JP5066840B2 - 設備点検装置及び設備点検方法 - Google Patents

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Description

本発明は、設備の点検装置及び設備の点検方法に関する。詳しくは、カメラを備えた設備点検装置及びカメラを用いた設備点検方法に関する。
設備は、その性能を維持するために定期的な点検が必要である。この点検により不良箇所が発見され整備されることで、設備の故障による稼動停止や事故の発生といった事態を防止することが可能である。そのため、設備の点検は、非常に重要である。しかし、点検は、設備の構造などによって困難な場合がある。例えば、設備の内部に配置された被点検部材は、接近が配置場所、周辺の空間及び作業環境などにより困難である場合がある。この場合、被点検部材の点検は作業負担が大きく、作業環境及び安全面での問題があった。
鉄鋼業においては、縦型焼鈍炉の加熱管や電気集塵機の集塵板等の点検では、操業を停止し、設備内部を常温まで冷却した後に高所足場を設置したり、ゴンドラを設置したりして、作業員が設備の内部に入り点検している。これにより、多額の費用が掛かるとともに、作業負担が大きく、さらに安全面での問題もあった。特に、縦型連続焼鈍炉の加熱管の点検は、加熱管の配置が高所に及び、数が多いことから点検箇所も多く、また内部には粉塵が浮遊していることで作業環境も良くないため特に点検が困難であった。
そのため、特許文献1には、縦型連続焼鈍炉の点検において、点検装置本体をワイヤで炉内に吊りおろし、ワイヤの送り量により、点検装置本体の点検箇所と炉内位置との対応をとりながら縦型連続焼鈍炉の内部を点検する方法が開示されている。また、照明装置、複数のカメラ、自動で加熱管の曲がり量を測定するためのレーザポインタ及び水平度検出器から構成される点検装置本体と、点検装置本体を吊りおろすワイヤ巻き上げ装置と、点検装置本体の位置検出装置からなる炉内点検装置が開示されている。
特開平11−279662号公報
しかし、特許文献1の炉内点検方法では、複数列並んでいる加熱管を一度に複数列点検することについては、記載されていない。点検装置本体に隣接する列の加熱管しか点検できないのであれば、炉頂上部の開口部の配置や大きさにより、点検装置本体を入れることができない場所に設置された加熱管を点検することができない。また、炉頂上部の開口部が全ての加熱管を点検できるように配置されていたとしても、全ての加熱管を点検するには、各列に点検装置本体を入れて点検する必要があり、長時間を要し非効率的であるという問題があった。一方、炉内点検装置は、上述のとおり多くの装置を必要とし、カメラ画像を圧縮して加熱管全体を表示することから、さらに装置が大掛かりで複雑なものとなるという問題があった。
そこで、本発明は上記問題を解決するため、簡易的な設備点検装置及び効率的な設備点検方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、カメラの最適な撮影箇所を設定することにより、簡易的な装置で迅速かつ精度良く点検することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、少なくとも2台以上のカメラ(26a、26b)を備え、一部のカメラ(26a)は設備(50)に備えられた複数の同一である被点検部材(51、51、…)の全体を同時に映すものであり、残りのカメラ(26b)は前記一部のカメラでは映ない複数の同一である被点検部材の部分(51b、51b、…)を前記一部のカメラと同時に映すものであり、さらに、前記一部のカメラ及び前記残りのカメラを積載した1つの架台(21)と、架台を昇降させる昇降装置(40)とを備えることを特徴とする設備点検装置(10)を提供することにより前記課題を解決する。
ここで、「前記一部のカメラでは映せない」とは、複数の同一である被点検部材の全体を同時に映すカメラに映らないこと、または映っても点検可能な程度に映らないことを意味する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の設備点検装置(10)において、少なくとも昇降装置(40)の主要部(41)を積載し、移動させる台車(30)を地上に備えることを特徴とする。
