JP5084755B2 - ノイズ低減装置及びそのプログラム - Google Patents
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また、ノイズ低減装置は、シフト量算出手段によって、画素値検出手段が検出した画素値とシフト量との対応関係が予め設定され、この対応関係に基づいて、画素値検出手段が検出した画素値に応じたシフト量を算出する。そして、ノイズ低減装置は、画素設定値算出手段によって、絶対値が閾値よりも大きいと判定されなかったときは、画素値が中央値よりも大きいか否かを判定すると共に、画素値が中央値よりも大きいと判定された場合、画素値からシフト量を減算して画素設定値を算出し、画素値が中央値よりも大きいと判定されなかった場合、画素値とシフト量とを加算して画素設定値を算出する。
請求項1,2,7に係る発明では、デジタル映像信号における動きの少ない部分ではノイズ低減処理を行い、動きの大きい部分ではノイズ低減処理を行うことが少なくなるため、被写体の動きが大きいデジタル映像信号での画質劣化を抑制することができる。
請求項1,4に係る発明では、適切な画素設定値を算出して、デジタル映像信号に含まれる小さなノイズをこの画素設定値に基づいて低減するため、画質をより向上させると共に、ノイズを低減しすぎることがない。
[ノイズ低減装置の構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係るノイズ低減装置の構成を示すブロック図である。このノイズ低減装置1は、ノイズが重畳されたデジタル映像信号(以下、単に映像信号と略記する場合もある)から、ノイズを低減させるものである。ここでは、ノイズ低減装置1は、ノイズレベル検出装置2を接続している。
ノイズ低減装置1は、図1に示すように、デジタル映像信号に重畳されたノイズを低減するものであって、入力端子(映像信号入力手段)TIN1と、入力端子TIN2と、メディアンフィルタ11と、画素値検出手段12と、閾値設定手段13と、画素設定値算出手段14と、ノイズ低減手段15と、出力端子(映像信号出力手段)TOUTとを備える。
以下、図2を参照し、メディアンフィルタ11による中央値の選択、及び、画素値検出手段12による画素値の検出について、詳細に説明する(適宜図1参照)。図2は、本発明における中央値の選択及び画素値の検出を説明する図である。
入力端子(ノイズレベル入力手段)TIN2は、ノイズレベル検出装置2が検出したノイズレベルのレベル値を入力するものである。そして、入力端子TIN2は、入力されたレベル値を閾値設定手段13に出力する。
以下、画素設定値の算出について、具体的に説明する。
第1例としては、画素設定値算出手段14は、下記(2)式の計算、つまり、メディアンフィルタ11が選択した中央値を画素設定値として出力する。この第1例は、非常に簡素な計算であり、ノイズ低減装置1は、ノイズ低減処理をより高速に行うことができる。なお、(2)式において、x´は画素設定値である。
第2例としては、画素設定値算出手段14は、下記(3)式の計算結果を設定値として出力する。なお、(3)式において、signは、引数が正であれば「1」、引数が負であれば「−1」、及び、引数が「0」であれば「0」を返す関数である。また、(3)式において、sftは、後記するシフト量である。
シフト量算出手段14aは、画素値検出手段12が検出した画素値とシフト量との対応関係が予め設定され、対応関係に基づいて、画素値検出手段11が検出した画素値に応じたシフト量を算出するものである。
ノイズ低減手段15は、画素設定値算出手段14において、絶対値が閾値よりも大きいと判定された場合、画素値を出力信号とし、絶対値が閾値よりも大きいと判定されなかった場合、画素設定値を出力信号として出力するものである。本実施形態では、ノイズ低減手段15は、画素設定値算出手段14から、絶対値が閾値よりも大きいことを示す判定結果が入力された場合、画素値を出力信号とする。一方、ノイズ低減手段15は、画素設定値算出手段14から、絶対値が閾値よりも大きくないことを示す判定結果が入力された場合、算出した画素設定値を出力信号とする。
以下、図4を参照し、図1のノイズ低減装置の動作について説明する(適宜図1参照)。図4は、図1のノイズ低減装置の動作を示すフローチャートである。なお、図4では、ノイズ低減装置1に予めデジタル映像信号が入力されており、かつ、閾値が設定されているものとする。
[ノイズ低減装置]
図6を参照して、本発明の第2実施形態に係るノイズ低減装置の構成について説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係るノイズ低減装置の構成を示すブロック構成図である。ここでは、ノイズ低減装置1Cは、入力端子(映像信号入力手段)TIN1と、メディアンフィルタ11と、画素値検出手段12と、閾値設定手段13と、画素設定値算出手段14と、ノイズ低減手段15と、ノイズレベル検出装置2と、出力端子(映像信号出力手段)TOUTとを備える。
