する時間が長くなる。したがって、テーブルt8の右側に行くに従って、制御信号のレベルは高くなるようにしている。すなわち、本実施形態のコントローラ805は、テーブルt8に従って、電圧値VBが高い電圧範囲にあるほど、また、温度TAが高い温度範囲にあるほど、半導体素子の上限電流値が高くなるように制御信号を調整する。
≪コントローラ805が行う動作のフローチャート≫
図26は、本実施形態に係るコントローラ805が行う動作のフローチャートを示す図である。ステップS801,S802は、第4の実施形態におけるステップS401,S402(図16)に対応する。次に、コントローラ805は、温度検出回路813により検出された温度TAの情報を取得した後(ステップS803)、テーブルt8より電圧値VBと温度TAに対応する制御信号Vg(制御指令信号Dg)を選択する(ステップS804)。
続いて、VGAとしてVgX,VGBとしてVg0,VGCとしてVg0をそれぞれ出力する(ステップS805)。ここで、図26中のVgXは、テーブルt8に示す各制御信号のうち、ステップS804においてテーブルt8より選択した制御指令信号Dgに対応する制御信号Vgのことを指している。ステップS806〜S809は、第2の実施形態におけるステップS205〜S208(図6)に対応する。
以上説明したように、本実施形態によれば、直流電源の電位変動による予備充電期間の変動の問題を解消しつつ、半導体素子の温度依存性による上限電流値の変動を温度補償することが可能となる。
[第9の実施形態]
本実施形態では、第2,第3,第4の実施形態を組み合わせた例について説明する。つまり、直流電源の電位変動があった場合でも第1の期間の長さを略一定に維持しつつ、第1の期間に電流が流される半導体素子を切り替えることにより半導体素子にかかる負荷を分散させる。加えて、半導体素子の温度依存性による上限電流値の変動を温度補償する。
≪構成≫
図27は、第9の実施形態に係る電源開閉装置を備える電源システム900の全体構成を示す図である。電源開閉装置901は、電源開閉装置101(第1の実施形態、図1)の構成に加え、第2の実施形態における温度検出回路213A,213B,213C(図5)にそれぞれ対応する温度検出回路913A,913B,913Cと、第4の実施形態における電源電圧検出回路414(図14)に対応する電源電圧検出回路914を備える点が特徴である。
電流量可変部906は、第1の実施形態と同様の構成の半導体素子907A,907B,907Cからなる。
温度検出回路913A,913B,913Cは、それぞれ、半導体素子907Aの温度TA[℃],半導体素子907Bの温度TB[℃],半導体素子907Cの温度TC[℃]を個別に検出する。
電源電圧検出回路914は、直流電源BAの電圧値VBを検出する。
コントローラ905は、半導体素子907A,907B,907Cに対する制御信号VGA,VGB,VGCを出力する。コントローラ705は、温度検出回路713A,713B,713Cにより検出された温度TA,TB,TCの情報を取得し、この情報を基に、温度の低い半導体素子から順に第1の期間に電流を流す半導体素子として選択する。さらに、コントローラ905は、電源電圧検出回路914により検出された電圧値VBの情報も取得する。コントローラ905は、第8の実施形態と同様に、温度TA,TB,TCの情報および電圧値VBに基づいて、第1の期間に電流を流す半導体素子に対して出力する制御信号のレベルを調整する。したがって、コントローラ905のメモリには、第8の実施形態におけるテーブルt8(図25)と同様のテーブルが格納されている。但し、テーブルt8における「TA」は、温度TA,TB,TCのうち最も温度の低いものに読み替えるものとする。
≪コントローラ905が行う動作のフローチャート≫
図28は、本実施形態に係るコントローラ905が行う動作のフローチャートを示す図である。ステップS901,S902は、第2の実施形態におけるステップS201,S202(図6)に対応する。次に、温度TA,TB,TCのうち、最も温度の低いものをメモリに記憶させる(ステップS903)。次に、電源電圧検出回路914により検出された電圧値VBの情報を取得した後(ステップS904)、テーブルt8より電圧値VBとステップS903で記憶した温度に対応する制御信号Vg(制御指令信号Dg)を選択する(ステップS905)。
次いて、ステップS903で記憶した温度がTAである場合(ステップS906においてTA)、コントローラ905は、VGAとしてVgX,VGBとしてVg0,VGCとしてVg0をそれぞれ出力する(ステップS907A)。ここで、VgXは、ステップS905においてテーブルt8より選択した制御指令信号Dgに対応する制御信号Vgのことを指している。ステップS903で記憶した温度がTBである場合(ステップS906においてTB)、コントローラ905は、VGAとしてVg0,VGBとしてVgX,VGCとしてVg0をそれぞれ出力する(ステップS907B)。そして、ステップS903で記憶した温度がTCである場合(ステップS906においてTC)、コントローラ905は、VGAとしてVg0,VGBとしてVg0,VGCとしてVgXをそれぞれ出力する(ステップS907C)。
ステップS908〜S911は、第2の実施形態におけるステップS205〜S208(図6)に対応する。
以上説明したように、本実施形態によれば、直流電源の電位変動による予備充電期間の変動の問題を解消しつつ、半導体素子の温度依存性による上限電流値の変動を温度補償することが可能となる。これに加え、第1の期間には最も温度の低い半導体素子に電流が流されるので、半導体素子にかかる負荷を分散し、過熱による半導体素子の寿命低減を抑制することができる。
