JP5051967B2 - アクリル系ブロック共重合体組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、アクリル系ブロック共重合体組成物および該アクリル系ブロック共重合体組成物をベースとする粘着剤組成物に関する。詳細には、本発明は、特定のアクリル系トリブロック構造を分子中に少なくとも有する特定構造のトリブロック共重合体と、特定のアクリル系ジブロック共重合体を含有するアクリル系ブロック共重合体組成物および該アクリル系ブロック共重合体組成物をベースとする粘着剤組成物に関する。本発明のアクリル系ブロック共重合体組成物は、接着力、凝集力およびタックなどの粘着特性に優れ、しかも耐熱性、耐候性、耐ブリード性、ホットメルト性、溶融塗工性にも優れており、粘着剤組成物として有用である。
アクリル系ブロック共重合体またはアクリル系ブロック共重合体組成物を粘着剤に用いることは従来から知られている。そのような従来技術としては、例えば、(1)N,N−ジエチルジチオカルバメート化合物を用いてイニファーター(iniferter)リビングラジカル重合して得られた分子量分布(Mw/Mn)が2〜6程度であるアクリル系トリブロック共重合体を用いた粘着剤を挙げることができる(特許文献1参照)。この特許文献1には、そのアクリル系トリブロック共重合体がバランスに優れる粘着特性を有し、水蒸気透過(MVT)特性および皮膚接着性に優れ、皮膚上に使用するテープの粘着剤として有用であることが開示がなされているが、接着力、凝集力、タックなどの粘着特性において、十分に満足のゆくものではない。
また、(2)前述のイニファーターリビングラジカル重合開始剤を用いてラジカル重合して得られた(メタ)アクリル系トリブロック共重合体と、パーオキシドラジカル重合開始剤を用いてラジカル重合して得られた(メタ)アクリル系ジブロック共重合体を含有するアクリル系粘着剤組成物が提案されている(特許文献2参照)。この特許文献2には、前記粘着剤組成物が、(メタ)アクリル系トリブロック共重合体を単独で用いた粘着剤組成物に比べて接着力、凝集力に優れ、またはホットメルト粘着剤としての溶融性能に優れるとの記載がなされている。しかし、この特許文献2に記載された発明で粘着剤組成物を構成する(メタ)アクリル系ジブロック共重合体は、汎用のパーオキシドラジカル重合開始剤を使用して各重合体ブロックを構成するモノマーを2段で重合して得られたブロック共重合体であるため、ラジカル重合成長末端の連鎖移動、不均化などの停止反応、各重合温度でのラジカル開始剤の開始剤効率などの点から、ジブロック共重合体中にブロック化されていないそれぞれのモノマーに由来する単独重合体やランダム共重合体が多く含まれており、ジブロック共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が広く、それに伴って粘着剤組成物の接着力、凝集力、タックなどの粘着特性が十分ではない。
さらに、(3)耐熱性の向上を目的として、分子量分布(Mw/Mn)の狭い(メタ)アクリル系トリブロック共重合体および該(メタ)アクリル系トリブロック共重合体をベースとする粘着剤組成物が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、この特許文献3には、実際には分子量分布(Mw/Mn)が1.5以上の(メタ)アクリル系トリブロック共重合体しか記載されておらず、分子量分布(Mw/Mn)が1.5未満の(メタ)アクリル系トリブロック共重合体およびそれを用いた粘着剤は記載されていない。そして、そのような(メタ)アクリル系トリブロック共重合体をベースとする特許文献3の粘着剤は、接着力、凝集力、タックなどの粘着特性においてやはり十分に優れているとはいえない。
また、(4)ガラス転移温度が30℃以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体ブロックの両端にガラス転移温度が110℃以上で且つシンジオタクチシチーが70%以上であるメタクリル酸アルキルエステル系重合体ブロックが結合したトリブロック共重合体と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ジブロック共重合体を含有するブロック共重合体組成物および該組成物からなる粘着剤が知られている(特許文献4参照)。さらに、メタクリル酸アルキルエステル系重合体ブロックとアクリル酸アルキルエステル系重合体ブロックよりなる特定のジブロック共重合体と(メタ)アクリル酸エステル系トリブロック共重合体を含有する粘着剤組成物が知られている(特許文献5参照)。特許文献4および特許文献5に記載されている粘着剤および粘着剤組成物は、高温下での保持力をはじめとする各種粘着特性、耐熱性、耐候性、耐ブリード性、ホットメルト性などにおいて従来の粘着剤や粘着剤組成物に比べて優れているが、本発明者らが検討した結果、接着力、凝集力、タックなどの粘着特性においてなお改良の余地があることが判明した。
また、(6)リビングラジカル重合により得られた分子量分布の比較的狭いアクリル系ブロック共重合体を粘着剤に用いることが知られている(特許文献6参照)。しかし、この特許文献6の粘着剤も粘着特性などの点において未だ十分に満足のゆくものではない。
特開平2−103277号公報 特開平9−324165号公報 特開平10−298248号公報 特開平11−323072号公報 特開2004−2736号公報 特開2003−105300号公報 特公平7−25859号公報 特開平11−335432号公報 特開平6−93060号公報 「マクロモレクラ ケミカル フィジックス(Macromol.Chem.Phys.)」,2000年,201巻,p1108〜1114
本発明の目的は、耐熱性、耐候性、耐ブリード性、ホットメルト性、溶融塗工性に優れ、しかも接着力、凝集力、タックなどの粘着特性において従来のアクリル系ブロック共重合体ベースの粘着剤に比べてより優れていて、粘着剤組成物などとして有用なアクリル系ブロック共重合体組成物を提供することである。
さらに、本発明の目的は、前記したアクリル系ブロック共重合体組成物よりなる、接着力、凝集力、タックなどの粘着特性に優れ、しかも耐熱性、耐候性、耐ブリード性、ホットメルト性、溶融塗工性にも優れる粘着剤組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねてきた。その結果、アクリル酸エステル系重合体ブロックの1個と、メタクリル酸エステル系重合体ブロックの2個が結合したアクリル系トリブロック構造有する、重量平均分子量(Mw)が120,000以上で且つ分子量分布が1.5未満のトリブロック共重合体と、アクリル酸エステル系重合体ブロック1個とメタクリル酸エステル系重合体ブロック1個が結合した分子量分布が1.5未満のジブロック共重合体を特定の割合で配合すると、耐熱性、耐候性、耐ブリード性、ホットメルト性、溶融塗工性に優れるだけでなく、接着力、凝集力、タックなどの粘着特性に極めて優れるアクリル系ブロック共重合体組成物が得られること、そのため該アクリル系ブロック共重合体組成物は粘着剤組成物として有用であることを見出した。
さらに、本発明者らは、その際に、そのアクリル系ブロック共重合体組成物を構成する前記ブロック共重合体中の(メタ)アクリル酸エステル系重合体ブロックの含有量を5〜30質量%にすると接着力、凝集力、タックなどの粘着特性が一層向上すること、また該ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)を150,000以上にすると、接着力、凝集力、タックなどの粘着特性が一層向上することを見出した。
また、本発明者らは、上記アクリル系ブロック共重合体組成物において、トリブロック共重合体とし、メタクリル酸エステル系重合体ブロック−アクリル酸エステル系重合体ブロック−メタクリル酸エステル系重合体ブロックよりなるトリブロック共重合体を用いるとより優れた粘着特性を発現することを見出した。
そして、本発明者らは、前記した分子量分布の狭いトリブロック共重合体およびジブロック共重合体としては、特に有機アルミニウム化合物の存在下でのアニオン重合により得られたブロック共重合体が好ましく用いられることを見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)(i) 有機アルミニウム化合物の存在下でのアニオン重合により得られた、アクリル酸n−ブチル単位を主体とする重合体ブロック(A1)の1個と、メタクリル酸メチル単位を主体とする重合体ブロック(B1)の2個が結合した、式:B1−A1−B1で表されるトリブロック共重合体であって、重量平均分子量が120,000〜400,000および分子量分布(Mw/Mn)が1.5未満であり、且つ重合体ブロック(B1)の含有量が5〜30質量%であるトリブロック共重合体(I);および、
