JP5032147B2 - 電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤 - Google Patents

電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤 Download PDF

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Description

本発明は、複写機、プリンター等に用いられる二成分系電子写真現像剤に使用される電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤に関し、詳しくは真密度が軽くなり長寿命化され、帯電付与能力が高く、安定している電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤に関する。
電子写真現像方法は、現像剤中のトナー粒子を感光体上に形成された静電潜像に付着させて現像する方法であり、この方法で使用される現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤及びトナー粒子のみを用いる一成分系現像剤に分けられる。
こうした現像剤のうち、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤を用いた現像方法としては、古くはカスケード法等が採用されていたが、現在では、マグネットロールを用いる磁気ブラシ法が主流である。
二成分系現像剤において、キャリア粒子は、現像剤が充填されている現像ボックス内において、トナー粒子と共に攪拌されることによって、トナー粒子に所望の電荷を付与し、さらにこのように電荷を帯びたトナー粒子を感光体の表面に搬送して感光体上にトナー像を形成するための担体物質である。マグネットを保持する現像ロール上に残ったキャリア粒子は、この現像ロールから再び現像ボックス内に戻り、新たなトナー粒子と混合・攪拌され、一定期間繰り返して使用される。
二成分系現像剤は、一成分系現像剤とは異なり、キャリア粒子はトナー粒子と混合・攪拌され、トナー粒子を帯電させ、さらに搬送する機能を有しており、現像剤を設計する際の制御性が良い。従って、二成分系現像剤は高画質が要求されるフルカラー現像装置及び画像維持の信頼性、耐久性が要求される高速印刷を行う装置等に適している。
このようにして用いられる二成分系現像剤においては、画像濃度、カブリ、白斑、階調性、解像力等の画像特性が、初期の段階から所定の値を示し、しかもこれらの特性が耐刷期間中に変動せず、安定に維持されることが必要である。これらの特性を安定に維持するためには、二成分系現像剤中に含有されるキャリア粒子の特性が安定していることが必要になる。
二成分系現像剤を形成するキャリア粒子として、従来は、表面を酸化被膜で覆った鉄粉あるいは表面を樹脂で被覆した鉄粉等の鉄粉キャリアが使用されていた。このような鉄粉キャリアは、磁化が高く、導電性も高いことから、ベタ部の再現性のよい画像が得られやすいという利点がある。
しかしながら、このような鉄粉キャリアは真比重が約7.8と重く、また磁化が高すぎることから、現像ボックス中におけるトナー粒子との攪拌・混合により、鉄粉キャリア表面へのトナー構成成分の融着、いわゆるトナースペントが発生しやすくなる。このようなトナースペントの発生により有効なキャリア表面積が減少し、トナー粒子との摩擦帯電能力が低下しやすくなる。
また、樹脂被覆鉄粉キャリアでは、耐久時のストレスにより表面の樹脂が剥離し、高導電性で絶縁破壊電圧が低い芯材(鉄粉)が露出することにより、電荷のリークが生ずることがある。このような電荷のリークにより、感光体上に形成された静電潜像が破壊され、ベタ部にハケスジ等が発生し、均一な画像が得られにくい。これらの理由から、酸化被膜鉄粉及び樹脂被覆鉄粉等の鉄粉キャリアは、現在では使用されなくなってきている。
近年は、特許文献1(特開昭59-48774号公報)に記載のように鉄粉キャリアに代わって真比重約5.0程度と軽く、また磁化も低いフェライト芯材を用い、表面に樹脂を被覆した樹脂コートフェライトキャリアが多く使用されており、現像剤寿命は飛躍的に伸びてきた。
しかしながら、最近、オフィスのネットワーク化が進み、単機能の複写機から複合機への時代に進化し、サービス体制も、契約したサービスマンが定期的にメンテナンスを行って現像剤等を交換するようなシステムから、メンテナンスフリーシステムの時代へシフトしてきており、市場からは、現像剤の更なる長寿命化に対する要求が一層高まってきている。
また、オフィスではフルカラー画像が認知され、更なる高画質の要求が高まってきており、トナー粒径も、高解像度を得るため小粒径になってきている。
これに対応し、キャリア粒径もトナーに所望の電荷を素早く帯電させる必要があり、高比表面積を有する小粒径の方向にシフトしてきている。全体的に粒度分布を小粒径化した場合、特に、微粉側の粒子が、感光体へ飛散又は付着する現象、いわゆるキャリア付着が起きやすくなり、白抜け等致命的な画像欠陥を誘発しやすくなる。従って、小粒径キャリアは、粒度分布幅をさらに狭く管理することも要求されてきている。
このような中で、キャリア粒子の軽量化を図り、現像剤寿命を伸ばすことを目的として、特許文献2(特開平5−40367号公報)等には、微細な磁性微粒子を樹脂中に分散させた磁性粉分散型キャリアも多く提案されている。
このような磁性粉分散型キャリアは、磁性微粒子の量を少なくすることにより真密度を下げることができ、攪拌によるストレスを軽減できるため、被膜の削れや剥離を防止することができ、長期にわたって安定した画像特性を得ることができる。
しかしながら、磁性粉分散型キャリアは、バインダー樹脂が磁性微粒子を覆っているため、キャリア抵抗が高い。そのため、充分な画像濃度を得ることが難しいという問題がある。
また、磁性粉分散型キャリアは、磁性微粒子をバインダー樹脂で固めているものであり、撹拌ストレスや現像機内での衝撃により磁性微粒子が脱離したり、従来用いられてきた鉄粉キャリアやフェライトキャリアに比べ機械的強度に劣るためか、キャリア粒子自体が割れたりするという問題が発生することがあった。そして、脱離した磁性微粒子や割れたキャリア粒子は感光体に付着し、画像欠陥を引き起こす原因となることがあった。
さらに、磁性粉分散型キャリアは、微細な磁性微粒子を用いるため、残留磁化及び保磁力が高くなり、現像剤の流動性が悪くなるという欠点がある。特にマグネットロール上に磁気ブラシを形成した場合、残留磁化及び保磁力があるために、磁気ブラシの穂が硬くなり、高画質を得にくい。また、マグネットロールを離れても、キャリアの磁気凝集がほぐれず、補給されたトナーとの混合が速やかに行われないため、帯電量の立ち上がりが悪く、トナー飛散やかぶりといった画像欠陥を起こすという問題があった。