以上、第1乃至第9の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られない。例えば、以下のような変形例等が考えられる。
[変形例]
(1)第3の実施形態(図9)においては、半導体素子307A,307B,307C全体の周囲温度Tsurを検出することしていたが、これらの半導体素子の温度を個別に検出することとしてもよい。このようにすることで、第1の期間に電流を流す半導体素子の温度を知ることができるので、より精度良く制御信号のレベルを温度補償することができる。第9の実施形態(図27)においても同様である。
(2)第1の実施形態において、図4に示すタイミングチャートでは、第1の期間に電流が流される半導体素子は107Aで固定であったが、電源開閉装置の動作毎に第1の期間に電流が流される半導体素子を順に切り替えることとしてもよい。このようにすることで、半導体素子の負荷を均一に分散することができるので、半導体素子の寿命低下を抑制できる。
(3)第8の実施形態においては、第1の期間に電流が流される半導体素子は807Aのみであったため、半導体素子807Aのみの温度を検出する構成としていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、半導体素子807A,807B,807C全体の周囲温度を検出し、この周囲温度を基に制御信号を調整することとしてもよい。さらに、電源開閉装置の動作毎に第1の期間に電流が流される半導体素子を順に切り替えることとしてもよい。かかる場合、各半導体素子の温度を個別に検出する回路を設けることが望ましい。
(4)第1,第3,第4,第5,第6,第8の実施形態においては、第1の期間に電流が流される半導体素子は1個のみであったが、3個の半導体素子全て(電源開閉装置が備える半導体素子全て)に電流を流すこととしてもよい。言い換えれば、第1の期間に電流を流す半導体素子の数と、第2の期間に電流を流す半導体素子の数が同じであってもよい。例えば、第1の期間においては、VGAとしてVg3,VGBとしてVg3,VGCとしてVg3を出力し、第2の期間においては、VGAとしてVg7,VGBとしてVg7,VGCとしてVg7を出力することとしてもよい。このように、第1の期間に電流を流す半導体素子に出力される制御信号の各々は同じレベルであるとともに、第2の期間に電流を流す半導体素子に出力される制御信号の各々は同じレベルであるようにすることで、コントローラにおける制御を簡略化することができる。
(5)上記の実施形態においては、第1の期間と第2の期間との間で、電流が流される半導体素子の個数と、電流が流される半導体素子に出力される制御信号のレベルは異なっていることとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1の期間と第2の期間との間で電流が流される半導体素子の個数のみを異ならせることとしてもよい。具体的には、第1の期間においては、VGAとしてVg7,VGBとしてVg0,VGCとしてVg0を出力し、第2の期間においては、VGAとしてVg7,VGBとしてVg7,VGCとしてVg7を出力することとしてもよい。また、第1の期間における個数と第2の期間における個数は特に限定されないが、第1の実施形態で述べたように、第1の期間における個数は第2の期間における個数よりも少ない方が望ましい。
(6)第2の実施形態の変形例は、第7の実施形態(図21)および第9の実施形態(図27)にも適用することができる。
(7)第2の実施形態の変形例と変形例(3)を組み合わせることも可能である。また、変形例(4)に記載の第7の実施形態に係る変形例と変形例(3)の組合せ,変形例(4)に記載の第9の実施形態に係る変形例と変形例(3)の組合せも可能である。
(8)第7の実施形態では、第2および第4の実施形態を組み合わせることとしたが、第4の実施形態と同じく電圧検出回路を有する実施形態である第5または第6の実施形態を、それぞれ第2の実施形態と組み合わせることも可能である。
(9)第8の実施形態では、第3および第4の実施形態を組み合わせることとしたが、第4の実施形態と同じく電圧検出回路を有する実施形態である第5または第6の実施形態を、それぞれ第3の実施形態と組み合わせることも可能である。
(10)第9の実施形態では、第2,第3および第4の実施形態を組み合わせることとしたが、第4の実施形態と同じく電圧検出回路を有する実施形態である第5または第6の実施形態を、それぞれ第2および第3の実施形態と組み合わせることも可能である。
(11)変形例に記載した変形例に対してさらなる変形を加えることも可能である。例えば、変形例(7)に係る第3および第5の実施形態を組み合わせた変形例に対し、第3の実施形態に相当する構成に変形例(1)に係る変形を加えることとしてもよい。
(12)第2の実施形態の変形例(図7,8)では、温度Tsurが閾値温度以上である場合は、所定規則に従い、前記複数の半導体素子のうち、前回の第1の期間において電流を流した半導体素子の少なくとも1つを除く半導体素子を、新たに第1の期間に電流を流す半導体素子として選択することとしていた。図7,8においては、第1の期間に電流を流す半導体素子は1個であるため、「所定規則」に従って半導体素子を選択するとは、前記複数の半導体素子のうち、前回の第1の期間において電流を流した半導体素子とは異なる半導体素子を順に選択することを意味している。
しかしながら、変形例(5)で述べたように、第1の期間に電流を流す半導体素子の個数は1個に限定されず、2個とすることもできる。例えば、図7において、第1の期間に電流を流す半導体素子を、半導体素子207Aおよび半導体素子207B、半導体素子207Bおよび半導体素子207C、半導体素子207Cおよび半導体素子207A、半導体素子207Aおよび半導体素子207Bの順に選択することができる。すなわち、「所定規則」に従って半導体素子を選択するとは、前回の第1の期間で電流を流さなかった半導体素子を次回の第1の期間で電流を流す半導体素子に含まれるように選択することを意味する。
