JP5084002B2 - ポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、無機充填剤含有してなる強度と耐久性に優れたポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物に関する。
ポリフェニレンエーテル(以下、PPE)またはこれとスチレン系樹脂との混合樹脂(以下、変性PPE)は、ポリフェニレンエーテルとスチレン系樹脂との混合比率により、スチレン系樹脂単独からポリフェニレンエーテル単独までの範囲で任意の耐熱性を有し、機械的強度、電気特性、寸法安定性、耐酸性、耐アルカリ性、低吸水性、低比重等の優れた特性を有するため多くの用途に使われており、用途例としては、電気・電子関係部品、事務機器部材、自動車部材などの各種外装部材、工業用部品などが挙げられる。
また、各種無機フィラーを配合した変性PPE(以下、強化変性PPE)は、さらに機械的強度、寸法安定性、耐熱性に優れるため、電気・電子機器、事務機器、工業機材等の構造部品、精密部品などに用いられている。強化変性PPEにおいては、無機フィラーと樹脂との接着性が材料特性に影響するため、従来より接着性を改善する提案がなされており、無機フィラーをアミノシラン系カップリング剤で表面処理する方法(例えば、特許文献1)、ポリフェニレンエーテルにカルボキシル基または酸無水物構造を有するビニル系モノマーを反応させることにより機械的強度を改善する方法(例えば、特許文献2)が提案されている。
近年は用途の多様化に伴い、強化変性PPEに対しての要求特性が更に高度化、多様化の傾向にあり、機械的強度、高寸法性、耐熱性だけでなく、耐久性、耐接着剤性など更なる特性の向上が望まれている。
特開昭63−312352号公報 特開昭64−75561号公報
本発明は、従来の強化変性PPEの特性を維持し、更に耐久性、耐接着剤性を格段に向上させたポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物を提供する。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のPPE、更に好ましくは特定のブロック共重合体を用いることにより、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
[1]ポリフェニレンエーテル(A)とスチレン系樹脂(B)との合計量100重量部に対し、無機フィラー(C)2〜200重量部からなる強化樹脂組成物であり、原料として用いるポリフェニレンエーテルが、重合停止後のキノン反応を触媒失活剤の水溶液存在下で行うことにより得られ、その水酸基濃度が単量体100単位当たり0.8個以上有することを特徴とするポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物、
[2]ポリフェニレンエーテル(A)が、330℃で5分間加熱後のポリフェニレンエーテルの水酸基濃度が単量体100単位当たり1.5個以上有するものであることを特徴とする上記[1]に記載のポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物、
[3]ポリフェニレンエーテルのηsp/cが0.3以上0.8未満であることを特徴とする上記[1]または[2]に記載のポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物、
[4]無機フィラーとして繊維状フィラーを含有することを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物、
[5]無機フィラーとして板状フィラーを含有することを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物、
[6]ポリフェニレンエーテルとスチレン系樹脂との比率が重量比で95/5〜5/90であることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物、
[7]更に、ビニル芳香族炭化水素とジエン化合物との比率が重量比で10/90〜70/30であるブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体(D)を含有し、ブロック共重合体の重量平均分子量10万以上であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物、
[8]更に、ビニル芳香族炭化水素とジエン化合物との比率が重量比で20/80〜45/55であるブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体(D)を含有し、ブロック共重合体の重量平均分子量15万以上であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物、
[9]更に水素添加ブロック共重合体(D)が添加され、その添加量が(A)、(B)および(D)の合計量100重量部において0.5〜20重量部であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物、