さらに、磁性粉分散型キャリアは、粉砕法と重合法の2種類の方法によって作ることができるが、粉砕法は歩留まりが悪く、重合法は製造工程が複雑なため、どちらも製造コストが高いという問題がある。
磁性粉分散型キャリアに代わるものとして多孔性キャリア芯材の空隙に樹脂を充填した樹脂充填型キャリアが提案されている。例えば特許文献3(特開平11−295933号公報)及び特許文献4(特開平11−295935号公報)には、コア又は硬磁性コアと、コアの細孔に含まれるポリマーと、コアを覆うコーティングとを含むキャリアが記載されている。これらの樹脂充填型キャリアにより、衝撃が少なく、所望の流動性を持ち、摩擦帯電値の範囲が広く、所望の伝導率であり、体積平均粒径が一定範囲にあるキャリアが得られるとされている。
ここで、特許文献3には、コア材として、既知の多孔性コア等の、様々な適当な多孔性固体状コアキャリア物質を用いることができるとされている。特に重要なのは、多孔性であることと所望の流動性を持つことであると記載され、注目すべき性質として、柔磁性とBET面積で示される多孔度及び体積平均粒径が挙げられている。
しかし、同文献の実施例に記載の様に、BET面積が1600cm/g程度の多孔度では、樹脂を充填させても充分な低比重化が図れず、近年、ますます高まる現像剤の長寿命化への要求に応えられるものではなかった。
また、同文献の実施例で用いられているスポンジ鉄粉は、樹脂を充填しても充分な低比重化が図れず、所望とする長寿命化には到底及ばないものであった。
さらに、同文献に記載されているように、ただ単純にBET面積で表現される多孔性をコントロールするだけでは、樹脂充填後のキャリアにおける比重や機械的強度を精度良く制御することは困難である。
BET面積の測定原理は、特定の気体の物理吸着及び化学吸着を測定するものであり、芯材の多孔度とは相関しないものである。つまり、孔がほとんど存在しない芯材であっても、その粒径、粒度分布及び表面材質等によってBET面積が変わることは一般的であり、そのようにして測定されたBET面積で多孔度をコントロールしても、樹脂が充分に充填できる芯材であるとは言えない。BET面積の数値は高いが、多孔性でない芯材、もしくは多孔性が充分でない芯材に多量の樹脂を充填しようとすると、充填しきれなかった樹脂が、芯材と密着せずに単独で存在し、キャリア中で浮遊したり、粒子間の凝集が多量発生し、流動性が悪くなったり、実使用期間中に凝集が解れた際に、帯電特性が大きく変動する等、安定した特性を得ることが困難である。
加えて、BET面積をコントロールするだけでは、樹脂層とフェライト層とが交互に存在する立体的積層構造をなしている樹脂充填型キャリアを得ることはできない。本発明者らは、表面から連続する空隙が芯材内部まで達している多孔質フェライト芯材の空隙に樹脂を充填することにより、樹脂層とフェライト層とが交互に存在する立体的積層構造が複数回存在している樹脂充填型キャリアを得ることができることを知見している。ここでいう立体的積層構造とは、キャリア粒子の断面において、粒子の中心を通る直線(直径)をひいた場合、その直線に沿って粒子の端から端まで通過する間に、樹脂層とフェライト層とが交互に複数存在する構造である。本発明者らは、また、このような立体的積層構造をなすことにより、コンデンサー的な性質を保有しているため帯電付与能力に優れ、さらにその安定性に優れ、しかも、磁性粉分散型キャリアに比して高強度であり、熱や衝撃による割れ、変形、溶融がないという効果を奏することを知見しているが、同文献に記載の樹脂充填型キャリアからは、このような効果は得られない。
加えて、同文献には、多孔性コアを用い、そこに充填する樹脂とさらにその表面を被覆する樹脂の総含有量がキャリアの約0.5〜約10重量%であることが好ましいとされている。さらに同文献の実施例では、それらの樹脂は、キャリアに対して高々6重量%に満たない。このような少量の樹脂では、所望とする低比重を実現することはできず、従来から使用されてきた樹脂被覆キャリアと同様の性能しか得ることができない。
また、特許文献4に記載されている様な、硬磁性のコアを用いた場合、残留磁化及び保磁力が高いために、現像剤の流動性が悪くなるという欠点がある。特にマグネットロール上に磁気ブラシを形成した場合、残留磁化及び保磁力があるために、磁気ブラシの穂が硬くなり、高画質を得にくい。また、マグネットロールを離れても、キャリアの磁気凝集がほぐれず、補給されたトナーとの混合が速やかに行われないため、帯電量の立ち上がりが悪く、トナー飛散やかぶりといった画像欠陥を起こすという問題があった。
また、特許文献5(特開昭54−78137号公報)には、実質的に無孔質のものよりも嵩比重の小さい多孔質又は表面粗度の大きな磁性粒子の孔及び表面のへこみ部分に電気絶縁性樹脂の微粉末を充填した静電像現像剤用キャリアが記載されており、このキャリアによって、キャリア表面へのトナー蓄積が少なく、変化する温湿度条件下で粉体特性及び摩擦帯電特性が安定しており、また経時において画像濃度が一定で画像濃度の低下を起こさない等の利点を有する現像剤が得られるとされている。
しかし、微粉末を多孔質又は表面粗度の大きな磁性粒子の孔に充填する場合、同文献の実施例に記載されているような鉄粉を用いれば、比較的充填されやすいが、フェライト芯材の空隙の様に、非常に微細な空隙にこのような微粉末を充填することは困難であった。
また、微粉末を溶媒中に分散させたものを充填しようとした場合、前述したように、芯材が鉄粉の場合は比較的均一に充填することが可能であるが、フェライト芯材を用いた場合、溶媒のみが芯材の空隙に染み込み、分散されている微粉末は芯材表面に存在することとなる。これは、現像機内での機械的ストレスを受けることにより、容易に脱離し、帯電特性や抵抗特性が著しく変化してしまうという欠点を持っている。
上述のように、特許文献3〜5に記載されているような樹脂充填型キャリアにおいても、画像濃度を充分に確保でき、長期にわたって、高品位な画質を維持できるという要望を充分に満足するものではなかった。
特に、これらの特許文献3〜5で開示されている樹脂充填型キャリアは、樹脂又は電気絶縁性樹脂の微粉末を充填するものであるが、その形態は実質的には、従来から知られているコア表面を樹脂で被覆したキャリアの樹脂量を増やしたものに過ぎず、僅かな空孔にしみ込んでいる程度のものであり、帯電付与能力やその安定性に関して、満足できるレベルではなかった。
特許文献6(特開2006−337579号公報)には、空隙率が10〜60%であるフェライト芯材に樹脂を充填してなる樹脂充填型キャリアが提案されている。同文献では、この樹脂充填型キャリアは、樹脂を充填しているため真密度が軽くなり長寿命化が達成でき、流動性に優れ、また充填する樹脂の選択により、帯電量等の制御が容易にでき、しかも磁性粉分散型キャリアに比して高強度であり、また熱や衝撃による割れ、変形、溶融がないとされている。この充填型キャリアは、上記特許文献3〜5に記載されているような樹脂充填型キャリアの課題を解決するものである。
