JP5034237B2 - 多層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、包装用多層フィルムに関するものであり、さらに詳しくは、光沢性、透明性、衛生性、酸素ガスバリア性および低温シール性に優れたスキンパック包装用の多層フィルムに関する。
近年、食品包装材料への要求は、従来の保存性、開封性の良さに加え、とりわけ見栄えの良い包装形態が好まれるようになっている。このような包装形態の中には、深絞り真空包装、不活性ガス置換包装が挙げられる。また、従来からスキンパックによる包装は皺が生じにくく見栄えが良い為、例えば、ハム、ソーセージ、ベーコンなどの蓄肉食品類などの包装に使用されている。
スキンパック包装の形態の一例を図1に示す。蓋材1と底材2との間に各種食品等の被包装体ないし内容物3を置き、蓋材1および底材2の間を脱気して蓋材1を内容物3の形状に沿って密着させ、さらには包装体の周辺部の蓋材1と底材2をヒートシールすることで形成される。底材2には必要に応じて賞味期限、使用原材料等の情報が印刷もしくは、別紙に印刷したものをシールが貼付されたものなどが多く見受けられる。底材の形態はフィルムであったり、例えば直方体形状の容器に成形されたものも見受けられる。また、最近では内容物に液状物を入れたいとの要望も増えてきている。その場合のスキンパック包装の一例を図2に示す。ここに示した様に内容物に液状物7が含まれる為、こぼれ防止のために底材が予めトレー状やカップ状に成形されたものが使用される。蓋材4と底材5との間に各種食品等の内容物6を置き、蓋材4および底材5の間を脱気の間を脱気して蓋材4を内容物6の形状に沿って密着させ、さらには包装体の周辺部の蓋材4と底材5をヒートシールすることで形成される。数種の内容物を封入しセットメニューとして商品化できるために、このような形態のスキンパック包装は今後も増えていくものと思われる。
また、スキンパック包装法として各種技法が提案されている。それらの中でも、ヒーターを備えた真空金型でスキンフィルムを絞り成形し、次いで、絞り成形により形成されたスキンフィルムの凹所でベースフィルム上の被包装物を覆った後、両フィルム間を真空に移行させ、スキンフィルムの弾性回復応力により被包装物に密着させる加熱真空包装方法は、被包装物の原形を維持すると共に、自動化も容易であるという利点を有している。(例えば、特許文献1および、2を参照。)
スキンパック包装用の包装材料についても各種の提案がなされている。例えば、絞り成形が可能で、成形温度で弾性回復率が大きくかつ弾性回復応力が小さく、透明性、光沢性等が良好なものとして、エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物からなる表面層、酢酸ビニル含有量が2〜7質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる芯層、エチレン単独重合体及びエチレン共重合体(ただし、エチレン共重合体がエチレン−酢酸ビニル共重合体である場合には、その酢酸ビニル含有量は5質量%以下である)からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料からなる内層、及び必要に応じて前記各層間に接着層を含有し、かつ、少なくとも芯層が放射線によって架橋されていることを特徴とする多層フィルムの提案や必要に応じて架橋の際に面積倍率5〜40%の範囲内で延伸されたものであることを特徴とする多層フィルムの提案がなされている。(例えば、特許文献3および、4を参照。)
また、別の提案では、最外層に弾性回復率の大きな熱可塑性樹脂層、芯層にガスバリヤー性樹脂層、及び最内層にヒートシール性樹脂層を有するスキンパック包装用多層フィルムにおいて、最内層のヒートシール性樹脂層が、拘束幾何触媒を用いて得られた、1−オクテン含有量が1重量%以上、20重量%未満で、密度が0.885g/cm3超過、0.960g/cm3以下である実質的に線状のエチレン−1−オクテン共重合体を50重量%以上の割合で含有する樹脂からなる層であることを特徴とするスキンパック包装用多層フィルムの提案がある。(例えば、特許文献5を参照。)
また、スキンパック包装材料に耐熱性を付与する提案もいくつかなされている。例えば、耐熱性ガスバリア性樹脂からなる最外層(a)、ポリプロピレン系樹脂に加え10−70重量%の熱可塑性エラストマーを含む組成物からなる芯層(b)、エチレン系(共)重合体等のヒートシール性樹脂からなる最内層(c)および必要に応じて前記各層間に接着層を有する多層フィルムの提案がある。本発明によれば、一般に耐熱性に良いとされるポリプロピレン樹脂に熱可塑性エラストマーを加えることで回復弾性を付与できるとの提案である。(例えば、特許文献6を参照。)
また別の提案では、スキンパック包装材料の低温シール性を付与する方法として、少なくとも最外層と中間層及びシール層とからなり、(a)密度が0.895〜0.912g/cm3のエチレンーαオレフイン共重合体樹脂と(b)密度が0.895〜0.918g/cm3のポリブテン1を、質量比率,(a):(b)40:60〜80:20の範囲で配合したものをシール層とすることを特徴とする包装材料の開示がある。(例えば、特許文献7を参照。)
特公昭56−49206号公報 特公昭57−23607号公報 特開平07−256830号公報 特開平09−08652号公報 特開平09−216319号公報 特開平11−310265号公報 特開平2001−232735号公報
