JP2000128112A - 軟質多層フィルム - Google Patents

軟質多層フィルム

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JP2000128112A
JP2000128112A JP10321398A JP32139898A JP2000128112A JP 2000128112 A JP2000128112 A JP 2000128112A JP 10321398 A JP10321398 A JP 10321398A JP 32139898 A JP32139898 A JP 32139898A JP 2000128112 A JP2000128112 A JP 2000128112A
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layer
film
ethylene
multilayer film
resin
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JP10321398A
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Takeo Omori
武雄 大森
Takeo Azuma
健夫 東
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Kureha Corp
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Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、光沢、酸素ガスバリア性および耐衝
撃性に優れ、且つスキンパック包装時に外観に優れる包
装体を与え得る、軟質多層フィルムを提供する。 【解決手段】 ガスバリア性樹脂からなる最外層
(a)、ポリプロピレン系樹脂に加え10−70重量%
の熱可塑性エラストマーを含む組成物からなる芯層
(b)、エチレン系(共)重合体等のヒートシール性樹
脂からなる最内層(c)および必要に応じて前記各層間
に接着層を有する多層フィルムを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装用多層フィル
ムに関し、さらに詳しくは、光沢、透明性、シワの発生
等がない外観が良好であり、酸素ガスバリア性を有する
真空包装体を与える軟質多層フィルム、なかでも食品包
装に適したスキンパック包装用軟質多層フィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、食品包装の分野において、外観の
良い包装形態が好まれるようになっている。このような
包装形態の中に、絞り包装、例えば、スキンパック包
装、深絞り包装がある。これらは、透明な包装用フィル
ムにより被包装体が真空密着包装され、包装にしわが生
じないため、例えば、ベーコン、ソーセージ、ハム、食
肉、チーズなどの食品類の包装に汎用されている。
【0003】基本的な態様によれば、スキンパック包装
は、図1に示すように、相対的に剛性ないし機械的強度
の高い底材(ベースフィルム)1と、必要に応じて絞り
成形した加熱軟化性のフィルム(蓋材)2の間に、印刷
した台紙3および各種食品等の被包装体ないし内容物4
を置き、フィルム1および2間を脱気して蓋材フィルム
2を被包装体4の形状に沿って密着させるとともに、周
辺部の蓋材2と底材1をヒートシールすることによりス
キンパック包装体が形成される。例えば食品包装の場
合、台紙3の図示下面には、製造会社名、製造年月日、
調理例の文章や写真等がカラー印刷されることが多い。
また図2に示すように台紙3は除くこともあり、この場
合は、底材1の被包装体4側の内面もしくは逆側の外面
あるいは内層に印刷を施すことが多い。
【0004】スキンパック包装法の一具体例としては、
加熱真空包装法(特公昭57−23607号公報)があ
る。同じく図1および図2を参照して、この加熱真空包
装法では、真空孔とヒーターを備えた真空金型(すな
わち、真空孔を有する凹型の熱板を備えたチャンバー)
によりフタ材(スキンフィルム)2を予備的に絞り成形
し、一方、その成形により形成された凹所部分と合わ
せられる底材(ベースフィルム)1上に被包装体4(お
よび台紙3)を載せ、該絞り成形されたスキンフィルム
2を冷却することなく、加熱軟化した状態を維持したま
まで、その凹所の周辺部PFとベースフィルム1とを合
わせて被包装物を覆い、凹所を真空に引くとともに、
真空金型と絞り成形されたスキンフィルム2との間の気
圧を常温に戻すことにより、スキンフィルム2を被包装
体4の形状に沿って密着させ、同時に被包装物周辺部
PFのスキンフィルム(フタ材)2とベースフィルム
(底材)1をヒートシールしている。
【0005】上記のスキンパック包装は、予備成形され
たスキンフィルムを加熱軟化した状態で被包装物に密着
させる点で、一般的な絞り包装とは異なる。すなわち、
絞り包装では予めフィルムを金型で所定形状の容器に成
形しておき、次に被包装物を該容器に充填した後、真空
に密閉する。この絞り成形方法では、容器と被包装物と
の間に空隙が残りやすく、これが液汁分離の原因となっ
たり、しわ等の発生で外観を損ねたり、腐敗の原因とな
る等の問題を生じる。また、この方法では、容器の形状
を被包装物の形状に合わせる必要がある。これに対し