有機アルミニウム化合物の存在下でのアニオン重合により得られた、アクリル酸n−ブチル単位を主体とする重合体ブロック(A2)の1個と、メタクリル酸メチル単位を主体とする重合体ブロック(B2)の1個が結合している、分子量分布(Mw/Mn)が1.5未満で、且つ重合体ブロック(B2)の含有量が3〜35質量%であるジブロック共重合体(II);
を含有するアクリル系ブロック共重合体組成物であって;
(ii) トリブロック共重合体(I):ジブロック共重合体(II)の含有割合が100:50〜100:500の質量比である;
ことを特徴とするアクリル系ブロック共重合体組成物である。
そして、本発明は、
トリブロック共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)が150,000〜300,000である前記(1)に記載のアクリル系ブロック共重合体組成物である。
そして、本発明は、
) 前記(1)または(2)のいずれかのアクリル系ブロック共重合体組成物をベースとする粘着剤組成物;および、
) 粘着付与樹脂を含有する前記()の粘着剤組成物;
である。
本発明のアクリル系ブロック共重合体組成物は、耐熱性、耐候性、耐ブリード性に優れ、溶融時の粘度が比較的低いことから溶融塗工性に優れ、しかも接着力、凝集力、タックなどの粘着特性に極めて優れることから、粘着剤組成物として有用である。
本発明の粘着剤組成物を用いることにより、耐熱性、耐候性、耐ブリード性に優れ、しかも接着力、凝集力、タックなどの粘着特性に極めて優れる、例えば、粘着シート、粘着フイルム、粘着テープ、マスキングテープ、マスキングシート、電気絶縁用テープ、ラミネート製品などの各種の粘着剤製品を、良好な溶融塗工性、作業性で円滑に製造することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明で用いるトリブロック共重合体(I)は、アクリル酸n−ブチル単位を主体とする重合体ブロック(A1)[以下単に「重合体ブロック(A1)」という]の1個とメタクリル酸メチル単位を主体とする重合体ブロック(B1)[以下単に「重合体ブロック(B1)」という]の2個が互いに結合したトリブロック構造有するトリブロック共重合体である。
本発明で用いるトリブロック共重合体(I)は、重合体ブロック(A1)の1個と重合体ブロック(B1)の2個が互いに結合したトリブロック共重合体である
当該トリブロック共重合体(I)は、製造の容易性、取扱性、製造上の容易さなどの点から、好ましいものである
本発明で用いるトリブロック共重合体(I)におけるアクリル酸n−ブチル単位を主体とする重合体ブロック(A1)をA1、メタクリル酸メチル単位を主体とする重合体ブロック(B1)をB1で示すと、当該トリブロック共重合体(I)は、下記の式(1)で表わすことができる
B1−A1−B1 (1)
前記の式(1)で表されるトリブロック共重合体では、両端に存在する2つの重合体ブロック(B1)は、互いに同じであってもよいし、または異なっていてもよい。
上記の式(1)で表されるトリブロック共重合体を用いることにより、本発明のアクリル系ブロック共重合体組成物の接着力、凝集力、タックなどの粘着特性がより優れたものになり、しかも耐熱性が優れたものとなることから、好まし
本発明で用いるジブロック共重合体(II)は、アクリル酸n−ブチル単位を主体とする重合体ブロック(A2)[以下単に「重合体ブロック(A2)」という]の1個とメタクリル酸メチル単位を主体とする重合体ブロック(B2)[以下単に「重合体ブロック(B2)」という]の1個が結合したジブロック共重合体である。
ジブロック共重合体(II)は、重合体ブロック(A2)をA2、重合体ブロック(B2)をB2で示すと、下記の式:
A2−B2(またはB2−A2);
で表される。
トリブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(A1)、およびジブロック共重合体(II)中の重合体ブロック(A2)が、アクリル酸n−ブチル単位を主体とする重合体からなるブロックであること、得られるアクリル系ブロック共重合体組成物の柔軟性や低温特性が良好になり、好ましい。
トリブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(A1)、およびジブロック共重合体(II)中の重合体ブロック(A2)、アクリル酸n−ブチルに由来する構造単位を主体とする重合体からなるブロックであること、各重合体ブロックの耐水性などの点からも好ましい。
トリブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(A1)、およびジブロック共重合体(II)中の重合体ブロック(A2)は、重合体ブロック(A1)または重合体ブロック(A2)の質量に基づいて、アクリル酸n−ブチル単位を50質量%以上の割合で有していることが好ましく、80質量%以上の割合で有していることがより好ましく、90質量%以上の割合で有していることがさらに好ましい。重合体ブロック(A1)および重合体ブロック(A2)中のアクリル酸n−ブチル単位の割合が50質量%未満であると、得られるアクリル系ブロック共重合体組成物の柔軟性、ひいては接着力やタックなどの粘着特性を損なう傾向となり、本発明の目的を達成することが困難になる。
トリブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(A1)およびジブロック共重合体(II)中の重合体ブロック(A2)が、50質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下の割合で含有することのできる他のモノマー単位としては、例えば、メタクリル酸アルキルエステル[例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、その他の以下で説明する重合体ブロック(B1)を形成するメタクリル酸エステル類]、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミドなどのメタクリルアミド類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基を有するビニル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系モノマー;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン系モノマー;エチレン、プロピレンなどのオレフィン;ε−カプロラクトン、バレロラクトンなどのラクトンなどのモノマーに由来する構造単位を挙げることができる。
また、トリブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(A1)、およびジブロック共重合体(II)中の重合体ブロック(A2)は、必要に応じて、分子側鎖中または分子主鎖末端に水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、トリメトキシシリル基などの官能基を有していてもよい。
上記のように、トリブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(B1)は、メタクリル酸メチル単位を主体とする重合体からなるブロックである。
また、ジブロック共重合体(II)中の重合体ブロック(B2)は、メタクリル酸メチル単位を主体とする重合体からなるブロックである。
トリブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(B1)、およびジブロック共重合体(II)中の重合体ブロック(B2)、メタクリル酸メチルに由来する構造単位を主体とする重合体からなるブロックであることにより、得られるアクリル系ブロック共重合体組成物の耐熱性の点から好ましい。
特に、重合体ブロック(B1)および重合体ブロック(B2)、メタクリル酸メチルに由来する構造単位を主体とする重合体ブロックであることにより、耐熱性、熱安定性、モノマーの入手容易性の点からより好ましい。
トリブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(B1)、およびジブロック共重合体(II)中の重合体ブロック(B2)は、重合体ブロック(B1)の質量または重合体ブロック(B2)の質量に基づいて、メタクリル酸メチルに由来する構造単位[(メタ)アクリル酸エステル単位]を50質量%以上の割合で有していることが好ましく、80質量%以上の割合で有していることがより好ましく、90質量%以上の割合で有していることがさらに好ましい。重合体ブロック(B1)および重合体ブロック(B2)におけるメタクリル酸メチル単位の割合が50質量%未満であると、得られるアクリル系ブロック共重合体組成物の耐熱性が劣る傾向となり、本発明の目的を達成することが困難となる。
トリブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(B1)、およびジブロック共重合体(II)中の重合体ブロック(B2)が50質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下の割合で有することのできる他のモノマー単位としては、例えば、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミドなどのメタクリルアミド類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基を有するビニル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系モノマー;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン系モノマー;エチレン、プロピレンなどのオレフィン;ε−カプロラクトン、バレロラクトンなどのラクトンなどのモノマーに由来する構造単位を挙げることができる。
本発明のアクリル系ブロック共重合体組成物の物性、特に粘着特性(接着力、凝集力、タック、溶融粘度など)は、トリブロック共重合体(I)およびジブロック共重合体(II)の分子量、特にトリブロック共重合体(I)の分子量に大きく支配される。
これらのブロック共重合体の分子量は、アクリル系ブロック共重合体組成物や粘着剤組成物の用途などに応じて適したものを採用する必要がある。一般的には、トリブロック共重合体(I)の分子量が大きくなるほど、アクリル系ブロック共重合体組成物および粘着剤組成物の接着力、凝集力、タックなどの特性が向上する。かかる点から、本発明では、トリブロック共重合体(I)として、重量平均分子量(Mw)が120,000〜400,000のものを用いることが必要であり、特に接着力、凝集力、タックなどの粘着特性をバランス良く備えるアクリル系ブロック共重合体組成物および粘着剤組成物が得られる点から、トリブロック共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)が150,000以上であることが好ましい。また、溶融粘度の点から、トリブロック共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)は、400,000以下、特に300,000以下であることが好ましい。かかる点から、本発明では、トリブロック共重合体(I)として重量平均分子量(Mw)が120,000〜400,000のものを用いるものであり、150,000〜300,000のものが好ましく用いられる。
また、ジブロック共重合体(II)としては、接着力、凝集力、タック、溶融粘度などの特性のバランスが良好になることから、重量平均分子量(Mw)が40,000〜400,000、特に50,000〜200,000のものが好ましく用いられる。
本発明で用いるトリブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(A1)、およびジブロック共重合体(II)中の重合体ブロック(A2)の分子量は、特には限定されないが、得られるアクリル系ブロック共重合体組成物の接着力、凝集力などの粘着特性の点から、重合体ブロック(A1)の重量平均分子量(Mw)および重合体ブロック(A2)の重量平均分子量(Mw)は、いずれも、10,000〜500,000であることが好ましく、30,000〜400,000であることがより好ましい。特に、重合体ブロック(A1)および重合体ブロック(A2)の重量平均分子量(Mw)が50,000〜300,000の範囲にあると、得られるアクリル系ブロック共重合体組成物および粘着剤組成物の凝集力が高くなり、しかも溶融塗工性に優れる溶融粘度を有するようになる。
また、本発明で用いるトリブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(B1)、およびジブロック共重合体(II)中の重合体ブロック(B2)の分子量も特に制限されないが、得られるアクリル系ブロック共重合体組成物の耐熱性の点から、重合体ブロック(B1)の重量平均分子量(Mw)および重合体ブロック(B2)の重量平均分子量(Mw)は、いずれも、1,000〜50,000であることが好ましく、3,000〜40,000であることがより好ましい。特に、重合体ブロック(B1)および重合体ブロック(B2)の重量平均分子量(Mw)が5,000〜30,000の範囲にあると、得られるアクルル系ブロック共重合体組成物および粘着剤組成物の凝集力が高くなり、しかも溶融塗工性に優れる溶融粘度を有する。
但し、トリブロック共重合体(I)においては、重合体ブロック(A1)の重量平均分子量(Mw)と重合体ブロック(B1)の重量平均分子量(Mw)は、それらの重合体ブロックから構成されるトリブロック共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)が前記した120,000〜400,000となるような値であることが必要であり、150,000〜300,000となるような値であることが好ましい。
本発明で用いるトリブロック共重合体(I)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)で示される分子量分布(Mw/Mn)が1.5未満であることが必要であり、1.4以下であることが好ましく、1.3以下であることがより好ましい。
さらに、本発明で用いるジブロック共重合体(II)も、その分子量分布(Mw/Mn)が1.5未満であることが必要であり、1.4以下であることが好ましく、1.3以下であることがより好ましい。
本発明で用いるトリブロック共重合体(I)およびジブロック共重合体(II)の分子量分布(Mw/Mn)がいずれも1.5未満であって、両ブロック共重合体の分子量分布が狭いことにより、本発明のアクリル系ブロック共重合体組成物、ひいては粘着剤組成物の接着力、凝集力、タックなどの粘着特性がより向上し、しかも低分子量成分による基材への汚染が少なくなる。
なお、本明細書における重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)によりポリスチレン換算分子量で求めたものを意味し、その詳細な内容は以下の実施例の項に記載するとおりである。
本発明で使用するトリブロック共重合体(I)では、接着力、タックなどの点で一層優れるアクリル系ブロック共重合体組成物および粘着剤組成物が得られる点から、重合体ブロック(B1)の含有量[2個の重合体ブロック(B1)合計質量]が、トリブロック共重合体(I)の質量に基づいて、5〜30質量%であ[重合体ブロック(A1)の含有量が95〜70質量%であり]、5〜22質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
ジブロック共重合体(II)中の重合体ブロック(B2)の含有量、接着力、タックなどの点で一層優れるアクリル系ブロック共重合体組成物および粘着剤組成物が得られる点から、ジブロック共重合体(II)の質量に基づいて、3〜35質量%であ[重合体ブロック(A2)の含有量が97〜65質量%であ]、5〜25質量%であることが好ましく、7〜20質量%であることがより好ましい。
本発明で用いるトリブロック共重合体(I)およびジブロック共重合体(II)、アニオン重合法により円滑に製造することができる。
前記のアニオン重合法としては、分子量分布(Mw/Mn)の狭い重合体を製造でき、かつ目的のトリブロック共重合体(I)およびジブロック共重合体(II)を高い純度で製造できることから、例えば、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩などの鉱酸塩の存在下でアニオン重合する方法(特許文献7参照)、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤とし有機アルミニウム化合物の存在下でアニオン重合する方法(特許文献8参照)、有機希土類金属錯体を重合開始剤としてアニオン重合する方法(特許文献9参照)などが挙げられる。
前記したアニオン重合による場合は、より分子量分布の狭い重合体を製造でき、残存モノマーが少なく、しかも分子構造が高シンジオタクチックなものとなり、生成するブロック共重合体のガラス転移温度(Tg)が高くなるなどの利点がある。かかる点から、本発明では、トリブロック共重合体(I)およびジブロック共重合体(II)としてアニオン重合によって得られるブロック共重合体、そのうちでも、極低温ではなくて比較的高い温度でアニオン重合を行うことができ、それによりブロック共重合体を製造する際の環境負荷(主に重合温度を制御するための冷凍機代)が少なくて済む点から、有機アルミニウム化合物の存在下でアニオン重合して得られるトリブロック共重合体(I)およびジブロック共重合体(II)が用いられる
本発明で用いるトリブロック共重合体(I)およびジブロック共重合体(II)をアニオン重合によって製造するに当っては、例えば、前記した特許文献8などに記載されているように、有機リチウム化合物、および下記の一般式;
AlR123
