JP5031490B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、画像形成装置における定着制御に関し、より詳細には、定着装置の予熱状態を勘案して、定着装置における転写部材の通紙速度を制御することによって、効率的かつ高品質な画像形成処理を実現する画像形成装置および画像形成方法に関する。
電子写真方式や静電記録方式などの画像形成処理においては、転写部材上に形成された現像剤像(トナー像)を、熱で現像剤(トナー)を溶かして加圧することによって転写部材上に定着させる定着装置が用いられる。この定着装置では、サーミスタやサーモパイルなどの温度センサを用いて定着ローラの表面温度を計測し、表面温度が所定の温度範囲になるように温度制御が行なわれる。
近年、画像形成装置に対する画像品質の向上の要請がますます高まりつつあるが、上記の定着装置を用いる画像形成装置では、充分な画像品質を得るためには、本体への電源投入から充分な温度かつ均一に予熱されるまでのウォームアップ期間を必要とする。しかしながら、電源投入直後や定着装置への給電を休止させる省電力モードからの復帰直後では、温度センサの計測対象の表面一部分においては充分な温度範囲として検出されたとしても、定着装置の表面全体が均一かつ充分な温度範囲となっておらず、充分な定着性が得られない可能性があった。
また、電源投入直後および復帰直後では、定着ローラ全体が充分に予熱されきれていないため、このような状態で印刷出力が実行されてしまうと、定着装置を通過する転写部材によって熱が奪われて、定着ローラの表面温度が低下してしまい、定着性の低下が懸念される。画像形成装置の外部環境温度が低い場合には、特にこの問題が顕在化する。
従来では、このような定着性の低下による問題を解消することを目的として、例えば特開2003−316200号公報(特許文献1)は、電力供給を受けたヒータにより所定温度の定着を行う定着器と、定着器の温度を検知する温度検知手段と、温度検知手段の検知結果に応じて定着目標温度を維持するようなヒータの温度制御と、静電潜像形成、現像、転写、定着の速度(プロセス速度)の制御とを行う制御手段とを備え、制御手段は、温度検知手段の検知結果を参照して、定着器の温度が定着目標温度でない場合にプロセス速度を変更することを特徴とする画像形成装置を開示する。
また、特開平10−340019号公報(特許文献2)は、記録材の搬送手段と、該記録材と共に移動するフィルムを介して加熱体からの熱を該記録材に付与し加熱処理する加熱手段とを備えた画像形成装置において、このフィルムを駆動する駆動手段の駆動速度を変えて、画像形成が開始されてから記録材が加熱手段に到達するまでの間は該フィルム移動速度を画像形成時の記録材搬送速度よりも遅く、該記録材が加熱手段に到達してからは該フィルム移動速度を画像形成時の記録材搬送速度と同じに制御する制御手段を備えた画像形成装置を開示する。その他、定着装置に関する技術としては、特開2004−226492号公報が挙げられる。
特開2003−316200号公報 特開平10 −340019号公報 特開2004−226492号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術のように、プロセス速度を変更する場合には、帯電、静電潜像、転写などの作像プロセス条件および搬送システムのセンサの用紙検知タイミングが複雑化するため、制御の簡略化という観点からは好ましくなかった。また、作像プロセス速度を低下させると、電源投入直後の印刷指示から初出の印刷出力までの時間、つまりファーストプリントタイムが著しく遅くなるという問題点があった。
また、定着装置の表面温度をより高い温度範囲に設定し、充分な定着性を容易に確保できるようにすることによって、ファーストプリントタイムを改善することができる。しかしながら、定着装置の表面温度が過剰に高くなると、様々な部品に悪影響を生じさせることとなり、また省エネルギー化の観点からも好ましくなかった。
また特許文献2に開示される技術は、画像形成が開始されてから記録材が加熱手段に到達するまでの間は該フィルム移動速度を画像形成時の記録材搬送速度よりも遅くすることによって、発熱体から奪われる熱量を抑えようとするものであるが、定着性の低下に対応しようとするものではない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、定着装置の予熱状態を勘案して、定着装置における転写部材の通紙速度を制御し、作像プロセスの速度を低下させることなく、充分な定着性が得られる通紙速度によって定着プロセスを行なうことによって、制御の簡略化および効率的かつ高品質な画像形成処理を実現する画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、転写部材上に作像された現像剤像を加熱定着させる定着手段での転写部材の定着通紙速度を、転写部材上に現像剤像を作像する作像手段での作像通紙速度に一致する第1速度または該第1速度に比較して遅い第2速度に制御する制御手段と、作像通紙速度と定着通紙速度の前記第2速度との間に生じる速度差に起因した転写部材の撓みを受容し、転写部材を作像手段から定着手段へ導く搬送ガイド手段とを備える構成を採用する。