本発明の目的は、非ハロゲン系樹脂材料から形成され、スキンパック包装に適し、且つ、電子レンジによる加熱にも耐えうるスキンパック包装用多層フィルムを提供することにある。より具体的には、本発明の目的は、スキンパック包装において、柔軟性に富み弾性回復性が大きく包装体の表面に皺等の発生が無く、透明性、光沢にも優れ外観が良好であり、酸素ガスバリア性、耐熱性を有する、まったく新規な多層フィルムを提供することにある。
このような目的は下記(1)〜(6)に記載の本発明により達成される。即ち本発明は、
(1)酸素ガスバリア性樹脂からなる最外層(A)、アイオノマー樹脂からなる中間層(B)、エチレンー酢酸ビニル共重合体よりなる中間層(C)、エチレン系ヒートシール性樹脂からなる最内層(D)が順次積層されることで構成され、必要に応じて前記各層間に接着層を有する事を特徴とする多層フィルム、
(2)酸素ガスバリア性樹脂からなる最外層(A)、エチレンー酢酸ビニル共重合体よりなる中間層(C)、アイオノマー樹脂からなる中間層(B)、エチレン系ヒートシール性樹脂からなる最内層(D)が順次積層されることで構成され、必要に応じて前記各層間に接着層を有する事を特徴とする多層フィルム、
(3)酸素ガスバリア性樹脂からなる最外層(A)が、エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物よりなり、且つ、これに共重合されるエチレン含量が32モルから44モルの間にあり、更には延伸面積倍率が10倍以上である上記(1)または(2)に記載の多層フィルム、
(4)エチレンー酢酸ビニル共重合体よりなる中間層(C)は、酢酸ビニル濃度が5〜30重量%にある上記(1)〜(3)のいずれかに記載の多層フィルム、
(5)エチレン系ヒートシール性樹脂からなる最内層(D)が、JIS K7112に定める方法により測定された密度が0.890以上0.910以下の範囲にあり、JIS K7206に定める方法により測定されたビカット軟化点が90℃以下である直鎖状低密度ポリエチレンである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の多層フィルム、
(6)スキンパック包装用蓋材を構成する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の多層フィルム、
である。
本発明によれば、光沢性、透明性、衛生性、酸素ガスバリア性および低温シール性に優れたスキンパック包装用の多層フィルムを提供することが可能となる。本発明の多層フィルムは、上記の目的を達成するために開発されたものであり、より詳しくは酸素ガスバリア性樹脂からなる最外層(A)、アイオノマー樹脂からなる中間層(B)、エチレンー酢酸ビニル共重合体よりなる中間層(C)、エチレン系ヒートシール性樹脂からなる最内層(D)が積層されることで構成され、必要に応じて前記各層間に接着層を有する多層フィルムであることを特徴とする。
本発明の多層フィルム形態の一例を図3に示し、詳細を説明する。即ち、この多層フィルムは、酸素ガスバリア性樹脂からなる最外層(A)、アイオノマー樹脂からなる中間層(B)、エチレンー酢酸ビニル共重合体よりなる中間層(C)、エチレン系ヒートシール性樹脂からなる最内層(D)からなり、これらを順次、積層した層構成を有する。尚、接着層(E)および(F)は、各層間の接着性を高めるために必要に応じて挿入されるものであり、省略することもできる。
まず、本発明者が本発明に到達するに至った経緯について以下に記述する。
本発明者による鋭意研究の結果、まず、エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物(以下、EVOHと略す。)に代表されるポリ塩化ビニリデン(以下、PVDCと略す。)以外のガスバリア性樹脂は、柔軟性には劣るが、良好な耐熱性を有することで最外層に使用されることが一般的に知られているが、従来使用されてきたEVOHでは延伸加工特性に劣るためスキンパック時の伸びが悪く、その結果、ピンホールの発生の主因となっていることを突き止めた。これは、従来、酸素バリア性樹脂には延伸加工性の議論がまったくなされてきていないことを考えると、まったく論点を異とするものと言える。より具体的に説明すると、本発明に使用されるEVOH樹脂は従来のEVOH樹脂に比較して延伸面積倍率が良好な10倍以上有するものを使用する。ここでいう延伸面積倍率とは、150μmのEVOH樹脂単層シートを100℃×30秒加熱の後に、同時テンター法により延伸加工した際に、延伸されたシートが破れたりムラの発生した外観となったりした状態になる手前の延伸された面積(延伸限界面積)と延伸加工する前の面積との倍率のことである。
本発明者は、酸素ガスバリア性樹脂としてこのEVOH樹脂を最外層(A)に使用することで、熱板に接触しても劣化しない光沢および透明性を有するばかりか、その延展加工性から歪な形状の内容物に対しても破断することなく、優れた追従性を有することを新たに見出した。
しかしながら、スキンパック包装には他の多層フィルムと同様に強靭性を要求される場合が多い。一般的に、フィルムに強靭性を付与するためにポリアミド樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂を使用するが、とりわけスキンパック包装では内容物への密着性、形状追従性の点からこれらの樹脂を使用することは適当でないことが既に公知となっている。この為、本発明では多層フィルムに強靭性を付与するために中間層(B)としてアイオノマー樹脂を使用した。
また、スキンパック包装に関する要求は、従来の非ハロゲン系樹脂材料に対する要求に加え、包装体ごと電子レンジで温めることができる、いわゆるレンジアップ適性に対するニーズが高まってきている。よって、従来のスキンパック性に加え、耐熱性が必要とされ、特に使用温度が100℃を超える場合が想定される為、食品衛生上にも特段の配慮が必要となった。より具体的には、厚生省告示370号(食品、食品添加物等の規格基準第三器具及び容器包装Dによる。)に基づく試験方法により種々の衛生規格が明記されているが、とりわけ内容物に油性若しくは、油性分の多い食材を使用した場合には、n−ヘプタンの抽出残留物量への配慮が必要である。本発明者が検証したところでは、一般的にスキンパック包装の際にシール性に良好とされるエチレン−酢酸ビニル共重合体をはじめとするエチレン系の共重合体では、共重合成分の重量比率が高まる程にn−ヘプタンによる抽出残留物量が増える傾向にあった。これは、共重合成分比率が高まるにつれて樹脂の結晶部が減少し、非結晶部分が増加する為、滑剤やアンチブロッキング剤といった添加剤が溶出しやすくなる為であると考えられる。しかしながら、一方でスキンパック性を向上させる為にフィルムに柔軟性を付与することは必須である。この為、これらのエチレン系共重合樹脂または、ポリオレフィン樹脂に熱可塑性エラストマーを混合した組成物などにより柔軟性を確保することが一般的となっている。このため本発明に於いても、中間層(C)としてエチレンー酢酸ビニル共重合体を使用するが、このままでは衛生性に問題を生じる為、衛生性にも問題がなく、良好なヒートシール性を有するエチレン系ヒートシール性樹脂を最内層(D)を設けることにより、電子レンジにも対応できる耐熱性と衛生性を具備したスキンパック包装用包材として適した柔軟性に富む多層フィルムが得られることを見出し、本発明を実現するに至った。
さらに、本発明の多層フィルムの使用方法としては、スキンパック包装体において成形を施さない底材側に使用しても何ら差し支えない。この場合、既に公知ではあるが蓋材フィルムとしても本発明の多層フィルムを用いれば、上下が対称に近い層構成になるため、ヒートシール後に生じやすいカールの発生が低減できる。
以下、本発明の多層フィルムを構成する各層について詳細に説明を行う。
最外層(A)を構成する酸素ガスバリア性樹脂としては、エチレンービニルアルコール共重合体ケン化物のうち、共重合されるエチレン含有量が27〜44モル%のもので延伸面積倍率が10倍以上有するものを使用する。従来、EVOH樹脂の延伸加工性はスキンパック包装の機能を高める手法としては議論されてこなかったが、本発明ではEVOH樹脂の延伸加工性が、従来のスキンパック包装時に発生し易かったフィルム破れやピンホール発生の改善に大きな効果があることを見出した。これは、本発明に規定されない他のEVOH樹脂やポリメタキシレンアジパミド(以下、ナイロンMXD6とする。)にはまったく認められない新たな機能である。
中間層(B)を構成するアイオノマー樹脂としては、架橋される金属イオンは亜鉛(Zn)とナトリウム(Na)のいずれでも差し支えなく、帯電防止を目的としてカリウム(K)であっても差し支えない。物性としては、特に制限を加える必要はないが、樹脂の加工の特性上、融点(JIS K−7121に準拠し、DSC法で測定)が100℃以下、引張破壊応力(JIS K−7162に準拠し測定)が40MPa以下であればより好ましい。
中間層(C)を構成するエチレンー酢酸ビニル共重合体としては、共重合されるVA含有量が5〜30重量%以下であることが好ましい。5%以下であると十分な柔軟性、透明性が得られず、逆に30重量%を超えると本発明の最内層(D)をもってしても厚生省告示370号(食品、食品添加物等の規格基準第三器具及び容器包装Dによる。)に定めるn−ヘプタンの抽出残留物量の規格30ppmを超える恐れが生じる。また、融点も低下することから耐熱性にも優れなくなるといった不具合が生じる。
最内層(D)を構成するエチレン系ヒートシール層樹脂としては、JIS K7112に定める方法により測定された密度が0.890以上0.910以下の範囲にあり、JIS K7206に定める方法により測定されたビカット軟化点が90℃以下である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を使用する。尚、最内層(D)は、スキンパック包装において、被包装物と密着する層であり、かつ、多層フィルムをベースフィルム(底材)にヒートシールさせるための層である。
最内層(D)は単独で使用されることが望ましいが、スキンパック包装体の開封を容易にするためにポリプロピレン樹脂など、公知の処方技術に沿って添加しても差し支えない。
また、最内層(D)を構成するエチレン系ヒートシール層樹脂に、滑り性やブロッキングを防止する目的で適宜、滑剤を添加しても良い。その場合、好ましい例としては、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の有機系滑剤、シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウム等の無機系滑剤を上げることができる。その添加量としては0.1〜5重量%が好適であり、通常マスターバッチの形で加える。
