図1は、本発明に係る現像装置が適用されたプリンタの一実施形態を示す外観視の斜視図であり、図1(A)は、メンテナンスリッドが閉止された状態、図1(B)は、メンテナンスリッドが開放された状態、図1(C)は、メンテナンスリッドが開放されてトナーコンテナが取り外された状態をそれぞれ示している。なお、図1において、X−X方向を左右方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
図1に示すように、プリンタ(画像形成装置)10は、カラー印刷が可能に構成されたものであり、外観視で略立方体状を呈した筐体としてのプリンタ本体11内に後述する各種の機器が装着されることによって構成されている。前記プリンタ本体11は、全体的に丸みを帯びた形状とされ、ユーザーに対して視覚的に優しく、かつ、コンパクトな印象を与え得るようにデザインされている。かかるプリンタ本体11は、上面に排紙トレイ161が設けられ、ユーザーが対面する前面上部にメンテナンスリッド112が設けられ、このメンテナンスリッド112の下部に挿脱自在の用紙カセット121が配設され、これらによってユーザビリティを考慮した極めて使用し易いものになっている。
前記排紙トレイ161は、印刷処理が施された用紙Pを受けるものであり、プリンタ本体11の上面後方で前方を向いて形成された排紙口162から排出される用紙Pを受け得るように前方に向かって円弧状で先上がりに傾斜した傾斜面によって形成されている。
前記メンテナンスリッド112は、普段は図1(A)に示すように閉止され、後述するトナーコンテナ(補給部)30の交換時に、図1(B)および図1(C)に示すように、開放される。かかるメンテナンスリッド112は、プリンタ本体11の一対の側板111の前方位置間で用紙カセット121より若干上方位置に架設された支持軸122a回りに回動自在に軸支され、当該支持軸122a回りに正逆回動することでプリンタ本体11の前面開口110を閉止した閉止姿勢Q1(図1(A))と、プリンタ本体11の前面開口110を開放した開放姿勢Q2(図1(B)および図1(C))との間で姿勢変更することができる。
このようなメンテナンスリッド112には、前記支持軸122a回りに回動自在に軸支された手差しトレイ122が設けられている。この手差しトレイ122は、印刷用の用紙Pを手差しでプリンタ10へ供給するときに使用されるものであり、メンテナンスリッド112が閉止姿勢Q1(図1(A)に実線で表示)に姿勢設定された状態で支持軸122a回りに時計方向に回動されることにより、図1(A)に二点鎖線で示すように、当該メンテナンスリッド112から引き出される。
前記トナーコンテナ30は、ブラックトナーが充填されたブラック用コンテナ30K、シアントナーが充填されたシアン用コンテナ30C、マゼンタトナーが充填されたマゼンタ用コンテナ30Mおよびイエロートナーが充填されたイエロー用コンテナ30Yの4種類が採用されている。かかるブラック〜イエロー用コンテナ30K,30C,30M,30Yは、プリンタ本体11内で前面開口110に臨んで左から右へ向かってブラック用コンテナ30K、シアン用コンテナ30C、マゼンタ用コンテナ30Mおよびイエロー用コンテナ30Yの順に並設されている。
従って、ユーザーは、メンテナンスリッド112を開放することにより、図1(B)に示すように、ブラック〜イエロー用コンテナ30K,30C,30M,30Yと対面することになる。この状態で交換のためにブラック〜イエロー用コンテナ30K,30C,30M,30Yをプリンタ本体11内から取り除くと、図1(C)に示す状態になる。
本実施形態においては、トナーとして非磁性の一成分系のものを採用することができる。あるいは、磁性の一成分系のトナーを採用してもよい。
前記用紙カセット121は、印刷用の用紙Pを貯留するためのものであり、プリンタ本体11に対して挿脱可能に装着されている。図1に示す例では、用紙カセット121は2段で設けられているが、1段であってもよいし、3段以上であってもよい。
図2は、図1に示すプリンタ10の内部構造の一実施形態を示す側面断面視の説明図である。なお、図2におけるYによる方向表示は、図1の場合と同様(−Y:前方、+Y:後方)である。図2に示すように、プリンタ10は、用紙Pを後述する画像形成部13へ送り込む給紙部12と、この給紙部12から送り込まれた用紙Pを搬送しながら当該用紙Pにトナー像を転写する画像形成部13と、この画像形成部13で用紙Pに転写されたトナー像に対し定着処理を施す定着部14と、定着部14で定着処理の施された用紙Pの排出先を切り換える排出先切換え部15と、印刷処理が完了した用紙Pを排出する排紙部16とがプリンタ本体11に装着されることにより構成されている。
前記給紙部12は、プリンタ本体11内の下部に挿脱自在に装着された複数枚の用紙Pが貯留可能な前記用紙カセット121と、用紙Pを手差しで給紙するときに用いられる前記手差しトレイ122とを備えている。
前記各用紙カセット121の前側上方位置にはピックアップローラ123がそれぞれ設けられ、このピックアップローラ123の駆動によって用紙カセット121に貯留されている用紙Pが1枚ずつピックアップされて画像形成部13に向けて送り出される。
