JP2001129947A - 保護フィルムおよびこれを用いた被覆物 - Google Patents

保護フィルムおよびこれを用いた被覆物

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JP2001129947A
JP2001129947A JP31158199A JP31158199A JP2001129947A JP 2001129947 A JP2001129947 A JP 2001129947A JP 31158199 A JP31158199 A JP 31158199A JP 31158199 A JP31158199 A JP 31158199A JP 2001129947 A JP2001129947 A JP 2001129947A
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Fumio Saito
文男 斎藤
Toyoyasu Sato
豊保 佐藤
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Toyo Heisei KK
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Heisei Polymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 臭気がなく、優れた耐ブロッキング性が持続
し、かつ、低温でのヒートシール性に特に優れた保護フ
ィルムおよびこれを用いた被覆物を提供する。 【解決手段】 融着層10aと非融着層10bを有し、
融着層10aが熱融着して保護対象物11の少なくとも
一部分を被覆する保護フィルム10において、融着層1
0aは、密度が0.91g/cm3 以下の直鎖状低密度
ポリエチレンからなる。直鎖状低密度ポリエチレンのJ
IS K 7206によるビカット軟化点は、85℃以
下であり、JIS K 6760によるメルトフローレ
ート(MFR)は、10g/10分以上であることが望
ましい。このような保護フィルム10が、保護対象物1
0の表面の少なくとも一部に熱融着されている被覆物お
よび保護フィルム10の周縁部の熱融着により、保護対
象物11が保護フィルムで密封されている被覆物であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種書類、写真、
IDカード等の表面を被覆するための保護フィルムおよ
びこれを用いた被覆物に関し、特に低温でのヒートシー
ル性が優れたものに関する。
【0002】
【従来の技術】各種書類、写真、個人を特定するIDカ
ード、飲食店で使用されるメニューカード、広告紙、カ
レンダー、ポスター等は、これらの表面を保護するため
の保護フィルムで被覆されている場合があり、パウチフ
ィルムやカードラップ等として知られている。保護フィ
ルムとしては、複数の樹脂層からなるラミネートフィル
ムが使用されることが多く、例えば、透明性と強度を有
するポリエチレンテレフタレート(PET)からなる非
融着層と、比較的低温で熱融着性を有するエチレン−ア
クリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)、エチレン−メタクリル酸共重
合体(EMAA)等からなる融着層とを有するラミネー
トフィルムが挙げられる。このラミネートフィルムの非
融着層と融着層の間には、加工性を向上させるために、
必要に応じて低密度ポリエチレン(LDPE)等からな
る中間層が設けられる場合もある。
【0003】保護フィルムは、保護対象物表面の特定の
一部分に熱融着されて、その部分を保護する場合や、保
護対象物の表面全体に熱融着されて表面全体を保護する
場合がある。また、例えば、保護対象物が写真等のシー
ト状の形状を有する場合等は、保護フィルムで保護対象
物を挟み、保護フィルムの周縁部を融着しろとして熱融
着させて保護対象物を保護フィルムで密封する場合等も
ある。熱融着には、通常、保護フィルム全体を加熱する
熱ロールや、保護フィルムの周縁部等を部分的に加熱す
るシーラ(溶封機)等が使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、保護フ
ィルムの融着層にEEA、EVA、EMAA等を使用す
ると、熱融着させるためには少なくとも100℃以上の
温度に加熱する必要があり、低温でのヒートシール性が
十分ではなかった。また、熱によって、変質、変形、変
色等が起こりやすい保護対象物には使用できなかった。