て、上記スキンパック包装で使用するフィルムは、真空
金型で予備的に絞り成形されるが、加熱軟化した状態を
維持したままで、被包装物にかぶせられ、その柔軟性、
弾性回復性により被包装物に追随、密着する。但し、上
記のスキンパック包装法にも、種々の変形があり、例え
ば、絞り成形により成形されたスキンフィルムの凹所に
ソーセージなどの被包装体を充填する方法もある。ま
た、蓋材と底材シール法としても、ヒートシール法以外
に接着剤によるシール法なども用いられる。
【0006】スキンパック包装によれば、スキンフィル
ムと被包装物を均一に密着できるのみならず、例えば、
スライスしたベーコンをずらして並べたものなど、被包
装物の形状が規格化されていない場合でも包装可能であ
る。ただし、柔軟性、弾性回復性が小さいと、絞り成形
される蓋材フィルムは被包装物より十分大きいため、余
剰部分がしわとなり生じる。また、柔軟性がなく剛性が
大きい場合、底材の剛性も大きいため、輸送中にスキン
パック品同士が接触した際に、パック品のコーナーで他
パック品を傷つけることがあり、パック外観や内容物の
品質を劣化させることがある。
【0007】上記のスキンパック包装で使用するスキン
フィルム(蓋材フィルム)には、柔軟性、高温の成形温
度で十分な弾性回復性を有することをはじめ、以下に述
べるような物性を有することが要求される。まず、第一
にスキンフィルムには、真空金型で絞り成形する際に、
加熱された真空金型に融着せず、また成形する際に特に
金型コーナーの曲線等で局部的に伸び、極薄部分が包装
体でのピンホールの原因にならない程度の耐熱性が要求
される。第二にスキンフィルムには、被包装体の商品価
値を高める上で、透明性や光沢に優れていることが要求
される。第三に、腐敗防止や長期保存が必要な食品等の
被包装物の包装に対しては、スキンフィルムには、酸素
ガスバリア性を有することが要求される。したがって、
多くのスキンフィルムは、酸素ガスバリア性層を有して
いる。第四に輸送時に衝撃がかかってもそれに耐えうる
衝撃強度が要求される。さらに、スキンフィルムには被
包装物を汚染せず、ヒートシールする場合は底材(ベー
スフィルム)とのヒートシール性を有することが要求さ
れる。
【0008】従来、スキンパック包装の蓋材フィルムと
しては、例えば、軟質ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)/
ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)/ポリオレフィン
樹脂(PO)からなる未延伸の共押出多層フィルム(特
公平6−2485号公報)、軟質PVC/PVDC/E
VAからなる多層フィルム(特公昭56−49206号
公報)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVO
H)/EVA1/EVA2の層構成で電子線を照射した
フィルム(なおEVA1、EVA2は、いずれもエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体であるが、酢酸ビニル含量が異
なる)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)/EVOH/
ポリオレフィン樹脂などの種々の多層フィルムが提案さ
れている。特に、スキンパック包装に用いられる柔らか
い被包装物に対しても、その形状への忠実密着性が求め
られるため、上記のような柔軟性を持ったフィルムが汎
用されている。
【0009】上記のようにして開発された従来のスキン
パック包装用蓋材フィルムには機能的に優れたものもあ
るが、必ずしも充分に満足なものとはいえない。例えば
軟質PVC/PVDC/POまたはEVAの積層構成を
有するフィルムは、軟質PVCの弾性回復性とPVDC
の柔軟性との組合せにより機能的にはスキンフィルムと
して好適であるが、環境への配慮から非ハロゲン系フィ
ルムが望まれることがある。この点では、EVOHとE
VAの積層体に電子線照射を施したフィルムが望ましい
が、電子線照射時にフィルムが加熱し機械方向(フィル
ム巻き取り方向、MD)に若干の延伸が生じる。そのた
め、フィルムの薄膜化とMDの垂直方向(TD)との異
方性が大きくなり、スキンパック時にMD方向へのしわ
の発生、フィルムのカール等が発生し機械適性が不具合
になる場合がある。電子線を照射しないEVOHとEV
Aの積層体では耐熱性が不足し、スキン成形時に極薄部
が生じてしまう。この耐熱性不足を解決するためにポリ
アミド(PA)層を導入することも提案されているが、
本発明者らによれば耐熱性を付与する程度にPAの厚み
を厚くした場合、スキンパック後の包装体製品にしわの
発生が多く外観を悪化させ、商品価値を損なうことがわ
かった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、非ハ
ロゲン系樹脂材料から形成され、スキンパック包装に適
した軟質多層フィルムを提供することにある。より具体
的には、本発明の目的は、スキンパック包装において、
柔軟性、弾性回復性が大きく包装体の表面にしわ等の発
生が無く、透明性、光沢にも優れ外観が良好であり、酸
素ガスバリア性、耐衝撃性を有する、新規な軟質多層フ
ィルムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の軟質多層フィル
ムは、上記の目的を達成するために開発されたものであ