である。
本発明は、従来の強化変性PPEの機械的強度、高寸法性、耐熱性を維持し、且つ耐久性、耐接着剤性等の実用特性に優れた強化変性PPEを得る。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明は、ポリフェニレンエーテルおよび無機フィラーを有する強化樹脂組成物であり原料として用いるポリフェニレンエーテルの水酸基濃度が単量体100単位当たり0.8個以上有することを特徴とするポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物である。
本発明のポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物においては、特定の無機フィラー、スチレン系樹脂、特定の水素添加ブロック共重合体を含有することで特性を向上させることができる。
本発明で用いられる(A)ポリフェニレンエーテルとしては、下記の単独重合体または共重合体を挙げることができる。ポリフェニレンエーテルの単独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−14−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテルポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。
この中で、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが好ましく、特開昭63−301222号公報等に記載されている、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニットや2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等を部分構造として含んでいるポリフェニレンエーテルも好ましく用いられる。
共重合体の例としては、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体あるいは2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール及びo−クレゾールとの共重合体等が挙げられる。
原料としての実用上特に好ましいポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルは、30℃のクロロホルム溶液で測定した固有粘度が0.3〜0.7の範囲、好ましくは0.35〜0.6の範囲のものであり、固有粘度の異なる二種以上を用いて分子量分布を広くすることも可能である。本願の強化変性PPEを得るためには、原料としてのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルの水酸基濃度が単量体100単位当たり好ましくは0.8個以上、より好ましくは1.0個以上有することが必要であり、330℃に加熱後のポリフェニレンエーテルの水酸基濃度が単量体100単位当たり1.5個以上有することが更に好ましい。
原料PPEの水酸基濃度が単量体100単位当たり0.8個以上である場合に、樹脂と無機フィラーの接着性が向上し、強化変性PPEの耐久性、耐接着剤性が向上することを見いだした。そのようなPPEは、330℃に加熱後のポリフェニレンエーテルの水酸基濃度が単量体100単位当たり1.5個以上有している。
原料PPEの水酸基濃度は、フェノール性化合物を重合する条件と重合停止後のキノン反応の条件によって変化する。重合の例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルについて特開平2000―281776、特開平2000―281778に記載されており、重合時に2,6−ジメチルフェノールを追添する量および時間によって生成するキノン化合物量が変化する。一般に、追添する量が多いほど、追添時間が短いほどキノン化合物の生成量が多くなる。重合停止後のキノン反応は、温度と時間によって末端水酸基濃度が変化し、温度が高いほど、時間が長いほど水酸基濃度が高くなる。本発明においては、フェノール性化合物を重合する条件と重合停止後のキノン反応の条件を限定するものではなく、一般に重合して得られたPPEにキノン化合物を添加してキノン反応して水酸基濃度を高くすることもできる。一般的な固有粘度が0.3〜0.7の範囲のPPEの例として、2,6−ジメチルフェノールを重合した場合、得られたPPE(ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル)の水酸基濃度は、単量体100単位当たり0.8個以下であり、330℃に加熱後の水酸基濃度でも単量体100単位当たり1.2個以下である。