また、EEA、EVA、EMAA等はブロッキングしや
すいという欠点があり、そのため、これらにはスリップ
剤等の添加剤を配合し、耐ブロッキング性を向上させて
使用していた。しかし、添加剤を配合すると添加剤が経
時的にブリードアウトして、フィルムの表面性状が変化
しやすいという問題があった。さらに、EEA、EV
A、EMAAは共重合体であるため、コモノマー量によ
って性能が変化し、一定の性能を有するEEA、EV
A、EMAAを安定に生産することが難しかった。加え
て、これらには特有の臭気があり、その用途が限定され
るという問題もあった。さらに、これらは高価であり、
コストダウンの妨げとなるものであった。
【0005】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、臭気がなく、優れた耐ブロッキング性が持続し、経
時変化が少なく、かつ、低温でのヒートシール性に特に
優れた保護フィルムおよびこれを用いた被覆物を提供す
ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の保護フィルム
は、融着層と非融着層を有し、融着層が熱融着して保護
対象物の少なくとも一部分を保護する保護フィルムにお
いて、融着層は、密度が0.91g/cm3 以下の直鎖
状低密度ポリエチレンからなることを特徴とする。上記
直鎖状低密度ポリエチレンのJIS K 7206によ
るビカット軟化点は、85℃以下であることが好まし
い。上記直鎖状低密度ポリエチレンのJIS K 67
60によるメルトフローレート(MFR)は、10g/
10分以上であることが好ましい。上記非融着層は、ポ
リエチレンテレフタレートからなることが好ましい。上
記保護フィルムは、融着層と非融着層の間に中間層を有
し、中間層が低密度ポリエチレン層を有することが好ま
しい。本発明の被覆物は、上記の保護フィルムが、保護
対象物の少なくとも一部分に熱融着されていることを特
徴とする。上記保護対象物がシート状である場合、上記
の保護フィルムが、保護対象物の両面に熱融着されてい
てもよい。また、本発明の被覆物は、保護フィルム周縁
部の熱融着により、保護対象物を保護フィルムで密封し
たものとすることもできる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して詳
しく説明する。図1は、IDカード、写真等のようなシ
ート状の保護対象物11の両面に保護フィルム10が設
けられた際の一形態を示す断面図である。保護フィルム
10の融着層10aは、直鎖状低密度ポリエチレン(L
LDPE)からなり、非融着層10bは、ポリエチレン
テレフタレート(PET)からなる。保護フィルム10
は、保護対象物11の表面の少なくとも一部に設けら
れ、保護対象物11の表面を傷や水分等から保護するた
めのものであり、図1のようにシート状の保護対象物1
1の両面に設けられる以外に、片面のみに設けられて
も、片面の一部分に設けられてもよい。保護対象物11
としては、例えば、各種書類、写真、個人を特定する免
許証等のIDカード、飲食店で使用されるメニューカー
ド、広告紙等のシート形状を有するものが挙げられる
が、立体形状を有するものでもよく、特に制限はない。
【0008】融着層10aをなすLLDPEには、通
常、密度が0.91g/cm3 以下のLLDPEが使用
され、好ましくは0.90g/cm3 以下のLLDPE
が使用される。このような密度を有するLLDPEは、
低温でのヒートシール性に優れ、80〜90℃程度の低
温で熱融着した場合にも強固に熱融着し、剥離しにく
い。また、耐ブロッキング性に優れ、ステアリン酸アミ
ド、エルカ酸アミド等のスリップ剤を配合しなくてもブ
ロッキングしにくい。そのため、スリップ剤等の添加剤
を配合した際に起こる、添加剤の経時的なブリードアウ
トによるフィルムの表面性状の変化がなく好ましい。一
方、密度が0.91g/cm3 を超えると、軟化点や融
点が高く、低温でのヒートシール性が十分ではない。そ
のため、熱融着時には高温で加熱する必要が生じ、保護
対象物11の熱による変形、変質、変色等を招く場合が
ある。
【0009】また、LLDPEは、JIS K 720
6によるビカット軟化点が、通常85℃以下、好ましく
は75℃以下、さらに好ましくは55℃以下である。ビ
カット軟化点が85℃を超える場合は、熱融着時の低温
でのヒートシール性が不十分となる場合がある。さら
に、LLDPEは、JIS K 6760によるメルト
フローレート(MFR)が、通常10g/10分以上、
好ましくは15g/10分以上、さらに好ましくは20