また、本発明の多層フィルムでは、図3に一例として示したように、酸素ガスバリア性樹脂からなる最外層(A)とアイオノマー樹脂からなる中間層(B)、アイオノマー樹脂からなる中間層(B)とエチレンー酢酸ビニル共重合体よりなる中間層(C)、エチレンー酢酸ビニル共重合体よりなる中間層(C)とエチレン系ヒートシール性樹脂からなる最内層(D)の各層の間に接着性を付与したり、あるいは接着性を高めるために必要に応じて接着剤層Eおよび/またはFを設けることができる。特に最外層(A)と中間層(B)または中間層(C)は、共押出による製膜加工でも接着強度が弱いため、この両層の間には接着樹脂層を配置することが好ましい。
接着層に使用する接着性樹脂としては、例えば、EVA、エチレン−無水マレイン酸共重合体、EAA、EEA、エチレン−メタクリレート−グリシジルアクリレート三元共重合体、あるいは、各種ポリオレフィンに、アクリル酸、メタクリル酸などの一塩基性不飽和脂肪酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの二塩基性不飽和脂肪酸またはこれらの無水物をグラフトさせたもの、例えばマレイン酸グラフト化EVA、マレイン酸グラフト化エチレン−α−オレフィン共重合体など、公知のものを適宜、使用できる。
本発明の多層フィルムの製膜方法については特に限定するものではなく、公知の共押出法、ドライラミネート法などにより製膜、積層を行うことができる。
本発明の軟質多層フィルムにおいて、酸素ガスバリア性樹脂からなる最外層(A)の厚みが5〜30μm、アイオノマー樹脂からなる中間層(B)の厚みが5〜80μm、エチレンー酢酸ビニル共重合体よりなる中間層(C)の厚みが5〜80μm、エチレン系ヒートシール性樹脂からなる最内層(D)の厚みが5〜80μmの範囲であることが好ましい。
本発明の多層フィルムは、スキンパック包装用蓋材多層フィルムとして用いることが好ましいが、この際に組合せられるべき底材のフィルムやトレーの構成に関しては特に限定はせず、任意であってよい。例えば、低密度ポリエチレンの単層フィルムであっても良いし、ポリプロピレン樹脂/EVOH/エチレン系樹脂シール層、ポリプロピレン樹脂/EVOH/ポリプロピレン樹脂シール層、といった構成が好適に用いられる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
多層フィルムの評価は、以下の評価基準に従い実施した。
スキンパック適性;(株)ハイパック製のスキンパック包装機(HI−750シリーズ)を用い、図4に示す構成のスキンパック用多層シートを形成して包装体の状況を判定した。すなわち、直径200mm×深さ34mmの大きさ、層構成がポリプロピレン樹脂/接着材/EVOH/接着材/ポリプロピレン樹脂、各層厚みが330/5/30/5/30μm、合計厚みが400μm)よりなる成形加工された円形のトレーに、内容物としてハンバーグ300g、インゲン20g、パスタ85gをのせ、スキンパック用多層フィルムとの間に挟み、真空スキンパック包装を行い得られた包装体における包装の状態及び、蓋材表面状況について以下の基準で評価した。
・ 追随性
○:充填物の凹凸に対して、スキンフィルムの追随性が良く、隙間がない。
△:充填物の凸部を押し潰しているか、あるいは凹部への密着性が小さい。
×:充填物が大きく変形し、肉汁が絞り出されるか、あるいは溜っている。
・ しわ
○:包装体の全面にしわがない。
△:充填部コーナーに、短く浅いしわが発生。
×:包装体の全面に、長く深いしわが発生。
・ 耐熱性
○:熱板への融着および、電子レンジでの加熱時のフィルム破れがない。
△:熱板への密着に起因するフィルム表面の粗面化はないが、電子レンジでの加熱時に 直径5mm以下のピンホールの発生が認められた。
×:熱板への密着に起因するフィルム表面の粗面化が認められ、電子レンジでの加熱時 に直径5mm以上のピンホールの発生が認められた。
・ 密封性
○:蓋材の底材への密着状態は良好で、破袋の恐れがない。
△:一部で蓋材の底材への密着状態が不安定で、外部からの衝撃により破袋が生じる 恐れがある。
×:蓋材の密着が悪く、一部が剥離している。
n−ヘプタンによる溶出試験は、厚生省告示370号(食品、食品添加物等の規格基準第三器具及び容器包装Dによる。)に基づく衛生試験であり、溶出条件は多層フィルムの溶出面をn−ヘプタンに25℃で1時間接触、放置し、溶媒中の抽出残留物を測定するものである。食品衛生法に定める規格では、使用温度が100℃以上の試料にあっては、その量は30ppm以下でなければならないと定められている。
透明性成形した多層フィルムについて、JIS K−7015に準じ、曇価(Haze)を測定した。尚、単位は%である。
酸素ガス透過度をJIS K−7126に準じ、温度25℃、相対湿度65%RHの条件で測定した。測定値の単位はcm3 /m2 ・24hr・atmである。
(実施例1)
次の4種類の樹脂材料を用いて、4層構成の多層フィルム(順次、図3の層5〜9に相当)を製膜した。尚、層構成は最外層A/中間層B/中間層C/ヒートシール層Dの順に積層させた。
・最外層A:EVOH(株式会社クラレ社製、エバールSP295)密度1.13g/cm3 、メルトインデックス5.5g/10min(190℃測定)、融点163℃、エチレン含有量44モル%、延伸面積倍率20倍。
