JP5075804B2 - ノイズ低減装置 - Google Patents
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Description
しかし、近年、デジタル映像信号において、高精細化されたカメラから出力される信号に重畳されるノイズ(カメラノイズ)が問題となってきている。従来、伝送路上で混入するノイズが、カメラノイズを凌駕していたため、当該ノイズはあまり問題にはならなかった。しかし、スーパーハイビジョンのように、高精細度化した固体撮像素子(CCD、CMOSセンサ等)の小面積化により、単位受光体当たりに得られる光エネルギが低下するため、出力画像には、中高域ノイズに加え、クランプノイズ的な低域ノイズが混入している。
このようなノイズは、砂粒状の細かい粒子を持ち画面上で動くため、映像の画質を劣化させている。また、粒子が細かいということは高周波成分であることを意味し、このノイズは、符号化の際に情報量を増大させてしまう。このため、ノイズが多く含まれる映像を符号化すると、ノイズを伝送するために伝送ビットが占有され、復号された映像は、当初の映像よりもさらに劣化した映像となってしまうという問題がある。
例えば、図23(a)に示すように、理想の映像信号の画素点列における各画素値が、時刻t1、t2、t3の時点において、それぞれp1、p2、p3で、その大きさが、p2<p1<p3であった場合、メディアン値としては、時刻t1における画素値p1が選択されなければならない。
さらに、ノイズ低減装置は、第2遅延手段によって、メディアンフィルタにおける画素選択時間分、第1遅延手段で遅延させたデジタル映像信号を遅延させる。
請求項1,2に記載の発明によれば、低域ノイズに中高域ノイズが多重化されて重畳された映像信号であっても、予め低域ノイズを除去したのちに、中高域ノイズを除去することができるため、映像信号から精度よくノイズを除去することができる。また、これによって、デジタル映像信号に重畳されているカメラノイズを低減させることができ、スーパーハイビジョンのような高精細映像においても、精度よくノイズを除去することができる。
まず、図1を参照して、参考例のノイズ低減装置の構成について説明する。図1は、参考例のノイズ低減装置の構成を示すブロック構成図である。
このように、ノイズ低減装置1は、ノイズレベル検出装置2から、ノイズレベル(レベル値)を入力し、ノイズレベルが検出されたフレームごとに、遅延装置3から、映像信号を入力する。
この低域成分除去フィルタ10は、例えば、予め定めた周波数以下の成分をカットするハイパスフィルタ(HPF)を用いることができる。あるいは、予め定めた低周波領域の成分を部分的にカットするバンドパスフィルタ(BPF)を用いることとしてもよい。以下の説明においては、低域成分除去フィルタ10をHPF10として説明する。
これによって、メディアンフィルタ20は、図4に示すように、順次入力される映像信号の画素点列において、時刻t1〜t3における各画素値p1〜p3が、例えば、p2<p1<p3の大きさの順である場合に、その中央値であるp1を選択し、出力する。
図1に戻って、ノイズ低減装置1の構成について説明を続ける。
これによって、選択加減算手段50は、低域ノイズが低減された映像信号から、信号内の雑音波の振幅を小さくすることで、中高域ノイズを低減させることができる。
なお、ノイズ低減装置1は、一般的なコンピュータを、前記した各手段として機能させるノイズ低減プログラムによって動作させることができる。
次に、図5を参照(構成については適宜図1参照)して、参考例のノイズ低減装置の動作について説明する。図5は、参考例のノイズ低減装置の動作を示すフローチャートである。
まず、ノイズ低減装置1は、入力端子TIN2を介して、ノイズレベル検出装置2が検出したノイズレベル(レベル値)を入力するとともに、入力端子TIN1を介して、ノイズレベル検出装置2のノイズレベルの検出タイミングに同期した映像信号を、遅延装置3から入力する(ステップS1)。