(式中、R1は置換基を有してもよい炭化水素基、置換基を有してもよいアルコキシ基または置換基を有してもよいアリールオキシ基を示し、R2およびR3はそれぞれ独立して置換基を有してもよい炭化水素基、置換基を有してもよいアルコキシ基または置換基を有してもよいアリールオキシ基を示すかまたはR2とR3が結合して置換基を有してもよいアリーレンジオキシ基を形成していてもよい。)
で表される有機アルミニウム化合物の存在下に、必要に応じてN,N,N',N'',N''−ペンタメチルジエチレントリアミンやその他の3級アミン;1,2−ジメトキシエタンや12−クラウン−4等のクラウンエーテルなどのエーテルを更に用いて、トリブロック共重合体(I)またはジブロック共重合体(II)中の各重合体ブロックを形成するアクリル酸エステルモノマーまたは(メタ)アクリル酸エステルモノマーを逐次重合させる方法などを採用することができる。
トリブロック共重合体(I)およびジブロック共重合体(II)の製造に用い得る前記した有機リチウム化合物としては、例えばn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等のアルキルリチウム類;フルオレニルリチウム、α−メチルスチレンオリゴマーに基づくモノアニオンのリチウム塩等のアリールリチウム類;1,1−ジフェニルヘキシルリチウム、ジフェニルメチルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム等のアラルキルリチウム類;トリメチルシロキシリチウム;リチウムエチルイソブチレートなどを挙げることができる。
また、前記一般式で表される有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリs−ブチルアルミニウム、トリt−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−ヘキシルアルミニウム、トリn−オクチルアルミニウム、トリ(2−エチルヘキシル)アルミニウム、トリイソプロペニルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジメチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、ジエチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジエチル(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、ジイソブチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジイソブチル(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、ジ−n−オクチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジ−n−オクチル(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−ブチルフェノキシ)アルミニウム、エチル[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、エチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、エチルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、エチル[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、n−オクチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、n−オクチルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、n−オクチル[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、メトキシビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、メトキシビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、メトキシ[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、エトキシビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、エトキシビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、エトキシ[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、イソプロポキシビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソプロポキシビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソプロポキシ[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、t−ブトキシビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、t−ブトキシビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、t−ブトキシビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、t−ブトキシ[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、トリス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、トリス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム」などのトリフェノキシアルミニウムなどを挙げることができる。
これらの有機アルミニウム化合物のうちでも、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウムが、重合中における副反応の抑制、取り扱いの容易さなどの点から好ましく用いられる。
本発明のアクリル系ブロック共重合体組成物は、接着力、凝集力、タックなどの粘着特性をバランス良く兼ね備えるようにするために、トリブロック共重合体(I):ジブロック共重合体(II)=100:50〜100:500の質量比で含有することが必要であり、100:75〜100:400の質量比で含有することが好ましく、100:100〜100:300の質量比で含有することがより好ましい。トリブロック共重合体(I)100質量部に対して、ジブロック共重合体(II)の含有量が50質量部未満であるとアクリル系ブロック共重合体組成物の接着力の発現効果が低くなり、一方ジブロック共重合体(II)の含有量が500質量部を超えるとアクリル系ブロック共重合体組成物の凝集力が低下する。
本発明のアクリル系ブロック共重合体組成物は、粘着剤組成物、成形用組成物などとして用いることができ、特に粘着剤としての用途に有用であり、したがって本発明は本発明のアクリル系ブロック共重合体組成物をベースとする粘着剤組成物を本発明の範囲に包含する。
本発明のアクリル系ブロック共重合体組成物をベースとする粘着剤組成物は、粘着付与樹脂を含有しなくても、接着力、凝集力、タックなどにおいて優れた粘着特性を有するが、粘着付与樹脂を配合することにより、タック、接着力、保持力などを一層向上させることができ、しかも前記した各粘着特性間のバランスを調節することができる。
本発明の粘着剤組成物中に配合可能な粘着付与樹脂としては、従来から粘着剤において用いられている粘着付与樹脂のいずれもが使用でき特に限定されないが、例えば、ロジンエステル、ガムロジン、トール油ロジン、水添ロジンエステル、マレイン化ロジン、不均化ロジンエステルなどのロジン誘導体;テルペンフェノール樹脂、α−ピネン、β−ピネン、リモネンなどを主体とするテルペン系樹脂;(水添)石油樹脂、クマロン−インデン系樹脂、水素化芳香族コポリマー、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂などを挙げることができる。本発明の粘着剤組成物は、前記した粘着付与樹脂の1種または2種以上を含有することができる。
本発明の粘着剤組成物に粘着付与樹脂を含有させる場合は、粘着付与樹脂の含有量は、粘着剤組成物の用途、被着体の種類などに応じて適宜選択することができるが、凝集力、接着力に優れ、しかも塗工性が良好となる点から、粘着剤組成物中に含まれるトリブロック共重合体(I)およびジブロック共重合体(II)の合計100質量部に対して、粘着付与樹脂を0.1〜5,000質量部の割合で含有することが好ましく、1〜1,000質量部の割合で含有することがより好ましく、5〜500質量部の割合で含有することが更に好ましい。
