以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る画像形成装置及び画像作成方法について説明をする。
図1は、本発明に係る実施形態としてのカラープリンタ100の構成例を示す概念図である。図1に示すタンデム式のカラープリンタ100は、画像形成装置の一例を構成し、デジタルのカラー画像情報に基づいて複数の感光体ドラムで作像された色画像を中間転写ベルト上で重ね合わせるようになされる。色画像は所定の用紙に転写されて定着される。カラー画像情報は、パーソナルコンピュータ等の外部装置から当該プリンタ100へ供給される。
カラープリンタ100は、画像処理部70、書き込み制御ユニット、大容量記憶部及び画像形成部を有して構成される。画像処理部70は、例えば、外部装置からR色、G色、B色再現用のカラー画像情報を受信し、このカラー画像情報を色変換処理してY,M,C,BK色用の画像データDy,Dm,Dc,Dkを出力する。
画像処理部70にはY,M,C,BK色用の書き込み制御ユニット15Y,15M,15C,15Kが接続され、各々の書き込み制御ユニット15Y,15M,15C,15Kでは、画像書き込み用の基準信号の一例を構成する基準(擬似)インデックス信号(以下で基準Index信号という)に基づいて大容量記憶部33Y,33M,33C,33Kへのデータ書き込み及び、大容量記憶部33Y,33M,33C,33Kから画像形成部80への画像データDy,Dm,Dc,Dkの読み出し制御を実行する。画像形成部80ではY,M,C,BK色用の感光体ドラム1Y,1M,1C,1K毎にドラム一周をn分割し、n分割されたブロック毎に補正後の基準Index信号を適用し、Y,M,C,BK色の色画像を形成するようになされる。
例えば、Y色用の書き込み制御ユニット15Yには大容量記憶部33Yが接続され、大容量記憶部33Yには画像処理部70から出力されるY色用の画像データDyが基準Index信号に基づいて格納される。書き込み制御ユニット15Yは、基準Index信号をドラム周回信号により補正した後のY色用の書き込み基準(同期)信号(以下Y−IDX信号という)及び、読み出し側の垂直有効領域信号(以下R−VVy信号という)に基づいて大容量記憶部33Yから画像データDyを読み出し、画像形成部80へ出力するようになされる。ここにドラム周回信号とは、いずれかの1つの感光体ドラムの回転を1周分測定する毎に得られる信号をいう。
M色用の書き込み制御ユニット15Mには大容量記憶部33Mが接続され、画像処理部70から出力されるM色用の画像データDmを基準Index信号に基づいて格納する。書き込み制御ユニット15Mは、基準Index信号をドラム周回信号により補正した後のM色用の書き込み基準(同期)信号(以下M−IDX信号という)及び、読み出し側の垂直有効領域信号(以下R−VVm信号という)に基づいて大容量記憶部33Mから画像データDmを読み出し、画像形成部80へ出力するようになされる。
C色用の書き込み制御ユニット15Cには大容量記憶部33Cが接続され、画像処理部70から出力されるM色用の画像データDcを基準Index信号に基づいて格納する。書き込み制御ユニット15Cは、基準Index信号をドラム周回信号により補正した後のC色用の書き込み基準(同期)信号(以下C−IDX信号という)及び、読み出し側の垂直有効領域信号(以下R−VVc信号という)に基づいて大容量記憶部33Cから画像データDcを読み出し、画像形成部80へ出力するようになされる。
BK色用の書き込み制御ユニット15Kには大容量記憶部33Kが接続され、画像処理部70から出力されるBK色用の画像データDkを基準Index信号に基づいて格納する。書き込み制御ユニット15Kは、基準Index信号をドラム周回信号により補正した後のBK色用の書き込み基準(同期)信号(以下K−IDX信号という)及び、読み出し側の垂直有効領域信号(以下R−VVk信号という)に基づいて大容量記憶部33Kから画像データDkを読み出し、画像形成部80へ出力するようになされる。
画像形成部80はイエロー(Y)色用の感光体ドラム1Yを有する画像形成ユニット10Yと、マゼンタ(M)色用の感光体ドラム1Mを有する画像形成ユニット10Mと、シアン(C)色用の感光体ドラム1Cを有する画像形成ユニット10Cと、黒(K)色用の感光体ドラム1Kを有する画像形成ユニット10Kと、無終端状の中間転写ベルト6とを備えて構成される。
画像形成部80では、当該感光体ドラム1Y,1M,1C,1K毎に作像処理するようになされ、各作像色用の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kで作像処理された各色のトナー像が中間転写ベルト6上で重ね合わされ、色画像を形成するようになされる。
この例で、画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム1Yの他に、帯電器2Y、ライン状の光学ヘッド(Line Photo diode Head;以下LPHユニット5Yという)、現像器4Y及び像形成体用のクリーニング手段8Yを有して、イエロー(Y)色の画像を形成するようになされる。感光体ドラム1Yは像担持体の一例を構成し、例えば、中間転写ベルト6の右側上部に近接して回転自在に設けられ、Y色のトナー像を形成するようになされる。
この例で、感光体ドラム1Yは、図2に示すような回転伝動機構40によって、反時計方向に回転される。感光体ドラム1Yの斜め右側下方には、帯電器2Yが設けられ、感光体ドラム1Yの表面を所定の電位に帯電するようになされる。
感光体ドラム1Yのほぼ真横には、これに対峙して、LPHユニット5Yが設けられ、事前に帯電された感光体ドラム1Yに対して、Y色用の画像データDyに基づく所定の強度を有したレーザ光を一括照射するようになされる。LPHユニット5Yには、図示しないLEDヘッドがライン状に配置されたものが使用される。画像書き込み系には、LPHユニットに代えて、図示しないポリゴンミラーによる走査露光系等を使用してもよい。感光体ドラム1YにはY色用の静電潜像が形成される。
LPHユニット5Yの上方には現像器4Yが設けられ、感光体ドラム1Yに形成されたY色用の静電潜像を現像するように動作する。現像器4Yは、図示しないY色用の現像ローラを有している。現像器4Yには、Y色用のトナー剤及びキャリアが収納されている。
Y色用の現像ローラは、内部に磁石が配置され、現像器4Y内でキャリアとY色トナー剤を攪拌して得られる2成分現像剤を感光体ドラム1Yの対向部位に回転搬送し、Y色のトナー剤により静電潜像を現像するようになされる。この感光体ドラム1Yに形成されたY色のトナー像は、1次転写ローラ7Yを動作させて中間転写ベルト6に転写される(1次転写)。感光体ドラム1Yの左側下方には、クリーニング部8Yが設けられ、前回の書き込みで感光体ドラム1Yに残留したトナー剤を除去(クリーニング)するようになされる。
この例で、画像形成ユニット10Yの下方には画像形成ユニット10Mが設けられる。画像形成ユニット10Mは、感光体ドラム1M、帯電器2M、LPHユニット5M、現像器4M及び像形成体用のクリーニング部8Mを有して、マゼンタ(M)色の画像を形成するようになされる。
画像形成ユニット10Mの下方には画像形成ユニット10Cが設けられる。画像形成ユニット10Cは、感光体ドラム1C、帯電器2C、LPHユニット5C、現像器4C及び像形成体用のクリーニング部8Cを有して、シアン(C)色の画像を形成するようになされる。
画像形成ユニット10Cの下方には画像形成ユニット10Kが設けられる。画像形成ユニット10Kは、感光体ドラム1K、帯電器2K、LPHユニット5K、現像器4K及び像形成体用のクリーニング部8Kを有して、ブラック(BK)色の画像を形成するようになされる。感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kには有機感光体(Organic Photo Conductor;OPC)ドラムが使用される。
