JP5031908B2 - フィルム剥離装置及びフィルム剥離方法 - Google Patents

フィルム剥離装置及びフィルム剥離方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5031908B2
JP5031908B2 JP2011006417A JP2011006417A JP5031908B2 JP 5031908 B2 JP5031908 B2 JP 5031908B2 JP 2011006417 A JP2011006417 A JP 2011006417A JP 2011006417 A JP2011006417 A JP 2011006417A JP 5031908 B2 JP5031908 B2 JP 5031908B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
peeling
plate
rod
roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011006417A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012148824A (ja
Inventor
瑛昌 沢戸
光伸 ▲吉▼田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2011006417A priority Critical patent/JP5031908B2/ja
Publication of JP2012148824A publication Critical patent/JP2012148824A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5031908B2 publication Critical patent/JP5031908B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Folding Of Thin Sheet-Like Materials, Special Discharging Devices, And Others (AREA)

Description

本発明は、板状体である被保護部材の表面に貼着されたフィルムを剥離するためのフィルム剥離装置及びフィルム剥離方法に関するものである。
近年、電子デバイスの生産工程又は電気製品の組み立て工程においては、傷、ゴミ、埃、パーティクル等によって、デバイス不良又は製品品位低下等を招く。このため、その対策として、電子デバイス又は電気製品の表面又は外装を保護するために、保護フィルムが広く利用されている。
例えば、液晶パネルの最表面には、偏光板が設けられている。この偏光板の表面に傷が付いた液晶パネル、又は偏光板の表面がゴミ、埃、パーティクル等で汚れた液晶パネルは、不良品として扱われる。このため、被保護部材となる偏光板の表面には、偏光板の製造途中から保護フィルムが貼付けられている。そして、保護フィルムが貼付けられた状態の偏光板が、液晶パネルに貼付けられる。
しかし、最終製品の液晶テレビには、保護フィルムは不要なものであるため、液晶テレビの組み立て工程には、保護フィルムを剥離する工程が存在する。
偏光板から保護フィルムを剥離するには、保護フィルムの端部を剥離する初期剥離と、初期剥離後に保護フィルム全体を剥離する全面剥離とを行う。
全面剥離は、例えば、初期剥離によって剥離された保護フィルムを把持部によって把持して、把持部又は偏光板を相対的に移動させたり、初期剥離によって剥離された保護フィルムを巻き取ったり等して保護フィルム全体を剥離する。初期剥離では、保護フィルムの表面に粘着テープ等を接着して保護フィルムを間接的に剥がす方法、又はスクレイパー若しくはニードル状の剥離部材によって保護フィルム自体を直接的に剥ぎ取る方法が用いられている。
具体的な従来のフィルム剥離方法としては、特許文献1〜3に開示されたものが知られている。
特許文献1に開示された表面シート材の剥離方法では、図15(a)(b)(c)に示すように、板状材料101表面に配設された表面シート材102の一隅に粘着テープ103を貼り付け、次いでこの粘着テープ103を持ち上げ、表面シート材102を部分的にめくり上げた後に、対角線方向に引き剥す。
特許文献2に開示されたフィルム剥離切断方法では、図16に示すように、カバーフィルム202を表面に有するフィルムFの上側に、フィルム進行方向からθ傾けた粘着ローラ201を設け、粘着ローラ201にてカバーフィルム202におけるフィルム進行方向と直角方向の辺の端部を粘着ローラ201にて接着し、次いで、カバーフィルム202を粘着ローラ201にてフィルム進行方向に対してθの2倍の角度で引き出す。
特許文献3に開示されたシート状物の剥離方法では、図17(a)(b)(c)に示すように、積層された複数の板状体301…の表面に貼着されたシート状物302の縁部近傍を保持手段303により保持して引き上げることにより、シート状物302と板状体301との縁部の層間に剥離を生じさせて隙間304を形成する。次いで、図17(d)(e)(f)に示すように、シート状物302の縁部近傍を板状体301から所定の間隔で保持した状態で隙間304に流体305aをノズル305にて吹き込み、層間に沿って隙間304を面方向に進展させ、剥離が完了したシート状物302を保持手段303から分離する。
これにより、シート状物302を剥離する際に、剥離面の上方におけるシート状物302の全体に亘って撓み応力が働くのが防止され、また剥離面の下方における板状体301にはシート状物302の引っ張り応力による下面に位置する板状体301への撓み応力の発生が抑制されるようになっている。
特開平5−319675号公報(1993年12月3日公開) 特開2000−351188号公報(2000年12月19日公開) 特開2008−133102号公報(2008年6月12日公開)
しかしながら、上記従来の特許文献1に開示された表面シート材の剥離方法では、図15(c)に示すように、パネル対角長の2倍の距離を移動する必要あり、自動化する場合には、剥離ハンド104の動作ストロークが長くなるという問題点を有している。
また、特許文献2に開示されたフィルム剥離切断方法では、図16に示すように、剥離したカバーフィルム202を紙面下の方へ引っ張っているが、これは初期剥離が図16に示すカバーフィルム202の左辺全部で行われた後に可能となる。
しかし、初期剥離は角部にて行う方が容易であり、辺にて行う方が困難である。また、初期剥離を角部にて行った場合には、特許文献2に開示されたフィルム剥離切断方法を用いることはできない。すなわち、敢えてこの方法を採用するには、左上角部にて初期剥離を行った後、左辺の相当量を剥がし、その後、この手法を用いることが可能となる。
また、剥がしたカバーフィルム202を横に持っていく場合は、θは45度が最適であり、大きくなっても小さくなっても巻き取りロール203と進行するカバーフィルム202とがぶつかり易くなる。