しかし、特許文献6に記載の樹脂充填型キャリアにおいても、キャリア付着や帯電量安定性を損なう場合が生じ、このことによってトナーと共に電子写真現像剤としたときに、画像濃度を確保できない、あるいは高品位な画質を維持できない要因となっていた。
特開昭59−48774号公報 特開平5−40367号公報 特開平11−295933号公報 特開平11−295935号公報 特開昭54−78137号公報 特開2006−337579号公報
このように、上記した充填型キャリアの利点を保持しつつ、キャリア付着を防止し、また良好な帯電量安定性を有する樹脂充填型キャリアが求められている。
従って、本発明の目的は、トナーと混合して電子写真現像剤として用いられ、キャリア付着を防止し、また良好な帯電量安定性を有する電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア及び画像濃度を充分に確保でき、長期にわたって高品位な画質を維持できる該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤を提供することにある。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討した結果、キャリア付着を防止し、また良好な帯電量安定性を有するためには、樹脂充填型フェライトキャリアの表面近傍に存在する樹脂量の粒子間のバラツキを小さくし、しかも樹脂充填型フェライトキャリアの体積平均粒径と表面に存在する樹脂量との相関を求め、その傾きを一定範囲とすることが必要であることを見出し、このような樹脂充填型フェライトキャリアをトナーと共に電子写真現像剤とした時に、画像濃度を充分に確保でき、長期にわたって高品位な画質を維持できることを知見し、本発明に至った。
このことについて、更に詳述する。樹脂充填型フェライトキャリアは、真比重を低くすることで長寿命を達成できるが、一方で、真比重が低いために、1粒子の磁化も小さくなる。これは、キャリア付着を誘発する原因となる。キャリア付着を低減する手段として、一般的に次のことが考えられる。a)フェライト組成や製造条件を調整して磁化を高める、b)細かい粒子を少なくする(粒度分布を狭くする)、c)高抵抗にする。
上記a)やb)を実施した上で、更にキャリア付着を低減する手段として上記c)があるわけであるが、あまり高くしすぎると、画像濃度が得られにくいという問題がある。
そこで検討した結果、樹脂充填型フェライトキャリアであって、粒径によって、表面近傍に存在する樹脂量を変えることにより、上記課題を解決できることを知見したのである。
特に、キャリア付着の主原因となる、細かい粒子の表面近傍に存在する樹脂量と、大粒径の粒子の表面近傍に存在する樹脂量の差が小さいか、もしくは、大粒径のものに比べて増やすことが重要であり、これによって大粒径のものに比べて小粒径のものが極端に抵抗が低いということがなく、細かい粒子の表面近傍に存在する樹脂量が、大粒径の粒子の表面近傍に存在する樹脂量よりも多い場合には、小粒径の粒子の方が高抵抗であるため、キャリア付着を誘発しにくくなる。しかし、あまりにもその差(粒径による樹脂量の相違)が大きすぎると不具合が発生するので好ましくない。
具体的には、小粒径のものの樹脂量が増えすぎると、その結果、全体が高抵抗になり過ぎるため画像濃度がでにくくなる。また、小粒径のものの抵抗が高くなりすぎ、トナーが現像された後にキャリアに残る電荷が緩和されにくくなり、これによるキャリア付着(いわゆるキャリア現像)が発生するため好ましくない。一方、大粒径のものの樹脂量が少なくなりすぎると、やはりキャリア付着の原因となるため好ましくない。
すなわち、本発明は、表面から連続する空隙が芯材内部まで達している多孔質フェライト芯材の空隙にシリコーン樹脂を充填してなる電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアであって、体積平均粒径が20〜50μm、蛍光X線元素分析によって測定された(Si/Fe)×100が2.0〜7.0であり、かつ体積平均粒径と(Si/Fe)×100をそれぞれ下記の通り規格化し、規格化された体積平均粒径と規格化された(Si/Fe)×100が相関を有し、規格化された体積平均粒径を軸、規格化された(Si/Fe)×100を軸として相関式を求め、その相関式の傾き(a)が、−0.50≦a≦0.15であることを特徴とする電子写真現像剤用樹脂充填フェライトキャリアを提供するものである。
規格化された体積平均粒径:分級後の体積平均粒径/分級前の体積平均粒径
規格された(Si/Fe)×100:分級後の(Si/Fe)×100/分級前の(Si/Fe)×100
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、上記多孔質フェライト芯材100重量部に対して、上記シリコーン樹脂が6〜30重量部充填されていることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアにおいて、上記多孔質フェライト芯材の組成が、Mn、Mg、Li、Ca、Sr、Cu、Znから選ばれる少なくとも1種を含むことが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、飽和磁化が30〜80Am/kg、真密度が2.5〜4.5g/cm、見掛け密度が1.0〜2.2g/cm、24μm未満の粒子が5体積%以下であることが望ましい。
また、本発明は、上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤を提供するものである。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、樹脂充填型フェライトキャリアであるため、真密度が軽くなり長寿命化が達成でき、流動性に優れ、帯電量等の制御が容易にでき、しかも磁性粉分散型キャリアに比して高強度であり、また熱や衝撃による割れ、変形、溶融がない。また、表面近傍に存在する樹脂量の粒子間のバラツキを小さくし、しかも樹脂充填型フェライトキャリアの体積平均粒径と表面に存在する樹脂量との相関を求め、その傾きを一定範囲とすることにより、キャリア付着が防止され、また良好な帯電量安定性を有する。そして、この樹脂充填型フェライトキャリアを用いた電子写真用現像剤は、画像濃度を充分に確保でき、長期にわたって高品位な画質を維持できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