ここで、「昇降装置」とは、カメラを積載した架台の昇降に使用する物品で構成する装置であり、昇降装置の「主要部」とは、その中の昇降の動作を発生させる部分を意味する。例えば、ワイヤなどをウインチに巻き付けて、ワイヤ先端に接続された架台を昇降する場合であれば、ウインチを構成するモータ、減速機及びワイヤドラム等が昇降装置の「主要部」となる。一方、このワイヤを上方で吊る滑車は、昇降装置の「主要部」に含まれていなくても良い。また、油圧や空気圧式による昇降装置であれば、油圧や空気圧により作動するシリンダ、モータ、ポンプ及びコンプレッサなどが昇降装置の「主要部」となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の設備点検装置(10)において、被点検部材(51、51、…)が設備(50)の内部に配置されていることを特徴とする。
ここで、「内部」とは、設備が壁体を有し、その壁体に囲われた内側を意味する。ただし、完全に壁体により囲われている場合に限定されず、部分的に開口部を有している場合も含む。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の設備点検装置(10)において、設備(50)が縦型連続焼鈍炉であり、被点検部材(51、51、…)が加熱管であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、少なくとも2台以上のカメラ(26a、26b)を備えるとともに、一部のカメラで設備(50)に備えられた複数の同一である被点検部材(51、51、…)の全体を同時に映し、残りのカメラで、全体を映すカメラでは映せない複数の同一である被点検部材の部分(51b、51b、…)を同時に映し、同時に映された複数の被点検部材を比較して、被点検部材を点検することを特徴とする設備点検方法を提供することにより前記課題を解決する。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の設備点検方法において、一部または全部のカメラ(26a、26b)が、映す部分を変える工程を有することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、設備の被点検部材の全体を映すカメラを備えることにより、他にはこの映像に映らない被点検部材の部分を映すカメラを備えれば良いため、最小限のカメラで設備点検装置を構成することができる。また、それぞれのカメラが、複数の同一である被点検部材を同時に映すため、これらの部材を比較することで被点検部材の異常の有無を判定することができる。そのため、多くの装置や特別な装置を必要とせず、設備点検装置を簡易的にすることができる。また、複数の被点検部材を同時に映し、点検することで、点検にかかる時間を短縮することができる。さらに、複数の被点検部材を比較して異常の有無が判定されるため、単独で映された被点検部材で異常の有無を判定する場合に比べ、判定の精度を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、昇降装置を移動させることが容易であり、また昇降装置を地上において操作することができるため、安全である。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の設備点検装置を用いることで、作業員が設備の内部に入らずに被点検部材の点検が可能である。そのため、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、作業負担を軽減するとともに、作業環境及び安全面での問題を解消することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の設備点検装置を縦型連続焼鈍炉の内部に入れ、外部から加熱管に沿って昇降させることで点検が可能である。縦型連続焼鈍の加熱管の点検は困難であることから、請求項3に記載の発明より、さらに作業負担の軽減、作業環境の改善及び安全について高い効果を得ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、一部のカメラで設備に備えられた被点検部材の全体を映すことにより、残りのカメラで全体を映すカメラでは映せない被点検部材の部分を映せば良いため、最小限のカメラで設備点検装置を構成することができる。