さらに、上述しているように、第2の実施形態の変形例においては、温度Tsurが閾値温度以上である場合には、前記複数の半導体素子のうち、前回の第1の期間において電流を流した半導体素子の少なくとも1つを除く半導体素子を、新たに第1の期間に電流を流す半導体素子として選択する構成とした。しかしながら、この温度Tsurが閾値温度を大幅に超えている場合には、電源開閉装置201aの動作を中止し、温度Tsurが所定温度を下回るまで待った後、電源開閉装置201aの動作を再開することとしてもよい。このようにすることで、半導体素子の過熱異常による故障を回避することができる。変形例(4)に記載にした第7および第9の実施形態の変形例でも同様のことを行うこととしてもよい。
(13)図15に示すテーブルt4の電圧値VBの数値、および図18に示すテーブルt5の電圧値VCの数値は単なる一例である。また、制御信号Vgのレベルは実施形態をまたいで同じ符号が付されているが、これは便宜的に同じ符号を用いているだけである。すなわち、異なる実施形態間で同じ符号が付されていた場合であっても、制御信号同士が同じ数値であるとは限らない。具体的には、第1の実施形態における制御信号Vg3と、第2の実施形態における制御信号Vg3は同じ数値であるとは限らない。
また、制御信号Vgの数値は0であってもよい。例えば、図3に示される半導体素子がノーマリオフ型のMISFETである場合、Vg0=0[V]とすることもできる。反対に、ノーマリオン型のMISFETである場合、Vg8=0[V]とすることもできる。
(14)上記の実施形態において、第1の期間に電流が流される半導体素子に出力する制御信号はVg2,Vg3またはVg4であったが、これは単なる例示である。図3に示す制御信号Vg1〜Vg6のように、VDSが所定の値を超えるとIDが上限値(上限電流値)に達するような制御信号であれば、上記に示すレベル以外のレベルであってもよい。また、上記では、第2の期間に出力される制御信号のレベルはVg7としていたが、これも単なる例示である。図3に示す制御信号Vg7,Vg8のように、熱制約などで飽和するまでIDが上昇する制御信号であればよい。さらに、第2の期間に出力される制御信号は、半導体素子のゲート端子へ印加できる最大定格電圧であることが望ましい。このようにすることで、より小さいオン抵抗で電源開閉装置を動作させることができる。
(15)上記の実施形態では、電流量可変部が備える半導体素子の個数は3個であったが、これは単なる例示である。本発明において半導体素子の個数は特に限定されないが、各半導体素子の電流容量の足し合わせが、直流電源の最大定格電流以上であることが望ましい。
(16)上記の実施形態では、第2の期間においては電流量可変部が備える全ての半導体素子に電流が流されるようにする構成を示したが、全体動作を通じて、全く電流が流されない半導体素子が存在していてもよい。
(17)第1の期間と第2の期間でオン抵抗を変える方法として、使う半導体素子の個数を変える方法を採用したが、これに限定されない。本発明においては、半導体素子に出力される個々の制御信号のレベルを適切に調整することで、第1の期間においては、電路に流れる電流が制限電流値を超えないようにし、かつ、第2の期間においては、電路に流れる電流が制限電流値を超えることを許容するような構成になっていればよい。例えば、第1の期間において、VGAとしてVg1,VGBとしてVg1,VGCとしてVg1を出力し、第2の期間において、VGAとしてVg8,VGBとしてVg8,VGCとしてVg0を出力することとしてもよい。この場合、第1の期間では、全ての半導体素子をオン抵抗が高くなるようにされ、第2の期間では、第1の期間よりも電流が流される半導体素子の個数は少ないものの、オン抵抗が低くなるようにされているため、上記の条件を満たすことができる。
(18)上記の実施形態においてフローチャートに示した順序は単なる一例であり、適宜、順序を変更することが可能である。例えば、第7の実施形態(図22),第8の実施形態(図26),第9の実施形態(図28)において、温度検出と電圧検出の順序を逆にすることもできる。また、適宜、公知の方法を組み合わせて、他のステップを挿入したり、並行して行うこともできる。
(19)上記の実施形態においては、第1の期間が、制限電流値を超えない電流により平滑コンデンサを充電した場合に、当該平滑コンデンサが0%から100%まで充電されるのに要する期間よりも長くなるように動作させていたが、本発明はこれに限定されない。第1の期間が、制限電流値を超えない電流により平滑コンデンサを充電した場合に、当該平滑コンデンサが0%から80%まで充電されるのに要する期間よりも長くなるように動作させることとしてもよい。このような構成によっても、平滑コンデンサが許容できる範囲に突入電流を抑えることができる。
(20)上記の実施形態においては、半導体素子としてMISFETが用いられていると説明したが、このMISFETのゲート絶縁膜としては、例えば、SiO2等のシリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、アルミナ(Al23等)、HfO等のハフニウム酸化物、Ti,Zr,Nb,Ta等の遷移金属酸化物等が挙げられる。なお、MISFETのうち、ゲート絶縁膜として酸化物を採用したMISFETは、金属−酸化物−半導体電界効果トランジスタ(Metal−Oxide−Semiconductor Field Effect Transistor,MOSFET)とも呼ばれる。