本発明においてはポリフェニレンエーテルの一部として、不飽和カルボン酸又はその官能的誘導体で変性された官能化ポリフェニレンエーテル樹脂を用いることができる。この官能化ポリフェニレンエーテルは、特開平2−276823号公報、特開昭63−108059号公報、特開昭59−59724号公報等に記載されており、例えばラジカル開始剤の存在下または非存在下において、ポリフェニレンエーテルに不飽和カルボン酸やその官能的誘導体を溶融混練して反応させることによって製造される。あるいは、ポリフェニレンエーテルと不飽和カルボン酸やその官能的誘導体とをラジカル開始剤存在下または非存在下で有機溶剤に溶かし、溶液下で反応させることによって製造される。
不飽和カルボン酸又はその官能的誘導体としては、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ハロゲン化マレイン酸、シス−4−シクロヘキセン1,2−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸などや、これらジカルボン酸の酸無水物、エステル、アミド、イミドなど、さらにはアクリル酸、メタクリル酸などや、これらモノカルボン酸のエステル、アミドなどが挙げられる。また、飽和カルボン酸であるが官能化ポリフェニレンエーテルを製造する際の反応温度でそれ自身が熱分解し、本発明で用いる官能的誘導体となり得る化合物も用いることができ、具体的にはリンゴ酸、クエン酸などが挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明において(A)ポリフェニレンエーテルと組み合わせて用いられる(B)スチレン系樹脂とは、スチレン系化合物、スチレン系化合物と共重合可能な化合物をゴム質重合体存在または非存在下に重合して得られる重合体である。
スチレン系化合物の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられ、最も好ましいのはスチレンである。また、スチレン系化合物と共重合可能な化合物としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物類;無水マレイン酸等の酸無水物等が挙げられ、スチレン系化合物とともに使用される。共重合可能な化合物の使用量は、スチレン系化合物との合計量に対して20重量%以下が好ましく、さらに好ましくは15重量%以下である。
また、ゴム質重合体としては共役ジエン系ゴムあるいは共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合体あるいはエチレン−プロピレン共重合体ゴム等が挙げられる。具体的には特に、ポリブタジェンおよびスチレン−ブタジェン共重合体が好ましい。また、ゴム質重合体としては、部分的に水素添加された不飽和度80〜20%のポリブタジエン、または1,4−シス結合を90%以上含有するポリブタジエンを用いることが好ましい。該スチレン系樹脂の具体例としては、ポリスチレンおよびゴム補強ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)およびゴム補強スチレン−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)、その他のスチレン系共重合体等が挙げられる。好ましいのは、ポリスチレンおよびゴム変性ポリスチレンである。
本発明において、ポリフェニレンエーテルとスチレン系樹脂との重量比率は、所望の耐熱性を考慮して、100/0〜1/99の範囲で任意に選ぶことができるが、95/5〜5/90の範囲が適当であり、一般的な成形材料としての範囲は、10/90〜90/10の範囲、最も実用的な範囲は、20/80〜80/20の範囲である。
本発明で用いられる(C)無機フィラーの具体例としては、ガラス繊維の他に、ガラスフレーク、マイカ、ウォラストナイト、タルク、焼成クレーなどが挙げられる。低寸法異方性が要求される場合にはガラスビーズやガラスフレークを、高剛性、高耐衝撃性が要求される場合にはガラス繊維やウィスカー類を導電性付与の目的には金属繊維を、高比重が要求される場合には酸化鉄を選択して用いることが好ましい。
前記無機フィラーは1種用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、本発明の目的を損なわない範囲で、所望に応じシラン系カップリング剤による表面処理や、集束剤による集束処理が施されたものも用いることができる。
無機フィラーの配合割合は、(A)、(B)および(D)の合計量100重量部に対し、2〜200重量部、好ましくは5〜150重量部、更に好ましくは10〜100重量部の範囲である。配合量が2重量部以上で剛性などの機械特性及び寸法精度の改良効果が発揮され、200重量部未満において、成形性が好ましい。
本発明に使用される(D)水素添加ブロック共重合体は、少なくとも1個好ましくは2個以上のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個のジエン化合物を主体とする重合体ブロックを有するブロック共重合体の水素添加物である。ビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ターシャルブチルスチレン等のアルキルスチレン、パラメトキシスチレン、ビニルナフタレン等のうちから1種、または2種以上が選ばれ、中でもスチレンが好ましい。