さらに、特許文献3に開示されたシート状物の剥離方法では、図17(a)〜(f)に示すように、初期剥離を行った後に、シート状物302と板状体301との間に流体305aを吹き込んで剥離を進展させるが、シート状物302の接着力が強い場合にはこの方法では困難である。また、大型になると非常に強い圧力で流体305aを吹き込む必要がある。さらに、剥離部分がばたつき易く、危険であるという問題点を有している。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、作業スペースの増大を回避すると共に、剥離されるフィルムにおける剥離スペースの拡大を防止し、かつ大型のフィルムにおいても確実かつ容易に剥離し得るフィルム剥離装置及びフィルム剥離方法を提供することにある。
本発明のフィルム剥離装置は、上記課題を解決するために、フィルムが貼り付けられた板状体からフィルムを剥離するフィルム剥離装置であって、上記フィルムの端部を把持した状態で、剥離されたフィルムの端部と板状体との隙間に挿入され、板状体に対して相対移動しながら該板状体からフィルムを剥離する全面剥離部材が設けられていると共に、上記全面剥離部材の延設方向は、該全面剥離部材の相対移動方向に直交する方向から傾斜していることを特徴としている。
本発明のフィルム剥離方法は、上記課題を解決するために、フィルムが貼り付けられた板状体からフィルムを剥離するフィルム剥離方法であって、上記フィルムの端部を把持した状態で、剥離されたフィルムの端部と板状体との隙間に挿入された全面剥離部材を板状体に対して相対移動させる全面剥離工程を含み、上記全面剥離工程では、全面剥離部材の延設方向を該全面剥離部材の相対移動方向に直交する方向から傾斜させることを特徴としている。
上記の発明によれば、フィルムの端部を把持した状態で、剥離されたフィルムの端部と板状体との隙間に全面剥離部材を挿入し、かつ該全面剥離部材を板状体に対して相対移動させる。そして、このとき、全面剥離部材の延設方向を該全面剥離部材の相対移動方向に直交する方向から傾斜させる。
この結果、水平面が方形の板状体に対して、方形の互いに対向する一方の一対の2辺が、全面剥離部材の相対移動方向と互いに平行になるようにして、フィルムを剥離することができる。
したがって、剥離されるフィルムが板状体の側方からはみ出すことはないので、作業スペースの増大を回避することができる。また、剥離されるフィルムが板状体の長さの2倍に引き出されることもない。さらに、全面剥離部材を板状体に対して相対移動させるだけであるので、大型のフィルムにおいても確実かつ容易に剥離することができる。
したがって、作業スペースの増大を回避すると共に、剥離されるフィルムにおける剥離スペースの拡大を防止し、かつ大型のフィルムにおいても確実かつ容易に剥離し得るフィルム剥離装置及びフィルム剥離方法を提供することができる。
本発明のフィルム剥離装置では、前記全面剥離部材は、前記フィルムと摺動可能であるとすることができる。尚、摺動可能とは、フィルムと剥離部材の表面とが滑る状態のみならず、本明細書においては、オムニホイールでできた部材や埋め込み型のボールが設けられた部材のようなものとフィルムとの間で生じている状態をも含む。すなわち、フィルムが部材と接触しているか又はしていないかにかかわらず、フィルムが部材からの力を受けつつも、部材の動き方向とは無関係の方向にフィルムが移動可能な状態を指す。
これにより、全面剥離部材は、フィルムとの摺動により板状体に対して相対移動しながら板状体からフィルムを剥離することができる。
本発明のフィルム剥離装置では、前記全面剥離部材は、前記フィルムと当接しながら板状体に対して相対移動することが可能である。
これにより、全面剥離部材は、フィルムとの摺動により板状体からフィルムを剥離することができる。
本発明のフィルム剥離装置では、前記板状体は水平面が方形になっていると共に、上記方形の互いに対向する一方の一対の2辺が、前記全面剥離部材の相対移動方向と互いに平行になっていることが好ましい。
これにより、確実に、作業スペースの増大を回避することができる。
本発明のフィルム剥離装置では、前記全面剥離部材の延設方向と該全面剥離部材の相対移動方向に直交する方向との傾斜角度は、0度よりも大きく、かつ45度以下であることが好ましい。
すなわち、全面剥離部材の延設方向と該全面剥離部材の相対移動方向に直交する方向との傾斜角度は、フィルムの角部における初期剥離の方向によって決定される。そして、傾斜角度を0度に近づける程、剥離開始から剥離完了までの時間が短くなる。
本発明のフィルム剥離装置では、前記全面剥離部材は棒状部材からなっていると共に、前記フィルムにおける板状体とのフィルム剥離界面の方向と、上記棒状部材からなる全面剥離部材の延設方向とは互いに平行になっていることが好ましい。
これにより、棒状部材からなる全面剥離部材がフィルムに対して例えば、摺動、当接、空気等によりフィルムを剥離するように力を付与したときに、フィルム剥離界面に対して均一に荷重をかけることができるので、フィルムを適切に全面剥離することができる。
本発明のフィルム剥離装置では、前記棒状部材には、前記フィルムに当接する複数のオムニホイールが設けられているとすることができる。尚、オムニホイールとは縦横無尽に動く車輪をいう。
これにより、複数のオムニホイールがフィルムに当接したときに、棒状部材の回転方向ではない方向に相対移動させることができる。この結果、棒状部材からなる全面剥離部材を板状体に対して相対移動させることができる。
本発明のフィルム剥離装置では、前記棒状部材には、前記フィルムに当接する複数の埋め込み型のボールが該棒状部材の表面から露出して設けられているとすることができる。
これにより、棒状部材がフィルムに当接するときに、複数の埋め込み型のボールがフィルムに当接する。このため、フィルムの送りに対してボールが回転することにより、全面剥離部材を板状体に対して相対移動させることができる。また、ボールが自由に回転するため、棒状部材自体も回転する必要はない。この結果、棒状部材からなる全面剥離部材を板状体に対して相対移動させることができる。
本発明のフィルム剥離装置では、前記全面剥離部材は、軸回りに回転可能であり、かつ表面部が軸回りと異なる方向に移動可能な棒状ローラからなっているとすることができる。
すなわち、全面剥離部材を棒状ローラで作製した場合、フィルムの粘着面に棒状ローラが当接すると、一般的には、棒状ローラの回転方向にしかフィルムを移動させることができない。
しかし、棒状ローラが、軸回りに回転可能であり、かつ表面部が軸回りと異なる方向に移動可能となっていれば、棒状ローラを該棒状ローラの回転方向ではない方向に相対移動させることができる。このような構造を有する具体例としては、例えば、棒状ローラを低摩擦かつ非粘着性材料である例えばフッ素樹脂にて形成した場合、又はフッ素樹脂をコーティングした場合が該当する。或いは、棒状ローラから流体を噴出させること等も考えられる。これによっても、棒状ローラとフィルムとの摩擦が小さくなるので、棒状ローラを該棒状ローラの回転方向ではない方向に相対移動させることができる。
本発明のフィルム剥離装置は、以上のように、フィルムの端部を把持した状態で、剥離されたフィルムの端部と板状体との隙間に挿入され、板状体に対して相対移動しながら該板状体からフィルムを剥離する全面剥離部材が設けられていると共に、上記全面剥離部材の延設方向は、該全面剥離部材の相対移動方向に直交する方向から傾斜しているものである。
本発明のフィルム剥離方法は、以上のように、フィルムの端部を把持した状態で、剥離されたフィルムの端部と板状体との隙間に挿入された全面剥離部材を板状体に対して相対移動させる全面剥離工程を含み、上記全面剥離工程では、全面剥離部材の延設方向を該全面剥離部材の相対移動方向に直交する方向から傾斜させる方法である。