なお、上記の実施形態においては、半導体素子がN型MISFETとして説明したが、P型MISFETであってもよい。半導体素子がP型MISFETである場合は、電流方向に対する「ソース」,「ドレイン」の定義が反転する。そのため、上記説明の「ソース」,「ドレイン」を入れ替えて、それぞれ「ドレイン」,「ソース」と読み替えればよい。
(21)電源開閉装置およびインバータが備える半導体素子として用いることが可能なものとしては、実施形態に記載したMISFETの他、金属−半導体電界効果トランジスタ(Metal−Semiconductor Field Effect Transistor,MESFET)、接合型電界効果トランジスタ(Junction Field Effect Transistor,JFET)、静電誘導型トランジスタ(Static Induction Transistor,SIT)、ゲート注入トランジスタ(Gate Injection Transistor,GIT)、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor,IGBT),Si系のバイポーラトランジスタ等が挙げられる。なお、半導体素子がIGBTである場合には、上記説明の「ソース」,「ドレイン」をそれぞれ「エミッタ」,「コレクタ」と読みかえればよい。また、半導体素子がバイポーラトランジスタである場合には、上記説明の「ソース」,「ドレイン」,「ゲート」をそれぞれ「エミッタ」,「コレクタ」,「ベース」と読みかえればよい。
なお、上記の実施形態においては、半導体素子がノーマリオフ型として説明したが、ノーマリオン型であってもよい。ノーマリオン型の場合、図3において、例えば、Vg0>Vg1>Vg2>・・・>Vg7>Vg8=0[V]となる。ただし、フェールセーフの観点からは、ノーマリオフ型の半導体素子を用いることが望ましい。
(22)電源開閉装置、ならびにインバータが備える半導体素子は、近年注目されているSiCやGaN等のワイドバンドギャップ半導体により構成されていることとしてもよい。この場合、従来のSi半導体からなる半導体素子を用いた場合と比較してオン抵抗が小さいため、第2の期間においてより低抵抗で動作させることができる。この他にも、スイッチング動作が速い、高温下でも安定したスイッチング動作を行うことができるといった利点を有する。なお、上記の実施形態で用いているMISFETは元々スイッチング速度が速い素子であるので、MISFETをワイドバンドギャップ半導体で構成することで、さらなるスイッチング速度の高速化に対応できる。
(23)上記の実施形態では、電源開閉装置およびインバータが備える半導体素子とが、同一のパッケージに収容されているとする例を説明した。しかしながら、本発明はこの例に限定されず、電源開閉装置が備える半導体素子と、インバータが備える半導体素子とが、別個のパッケージに収容されていることとしてもよい。
(24)第2の実施形態およびその変形例では、電源開閉装置の動作毎に毎回温度を検出することしていたが、所定回数ごとに温度を検出することとしてもよい。半導体素子の温度があまり変動しない電源開閉装置の場合はこのような構成にすることで、起動時間の短縮を図ることが可能である。
(25)上記の実施形態では、第2の期間に電流を流す半導体素子の個数よりも、第1の期間に電流を流す半導体素子の個数を少なくすることで、第1の期間における半導体素子の上限電流値またはオン抵抗を細かく設定できるようにしている。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、相互コンダクタンスの異なる半導体素子を用いることによっても、上記の効果を得ることができる。MISFETにおいて、相互コンダクタンスとは、ゲート電圧の変化量に対する順方向電流の変化量(ΔID/ΔVg)で定義される量である。相互コンダクタンスの小さいMISFETは、相互コンダクタンスの大きいMISFETに比べて、ゲート電圧を変化させたときの順方向電流の変化量が小さいため、ドレイン電流の電流値の細かい制御に適している。他方、相互コンダクタンスの大きいMISFETは、ゲート電圧を変化させたときの順方向電流の変化量が大きいため、ゲート電圧が小さくとも大きな順方向電流を流すことができる。
図29は半導体素子のI−V特性を模式的に示す図である。図29(a)は相互コンダクタンスが大きい場合の半導体素子、図29(b)は相互コンダクタンスが小さい場合の半導体素子をそれぞれ示している。図29(a),(b)を比較すると分かるように、同じレベルの制御信号が入力されている場合、飽和領域において、相互コンダクタンスが小さい方がより細かく上限電流値を制御できることがわかる。他方、飽和領域において、相互コンダクタンスが大きい方が、同じレベルの制御信号に対してより大きな上限電流値を設定できることがわかる。したがって、第1の期間においては相互コンダクタンスが小さい半導体素子に電流を流し、第2の期間においては相互コンダクタンスが大きい半導体素子に電流を流すことで、第1の期間における上限電流値の制御性を高め、第2の期間におけるゲート電圧を抑制することができる。
なお、図29(a),(b)に示すI−V特性は、図10と類似している。具体的には、半導体素子が低温である場合(図10(a))が、相互コンダクタンスが大きい場合(図29(a))に相当し、半導体素子が高温である場合(図10(b))が、相互コンダクタンスが小さい場合(図29(b))に相当する。したがって、温度の異なる半導体素子を使い分けることによっても、同様の効果を得ることができる。
(26)電源開閉装置が備える各半導体素子は、耐圧や電流容量などの仕様が同一の半導体素子で構成されていることが望ましい。このようにすることで、第1の期間に電流が流される半導体素子を電源開閉装置の動作毎に切り換える場合に、コントローラにおける制御の簡素化を図ることができ、結果として、電源開閉装置の低コスト化に貢献できる。なお、変形例(25)のように閾値電圧の違う半導体素子を用いる場合はこの限りではない。