また、ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1、3ブタジエン(即ちイソプレン)、2、3−ジメチルー1、3−ブタジエン、1、3−ペンタジエン、2−メチル−1、3−ペンタジエン、1、3−ヘキサジエンが挙げられる。これらのうち特に好ましいものは、1、3−ブタジエン及びイソプレンである。これらは一種のみならず二種以上を使用してもよい。
本発明に使用される成分水素添加ブロック共重合体について、水素添加前のブロック共重合体の製造方法としては、例えば特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭46−32415号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭56−28925号公報、特開昭59−166518号公報などに記載された方法が挙げられる。これらの方法により、ブロック共重合体は下記一般式で表されるブロック共重合体として得られる。
(A−B)n、A−(B−A)n、B−(A−B)n
(上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックであり、Bはジエン化合物を主体とする重合体である。AブロックとBブロックとの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。又、nは1以上、一般に1〜5の整数である。)
あるいは一般式
[(B−A)nm+1−X、 [(A−B)nm+1−X、 [(B−A)n−B]m+1−X、 [(A−B)n−A]m+1−X、
(上式において、A,B,nは前記と同じであり、Xは例えば四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化大豆油、2〜6官能のエポキシ基含有化合物、ポリハロゲン化炭化水素、カルボン酸エステル、ジビニルベンゼン等ポリビニル化合物などのカップリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。また、mは1以上、一般に1〜10の整数である。)
尚、上記において、ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックとはビニル芳香族炭化水素由来の単量体単位を50重量%以上、好ましくは70重量%以上含有するビニル芳香族炭化水素とジエン化合物との共重合体ブロック及びビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロックを示し、ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとはブタジエン化合物由来の単量体単位が50重量%を超える量で、好ましくは70重量%以上含有するジエン化合物とビニル芳香族炭化水素との共重合体ブロック及びブタジエン化合物単独重合体ブロックを示す。
共重合体ブロック中のビニル芳香族炭化水素由来の単量体単位は均一に分布していても、又テーパー状に分布していてもよい。又、該共重合体部分には、ビニル芳香族炭化水素由来の単量体単位が均一に分布している部分及びテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。本発明で使用する水素添加ブロック共重合体は、上記一般式で表されるブロック共重合体の水素添加物を任意の割合で併用できる。
本発明において、水素添加前のブロック共重合体中のジエン化合物に基づくビニル結合量は、10〜70%、好ましくは15〜60%、更に好ましくは25〜50%である。ここに、ビニル結合量とは、ブロック共重合体中に1,2−結合、3,4−結合及び1,4−結合の結合様式で組み込まれているジエン化合物のうち、1,2−結合及び3,4−結合で組み込まれているものの割合である。ビニル結合量が10%未満又は70重量%を超える場合は、水素添加ブロック共重合体とポリフェニレンエーテルおよびスチレン系樹脂との親和性が劣るため好ましくない。ビニル結合量は、ビニル化剤としてジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル化合物、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の第3級アミンなどを用いてブロック共重合体の製造時に調整することができる。