<本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア>
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、表面から連続する空隙が芯材内部まで達している多孔質フェライト芯材の空隙にシリコーン樹脂を充填してなる樹脂充填型フェライトキャリアである。このようなシリコーン樹脂充填型フェライトキャリアは、真密度が軽くなり長寿命化が達成でき、流動性に優れ、帯電量等の制御が容易にでき、しかも磁性粉分散型キャリアに比して高強度であり、また熱や衝撃による割れ、変形、溶融がない。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、その体積平均粒径が20〜50μmであり、この範囲でキャリア付着が防止され、また良好な画質が得られる。体積平均粒径が20μm未満では、キャリア付着が発生しやすくなるため好ましくない。体積平均粒径が50μmを超えると、画質が劣化しやすくなり、好ましくない。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、蛍光X線元素分析によって測定された(Si/Fe)×100が2.0〜7.0である。この蛍光X線元素分析によって測定された(Si/Fe)×100は、樹脂充填型フェライトキャリアの表面近傍に存在するシリコーン樹脂量を示す。上記値が2.0未満では、表面近傍に存在する樹脂量が少なすぎるため、キャリア付着発生の原因となり、また、帯電性能が劣るため好ましくない。7.0を越えると、表面近傍に存在する樹脂量が多すぎるためトナーが現像された後にキャリアに残る電荷が緩和されにくくなり、これによるキャリア付着(いわゆるキャリア現像)が発生するため好ましくない。また、経時において電荷が蓄積される現象(チャージアップ)が著しく、画像濃度低下や画質劣化の原因となるため、好ましくない。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、体積平均粒径と(Si/Fe)×100をそれぞれ下記の通り規格化し、規格化された体積平均粒径と規格化された(Si/Fe)×100が相関を有し、規格化された体積平均粒径を軸、規格化された(Si/Fe)×100を軸として相関式を求め、その相関式の傾き(a)が、−0.50≦a≦0.15であり、好ましくは−0.30≦a≦0.12であり、特に好ましくは−0.25≦a≦0.10である。
規格化された体積平均粒径:分級後の体積平均粒径/分級前の体積平均粒径
規格された(Si/Fe)×100:分級後の(Si/Fe)×100/分級前の(Si/Fe)×100
上記傾き(a)が0.15を越えると、小粒径の粒子の表面近傍に存在する樹脂量が、大粒径の粒子に比べ少なく、キャリア付着が発生するため好ましくない。−0.50未満であると、逆に不具合が発生するので良くない。具体的には、小粒径のものの樹脂量が増えすぎると、結果、全体が高抵抗になりすぎるため画像濃度がでにくくなる。また、小粒径のものの抵抗が高くなりすぎ、トナーが現像された後にキャリアに残る電荷が緩和されにくくなり、これによるキャリア付着(いわゆるキャリア現像)が発生するためこのましくない。一方、大粒径のものの樹脂量が少なくなりすぎると、やはりキャリア付着の原因となるため好ましくない。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、多孔質フェライト芯材100重量部に対して、シリコーン樹脂6〜30重量部が充填されていることが望ましい。シリコーン樹脂の充填量が6重量部未満では、キャリアの低比重化が図りにくく、また、(Si/Fe)×100の値を所望の範囲にすることが困難である。30重量部を超えるとキャリアの低比重化は図れるものの、キャリアの抵抗が高くなりすぎるため、画像濃度を得にくくなるため好ましくない。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアの芯材の組成は、Mn、Mg、Li、Ca、Sr、Cu、Znから選ばれる少なくとも1種を含むことが望ましい。近年の廃棄物規制を始めとする環境負荷低減の流れを考慮すると、Cu、Zn、Niの重金属を、不可避不純物(随伴不純物)の範囲を超えて含まないことが好ましい。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、その飽和磁化が望ましくは30〜80Am/kg、さらに望ましくは50〜70Am/kgである。飽和磁化が30Am/kg未満では、キャリア付着を誘発しやすくなり、80Am/kgを超えると、磁気ブラシの穂がくなり、高画質を得にくく好ましくない。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、その真比重が望ましくは2.5〜4.5g/cm、さらに望ましくは2.8〜4.0g/cm、最も望ましくは3.0〜4.0g/cmである。真密度が2.5g/cm未満では、キャリアの真密度が低すぎ、流動性が悪化するため、帯電速度が低下したり、1粒子当たりの磁化が下がりすぎ、キャリア付着の原因となる。真密度が4.5g/cmを超えると、真密度が高すぎるため、耐久時のストレスにより、長寿命化が図れない。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリアは、その見掛け密度が望ましくは1.0〜2.2g/cmである。見掛け密度が1.0g/cm未満では、形状が悪く、突起している部分が多くなりやすい。そういった部分は機械的ストレスに弱く、脆いため、強度が低くなりキャリアが破壊されやすくなる。見掛け密度が2.2g/cmを超えると、長寿命化が図りにくい。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、24μm未満の粒子が5体積%以下であることが望ましい。24μm未満の粒子が5体積%を超えると、キャリア付着を誘発しやすくなる。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアに用いられるシリコーン樹脂は、未変性のストレートシリコーン樹脂やアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の各樹脂で変性した変性シリコーン樹脂が挙げられる。
またフェライトキャリアの電気抵抗や帯電量、帯電速度をコントロールすることを目的に、充填するシリコーン樹脂中に導電性剤を添加することができる。導電性剤はそれ自身の持つ電気抵抗が低いことから、添加量が多すぎると急激な電荷リークを引き起こしやすい。従って、添加量としては、充填樹脂の固形分に対し0.25〜20.0重量%であり、好ましくは0.5〜15.0重量%、特に好ましくは1.0〜10.0重量%である。導電性剤としては、導電性カーボンや酸化チタン、酸化スズ等の酸化物、各種の有機系導電剤が挙げられる。