(27)第3乃至第9の実施形態では、第1の実施形態で説明したように、予備充電に要する期間は略一定であることが望ましいため、あらかじめ決められた第1の期間内で予備充電を完了できるような設計がなされていた。具体的には、半導体素子の温度、直流電源の電圧値と平滑コンデンサの電圧値の差分から平滑コンデンサの充電量が低いと判断した場合、コントローラは半導体素子の上限電流値が高くなるように制御信号を調整していた。本発明では、これとは異なる設計思想に基づいた実施形態を採用することもできる。ここでは、予備充電期間の短縮化を目的とする設計思想に基づく変形例を、第5の実施形態に適用した構成について説明する。
構成は図17に示すものと同様であるが、コントローラ505のメモリに格納されているテーブルが異なる。
図30(a)は、本変形例に係るコントローラ505のメモリに格納されているテーブルt10を示す図である。第5の実施形態におけるテーブルt5と異なる部分は、電圧値VC[V]が属する電圧範囲が列挙された列である。第5の実施形態におけるテーブルt5では、電圧値VCが小さい電圧範囲にあるほど半導体素子の上限電流値が高くなるようにされていたが、本変形例ではその関係が逆になっている。
電圧値VCが高い値であるほど、平滑コンデンサ102の充電量は高く、突入電流が流れにくいことを意味する。この場合、半導体素子の上限電流値が大きくなるような制御信号を与えたとしても突入電流は過大にならない。したがって、本変形例では、電圧値VCが高い値であるほど、与える制御信号のレベルを高くすることによって、電路に流れることを許容する電流値(半導体素子の個々の上限電流値の足し合わせ)を大きくし、予備充電期間の短縮化を図っている。
当然のことながら、第1の期間が終了する時刻を変更するようにされていなければ(図16におけるステップS405に相当するステップ)、実際に予備充電期間を短縮することはできない。したがって、本変形例に係るコントローラ505のメモリには、図30(b)に示すテーブルt11がさらに格納されている。テーブルt11には、第1の期間において電流が流される半導体素子に入力される制御信号Vgのレベルと、第1の期間の長さPrdが列挙されている。テーブルt11において、Prd1<Prd2<…<Prd5<Prd6の順に期間が長い高いことを示している。テーブルt11に示すように、与えられる制御信号のレベルが高くなるほど予備充電に要する時間は短くて済むため、第1の期間の長さPrdは短くすることしている。
図31は、本変形例に係るコントローラ505が行う動作のフローチャートを示す図である。ステップS1001は、第2の実施形態におけるステップS201(図6)に対応する。次に、容量電圧検出回路515により検出された電圧値VCの情報を取得した後(ステップS1002)、テーブルt10より電圧値VCに対応する制御信号Vg(制御指令信号Dg)を選択する(ステップS1003)。そして、テーブルt11より、ステップS1003で選択した制御信号Vgに対応する第1の期間の長さPrdを選択する(ステップS1004)。次いで、コントローラ505は、VGAとしてVgX,VGBとしてVg0,VGCとしてVg0をそれぞれ出力する(ステップS1005)。ここで、VgXは、ステップS1003においてテーブルt10より選択した制御指令信号Dgに対応する制御信号Vgのことを指している。
コントローラ505がステップS1004においてテーブルt11より選択した第1の期間の長さPrdが経過していないと判定すると(ステップS1006においてNO)、ステップS1006の処理に戻る。第1の期間の長さPrdが経過したと判定すると(ステップS1006においてYES)、コントローラ505は、VGAとしてVg7,VGBとしてVg7,VGCとしてVg7をそれぞれ出力する(ステップS1007)。ステップS1008,S1009は、第2の実施形態におけるステップS207,S208(図6)にそれぞれ対応する。
以上説明したように、本変形例では、平滑コンデンサの充電量が多い場合には、与える制御信号のレベルを高くして、第1の期間の長さの短縮を図っている。一方、平滑コンデンサの充電量が少ない場合には、電源投入時に大きな突入電流が流れることが予想されるので、制御信号のレベルを低くすることでより慎重に突入電流の抑制を図っている。
なお、上記では、第5の実施形態に対して適用した変形例について説明したが、第5の実施形態の他、第4,第6,第7,第8,第9の実施形態のような、電圧検出回路を有する実施形態およびこれらの変形例に適用することが可能である。
(28)コントローラの構成の簡略化を目的とする設計思想に基づく変形例を、第5の実施形態に適用した構成について説明する。第5の実施形態では、電圧値VCの大きさに応じて第1の期間に電流が流される半導体素子に与える制御信号のレベルを変更していたが、本変形例においては、制御信号のレベルではなく第1の期間の長さを変更する。
構成は図17に示すものと同様であるが、コントローラ505のメモリに格納されているテーブルが異なる。
図32は、本変形例に係るコントローラ505のメモリに格納されているテーブルt12を示す図である。第5の実施形態におけるテーブルt5と異なる部分は、制御信号Vgおよび制御指令信号Dgのレベルの代わりに、第1の期間の長さPrdが列挙されている点である。なお、テーブルt12において、Prd1<Prd2<…<Prd5<Prd6の順に期間が長い高いことを示している。