・中間層B:アイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、ハイミラン1601)密度0.940kg/m3 、MFR1.3g/10min(190℃測定)、融点97℃
・中間層C:エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、エバフレックスV5716RC)密度0.930kg/m3 、MFR2.6g/10min(190℃測定)、融点93℃、酢酸ビニル含有量10重量%
・ヒートシール層D:LLDPE(プライムポリマー社製、エボリューSP0540)密度0.903g/cm3 、MFR3.8g/10min(190℃測定)、融点98℃。
得られたフィルムの各層厚み(μm)は最外層より30/5/80/20の計135μmであった。
(実施例2)
層構成を下記の通りに変更する以外は、実施例1と同様の押出製膜法により次の5種類の樹脂材料を用いて、5層構成の多層フィルム(順次、図3の層5〜9に相当)を製膜した。尚、層構成は最外層A/接着材層E/中間層B/中間層C/ヒートシール層Dの順に積層させた。
・最外層A:EVOH(株式会社クラレ社製、エバールSP295)密度1.13g/cm3 、メルトインデックス5.5g/10min(190℃測定)、融点163℃、エチレン含有量44モル%、延伸面積倍率20倍。
・接着層E:酸変性L―LDPE(三井化学社製、アドマーNF528、密度0.906kg/m3 、MFR2.2g/10min(190℃測定)、融点120℃
・中間層B:アイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、ハイミラン1601)密度0.940kg/m3 、MFR1.3g/10min(190℃測定)、融点97℃
・中間層C:エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、エバフレックスV5716RC)密度0.930kg/m3 、MFR2.6g/10min(190℃測定)、融点93℃、酢酸ビニル含有量10重量%
・ヒートシール層D:LLDPE(プライムポリマー社製、エボリューSP0540)密度0.903g/cm3 、MFR3.8g/10min(190℃測定)、融点98℃。
得られたフィルムの各層厚み(μm)は最外層より20/10/10/20/20の計80μmであった。
(実施例3)
層構成を下記の通りに変更する以外は、実施例1と同様の押出製膜法により次の4種類の樹脂材料を用いて4層構成の多層フィルム(順次、図3の層5〜9に相当)を得た。尚、層構成は最外層A/中間層C/中間層B/ヒートシール層Dの順とした。
・最外層A:EVOH(株式会社クラレ社製、エバールSP295)密度1.13g/cm3 、メルトインデックス5.5g/10min(190℃測定)、融点163℃、エチレン含有量44モル%、延伸面積倍率20倍。
・接着層E:酸変性L―LDPE(三井化学社製、アドマーNF528、密度0.906kg/m3 、MFR2.2g/10min(190℃測定)、融点120℃
・中間層C:エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、エバフレックスV5716RC)密度0.930kg/m3 、MFR2.6g/10min(190℃測定)、融点93℃、酢酸ビニル含有量10重量%
・中間層B:アイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、ハイミラン1601)密度0.940kg/m3 、MFR1.3g/10min(190℃測定)、融点97℃
・ヒートシール層D:LLDPE(プライムポリマー社製、エボリューSP0540)密度0.903g/cm3 、MFR3.8g/10min(190℃測定)、融点98℃。
得られたフィルムの各層厚み(μm)は最外層より25/10/80/30/55の計200μmであった。
(実施例4)
層構成を下記の通りに変更する以外は、実施例1と同様の押出製膜法により次の5種類の樹脂材料を用いて、5層構成の多層フィルム(順次、図3の層5〜9に相当)を製膜した。尚、層構成は最外層A/接着材層E/中間層C/中間層B/ヒートシール層Dの順とした。
・最外層A:EVOH(株式会社クラレ社製、エバールSP451)密度1.18g/cm3 、メルトインデックス1.9g/10min(190℃測定)、融点182℃、エチレン含有量32モル%、延伸面積倍率16倍。
・接着層E:酸変性L―LDPE(三井化学社製、アドマーNF528、密度0.906kg/m3 、MFR2.2g/10min(190℃測定)、融点120℃
・中間層C:エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、エバフレックスV5714RC)密度0.940kg/m3 、MFR2.8g/10min(190℃測定)、融点89℃、酢酸ビニル含有量16重量%
・中間層B:アイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、ハイミラン1702)密度0.950kg/m3 、MFR16g/10min(190℃測定)、融点90℃
・ヒートシール層D:LLDPE(プライムポリマー社製、エボリューSP0510)密度0.903g/cm3 、MFR1.2g/10min(190℃測定)、融点98℃。