それゆえ、作業スペースの増大を回避すると共に、剥離されるフィルムにおける剥離スペースの拡大を防止し、かつ大型のフィルムにおいても確実かつ容易に剥離し得るフィルム剥離装置及びフィルム剥離方法を提供するという効果を奏する。
(a)は本発明におけるフィルム剥離装置の実施の一形態を示すものであって、フィルム剥離装置の構成を示す平面図であり、(b)はフィルム剥離装置の構成を示す斜視図であり、(c)は剥離ローラに取り付けられた一個のオムニホイールの構成を示す斜視図である。 上記フィルム剥離装置にて剥離されるフィルムを備えた液晶モジュールの構成を示す分解斜視図である。 上記液晶モジュールにおける液晶パネルの構成を示す断面図である。 上記液晶モジュールの組み立て工程を示す斜視図である。 上記フィルム剥離装置を用いた液晶テレビの製造工程を示す平面図である。 (a)は液晶パネル及び全面剥離部材の移動方向と全面剥離部材の延設方向とを示す平面図であり、(b)はフィルム剥離界面を示す平面図である。 フィルム剥離装置の全面剥離部材における液晶パネルの搬送方向と直交する方向からの傾斜角度を示す平面図である。 フィルム剥離装置の全面剥離部材における変形例を示すものであって、串刺しに連設されたオムニホイールを備えた全面剥離部材の構成を示す斜視図である。 フィルム剥離装置の全面剥離部材における他の変形例を示すものであって、表面に露出する複数のボールを備えた全面剥離部材の構成を示す斜視図である。 フィルム剥離装置の全面剥離部材におけるさらに他の変形例を示すものであって、低摩擦のロールからなる全面剥離部材の構成を示す斜視図である。 フィルム剥離装置の全面剥離部材におけるさらに他の変形例を示すものであって、流体を噴出する全面剥離部材の構成を示す斜視図である。 (a)〜(f)は、上記フィルム剥離装置におけるフィルム剥離工程を示す図である。 (a)は比較例のフィルム剥離装置を示す平面図であり、(b)は該比較例のフィルム剥離装置を示す正面図であり、(c)は初期剥離を示す斜視図である。 上記比較例のフィルム剥離装置における供給コンベアと液晶パネルとの関係を示す平面図である。 (a)(b)(c)は、従来のフィルム剥離装置における剥離工程を示す斜視図である。 従来の他のフィルム剥離装置の構成を示す平面図である。 従来のさらに他のフィルム剥離装置における剥離工程を示す側面図である。
本発明の一実施形態について図1〜図14に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
本実施の形態では、一例として、最終製品である液晶テレビに使用される液晶モジュールにおける液晶パネルの表面及び裏面に設けられた偏光板を保護するために貼り付けられた保護フィルムを剥離するフィルム剥離装置及びフィルム剥離方法について説明する。
最初に、最終製品である液晶テレビにおける液晶モジュールの構成について、図2及び図3に基づいて説明する。図2は液晶モジュールの構成を示す分解斜視図であり、図3は液晶パネルの構成を示す断面図である。
上記液晶モジュール1は、図2に示すように、下から順に、反射シート・支持ピン2を載置したバックライト(B/L)シャーシ3、パネルガイド、LED基板5、拡散板6、光学シート7、液晶パネルシャーシ8、表面及び裏面に偏光板を備えた液晶パネル10及びベゼル9を備えている。
上記反射シート・支持ピン2は、反射シートとLED基板5を固定するための支持ピンとからなっている。また、液晶パネルシャーシ8は、分割成形品からなっている。さらに、反射シート・支持ピン2、ベゼル9は板金組品からなっている。
また、液晶パネル10は、図3に示すように、長方形等の方形にてなっており、TFT基板11とカラーフィルター基板12とが貼り付けられており、TFT基板11とカラーフィルター基板12との間には、図示しない液晶材料が注入されている。TFT基板11の表面、及び、カラーフィルター基板12の表面には、それぞれ、偏光板13・13が貼り付けられている。液晶パネル10は、図示していない駆動ICや信号入力回路基板等を取り付けられている。尚、液晶パネル10及び偏光板13・13は、本発明の板状体として機能する。
偏光板13・13の面積は、液晶パネル10の表示エリア(映像表示領域)よりも大きく、TFT基板11又はカラーフィルター基板12の表面積よりも小さい。偏光板13・13の各表面には、偏光板13・13の損傷・汚れ防止を目的にしたフィルムとしての保護フィルム14・14が粘着剤を介してラミネート加工により貼り付けられている。
この保護フィルム14・14は、偏光板13・13の製造途中で貼り付けられる。その後、所定のサイズよりも大きめにカットされ、所定のサイズまで端面を研磨して製作される。このため、偏光板13・13の大きさ(表面積)と保護フィルム14・14の大きさ(表面積)とは、略同等である。つまり、本実施の形態では、偏光板13・13の側面と、保護フィルム14・14の側面とが、互いに同一平面となっている。
尚、偏光板13・13をTFT基板11又はカラーフィルター基板12に貼り付ける粘着剤は、各基板表面に形成されたガラス面との粘着性が良くなっている。このため、偏光板13・13と保護フィルム14・14との間の粘着力と比較して、偏光板13・13とTFT基板11又はカラーフィルター基板12との間の粘着力の方がはるかに強い。
次に、上記液晶モジュール1の組み立て工程について、図4に基づいて説明する。図4は、液晶モジュール1の組み立て工程を示す斜視図である。尚、液晶モジュール1の組み立て工程とは、バックライトと、別途製造された液晶パネル10とを一体化する工程をいう。
図4に示すように、液晶モジュール1の組み立て工程は、組み立てライン30にて行われる。組み立てライン30では、コンベア31上を流れてくるバックライト(B/L)シャーシ3の上に、反射シート・支持ピン2を載置し、LED基板5及びLED又はCCFLからなるバックライト、液晶パネルシャーシ8、拡散板6、光学シート7、液晶パネル10及びベゼル9が順に搭載される。
ここで、液晶パネル10は、後述するポリプロピレンからなる収納ボックス42に収納された状態で供給される。供給される液晶パネル10に貼り付けられている偏光板13・13には、ゴミ、傷等の対策のため、上述した保護フィルム14・14が貼られている。したがって、液晶パネル10を搭載する工程では、組み立てる直前で少なくとも裏面の偏光板13の保護フィルム14を剥がす必要がある。このために、本実施の形態では、裏面の保護フィルム14を剥がすフィルム剥離工程が設けられている。尚、液晶パネル10の表面に設けられた偏光板13の保護フィルム14は、別工程にて剥がされる。
すなわち、フィルム剥離工程は、図5に示すように、組み立てライン30の側方に設けられたフィルム剥離装置50によって行われる。フィルム剥離工程では、最初に、パネル供給ライン40から液晶パネル10を、搬送ユニット32を用いてフィルム剥離装置50に移載し、そこで、フィルム剥離装置50にて裏面の保護フィルム14を剥離した後、再び搬送ユニット32にてバックライトモジュールの光学シート7の上側に取り付けられる。