電圧値VCが低い値であるほど平滑コンデンサ102の充電量は低く、その分、予備充電に長い時間を要することを意味する。したがって、本変形例では、第1の期間に電流が流される半導体素子に与える制御信号のレベルが固定である代わりに、第1の期間の長さPrdを長くとるようにしている。
図33は、本変形例に係るコントローラ505が行う動作のフローチャートを示す図である。ステップS1101,S1102は、変形例(27)におけるステップS1001,S1002(図31)に対応する。次に、テーブルt12より電圧値VCに対応する第1の期間の長さPrdを選択し(ステップS1103)、コントローラ505は、VGAとしてVg3,VGBとしてVg0,VGCとしてVg0をそれぞれ出力する(ステップS1005)。なお、ここでVGA=Vg3としているのは単なる例示である。
次いで、コントローラ505がステップS1103においてテーブルt12より選択した第1の期間の長さPrdが経過していないと判定すると(ステップS1105においてNO)、ステップS1105の処理に戻る。第1の期間の長さPrdが経過したと判定すると(ステップS1105においてYES)、コントローラ505は、VGAとしてVg7,VGBとしてVg7,VGCとしてVg7をそれぞれ出力する(ステップS1106)。ステップS1107,S1108は、変形例(27)におけるステップS1008,S1009(図31)にそれぞれ対応する。
以上説明したように、本変形例の構成によれば、平滑コンデンサ102の充電量が高い場合には第1の期間の長さを短くすることで予備充電時間の短縮を図ることができる。また、平滑コンデンサ102の充電量に関わらず、第1の期間に電流が流される半導体素子に与える制御信号のレベルが固定に設定できるため、コントローラを簡略化および低コスト化することができる。
なお、上記では、第5の実施形態に対して適用した変形例について説明したが、第5の実施形態の他、第4,第6,第7,第8,第9の実施形態のような、電圧検出回路を有する実施形態およびこれらの変形例に適用することが可能である。
(29)第3の実施形態では、図10に示されるように、高温時の場合に順方向電流が流れにくくなるような半導体素子について説明したが、これに限定されない。例えば、高温時の場合に順方向電流が流れにくくなるような半導体素子を用いた場合であっても、テーブルt3を適宜変更すれば、温度補償が可能である。
(30)上記の実施形態においては、直流電源と平滑コンデンサとを結ぶ電路のうち、正側の電路の開閉のみを行うような電源開閉装置について説明したが、本発明はこれに限定されない。図35は、変形例(30)に係る電源開閉装置を備える電源システム100Aの全体構成を示す図である。
図35に示す電源開閉装置101Aには、直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ正側の電路に挿入された電流量可変部106pと、直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ負側の電路に挿入された電流量可変部106nとが含まれる。電流量可変部106pは半導体素子107Ap,107Bp,107Cpを備え、電流量可変部106nは半導体素子107An,107Bn,107Cnを備える。これらの半導体素子は、第1の実施形態で用いられているものと同様の構成である。半導体素子107Ap,107Bp,107Cpの動作は、それぞれ、コントローラ105Aから出力される制御信号VGAp,VGBp,VGCpにより制御される。また、半導体素子107An,107Bn,107Cnの動作は、それぞれ、同じくコントローラ105Aから出力される制御信号VGAn,VGBn,VGCnにより制御される。電源システム100Aには、さらに、直流電源BAと電源開閉装置101Aとの間にヒューズ116が挿入されている。
本変形例に係る電源開閉装置は、上記電路における正側および負側の両方の開閉を行うことができる。本変形例によれば、万が一、電流量可変部106pまたは電流量可変部106nのいずれかに異常が発生した場合であっても、正常動作可能な方の電流可変部により電源開閉動作を継続することができる。よって、信頼性の高い電源開閉装置を構成することができる。
なお、図35においては、第1の実施形態に対して変形を加えた例について図示したが、他の実施形態および変形例に対して変形を加えることが可能であることは言うまでもない。
また、上記の実施形態および本変形例のほか、直流電源BAと平滑コンデンサ102とを結ぶ負側の電路の開閉のみを行うような電源開閉装置であってもよい。
(31)特許文献1に代表される機械式リレーにおいて、接点溶着による接点破壊が起こった場合、機械式リレーが挿入された電路は必ず閉状態となる。したがって、接点破壊が起こると電路は導通したままとなってしまい、不都合が生じる。しかしながら、上記の実施形態では、電路の開閉に半導体素子を用いているので、半導体素子が開状態となっているタイミングで半導体素子を破壊することができる。例えば、温度検出回路等が半導体素子の過熱異常等による破壊の危険を検知した場合、半導体素子が開状態となっているタイミングを見計らって、半導体素子を破壊することができる。よって、上記の実施形態においては、電路が導通したまま半導体素子が破壊されることによる不都合は生じない。
(32)各図は、本発明が理解できる程度に配置関係を概略的に示してあるに過ぎず、従って、本発明は図示例に限定されるものではない。また、図を分かり易くするために、一部省略した部分がある。
(33)上記の実施形態および変形例は単なる好適例に過ぎず、何らこれに限定されない。また、これらの実施形態および変形例に挙げた構成を適宜好適に組み合わせることも可能である。
(34)各構成成分間の特性差等が同一という場合、例えば、電源開閉装置が備える半導体素子の仕様が同一である場合であっても、製造誤差等の範囲内での誤差は当然許容されるものとする。なお、数値範囲を示す際に用いる符号「〜」は、その両端の数値を含む。
本発明は、例えば、小型化が要求されるハイブリッド電気自動車、電気自動車、電動コンプレッサ、電動パワーステアリング、エレベータ、風力発電システム等に搭載される電源開閉装置へ好適に利用可能である。
100,100A,200,200a,300,400,500,600,700、800,900,1000 電源システム
91,101,101A,201,301,401,501,601,701、801,901 電源開閉装置
92,102 コンデンサ(容量素子)
93,103 インバータ(電力変換装置)
94,104 三相交流モータ(負荷)
95,105,105A,205,205a,305,405,505,605,705、805,905 コントローラ
106,106p,106n,206,306,406,506,606,706、806,906 電流量可変部
107A,107Ap,107An,107B,107Bp,107Bn,107C,107Cp,107Cn,207A,207B,207C,307A,307B,307C,407A,407B,407C,507A,507B,507C,607A,607B,607C,707A,707B,707C,807A,807B,807C,907A,907B,907C 半導体素子
108u U相アーム
108v V相アーム
108w W相アーム
109A、109B,109C、109D、109E、109F 半導体素子
110 マイコン
111 メモリ
112 可変電圧回路
213A,213B,213C,213a,313,713A,713B,713C,813,913A,913B,913C 温度検出回路
414,614,714,814,914 電源電圧検出回路
515,615 容量電圧検出回路
116 ヒューズ
96、97 励磁回路
98 半導体素子
99 ダイオード
BA 直流電源
GD ゲート駆動回路
SMR1、SMR2 システムメインリレー

Claims (21)

  1. 直流電源と容量素子とを結ぶ電路を外部からの指令に応じて開閉する電源開閉装置であって、
    前記電路に挿入されるとともに、入力される制御信号のレベルに応じて定まる上限電流値以下の電流であって、前記直流電源の電圧値と前記容量素子の充電電圧値の差分に応じた電流を流す、1以上の半導体素子と、
    前記1以上の半導体素子に対し個別に制御信号を出力するコントローラと、
    前記1以上の半導体素子の温度を検出する温度検出回路と、を備え、
    前記コントローラは、
    前記電路を閉状態にさせる指令を受けてから所定期間が経過するまでは、前記電路に流れる電流が制限電流値を超えないように、前記温度検出回路により検出された温度に応じて個々の制御信号のレベルを調整し、かつ、
    前記所定期間経過後は、前記電路に流れる電流が前記制限電流値を超えることを許容するように個々の制御信号のレベルを調整する、
    電源開閉装置。
  2. 前記1以上の半導体素子は、前記入力される制御信号のレベルに応じて定まる上限電流値が温度に依存して変化する温度依存性を有し、
    前記コントローラは、
    前記所定期間が経過するまでは、前記温度検出回路により検出された温度に応じて、個々の制御信号のレベルを温度補償する、
    請求項1に記載の電源開閉装置。
  3. 前記1以上の半導体素子は、複数の半導体素子が並列接続されてなり、
    前記コントロ−ラは、
    前記所定期間が経過するまでは、前記複数の半導体素子の全個数より少ない第1の個数の半導体素子に対し、当該第1の個数の半導体素子の個々の上限電流値の足し合わせが前記制限電流値を超えないように、前記個々の制御信号のレベルを調整し、かつ、
    前記所定期間経過後は、前記第1の個数以上の第2の個数の半導体素子に対し、当該第2の個数の半導体素子の個々の上限電流値の足し合わせが、前記制限電流値を超えるように、前記個々の制御信号のレベルを調整する、
    請求項1に記載の電源開閉装置。
  4. 前記第2の個数は、前記第1の個数よりも多い、
    請求項3に記載の電源開閉装置。
  5. 前記第2の個数の半導体素子の個々の上限電流値は、前記第1の個数の半導体素子に含まれるいずれの半導体素子の上限電流値よりも大きい、
    請求項3または4のいずれか1項に記載の電源開閉装置。
  6. 前記コントローラは、前記温度検出回路により検出された温度に応じて、前記第1の個数の半導体素子として採用する半導体素子を選択する、
    請求項3に記載の電源開閉装置。
  7. 前記温度検出回路は、前記複数の半導体素子の温度を個別に検出し、
    前記コントローラは、前記複数の半導体素子のうち、温度の低い半導体素子から順に前記第1の個数の半導体素子として選択する、
    請求項6に記載の電源開閉装置。
  8. 前記温度検出回路は、前記複数の半導体素子全体としての温度を検出し、
    前記コントローラは、
    前記電路を閉状態にさせる指令を所定回数受ける毎に、前記温度検出回路により検出された温度を取得し、
    前記温度検出回路により検出された温度が所定温度未満である場合は、前回閉状態にさせる指令を受けた際に第1の個数の半導体素子として採用した半導体素子を、引き続き前記第1の個数の半導体素子として選択し、
    前記温度検出回路により検出された温度が所定温度以上である場合は、所定規則に従い、前記複数の半導体素子のうち、前回閉状態にさせる指令を受けた際に第1の個数の半導体素子として採用した半導体素子の少なくとも1つを除く半導体素子を、新たに第1の個数の半導体素子として選択する、
    請求項6に記載の電源開閉装置。
