JP5534312B2 - 電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤 - Google Patents

電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤 Download PDF

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Description

本発明は、複写機、プリンター等に用いられる二成分系電子写真現像剤に使用される電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤に関し、詳しくは現像剤としたときに帯電量を制御することができ、また良好な強度を有し、しかも、経時劣化が少なく耐久性に優れた電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤に関する。
電子写真現像方法は、現像剤中のトナー粒子を感光体上に形成された静電潜像に付着させて現像する方法であり、この方法で使用される現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤及びトナー粒子のみを用いる一成分系現像剤に分けられる。
こうした現像剤のうち、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤を用いた現像方法としては、古くはカスケード法等が採用されていたが、現在では、マグネットロールを用いる磁気ブラシ法が主流である。
二成分系現像剤において、キャリア粒子は、現像剤が充填されている現像ボックス内において、トナー粒子と共に撹拌されることによって、トナー粒子に所望の電荷を付与し、さらにこのように電荷を帯びたトナー粒子を感光体の表面に搬送して感光体上にトナー像を形成するための担体物質である。マグネットを保持する現像ロール上に残ったキャリア粒子は、この現像ロールから再び現像ボックス内に戻り、新たなトナー粒子と混合、撹拌され、一定期間繰り返して使用される。
二成分系現像剤は、一成分系現像剤とは異なり、キャリア粒子はトナー粒子と混合、撹拌され、トナー粒子を帯電させ、さらに搬送する機能を有しており、現像剤を設計する際の制御性が良い。従って、二成分系現像剤は高画質が要求されるフルカラー現像装置及び画像維持の信頼性、耐久性が要求される高速印刷を行う装置等に適している。
このようにして用いられる二成分系現像剤においては、画像濃度、カブリ、白斑、階調性、解像力等の画像特性が、初期の段階から所定の値を示し、しかもこれらの特性が耐刷期間中に変動せず、安定に維持されることが必要である。これらの特性を安定に維持するためには、二成分系現像剤中に含有されるキャリア粒子の特性が安定していることが必要になる。
二成分系現像剤を形成するキャリア粒子として、従来は、表面を酸化被膜で覆った鉄粉あるいは表面を樹脂で被覆した鉄粉等の鉄粉キャリアが使用されていた。このような鉄粉キャリアは、磁化が高く、導電性も高いことから、ベタ部の再現性のよい画像が得られやすいという利点がある。
しかしながら、このような鉄粉キャリアは真比重が約7.8と重く、また磁化が高すぎることから、現像ボックス中におけるトナー粒子との撹拌、混合により、鉄粉キャリア表面へのトナー構成成分の融着、いわゆるトナースペントが発生しやすくなる。このようなトナースペントの発生により有効なキャリア表面積が減少し、トナー粒子との摩擦帯電能力が低下しやすくなる。
また、樹脂被覆鉄粉キャリアでは、耐久時のストレスにより表面の樹脂が剥離し、高導電性で絶縁破壊電圧が低い芯材(鉄粉)が露出することにより、電荷のリークが生ずることがある。このような電荷のリークにより、感光体上に形成された静電潜像が破壊され、ベタ部にハケスジ等が発生し、均一な画像が得られにくい。これらの理由から、酸化被膜鉄粉及び樹脂被覆鉄粉等の鉄粉キャリアは、現在では使用されなくなってきている。
近年は、鉄粉キャリアに代わって真比重約5.0程度と軽く、また磁化も低いフェライト芯材を用い、表面に樹脂を被覆した樹脂コートフェライトキャリアが多く使用されており、現像剤寿命は飛躍的に伸びてきた。
しかしながら、最近、オフィスのネットワーク化が進み、単機能の複写機から複合機への時代に進化し、サービス体制も、契約したサービスマンが定期的にメンテナンスを行って現像剤等を交換するようなシステムから、メンテナンスフリーシステムの時代へシフトしてきており、市場からは、現像剤の更なる長寿命化に対する要求が一層高まってきている。
また、オフィスではフルカラー画像が認知され、更なる高画質の要求が高まってきており、トナー粒径も、高解像度を得るため小粒径になってきている。
これに対応し、キャリア粒径もトナーに所望の電荷を素早く帯電させる必要があり、高比表面積を有する小粒径の方向にシフトしてきている。全体的に粒度分布を小粒径化した場合、特に、微粉側の粒子が、感光体へ飛散又は付着する現象、いわゆるキャリア付着が起きやすくなり、白抜け等致命的な画像欠陥を誘発しやすくなる。従って、小粒径キャリアは、粒度分布幅をさらに狭く管理することも要求されてきている。
このような中で、キャリア粒子の軽量化を図り、現像剤寿命を伸ばすことを目的として、微細な磁性微粒子を樹脂中に分散させた磁性粉分散型キャリアも多く提案されている。
このような磁性粉分散型キャリアは、磁性微粒子の量を少なくすることにより真密度を下げることができ、撹拌によるストレスを軽減できるため、被膜の削れや剥離を防止することができ、長期にわたって安定した画像特性を得ることができる。
しかしながら、磁性粉分散型キャリアは、バインダー樹脂が磁性微粒子を覆っているため、キャリア抵抗が高い。そのため、充分な画像濃度を得ることが難しいという問題がある。
また、磁性粉分散型キャリアは、磁性微粒子をバインダー樹脂で固めているものであり、撹拌ストレスや現像機内での衝撃により磁性微粒子が脱離したり、従来用いられてきた鉄粉キャリアやフェライトキャリアに比べ機械的強度に劣るためか、キャリア粒子自体が割れたりするという問題が発生することがあった。そして、脱離した磁性微粒子や割れたキャリア粒子は感光体に付着し、画像欠陥を引き起こす原因となることがあった。
さらに、磁性粉分散型キャリアは、微細な磁性微粒子を用いるため、残留磁化及び保磁力が高くなり、現像剤の流動性が悪くなるという欠点がある。特にマグネットロール上に磁気ブラシを形成した場合、残留磁化及び保磁力があるために、磁気ブラシの穂が硬くなり、高画質を得にくい。また、マグネットロールを離れても、キャリアの磁気凝集がほぐれず、補給されたトナーとの混合が速やかに行われないため、帯電量の立ち上がりが悪く、トナー飛散やかぶりといった画像欠陥を起こすという問題があった。
磁性粉分散型キャリアに代わるものとして多孔性キャリア芯材の空隙に樹脂を充填した樹脂充填型キャリアが提案されている。例えば特許文献1(特開平11−295933号公報)には、コアと、コアの細孔に含まれるポリマーと、コアを覆うコーティングとを含むキャリアが記載されている。これらの樹脂充填型キャリアにより、衝撃が少なく、所望の流動性を持ち、摩擦帯電値の範囲が広く、所望の伝導率であり、体積平均粒径が一定範囲にあるキャリアが得られるとされている。
ここで、特許文献1には、コア材として、既知の多孔性コア等の、様々な適当な多孔性固体状コアキャリア物質を用いることができるとされている。
しかし、同特許文献1の実施例に記載の様に、BET面積が1600cm/g程度の多孔度では、樹脂を充填させても充分な低比重化が図れるものではなかった。
また、このような芯材に多量の樹脂を充填しようとすると、充填しきれなかった樹脂が、芯材と密着せずに単独で存在し、キャリア中で浮遊したり、粒子間の凝集が多量発生し、流動性が悪くなったり、実使用期間中に凝集が解れた際に、帯電特性が大きく変動する等、安定した特性を得ることが困難である。
加えて、同特許文献1には、多孔性コアを用い、そこに充填する樹脂とさらにその表面を被覆する樹脂の総含有量がキャリアの約0.5重量%〜約10重量%であることが好ましいとされている。さらに同特許文献1の実施例では、それらの樹脂は、キャリアに対して高々6重量%に満たない。このような少量の樹脂では、所望とする低比重を実現することはできず、従来から使用されてきた樹脂被覆キャリアと同様の性能しか得ることができない。
加えて、特許文献1に記載のキャリアは、コア材の多孔性が充分でない上に、施している樹脂の量が少ないため、樹脂層とフェライト層とが交互に存在する立体的積層構造をなしている樹脂充填型キャリアを得ることはできない。本発明者らは、表面から連続する空隙が芯材内部まで達している多孔質フェライト芯材の空隙に樹脂を充填することにより、樹脂層とフェライト層とが交互に存在する立体的積層構造が複数回存在している樹脂充填型キャリアを得ることができることを知見している。ここでいう立体的積層構造とは、キャリア粒子の断面において、粒子の中心を通る直線(直径)をひいた場合、その直線に沿って粒子の端から端まで通過する間に、樹脂層とフェライト層とが交互に複数存在する構造である。本発明者らは、また、このような立体的積層構造をなすことにより、コンデンサー的な性質を保有しているため帯電付与能力に優れ、さらにその安定性に優れ、しかも、磁性粉分散型キャリアに比して高強度であり、熱や衝撃による割れ、変形、溶融がないという効果を奏することを知見している。
特許文献1で開示されているキャリアは、樹脂又は電気絶縁性樹脂の微粉末を充填するものであるが、その形態は実質的には、従来から知られているコア表面を樹脂で被覆したキャリアの樹脂量を増やしたものに過ぎず、僅かな空孔にしみ込んでいる程度のものであり、帯電付与能力やその安定性に関して、満足できるレベルではなかった。
特許文献2(特開2006−337579号公報)には、空隙率が10〜60%であるフェライト芯材に樹脂を充填してなる樹脂充填型キャリアが提案されている。同特許文献2では、この樹脂充填型キャリアは、樹脂を充填しているため真密度が軽くなり長寿命化が達成でき、流動性に優れ、また充填する樹脂の選択により、帯電量等の制御が容易にでき、しかも磁性粉分散型キャリアに比して高強度であり、また熱や衝撃による割れ、変形、溶融がないとされている。この充填型キャリアは、上記特許文献1に記載されているような樹脂充填型キャリアの課題を解決するものである。
さらに、特許文献3(特開2007−57943号公報)には、表面から連続する空隙が内部まで達している多孔質フェライト芯材の空隙に樹脂を充填してなる樹脂充填型フェライトキャリアであって、樹脂層とフェライト層が交互に存在する立体的積層構造が複数回存在している電子写真現像剤用キャリアが開示されている。また、同特許文献3の実施例においては、フェライト芯材100重量部に対して、縮合架橋型シリコーン樹脂12〜20重量部を充填する例が記載されている。
このように多量の樹脂を多孔質フェライト芯材に充填しようとすると、充填しきれずに、フェライト芯材に密着しない状態で存在する樹脂が発生し、その結果、トナーとの摩擦帯電を阻害する等の問題があった。
また、浮遊した樹脂微粒子が静電潜像に移行し、白斑等の画像欠陥につながることがあった。さらには、このような浮遊した樹脂微粒子の存在量が樹脂充填型キャリアの製造の度に変わり、現像剤特性の変動につながり、生産安定性を著しく悪くしていた。
キャリア芯材に樹脂を充填又は被覆する樹脂及び被覆量については、例えば特許文献4(特開平3−229271号公報)には、長軸を含む断面の空隙面積が10%未満であるキャリアコア粒子の表面を酸又はアルカリで腐食させることにより凹凸を作り、その表面に樹脂をコーティングした電子写真現像剤用キャリアが開示されている。また、同特許文献4の比較例2には、長軸を含む断面の空隙面積17.8%、比表面積915cm/g、平均粒径95μmであるフェライト粒子を塩酸溶液中で処理した芯材(比表面積1341cm/g)並びに同芯材にアクリル系樹脂のコーティングを施したキャリアが例示されている。同特許文献4の比較例にも記載されているように、単にアクリル系樹脂をコーティングしたキャリアでは、充分な帯電安定性を得ることができなかった。同特許文献4には、施した樹脂コーティングの量に関する詳細な記載がなく、また施した樹脂の特性に関する開示もない。従って、帯電性が不安定な理由は定かではないが、比表面積がたかだか1400cm/gに満たないフェライト芯材に、多量の樹脂をコーティングすると、芯材に密着せずに浮遊した樹脂が多量に発生することが考えられ、帯電安定性の欠如の原因となるものと考えられる。さらには、同特許文献4の比較例2に記載のキャリアの平均粒径は約95μmであるが、このような大粒径のキャリアでは、近年のトナー小粒径化に対応できる程の帯電能力を得ることは困難であった。
また、特許文献5(特開2004−77568号公報)には、キャリア芯材表面に樹脂被覆層を形成した電子写真現像用樹脂被覆キャリアであって、該キャリアは重量平均粒径20〜45μmの多孔質磁性体の表面及び内部の空隙に、該多孔質磁性体自体の抵抗よりも高抵抗物質を有し、かつ5000ボルト印可時の抵抗LogRが10.0Ωcm以上である電子写真現像剤用キャリアが開示されている。
そして、同特許文献5のキャリア製造例3においては、芯材5kgとメチルメタアクリレート150g及びトルエン5kgを混合しスプレードライする工程を2回繰り返し、その後シリコーン樹脂で約0.5μmの被覆膜を形成した例が示されている。つまり、同特許文献5で開示されているキャリアは、多孔質磁性体粒子に高々6重量%の樹脂処理を施しているものである。このような量の樹脂では、低比重化を図ることは困難であり、帯電性の安定化や長寿命化を得ることは難しい。
上記特許文献1〜特許文献5には、充填又は被覆する樹脂の例として、上述のように様々な種類の樹脂が開示されている。しかし、これらの特許文献1〜特許文献5には、使用する樹脂の性状等に関する開示はなく、どのような樹脂でも使用できるとの説明があるのみである。
例えば、特許文献2では縮合架橋型シリコーン樹脂SR−2411(東レダウコーニングシリコーン社製)や熱可塑性アクリル樹脂(三菱レイヨン社製)が用いられている。このような樹脂では、多量の樹脂を充填しようとした場合、芯材に密着せずに浮遊した樹脂が多量に発生することが考えられ、帯電安定性の欠如の原因となるものと考えられる。
一方、特許文献6(特開平5−173371号公報)には、50℃以上の軟化点を有し、赤外分光光度計による吸光度がメチル基とフェニル基との比で0.6〜3.0の範囲にあるメチルフェニルシリコーン重合体を含有する被覆用樹脂で、核体粒子を被覆した静電荷像現像用キャリアが開示されている。また、被覆用樹脂と核体粒子とを乾燥状態で混合した後、加熱して上記被覆用樹脂を溶融し、核体粒子を被覆する静電荷像現像用キャリアの製造方法の開示がある。
この特許文献6は、特定の樹脂を被覆するものであり、被覆樹脂の適正な配合量としては、0.3〜10重量%程度、好ましくは0.5〜3重量%であるとしている。また、実施例においては高々2重量%程度の樹脂量である。さらに、同特許文献6では、メチル基とフェニル基の比が特定の範囲にあることが好ましいとされている。その理由として、メチル基とフェニル基の比が0.6未満で軟化点が50℃以上のシリコーン重合体を用いると、残留OH基によって架橋が進行し易くなり、加熱溶融被覆法では均一なコートが得られにくく、かつ、剥がれ易くなり、また、上記の比が0.6以上で軟化点が50℃未満のシリコーン重合体を用いると、重合が不十分になり易く、低分子量のポリマーが多数含まれ、製造時の凝集もしくは被覆後にキャリア凝集が発生し易くなる旨記載されている。
このことからも判るように、特許文献6はあくまでも樹脂被覆キャリアを開示するものであり、本発明のような樹脂充填型キャリアについて示唆するものではない。
特許文献7(特開2008−242348号公報)には、多孔質フェライト芯材に充填する樹脂として、40℃以上の軟化点をもち、該軟化点以上で硬化されているシリコーン系樹脂を用いることが記載されている。そして、この特許文献7には、特定の熱的性質を持つシリコーン樹脂を用いることで、浮遊樹脂をほとんどなくすことが可能であると開示されている。
しかし、特許文献7にて示されるようなシリコーン系樹脂を用いただけでは、樹脂が充填された粒子の表面を被覆しようとした場合、被覆樹脂と粒子との密着性が極度に低く、事実上シリコーン系樹脂以外の樹脂を被覆することは不可能であった。このため、使用中に被覆樹脂の剥離が生じ、経時劣化が起き、耐久性に問題がある。また、被覆樹脂の選択が限られるため、トナーの種類も制限される。
また、帯電性能を調節するために、充填樹脂中にアミノシランカップリング剤等のアミノ基含有物質を添加した場合、特許文献7の実施例に示されたようなシリコーン系樹脂(ポリメチルシルセスキオキサン)ではシラノール基の縮合反応が急速に進み、充填が完了する前に樹脂溶液がゲル化することが多く見られる。そのため、帯電量を制御することが非常に困難であるという課題があった。
さらに、特許文献7の実施例で開示されているようなシリコーン系樹脂を用いた場合には、確かに多孔質フェライト芯材内部まで樹脂が浸透するものの、その浸透の仕方はなお不完全であり、内部に樹脂が浸透しない空孔が形成されることがあるために、キャリア粒子が脆弱となり、使用中に割れや欠けが生じる場合があった。
このように、上記した樹脂充填型キャリアの利点を保持しつつ、現像剤としたときに帯電量を制御することができ、また良好な強度を有し、しかも、経時劣化が少なく耐久性に優れた樹脂充填型キャリアが求められている。
特開平11−295933号公報 特開2006−337579号公報 特開2007−57943号公報 特開平3−229271号公報 特開2004−77568公報 特開平5−173371号公報 特開2008−242348号公報
従って、本発明の目的は、樹脂充填型キャリアの利点を保持しつつ、現像剤としたときに帯電量を制御することができ、また良好な強度を有し、しかも、経時劣化が少なく耐久性に優れた樹脂充填型フェライトキャリア及び該樹脂充填型フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤を提供することにある。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討した結果、充填樹脂として、特定のシリコーン樹脂を用いることによって上記目的が達成されることを知見し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、多孔質フェライト芯材の空隙に樹脂を充填させて得られる電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアであって、該樹脂がフェニル基を有するシリコーン樹脂であり、該シリコーン樹脂が下記特性(1)〜(3)を有することを特徴とする電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアを提供するものである。
(1)ゲルパーミテーションクロマトグラフィーによる微分分子量曲線において、500〜1000及び/又は1000〜10000の間に少なくとも1つのピークを有する;
(2)ゲルパーミテーションクロマトグラフィーによる個数平均分子量が1000〜2000、重量平均分子量が2000〜10000、Z平均分子量が10000〜20000である;
(3)個数平均分子量に対する重量平均分子量の比が1〜6である;
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアにおいて、上記シリコーン樹脂の核磁気共鳴分光法によって測定されるメチル基に対するフェニル基のモル比が0.3〜0.9であることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアにおいて、上記シリコーン樹脂中に、アミノシランカップリング剤をシリコーン樹脂固形分に対して5〜30重量%含有することが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアにおいて、上記多孔質フェライト芯材の組成が、Mn、Mg、Li、Ca、Sr、Cu、Znから選ばれる少なくとも1種を含むことが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアにおいて、上記多孔質フェライト芯材100重量部に対して、上記シリコーン樹脂の充填量が6〜30重量部であることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、樹脂により表面に被覆することが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアにおいて、上記樹脂の被覆量は、上記樹脂を充填してなる樹脂充填型フェライト100重量部に対して、0.1〜5.0重量部であることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、体積平均粒径が20〜50μm、飽和磁化が30〜80Am/kg、真密度が2.5〜4.5g/cm、見掛け密度が1.0〜2.2g/cmであることが望ましい。
また、本発明は、上記樹脂充填型フェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤を提供するものである。
本発明に係る上記電子写真現像剤は、補給用現像剤としても用いられる。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、樹脂充填型フェライトキャリアであるため、真密度が軽くなり長寿命化が達成でき、流動性に優れ、帯電量等の制御が容易にでき、しかも磁性粉分散型キャリアに比して高強度であり、また熱や衝撃による割れ、変形、溶融がない。また、特定のシリコーン樹脂を用いることによって、被覆樹脂との密着性が優れるため、現像剤として使用中に被覆樹脂の剥離による経時劣化が小さいので耐久性に優れる。また、被覆樹脂の選択幅が広がるために、適用し得るトナーも多くなる。さらに、アミノシランカップリング剤等のアミノ基含有物質と併用することができるため、帯電量の制御が可能であり、しかも樹脂が多孔性フェライト芯材の空隙部により完全に浸透するため、フェライトキャリアの強度が高まり、現像剤として使用中に割れや欠けが減少する。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
<本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア>
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、多孔質フェライト芯材の空隙に樹脂を充填してなり、該樹脂として特定のシリコーン樹脂を用いる。このようなシリコーン樹脂充填型フェライトキャリアは、真密度が軽くなり長寿命化が達成でき、流動性に優れ、帯電量等の制御が容易にでき、しかも磁性粉分散型キャリアに比して高強度であり、また熱や衝撃による割れ、変形、溶融がない。また、シリコーン樹脂はある程度の硬度が得られる上に、表面張力が低いために、キャリアとして用いられた場合にトナーによる汚染(トナースペント)を軽減できる。
本発明に用いられるシリコーン樹脂はフェニル基を有する。つまり、メチルフェニルシリコーンである。一般的にシリコーン樹脂には、側鎖にメチル基のみを含むメチルシリコーンと、メチル基以外にフェニル基を持つメチルフェニルシリコーンが知られている。メチルフェニルシリコーンはメチルシリコーンと比較すると、次の特徴を持つことが知られている。(1)耐熱性に優れる、(2)他の有機樹脂との相溶性に、相対的に優れる、(3)ケイ素に結合している水酸基の反応性が低い。このような利点を有するシリコーン樹脂を用いることによって上記効果が得られる。
本発明に用いられるシリコーン樹脂は、核磁気共鳴分光法によって測定されるメチル基に対するフェニル基のモル比が0.3〜0.9であることが望ましく、0.5〜0.7であることがさらに望ましい。この範囲において、樹脂充填型フェライトキャリアの表面に樹脂を被覆した場合に被覆樹脂との密着性に優れる。メチル基に対するフェニル基のモル比が0.3未満であると、先に示したメチルフェニルシリコーンとしての特性が十分に現れない。また、0.9を超えると、他の樹脂との相溶性が非常に高くなり、結果としてトナースペントが生じやすくなるため、充填に使用する樹脂として好ましくない。
[フェニル基及びメチル基の測定]
上記したフェニル基及びメチル基の測定は、硬化前のシリコーン樹脂の分析によって行われ、NMR(核磁気共鳴分光法)によって測定される。残念ながら、フェライト等の磁性材料に充填されたシリコーン樹脂のNMR測定は困難であるため、シリコーン樹脂のみを測定する必要がある。従って、本発明においては、硬化前のシリコーン樹脂のみをNMRにて分析することで、擬似的にキャリア芯材の空隙に充填されたシリコーン樹脂の構造を特定する方法を採った。
具体的な測定方法は、次の通りである。
充填樹脂溶液中に含まれる希釈溶媒をあらかじめ室温で揮発させた後、室温で真空乾燥した。
こうして得られた樹脂固形物を重ジクロロメタンに溶解させた.
得られた樹脂溶液を、NMR測定装置(型式:INOVA AS600、 VARIAN社製)を用いて、得られた1H−NMRスペクトルから、メチル基及びフェニル基の量を測定した。解析に際しては、−0.6〜+0.6ppmのピークをメチル基、6.2〜8.3ppmのピークをフェニル基由来の物と帰属した。その際、測定条件として、積算回数:16回とし、溶媒のピーク(5.32ppm)を内部標準として用いた。
本発明に用いられるシリコーン樹脂は、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーによる微分分子量曲線において、500〜1000の間及び/又は1000〜10000の間に少なくとも1つのピークを持つことが必要であり、上記2つの範囲にそれぞれ1つずつピークを持つことが好ましい。500〜1000の間にピークを持つことにより、充填されるのに適切な粘性を持つことができる。これより分子量が小さい範囲にピークを持つ場合、硬化できなかった低分子量成分が発生し、経時の使用において徐々にキャリア表面に染み出して、キャリア特性に悪影響を及ぼす恐れがある。また、1000〜10000の間にピークを持つことにより、硬化させた後に緻密な架橋構造をもつことができるようになり、良好な強度を得ることができるようになる。これより大きな範囲にピークを持つ場合、硬化後の構造は十分に緻密にはなりにくい。
本発明に用いられるシリコーン樹脂は、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーによる個数平均分子量が1000〜2000であることが必要であり、1200〜1900であることが好ましい。個数平均分子量が1000未満の場合、硬化できなかった低分子量成分が発生し、経時の使用において徐々にキャリア表面に染み出してキャリア特性に悪影響を及ぼす恐れがある。また、個数平均分子量が2000を超える場合には粘性が高くなりすぎ、フェライト芯材の空隙に十分に浸透することができなくなる恐れがある。
本発明に用いられるシリコーン樹脂は、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量が2000〜10000であることが必要であり、4000〜7000であることが好ましい。重量平均分子量が2000未満の場合、硬化できなかった低分子量成分が発生し、経時の使用において徐々にキャリア表面に染み出して、キャリア特性に悪影響を及ぼす恐れがある。また、重量平均分子量が10000を超える場合には粘性が高くなりすぎ、フェライト芯材の空隙に十分に浸透することができなくなる恐れがある。
本発明に用いられるシリコーン樹脂は、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーによるZ平均分子量が10000〜20000であることが必要であり、12000〜18000であることが好ましい。Z平均分子量が10000未満の場合、硬化できなかった低分子量成分が発生し、経時の使用において徐々にキャリア表面に染み出して、キャリア特性に悪影響を及ぼす恐れがある。また、Z平均分子量が20000以上の場合には粘性が高くなりすぎ、フェライト芯材の空隙に十分に浸透することができなくなる恐れがある。
〔ピーク及び各平均分子量の測定〕
ゲルパーミテーションクロマトグラフィー(ゲル浸透クロマトグラフィー)を用いて測定した。具体的には次のようにして測定した。樹脂が溶液である場合には、ドラフト中で1日風乾して溶媒を除去した。固形分濃度として3mg/mLとなるように試料を精秤し、HPLC用THF10mLに溶解した。試料溶液をPTFE製0.45μm孔径ディスポーザブルフィルターで炉過した後、その一部をTHF系GPC測定に用いた。GPC装置はHLC−8220システム(東ソー製)を用いた。ガードカラムにTSKguardcolum HXL−Hを1本用いた。カラムにはTSKgel GMHXL 2本と、TSKgel G3000HXLおよびG3000HXLをそれぞれ1本ずつ用いた。カラム温度を40℃とし、溶離液にはHPLC用THFを用い、その流量は1.0mL/分とした。試料溶液の注入量は200μLとし、分析時間は50分とした。検出にはRIを用いた。解析ソフトにはGPC8020 modelII(東ソー製)を用いた。また、標準試料にはShodex STANDARD ポリスチレンSM−105(分子量3.73E6,2.48E6,5.79E5,1.97E5,5.51E4,3.14E4,1.28E4,3.95E3,1.20E3)とShodexポリスチレンA−300(分子量3.70E2)を用いた。
本発明に用いられるシリコーン樹脂は、上記個数平均分子量に対する上記重量平均分子量の比が1〜6であることが必要であり、1〜4であることが望ましい。上記比が6より大きくなると分子量分布が広くなりすぎ、低分子量成分が長い使用期間の間に徐々にキャリア表面に染み出してキャリア特性に悪影響を及ぼす恐れがある。また、高分子量成分がフェライト芯材の空隙にまで浸透することができない可能性があり、結果的に内部空孔の発生につながることがある。
次に、この樹脂の硬化(架橋)形態について説明する。
シリコーン樹脂の硬化(架橋)形態としては、過酸化物架橋、縮合架橋型及び付加反応型が一般的であることは公知の事実である。過酸化物架橋では、架橋反応中にアルコールやカルボン酸等の副生成物が必ず発生する。このような副生成物が発生すると、多孔質フェライト内部に充填された樹脂中に空隙や空孔が発生するため、充填後のキャリアの強度が弱くなりやすく好ましくない。また、同時に体積変化も大きく、充填後のキャリアの強度低下を招く原因となる。付加反応架橋であるヒドロシリル化架橋反応は、硬化時に副生成物を発生させないこと、硬化前後で体積変化がない、という特徴から本発明のような樹脂充填型フェライトキャリアには適していると言える。しかし、この架橋反応は無触媒ではほとんど進まない。従って、一般的には白金化合物を触媒として用いる。しかし、ヒドロシリル化架橋反応は未硬化状態をある程度維持する為に、硬化遅延剤を併用するなどの工夫はなされているものの、その制御は難易度が高く、本発明のような樹脂充填型キャリアに用いた場合、充填される前に硬化してしまう等の問題が発生することが予測される。
縮合架橋には、用いる架橋剤の種類によって、脱アルコール型、脱酢酸型、脱オキシム型、脱アセトン型等があるが、いずれも発生する副生成物の量が多く、好ましくない。
本発明において最も良好な架橋形態としては、縮合架橋型の中でも、シリコーン樹脂にもともと含まれるシラノール基同士の間で起こる脱水縮合である。副生成物として水が発生するが、樹脂のシラノール基の量を調整することによって、悪影響がでない程度に減らすことができる。但し、この脱水縮合反応ではアミノ基等の塩基が触媒的に作用し、反応速度を早める。そのため、正帯電用キャリアの帯電制御剤として現在一般的に使用されているアミノシランカップリング剤をシリコーン溶液に加えた場合、充填工程が終了する前にシリコーン樹脂溶液がゲル化を起こしてしまい、充填することができない場合がある。しかしながら、シリコーンにおけるシロキサンの脱水縮合反応の速度は、メチルフェニルシリコーンにおいては遅い。そのため、樹脂に対して帯電制御剤として塩基性物質、例えばアミノシランカップリング剤を加えても、作業中にゲル化を起こすことがなく、問題なく使用することができる。アミノシランカップリング剤は、シリコーン樹脂の固形分に対して5〜30重量%含有されることが望ましく、5〜15重量%含有されることがさらに望ましい。5重量%未満では帯電制御剤としての性能を発揮するのに十分でない。また、30重量%を超えると帯電量が極端に大きくなることが多く、現像剤としたときに所望の画質を得られにくくなる。ここで使用されるアミノシランカップリング剤は特に限定されないが、γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐β(アミノエチル)γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、N‐β(アミノエチル)γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐β(アミノエチル)γ‐アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ‐アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N‐フェニル‐γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、N‐フェニル‐γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型キャリアは、多孔質フェライト芯材に樹脂を充填する。樹脂の充填量は、多孔質フェライト芯材100重量部に対して6〜30重量部が望ましく、より望ましくは6〜20重量部、更に望ましくは7〜18重量部、最も好ましくは8〜17重量部である。樹脂の充填量が6重量部未満であると、十分な軽量化が図れない。また、樹脂の充填量が30重量部を超えると、充填しきれずに残った遊離樹脂が多量に発生するため、帯電不良等の不具合の原因となる。
フェライトキャリアの電気抵抗や帯電量、帯電速度をコントロールすることを目的に、充填するシリコーン樹脂中に導電剤を添加することができる。導電剤はそれ自身の持つ電気抵抗が低いことから、添加量が多すぎると急激な電荷リークを引き起こしやすい。従って、添加量としては、充填樹脂の固形分に対し0.25〜20.0重量%であり、好ましくは0.5〜15.0重量%、特に好ましくは1.0〜10.0重量%である。導電剤としては、導電性カーボンや酸化チタン、酸化スズ等の酸化物、各種の有機系導電剤が挙げられる。
また、上記シリコーン樹脂中には、帯電制御剤を含有させることができる。帯電制御剤の例としては、トナー用に一般的に用いられる各種の帯電制御剤や、各種シランカップリング剤が挙げられる。これは多量の樹脂を充填した場合、帯電付与能力が低下することがあるが、各種の帯電制御剤やシランカップリング剤を添加することにより、コントロールできるためである。使用できる帯電制御剤やカップリング剤の種類は特に限定されないが、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等の帯電制御剤、アミノシランカップリング剤やフッ素系シランカップリング剤等が好ましい。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアの芯材の組成は、Mn、Mg、Li、Ca、Sr、Cu、Znから選ばれる少なくとも1種を含むことが望ましい。近年の廃棄物規制を始めとする環境負荷低減の流れを考慮すると、Cu、Zn、Niの重金属を、不可避不純物(随伴不純物)の範囲を超えて含まないことが好ましい。
本発明に係るシリコーン樹脂充填型フェライトキャリアは、樹脂が被覆されていることが望ましい。被覆樹脂は特に制限されない。例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フッ素アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、シリコーン樹脂、あるいはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の各樹脂で変性した変性シリコーン樹脂等が挙げられる。使用中の機械的ストレスによる樹脂の脱離を考慮すると、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。具体的な熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂及びそれらを含有する樹脂等が挙げられる。樹脂の被覆量は、シリコーン樹脂充填型フェライトキャリア(樹脂被覆前)100重量部に対して、0.5〜5.0重量部が好ましい。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、その平均粒径が20〜50μmであり、この範囲でキャリア付着が防止され、また良好な画質が得られる。平均粒径が20μm未満では、キャリア付着が発生しやすくなるため好ましくない。平均粒径が50μmを超えると、画質が劣化しやすくなり、好ましくない。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、その飽和磁化が望ましくは30〜80Am/kg、さらに望ましくは50〜70Am/kgである。飽和磁化が30Am/kg未満では、キャリア付着を誘発しやすくなり、80Am/kgを超えると、磁気ブラシの穂が高くなり、高画質を得にくく好ましくない。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、その真密度が望ましくは2.5〜4.5g/cm、さらに望ましくは2.8〜4.0g/cm、最も望ましくは3.0〜4.0g/cmである。真密度が2.5g/cm未満では、キャリアの真密度が低すぎ、流動性が悪化するため、帯電速度が低下したり、1粒子当たりの磁化が下がりすぎ、キャリア付着の原因となる。真密度が4.5g/cmを超えると、真密度が高すぎるため、耐久時のストレスにより、長寿命化が図れない。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリアは、その見掛け密度が望ましくは1.0〜2.2g/cmである。見掛け密度が1.0g/cm未満では、形状が悪く、突起している部分が多くなりやすい。そういった部分は機械的ストレスに弱く、脆いため、強度が低くなりキャリアが破壊されやすくなる。見掛け密度が2.2g/cmを超えると、長寿命化が図りにくい。
<測定方法>
本発明に係る上記樹脂充填型フェライトキャリアの各特性の測定方法を下記に示す。
(平均粒径)
この平均粒径の測定は、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計(Model9320−X100)を用いて測定される。分散媒には水を用いた。試料10gと水80mlを100mlのビーカーにいれ、分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム)を2〜3滴添加する。次いで超音波ホモジナイザー(SMT.CO.LTD.製 UH−150型)を用い、出力レベル4に設定し、20秒間分散を行った。その後、ビーカー表面にできた泡を取り除き、試料を装置へ投入した。24μm未満の粒子の体積%も同様に測定して算出した。
(磁気特性)
飽和磁化の測定は、積分型B−HトレーサーBHU−60型((株)理研電子製)を使用して測定した。電磁石間に磁場測定用Hコイル及び磁化測定用4πIコイルを入れる。この場合、試料は4πIコイルに入れる。電磁石の電流を変化させ磁場Hを変化させたHコイル及び4πIコイルの出力をそれぞれ積分し、H出力をX軸に、4πIコイルの出力をY軸に、ヒステリシスループを記録紙に描く。ここで測定条件としては、試料充填量:約1g、試料充填セル:内径7mmφ±0.02mm、高さ10mm±0.1mm、4πIコイル:巻数30回にて測定した。
(真密度)
キャリア粒子の真密度は、JIS R9301−2−1に準拠して、ピクノメーターを用いて測定した。ここで、溶媒としてメタノールを用い、温度25℃にて測定を行った。
(見掛け密度)
この見掛け密度の測定は、JIS−Z2504(金属粉の見掛け密度試験法)に従って測定される。
<本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアの製造方法>
次に、本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアの製造方法の一例について説明する。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアの芯材を製造する場合、原材料を適量秤量した後、ボ−ルミル又は振動ミル等で0.5時間以上、好ましくは1〜20時間粉砕混合する。このようにして得られた粉砕物を加圧成型機等を用いてペレット化した後、700〜1200℃の温度で仮焼成する。加圧成型機を使用せずに、粉砕した後、水を加えてスラリー化し、スプレードライヤーを用いて粒状化しても良い。仮焼成後さらにボ−ルミル又は振動ミル等で粉砕した後、水及び必要に応じ分散剤、バインダー等を添加し、粘度調整後、スプレードラヤーにて粒状化し、酸素濃度を制御し、1000〜1500℃の温度で1〜24時間保持し、本焼成を行う。仮焼後に粉砕する際は、水を加えて湿式ボールミルや湿式振動ミル等で粉砕しても良い。
上記のボールミルや振動ミル等の粉砕機は特に限定されないが、原料を効果的かつ均一に分散させるためには、使用するメディアに1mm以下の粒径を持つ微粒なビーズを使用することが好ましい。また使用するビーズの径、組成、粉砕時間を調整することによって、粉砕度合いをコントロールすることができる。
このようにして得られた焼成物を、粉砕し、分級する。分級方法としては、既存の風力分級、メッシュ濾過法、沈降法など用いて所望の粒径に粒度調整する。
その後、必要に応じて、表面を低温加熱することで酸化皮膜処理を施し、電気抵抗調整を行うことができる。酸化被膜処理は、一般的なロータリー式電気炉、バッチ式電気炉等を用い、例えば300〜700℃で熱処理を行うことができる。この処理によって形成された酸化被膜の厚さは、0.1nm〜5μmであることが好ましい。0.1nm未満であると、酸化被膜層の効果が小さく、5μmを超えると、磁化が低下したり、高抵抗になりすぎたりするため、所望の特性を得にくくなり好ましくない。また、必要に応じて、酸化被膜処理の前に還元を行っても良い。
このようにして得られた電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア芯材に、多孔質フェライト芯材にシリコーン樹脂を充填する方法としては、様々な方法が使用できる。その方法としては、例えば乾式法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリードライ方式、万能撹拌機等による液浸乾燥法等が挙げられる。
加熱方式としては、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。温度は、充填する樹脂によって異なるが、充分硬化が進む温度まで上げることにより、衝撃に対して強い樹脂充填型フェライトキャリアを得ることができる。
また、上記シリコーン樹脂充填後のフェライトキャリアの表面に樹脂をさらに被覆する方法としては、公知の方法、例えば刷毛塗り法、乾式法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリードライ方式、万能撹拌機による液浸乾燥法等により被覆することができる。被覆率を向上させるためには、流動床による方法が好ましい。被覆樹脂は上述した通りである。
シリコーン樹脂を、樹脂充填後のフェライトキャリアの表面に被覆後、焼き付けする場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。UV硬化樹脂を用いる場合は、UV加熱器を用いる。焼き付けの温度は使用する樹脂により異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度は必要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充分硬化が進む温度まで上げる必要がある。
<本発明に係る電子写真現像剤>
次に、本発明に係る電子写真現像剤について説明する。
本発明に係る電子写真現像剤は、上記した電子写真現像剤用樹脂充填型キャリアとトナーとからなるものである。
本発明の電子写真現像剤を構成するトナー粒子には、粉砕法によって製造される粉砕トナー粒子と、重合法により製造される重合トナー粒子とがある。本発明ではいずれの方法により得られたトナー粒子を使用することができる。
粉砕トナー粒子は、例えば、結着樹脂、荷電制御剤、着色剤をヘンシェルミキサー等の混合機で充分に混合し、次いで、二軸押出機等で溶融混練し、冷却後、粉砕、分級し、外添剤を添加後、ミキサー等で混合することにより得ることができる。
粉砕トナー粒子を構成する結着樹脂としては特に限定されるものではないが、ポリスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、更にはロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂等を挙げることができる。これらは単独又は混合して用いられる。
荷電制御剤としては、任意のものを用いることができる。例えば正荷電性トナー用としては、ニグロシン系染料及び4級アンモニウム塩等を挙げることができ、また、負荷電性トナー用としては、含金属モノアゾ染料等を挙げることができる。
着色剤(色剤)としては、従来より知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシアニングリーン等を使用することができる。その他、トナーの流動性、耐凝集性向上のためのシリカ粉体、チタニア等のような外添剤をトナー粒子に応じて加えることができる。
重合トナー粒子は、懸濁重合法、乳化重合法、乳化凝集法、エステル伸長重合法、相転乳化法といった公知の方法で製造されるトナー粒子である。このような重合法トナー粒子は、例えば、界面活性剤を用いて着色剤を水中に分散させた着色分散液と、重合性単量体、界面活性剤及び重合開始剤を水性媒体中で混合攪拌し、重合性単量体を水性媒体中に乳化分散させて、攪拌、混合しながら重合させた後、塩析剤を加えて重合体粒子を塩析させる。塩析によって得られた粒子を、濾過、洗浄、乾燥させることにより、重合トナー粒子を得ることができる。その後、必要により乾燥されたトナー粒子に外添剤を添加する。
更に、この重合トナー粒子を製造するに際しては、重合性単量体、界面活性剤、重合開始剤、着色剤以外に、定着性改良剤、帯電制御剤を配合することができ、これらにより得られた重合トナー粒子の諸特性を制御、改善することができる。また、水性媒体への重合性単量体の分散性を改善するとともに、得られる重合体の分子量を調整するために連鎖移動剤を用いることができる。
上記重合トナー粒子の製造に使用される重合性単量体に特に限定はないが、例えば、スチレン及びその誘導体、エチレン、プロピレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエステル及びメタクリル酸ジエチルアミノエステル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類等を挙げることができる。
上記重合トナー粒子の調製の際に使用される着色剤(色材)としては、従来から知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー及びフタロシアニングリーン等を使用することができる。また、これらの着色剤はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等を用いてその表面が改質されていてもよい。
上記重合トナー粒子の製造に使用される界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン性界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を使用することができる。
ここで、アニオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン、脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等を挙げることができる。更に、カチオン系界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。また、両イオン性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩、アルキルアミノ酸等を挙げることができる。
上記のような界面活性剤は、重合性単量体に対して、通常は0.01〜10重量%の範囲内の量で使用することができる。このような界面活性剤の使用量は、単量体の分散安定性に影響を与えるとともに、得られた重合トナー粒子の環境依存性にも影響を及ぼすことから、単量体の分散安定性が確保され、かつ重合トナー粒子の環境依存性に過度の影響を及ぼしにくい上記範囲内の量で使用することが好ましい。
重合トナー粒子の製造には、通常は重合開始剤を使用する。重合開始剤には、水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤とがあり、本発明ではいずれも使用することができる。本発明で使用することができる水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、水溶性パーオキサイド化合物を挙げることができ、また、油溶性重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、油溶性パーオキサイド化合物を挙げることができる。
また、本発明において連鎖移動剤を使用する場合には、この連鎖移動剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四臭化炭素等を挙げることができる。
更に、本発明で使用する重合トナー粒子が、定着性改善剤を含む場合、この定着性改良剤としては、カルナバワックス等の天然ワックス、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックス等を使用することができる。
また、本発明で使用する重合トナー粒子が、帯電制御剤を含有する場合、使用する帯電制御剤に特に制限はなく、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等を使用することができる。
また、重合トナー粒子の流動性向上等のために使用される外添剤としては、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子等を挙げることができ、これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
更に、水性媒体から重合粒子を分離するために使用される塩析剤としては、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム等の金属塩を挙げることができる。
上記のようにして製造されたトナー粒子の平均粒径は、2〜15μm、好ましくは3〜10μmの範囲内にあり、重合トナー粒子の方が粉砕トナー粒子よりも、粒子の均一性が高い。トナー粒子が2μmよりも小さくなると、帯電能力が低下しカブリやトナー飛散を引き起こしやすく、15μmを超えると、画質が劣化する原因となる。
上記のように製造されたキャリアとトナーとを混合し、電子写真現像剤を得ることができる。キャリアとトナーの混合比、すなわちトナー濃度は、3〜15重量%に設定することが好ましい。3重量%未満であると所望の画像濃度が得にくく、15重量%を超えると、トナー飛散やかぶりが発生しやすくなる。
本発明に係る電子写真現像剤は、補給用現像剤として用いることもできる。この際のキャリアとトナーの混合比、即ちトナー濃度は100〜3000重量%に設定することが好ましい。
上記のように調製された本発明に係る電子写真現像剤は、有機光導電体層を有する潜像保持体に形成されている静電潜像を、バイアス電界を付与しながら、トナー及びキャリアを有する二成分現像剤の磁気ブラシによって反転現像する現像方式を用いたデジタル方式のコピー機、プリンター、FAX、印刷機等に使用することができる。また、磁気ブラシから静電潜像側に現像バイアスを印加する際に、DCバイアスにACバイアスを重畳する方法である交番電界を用いるフルカラー機等にも適用可能である。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。
MnO:35mol%、MgO:14.5mol%、Fe:50mol%及びSrO:0.5mol%になるように原料を秤量し、湿式のメディアミルで5時間粉砕してスラリーを得た。得られたスラリーをスプレードライヤーにて乾燥し、真球状の粒子を得た。形成する空隙度合いを調整するために、MnO原料としては炭酸マンガンを、MgO原料としては水酸化マグネシウムを用いた。
得られた粒子を950℃で2時間加熱し、仮焼成を行った。次いで、空隙率を高めにしつつ適度な流動性を得るために、1/8インチ径のステンレスビーズを用いて湿式ボールミルで1時間粉砕したのち、さらに1/16インチ径のステンレスビーズを用いて4時間粉砕した。このスラリーに分散剤を適量添加し、また造粒される粒子の強度を確保し、空隙度合いを調整する目的で、バインダーとしてPVA(20%水溶液)を固形分に対して1重量%添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥した。得られた粒子を粒度調整した後、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーといった有機成分を除去した。その後、電気炉にて、温度1150℃、酸素濃度0体積%で4時間保持し、本焼成を行った。その後、解砕し、さらに分級して粒度調整し、その後磁力選鉱により低磁力品を分別し、多孔質フェライト粒子の芯材を得た。この多孔質フェライト芯材の体積平均粒径は35.1μmであった。また、BET比表面積を測定したところ、4604cm /gであった。
次に、樹脂溶液を以下のように準備した。
上記多孔質フェライトの空隙に充填する樹脂として、フェニル/メチルのモル比が0.63、微分分子量曲線において630と2400にピークを持ち、数平均分子量が1704、重量平均分子量が5510、Z平均分子量が16190、数平均分子量/重量平均分子量比が3.234であるメチルフェニルシリコーンを準備した。このシリコーン樹脂溶液45重量部(樹脂溶液濃度20重量%のため固形分としては9重量部、希釈溶媒:トルエン)にアミノシランカップリング剤(γ―アミノプロピルトリメトキシシラン)を、樹脂固形分に対して10重量%添加し樹脂溶液を得た。上記多孔質フェライト芯材100重量部と、樹脂溶液を60℃、2.3kPaの減圧下で混合撹拌し、トルエンを揮発させながら、樹脂を多孔質フェライト芯材の空隙に浸透、充填させた。
容器内を常圧に戻し、トルエンが充分揮発したことを確認した後、撹拌機の内部を目視観察したところ、湿った感じもなく非常に流動性が良い状態であった、常圧下で撹拌を続けながら2℃/分の昇温速度で、撹拌機の熱媒温度を220℃まで上げた。この温度で60分間加熱撹拌を行い、樹脂を硬化させた。60分後、樹脂充填後のフェライト粒子そのものの温度を接触温度計で測定したところ、207℃であった。
その後、室温まで冷却し、樹脂が充填、硬化されたフェライト粒子を取り出し、150Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き樹脂が充填された樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
固形のアクリル樹脂(製品名:BR−73、三菱レーヨン社製)を準備した。上記アクリル樹脂10重量部をトルエン90重量部に混合して樹脂溶液を調製した。
実施例1と同様の方法で得られた樹脂が充填されたフェライトキャリア1000重量部を万能混合撹拌器に投入し、上記アクリル樹脂溶液を添加して、液浸乾燥法により樹脂被覆を行った。
その後、温度を145℃まで上げ、2時間撹拌を行い、樹脂を硬化した。樹脂が被覆、硬化されたフェライト粒子を取り出し、150Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き、表面が樹脂で被覆された樹脂充填型フェライト粒子を得た。
固形分が20重量%のシリコーン樹脂(製品名:SR−2411、東レダウコーニング社製)を準備した。上記シリコーン樹脂50重量部(固形分換算で10重量部)をトルエン50重量部に混合して樹脂溶液を調製した。
実施例1と同様の方法で得られた樹脂が充填されたフェライトキャリア1000重量部を使用し、上記で得られたシリコーン樹脂溶液を用いた他は実施例2と同様にして、表面が樹脂で被覆された樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
実施例1と同様の方法で得られた多孔質フェライト芯材を用い、表1に示す特性を有するシリコーン樹脂(メチルフェニルシリコーン)を充填樹脂とし、その充填量を多孔質フェライト芯材に対して6.5重量%とした以外は、実施例2と同様にして表面が樹脂で被覆された樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
実施例1と同様の方法で得られた多孔質フェライト芯材を用い、アミノシランカップリング剤(γ―アミノプロピルトリメトキシシラン)を、樹脂固形分に対して1重量%添加した以外は、実施例1と同様にして樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
実施例1と同様の方法で得られた多孔質フェライト芯材を用い、アミノシランカップリング剤(γ―アミノプロピルトリメトキシシラン)を、樹脂固形分に対して5重量%添加した以外は、実施例1と同様にして樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
実施例1と同様の方法で得られた多孔質フェライト芯材を用い、アミノシランカップリング剤(γ―アミノプロピルトリメトキシシラン)を、樹脂固形分に対して15重量%添加した以外は、実施例1と同様にして樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
実施例1と同様の方法で得られた多孔質フェライト芯材を用い、アミノシランカップリング剤(γ―アミノプロピルトリメトキシシラン)を、樹脂固形分に対して30重量%添加した以外は、実施例1と同様にして樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
比較例
(比較例1)
実施例1と同様の方法で得られた多孔質フェライト芯材を用い、表1に示す特性を有するシリコーン樹脂(メチルシリコーン)を充填樹脂とし、その充填量を多孔質フェライト芯材に対して8.0重量%とした以外は、実施例2と同様にして表面が樹脂で被覆された樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
(比較例2)
実施例1と同様の方法で得られた多孔質フェライト芯材を用い、表1に示す特性を有するシリコーン樹脂(ポリメチルシルセスキオキサン)を充填樹脂とし、その充填量を多孔質フェライト芯材に対して20.0重量%とした以外は、実施例1と同様にして樹脂充填型フェライトキャリアを得ようとしたがゲル化してしまった。ゲル化した理由は定かではないが、使用したシリコーン樹脂(ポリメチルシルセスキオキサン)中に含まれるシラノール基同士が、添加したアミノシランカップリング剤を触媒として、急速な脱水縮合反応を起こしたためであるという可能性が考えられる。
(比較例3)
実施例1と同様の方法で得られた多孔質フェライト芯材を用い、表1に示す特性を有するシリコーン樹脂(メチルフェニルシリコーン)を充填樹脂とし、その充填量を多孔質フェライト芯材に対して12.0重量%とした以外は、実施例2と同様にして表面が樹脂で被覆された樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
(比較例4)
実施例1と同様の方法で得られた多孔質フェライト芯材を用い、表1に示す特性を有するシリコーン樹脂(メチルフェニルシリコーン)を充填樹脂とし、その充填量を多孔質フェライト芯材に対して18.0重量%とした以外は、実施例2と同様にして表面が樹脂で被覆された樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
(比較例5)
実施例1と同様の方法で得られた多孔質フェライト芯材を用い、表1に示す特性を有するシリコーン樹脂(メチルフェニルシリコーン)を充填樹脂とし、その充填量を多孔質フェライト芯材に対して10.0重量%とした以外は、実施例2と同様にして表面が樹脂で被覆された樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
(比較例6)
実施例1と同様の方法で得られた多孔質フェライト芯材を用い、表1に示す特性を有するシリコーン樹脂(メチルフェニルシリコーン)を充填樹脂とし、その充填量を多孔質フェライト芯材に対して9.0重量%とした以外は、実施例2と同様にして表面が樹脂で被覆された樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
実施例1〜及び比較例1〜で用いたシリコーン樹脂の各性状(フェニル/メチルモル比、分子量ピーク、個数平均分子量、重量平均分子量、Z平均分子量及び重量平均分子量/個数平均分子量)を表1に示す。また、樹脂の充填量、アミノシランカップリング剤の種類及び添加量、ゲル化の有無、被覆樹脂の種類、被覆量及び被覆方法を表2に示す。
また、実施例1〜及び比較例1、3〜6で得られた樹脂充填型フェライトキャリアの体積平均粒径、見掛け密度、真密度及び飽和磁化を測定して結果を表3に示す。これらの測定方法は、上述の通りである。さらに、帯電量及び電気抵抗値を下記の通り測定し、結果を表4に示す。なお、比較例2は製造時にゲル化してしまったので評価が不可能であった。
(帯電量)
帯電量は、キャリアとトナーとの混合物を、吸引式帯電量測定装置(Epping q/m−meter、PES−Laboratoriumu社製)により測定し求めた。トナーはフルカラープリンターに使用されている市販の負極性トナー(シアントナー、富士ゼロックス株式会社製DocuPrintC3530用)を用い、トナー濃度を5重量%に調整した。調整した現像剤を50ccのガラス瓶に入れ、100rpmの回転数で撹拌した。
ここで、トナーと5分、30分及び240分間撹拌後の帯電量をそれぞれ測定した。その結果に基づいて帯電安定性を下記の通り4段階で評価し、帯電量変化の小さい順に◎、○、△、×とした。
(電気抵抗)
上記攪拌後(5分、30分及び240分)の現像剤からトナーを除去し、電気抵抗を測定した。トナーを除去するには、25μmの目開きを持つメッシュの篩を用いてトナーを除去した(その際現像材をメッシュの上に置き、下から掃除機等で吸引してトナーを分離しても構わない)。トナーを除去した後、以下のようにして抵抗を測定した。すなわち、電極間間隔1.0mmにて非磁性の平行平板電極(10mm×40mm)を対抗させ、その間に、試料200mgを秤量して充填した。磁石(表面磁束密度:1500Gauss、電極に接する磁石の面積:10mm×30mm)を平行平板電極に付けることにより電極間に試料を保持させ、100Vの電圧を印加し、抵抗を絶縁抵抗計(SM−8210、東亜ディケーケー(株)製)にて測定した。なお、室温25℃、湿度55%に制御された恒温恒湿室内で測定を行った。この値に基づいて最大値、最小値、差、平均及び平均に対する差の割合を併せて示した。
また、表4に示される上記帯電量及び電気抵抗値の値に基づいて帯電安定性及び抵抗安定性を下記に基づいて評価し、その結果を表5に示す。また、強度とトナースペントを下記により評価し、その結果を併せて表5に示す。
(帯電量安定性)
◎:大変良好で、特に使用に適している(5分値と240分値の差の絶対値が3未満)。
○:良好で、使用に適している(5分値と240分値の差の絶対値が3以上5未満)。
△:使用レベルにある(5分値と240分値の差の絶対値が5以上10未満)。
×:使用レベルにない(5分値と240分値の差の絶対値が10以上)。
(抵抗安定性)
上記測定の結果から、抵抗安定性を下記4段階にて評価した。評価は、3回測定したうちの最大値と最小値の差と、最大値と最小値の平均値をもって行った。
◎:大変良好で、特に使用に適している(最大値と最小値の差が、それらの平均の10%未満)。
○:良好で、使用に適している(最大値と最小値の差が、それらの平均の10%以上100%未満)。
△:使用レベルにある(最大値と最小値の差が、それらの平均の100%以上200%未満)。
×:使用レベルにない(最大値と最小値の差が、それらの平均の200%以上であるか、またはブレークダウンを起こしてしまう)。
(キャリア強度試験(割れや削れ、微粒子の評価法))
充填キャリア50gを、50ccガラス瓶に入れ、そのガラス瓶を直径130mm、高さ200mmの円柱のホルダーに収納、固定し、ターブラーミキサーで360分攪拌した。攪拌した後のキャリアを、走査型電子顕微鏡(JSM−6100型日本電子株式会社製)を用いて、450倍の倍率で観察を行い、充填キャリアの破砕状況を確認した。攪拌前と変わらないものを「◎」、削れ、及び破砕により発生した浮遊樹脂などの微小粒子が、僅かに観察されるものを「○」とし、「◎」「○」と評価されたものについて合格とした。削れ及び浮遊樹脂などの微粒子が多く観察されるものは「△」とし、削れ及び浮遊樹脂などの微粒子が著しく多く観察され、さらに粒子の割れの発生も観察されたものについては「×」と評価した。
(トナースペント)
トナースペントの評価方法は、下記の通りである。すなわち、トナー濃度7%とした現像剤を調製し、36時間攪拌後の現像剤からキャリアのみを抜き取り、トルエンでスペントしたトナーを洗浄した後、上澄み液の、波長560nmの光の透過率(%)を可視光分光光度計(JENWAY社製、MODEL6100)により測定し、透過率95%以上を合格として評価した。
Figure 0005534312
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表3〜5に示した結果から明らかなように、実施例1〜に示した樹脂充填型フェライトキャリアは、耐久試験において初期から安定した帯電性能を保っている。このことは、これらのキャリアは試験期間中にコート膜はがれやトナースペントが生じておらず、耐久性に富んでいることを強く示唆している。これらの中でも、充填樹脂のフェニル/メチル比を0.3〜0.9の範囲として、表面にコーティングを施した実施例2〜8は、抵抗の安定性に優れていることから、樹脂充填後の粒子とコーティング樹脂との密着性が良好であることが分かる。また、充填樹脂の分子量ピークが500〜1000及び/又は1000〜10000に持つので、より高い強度を持っている。さらに充填樹脂の個数平均分子量、重量平均分子量及びZ平均分子量をそれぞれ1000〜2000、2000〜10000、10000〜20000しているので、粒子の強度、性能の安定性において優れている。また、実施例1、から明らかなように、シリコーン樹脂に添加するアミノシランカップリング剤の量を調整することで、帯電量を広い範囲で調整することができる。
これに対して、比較例1は、耐久試験において急激な帯電量低下を示している。これは、被覆膜が剥がれ、またはトナースペント、あるいはその両方が生じていることを強く示唆しており、実施例1〜12のキャリアと比較すると、耐久性が大変劣っている。また、比較例2は、上記のように、樹脂充填時にゲル化してフェライトキャリアとして使用できなかった。
比較例3は、概ね良好な特性を有するが、重量平均分子量/数平均分子量が6を超えているため、帯電安定性及び強度が充分ではない。比較例4は、重量平均分子量/数平均分子量が6を超えているのみならず、重量平均分子量及びZ平均分子量が所望の範囲にないため、帯電安定性が比較例3よりも劣った結果となった。比較例5及び6は、充填樹脂の分子量ピークが500〜1000及び/又は1000〜10000に持たず、充填樹脂の個数平均分子量、重量平均分子量及びZ平均分子量が所望の範囲になく、しかも重量平均分子量/数平均分子量が6を超えているので、帯電安定性と共に、強度が比較例3よりもさらに劣った結果となった。また、比較例6は抵抗安定性にも劣ったものとなった。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、樹脂充填型フェライトキャリアであるため、真密度が軽くなり長寿命化が達成でき、流動性に優れ、帯電量等の制御が容易にでき、しかも磁性粉分散型キャリアに比して高強度であり、また熱や衝撃による割れ、変形、溶融がない。また、特定のシリコーン樹脂を用いることによって、現像剤としたときに帯電量を制御することができ、また良好な強度を有し、しかも、経時劣化が少なく耐久性に優れる。
従って、本発明は、高画質の要求されるフルカラー機並びに画像維持の信頼性及び耐久性の要求される高速機等の分野に広く使用可能である。

Claims (10)

  1. 多孔質フェライト芯材の空隙に樹脂を充填させて得られる電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアであって、該樹脂がフェニル基を有するシリコーン樹脂であり、該シリコーン樹脂が下記特性(1)〜(3)を有することを特徴とする電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
    (1)ゲルパーミテーションクロマトグラフィーによる微分分子量曲線において、500〜1000及び/又は1000〜10000の間に少なくとも1つのピークを有する;
    (2)ゲルパーミテーションクロマトグラフィーによる個数平均分子量が1000〜2000、重量平均分子量が2000〜10000、Z平均分子量が10000〜20000である;
    (3)個数平均分子量に対する重量平均分子量の比が1〜6である;
  2. 上記シリコーン樹脂の核磁気共鳴分光法によって測定されるメチル基に対するフェニル基のモル比が0.3〜0.9である請求項1に記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  3. 上記シリコーン樹脂中に、アミノシランカップリング剤をシリコーン樹脂固形分に対して5〜30重量%含有する請求項1又は2に記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  4. 上記多孔質フェライト芯材の組成が、Mn、Mg、Li、Ca、Sr、Cu、Znから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜のいずれかに記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  5. 上記多孔質フェライト芯材100重量部に対して、上記シリコーン樹脂の充填量が6〜30重量部である請求項1〜のいずれかに記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  6. 樹脂により表面が被覆されている請求項1〜のいずれかに記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  7. 上記樹脂の被覆量が、上記樹脂を充填してなる樹脂充填型フェライト100重量部に対して、0.1〜5.0重量部である請求項に記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  8. 体積平均粒径が20〜50μm、飽和磁化が30〜80Am/kg、真密度が2.5〜4.5g/cm、見掛け密度が1.0〜2.2g/cmである請求項1〜のいずれかに記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の樹脂充填型フェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤。
  10. 補給用現像剤として用いられる請求項に記載の電子写真現像剤。
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