り、より詳しくはガスバリア性樹脂からなる最外層
(a)、ポリプロピレン系樹脂に加え10−70重量%
の熱可塑性エラストマーを含む組成物からなる芯層
(b)、エチレン単独重合体あるいはエチレン系共重合
体から選択されたヒートシール性樹脂からなる最内層
(c)、および必要に応じて前記各層間に接着層を有す
ることを特徴とする。
【0012】本発明者らが上述の目的で研究して、本発
明に到達するに至った経緯について若干付言する。
【0013】本発明者らが上述の目的で各種熱可塑性樹
脂材料について研究した結果、まず従来使用されてきた
軟質PVCに匹敵する柔軟性と弾性回復性に優れる樹脂
材料が、ポリプロピレン系樹脂に、これと相溶性の良い
熱可塑性エラストマーの特定の割合で配合してポリマー
アロイ化した組成物により与えられることが見出され
た。しかし、該組成物は、熱可塑性エラストマーを含む
ため、ポリプロピレン系樹脂の配合により改善されてい
るとはいえ、ポリプロピレン系樹脂単独に比べれば耐熱
性が低い。このため、スキン成形に際して極薄化するほ
どではないが、これを最外層に使用すると熱板との接触
時に表面光沢が劣化してしまう現象が見出された。従っ
て、該組成物は最外層構成材料としては好ましくない。
【0014】他方、本発明者らは、EVOHあるいはポ
リメタキシレンアジパミド(ナイロンMXD6)などの
PVDC以外のガスバリア性樹脂は、柔軟性には劣る
が、良好な耐熱性を有することに着目した。すなわち、
これを最外層(a)としてガスバリア性樹脂層を形成す
れば、熱板に接触しても劣化しない光沢および透明性を
有する表層が形成され、上記ポリプロピレン系樹脂と熱
可塑性エラストマーとの組成物からなる芯層(b)と組
合せて柔軟性を担保することにより、軟質PVC/PV
DCの組合せに匹敵する最外層/芯層の積層構成が得ら
れ、更にヒートシール性樹脂層からなる最内層(c)を
設けることによりスキンパック包装用蓋材として極めて
適した軟質多層フィルムが得られることを見出して本発
明に到達したものである。なお、このような積層構成を
有する本発明の軟質多層フィルムは、スキンパック包装
用蓋材フィルムに加えて、必要に応じて延伸加工を施す
が、収縮性を大きくしすぎると包装体にカールを生じて
しまうので、適度な収縮性を与えるのが望ましい。
【0015】また本発明の軟質多層フィルムは、従来か
ら深絞り用フィルムに用いられている成形性に優れた、
ポリプロピレン系樹脂、エチレン系(共)重合体等の樹
脂を80%以上の厚み比率で使用している。また、ガス
バリア性樹脂としてEVOH等の比較的、成形時に金型
コーナー等で薄膜化しやすい樹脂の比率を20%以下の
比率にしているため、多層フィルムとしても深絞り成形
にも問題なく使用できる。
【0016】さらに、本発明の柔軟性多層フィルムは、
スキンパック包装体においてスキン成形しない側、すな
わち底材側に使用することも可能である。この場合、蓋
材フィルムとしても本発明の多層フィルムを用いれば、
上下がほぼ対称な層構成になるため、ヒートシール後の
結晶化も同等であり、包装体で問題となるカールの発生
が効果的に除かれる。また、包装体のコーナーが直角に
なっている場合でも、柔軟性が(十分)あるため、角が
堅くて作業性に問題を生じるということもない。
【0017】
【本発明の実施形態】本発明の軟質多層フィルムはその
典型的な一実施態様として図3に示すような層構成を有
する。すなわち、この多層フィルムは、図3(図1、2
に対応して上下関係を示す)を参照して、最外層(a)
5、芯層(b)7および最内層(c)9を、接着層6、
8を介して、順次積層した層構成を有する。接着層6お
よび8は、各層間の接着性を高めるために必要に応じて
挿入されるものであり、省略することもできる。
【0018】最外層(a)を構成するガスバリア性樹脂
としては、公知のEVOH、ポリメタキシレンアジパミ
ド(ナイロンMXD6)が押出加工性の点で好適であ
る。EVOHは、エチレン含有量が36〜47モル%、
メルトフローレート(MFR、JIS K−6730に
準拠し、190℃測定、荷重2160gで測定)が0.
5〜20g/minのものが好ましい。エチレン含有量
が36モル%未満では剛性が大きく、スキン成形時にし
わの発生が生じてしまう。但し、これらガスバリア性樹
脂からなる最外層(a)は、他層に比べて剛性が大きく
柔軟性に欠けるため、全層合計厚みの20%以内にする
ことが、スキン成形時のシワの発生の防止の観点で好ま
しい。
【0019】芯層(b)を構成する組成物中のポリプロ
ピレン系樹脂としては、融点(JIS K−7121に
準拠し、DSC法で測定)が140℃〜165℃、MF
R(230℃測定)が0.3〜20g/minのものが
好ましい。ここでポリプロピレン系樹脂には、プロピレ
ンホモポリマーに比べて、コモノマー含量が7重量%ま
でのプロピレン系共重合体が好適に用いられ、特に、ポ
リプロピレン系樹脂の中でもエチレン含量が0.1〜
7.0重量%のプロピレン−エチレン共重合体(PP−
Et)が好ましい、なかでも透明性に優れ、柔軟性も有
するランダム共重合体がより好ましい。さらに結晶核剤
添加のPP−Etはより透明性に優れる。プロピレンホ
モポリマーの場合も、結晶核剤添加品であれば、良好な
透明性が得られる。また、この場合耐熱性はPP−Et
より優れるが、剛性が大きいため熱可塑性エラストマー
の添加量を、PP−Et系を用いる場合よりも多くする
ことが望ましい。