本発明のアクリル系ブロック共重合体組成物および粘着剤組成物は、必要に応じて各種の可塑剤を含有してもよい。可塑剤を含有することによって、溶融粘度が低下して溶融塗工性が向上し、しかもタックなどを改良することとなる。本発明で使用し得る可塑剤の例としては、例えば、ジn−ブチルフタレート、ジn−オクチルフタレート、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート、ジn−デシルフタレート、ジイソデシルフタレートなどのフタル酸エステル類;ビス(2−エチルヘキシル)アジペート、ジn−オクチルアジペートなどのアジピン酸エステル類;ビス(2−エチルヘキシル)セバケート、ジn−ブチルセバケートなどのセバシン酸エステル類;ビス(2−エチルヘキシル)アゼレートなどのアゼライン酸エステル類;塩素化パラフィンなどのパラフィン類;ポリプロピレングリコールなどのグリコール類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などのエポキシ変性植物油類;トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェートなどのリン酸エステル類;トリフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類;アジピン酸と1,3−ブチレングリコールとのエステル化物などのエステルオリゴマー類;低分子量ポリブテン、低分子量ポリイソブチレン、低分子量ポリイソプレンなどの低分子量重合体;プロセスオイル、ナフテン系オイルなどのオイル類などを挙げることができる。前記した可塑剤は単独で使用しても、または2種以上併用してもよい。または2種以上混合して用いられる。可塑剤を含有させる場合に、その含有量は、アクリル系ブロック共重合体組成物または粘着剤組成物に含まれる可塑剤以外の他の成分の合計100質量部に対して、1,000質量部以下であることが好ましく、500質量部以下であることがより好ましい。
また、本発明のアクリル系ブロック共重合体組成物および粘着剤組成物は、必要に応じて各種の添加剤を含有していてもよい。含有し得る添加剤の具体例としては、耐候性、耐熱性、耐酸化性などをさらに向上させるための酸化防止剤や紫外線吸収剤;炭酸カルシウム、酸化チタン、マイカ、タルクなどの無機粉末充填剤;ガラス繊維、有機補強用繊維などの繊維状充填剤などを挙げることができる。
本発明のアクリル系ブロック共重合体組成物および粘着剤組成物の調製方法は特に制限されず、例えば、(1)トリブロック共重合体(I)とジブロック共重合体(II)を別々に製造し、それらを必要に応じて他の成分と共に混合する方法;(2)ジブロック共重合体(II)を経てトリブロック共重合体(I)を製造する方法を採用し、その際にジブロック共重合体(II)が得られた時点でジブロック共重合体(II)の一部に対してその重合成長末端の活性を制御してジブロック共重合体(II)の一部をそのままジブロック共重合体の形態で残し、残りをトリブロック共重合体(I)に変えて、トリブロック共重合体(I)およびジブロック共重合体(II)の両方を含有するブロック共重合体混合物を重合工程で直接製造し、それに必要に応じて他の成分を混合する方法などを挙げることができる。
本発明のアクリル系ブロック共重合体組成物および粘着剤組成物は、加熱溶融性であり、温度180〜230℃での溶融粘度が通常1〜1000Pa・sの範囲にあり、溶融塗工性など溶融時の取り扱い性、作業性に優れている。特に、粘着付与樹脂および/または可塑剤を含有する本発明のアクリル系ブロック共重合体組成物および粘着剤組成物は、温度180〜230℃での溶融粘度が通常1〜100Pa・sの範囲にあり、溶融塗工性などに優れている。
本発明のアクリル系ブロック共重合体組成物および粘着剤組成物は、例えばシート状、フイルム状、テープ状、複合体状などの種々の粘着剤製品の製造に用いることができる。
前記した粘着製品の製法は特に制限されず、従来と同様に行うことができ、例えば、本発明の粘着剤組成物を溶融状態にして、フイルム状、シート状、テープ状またはその他の所望の形状を有する紙、紙ボード、セロハン、樹脂、布、木材、金属などの基材に塗工した後、冷却することにより、本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する各種粘着剤製品を得ることができる。また、本発明の粘着剤組成物は、トルエンなどの溶剤に溶かして溶液状にして溶液型粘着剤として使用することも可能である。
本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層を基材上に形成させることによって得られる粘着剤製品としては、粘着シート、粘着フイルム、粘着テープ、感圧性テープ、マスキングテープ、電気絶縁用テープ、ラミネート物などが挙げられる。
以下に本発明を実施例、比較例などにより具体的に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定されない。
なお、以下に示す製造例1〜5では、モノマーやその他の化合物は、常法により乾燥精製し、窒素にて脱気して使用した。また、モノマーや他の化合物の反応系への移送および供給は窒素雰囲気下で行った。
以下の例において、重合体(ブロックを形成する重合体)およびブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)はGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)によりポリスチレン換算分子量で求めた。GPCで用いた測定装置および条件は次のとおりである。
[GPC測定の装置および条件]
・装置:東ソー株式会社製GPC装置「HLC−8020」
・分離カラム:東ソー株式会社製「TSKgel GMHXL」、「G4000HXL」および「G5000HXL」を直列に連結
・溶離剤:テトラヒドロフラン
・溶離剤流量:1.0ml/分
・カラム温度:40℃
・検出方法:示差屈折率(RI)
また、以下の例において、ブロック共重合体における各重合体ブロックの構成割合は、1H−NMR(1H−核磁気共鳴)測定によって求めた。1H−NMR測定で用いた測定装置および条件は次のとおりである。
1H−NMR測定の装置および条件]
・装置:日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置「JNM−LA400」
・重溶媒:重水素化クロロホルム
以下の実施例および比較例において得られたアクリル系ブロック共重合体組成物(粘着剤組成物)の溶融粘度、該アクリル系ブロック共重合体組成物(粘着剤組成物)から作製した粘着テープの接着力、凝集力およびタック(ボールタック)は以下のようにして測定した。
(a)溶融粘度:
株式会社島津製作所製の「フローテスタCFT−500形」(キャピラリー型粘度計)を使用して、測定条件として、プランジャー断面積=1cm2、ダイ(ノズル)寸法=1mm(直径)、長さ=10mm、試験荷重=50kg/cm2を採用して測定した。溶融粘度の値が小さいほど、溶融塗工性に優れることを示す。
(b)接着力:
JIS Z 0237に準じて180ー剥離試験により評価した。すなわち、以下の例で作製した粘着テープ(幅10mm、長さ100mm)をステンレス(SUS304)板およびポリエチレン製シート(厚さ約1mm)に貼り付け、25℃において30cm/分の速度で180度の方向に剥離して測定した。
(c)凝集力:
JIS Z 0237に準じて評価した。すなわち、以下の例で作製した粘着テープ(幅25mm、長さ25mm)をステンレス(SUS304)板に接着し、環境温度120℃で荷重1kgを吊り下げ、落下時間を求めた。落下せずに保持している時間(保持時間)が長いほど凝集力(クリープ性能)が良好であることを示す。
(d) タック(ボールタック):
JIS Z 0237に準拠して25℃におけるボールタック値を調べた。ここで、ボールタック値は数字の大きいほど粘着性(タック性)が高いことを示す。
《製造例1》[トリブロック共重合体(I−1)の製造]
(1) 1リットルの三口フラスコに三方コックを付け内部を脱気し、窒素で置換した後、室温にてトルエン390g、N,N,N',N'',N''−ペンタメチルジエチレントリアミン0.94ml、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム11mmolを含有するトルエン溶液18mlを加え、さらに、sec−ブチルリチウム1.0mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液0.8mlを加えた。これにメタクリル酸メチル14mlを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温(25℃)にて1時間攪拌後、無色となった。この時点で、反応液1gを採取してサンプリング試料1とした。