また、ノイズ低減装置1Cの動作は、基本的に図4で説明したノイズ低減装置1(図1参照)の動作と同一であるため説明を省略する。
次に、図1、図6で説明したノイズレベル検出装置2、ノイズレベル検出装置2の構成について、詳細に説明を行う。
このノイズレベル検出装置2は、ノイズが重畳された映像信号から、ノイズのレベルを検出するものである。ここでは、ノイズレベル検出装置(手段)2の例として、2つの構成を例として説明する。
第2の例は、ノイズレベル検出装置2が、映像を構成するフレーム(画面)内のラインの相関によって、映像信号内に重畳されているノイズレベルを検出するものである。
まず、図7を参照して、第1の例に係るノイズレベル検出装置2の構成について説明する。図7は、第1の例に係るノイズレベル検出装置の構成を示すブロック構成図である。
通常、映像の画面(画像)には、画素値の変化が少ない平坦な部分、例えば、空のような無限遠の領域や、カメラのピントが合っていない領域等が存在する。これらの領域は、画像の周波数成分において、高周波成分の少ない領域である。一方、ノイズは、粒子が細かい高周波成分である。すなわち、画面内において、高周波成分の少ない領域における高周波成分は、ノイズによって重畳されたものとみなすことができる。
ここでは、ノイズレベル検出装置2は、ブロック化手段21と、直交変換手段22と、高周波成分検出手段23と、高周波成分累計手段24と、ノイズレベル判定手段25と、を備えている。
このとき、高周波成分検出手段23は、直流成分および直流成分の近傍の係数として、直流成分と直流成分を含んだ水平周波数成分および垂直周波数成分との係数を“0”とみなし(図10(b)参照)、他の係数を高周波成分の係数として抽出する。すなわち、係数x11,x12,x13,x14,x21,x31,x41を“0”とみなし、他の係数x22,x23,x24,x32,x33,x34,x42,x43,x44を高周波成分の係数として抽出する。
図7に戻って、ノイズレベル検出装置の構成について説明を続ける。
そこで、ノイズレベル判定手段25は、グラフ左側端の数本のヒストグラムに対応する累計値から平均値を算出し、ノイズレベルとして決定する。
次に、図14を参照(構成については適宜図7参照)して、第1の例に係るノイズレベル検出装置2の動作について説明する。図14は、第1の例に係るノイズレベル検出装置の動作を示すフローチャートである。
さらに、ノイズレベル検出装置2は、ブロック化手段21のブロック選択手段21bによって、ステップS11で分割されたブロックを、画面内において画面全体に対して予め定めた割合(例えば、70%)以上となるように部分的に選択する(ステップS12)。このように選択されたブロックには、画面内で画素値の変化が少ない平坦な部分を含んだブロックが含まれている。
これによって、ノイズレベル検出装置2は、映像信号に重畳されたノイズレベルを映像そのものから検出することができる。
次に、図15を参照して、第2の例に係るノイズレベル検出装置2の構成について説明する。図15は、第2の例に係るノイズレベル検出装置の構成を示すブロック構成図である。
通常、映像の画面(画像)において、隣接するラインの画素値の差分は、画像成分が小さくなり、無相関ノイズの成分が大きくなる。よって、画素値の差分がより小さいものほど、その差分は、無相関ノイズによって発生したノイズであるとみなすことができる。
図16(a)に示すように、ライン抽出手段26は、画面D(2次元画像)の主走査単位で、N番目のライン(対象ライン)と、(N+1)番目のライン(隣接ライン)の2つの隣接するラインを順次相関ライン群として抽出する。このとき、ライン抽出手段26は、隣接する相関ライン群ごとに隙間を設け、画面D全体の50%以上(より好ましくは70%以上)の領域をカバーするように複数の相関ライン群を抽出する。これによって、ライン抽出手段26は、画面D内において、少なくともライン間の画素値の変化が少ない相関ライン群を抽出することができる。
さらに、ライン抽出手段26は、図16(c)に示すように、時間方向に連続する画面(フレーム)において、同一の水平位置におけるラインである、時刻tにおける画面のNt番目のラインと、時刻(t+1)における画面のNt+1番目のラインとを相関ライン群として抽出することとしてもよい。なお、この場合も、図16(b)と同様に、必ずしもラインは、画面の水平方向の幅分を用いる必要はなく、部分的に抽出することとしてもよい。