上記パネル供給ライン40は、液晶パネル10を支持する収納ボックス42を搬送し、フィルム剥離装置50への受渡し位置で停止させる供給コンベア41を有している。フィルム剥離装置50にて剥離された保護フィルム14は、フィルム剥離装置50の下側に設けられた図示しないフィルム回収ボックスにて回収される。
上記搬送ユニット32は、6軸で構成される垂直多関節型の搬送ロボット32aと、搬送ロボット32aの先端に取り付けられて液晶パネル10を吸着把持するパネル吸着ハンド32bとから構成されている。尚、パネル供給ライン40から組み立てライン30への移載は必ずしもこれ限らず、例えば、作業者が手で行うことも可能である。
ここで、本実施の形態のフィルム剥離装置50について詳細に説明する。
最初に、従来のフィルム剥離装置の課題を解決した比較例のフィルム剥離装置について説明する。
すなわち、従来の特許文献1に開示された表面シート材の剥離方法では、図15(c)に示すように、パネル対角長の2倍の距離を移動する必要あり、自動化する場合には、剥離ハンド104の動作ストロークが長くなるという問題点を有している。
また、特許文献2に開示されたフィルム剥離切断方法では、図16に示すように、剥離したカバーフィルム202を紙面下の方へ引っ張っているが、これは初期剥離が図16に示すカバーフィルム202の左辺全部で行われた後に可能となる。
しかし、初期剥離は角部にて行う方が容易であり、辺にて行う方が困難である。また、初期剥離を角部にて行った場合には、特許文献2に開示されたフィルム剥離切断方法を用いることはできない。すなわち、敢えてこの方法を採用するには、左上角部にて初期剥離を行った後、左辺の相当量を剥がし、その後、この手法を用いることが可能となる。
また、剥がしたカバーフィルム202を横に持っていく場合は、θは45度が最適であり、大きくなっても小さくなっても巻き取りロール203と進行するカバーフィルム202とがぶつかり易くなる。
さらに、特許文献3に開示されたシート状物の剥離方法では、図17(a)〜(f)に示すように、初期剥離を行った後に、シート状物302と板状体301との間に流体305aを吹き込んで剥離を進展させるが、シート状物302の接着力が強い場合にはこの方法では困難である。また、大型になると非常に強い圧力で流体305aを吹き込む必要がある。さらに、剥離部分がばたつきやすく、危険であるという問題点を有している。
そこで、これらの問題を解決するために、図13(a)に示すように、液晶パネルをフィルム剥離装置に対して斜め方向となるように傾斜させて置き直し、次いで、図13(b)(c)に示すように、テープ剥離ヘッド81にて保護フィルムの角部の初期剥離を行い、その後、図13(a)に示すように、保護フィルムの剥離方向に直交するようにローラ82を配設し、該ローラ82を液晶パネル10に対して相対移動させる。これにより、ローラ82は回転しながら保護フィルムに当接し、その結果、ローラ82を裏面の保護フィルムの剥離界面と平行に保ちながら、剥離することが可能となる。
すなわち、保護フィルムを初期剥離した後、ローラ82にて保護フィルムの全体を剥離するためには、まず、保護フィルムと液晶パネルの偏光板との間に通すローラ82の延設方向と保護フィルムのフィルム剥離界面の方向とが平行になっている必要がある。また、ローラ82の相対移動方向がフィルム剥離界面の方向に対して垂直方向である必要がある。初期剥離方向とローラ82の接触面が一致しないと、保護フィルムが切れる可能性があるためである。また、ローラ82を垂直に動作させないと、ローラ82と保護フィルムとの間に滑りが生じ、ゴミの発生や保護フィルムの切断等の問題が生じる可能性があるためである。
ここで、保護フィルムを角部にて初期剥離した場合には、フィルム剥離界面は方形の液晶パネルに対して斜めになる。
したがって、ローラ82の延設方向をフィルム剥離界面に対して平行にする場合には、ローラ82は回転しながら保護フィルムに当接するので、必然的に、方形の液晶パネルをフィルム剥離装置に対して傾斜するように置き直す必要がある。
しかし、この方法では、図14に示すように、液晶パネルを載置するフィルム剥離装置の幅から液晶パネルがはみ出し、その結果、フィルム剥離装置の設置面積が大きくなるという問題点を有している。また、フィルム剥離装置の側方からのアクセスが遠くなるので、作業性が悪いという問題点を有している。
そこで、本実施の形態では、この問題を解決したフィルム剥離装置50を提供するものとなっている。
具体的には、本実施の形態のフィルム剥離装置50では、図1(a)(b)に示すように、方形の液晶パネル10は、フィルム剥離装置50内において、該フィルム剥離装置50の側端に平行に載置され、フィルム剥離工程においてもその状態を維持する。
ここで、上記状態を確保して、問題解決するに際しては下記の条件が必要である。尚、図6(a)(b)に、下記条件に示す各方向を図示する。
条件1:例えばローラ等の剥離部材の延設方向Pと保護フィルムのフィルム剥離界面の 方向Fとが互いに平行である。
条件2:剥離部材の移動方向M1と方形の液晶パネルにおける一対の2辺の方向M2とが一致する。正確には、剥離部材の移動方向M1とフィルム剥離界面の方向Fとが無関係である。
上記の条件1は、この条件を満たさないと、保護フィルムのフィルム剥離界面にかかる力が不均一になり、きれいに剥離することができなくなるので、必須の条件である。
次に、条件2については、剥がされた保護フィルムの粘着面が剥離部材に当接するので、保護フィルムが剥離部材上を滑らない。このため、剥離部材がローラであった場合には、ローラの回転方向にしか保護フィルムが移動できないので、条件2の阻害要因となる。
しかし、保護フィルムが剥離部材の表面において、剥離部材の回転方向以外の方向へも移動可能であれば、条件2を満たすことが可能である。
そこで、条件2を満たす具体的な構成として、
(1)剥離部材がローラタイプであって、ローラ軸の回りにしか回転できなくても、ローラにボール等を露出して設けることによって、剥離部材の移動方向とフィルム剥離界面の方向とが無関係となり、条件2を満たすことができる。
(2)剥がされた保護フィルムの粘着面が剥離部材に当接するので、通常は、保護フィルムが剥離部材上を滑らないが、剥離部材が非粘着性であれば、剥離部材を保護フィルムに摺動させることにより、条件2を満たすことができる。
そして、これらの条件を満たすことにより、ローラを通す範囲が液晶パネル10の幅のみとなるため、小スペースでの配置が可能となり、フィルム剥離装置の両側から液晶パネル10に近づけるため、人手による場合においても作業がし易くなる。また、保護フィルムとローラとが粘着しないようにしてローラを通すことができるので、保護フィルム14の破れや粘着剤によるゴミの発生を防止することができる。
上記考えの下に案出された本実施の形態のフィルム剥離装置50について、図1(a)(b)(c)に基づいて以下に詳細に説明する。図1(a)はフィルム剥離装置の構成を示す平面図であり、図1(b)はフィルム剥離装置の構成を示す斜視図であり、図1(c)は剥離ローラに取り付けられた一個のオムニホイールの構成を示す斜視図である。