上記構成により、定着通紙速度を通常の第1速度とした場合には、必要な定着性を得るに充分な予熱状態にないことが懸念される場合であっても、定着通紙速度を通常の第1速度よりも遅い第2速度に制御することができるため、充分な定着性および画像品質を確保することが可能となる。また、作像通紙速度を変更しないため、画像形成装置の処理効率性の低下を好適に低減することが可能となり、加えて、画像形成処理における制御機構の複雑化も低減される。
すなわち本発明によれば、転写部材上に現像剤像を作像する作像手段と、前記転写部材上に作像された前記現像剤像を加熱定着させる定着手段とを含む画像形成装置であって、
前記定着手段での前記転写部材の定着通紙速度を、前記作像手段での前記転写部材の作像通紙速度に一致する第1速度、または前記第1速度に比較して遅い第2速度に制御する制御手段と、
前記作像通紙速度と前記定着通紙速度の前記第2速度との間に生じる速度差に起因した前記転写部材の撓みを受容し、前記転写部材を前記作像手段から前記定着手段へ導く搬送ガイド手段と
を含む画像形成装置が提供される。
前記制御手段は、前記定着手段が無給電状態から給電状態へ遷移した後、所定時間が経過するまでの期間、または、温度計測手段が計測する前記定着手段の現在温度が所定温度未満の期間は、前記定着手段での前記定着通紙速度を前記第2速度に制御することができる。また、前記制御手段は、前記定着通紙速度を前記第2速度に制御している前記期間の少なくとも一部では、前記転写部材の通紙間隔を、前記定着通紙速度を前記第1速度に制御する場合の第1通紙間隔よりも広い第2通紙間隔に制御することができる。
さらに前記制御手段は、前記定着手段が無給電状態から給電状態へ遷移してから、第2所定時間経過後、所定枚数の印刷が完了した後、または前記定着手段の現在温度が第2所定温度以上となった後は、前記転写部材の前記通紙間隔を前記第1通紙間隔に制御することができる。また前記制御手段は、前記定着手段の現在温度に応じて、前記第2所定時間または前記所定枚数を決定することができる。さらに前記制御手段は、前記定着手段が無給電状態のまま経過した時間が第3所定時間未満であった場合、または、前記温度計測手段が計測する前記定着手段の現在温度が第3所定温度以上であった場合には、前記期間に該当する場合であっても、前記定着手段での前記定着通紙速度を前記第1速度に制御することができる。またさらに前記制御手段は、前記転写部材が前記定着手段内を通過していないタイミングで、前記第1速度と前記第2速度との間を遷移させることができる。
また前記作像手段は、感光体ドラムおよび転写ローラを含み、前記作像通紙速度は、前記感光体ドラムおよび前記転写ローラの回動による線速度に一致し、前記定着手段は、定着加熱ローラおよび加圧ローラを含み、前記定着通紙速度は、前記定着加熱ローラおよび前記加圧ローラの回動による線速度に一致し、前記搬送ガイド手段は、前記転写部材の非画像形成面を受容する凹曲面を有することができる。
さらに本発明によれば、画像形成装置が実行する画像形成方法であって、
作像手段が、転写部材を所定の作像通紙速度で通過させて、前記転写部材上に現像剤像を作像するステップと、
搬送ガイド手段が、前記転写部材を前記作像手段から定着手段へ導くステップと、
前記定着手段が、前記転写部材を所定の定着通紙速度で通過させて、前記転写部材上に作像された前記現像剤像を加熱定着させるステップと
を含み、
前記加熱定着させるステップでは、前記定着通紙速度を、前記作像通紙速度に一致する第1速度、または前記第1速度に比較して遅い第2速度に制御し、
前記定着通紙速度が前記第2速度とされた場合に前記導くステップでは、前記搬送ガイド手段が、前記作像通紙速度と前記定着通紙速度の前記第2速度との間に生じる速度差に起因した前記転写部材の撓みを受容する、画像形成方法が提供される。
前記加熱定着させるステップでは、前記定着手段が無給電状態から給電状態へ遷移した後、所定時間が経過するまでの期間、または、温度計測手段が計測する前記定着手段の現在温度が所定温度未満の期間に該当する場合に、前記定着通紙速度を前記第2速度に制御することができる。
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明の実施形態は、以下の実施形態に限定されるものではない。なお本実施形態では、画像形成装置の一例として、コピー、ファクシミリ、スキャナ、プリントなどの画像を扱う複合機能を有する複合機10を用いた例を説明する。
図1は、複合機10の機械構成の実施形態を示す。本実施形態の複合機10は、転写部材52を給紙するための給紙システム6と、給紙された転写部材52上に現像剤(以下、トナーを例として説明する。)による現像剤像(以下、トナー像を例として説明する。)を作像するための作像システム8と、作像されたトナー像を転写部材52上に定着させるための定着装置36と、トナー像が定着された出力原稿を排紙トレイ50上に排紙するための排紙搬送ガイド46および排紙コロ48とを含んで構成される。
作像システム8は、図示しないレーザ出力ユニットから照射される光ビーム26により光書込みがなされる感光体ドラム22と、感光体ドラム22を帯電させる帯電ローラ24と、トナーを含む現像ユニット28と、該現像ユニット28内のトナーを感光体ドラム22へ供給して、感光体ドラム22上の光書込みにより形成された静電潜像を現像する現像ローラ30と、感光体ドラム22上に現像されたトナー像を転写部材52上に転写する転写ローラ32とを含んで構成される。
定着装置36は、トナーを加熱して溶融させる定着加熱ローラ40と、該定着加熱ローラ40に対向し、該定着加熱ローラ40とともに転写部材52を加圧する加圧ローラ38とを含み構成され、作像システム8から搬送される転写部材52上に形成されたトナー像を、加熱および加圧することによって転写部材52上に定着させる。定着加熱ローラ40は、サーミスタ44によってその表面温度が計測され、計測された現在温度に応じてヒータ42によって加熱され、定着性を確保できる程度の温度に温度制御される。
さらに本実施形態の複合機10は、転写部材52の搬送を導く湾曲搬送ガイド34を含み構成され、湾曲搬送ガイド34は、作像プロセスにおける転写部材52の通紙速度と、定着プロセスにおける転写部材52の通紙速度との間の速度差に起因して発生してしまう転写部材の撓みを受容する。また湾曲搬送ガイド34は、作像システム8と定着装置36との間に配置され、通紙される転写部材52の非画像形成面側をその凹曲面で受容するように該非画像形成面側に設置されている。また上記作像システム8においては、感光体ドラム22の回動軸sと転写ローラ32の回動軸tとが成す平面Qが、転写部材52の搬送方向に垂直な平面Rとの間に所定の角度θを成し、作像システム8を通過する転写部材52が自発的に湾曲搬送ガイド34側に導かれるように感光体ドラム22および転写ローラ32が配置されている。
また本複合機10の給紙システム6は、普通紙、上質紙、光沢紙、プラスチックシートなどの転写部材14を積載する給紙カセット12と、給紙カセット12上の転写部材14を給紙するための給紙コロ16と、タイミングを合わせて転写部材52を感光体ドラム22に送り出すためのレジストローラ20と、転写部材52を給紙コロ16から感光体ドラム22に当接する位置まで導くための給紙搬送ガイド18とを含み構成される。
なお、図1には、感光体ドラム22、帯電ローラ24、現像ローラ30、転写ローラ32、定着加熱ローラ40および加圧ローラ38の回動方向が矢印により示されている。
図2は、本実施形態の複合機10の制御機構を示す図である。図2に示した複合機10は、制御手段としてのCPU(中央演算処理装置)54と、メインモータ58と、該メインモータ58を駆動するメインモータドライバ56と、定着モータ62と、該定着モータ62を駆動する定着モータドライバ60と、これらのモータ58,62から動力を受け取る各機構部とを含み構成される。また本複合機10は、メインモータ58および給紙コロ16間の動力伝達のための給紙クラッチ66と、該給紙クラッチ66を駆動する給紙クラッチドライバ64と、メインモータ58およびレジストローラ20間の動力伝達のためのレジストクラッチ70と、該レジストクラッチ70を駆動するレジストクラッチドライバ68と、ヒータ42と、AC電源に接続され該ヒータ42に電力を供給するヒータコントローラ72と、AC電源に接続されCPU54および上記各ドライバ56,60,64,68へ給電する電源ユニット74とを含んで構成される。
CPU54は、ON信号をメインモータドライバ56へ出力するための出力部54aを含み構成され、該ON信号がアクティブ状態となるとメインモータ58が所定の速度で駆動され、メインモータ58に接続される各機構部に動力を伝達することができる。図においては、メインモータ58の動力は、感光体ドラム22と、転写ローラ32と、帯電ローラ24と、現像ローラ30と、レジストローラ20と、給紙コロ16とに伝達されており、点線によりその接続を示す。動力の伝達を受けて、感光体ドラム22および転写ローラ32は、所定の線速度で回動し、通紙される転写部材52を所定の通紙速度で通過させる。
CPU54は、さらに定着モータドライバ60へ、ON信号を出力するための出力部54bと、定着モータ62の低速制御ON信号を出力するための出力部54cとを含み構成され、定着モータ62は、メインモータ58とは独立して制御されている。定着モータON信号がアクティブ状態となると、定着モータ62が所定の速度で駆動され、定着モータ62に接続される定着加熱ローラ40および加圧ローラ38に動力が伝達される。図2では点線によりその接続が示されている。動力の伝達を受けてこれら定着ローラ38,40は、低速制御ON信号が非アクティブ状態の場合には、上記感光体ドラム22および転写ローラ32の線速度と同一線速度で回動する。一方、低速制御ON信号がアクティブ状態の場合には、定着加熱ローラ40および加圧ローラ38の線速度が、上記感光体ドラム22および転写ローラ32の線速度よりも低速となるように定着モータ62が低速制御される。
本実施形態では、複合機10に電源投入された直後など、定着加熱ローラ40が、通常の通紙速度で充分な定着性を得られる程度に予熱されていないことが想定される場合に、上記低速制御ON信号をアクティブ状態とし、定着装置36は、作像プロセスでの通紙速度よりも遅い通紙速度で転写部材52を通過させる。
さらにCPU54は、給紙クラッチ66へON信号を出力するための出力部54dと、レジストクラッチ70へON信号を出力するための出力部54eとを含み構成され、各ON信号がアクティブ状態になると各クラッチ66,70が接続され、動力が給紙コロ16およびレジストローラ20に動力が伝達される。
またCPU54は、サーミスタ44に給電する電源出力54fと、サーミスタ44と抵抗76とで分圧した電圧信号が入力されるアナログ信号入力54gと、ヒータコントローラ72へヒータON信号を出力するための出力部54hとを含み構成され、CPU54は、サーミスタ44から入力される電圧信号が示す定着加熱ローラ40の表面温度と、所与の目標温度とを比較して、PID制御、PI制御、P制御などのフィードバック制御により、表面温度が目標温度に漸近するようにヒータコントローラ72をしてヒータ42の発熱量を制御させる。CPU54は、さらに、電源ユニット74からのDC電源入力を受ける電源入力部54iと、他のセンサからの入力を受ける入力部54jと、他のモータやクラッチやソレノイドへの制御信号を出力する出力部54kとを含み構成される。
上記構成を有する複合機10は、図示しない画像読取ユニットにより読取られる入力原稿のコピー要求や、図示しないインタフェースを介して接続される図示しない外部のパーソナル・コンピュータ(以下、PCとして参照する。)からのプリント要求などに従って、各種ジョブ処理を実行することができる。
例えばプリントジョブが開始されると、CPU54は、メインモータON信号および定着モータON信号をアクティブ状態とし、メインモータ58および定着モータ62を動作させ、感光体ドラム22、転写ローラ32、帯電ローラ24および現像ローラ30が、図1に示した矢印方向に回動を始める。
続いてCPU54は、給紙クラッチON信号をアクティブ状態とし、給紙コロ16を回動させ、給紙カセット12に積載された転写部材14を、給紙搬送ガイド18によりレジストローラ20まで送出させる。
一方、感光体ドラム22は、受信したPJL(Print Job Language)やPDL(Page
Description )などによって記述された印刷データから生成される画像信号に従って、光ビーム26により像状露光され、該感光体ドラム22上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、感光体ドラム22が回動するにつれて現像ユニット28へと搬送され、現像ローラ30により現像され、感光体ドラム22上にトナー像が形成される。感光体ドラム22の表面に担持されるトナー像は、感光体ドラム22の回動につれて、転写ローラ32方向に搬送される。
CPU54は、感光体ドラム22上のトナー像に同期させてレジストクラッチON信号をアクティブ状態とし、レジストローラ20を回動させる。レジストローラ20まで搬送された転写部材52は、レジストローラ20の回動に従って感光体ドラム22方向に搬送され、感光体ドラム22上のトナー像は、転写ローラ32により、転写部材52上に転写される。画像が転写された転写部材52は、定着装置36に搬送され、加熱および加圧を受けて、転写された画像が転写部材52上に定着され、排紙搬送ガイド46を通過し、排紙コロ48により排紙トレイ50上に排紙される。
本実施形態の複合機10は、図示しないROMやHDDやNV−RAMやSDカードなどの記憶装置に格納されたプログラム(図示せず)を読出し、CPU54の作業メモリ領域を提供するメモリ(図示せず)のメモリ領域に展開することにより、上記制御や後述の各処理を実現する。
なお上記説明では、単一の感光体ドラム22を備える構成として説明してきたが、シアン、マゼンダ、イエローなどの感光体ドラムおよび対応する画像形成ユニットを採用することにより、カラー印刷出力が可能な構成とすることもでき、複合機10の機構構成は、特に限定されるものではない。
以下、本複合機10が実行する、定着プロセスの速度制御を含む画像形成処理について詳細を説明する。複合機10に電源投入された直後などでは、定着装置36への給電が開始されたばかりであり、定着加熱ローラ40の表面温度が、通常の通紙速度で充分な定着性を得られる程度に予熱しきれていないことが想定される。本複合機10は、このような場合であっても充分な定着性を確保するために、定着装置36への給電が開始されてから所定時間経過するまでの間、定着装置36の通紙速度を作像システム8の通紙速度よりも遅く制御する。
図3は、本実施形態の複合機10が実行する初期化処理のフローチャートを示す。図3に示した処理は、複合機10に電源投入されたことを契機として、ステップS100から開始され、ステップS101では、複合機10の光学系、搬送系、システム・ファームウェアの初期化(イニシャライズ)を行なう。なおこの初期化は、定着装置36の一定水準までのウォームアップを含んでいてもよい。続いて、ステップS102では、タイマを作動させタイマをリセットし、定着装置36への給電が開始されてからの経過時間の計時を開始し、ステップS103で処理を終了させる。
図4は、本実施形態の複合機10が実行する画像形成処理のフローチャートを示す。図4に示す処理は、ステップS200から開始され、ステップS201では、コピージョブなど、画像形成を含むジョブ処理のスタート開始指令を待ち受ける。ステップS201で、まだスタート指令を受領していない判定される場合(NO)には、ステップS201内をループさせる。一方、ステップS201で、スタート指令を受領したと判定される場合(YES)には、処理をステップS202へ分岐させ、光学系を初期化し、メインモータ58および定着モータ62の駆動を開始し、転写部材52をレジストローラ20まで搬送する。
続いてステップS203では、光学系の初期化、モータの駆動、転写部材の所定位置までの搬送など、画像形成処理の準備が完了したか否かを判定し、準備が完了するまでの間(NOの間)、ステップS203内をループさせる。ステップS203で、準備が完了したと判定された場合(YES)には、処理をステップS204へ分岐させ、定着モータ制御および紙間制御の設定処理を実行する。なお、ステップS204の定着モータ制御および紙間制御の設定処理については、詳細を後述する。
続いてステップS205では、レジストローラ20まで搬送された転写部材を、感光体ドラム22上のトナー像に同期させて作像システム8へ送出し、送出された1枚の転写部材に対して、作像プロセス、続く定着プロセスを施し、画像形成処理を実行する。続いてステップS206では、要求されている画像形成処理すべてを完了させたか否かを判定し、すべてが完了している場合(YES)には、処理をステップS207へ分岐させて終了させる。一方、ステップS206で、画像形成処理がまだ完了していないと判定される場合(NO)には、処理をステップS203へ再びループさせ、要求の画像形成処理すべてが完了するまで、転写部材単位の画像形成処理を繰り返させる。
図5は、上記定着モータ制御および紙間制御の設定処理の第1の実施形態のフローチャートを示す。図5に示した処理は、図4に示す処理のステップS204で呼出され、ステップS300から開始される。ステップS301では、図3に示した初期化処理のステップS102において作動させたタイマの値を参照し、ステップS302では、該タイマの値が所定時間未満であるか否かを判定する。この所定時間は、電源投入などにより定着装置36への給電が開始されてから、通常の通紙速度により充分な定着性を得られる程度に予熱されるまでの概ねの所用時間に対応し、複合機10は、この所定時間を基準として、定着性を確保するために低速制御を設定するか否かを判断する。なお所定時間は、例えば、複合機10のベンダによって予め設定された値や、図示しないオペレーションパネルなどを介して外部設定された値を用いることができる。また、他の実施形態では、複合機10の外部温度を計測して、環境温度に応じて所定時間を設定することもできる。
ステップS302で、タイマの値が所定時間未満であると判定された場合(YES)には、処理をステップS307へ分岐させ、定着モータ低速制御ON信号をアクティブ状態とし、定着加熱ローラ40および加圧ローラ38の線速度を、感光体ドラム22および転写ローラ32の線速度よりも低い速度に制御する。続いてステップS308では、送出する転写部材の紙間間隔を広げるための紙間拡大制御を設定状態とし、ステップS306で処理を終了させる。紙間拡大制御が設定状態とされる場合、感光体ドラム22上の光書込やレジストローラ20における転写部材52の送出のタイミングが変更され、転写部材の送出間隔が拡大するように制御される。
また定着モータ低速制御ON信号がアクティブ状態となると、定着モータドライバ60は、定着モータ62の回転数を低下させる制御を行ない、一定の遷移期間を経て、定着加熱ローラ40および加圧ローラ38の線速度が目標の値に制御される。図8は、定着モータ62が低速制御された場合の転写部材の搬送の様態を示す。図8を参照すると、作像プロセスにおける転写部材52の通紙速度と定着プロセスにおける転写部材52の通紙速度との間の速度差に起因して、転写部材52の撓みが発生しているが、湾曲搬送ガイド34の凹曲面が転写部材52の撓みを好適に受容している様子が示されている。
再び図5を参照すると、ステップS302で、タイマの値が所定時間以上であると判定された場合(NO)には、処理をステップS303へ分岐させ、CPU54の定着モータ低速制御ON信号を非アクティブ状態とし、定着加熱ローラ40および加圧ローラ38の線速度を、感光体ドラム22および転写ローラ32と同一の線速度とする。続いてステップS304では、紙間拡大制御を解除状態とし、ステップS305では、図3の初期化処理で作動させたタイマを停止させ、ステップS306で処理を終了させる。
図5に示した処理は、転写部材1枚単位毎に実行され、タイマの値が所定時間以上となるまで、定着モータ低速制御ON信号がアクティブ状態とされ、定着プロセスの通紙速度を低下させて画像形成処理が実行される。一方、タイマの値が所定時間以上となった後は、定着モータ低速制御ON信号が非アクティブ状態とされ、定着プロセスの通紙速度を通常に戻し、作像プロセスと同一の通紙速度により画像形成処理が実行される。なお、低速制御時の通紙速度は、充分な定着性を確保できるように定めた所与の値を用いることができるが、特に限定されるものではない。例えば、他の実施形態では、参照のタイマの値に応じて通紙速度の値を多段階に変更する構成とすることもできる。
また上述では、転写部材1枚単位毎に図5に示した処理を実行するものとして説明してきたが、他の実施形態では、各ジョブのスタート指令の受領につき一度だけ定着モータ制御および紙間制御の設定処理を実行する構成としてもよい。また上述では、図5のステップS301およびS302において、図3のステップS102で作動させたタイマを参照することによって、定着装置36が無給電状態から給電状態に遷移してからの経過時間を計時し、所定時間未満となるか否かを判定基準として、定着装置36の予熱状態を勘案する構成を例として説明してきた。しかしながら、他の実施形態では、サーミスタ44により定着装置36の現在温度を実際に計測して、現在温度が既定温度未満であった場合に、低速制御および紙間拡大制御を行なう構成としてもよい。