このように、低域成分除去フィルタ10Bを設けることで、比較手段40に入力される信号が、一方は、低域成分除去フィルタ10によって低域成分が除去された信号で、他方が低域成分除去フィルタ10Bによって低域成分が除去された信号となるため、メディアン値を用いた比較手段40における高周波成分の識別精度をより高めることができ、より精度よくノイズを低減させることができる。
また、ノイズレベル検出装置2と遅延装置3とを、ノイズ低減装置1(1B)の内部に備える構成としてもよい。以下、本構成について、本発明の実施形態として説明する。
図7を参照して、本発明の実施形態に係るノイズ低減装置の構成について説明する。図7は、本発明の実施形態に係るノイズ低減装置の構成を示すブロック構成図である。ここでは、ノイズ低減装置1Cは、ノイズレベル検出手段2と、低域成分除去フィルタ10と、メディアンフィルタ20と、第1遅延手段30Aと、第2遅延手段30Bと、比較手段40と、選択加減算手段50と、を備えている。
また、ノイズ低減装置1Cの動作は、基本的に図5で説明したノイズ低減装置1(図1)の動作と同一であるため説明を省略する。
次に、図1、図6〜8で説明したノイズレベル検出装置2、ノイズレベル検出手段2(以下、ノイズレベル検出装置2として説明する)の構成について、詳細に説明を行う。
このノイズレベル検出装置2は、ノイズが重畳された映像信号から、ノイズのレベルを検出するものである。ここでは、ノイズレベル検出装置(ノイズレベル検出手段)2の例として、2つの構成を例として説明する。
第2の例は、ノイズレベル検出装置2が、映像を構成するフレーム(画面)内のラインの相関によって、映像信号内に重畳されているノイズレベル(レベル値E3;図1参照)を検出するものである。
まず、図9を参照して、第1の例に係るノイズレベル検出装置2の構成について説明する。図9は、第1の例に係るノイズレベル検出装置の構成を示すブロック構成図である。
通常、映像の画面(画像)には、画素値の変化が少ない平坦な部分、例えば、空のような無限遠の領域や、カメラのピントが合っていない領域等が存在する。これらの領域は、画像の周波数成分において、高周波成分の少ない領域である。一方、ノイズは、粒子が細かい高周波成分である。すなわち、画面内において、高周波成分の少ない領域における高周波成分は、ノイズによって重畳されたものとみなすことができる。
ここでは、ノイズレベル検出装置2は、ブロック化手段21と、直交変換手段22と、高周波成分検出手段23と、高周波成分累計手段24と、ノイズレベル判定手段25と、を備えている。
このとき、高周波成分検出手段23は、直流成分および直流成分の近傍の係数として、直流成分と直流成分を含んだ水平周波数成分および垂直周波数成分との係数を“0”とみなし(図12(b)参照)、他の係数を高周波成分の係数として抽出する。すなわち、係数x11,x12,x13,x14,x21,x31,x41を“0”とみなし、他の係数x22,x23,x24,x32,x33,x34,x42,x43,x44を高周波成分の係数として抽出する。
図9に戻って、ノイズレベル検出装置2の構成について説明を続ける。
そこで、ノイズレベル判定手段25は、グラフ左側端の数本のヒストグラムに対応する累計値から平均値を算出し、ノイズレベルとして決定する。
次に、図16を参照(構成については適宜図9参照)して、第1の例に係るノイズレベル検出装置2の動作について説明する。図16は、第1の例に係るノイズレベル検出装置の動作を示すフローチャートである。
さらに、ノイズレベル検出装置2は、ブロック化手段21のブロック選択手段21bによって、ステップS11で分割されたブロックを、画面内において画面全体に対して予め定めた割合(例えば、70%)以上となるように部分的に選択する(ステップS12)。このように選択されたブロックには、画面内で画素値の変化が少ない平坦な部分を含んだブロックが含まれている。
これによって、ノイズレベル検出装置2は、映像信号に重畳されたノイズレベルを映像そのものから検出することができる。
次に、図17を参照して、第2の例に係るノイズレベル検出装置2の構成について説明する。図17は、第2の例に係るノイズレベル検出装置の構成を示すブロック構成図である。