(2) 引き続き、重合液の内部温度を−12℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル120mlを6時間かけて滴下して反応を行わせた。滴下終了後、反応液1gを採取してサンプリング試料2とした。
(3) 続いて、反応液にメタクリル酸メチル14mlを加えて室温で撹拌下に反応させた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて10時間攪拌後に無色となり、この時点で反応液にメタノール1gを添加して重合を停止した。この重合停止後の反応液を大量のメタノールと水の混合溶液(メタノールの割合は90質量%)中に注ぎ、析出した白色沈殿物を回収してサンプリング試料3とした。
(4) 上記の(1)〜(3)のそれぞれで採取または回収したサンプリング試料1〜3について、上記した方法でGPC測定および1H−NMR測定を行って、その結果に基づいて、各重合段階で得られた重合体およびブロック共重合体のMw(重量平均分子量)、Mw/Mn(分子量分布)、メタクリル酸メチル重合体(PMMA)ブロックとアクリル酸n−ブチル重合体(PnBA)ブロックの質量比などを求めたところ、下記の表1に示すように、上記の(3)で最終的に得られた上記白色沈殿物は、ポリメタクリル酸メチルブロック(以下「PMMA」という)−ポリ(n−ブチルアクリレート)ブロック(以下「PnBA」という)−ポリメタクリル酸メチルブロック(PMMA)からなるトリブロック共重合体(PMMA−PnBA−PMMA)であり、その全体の重量平均分子量(Mw)は210,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.34、および各重合体ブロックの割合はPMMA(10質量%)−PnBA(80質量%)−PMMA(10質量%)であること(PMMAの合計20質量%)が判明した。
(5) また、試料1は、PMMAであって、その重量平均分子量(Mw)は19,000および分子量分布(Mw/Mn)は1.04であり;試料2はPMMA−PnBAのジブロック共重合体であってその重量平均分子量(Mw)は200,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.28であった。
《製造例2》[トリブロック共重合体(I−2)の製造]
(1) 製造例1の(1)において、三口フラスコに、トルエン390g、N,N,N',N'',N''−ペンタメチルジエチレントリアミン0.94ml、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム11mmolを含有するトルエン溶液18ml、およびsec−ブチルリチウム1.5mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液1.2mlを加え、メタクリル酸メチル14mlを加えた以外は実施例1の(1)と同様にして重合反応を行った。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温(25℃)にて1時間攪拌後、無色となったので、この時点で反応液1gを採取してサンプリング試料1とした。
(2) 引き続き、重合液の内部温度を−12℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル120mlを4.9時間かけて滴下して反応させた。滴下終了後、反応液1gを採取してサンプリング試料2とした。
(3) 続いて、反応液にメタクリル酸メチル14mlを加えて室温で撹拌下に反応させた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて12時間攪拌後に無色となり、この時点で反応液にメタノール1gを添加して重合を停止した。この重合停止後の反応液を大量のメタノールと水の混合溶液(メタノールの割合は90質量%)中に注ぎ、析出した白色沈殿物を回収してサンプリング試料3とした。
(4) 上記の(1)〜(3)のそれぞれで採取または回収したサンプリング試料1〜3について、上記した方法でGPC測定および1H−NMR測定を行って、その結果に基づいて、各重合段階で得られた重合体およびブロック共重合体のMw(重量平均分子量)、Mw/Mn(分子量分布)、メタクリル酸メチル重合体(PMMA)ブロックとアクリル酸n−ブチル重合体(PnBA)ブロックの質量比などを求めたところ、下記の表1に示すように、上記の(3)で最終的に得られた上記白色沈殿物は、PMMA−PnBA−PMMAからなるトリブロック共重合体であり、その全体の重量平均分子量(Mw)は140,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.28、および各重合体ブロックの割合はPMMA(10質量%)−PnBA(80質量%)−PMMA(10質量%)であること(PMMAの合計20質量%)が判明した。
(5) また、試料1は、PMMAであって、その重量平均分子量(Mw)は12,000および分子量分布(Mw/Mn)は1.04であり;試料2はPMMA−PnBAのジブロック共重合体であってその重量平均分子量(Mw)は130,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.09であった。
《製造例3》[トリブロック共重合体(I−3)の製造]
(1) 製造例1の(1)において、三口フラスコに、トルエン390g、N,N,N',N'',N''−ペンタメチルジエチレントリアミン0.94ml、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム11mmolを含有するトルエン溶液18ml、およびsec−ブチルリチウム1.3mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液1.0mlを加え、メタクリル酸メチル20mlを加えた以外は実施例1の(1)と同様にして重合反応を行った。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温(25℃)にて1時間攪拌後、無色となったので、この時点で反応液1gを採取してサンプリング試料1とした。
(2) 引き続き、重合液の内部温度を−12℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル125mlを1時間かけて滴下して反応させた。滴下終了後、反応液1gを採取してサンプリング試料2とした。
(3) 続いて、反応液にメタクリル酸メチル20mlを加えて室温で撹拌下に反応させた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて14時間攪拌後に無色となり、この時点で反応液にメタノール1gを添加して重合を停止した。この重合停止後の反応液を大量のメタノールと水の混合溶液(メタノールの割合は90質量%)中に注ぎ、析出した白色沈殿物を回収してサンプリング試料3とした。
(4) 上記の(1)〜(3)のそれぞれで採取または回収したサンプリング試料1〜3について、上記した方法でGPC測定および1H−NMR測定を行って、その結果に基づいて、各重合段階で得られた重合体およびブロック共重合体のMw(重量平均分子量)、Mw/Mn(分子量分布)、メタクリル酸メチル重合体(PMMA)ブロックとアクリル酸n−ブチル重合体(PnBA)ブロックの質量比などを求めたところ、下記の表1に示すように、上記の(3)で最終的に得られた上記白色沈殿物は、PMMA−PnBA−PMMAからなるトリブロック共重合体であり、その全体の重量平均分子量(Mw)は200,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.02、および各重合体ブロックの割合はPMMA(12.5質量%)−PnBA(75質量%)−PMMA(12.5質量%)であること(PMMAの合計25質量%)が判明した。
(5) また、試料1は、PMMAであって、その重量平均分子量(Mw)は21,000および分子量分布(Mw/Mn)は1.06であり;試料2はPMMA−PnBAのジブロック共重合体であってその重量平均分子量(Mw)は180,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.02であった。
《製造例4》[トリブロック共重合体(I−4)の製造]
(1) 製造例1の(1)において、三口フラスコに、トルエン390g、N,N,N',N'',N''−ペンタメチルジエチレントリアミン1.4ml、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム11mmolを含有するトルエン溶液18ml、およびsec−ブチルリチウム2.2mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液1.7mlを加え、メタクリル酸メチル14mlを加えた以外は実施例1の(1)と同様にして重合反応を行った。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温(25℃)にて1時間攪拌後、無色となったので、この時点で反応液1gを採取してサンプリング試料1とした。
(2) 引き続き、重合液の内部温度を−12℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル120mlを5時間かけて滴下して反応させた。滴下終了後、反応液1gを採取してサンプリング試料2とした。
(3) 続いて、反応液にメタクリル酸メチル14mlを加えて室温で撹拌下に反応させた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて6時間攪拌後に無色となり、この時点で反応液にメタノール1gを添加して重合を停止した。この重合停止後の反応液を大量のメタノールと水の混合溶液(メタノールの割合は90質量%)中に注ぎ、析出した白色沈殿物を回収してサンプリング試料3とした。
(4) 上記の(1)〜(3)のそれぞれで採取または回収したサンプリング試料1〜3について、上記した方法でGPC測定および1H−NMR測定を行って、その結果に基づいて、各重合段階で得られた重合体およびブロック共重合体のMw(重量平均分子量)、Mw/Mn(分子量分布)、メタクリル酸メチル重合体(PMMA)ブロックとアクリル酸n−ブチル重合体(PnBA)ブロックの質量比などを求めたところ、下記の表1に示すように、上記の(3)で最終的に得られた上記白色沈殿物は、PMMA−PnBA−PMMAからなるトリブロック共重合体であり、その全体の重量平均分子量(Mw)は85,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.13、および各重合体ブロックの割合はPMMA(10質量%)−PnBA(80質量%)−PMMA(10質量%)であること(PMMAの合計20質量%)が判明した。
(5) また、試料1は、PMMAであって、その重量平均分子量(Mw)は7,300および分子量分布(Mw/Mn)は1.06であり;試料2はPMMA−PnBAのジブロック共重合体であってその重量平均分子量(Mw)は77,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.16であった。
《製造例5》[ジブロック共重合体(II−1)の製造]
(1) 製造例1の(1)において、三口フラスコに、トルエン390g、N,N,N',N'',N''−ペンタメチルジエチレントリアミン0.89ml、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム9.1mmolを含有するトルエン溶液13ml、およびsec−ブチルリチウム1.8mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液1.4mlを加え、メタクリル酸メチル14mlを加えた以外は実施例1の(1)と同様にして重合反応を行った。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温(25℃)にて1時間攪拌後、無色となったので、この時点で反応液1gを採取してサンプリング試料1とした。
(2) 引き続き、重合液の内部温度を−12℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル88mlを4.8時間かけて滴下して反応させた。滴下終了時点で反応液にメタノール0.3gを添加して重合を停止した。この重合停止後の反応液を大量のメタノールと水の混合溶液(メタノールの割合は90質量%)中に注ぎ、析出した白色沈殿物を回収してサンプリング試料2とした。
(3) 上記の(1)および(2)のそれぞれで採取または回収したサンプリング試料1および2について、上記した方法でGPC測定および1H−NMR測定を行って、その結果に基づいて、各重合段階で得られた重合体およびブロック共重合体のMw(重量平均分子量)、Mw/Mn(分子量分布)、メタクリル酸メチル重合体(PMMA)ブロックとアクリル酸n−ブチル重合体(PnBA)ブロックの質量比などを求めたところ、下記の表1に示すように、上記の(2)で最終的に得られた上記白色沈殿物は、PMMA−PnBAからなるジブロック共重合体であり、その全体の重量平均分子量(Mw)は97,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.06、および各重合体ブロックの割合はPMMA(14質量%)−PnBA(86質量%)であることが判明した。
(4) また、試料1は、PMMAであって、その重量平均分子量(Mw)は11,000および分子量分布(Mw/Mn)は1.08であった。
製造例1〜5の結果を下記の表1に示す。
Figure 0005051967
《実施例1》
(1) 製造例1で製造したトリブロック共重合体(I−1)100質量部および製造例5で製造したジブロック共重合体(II−1)300質量部をトルエン1143質量部に溶解して濃度35質量%のトルエン溶液(以下「35%トルエン溶液」という)を調製した。このトルエン溶液の一部を採取して減圧下にトルエンを留去してアクリル系ブロック共重合体組成物(粘着剤組成物)を調製し、該粘着剤組成物の溶融粘度を前記した方法で測定したところ、下記の表2に示すように27Pa・s(270poise)であった。
(2) また、上記(1)で調製した35質量%トルエン溶液をコーターによってポリエチレンテレフタレート製フイルムに厚さ254μmにコーティングした後、160℃で30分で加熱して乾燥・熱処理して物性評価用の粘着テープを作製した。
(3) 上記(2)で作製した粘着テープを使用して、上記した方法で粘着特性(接着力、凝集力およびボールタック)を測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
《実施例2〜4》
(1) トリブロック共重合体(I−1)とジブロック共重合体(II−1)の使用割合を下記の表2に示す質量比に変えて実施例1の(1)と同様にして35%トルエン溶液を調製し、その35%トルエン溶液の一部を採取して減圧下にトルエンを留去してアクリル系ブロック共重合体組成物(粘着剤組成物)を調製し、該粘着剤組成物の溶融粘度を前記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(2) また、上記(1)で調製した35質量%トルエン溶液を用いて、実施例1の(2)と同様にして粘着テープを作製し、その粘着テープを使用して上記した方法でその粘着特性(接着力、凝集力およびボールタック)を測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
《実施例5および6》
(1) トリブロック共重合体(I−1)とジブロック共重合体(II−1)の使用割合を下記の表2に示す質量比に変え、更に粘着付与樹脂(荒川化学株式会社製「KE−311」;ロジンエステル)を下記の表2に示す量で加えるか(実施例5)、または可塑剤[アジピン酸ジオクチル(DOA)、和光純薬株式会社製]を下記の表2に示す量で加え(実施例6)、それ以外は実施例1の(1)と同様にして35%トルエン溶液を調製し、その35%トルエン溶液の一部を採取して減圧下にトルエンを留去してアクリル系ブロック共重合体組成物(粘着剤組成物)を調製し、該粘着剤組成物の溶融粘度を前記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(2) また、上記(1)で調製した35質量%トルエン溶液を用いて、実施例1の(2)と同様にして粘着テープを作製し、その粘着テープを使用して上記した方法でその粘着特性(接着力、凝集力およびボールタック)を測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
《比較例1》
(1) トリブロック共重合体(I−1)のみを使用して実施例1の(1)と同様にして35%トルエン溶液を調製し、その35%トルエン溶液の一部を採取して減圧下にトルエンを留去して、残留したトリブロック共重合体(I−1)の溶融粘度を前記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(2) また、上記(1)で調製した35質量%トルエン溶液を用いて、実施例1の(2)と同様にして粘着テープを作製し、その粘着テープを使用して上記した方法でその粘着特性(接着力、凝集力およびボールタック)を測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
《実施例7〜10》
(1) 製造例2で製造したトリブロック共重合体(I−2)とジブロック共重合体(II−1)を下記の表2に示す質量比で用いて実施例1の(1)と同様にして35%トルエン溶液を調製し、その35%トルエン溶液の一部を採取して減圧下にトルエンを留去してアクリル系ブロック共重合体組成物(粘着剤組成物)を調製し、該粘着剤組成物の溶融粘度を前記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(2) また、上記(1)で調製した35質量%トルエン溶液を用いて、実施例1の(2)と同様にして粘着テープを作製し、その粘着テープを使用して上記した方法でその粘着特性(接着力、凝集力およびボールタック)を測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
《比較例2》
(1) トリブロック共重合体(I−2)のみを使用して実施例1の(1)と同様にして35%トルエン溶液を調製し、その35%トルエン溶液の一部を採取して減圧下にトルエンを留去して、残留したブロック共重合体(I−)の溶融粘度を前記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(2) また、上記(1)で調製した35質量%トルエン溶液を用いて、実施例1の(2)と同様にして粘着テープを作製し、その粘着テープを使用して上記した方法でその粘着特性(接着力、凝集力およびボールタック)を測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
《実施例11》
(1) 製造例3で製造したトリブロック共重合体(I−3)とジブロック共重合体(II−1)を下記の表2に示す質量比で用いて実施例1の(1)と同様にして35%トルエン溶液を調製し、その35%トルエン溶液の一部を採取して減圧下にトルエンを留去してアクリル系ブロック共重合体組成物(粘着剤組成物)を調製し、該粘着剤組成物の溶融粘度を前記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(2) また、上記(1)で調製した35質量%トルエン溶液を用いて、実施例1の(2)と同様にして粘着テープを作製し、その粘着テープを使用して上記した方法でその粘着特性(接着力、凝集力およびボールタック)を測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
《比較例3》
(1) トリブロック共重合体(I−3)のみを使用して実施例1の(1)と同様にして35%トルエン溶液を調製し、その35%トルエン溶液の一部を採取して減圧下にトルエンを留去して、残留したブロック共重合体(I−)の溶融粘度を前記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(2) また、上記(1)で調製した35質量%トルエン溶液を用いて、実施例1の(2)と同様にして粘着テープを作製し、その粘着テープを使用して上記した方法でその粘着特性(接着力、凝集力およびボールタック)を測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
《比較例4〜7》
(1) 製造例4で製造したトリブロック共重合体(I−4)とジブロック共重合体(II−1)を下記の表2に示す質量比で用いて実施例1の(1)と同様にして35%トルエン溶液を調製し、その35%トルエン溶液の一部を採取して減圧下にトルエンを留去してアクリル系ブロック共重合体組成物(粘着剤組成物)を調製し、該粘着剤組成物の溶融粘度を前記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(2) また、上記(1)で調製した35質量%トルエン溶液を用いて、実施例1の(2)と同様にして粘着テープを作製し、その粘着テープを使用して上記した方法でその粘着特性(接着力、凝集力およびボールタック)を測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
《比較例8》
(1) トリブロック共重合体(I−4)のみを使用して実施例1の(1)と同様にして35%トルエン溶液を調製し、その35%トルエン溶液の一部を採取して減圧下にトルエンを留去して、残留したブロック共重合体(I−)の溶融粘度を前記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(2) また、上記(1)で調製した35質量%トルエン溶液を用いて、実施例1の(2)と同様にして粘着テープを作製し、その粘着テープを使用して上記した方法でその粘着特性(接着力、凝集力およびボールタック)を測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
Figure 0005051967
上記の表2の結果にみるように、実施例1〜11の粘着剤組成物(アクリル系ブロック共重合体組成物)は、重量平均分子量(Mw)が120,000〜400,000の範囲で且つ分子量分布(Mw/Mn)が1.5未満のPMMA−PnBA−PMMAからなるトリブロック共重合体(I−1)〜トリブロック共重合体(I−3)のいずれかと、分子量分布(Mw/Mn)が1.5未満のPMMA−PnBAを、100:50〜100:500(質量比)の範囲内の割合で含有していることにより、スチールおよびポリエチレンに対して高い接着力を有し、凝集力に優れ、しかも接着力、凝集力およびボールタック間のバランスが良好であり、その上溶融塗工に適した溶融粘度を有している。
また、表2の結果(特に実施例2と実施例11の結果)から、本発明の粘着剤組成物において、トリブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(B1)(PMMA)の含有量が22質量%以下の場合(実施例2)には、22質量%を超える場合(実施例11)よりも一層高い接着力を発現することがわかる。
さらに、実施例5は粘着付与樹脂を含有していることにより、接着力がより高く、しかも溶融粘度が低く溶融塗工性に優れている。
また、実施例6は可塑剤を含有していることにより、溶融粘度が低く、溶融塗工性に優れている。
一方、比較例4〜7の粘着剤組成物(アクリル系ブロック共重合体組成物)は、粘着剤組成物を構成するトリブロック共重合体(I−4)(PMMA−PnBA−PMMA)の重量平均分子量(Mw)が120,000よりも小さいために、実施例1〜11に比べて、スチールおよびポリエチレンに対する接着力が大幅に低く、凝集力も低い。
また、比較例1〜3および8の粘着剤は、ジブロック共重合体(II−1)を含有しておらず、ブロック共重合体(I−1)〜ブロック共重合体(I−4)のいずれか単独からなるために、実施例1〜11に比べて接着力に劣っている。
本発明のアクリル系ブロック共重合体組成物は、耐熱性、耐候性、耐ブリード性に優れ、溶融時の粘度が比較的低いことから溶融塗工性に優れ、しかも接着力、凝集力、タックなどの粘着特性に極めて優れることから、粘着剤組成物として有用である。
本発明の粘着剤組成物は、耐熱性、耐候性、耐ブリード性に優れ、しかも接着力、凝集力、タックなどの粘着特性に極めて優れるため、粘着シート、粘着フイルム、粘着テープ、マスキングテープ、マスキングシート、電気絶縁用テープ、ラミネート製品などの各種の粘着剤製品に有効に用いることができる。

Claims (4)

  1. (i) 有機アルミニウム化合物の存在下でのアニオン重合により得られた、アクリル酸n−ブチル単位を主体とする重合体ブロック(A1)の1個と、メタクリル酸メチル単位を主体とする重合体ブロック(B1)の2個が結合した、式:B1−A1−B1で表されるトリブロック共重合体であって、重量平均分子量が120,000〜400,000および分子量分布(Mw/Mn)が1.5未満であり、且つ重合体ブロック(B1)の含有量が5〜30質量%であるトリブロック共重合体(I);および、
    有機アルミニウム化合物の存在下でのアニオン重合により得られた、アクリル酸n−ブチル単位を主体とする重合体ブロック(A2)の1個と、メタクリル酸メチル単位を主体とする重合体ブロック(B2)の1個が結合している、分子量分布(Mw/Mn)が1.5未満で、且つ重合体ブロック(B2)の含有量が3〜35質量%であるジブロック共重合体(II);
    を含有するアクリル系ブロック共重合体組成物であって;
    (ii) トリブロック共重合体(I):ジブロック共重合体(II)の含有割合が100:50〜100:500の質量比である;
    ことを特徴とするアクリル系ブロック共重合体組成物。
  2. トリブロック共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)が150,000〜300,000である請求項に記載のアクリル系ブロック共重合体組成物。
  3. 請求項1または2に記載のアクリル系ブロック共重合体組成物をベースとする粘着剤組成物。
  4. 粘着付与樹脂を含有する請求項に記載の粘着剤組成物。
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