得られたフィルムの各層厚み(μm)は最外層より20/20/30/30/40の計140μmであった。
(実施例5)
層構成を下記の通りに変更する以外は、実施例1と同様の押出製膜法により次の4種類の樹脂材料を用いて、5層構成の多層フィルム(順次、図3の層5〜9に相当)を製膜した。尚、層構成は最外層A/中間層B/中間層C/接着材層E/ヒートシール層Dの順とした。
・最外層A:EVOH(株式会社クラレ社製、エバールSP482)密度1.16g/cm3 、メルトインデックス2.0g/10min(190℃測定)、融点181℃、エチレン含有量32モル%、、延伸面積倍率18倍。
・中間層B:アイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、ハイミラン1856)密度0.950kg/m3 、MFR1.0g/10min(190℃測定)、融点86℃
・中間層C:エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、エバフレックスV5274)密度0.940kg/m3 、MFR0.8g/10min(190℃測定)、融点89℃、酢酸ビニル含有量17重量%
・接着層E:酸変性L―LDPE(三井化学社製、アドマーNF528、密度0.906kg/m3 、MFR2.2g/10min(190℃測定)、融点120℃
・ヒートシール層D:LLDPE(プライムポリマー社製、エボリューSP0540)密度0.903g/cm3 、MFR3.8g/10min(190℃測定)、融点98℃。
得られたフィルムの各層厚み(μm)は最外層より5/80/80/30/60の計255μmであった。
(実施例6)
層構成を下記の通りに変更する以外は、実施例1と同様の押出製膜法により次の5種類の樹脂材料を用いて、5層構成の多層フィルム(順次、図3の層5〜9に相当)を製膜した。尚、層構成は最外層A/接着材層E/中間層B/中間層C/ヒートシール層Dの順とした。
・最外層A:EVOH(株式会社クラレ社製、エバールSP482)密度1.16g/cm3 、メルトインデックス2.0g/10min(190℃測定)、融点181℃、エチレン含有量32モル%、、延伸面積倍率18倍。
・接着層E:酸変性LLDPE(三井化学社製、アドマーNF528、密度0.906kg/m3 、MFR2.2g/10min(190℃測定)、融点120℃
・中間層B:アイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、ハイミラン1856)密度0.950kg/m3 、MFR1.0g/10min(190℃測定)、融点86℃
・中間層C:エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、エバフレックスV5274)密度0.940kg/m3 、MFR0.8g/10min(190℃測定)、融点89℃、酢酸ビニル含有量17重量%
・ヒートシール層D:LLDPE(プライムポリマー社製、エボリューSP0540)密度0.903g/cm3 、MFR3.8g/10min(190℃測定)、融点98℃。
得られたフィルムの各層厚み(μm)は最外層より5/10/80/80/80の計255μmであった。
(実施例7)
層構成を下記の通りに変更する以外は、実施例1と同様の押出製膜法により次の4種類の樹脂材料を用いて、5層構成の多層フィルム(順次、図3の層5〜9に相当)を得た。尚、層構成は最外層A/接着材層E/中間層C/中間層B/ヒートシール層Dの順とした。
・最外層A:EVOH(株式会社クラレ社製、エバールSP482)密度1.16g/cm3 、メルトインデックス2.0g/10min(190℃測定)、融点181℃、エチレン含有量32モル%、延伸面積倍率18倍。
・接着層E:酸変性LLDPE(三井化学社製、アドマーNF528、密度0.906kg/m3 、MFR2.2g/10min(190℃測定)、融点120℃
・中間層C:エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、エバフレックスV5274)密度0.940kg/m3 、MFR0.8g/10min(190℃測定)、融点89℃、酢酸ビニル含有量17重量%
・中間層B:アイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、ハイミラン1601)密度0.940kg/m3 、MFR1.3g/10min(190℃測定)、融点97℃
・ヒートシール層D:LLDPE(プライムポリマー社製、エボリューSP0540)密度0.903g/cm3 、MFR3.8g/10min(190℃測定)、融点98℃。
得られたフィルムの各層厚み(μm)は最外層より20/15/30/40/40の計145μmであった。
(実施例8)
層構成を下記の通りに変更する以外は、実施例1と同様の押出製膜法により次の5種類の樹脂材料を用いて、5層構成の多層フィルム(順次、図3の層5〜9に相当)を製膜した。尚、層構成は最外層A/接着材層E/中間層C/中間層B/ヒートシール層Dの順とした。
・最外層A:EVOH(株式会社クラレ社製、エバールSP434)密度1.16g/cm3 、メルトインデックス4.9g/10min(190℃測定)、融点181℃、エチレン含有量32モル%、延伸面積倍率16倍。