前記画像形成部13は、周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ってトナー像が形成される左右方向(図2の紙面に直行する方向)に延びた軸心回りに回転可能な感光体ドラム(像担持体)131と、この感光体ドラム131の周面に帯電処理を施すことにより同周面に一様な電荷を形成させる帯電ローラ132と、この帯電ローラ132により一様な電荷の付与された感光体ドラム131の周面に画像情報に基づくレーザー光を照射することにより同周面に静電潜像を形成させる露光装置133と、この静電潜像の形成された感光体ドラム131の周面にトナーを供給することにより同周面にトナー像を形成させる現像装置10aと、前記感光体ドラム131の周面に形成されたトナー像が転写される転写ベルト134と、感光体ドラム131上のトナー像を静電的に引き剥がして転写ベルト134の表面に転写させる一次転写ローラ135と、転写ベルト134上のトナー像を静電的に引き剥がして給紙部12から送り込まれた用紙Pに転写させる二次転写ローラ136と、転写ベルト134へ転写後の感光体ドラム131の周面を清浄化処理するドラムクリーニング装置137と、用紙Pに対する転写処理後の転写ベルト134の表面に清浄化処理を施すベルトクリーニング装置138とを備えている。
前記帯電ローラ132は、図略の電源から印加された高圧電圧によって周面に所定の極性の電荷が形成されるようになっている。かかる帯電ローラ132の周面が感光体ドラム131の周面に当接されていることにより、感光体ドラム131の周面に一様な電荷が形成される。
前記露光装置133は、前記帯電ローラ132によって一様に帯電された感光体ドラム131の周面に、図略のコンピュータ等から入力された画像データに基づくレーザー光を照射するものであり、このレーザー光の照射によって感光体ドラム131の周面に静電潜像が形成される。かかる静電潜像に現像装置10aからのトナーが供給されることにより、感光体ドラム131の周面にトナー像が形成され、このトナー像が周回している転写ベルト134に転写される。
前記現像装置10aは、感光体ドラム131に隣設された状態で当該感光体ドラム131にトナーを供給する回転式現像器(現像部)20と、この回転式現像器20にトナーを補給するべくプリンタ本体11に対し着脱自在に装着されたトナーコンテナ(補給部)30とを備えている。
前記回転式現像器20は、側面視(図2の紙面に直行する方向からみた状態)で円形に形成された回転枠体21と、この回転枠体21に周方向で等ピッチに装着された4つの単位現像器22とを備えて構成されている。前記回転枠体21は、感光体ドラム131の後方位置で当該感光体ドラム131の軸心と平行に、かつ、略同一高さレベルで配設された枠体軸211回りに回転可能に軸支されている。かかる回転枠体21は、枠体軸211から径方向に向けて突設された4枚の仕切板212によって周方向に均等に4区画に区分され、各区画に単位現像器22が装着されている。
前記単位現像器22は、ブラックトナーが充填されるブラック用単位現像器22Kと、シアントナーが充填されるシアン用単位現像器22Cと、マゼンタトナーが充填されるマゼンタ用単位現像器22Mと、イエロートナーが充填されるイエロー用単位現像器22Yとの4種類が存在する。そして、感光体ドラム131の周面にイエロートナーでトナー像を形成させるときは、回転枠体21の枠体軸211回りの回転によってイエロー用単位現像器22Yが感光体ドラム131と対向するように位置設定され、この状態で感光体ドラム131が一周することによりその周面にイエローのトナー像が形成される。このイエローのトナー像は、周回している転写ベルト134に直ちに転写される。
感光体ドラム131の周面にマゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像を形成されるときもイエローのときと同様であり、対象の色のトナーの充填された単位現像器22が感光体ドラム131の周面と対向され、これによって転写ベルト134への転写処理によりトナー像が消滅した感光体ドラム131の周面には次の色のトナー像が順次転写されていく。
そして、転写ベルト134の周回と感光体ドラム131のトナー像形成動作とを適正に同期させることにより、転写ベルト134の表面には、カラー画像が形成される。このカラー画像が給紙部12から給紙された用紙Pに二次転写ローラ136の作用で転写されることにより用紙Pに対しカラー印刷が行われる。
なお、二次転写ローラ136の直上流側の位置にはレジストローラ対124(図2)が設けられ、給紙部12から画像形成部13へ送り込まれた用紙Pは、このレジストローラ対124によって搬送タイミングが調整されるようになされている。かかるレジストローラ対124による搬送タイミングのタイミング調整によって転写ベルト134上のカラー画像が用紙P上の適正な位置に転写される。
図3は、単位現像器22の一実施形態を示す図であり、図3(A)は斜視図、図3(B)は図3(A)のIIIB−IIIB線拡大断面図である。図3におけるXおよびYによる方向表示は、図1の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
まず、図3(A)に示すように、単位現像器22は、側面視で中心角が90°に設定された前後方向一対の扇形側板221と、これら一対の扇形側板221間に挟持されたトナー貯留容器222と、図3におけるこのトナー貯留容器222内の下部で一対の扇形側板221間に架設された現像スリーブ223と、図3(B)におけるトナー貯留容器222内の下部で一対の扇形側板221間に前記現像スリーブ223と平行に架設された攪拌搬送部材224とを備えている。