すなわち、本実施の形態のフィルム剥離装置50は、図1(a)(b)に示すように、方形テーブル状の脚付き上側枠51aと方形テーブル状の脚付き下側枠51bとが上下に重ねられた状態となっており、脚付き下側枠51bにおける内側の下方には、剥離した保護フィルム14を収容する保護フィルム受け59が設けられている。そして、脚付き上側枠51aの上に、液晶パネル10が収納ボックス42から外された状態で、搬送ユニット32にて移載されるようになっている。上記液晶パネル10の表裏面には前記偏光板13・13がそれぞれ貼り付けられており、かつ偏光板13・13の表面には、それぞれ保護フィルム14・14が貼られている。したがって、本実施の形態のフィルム剥離装置50では、液晶パネル10は水平面が長方形等の方形になっていると共に、長方形の互いに対向する一方の一対の2辺が、液晶パネル10を載置する脚付き上側枠51aと互いに平行になっている。
また、フィルム剥離装置50では、脚付き下側枠51bの下側に、保護フィルム14の角部を把持して、該保護フィルム14の角部を偏光板13から剥離する角部把持手段であるテープ剥離ヘッド52が設けられている。このテープ剥離ヘッド52は、液晶パネル10の裏面の偏光板13に貼られた保護フィルム14の角部をテープにて粘着把持して、下方移動しながら液晶パネル10の対角線上に移動するものとなっている。ただし、対角線の全てを移動するのではなく途中まで移動するものとなっている。
さらに、フィルム剥離装置50には、全面剥離部材としての棒状部材からなる剥離ローラ53が設けられており、剥離ローラ53は脚付き上側枠51aの下側に設けられた脚付き下側枠51bの上にその両端部が支持されて該脚付き下側枠51bの上を平行移動するようになっている。そして、剥離ローラ53の延設方向は、液晶パネル10における一方の一対の2辺に直交する方向から傾斜している。そして、剥離ローラ53は、この傾斜角度を維持しながら液晶パネル10における一方の一対の2辺に平行に移動するものとなっている。
そして、図7に示すように、上記の剥離ローラ53の延設方向と該剥離ローラ53における液晶パネル10との相対移動方向に直交する方向との傾斜角度θは、0度よりも大きく、かつ45度以下となっている。すなわち、剥離ローラ53の延設方向と該剥離ローラ53の相対移動方向に直交する方向との傾斜角度θは、保護フィルム14の角部における初期剥離の方向によって決定される。初期剥離において、保護フィルム14の角部の剥離を最も効率よく行うためには該傾斜角度θは45度となる。一方、傾斜角度θを0度に近づける程、剥離開始から剥離完了までの時間が短くなる。本実施の形態では、例えば、液晶パネル10の対角線と一方の辺とのなす角度に設定している。
ここで、本実施の形態の剥離ローラ53は、軸回りに回転可能であり、かつ表面部が軸回りと異なる方向に移動可能な棒状ローラからなっている必要がある。このような構成として、本実施の形態では、種々の形態を採用することが可能となっている。
例えば、図1(b)(c)に示すように、剥離ローラ53には、保護フィルム14に当接する複数のオムニホイール54…が設けられているとすることができる。このオムニホイール54は、縦横無尽に動く車輪にてなっており、車輪の軸周りに回転可能であると同時に車輪の回転方向に対して垂直に回転し得る車輪からなっている。詳細には、オムニホイール54には、略球体の車輪本体に小さなローラが複数個設けられており、これによって、車輪本体の軸周りに回転できる一方、個々のローラによって車輪本体の回転方向に対して垂直に回転できるものとなっている。
この構成により、複数のオムニホイール54…が保護フィルム14に当接したときに、剥離ローラ53の回転方向ではない方向に相対移動させることができる。この結果、棒状部材からなる剥離ローラ53を液晶パネル10に対して相対移動させることができる。
ここで、オムニホイール54は、図1(b)(c)に示すように、上述した剥離ローラ53に突出して設けられたものには限らない。例えば、図8に示すように、一本のシャフト53aに複数のオムニホイール54…を串刺しに連設したものであってもよい。この構成においても、複数のオムニホイール54…が保護フィルム14に当接したときに、剥離ローラ53の回転方向ではない方向に相対移動させることができる。この結果、棒状部材からなる剥離ローラ53を液晶パネル10に対して相対移動させることができる。
さらに、図9に示すように、剥離ローラ53には、保護フィルム14に当接する複数の埋め込み型のボール55…が該剥離ローラ53の表面から露出して設けられているとすることができる。
これにより、剥離ローラ53が保護フィルム14に当接するときに、複数の埋め込み型のボール55…が保護フィルム14に当接する。この結果、ボール55と保護フィルム14とは一点で接触するので、剥離ローラ53を該剥離ローラ53の回転方向ではない方向に相対移動させることができる。この結果、棒状部材からなる剥離ローラ53を液晶パネル10に対して相対移動させることができる。
また、図10に示すように、全面剥離部材は、軸回りに回転可能であり、かつ表面部が軸回りと異なる方向に移動可能な棒状ローラ56からなっているとすることができる。
すなわち、全面剥離部材を棒状ローラ56で作製した場合、保護フィルム14の粘着面に棒状ローラ56が当接すると、一般的には、棒状ローラ56の回転方向にしか保護フィルム14を移動させることができない。
しかし、棒状ローラ56が、軸回りに回転可能であり、かつ表面部が軸回りと異なる方向に移動可能となっていれば、棒状ローラ56を該棒状ローラ56の回転方向ではない方向に相対移動させることができる。
このような構造を有する具体例としては、例えば、棒状ローラ56を低摩擦かつ非粘着性材料である例えばフッ素樹脂にて形成した場合、又はフッ素樹脂をコーティングした場合が該当する。
さらには、図11に示すように、棒状体57からなる全面剥離部材から空気等の流体58を噴出させること等も考えられる。これによっても、棒状ローラ56と保護フィルム14との摩擦が小さくなるので、棒状体57を該棒状体57の回転方向ではない方向に相対移動させることができる。
上記構成のフィルム剥離装置50を用いたフィルム剥離方法について、図12(a)〜(f)に基づいて説明する。図12(a)〜(f)は、フィルム剥離装置50におけるフィルム剥離工程を示す図である。
まず、液晶パネル10を図1(b)に示すフィルム剥離装置50における脚付き上側枠51aに載置する。これにより、図12(a)に示すように、裏面の保護フィルム14における角部の下方に位置していたテープ剥離ヘッド52が上昇移動し、図12(b)に示すように、テープ剥離ヘッド52のテープ52aが保護フィルム14における角部を押圧して保護フィルム14に粘着する。そして、この状態で、図12(c)に示すように、テープ剥離ヘッド52を少しだけ進出移動させる。これにより、保護フィルム14における角部の一定領域にテープ52aが粘着する。尚、この一定領域は、後述する剥離ローラ53が進出移動して保護フィルム14に当接したときにおいて、テープ52aが保護フィルム14における角部を粘着し続ける粘着力を確保できる面積以上となっている。或いは、この一定領域は、後述するテープ剥離ヘッド52を下方移動させる際にテープ52aと保護フィルム14との粘着を保持し続ける粘着力を確保できる面積程度とし、剥離ローラ53を進出移動させる前に剥れた保護フィルム14を保持できる図示しないクランプ材等を別途に設けた構成とすることも可能である。例えば、テープ52aのみで剥離ローラ53を通す際の剥離力に耐える必要はなく、別途の図示しないクランプにて挟み込むことによって、保持力を確保しても良い。