・接着層E:酸変性LLDPE(三井化学社製、アドマーNF528、密度0.906kg/m3 、MFR2.2g/10min(190℃測定)、融点120℃
・中間層C:エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、エバフレックスV961RC)密度0.930kg/m3 、MFR2.0g/10min(190℃測定)、融点103℃、酢酸ビニル含有量5重量%
・中間層B:アイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、ハイミラン1702)密度0.950kg/m3 、MFR16g/10min(190℃測定)、融点90℃
・ヒートシール層D:LLDPE(プライムポリマー社製、エボリューSP0510)密度0.903g/cm3 、MFR1.2g/10min(190℃測定)、融点98℃。
得られたフィルムの各層厚み(μm)は最外層より25/10/40/30/40の計145μmであった。
(実施例9)
層構成を下記の通りに変更する以外は、実施例1と同様の押出製膜法により次の5種類の樹脂材料を用いて、6層構成の多層フィルム(順次、図3の層5〜9に相当)を得た。尚、層構成は最外層A/接着材層E/中間層C/中間層B/接着材層E/ヒートシール層Dの順とした。
・最外層A:EVOH(株式会社クラレ社製、エバールSP451)密度1.18g/cm3 、メルトインデックス1.9g/10min(190℃測定)、融点182℃、エチレン含有量32モル%、延伸面積倍率16倍。
・接着層E:酸変性LLDPE(三井化学社製、アドマーNF528、密度0.906kg/m3 、MFR2.2g/10min(190℃測定)、融点120℃
・中間層C:エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、エバフレックスEV260)密度0.950kg/m3 、MFR6.0g/10min(190℃測定)、融点72℃、酢酸ビニル含有量28重量%
・中間層B:アイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、ハイミラン1702)密度0.950kg/m3 、MFR16g/10min(190℃測定)、融点90℃
・ヒートシール層D:LLDPE(プライムポリマー社製、エボリューSP0510)密度0.903g/cm3 、MFR1.2g/10min(190℃測定)、融点98℃。
得られたフィルムの各層厚み(μm)は最外層より30/20/5/5/20/80の計160μmであ
(実施例10)
層構成を下記の通りに変更する以外は、実施例1と同様の押出製膜法により次の5種類の樹脂材料を用いて、5層構成の多層フィルム(順次、図3の層5〜9に相当)を製膜した。尚、層構成は最外層A/接着材層E/中間層C/中間層B/ヒートシール層Dの順とした。
・最外層A:EVOH(株式会社クラレ社製、エバールSP434)密度1.16g/cm3 、メルトインデックス4.9g/10min(190℃測定)、融点181℃、エチレン含有量32モル%、延伸面積倍率16倍。
・接着層E:酸変性LLDPE(三井化学社製、アドマーNF528、密度0.906kg/m3 、MFR2.2g/10min(190℃測定)、融点120℃
・中間層C:エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、エバフレックスEV260)密度0.950kg/m3 、MFR6.0g/10min(190℃測定)、融点72℃、酢酸ビニル含有量28重量%
・中間層B:アイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、ハイミラン1702)密度0.950kg/m3 、MFR16g/10min(190℃測定)、融点90℃
・ヒートシール層D:LLDPE(プライムポリマー社製、エボリューSP0510)密度0.903g/cm3 、MFR1.2g/10min(190℃測定)、融点98℃。
得られたフィルムの各層厚み(μm)は最外層より10/10/5/70/40の計135μmであった。
(比較例1)
実施例1の最外層AをEVOH(株式会社クラレ社製、エバールF101)密度1.19g/cm3 、メルトインデックス1.3g/10min(190℃測定)、融点183℃、エチレン含有量32モル%、延伸面積倍率4倍とした以外は同一の構成とした。
その結果、EVOHの延伸面積倍率が小さい為、スキンパック包装時にピンホールの発生が認められ、スキンパック性に優れなかった。
(比較例2)
実施例2の中間層Cをエチレンー酢酸ビニル共重合樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、エバフレックスEV170)密度0.960kg/m3 、MFR1.0g/10min(190℃測定)、融点62℃、酢酸ビニル含有量33重量%とした以外は同一の構成とした。
その結果、エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂の酢酸ビニル含有量が30重量%を超えた為、n−ヘプタンの抽出残留物が35ppmとなり、食品衛生法の規格に不適合となった。
(比較例3)
実施例3のヒートシール層DをLLDPE(日本ポリエチレン社製、ノバテックLL UJ960)密度0.935g/cm3 、MFR5.0g/10min(190℃測定)、融点126℃とした以外は同一の構成とした。
その結果、スキンパック包装時の底材とのシール性が良好でなく、密封性が不十分であった。また、内容物への蓋材の追従性も不十分であった。
(比較例4)
実施例4の最外層A:EVOH(株式会社クラレ社製、エバールSP451)密度1.18g/cm3 、メルトインデックス1.9g/10min(190℃測定)、融点182℃、エチレン含有量32モル%、延伸面積倍率16倍の厚みを60μとした以外は同一の構成とした。
得られたフィルムの各層厚み(μm)は最外層より60/20/30/30/40の計180μmであった。
その結果、酸素遮蔽性は良好であったものの、EVOH樹脂層が所定の厚みよりも厚く設定された為、スキンパック包装時の型追従性が不十分であった。
(比較例5)
実施例5のヒートシール層D、LLDPE(プライムポリマー社製、エボリューSP0540)密度0.903g/cm3 、MFR3.8g/10min(190℃測定)、融点98℃の厚みを120μに変更した同一の構成とした。
得られたフィルムの各層厚み(μm)は最外層より5/80/80/30/120の計315μmであった。
その結果、耐熱性は良好であったものの、LLDPE樹脂層が所定の厚みよりも厚く設定された為、スキンパック包装時の型追従性が不十分であった。
(比較例6)
実施例6のヒートシール層D:LLDPE(プライムポリマー社製、エボリューSP0540)密度0.903g/cm3 、MFR3.8g/10min(190℃測定)、融点98℃の厚みを2μとした以外は同一の構成とした。
得られたフィルムの各層厚み(μm)は最外層より5/10/80/80/2の計177μmであった。
その結果、耐熱性は良好であったものの、LLDPE樹脂層が所定の厚みよりも薄く設定された為、スキンパック包装時のシール性が不十分であった。
(比較例7)
実施例7の最外層A:EVOH(株式会社クラレ社製、エバールSP482)密度1.16g/cm3 、メルトインデックス2.0g/10min(190℃測定)、融点181℃、エチレン含有量32モル%、延伸面積倍率18倍の厚みを3μとした以外は同一の構成とした。
得られたフィルムの各層厚み(μm)は最外層より3/15/30/40/40の計128μmであった。
その結果、酸素遮蔽性は良好であったものの、EVOH樹脂層が所定の厚みよりも厚く設定された為、スキンパック包装時の型追従性が不十分であった。
上記の各実施例および比較例で得られた多層フィルムについて、物性を評価した結果をそれぞれ表1および表2にまとめて示す。表1および2に示す結果より以下のことが判明した。
Figure 0005034237
Figure 0005034237
実施例1〜10の多層フィルムを用いて包装体を製造することにより、スキンパック性、耐熱性、衛生性及び、透明性に良好なスキンパック包装体を得ることができた。
本発明の多層フィルムは、その多層フィルムをスキンパック包装体に使用することでスキンパック性、耐熱性、衛生性及び、透明性に良好な包装体を得ることができる。従来の深絞り包装体に比べて皺の発生がなく見栄えの良好な商品を提案できる。
本発明のスキンパック包装体の実施形態を示す図。 本発明のスキンパック包装体の別の実施形態を示す図。 本発明の多層フィルムの層構成の一例を示す図。 本発明の多層フィルムの層構成の一例を示す図。
符号の説明
1 スキンパック蓋材フィルム
2 スキンパック底材フィルム
3 内容物(固形物)
4 スキンパック蓋材フィルム
5 スキンパック底材トレー
6 内容物(固形物)
7 内容物(液状物)
8 最外層(A)
9 接着層(E)
10 中間層(B)
11 中間層(C)
12 接着層(E)
13 最内層(D)
14 ポリプロピレン樹脂層
15 接着層
16 EVOH樹脂層
17 接着層
18 エチレン系樹脂層若しくは、ポリプロピレン樹脂層

Claims (2)

  1. 酸素ガスバリア性樹脂からなり厚みが5〜30μmである最外層(A)、
    アイオノマー樹脂からなり厚みが5〜80μmである中間層(B)、
    エチレンー酢酸ビニル共重合体からなり厚みが5〜80μmである中間層(C)、
    エチレン系ヒートシール性樹脂からなり厚みが5〜80μmである最内層(D)が順次積層されることで構成され、必要に応じて前記各層間に接着層を有するスキンパック包装用多層フィルムであって、
    前記酸素ガスバリア性樹脂からなる最外層(A)が、エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物よりなり、且つ、これに共重合されるエチレン含量が32モルから44モルの間にあり、且つ、延伸面積倍率が10倍以上であり、
    前記エチレンー酢酸ビニル共重合体よりなる中間層(C)は、酢酸ビニル濃度が5〜30重量%にあり、
    前記エチレン系ヒートシール性樹脂からなる最内層(D)が、JIS K7112に定める方法により測定された密度が0.890以上0.910以下の範囲にあり、JIS K7206に定める方法により測定されたビカット軟化点が90℃以下である直鎖状低密度ポリエチレンであるスキンパック包装用多層フィルム。
  2. 請求項1記載のスキンパック包装用多層フィルムを用いて構成されるスキンパック包装用蓋材。
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