また、ここでは、ライン抽出手段26が、画面内から予め定めた割合以上となるように部分的に相関ライン群を抽出することとしたが、画面D全体の相関ライン群を抽出することとしてもよい。図15に戻って、ノイズレベル検出装置2の構成について説明を続ける。
図15に戻って、ノイズレベル検出装置の構成について説明を続ける。
そこで、ノイズレベル判定手段29は、グラフ左側端の数本のヒストグラムに対応する累計値から平均値を算出し、ノイズレベルとして決定する。
さらに、ライン抽出手段26は、図19(c)に示すように、時間方向に連続する画面(フレーム)において、同一の水平位置におけるラインである、時刻tにおける画面のNt番目のライン(対象ライン)と、時刻(t−1)および(t+1)における画面のNt−1およびNt+1番目の2ライン(隣接ライン)とを相関ライン群として抽出することとしてもよい。なお、この場合も、図16(b)と同様に、必ずしもラインは、画面の水平方向の幅分を用いる必要はなく、部分的に抽出することとしてもよい。
このように、3ラインによって、ノイズレベルを検出することで、2ラインでノイズレベルを検出する場合に比べて、画像成分が分散され、より精度よくノイズレベルを検出することができる。
次に、図20を参照(構成については適宜図15参照)して、第2の例に係るノイズレベル検出装置2の動作について説明する。図20は、第2の例に係るノイズレベル検出装置の動作を示すフローチャートである。
これによって、ノイズレベル検出装置2は、映像信号に重畳されたノイズレベルを映像そのものから検出することができる。
1C ノイズ低減装置
11 メディアンフィルタ
12 画素値検出手段
13 閾値設定手段
14 画素設定値算出手段
15 ノイズ低減手段15
2 ノイズレベル検出装置(ノイズレベル検出手段)
21 ブロック化手段
22 直交変換手段
23 高周波成分検出手段
24 高周波成分累計手段
25 ノイズレベル判定手段
26 ライン抽出手段
27 ライン間ノイズレベル検出手段
28 レベル累計手段
29 ノイズレベル判定手段
3 遅延装置
TIN1 映像入力手段
TIN2 ノイズレベル入力手段
TOUT 映像信号出力手段
Claims (7)
- デジタル映像信号に重畳されたノイズを低減するノイズ低減装置であって、
前記デジタル映像信号を入力する映像信号入力手段と、
前記映像信号入力手段で入力されたデジタル映像信号を構成するフレームと当該フレームに前後する前後フレームとにおいて、同一の画面位置の画素を対象画素として予め設定し、複数の前記対象画素における中央値を選択するメディアンフィルタと、
前記フレームの前記対象画素の画素値を検出する画素値検出手段と、
前記画素値検出手段が検出した画素値から前記メディアンフィルタが選択した中央値の差の絶対値が、予め設定された閾値よりも大きいか否かを判定すると共に、当該絶対値が当該閾値よりも大きいと判定されなかった場合、所定の画素設定値を算出する画素設定値算出手段と、
前記画素設定値算出手段において、前記絶対値が前記閾値よりも大きいと判定された場合、前記画素値を出力信号とし、前記絶対値が前記閾値よりも大きいと判定されなかった場合、前記画素設定値を出力信号として出力するノイズ低減手段と、
前記画素値検出手段が検出した画素値とシフト量との対応関係が予め設定され、当該対応関係に基づいて、前記画素値検出手段が検出した画素値に応じたシフト量を算出するシフト量算出手段と、を備え、
前記画素設定値算出手段は、前記絶対値が前記閾値よりも大きいと判定されなかったときは、前記画素値が前記中央値よりも大きいか否かを判定すると共に、前記画素値が前記中央値よりも大きいと判定された場合、前記画素値から前記シフト量を減算して前記画素設定値を算出し、前記画素値が前記中央値よりも大きいと判定されなかった場合、前記画素値と前記シフト量とを加算して前記画素設定値を算出することを特徴とするノイズ低減装置。 - デジタル映像信号に重畳されたノイズを低減するノイズ低減装置であって、
前記デジタル映像信号を入力する映像信号入力手段と、
前記映像信号入力手段で入力されたデジタル映像信号に重畳されているノイズレベルを、当該ノイズレベルの大きさを示すレベル値として検出するノイズレベル検出手段と、
前記ノイズレベル検出手段が検出したレベル値に基づいて、閾値を設定する閾値設定手段と、
前記映像信号入力手段で入力されたデジタル映像信号を構成するフレームと当該フレームに前後する前後フレームとにおいて、同一の画面位置の画素を対象画素として予め設定し、複数の前記対象画素における中央値を選択するメディアンフィルタと、
前記フレームの前記対象画素の画素値を検出する画素値検出手段と、