次いで、図12(d)に示すように、テープ剥離ヘッド52のテープ巻き取りローラ52bにてテープ52aを巻き取ると、角部の保護フィルム14が下方に引っ張られるので、角部の保護フィルム14が液晶パネル10の図示しない偏光板13から剥離される。これによって、初期剥離が完了する。
次いで、図12(e)に示すように、剥離ローラ53の水平位置よりも下方側にテープ剥離ヘッド52を下方移動させる。これにより、保護フィルム14が下方側に剥離される。そして、この状態で、図12(f)に示すように、剥離ローラ53を進出移動させる。これにより、剥離ローラ53が保護フィルム14に当接し、さらに剥離ローラ53が進出移動することによって、保護フィルム14が下方に引っ張られるので、保護フィルム14が図示しない偏光板13から引き剥がされる。そして、剥離ローラ53の進出移動を続けることによって、やがて、保護フィルム14が全面的に偏光板13から引き剥がされる。
このように、本実施の形態のフィルム剥離装置50は、保護フィルム14が貼り付けられた液晶パネル10の偏光板13から保護フィルム14を剥離する。そして、フィルム剥離装置50は、保護フィルム14の端部としての角部を把持して、該保護フィルム14の角部を偏光板13から剥離するテープ剥離ヘッド52を備えている。また、テープ剥離ヘッド52にて保護フィルム14の角部を把持した状態で、剥離された保護フィルム14の角部と偏光板13との隙間に挿入され、液晶パネル10に対して相対移動する全面剥離部材としての剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57を備えている。そして、剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57の延設方向は、該剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57の相対移動方向に直交する方向から傾斜している。尚、相対移動とは、剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57が液晶パネル10に対して該液晶パネル10の平面に沿って移動してもよく、又は剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57が固定され、例えば液晶パネル10が搬送される場合に、液晶パネル10がその搬送方向に移動してもよいことを意味する。この場合、剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57の液晶パネル10に対しての相対移動方向は、方形の液晶パネル10における互いに対向する一方の一対の2辺と互いに平行になる方向である。
また、本実施の形態のフィルム剥離方法は、保護フィルム14の角部を把持した状態で、剥離された保護フィルム14の角部と偏光板13との隙間に挿入された全面剥離部材としての剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57を液晶パネル10に対して相対移動させる全面剥離工程を含む。そして、全面剥離工程では、剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57の延設方向を該剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57の相対移動方向に直交する方向から傾斜させる。
この構成によれば、角部剥離工程において、テープ剥離ヘッド52によって、保護フィルム14の角部を把持して、該保護フィルム14の角部を偏光板13から剥離する初期剥離が行われる。
次いで、テープ剥離ヘッド52にて保護フィルム14の角部を把持した状態で、剥離された保護フィルム14の角部と偏光板13との隙間に剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57を挿入し、かつ該剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57を液晶パネル10に対して相対移動させる。そして、このとき、剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57の延設方向を該剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57の相対移動方向に直交する方向から傾斜させる。
この結果、水平面が方形の液晶パネル10に対して、方形の互いに対向する一方の一対の2辺が、剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57の相対移動方向と互いに平行になるようにして、保護フィルム14を剥離することができる。
したがって、剥離される保護フィルム14が液晶パネル10の側方からはみ出すことはないので、作業スペースの増大を回避することができる。また、剥離される保護フィルム14が液晶パネル10の長さの2倍に引き出されることもない。さらに、剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57を液晶パネル10に対して相対移動させるだけであるので、大型の保護フィルム14においても確実かつ容易に剥離することができる。
したがって、作業スペースの増大を回避すると共に、剥離される保護フィルム14における剥離スペースの拡大を防止し、かつ大型の保護フィルム14においても確実かつ容易に剥離し得るフィルム剥離装置50及びフィルム剥離方法を提供することができる。
また、本実施の形態のフィルム剥離装置50では、剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57は、保護フィルム14と摺動可能であるとすることができる。これにより、剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57は、保護フィルム14との摺動により液晶パネル10に対して相対移動しながら液晶パネル10から保護フィルム14を剥離することができる。
また、本実施の形態のフィルム剥離装置50では、剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57は、保護フィルム14と当接しながら液晶パネル10に対して相対移動することが可能である。これにより、剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57は、保護フィルム14との摺動により液晶パネル10から保護フィルム14を剥離することができる。
また、本実施の形態のフィルム剥離装置50では、液晶パネル10は水平面が方形になっていると共に、方形の互いに対向する一方の一対の2辺が、剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57の相対移動方向と互いに平行になっている。
これにより、確実に、作業スペースの増大を回避することができる。
また、本実施の形態のフィルム剥離装置50では、剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57の延設方向と該剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57の相対移動方向に直交する方向との傾斜角度θは、0度よりも大きく、かつ45度以下である。