なお、画像形成ユニット10M〜10Kの各部材の機能については、画像形成ユニット10Yの同じ符号のものについて、YをM,C,Kに読み替えることで適用できるので、その説明を省略する。上述の1次転写ローラ7Y,7M,7C及び7Kには、使用するトナー剤と反対極性(本実施例においては正極性)の1次転写バイアス電圧が印加される。
中間転写ベルト6は像担持体の一例を構成し、1次転写ローラ7Y,7M,7C及び7Kによって転写されたトナー像を重合してカラートナー像(カラー画像)を形成する。ここに、1次転写ローラ7Yにおける1次転写ポイントをP1とし、1次転写ローラ7Mにおける1次転写ポイントをP2とし、1次転写ローラ7Cにおける1次転写ポイントをP3とし、1次転写ローラ7Kにおける1次転写ポイントをP4とすると、タンデム方式では、Y色→M色→C色→BK色の順で感光体ドラム1Y,1M,1C,1K上の各々の画像を中間転写ベルト6に1次転写するようになされる。
この方式の場合、各作像色の1次転写ポイントから隣接する色の1次転写ポイントまでの距離分(P2−P1),(P3−P2),(P4−P3)というように感光体ドラム1Y,1M,1C,1K上に画像データDy,Dm,Dc,Dkを書き込む(露光する)タイミングをずらすようになされる。
このようなタイミングにより感光体ドラム1Y,1M,1C,1K上を介して中間転写ベルト6上に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト6が時計方向に回転することで、2次転写ローラ7Aに向けて搬送される。2次転写ローラ7Aは中間転写ベルト6の下方に位置しており、その下方には2次転写器7Bが設けられている。2次転写ローラ7Aは中間転写ベルト6に形成されたカラートナー像を2次転写器7Bと共に用紙Pに一括して転写するようになされる(2次転写)。2次転写ローラ7Aには前回の転写で2次転写ローラ7Aに残留したトナー剤を除去(クリーニング)するようになされる。
この例で、中間転写ベルト6の左側上方にはクリーニング部8Aが設けられ、転写後の中間転写ベルト6上に残存するトナー剤をクリーニングするように動作する。クリーニング部8Aは、中間転写ベルト6の電荷を除電する除電部(図示せず)や中間転写ベルト6に残留するトナー等を除去するパッドを有している。このクリーニング部8Aによってベルト面がクリーニングされ、除電部で除電された後の中間転写ベルト6は、次の画像形成サイクルに入る。これにより、用紙Pにカラー画像を形成できるようになる。
カラープリンタ100には画像形成部80の他に、用紙給紙部20及び、定着装置17を備えている。上述の画像形成ユニット10Kの下方には、用紙供給部20が設けられ、図示しない複数の給紙トレイを有して構成される。各々の給紙トレイ内には所定のサイズの用紙Pが収容される。
用紙供給部20から画像形成ユニット10Kの下方に至る用紙搬送路には、搬送ローラ22A、22C、ループローラ22B、レジストローラ23等が設けられる。例えば、レジストローラ23は、用紙供給部20から繰り出された所定の用紙Pを2次転写ローラ7Aの手前で保持し、画像タイミングに合わせて2次転写ローラ7Aへ送り出すようになされる。2次転写ローラ7Aは、中間転写ベルト6に担持された色画像を、レジストローラ23によって用紙搬送制御される所定の用紙Pに転写するようになされる。
上述の2次転写ローラ7Aの下流側には定着装置17が設けられ、カラー画像が転写された用紙Pを定着処理するようになされる。定着装置17は、図示しない定着ローラ、加圧ローラ、加熱(IH)ヒータや、定着クリニーグ部17A等を有している。定着処理は、加熱ヒータによって加熱される定着ローラ及び加圧ローラの間に用紙Pを通過させることで、当該用紙Pが加熱・加圧される。定着後の用紙Pは、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ(図示せず)上に排紙される。定着クリニーグ部17Aは、前回の定着で定着ローラ等に残留したトナー剤を除去(クリーニング)するようになされる。
図2は、画像形成部80の構成例を示す斜視図である。図2に示す画像形成部80は、感光体ドラム1Y,1M,1C,1K、中間転写ベルト6、各作像色用のLPHユニット5Y,5M,5C,5K及び回転伝動機構40を有して構成される。Y色用のLPHユニット5Yは、感光体ドラム1Yの全幅に等しい長さを有しており、基準Index信号から作成したY−IDX信号に基づいて、Y色画像データDyを1ライン分又は数ライン分をまとめて主走査方向へ一括書き込みするように動作する。
ここに、主走査方向とは感光体ドラム1Yの回転軸に平行する方向である。感光体ドラム1Yは、副走査方向に回転する。上述の中間転写ベルト6は一定の線速度で副走査方向に移動される。副走査方向は、感光体ドラム1Yの回転軸に対して直交する方向である。感光体ドラム1Yが副走査方向に回転し、かつ、LPHユニット5Yによる主走査方向へのライン単位の一括露光によって感光体ドラム1YにはY色用の静電潜像が形成される。
他の色用のLPHユニット5M,5C,5Kも、同様な長さを有しており、各作像色用の基準信号の一例を構成するM−IDX信号、C−IDX信号及び、K−IDX信号に基づいて、M色画像データDm、C色画像データDc、BK色画像データDkを同様にしてまとめて一括書き込みするように動作する。各作像色用のY−IDX信号、M−IDX信号、C−IDX信号及び、K−IDX信号は書き込み制御ユニット15Y,15M,15C,15Kから供給される。LPHユニット5Y,5M,5C,5Kには、当該プリンタ100で取り扱われる用紙の最大幅にもよるが、LEDヘッドが1ラインに付き数千〜数万画素ドットを有するものが使用される。
この例で、画像形成部80は回転伝動機構40を備え、Y色、M色、C色用の3個の感光体ドラム1Y,1M,1Cが当該回転伝動機構40を介在させて共通のモータ30aにより所定の回転速度で駆動される。モータ30aは駆動部の一例を構成する。大径ギア11Y,11M,11C,11Kは、例えば、各作像色用の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの径よりも大きい径を有しており、これらの感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに対応付けて取り付けられている。大径ギア11Yは感光体ドラム1Yに取り付けられる。他の大径ギア11M,11C,11Kも同様に取り付けられる。
大径ギア11Y,11Mにはアイドルギア12aが噛み合わされ、大径ギア11M,11Cにはアイドルギア12bが噛み合わされる。アイドルギア12aと大径ギア11Y,11Mや、アイドルギア12bと大径ギア11M,11C等は所定の歯車比を有している。
この例で、アイドルギア12bにはモータギア13cを介在してモータ30aが噛み合わされる。モータ30aはモータ軸13aを有しており、当該モータ軸13aにモータギア13cが取り付けられる。モータギア13cとアイドルギア12aとは、所定の歯車比を有している。
回転伝動機構40では、モータ30aが反時計方向に回転すると、歯車比1:βに基づいてアイドルギア12bが時計方向に回転し、このアイドルギア12bが回転することで、所定の歯車比で大径ギア11M及び大径ギア11Cが反時計方向に回転する。大径ギア11Mが回転することで、感光体ドラム1Mが反時計方向に回転する。同様にして、大径ギア11Cが回転することで、感光体ドラム1Cが反時計方向に回転する。
また、大径ギア11Mが反時計方向に回転することで、アイドルギア12aが時計方向に回転する。このアイドルギア12aの時計方向への回転に伴って、大径ギア11Yが反時計方向に回転する。大径ギア11Yが回転することで、感光体ドラム1Yが反時計方向に回転する。これにより、回転伝動機構40を介在させた共通の1個のモータ30aによりY色、M色、C色用の3個の感光体ドラム1Y,1M,1Cを駆動できるようになる。
