JP5073347B2 - 蓄熱式バーナを備えた加熱炉の操炉方法 - Google Patents

蓄熱式バーナを備えた加熱炉の操炉方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5073347B2
JP5073347B2 JP2007097381A JP2007097381A JP5073347B2 JP 5073347 B2 JP5073347 B2 JP 5073347B2 JP 2007097381 A JP2007097381 A JP 2007097381A JP 2007097381 A JP2007097381 A JP 2007097381A JP 5073347 B2 JP5073347 B2 JP 5073347B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
furnace
temperature
burner
exhaust gas
regenerative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007097381A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008255396A (ja
Inventor
賢一 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Engineering Co Ltd filed Critical Nippon Steel Engineering Co Ltd
Priority to JP2007097381A priority Critical patent/JP5073347B2/ja
Publication of JP2008255396A publication Critical patent/JP2008255396A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5073347B2 publication Critical patent/JP5073347B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)

Description

本発明は、蓄熱式バーナを備えた加熱炉の操炉方法に関し、特に炉を停止し再び操業を開始する場合の昇温立ち上げ時にバーナタイルおよび蓄熱体に発生する熱衝撃や過大な熱応力を防止し、バーナタイルおよび蓄熱体の寿命延長が図れる蓄熱式バーナを備えた加熱炉の操炉方法に関する。
近年、鋼片、鋼材等の金属材料を加熱する加熱炉として、蓄熱式バーナを備えた加熱炉が広く用いられている。
図1は、蓄熱式バーナを備えた加熱炉の全体構成を示す模式図であり、加熱炉内に装入された金属材料(被加熱材)は、炉内に設置された搬送ローラやウォーキンギビーム等の搬送装置(図示しない)によってパスラインに沿って連続的に移動するとともに、この間に左右の炉側壁に互いに対向させて配設された蓄熱式バーナによって所定温度まで加熱されていく。
加熱炉内は、図1に示すように金属材料の進行方向に複数のゾーンに分割するのが一般的であり、各ゾーンにおいて互いに対向する位置に配設されて1対をなす蓄熱式バーナを交互に燃焼させて操業する。具体的には、図2に示すように、1対をなす蓄熱式バーナの一方のバーナに燃料と燃焼用空気を供給して燃焼させ、当該一方のバーナが燃焼している間は、他方のバーナは燃焼させず、当該片方のバーナは炉内から燃焼した排ガスを吸引する。このとき吸引された排ガスは蓄熱体を通って排出されるが、当該蓄熱体にはセラミックスや耐火煉瓦等からなる蓄熱材が充填されているので、高温の排ガスが通過することによって蓄熱体に顕熱が蓄積され、当該蓄積された顕熱は燃焼が切り替わったときの他方のバーナの燃焼用空気の予熱に利用される。