また、上記樹脂中には、帯電制御剤を含有させることができる。帯電制御剤の例としては、トナー用に一般的に用いられる各種の帯電制御剤や、各種シランカップリング剤が挙げられる。これは多量の樹脂を充填した場合、帯電付与能力が低下することがあるが、各種の帯電制御剤やシランカップリング剤を添加することにより、コントロールできるためである。使用できる帯電制御剤やカップリング剤の種類は特に限定されないが、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等の帯電制御剤、アミノシランカップリング剤やフッ素系シランカップリング剤等が好ましい。
<測定方法>
本発明に係る上記樹脂充填型フェライトキャリアの各特性の測定方法を下記に示す。
体積平均粒径)
この体積平均粒径の測定は、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計(Model9320−X100)を用いて測定される。分散媒には水を用い、分散剤や超音波ホモジナイザーによる分散は特に行わず、試料を装置へ直接投入した。
(蛍光X線元素分析)
キャリア表面近傍に存在する樹脂量を測定する方法として、蛍光X線元素分析装置による測定方法がある。蛍光X線元素分析装置は、表面から数μmに存在する元素の量を測定する方法として有効であることがわかっている。測定装置としては株式会社リガク製ZSX100sを用いた。サンプル約5gを真空用粉末試料容器(RS640:株式会社リガク製)に入れ、試料フォルダーにセットし、上記測定装置にて、SiとFeの測定を行った。ここで、測定条件としては、Siについては、Si−Kα線を測定線とし、管電圧50kV、管電流50mA、分光結晶にPET、検出器としてPC(プロポーショナルカウンター)を用いた。FeについてはFe−Kα線を測定線とし、管電圧50kV、管電流50mA、分光結晶にLiF、検出器としてSC(シンチレーションカウンター)を用いた。
得られたそれぞれの蛍光X線強度を用い、強度比(Si強度/Fe強度×100)を計算した。
(粒径と蛍光X線分析結果の関係を導く方法)
次に、粒径によるSi/Fe値の違いの評価方法を説明する。
キャリアサンプルをメッシュを用いた振とう式の粒度分布測定機にいれる。ここで、用いるメッシュはキャリアの体積平均粒径に応じて適宜選択すればよいが、粒径とSi/Fe×100値の関係(相関式)を導くためには、少なくとも2つの異なる目開きを持ったメッシュを用いる必要がある。例えば体積平均粒径40μm程度のものであれば、330メッシュ及び400メッシュを用いることができる。このようなメッシュを用いてキャリアを分級すると、330メッシュの上に残ったもの、330メッシュを通過し400メッシュの上に残ったもの、及び、400メッシュを通過したものの3種類に分けることができる。
また、体積平均粒径が20μmの様に粒径が小さい場合、上述のようなメッシュによる分級は困難であるため、気流分級機を用い、気流分級機の回転数等の条件を変更して分級することができる。
分級されたキャリア粒子の体積平均粒径の測定と蛍光X線元素分析を行う。得られた結果について、分級する前のキャリア粒子の体積平均粒径と、Si/Fe×100値をそれぞれ1として規格化する。横軸に規格化された体積平均粒径(分級後の体積平均径/分級前の体積平均径)、縦軸に規格化されたSi/Fe×100値(分級後のSi/Fe×100値/分級前のSi/Fe×100値)として、グラフを描き、相関式及び相関式の傾き(a)を計算する。
(磁気特性)
飽和磁化の測定は、積分型B−HトレーサーBHU−60型((株)理研電子製)を使用して測定した。電磁石間に磁場測定用Hコイル及び磁化測定用4πIコイルを入れる。この場合、試料は4πIコイルに入れる。電磁石の電流を変化させ磁場Hを変化させたHコイル及び4πIコイルの出力をそれぞれ積分し、H出力をX軸に、4πIコイルの出力をY軸に、ヒステリシスループを記録紙に描く。ここで測定条件としては、試料充填量:約1g、試料充填セル:内径7mmφ±0.02mm、高さ10mm±0.1mm、4πIコイル:巻数30回にて測定した。
(真密度)
キャリア粒子の真密度は、JIS R9301−2−1に準拠して、ピクノメーターを用いて測定した。ここで、溶媒としてメタノールを用い、温度25℃にて測定を行った。
(見掛け密度)
この見掛け密度の測定は、JIS−Z2504(金属粉の見掛け密度試験法)に従って測定される。
(キャリア付着)
キャリア付着を以下の方法にて評価した。すなわち、直径31mm、長さ76mmの円筒形のアルミ素管(以下、スリーブ)の内側に、N極とS極を交互に合計8極の磁石(磁束密度0.1T)を配置したマグネットロールと、該スリーブと2.5mmのGapをもった円筒状の電極を、該スリーブの外周に配置した。
このスリーブ上に、現像剤を1gを均一に付着させた後、外側のアルミ素管は固定したまま、内側のマグネットロールを100rpmで回転させながら、外側の電極とスリーブ間に、直流電圧2000Vを90秒間印可し、トナーを外側の電極に移行させた。
90秒経過後、印可していた電圧を切り、マグネットロールの回転を止めた後、外側の電極を取り外し、電極に移行したトナーと一緒に付着したキャリア粒子の個数を計測した。
ここで、キャリア付着の数に応じて、以下のような評価とした。
◎:キャリア付着無し(非常に良好)
○:キャリア付着の数が1〜3個(良好)
▲:キャリア付着の数が4〜7個(悪い)
×:キャリア付着の数が8個以上(非常に悪い)
(帯電特性)
帯電量は、キャリアとトナーとの混合物を、吸引式帯電量測定装置(Epping q/m−meter、PES−Laboratoriumu社製)により測定し求めた。トナーはフルカラープリンターに使用されている市販の負極性トナー(シアントナー、富士ゼロックス株式会社製DocuPrintC3530用)を用い、トナー濃度を5重量%に調整した。調整した現像剤を50ccのガラス瓶に入れ、100rpmの回転数で撹拌した。
ここで、トナーと5分間撹拌後の帯電量を初期帯電量とし、30分間撹拌後の帯電量を飽和帯電量とした。初期帯電量と飽和帯電量の差が小さいほど帯電速度が速いことを示し、実使用において、補給されたトナーと速やかに混合されることを示す。
また、撹拌10時間後の帯電量を、耐久後の帯電量とした。これは、長期の撹拌ストレスによって帯電量が変動しないかを確認したもので、初期帯電量及び飽和帯電量の値に近いほど安定した帯電特性であることを示している。
<本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアの製造方法>