本発明で使用する水素添加ブロック共重合体は、上記のブロック共重合体を水素添加すること(水素添加反応)により得られる。水素添加反応に使用される触媒としては、(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系触媒、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩などの遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型触媒、(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一触媒が知られている。水素添加反応の具体的な方法としては、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報に記載された方法が挙げられ、炭化水素溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加して、水素添加物を得ることができる。その際、ブロック共重合体の水素添加率は、反応温度、反応時間、水素供給量、触媒量等を調整することによりコントロールできる。
本発明に使用される水素添加ブロック共重合体は、ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の全水素添加率が90%以上、好ましくは95%、更に好ましくは99%の範囲である。全水素添加率が40%未満では熱安定性が劣り、90%以上では耐薬品性、流動性、耐衝撃性が劣る。
更に、本発明では、水素添加ブロック共重合体において、水素添加前のジエン化合物に基づくビニル結合部の水素添加率を90%以上、好ましくは95%以上にすべきである。ビニル結合部の水素添加率が90%未満の場合には、熱安定性が劣るため好ましくない。ここで、ビニル結合部の水素添加率とは、水素添加前のブロック共重合体中に組み込まれているブタジエン化合物に基づくビニル結合量に対する、水素添加されたビニル結合量の割合を云う。
なお、ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素に基づく芳香族二重結合の水素添加率については特に制限はないが、水素添加率を50%以下、好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下にすることが好ましい。水素添加率は、赤外分光光度計や核磁気共鳴装置(NMR)等により知ることができる。
本発明に使用される水素添加ブロック共重合体の水素添加前のブロック共重合体におけるビニル芳香族炭化水素由来の単量体単位の含有量は10〜70重量%、好ましくは15〜55重量%、更に好ましくは20〜45重量%の範囲であり、ビニル芳香族炭化水素由来の単量体単位の含有量が異なる2種以上の水素添加ブロック共重合体を用いて好ましい範囲とすることもできる。ビニル芳香族炭化水素由来の単量体単位の含有量が10重量%以上または70重量%未満の場合に耐薬品性、耐衝撃性が優れる。
また、本発明で用いられる、水素添加ブロック共重合体の重量平均分子量は、GPCによる測定において、標準ポリスチレン換算で10万〜50万、好ましくは15万〜40万、更に好ましくは18万〜30万であり、分子量の異なる2種以上の水素添加ブロック共重合体を併用して好ましい平均分子量にすることができる。
上記のようにして得られた水素添加ブロック共重合体の溶液から、通常の方法で脱溶剤することにより、本発明の水素添加ブロック共重合体を得ることができる。必要に応じ、金属類を脱灰する工程を採用することができる。また、必要に応じ、反応停止剤、酸化防止剤、中和剤、界面活性剤等を用いてもよい。
本発明で使用する水素添加ブロック共重合体は、窒素、酸素、ケイ素、リン、硫黄、スズから選ばれる極性基含有官能基が重合体に結合した官能化重合体や水素添加ブロック共重合体を無水マレイン酸などの変性剤で変性した官能化ブロック共重合体も含まれる。
また、本発明の水素添加ブロック共重合体には、軟化剤あるいは加工助剤として公知のナフテン系、パラフィン系のプロセスオイル及びこれらの混合オイルを配合できる。
本発明においては、本発明の範囲外の水素添加または非水素添加のビニル芳香族炭化水素と共役ジエン化合物とのブロック共重合体を、50%未満の範囲で併用することが可能である。
本発明において、水素添加ブロック共重合体の添加量は、(A)、(B)および(D)の合計量100重量部において、0.5〜20重量部、好ましくは1〜15重量部、より好ましくは2〜10重量部の範囲である。1重量部以上で耐薬品性、耐衝撃性、耐久性が向上し、15重量部以下において引張り強度、曲げ弾性率などの機械強度が好ましい。
本発明の組成物には必要により、無定形ポリオレフィン、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのポリオレフィン系又は低分子量のビニル芳香族系熱可塑性樹脂;天然ゴム;ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、イソプレン−イソブチレンゴム、ポリペンテナマーゴム、及び、本発明以外のスチレン−イソプレン系ブロック共重合体などの合成ゴムを添加しても良い。
本発明組成物には、組成物の安定性を向上させる目的で、熱安定剤(酸化防止剤)を添加することがより好ましい。例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などをそれぞれ単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いることによりより効果が発現される。また、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫化亜鉛などの無機化合物を添加することも効果的である。
本発明組成物には必要により、紫外線吸収剤、光安定剤などの安定剤を添加して、組成物の耐光性を向上させることができる。紫外線吸収剤、光安定剤としては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤や2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、あるいはヒンダードアミン系光安定剤などを挙げることができる。
本発明の樹脂組成物には、射出成形時の金型からの離型性改良剤として、ポリオレフィン単独重合体あるいは共重合体を添加することができる。特にポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体などを添加して、更に向上することができる。
また、従来から知られた各種難燃剤、難燃助剤、チャー化促進剤、例えば赤燐、上記以外の有機および無機の各種リン化合物、メラミン、メロンなどの環状窒素化合物やその誘導体、ホスファゼン化合物、ハロゲン化合物、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の水酸化物、ホウ酸亜鉛化合物、スズ酸亜鉛化合物、三酸化アンチモン、酸化鉄などの金属酸化物、さらにはシリカ、シリカアルミナなどの無機ケイ素化合物、テトラフルオロエチレン系ポリマー、シリコーン化合物、フェノール化合物やフェノール樹脂類、多価アルコール類、糖類などを添加することもできる。
更に、一般的に用いられる着色剤としての有機または無機の各種染顔料、滑剤としてのパラフィンワックス、マイクロクリスタンワックス、低分子量ポリエチレンワックス、などのワックス類、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸のエステル、高級アルコール等、各種帯電防止剤、導電性カーボン、各種可塑剤なども添加できる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に規定するものではないが、押出機を用いて混練製造することが生産性の面から好ましく、押出機フィードゾーンから投入された樹脂成分が溶融した後、繊維状無機フィラーを押出機加熱溶融ゾーンの途中から添加して溶融混練りすることが望ましい。混練り温度は、ベース樹脂の好ましい加工温度に従えばよく、目安としては200〜360℃の範囲、好ましくは240〜320℃の範囲である。
本発明を実施例に基づいて説明する。
成分(A):以下の参考例の手順にて、2,6−キシレノールを酸化重合して得られたポリフェニレンエーテル。
得られたポリフェニレンエーテルのηsp/cおよび水酸基量は以下の方法により測定した。
還元粘度(ηsp/c)の測定:試料0.5g/クロロホルム100mlの溶液を作成し、ウベローデ型粘度計を用いて30℃で測定した値である。単位はdl/gで表す。
水酸基量の測定:Journal of Applied Polymer Science: Applied Polymer Symposium34,103-117(1978)に記載された方法に基づき、日立ハイテクノロジー社製のU3310型分光光度計で測定した値である。単位は単量体(2,6−キシレノール)100単位当たりの水酸基個数で表す。
[参考例1]
A−1の作成:反応器底部に酸素ガス導入の為のスパージャー、攪拌タービン翼、還流冷却器を備えた10リットルのジャケット付きガラス製反応器を用いた。
モノマー液として、1100gの2,6−ジメチルフェノールを1056.86gのトルエンに溶かした溶液を準備した。テフロン(登録商標)製フラスコ内に1.4172gの酸化第一銅を秤取り、窒素をパージしながら8.5243gの47%臭化水素水溶液をスターラ攪拌しながら混合させた。次いでこれに16.5277gのN,N−ジ−n−ブチルアミンを混合して混合液Pを作成した。一方窒素をパージした状態の重合反応器に3.4139gのN,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミンと41.9196gのN,N−ジメチル−n−ブチルアミンと1.00gのトリオクチルメチルアンモニウムクロライド及び2770.335gのトルエンを加えた。窒素パージを続けつつ、混合液Pの全量を重合反応器に加えた。次に窒素パージをやめ激しく攪拌しながら反応器底部より空気を7.6Nl/minの速度で導入し、直ちにプランジャー式ポンプでモノマー液を30分で全量を投入し終わる速度で添加を開始した。重合温度は40℃を保ち、150分間重合反応を行った。重合終了時点におけるポリフェニレンエーテルのηsp/cは0.75dl/gだった。重合終了後の反応混合物にEDTA4ナトリウム塩の10重量%水溶液を97.6g加えて攪拌しながら70℃まで昇温し、そのまま2時間保持することにより、触媒抽出と副生したジフェノキノンを反応処理した。その後、等容のメタノールを加えてポリマーを沈殿させた。沈殿させたポリマーは遠心濾過とメタノールで3度洗浄し、145℃で1時間真空乾燥させた。得られたポリフェニレンエーテルのηsp/cは、0.53dl/g、水酸基濃度は単量体100単位当たり0.88個だった。また、このポリフェニレンエーテルをプレス成形機の設定温度330℃で5分加熱して得たシートの水酸基濃度は単量体100単位当たり1.92個だった。