g/10分以上である。このようなMFRを有すると、
保護フィルム10を製造する際の加工性が優れ好まし
い。
【0010】以上の特性を有するLLDPEは、例え
ば、シングルサイトのメタロセン触媒を使用し、エチレ
ンとα−オレフィンを原料モノマーとしてイオン重合す
ることによって得られる。重合条件は、重合圧力が80
0〜1300kg/cm2 、反応温度は150〜260
℃である。シングルサイトのメタロセン触媒を使用する
と、LLDPEの分子量分布や結晶性分布の幅を狭く制
御でき、所望の特性を有するLLDPEを得ることがで
きる。
【0011】保護フィルム10の非融着層10bには、
ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく使用
される。PETは透明性に優れているため、保護対象物
11の表面の文字、画像等の情報や、意匠に悪影響を与
えることがない。また、強度に優れているために傷がつ
きにくく、耐熱性に優れているために熱融着時に変形し
にくい。PET以外には、ポリエチレンナフタレート
(PEN)、アラミド、ポリカーボネート(PC)、ポ
リイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等
の樹脂を使用してもよい。
【0012】融着層10aをなすLLDPEと、非融着
層10bをなすPETとの間には、加工性等を高めるた
めに、図2に示すように、低密度ポリエチレン(LDP
E)等の樹脂からなる中間層10cを適宜設けてもよ
い。LDPEを中間層10cとして設けると、加工性等
を高めたり、コストダウンを図り経済性を高めることが
できるため好ましい。また、これらの層間の接着性を高
めるために、適宜アンカーコート(AC)剤を使用して
も良い。AC剤としては、公知の水溶液系、有機溶剤
系、エマルジョン系のものを使用できる。
【0013】保護フィルム10は、公知のグルーラミネ
ーション法、押出しラミネーション法等で製造され、そ
の膜厚は通常20〜200μm程度である。そのうち、
融着層10aをなすLLDPEの厚さは、通常10〜5
0μm、非融着層10bをなすPET等の厚さは、通常
10〜100μmであり、中間層10cを設ける場合、
その厚さは必要に応じて適宜設定でき、通常10〜50
μm程度である。
【0014】保護フィルム10は、保護対象物11の種
類や用途に応じて、保護対象物11の表面の少なくとも
一部分に設けられる。図3〜6は、保護フィルム10が
保護対象物11の表面に設けられた被覆物20の形態を
示す斜視図である。例えば、保護対象物11がシート状
の形状を有するIDカード等の場合には、図3に示すよ
うに、保護対象物11の両面全体に保護フィルム10が
熱融着されていてもよいし、図4に示すように、片面の
みに熱融着されていてもよい。また、図5に示すよう
に、個人の顔写真等の画像情報が印刷されている部分の
みを保護するように、保護対象物11の一部分にのみ熱
融着されていてもよい。さらに、特に保護対象物11が
紙のように、吸水性を有し、剥離し易いものである場合
等には、保護対象物11の端部の断面から水分が侵入し
たり、保護対象物11が層間剥離したりするのを防ぐた
めに、図6に示すように、保護対象物11の表面積より
も大きな面積を有する保護フィルム10を保護対象物1
1の両面に設けて、保護対象物11を挟み、保護フィル
ム10の周縁部10dを融着しろとして熱融着させて、
保護対象物11を保護フィルム10で密封することが好
ましい。この場合、保護フィルム10は保護対象物11
にも熱融着していることが好ましいが、必ずしも保護対
象物11と熱融着していることは必要ではなく、少なく
とも保護フィルム11の周縁部10dが熱融着してい
て、保護対象物11が保護フィルム10で密封されてい
ればよい。
【0015】保護対象物11の形状はシート状に限定さ
れず、立体的な形状を有するものであってもよい。例え
ば、食品、医薬品、玩具、建材等でもよい。この場合に
も、保護フィルム10は保護対象物11の一部分にのみ
熱融着されていてもよい。また、必ずしも保護対象物1
1に熱融着していなくてもよく、少なくとも保護フィル
ム11の周縁部10dが熱融着していて、保護対象物1
1が保護フィルム10で密封されていればよい。よっ
て、例えば、保護対象物11が携帯用食品等であって、
携帯時には水分や湿気の侵入を防ぐため保護フィルムで
密封されることが必要であるが、後には保護フィルム1
0を除去して中の保護対象物11を取り出す必要がある
場合等にも、保護対象物11である携帯用食品と保護フ
ィルム10が熱融着しておらず、また、熱融着も低温で
行うことができるので、食品の品質に影響を与えず、安
全である。
【0016】保護フィルム10を熱融着する方法は、保
護対象物11の種類や用途によるが、保護対象物11が
シート状の形状を有する場合には、保護フィルム10を
その融着層10aが保護対象物11に接するように保護
対象物11に接触させて、熱ロール等で加熱、加圧して
熱融着する方法が挙げられる。また、保護対象物11が
立体的な形状を有する場合や、保護対象物11がシート
状の形状であっても保護フィルム11の周縁部10dの
みを熱融着させる場合には、シーラを使用して熱融着す
る方法が挙げられる。熱融着に必要な温度は、80〜1
40℃である。80℃未満では、熱融着が十分に進行せ
ず、剥離強さが不十分となる場合があり、140℃を超
えると、保護対象物11の変質、変形、変色等を招く場
合がある。また、熱ロールを使用する場合、熱融着速度
は0.1〜1.5m/minである。
【0017】このような保護フィルム10は、その融着
層10aが、密度が0.91g/cm3 以下のLLDP
Eからなるので、低温でのヒートシール性に優れ、熱融
着温度が低温の場合でも強固に熱融着できる。そのた
め、熱による変質、変形、変色が起こりやすい保護対象
物11を保護する場合にも、保護対象物11に悪影響を
与えずにその表面を保護することができ、従来、保護フ
ィルム10の熱融着による被覆が難しかった保護対象物
11にも適用できる。このような保護フィルム10は、
特に、各種書類、写真、個人を特定するIDカード、飲
食店で使用されるメニューカード、広告紙等のシート状
の形状を有する保護対象物11に最適である。また、こ
のLLDPEは、添加剤を配合しなくても耐ブロッキン
グ性に優れるため、添加剤がブリードアウトすることに
よるフィルムの表面性状の経時変化がなく、耐ブロッキ
ング性が長期間持続する。さらに、LLDPEには特有
の臭気がない。そのため保護フィルム10としての使用
範囲が広く、食品等への適用も可能である。このような
保護フィルム10が設けられた被覆物20は、保護フィ
ルム10によってその表面が傷や水分等から保護される
とともに、ヒートシール性に優れた保護フィルム10で
保護されているため、保護フィルム10が剥がれにく
く、その効果が持続する。
【0018】以下、本発明を実施例を用いて具体的に説
明する。 [実施例1]密度が0.888g/cm3 、JIS K
7206によるビカット軟化点が52℃、JIS K
6760によるメルトフロレートが20g/10分で
ある厚さ25μmのLLDPEを融着層とし、厚さ50
μmのPETを非融着層とし、これらの間に厚さ25μ
mのLDPEが中間層として設けられたラミネートフィ
ルムを製造し、保護フィルムを得た。このフィルム
は、PETにAC剤(東洋モートン製 AD335)を
使用してLDPEとLLDPEをタンデム押出ラミネー
ション法で積層させて得た。なお、LLDPEにはスリ
ップ剤は配合されていない。
【0019】[比較例1]LLDPEのかわりに、EE
A(EA含有量:9〜10%)を使用して融着層とした
以外は実施例1と同様にして、保護フィルムを得た。
なお、EEAにはスリップ剤(ステアリン酸アミド)が
配合されている。
【0020】[比較例2]LLDPEのかわりに、EV
A(VA含有量:9〜10%)を使用して融着層とした
以外は実施例1と同様にして、保護フィルムを得た。
なお、EVAにはスリップ剤(エルカ酸アミド)が配合
されている。
【0021】[試験例1]上記実施例および比較例で得
られた保護フィルム〜を、その融着層が保護対象物
と接するように保護対象物の両面に配し、熱ロールを用
いて以下の条件で熱融着した。保護対象物としては、カ
タログ紙と写真紙を使用した。 ・熱ロール Nakabayashi製 NCL PACKLAMI Pro PLP-325 ・熱ロール温度 115℃ 125℃ ・熱融着速度 0.6m/min こうして得られた、保護フィルムが両面に熱融着された
カタログ紙、写真紙を試験体として剥離試験を行った。
また、保護対象物を使用せずに2枚の保護フィルムを、
その融着層同士が接するように上記条件で熱融着したも
のも試験体として同様に剥離試験を行った。剥離試験に
は、幅15mmの短冊状にカットした試験体を使用し
た。この試験体の一端から保護フィルムを剥がし、保護
対象物に対して180°折り返して、引張速度100m
m/minで剥離させた。剥離時の荷重を剥離強さとし
て表1〜2に示す。また、保護対象物を使用せずに2枚
の保護フィルムを、その融着層同士が接するように上記