また、それぞれのカメラが複数の同一である被点検部材を同時に映し、これらの同時に映された複数の被点検部材を比較して被点検部材を点検する。そのため、多くの装置や特別な装置を必要とせず、設備点検装置を簡易的にすることができる。また、複数の被点検部材を同時に映し、点検することで、点検にかかる時間を短縮することができる。さらに、複数の被点検部材を比較して異常の有無が判定されるため、単独で映された被点検部材により異常の有無を判定する場合に比べ、判定の精度を向上させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、一部または全部のカメラが、位置に応じて映す部分を変えることにより、1台のカメラが多くの点検箇所に対応できるため、カメラの設置台数が削減され、設備をさらに簡易的にすることができる。
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下、図面に示す実施形態に基づき、本発明の一例として、設備点検装置が2台のカメラを備え、昇降装置としてウインチ、ワイヤ及び滑車を用いる場合を説明する。また、この設備点検装置により、縦型連続焼鈍炉の加熱管を点検する場合を説明するが、以下に説明するものは本発明の実施形態の一例であって、本発明はその要旨を超えない限り以下の説明になんら限定されるものではない。
図1は、1つの実施形態にかかる設備点検装置10を模式的に示した構成図である。設備点検装置10は、昇降装置40により接続されたカメラ架台20と地上台車30とを有している。カメラ架台20には、上下左右の旋回及びズーム機能を備えた2台のカメラ26a、26bを設置する。また、地上台車30は、昇降装置の主要部であるウインチ41を積載し、ウインチ41のワイヤ42先端が、滑車43を介してカメラ架台20に取り付けられている。滑車43は、建物や設備などに取り付けられることで、上方に備えられている。ウインチ41は、ウインチ操作スイッチ44を有している。地上台車30には、モニタ31を設置し、それぞれのカメラ26a、26bを、リモコン32での操作を受信するリモコン受光機33a、33bを介して、セレクタ34で統合し、モニタ31に接続する。モニタ31には、マイク35を接続したパーソナルコンピュータ(以下「PC」という。)36を接続する。PC36及びマイク35は、地上台車30から離して配置可能となっている。
かかる構成により、設備付近に地上台車30を配置する。また、滑車43の位置により水平位置を、ウインチ41による昇降により高さを調整し、被点検部材付近にカメラ架台20を配置する。そして、リモコン32の操作によりカメラ26a、26bが旋回及びズームして、一方のカメラが複数の同一である被点検部材の全体を同時に映すように調整する。また、他方のカメラが、被点検部材のカメラ26aでは映らない複数の同一である被点検部材の部分を同時に映すように調整する。カメラ26a及びカメラ26bの一方の映像を、セレクタ34で選択し、モニタ31に表示させる。また、PC36の画面にモニタ31の映像が表示される。このモニタ31またはPC36の映像から、被点検部材の異常の有無が判定される。PC36には、モニタ31の映像とマイク35より吹き込んだ点検状況の音声を保存することができる。カメラ架台20を移動するときは、ウインチ41を積載した地上台車30及び滑車43を移動することで水平方向へ移動し、ウインチ41で昇降することで上下方向へ移動する。なお、カメラ架台20の昇降操作及び被点検部材の異常有無の判定は、作業員が行うだけでなく、自動で行うように設備点検装置を構成しても良い。
これにより、モニタ31またはPC36の画面でカメラ26a、26bの映像を確認し、被点検部材の点検を行うことができる。この時、カメラ26a、26bが複数の同一である被点検部材を同時に映すため、これらを比較して異常の有無を判定することが可能である。そのため、設備点検装置10は、多くの装置や特別な装置を備える必要がないため、設備を簡易的にすることができる。また、複数の被点検部材を同時に映し点検することで、点検にかかる時間を短縮することができる。さらに、複数の被点検部材を比較して異常の有無を判定することにより、判定の精度を向上させることが可能である。