前記攪拌搬送部材224は、本実施形態においては、図3(B)の左方の隅部に設けられたスクリューフィーダ224aと、このスクリューフィーダ224aと前記現像スリーブ223との間に介設された中継ローラ224bとからなっている。そして、これらスクリューフィーダ224aと中継ローラ224bとの間には、トナー貯留容器222の円弧天板222bから延設された仕切り板226が設けられ、これによってトナー貯留容器222内は、スクリューフィーダ224a側の第1室222cと、中継ローラ224b側の第2室222dとに二分割されている。
かかる仕切り板226の適所には少なくとも前後方向一対の連絡開口226aが設けられ、図略の駆動モータの駆動でスクリューフィーダ224aおよび中継ローラ224bが軸心回りに駆動回転されることにより、トナー貯留容器222内に補給されたトナーは、これらの連絡開口226aを介して第1室222cと第2室222dとの間を循環移動する。
そして、第2室222dに導入され、かつ、中継ローラ224bの周面により現像スリーブ223へ向けて運ばれつつあるトナーは、円弧天板222bから現像スリーブ223の周面に向けて延設されたブレード227の先端を潜って所定の層厚になり、この所定の層厚のトナーが現像スリーブ223の周面から感光体ドラム131の周面に供給されることで感光体ドラム131の周面に静電潜像に沿ったトナー像が形成される。
前記トナー貯留容器222の曲率周面の適所には、トナーを単位現像器22内に導入するためのトナー導入開口222aが穿設されている。このトナー導入開口222aには、当該トナー導入開口222aを閉止するためのゴム等の弾性材料製のシート状蓋体225が貼着その他で設けられている。シート状蓋体225の略中央位置には、後述するトナー移送パイプ51の先端を差し込むためのスリット225aが設けられている。
そして、トナー移送パイプ51のトナー装填筒53(図5)がスリット225aに差し込まれることにより、トナーコンテナ30からのトナーがトナー貯留容器222内に装填されることになる。
図2に戻り、前記転写ベルト134は、前記一次転写ローラ135と、この一次転写ローラ135の若干後方位置に設けられたアイドルローラ134cと、感光体ドラム131の下方の若干後方側に設けられた図略の駆動モータの駆動で駆動回転する駆動ローラ134aと、感光体ドラム131の下方の前方位置で駆動ローラ134aと対向配置された従動ローラ134bとに掛け回されている。
前記従動ローラ134bは、コイルスプリング等の付勢部材134dの付勢力によって駆動ローラ134aから離間する方向に向けて付勢され、これによって転写ベルト134の緊張状態が維持されるようになっている。そして、前記二次転写ローラ136は、駆動ローラ134aの直下位置で転写ベルト134を介して当該駆動ローラ134aと対向配置されている。
前記二次転写ローラ136には、前記転写ベルト134上のトナー画像を静電的に引き剥がすバイアス電圧が図略の電源から印加されている。従って、転写ベルト134と二次転写ローラ136との間を通過する用紙Pには、転写ベルト134のトナー画像が転写される。
そして、駆動ローラ134aとアイドルローラ134cとの間には、用紙Pに対する転写処理後の転写ベルト134の表面を清浄化処理するベルトクリーニング装置138が設けられ、このベルトクリーニング装置138によって清浄化処理が施された転写ベルト134は、次の転写処理を受けるために感光体ドラム131へ向かうことになる。
前記定着部14は、画像形成部13で用紙Pに転写された転写画像に定着処理を施すものであり、通電発熱体により加熱される定着ローラ141と、下部でこの定着ローラ141に対向配置され、周面が定着ローラ141の周面に押圧当接される加圧ローラ142とを備えている。
そして、前記画像形成部13で転写ベルト134により転写処理の施された用紙Pは、転写ベルト134と二次転写ローラ136とに挟持された状態で転写ベルト134の周回に誘導されて定着部14に導入され、定着ローラ141と加圧ローラ142との間を通過するときの加熱によりトナー像が当該用紙Pに定着処理される。
定着処理後の用紙Pは、第1排出ローラ対143の駆動により排紙搬送路101へ導出され、第2排出ローラ対102の順駆動で排紙搬送路101を上昇させられ、排紙口162を通ってプリンタ本体11の頂部に設けられた排紙トレイ161へ排出される。
前記排出先切換え部15は、用紙Pに対して両面印刷を施す場合に利用されるものであり、片面の定着処理が完了して定着部14から一旦排紙搬送路101へ送り出された用紙Pを表裏逆転させた状態で再度画像形成部13へ返送するようになっている。かかる排出先切換え部15は、排紙搬送路101の下端部に第1排出ローラ対143の下方のものと周面同士が互いに当接するように対向配置された返送ローラ151と、この返送ローラ151の下部から定着部14の下を通ってレジストローラ対124の上流側(図2における右側)へ延びた返送搬送路152とを備えている。
そして、用紙Pに両面印刷を施すに際しては、片面印刷が完了した定着処理後の用紙Pを、その後端が第1排出ローラ対143を通過するまで排紙搬送路101へ導出し、引き続き第2排出ローラ対102を逆駆動させるようになされている。こうすることで片面印刷の完了した用紙Pは、返送ローラ151の駆動に誘導されて返送搬送路152へ逆送され、この返送搬送路152を通って表裏が逆転した状態でレジストローラ対124へ向かわせられるため、以後、画像形成部13において当該用紙Pの裏面側に印刷処理が施されることになる。
前記トナーコンテナ30は、回転式現像器20のブラック用単位現像器22K、シアン用単位現像器22C、マゼンタ用単位現像器22Mおよびイエロー用単位現像器22Y(図1(B))に対してそれぞれ各カラーのトナーを補給するべく当該各カラーのトナーを貯留するものであり、ブラック〜イエロー用単位現像器22K,22C,22M,22Yに対応して4台が採用されている。
これら4台のトナーコンテナ30は、図1(B)および図1(C)に示すように、プリンタ本体11内の前方の略中段位置に左右方向に延びるように設けられた台座40の上に着脱可能に装着されている。かかる各トナーコンテナ30と回転式現像器20との間には、トナーコンテナ30内のトナーを各単位現像器22へ送り込むためのトナー移送機構50が設けられている。
図4は、回転式現像器20、トナーコンテナ30、台座40およびトナー移送機構50の相対的な位置関係を示す概略斜視図である。なお、図4におけるXおよびYによる方向表示は図1の場合と同様(Xは左右向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
図4に示すように、台座40には、左方から右方に向けてブラック用コンテナ30K、シアン用コンテナ30C、マゼンタ用コンテナ30Mおよびイエロー用コンテナ30Yが並列状態でそれぞれ装着されている。
前記トナー移送機構50は、上流端(前方端)が台座40を介してブラック〜イエロー用コンテナ30K,30C,30M,30Yのそれぞれに接続される4本のトナー移送パイプ51と、各トナー移送パイプ51の下流端(後方端)にそれぞれ接続された4台のトナー装填装置52とを備えている。
前記トナー移送パイプ51は、ゴムや軟質の合成樹脂等からなる可撓性を備えた材料によって形成され、弾性変形することでトナー装填装置52の所定の動作に追随することができる。かかるトナー移送パイプ51の内部には、所定の駆動手段によって軸心回りに駆動回転可能なコイルスプリング製のスパイラルフィーダ511が装着されている。そしてこのスパイラルフィーダ511の軸心回りの所定方向に向かう駆動回転によってトナーコンテナ30内からのトナーがトナー移送パイプ51内を移動し、トナー装填装置52を介して単位現像器22内に装入される。
前記トナー装填装置52は、回転式現像器20の上方位置でブラック〜イエロー用単位現像器22K,22C,22M,22Yのそれぞれのシート状蓋体225に対応するように4台が左右方向に並設されている。そして、トナー装填装置52の一部がシート状蓋体225のスリット225aを貫通して単位現像器22内に侵入した状態でトナー移送パイプ51内を移送されてきたトナーがトナー装填装置52を介して単位現像器22内に供給される。
図5は、トナー装填装置52の一実施形態を示す断面図であり、図5(A)は、トナー装填筒53が退避位置T1に位置設定された状態、図5(B)は、トナー装填筒53が装填位置T2に位置設定された状態をそれぞれ示している。図5に示すように、トナー装填装置52は、前記トナー移送パイプ51の下流端が接続されるトナー装填筒53と、筒心と同心でこのトナー装填筒53に内装された図略の駆動手段の駆動で軸心回りに駆動回転するスクリューフィーダ54と、前記トナー装填筒53を単位現像器22から上方へ離間した退避位置T1(図5(A))と単位現像器22内に侵入した装填位置T2(図5(B))との間で昇降させる昇降機構55とを備えている。
前記トナー装填筒53は、内筒体531と、この内筒体531に摺接状態で外嵌された外筒体532とを有する二重構造になっている。前記トナー移送パイプ51の下流端は、内筒体531に接続されているとともに、前記外筒体532は、トナー移送パイプ51に干渉することなく所定の範囲で内筒体531回りに正逆回動することができる。
このような内筒体531および外筒体532の下端部は、いずれも先細りに円錐状に形成されているとともに、この円錐状の部分にそれぞれ開口(内筒体531に設けられた内筒開口531aおよび外筒体532に設けられた外筒開口532a)が設けられ、これら各開口531a,532aが重なり合った状態(すなわち図5(B)に示すシャッタ開の状態)でトナー装填筒53内に送り込まれたトナーが各開口531a,532aを通って外部に導出される。
一方、この開放状態から外筒体532が内筒体531回りに所定角度回動することで外筒体532の壁面が内筒開口531aを塞ぐ状態(すなわち図5(A)に示すシャッタ閉の状態)となり、トナーの漏出が防止される。かかる外筒体532の回動操作は、昇降機構55によるトナー装填筒53の昇降動作に連動して行われる。
そして、トナー装填筒53が退避位置T1に位置設定されることによりトナー装填筒53の下端部は、図5(A)に示すように、内筒開口531aが外筒体532によって閉止された状態で単位現像器22のシート状蓋体225から離間しているのに対し、トナー装填筒53が装填位置T2に位置変更されることにより、図5(B)に示すように、トナー装填筒53の下端部は、内筒開口531aが外筒開口532aと重なり合って開放された状態でシート状蓋体225のスリット225aから単位現像器22の第1室222c内に侵入している。
従って、トナー装填筒53が退避位置T1に位置設定された状態では、トナー装填筒53内のトナーが内筒開口531aから漏洩することが防止される一方、トナー装填筒53が装填位置T2に位置設定された状態では、トナー装填筒53内のトナーが内筒開口531aおよび外筒開口532aを介して単位現像器22の第1室222c内に供給されることになる。
なお、本実施形態においては、トナー装填筒53の筒心の延びる方向と水平線との間の角度θはトナーの安息角より大きく設定され、これによってトナー装填筒53内に導入されたトナーが当該トナー装填筒53内で詰まるのを防止するようにしている。因みに、トナーの安息角は略40°であるが、前記角度θは略70°に設定している。
前記スクリューフィーダ54は、トナー装填筒53の筒心と同心のスクリュー軸541と、このスクリュー軸541の周面に同心で一体形成されたスクリューフィン542とからなっている。スクリュー軸541の上端部はトナー装填筒53から外部に突出し、この突出した部分に同心でスクリューギヤ543が固定されている。そして、このスクリューギヤ543が図略の駆動手段によって軸心回りに回転されることにより、スクリューフィン542がスクリュー軸541回りに一体回転し、これによってトナー移送パイプ51から送り込まれたトナーが下方へ向けて強制移動される。
前記昇降機構55は、内筒体531の周面に形成された筒心方向に延びるラック551と、このラック551に噛合するピニオン552と、所定の中継ギヤを介してピニオン552へ駆動力を与える図略の駆動モータとを備えている。一方、外筒体532には、前記ラック551に対応した部分に切欠き窓が設けられ、ラック551は、この切欠き窓を介して外部に露出した状態になっている。切欠き窓は、周方向の長さがラック551の幅寸法(周方向の長さ)より長く設定され、これによってラック551に対し所定の範囲で筒心回りに相対回動することができる。
また、外筒体532の適所には、図略の被案内突起が設けられている一方、外筒体532を囲繞する円筒状のカム部材が設けられ、このカム部材の内周面に前記被案内突起が摺接状態で嵌り込む螺旋カム溝が形成されている。そして、駆動モータの駆動で前記所定の中継ギヤ、ピニオン552およびラック551を介して内筒体531が昇降すると、これに追従してトナー装填筒53も昇降し、このトナー装填筒53の昇降によって被案内突起がカム部材の螺旋カム溝に案内され、これによって外筒体532が筒心回りに正逆回動する。
そして、本実施形態においては、トナー装填筒53が退避位置T1に位置設定されることによる外筒体532の所定方向への回動により内筒体531の内筒開口531aが外筒体532により閉止される一方、トナー装填筒53が装填位置T2に位置設定されることによる外筒体532の逆方向への回動により内筒体531の内筒開口531aが外筒体532の外筒開口532aと重なり合って開放される。
ついで図3へ戻り、単位現像器22には、トナー貯留容器222内のトナー量が予め設定された、画像形成処理を施すのに必要な最低限のトナー量以下になったことを検出するためのトナー量センサ60が設けられている。本実施形態においては、トナー量センサ60として発光素子が内装された発光部材61と、この発光部材61から照射された光を受光して電気信号に変換する受光素子の内装された受光部材62とからなる、いわゆる光センサが採用されている。
前記トナー量センサ60は、感光体ドラム131と対向された状態の単位現像器22において、トナー貯留容器222の第2室222dにおける現像スリーブ223と中継ローラ224bとの対向位置より若干上方の位置(残量検出位置)にトナーが存在するか否かを検出するべく設置位置が設定されている。具体的には、図3(A)に示すように、前方の扇形側板221における第2室222dの前記残量検出位置に対応した部分に発光部材61が貫通設置される一方、後方の扇形側板221の前後方向で発光部材61と対向した位置に受光部材62が貫通設置されている。
こうすることにより、単位現像器22が感光体ドラム131と対向した状態(すなわち、対感光体ドラム対向姿勢に姿勢設定された状態)で、当該単位現像器22の第2室222dの残量検出位置にトナーが存在しないときには、発光部材61から受光部材62へ向けて照射された光は、受光部材62によって受光され、これによってトナー貯留容器222の第2室222dには残量検出位置より低レベルしかトナーが存在しないことを検出することができる。
これに対し、単位現像器22が対感光体ドラム対向姿勢に姿勢設定された状態で、当該単位現像器22の第2室222dに残量検出位置を超えるトナーが存在していた場合には、発光部材61から受光部材62へ向けて照射された光は、トナーに遮られて受光部材62に受光されることがなく、これによってトナー貯留容器222の第2室222dに残量検出位置より高レベルでトナーが存在することを検出することができる。
そして、発光部材61および受光部材62が設けられる位置(残量検出位置)は、単位現像器22が対感光体ドラム対向姿勢に姿勢設定された状態で、単位現像器22の第2室222dに残留している残留トナーによって感光体ドラム131の周面に正常に画像形成処理を施すことができる必要最小限のトナーを確保することができるように設定されている。
なお、発光部材61への電力供給は、所定の電源装置から回転式現像器20の前面に対向配置され、かつ、発光部材61の接点に摺接される図略の環状電力線を介して行われるとともに、受光部材62からの検出信号は、受光部材62の接点に摺接される図略の環状信号線を介して出力される。