【0020】結晶核剤は、成形後の冷却過程で生成する
ポリプロピレン球晶を微細化し、芯層(a)の透明性、
ひいては軟質多層フィルムの透明性を向上するために必
要に応じて、ポリプロピレン系樹脂に、その0.1重量
%程度の割合で含ませることが好ましく、芳香族リン酸
エステル塩、ソルビトール系、カルボン酸系結晶核剤な
どが使用される。
【0021】ポリプロピレン系樹脂とともに芯層(b)
を構成する熱可塑性エラストマーとしては、芯層(b)
の透明性を劣化させないために、ポリプロピレン系樹脂
と相溶性の優れるものが好ましい。その熱可塑性エラス
トマーとしては、スチレン−ブタジエン共重合体の水素
添加物(SEBS、HSBR)、エチレン−プロピレン
共重合体(EPR)、結晶性オレフィン−ブタジエン共
重合体の水素添加物(CEBC)、あるいはメタロセン
触媒を用いて重合された密度0.91g/cm3 以下の
超低密度ポリエチレン(SSC−VLDPE)またはエ
チレン−α−オレフィン共重合体が好適である。これら
はポリプロピレン系樹脂に柔軟性、弾性回復性を付与す
るだけでなく、低温強度も向上させる効果もある。熱可
塑性エラストマーは芯層(b)を構成する組成物全体の
5〜75重量%とする必要があり、10−70重量%が
好ましく、特に20−50重量%が効果的である。5%
未満では柔軟性、弾性回復性に劣り、75を超えると耐
熱性が劣る。特に、透明性、光沢も向上させるのは、結
晶核剤を含むランダムPP−Etとスチレン含有量が1
5%以下のスチレンブタジエンランダム共重合体(HS
BR)あるいは結晶性オレフィン−ブタジエン共重合体
(CEBC)との組合せからなる組成物である。
【0022】例えば、HSBRを添加することにより、
ポリプロピレン系樹脂の球晶サイズを小さくし、HSB
Rの分散単位を可視光線以下の微分散とすることができ
るため、透明性、光沢を向上させることができる。
【0023】最内層(c)を構成するヒートシール層樹
脂としては、エチレン単独重合体あるいはエチレン系共
重合体が好適に用いられる。最内層(c)は、スキンパ
ック包装において、被包装物と密着する層であり、か
つ、軟質多層フィルムをベースフィルム(底材)にヒー
トシールさせるための層である。
【0024】最内層(c)を構成するエチレン系(共)
重合体としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDP
E)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低
密度ポリエチレン(VLDPE)、シングルサイト触媒
を用い重合された超低密度ポリエチレン(SSC−VL
DPE)ならびにエチレン−α−オレフィン共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−
アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル
酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸メチル
共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重
合体(EEA)および、アイオノマー(IO)が好まし
く用いられる。
【0025】また、包装体のフタ材と底材の開封性を容
易にする(イージーオープン性を付与する)ために、ヒ
ートシール層を構成するIO、EVA、EMAAなどの
エチレン系(共)重合体にPPを5〜30重量%添加す
ることもできる。
【0026】また、ヒートシール層(c)に滑剤を適量
添加しても良いが、その場合、好ましい例としては、ベ
ヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等
の有機系滑剤、シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウム等
の無機系滑剤を上げることができる。その添加量として
は0.2〜2重量%が好適である。滑剤は通常マスター
バッチの形で加える。例えば滑剤20重量%含有マスタ
ーバッチを1〜10重量%添加することにより上記添加
量が得られる。
【0027】また、本発明の多層フィルムでは、図3に
示すように、前記最外層(a)5、芯層(b)7および
最内層(c)9の間に接着性を付与し、あるいは接着性
を高めるために、必要に応じて接着剤層6および/また
は8を設けることができる。特に最外層(a)と芯層
(b)は共押し出しても接着性に乏しいため、通常、両
層間には接着層を配置することが好ましい。
【0028】接着層に使用する接着性樹脂としては、例
えば、EVA、エチレン−無水マレイン酸共重合体、E
AA、EEA、エチレン−メタクリレート−グリシジル
アクリレート三元共重合体、あるいは、各種ポリオレフ
ィンに、アクリル酸、メタクリル酸などの一塩基性不飽
和脂肪酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの二
塩基性不飽和脂肪酸またはこれらの無水物をグラフトさ
せたもの、例えばマレイン酸グラフト化EVA、マレイ
ン酸グラフト化エチレン−α−オレフィン共重合体など
を挙げることができる。
【0029】本発明の多層フィルムは、共押出法、ドラ
イラミネート法などにより製膜することができるが、好
ましくは、複数の押出機を用いて、各材料から共押出法
により溶融環状体(共押出パリソン)を押し出し、これ