次に、本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアの製造方法について説明する。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアの芯材を製造する場合、原材料を適量秤量した後、ボ−ルミル又は振動ミル等で0.5時間以上、好ましくは1〜20時間粉砕混合する。このようにして得られた粉砕物を加圧成型機等を用いてペレット化した後、700〜1200℃の温度で仮焼成する。加圧成型機を使用せずに、粉砕した後、水を加えてスラリー化し、スプレードライヤーを用いて粒状化しても良い。仮焼成後さらにボ−ルミル又は振動ミル等で粉砕した後、水及び必要に応じ分散剤、バインダー等を添加し、粘度調整後、スプレードラヤーにて粒状化し、酸素濃度を制御し、1000〜1500℃の温度で1〜24時間保持し、本焼成を行う。仮焼後に粉砕する際は、水を加えて湿式ボールミルや湿式振動ミル等で粉砕しても良い。
上記のボールミルや振動ミル等の粉砕機は特に限定されないが、原料を効果的かつ均一に分散させるためには、使用するメディアに1mm以下の粒径を持つ微粒なビーズを使用することが好ましい。また使用するビーズの径、組成、粉砕時間を調整することによって、粉砕度合いをコントロールすることができる。
このようにして得られた焼成物を、粉砕し、分級する。分級方法としては、既存の風力分級、メッシュ濾過法、沈降法など用いて所望の粒径に粒度調整する。
その後、必要に応じて、表面を低温加熱することで酸化皮膜処理を施し、電気抵抗調整を行うことができる。酸化被膜処理は、一般的なロータリー式電気炉、バッチ式電気炉等を用い、例えば300〜700℃で熱処理を行うことができる。この処理によって形成された酸化被膜の厚さは、0.1nm〜5μmであることが好ましい。0.1nm未満であると、酸化被膜層の効果が小さく、5μmを超えると、磁化が低下したり、高抵抗になりすぎたりするため、所望の特性を得にくくなり好ましくない。また、必要に応じて、酸化被膜処理の前に還元を行っても良い。
このようにして得られた電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア芯材に、シリコーン樹脂を充填する方法としては、様々な方法が使用できる。その方法としては、例えば乾式法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリードライ方式、万能攪拌機等による液浸乾燥法等が挙げられる。これらの方法は、使用する芯材、樹脂によって適当に選択される。
ここで、芯材の空隙部に有効かつ効果的にシリコーン樹脂を充填させるためには、充填する樹脂溶液の粘度は低い方が好ましい。粘度が高すぎると、粒子内部に存在する空隙に樹脂が充填されにくい。
樹脂の粘度が高い場合は、各種溶媒によって希釈し、使用することができる。溶媒で希釈することにより、樹脂溶液の粘度を低くすることができ、粒子内部の空隙に樹脂を充填しやすくなる。
樹脂を充填する際の温度は、精度良く制御することが必要である。シリコーン樹脂の硬化が始まる温度より高い温度で充填を行うと、粒子表面近傍で樹脂が硬化してしまい、粒子内部の空隙まで充填できなくなることがある。また溶媒の揮発する温度よりも、低い温度で充填することが好ましい。温度が高く、溶媒の揮発速度が速いと、充填中に樹脂溶液の粘度が高くなり、粒子内部の空隙まで充填できなくなることがある。
シリコーン樹脂を充填させた後、必要に応じて各種の方式によって加熱し、充填した樹脂を芯材に密着させる。加熱方式としては、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。温度は、充填する樹脂によって異なるが、充分硬化が進む温度まで上げることにより、衝撃に対して強い樹脂充填型フェライトキャリアを得ることができる。
また、上記樹脂充填後のフェライトキャリアに、樹脂をさらに被覆する方法としては、公知の方法、例えば刷毛塗り法、乾式法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリードライ方式、万能攪拌機による液浸乾燥法等により被覆することができる。被覆率を向上させるためには、流動床による方法が好ましい。被覆樹脂は特に制限されない。例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フッ素アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、シリコーン樹脂、あるいはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の各樹脂で変性した変性シリコーン樹脂等が挙げられる。使用中の機械的ストレスによる樹脂の脱離を考慮すると、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。具体的な熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂及びそれらを含有する樹脂等が挙げられる。
樹脂を樹脂充填後のフェライトキャリアに被覆後、焼き付けする場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。UV硬化樹脂を用いる場合は、UV加熱器を用いる。焼き付けの温度は使用する樹脂により異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度は必要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充分硬化が進む温度まで上げる必要がある。
ここで、本発明の特徴である、粒子径によって表面近傍に存在する樹脂量(Si/Fe×100)をコントロールする方法としては、以下の様な方法がある。
最も簡単な方法としては、最終的に得たいキャリア粒子の元になる芯材の粒度分布を、篩や気流分級機等を用いて複数に分ける。このようにして分けられた粒子に対し、異なった量の樹脂を充填させた後、混合してキャリア粒子を得ることができる。
また、別の方法として、充填が終了したキャリア粒子に、流動床タイプのコーティング装置を用いて、スプレーコーティングを施す。流動床コートで、かつスプレーにて樹脂を塗布すると、各粒子に対して、ほぼ同等の回数、樹脂が塗布されることになる。ここで、粒子径が異なると、1粒子当たりの表面積が異なることになるため、結果として、粒子径によって表面近傍に存在する樹脂量を、意図的に変化させることができる。
また、上述の2つの方法を組み合わせることによって、表面近傍に存在する樹脂量を精度良く、所望とする量にコントロールすることができる。
さらに、撹拌型の充填装置を用いる場合、装置内が減圧された状態で用いる場合と、常圧もしくは加圧状態で用いる場合で、粒子径によって表面近傍に存在する樹脂量が異なってくる。この理由は定かではないが、充填装置内が減圧された状態で用いた場合、粒子径が小さいものほど、表面近傍に存在する樹脂量が少なくなる傾向がある。
また、樹脂の粘度、乾燥速度、硬化速度を適宜調整したり、揮発速度の異なる溶剤を複合的に使用したりすることによっても、粒径によって表面近傍に存在する樹脂量を変動させることができる。
具体的には、樹脂粘度が高く、乾燥速度、硬化速度や溶剤の揮発速度は早い時に、粒子径が小さいものほど、表面近傍に存在する樹脂量が多くなる傾向にある。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。
MnO:35mol%、MgO:14.5mol%、Fe:50mol%及びSrO:0.5mol%になるように原料を秤量し、湿式のメディアミルで5時間粉砕してスラリーを得た。得られたスラリーをスプレードライヤーにて乾燥し、真球状の粒子を得た。形成する空隙度合いを調整するために、MnO原料としては炭酸マンガンを、MgO原料としては水酸化マグネシウムを用いた。この粒子を粒度調整した後、950℃で2時間加熱し、仮焼成を行った。次いで、空隙率を高めにしつつ適度な流動性を得るために、1/8インチ径のステンレスビーズを用いて湿式ボールミルで1時間粉砕したのち、さらに1/16インチ径のステンレスビーズを用いて4時間粉砕した。このスラリーに分散剤を適量添加し、また造粒される粒子の強度を確保し、空隙度合いを調整する目的で、バインダーとしてPVAを固形分に対して2重量%添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、電気炉にて、温度1100℃、酸素濃度0体積%で4時間保持し、本焼成を行った。その後、解砕し、さらに分級して粒度調整し、その後磁力選鉱により低磁力品を分別し、フェライト粒子の芯材を得た。このフェライト芯材の体積平均粒径は37.2μmであった。
次いで、得られたフェライト粒子を気流分級機を用いて、異なる平均粒子径をもつように3つに分けた。具体的には、気流分級機のローターの回転数を変更し、分級した結果、体積平均粒径が26.2μm、38.8μm及び47.6μmに分けられた。
次いで、以下の3種類の樹脂溶液を調合した。
(樹脂溶液1)
固形分が20重量%の縮合架橋型メチル系シリコーン樹脂(製品名:SR2411 東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を準備した。上記シリコーン樹脂925重量部(固形分換算で185重量部)、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン18.5重量部、トルエン500重量部を混合した。
(樹脂溶液2)
樹脂溶液1の樹脂量を925重量部から950重量部に変更し、γ―アミノプロピルトリエトキシシランの量を18.5重量部から19重量部に変更した以外は同様にして混合した。
(樹脂溶液3)
樹脂溶液1の樹脂量を925重量部から975重量部に変更し、γ―アミノプロピルトリエトキシシランの量を18.5重量部から19.5重量部に変更した以外は同様にして混合した。
得られた樹脂溶液1と前述の体積平均粒径47.6μmフェライト粒子1000重量部を、樹脂溶液2と前述の体積平均粒径38.8μmフェライト粒子1000重量部を、樹脂溶液3と前述の体積平均粒径26.2μmフェライト粒子1000重量部を、それぞれ別々に撹拌混合容器に入れ、50℃、減圧下で撹拌し、トルエンを揮発させながら樹脂溶液を充填した。
その後、温度を200℃まで上げ、2時間撹拌を行い、樹脂を硬化させた。樹脂が充填、硬化されたフェライト粒子を取り出し、150Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き、異なった樹脂溶液を用いて樹脂を充填した、粒径の異なる樹脂充填型フェライト粒子を得た。
これらを混合し樹脂充填型フェライトキャリアを得た。得られたキャリアの体積平均粒径を測定したところ、40.7μmであった。それ以外のキャリア特性及び評価結果は表1及び表2に示す。
また、以下に示す実施例及び比較例で得られたキャリアの体積平均径、それ以外の特性及び評価結果も合わせて表1及び表2に示す。
実施例1と同じフェライト芯材を作製し、気流分級による分級を行わず、そのままの状態をフェライト芯材とした。
実施例1で用いた樹脂と同じものを用い、樹脂量を970重量部、γ―アミノプロピルトリエトキシシランの量を19.4重量部とトルエン500重量部を混合した。以外は同様にして混合した。
上記フェライト芯材1000重量部と、上記樹脂溶液の1/3を撹拌混合容器に入れ、50℃、常圧下で撹拌し、トルエンを揮発させながら樹脂溶液を充填した。
トルエンがほとんど揮発したことを確認し、さらに1/3の樹脂溶液を20g/分の速度で滴下しながら撹拌し、トルエンを揮発させた。樹脂溶液の滴下が終了した後、3分間撹拌し充分乾燥させた。残った1/3の樹脂溶液を同様に滴下、撹拌し、トルエンを揮発させながら、樹脂を充填した。
その後、温度を200℃まで上げ、2時間撹拌を行い、樹脂を硬化させた。樹脂が充填、硬化されたフェライト粒子を取り出し、150Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き、樹脂充填型フェライト粒子を得た。
実施例1と同じフェライト芯材を作製し、気流分級による分級を行わず、そのままの状態をフェライト芯材とした。
実施例1で用いた樹脂と同じものを用い、樹脂量を850重量部、γ―アミノプロピルトリエトキシシランの量を17重量部のみを混合し、トルエンは混合せずに樹脂溶液を調合した。
上記フェライト芯材1000重量部と、上記樹脂溶液を10g/分の速度で滴下しながら撹拌し、樹脂溶液の滴下が終了した後、30分間撹拌し充分乾燥させた。
その後、温度を220℃まで上げ、2時間撹拌を行い、樹脂を硬化させた。樹脂が充填、硬化されたフェライト粒子を取り出し、150Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き、樹脂充填型フェライト粒子を得た。
実施例1で用いた樹脂と同じものを用い、樹脂量を115重量部、γ―アミノプロピルトリエトキシシランの量を2.3重量部、トルエンを100重量部混合し樹脂溶液を調合した。
実施例3で得られた、樹脂が充填されたキャリア1000重量部を、2流体ノズルを配した流動床コート装置に投入し、上記樹脂溶液を上記2流体ノズルから18g/分の速度で噴霧し、樹脂被覆を行った。
ここで、流動床コートにおけるコート条件として、乾燥エアの温度を60℃に設定し、噴霧圧5kgf/cm、流動床コート装置の下部に設けられた撹拌翼のスピードを250rpmにて行った。