そして、本実施形態においては、4つある単位現像器22の内のいずれかの単位現像器22が対感光体ドラム対向姿勢に姿勢設定された状態で、当該単位現像器22の第2室222d内のトナーが必要最小限トナー量未満になったときには、とりあえずこのジョブの画像形成処理を完了させた上で、その単位現像器22の第2室222d内に残留しているトナーを感光体ドラム131の周面に向けて吐き出させる制御が行われる。
そして、その単位現像器22が完全に空になった状態で、当該単位現像器22にトナーコンテナ30から新たなトナーが補給される。
かかる制御を行うために、プリンタ本体11内の適所には、制御手段70が設けられている。以下、この制御手段70の制御について図6〜図8を基に、必要に応じて図1〜図5を参照しながら説明する。図6は、制御手段70による制御を説明するためのブロック図であり、図7は、制御手段70による制御を説明するためのフローチャートである。
また、図8は、対感光体ドラム対向姿勢に姿勢設定された単位現像器22内のトナーの状態を示す断面視の説明図であり、図8(A)は、トナー貯留容器222内に満杯のトナーが装填された状態、図8(B)は、トナー貯留容器222内に必要最小限のトナーが残留している状態、図8(C)は、トナー貯留容器222内の残留トナーが吐き出された状態をそれぞれ示している。
まず、図6に示すように、制御手段70は、演算処理装置であるCPU(central processing unit)71と、このCPU71に付設された読み出し専用のROM(read only memory)72と、同読み書き自在のRAM(random access memory)73とを備えた基本構成を有している。
ROM72には、本制御を実行するためのプログラムが記憶されており、プリンタ10に電源が入れられる都度、当該プログラムがCPU71に読み込まれ、以後このプログラムに基づきトナー貯留容器222内に残留しているトナーを吐き出させるための制御が実行される。これに対し、RAM73は、制御動作において、一時的に用いられる各種のデータを一時的に書き込んだり読み出したりする領域として使用されるものである。
前記CPU71は、トナー量センサ60の検出結果に基づき対感光体ドラム対向姿勢に姿勢設定された単位現像器22内のトナー量が必要最小限トナー量未満になっているか否かを判別するトナー量判別部711と、このトナー量判別部711の判別結果に基づき各所に制御信号を出力する制御信号出力部712とを備えている。
前記トナー量判別部711は、発光部材61からの光を受光した旨の受光部材62からの検出信号が入力されると、現に対感光体ドラム対向姿勢に姿勢設定されている単位現像器22の貯留トナーが必要最小限トナー量未満になったと判別し、その旨を指令信号として制御信号出力部712へ向けて出力する。
前記制御信号出力部712は、トナー量判別部711からの前記指令信号が入力されると、現に実行されつつある1枚の用紙を対象とした画像形成処理について最後まで実行が継続させた後、当該トナー量が必要最小トナー量になっていた単位現像器22を対感光体ドラム対向姿勢に姿勢設定させるように回転式現像器20(具体的には、回転式現像器20を駆動させている駆動モータ、以下同じ)へ向けて制御信号を出力する。これによって当該対象となる単位現像器22が対感光体ドラム対向姿勢に姿勢設定される。
かかる制御を行うために、制御信号出力部712は、給紙部12,画像形成部13および定着部14に対して互いに関連した所定の制御信号を出力し、これによる給紙部12,画像形成部13および定着部14の連係動作で現に実行されつつある1枚の用紙Pを対象とした画像形成処理が円滑に実行されるとともに、その後のトナー量が必要最小限トナー量未満となった単位現像器22に対する所定の処理が実行されることになるが、以下、これらの一連の制御の内で、特に貯留されているトナー量が必要最小限トナー量未満となることで感光体ドラム131に対向された単位現像器22に関する制御に的を絞って説明する。
まず、制御信号出力部712は、対象となる単位現像器22が感光体ドラム131の周面と対向した状態で、帯電ローラ132へ向けて制御信号を出力し、これによって前記対象となる単位現像器22に対応した感光体ドラム131の周面に対し露光装置133からの一様な光をベタ照射させる。こうすることで、感光体ドラム131および現像スリーブ223の同期回転に応じて単位現像器22内に残留した残留トナーは、トナー貯留容器222の内壁面等に沈着したものを除いて全てが、光のベタ照射された感光体ドラム131の周面に吐き出され、感光体ドラム131の周面にはそのトナーによるベタ画像が形成される。この感光体ドラム131の周面のベタ画像は、給紙部12から給紙された用紙Pに転写され、定着部14で用紙Pへの定着処理が施された後、用紙Pの排出に伴って排紙トレイ161へ排出される。
そして、単位現像器22内が完全に空になった状態(この状態は、感光体ドラム131の周面にベタ画像が形成されることによって実現する)で、制御信号出力部712は、トナー移送機構50の昇降機構55の駆動手段に向けてトナー装填筒53を下降させるべき制御信号を出力する。この制御信号により、トナー装填筒53は下降してその先端が当該単位現像器22のスリット225aに差し込まれ、トナー補給の準備が整う。