に空気を吹き込むインフレーションバブルプロセス方式
で製膜する。
【0030】本発明の軟質多層フィルムにおいて、最外
層(a)5の厚みは5〜30μm、好ましくは10〜2
0μmであり、芯層(b)7の厚みは5〜80μm、好
ましくは10〜50μmであり、最内層(c)9の厚み
は10〜100μm好ましくは20〜80μmであり、
必要に応じて挿入される接着層6および/または8の厚
みは1〜20μm、全層の厚みは50〜210μm、特
に100〜150μmとすることが好ましい。また、ス
キンパック成形時にしわの発生を防ぐために、剛性の大
きい最外層(a)5の厚みは全層厚みの20%以内にす
ることが好ましい。
【0031】上述したように、本発明の軟質多層フィル
ムは、スキンパック包装用蓋材フィルムとして用いるこ
とが好ましいが、この際組合せるべき底材フィルムの構
成は基本的には、任意である。例えば最外層/芯層/シ
ール層の構成として以下の層構成を有するものが好適に
用いられる。
【0032】(イ)ポリプロピレン系樹脂/EVOHま
たはMXD6/エチレン系樹脂シール層 (ロ)EVOH/LDPE/エチレン系樹脂シール層 (ハ)EVOH/ポリアミド/エチレン系樹脂シール層 上記(イ)、(ロ)において、EVOH層は、芯層と入
れ替えて構成することもできる。
【0033】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
についてより具体的に説明するが、本発明は、これら実
施例にのみ限定されるものではない。なお、フィルムの
各種物性は以下の試験方法により測定したものである。
【0034】(1)スキンパック適性 大森機械(株)製のスキンパックテストチャンバー(成
型金型形状:深さ18mm、縦120mm、横245m
m)を用い、図1に示すような構成でのスキンパック包
装体を形成して、包装体表面の状況を判定した。すなわ
ち、235mm×115mmの大きさの台紙3に、内容
物4としてベーコン150gをのせ、底材フィルム2と
しての積層構成が順にHSBR5%添加ポリプロピレン
樹脂//EVOH//EVA(//は接着性樹脂として
の酸変性PP−Etおよび酸変性EVAを、それぞれ示
し、各層厚みは順に、35/3/19/3/40μm、
合計厚みは100μmである)の積層フィルムと、試料
スキンフィルム1との間に挟み、真空スキンパック包装
を行い、得られた包装体(パック品)における表面(フ
タ材面)側の状況について以下の基準で評価した。
【0035】<1>しわ A:包装体の全面にしわがない。 B:充填部コーナーに、短く浅いしわが発生。 C:包装体の全面に、長く深いしわが発生。 <2>追随性 A:充填物の凹凸に対して、スキンフィルムの追随性が
良く、隙間がない。 B:充填物の凸部を押し潰しているか、あるいは凹部へ
の密着性が小さい。 C:充填物が大きく変形し、肉汁が絞り出されるか、あ
るいは溜っている。 <3>耐熱性(メルトホールMH、熱板への融着) A:熱板密着時の粗面化もなく、熱板コーナー部での薄
膜化部も全層の30%以上の厚さを維持する。 B:熱板での粗面化は無いが、熱板コーナー部での薄膜
化部の厚さが全層の30%未満となる。但し、メルトホ
ールの発生はない。 C:熱板での粗面化が生じ光沢が劣化するか、あるいは
薄膜化によるメルトホールが発生する。
【0036】(2)透明性 成形した多層フィルムについて、JIS K−7015
に準じ、日本電色工業社製NDH−Σ80により曇価
(Haze)を測定した。測定値の単位は%である。
【0037】(3)光沢 JIS K−7105に準じ、日本電色工業社製VGS
−Σ80により、成形した多層フィルムの最外層側の光
沢(Gloss)を測定した。また、測定は、フィルム
製膜装置においてフィルム巻き取り方向をMD、その垂
直方向をTDとし、該2方向で行った。測定値の単位は
%である。
【0038】(4)衝撃強度 落錘衝撃試験機(レオメトリックス社製「Drop W
eight Tester」RDT−500)を用い、
フィルムが破壊されるまでのエネルギーを測定してフィ
ルム強度を調べた。また、その時にフィルム破壊状態が
ガラス状に破壊される脆性破壊をしたか、あるいは伸ば
されて破壊される延伸破壊をしたかの判断を目視観察に
より行った。パック品で流通する場合、使用しているフ
ィルムがその温度で脆性破壊すると、フィルム強度は著
しく小さくなる傾向にある。
【0039】測定は、試料フィルムを、内径3.8cm
のリングに貼り付け、このリング中央に多層フィルムの
最外層(a)側から重量4kg、重錘の径12.7mm
の重錘を2m/秒の速度で落下させ破壊し、その時の破
壊に至るまでの累積印加エネルギーを自動測定した。ま
た、測定時の温度は23℃および−5℃で行った。測定
値の単位はJである。
【0040】(5)酸素ガス透過度 JIS K−7126に準じ、酸素ガス透過度測定機
(Modern Controls社製「OX−TRA
N2/20」)を用いて、温度30℃、相対湿度80%
RHの条件で測定した。測定値の単位はcm3 /m2
24h・atmである。
【0041】[実施例1]次の5種類の樹脂材料を用い
て、5層構成の多層フィルム(順次、図3の層5〜9に
相当)を製膜した。 最外層:EVOH1(日本合成化学社製、ソアノール
A4412B)密度=1.14g/cm3 、MFR=1
2g/10min(210℃測定)、融点=164℃、
エチレン含有量=44モル%。 接着層(外層):酸変性PP−Et(三井化学社製、
アドマーQB550)密度=0.89g/cm3 、MF
R=2.8g/10min(230℃測定)、融点=1
35℃。 芯層:PP−Et(日本ポリケム社製、ノバテックE
G7HT)とHSBR(JSR社製、1320P)を6
0/40重量%の比率でドライブレンドした。PP−E
t(日本ポリケム社製、ノバテックEG7HT)密度=
0.91g/cm3 、MFR=1.7g/10min
(230℃測定)、融点=149℃、エチレン含有量=
3重量%、HSBR(JSR社製ダイナロン1320
P)密度=0.89g/cm3 、MFR=3.5g/1
0min(230℃測定)、スチレン含有量=10重量
%。 接着層(内層):酸変性VLDPE(三井化学社製、
アドマーNF528)密度=0.906g/cm3 、M
FR=2.2g/10min(190℃測定)、融点=
120℃。 ヒートシール層(最内層):EVA(三井デュポンポ
リケミカル社製、エバフレックスV527−4)密度=
0.94g/cm3 、MFR=0.7g/10min
(190℃測定)、融点=83℃、酢酸ビニル含有量=
17重量%。
【0042】多層フィルムの製膜にあたっては、5台の
押出機を使用し、EVOH1/接着層/(PP−Etと
HSBR<60/40>のブレンド)/接着層/EVA
の5層積層フィルムで、EVOH1層が最外層になるよ
うに、円形ダイ中に5つの流路より会合せしめ、共押出
法により溶融環状体を押し出した。ダイス出口での温度
は210℃とし、ダイレクトインフレーション法によ
り、折り幅570mmの環状フィルムを製膜し、両端を
10mmずつスリットして550mmの原反フィルムと
した。得られたフィルムの厚み(μm)は最外層より1
0/3/30/3/54の計100μmであった。
【0043】[実施例2]層構成を下記の通りに変更す
る以外は、実施例1と同様の押出製膜法により5層構成
の多層フィルムを得た。 最外層:EVOH1(日本合成化学社製、ソアノール
A4412B) 接着層(外層):酸変性PP−Et(三井化学社製、
アドマーQB550) 芯層:PP−Et(日本ポリケム社製、ノバテックE
G7HT)とHSBR(JSR社製、1320P)を6
0/40重量%の比率でドライブレンドした。 接着層(内層):酸変性VLDPE(三井化学社製、
アドマーNF528) ヒートシール層(最内層):EMAA(三井デュポン
ポリケミカル社製、ニュクレルN0903HC)密度=
0.93g/cm3 、MFR=3.3g/10min
(190℃測定)、融点=98℃、メタアクリル酸含有
量=9重量%。
【0044】得られたフィルムの厚み(μm)は最外層
より10/3/30/3/54の計100μmであっ
た。
【0045】[実施例3]層構成を下記の通りに変更す
る以外は、実施例1と同様の押出製膜法により5層構成
の多層フィルムを得た。 最外層:EVOH1(日本合成化学社製、ソアノール
A4412B) 接着層(外層):酸変性PP−Et(三井化学社製、
アドマーQB550) 芯層:PP−Et(日本ポリケム社製、ノバテックE
G7HT)とHSBR(JSR社製、1320P)を6
0/40重量%の比率でドライブレンドした。 接着層(内層):酸変性VLDPE(三井化学社製、
アドマーNF528) ヒートシール層(最内層):VLDPE(ダウケミカ
ル社製、アフィニティーPL1880)密度=0.90
2g/cm3 、MFR=1.0g/10min(190
℃測定)、融点=98℃。
【0046】得られたフィルムの厚み(μm)は最外層
より10/3/30/3/54の計100μmであっ
た。
【0047】[実施例4]芯層のPP−EtとHSBR
のブレンド比率を80/20重量%とした以外は、実施
例1と同様の方法で押出製膜して5層構成の多層フィル
ムを得た。得られたフィルムの厚み(μm)は最外層よ
り10/3/20/3/64の計100μmであった。
【0048】[実施例5]層構成を下記の通りに変更す
る以外は、実施例1と同様の押出製膜法により5層構成
の多層フィルムを得た。 最外層:EVOH1(日本合成化学社製、ソアノール
A4412B) 接着層(外層):酸変性PP−Et(三井化学社製、
アドマーQB550) 芯層:PP−Et(日本ポリケム社製、ノバテックE
G7HT)とHSBR(JSR社製、1320P)を5
0/50重量%の比率でドライブレンドした。 接着層(内層):酸変性VLDPE(三井化学社製、
アドマーNF528) ヒートシール層(最内層):IO(三井デュポンポリ
ケミカル社製、ハイミラン1601)密度=0.94g
/cm3 、MFR=1.2g/10min(190℃測
定)、融点=96℃、メタクリル酸含有量=9重量%。
【0049】得られたフィルムの厚み(μm)は最外層
より10/3/30/3/54の計100μmであっ
た。
【0050】[実施例6]層構成を下記の通りに変更す
る以外は、実施例1と同様の押出製膜法により5層構成
の多層フィルムを得た。 最外層:EVOH2(日本合成化学社製、ソアノール
E3808BN)密度=1.17g/cm3 、MFR=
3.2g/10min(210℃測定)、融点=173
℃、エチレン含有量=38モル%。 接着層(外層):酸変性PP−Et(三井化学社製、
アドマーQB550) 芯層:PP−Et(日本ポリケム社製、ノバテックE
G7HT)とHSBR(JSR社製、1320P)を6
0/40重量%の比率でドライブレンドした。 接着層(内層):酸変性VLDPE(三井化学社製、
アドマーNF528) ヒートシール層(最内層):EVA(三井デュポンポ
リケミカル社製、エバフレックスV527−4) 得られたフィルムの厚み(μm)は最外層より10/3
/30/3/54の計100μmであった。
【0051】[実施例7〜9]芯層を、それぞれ下記の
通りに変更する以外は、実施例1と同様の押出製膜法に
より5層構成の多層フィルムを得た。 (実施例7):PP−Et(日本ポリケム社製、ノバテ
ックEG7HT)とCEBC(JSR社製、6200
P)を60/40重量%の比率でドライブレンドした。 CEBC(オレフィン−ブタジエンブロック共重合体の
水素添加物):(JSR社製ダイナロン6200P)密
度=0.88g/cm3 、MFR=2.5g/10mi
n(230℃測定)。 (実施例8):PP−Et(日本ポリケム社製、ノバテ
ックEG7HT)とSEBS(旭化成社製、タフテック
H1041)を60/40重量%の比率でドライブレン
ドした。 SEBS(スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水
素添加物):(旭化成社製タフテック H1041)密
度=0.91g/cm3 、MFR=5.0g/10mi
n(230℃測定)、スチレン含有量=30重量%。 (実施例9):PP−Et(日本ポリケム社製、ノバテ
ックEG7HT)とS−VLDPE(ダウケミカル社
製、エンゲージ EG8100)を60/40重量%の
比率でドライブレンドした。 S−VLDPE(シングルサイト触媒(メタロセン触
媒)を使用し重合された超低密度ポリエチレン):(ダ
ウケミカル社製、エンゲージ EG8100)密度=
0.87g/cm3 、MFR=1.0g/10min
(230℃測定)、融点=64℃。
【0052】いずれの例においても、得られたフィルム
の厚み(μm)は、最外層より10/3/30/3/5
4の計100μmであった。
【0053】[比較例1]層構成を下記の通りに変更す
る以外は、実施例1と同様の押出製膜法により5層構成
の多層フィルムを得た。 最外層:EVOH1(日本合成化学社製、ソアノール
A4412B) 接着層(外層):酸変性VLDPE(三井化学社製、
アドマーNF528) 芯層:EVA(三井デュポンポリケミカル社製、エバ
フレックスV527−4) 接着層(内層):酸変性VLDPE(三井化学社製、
アドマーNF528) ヒートシール層(最内層):EVA(三井デュポンポ
リケミカル社製、エバフレックスV527−4) 得られたフィルムの厚み(μm)は最外層より10/3
/30/3/54の計100μmであった。
【0054】[比較例2]層構成を下記の通りに変更す
る以外は、実施例1と同様の押出製膜法により5層構成
の多層フィルムを得た。 最外層:EVOH1(日本合成化学社製、ソアノール
A4412B) 接着層(外層):酸変性VLDPE(三井化学社製、
アドマーNF528) 芯層:ポリアミドNy6−66(東レ社製、アミラン
CM6241M)密度=1.13g/cm3 、JIS−
K6810に準拠した相対粘度=4.2、融点=190
℃。 接着層(内層):酸変性VLDPE(三井化学社製、
アドマーNF528)ヒートシール層(最内層):E
VA(三井デュポンポリケミカル社製、エバフレックス
V527−4) 得られたフィルムの厚み(μm)は最外層より10/3
/15/3/69の計100μmであった。
【0055】[比較例3]芯層をPP−E単体とした以
外は、実施例1と同様の方法で押出製膜して5層構成の
多層フィルムを得た。得られたフィルムの厚み(μm)
は最外層より10/3/20/3/64の計100μm
であった。
【0056】[比較例4]芯層をHSBR単体とした以
外は、実施例1と同様の押出製膜法により5層構成の多
層フィルムを得た。得られたフィルムの厚み(μm)は
最外層より10/3/30/3/54の計100μmで
あった。
【0057】[比較例5]層構成を下記の通りに変更す
る以外は、実施例1と同様の押出製膜法により5層構成
の多層フィルムを得た。 最外層:PPーEt(日本ポリケム社製、ノバテック
EG7HT)とHSBR(JSR社製、1320P)を
60/40重量%の比率でドライブレンドした。 接着層(外層):酸変性PP−Et(三井化学社製、
アドマーQB550) 芯層:EVOH1(日本合成化学社製、ソアノールA
4412B) 接着層(内層):酸変性VLDPE(三井化学社製、
アドマーNF528) ヒートシール層(最内層):EVA(三井デュポンポ
リケミカル社製、エバフレックスV527−4) 得られたフィルムの厚み(μm)は最外層より30/3
/10/3/54の計100μmであった。
【0058】上記の各実施例および比較例で得られた多
層フィルムについて、物性を評価した結果を、それぞれ
表1および表2にまとめて示す。表1および2に示す結
果を見ると以下のことがわかる。
【0059】[スキンパック適性]剛性の大きいナイロ
ン芯層を導入し、同じく剛性の大きいEVOHの最外層
と組合せて合計厚さ20μm以上とした比較例2の多層
フィルムは、スキン成形の結果、局部的に極薄化は生じ
なかったが、シワの発生が多く外観が劣った。芯層に耐
熱性の乏しいEVAを用いた比較例1およびHSBR単
体を用いた比較例4は熱板コーナー部での極薄化、ある
いはメルトホールの発生が生じ、スキン適性に劣った。
比較例5は実施例1と比べて最外層と芯層とを入れ替え
た積層構成であり、そのため極薄化は生じなかったが、
