JP5086505B2 - 電動手工具装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は少なくとも部分的に打撃を行なう電動手工具装置例えば、空気式打撃機構における無打撃の打撃アイドリングモード切替機能を有するハンマードリル又はたがねハンマーに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
空気式打撃機構を有する電動手工具装置は、往復移動の打撃を発生するのに、中空シリンダ内に密封して相対移動可能な励起ピストンと、この励起ピストンから離れて工具軸線の方向に密封して移動可能な飛翔ピストンとの間に空気ばねを利用し、この空気ばねによって打撃体を介して工具を打撃する。この打撃は工具収容部内で軸線方向に限定範囲の移動する工具に対する反力が不足している際には無打撃の打撃アイドリング状態を生ずるようにするのが望ましい。
【０００３】
ヨーロッパ特許公開第７５９３４１号には、打撃体の移動増大を不可能にする無打撃の打撃アイドリング位置を打撃体がとって無打撃の打撃アイドリングモードに切り替える際に弁を介して空気ばねを通気させ、打撃を生ずるための差圧発生を回避することが記載されている。しかし、この技術には弁及びこの弁制御機構を必要とする問題がある。
【０００４】
国際公開第ＷＯ８８／０６５０８号には、工具が軸線方向の無打撃の打撃アイドリング位置をとるとき、センサが感知しまた制御ユニットが判定して打撃機構の駆動を、クラッチを介して自動的に無打撃の打撃アイドリングモードに切り替えることが記載されている。しかし、この技術にはクラッチが必要とする問題がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、少なくとも部分的に打撃を行なう電動手工具装置を無打撃の打撃アイドリングモードに切り替えることが簡単に行なえる電動手工具装置を得るにある。
【０００６】
この目的を達成するため、本発明は、電動手工具装置であって、空気式打撃機構により電動手工具装置に収容した工具の少なくとも部分的な打撃移動を生じ、またセンサが工具の軸線方向反力を感知し、制御ユニットが軸線方向反力の不足に基づく飛翔ピストン、必要に応じて打撃体及び収容する工具の無打撃の打撃アイドリング位置を判定するとき、打撃動作モードを打撃アイドリングモードに切り替える電動手工具装置において、無打撃の打撃アイドリング位置を判定した場合、制御ユニットによって打撃を励起する励起駆動装置の回転数をプリセットした回転数に低下させることができるようにしたことを特徴とする。
【０００７】
この構成によれば、このような事態が生じた場合、励起駆動装置の無打撃の打撃アイドリングを生ずる一定の回転数をもたらす。このようにして生じた励起駆動装置の回転数低下によって、飛翔ピストンを加速する差圧が通気開口を介して生じなくなり、従って、飛翔ピストンによる打撃体及び工具に対する打撃を生ずることができなくなる。このためには、励起駆動装置の回転数を作業回転数の１０％〜５０％に低下させる。
【０００８】
好適な実施例においては、センサを誘導性又は容量性のセンサとし、このセンサによって工具又は打撃体又は打撃機構がとる軸線方向位置を直接感知する。
【０００９】
代案として、前記センサをホール作用センサとし、移動可能な磁石に対して協調動作するものとし、この磁石は工具又は打撃体又は打撃機構の軸線方向の位置をとる調整リンクに連結する。
【００１０】
この調整リンクは、打撃体の軸線方向の位置で外周面に掛合するフォーク状に形成し、例えば、軽量のアルミニウムリングによって固定する。好適には、軽量かつ高剛性の繊維補強合成樹脂により構成した調整リンクに小さい磁石を設け、ホール作用センサに対して打撃体と一緒に移動するようにする。
【００１１】
好適には、励起駆動装置を電動モータとし、このモータの回転数は制御ユニットの電子制御回路を介して電子的に調整可能とする。
【００１２】
更に、本発明の好適な実施例においては、励起駆動機構及び回転駆動機構を共通の電動モータによる伝動装置を介して駆動するようにし、無打撃の打撃アイドリング動作モードの場合にはやはり回転運動の回転数も調整するようにする。
【００１３】
【発明の実施の形態】
次に、図面につき本発明の好適な実施の形態を説明する。
【００１４】
図１に示すように本発明による電動手工具装置１には、励起駆動装置３、励起ピストン４、空気ばね５、飛翔ピストン６、及び打撃体７を有する空気式打撃機構２を設け、図１の打撃軸線Ａの下側において図示しない工具１１、打撃体７並びに飛翔ピストン６のハウジング８に対する無打撃の打撃アイドリング位置９を示し、図１の打撃軸線Ａの上側においてこれらの部分の打撃動作位置１０を示す。打撃体７には軸線方向に移動可能な調整リンク１２を形状ロックで連結し、この調整リンク１２に磁石１３を設け、ハウジング８に固定したホール作用センサ１４と協調動作するようにする。ホール作用センサ１４を制御ユニット１５及び電動モータ１７の電子制御回路１６に電気的に接続する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明電動手工具装置の好適な実施の形態の縦断面図である。
【符号の説明】
1 電動手工具装置
2 空気式打撃機構
3 励起駆動装置
4 励起ピストン
5 空気ばね
6 飛翔ピストン
7 打撃体
8 ハウジング
9 打撃アイドリング（空撃ち）位置
10 打撃動作位置
11 工具
12 調整リンク
13 磁石
14 ホール作用センサ
15 制御ユニット
16 電子制御回路
17 電動モータ

Claims (7)

1. 電動手工具装置であって、空気式打撃機構（２）により、前記電動手工具装置に収容した工具（１１）の少なくとも部分的な打撃移動を生じ、またセンサ（１４）が工具（１１）の軸線方向反力を感知し、制御ユニット（１５）が軸線方向反力の不足に基づく飛翔ピストン（６）、及び収容した工具（１１）の無打撃の打撃アイドリング位置を判定するとき、打撃動作モードを打撃アイドリング動作モードに切り替える、該電動手工具装置において、無打撃の打撃アイドリング位置を判定した場合、制御ユニット（１５）によって打撃を励起する励起駆動装置（３）の回転数をプリセットした回転数に低下させることができるようにしたことを特徴とする電動手工具装置。
2. 工具（１１）又は飛翔ピストン（６）の無打撃の打撃アイドリング位置（９）を前記センサ（１４）によって感知する請求項１記載の装置。
3. 前記センサ（１４）を誘導性又は容量性のセンサとした請求項１又は２記載の装置。
4. 前記センサ（１４）をホール作用センサとし、移動可能な磁石（１３）に対して協調動作するものとした請求項１乃至３のうちのいずれか一項に記載の装置。
5. 前記磁石（１３）を調整リンク（１２）に連結し、この磁石によって工具（１１）又は飛翔ピストン（６）の無打撃の打撃アイドリング位置を感知するようにした請求項４記載の装置。
6. 前記励起駆動装置（３）を電動モータ（１７）とし、前記電動モータ（１７）の電子制御回路（１６）により打撃を励起する励起駆動装置（３）を制御可能にした請求項１乃至５のうちのいずれか一項に記載の装置。
7. 前記励起駆動装置（３）及び回転駆動装置を共通の電動モータ（１７）によって駆動する伝動装置を設けた請求項６記載の装置。

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