引き続き、制御信号出力部712は、トナー移送機構50のスパイラルフィーダ511の駆動手段へ向けて駆動信号を出力する。この駆動信号によりスパイラルフィーダ511が駆動回転し、トナーコンテナ30内のトナーがトナー移送パイプ51およびトナー装填筒53を介して単位現像器22内に補給される。
なお、単位現像器22の第1室222c内におけるスリット225aの近傍には、単位現像器22内のトナー量の満量を検出する図略のトナー量満量センサが設けられ、このトナー量満量センサが満量を検出すると、トナーコンテナ30からの単位現像器22へのトナーの補給が停止されるようになされているが、その詳細説明は省略する。
以下、かかる制御手段70による制御のフローを、図8を参照しながら図7のフローチャートに基づき説明する。まず、単位現像器22のトナー貯留容器222内に満杯のトナーが装填されている状態では、図8(A)に示すように、単位現像器22内には、第1室222cの略90%がトナーTで埋まっているとともに、第2室222dは、完全に100%トナーTで埋まった状態になっている。
この状態では、トナー量センサ60の受光部材62は、トナーTに埋まっているため、発光部材61から照射された光は受光部材62に到達することができず、従って受光部材62からは検出信号が出力されない。
そして、この状態で画像形成処理が実行されると、中継ローラ224bがローラ心回りに時計方向に向けて回転されるとともに、現像スリーブ223も軸心回りに時計方向に回転され、これによって第2室222d中のトナーTは、ブレード227を介し、所定の層厚になって現像スリーブ223の周面から感光体ドラム131の周面へ供給される。すなわち、プリンタ10は、通常の画像形成処理が実行される通常モードに設定されているのである。
このような状態において、まず、ステップS1で対感光体ドラム対向姿勢に姿勢設定されている単位現像器22を対象とし、当該単位現像器22に設けられているトナー量センサ60によりトナーTが必要最小限トナー量未満になっているか否かが検出される。
そして、ステップS2において4台の単位現像器22(ブラック〜イエロー用単位現像器22K,22C,22M,22Y)の内でトナーTが必要最小限トナー量未満になっている単位現像器22が存在したか否かが問われ、いずれかの単位現像器22においてトナーTが必要最小限トナー量未満になっている単位現像器22が存在した場合(すなわち、ステップS2においてYESの場合)には、その単位現像器22がブラック〜イエロー用単位現像器22K,22C,22M,22Yの内のいずれであるのかがRAM73に記憶され(ステップS3)、引き続き次のステップS4が実行される。これに対し、その単位現像器22について必要最小限トナー量未満ではなかった場合(ステップS2でNOの場合)には、そのままステップS4に移る。
因みに、トナーTが必要最小限トナー量未満の残留トナーT′になっている単位現像器22は、図8(B)に示すように、中継ローラ224bと現像スリーブ223との対向位置の上部であって、かつ、受光部材62の受光素子より下方位置に位置した状態になっている。
ステップS4では、ブラック〜イエロー用単位現像器22K,22C,22M,22Yの4台の単位現像器22についてトナー量センサ60による検出処理が実行されたか否かが問われ、まだ検出処理が実行されていない単位現像器22がある場合(ステップS4でNOの場合)には、ステップS1へ戻される。
これに対し、4台のブラック〜イエロー用単位現像器22K,22C,22M,22Yについて全て検出処理が完了している場合(ステップS4でYESの場合)には、ステップS5において必要最小限トナー量未満の単位現像器22が存在するか否かが判別される(この判別は、対象となる何色用かの単位現像器22がRAM73に記憶されているか否かで行われる)。
そして、存在していない場合(ステップS5でNO)にはステップS1へ戻される一方、存在していた場合(ステップS5でYES)には、現に実行されている1枚の用紙を対象とした画像形成処理が完了した後、プリンタ10は、処理モードが通常モードからトナー補給モードにモード変更される(ステップS6)。
引き続きステップS7において、必要最小限トナー量未満の単位現像器22を対感光体ドラム対向姿勢に順次姿勢変更させた上で、トナー貯留容器222の第2室222d内の残留トナーT′を感光体ドラム131の周面に向けて吐き出させる処理が実行される。こうすることで、単位現像器22内には、図8(C)に示すように、トナー貯留容器222の内壁面等に固着堆積したトナーを除いてトナーTが全く存在しない状態になる。
ついで、残留トナーT′を吐き出させた単位現像器22に対しトナーコンテナ30からのトナーTが補給される(ステップS8)。この補給は、制御信号出力部712からの制御信号による昇降機構55の駆動でトナー装填筒53を下降させてその先端を単位現像器22内に挿入した後、スパイラルフィーダ511の駆動回転でトナーコンテナ30内のトナーを単位現像器22内へ送り込むことによって行われる。そして、この補給が完了すると、プリンタ10は、トナー補給モードから通常モードに戻され、通常の画像形成処理が実行可能状態になる。
そして、本実施形態においては、単位現像器22にトナーTが補給された直後の満杯時(図8(A)参照)には当該満杯のトナー量は40gであった。また、トナー量センサ60によって単位現像器22内のエンプティが検出されたとき(すなわち、単位現像器22内のトナー量が必要最小限トナー量未満になったとき(図8(B)参照))の単位現像器22内のトナー量は、12gであった。そして、単位現像器22内の残留トナーT′が感光体ドラム131へ向けて吐き出された後の単位現像器22に残っているトナーの量は9gであった。このことは、12gから9gを差し引いた値である3gのトナーがトナー貯留容器222から吐き出された劣化トナーということになる。
以上の説明で判るように、本発明は、現像装置(本実施形態では単位現像器22)内が、いわゆるトナーエンプティになった状態を検知した後、当該単位現像器22内に直ちにトナーを補給するというものではなく、単位現像器22内に未だ少量残留するトナーを感光体ドラム131側へ強制排出し、単位現像器22内の残留トナー量を略ゼロとしてから、単位現像器22へトナーTを補給するように構成されているのである。
つまり、本発明は、以下の2点を重要な特徴点としている。
(1)単位現像器22内がトナーエンプティの状態であることを検知した後、単位現像器22内に未だ残留している残留トナーを強制排出してから、単位現像器22へトナーコンテナ30からトナーが補給されるように制御すること。
(2)そして、トナーエンプティとは、現像スリーブ223の軸方向の全長に亘って画像濃度を維持できるようにはトナーTが供給され得なくなるような量(必要最小トナー量)が単位現像器22内に残留している状態であること。
これに対し、従来の現像装置のトナーエンプティという概念は、エンプティになっても用紙Pの数枚に対し印字し得る量のトナーが現像装置内に残留している状態を指すものであった。
また、トナーコンテナからトナーを補給される方式の従来の現像装置においては、トナー量が常にほぼ一定になるようにトナーコンテナからトナーが補給され、トナーコンテナがエンプティになってから現像装置がエンプティになるのに対し、本発明の現像装置(本実施形態では回転式現像器20)においては、単位現像器22内のトナー量を一定に維持せず、単位現像器22内のトナーTがエンプティになると、トナーを強制排出して、その後トナーコンテナ30からトナーTが補給される構成となっている。
以上詳述したように、本実施形態に係る回転式現像器20は、静電潜像が形成された感光体ドラム131の表面に一成分系のトナーを供給して当該静電潜像に沿ったトナー像を形成させる複数の単位現像器22と、対応した各単位現像器22にトナーを補給する複数のトナーコンテナ30と、単位現像器22内のトナー量が感光体ドラム131に正常に画像形成処理を施すのに必要な必要最小限トナー量未満になったことを検出するトナー量センサ60と、単位現像器22内が必要最小限トナー量未満になったことをトナー量センサ60が検出したときのみ、この検出信号に基づきトナーコンテナ30に対し単位現像器22へトナーを供給させるように制御する制御手段70とを備えて構成されている。
そして、制御手段70は、トナー量センサ60が必要最小限トナー量未満を検出したとき、残っているトナーを感光体ドラム131へ向けて吐き出させるように制御するように構成されている。
従って、正常な画像形成処理を施し得る必要最小限トナー量未満になるまで単位現像器22にはトナーコンテナ30からトナーが供給されないため、単位現像器22内に未だ充分にトナーが存在する状態でトナーコンテナ30からトナーが供給された場合には、大量の補給トナーと大量の残留トナーとが互いに混ざり合ってトナーの帯電状態や磁化状態が乱され、これによって画像形成処理でかぶり現象が生じるような不都合が生じることがあるが、本発明ではかかる不都合の発生を有効に防止することができる。
しかも、制御手段70は、トナー量センサ60が必要最小限トナー量未満を検出したとき、残っているトナーを感光体ドラム131へ向けて吐き出させるように制御し、これによって単位現像器22に残留していた残留トナーは、単位現像器22内に固着しているものを除き全てがなくなって単位現像器22内が実質的に空になった状態でトナーコンテナ30から新たなトナーが補給されるため、単位現像器22に必要最小限トナー量未満の残留トナーが存在する場合には、僅かな量の残留トナーが逆帯電し、これによる残留トナーと新たなトナーとの静電気的な反発でトナーの補給中に単位現像器22内の残留トナーが外部に向けて飛散してしまうようなことが起こらず、飛散したトナーで画像形成装置内が汚染されるような不都合の発生を防止することができる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、本発明に係る現像装置が適用される画像形成装置としてプリンタ10を例に挙げて説明した。本発明は、複写機やファクシミリ装置にも適用可能である。
(2)上記の実施形態においては、現像装置として複数の単位現像器22からなるカラー印刷用の回転式現像器20が採用されているが、本発明は、現像器がモノクロ印刷用のものであってもよいし、カラー印刷用のものであっても、回転式現像器20に限らず、各色の単位現像器が横方向に向けて並設された、いわゆるタンデム式の現像装置であってもよい。
(3)上記の実施形態においては、トナー量センサ60として発光素子を備えた発光部材61とは、受光素子を備えた受光部材62からなるいわゆるフォトセンサが採用されている例を示した。これに代えてストライカーを蹴ることによってトナーの存在を機械的に検出するリミットスイッチ式のもの、単位現像器22内のトナーの静電容量を検出することでトナーの存否を検出する静電容量式のもの等を用いることもできる。