すなわち、蓄熱式バーナは、炉内に燃焼用空気を供給又は炉内から排ガスを吸引する給排気経路に蓄熱体を配置したバーナであり、交互に燃焼と吸引を繰り返し、燃焼ガスの保有熱を吸気側のバーナの蓄熱体によって回収し、燃焼側のバーナでは燃焼用空気を蓄熱体に通して予熱することにより高い熱効率を達成できるようにしたバーナである。このため、このような高い熱効率を達成する蓄熱式バーナを加熱炉に用いると大きな省エネルギ効果が得られるため、近年においては加熱炉への適用が増大している。
しかしながら、高い熱効率ないし大きな省エネルギ効果を発揮し得るのは、全対の蓄熱式バーナが最大PB率で交互に燃焼と吸引を繰り返す所謂蓄熱交番燃焼(リジェネ燃焼)をしている通常操業時のときであって、加熱炉の新設や補修、および定期的な設備点検等の理由によって加熱炉の操業を停止して、再び操業を開始する場合の炉の立ち上げ時には状況が異なってくる。
加熱炉を停止して再び操業を開始する場合の炉の立ち上げ時には炉内温度が低く、蓄熱体には顕熱が蓄積されていないため、たとえ炉の立ち上げ時から蓄熱交番燃焼を実施したとしても、蓄熱体に吸収される排ガスの保有熱が小さく、蓄熱体に回収される顕熱は通常操業時よりも減少するため、炉内温度の昇温速度は遅く、高い熱効率を達成する蓄熱式バーナ本来の性能を発揮することができない。また、蓄熱体は排ガスの顕熱を充分に吸収するように設計されていることから、蓄熱体を通って排出される排ガスの温度が排ガス中に含まれる水分の露点以下となり、結露する可能性が極めて高くなる。当該結露が発生すると、炉内に燃焼用空気を供給又は炉内から排ガスを吸引する給排気経路それ自体や、当該経路に設置された各種弁が酸化され、当該酸化が進行すると蓄熱式バーナの正常な燃焼運転が困難となり、ひいては蓄熱式バーナの破壊にまで至る。
このため、従来一般においては、加熱炉を停止して再び操業を開始する場合の炉の立ち上げ時には、前記した一対の蓄熱式バーナが交互に燃焼と吸引を繰り返す蓄熱交番燃焼を行って昇温するのではなく、一対のバーナの各々を同時に燃焼させる所謂連続燃焼方式で昇温を行い、排ガスの結露が生じない所定の炉温に達した以降になってはじめて蓄熱交番燃焼方式により昇温を行うことによって結露の発生を防止していた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような炉の立ち上げ時の初期段階においては連続燃焼方式で昇温を行い、途中で蓄熱交番燃焼方式による昇温に切り替える操炉方法においては新たな問題が発生した。前記したように蓄熱式バーナは交互に燃焼と吸引を繰り返し、燃焼ガスの保有熱を吸気側のバーナの蓄熱体によって回収し、燃焼側のバーナで燃焼用空気を蓄熱体に通して予熱することにより高い熱効率を達成できるようにしたバーナであるところ、前記操炉方法において蓄熱交番燃焼方式による昇温に切り替えるまでは、いずれのバーナも燃焼するのみで排ガスの吸引を行っていないことから蓄熱体には顕熱が蓄積されておらず、バーナタイルおよび蓄熱体の温度は低温のままである。したがって、蓄熱交番燃焼方式に切り替えた直後に、蓄熱式バーナはいきなり高温となった排ガスを吸引し始めることから、バーナタイルおよび蓄熱体には急激な温度変化による熱衝撃や過大な熱応力が発生することとなり、これがバーナタイルや蓄熱体が損傷する原因となった。
このような新たな課題、すなわち、炉を停止し再び操業を開始する場合の昇温立ち上げ時にバーナタイルおよび蓄熱体に発生する熱衝撃や過大な熱応力を防止する操炉方法としては、所定炉温に達するまでの低温域においては1次空気と2次空気と燃料を供給して切替交番燃焼を行い、所定炉温に達した以降は2次空気と燃料を供給して切替交番燃焼を行う操炉方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2に記載の操炉方法は、バーナタイルに燃料を供給する燃料供給口、1次空気を供給する1次空気供給口、2次空気を供給又は炉内から排ガスを吸引する2次空気供給兼排ガス吸引口を配置した蓄熱式バーナを備えた加熱炉の操炉方法であるので、既存の設備のままでは実現できず、これを実現するためには1次空気の吹き込み手段、または1次燃料の吹き込み手段が別途必要となり、当該設備の構成がその分複雑になると共に保守作業の負荷が増加した。