なお、上記実施形態では、設備点検装置10に2台のカメラ26a、26bを備えたが、被点検部材の全体を映すカメラで映せない部分が、1台のカメラのみでは映せないときは、さらにカメラを備えることが可能である。また、上記ではカメラ26a、26bは旋回及びズーム機能を備えているが、必ずしもこれらの機能を備える必要はない。ただし、カメラ架台20の位置調整のみでカメラが被点検部材の全体及び所定の部分を映すように調整することは困難であるため、カメラには旋回及びズーム機能を備えることが好ましく、点検する被点検部材に応じて、赤外線撮影、サーモグラフィー撮影、またはスロー撮影などの機能を付加することも可能である。さらに、ウインチ41を地上台車30に積載し、カメラ架台20を地上から昇降可能としたが、昇降装置を設備や建物などの上部に備え、カメラ架台20を上部から吊り下げ、昇降させても良い。
図2は、カメラ架台20の正面図である。架台21を、底部22と側部23、23を直角に結合し、側部23、23に上部24、24を紙面左右対称に結合して、五角形に形成する。架台21の大きさは、被点検部材周辺の空間の大きさ、積載する機材の大きさ、及び被点検部材が設備内部に配置されているときは、その設備の開口部の大きさなどから決定される。底部22の幅方向(紙面左右方向)の両端部に、縦に3の区画を有する収納部25、25を設け、収納部25、25の中段にはカメラ26a、26bを各1台、上下段には照明27、27、…を各1台設置する。架台21の上部24、24の結合部には、地上台車30(図1参照)に積載したウインチ41(図1参照)のワイヤ42先端を、設備上部の滑車43(図1参照)を介して取り付ける。かかる構成により、カメラ架台20では、カメラ26a、26bが被点検部材を撮影する。被点検部材が設備の内部などの暗所に設置されているときには、照明27、27、…を点灯することで撮影が可能である。カメラ架台20は、ウインチ41の操作により昇降することで、上下移動が可能である。
図3は、地上台車30の正面図である。図1と同じ構成を採るものについては、図1にて使用した符号を付し、その説明を省略する。底部37の底面には、移動可能にタイヤ38、38、…を取り付ける。底部37の上面には、昇降装置40(図1参照)の主要部であるウインチ41を積載する。また、底部37の上面にはモニタ31を設置し、それぞれのカメラ26a、26b(図2参照)を、リモコン32(図1参照)での操作を受信するリモコン受光機33a、33b(図1参照)を介して、セレクタ34(図1参照)で統合して、モニタ31に接続する。さらに、モニタ31には、マイク35(図1参照)を接続したPC36(図1参照)を接続する。なお、地上台車30は、カメラ架台20(図2参照)の積載部を有している。
かかる構成により、破線で示すようにカメラ架台20を積載した地上台車30を、設備周辺に配置する。ウインチ41のワイヤ42先端を上部の滑車43(図1参照)を介してカメラ架台20に取り付け、ウインチ41の操作でカメラ架台20を昇降する。そして、カメラ架台20のカメラ26a、26bの映像を、モニタ31に表示する。また、PC36の画面にモニタ31の映像が表示される。PC36にはこの映像とマイク35より吹き込んだ点検状況の音声を保存することができる。
図4は、上述した設備点検装置10により、縦型連続焼鈍炉(以下単に「炉」ということがある。)50の加熱管51、51、…を点検する状況を示す概略図である。図1と同じ構成を採るものについては、図1にて使用した符号を付し、その説明を省略する。縦型連続焼鈍炉50は、高さが数十メートルあり、内部は高温気体が流れる複数の加熱管51、51、…により、炉50の縦方向に一の列を形成している。そして、この列が並列に複数配置されている。縦型連続焼鈍炉50内部の上下部には炉内ロール52、52、…が設置されている。これにより、焼鈍される金属帯が炉50の一端から連続的に炉内に装入され、上下の炉内ロール52、52、…で折り返されて移動しながら焼鈍され、炉50の他端から抽出される。なお、加熱管51、51、…及び炉内ロール52、52、…の符号は、見易さのために一部の符号を省略する。
加熱管51、51、…の点検にあたっては、縦型連続焼鈍炉50の下部に地上台車30を配置し、縦型連続焼鈍炉50の上部に滑車43を取り付ける。そして、カメラ架台20を地上台車30に積載したウインチ41のワイヤ42先端に滑車43を介して取り付ける。
かかる構成により、カメラ架台20は、ウインチ41をウインチ操作スイッチ44(図1参照)で操作することで、加熱管51、51、…の列に沿って昇降する。そして、後述するようにカメラ架台20のカメラ26a、26b(図2参照)で加熱管51、51、…を映すことにより、加熱管51、51、…の点検が可能である。なお、カメラ26a、26bは、カメラ架台20に隣接する列の加熱管51、51、…だけでなく、カメラ26a、26bの撮影箇所を調整することで、複数の列の加熱管51、51、…を同時に映すことができる。そのため、一度に複数の加熱管51、51、…の点検が可能である。ただし、加熱管51、51、…の裏側や隙間から映すことができない列の加熱管51、51、…については、滑車43の位置を変更してカメラ架台20を装入する列間を変更し、またはカメラ架台20の向きを変えることにより、点検可能である。このとき、地上台車30はカメラ架台20と一緒に縦型連続焼鈍炉50の下部を移動する。そのため、作業員は縦型連続焼鈍炉50から離れた位置で、リモコン32及びウインチ操作スイッチ44によりカメラ26a、26b及びウインチ41の操作を行い、PC36の画面で映像の確認を行いながら、マイク35で点検状況などを音声入力し、点検を行うことができる。なお、点検は、縦型連続焼鈍炉50の操業を停止し、金属帯が内部にない状態で、炉内温度を下げて行われる。これは、金属帯があったのでは加熱管51、51、…の列間から加熱管51、51、…を点検することができず、また、炉内は高温になるため、炉内に作業員は入らないものの設備点検装置10が高温に耐えられないためである。
なお、自動点検を目的とした装置では、昇降位置認識のためにロータリーエンコーダ等の設備を必ず必要とする。しかし、本発明に係る設備点検装置10(図1参照)では、位置認識装置を設置せず作業員がモニタ31(図1参照)に映る映像を見ながら目視で位置を認識してもよく、またカメラ架台20からメジャーのようなものを垂らし、作業員が地上でメジャーの値を直接読むというような、非常に簡易な位置認識方法により位置を認識してもよい。そのため、位置認識装置を備えないことで、設備点検装置10を簡易的にすることができる。
図5は、加熱管51の点検状況を示す詳細図である。図5(a)は正面図、図5(b)は上面図、図5(c)は右側面図である。なお、カメラ架台20については、説明の便宜のためにカメラ26a、26bのみを示し、他は省略する。加熱管51は、図5(a)のとおり、炉外から挿入されて直管部51aで炉内を水平方向に渡され、炉内壁付近で炉50の上下方向にずれて、反対方向へ180°曲げられている。これを複数回繰り返し、炉外へ抜ける。加熱管51は、曲げ部に受け部51bを有し、受け部51bにより炉50内壁へ固定されている。この加熱管51が縦方向に複数配置され、加熱管51、51、…による一の列が形成されている。そして、縦型連続焼鈍炉50は、加熱管51、51、…により形成した列が、並列に複数配置されている。図5では、2段の加熱管51、51による、2列の部分が図示されている。一方、カメラ26a、26bを、カメラ架台20(図示省略、図2参照)の昇降により図示位置に配置する。なお、加熱管51、51、…、直管部51a、51a、…及び受け部51b、51b、…は、見易さのため一部符号を省略する。
かかる構成により、カメラ26a、26bが図示位置である場合の加熱管51、51、…の点検に付いて説明する。加熱管51では、自量及び加熱管51の温度上昇により直管部51aに下方向の曲がりと、受け部51b及び加熱管51全体に亀裂が発生する。そのため、直管部51aの曲がり量と、受け部51b及び加熱管51全体の亀裂の有無とを点検する必要がある。点検は、1台のカメラで加熱管51の全体を映すことで、直管部51aの曲がり量と、加熱管51全体の亀裂の有無を点検することが可能である。この時、加熱管51の全体を映すカメラでは、位置関係から受け部51bを映すことができない。そのため、他のカメラで受け部51bを映すことで、受け部51bの亀裂の有無を点検することができる。したがって、カメラ26a、26bが上述のとおり映すように撮影箇所を調整する。図5では、カメラ26bを、直管部51aの中心側斜め下方に向くように調整することで、加熱管51の全体を映し、加熱管51、51の隙間から同時に複数の列の加熱管51、51、…の全体を映している。一方、カメラ26aは、受け部51bを映すように調整されるが、図5の位置では加熱管51に受け部51bが無いため、ここではカメラ26aで受け部51bを撮影していない。
図6は、図5とはカメラ26a、26bの位置が異なる状況における加熱管51の点検状況を示す詳細図である。図6(a)は正面図、図6(b)は上面図、図6(c)は右側面図、図6(d)は左側面図である。図5と同じ構成を採るものについては、図5にて使用した符号を付し、その説明を省略する。なお、加熱管51、51、…、51a、51a、…及び受け部51b、51b、…は、見易さのため一部符号を省略する。また、カメラ架台20については、説明の便宜のためにカメラ26a、26bのみを示し、他は省略する。カメラ26a、26bは、カメラ架台20の昇降により図示位置となっている。この位置では、カメラ26aを直管部51aの中心側斜め下方に向くように調整することで、加熱管51の全体を映し、加熱管51、51の隙間から同時に複数の列の加熱管51、51、…の全体を映す。一方、カメラ26bは、斜め上方を向けて受け部51bを映し、加熱管51、51の隙間から同時に複数の列の加熱管51、51、…の受け部51b、51b、…が映るように調整する。
上記図5及び図6の説明のとおり、カメラ26a、26bを用いて、直管部51aの曲がり量と、受け部51b及び加熱管51全体の亀裂の有無が点検される。この時、複数の加熱管51、51、…を同時に映すことで、一度に複数列の加熱管51、51、…の点検が可能である。そのため、点検時間を短縮することができ、点検の判定が隣接する加熱管51、51、…と比較してなされるため、判定の精度を向上させることができる。また、作業員が縦型連続焼鈍炉50の内部に入らず、高所作業もなく加熱管51、51、…の点検ができるため、作業負担を縮減するとともに、作業環境及び安全面での問題を解消することができる。さらに、図5及び図6では、カメラ26a、26bは、配置位置が変わることで、撮影箇所を変えている。このように位置に応じてカメラ26a、26bの撮影箇所を変えることで、1台のカメラが多くの点検箇所に対応できるため、カメラの設置台数が削減され、設備をさらに簡易的にすることができる。
なお、加熱管51、51、…の曲がりの判断方法は、作業員の経験からの判断でもよいし、以下のようにパターン分けして判断してもよい。
(1)全体的な曲がり、部分的な曲がり、これらを複合した曲がり
(2)右下がり、左下がり、中央部の垂れ下がり
(3)奥行き方向の曲がり
さらに、これらを定量的に判断するのであれば、全体の曲がりの場合には加熱管51の左右端の上下方向距離から曲がり量を算出しても良いし、局部曲がりの場合には局部曲がりまでの加熱管51左右端からの距離、及び上下方向距離から曲がり量を算出してもよい。
実際に設備点検装置を用い、縦型連続焼鈍炉の加熱管を点検した。なお、図4及び図5で付した符号を適宜使用して説明する。
(カメラ26a、26b)
旋回及びズーム機能を有する2台のカメラ26a、26bを使用した。上下旋回は、上下ともに50°の合計100°とし、左右旋回は、左右ともに170°の合計340°とした。また、ズームは最大16倍とした。
(縦型連続焼鈍炉50及び加熱管51)
加熱管51、51、…が10段で一列を形成し、6列が並列に配置された縦型連続焼鈍炉50を使用した。カメラ架台20の挿入位置は、炉50の一端から数えて3列目と4列目の列間とし、この位置から同時に複数列を映すことにより、1列目〜6列目の直管部51a、51a、…の曲がり量、受け部51b、51b、…及び加熱管51、51、…全体の亀裂を点検した。
(直管部51a、51a、…の曲がり量の点検)
表1に直管部1a、51a、…の曲がり量の点検結果を示す。表1は、作業員が直接直管部1a、51a、…の曲がりを点検した判定結果と、カメラ映像により作業員が直管部1a、51a、…の曲がりを判定した結果を対応させて、まとめたものである。ここで、曲がり量の判定基準は、次のとおりである。
無:曲がりが50mm未満
小:曲がりが50mm以上100mm未満
中:曲がりが100mm以上150mm未満
大:曲がりが150mm以上200mm未満
特大:曲がりが200mm以上
Figure 0005066840
表1では、作業員の直接点検による判定結果が「無」である箇所は15箇所であり、この15箇所について、カメラの映像による点検の判定結果は、「無」が15箇所であったことを示している。他の判定結果についても同様である。表1のとおり、点検箇所60箇所中12箇所で判定の違いが生じたが、判定の違いは全て1ランク以内であり、大きな違いは生じないことが確認できた。なお、作業員による判定が困難な曲がり量もあったことから、カメラの映像による判定によっても作業員による判定と同等の結果が得られたと考えられる。
(受け部51b、51b、…の亀裂点検)
作業員が直接点検して発見した受け部51b、51b、…の亀裂は5箇所であった。一方、カメラの映像により作業員が受け部51b、51b、…の亀裂を点検した結果、この亀裂5箇所がすべて発見された。したがって、カメラの映像による判定によっても作業員による判定と同等の結果が得られた。
(加熱管51、51、…全体の亀裂点検)
作業員の直接点検、カメラの映像による点検ともに、亀裂の発生している加熱管51本体は発見されなかったため、比較できなかった。
(作業負担)
作業負担を作業時間に作業人数を掛け合わせて算出した。作業員の直接点検では、作業負担は280(分・人)であった。一方、カメラ映像による点検では、作業負担は170(分・人)であった。そのため、作業負担は縮減された。
以上より、作業負担を縮減しつつ、従来から行われていた作業員による直接点検と同等の点検結果を得ることができた。
なお、上記実施形態及び実施例では、一例として設備点検装置が2台のカメラを備え、昇降装置としてウインチ、ワイヤ及び滑車を用いた場合を説明したが、カメラは被点検部材の状況に応じて3台以上としても良い。また、昇降装置には、油圧または空気圧リフターなど昇降機能を有している物であれば使用可能である。さらに、縦型連続焼鈍炉の加熱管を点検する場合を説明したが、複数の同一である被点検部材を備えた設備あれば、本発明の実施が可能である。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う設備点検装置及び設備点検方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
設備点検装置を模式的に示した構成図である。 カメラ架台の正面図である。 地上台車の正面図である。 設備点検装置による縦型連続焼鈍炉の加熱管の点検状況を示す概略図である。 加熱管の点検状況を示す詳細図である。 図5とは異なる状況における加熱管の点検状況を示す詳細図である。
符号の説明
10 設備点検装置
20 カメラ架台
26a、26b カメラ
30 地上台車
40 昇降装置
50 縦型連続焼鈍炉
51 加熱管

Claims (6)

  1. 少なくとも2台以上のカメラを備え、一部のカメラは設備に備えられた複数の同一である被点検部材の全体を同時に映すものであり、残りのカメラは前記一部のカメラでは映ない前記複数の同一である被点検部材の部分を前記一部のカメラと同時に映すものであり、
    さらに、前記一部のカメラ及び前記残りのカメラを積載した1つの架台と、
    前記架台を昇降させる昇降装置と、
    を備えることを特徴とする設備点検装置。
  2. 少なくとも前記昇降装置の主要部を積載し、移動させる台車を地上に備えることを特徴とする請求項1に記載の設備点検装置。
  3. 前記被点検部材が前記設備の内部に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の設備点検装置。
  4. 前記設備が縦型連続焼鈍炉であり、前記被点検部材が加熱管であることを特徴とする請求項3に記載の設備点検装置。
  5. 少なくとも2台以上のカメラを備えるとともに、
    一部のカメラで設備に備えられた複数の同一である被点検部材の全体を同時に映し、
    残りのカメラで、全体を映す前記カメラでは映せない複数の同一である前記被点検部材の部分を同時に映し、
    同時に映された複数の前記被点検部材を比較して、被点検部材を点検することを特徴とする設備点検方法。
  6. 一部または全部の前記カメラが、映す部分を変える工程を有することを特徴とする請求項5に記載の設備点検方法。
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