熱板の跡がフィルム表面に転写し粗面化が起きた。その
他の実施例、比較例のスキンパック適性は問題なく、外
観が優れていた。
【0060】[透明性、光沢]透明性はPP−Et単体
を芯層に使用した比較例3で若干劣ったが、問題となる
レベルではなかった。光沢については、EVOHを芯層
に使用した比較例5で若干劣ったが、その他の実施例、
比較例はEVOHを表層に使用したため、優れた光沢を
示した。これらの結果はスキン成形前の測定であるが、
スキン成形後も傾向は同じであった。
【0061】[衝撃強度]包装体を輸送時に重要な物性
である強度についても、芯層を構成するポリプロピレン
系樹脂に熱可塑性エラストマーを添加することによる、
強度向上の効果がみられた。PP−Et単体を芯層に配
した比較例3は、23℃(常温)では他例と同じく問題
ない強度を示したが、−5℃では脆性破壊を示し衝撃強
度に劣った。したがって低温流通する包装体を形成する
場合には、問題となる。
【0062】[酸素ガス透過度]酸素ガス透過度につい
てはEVOH層を10μmの厚みで挿入しているため、
いずれのフィルムも優れた酸素バリア性を示した。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、最外
層(a)にガスバリア層、芯層(b)にポリプロピレン
系樹脂に加え10−70重量%の熱可塑性エラストマー
を含む組成物からなる層、および最内層(c)にエチレ
ン系(共)重合体等のヒートシール性樹脂を用いた軟質
多層フィルムが提供される。
【0066】本発明の軟質多層フィルムは、スキンパッ
ク包装用フタ材として使用した際に、しわ等の発生のな
い密着性の優れるスキンパック適性を持つとともに、透
明性、光沢、酸素ガスバリア性、耐衝撃性にも優れた性
質を示す。また深絞り成形用フィルムあるいはスキンパ
ック包装用底材フィルムとしての適性も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスキンパック包装体の実施形態(台紙
入り)を示す断面図。
【図2】本発明のスキンパック包装体の別の実施形態
(台紙なし)を示す断面図。
【図3】本発明の軟質多層フィルムの断面図。
【符号の説明】
1 スキンパック底材フィルム 2 スキンパックフタ材フィルム 3 スキンパック台紙 4 内容物 5 最外層(ガスバリア層) 6 接着層 7 芯層(ポリプロピレン系樹脂と熱可塑性樹脂の組成
物層) 8 接着層 9 最内層(ヒートシール層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E051 AA09 AB05 BA05 CB03 EA03 FB01 JA02 4F100 AJ07B AK04C AK06C AK07 AK28B AK46 AK62C AK63C AK64B AK69A AK70C AK71C AK73B AL01B AL03B AL07 AL09B AR00C BA03 BA07 BA10A BA10C BA25 EH20 GB15 GB23 JB16B JD02A JD03 JK13 JL12C JN01 JN21 YY00A YY00B YY00C

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスバリア性樹脂からなる最外層
    (a)、ポリプロピレン系樹脂に加え5〜75重量%の
    熱可塑性エラストマーを含む組成物からなる芯層
    (b)、エチレン単独重合体あるいはエチレン系共重合
    体から選択されたヒートシール性樹脂からなる最内層
    (c)、および必要に応じて前記各層間に接着層を有す
    る軟質多層フィルム。
  2. 【請求項2】 熱可塑性エラストマーが水素添加ジエン
    系共重合体である、請求項1に記載の多層フィルム。
  3. 【請求項3】 水素添加ジエン系共重合体が水素添加ス
    チレン−ブタジエンランダム共重合体である、請求項2
    に記載の多層フィルム。
  4. 【請求項4】 最外層(a)のガスバリア性樹脂がエチ
    レン−ビニルアルコール共重合体である、請求項1〜3
    のいずれかに記載の多層フィルム。
  5. 【請求項5】 芯層(b)のポリプロピレン系樹脂がプ
    ロピレン−エチレンランダム共重合体である、請求項1
    〜4のいずれかに記載の多層フィルム。
  6. 【請求項6】 最内層(c)のヒートシール性樹脂がエ
    チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アク
    リル酸エステル共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン、
    超低密度ポリエチレンあるいはアイオノマーである、請
    求項1〜5のいずれかに記載の多層フィルム。
  7. 【請求項7】 最外層(a)の厚みが5〜30μm、芯
    層(b)の厚みが5〜80μm、最内層(c)の厚みが
    10〜100μm、必要に応じて有する接着層が1〜2
    0μm、合計厚みが50〜210μmである、請求項1
    〜6のいずれかに記載の多層フィルム。
  8. 【請求項8】 スキンパック包装用蓋材を構成する、請
    求項1〜7のいずれかに記載の多層フィルム。
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