特開平7−120171号公報 特開2003−294229号公報
本発明の解決すべき課題は、バーナタイルに燃料を供給する燃料供給口、炉内に燃焼用空気を供給又は炉内から排ガスを吸引する空気供給兼排ガス吸引口を配置した蓄熱式バーナを備えた既存の加熱炉設備を何ら変更することなく、炉を停止し再び操業を開始する場合の昇温立ち上げ時にバーナタイルおよび蓄熱体に発生する熱衝撃や過大な熱応力を防止して、バーナタイルおよび蓄熱体の寿命延長が図れる、蓄熱式バーナを備えた加熱炉の操炉方法を新たに提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決すべく種々の理論的検討および実験的検討を重ねた結果、以下の技術的知見を得た。
(A)前記したように炉の立ち上げ時の初期段階においては連続燃焼方式で昇温を行い、途中で蓄熱交番燃焼方式による昇温に切り替える従来の操炉方法においては、切り替え直後に発生する熱衝撃や過大な熱応力が非常に重要な障害となるところ、蓄熱式バーナでどの程度排ガスを吸引するかの割合を示す所謂PB率(Pullbac率)を適正な範囲に設定して蓄熱交番燃焼方式による昇温を行うと、切替直後の高温となった排ガスの吸引量が抑制され、これによりバーナタイルおよび蓄熱体に発生する急激な温度変化による熱衝撃や熱応力が緩和され、バーナタイルや蓄熱体の損傷を防げること。
(B)設定するPB率については、高温な排ガスの吸引量を抑制する観点からは低めに設定することが望ましいが、PB率が20%未満であると高い熱効率を達成し得る蓄熱交番燃焼の利点を十分に発揮することができず、40%を超えるとバーナタイルや蓄熱体等の耐火物が損傷するおそれがあるので、設定するPB率については20〜40%とするのが望ましいこと。
(C)すなわち、従来技術のように、炉を停止し再び操業を開始する場合の昇温立ち上げ時に、常温から所定炉温に達するまでの低温域においては連続燃焼方式で昇温を行い、所定炉温に達してから蓄熱交番燃焼方式による昇温に切り替える操業を実施したとしても、PB率:20〜40%の範囲で蓄熱交番燃焼を行えば、バーナタイルおよび蓄熱体に発生する急激な温度変化による熱衝撃や熱応力が緩和されるので、バーナタイルおよび蓄熱体の寿命延長が図れるとともに、高い熱効率を達成し得る蓄熱交番燃焼の利点を十分に発揮することのできる安定した加熱炉の操業を達成できること。
(D)さらに、当該操炉方法によれば、バーナタイルに燃料を供給する燃料供給口、炉内に燃焼用空気を供給又は炉内から排ガスを吸引する空気供給兼排ガス吸引口を配置した蓄熱式バーナを備えた既存の加熱炉設備を何ら変更する必要がないので、従来技術のように加熱炉の設備構成の複雑化、保守作業が増加する等の問題は生じ得ないこと。
上記の知見に基づき、本発明者は、バーナタイルに燃料を供給する燃料供給口、炉内に燃焼用空気を供給又は炉内から排ガスを吸引する空気供給兼排ガス吸引口を配置した蓄熱式バーナを備えた既存の加熱炉設備を何ら変更することなく、炉を停止し再び操業を開始する場合の昇温立ち上げ時にバーナタイルおよび蓄熱体に発生する熱衝撃や過大な熱応力を防止し、バーナタイルおよび蓄熱体の寿命延長が図れる、蓄熱式バーナを備えた加熱炉の操炉方法に想到した。その要旨とするところは以下の通りである。
(1)バーナタイルに燃料を供給する燃料供給口、炉内に燃焼用空気を供給又は炉内から排ガスを吸引する空気供給兼排ガス吸引口を配置した蓄熱式バーナを備えた加熱炉の操炉方法であって、炉を停止し再び操業を開始する場合の昇温立ち上げ時に、炉温が常温から900℃に達するまでの低温域においては、連続燃焼方式で昇温を行い、炉温が900℃に達してから1000℃に達するまでは、下記式で定義されるPB率:20〜40%の範囲で蓄熱交番燃焼方式により昇温を行うことを特徴とする蓄熱式バーナを備えた加熱炉の操炉方法。
PB率= 排ガス流量の設定値/{(Qair−Qfu×A0)+Qfu×G0}
ここで、Qair:燃焼空気実績流量[Nm/h] Qfu :燃料実績流量[Nm/h]
A0 :理論空気比 G0 : 理論排ガス比
(イ)本発明に係る加熱炉の操炉方法は、炉を停止し再び操業を開始する場合の昇温立ち上げ時に、常温から所定炉温に達するまでの低温域においては連続燃焼方式で昇温を行い、前記所定炉温に達してからはPB率:20〜40%の範囲で蓄熱交番燃焼方式による昇温を行うので、バーナタイルおよび蓄熱体に発生する熱衝撃や過大な熱応力を防止することができ、これによりバーナタイルおよび蓄熱体の寿命延長が図れるとともに、高い熱効率を達成し得る蓄熱交番燃焼の利点を十分に発揮することのできる安定した加熱炉の操業を達成することができる。
(ロ)本発明に係る加熱炉の操炉方法は、バーナタイルに燃料を供給する燃料供給口、炉内に燃焼用空気を供給又は炉内から排ガスを吸引する空気供給兼排ガス吸引口を配置した蓄熱式バーナを備えた既存の加熱炉設備を何ら変更する必要がない。このため、従来技術に係る操炉方法のように加熱炉の設備構成の複雑化、保守作業が増加する等の問題を生じ得ないので、経済性に優れた加熱炉の操業を達成することができる。
以下、図1〜図6を参照して、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は一般的な蓄熱式バーナを備えた加熱炉1の全体構成を示す模式図であり、加熱炉内に装入された金属材料(被加熱材)は、炉内に設置された搬送ローラやウォーキンギビーム等の搬送装置(図示しない)によってパスラインに沿って連続的に炉長方向に移動するとともに、左右の炉側壁に互いに対向させて配設された蓄熱式バーナによって所定温度まで加熱される。本発明は、このような一般的な加熱炉に対応できる操炉方法である。なお、図2において蓄熱式バーナ2の構成を示しているので、図1においては蓄熱式バーナの図示を省略している。
図1に示すように、加熱炉1は材料進行方向に複数のゾーンに分割するのが一般的であり、各ゾーンにおいて互いに対向する位置に配設されて1対をなす蓄熱式バーナを交互に燃焼させて操業する。図1に例示した加熱炉1はパスラインを境に上下に、また炉長方向にも分割され、合計4ゾーンで構成した加熱炉であるが、例えば、パスラインより上層である第1、第3ゾーンの左炉側壁に配設された蓄熱式バーナを燃焼したときに、パスラインより下層である第2、第4ゾーンの右炉側壁に配設された蓄熱式バーナによって炉内から燃焼した排ガスを吸引し、交互に燃焼と吸引を繰り返すといった蓄熱交番燃焼を行うことができる。
あるいは、各ゾーンを単位として、左炉側壁に配設された蓄熱式バーナを燃焼したときに、右炉側壁に配設された蓄熱式バーナによって炉内から燃焼した排ガスを吸引し、交互に燃焼と吸引を繰り返すといった蓄熱交番燃焼を行うことができる。
図2は当該ゾーン単位の蓄熱交番燃焼を示す模式図であり、左炉側壁に配設された蓄熱式バーナ2に配置された燃料供給口5からバーナタイル4に燃料7を供給するとともに、空気供給兼排ガス吸引口6から炉内に燃焼用空気8を供給して当該左炉側壁に配設された蓄熱式バーナ2を燃焼したときに、これに対向して配設された右炉側壁の蓄熱式バーナ2が、炉内から燃焼した排ガス9を吸引する様子を示すものである。このとき吸気側の蓄熱式バーナ2、すなわち右炉側壁に配設された蓄熱式バーナにおいては、炉内に燃焼用空気を供給又は炉内から排ガスを吸引する給排気経路に配置された蓄熱体3によって燃焼ガスの保有熱を回収している。したがって、当該吸気側の蓄熱式バーナが燃焼側の蓄熱式バーナに交番するときは、蓄熱体3を通して燃焼用空気8を予熱するので高い熱効率を達成することができる。なお、図5は蓄熱式バーナ2の炉壁11への取付部を示す模式図、図6はバーナタイル4の一形態を示す模式図であり、図5のA−A方向から見た図である。
本発明に係る操炉方法は、図2、図5〜6に示すようなバーナタイル4に燃料7を供給する燃料供給口5、炉内12に燃焼用空気を供給又は炉内から排ガスを吸引する空気供給兼排ガス吸引口6を配置した一般的な蓄熱式バーナ2を備えた加熱炉1の操炉方法に関するものであり、通常操業時、すなわち、前記した一対の蓄熱式バーナ2が交互に燃焼と吸引を繰り返す蓄熱交番燃焼しているときにおける基本的な動作原理については、従来技術に係る操炉方法と特段変わるところはない。
本発明に係る操炉方法の技術的特徴ないしその効果を最大限に発揮する局面は、加熱炉の新設や補修、および定期的な設備点検等の理由によって加熱炉の操業を停止して、再び操業を開始する場合の昇温立ち上げ時にあるので、以下、これについて説明する。
図3は本発明に係る操炉方法を示す制御フロー図である。当該図に示すとおり、本発明に係る操炉方法においては、従来技術に係る操炉方法と同様に、炉の立ち上げ時の初期段階においては一対の蓄熱式バーナ2の各々を同時に燃焼させる連続燃焼方式で昇温を行い、途中で蓄熱交番燃焼方式による昇温に切り替える。
ただし、蓄熱交番燃焼方式への切り換え直後に、蓄熱式バーナ2はいきなり高温となった排ガス9を吸引し始めることとなり、これによりバーナタイル4および蓄熱体3には急激な温度変化による熱衝撃や過大な熱応力が発生し、これがバーナタイル4や蓄熱体3が損傷する原因となる。したがって、本発明に係る操炉方法においては、切り換え直後の蓄熱交番燃焼を下記式で定義されるPB率:20〜40%の範囲で行う。ここで、PB率とは、蓄熱式バーナ2でどの程度排ガスを吸引するかの割合を示すもので、例えば、PB率30%であれば、排ガスの30%が吸引側バーナに吸引されることを意味する。
PB率= 排ガス流量の設定値/{(Qair−Qfu×A0)+Qfu×G0}
ここで、Qair: 燃焼空気実績流量[Nm/h]
Qfu : 燃料実績流量[Nm/h]
A0 : 理論空気比
G0 : 理論排ガス比
図4はPB率と排ガス温度、炉内温度の関係を示す相関図であり、上側グラフがPB率と排ガス温度との関係を、下側グラフがPB率と炉内温度の関係を示している。本発明者は、炉の立ち上げ時の初期段階においては一対の蓄熱式バーナ2の各々を同時に燃焼させる連続燃焼方式で昇温を行い、途中で蓄熱交番燃焼方式による昇温に切り替えたときのPB率と排ガス温度との関係に注目した。
これは、常温から燃料の自然着火温度である900℃に達するまでの低温域において連続燃焼方式で昇温を行い、ここから所定の温度、例えば炉内温度が1000℃に達するまでの時間、PB率=20、40、60、80%の条件で蓄熱交番燃焼方式による昇温を行った実験結果に基づくものであり、図4の上側グラフに示すようにPB率が20%未満であると排ガスの昇温速度が遅く、これでは高い熱効率を達成し得る蓄熱交番燃焼の利点を十分に発揮することができない。一方、PB率が40%を超えるとバーナタイルおよび蓄熱体には急激な温度変化による熱衝撃や過大な熱応力が発生し、バーナタイルや蓄熱体が損傷される結果となる。
なお、蓄熱交番燃焼を行うためには、炉内温度が燃料7の自然着火温度以上でなくてはならない。したがって、本発明に係る操炉方法においては、常温から900℃に達するまでの低温域においては連続燃焼方式による昇温を行うこととしている。また、一般に金属材料(被加熱材)を加熱炉1内に挿入する温度は1000℃であり、当該金属材料の挿入直後においては炉内温度が急激に下がることとなる。したがって、バーナタイル4等の損傷を防ぐべく、PB率:20〜40%の範囲で蓄熱交番燃焼方式による昇温を行って炉内温度が1000℃に達した以降、すなわち、金属材料の炉内挿入によって炉内温度が急激に下がった以降は、前記PB率の設定を解除して、40%を越える通常のPB率にて操業を開始する必要がある。
したがって、常温から所定炉温、例えば炉内温度が900℃に達するまでの低温域においては連続燃焼方式で昇温を行い、前記所定炉温に達してから別の所定炉温、例えば1000℃に達するまでは、PB率:20〜40%の範囲で蓄熱交番燃焼方式により昇温を行うことが望ましく、PB率が当該範囲ならばバーナタイル4および蓄熱体3に発生する急激な温度変化による熱衝撃や熱応力が緩和されるので、バーナタイル4および蓄熱体3の寿命延長が図れるとともに、高い熱効率を達成し得る蓄熱交番燃焼の利点を十分に発揮することのできる安定した加熱炉の操業を達成できる。
また、本発明に係る操炉方法は、図3に示すソフトウェアである制御フローによって実現できるものであり、ハードウェア、すなわち、バーナタイル4に燃料7を供給する燃料供給口5、炉内に燃焼用空気8を供給又は炉内から排ガス9を吸引する空気供給兼排ガス吸引口6を配置した蓄熱式バーナ2を備えた既存の加熱炉設備を何ら変更する必要がない。このため、従来技術に係る操炉方法のように加熱炉の設備構成の複雑化、保守作業が増加する等の問題を生じ得ないので、経済性に優れた加熱炉の操業を達成することができる。
なお、本発明に係る操炉方法を示す制御フロー図である図3の最終段、すなわち、炉内温度が1000℃に達した以降はPB率の設定を解除し、通常の演算を開始しているが、これは前記したように金属材料の挿入直後においては炉内温度が急激に下がるため、PB率の設定を解除して40%を越える通常のPB率にて操業を開始するためである。
蓄熱式バーナを備えた加熱炉の全体構成を示す模式図である。 蓄熱式バーナの構成と配設位置を示す模式図である。 本発明に係る操炉方法を示す制御フロー図である。 PB率と排ガス温度、炉内温度の関係を示す相関図である。 蓄熱式バーナの炉壁への取付部を示す模式図である。 バーナタイルの一形態を示す模式図であり、図5のA−A方向から見た図である。
符号の説明
1 加熱炉 2 蓄熱式バーナ
3 蓄熱体 4 バーナタイル
5 燃料供給口 6 空気供給兼排ガス吸引口
7 燃料 8 空気
9 排ガス 10 排ガス温度測定用熱電対
11 炉壁 12 炉内
S 材料進行方向

Claims (1)

  1. バーナタイルに燃料を供給する燃料供給口、炉内に燃焼用空気を供給又は炉内から排ガスを吸引する空気供給兼排ガス吸引口を配置した蓄熱式バーナを備えた加熱炉の操炉方法であって、
    炉を停止し再び操業を開始する場合の昇温立ち上げ時に、
    炉温が常温から900℃に達するまでの低温域においては、連続燃焼方式で昇温を行い、炉温が900℃に達してから1000℃に達するまでは、下記式で定義されるPB率:20〜40%の範囲で蓄熱交番燃焼方式により昇温を行うことを特徴とする蓄熱式バーナを備えた加熱炉の操炉方法。
    PB率= 排ガス流量の設定値/{(Qair−Qfu×A0)+Qfu×G0}
    ここで、Qair: 燃焼空気実績流量[Nm/h]
    Qfu : 燃料実績流量[Nm/h]
    A0 : 理論空気比
    G0 : 理論排ガス比
JP2007097381A 2007-04-03 2007-04-03 蓄熱式バーナを備えた加熱炉の操炉方法 Expired - Fee Related JP5073347B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007097381A JP5073347B2 (ja) 2007-04-03 2007-04-03 蓄熱式バーナを備えた加熱炉の操炉方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007097381A JP5073347B2 (ja) 2007-04-03 2007-04-03 蓄熱式バーナを備えた加熱炉の操炉方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008255396A JP2008255396A (ja) 2008-10-23
JP5073347B2 true JP5073347B2 (ja) 2012-11-14

Family