以下、上記定着モータ制御および紙間制御に関して、図6および図7を参照して説明を加える。図6は、転写部材の搬送の様態を示す。図6には、2枚の転写部材52a,bが示され、先行の転写部材52aと、後続の転写部材52bとの間に紙間間隔Aを有している様子が示されている。紙間拡大制御が設定状態とされた場合には、転写部材52の搬送時間間隔が制御され、転写部材52a,b間の紙間間隔Aが拡大されることとなる。
また図6には、定着加熱ローラ40と加圧ローラ38とが近接する点Xが示されている。図7は、定着モータ低速制御ON信号のアクティブ−非アクティブ間遷移のタイミングチャートを示す。図7では、スタート時点を始点として矢印により時間経過が示され、定着モータ低速制御ON信号の遷移タイミングとして2つの例が示されている。また、時間経過を示す矢印と直交して、点線により、転写部材52の先端がレジスト位置にあるタイミングと、転写部材52の先端が点Xに到達するタイミングと、転写部材52の末端が点Xを通過するタイミングとが示されている。
転写部材52が定着装置36を通過している最中に定着モータ62の回動速度が変更されると、その変更に起因して画像品質が低下してしまうことが懸念される。このため、転写部材52が点Xに存在しない状態で、アクティブ−非アクティブ間を遷移させる制御を行なうことが好ましく、本実施形態の複合機10は、スタートから転写部材52の先端が点Xに到達するまでの間、および、転写部材52の末端が点Xを通過してから次の転写部材52の先端が点Xに到達するまでの間に、所定のマージンを考慮してアクティブ−非アクティブ間を遷移させる。
図4に示した処理は、図7に示すタイミング例1に対応し、転写部材52の先端がレジストローラ20の位置に搬送され、画像形成処理の準備が完了したタイミングで、定着モータ制御の設定が行われる。タイミング例1では、転写部材52aの先端がレジスト位置に搬送されたタイミングで定着モータ低速制御ON信号がアクティブ状態となり、同様に、後続の転写部材52bの先端がレジスト位置まで搬送されたタイミングで、非アクティブ状態に遷移している。
なお、遷移タイミングは、図示の変更期間中であれば特に限定されるものではなく、例えばタイミング例2によって示すように、転写部材52の先端が点Xに到達する直前までに、定着加熱ローラ40および加圧ローラ38の線速度が目標の値となるように制御すればよい。
図4および図5を参照して説明した定着モータの低速制御を含む画像形成処理によれば、複合機10の電源投入直後など、定着加熱ローラ40の表面温度が、充分な均一性および充分な温度で予熱しきれていないことが懸念される場合に、定着プロセスにおける通紙速度の低速制御を行なうことによって、より多くの熱量をトナーに与えることが可能となり、通常の定着通紙速度では定着装置36の予熱状態が不充分であっても、充分な定着性を確保することが可能となる。また、作像プロセスにおける通紙速度を変更する必要性がないため、制御が簡略化し、かつ、電源投入から初出の印刷出力までの時間、つまりファーストプリントタイムの低下を最小限に止めることが可能となる。さらに、低速制御時に紙間間隔を広げることにより、定着加熱ローラ40から熱を奪う転写部材52の通過頻度が小さくなるため、画像形成処理を継続しつつも、定着加熱ローラ40の目標温度への復帰を好適に早めることが可能となる。
また本複合機10は、CPU54がタイマ機能によりアイドル状態で所定時間経過したことを検知して、定着装置36への給電が給止される省電力モードへ移行する機能を有することができるが、該省電力モードからの復帰に対して適用することも有効である。
以下、複合機10が実行する定着モータ制御および紙間制御の設定処理の第2の実施形態を説明する。図9は、上記定着モータ制御および紙間制御の設定処理の第2の実施形態のフローチャートを示す。図9に示した処理は、第1の実施形態と同様に、図4に示す処理のステップS204で呼出され、ステップS400から開始される。ステップS401では、図3に示した初期化処理のステップS102において作動させたタイマの値を参照し、ステップS402では、該タイマの値が所定時間未満であるか否かを判定する。
ステップS402で、タイマの値が所定時間以上であると判定された場合(NO)には、処理をステップS403へ分岐させ、CPU54の定着モータ低速制御ON信号を非アクティブ状態とし、定着加熱ローラ40および加圧ローラ38の線速度を、感光体ドラム22および転写ローラ32の線速度と同一とする。続いてステップS404では、紙間拡大制御を解除状態とし、ステップS405では、図3の初期化処理で作動させたタイマを停止させ、ステップS406で処理を終了させる。
一方ステップS402で、タイマの値が所定時間未満であると判定された場合(YES)には、処理をステップS407へ分岐させ、定着モータ低速制御ON信号をアクティブ状態とし、定着加熱ローラ40および加圧ローラ38の線速度を、感光体ドラム22および転写ローラ32の線速度よりも低い速度に制御する。第2の実施形態の設定処理を実行する複合機10は、電源投入や省電力モードからの復帰後に実行した印刷枚数を計数しており、続くステップS408では、計数した印刷枚数が所定枚数未満であるか否かを判定する。
この所定枚数は、通常の頻度で定着加熱ローラ40が転写部材と接触することによって熱を奪われても充分な定着性を得られる程度に予熱されるまでの概ねの所用時間に対応し、複合機10は、この所定枚数を基準として、紙間拡大制御を設定するか解除するかを制御する。なお所定枚数は、例えば、所与の値や外部設定された値を用いることができる。
ステップS408で、電源投入や省電力モードからの復帰後、既に所定枚数以上の印刷が実行されていると判定された場合(NO)には、処理をステップS409へ分岐させ、紙間拡大制御を解除状態とし、ステップS406で処理を終了させる。一方、ステップS408で、印刷枚数が所定枚数未満であると判定された場合(YES)には、処理をステップS410へ分岐させ、送出する転写部材の紙間間隔を広げるための紙間拡大制御を設定状態とし、ステップS406で処理を終了させる。
第2の実施形態の定着モータ制御および紙間制御の設定処理によれば、所定枚数を印刷出力した以降は、紙間拡大制御が解除されるため、紙間拡大による印刷速度の低下を最小限に止めることが可能となる。
以下、複合機10が実行する定着モータ制御および紙間制御の設定処理の第3の実施形態を説明する。図10は、上記定着モータ制御および紙間制御の設定処理の第3の実施形態のフローチャートを示す。図10に示した処理は、第1および第2の実施形態と同様に、図4に示す処理のステップS204で呼出され、ステップS500から開始される。
ステップS501では、サーミスタ44から入力される電圧信号を読み取って現在温度を参照し、ステップS502では、現在温度が所定温度未満であるか否かを判定する。ステップS502で、現在温度が所定温度未満であると判定された場合(YES)には、処理をステップS503へ分岐させ、紙間拡大制御を行なう印刷枚数を定める所定枚数を、標準所定枚数に所定枚数αを加算した値とし、ステップS504へ処理を進める。一方、ステップS502で、現在温度が所定温度以上であると判定された場合(NO)には、上記加算を行なわずに直接ステップS504へ処理を進める。
ステップS504では、図3に示した初期化処理のステップS102において作動させたタイマの値を参照し、ステップS505では、該タイマの値が所定時間未満であるか否かを判定する。ステップS505で、タイマの値が所定時間以上であると判定された場合(NO)には、処理をステップS506へ分岐させる。ステップS506〜ステップS509までの処理は、図9に示したステップS403〜ステップS406までの処理と同一であるので、ここでは詳細な説明を割愛する。
一方ステップS505で、タイマの値が所定時間未満であると判定された場合(YES)には、処理をステップS510へ分岐させ、定着モータ低速制御ON信号をアクティブ状態とし、定着加熱ローラ40および加圧ローラ38の線速度を、感光体ドラム22および転写ローラ32の線速度よりも低い速度に制御する。第3の実施形態の設定処理を実行する複合機10は、第2の実施形態同様に、電源投入や省電力モードからの復帰後に実行した印刷枚数を計数しており、続くステップS511では、計数した印刷枚数が所定枚数未満であるか否かを判定する。
ステップS511で、既に所定枚数以上の印刷が実行されていると判定された場合(NO)には、処理をステップS512へ分岐させ、紙間拡大制御を解除状態とし、ステップS509で処理を終了させる。一方、ステップS511で、印刷枚数が所定枚数未満であると判定された場合(YES)には、処理をステップS513へ分岐させ、紙間拡大制御を設定状態とし、ステップS509で処理を終了させる。
上記ステップS511の判定における所定枚数は、ステップS501〜ステップS503の処理により、サーミスタ44の現在温度が所定温度以下であった場合には、所定枚数αが加算されている。現在温度が所定温度よりも低い場合に、紙間拡大制御の基準となる所定枚数を増加させることによって、定着加熱ローラ40の表面温度に応じた効率的な紙間拡大制御が可能となる。
なおステップS501〜S503に示した所定枚数を決定する処理ステップの実行は、各転写部材毎に実行される必要はなく、スタート指令の受領後、最初の定着モータ制御および紙間制御の設定処理の呼び出しの際にのみ実行し、以降は、第2の実施形態の設定処理と同様に、ステップS501〜S503の処理ステップを省略してもよい。
以下、複合機10が実行する定着モータ制御および紙間制御の設定処理の第4の実施形態を説明する。図11は、上記定着モータ制御および紙間制御の設定処理の第4の実施形態のフローチャートを示す。図11に示した処理は、第1〜第3の実施形態と同様に、図4に示す処理のステップS204で呼出され、ステップS600から開始される。
ステップS601では、サーミスタ44の現在温度を参照し、ステップS602では、現在温度が第1所定温度未満であるか否かを判定する。ステップS602で、現在温度が第1所定温度未満であると判定された場合(YES)には、処理をステップS603へ分岐させ、紙間拡大制御を行なう印刷枚数を定める所定枚数を、標準所定枚数に所定枚数αを加算した値とし、ステップS606へ処理を進める。一方、ステップS602で、現在温度が第1所定温度以上であると判定された場合(NO)には、処理をステップS604へ分岐させる。