これにより、初期剥離において、フィルムの角部の剥離を最も効率よく行うためには該傾斜角度は45度となる。一方、傾斜角度を0度に近づける程、剥離開始から剥離完了までの時間が短くなる。
また、本実施の形態のフィルム剥離装置50では、全面剥離部材としての剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57は棒状部材からなっていると共に、保護フィルム14における偏光板13とのフィルム剥離界面の方向Fと、棒状部材からなる剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57の延設方向Pとは互いに平行になっている。尚、平行は、かならずしも厳密に平行でなく、略平行でも足りる。
これにより、棒状部材からなる剥離ローラ53・棒状ローラ56・棒状体57が保護フィルム14に対して摺動、当接、空気等により保護フィルム14を剥離するように力を付与したときに、フィルム剥離界面に対して均一に荷重をかけることができるので、保護フィルム14を適切に全面剥離することができる。
また、本実施の形態のフィルム剥離装置50では、剥離ローラ53には、保護フィルム14に当接する複数のオムニホイール54が設けられている。これにより、複数のオムニホイール54が保護フィルム14に当接したときに、剥離ローラ53の回転方向ではない方向に相対移動させることができる。この結果、棒状部材からなる剥離ローラ53を液晶パネル10に対して相対移動させることができる。
また、本実施の形態のフィルム剥離装置50では、剥離ローラ53には、保護フィルム14に当接する複数の埋め込み型のボール55が剥離ローラ53の表面から露出して設けられている。これにより、剥離ローラ53が保護フィルム14に当接するときに、複数の埋め込み型のボール55が保護フィルム14に当接する。このため、保護フィルム14の送りに対してボール55が回転することにより、剥離ローラ53を液晶パネル10に対して相対移動させることができる。また、ボール55が自由に回転するため、剥離ローラ53自体も回転する必要はない。この結果、棒状部材からなる剥離ローラ53を液晶パネル10に対して相対移動させることができる。
また、本実施の形態のフィルム剥離装置50では、全面剥離部材は、軸回りに回転可能であり、かつ表面部が軸回りと異なる方向に移動可能な棒状ローラ56からなっているとすることができる。
すなわち、このような構成を有していれば、棒状ローラ56を該棒状ローラ56の回転方向ではない方向に相対移動させることができる。このような構造を有する具体例としては、例えば、棒状ローラを低摩擦かつ非粘着性材料である例えばフッ素樹脂にて形成した場合、又はフッ素樹脂をコーティングした場合が該当する。或いは、棒状体57から流体58を噴出させること等も考えられる。これにより、棒状体57が液晶パネル10と保護フィルム14との間で液晶パネル10に対して相対移動し、保護フィルム14を剥離するように流体58にて力を付与することにより、棒状体57が保護フィルム14に当接することなく、該保護フィルム14を剥離することができる。
尚、本実施の形態では、偏光板13・13に貼り付けられた保護フィルム14・14の剥離するフィルム剥離装置50について説明した。しかし、本発明のフィルム剥離装置は、これに限られるものではなく、板状体からなる被保護部材に貼着された種々のフィルムの剥離にも適用が可能である。つまり、剥離対象となるフィルムは、被保護部材の保護を目的とするフィルムに限定されるものではない。
また、本実施の形態では初期剥離をテープ剥離ヘッド52にて行ったが、保護フィルム14の角部を把持できるものであれば、必ずしもこれに限らない。
また、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、本実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、例えば、液晶テレビ等の電気製品の組み立て工程において、傷などを防ぐために用いられた保護フィルムを剥離するフィルム剥離装置及びフィルム剥離方法に好適に利用できる。
1 液晶モジュール
10 液晶パネル(板状体)
13 偏光板(板状体)
14 保護フィルム(フィルム)
30 組み立てライン
32 搬送ユニット
40 パネル供給ライン
41 供給コンベア
50 フィルム剥離装置
52 テープ剥離ヘッド
52a テープ
53 剥離ローラ(全面剥離部材、棒状部材)
54 オムニホイール
55 ボール
56 棒状ローラ(全面剥離部材、棒状部材)
57 棒状体(全面剥離部材、棒状部材)
58 流体
59 保護フィルム受け
F フィルム剥離界面の方向
P 全面剥離部材の延設方向
θ 傾斜角度

Claims (7)

  1. フィルムが貼り付けられた板状体からフィルムを剥離するフィルム剥離装置であって、
    上記フィルムの端部を把持した状態で、剥離されたフィルムの端部と板状体との隙間に挿入され、板状体に対して相対移動しながら該板状体からフィルムを剥離する全面剥離部材が設けられていると共に、
    上記全面剥離部材の延設方向は、該全面剥離部材の相対移動方向に直交する方向から傾斜していると共に、
    上記全面剥離部材は、上記フィルムを滑ることなく、軸回りに回転可能であり、かつ表面部が軸回りと異なる方向に移動可能な棒状ローラからなっていることを特徴とするフィルム剥離装置。
  2. 前記板状体は水平面が方形になっていると共に、
    上記方形の互いに対向する一方の一対の2辺が、前記全面剥離部材の相対移動方向と互いに平行になっていることを特徴とする請求項記載のフィルム剥離装置。
  3. 前記全面剥離部材の延設方向と該全面剥離部材の相対移動方向に直交する方向との傾斜角度は、0度よりも大きく、かつ45度以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のフィルム剥離装置。
  4. 前記全面剥離部材は棒状部材からなっていると共に、
    前記フィルムにおける板状体とのフィルム剥離界面の方向と、上記棒状部材からなる全面剥離部材の延設方向とは互いに平行になっていることを特徴とする請求項1,2又は3記載のフィルム剥離装置。
  5. フィルムが貼り付けられた板状体からフィルムを剥離するフィルム剥離装置であって、
    上記フィルムの端部を把持した状態で、剥離されたフィルムの端部と板状体との隙間に挿入され、板状体に対して相対移動しながら該板状体からフィルムを剥離する全面剥離部材が設けられていると共に、
    上記全面剥離部材の延設方向は、該全面剥離部材の相対移動方向に直交する方向から傾斜していると共に、
    上記全面剥離部材は棒状部材からなっていると共に、
    上記フィルムにおける板状体とのフィルム剥離界面の方向と、上記棒状部材からなる全面剥離部材の延設方向とは互いに平行になっており、
    上記棒状部材には、前記フィルムに当接する複数のオムニホイールが設けられていることを特徴とするフィルム剥離装置
  6. フィルムが貼り付けられた板状体からフィルムを剥離するフィルム剥離装置であって、
    上記フィルムの端部を把持した状態で、剥離されたフィルムの端部と板状体との隙間に挿入され、板状体に対して相対移動しながら該板状体からフィルムを剥離する全面剥離部材が設けられていると共に、
    上記全面剥離部材の延設方向は、該全面剥離部材の相対移動方向に直交する方向から傾斜していると共に、
    上記全面剥離部材は棒状部材からなっていると共に、
    上記フィルムにおける板状体とのフィルム剥離界面の方向と、上記棒状部材からなる全面剥離部材の延設方向とは互いに平行になっており、
    上記棒状部材には、上記フィルムに当接する複数の埋め込み型のボールが該棒状部材の表面から露出して設けられていることを特徴とするフィルム剥離装置
  7. フィルムが貼り付けられた板状体からフィルムを剥離するフィルム剥離方法であって、
    上記フィルムの端部を把持した状態で、剥離されたフィルムの端部と板状体との隙間に挿入された全面剥離部材を板状体に対して相対移動させる全面剥離工程を含み、
    上記全面剥離工程では、全面剥離部材の延設方向を該全面剥離部材の相対移動方向に直交する方向から傾斜させると共に、
    上記全面剥離部材は、上記フィルムを滑ることなく、軸回りに回転可能であり、かつ表面部が軸回りと異なる方向に移動可能な棒状ローラからなっていることを特徴とするフィルム剥離方法。
JP2011006417A 2011-01-14 2011-01-14 フィルム剥離装置及びフィルム剥離方法 Expired - Fee Related JP5031908B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011006417A JP5031908B2 (ja) 2011-01-14 2011-01-14 フィルム剥離装置及びフィルム剥離方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011006417A JP5031908B2 (ja) 2011-01-14 2011-01-14 フィルム剥離装置及びフィルム剥離方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012148824A JP2012148824A (ja) 2012-08-09
JP5031908B2 true JP5031908B2 (ja) 2012-09-26

Family

ID=46791515

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011006417A Expired - Fee Related JP5031908B2 (ja) 2011-01-14 2011-01-14 フィルム剥離装置及びフィルム剥離方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5031908B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5982431B2 (ja) * 2014-06-27 2016-08-31 株式会社岩崎製作所 フィルム剥離巻取り方法とその装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000351188A (ja) * 1999-06-11 2000-12-19 Hitachi Techno Eng Co Ltd フィルム剥離切断方法およびフィルム貼付方法
JP2001199624A (ja) * 2000-01-20 2001-07-24 Dainippon Printing Co Ltd 保護フィルム剥離装置およびその方法
JP2008137211A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Kimoto & Co Ltd ラミネート装置
JP2010149965A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Sharp Corp 保護フィルム剥離装置および保護フィルム剥離方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012148824A (ja) 2012-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI333092B (ja)
JP4780559B2 (ja) フィルム貼付方法およびその装置
JP4371709B2 (ja) 光学フィルム貼付装置及び方法
KR101935780B1 (ko) 액정표시장치 제조라인
JP5134523B2 (ja) 光学フィルム貼付け装置、光学フィルム貼付け方法、および表示用パネルの製造方法
JP6101431B2 (ja) 光学表示パネルの連続製造方法および光学表示パネルの連続製造システム
KR100719622B1 (ko) 필름 보호막 박리장치
JP4901628B2 (ja) フィルム剥離方法およびフィルム剥離装置
KR102189770B1 (ko) 접합 장치, 접합 방법, 광학 표시 장치의 생산 시스템 및 광학 표시 장치의 생산 방법
KR102172312B1 (ko) 접합 장치, 접합 방법, 광학 표시 디바이스의 생산 시스템 및 광학 표시 디바이스의 생산 방법
TW201334952A (zh) 光學顯示設備之生產系統及光學顯示設備之生產方法
WO2015199133A1 (ja) 貼合装置、貼合方法、光学表示デバイスの生産システムおよび光学表示デバイスの生産方法
JP2009145795A (ja) フィルム貼付装置
JP5140788B2 (ja) 液晶表示素子の連続製造システムおよび液晶表示素子の連続製造方法
JP2008139523A (ja) 光学フィルム貼付け方法、光学フィルム貼付け装置、及び表示用パネルの製造方法
JP5031908B2 (ja) フィルム剥離装置及びフィルム剥離方法
JP6223439B2 (ja) 光学表示デバイスの生産システム
WO2013118290A1 (ja) フィルム剥離装置及びフィルム剥離方法
KR100901498B1 (ko) 기판 제조 장치 및 그 방법
JP2010149965A (ja) 保護フィルム剥離装置および保護フィルム剥離方法
KR101365073B1 (ko) 판넬 박리 장치
JP2012001291A (ja) フィルム剥離装置およびフィルム剥離方法
KR102209637B1 (ko) 접합 장치, 접합 방법, 광학 표시 장치의 생산 시스템 및 광학 표시 장치의 생산 방법
WO2010061885A1 (ja) フィルム剥離装置および剥離方法
JP2007210265A (ja) 光学フィルム貼付け装置、光学フィルム貼付け方法、及び表示用パネルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120529

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120627

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150706

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees