JP5092461B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、キャパシタ構造を有する半導体装置及びその製造方法に関するものであり、特に、誘電体として強誘電体を備えた半導体装置及びその製造方法に関する。
近年、デジタル技術の進展に伴い、大容量のデータを高速に処理又は保存する傾向が高まっている。このため、電子機器に使用される半導体装置の高集積化及び高性能化が要求されている。
そこで、半導体記憶装置に関しては、例えばDRAMの高集積化を実現するために、DRAMを構成する容量素子(キャパシタ)の容量絶縁膜として、従来用いられてきた珪素酸化物や珪素窒化物に替えて、強誘電体材料や高誘電率材料を用いる技術が広く研究開発され始めている。
また、より低電圧で且つ高速での書き込み動作や読み出し動作が可能な不揮発性RAMを実現するために、容量絶縁膜として、自発分極特性を有する強誘電体を用いる技術も盛んに研究開発されている。このような半導体記憶装置は、強誘電体メモリ(FeRAM:Ferroelectric Random Access Memory)とよばれる。
強誘電体メモリには、強誘電体膜が容量絶縁膜として1対の電極間に挟み込まれて構成される強誘電体キャパシタが備えられている。そして、強誘電体メモリでは、強誘電体膜のヒステリシス特性を利用して情報を記憶する。
この強誘電体膜は、電極間の印加電圧に応じて分極を生じ、印加電圧が取り去られても自発分極特性を有する。また、印加電圧の極性を反転すれば、強誘電体膜の自発分極の極性も反転する。したがって、この自発分極を検出すれば、情報を読み出すことができる。強誘電体メモリは、フラッシュメモリに比べて低電圧で動作し、省電力で且つ高速の書き込み動作が可能である。
FeRAMのキャパシタを構成する強誘電体膜は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、LaをドープしたPZT(PLZT)、Ca、Sr若しくはSiを微量ドープしたPZT系材料、又はSrBi2Ta29(SBT、Y1)若しくはSrBi2(Ta、Nb)29(SBTN、YZ)等のBi層状構造化合物等により形成されており、ゾルゲル法、スパッタ法又はMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition :有機金属気相成長)法等によって成膜される。
通常、これらの成膜法により、下部電極上にアモルファス又は微結晶の状態の強誘電体膜を形成し、その後熱処理によりペロブスカイト構造やビスマス層状構造へと結晶構造を変化させている。キャパシタ構造の電極材料としては、酸化し難い材料又は酸化しても導電性を維持できる材料を用いることが必要であり、一般的にPt(白金)、Ir(イリジウム)及びIrOx(酸化イリジウム)等の白金族系金属又はその酸化物が広く用いられている。また、配線材料としては、通常の半導体デバイスと同様に、Al(アルミニウム)を用いるのが一般的である。
FeRAMも、他の半導体デバイスと同様に、より一層の高集積化及び高性能化が要求されており、今後セル面積の低減が必要となる。セル面積の低減には、キャパシタ構造として、従来のプレーナ構造のものに替えて、スタック構造を採用することが有効であることが知られている。ここで、スタック構造とは、メモリセルを構成するトランジスタのドレイン上に形成されたプラグ(コンタクトプラグ)の直上にキャパシタを形成した構造をいう。
従来のスタック構造のFeRAMにおいて、キャパシタ構造は、W(タングステン)プラグの直上に、バリアメタル、下部電極、強誘電体膜及び上部電極がこの順で積層されて構成されている。バリアメタルは、Wプラグの酸化を防止する役割を有している。バリアメタルの効果と下部電極の効果とを兼ねる材料を選択することが多いため、バリアメタルと下部電極材料とを明確に分離することはできないが、バリアメタル及び下部電極は、通常、TiN膜、TiAlN膜、Ir膜、IrO2膜、Pt膜及びSRO(SrRuO3)膜のうちから選択された2種以上の膜の組み合わせにより形成される。
強誘電体キャパシタ構造を構成する強誘電体膜は、非酸化雰囲気中における処理により容易に酸素欠損を生じ、これに伴い反転電荷量やリーク電流値などの強誘電体膜としての特性が劣化してしまう。強誘電体キャパシタを製造する際には、強誘電体膜に生じた損傷を回復させるために、酸素雰囲気中での熱処理を複数回行う必要がある。このため、上部電極の材料としては、Pt等の酸素雰囲気中でも酸化し難い金属又はIrOx若しくはRuOx等の導電性酸化物が用いられている。
ところで近年では、FeRAMにおいても微細化に対する厳しい要求が課せられており、これに伴い強誘電体キャパシタ構造の微細化及び多層配線構造の採用が要求されている。更に、携帯型情報処理装置への適用に関連して、低電圧動作が要求されている。FeRAMが低電圧で動作するためには、強誘電体キャパシタ構造を構成する強誘電体膜が大きな反転電荷量QSWを有することが要求されるが、多層配線構造を使用した場合、多層配線構造を形成する過程で使われる還元雰囲気処理又は非酸化雰囲気処理により、既に形成されている強誘電体キャパシタ構造の特性が劣化してしまうという問題が生じる。
より具体的に説明すると、上部電極をPt膜又はIr膜等により形成した場合、多層配線構造中の層間絶縁膜を形成する際に用いられる還元雰囲気中の水素がPt膜やIr膜中に侵入してこれらの金属が有する触媒作用により活性化され、活性化された水素により強誘電体キャパシタ構造中のキャパシタ膜である強誘電体膜が還元されてしまうという問題が生じる。
キャパシタ膜が還元されると、強誘電体キャパシタ構造の動作特性は大きく劣化してしまう。かかるキャパシタ膜の特性劣化の問題は、強誘電体キャパシタ構造が微細化され、強誘電体キャパシタ構造中のキャパシタ膜が微細化された強誘電体膜により構成される場合に特に顕著に現れる。
この問題に対処すべく、特許文献1(特許第3661850号公報)には、強誘電体キャパシタ構造の電気特性が多層配線構造工程に劣化させることなく微細化できるために、強誘電体膜上に形成される上部電極を第1の導電性酸化層と第2の導電性酸化層とにより構成し、第2の導電性酸化層を第1の導電性酸化層よりも化学量論組成に近い組成に形成することが提案されている。
特許第3661850号公報
しかしながら、上述した特許文献1の製造方法で作製された強誘電体キャパシタ構造では、以下のような問題が発生する。
第1の導電性酸化層よりも酸化度が高い第2の導電性酸化層は、膜厚が大きくなると、異常成長し易くなる。即ち、結晶化している第2の導電性酸化層が厚くなると、表面の結晶の成長が異常に進行する。特に、高温成膜する場合に、例えば第2の導電性酸化層が150nm程度以上の膜厚である場合に、この異常成長が顕著となる。
上部電極における結晶の異常成長により、膜中空孔が発生し、当該上部電極を通じて水素がキャパシタ膜に侵入し易くなってキャパシタ膜の劣化を惹起するという問題がある。当該劣化により、装置のスイッチング特性、初期特性及びリテンション特性の著しい低下が生じてしまう。
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、結晶状態を制御した上部電極を形成することにより、膜中空孔の発生を抑止し、特に多層配線工程におけるキャパシタ膜への水素等の浸入を防止して、キャパシタ膜の特性劣化を抑えることを可能とし、装置のスイッチング特性、初期特性及びリテンション特性の向上を実現する半導体装置及びその製造方法半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
本発明の半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板の上方に形成され、上部電極と下部電極との間にキャパシタ膜が挟持されてなるキャパシタ構造とを含み、前記上部電極は、M1,M2,M3をそれぞれ、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ストロンチウム(Sr)及びルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、パラジウム(Pd)からなる群から選択された1種又は複数の貴金属元素として、化学量論組成が組成パラメータx1を用いて化学式M1Ox1で表され、実際の組成が組成パラメータx2を用いて化学式M1Ox2で表される酸化物よりなる第1の層と、前記第1の層上に形成されており、化学量論組成が組成パラメータy1を用いて化学式M2Oy1で表され、実際の組成が組成パラメータy2を用いて化学式M2Oy2で表される酸化物よりなる第2の層と、前記第2の層上に形成されており、化学量論組成が組成パラメータz1を用いて化学式M3Oz1で表され、実際の組成が組成パラメータz2を用いて化学式M3Oz2で表される酸化物よりなる第3の層とを有して構成されており、前記第2の層は、前記第1の層及び前記第3の層よりも酸化の割合が高く構成され、前記組成パラメータx1,x2,y1,y2,z1及びz2の間には、
2/y1>x2/x1,y2/y1>z2/z1及びz2/z1≧x2/x1
の関係が成立する。
本発明の半導体装置の製造方法は、キャパシタ構造を有する半導体装置の製造方法であって、半導体基板の上方に、前記キャパシタ構造の下部電極を形成する工程と、前記下部電極上にキャパシタ膜を形成する工程と、前記キャパシタ膜上に、少なくとも、第1の導電性酸化層、第2の導電性酸化層及び第3の導電性酸化層を順次積層し、上部電極を形成する工程とを含み、前記第1の導電性酸化層、前記第2の導電性酸化層及び前記第3の導電性酸化層は、それぞれ、イリジウム酸化物、白金酸化物、ルテニウム酸化物、ストロンチウム・ルテニウム酸化物、ロジウム酸化物、レニウム酸化物、オスミウム酸化物、パラジウム酸化物からなる群から選択された1種又は複数の酸化物からなり、前記第1の導電性酸化層及び前記第3の導電性酸化層の形成工程を、前記第2の導電性酸化層の堆積工程よりも、酸化の割合が低い条件下において実行する。
本発明によれば、結晶状態を制御した上部電極を形成することにより、膜中空孔の発生を抑止し、特に多層配線工程におけるキャパシタ膜への水素等の浸入を防止して、キャパシタ膜の特性劣化を抑えることが可能となり、装置のスイッチング特性、初期特性及びリテンション特性の向上が実現する。
−本発明の基本骨子−
本発明の比較例として、特許文献1の製造方法で作製された強誘電体キャパシタ構造において、上部電極の結晶の異常成長を抑えるべく、第2の導電性酸化層をアモルファスの下層と結晶化された上層との2層構造に形成してみた。形成方法としては、例えば成膜装置(スパッタ装置等)への投入パワーを変化させてこれらの各層を連続的に成膜する。
第2の導電性酸化層のアモルファスの下層は、成膜中に基板温度の上昇に伴って結晶化される。このとき、当該下層に異常成長は見られない(図1を参照)。しかしながらこの場合、下層は多層配線形成工程を含めて徐々に結晶化され、多層配線形成工程が終了したときには、下層に酸素欠損等の膜中空孔が生じてしまう(図2及びTEMによる図3を参照)。この膜中空孔の存在により、多層配線形成工程においてキャパシタ膜に水素等が浸入し、電気特性の劣化を招く。また、配線にも膜剥離が発生し易くなる。
なお、図1及び図2の各図では便宜上、各上部電極を構成する各層について、下から順に上部電極IrO1,(アモルファス上部電極IrO2),上部電極IrO2,結晶化上部電極Irと記す。
更に、キャパシタ構造では、上部電極と1層目の配線との接続にWプラグが用いられている。上部電極上にWプラグを形成するには、高温、還元雰囲気でW膜を成膜する必要がある。成膜時に発生する水素は、Wプラグのグルー膜であるTiNにより大部分はブロックされるが、過剰に水素が供給されるとTiNのブロックを通り越して、水素が上部電極に進入し、上部電極のIrOxを還元して体積収縮を惹起し、グルー膜と上部電極との間に空隙が形成される。このため、上部電極のコンタクト抵抗が不安定になるという問題が生じる。
本発明者は、上記した比較例の結果に基づいて鋭意検討した結果、本発明に想到した。
本発明では、各組成パラメータが上記の関係を有する第1の層、第2の層及び第3の層の積層構造で上部電極を構成する。本発明では、第2の層を成膜する際に、成膜条件を制御、具体的には成膜温度を例えば30℃〜90℃程度(特に第2の層の金属元素Bがイリジウム(Ir)である場合)に制御することにより、第2の層を微結晶状態に形成する。また、当該成膜温度に比べて高温で第3の膜を形成することより、膜中空孔が発生し難い結晶性の第3の膜が得られる。第2の膜を形成した後で第3の膜を形成する前の熱処理、或いは第3の膜を形成した後における諸工程時の熱処理により、微結晶化された第2の膜が結晶化する。
本発明により、従来のシューリングの発生が抑止され、均一な結晶状態の第2の膜が得られる。従って、多層配線工程においても、第3の膜により水素の浸入が部分的に防止され、更に酸化度が高い均一な第2の膜により水素の浸入が防止される。即ち第3の膜及び第2の膜により、水素のキャパシタ膜への侵入が完全に防止されることになり、装置のスイッチング特性、初期特性及びリテンション特性が大幅に向上する。
−本発明の具体的な実施形態−
次に、本発明における諸実施形態を、添付図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
第1の実施形態では、強誘電体キャパシタ構造の上部電極及び下部電極の電気的接続を上方からとるプレーナ型の強誘電体メモリについて説明する。但しここでは、便宜上、強誘電体メモリの断面構造については、その製造方法とともに説明することにする。
図4〜図8は、第1の実施形態に係る強誘電体メモリ(半導体装置)の製造方法を工程順に示す断面図である。
第1の実施形態においては、先ず、図4(a)に示すように、半導体基板1に素子分離絶縁膜2と、例えばpウェル21を形成し、更に、半導体基板1上に、MOSFET100を形成するとともに、当該MOSFET100上に、シリコン酸窒化膜7、シリコン酸化膜8a、Al23膜8b及び下部電極膜9aを順次形成する。
具体的には、先ず、Si基板等の半導体基板1の素子分離領域に、例えばLOCOS(Local Oxidation of Silicon)法により、素子分離絶縁膜2を形成し、素子形成領域を画定する。続いて、半導体基板1の素子形成領域の表面に、例えばホウ素(B)を、例えば、エネルギー300keV、ドーズ量3.0×1013cm-2の条件でイオン注入して、pウェル21を形成する。続いて、半導体基板1上に、例えば熱酸化法により、膜厚3nm程度のシリコン酸化膜を形成する。続いて、シリコン酸化膜上に、CVD法により、膜厚180nm程度の多結晶シリコン膜を形成する。続いて、多結晶シリコン膜及びシリコン酸化膜を、素子形成領域のみに残すパターニングを行って、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜3と、多結晶シリコン膜からなるゲート電極4を形成する。
続いて、ゲート電極4をマスクとして、半導体基板1の表面に、例えばリン(P)を、例えば、エネルギー20keV、ドーズ量4.0×1013cm-2の条件でイオン注入して、n-型の低濃度拡散層22を形成する。続いて、全面に、CVD法により、膜厚300nm程度のSiO2膜を形成した後、異方性エッチングを行って、当該SiO2膜をゲート電極4の側壁にのみ残して、サイドウォール6を形成する。
続いて、ゲート電極4及びサイドウォール6をマスクとして、半導体基板1の表面に、例えば砒素(As)を、例えば、エネルギー10keV、ドーズ量5.0×1013cm-2の条件でイオン注入して、n+型の高濃度拡散層23を形成する。
続いて、全面に、スパッタリング法により、例えばTi膜を堆積する。その後、温度400℃乃至900℃の熱処理を行うことによって、ゲート電極4の多結晶シリコン膜とTi膜がシリサイド反応し、ゲート電極4の上面にシリサイド層5が形成される。その後、フッ酸等を用いて、未反応のTi膜を除去する。これにより、半導体基板1上に、ゲート絶縁膜3、ゲート電極4、シリサイド層5、サイドウォール6、並びに低濃度拡散層22及び高濃度拡散層23からなるソース/ドレイン拡散層を備えたMOSFET100が形成される。なお、本実施形態においては、nチャンネル型のMOSFETの形成を例にして説明を行ったが、pチャンネル型のMOSFETを形成するようにしてもよい。
続いて、CVD法により、MOSFET100を覆うように、膜厚200nm程度のシリコン酸窒化膜7を形成する。続いて、シリコン酸窒化膜7上に、CVD法により、膜厚700nm程度のシリコン酸化膜8aを形成する。その後、N2雰囲気中で、温度650℃、30分間程度のアニール処理を行うことにより、シリコン酸化膜8aの脱ガスを行う。なお、シリコン酸窒化膜7は、シリコン酸化膜8aを形成する際のゲート絶縁膜3等の水素劣化を防止するために形成されている。
続いて、シリコン酸化膜8a上に、下部電極密着膜として、例えば、スパッタリング法により、膜厚20nm程度のAl23膜8bを形成する。なお、下部電極密着層として、膜厚20nm程度のTi膜又はTiOx膜等を形成するようにしてもよい。続いて、Al23膜8b上に下部電極膜9aを形成する。下部電極膜9aとしては、例えば、スパッタリング法により、膜厚150nm程度のPt膜を形成する。なお、下部電極密着膜が20nm程度のTi膜の場合は、当該Ti膜からなる下部電極密着膜と、膜厚180nm程度のPt膜からなる下部電極膜9aとの積層体を形成するようにしてもよい。この場合、例えば、Ti膜は温度150℃程度で形成され、Pt膜は温度100℃〜350℃で形成される。
下部電極膜9aとしては、白金の代わりに、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、レニウム、SrRuO3、オスミウム及びパラジウムからなる群から選択された少なくとも1種の貴金属元素を含有する金属膜として形成しても良い。
次いで、図4(b)に示すように、下部電極膜9a上に、キャパシタ膜となる強誘電体膜10aをアモルファス状態で形成する。強誘電体膜10aとしては、例えば、LaドープPZT(PLZT:(Pb,La)(Zr,Ti)O3)ターゲットを用い、RFスパッタリング法により、膜厚が100nm〜200nmのPLZT膜を形成する。その後、Ar及びO2を含有する雰囲気中において650℃以下で第1の熱処理(RTA:Rapid Thermal Annealing)を行い、更に、酸素雰囲気中で第1の熱処理よりも高温、例えば750℃程度で第2の熱処理(RTA)を行う。この結果、強誘電体膜10aが完全に結晶化するとともに、下部電極膜9aを構成するPt膜が緻密化し、下部電極膜9aと強誘電体膜10aとの界面近傍におけるPtとOとの相互拡散が抑制される。
なお、本実施形態では、強誘電体膜10aの形成をスパッタリング法により行うようにしているが、これに限定されるわけでなく、例えば、ゾル−ゲル法、有機金属分解法、CSD法、化学気相蒸着法、エピタキシャル成長法又はMO−CVD法により形成することも可能である。
また、強誘電体膜10aとしては、ペロブスカイト構造の化合物膜又はBi層状系構造の化合物膜、又は熱処理により結晶構造がペロブスカイト構造又はBi層状構造となる膜を形成しても良い。
次いで、図4(c)に示すように、強誘電体膜10a上に上部電極膜11Aを形成する。
上部電極膜11Aは、化学量論組成が組成パラメータx1を用いて化学式M1Ox1で表され、実際の組成が組成パラメータx2を用いて化学式M1Ox2で表される酸化物よりなる第1の導電性酸化層11aと、第1の導電性酸化層11a上に形成されており、化学量論組成が組成パラメータy1を用いて化学式M2Oy1で表され、実際の組成が組成パラメータy2を用いて化学式M2Oy2で表される酸化物よりなる第2の導電性酸化層11bと、第2の導電性酸化層11b上に形成されており、化学量論組成が組成パラメータz1を用いて化学式M3Oz1で表され、実際の組成が組成パラメータz2を用いて化学式M3Oz2で表される酸化物よりなる第3の導電性酸化層11cとを有して構成される。ここで、第2の導電性酸化層11bは、第1及び第2の導電性酸化層11a,11bよりも酸化の割合が高く構成され、組成パラメータx1,x2,y1,y2,z1及びz2の間には、y2/y1>x2/x1,y2/y1>z2/z1及びz2/z1≧x2/x1の関係が成立するものである。本実施形態では、M1,M2,M3をいずれもIrとし、例えば、x2が1.9程度、y2が2.1程度、z2が2.0程度となる場合について例示する(なお、これらの値はHRBS分析の結果である。)。この場合、x1,y1,z1=2となる。以下では記載の便宜上、x2,y2,z2をそれぞれx,y,zと記載することにする。
上部電極膜11Aの形成に当たっては、先ず、強誘電体膜10a上に第1の導電性酸化層11aを形成する。
強誘電体膜10a上に、例えばスパッタ法により、成膜した時点で結晶化してなるIrOx膜を膜厚20nm〜50nmに堆積し、第1の導電性酸化層11aを形成する。例えば、このときの成膜温度を300℃とし、成膜ガスとしてAr及びO2を用い、成膜ガスの流量を、例えばAr:140sccm,O2:60sccmとする。また、スパッタパワーを例えば1kW程度とする。
続いて、第1の導電性酸化層11a上に第2の導電性酸化層11bを形成する。
ここでは、第2の導電性酸化層11bとなるIrOy膜の成膜温度の事前調査を行った。表面に例えばシリコン酸化膜が成膜されたSi基板上に、IrOy膜を膜厚100nm程度に成膜した。ここで、成膜温度を50℃,75℃,100℃,150℃,200℃,250℃にそれぞれ制御し、各温度に対応してIrOy膜を成膜してみた。当該事前調査の結果としては、成膜温度を150℃以上とすると、IrOyが完全に結晶化するが、IrOyの異常成長により平滑な表面モフォロジーが得られなかった。成膜温度を100℃以下とすると、微結晶と結晶とが混在した状態のIrOyとなった。更に、成膜温度を75℃以下とすることにより、均一な微結晶状態のIrOyが得られ、極めて平滑な表面モフォロジーが確認された。成膜温度を50℃より低温とすると、十分な微結晶が得られなくなることを考慮すれば、第2の導電性酸化層11bとなるIrOy膜の適正な成膜温度は50℃以上75℃以下の範囲内の温度となる。更には、様々な成膜装置の仕様が異なり、貴金属酸化物の結晶化温度が異なることをも考慮すれば、当該適正な成膜温度は30℃以上90℃以下の範囲の温度であると結論付けることができる。
上記の事前調査の結果を踏まえて、例えばスパッタ法により、第1の導電性酸化層11a上にIrOy膜を膜厚30nm〜50nmに堆積し、第2の導電性酸化層11bを形成する。このとき、成膜温度を30℃以上100℃以下、好ましくは50℃以上75℃以下の範囲内の温度とし、成膜の時点でIrOyが微結晶化するように制御する。成膜ガスとしてAr及びO2を用い、成膜ガスにおけるO2の割合が第1の導電性酸化層11aより高くなるように(第1の導電性酸化層11aの形成時よりも酸化の割合が高くなるように)、成膜ガスの流量を、例えばAr:100sccm,O2:100sccmとする。また、スパッタパワーを例えば1kW程度とする。このとき、第2の導電性酸化層11bには異常酸化が生じておらず、組成が均一な微結晶状態とされてなるIrOyが得られる。
続いて、第2の導電性酸化層11b上に第3の導電性酸化層11cを形成する。
第2の導電性酸化層11b上に、例えばスパッタ法により、IrOz膜を膜厚20nm〜50nmに堆積し、第3の導電性酸化層11cを形成する。このとき、成膜温度を150℃以上400℃以下、例えば300℃とし、成膜の時点でIrOzが結晶化するように制御する。成膜ガスとしてAr及びO2を用い、成膜ガスにおけるO2の割合が第2の導電性酸化層11bより低くなるように(第2の導電性酸化層11bの形成時よりも酸化の割合が低くなるように)、成膜ガスの流量を、例えばAr:110sccm,O2:90sccmとする。また、スパッタパワーを例えば1kW程度とする。このとき、第3の導電性酸化層11cには異常酸化が生じておらず、組成が均一な結晶状態とされてなるIrOzが得られる。
ここで、第3の導電性酸化層11cを膜厚30nm以下に形成するには、成膜ガスにおけるO2の割合を45%程度とすれば良い。第3の導電性酸化層11cを更に厚く形成するには、O2の割合を45%より低く設定することを要する。例えば、IrOzの表面に異常成長が生じることなく、第3の導電性酸化層11cを形成するには、O2の割合を10%〜50%の範囲内、更に好ましくは30%〜45%の範囲内に設定すれば良い。例えば、第3の導電性酸化層11cを膜厚50nm程度に形成するには、成膜ガス中のO2の割合を35%程度とする。
以上により、強誘電体膜10a上に、第1の導電性酸化層11a、第2の導電性酸化層11b及び第3の導電性酸化層11cが順次積層されてなる上部電極膜11Aが形成される。
なお、例えば図5(a)に示すように、第3の導電性酸化層11c上に貴金属、例えばIr、Ru等又は当該貴金属を含む合金よりなる第4の層11dを堆積して上部電極膜を形成しても良い。この場合、以下の工程でこれらをエッチングして4層構造の上部電極を形成することになる。以下の説明では、第4の層11dを含まない3層構造の上部電極膜11Aを加工して上部電極を形成する場合を例示する。
なお、強誘電体膜10aの熱処理による結晶化工程については、上記した手法以外にも以下のものがある。
第1の手法としては、図4(b)に示した工程において、Ar及びO2を含有する雰囲気中において650℃以下、例えば560℃で第1の熱処理(RTA)を行い、第1の導電性酸化層11aを形成した後に、酸素雰囲気中で第1の熱処理よりも高温、例えば650℃〜750℃(例えば、725℃)で第2の熱処理(RTA)を行い、強誘電体膜10aを完全に結晶化する。ここで、第1の導電性酸化層11aを形成する際には、室温成膜の場合、成膜ガスの流量を例えばAr:100sccm,O2:56sccm、スパッタパワーを2kWとする。高温成膜の場合、例えば成膜温度が300℃でAr:140sccm,O2:60sccm、スパッタパワーを1kWとする。上記の熱処理は、強誘電体膜10aを完全に結晶化される同時に、強誘電体膜10aと第1の導電性酸化層11aとの界面が平坦化される。この第1の手法により、強誘電体キャパシタ構造の低電圧動作及びスイッチング電荷量を向上させることができる。
第2の手法としては、強誘電体膜10aを形成した後、第1の方法と同様に第1の熱処理を行い、続いて強誘電体膜10aよりも薄いアモルファス強誘電体膜(不図示)を形成する。その後、第1の手法と同様に、第1の導電性酸化層11aを形成した後に第2の熱処理を行う。この第2の手法によれば、強誘電体キャパシタ構造の低電圧動作及びスイッチング電荷量が向上することに加え、強誘電体キャパシタ構造のリーク電流を低減することができる。
第3の手法としては、第1の熱処理を要することなく強誘電体膜10aが結晶化されている場合に、そのまま薄いアモルファス強誘電体膜及び第1の導電性酸化層11aを形成する。
第4の手法としては、強誘電体膜10aを結晶化、又は強誘電体膜10及び薄いアモルファス強誘電体膜を結晶化し、第2の導電性酸化層11bを形成した後に、再度650℃〜750℃、例えば700℃の熱処理(RTA)を行う。この手法によれば、後述する上部電極11と強誘電体膜10との密着性が向上するとともに、上部電極11の結晶状態を更に良くすることができる。
また、本実施形態では、上部電極膜11Aを構成する第1の導電性酸化層11a、第2の導電性酸化層11b及び第3の導電性酸化層11cをイリジウム酸化物で形成した例を示しているが、本発明では、これに限定されるものではなく、各層11a〜11cに、例えば、白金酸化物、ルテニウム酸化物、ストロンチウム・ルテニウム酸化物、ロジウム酸化物、レニウム酸化物、オスミウム酸化物及びパラジウム酸化物からなる群から選択された少なくとも1種の酸化物で構成された膜を適用することも可能である。この場合、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ストロンチウム(Sr)及びルテニウム、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)及びパラジウム(Pd)からなる群から選択された少なくとも1種の貴金属元素を含むターゲットを用いたスパッタリングを、当該貴金属元素の酸化が生じる条件下で行う形態を採る。
この場合、第1の導電性酸化層11aの金属元素M1と第2の導電性酸化層11bの金属元素M2とを異なるものとしたり、第1の導電性酸化層11aの金属元素M1と第3の導電性酸化層11cの金属元素M3とを異なるものとしたり、第1〜第3の導電性酸化層11a〜11cの各金属元素のうちの2種を同一とし、他の1種を異なるものとする等、様々な組み合わせが考えられる。
次いで、半導体基板1の背面洗浄を行った後、下部電極膜11Aをエッチング加工することにより、図5(b)に示すように、第1〜第3の導電性酸化層11a〜11cが積層されてなる上部電極11を形成する。その後、O2雰囲気中で、温度650℃程度、60分間程度の回復アニール処理を行う。この熱処理は、上部電極11を形成する際に、強誘電体膜10aが受けた物理的なダメージ等を回復させるためのものである。
次いで、図5(c)に示すように、強誘電体膜10aのパターニングを行うことにより、強誘電体キャパシタのキャパシタ膜となる強誘電体膜10を形成する。その後、後に形成するAl23膜の剥がれ防止用の酸素アニールを行う。
次いで、図6(a)に示すように、スパッタリング法により、保護膜としてAl23膜12を全面に形成する。その後、スパッタリングによる損傷を緩和するために、酸素アニールを行う。このAl23膜12により、外部からの水素の強誘電体キャパシタ構造への侵入が防止される。
次いで、図6(b)に示すように、Al23膜12及び下部電極膜9aのパターニングを行うことにより、下部電極9を形成する。その後、後に形成するAl23膜の剥がれ防止用の酸素アニールを行う。
次いで、図6(c)に示すように、スパッタリング法により、保護膜としてAl23膜13を全面に形成する。その後、キャパシタリークを低減させるために、酸素アニールを行う。
次いで、図7(a)に示すように、HDP−CVD(高密度プラズマCVD)法により、層間絶縁膜14を全面に形成する。層間絶縁膜14の膜厚は、例えば1.5μm程度とする。
次いで、図7(b)に示すように、CMP(化学機械的研磨)法により、層間絶縁膜14の平坦化を行う。その後、N2Oガスを用いたプラズマ処理を行う。この結果、層間絶縁膜14の表層部が若干窒化され、その内部に水分が浸入し難くなる。なお、このプラズマ処理は、N又はOの少なくとも一方が含まれたガスを用いて行われれば有効的である。続いて、MOSFET100の高濃度拡散層23まで到達するビア孔15zを、層間絶縁膜14、Al23膜13、Al23膜8b、シリコン酸化膜8a及びシリコン酸窒化膜7に形成する。その後、ビア孔15z内に、スパッタリング法により、Ti膜及びTiN膜を連続して積層することにより、当該ビア孔15zの内壁にグルー膜15aを形成する。続いて、CVD法により、当該ビア孔15z内を埋めるのに足る膜厚のW膜を堆積した後、CMP法により層間絶縁膜14の表面が露出までW膜の平坦化を行うことにより、ビア孔15z内にWプラグ15を形成する。
次いで、図7(c)に示すように、Wプラグ15の酸化防止膜としてSiON膜16を、例えばプラズマ増速CVD法により形成する。
次いで、図8(a)に示すように、エッチングを行うことにより、上部電極11まで到達するビア孔17y、及び下部電極9まで到達するビア孔17zを、SiON膜16、層間絶縁膜14、Al23膜13及びAl23膜12に形成する。その後、当該エッチングの影響による強誘電体膜10の損傷を回復させるために、酸素アニールを行う。
次いで、図8(b)に示すように、先ず、SiON膜16を、エッチバックにより全面にわたって除去することにより、Wプラグ15の表面を露出させる。続いて、ビア孔17y内、及びビア孔17z内に、スパッタリング法により、Ti膜及びTiN膜を連続して積層することにより、当該各ビア孔の内壁にグルー膜17aを形成する。続いて、CVD法により、当該各ビア孔17y、17z内を埋めるのに足る膜厚のW膜を堆積した後、CMP法により層間絶縁膜14の表面が露出までW膜の平坦化を行うことにより、ビア孔17y内、及びビア孔17z内に、Wプラグ17を形成する。
次いで、図8(c)に示すように、グルー膜18a、配線膜18及びグルー膜18bからなる金属配線層を形成する。
具体的に、先ず、前面に、例えばスパッタリング法により、膜厚60nm程度のTi膜、膜厚30nm程度のTiN膜、膜厚360nm程度のAlCu合金膜、膜厚5nm程度のTi膜、及び膜厚70nm程度のTiN膜を順次積層する。続いて、フォトリソグラフィー技術を用いて、当該積層膜を所定形状にパターニングして、各Wプラグ15,17上に、Ti膜及びTiN膜からなるグルー膜18aと、AlCu合金膜からなる配線膜18と、Ti膜及びTiN膜からなるグルー膜18bとからなる金属配線層が形成される。このとき、Wプラグ15と接続する金属配線層と、上部電極11と接続する金属配線層又は下部電極9と接続する金属配線層とは、配線膜18の一部で互いに接続される。
その後、更に、層間絶縁膜の形成、コンタクトプラグの形成及び下から第2層目以降の配線の形成等を行う。そして、例えばTEOS(tetraethyl orthosilicate)酸化膜及びSiN膜からなるカバー膜を形成して、下部電極9、強誘電体膜10及び下部電極11を具備する強誘電体キャパシタ構造を有する本実施形態に係る強誘電体メモリを完成させる。
ここで、下部電極膜11Aを構成する第1〜第3の導電性酸化層11a〜11cについて、各々の酸化度について調べた。具体的には、IrOx膜、IrOy膜、IrOz膜について、化学量論組成IrO2(x,y,z=2)を基準とした酸化の程度を、高分解能RBS(ラザフォード後方散乱、Rutherford Back-scattering Spectrometry)分析装置を用いて測定した。測定結果を以下の表1に示す。
Figure 0005092461
表1から判るように、IrOx膜よりもIrOy膜の方が酸化の割合が高く、特にIrOy膜は、ほぼ理想的な化学量論組成を有している。結晶状態の導電性酸化層は、微結晶状態の導電性酸化層よりも異常成長し易い。この異常成長は、成膜温度、成膜時の投入パワー、膜厚に依存する。高温で成膜する場合には、膜が完全に結晶化する。但し、結晶化すると同時に、表面に異常成長が生じてしまう。
実験結果より、成膜温度300℃、スパッタパワー1kWで膜厚50nm程度の酸化イリジウム膜を成膜する場合には、成膜ガスにおけるO2の割合を35%以上とすれば、膜表面に異常成長は見られない。膜厚25nm程度の酸化イリジウム膜を成膜する場合には、成膜ガスにおけるO2の割合を45%以下とすれば、膜表面に異常成長は見られない。なお、成膜時の投入パワーが低い場合、成膜時間が長くなり、得られる膜の酸化度が高くなり、異常成長もし易くなる。逆に、成膜時の投入パワーが高くなると、得られる膜の酸化度が低くなり、異常成長し難くなる。
一方、成膜温度が低い場合、例えば60℃で微結晶状態の酸化イリジウム膜を成膜する場合には、膜厚を150nmに形成しても、成膜ガスにおけるO2の割合が50%でも表面に異常成長が発生しない。工程劣化を防止するためには、上部電極として、材料に用いる導電性酸化物の酸化度が高く、且つ膜の異常成長及び膜中空孔が発生しないことが必要である。なお、酸化イリジウム膜の結晶粒径は、成膜条件によって変化する。高温の成膜温度で酸化度が低い場合、非常に小さい石垣状又は柱状になる。酸化度が高くなると、結晶粒径が大きくなる。一方、低温で成膜した酸化イリジウム膜は均一な微結晶であり、その後の熱処理により、柱状の結晶粒となる。その結晶粒径も高温によるものよりも大きい。即ち本実施形態では、上部電極11を構成する第1〜第3の導電性酸化層11a〜11cの結晶粒径は、この順に小、大、中となる。
本実施形態では、上述のように、第1の導電性酸化層11a上に、これよりも酸化度が高い第2の導電性酸化層11b、及び結晶化している第3の導電性酸化膜11cを形成し、更に場合に応じて貴金属膜を形成する構成を取る。この構成により、上部電極11では、異常な結晶成長の発生が抑止される。この方法により形成された強誘電体キャパシタ構造は、強誘電体膜10と上部電極膜11とで反応し難く、界面層の生成が抑制される上に、巨大結晶の成長が抑制されるため、後の還元雰囲気中における熱処理においても水素の拡散が生じ難く、強誘電体膜が還元され難い。従って、良好なキャパシタ特性を得ることができる。
一般的に、金属状態のIrやPtは、水素触媒として作用することが周知である。即ち、金属状態のIrやPtと接触すると水素は活性化される。単膜のIrやPtは、これを上部電極に用いた場合、キャパシタの工程劣化を惹起し易くなるため、使用できない。上記の第1の導電性酸化層上に直接に金属状態のIrやPtを形成すれば、上部電極でも同じく工程劣化が生じ易くなる。例えば、3層配線を形成した後の強誘電体キャパシタ構造のスイッチング電荷量は、配線する前の50%以下となる。これは、第1の導電性酸化層であるIrOx膜(x=1.3〜1.8)中では、組成パラメータxの値が化学量論組成x=2.0よりも小さいために酸素欠損が生じており、酸化物成分と金属成分とが混在している。層間絶縁膜の形成工程や配線の形成工程で生じる水素が活性化されてしまい、かかる活性化された水素によりキャパシタ特性が劣化してしまう。
一方、化学量論組成に近い第2及び第2の導電性酸化層のIrOy膜、IrOz膜(y,z≒2)中には、酸素欠損が少なく金属Ir成分が殆ど含まれていないため、水素が活性化され難く、強誘電体キャパシタ構造上に多層配線構造を形成した後でも、キャパシタ特性が劣化することなく高水準に維持されると考えられる。
即ち、本実施形態によれば、上部電極と強誘電体膜との界面状態を改善し、また、工程劣化を改善することができる。この結果、反転電荷量を向上させ、抗電圧を低減し、疲労耐性及びインプリント耐性が向上する。そして、このような強誘電体キャパシタ構造は、次世代の低電圧で動作する強誘電体メモリに適用して極めて好適である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1実施形態では、プレーナ型の強誘電体メモリについて説明したが、第2の実施形態では、強誘電体キャパシタの上部電極の電気的接続を上方からとり、強誘電体キャパシタの下部電極の電気的接続を下方からとるスタック型の強誘電体メモリについて説明する。ただし、ここでは、強誘電体メモリの断面構造については、その製造方法とともに説明することにする。
図9〜図13は、第2の実施形態に係る強誘電体メモリ(半導体装置)の製造方法を工程順に示す断面図である。
第2の実施形態においては、先ず、図9(a)に示すように、半導体基板61に素子分離絶縁膜62と、例えばpウェル91を形成し、更に、半導体基板61上に、MOSFET101、102を形成するとともに、各MOSFETを覆うSiON膜67を形成する。
具体的には、先ず、Si基板等の半導体基板61の素子分離領域に、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により、素子分離絶縁膜62を形成し、素子形成領域を画定する。続いて、半導体基板61の素子形成領域の表面に、例えばホウ素(B)を、例えば、エネルギー300keV、ドーズ量3.0×1013cm-2の条件でイオン注入して、pウェル91を形成する。続いて、半導体基板61上に、例えば熱酸化法により、膜厚3nm程度のシリコン酸化膜を形成する。続いて、シリコン酸化膜上に、CVD法により、膜厚180nm程度の多結晶シリコン膜を形成する。続いて、多結晶シリコン膜及びシリコン酸化膜を、素子形成領域のみに残すパターニングを行って、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜63と、多結晶シリコン膜からなるゲート電極64を形成する。
続いて、ゲート電極64をマスクとして、半導体基板61の表面に、例えばリン(P)を、例えば、エネルギー13keV、ドーズ量5.0×1014cm-2の条件でイオン注入して、n-型の低濃度拡散層92を形成する。続いて、全面に、CVD法により、膜厚300nm程度のSiO2膜を形成した後、異方性エッチングを行って、当該SiO2膜をゲート電極64の側壁にのみ残して、サイドウォール66を形成する。
続いて、ゲート電極64及びサイドウォール66をマスクとして、半導体基板61の表面に、例えば砒素(As)を、エネルギー10keV、ドーズ量5.0×1014cm-2の条件でイオン注入して、n+型の高濃度拡散層93を形成する。
続いて、全面に、スパッタリング法により、例えばTi膜を堆積する。その後、温度400℃乃至900℃の熱処理を行うことによって、ゲート電極64の多結晶シリコン膜とTi膜がシリサイド反応し、ゲート電極64の上面にシリサイド層65が形成される。その後、フッ酸等を用いて、未反応のTi膜を除去する。これにより、半導体基板61上に、ゲート絶縁膜63、ゲート電極64、シリサイド層65、サイドウォール66、並びに低濃度拡散層92及び高濃度拡散層93からなるソース/ドレイン拡散層を備えたMOSFET101、102が形成される。なお、本実施形態においては、nチャンネル型のMOSFETの形成を例にして説明を行ったが、pチャンネル型のMOSFETを形成するようにしてもよい。続いて、前面に、プラズマCVD法により、膜厚200nm程度のSiON膜67を形成する。
次いで、図9(b)に示すように、プラズマCVD法により、SiON膜67上に、膜厚が1000nm程度のシリコン酸化膜を堆積した後、これをCMP法により平坦化し、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜68を、膜厚700nm程度で形成する。続いて、各MOSFETの高濃度拡散層93まで到達するビア孔69zを、例えば0.25μm程度の径で層間絶縁膜68及びSiON膜67に形成する。その後、ビア孔69z内に、スパッタリング法により、Ti膜を膜厚30nm程度、TiN膜を膜厚20nm程度で連続して積層することにより、グルー膜69aを形成する。続いて、更に、CVD法により、当該各ビア孔69z内を埋めるのに足る膜厚のW膜を堆積した後、CMP法により層間絶縁膜68の表面が露出までW膜の平坦化を行うことにより、ビア孔69z内にWプラグ69b、69cを形成する。ここで、Wプラグ69bは、各MOSFETのソース/ドレイン拡散層のうちの一方と接続するものであり、Wプラグ69cは、他方と接続するものである。
次いで、図9(c)に示すように、前面に、プラズマCVD法により、膜厚130nm程度の酸化防止膜となるSiON膜70を形成する。続いて、SiON膜70上に、TEOSを原料としたプラズマCVD法により、膜厚300nm程度のシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜71を形成する。続いて、Wプラグ69bの表面を露出させるビア孔72zを、例えば0.25μm程度の径で層間絶縁膜71及びSiON膜70に形成する。その後、ビア孔72z内に、スパッタリング法により、Ti膜を膜厚30nm程度、TiN膜を膜厚20nm程度で連続して積層することにより、グルー膜72aを形成する。続いて、更に、CVD法により、当該各ビア孔72z内を埋めるのに足る膜厚のW膜を堆積した後、CMP法により層間絶縁膜71の表面が露出までW膜の平坦化を行うことにより、ビア孔72z内にWプラグ72bを形成する。
その後、層間絶縁膜71の表面をNH3(アンモニア)プラズマで処理し、層間絶縁膜71の表面の酸素原子にNH基を結合させる。このアンモニアプラズマ処理は、例えば、半導体基板61に対して約9mm(350mils)離間した位置に対向電極を有する平行平板型のプラズマ処理装置を用いて、圧力266Pa(2Torr)程度、基板温度400℃程度で保持された処理容器中に、アンモニアガスを流量350sccm程度で供給し、半導体基板61に13.56MHz程度の高周波を電力100W程度、また、前記対向電極に350kHz程度の高周波を電力55W程度、それぞれ60秒間程度で供給することにより行われる。
次いで、図10(a)に示すように、層間絶縁膜71及びWプラグ72b上に、TiN膜73を形成する。
具体的には、先ず、前面に、例えば、半導体基板61とターゲットの間の距離を60mm程度に設定したスパッタリング装置を用いて、圧力0.15Pa程度のAr雰囲気下で、基板温度20℃程度、DC電力2.6kW程度を7秒間程度供給するスパッタリングにより、Ti膜を形成する。このTi膜は、アンモニアプラズマ処理された層間絶縁膜71上に形成されているため、そのTi原子が層間絶縁膜71の酸素原子に捕獲されることなく、層間絶縁膜71の表面を自在に移動することができ、その結果、結晶面が(002)面に配向した自己組織化されたTi膜となる。続いて、このTi膜に対して、窒素雰囲気中で、温度650℃程度、時間60秒程度のRTA処理を行うことによって、TiN膜73を形成する。ここで、TiN膜73は、その結晶面が(111)面に配向したものとなる。
次いで、図10(b)に示すように、TiN膜73上に、Ti及びAlを合金化したターゲットを用いた反応性スパッタリング法により、膜厚100nm程度のTiAlN膜74aを形成する。このTiAlN膜74aは、例えば、Arが流量40sccm程度、且つ窒素が流量10sccm程度である混合雰囲気中において、圧力253.3Pa程度、基板温度400℃程度、電力1.0kW程度の条件によるスパッタリング法により形成される。このTiAlN膜74aは、下部電極の下層膜として機能するものである。続いて、TiAlN膜74a上に、例えば、Ar雰囲気中で、圧力0.11Pa程度、基板温度500℃程度、電力0.5kW程度の条件によるスパッタリング法により、膜厚100nm程度のIr膜74bを形成する。このIr膜74bは、下部電極の上層膜として機能するものである。なお、このIr膜74bの代わりにPt等の金属、或いはPtO,IrOx,SrRuO3などの導電性酸化物を用いることもできる。更に、下部電極を構成する膜としては、金属或いは金属酸化物の積層膜とすることもできる。
次いで、図10(c)に示すように、Ir膜74b上に、MO−CVD法により、キャパシタ膜となる強誘電体膜75Aを形成する。具体的に、本実施形態の強誘電体膜75Aは、2層構造を有するPZT膜(第1のPZT膜75a及び第2のPZT膜75b)で形成される。
より具体的には、先ず、Pb(DPM)2,Zr(dmhd)4及びTi(O−iOr)2(DPM)2を、それぞれTHF(Tetra Hydro Furan:C48O)溶媒中にいずれも濃度0.3mol/l程度で溶解し、Pb,Zr及びTiの各液体原料を形成する。更に、MO−CVD装置の気化器に流量0.474ml/分程度のTHF溶媒とともに、これらの液体原料をそれぞれ、0.326ml/分程度、0.200ml/分程度、及び0.200ml/分程度の流量で供給して気化させることにより、Pb,Zr及びTiの原料ガスを形成する。そして、MO−CVD装置において、圧力665Pa(5Torr)程度、基板温度620℃程度の条件下で、Pb,Zr及びTiの原料ガスを、620秒間程度供給することにより、Ir膜74b上に、膜厚100nm程度の第1のPZT膜75aを形成する。
続いて、酸素を含む雰囲気中において、600℃〜620℃で60秒間程度の熱処理を行うことが望ましい。この熱処理により、第1のPZT膜75aの表面に存する吸着不純物が飛散して除去される。この熱処理により、キャパシタ特性を更に向上させることができる。
続いて、全面に、例えばスパッタリング法により、膜厚1nm乃至30nm、本実施形態では20nm程度のアモルファス状態の第2のPZT膜75bを形成する。また、第2のPZT膜75bをMO−CVD法で形成する場合は、鉛(Pb)供給用の有機ソースとして、Pb(DPM)2(Pb(C111922)をTHF液に溶かした材料が用いられる。また、ジルコニウム(Zr)供給用の有機ソースとして、Zr(DMHD)4(Zr((C91524)をTHF液に溶かした材料が用いられる。また、チタン(Ti)供給用の有機ソースとして、Ti(O−iPr)2(DPM)2(Ti(C37O)2(C111922)をTHF液に溶かした材料が用いられる。
なお、本実施形態では、強誘電体膜75Aの形成を、MO−CVD法及びスパッタリング法により行うようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、ゾル−ゲル法、有機金属分解法、CSD法、化学気相蒸着法又はエピタキシャル成長法により形成することも可能である。
次いで、図11(a)に示すように、強誘電体膜75A上に上部電極膜76Aを形成する。
上部電極膜76Aは、化学量論組成が組成パラメータx1を用いて化学式M1Ox1で表され、実際の組成が組成パラメータx2を用いて化学式M1Ox2で表される酸化物よりなる第1の導電性酸化層76aと、第1の導電性酸化層76a上に形成されており、化学量論組成が組成パラメータy1を用いて化学式M2Oy1で表され、実際の組成が組成パラメータy2を用いて化学式M2Oy2で表される酸化物よりなる第2の導電性酸化層76bと、第2の導電性酸化層76b上に形成されており、化学量論組成が組成パラメータz1を用いて化学式M3Oz1で表され、実際の組成が組成パラメータz2を用いて化学式M3Oz2で表される酸化物よりなる第3の導電性酸化層76cとを有して構成される。ここで、第2の導電性酸化層76bは、第1及び第2の導電性酸化層76a,76bよりも酸化の割合が高く構成され、組成パラメータx1,x2,y1,y2,z1及びz2の間には、y2/y1>x2/x1,y2/y1>z2/z1及びz2/z1≧x2/x1の関係が成立するものである。本実施形態では、M1,M2,M3をいずれもIrとし、例えば、x2が1.9程度、y2が2.1程度、z2が2.0程度となる場合について例示する(なお、これらの値はHRBS分析の結果である。)。この場合、x1,y1,z1=2となる。以下では記載の便宜上、x2,y2,z2をそれぞれx,y,zと記載することにする。
上部電極膜76Aの形成に当たっては、先ず、強誘電体膜75A上に第1の導電性酸化層76aを形成する。
強誘電体膜75A上に、例えばスパッタ法により、成膜した時点で結晶化してなるIrOx膜を膜厚20nm〜70nm、例えば25nm程度に堆積し、第1の導電性酸化層76aを形成する。例えば、このときの成膜温度を300℃とし、成膜ガスとしてAr及びO2を用い、成膜ガスの流量を、例えばAr:140sccm,O2:60sccmとする。また、スパッタパワーを例えば1kW程度とする。
続いて、Ar及びO2を含有する雰囲気(例えばAr:2000sccm,O2:20sccm)中において、例えば725℃で60秒間のRTAを行う。この熱処理により、強誘電体膜75Aを完全に結晶化させると共に、第1の導電性酸化層76aが成膜時に受けたプラズマダメージを回復することができ、強誘電体膜75A中の酸素欠損が補償される。
続いて、第1の導電性酸化層76a上に第2の導電性酸化層76bを形成する。
例えばスパッタ法により、第1の導電性酸化層76a上にIrOy膜を膜厚100nm〜150nmに堆積し、第2の導電性酸化層76bを形成する。このとき、成膜温度を30℃以上100℃以下、好ましくは50℃以上75℃以下の範囲内の温度とし、成膜の時点でIrOyが微結晶化するように制御する。成膜ガスとしてAr及びO2を用い、成膜ガスにおけるO2の割合が第1の導電性酸化層76aより高くなるように(第1の導電性酸化層76aの形成時よりも酸化の割合が高くなるように)、成膜ガスの流量を、例えばAr:100sccm,O2:100sccmとする。また、スパッタパワーを例えば1kW程度とする。このとき、第2の導電性酸化層76bには異常酸化が生じておらず、組成が均一な微結晶状態とされてなるIrOyが得られる。
この際、工程劣化を抑えるために、第2の導電性酸化層76bのIrOyをIrO2の化学量論組成に近い組成となるように形成することが望ましい。この構成により、水素に対して触媒作用を生じることがなく、強誘電体膜75Aが水素ラジカルにより還元されてしまう問題が抑制され、強誘電体キャパシタ構造の水素耐性が向上する。
続いて、Ar及びO2を含有する雰囲気(例えばAr:2000sccm,O2:20sccm)中において、例えば700℃で60秒間のRTAを行う。この熱処理により、強誘電体膜75A、第1の導電性酸化層76a及び第2の導電性酸化層76bの密着性を向上させるとともに、第2の導電性酸化層76bの結晶性がより安定化し、酸素欠損等の欠陥を抑止することができる。
続いて、第2の導電性酸化層76b上に第3の導電性酸化層76cを形成する。
第2の導電性酸化層76b上に、例えばスパッタ法により、IrOz膜を膜厚20nm〜100nmに堆積し、第3の導電性酸化層76cを形成する。このとき、成膜温度を150℃以上500℃以下、例えば300℃とし、成膜の時点でIrOzが結晶化するように制御する。成膜ガスとしてAr及びO2を用い、成膜ガスにおけるO2の割合が第2の導電性酸化層76bより低くなるように(第2の導電性酸化層76bの形成時よりも酸化の割合が低くなるように)、成膜ガスの流量を、例えばAr:140sccm,O2:60sccmとする。また、スパッタパワーを例えば1kW〜2kW程度とする。このとき、第3の導電性酸化層76cには異常酸化が生じておらず、組成が均一な結晶状態とされてなるIrOzが得られる。
続いて、第3の導電性酸化層76c上に貴金属、例えばIr、Ru等又は当該貴金属を含む合金よりなる膜厚50nm〜150nm程度の第4の層76dを堆積しても良い。第4の層76dにより、後述する上部電極76を形成する際の配線との間のエッチングダメージが低減される。貴金属としてIrを用いた場合、例えば、成膜温度を400℃とし、流量がAr:199sccmの成膜ガスでスパッタ法により形成する。
以上により、強誘電体膜75A上に、第1の導電性酸化層76a、第2の導電性酸化層76b、第3の導電性酸化層76c及び第4の層76dが順次積層されてなる上部電極膜76Aが形成される。
本実施形態では、上部電極膜76Aを構成する第1の導電性酸化層76a、第2の導電性酸化層76b及び第3の導電性酸化層76cをイリジウム酸化物で形成した例を示しているが、本発明では、これに限定されるものではなく、各層76a〜76cに、例えば、白金酸化物、ルテニウム酸化物、ストロンチウム・ルテニウム酸化物、ロジウム酸化物、レニウム酸化物、オスミウム酸化物及びパラジウム酸化物からなる群から選択された少なくとも1種の酸化物で構成された膜を適用することも可能である。この場合、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ストロンチウム(Sr)及びルテニウム、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)及びパラジウム(Pd)からなる群から選択された少なくとも1種の貴金属元素を含むターゲットを用いたスパッタリングを、当該貴金属元素の酸化が生じる条件下で行う形態を採る。
この場合、第1の導電性酸化層76aの金属元素M1と第2の導電性酸化層76bの金属元素M2とを異なるものとしたり、第1の導電性酸化層76aの金属元素M1と第3の導電性酸化層76cの金属元素M3とを異なるものとしたり、第1〜第3の導電性酸化層76a〜76cの各金属元素のうちの2種を同一とし、他の1種を異なるものとする等、様々な組み合わせが考えられる。
次いで、図11(b)に示すように、半導体基板61の背面洗浄を行った後、第4の膜76d上の強誘電体キャパシタ形成領域のみを覆うハードマスク(不図示)を形成する。ここで、ハードマスクとしては、例えば温度200℃程度の条件で膜厚200nm程度の窒化チタン膜と、例えば温度390℃程度の条件で膜厚390nm程度のTEOSを用いたシリコン酸化膜とを順次形成し、これらをパターニングして形成する。
続いて、ハードマスクを用いたエッチングにより、強誘電体キャパシタ形成領域以外の領域の上部電極膜76A、強誘電体膜75A、Ir膜74b、TiAlN膜74a及びTiN膜73を除去する。これにより、強誘電体キャパシタ形成領域には、TiAlN膜74a及びIr膜74bからなる下部電極74と、第1のPZT膜75a及び第2のPZT膜75bからなる強誘電体膜75と、第1の導電性酸化層76a、第2の導電性酸化層76b、第3の導電性酸化層76c及び第4の層76dからなる上部電極76とを具備する強誘電体キャパシタ構造が形成される。その後、ハードマスクを除去した後、酸素雰囲気において、例えば、温度300℃〜500℃、時間30分間〜120分間の熱処理を行う。
次いで、図12(c)に示すように、強誘電体キャパシタ構造及び層間絶縁膜71を覆うように、Al23膜78を形成するとともに、Al23膜78上に層間絶縁膜79を形成する。
具体的には、最初に、スパッタリング法により、膜厚20nm程度でAl23膜を堆積した後、温度600℃の酸素雰囲気中での熱処理を行って強誘電体キャパシタ中に生じた酸素欠損の回復を行う。続いて、CVD法により、更に膜厚20nm程度のAl23膜を堆積してAl23膜78を形成する。ここで、Al23膜78の代わりに、ALD法により膜厚2nm程度のAl23膜を形成しても良い。
続いて、強誘電体膜75のダメージを回復させる目的で、酸素含有雰囲気中で強誘電体膜75に対して回復アニールを施す。この回復アニールの条件は特に限定されないが、本実施形態では、炉内において基板温度550℃〜700℃として行われる。強誘電体膜75がPZT膜の場合、酸素雰囲気中において600℃で60分間のアニール処理を行うことが望ましい。更に、Al23膜78を覆うように、CVD法によりAl23膜(不図示)を例えば膜厚40nm程度に形成しても良い。
続いて、全面に、例えばプラズマTEOSを用いたCVD法により、膜厚1500nm程度のシリコン酸化膜を堆積し、その後、CMP法により、当該シリコン酸化膜を平坦化して層間絶縁膜79を形成する。ここで、層間絶縁膜79としてシリコン酸化膜を形成する場合には、原料ガスとして、例えば、TEOSガス、酸素ガス及びヘリウムガスの混合ガスを用いる。なお、層間絶縁膜79として、例えば、絶縁性を有する無機膜等を形成するようにしても良い。その後、N2Oガス又はN2ガス等を用いて発生させたプラズマ雰囲気にて、熱処理を行う。この熱処理の結果、層間絶縁膜79中の水分が除去されるとともに、層間絶縁膜79の膜質が変化し、層間絶縁膜79中に水分が入り難くなる。
次いで、図12(a)に示すように、全面に、例えばスパッタリング法又はCVD法により、バリア膜となるAl23膜80を、膜厚20nm〜100nmで形成する。このAl23膜80は、平坦化された層間絶縁膜79上に形成されるため、平坦に形成される。続いて、全面に、例えばプラズマTEOSを用いたCVD法により、シリコン酸化膜を堆積し、その後、CMP法により、当該シリコン酸化膜を平坦化して、膜厚800nm〜1000nmの層間絶縁膜81を形成する。なお、層間絶縁膜81として、SiON膜又はシリコン窒化膜等を形成するようにしてもよい。
次いで、先ず、強誘電体キャパシタにおける水素バリア膜であるIr膜77の表面を露出させるビア孔82zを、層間絶縁膜81、Al23膜80、層間絶縁膜79及びAl23膜78に形成した後、温度550℃程度の酸素雰囲気中において熱処理を行って、当該ビア孔の形成に伴って強誘電体膜75中に生じた酸素欠損を回復させる。その後、図12(b)に示すように、ビア孔82z内に、例えば、スパッタリング法によりTi膜を堆積し、続いて、MO−CVD法によりTiN膜を連続して堆積して、Ti膜及びTiN膜の積層膜であるグルー膜82aを形成する。この場合、TiN膜から炭素除去を行う必要があるため、窒素と水素の混合ガスプラズマ中での処理が必要になるが、本実施形態では、強誘電体キャパシタに水素バリア膜となるIr膜77を形成しているため、強誘電体膜75に水素が侵入して当該強誘電体膜75を還元してしまうという問題は生じない。
続いて、CVD法により、ビア孔82z内を埋めるのに足る膜厚のW膜を堆積した後、CMP法により層間絶縁膜81の表面が露出までW膜の平坦化を行うことにより、ビア孔82z内にWプラグ82bを形成する。更に、続いて、Wプラグ69cの表面を露出させるビア孔83zを、層間絶縁膜81、Al23膜80、層間絶縁膜79、Al23膜78、層間絶縁膜71及びSiON膜70に形成した後、ビア孔83z内に、TiN膜からなるグルー膜83aを形成する。なお、このグルー膜83aは、例えば、スパッタリング法によりTi膜を堆積し、続いて、MO−CVD法によりTiN膜を連続して堆積して、Ti膜及びTiN膜の積層膜からなるものとして形成することも可能である。その後、ビア孔83z内を埋めるのに足る膜厚のW膜を堆積した後、CMP法により層間絶縁膜81の表面が露出までW膜の平坦化を行うことにより、ビア孔83z内にWプラグ83bを形成する。
次いで、図13に示すように、金属配線層84を形成する。
具体的に、先ず、前面に、例えばスパッタリング法により、膜厚60nm程度のTi膜、膜厚30nm程度のTiN膜、膜厚360nm程度のAlCu合金膜、膜厚5nm程度のTi膜、及び膜厚70nm程度のTiN膜を順次積層する。続いて、フォトリソグラフィー技術を用いて、当該積層膜を所定形状にパターニングして、各Wプラグ82b,83b上に、Ti膜及びTiN膜からなるグルー膜84aと、AlCu合金膜からなる配線膜84bと、Ti膜及びTiN膜からなるグルー膜84cとからなる金属配線層84が形成される。
その後、更に、層間絶縁膜の形成やコンタクトプラグの形成を行った後、2層目以降の金属配線層を形成して、下部電極74、強誘電体膜75及び下部電極76を具備する強誘電体キャパシタ構造を有する本実施形態に係る強誘電体メモリを完成させる。
次に、本実施形態の強誘電体キャパシタ構造について、本発明者が実際に行った電気特性試験の結果について説明する。
上部電極の各サンプルを以下のように形成する。共通条件としては、第1の導電性酸化層のIrOxについては、成膜温度300℃で成膜ガス中の酸素割合が30%の条件にて膜厚25nm程度に形成し、RTAで熱処理を行った。第2の導電性酸化層のIrOyについては、成膜温度60℃で成膜ガス中の酸素割合が50%の条件にて形成し、RTAで熱処理を行った。第3の導電性酸化層のIrOzについては、成膜温度300℃で形成した。第4の膜のIrについては、膜厚100nm程度に形成した。
上部電極の各サンプル(1)〜(4)の構造は以下の通りである。
(1)IrOx:膜厚25nm/IrOy:膜厚125nm/Ir:膜厚100nm
(2)IrOx:膜厚25nm/IrOy:膜厚125nm/IrOz:膜厚25nm( O2:10%)/Ir:膜厚100nm
(3)IrOx:膜厚25nm/IrOy:膜厚125nm/IrOz:膜厚25nm( O2:30%)/Ir:膜厚100nm
(4)IrOx:膜厚25nm/IrOy:膜厚125nm/IrOz:膜厚25nm( O2:45%)/Ir:膜厚100nm
各各サンプル(1)〜(4)を上部電極として有する各強誘電体キャパシタ構造について、プロセスアウト(5層配線の形成後)の電気特性を測定した。図14は、Discrete(平面形状が50μm×50μmの正方形の強誘電体キャパシタ構造をシリコン基板に互いに孤立するように50個作製した場合)及びCell Array(0.7μm×0.7μmの同一の強誘電体キャパシタ構造を5152個密集して形成してなるセル領域を50箇所作製した場合)のスイッチング電荷量(反転電荷、印加電圧を1.8V)を示す。
従来の方法(特許文献2の方法)では、反転電荷量が2.0×10-5C/cm2以下であり、強誘電体キャパシタ構造がかなり劣化した(不図示)。図14に示すように、IrOzを成膜する場合、酸素割合が10%の場合、反転電荷量はIrOzがない場合で、さほど変わらない。一方、酸素の割合が30%及び45%のとき、強誘電体キャパシタ構造の反転電荷量が8%程度大きくなる。
図15は、(a)がDiscrete、(b)がCell Arrayに対応しており、強誘電体メモリにおける強誘電体キャパシタ構造の印加電圧と反転電荷量QSWとの関係を測定した結果を示す特性図である。
図15に示すように、サンプル構造(2)については、Cell ArrayよりもDiscreteの方が反転電荷量(スイッチング電荷量Qsw=[(N−U)+(P−D)]/2)が若干高めであり、サンプル構造(3),(4)については、Discrete及びCell Arrayの双方において、印加電圧の低電圧から飽和電圧にわたって、サンプル構造(1)よりも高い反転電荷量QSWが得られるとともに、その勾配が大きくなっていることが判る。
従来の方法(特許文献2の方法)において、第2の導電性酸化層の成膜温度を制御しない場合、第2の導電性酸化層はアモルファス状であり、その後の熱処理により膜中空孔が発生し易くなる。これらの空孔は耐水素効果及びや耐水効果が低く、工程劣化が発生し易くなる。一方、第2の導電性酸化層の成膜温度を60℃に制御することより、均一な微結晶のIrO2が得られ、その後の熱処理により結晶化しても、IrO2中の空孔が大幅に低減し、耐工程劣化能力が向上した。更に、第2の導電性酸化層上に、結晶化された第3の導電性酸化層を成膜することより、強誘電体キャパシタ構造の耐工程劣化能力が更に向上した。酸素割合が10%の場合、IrOzのzが低いので、不安定なIrOz化合物となり、膜中空孔が発生しないが、水素浸入のバリア性が低く、ある程度の工程劣化が見られる。一方、酸素割合が30%以上になると、IROzが安定な化合物になり、膜中空孔が発生せず、かつ水素の浸入を遮断することができるため、耐工程劣化能力が大幅に向上する。
即ち、第2の導電酸化層を低温で微結晶状態に成膜することにより、その後の熱処理を行っても均一な膜が得られる。更に、結晶状態とされた安定な第3の導電性酸化層を第2の導電性酸化層上に成膜することより、上部電極上に存する層間絶縁膜から浸入した水素や水が完全に防止され、強誘電体キャパシタ構造の劣化が可及的に抑止される。
従来の方法(特許文献2の方法)により形成された強誘電体キャパシタ構造を図16(a)に、本発明による強誘電体キャパシタ構造を図16(b),(c)にそれぞれ示す。図16の各図では便宜上、各上部電極を構成する各層について、(a)では下から順に上部電極IrO1,上部電極IrO2,結晶化上部電極Irと、(b),(c)では下から順に上部電極IrO1,上部電極IrO2,上部電極IrO3,結晶化上部電極Irとそれぞれ記す。
図16(a)の第2の層導電性酸化層においては、成膜温度が制御されていないため、下層がアモルファス状、上層が柱状構造となる。熱処理により、アモルファス状の下層はシューリングされ、酸素空位が多く発生する。この場合、水素や水浸入経路が短いため、強誘電体膜が劣化し易いと考えられる。
これに対して、図16(b),(c)の本発明の方法では、第2の導電性酸化層の成膜温度を制御することにため、安定な微結晶状態のIrO2が得られる。この第2の導電性酸化層を熱処理することにより、均一な石垣状或いは柱状のIrO2になる。更に、酸化度が第2の導電性酸化層より低く、膜中空孔が発生しない結晶状態の第3の導電性酸化層を形成することにより、上部電極における結晶の異常成長が抑止される。結晶粒径を制御することにより、膜中空孔の発生を最小限に抑えることができ、水素や水の浸入経路が長くなり、強誘電体膜が劣化し難いと考えられる。
以上の結果より、本実施形態では、強誘電体膜上に形成された第1の導電性酸化層により、強誘電体膜との界面が改善される。そして、第1の導電性酸化層上に、これよりも酸化度が高い微結晶の第2の導電性酸化層を形成することにより、膜中空孔の発生が抑止される。更に、第2の導電性酸化層上に、結晶状態の第3の導電性酸化層を形成することにより、膜中空孔の発生が更に抑止される。これにより、工程劣化を抑えることができ、上部電極における異常成長を抑止し、均一に結晶化された上部電極が得られる。この強誘電体キャパシタ構造は、次世代の低電圧で動作する強誘電体メモリへ適用して極めて好適である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、第2の実施形態と同様にスタック型の強誘電体メモリを開示するが、Wプラグの構造が若干異なる点で相違する。本実施形態では、図13に対応する完成された強誘電体メモリの概略断面図を用いて、第2の実施形態と異なる点のみを説明する。なお、第2の実施形態で説明した構成部材等と同じものには、同符号を付す。
第2の実施形態では、図9(c)に示したように、Wプラグ72bをCMP法により平坦化形成する場合、層間絶縁膜71の表面とWプラグ72bの表面とを均一に平坦化することには若干の困難性がある。一般的に、Wプラグ72bの上面の高さが層間絶縁膜68のそれよりも低くなり、Wプラグ72bの周囲の層間絶縁膜71にリセス(溝)が形成されることになる。このリセスの深さは20nm〜50nm程度であり、典型的には約50nm程度である。このリセスは、下部電極76及び強誘電体膜75の配向に少なからず影響を与える。
本実施形態では、上記のリセス発生の問題を解決することも考慮して、以下のように下地導電膜を形成する。
図17は、第3の実施形態により作製された強誘電体メモリを示す概略断面図である。
本実施形態では、先ず、Wプラグ72bをCMP法により形成した際に平坦化された層間絶縁膜71の表面を、例えばNH3プラズマで処理する。これにより、層間絶縁膜68の表面の酸素原子にNH基を結合させる。層間絶縁膜71上にTi原子が更に堆積されても、堆積したTi原子は酸素原子に捕獲されてしまうことがなく、層間絶縁膜71の表面を自在に移動でき、その結果、層間絶縁膜71上には、(002)配向に自己組織化されたTi膜が形成される。
上記のNH3プラズマ処理は、例えば半導体基板61に対して約9mm(350mils)離間した位置に対向電極を有する平行平板型のプラズマ処理装置を使い、266Pa(2Torr)の圧力下、400℃の基板温度で保持された処理容器中にアンモニアガスを350sccmの流量で供給し、被処理基板側に13.56MHzの高周波を100Wの投入パワーで、また対向電極に350kHzの高周波を55Wの投入パワーで、60秒間供給することにより実行することができる。
次に、例えば半導体基板61とターゲットの間の距離を60mmに設定したスパッタ装置中で、0.15PaのAr雰囲気下、20℃の基板温度で2.6kWのスパッタDCパワーを35秒間供給する。これにより、強いTi(002)配向のTi膜(100nm)を得ることができる。
次に、窒素の雰囲気中において650℃で60秒間のRTA熱処理を行い、Wプラグ72b上及び層間絶縁膜71上を覆う(111)配向の窒化チタン(TiN)からなる下地導電膜91を形成する。この下地導電膜の膜厚は100nm〜300nm程度が好ましい。本実施形態では、100nm程度とされる。この下地導電膜91は、TiNに限定されず、タングステン膜、シリコン膜、及び銅膜のいずれかを下地導電膜91として形成しても良い。
ここで、Wプラグ72bの周囲の層間絶縁膜71に既述のように形成されたリセスを反映して、その下地導電膜91の上面には凹部が形成される。しかし、このような凹部が形成されていると、下地導電膜91の上方に後に形成される強誘電体膜75の結晶性が劣化する恐れがある。
そこで、本実施形態では、CMP法により下地導電膜91の上面を研磨して平坦化し、上記した凹部を除去する。このCMPで使用されるスラリーは特に限定されないが、本実施形態では、例えばCabot Microelectronics Corporation製のSSW2000を使用する。
ところで、CMP後の下地導電膜91の膜厚は、研磨誤差に起因して、半導体基板61の面内や、複数の半導体基板61間でばらつく。そのばらつきを考慮して、本実施形態では、研磨時間を制御することにより、CMP後における下地導電膜91の膜厚の目標値を50nm〜100nm、より好ましくは50nmとする。
上記のように下地導電膜91に対してCMPを行った後では、下地導電膜91の上面付近の結晶が研磨によって歪んだ状態となっている。しかし、このように結晶に歪が発生している下地導電膜91の上方に強誘電体キャパシタ構造の下部電極76を形成すると、その歪みを下部電極76が拾ってしまって下部電極76の結晶性が劣化し、ひいてはその上の強誘電体膜75の強誘電体特性が劣化することになる。
このような不都合を回避するために、次の工程では、下地導電膜91の上面を上記のNH3プラズマに曝すことで、下地導電膜91の結晶の歪みがその上の膜に伝わらないようにする。
次に、下地導電膜91上に、結晶性向上の導電性膜としてTi膜(不図示)を形成し、窒素の雰囲気中熱処理により窒化させる。その後のプロセスは第2の実施形態と同じ方法を実行する。強誘電体キャパシタ構造のエッチング加工形成時において、下地導電膜91及びTi膜もエッチングされ、下地導電膜91及びTi膜は下部電極76等とほぼ同一形状となる。本実施形態でも第2の実施形態と同じ効果が得られる。
なお、下地導電膜をCMP加工する際に、Wプラグ72b上のみに下地導電膜が残存するように、即ち例えば層間絶縁膜71を研磨ストッパーとして下地導電膜を研磨しても良い。この状態に下地導電膜が存する装置構成を、図18に示す。ここでは、下地導電膜に92を付している。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態では、第2の実施形態と同様にスタック型の強誘電体メモリを開示するが、Wプラグの構造が若干異なる点で相違する。本実施形態では、図13に対応する完成された強誘電体メモリの概略断面図を用いて、第2の実施形態と異なる点のみを説明する。なお、第2の実施形態で説明した構成部材等と同じものには、同符号を付す。
第2の実施形態では、図12(b)において、Wプラグ69cと電気的に接続されるように、Wプラグ83bを形成する、所謂via-to-via構造を採る場合について例示したが、本実施形態では、Wプラグ69c及びWプラグ83bの代わりに、1つのWプラグを形成する。
本実施形態では、図19に示すように、層間絶縁膜68にWプラグを形成する工程において、Wプラグ69cを形成することなく、更には、SiON膜70、層間絶縁膜71、グルー膜72a及びWプラグ72b等を形成することなく、層間絶縁膜68にグルー膜93a及びWプラグ93bのみを形成する。そして、層間絶縁膜81等にWプラグを形成する工程において、層間絶縁膜81、Al23膜80、層間絶縁膜79、Al23膜78、層間絶縁膜68、及びSiON膜67に、高濃度拡散層93の表面の一部を露出させるコンタクト孔を形成し、CVD法及びCMP法によりこのコンタクト孔を埋め込むグルー膜94a及びWプラグ94bを形成する。
なお、本実施形態でも第2の実施形態と同じ効果が得られる。
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)半導体基板と、
前記半導体基板の上方に形成され、上部電極と下部電極との間にキャパシタ膜が挟持されてなるキャパシタ構造とを含み、
前記上部電極は、M1,M2,M3をそれぞれ1つ又は複数の金属元素として、
化学量論組成が組成パラメータx1を用いて化学式M1Ox1で表され、実際の組成が組成パラメータx2を用いて化学式M1Ox2で表される酸化物よりなる第1の層と、
前記第1の層上に形成されており、化学量論組成が組成パラメータy1を用いて化学式M2Oy1で表され、実際の組成が組成パラメータy2を用いて化学式M2Oy2で表される酸化物よりなる第2の層と、
前記第2の層上に形成されており、化学量論組成が組成パラメータz1を用いて化学式M3Oz1で表され、実際の組成が組成パラメータz2を用いて化学式M3Oz2で表される酸化物よりなる第3の層と
を有して構成されており、
前記第2の層は、前記第1の層及び前記第3の層よりも酸化の割合が高く構成され、前記組成パラメータx1,x2,y1,y2,z1及びz2の間には、
2/y1>x2/x1,y2/y1>z2/z1及びz2/z1≧x2/x1
の関係が成立することを特徴とする半導体装置。
(付記2)前記第1の層の前記金属元素M1と、前記第2の層の前記金属元素M2とは同一であることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)前記第1の層の前記金属元素M1と、前記第2の層の前記金属元素M2とは異なることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記4)前記第1の層の前記金属元素M1と、前記第3の層の前記金属元素M3とは同一であることを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記5)前記第1の層の前記金属元素M1と、前記第3の層の前記金属元素M3とは異なることを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記6)前記第1の層の前記金属元素M1と、前記第2の層の前記金属元素M2と、前記第3の層の前記金属元素M3とは、それぞれ相異なることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記7)前記上部電極は、前記第3の層上に形成されており、貴金属又は貴金属を含む合金よりなる第4の層を更に有することを特徴とする付記1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記8)前記第1の層の膜厚は、前記第2の層の膜厚よりも薄いことを特徴とする付記1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記9)前記第3の層の膜厚は、前記第2の層の膜厚よりも薄い、50nm以下であることを特徴とする付記1〜8のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記10)前記第1の層の結晶粒径は、前記第2の層の結晶粒径よりも小さいことを特徴とする付記1〜9のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記11)前記第3の層の結晶粒径は、前記第2の層の結晶粒径よりも小さいことを特徴とする付記1〜10のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記12)前記キャパシタ膜は、強誘電体膜であることを特徴とする付記1〜11のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記13)キャパシタ構造を有する半導体装置の製造方法であって、
半導体基板の上方に、前記キャパシタ構造の下部電極を形成する工程と、
前記下部電極上にキャパシタ膜を形成する工程と、
前記キャパシタ膜上に、少なくとも、第1の導電性酸化層、第2の導電性酸化層及び第3の導電性酸化層を順次積層し、上部電極を形成する工程と
を含み、
前記第1の導電性酸化層及び前記第3の導電性酸化層の形成工程を、前記第2の導電性酸化層の堆積工程よりも、酸化の割合が低い条件下において実行することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記14)前記第3の導電性酸化層の形成工程において、前記半導体基板の温度を制御して前記第3の導電性酸化層を結晶化することを特徴とする付記13に記載の半導体装置の製造方法。
(付記15)前記キャパシタ膜を堆積する工程の後、前記第1の導電性酸化層を堆積する工程の前に、前記キャパシタ膜を、不活性ガス及び酸化性ガスの混合雰囲気中において第1の温度で熱処理した後、酸素を含む雰囲気中において前記第1の温度よりも高い第2の温度で熱処理し、前記キャパシタ膜を結晶化する工程を更に含むことを特徴とする付記13又は14に記載の半導体装置の製造方法。
(付記16)前記キャパシタ膜を堆積する工程の後、前記キャパシタ膜を、前記第1の導電性酸化層を堆積する工程の前に、不活性ガス及び酸化性ガスの混合雰囲気中において第1の温度で熱処理する工程と、
前記第1の導電性酸化層を堆積する工程の後に、前記キャパシタ膜を、酸素を含む雰囲気中において前記第1の温度よりも高い第2の温度で熱処理して結晶化する工程と
を更に含むことを特徴とする付記13又は14に記載の半導体装置の製造方法。
(付記17)前記キャパシタ膜を形成する工程の後、前記第1の導電性酸化層を堆積する工程の前に、前記キャパシタ膜を、酸化性ガスを含む雰囲気において第1の温度で熱処理する工程と、
結晶化した前記キャパシタ膜上に、当該キャパシタ膜よりも薄いアモルファスの上部キャパシタ膜を堆積する工程と、
前記第1の導電性酸化層を堆積する工程の後に、前記キャパシタ膜及び前記上部キャパシタ膜を、酸素を含む雰囲気中において前記第1の温度よりも高い第2の温度で熱処理して結晶化する工程を含むことを特徴とする付記13又は14に記載の半導体装置の製造方法。
(付記18)前記第2の導電性酸化層を堆積する工程の後に、前記第2の導電性酸化層を、酸素を含む雰囲気中において第3の温度で熱処理する工程を含むことを特徴とする付記13〜17のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記19)前記第2の導電性酸化層を、50℃以上75℃以下の範囲内の温度で成膜することを特徴とする付記13〜18のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記20)前記キャパシタ膜は、強誘電体膜であることを特徴とする付記13〜19のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
本発明の比較例の強誘電体キャパシタを示す断面図である。 本発明の比較例の強誘電体キャパシタを示す断面図である。 本発明の比較例の強誘電体キャパシタの断面について、TEMによる写真を示す図である。 第1の実施形態に係る強誘電体メモリ(半導体装置)の製造方法を工程順に示す断面図である。 図4に引き続き、第1の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図5に引き続き、第1の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図6に引き続き、第1の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図7に引き続き、第1の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 第2の実施形態に係る強誘電体メモリ(半導体装置)の製造方法を工程順に示す断面図である。 図9に引き続き、第2の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図10に引き続き、第2の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図11に引き続き、第2の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図12に引き続き、第2の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 強誘電体キャパシタ構造のスイッチング電荷量を示す特性図である。 強誘電体キャパシタ構造の印加電圧と反転電荷量QSWとの関係を測定した結果を示す特性図である。 本発明及び従来の方法による強誘電体キャパシタ構造の様子を模式的に示す断面図である。 第3の実施形態により作製された強誘電体メモリを示す概略断面図である。 第3の実施形態により作製された強誘電体メモリの他の例を示す概略断面図である。 第4の実施形態により作製された強誘電体メモリを示す概略断面図である。
符号の説明
1、61 半導体基板
2、62 素子分離絶縁膜
3、63 ゲート絶縁膜
4、64 ゲート電極
5、65 シリサイド層
6、66 サイドウォール
7 シリコン酸窒化膜
8a シリコン酸化膜
8b、12、13、78、80 Al23
9、74 下部電極
9a 下部電極膜
10a、10、75A、75 強誘電体膜
11、76 上部電極
11A、76A 上部電極膜
11a、76a 第1の導電性酸化層
11b、76b 第2の導電性酸化層
11c、76c 第3の導電性酸化層
11d 第4の層
14、68、71、79、81 層間絶縁膜
15、17、69b、69c、72b、82b、83b、93a、93b、94a、94b Wプラグ
15a、17a、18a、18b、69a、72a、82a、83a、84a、84c グルー膜
15z、17y、17z、69z、72z、82z、83z ビア孔
16、67、70 SiON膜
18、84b 配線膜
21、91 pウェル
22、92 低濃度拡散層
23、93 高濃度拡散層
73 TiN膜
74a TiAlN膜
74b Ir膜
75a、75b PZT膜
77 Ir膜
84 金属配線層
91、92 下地導電膜
101、102 MOSFET

Claims (10)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板の上方に形成され、上部電極と下部電極との間にキャパシタ膜が挟持されてなるキャパシタ構造とを含み、
    前記上部電極は、M1,M2,M3をそれぞれ、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ストロンチウム(Sr)及びルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、パラジウム(Pd)からなる群から選択された1種又は複数の貴金属元素として、
    化学量論組成が組成パラメータx1を用いて化学式M1Ox1で表され、実際の組成が組成パラメータx2を用いて化学式M1Ox2で表される酸化物よりなる第1の層と、
    前記第1の層上に形成されており、化学量論組成が組成パラメータy1を用いて化学式M2Oy1で表され、実際の組成が組成パラメータy2を用いて化学式M2Oy2で表される酸化物よりなる第2の層と、
    前記第2の層上に形成されており、化学量論組成が組成パラメータz1を用いて化学式M3Oz1で表され、実際の組成が組成パラメータz2を用いて化学式M3Oz2で表される酸化物よりなる第3の層と
    を有して構成されており、
    前記第2の層は、前記第1の層及び前記第3の層よりも酸化の割合が高く構成され、前記組成パラメータx1,x2,y1,y2,z1及びz2の間には、
    2/y1>x2/x1,y2/y1>z2/z1及びz2/z1≧x2/x1
    の関係が成立することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記上部電極は、前記第3の層上に形成されており、貴金属又は貴金属を含む合金よりなる第4の層を更に有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第3の層の膜厚は、前記第2の層の膜厚よりも薄い、50nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 前記第1の層の結晶粒径は、前記第2の層の結晶粒径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記第3の層の結晶粒径は、前記第2の層の結晶粒径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記キャパシタ膜は、強誘電体膜であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. キャパシタ構造を有する半導体装置の製造方法であって、
    半導体基板の上方に、前記キャパシタ構造の下部電極を形成する工程と、
    前記下部電極上にキャパシタ膜を形成する工程と、
    前記キャパシタ膜上に、少なくとも、第1の導電性酸化層、第2の導電性酸化層及び第3の導電性酸化層を順次積層し、上部電極を形成する工程と
    を含み、
    前記第1の導電性酸化層、前記第2の導電性酸化層及び前記第3の導電性酸化層は、それぞれ、イリジウム酸化物、白金酸化物、ルテニウム酸化物、ストロンチウム・ルテニウム酸化物、ロジウム酸化物、レニウム酸化物、オスミウム酸化物、パラジウム酸化物からなる群から選択された1種又は複数の酸化物からなり、
    前記第1の導電性酸化層及び前記第3の導電性酸化層の形成工程を、前記第2の導電性酸化層の堆積工程よりも、酸化の割合が低い条件下において実行することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 前記第2の導電性酸化層を堆積する工程の後に、前記第2の導電性酸化層を、酸素を含む雰囲気中において第3の温度で熱処理する工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記第2の導電性酸化層を、30℃以上100℃以下の範囲内の温度で成膜することを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記キャパシタ膜は、強誘電体膜であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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