ID=39979272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007097381A Expired - Fee Related JP5073347B2 (ja) 2007-04-03 2007-04-03 蓄熱式バーナを備えた加熱炉の操炉方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5073347B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6341188B2 (ja) * 2015-11-30 2018-06-13 Jfeスチール株式会社 加熱炉の炉温制御方法および炉温制御装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2936449B2 (ja) * 1993-10-25 1999-08-23 日本鋼管株式会社 蓄熱式交番燃焼バーナシステムを備えた加熱炉の操炉方法
JP3235700B2 (ja) * 1994-12-09 2001-12-04 川崎製鉄株式会社 蓄熱式バーナ装置の廃ガス温度制御装置
JP3478009B2 (ja) * 1996-07-16 2003-12-10 Jfeスチール株式会社 蓄熱式バーナを備える加熱炉
JP2000097431A (ja) * 1998-09-21 2000-04-04 Kawasaki Steel Corp 蓄熱式燃焼装置における排ガス吸引量制御方法
JP2003294229A (ja) * 2002-04-01 2003-10-15 Nippon Steel Corp 蓄熱式バーナを備えた加熱炉の操炉方法
JP2003302044A (ja) * 2002-04-05 2003-10-24 Nippon Steel Corp 蓄熱式バーナ加熱炉の燃焼制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008255396A (ja) 2008-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102878563B (zh) 一种多驱动高压损炉排式生活垃圾焚烧装置
KR100780700B1 (ko) 고체 연료용 보일러
JP5073347B2 (ja) 蓄熱式バーナを備えた加熱炉の操炉方法
JP2017171901A (ja) コークス炉の炉体設備における火入れ時の炉体乾燥方法及びバーナー
JP5211943B2 (ja) 加熱炉の排気設備
JP2006349281A (ja) 連続式加熱炉、及びその燃焼制御方法
JP2005060762A (ja) 鉄鉱石ペレットの製造方法および製造装置
JP3478009B2 (ja) 蓄熱式バーナを備える加熱炉
JP7029277B2 (ja) リジェネレイティブバーナ、工業炉及び焼成品の製造方法
JPH1060536A (ja) 連続式加熱炉
CN102721068B (zh) 一种水冷往复多级液压机械式炉排炉供风***的控制方法
WO2010009612A1 (zh) 无枪投浆的蓄热移动床锅炉
JP5320926B2 (ja) 加熱炉用バーナの蓄熱式バーナ化方法
KR20100073732A (ko) 가열로의 배열회수용 열교환 시스템
JP2936449B2 (ja) 蓄熱式交番燃焼バーナシステムを備えた加熱炉の操炉方法
JP5822540B2 (ja) ボイラ構造およびボイラの改造方法
JP2003262323A (ja) ストーカ式焼却炉の水冷壁構造
RU2452911C1 (ru) Вращающаяся печь спекания
KR100897734B1 (ko) 도자기 소성로
JP3962237B2 (ja) 連続式加熱炉
KR100693838B1 (ko) 로타리 킬른형 소각로
JP7117902B2 (ja) 加熱炉
JP4970087B2 (ja) 連続式加熱炉
CN2646637Y (zh) 低氧化氮高效蓄热工业炉
JP2005248258A (ja) 連続式加熱炉

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees