JP2010149965A - 保護フィルム剥離装置および保護フィルム剥離方法 - Google Patents

保護フィルム剥離装置および保護フィルム剥離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保護フィルムを容易に剥離することのできる保護フィルム剥離装置を提供する。
【解決手段】本発明の保護フィルム剥離装置1は、第一剥離手段2により、保護フィルム105の端部の少なくとも一部を含むように、保護フィルム105に粘着テープを貼着し、保護フィルム105表面に対して外向きの張力を粘着テープに付加した後、保護フィルム105の剥離を開始する。
【選択図】図2

Description

本発明は、保護フィルム剥離装置および保護フィルム剥離方法に関し、より詳細には、被保護部材の表面に貼着された保護フィルムを粘着テープにより剥離する保護フィルム剥離装置および保護フィルム剥離方法に関する。
従来から、電子デバイスの製造工程または電気製品の組立工程において、傷やゴミ・埃・パーティクルに起因する電子デバイスの不良や電気製品の品位の低下などが問題になる。その対策として、電子デバイスや電気製品の表面や外装を保護するために、保護フィルムが広く使われている。
たとえば、液晶テレビなどに用いられる液晶パネルは、その最表面に偏光板が設けられている。しかし、この偏光板の表面が傷つけられたり、ゴミや埃などで汚されたりすると、液晶パネルは不良品として扱われる。このような不具合を避けるため、偏光板の表面に保護フィルムが貼着された状態で、液晶パネルが製造される場合が多い。この場合、完成した液晶パネルの偏光板の表面には、保護フィルムが貼着されたままである。しかし、この液晶パネルを液晶テレビに組み込む段階では、保護フィルムは不要である。このため、液晶テレビの製造工程には、保護フィルムを剥離する工程が必要になる。
保護フィルムの剥離方法は、直接法と、間接法とに大別できる。直接法は、保護フィルム自体を、スクレイパーまたは刃歯のような剥離道具によって、直接的に剥離する方法である。一方、間接法は、保護フィルムの表面に粘着テープなどを貼着し、粘着テープと共に保護フィルムを間接的に剥離する方法である。
直接法の場合、保護フィルムによって保護される被保護部材に、剥離道具が直接的に接触するため、被保護部材を傷つける恐れがある。これに対し、間接法の場合、粘着テープなどを保護フィルムの表面のみに接触させて剥離するため、被保護部材を傷つける可能性がなくなる。このため、直接法に比べ、間接法による剥離がより広く用いられる。
しかしながら、間接法は、通常、機械装置を使って粘着テープと共に保護フィルムを剥離するため、粘着テープによる保護フィルムの剥離容易性、剥離作業の実効時間、および粘着テープの使用量に関わる作業性および経済性などが問題となる。
そこで、例えば、特許文献1には、この対策として、粘着テープにより保護フィルムを剥離する最初期において、粘着テープの姿勢を保護フィルムの剥離方向に対して鋭角姿勢とする保護フィルム剥離装置が開示されている。特許文献1の保護フィルム剥離装置は、保護フィルムのコーナー先端部の剥ぎ取り操作をより容易に行うことができる。
特開2000−95429号公報(2000年4月4日公開)
しかしながら、特許文献1等の従来の保護フィルム剥離装置は、保護フィルムの剥離が困難であるという問題がある。
具体的には、特許文献1の保護フィルム剥離装置は、保護フィルムの剥離方向に対して、鋭角姿勢で(保護フィルム表面に対して内向きに)保護フィルムを剥離する。この場合、粘着テープの粘着力が、単に粘着テープの粘着剤と、保護フィルムなどの被着体との相性により決められる。つまり、保護フィルムの剥離容易性は、粘着テープの粘着力に大きく依存することになる。
また、最終製品形態に近づく液晶パネル等に使用される保護フィルムは、汚れ付着を強力に防止するため、保護フィルム表面に、表面処理が施されている。例えば、保護フィルムの表面に、シリコン系樹脂や長鎖アルキル基を有する樹脂などの層が形成されている。
しかし、このような表面処理は、粘着テープの粘着力が低下する原因となる。このため、表面処理が施された保護フィルムの剥離が特に困難である。また、例えば、ゴム系の粘着テープのように、特に粘着力のムラが大きい場合も、保護フィルムの剥離が困難である。
また、特許文献1においては、剥離時の粘着テープに付加する張力を複雑な機構により制御することで、粘着テープの粘着力をより最大限に発揮させようとしている。しかし、このように複雑な機構で制御しながら剥離すると、剥離作業に要する実効時間が長くなる傾向がある。その結果、時間当たりに剥離する保護フィルムの量は少なくなる。従って、作業性および経済性が一層悪くなる。
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、保護フィルムを容易に剥離することができる保護フィルム剥離装置および剥離方法を実現することにある。
本発明の保護フィルム剥離装置は、上記の課題を解決するために、被保護部材に貼着された保護フィルムを粘着テープにより剥離する保護フィルム剥離装置であって、
上記保護フィルムの端部の少なくとも一部を含むように、上記保護フィルムに粘着テープを貼着し、貼着された粘着テープにより、上記保護フィルムの端部を剥離する第一剥離手段を備え、
上記第一剥離手段は、上記保護フィルム表面に対して外向きの張力を、上記粘着テープに付加した状態で、上記保護フィルムの端部の剥離を開始することを特徴としている。
上記の構成によれば、第一剥離手段が、保護フィルムを剥離する前に、保護フィルム表面に対して外向きの張力を、粘着テープに付加する。これにより、粘着テープの粘着力が顕著に向上する。さらに、第一剥離手段は、粘着テープにその張力を付加した状態で、保護フィルムの端部の剥離を開始する。これにより、粘着力を向上させた粘着テープによって、保護フィルムを剥離することができる。従って、保護フィルムを容易に剥離することができる。
本発明の保護フィルム剥離装置では、上記第一剥離手段は、上記粘着テープに付加される張力の上記保護フィルム表面における分力が、上記保護フィルムの端部の少なくとも一部の外側に向かうように、上記粘着テープに張力を付加してもよい。
上記の構成によれば、第一剥離手段は、粘着テープに付加する張力の保護フィルム表面における分力が、粘着テープが貼着された保護フィルムの端部の外側に向かうように、粘着テープに張力を付加する。これにより、保護フィルム表面に対して外向きに粘着テープを引っ張る方向の張力が、粘着テープに確実に付加される。従って、粘着テープの粘着力を確実に向上させることができる。
本発明の保護フィルム剥離装置では、上記第一剥離手段は、上記粘着テープが上記保護フィルムの端部からはみ出し、上記保護フィルムに貼着されない非貼着部を有するように、上記粘着テープを貼着してもよい。
上記の構成によれば、粘着テープが、保護フィルムの端部からはみ出して貼着された非貼着部を有する。これにより、粘着テープが、確実に保護フィルムの端部を含むように貼着される。従って、粘着テープに対する張力の付加、および、保護フィルムの剥離を、容易に行うことができる。
本発明の保護フィルム剥離装置では、上記第一剥離手段は、上記粘着テープの非貼着部の粘着面と、上記保護フィルム表面を含む平面との成す角度が90°以下となるように、上記粘着テープに張力を付加してもよい。
上記の構成によれば、第一剥離手段が粘着テープに張力を付加する際に、粘着テープの非貼着部の粘着面(裏面)と、保護フィルム表面を含む平面とのなす角度が常に90°以下となる。これにより、保護フィルム表面に対して外向きに粘着テープを引っ張る方向の張力が、粘着テープに確実に付加される。従って、粘着テープの粘着力を確実に向上させることができる。
本発明の保護フィルム剥離装置では、上記第一剥離手段は、上記粘着テープの長さ方向と平行な方向の張力を、上記粘着テープに付加してもよい。
上記の構成によれば、第一剥離手段が、粘着テープの長さ方向と平行な方向の張力を粘着テープに付加する。これにより、粘着テープには、粘着テープを引っ張る方向の張力が、確実に付加される。従って、粘着テープの粘着力を確実に向上させることができる。
なお、上記の構成は、例えば、粘着テープの非貼着部の粘着面と、上記保護フィルム表面を含む平面との成す角度が0°とすることによっても実現することができる。
本発明の保護フィルム剥離装置では、上記第一剥離手段は、上記粘着テープに付加される張力の保護フィルム表面に対して垂直方向の分力が、上記粘着テープが貼着された部分における、上記保護フィルムと被保護部材との粘着力以下となるように、上記粘着テープに張力を付加してもよい。
上記の構成によれば、第一剥離手段が粘着テープに付加する張力が、保護フィルムと被保護部材との粘着力よりも小さいかまたは等しい。これにより、保護フィルム剥離前に粘着テープに張力を付加する段階で、被保護部材から保護フィルムが剥離されるのを防止することができる。
本発明の保護フィルム剥離装置では、上記第一剥離手段は、上記保護フィルムの端部の剥離開始前から剥離終了まで、継続的に上記粘着テープに上記張力を付加してもよい。
上記の構成によれば、第一剥離手段は、保護フィルム端部の剥離前から剥離終了まで、常に保護フィルム表面に対して外向きの張力を、粘着テープに付加する。これにより、保護フィルム端部の剥離終了まで、粘着テープの粘着力を向上させた状態を維持することができる。
なお、上記保護フィルムの端部を剥離するときには、例えば、上記粘着テープの非貼着部の粘着面(裏面)と、上記保護フィルム表面を含む平面との成す角度が90°以下、好ましくは45°以下となるように、粘着テープに張力を付加することによって、保護フィルム表面に対して外向きに粘着テープを引っ張る方向の張力が、粘着テープに確実に付加される。これにより、粘着テープの粘着力を確実に向上させることができる。従って、保護フィルムの端部を容易に剥離することができる。
本発明の保護フィルム剥離方法は、上記の課題を解決するために、被保護部材に貼着された保護フィルムを粘着テープにより剥離する保護フィルム剥離方法であって、
上記保護フィルムの端部の少なくとも一部を含むように、上記保護フィルムに粘着テープを貼着し、貼着された粘着テープにより、上記保護フィルムの端部を剥離する第一剥離工程を含み、
上記第一剥離工程は、上記保護フィルム表面に対して外向きの張力を、上記粘着テープに付加した状態で、上記保護フィルムの端部の剥離を開始することを特徴としている。
上記の構成によれば、第一剥離工程では、保護フィルムの剥離前に、保護フィルム表面に対して外向きの張力を、粘着テープに付加する。これにより、粘着テープの粘着力が顕著に向上する。さらに、第一剥離工程では、粘着テープにその張力を付加した状態で、保護フィルムの端部の剥離を開始する。これにより、粘着力を向上させた粘着テープによって、保護フィルムを剥離することができる。従って、保護フィルムを容易に剥離することができる。
なお、本発明の保護フィルム剥離装置では、上記第一剥離手段は、上記保護フィルムの角部を含むように、上記保護フィルムに粘着テープを貼着してもよい。
上記の構成によれば、第一剥離手段が、保護フィルムの角部を含むように粘着テープを貼着する。これにより、張力を付加することによって、粘着テープの粘着力を、特に大きく向上させることができる。従って、保護フィルムの剥離を容易に行うことができる。
また、本発明の保護フィルム剥離装置は、上記第一剥離手段によって剥離された上記保護フィルムの端部を把持し、保護フィルム全面を剥離する第二剥離手段を備える構成であってもよい。
上記の構成によれば、第二剥離手段が、第一剥離手段によって剥離された保護フィルムの端部を保持し、保護フィルム全面を剥離する。従って、被保護部材から保護フィルムを完全に剥離することができる。
また、本発明の保護フィルム剥離装置では、上記第一剥離手段は、上記第二剥離手段が、第一剥離手段によって剥離された保護フィルムの端部を把持できる位置まで、上記保護フィルムの端部を剥離してもよい。
上記の構成によれば、第一剥離手段は、第二剥離手段によって剥離された保護フィルムの端部が把持できる位置まで、保護フィルムの端部を剥離する。これにより、第一剥離手段による保護フィルムの端部の剥離と、第二剥離手段による保護フィルム全体の剥離とを連続的に行うことができる。従って、保護フィルムの剥離動作を円滑に行うことができる。
本発明の保護フィルム剥離装置では、上記第一剥離手段は、上記粘着テープを上記保護フィルムに押し付けて貼着する押付部と、上記粘着テープを吸着保持する吸着保持部を備える構成であってもよい。
上記の構成によれば、第一剥離手段が吸着保持部を備えるため、粘着テープを安定して保持することができる。さらに、第一剥離手段が押付部を備えるため、粘着テープを保護フィルムに確実に押し付けて貼着することができる。従って、吸着保持部により粘着テープを安定して保持しつつ、押付部により粘着テープを保護フィルムに確実に貼着することができる。
本発明に係る保護フィルム剥離装置は、以上のように、上記保護フィルム表面に対して外向きの張力を、上記粘着テープに付加した状態で、上記保護フィルムの端部の剥離を開始する第一剥離手段を備える構成である。
また、本発明に係る保護フィルム剥離方法は、以上のように、上記保護フィルム表面に対して外向きの張力を、上記粘着テープに付加した状態で、上記保護フィルムの端部の剥離を開始する第一剥離工程を含んでいる。
上記保護フィルム剥離装置および保護フィルム剥離方法によれば、保護フィルムを容易に剥離することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施形態について、図1ないし図2に基づいて説明する。
本実施形態では、本発明の保護フィルム剥離装置の一例として、液晶パネルの偏光板に貼着された保護フィルムを剥離する保護フィルム剥離装置について説明する。保護フィルムは、液晶パネルの表面に設けられた偏光板に貼着されており、偏光板の損傷や汚れを防止する。本実施形態の保護フィルム剥離装置は、液晶テレビの組立作業において、保護フィルムを、より容易に剥離するためのものである。もちろん、本発明の保護フィルム剥離装置は、この用途に限定されるものではなく、偏光板以外の被保護部材に貼着された、種々の保護フィルムの剥離に適用することも可能である。
図1は、偏光板に保護フィルムが設けられた液晶パネルの部分断面図である。図1に示すように、液晶パネルPは、TFT基板101とカラーフィルター基板102との間に、液晶材料(図示しない)が極少量で注入されており、TFT基板101とカラーフィルター基板102とが貼り合わされた構成である。
TFT基板101のカラーフィルター基板102と反対側の面には、偏光板103が設けられている。カラーフィルター基板102のTFT基板101と反対側の面には、偏光板104が設けられる。偏光板103は、液晶パネルPの映像表示領域Sより大きく、TFT基板101より小さい。偏光板104も、液晶パネルPの映像表示領域Sよりも大きく、カラーフィルター基板102より小さい。なお、液晶パネルPには、必要に応じて、駆動ICや信号入力回路基板等(図示しない)が取り付けられる。
偏光板103および偏光板104の各表面には、偏光板103および偏光板104の各表面の損傷や汚れを防止するために、保護フィルム105と保護フィルム106とがそれぞれ貼着される。保護フィルム105,106は最終的に不要になるため、液晶テレビの組立作業において、液晶パネルPから剥離されることになる。後述のように、本実施形態においては、保護フィルム105,106に貼着された粘着テープに、短時間で所定の張力を付加することにより、粘着テープの粘着力を向上させる。そして、その張力を付加した状態で、粘着テープによって、保護フィルム105,106を剥離する。つまり、粘着力が向上した粘着テープによって、保護フィルム105,106を剥離する。従って、偏光板103,104を傷つけることなく、保護フィルム105,106を短時間で容易に剥離することができる。
なお、図1に示す液晶パネルPは、TFT基板101の両面に、偏光板103,104が形成されており、偏光板103,104には、いずれにも保護フィルム105,106が貼着されている。以下の説明では、偏光板103に貼着された保護フィルム105の剥離について説明する。なお、保護フィルム106についても、保護フィルム105と同様にして剥離することができるため、説明を省略する。
以下、本実施形態の保護フィルム剥離装置を、図2に基づいて詳細に説明する。図2は、図2は、本実施形態の保護フィルム剥離装置の構成を示す斜視図である。図2に示すように、保護フィルム剥離装置1は、保護フィルムを剥離するための第一剥離手段2および第二剥離手段3と、液晶パネルPを保持する保持部301とを備えており、液晶パネルPに形成された保護フィルム105を剥離する。なお、図示しないが、保護フィルム剥離装置1は、第一剥離手段2を移動するための第一移動手段(図示しない)と、第二剥離手段3を移動するための第二移動手段(図示しない)とを更に備える。
第一剥離手段2は、粘着テープにより保護フィルム105の端部を剥離する。第一剥離手段2は、後述のように、保護フィルム105の表面に対して外向きの張力を粘着テープに付加した状態で、保護フィルム105の端部を剥離する。
第一剥離手段2は、上記粘着テープの一部を把持する把持パッド(第一把持部)302と、把持パッド302の把持力(把持および緩め)を制御するエアシリンダー303と、上記粘着テープを保護フィルム105に押し付けて貼着する押付パッド(押付部)305と、上記粘着テープにおける押付パッド305により把持されない部分を真空吸着して粘着テープの全体を安定な姿勢に保持する真空吸着部(吸着保持部)304とを備える。
把持パッド302は、規定の寸法の粘着テープを把持するため、剛性がある材料から形成されることが好ましく、それに加え、粘着テープの粘着剤が引っ付いても残り難い材料から形成されることが好ましい。例えば、把持パッド302は、ポリテトラフルオロエチレンで代表されるフッ素系樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂などの材料から形成されていることが好ましい。
また、把持パッド302を形成する材料として、アルミニウム、ステンレス、炭素鋼などを使用することもできる。ただし、このような場合においては、粘着テープTの粘着剤が残り難いようにするため、把持パッド302に粗面処理やフッ素樹脂コーティングなどの表面処理を施すことが好ましい。
真空保持部304は、粘着テープを吸着するためのものであって、たとえば複数の小円形状の吸着口を配置してもよいし、一つの吸着口を配置してもよい。
押付パッド305は、粘着テープを保護フィルム105の端部に貼着するためのものであって、弾性体材料を用いることが好ましい。押付パッド305にスポンジなどで代表される変形が大きい材料を用いることもできる。ただし、この場合、粘着テープを十分に保護フィルム105に貼着させるため、押付パッド305を意図的に大きく変形させるように第一剥離手段2を動作させることが必要になることもある。
押付パッド305の形状については、特に限定されない。押付パッド305の面積は、保護フィルム105の端部または角部先端に規定の寸法の粘着テープを貼着できるような大きさであればよい。
第二剥離手段3は、第一剥離手段2により端部が剥離された保護フィルム105を全面的に剥離する。また、図2に示すように、第二剥離手段3は、上記粘着テープの一部を把持する把持パッド306と、把持パッド306の把持力(把持および緩め)を制御するエアシリンダー307とを備える。
把持パッド306の材料については、特に限定がないが、把持パッド302と同じ材料で形成することが好ましい。
保持部301は、液晶パネルPを保持するものである。保持部301は、液晶パネルPから剥離される保護フィルム105と干渉しないように設置されている。
次に、保護フィルム剥離装置1による保護フィルム105の剥離動作について、図3〜図9に基づいて詳細に説明する。保護フィルム剥離装置1は、粘着テープに張力を付加することによって、粘着テープの粘着力が顕著に向上することを利用して、保護フィルム105を剥離することを最大の特徴としている。
具体的には、保護フィルム剥離装置1は、保護フィルム105の端部の少なくとも一部を含むように、保護フィルム105に粘着テープを貼着するテープ貼着工程と、保護フィルム105の表面に対して外向きの張力を粘着テープに付加する張力付加工程と、粘着テープに張力を付加した状態で、保護フィルム105の端部を剥離する第一剥離工程と、剥離された保護フィルム105の端部を把持し、保護フィルム105全面を剥離する第二剥離工程を有している。以下、各工程について説明する。
〔テープ貼着工程〕
図3(a)〜図3(d)、図4(a),図4(b)に基づいて、テープ貼着工程を説明すると以下の通りである。図3(a)〜図3(d)は、第一剥離手段2により粘着テープを保護フィルムに貼着する動作を説明する図であり、図4(a)および図4(b)は、保護フィルムに対する粘着テープの貼着状態を示す平面図である。
図3(a)には、保護フィルムの端部を剥離するために使用する粘着テープを規定の寸法で切り取るためのテープカッター装置4と、第一剥離手段2とが図示されている。
テープカッター装置4が作動すると、粘着テープTは、ローラ41の回転により、規定の方向(第一剥離手段2の方向)に送られ、テープカッター装置4により規定の寸法で切断される。切断された粘着テープTは、テープカッター装置4の粘着テープ送出口401から出される。第一剥離手段2は、粘着テープ送出口401の前に配置され、粘着テープ送出口401から出される粘着テープTを第一剥離手段2の把持パッド302で把持可能な位置にまで導入させる。ここで、粘着テープTの粘着面は、矢印Y1で示されたローラ41との当接面である。
その後、エアシリンダー303を作動して、エアシリンダー303に接続されている把持パッド302を動かす。これにより、図3(b)のように、規定の寸法の粘着テープTは、第一剥離手段2の把持パッド302で把持されることになる。図3(b)には、第一剥離手段2と、第一剥離手段2に向けてエアー402を吹き出すためのブロア403とが図示されている。
図3(b)に示すように、粘着テープTを把持した第一剥離手段2は、図3(a)に示す位置から、第一剥離手段2に接続されている第一移動手段(図示しない)によって、任意の場所に設置されているブロア403の前に移動される。この場合、把持パッド302によって一端が把持されている粘着テープTは、重力によって鉛直方向に下向きで不定形状に垂れている(図3(b)の状態)。この状態において、ブロア403からエアー402を吹き出すと、粘着テープTは、押付パッド305および真空吸着部304に沿うように付勢される。その上、真空吸着部304により吸着すると、規定の寸法の粘着テープTの全体は、安定な姿勢を保持するようになる。
図3(c)および図3(d)には、第一剥離手段2により、液晶パネルPに粘着テープTを貼着する状態が図示されている。
具体的には、図3(c)に示すように、第一剥離手段2が粘着テープTを安定な姿勢に把持した後、第一移動手段(図示しない)によって、第一剥離手段2が液晶パネルP上に移動する。この移動により、第一剥離手段2の姿勢が変わり、粘着テープTが水平方向に配置されるようになる。つまり、第一剥離手段2は、粘着テープTの裏面(粘着面)が、液晶パネルPの保護フィルム105の表面に対向するように、移動される。これにより、粘着面を下向きにした粘着テープTと液晶パネルPの保護フィルム105とは、互いに水平方向に配置される。この場合、粘着テープTは、把持パッド302により把持され、真空吸着部304により吸着されている。このため、粘着テープTは、保護フィルム105の方に垂れる恐れがない。
次に、図3(c)の状態から、第一剥離手段2は、上記第一移動手段によって液晶パネルPに向けて降下し、規定の寸法の粘着テープTを保護フィルム105に接触させる。その後、図3(d)に示すように、真空吸着部304による吸着動作を停止させて、粘着テープTが保護フィルム105上に貼着する。このようにして、粘着テープTが保護フィルム105の粘着領域A(図3(d)を参照)に貼着される。
以下、保護フィルム105上への粘着テープTの貼着位置について、図4(a)、図4(b)に基づいて説明する。
図4(a)に示すように、粘着テープTは、保護フィルム105表面の全域に貼着する必要はなく、保護フィルム105の一部に貼着すればよい。具体的には、粘着テープTは、保護フィルム105の端部を含むように貼着すればよい。これにより、保護フィルム105はその端部から剥離されるようになり、剥離が容易に行われる。
より好ましくは、図4(b)に示すように、粘着テープTは、保護フィルム105の角部先端を含むように貼着する。つまり、保護フィルム105における粘着テープTの貼着部分が、保護フィルム105の角部先端を含む。この場合、剥離を始める部位がより小さいため、剥離が更に容易に行われる。ここで、粘着テープTの中心線501が、保護フィルム105の角部502の二等分線503になる(二等分線503と重なる)ことがより好ましい。
なお、粘着テープTは、図4(a)および図4(b)のように、保護フィルム105の端部または角部からはみ出すように貼着してもよい。この場合、粘着テープTは、保護フィルム105に貼着されない非貼着部を有することになる。これにより、粘着テープTを、確実に保護フィルム105の端部または角部を含むように貼着することができる。また、後述の張力付加工程および第一剥離工程も容易になる。
〔張力付加工程〕
次に、上記テープ貼着工程により保護フィルム105に貼着された粘着テープTに張力を付加する張力付加工程について、図5(a)、図5(b)、図6(a)、図6(b)に基づいて説明する。図5(a)および図5(b)は、第一剥離手段2により粘着テープTに張力を付加する動作を説明する図である。
上述の図3(d)のように、粘着テープTが保護フィルム105に単に貼着された状態では、規定の寸法の粘着テープTには張力が付加されていない。このため、粘着テープTの粘着力は、何ら変化しない。そこで、保護フィルム剥離装置1では、粘着テープTに張力を付加することによって、粘着テープTに高い粘着性を発生させる。粘着テープTの張力は、図5(a)および図5(b)に示す動作によって発生させることになる。
まず、第一剥離手段2によって粘着テープTの非貼着部(保護フィルム105に貼着されない部分)を把持した状態で、第一移動手段により、第一剥離手段2を保護フィルム105の表面から離れる方向へ移動させる。例えば、図3(d)の矢印Y2で示す方向に、第一剥離手段2を移動させる。これにより、図5(a)に示すように、粘着テープTの非貼着部が、保護フィルム105表面に対して、垂直配置される。この場合、第一剥離手段2の保護フィルム105表面に対し、垂直方向の移動距離Lは、大きくても3mm以下であることが好ましい。本実施形態では、移動距離Lは、1mmである。
その後、第一剥離手段2を図5(a)中の矢印Y3に示すように、保護フィルム105の外側へ移動させる。これにより、図5(b)のように、粘着テープTは、保護フィルム105の表面に対して、外向きに引っ張られた状態になる。このとき、保護フィルム105表面に対し平行方向(水平方向)の移動距離Lは、大きくても2mm以下であることが好ましい。本実施形態では、移動距離Lは、1mmである。
これにより、粘着テープTには、保護フィルム105の表面に対して外向きの張力が付加され、粘着テープTは、汚れを防止するために表面処理された保護フィルム105に対しても、高い粘着力を発揮する。
ここで、粘着テープTに付加される張力の方向および大きさについて、図6(a)、(b)に基づいて説明する。
図5(b)の状態で、粘着テープTに付加される張力は、保護フィルム105表面に対し垂直な面における分力F(図6(a))、および保護フィルム105表面に平行な面における分力F(図6(b))に分割することができる。
図6(a)は、図5(b)における点線に囲まれた部分の拡大図であり、粘着テープTに付加される張力の保護フィルム105表面に垂直な面における分力Fを説明するための概略図である。
図6(a)に示すように、粘着テープTの保護フィルム105に貼着されない部分の粘着面(裏面)と保護フィルム105の表面を含む平面(保護フィルム105表面を外側に拡張した面)との間で成す角度θ(分力Fの方向角度)は、常に90°以下であることが好ましい(図5(b)を参照)。ここで、角度θがほぼゼロである場合、図5(b)における張力の方向が、粘着テープTの長さ方向とほぼ平行になる。この場合、図5(a)における粘着テープTの移動距離Lもほぼゼロであれば、張力付加工程の全過程において、張力の方向が粘着テープTの長さ方向とほぼ平行になる。
また、分力Fの保護フィルムの表面に対し垂直方向の分力FHZは、粘着テープTが貼着された保護フィルム105の端部における、偏光板103と保護フィルム105との粘着力fより小さいかまたは等しい。これは、分力FHZが粘着力fより大きい場合、粘着テープTに張力が十分に付加されない状態で保護フィルム105が偏光板103から剥離される場合があるためである。
一方、図6(b)は、粘着テープTに付加される張力の保護フィルム105に対し平行な面における分力Fを説明するための概略図である。図6(b)に示すように、この分力Fの方向は、粘着テープTの長さ方向に平行であることが好ましいが、これに限定されない。たとえば、図6(b)のような場合、分力Fの方向と偏光板103の長さ方向との間で成す角度θは、0度以上、90°以下の範囲内とすることができる。この場合、張力Fの保護フィルム105の表面における分力Fが、保護フィルム105の端部の少なくとも一部の外側に向かうようになり、粘着テープTに確実に張力を付加することができる。これにより、粘着テープTの粘着力を確実に向上させることができる。
〔第一剥離工程〕
以下、保護フィルム105の端部を剥離する第一剥離工程について、図5(b)、図6(a)、図7(a)、および図7(b)に基づいて説明する。
図5(b)の状態から、第一剥離手段2を、矢印Y4で示すように保護フィルム105表面に対して垂直方向に移動させると、粘着テープTに貼着された保護フィルム105の端部は剥離され、図7(a)に示す状態になる。この状態を斜視図で示すと図8(a)のようになる。ここで、第一剥離手段2により引っ張られる規定の寸法の粘着テープTの姿勢は、第一剥離手段2の移動軌跡と移動速度によって支配される。
そして、第一剥離工程において、粘着テープTが高い粘着性を発現し続けるようにするために、常に規定の寸法の粘着テープTに張力が付加されるように第一剥離手段2の移動軌跡と移動速度が決められることが好ましい。
常に規定の寸法の粘着テープTに張力を付加するため、保護フィルム105を剥離するとき、粘着テープTの保護フィルム105に貼着されない部分の粘着面と、保護フィルム105の表面を含む平面(保護フィルム105が剥離され露出した偏光板103の表面)との間で成す角度θ(図7(a)を参照)は、常に90°以下であることが好ましい。より好ましくは、角度θは常に45°以下である。これにより、保護フィルム105の端部の剥離開始前から剥離終了まで、継続的に粘着テープTに対し、上記張力を付加することができる。従って、粘着テープTの粘着力を向上させた状態を維持して、保護フィルム105の端部を剥離することができる。
また、第一剥離工程において、保護フィルム105を偏光板103から剥離するためには、図6(a)における分力Fの保護フィルム105の表面に対し垂直方向の分力FHZが、前記粘着テープTが貼着される保護フィルム105の端部の少なくとも一部における、偏光板103と保護フィルム105との粘着力fより大きくするかまたは等しくする。
図7(a)に示す保護フィルム105の状態では、次の第二剥離手段3によって保護フィルム105の端部を保持するための十分な空間が得られない場合がある。したがって、第一剥離手段2により保護フィルム105の端部を剥離した後は、保護フィルム105の端部または角部が第二剥離手段3で保持可能な状態になるまで、保護フィルム105を十分に剥離する必要がある。すなわち、第一剥離工程において、端部が剥離された保護フィルム105を第二剥離手段3で把持可能な位置に移動する。この状態を斜視図で示すと図8(b)のようになる。
たとえば、図7(b)に示すように、保護フィルム105の姿勢は液晶パネルPに対してほぼ90°になっているが、第二剥離手段3で把持可能であれば、保護フィルム105の姿勢はこれに限らない。
〔第二剥離工程〕
以下、保護フィルム105の全面を剥離する第二剥離工程について、図7(b)および図8(b)、図9(a)、および図9(b)に基づいて説明する。図9(a)は、第二剥離手段3により保護フィルム105を剥離する状態を示す斜視図であり、図9(b)は、図9(a)の平面図である。
図7(b)および図8(b)に示す状態から、エアシリンダー307を作動して、エアシリンダー307に接続されている把持パッド306を動かす。これにより、保護フィルム105の端部または角部は、第二剥離手段3の把持パッド306で把持されることになる。その後、第一剥離手段2の把持を解除する。
次いで、第一剥離手段2を、上記第一移動手段によって第二剥離手段3と保護フィルム105に干渉しない位置に移動させる。その後、第二移動手段によって第二剥離手段3を移動させて保護フィルム105の全面を剥離する。図9(a)は、この状態を示す斜視図である。
たとえば、第二剥離手段3を、図9(b)に示すように液晶パネルPの対角線の方向(矢印Y5が示す方向)に移動することで、保護フィルム105は完全に剥離される。
以上のように、本発明によれば、保護フィルムを剥離する前に、保護フィルム表面に対して外向きの張力を、粘着テープに付加する。これにより、粘着テープの粘着力が顕著に向上する。さらに、粘着テープにその張力を付加した状態で、保護フィルムの端部の剥離を開始する。これにより、粘着力を向上させた粘着テープによって、保護フィルムを剥離することができる。従って、保護フィルムを容易に剥離することができる。
なお、本発明では、粘着テープによって保護フィルムを剥離するため、粘着テープの粘着力が、保護フィルムを剥離するための、剥離力となる。このため、通常、粘着テープの粘着力は、保護フィルムを剥離するために必要な剥離力(保護フィルムの被保護部材への粘着力)と略同一〜数倍程度に設定される。
しかし、粘着テープの粘着力を、保護フィルムを剥離するために必要な剥離力の数倍程度に設定したとしても、特許文献1のように、粘着テープを保護フィルム表面に対して直角から鋭角方向に粘着テープを引き上げると、保護フィルムの剥離が困難であった。保護フィルムに表面処理が施されている場合、および、粘着テープの粘着力にムラが生じていると、特に、保護フィルムの剥離に失敗するという問題が顕在化している。
しかしながら、本発明によれば、保護フィルムを剥離する前、保護フィルムに予め張力を発生させ、粘着テープに高い粘着性を付与するため、保護フィルムの剥離をより容易に且つ快速に行うことができる。また、保護フィルムに表面処理が施されている場合、および、粘着テープの粘着力にムラが生じていても、確実に保護フィルムを剥離することができる。
本発明は、以下のように表現することもできる。
〔1〕本発明に係る保護フィルム剥離装置は、剥離されるべき保護フィルムが表面に貼り付けられている薄板形状をした被保護部材を保持するための保持手段と、粘着テープの所定長さ部分を保護フィルム角部先端が含むように貼り付ける貼着手段と、前記粘着テープの非貼着部の端部を把持するための把持部を備え、前記把持部で把持した粘着テープを引っ張ることにより保護フィルム角部を剥離する第一の保護フィルム剥離手段と、第一の保護フィルム剥離手段によって剥離された保護フィルム角部を保持する保持部を備え、前記保持部を移動させることにより保護フィルム全面を剥離する第二の保護フィルム剥離手段とを具備する保護フィルム剥離装置であって、第一の保護フィルム剥離手段で保護フィルム角部を剥離する前において、粘着テープに対して張力を発生させる保護フィルム剥離装置。
〔2〕上記〔1〕に記載の保護フィルム剥離装置において、前記把持部において、粘着テープ全幅を把持し、保護フィルムに貼り付けられた粘着テープに対して把持方向が略直角である保護フィルム剥離装置。
〔3〕上記〔1〕または〔2〕に記載の保護フィルム剥離装置において、保護フィルム角部を剥離する前に粘着テープに対して張力を発生させる場合において、粘着テープ面が保護フィルム面と略平行で、かつ粘着テープの長さ方向と略同じ方向に粘着テープを引っ張る保護フィルム剥離装置。
〔4〕上記〔1〕、〔2〕、または〔3〕に記載の保護フィルム剥離装置において、保護フィルム角部を剥離するときにおいて、常に粘着テープに対して張力が発生するように第一の保護フィルム剥離手段が移動する保護フィルム剥離装置。
〔5〕上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の保護フィルム剥離装置において、保護フィルム角部を剥離するときにおいて、粘着テープを引っ張る方向が粘着テープの長さ方向と略同じで、かつ保護フィルム面に対する粘着テープのなす角度が90度を超えないように第一の剥離手段を移動させる保護フィルム剥離装置。
〔6〕本発明に係る保護フィルム剥離方法は、薄板形状をした被保護部材の表面を保護するために貼り付けられた保護フィルムを剥離する方法であって、粘着テープの所定の長さ部分を保護フィルム角部先端が含むように貼り付ける工程と、前記粘着テープの非貼着部の端部を把持しつつ、粘着テープを引っ張ることにより保護フィルム角部を剥離する第一の保護フィルム剥離工程と、第一の保護フィルム剥離工程によって剥離された保護フィルム角部を保持しつつ、保護フィルム全面を剥離するための第二の保護フィルム剥離工程とを含み、第一の保護フィルム剥離工程で保護フィルム角部を剥離する前において、粘着テープに対して張力を発生させることを特徴とする保護フィルム剥離方法。
本発明によれば、保護フィルムの剥離前の粘着テープに、保護フィルム表面に対して外向きの張力を付加する。これにより、粘着テープの粘着力、特に、せん断方向の粘着力が、張力を付加しない場合よりも、顕著に向上する。そして、向上させた粘着力を利用して、保護フィルムを剥離する。従って、保護フィルムを容易に剥離することができる。特に、保護フィルムに防汚処理等の表面処理が施されていても、被保護部材から保護フィルムを確実に剥離することができる。また、粘着力にムラが生じやすいゴム系の粘着テープを用いたとしても、安定して保護フィルムを剥離することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。たとえば、上記の実施形態において、第一移動手段と第二移動手段は、一つの移動手段で実現してもよい。
表面処理された保護フィルム105を平面上に固定し、その上に、最短でも長さ50mmである粘着テープTの一部を、図4(b)に示すように、保護フィルム105の角部に貼着する。この場合、粘着テープTの保護フィルム105の角部先端から離れた距離xは、30mmである。なお、保護フィルム105は、日東電工社のPPF−100Tの製品であり、保護フィルム105の表面は、長鎖アルキル基により表面処理が施されている。
この状態で、粘着テープTの保護フィルム105に貼着されなかった部分を第一剥離手段2で把持してほぼ水平方向に引っ張る。すなわち、上記張力付加工程において、図5(a)に示すLがほぼゼロであり、図6(a)に示すθがほぼゼロである場合に相当する。
この状態で粘着テープTを保護フィルム105から離れる方向に移動し、粘着テープTが剥離始めるときの第一剥離手段2の引っ張り力を測定する。この引っ張り力を、本実施例の粘着テープTの最大張力として記録する。実施例における粘着テープTの最大粘着力は、70Nである。
〔比較例〕
比較例において、上記実施例と同じ長さの粘着テープTを、実施例と同じように保護フィルム105に貼着した。また、保護フィルム105は、上記実施例と同じ製品を用いており、長鎖アルキル基により表面処理が施されている。比較例の実施例との相違点は、以下のとおりである。
この状態で、粘着テープTの保護フィルム105に貼着されなかった部分を第一剥離手段2で把持してほぼ垂直方向に引っ張る。すなわち、上記張力付加工程において、図6(a)に示すθがほぼ90°である場合に相当する。
この状態で粘着テープTを保護フィルム105から離れる方向に移動し、粘着テープTが剥離始めるときの第一剥離手段2の引っ張り力を測定する。この引っ張り力を、本実施例の粘着テープTの最大張力として記録する。比較例における粘着テープTの最大粘着力は、4.8Nである。
図10は、上記実施例および比較例における、粘着テープTの最大粘着力を比較したグラフである。図10から明らかなように、実施例では、粘着テープTに対して予め張力を付加し、その後、その張力を付加した状態で保護フィルム105を剥離したため、粘着テープTは、表面処理された保護フィルム105に対しても高い粘着性を示す。これに対し、比較例では、粘着テープTで保護フィルム105を剥離する前に、粘着テープTに張力が付加されないため、粘着テープTは、表面処理された保護フィルム105に対して高い粘着性を示さない。従って、実施例により、粘着テープTの粘着力を向上する効果が実証された。
本発明は、液晶テレビなどの電気製品の組立工程において、傷などを防ぐために用いられた保護フィルムを剥離する装置および方法に好適に利用できる。
本発明の保護フィルム剥離装置によって剥離される保護フィルムが設けられた液晶パネルの部分断面図である。 本発明の保護フィルム剥離装置の構成を示す斜視図である。 (a)〜(d)は、第一剥離手段により粘着テープを保護フィルムに貼着する動作を説明する図である。 (a)および(b)は、保護フィルムに対する粘着テープの貼着状態を示す平面図である。 (a)および(b)は、第一剥離手段により粘着テープに張力を付加する動作を説明する図である。 (a)は、図5(b)における破線部において、粘着テープに付加される張力の保護フィルム表面に対して、垂直方向の分力(F)を説明するための概略図であり、(b)は、粘着テープに付加される張力の保護フィルム表面に対して、水平方向の分力(F)を説明するための概略図である。 (a)および(b)は、粘着テープの端部を剥離する動作を説明する図である。 (a)は、図7(a)の状態に対応する斜視図であり、(b)は、図7(b)の状態に対応する斜視図である。 (a)は、第二剥離手段により保護フィルムを剥離する状態を示す斜視図であり、(b)は、(a)の状態を示す平面図である。 本発明の実施例と比較例における粘着テープの最大粘着力を表すグラフである。
符号の説明
T 粘着テープ
1 保護フィルム剥離装置
2 第一剥離手段
103、104 偏光板(被保護部材)
105、106 保護フィルム

Claims (8)

  1. 被保護部材に貼着された保護フィルムを粘着テープにより剥離する保護フィルム剥離装置であって、
    上記保護フィルムの端部の少なくとも一部を含むように、上記保護フィルムに粘着テープを貼着し、貼着された粘着テープにより、上記保護フィルムの端部を剥離する第一剥離手段を備え、
    上記第一剥離手段は、上記保護フィルム表面に対して外向きの張力を、上記粘着テープに付加した状態で、上記保護フィルムの端部の剥離を開始することを特徴とする保護フィルム剥離装置。
  2. 上記第一剥離手段は、上記粘着テープに付加される張力の上記保護フィルム表面における分力が、上記保護フィルムの端部の少なくとも一部の外側に向かうように、上記粘着テープに張力を付加することを特徴とする請求項1に記載の保護フィルム剥離装置。
  3. 上記第一剥離手段は、上記粘着テープが上記保護フィルムの端部からはみ出し、上記保護フィルムに貼着されない非貼着部を有するように、上記粘着テープを貼着することを特徴とする請求項1または2に記載の保護フィルム剥離装置。
  4. 上記第一剥離手段は、上記粘着テープの非貼着部の粘着面と、上記保護フィルム表面を含む平面との成す角度が90°以下となるように、上記粘着テープに張力を付加することを特徴とする請求項3に記載の保護フィルム剥離装置。
  5. 上記第一剥離手段は、上記粘着テープの長さ方向と平行な方向の張力を、上記粘着テープに付加することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の保護フィルム剥離装置。
  6. 上記第一剥離手段は、上記粘着テープに付加される張力の保護フィルム表面に対して垂直方向の分力が、上記粘着テープが貼着された部分における、上記保護フィルムと被保護部材との粘着力以下となるように、上記粘着テープに張力を付加することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の保護フィルム剥離装置。
  7. 上記第一剥離手段は、上記保護フィルムの端部の剥離開始前から剥離終了まで、継続的に上記粘着テープに上記張力を付加することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の保護フィルム剥離装置。
  8. 被保護部材に貼着された保護フィルムを粘着テープにより剥離する保護フィルム剥離方法であって、
    上記保護フィルムの端部の少なくとも一部を含むように、上記保護フィルムに粘着テープを貼着し、貼着された粘着テープにより、上記保護フィルムの端部を剥離する第一剥離工程を含み、
    上記第一剥離工程は、上記保護フィルム表面に対して外向きの張力を、上記粘着テープに付加した状態で、上記保護フィルムの端部の剥離を開始することを特徴とする保護フィルム剥離方法。
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