なお、BK色用の1個の感光体ドラム1Kは、モノクロ高速モードに対応して、アイドルギアを介在することなくモータ30bで大径ギア11Kを直接駆動するようになされる。回転伝動機構40には、モータ30aの他にモータ30bが設けられる。モータ30bも駆動部の一例を構成し、モータ軸13bを有しており、当該モータ軸13bにモータギア13dが取り付けられる。モータギア13dと大径ギア11Kとは所定の歯車比を有している。
この例では、M色用の大径ギア11Mの軸部には、周期検出手段を構成するエンコーダ41が取り付けられ、例えば、M色用の感光体ドラム1Mの回転速度を検出してドラム周回信号(以下TRIG信号という)を出力するようになされる。このように、1個のモータ30aでY色、M色、C色用の3個の感光体ドラム1Y,1M,1Cを駆動し、かつ、単独のモータ30bでBK色用の感光体ドラムを直接駆動が可能な画像形成部80を構成する。
続いて、図3及び図4を参照しながら感光体ドラム1Yの回転速度変動ムラ等について説明する。図3(A)及び(B)は、感光体ドラム1Y等の1周とその回転速度の変動例を示す図である。
この例では、Y,M,C,BK作像色用の感光体ドラム1Y,1M,1C,1K毎にドラム一周をn分割し、n分割されたブロック毎に基準Index信号を適用してY,M,C,BK色画像を形成する場合を前提としている。図3(A)に示す感光体ドラム1周をN分割、例えば、図3(A)に示す感光体ドラム1Y等の外周360°を30°ずつ12等分して、ブロックを区分するA点〜L点(ポイント)を設定し、区間A→B、B→C、C→D、D→E、E→F、F→G、G→H、H→I、I→J、J→K、K→L、L→Aを示す12個のブロックを設定している。
また、図3(B)に示す感光体ドラム1Y等の回転速度変動例によれば、A→B→C→D→E→F→Gの前半6ブロックの区間は、偏芯や、その他の原因により感光体ドラム1Y等の回転速度が遅くなっている状態であり、また、G→H→I→J→K→L→Aの後半6ブロックの区間は、反対にその回転速度が速くなっている状態である。
図4(A)及び(B)は、基準Index信号の周期補正例を示す動作タイムチャートである。図4(A)の横軸は、感光体ドラム1Yの1周分のドラム位置であり、この例では、A→B→C→D→E→F→G区間の前半6ブロック分を示している。Tは、回転速度変動が無いとした場合の1ブロックを通過する回転速度を時間換算した理想的な経過時間(基準Index信号の周期)である。
図4(B)に示すIndex信号の横軸は時間tであり、図3(B)に示した回転速度が遅い状態のA→B→C→D→E→F→G区間の6ブロック分を示している。この例で、ブロックA→B区間のポイントBはそのポイントAを基準にして、ポイントB’に変動し、ブロックB→C区間のポイントCはそのポイントBを基準にしてポイントC’に変動し、ブロックC→D区間のポイントDはそのポイントCを基準にしてポイントD’に変動し、ブロックD→E区間のポイントEはそのポイントDを基準にしてポイントE’に変動し、ブロックE→F区間のポイントFはそのポイントEを基準にしてポイントF’に変動している。
図4(A)に示した理想的な区間のポイントA,B,C,D,E,Fに対する周期Tは、例えば、A→B’区間が周期t1に変動し、B→C’区間が、周期t2に変動し、C→D’区間が周期t3に変動し、D→E’区間が、周期t4に変動し、E→F’区間が周期t5に変動している。
この例では、感光体ドラム1Y等の回転変動が”無い”とした場合の当該ブロックの区間のポイントと、回転変動が”有る”とした場合の当該ブロックの区間の同じ区間のブロックのポイントとの間の時間差(tn−T;位相差)を回転速度変動値Δtnとしたとき、ポイントB−B’間の時間差はΔt1であり、ポイントC−C’の時間差はΔt2であり、ポイントD−D’の時間差はΔt3であり、ポイントE−E’の時間差はΔt4であり、ポイントF−F’の時間差はΔt5である。時間差Δt1〜Δt5は回転速度変動値Δtnを構成する。
この例で図6に示すような補正Index生成部51において、区間A→B、B→C、C→D、D→E、E→F、F→G、G→H、H→I、I→J、J→K、K→L、L→Aの12ブロックに関して、その1ブロック毎に、各区間のポイントの通過時刻(期待値)からの差分、すなわち、図4(B)に示した回転速度変動値Δtnを求め、この回転速度変動値Δtnをブロック数分だけ補正Index生成部51内の図示しないメモリに格納して適用される。回転速度変動値Δtnは回転速度変動データD1として格納される。
補正Index生成部51では、そのメモリから回転速度変動データD1(回転速度変動値Δtn)を読み出し、ブロック内のライン数Lで回転速度変動データD1が示す回転速度変動値ΔTnを割り算して、1ライン数当たりの回転速度ライン変動値H(D1/L=H)の値を算出して各ブロックに分配する。回転速度ライン変動値H、例えば「2」の補数である。そして、基準Index信号の周期Tにその補数Hを加減算し、周期T±H1のY−IDX信号を生成するようになされる。Y−IDX信号は、Y色用の感光体ドラム1Y上にY色画像を形成するときの書き込み基準(同期)信号である。Y−IDX信号には、各ブロック毎に補正時間Δtn−Δtn-1が反映される。
図5(A)及び(B)は、感光体ドラム1Y等の回転速度ムラをキャンセルするための基準Index信号の周期補正例を示す図である。図5(A)は、補正前の感光体ドラム1Y等の回転速度変動例を示す波形図である。図5(A)に示す回転速度変動例については、図3(B)に示した回転速度変動例と同じであるので、その説明を省略する。
この例では、図5(A)に示す感光体ドラム1Y等の回転速度変動例において、A→B→C→D→E→F→Gの前半6ブロックの区間については、感光体ドラム1Y等は画像データDy、例えば、その露光量が高く、負荷が増加して通常よりも遅く回転するので、基準Index信号の周期Tを長く設定するように補正時間Δtn−Δtn-1で補正してY−IDX信号となされる。
また、G→H→I→J→K→L→Aの後半6ブロックの区間については、反対に、感光体ドラム1Y等は画像データDyによる露光量が低く、負荷が軽減して通常よりも速く回転するので、基準Index信号の周期Tを短く設定するように補正時間Δtn−Δtn-1で補正してY−IDX信号となされる。
図5(B)は、補正後の基準index信号の周期分布例を示す波形図である。図5(B)に示す補正後の基準index信号の周期分布例によれば、図5(A)に示した正弦波状の回転速度ムラを図5(B)に示した正弦波状の補正後の基準index信号の周期分布によってキャンセルするようになされる。この例の補正後の基準index信号の周期分布波形によれば、1ブロック内に100ラインが割り当てられた場合であって、補正時間Δtn−Δtn-1を100個に分割して、100ラインに付き1個の補正時間Δtn−Δtn-1/100により基準Index信号の周期を補正してY−IDX信号を得るようになされる。
図6は、Y色用の書き込み制御ユニット15Y及びその周辺部の構成例を示すブロック図である。この例では、Y色、M色、C色、BK色用の4個の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの中のM色の感光体ドラム1M(図2参照)のドラム周回信号(TRIG信号)に基づいて基準Index信号を各作像色毎に補正し、画像データ読み出し時の書き出し位置調整用の垂直有効領域信号を調整する場合について説明する。もちろん、他の感光体ドラム1Y,1C,1Kのいずれか1つのドラム周回信号を検出して基準Index信号を各作像色毎に補正し、その書き出し位置調整用の垂直有効領域信号を調整する構成を採ってもよい。
感光体ドラム1Mの回転軸には周期検出手段の一例を構成するエンコーダ41が取り付けられ、感光体ドラム1Mの回転速度を検出してドラム周回信号(TRIG信号)を出力する。TRIG信号はドラム1周(回転)につき、1回発生するパルスであり、基準Index信号に対して非同期に発生する信号である。TRIG信号は感光体ドラム1Mの偏芯等の回転速度変動ムラを反映する信号である。