通常、映像の画面(画像)において、隣接するラインの画素値の差分は、画像成分が小さくなり、無相関ノイズの成分が大きくなる。よって、画素値の差分がより小さいものほど、その差分は、無相関ノイズによって発生したノイズであるとみなすことができる。
図18(a)に示すように、ライン抽出手段26は、画面D(2次元画像)の主走査単位で、N番目のライン(対象ライン)と、(N+1)番目のライン(隣接ライン)の2つの隣接するラインを順次相関ライン群として抽出する。このとき、ライン抽出手段26は、隣接する相関ライン群ごとに隙間を設け、画面D全体の50%以上(より好ましくは70%以上)の領域をカバーするように複数の相関ライン群を抽出する。これによって、ライン抽出手段26は、画面D内において、少なくともライン間の画素値の変化が少ない相関ライン群を抽出することができる。
さらに、ライン抽出手段26は、図18(c)に示すように、時間方向に連続する画面(フレーム)において、同一の水平位置におけるラインである、時刻tにおける画面のNt番目のラインと、時刻(t+1)における画面のNt+1番目のラインとを相関ライン群として抽出することとしてもよい。なお、この場合も、図18(b)と同様に、必ずしもラインは、画面の水平方向の幅分を用いる必要はなく、部分的に抽出することとしてもよい。
また、ここでは、ライン抽出手段26が、画面内から予め定めた割合以上となるように部分的に相関ライン群を抽出することとしたが、画面D全体の相関ライン群を抽出することとしてもよい。図17に戻って、ノイズレベル検出装置2の構成について説明を続ける。
図17に戻って、ノイズレベル検出装置の構成について説明を続ける。
そこで、ノイズレベル判定手段29は、グラフ左側端の数本のヒストグラムに対応する累計値から平均値を算出し、ノイズレベルとして決定する。
さらに、ライン抽出手段26は、図21(c)に示すように、時間方向に連続する画面(フレーム)において、同一の水平位置におけるラインである、時刻tにおける画面のNt番目のライン(対象ライン)と、時刻(t−1)および(t+1)における画面のNt−1およびNt+1番目の2ライン(隣接ライン)とを相関ライン群として抽出することとしてもよい。なお、この場合も、図21(b)と同様に、必ずしもラインは、画面の水平方向の幅分を用いる必要はなく、部分的に抽出することとしてもよい。
このように、3ラインによって、ノイズレベルを検出することで、2ラインでノイズレベルを検出する場合に比べて、画像成分が分散され、より精度よくノイズレベルを検出することができる。
次に、図22を参照(構成については適宜図17参照)して、第2の例に係るノイズレベル検出装置2の動作について説明する。図22は、第2の例に係るノイズレベル検出装置の動作を示すフローチャートである。
これによって、ノイズレベル検出装置2は、映像信号に重畳されたノイズレベルを映像そのものから検出することができる。
10 低域成分除去フィルタ(HPF、BPF)
10B 第2低域成分除去フィルタ(HPF、BPF)
20 メディアンフィルタ
30 遅延手段
30A 第1遅延手段
30B 第2遅延手段
40 比較手段
50 選択加減算手段
2 ノイズレベル検出装置(ノイズレベル検出手段)
21 ブロック化手段
22 直交変換手段
23 高周波成分検出手段
24 高周波成分累計手段
25 ノイズレベル判定手段
26 ライン抽出手段
27 ライン間ノイズレベル検出手段
28 レベル累計手段
29 ノイズレベル判定手段
3 遅延装置
TIN1 映像入力手段
TIN2 ノイズレベル入力手段
TOUT 映像信号出力手段
Claims (2)
- デジタル映像信号に重畳されたノイズを低減させるノイズ低減装置であって、
前記デジタル映像信号を入力する映像信号入力手段と、
この映像信号入力手段で入力されたデジタル映像信号に重畳されているフレームごとのノイズレベルの大きさをレベル値として検出するノイズレベル検出手段と、
前記デジタル映像信号を、前記ノイズレベル検出手段におけるフレーム処理時間分遅延させる第1遅延手段と、
この第1遅延手段で遅延させたデジタル映像信号の予め定めた低域成分を除去する低域成分除去フィルタと、
この低域成分除去フィルタで低域成分が除去された信号において、予め定めた画素数ごとに、画素値の中央値を選択するメディアンフィルタと、
このメディアンフィルタにおける画素選択時間分、前記第1遅延手段で遅延させたデジタル映像信号をさらに遅延させる第2遅延手段と、
この第2遅延手段で遅延させたデジタル映像信号の画素ごとに、順次、当該画素値と、前記メディアンフィルタで選択された中央値とを比較する比較手段と、
この比較手段において、前記デジタル映像信号の画素値が前記中央値よりも大きいと判定された場合に、当該画素値から前記レベル値を減算した信号を出力信号とし、当該画素値が前記中央値よりも小さいと判定された場合に、当該画素値に前記レベル値を加算した信号を出力信号とし、当該画素値が前記中央値と等しいと判定された場合に、当該画素値を出力信号として出力する選択加減算手段と、を備え、
前記ノイズレベル検出手段は、
前記デジタル映像信号を画面ごとに予め定めた大きさのブロックに分割するブロック分割手段と、
このブロック分割手段で分割されたブロックを、ブロックごとに直交変換する直交変換手段と、
この直交変換手段で変換されたブロックの直流成分と予め定めた当該直流成分近傍とを除く高周波成分の係数を当該ブロック内で平均化し、当該ブロックの高周波成分のレベルとして検出する高周波成分検出手段と、
この高周波成分検出手段で検出された高周波成分のレベルに対応するブロック数を当該レベルごとに累計する高周波成分累計手段と、
この高周波成分累計手段で累計された高周波成分のレベルの低レベル値から所定数分のレベルの平均値を、前記レベル値と判定するノイズレベル判定手段と、
を備えることを特徴とするノイズ低減装置。 - デジタル映像信号に重畳されたノイズを低減させるノイズ低減装置であって、
前記デジタル映像信号を入力する映像信号入力手段と、
この映像信号入力手段で入力されたデジタル映像信号に重畳されているフレームごとのノイズレベルの大きさをレベル値として検出するノイズレベル検出手段と、
前記デジタル映像信号を、前記ノイズレベル検出手段におけるフレーム処理時間分遅延させる第1遅延手段と、
この第1遅延手段で遅延させたデジタル映像信号の予め定めた低域成分を除去する低域成分除去フィルタと、
この低域成分除去フィルタで低域成分が除去された信号において、予め定めた画素数ごとに、画素値の中央値を選択するメディアンフィルタと、
このメディアンフィルタにおける画素選択時間分、前記第1遅延手段で遅延させたデジタル映像信号をさらに遅延させる第2遅延手段と、
この第2遅延手段で遅延させたデジタル映像信号の画素ごとに、順次、当該画素値と、前記メディアンフィルタで選択された中央値とを比較する比較手段と、
この比較手段において、前記デジタル映像信号の画素値が前記中央値よりも大きいと判定された場合に、当該画素値から前記レベル値を減算した信号を出力信号とし、当該画素値が前記中央値よりも小さいと判定された場合に、当該画素値に前記レベル値を加算した信号を出力信号とし、当該画素値が前記中央値と等しいと判定された場合に、当該画素値を出力信号として出力する選択加減算手段と、を備え、
前記ノイズレベル検出手段は、
前記デジタル映像信号から、画面を構成するラインである対象ラインと当該対象ラインに隣接する隣接ラインとを相関ライン群として順次抽出するライン抽出手段と、
このライン抽出手段で抽出された相関ライン群において、前記対象ラインと前記隣接ラインとの対応する画素の画素値の差分を平均化し、前記対象ラインの前記相関ライン群におけるライン間ノイズレベルとして検出するライン間ノイズレベル検出手段と、
このライン間ノイズレベル検出手段で検出されたライン間ノイズレベルに対応する前記対象ラインのライン数を当該ライン間ノイズレベルごとに累計するレベル累計手段と、
このレベル累計手段で累計されたライン間ノイズレベルの低レベル値から所定数分のライン間ノイズレベルの平均値を、前記レベル値と判定するノイズレベル判定手段と、
を備えることを特徴とするノイズ低減装置。
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