[参考例2]
A−2の作成:参考例1と同じ反応装置を用い、酸化第一銅0.7603gと47wt%臭化水素水溶液2.910gを混合して入れ、ここにN,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン2.039g、ジ−n−ブチルアミン9.8715g、ブチルジメチルアミン25.0375g、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド0.60g及びトルエン1670.73gを加えた。これに更に105.12gの2,6−ジメチルフェノールを100.972gのトルエンに溶かした溶液を加えた。窒素雰囲気下で攪拌しながら15分間放置した後、反応器に酸素を導入し、直ちに、プランジャー式ポンプで、621.0gの2,6−ジメチルフェノールを596.65gのトルエンに溶かした溶液を30分かけて加えた。120分間重合反応を行った。重合終了後の反応混合物にEDTA4ナトリウム塩の10重量%水溶液を52.345g加え攪拌後、等容のメタノールを加えてポリマーを沈殿させた。沈殿させたポリマーは遠心濾過とメタノールで3度洗浄し、145℃で1時間真空乾燥させた。得られたポリフェニレンエーテルのηsp/cは、0.52dl/g、水酸基濃度は単量体100単位当たり0.42個だった。また、このポリフェニレンエーテルをプレス成形機の設定温度330℃で5分加熱して得たシートの水酸基濃度は単量体100単位当たり0.93個だった。
成分(B):スチレン系樹脂
B−1:ゴム変性ポリスチレン(PSジャパン(株)製、ポリスチレンH9152)

成分(C):無機フィラー
C−1:アミノシラン処理された直径13μm、3mmチョップドストランドのガラス繊維

成分(D):水添ブロック共重合体
水添ブロック共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定装置[GPC SYSTEM21:昭和電工(株)製]を用いて、紫外分光検出器[UV−41:昭和電工(株)製]で測定し、分子量既知の標準ポリスチレンで換算した重量平均分子量の事を指す。[溶媒:クロロホルム、温度:40℃、カラム:サンプル側(K−G,K−800RL,K−800R)、リファレンス側(K−805L×2本)、流量10ml/分、測定波長:254nm,圧力15〜17kg/cm]。

D−1:ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレン30重量%、重量平均分子量260,000、ポリブタジエン部の水素添加率が約99%の水添ブロック共重合体。
D−2:ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレン30重量%、重量平均分子量80,000、ポリブタジエン部の水素添加率が約99%の水添ブロック共重合体。
実施例中の樹脂とガラス繊維との密着性評価;
得られた組成物の樹脂とガラス繊維との密着性は、下記の方法により評価した。アイゾッド衝撃試験後の試験の破断面を走査型電子顕微鏡写真(倍率:X370)を撮影し、写真から評価判定した。評価結果の尺度は、視野内の全てのガラス繊維に樹脂が付着しているものは◎、樹脂が付着していないガラス繊維がわずかに見られるものは○、樹脂が付着していないガラス繊維が半数程度見られるものは△、ガラス繊維に樹脂がほとんど付着していないものは×で示した。
実施例中の特性値の測定;
得られた組成物の特性値は、下記の方法により測定した。
1)耐衝撃性:4分の1インチ厚試験片を用いてASTM D256に従ってノッチ付きアイゾッド衝撃強さを測定した。
2)ダート衝撃強度
50mmX90mmX厚み2.5mmの平板について、東洋精機社製の落錘グラフィックインパクトテスターを用いて、試験片固定径38mm、落錘高さ1m、落錘径13mm、荷重6.5kgの条件で全破壊エネルギーを測定した。
3)曲げ特性
ASTM D790に従って、曲げ弾性率を測定した。
4)引っ張り特性
ASTM D638に従って、引っ張り強度、引っ張り伸びを測定した。
5)耐久性:引張り振動疲労試験
JIS−K−7118に準拠し、島津製作所(株)製のサーボパルサー疲労試験機EHF−LB10KN−20LA型を用いて、以下の様に評価した。
[試験片形状]
2mm厚み、100mm×100mm平板の中央より直角方向にJIS−K−7113の2号形試験片近似の形状に切削し、厚さ2mm、全長100mm、平行部20mm、幅6mmの試験片を作成。
[試験条件]
・試験形式 =部分片振り引っ張り
・試験周波数 =正弦波1Hz
・応力比 =0.1(最小応力/最大応力)
・試験温度 =室温
・掴み具間距離=40mm
5点以上の繰り返し応力Sと繰り返し回数NからS−N線図を作成し、繰り返し回数1000回で破断したときの繰り返し応力S(MPa)を耐久性の尺度とした。
6)耐エポキシ硬化剤性:厚さ3.2mmのASTM D638 Type−I試験片を用いて、本試験片の表面歪みが0.5%になる曲率半径を有する円弧治具に取り付け、試験片中央部にエポキシ硬化剤を浸み込ませたガーゼを乗せる。サンプルにクラック、クレーズが発生するまでの時間を測定することにより耐エポキシ硬化剤性を評価した。クラック、クレーズが発生するまでの時間が長いほど、エポキシ硬化剤に対する耐性に優れる。エポキシ硬化剤は、ヘキサヒドロ無水フタル酸系硬化剤を用いた。
[実施例1〜3、比較例1〜2]
表1に示す組成で、サイドフィーダー付き二軸押出機(WERNER & PFLEIDERER社製、ZSK-25)を用い、サイドフィーダー部より無機フィラーを、上流のメインフィーダーより残り全ての原料と着色剤としてのTioxide社製の酸化チタン(商品名、R−TC30)1.5重量部および安定剤としてのトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト0.2重量部とをフィードし、300℃の温度にて溶融混練して強化樹脂組成物をペレットとして得た。このペレットを用いて290〜310℃に設定したインラインスクリュー型射出成形機に供給し、金型温度90℃または120℃の条件で試験用テストピースを射出成形した。該強化樹脂組成物の物性試験結果を表1に示す。

本発明の組成物は、従来の強化変性PPEの機械的強度、高寸法性、耐熱性を維持し、且つ耐久性、耐接着剤性等の実用特性に優れた強化変性PPEを提供し、電気・電子機器、事務機器、工業機材等の構造部品、精密部品の分野で好適に利用できる。
実施例の組成物について、アイゾッド衝撃試験後の試験片の破断面を走査型電子顕微鏡により樹脂とガラス繊維の密着性を観察した写真(倍率:X370)である。 同様に、比較例の組成物について、アイゾッド衝撃試験後の試験片の破断面を走査型電子顕微鏡により樹脂とガラス繊維の密着性を観察した写真(倍率:X370)である。

Claims (9)

  1. ポリフェニレンエーテル(A)とスチレン系樹脂(B)との合計量100重量部に対し、無機フィラー(C)2〜200重量部からなる強化樹脂組成物であり、原料として用いるポリフェニレンエーテルが、重合停止後のキノン反応を触媒失活剤の水溶液存在下で行うことにより得られ、その水酸基濃度が単量体100単位当たり0.8個以上有することを特徴とするポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物。
  2. ポリフェニレンエーテル(A)が、330℃で5分間加熱後のポリフェニレンエーテルの水酸基濃度が単量体100単位当たり1.5個以上有するものであることを特徴とする請求項1記載のポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物。
  3. ポリフェニレンエーテルのηsp/cが0.3以上0.8未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物。
  4. 無機フィラーとして繊維状フィラーを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物。
  5. 無機フィラーとして板状フィラーを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物。
  6. ポリフェニレンエーテルとスチレン系樹脂との比率が重量比で95/5〜5/90であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物。
  7. 更に、ビニル芳香族炭化水素とジエン化合物との比率が重量比で10/90〜70/30であるブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体(D)を含有し、ブロック共重合体の重量平均分子量10万以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物。
  8. 更に、ビニル芳香族炭化水素とジエン化合物との比率が重量比で20/80〜45/55であるブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体(D)を含有し、ブロック共重合体の重量平均分子量15万以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物。
  9. 更に水素添加ブロック共重合体(D)が添加され、その添加量が(A)、(B)および(D)の合計量100重量部において0.5〜20重量部であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物。
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