  9. 前記コントローラは、
    前記直流電源の電圧値と前記容量素子の充電電圧値の差分が大きくなるに従って、前記1以上の半導体素子の個々の上限電流値の足し合わせが大きくなるように、前記1以上の半導体素子に対する制御信号のレベルを個々に調整する、
    請求項1に記載の電源開閉装置。
  10. 前記電源開閉装置は、さらに、前記直流電源の電圧値を検出する電源電圧検出回路を備え、
    前記コントローラは、
    前記電源電圧検出回路により検出された電圧値が大きくなるに従って、前記1以上の半導体素子の個々の上限電流値の足し合わせが大きくなるように、前記1以上の半導体素子に対する制御信号のレベルを個々に調整する、
    請求項9に記載の電源開閉装置。
  11. 前記電源開閉装置は、さらに、前記容量素子の充電電圧値を検出する容量電圧検出回路を備え、
    前記コントローラは、
    前記容量電圧検出回路により検出された充電電圧値が小さくなるに従って、前記1以上の半導体素子の個々の上限電流値の足し合わせが大きくなるように、前記1以上の半導体素子に対する制御信号のレベルを個々に調整する、
    請求項9に記載の電源開閉装置。
  12. 前記電源開閉装置は、さらに、前記直流電源の電圧値を検出する電源電圧検出回路と、前記容量素子の充電電圧値を検出する容量電圧検出回路と、を備え、
    前記コントローラは、
    前記電源電圧検出回路により検出された電圧値と前記容量電圧検出回路により検出された充電電圧値の差分が大きくなるに従って、前記1以上の半導体素子の個々の上限電流値の足し合わせが大きくなるように、前記1以上の半導体素子に対する制御信号のレベルを個々に調整する、
    請求項9に記載の電源開閉装置。
  13. 前記所定期間が経過するまで電流を流す半導体素子の数と、前記所定期間経過後に電流を流す半導体素子の数が同じであり、かつ、
    前記所定期間が経過するまで電流を流す半導体素子に出力される制御信号の各々は同じレベルであるとともに、前記所定期間経過後に電流を流す半導体素子に出力される制御信号の各々は同じレベルである、
    請求項1に記載の電源開閉装置。
  14. 前記所定期間は、前記制限電流値を超えない電流により前記容量素子を充電した場合に、前記容量素子が0%から80%まで充電されるのに要する期間よりも長い、
    請求項1に記載の電源開閉装置。
  15. 前記制限電流値は、前記直流電源の最大出力電流値以下の値に設定される、
    請求項1に記載の電源開閉装置。
  16. 前記制限電流値は、前記直流電源と前記容量素子とを結ぶ電路に挿入されている各素子における最大定格電流の合計値以下の値に設定される、
    請求項1に記載の電源開閉装置。
  17. 前記1以上の半導体素子の少なくとも1つは、ワイドバンドギャップ半導体により構成されている、
    請求項1に記載の電源開閉装置。
  18. 前記1以上の半導体素子の少なくとも1つは、金属−絶縁体−半導体電界効果トランジスタにより構成されており、
    前記制御信号は、前記金属−絶縁体−半導体電界効果トランジスタのゲートに入力されるゲート電圧であり、
    前記金属−絶縁体−半導体電界効果トランジスタのドレイン−ソース間に流れる電流の上限電流値は、ゲート電圧の大きさによって定まる、
    請求項17に記載の電源開閉装置。
  19. 前記1以上の半導体素子は、複数の金属−絶縁体−半導体電界効果トランジスタが並列接続されてなり、
    前記コントロ−ラは、前記所定期間が経過するまでは、前記複数の金属−絶縁体−半導体電界効果トランジスタの全個数より少ない第1の個数の金属−絶縁体−半導体電界効果トランジスタに対しゲート電圧を出力し、かつ、前記所定期間経過後は、前記第1の個数以上の第2の個数の金属−絶縁体−半導体電界効果トランジスタに対しゲート電圧を出力し、
    前記第1の個数の金属−絶縁体−半導体電界効果トランジスタの相互コンダクタンスは、前記第2の個数の金属−絶縁体−半導体電界効果トランジスタの相互コンダクタンスよりも小さい、
    請求項18に記載の電源開閉装置。
  20. 直流電源から負荷に電力を供給する電源システムであって、
    容量素子と、
    前記直流電源と前記容量素子とを結ぶ電路を外部からの指令に応じて開閉する電源開閉装置と、
    前記容量素子と負荷とを結ぶ電路に挿入され、入力される制御信号のレベルに応じた電流を流す1以上の半導体素子を含む電力変換装置と、を備え、
    前記電源開閉装置は、
    前記電路に挿入されるとともに、入力される制御信号のレベルに応じて定まる上限電流値以下の電流であって、前記直流電源の電圧値と前記容量素子の充電電圧値の差分に応じた電流を流す、1以上の半導体素子と、
    前記電源開閉装置が備える1以上の半導体素子に対し個別に制御信号を出力するコントローラと、
    前記1以上の半導体素子の温度を検出する温度検出回路と、を備え、
    前記コントローラは、
    前記電路を閉状態にさせる指令を受けてから所定期間が経過するまでは、前記電路に流れる電流が所定の制限電流値を超えないように、前記温度検出回路により検出された温度に応じて個々の制御信号のレベルを調整し、かつ、
    前記所定期間経過後は、前記電路に流れる電流が前記制限電流値を超えることを許容するように個々の制御信号のレベルを調整する、
    電源システム。
  21. 前記電源開閉装置が備える1以上の半導体素子と、前記電力変換装置が備える1以上の半導体素子とが、同一のパッケージに収容されている、
    請求項20に記載の電源システム。
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