条件で熱融着したものについては、透明性も評価した。
透明性は次式で表されるヘイズ値(%)で表1〜2に示
す。 (Td/Tt)×100 (式中、Tdは散乱光線透過率、Ttは全光線透過率であ
る。)
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】表1〜2から明らかなように、実施例1で
得られた保護フィルムは、低温で熱融着した場合の剥
離強さに特に優れていた。また、透明性にも優れてい
た。
【0025】[試験例2]実施例および比較例で得られ
た保護フィルム〜を使用して以下の試験を行った。
保護フィルム2枚を、その融着層同士が接するようにし
てシールバーで加圧、加熱して熱融着した。これを試験
体として試験例1と同様に剥離試験を行った。剥離強さ
を表3に示す。表3中、剥離強さの単位は(gf/15
mm)である。 ・熱融着条件 2.0(kg/cm2)×1.0(s
ec)70〜160℃
【0026】
【表3】 表3から明らかなように、実施例1で得られた保護フィ
ルムは剥離強さに優れていて、熱融着温度が90℃の
場合にも、十分な剥離強さを有していた。一方比較例で
得られた保護フィルムおよびでは、剥離強さを20
00gf/15mm以上とするためには、100℃以上
に加熱して熱融着しなければならなかった。
【0027】[試験例3]実施例および比較例で得られ
た保護フィルム〜を使用して以下の試験を行った。
保護フィルム2枚をA4版サイズに断裁し、その融着層
同士が接するようにして重ね、片端を1mm幅で熱融着
した。ついでこれを100束重ね、その上に5kgの荷
重を加え、温度40℃、湿度80%のオーブン中に保持
し、一週間ごとのブロッキング状況を観察した。結果を
表4に示す。
【0028】
【表4】 表中、記号は以下を示す。 ○:ブロッキングなし △:若干ブロッキングしている ×:ブロッキングしている
【0029】表4から明らかなように、実施例1で得ら
れた保護フィルムは28日後においてもブロッキング
がなく、スリップ剤を配合しなくても優れた耐ブロッキ
ング性を発揮した。
【0030】[試験例4]実施例および比較例で得られ
た保護フィルム〜を使用して以下の試験を行った。
保護フィルム2枚をA4版サイズに断裁し、その融着層
同士が接するようにして重ね、片端を1mm幅で熱融着
した。ついでこれを100束重ね、温度40℃、湿度8
0%のオーブン中に保持し、一週間後の融着層面の臭気
について官能試験を行った。結果を表5に示す。
【0031】
【表5】 表中、記号は以下を示す。 ○:ほとんど臭気が感じられない ×1:EEA特有のリンゴ臭がかなり感じられる ×2:EVA特有の酢酸臭がかなり感じられる 表5から明らかなように、実施例1で得られた保護フィ
ルムはほとんど臭気が感じられなかった。
【0032】[試験例5]実施例および比較例で得られ
た保護フィルム〜を使用して以下の試験を行った。
保護フィルムをA4版サイズに断裁し、融着層をコロナ
放電処理した後、温度40℃、湿度80%のオーブン中
に保持し、一週間ごとの融着層のぬれを評価し、ぬれ指
数を求めた。なお、ぬれの評価は、JIS K 676
8の「ポリエチレン及びポリプロピレンフィルムのぬれ
試験方法」に準じて行った。表6にぬれ指数を示す。
【0033】
【表6】 表6から明らかなように、実施例1で得られた保護フィ
ルムは表面性状の経時的変化がほとんどなかった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明の保護フィル
ムは、低温でのヒートシール性に優れ、熱融着温度が低
温の場合でも強固に熱融着できる。そのため、熱による
変質、変形、変色が起こりやすい保護対象物を保護する
場合にも、保護対象物に悪影響を与えずにその表面を保
護することができ、従来、保護フィルムの熱融着による
被覆が難しかった保護対象物にも適用できる。このよう
な保護フィルムは、特に、各種書類、写真、個人を特定
するIDカード、飲食店で使用されるメニューカード、
広告紙等のシート状の形状を有する保護対象物に最適で
ある。また、保護フィルムに使用したLLDPEは、添
加剤を配合しなくても耐ブロッキング性に優れるため、
添加剤がブリードアウトすることによるフィルムの表面
性状の経時変化がなく、耐ブロッキング性が長期間持続
する。さらに、LLDPEには特有の臭気がない。その
ため保護フィルムとしての使用範囲が広く、食品等への
適用も可能である。本発明の保護フィルムが設けられた
被覆物は、保護フィルムによってその表面が傷や水分等
から保護されるとともに、ヒートシール性に優れた保護
フィルムで保護されているため、保護フィルムが剥がれ
にくく、その効果が持続する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 保護フィルムが熱融着された一形態を示す断
面図である。
【図2】 保護フィルムが熱融着された他の形態を示す
断面図である。
【図3】 保護対象物の両面に保護フィルムが熱融着さ
れた被覆物の一形態を示す斜視図である。
【図4】 保護対象物の片面に保護フィルムが熱融着さ
れた被覆物の
【図5】 保護対象物の片面の一部に保護フィルムが熱
融着された被覆物の一形態を示す斜視図である。
【図6】 保護フィルムの周縁部の熱融着により、保護
対象物が密封された被覆物の一形態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
10…保護フィルム、10a…融着層、10b…非融着
層、10c…中間層、10d…周縁部、11…保護対象
物、20…被覆物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01B AK06C AK42B AK63A BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B EC03A GB90 JA04A JA06A JA13A JK06 JL00 JL01 JL12 YY00A 4J002 BB03W BB03Y BH00 CF06X

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融着層と非融着層を有し、融着層が熱融
    着して保護対象物の少なくとも一部分を被覆する保護フ
    ィルムにおいて、 融着層は、密度が0.91g/cm3 以下の直鎖状低密
    度ポリエチレンからなることを特徴とする保護フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 直鎖状低密度ポリエチレンのJIS K
    7206によるビカット軟化点は、85℃以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の保護フィルム。
  3. 【請求項3】 直鎖状低密度ポリエチレンのJIS K
    6760によるメルトフローレート(MFR)は、1
    0g/10分以上であることを特徴とする請求項1また
    は2の保護フィルム。
  4. 【請求項4】 非融着層は、ポリエチレンテレフタレー
    トからなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の保護フィルム。
  5. 【請求項5】 融着層と非融着層の間に中間層を有し、
    中間層が低密度ポリエチレン層を有することを特徴とす
    る請求項1ないし4のいずれかに記載の保護フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の保
    護フィルムが、保護対象物の表面の少なくとも一部分に
    熱融着されていることを特徴とする被覆物。
  7. 【請求項7】 保護対象物は、シート状の形状を有する
    ことを特徴とする請求項6の被覆物。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし5のいずれかに記載の保
    護フィルムが、保護対象物の両面に熱融着されているこ
    とを特徴とする請求項7の被覆物。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし5のいずれかに記載の保
    護フィルムで、保護対象物の表面が被覆された被覆物で
    あり、 保護フィルムの周縁部の熱融着により、保護対象物が保
    護フィルムで密封されていることを特徴とする被覆物。
  10. 【請求項10】 保護対象物は、シート状の形状を有す
    ることを特徴とする請求項9に記載の被覆物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003012870A (ja) * 2001-06-26 2003-01-15 Central Glass Co Ltd 車輌用の窓枠体
JP2007190876A (ja) * 2006-01-23 2007-08-02 Sumitomo Bakelite Co Ltd 多層フィルム

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