その後、温度を220℃まで上げ、2時間撹拌を行い、樹脂を硬化させた。樹脂が被覆、硬化されたフェライト粒子を取り出し、150Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き、樹脂充填型フェライト粒子を得た。
比較例
(比較例1)
実施例1と同じフェライト芯材を作製し、気流分級による分級を行わず、そのままの状態をフェライト芯材とした。
実施例1で用いた(樹脂溶液1)のトルエン量を500重量部から1000重量部に変更し、樹脂溶液を調合した。この樹脂溶液とフェライト粒子1000重量部を、撹拌混合容器に入れ、70℃、20kPaの減圧下で撹拌し、トルエンを揮発させながら樹脂溶液を充填した。
その後、温度を200℃まで上げ、2時間撹拌を行い、樹脂を硬化させた。樹脂が充填、硬化されたフェライト粒子を取り出し、150Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
(比較例2)
実施例1において、樹脂溶液1と前述の体積平均粒径26.2μmフェライト粒子1000重量部を、樹脂溶液2と前述の体積平均粒径38.8μmフェライト粒子1000重量部を、樹脂溶液3と前述の体積平均粒径47.6μmフェライト粒子1000重量部をそれぞれ配合した以外は、実施例1と同様にして、樹脂充填キャリアを得た。
(比較例3)
比較例1において、トルエンの量を2000重量部にし、トルエンを揮発させる時間をのばすために、圧力を2.3kPaの減圧下、温度を40℃にて樹脂の充填を行った以外は、比較例1と同様にして、樹脂充填キャリアを得た。
(比較例4)
コア材を製造する際の焼成温度を1280℃に変えた以外は、実施例1と同様にしてコア材を得た。得られたコア材は、多孔質なものではなく、表面から連続する空隙を持たない、真球状のフェライトコアであった。このフェライトコアの体積平均径は34.2μmであった。
次に、実施例1で充填に用いた樹脂と同じ樹脂を100重量部(固形分換算で20重量部)、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン3重量部、トルエン500重量部を混合した。
上記コア材1000重量部を、2流体ノズルを配した流動床コート装置に投入し、上記樹脂溶液を上記2流体ノズルから18g/分の速度で噴霧し、樹脂被覆を行った。
ここで、流動床コートにおけるコート条件として、乾燥エアの温度を60℃に設定し、噴霧圧5kgf/cm、流動床コート装置の下部に設けられた撹拌翼のスピードを250rpmにて行った。
その後、200℃で2時間加熱し、樹脂を硬化させた。加熱が終了した後、150Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き樹脂被覆されたフェライトキャリアを得た。
Figure 0005032147
Figure 0005032147
表2に示した結果から明らかなように、実施例1〜4に示した樹脂充填型フェライトキャリアは、キャリア付着の評価において非常に優れた結果を示しており、帯電量も初期値及び飽和値と耐久試験後比較で、ほとんど変化が見られない。
比較例1〜3で得られた樹脂充填型フェライトキャリアは、実施例1〜4で得られた樹脂充填型フェライトキャリアに比べてキャリア付着の評価が著しく悪く、また帯電量の安定性も若干劣る結果となった。低比重化が図られていない比較例4においては、実施例1〜4で得られた樹脂充填型フェライトキャリアに比べてキャリア付着は若干劣る程度であったが、帯電量の安定性については著しく悪い結果となった。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリアは、樹脂充填型フェライトキャリアであるため、樹脂が粒子内部の中心付近まで存在しているため真密度が軽くなり長寿命が達成できる。また、磁性粉分散型キャリアに比して高強度であり、熱や衝撃による割れ、変形、溶融がない。しかも、表面近傍に存在する樹脂量の粒子間のバラツキを小さくし、しかも樹脂充填型フェライトキャリアの体積平均粒径と表面に存在する樹脂量との相関を求め、その傾きを一定範囲とすることにより、キャリア付着が防止され、また良好な帯電量安定性を有する。そして、この樹脂充填型フェライトキャリアを用いた電子写真用現像剤は、画像濃度を充分に確保でき、長期にわたって高品位な画質を維持できる。
従って、上記樹脂充填型フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤は、画像濃度を充分に確保でき、長期にわたって、高品位な画質を維持できることから、特に高画質の要求されるフルカラー機並びに画像維持の信頼性及び耐久性の要求される高速機の分野に広く使用可能である。

Claims (5)

  1. 表面から連続する空隙が芯材内部まで達している多孔質フェライト芯材の空隙にシリコーン樹脂を充填してなる電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアであって、体積平均粒径が20〜50μm、蛍光X線元素分析によって測定された(Si/Fe)×100が2.0〜7.0であり、かつ体積平均粒径と(Si/Fe)×100をそれぞれ下記の通り規格化し、規格化された体積平均粒径と規格化された(Si/Fe)×100が相関を有し、規格化された体積平均粒径を軸、規格化された(Si/Fe)×100を軸として相関式を求め、その相関式の傾き(a)が、−0.50≦a≦0.15であることを特徴とする電子写真現像剤用樹脂充填フェライトキャリア。
    規格化された体積平均粒径:分級後の体積平均粒径/分級前の体積平均粒径
    規格された(Si/Fe)×100:分級後の(Si/Fe)×100/分級前の(Si/Fe)×100
  2. 上記多孔質フェライト芯材100重量部に対して、上記シリコーン樹脂が6〜30重量部充填されている請求項1に記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  3. 上記多孔質フェライト芯材の組成が、Mn、Mg、Li、Ca、Sr、Cu、Znから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は2に記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  4. 飽和磁化が30〜80Am/kg、真密度が2.5〜4.5g/cm、見掛け密度が1.0〜2.2g/cm、24μm未満の粒子が5体積%以下である請求項1、2又は3に記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤。
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