エンコーダ41は、Y色用の書き込み制御ユニット15Yの他に、M色、C色、BK色用の書き込み制御ユニット15M,15C,15Kに接続され、Y色用の書き込み制御ユニット15Yの他に、TRIG信号をM色、C色、BK色用の書き込み制御ユニット15M,15C,15Kへ出力するようになされる。この例では、M色用の感光体ドラム1Mの回転速度から検出されるTRIG信号をY,C,BK色用の書き込み制御ユニット15Y,15M,15C,15Kに出力することで、一本のTRIG信号だけで感光体ドラム1Y,1M,1C,1K側から画像書き込み開始位置(書き出し位置)を調整できるようになる。
この例では、画像処理部70からY色用の書き込み制御ユニット15Yに出力される信号は、画像データDyと、書き込み用の水平有効領域信号(以下W−HV信号という)、基準Index信号、書き込み用の垂直有効領域信号(以下W−VV信号という)等の制御信号である。画像処理部70からM色用の書き込み制御ユニット15Mに出力される信号は、画像データDm及び上述の制御信号である。画像処理部70からC色用の書き込み制御ユニット15Cに出力される信号は、画像データDc及び上述の制御信号である。画像処理部70からBK色用の書き込み制御ユニット15Kに出力される信号は、画像データDk及び上述の制御信号である。画像データDy,Dm,Dc,Dkは各作像色別々のバスで構成され、上述の制御信号は各作像色共通に供給される。
Y色用の書き込み制御ユニット15Yは、補正Index生成部51、タイミング制御部52、メモリ制御部53及び書き込み制御部54を有して構成される。この例で、メモリ制御部53のライト制御側(W)には、画像処理部70から出力される画像データDyと、書き込み用の水平有効領域信号(以下W−HV信号という)、基準Index信号、書き込み用のW−VV信号等の制御信号が入力される。
補正Index生成部51は信号作成手段の一例を構成し、エンコーダ41によって検出されたTRIG信号を入力し、TRIG信号を基準にして基準Index信号を所定の補正量で補正し、補正後のY色画像の書き込み用の基準信号(Y−IDX信号)を作成する。補正Index生成部51は各作像色毎に設けられる。上述の補正量は感光体ドラム1M等の回転速度変動ムラを補正するデータであり、予め補正データテーブルとして準備され、この補正データが参照される。
補正Index生成部51にはタイミング制御部52、メモリ制御部53及び書き込み制御部54が接続される。タイミング制御部52は、補正Index用のカウント部501、基準Index用のカウント部502、差分検出部503及びドラム間遅延量カウント部504を有して構成され、補正Index生成部51によって作成されたY−IDX信号のパルス数と、基準Index信号のパルス数とを各作像色毎に比較し、比較結果に基づいてY色用の画像データDyの出力タイミングを調整するようになされる。
上述のエンコーダ41からのTRIG信号は、2種類のカウント部501,502に出力される。補正Index用のカウント部501は第1のカウント部の一例を構成し、補正Index生成部51によって作成された補正後のY−IDX信号のパルス数を今まで計数していたカウント値Pyを全色共通のW−VV信号(垂直有効領域信号)の立ち上がり時に出力する。カウント部501は各作像色毎に設けられる。
基準Index用のカウント部502は第2のカウント部の一例を構成し、基準Index信号のパルス数を計数しておき、カウント値Qyを出力する。カウント部502は各作像色毎に設けられる。カウント部501,502は共に、TRIG信号の入力時に0クリアするようになされる。この2種類のカウント部501,502は、各作像色毎に常にTRIG信号で0クリアされる。この例では、いずれのカウント部501,502もTRIG信号の立ち上がり時刻を基準にして基準Index信号のパルス数や、補正後のY−IDX信号のパルス数等をカウントして行くことになる。
カウント部501及びカウント部502には演算部の一例を構成するY色用の差分検出部503が接続され、カウント部501及びカウント部502の各々の出力値Py,QyからY−IDX信号のパルス数と基準Index信号のパルス数との差分値ε(2の補数)を演算する。差分値εは差分検出部503内の図示しないメモリに格納され保持される。差分値εは、差分検出部503からドラム間遅延量カウント部54へ差分信号Sεとして出力される。差分検出部503は、各作像色毎に設けられ、この差分演算動作は各作像色毎に実施され、その差分信号Sεを出力するタイミングは同時である。このようにすると、この差分値εに基づいて各作像色の画像データDy,Dm,Dc,Dkの読み出しタイミングを調整できるようになる。
差分検出部503にはドラム間遅延量カウント部504が接続され、各作像色共通の書き込み用のW−VV信号の立ち上がり時刻からドラム間遅延量[Y]のカウントを開始し、差分検出部503からの差分値εをドラム間遅延量[Y]の設定値Xyに加算し、差分値εが加味されたドラム間遅延量[Y]の設定値Xy=カウント値となったところで、Y色の画像データ読み出し時の感光体ドラム1Yにおける書き出し位置調整用の垂直有効領域信号(以下R−VVy信号という)を立ち上げる(アクティブにする)。
この例でドラム間遅延量カウント部504は、R−VVy信号をロー・レベル(以下「L」レベルという)からハイ・レベル(以下「H」レベルという)に立ち上げる。画像データDyは、R−VVy信号が「H」レベルの期間だけ読み出しが許可される。他の作像色についても同様である。
この例で、Y,M,C,BK色の順で大容量記憶部33Y,33M,33C,33Kから画像形成部80へ画像データDy,Dm,Dc,Dkを読み出す場合を前提にして、Y色用のドラム間遅延量カウンタ部504には設定値Xy=「4」が設定され、M色用のドラム間遅延量カウンタ部504には、設定値Xm=「6」が設定され、C色用のドラム間遅延量カウンタ部504には設定値Xy=「8」が設定され、BK色用のドラム間遅延量カウンタ部504には、設定値Xm=「10」が各々設定される。
このように、大容量記憶部33Yから画像形成部80へY色用の画像データDyを読み出すときも、設定値Xy=「4」を設定して、読み出し時間にマージンを持たせている。これは、差分信号Sεを考慮したドラム間遅延量[Y]の設定値Xyが必ずプラス1以上になるようにするためである。
このドラム間遅延量の設定値Xy,Xm,Xc,Xkは、各作像色の画像データDy,Dm,Dc,Dkの読み出しタイミングを調整するためである。このように出力タイミングを調整すると、Y色の感光体ドラム1Yに対するY色画像の先頭の書き出し位置(タイミング)に、他の作像色用の感光体ドラム1Y,1CによるY,C色画像の先頭の書き出し位置(タイミング)を揃えることができる。
上述の書き込み制御部54、画像処理部70及びドラム間遅延量カウント部504にはY色用のメモリ制御部53が接続される。メモリ制御部53には、記憶部の一例を構成する大容量記憶部33Yが接続されている。メモリ制御部53は、基準Index信号、書き込み用のW−HV信号(水平有効領域信号)、書き込み用のW−VV信号(垂直有効領域信号)に基づいてY色用の画像データDyを画像処理部70から大容量記憶部33Yへ書き込む(ライトする)。画像データDyは画像形成部80でY色画像を形成するためのデータである。他のM色、C色、BK色用の画像データDm,Dc,Dkについても同様な構成を有して書き込まれる。
メモリ制御部53は、補正後のY−IDX信号、読み出し用のR−HV信号(水平有効領域信号)、読み出し用のR−VVy信号(垂直有効領域信号)に基づいてY色用の画像データDyを大容量記憶部33Yから書き込み制御部54へ読み出す(リードする)。他のM色、C色、BK色用の画像データDm,Dc,Dkについても同様な構成を有して読み出される。
上述のY色用のドラム間遅延量カウント部504は、メモリ制御部53が画像データDyを大容量記憶部33Yに書き込むまでは、基準Index信号に基づいて動作する。リード動作時には、補正後のY−IDX信号に基づいて動作し、ドラム間遅延量カウント部504は、Y色の画像データ読み出し用のR−VVy信号を出力するようになる。
同様にして、M色用のドラム間遅延量カウント部504は、そのメモリ制御部53が画像データDmを大容量記憶部33Mに書き込むまでは、基準Index信号に基づいて動作する。リード動作時には、補正後のM−IDX信号に基づいて動作し、そのドラム間遅延量カウント部504は、M色用のメモリ制御部53へM色の画像データ読み出し用のR−VVm信号を出力するようになる。
C色用のドラム間遅延量カウント部504は、そのメモリ制御部53が画像データDcを大容量記憶部33Cに書き込むまでは、基準Index信号に基づいて動作する。リード動作時には、補正後のC−IDX信号に基づいて動作し、そのドラム間遅延量カウント部504は、C色用のメモリ制御部53へC色の画像データ読み出し用のR−VVc信号を出力するようになる。
BK色用のドラム間遅延量カウント部504は、そのメモリ制御部53が画像データDkを大容量記憶部33Kに書き込むまでは、基準Index信号に基づいて動作する。リード動作時には、補正後のK−IDX信号に基づいて動作し、そのドラム間遅延量カウント部504は、BK色用のメモリ制御部53へBK色の画像データ読み出し用のR−VVk信号を出力するようになる。
このように画像データDy等の書き込み/読み出し処理で基準Index信号/Y−IDX信号を切り換えるようにしたのは、各作像色のドラム間遅延量の設定値Xy,Xm、Xc及びXkで画像データDy,Dm,Dc,Dkの読み出しタイミングを調整するためである。
続いて、カラープリンタ100における大容量記憶部への画像データの書き込み動作例及び、大容量記憶部から感光体ドラムへの画像データの読み出し動作例について説明する。このカラープリンタ100では、Y,M,C,BK作像色用の感光体ドラム毎にドラム一周を、例えば、100分割し、100分割されたブロック毎に基準Index信号を適用してY,M,C,BK色画像を形成する場合を例に挙げる。
更に、Y,M,C,BK色の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kのいずれか1本のTRIG信号、この例では、M色用の感光体ドラム1Mの軸部に取付けられたエンコーダ41から得られるドラム1周毎に発生するパルス状のTRIG信号を各々の書き込み制御ユニット15Y,15M,15C,15Kで受信する。そして、Y,M,C,BK色毎に基準Index信号のパルス数と、補正後のY,M,C,K−IDX信号のパルス数とにそれぞれ番号を付け(カウント値)、書き込み用のW−VV信号(垂直有効領域信号)の立ち上がりの基準Index信号のパルス数と、補正後のY,M,C,K−IDX信号のパルス数との番号差をY,M,C,BK色毎に算出し、書き出し位置調整量に反映させて画像データの読み出しタイミングを調整する場合を例に挙げる。
また、画像データDy等の読み出し動作例に関しては、書き込み用のW−VV信号立ち上がり時の基準Index信号のパルス数のカウント値と、補正後のY,M,C,K−IDX信号のパルス数のカウント値との差分値(番号差)が等しい場合(以下読み出し動作例Iという)と、これらのカウント値が異なる場合(以下読み出し動作例IIという)の2つに分けて説明する。
[画像データの書き込み動作例]
図7(A)〜(F)は、大容量記憶部への画像データDy,Dm,Dc,Dkの書き込み動作例を示すタイムチャートである。カラープリンタ100で、例えば、書き込み制御ユニット15Yのメモリ制御部53のライト制御側(W)には、画像処理部70から出力される画像データDyと、書き込み用のW−HV信号(水平有効領域信号)、基準Index信号、書き込み用のW−VV信号が入力される。
この例で、画像データDy,Dm,Dc,Dkは、図7(A)に示す書き込み用のW−VV信号がハイ・レベル(以下「H」レベルという)の期間に、パラレルに各々の大容量記憶部33Y,33M,33C,3Kに書き込まれる。例えば、図7(C)に示す画像データDy=Y1,Y2,Y3,Y4,Y5,Y6,Y7,Y8,Y9,Y10は、書き込み制御ユニット15Yにより、図7(B)に示す基準Index信号に同期して大容量記憶部33Yに書き込まれる。
同様にして、図7(D)に示す画像データDm=M1,M2,M3,M4,M5,M6,M7,M8,M9,M10は、書き込み制御ユニット15Mから大容量記憶部33Mへ基準Index信号に同期して書き込まれる。図7(E)に示す画像データDc=C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8,C9,C10は、書き込み制御ユニット15Cから大容量記憶部33Cへ基準Index信号に同期して書き込まれる。図7(F)に示す画像データDk=K1,K2,K3,K4,K5,K6,K7,K8,K9,K10は、書き込み制御ユニット15Kから大容量記憶部33Kへ基準Index信号に同期して書き込まれる。
画像データDyは、図6に示したW−HV信号に規定され、感光ドラム1Y等のブロック毎、かつ、1ライン単位に大容量記憶部33Yに格納される。他のM,C,BK色用の書き込み制御ユニット15M,15C,1Kについても同様にして大容量記憶部33Y,33C,33Kに格納される。
[画像データ読み出し動作例I]
図8(A)〜(P)は、カラープリンタ100における画像データ読み出し動作例Iを示すタイムチャートである。
この例で、Y色用のドラム間遅延量カウント部504には、ドラム間遅延量[Y]=「4」が設定値Xyとして、M色用のドラム間遅延量カウント部504には、ドラム間遅延量[M]=「6」が設定値Xmとして設定される。これはY色画像の1次転写ポイントP1から隣接するM色画像の1次転写ポイントP2までの距離分(P2−P1)を、ドラム間遅延量[Y]=「4」及びドラム間遅延量[M]=「6」として設定することで、感光体ドラム1Y,1M上に画像データDy,Dmを書き込む(露光する)タイミングをずらすためである。他の作像色間についても同様に設定される。動作例Iでは、基準Index信号の周期と補正後のY−IDX信号の周期とが等しい場合、すなわち、差分値εが零となる場合である。
図8(A)に示すTRIG信号は、ドラム1周(回転)につき、1回発生するパルスであり、基準Index信号に対して非同期に発生する。この例でTRIG信号は、感光体ドラム1Mの回転軸に取り付けられたエンコーダ41から得られ、感光体ドラム1Mの回転速度を検出して得られるドラム周回信号である。TRIG信号は感光体ドラム1Mの偏芯等の回転速度変動ムラを反映する信号であり、エンコーダ41から、M色、C色、BK色用の書き込み制御ユニット15M,15C,15Kへ出力される。
図8(B)に示す各作像色共通の書き込み用のW−VV信号(垂直有効領域信号)は、基準Index用のカウント部502が図8(D)に示すカウント値Qy=「4」をカウントした時刻に立ち上がった場合である。カウント部502は、TRIG信号が立ち上がった時刻から基準Index信号のパルス数をカウントを開始している。このとき、タイミング制御部52では、図8(C)に示す基準Index信号を入力しているカウント部502が、当該基準Index信号のパルス数を計数してカウント値Qyを差分検出部503に出力する。
書き込み用のW−VV信号は、画像処理部70からY色用の書き込み制御ユニット15Yへ、画像データDyと、書き込み用のW−HV信号(水平有効領域信号)と、図8(C)に示す基準Index信号と共に大容量記憶部33Y,33M,33C,33Kの書き込み側に出力される。他のM,C,BK色用の書き込み制御ユニット15M,15C,15Kについても同様になされる。
図8(E)に示すY−IDX信号は、図8(A)に示したTRIG信号を入力したY色用の補正Index生成部51が基準Index信号を所定の補正量で補正して作成した補正後のY色画像書き込み用の基準信号である。補正量は図示しないY色用の補正データテーブルが参照される。この例では、補正量は零であり、Y−IDX信号の周期と基準Index信号の周期が等しい場合である。Y−IDX信号は補正Index生成部51から補正Index用のカウント部501、ドラム間遅延量カウント部504及び書き込み制御部54へ出力される。
図8(F)に示すカウント値Pyは、Y色用のW−VV信号の立ち上がり時、図8(E)に示した補正後のY−IDX信号のパルス数を計数したカウント部501から差分検出部503へ出力される。カウント部501,502は共に、TRIG信号の入力時に0クリアするようになされる。この2種類のカウント部501,502は、各作像色毎に常にTRIG信号で0クリアされる。いずれのカウント部501,502もTRIG信号の立ち上がり時刻を基準にして基準Index信号のパルス数や、補正後のY−IDX信号のパルス数等をカウントする。
差分検出部503は、カウント部501及びカウント部502の各々のカウント値Py,Qyを入力し、基準Index数(カウント値Qy)−補正Index数(カウント値Py)を演算する。差分値εはY色用の差分検出部503内の図示しないメモリに格納され保持される。差分値εは、差分検出部503からドラム間遅延量カウント部54へ差分信号Sεとして出力される。この動作例Iでは差分値ε=0の場合である。この場合は、基準Index信号の周期とY−IDX信号の周期は等しい。差分検出部503によるY−IDX信号のパルス数と画像書き込み用の基準信号のパルス数とを比較して差分値εを演算する処理は各作像色毎に実行される。
図8(G)に示す設定値Xyはドラム間遅延量[Y]=「4」の場合である。ドラム間遅延量カント部504は、各作像色共通の書き込み用のW−VV信号の立ち上がり時刻からドラム間遅延量[Y]のカウントを開始し、差分検出部503からの差分値εをドラム間遅延量[Y]の設定値Xyに加算し、差分値εが加味されたドラム間遅延量[Y]の設定値Xy=カウント値となったところで、図8(H)に示すようなY色の画像データ読み出し用のR−VVy信号(垂直有効領域信号)を立ち上げて(アクティブにして)、メモリ制御部53にR−VVy信号を出力する。
R−VVy信号は、読み出し制御信号を成し、図8(G)に示したドラム間遅延量[Y]=「4」をカウントした時点で、「L」レベルから「H」レベルに立ち上がる。R−VVy信号はメモリ制御部53の読み出し側の信号である。このように、ドラム間遅延量カント部504は、基準Index信号のパルス数のカウント値Qyと、補正後のY−IDX信号のパルス数のカウント値Pyとの差分値εが考慮されたドラム間遅延量[Y]の設定値Xyまでカウントを実行する。これにより、大容量記憶部33Yから画像データDyの読み出し処理を開始できるようになる。
図8(I)に示すY色の画像データDyは、図8(H)に示したY色画像データ読み出し用のR−VVy信号に基づいて大容量記憶部33Yから読み出される(リードする)。この例では、メモリ制御部53が、R−VVy信号に基づいて大容量記憶部33Yから書き込み制御部54へ画像データDyを読み出す。書き込み制御部54は、LPHユニット5YへY−IDX信号に基づいて画像データDyを書き込むようになされる。
図8(I)で感光体ドラム1Yに書き込まれた画像データDyは、図8(J)に示す感光体ドラム1Yから中間転写ベルト6へ1次転写される。この例では、図1に示した1次転写ポイントP1において、1次転写ローラ7Yは、画像データDy=Y1,Y2,Y3,Y5・・・順で中間転写ベルト6に1次転写するように動作する。
図8(K)に示すM−IDX信号は、図8(A)に示したTRIG信号を入力したM色用の補正Index生成部51が基準Index信号を所定の補正量で補正して作成した補正後のM色画像書き込み用の基準信号である。補正量は図示しないM色用の補正データテーブルが参照される。この例では、M−IDX信号の周期と基準Index信号の周期が等しい場合であって、補正量は零である。M−IDX信号は補正Index生成部51から補正Index用のカウント部501へ出力される。
図8(L)に示すカウント値Pmは、M色用のW−VV信号の立ち上がり時、図8(K)に示した補正後のM−IDX信号のパルス数を計数したカウント部501から差分検出部503へ出力される。カウント部501,502は共に、TRIG信号の入力時に0クリアするようになされる。この2種類のカウント部501,502は、各作像色毎に常にTRIG信号で0クリアされる。いずれのカウント部501,502もTRIG信号の立ち上がり時刻を基準にして基準Index信号のパルス数や、補正後のM−IDX信号のパルス数等をカウントする。
差分検出部503は、カウント部501及びカウント部502の各々のカウント値Pm,Qmを入力し、基準Index数(カウント値Qm)−補正Index数(カウント値Pm)を演算する。差分値εはM色用の差分検出部503内の図示しないメモリに格納され保持される。差分値εは差分検出部503からドラム間遅延量カウント部54へ差分信号Sεとして出力される。この動作例Iでは差分値ε=0の場合である。この場合は、基準Index信号の周期とM−IDX信号の周期は等しい。
差分検出部503によるM−IDX信号のパルス数と画像書き込み用の基準信号のパルス数とを比較して差分値εを演算する処理は、各作像色毎に実行される。差分検出部503は、各作像色毎に設けられ、この差分演算動作は各作像色毎に実施され、その差分信号Sεを出力するタイミングは同時である。このようにすると、Y,M,C,BK色用の一次転写ポイントP1,P2,P3,P4と、ドラム回転速度変動ムラを考慮した、差分値εに基づいて各作像色の画像データDy,Dm,Dc,Dkの読み出しタイミングを調整できるようになる。
図8(M)に示す設定値Xmはドラム間遅延量[M]=「6」の場合である。ドラム間遅延量カント部504は、各作像色共通の書き込み用のW−VV信号の立ち上がり時刻からドラム間遅延量[M]のカウントを開始し、差分検出部503からの差分値εをドラム間遅延量[M]の設定値Xmに加算し、差分値εが加味されたドラム間遅延量[M]の設定値Xm=カウント値となったところで、図8(N)に示すようなM色の画像データ読み出し用のR−VVm信号(垂直有効領域信号)を立ち上げて(アクティブにして)、メモリ制御部53にR−VVm信号を出力する。
R−VVm信号は、読み出し制御信号を成し、図8(M)に示したドラム間遅延量[M]=「6」をカウントした時点で「H」レベルに立ち上がる。R−VVm信号はメモリ制御部53の読み出し側の信号である。このように、ドラム間遅延量カント部504は、基準Index信号のパルス数のカウント値Qmと、補正後のM−IDX信号のパルス数のカウント値Pmとの差分値εが考慮されたドラム間遅延量[M]の設定値Xmまでカウントを実行する。これにより、大容量記憶部33Mから画像データDmの読み出し処理を開始できるようになる。
図8(O)に示すM色の画像データDmは、図8(N)に示したM色画像データ読み出し用のR−VVm信号に基づいて大容量記憶部33Mから読み出される(リードする)。この例では、メモリ制御部53が、R−VVm信号に基づいて大容量記憶部33Mから書き込み制御部54へ画像データDmを読み出す。書き込み制御部54は、LPHユニット5MへM−IDX信号に基づいて画像データDmを書き込むようになされる。
図8(O)で感光体ドラム1Mに書き込まれた画像データDmは、図8(P)に示す感光体ドラム1Mから中間転写ベルト6へ1次転写される。この例では、図1に示した1次転写ポイントP2において、1次転写ローラ7Mは、画像データDm=M1,M2,M3,M5・・・順で中間転写ベルト6に1次転写するように動作する。
このように画像データ読み出し動作例Iによれば、Y,M,C,K−IDX信号の各々のパルス数のカウント動作は、TRIG信号の立ち上がり時刻から、各作像色毎に実行される。ドラム間遅延量カウントタ504がW−VVy信号の立ち上がり時刻から補正後のY−IDX信号のパルス数をカウント開始する。
Y色用のメモリ制御部53では、ドラム間遅延カウンタ部504が出力タイミングを調整したR−VVy信号に基づいてY色用の画像データDyを大容量記憶部33Yから書き込み制御部54を介してLPHユニット5Yへ書き込むようになされる。
M色用の書き込み制御ユニットにおいても、M色用のメモリ制御部53は、ドラム間遅延カウンタ部504が出力タイミングを調整したR−VVm信号に基づいてM色用の画像データDmを大容量記憶部33Mから書き込み制御部54を介してLPHユニット5Mへ書き込むようになされる。
C色用の書き込み制御ユニットにおいても、C色用のメモリ制御部53は、ドラム間遅延カウンタ部504が出力タイミングを調整したR−VVc信号に基づいてC色用の画像データDcを大容量記憶部33Cから書き込み制御部54を介してLPHユニット5Cへ書き込むようになされる。
BK色用の書き込み制御ユニットにおいても、BK色用のメモリ制御部53は、ドラム間遅延カウンタ部504が出力タイミングを調整したR−VVk信号に基づいてBK色用の画像データDkを大容量記憶部33Kから書き込み制御部54を介してLPHユニット5Kへ書き込むようになされる。これにより、Y色用の感光体ドラム1Yに対するM色,C色,BK色画像の先頭の書き出しタイミングを揃えることができる。
しかも、感光体ドラム1M等の回転速度変動(ムラ)に対しては、補正データテーブルを参照して基準Index信号の周期を補正し、回転速度変動ムラをキャンセルするようなY,M,C,K−IDX信号を生成している。これにより、LPHユニット5Y,5M,5CF,5Kの露光間隔を制御することができ、1次転写ローラ7Y,7M,7C,7Kによって副走査方向に等間隔に画像を形成できるようになった。
[画像データ読み出し動作例II]
図9(A)〜(P)は、カラープリンタ100における画像データ読み出し動作例IIを示すタイムチャートである。この例でも、Y色用のドラム間遅延量カウント部504には、ドラム間遅延量[Y]=「4」が設定値Xyとして、M色用のドラム間遅延量カウント部504には、ドラム間遅延量[M]=「6」が設定値Xmとして設定されている。動作例IIでは、基準Index信号の周期と補正後のY−IDX信号の周期とが異なる場合、すなわち、差分値εが異なる場合である。
図9(A)に示すTRIG信号は、動作例Iと同様にして、ドラム1周(回転)につき、1回発生するパルスであり、基準Index信号に対して非同期に発生する。この例でもTRIG信号は、エンコーダ41から、M色、C色、BK色用の書き込み制御ユニット15M,15C,15Kへ出力される。
図9(B)に示す各作像色共通の書き込み用のW−VV信号(垂直有効領域信号)は、基準Index用のカウント部502が、図9(D)に示すカウント値Qy=「4」をカウントした時刻に立ち上がった場合である。カウント部502は、TRIG信号が立ち上がった時刻から基準Index信号のパルス数のカウントを開始している。カウント部502は、図9(C)に示す基準Index信号を入力し、当該信号のパルス数を計数してカウント値Qyを差分検出部503に出力する。
書き込み用のW−VV信号は、画像処理部70からY色用の書き込み制御ユニット15Yへ、画像データDyと、書き込み用のW−HV信号(水平有効領域信号)と、図9(C)に示す基準Index信号と共に大容量記憶部33Y,33M,33C,33Kの書き込み側に出力される。他のM,C,BK色用の書き込み制御ユニット15M,15C,15Kについても同様になされる。
図9(E)に示すY−IDX信号は、図9(A)に示したTRIG信号を入力したY色用の補正Index生成部51が基準Index信号を所定の補正量で補正して作成した補正後のY色画像書き込み用の基準信号である。補正量は図示しないY色用の補正データテーブルが参照される。Y−IDX信号は補正Index生成部51から補正Index用のカウント部501、ドラム間遅延量カウント部504及び書き込み制御部54へ出力される。
図9(F)に示すカウント値Pyは、Y色用のW−VV信号の立ち上がり時、図9(E)に示した補正後のY−IDX信号のパルス数を計数したカウント部501から差分検出部503へ出力される。この例では、Y−IDX信号の周期は、基準Index信号の周期と異なり、カウント部501がカウント値Py=0,1,2,3,4を出力する初期には短く、カウント値Py=5,6,7,8を出力する中期で基準Index信号の周期とほぼ等しくなっており、カウント値Py=9,10,11,12,13,14を出力する後期では、基準Index信号の周期よりも長くなっている。
カウント部501,502は共に、動作例Iと同様にして、TRIG信号の入力時に0クリアするようになされる。この2種類のカウント部501,502は、各作像色毎に常にTRIG信号で0クリアされ、カウント部501は、Y−IDX信号のパルス数をカウントするようになされ、カウント部502も基準Index信号のパルス数をカウントするようになされる。
差分検出部503は、カウント部501及びカウント部502の各々のカウント値Py,Qyを入力する。この例で、W−VVy信号の立ち上がり時、カウント部501は差分検出部503へカウント値Py=「6」を出力する。カウント部502は差分検出部503へカウント値Qy=「5」を出力する。差分検出部503は基準Index数(カウント値Qy)−補正Index数(カウント値Py)を演算する。
差分値ε=「−1」はY色用の差分検出部503内の図示しないメモリに格納され保持される。差分値ε=「−1」は、差分検出部503からドラム間遅延量カウント部54へ差分信号Sεとして出力される。この動作例IIでは差分値ε=「−1」の場合である。この場合は、基準Index信号の周期とY−IDX信号の周期とが異なっている。差分検出部503によるY−IDX信号のパルス数と画像書き込み用の基準信号のパルス数とを比較して差分値εを演算する処理は動作例Iと同様にして各作像色毎に実行される。
図9(G)に示す設定値Xyはドラム間遅延量[Y]−1=「3」に修正される。ドラム間遅延量カント部504は、各作像色共通の書き込み用のW−VV信号の立ち上がり時刻からドラム間遅延量[Y]のカウントを開始する。差分検出部503からの差分値ε「−1」をドラム間遅延量[Y]の設定値Xyに加算し、差分値εが加味されたドラム間遅延量[Y]の設定値Xy=「3」=カウント値となったところで、図9(H)に示すようなY色の画像データ読み出し用のR−VVy信号(垂直有効領域信号)を立ち上げて(アクティブにして)、メモリ制御部53にR−VVy信号を出力する。
R−VVy信号は、読み出し制御信号を成し、図9(G)に示したドラム間遅延量[Y]−1=「3」をカウントした時点で「H」レベルに立ち上がる。R−VVy信号はメモリ制御部53の読み出し側の信号である。このように、ドラム間遅延量カント部504は、基準Index信号のパルス数のカウント値Qyと、補正後のY−IDX信号のパルス数のカウント値Pyとの差分値ε=「−1」が考慮されたドラム間遅延量[Y]−1の修正後の設定値Xy=「3」までカウントを実行する。これにより、大容量記憶部33Yから画像データDyの読み出し処理を開始できるようになる。
図9(I)に示すY色の画像データDyは、図9(H)に示したY色画像データ読み出し用のR−VVy信号に基づいて大容量記憶部33Yから読み出される(リードする)。この例では、メモリ制御部53が、R−VVy信号に基づいて大容量記憶部33Yから書き込み制御部54へ画像データDyを読み出す。書き込み制御部54は、LPHユニット5YへY−IDX信号に基づいて画像データDyを書き込むようになされる。
図9(I)で感光体ドラム1Yに書き込まれた画像データDyは、図9(J)に示す感光体ドラム1Yから中間転写ベルト6へ1次転写される。この例では、図1に示した1次転写ポイントP1において、1次転写ローラ7Yは、画像データDy=Y1,Y2,Y3,Y5・・・順で中間転写ベルト6に1次転写するように動作する。
図9(K)に示すM−IDX信号は、図9(A)に示したTRIG信号を入力したM色用の補正Index生成部51が基準Index信号を所定の補正量で補正して作成した補正後のM色画像書き込み用の基準信号である。補正量は図示しないM色用の補正データテーブルが参照される。M−IDX信号は補正Index生成部51から補正Index用のカウント部501へ出力される。
図9(L)に示すカウント値Pmは、M色用のW−VV信号の立ち上がり時、図9(K)に示した補正後のM−IDX信号のパルス数を計数したカウント部501から差分検出部503へ出力される。この例では、M−IDX信号の周期は、基準Index信号の周期と異なり、カウント部501がカウント値Pm=0,1,2,3,4を出力する初期には長く、カウント値Pm=5を出力する第1中期で基準Index信号の周期とほぼ等しくなっており、カウント値Pm=6,7,8,9,10を出力する第2中期では、基準Index信号の周期よりも短くなっている。カウント値Pm=11,12,13,14,15を出力する後期では、基準Index信号の周期とほぼ等しくなっている。
カウント部501,502は共に、TRIG信号の入力時に0クリアするようになされる。この2種類のカウント部501,502は、各作像色毎に常にTRIG信号で0クリアされ、カウント部501は、M−IDX信号のパルス数をカウントするようになされ、カウント部502は基準Index信号のパルス数をカウントするようになされる。差分値εはM色用の差分検出部503内の図示しないメモリに格納され保持される。差分検出部503は、各作像色毎に設けられ、この差分演算動作は各作像色毎に実施され、その差分信号Sεを出力するタイミングは同時である。
差分検出部503は、カウント部501及びカウント部502の各々のカウント値Pm,Qmを入力する。この例で、W−VVm信号の立ち上がり時、カウント部501は差分検出部503へカウント値Pm=「5」を出力する。カウント部502は差分検出部503へカウント値Qm=「4」を出力する。差分検出部503は基準Index数(カウント値Qm)−補正Index数(カウント値Pm)を演算する。
差分値ε=「+1」はM色用の差分検出部503内の図示しないメモリに格納され保持される。差分値ε=「+1」は、差分検出部503からドラム間遅延量カウント部54へ差分信号Sεとして出力される。この動作例IIでは差分値ε=「+1」の場合である。この場合は、基準Index信号の周期とM−IDX信号の周期とが異なっている。差分検出部503によるM−IDX信号のパルス数と画像書き込み用の基準信号のパルス数とを比較して差分値εを演算する処理は動作例Iと同様にして各作像色毎に実行される。
図9(M)に示す設定値Xmはドラム間遅延量[M]+1=「7」に修正される。ドラム間遅延量カント部504は、各作像色共通の書き込み用のW−VV信号の立ち上がり時刻からドラム間遅延量[M]のカウントを開始する。差分検出部503からの差分値ε「+1」をドラム間遅延量[M]の設定値Xmに加算し、差分値εが加算されたドラム間遅延量[M]の設定値Xm=「7」=カウント値となったところで、図9(Hに示すようなM色の画像データ読み出し用のR−VVm信号(垂直有効領域信号)を立ち上げて(アクティブにして)、メモリ制御部53にR−VVm信号を出力する。
R−VVm信号は、読み出し制御信号を成し、図9(M)に示したドラム間遅延量[M]+1=「7」をカウントした時点で、「L」レベルから「H」レベルに立ち上がる。R−VVm信号はメモリ制御部53の読み出し側の信号である。このように、ドラム間遅延量カント部504は、基準Index信号のパルス数のカウント値Qmと、補正後のM−IDX信号のパルス数のカウント値Pmとの差分値ε=「+1」が考慮されたドラム間遅延量[M]+1の修正後の設定値Xm=「7」までカウントを実行する。これにより、大容量記憶部33Mから画像データDmの読み出し処理を開始できるようになる。
図9(O)に示すM色の画像データDmは、図9(N)に示したM色画像データ読み出し用のR−VVm信号に基づいて大容量記憶部33Mから読み出される(リードする)。この例では、メモリ制御部53が、R−VVm信号に基づいて大容量記憶部33Mから書き込み制御部54へ画像データDmを読み出す。書き込み制御部54は、LPHユニット5MへM−IDX信号に基づいて画像データDmを書き込むようになされる。
図9(O)で感光体ドラム1Mに書き込まれた画像データDmは、図9(P)に示す感光体ドラム1Mから中間転写ベルト6へ1次転写される。この例では、図1に示した1次転写ポイントP2において、1次転写ローラ7Mは、画像データDm=M1,M2,M3,M5・・・順で中間転写ベルト6に1次転写するように動作する。
このように画像データ読み出し動作例IIによれば、Y色用のメモリ制御部53は、ドラム間遅延カウンタ部504が出力タイミングを調整したR−VVy信号に基づいてY色用の画像データDyを大容量記憶部33Yから書き込み制御部54を介してLPHユニット5Yへ書き込むようになされる。
M色用のメモリ制御部53は、ドラム間遅延カウンタ部504が出力タイミングを調整したR−VVm信号に基づいてM色用の画像データDmを大容量記憶部33Mから書き込み制御部54を介してLPHユニット5Mへ書き込むようになされる。
C色用の書き込み制御ユニットにおいても、C色用のメモリ制御部53は、ドラム間遅延カウンタ部504が出力タイミングを調整したR−VVc信号に基づいてC色用の画像データDcを大容量記憶部33Cから書き込み制御部54を介してLPHユニット5Cへ書き込むようになされる。
BK色用の書き込み制御ユニットにおいても、BK色用のメモリ制御部53は、ドラム間遅延カウンタ部504が出力タイミングを調整したR−VVk信号に基づいてBK色用の画像データDkを大容量記憶部33Kから書き込み制御部54を介してLPHユニット5Kへ書き込むようになされる。
このように実施形態に係るカラープリンタ100によれば、各作像色用の感光体ドラムを基準Index信号に基づいて分割ブロック毎に画像書き込み制御を実行する場合に、画像データDy,Dm,Dc,Dkを対応した大容量記憶部33Y,3M,3C,3Kの各々に基準Index信号に基づいて格納し、画像データDyを大容量記憶部33Yに格納しながら、画像データDyの読み出し開始タイミングを調整する。先に説明したY色用のタイミング制御部52では、Y−IDX信号のパルス数と、画像書き込み用の基準信号のパルス数とを各作像色毎に比較し、比較結果に基づいて各作像色のY色用の画像データDyの出力タイミングを調整する。他のM,C,BK色の画像データDm,Dc,Dkの読み出しについても、同様にして開始タイミングを調整するようになされる。
従って、Y,M,C,K作像色用の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kのうちのいずれか1個の感光体ドラム1M等の1回転のTRIG信号に基づいてY作像色用の感光体ドラム1YのY作像色画像の先頭の書き出し位置(タイミング)に、他のM,C,BK作像色画像の先頭の書き出し位置(タイミング)を揃える(一致させる)ことができる。
しかも、感光体ドラム1M等の回転速度変動(ムラ)に対しては、補正データテーブルを参照して基準Index信号の周期を補正し、回転速度変動ムラをキャンセルするようなY,M,C,K−IDX信号を生成している。これにより、LPHユニット5Y,5M,5CF,5Kの露光間隔を制御することができ、1次転写ローラ7Y,7M,7C,7Kによって副走査方向に等間隔に画像を形成できるようになる。従って、Y,M,C,K作像色毎に感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kにおける回転速度変動ムラの位相が異なった場合であっても、色画像の濃淡ムラや画像ずれ等を排除できるようになった。