前記画素値検出手段が検出した画素値から前記メディアンフィルタが選択した中央値の差の絶対値が、前記閾値設定手段で設定した閾値よりも大きいか否かを判定すると共に、当該絶対値が当該閾値よりも大きいと判定されなかった場合、所定の画素設定値を算出する画素設定値算出手段と、
前記画素設定値算出手段において、前記絶対値が前記閾値よりも大きいと判定された場合、前記画素値を出力信号とし、前記絶対値が前記閾値よりも大きいと判定されなかった場合、前記画素設定値を出力信号として出力するノイズ低減手段と、
を備えることを特徴とするノイズ低減装置。 - 前記画素設定値算出手段は、前記絶対値が前記閾値よりも大きいと判定されなかった場合、前記中央値を前記画素設定値として出力することを特徴とする請求項2に記載のノイズ低減装置。
- 前記画素値検出手段が検出した画素値とシフト量との対応関係が予め設定され、当該対応関係に基づいて、前記画素値検出手段が検出した画素値に応じたシフト量を算出するシフト量算出手段をさらに備え、
前記画素設定値算出手段は、前記絶対値が前記閾値よりも大きいと判定されなかったときは、前記画素値が前記中央値よりも大きいか否かを判定すると共に、前記画素値が前記中央値よりも大きいと判定された場合、前記画素値から前記シフト量を減算して前記画素設定値を算出し、前記画素値が前記中央値よりも大きいと判定されなかった場合、前記画素値と前記シフト量とを加算して前記画素設定値を算出することを特徴とする請求項2に記載のノイズ低減装置。 - 前記ノイズレベル検出手段は、
前記デジタル映像信号を画面ごとに予め定めた大きさのブロックに分割するブロック分割手段と、
このブロック分割手段で分割されたブロックを、ブロックごとに直交変換する直交変換手段と、
この直交変換手段で変換されたブロックの直流成分と予め定めた当該直流成分近傍とを除く高周波成分の係数を当該ブロック内で平均化し、当該ブロックの高周波成分のレベルとして検出する高周波成分検出手段と、
この高周波成分検出手段で検出された高周波成分のレベルに対応するブロック数を当該レベルごとに累計する高周波成分累計手段と、
この高周波成分累計手段で累計された高周波成分のレベルの低レベル値から所定数分のブロック数に応じた平均値を、前記レベル値と判定するノイズレベル判定手段と、
を備えることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載のノイズ低減装置。 - 前記ノイズレベル検出手段は、
前記デジタル映像信号から、画面を構成するラインである対象ラインと当該対象ラインに隣接する隣接ラインとを相関ライン群として順次抽出するライン抽出手段と、
このライン抽出手段で抽出された相関ライン群において、前記対象ラインと前記隣接ラインとの対応する画素の画素値の差分を平均化し、前記対象ラインの前記相関ライン群におけるライン間ノイズレベルとして検出するライン間ノイズレベル検出手段と、
このライン間ノイズレベル検出手段で検出されたライン間ノイズレベルに対応する前記対象ラインのライン数を当該ライン間ノイズレベルごとに累計するレベル累計手段と、
このレベル累計手段で累計されたライン間ノイズレベルの低レベル値から所定数分のライン数に応じた平均値を、前記レベル値と判定するノイズレベル判定手段と、
を備えることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載のノイズ低減装置。 - デジタル映像信号に重畳されたノイズを低減するために、コンピュータを、
前記デジタル映像信号を入力する映像信号入力手段、
前記映像信号入力手段で入力されたデジタル映像信号に重畳されているノイズレベルを、当該ノイズレベルの大きさを示すレベル値として検出するノイズレベル検出手段、
前記ノイズレベル検出手段が検出したレベル値に基づいて、閾値を設定する閾値設定手段、
前記映像信号入力手段で入力されたデジタル映像信号を構成するフレームと当該フレームに前後する前後フレームとにおいて、同一の画面位置の画素を前記対象画素として予め設定し、複数の前記対象画素における中央値を選択するメディアンフィルタ、
前記フレームの前記対象画素の画素値を検出する画素値検出手段、
前記画素値検出手段が検出した画素値から前記メディアンフィルタが選択した中央値の差の絶対値が、前記閾値設定手段で設定した閾値よりも大きいか否かを判定すると共に、当該絶対値が当該閾値よりも大きいと判定されなかった場合、所定の画素設定値を算出する画素設定値算出手段、
前記画素設定値算出手段において、前記絶対値が前記閾値よりも大きいと判定された場合、前記画素値を出力信号とし、前記絶対値が前記閾値よりも大きいと判定されなかった場合、前記画素設定値を出力信号として出力するノイズ低減手段、
として機能させるためのノイズ低減プログラム。
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