ステップS604では、現在温度が、第1所定温度よりも大きい値である第2所定温度未満であるか否かを判定する。ステップS604で、現在温度が第2所定温度未満であると判定された場合(YES)には、処理をステップS605へ分岐させ、紙間拡大制御を行なう印刷枚数を定める所定枚数を、標準所定枚数に、所定枚数αよりも小さな値である所定枚数βを加算した値とし、ステップS606へ処理を進める。一方、ステップS604で、現在温度が第2所定温度以上であると判定された場合(NO)には、上記加算を行なわずに直接ステップS606へ処理を進める。
ステップS606〜ステップS615までの処理は、図10に示したステップS504〜ステップS513までの処理と同一であるので、ここでは詳細な説明を割愛する。
上記ステップS613の判定において所定枚数は、ステップS602〜ステップS605の処理により、サーミスタ44の現在温度に応じて多段階の値が設定される。現在温度の程度に応じて多段階に所定枚数を増加させることによって、より柔軟に定着加熱ローラ40の表面温度に応じた効率的な紙間拡大制御が可能となる。なお第3の実施形態と同様に、ステップS601〜S605に示した所定枚数を決定する処理ステップの実行は、各転写部材毎に実行される必要はなく、スタート指令の受領後2枚目の転写部材以降は、第2の実施形態の設定処理と同様に、ステップS601〜S605の処理ステップを省略してもよい。
なお、上述の第2〜第4の実施形態では、定着装置36が無給電状態から給電状態に遷移した後に実行された印刷枚数を計数して、紙間拡大制御を設定するか否かを判定している。しなしながら、この判定基準は、特に限定されるものではなく、他の実施形態では、熱を奪われても充分な定着性を得られる程度に予熱されるまでの概ねの所用時間に対応する第2所定時間を予め設定し、タイマの値が第2所定時間未満の場合に、紙間拡大制御を設定状態とする構成としてもよい。さらに他の実施形態では、熱を奪われても充分な定着性を得られると考えられる所定温度を予め設定し、サーミスタ44が計測する現在温度が所定温度未満の場合に、紙間拡大制御を設定状態とする構成としてもよい。
図12は、定着モータ制御および紙間制御の設定処理の第5の実施形態のフローチャートを示す。図12に示した処理は、第1〜第4の実施形態と同様に、図4に示す処理のステップS204で呼出され、ステップS700から開始される。第5の実施形態の設定処理を実行する複合機10は、省電力モードへ以降時に、無給電タイマを作動させ、移行してからの経過時間を計時しており、ステップS701では、無給電タイマの値を参照し、ステップS702では、無給電タイマが第1所定時間未満であるか否かを判定する。この第1所定時間は、定着装置36への給電が停止されてから、許容できる程度しか温度低下しない範囲の概ねの許容時間に対応し、複合機10は、この第1所定時間を基準として、定着性を確保するために低速制御を設定するか否かを判断する。
ステップS702で、無給電タイマの値が第1所定時間以上であった場合(NO)には、ステップS703へ処理を分岐させる。ステップS703では、図3に示した初期化処理のステップS102において作動させたタイマの値を参照し、ステップS704では、該タイマの値が第2所定時間未満であるか否かを判定する。
ステップS704で、タイマの値が第2所定時間未満であると判定された場合(YES)には、処理をステップS709へ分岐させ、定着モータ低速制御ON信号をアクティブ状態とし、定着加熱ローラ40および加圧ローラ38の線速度を、感光体ドラム22および転写ローラ32の線速度よりも低い速度に制御する。続いてステップS710では、送出する転写部材の紙間間隔を広げるための紙間拡大制御を設定状態とし、ステップS708で処理を終了させる。
ステップS704で、タイマの値が第2所定時間以上であると判定された場合(NO)には、処理をステップS705へ分岐させる。また、ステップS702で、無給電タイマが第1所定時間未満であると判定された場合(YES)にも、処理をステップS705へ分岐させる。続いてステップS705では、定着モータ低速制御ON信号を非アクティブ状態とし、定着加熱ローラ40および加圧ローラ38の線速度を、感光体ドラム22および転写ローラ32の線速度と同一とする。続いてステップS706では、紙間拡大制御を解除状態とし、ステップS707では、図2の初期化処理で作動させたタイマおよび無給電タイマを停止させ、ステップS708で処理を終了させる。
第5の実施形態の定着モータ制御および紙間制御の設定処理によれば、短時間しか省電力モードに移行せずに該モードから復帰し、定着加熱ローラ40の表面温度がまだ充分な温度を維持していると想定される場合に、不要な低速制御を行わない制御とすることにより、不要な画像形成処理の効率の低下を好適に防止することができる。
なお、上述の第5の実施形態では、無給電タイマを用いて省電力モードでの経過時間を計時する構成として説明したが、他の実施形態では、省電力モード移行時または電源切断時の時刻を図示しないNV−RAMに記録しておき、該時刻と、起動後または復帰後の現在時刻とを比較することにより、定着装置36が無給電状態であった経過時間を得る構成としてもよい。また上述では、定着装置36が無給電状態から給電状態に遷移してからの経過時間を計時し、所定時間未満となるか否かを判定基準として、定着装置36の予熱状態を勘案する構成を例として説明してきた。しかしながら、他の実施形態では、サーミスタ44により定着装置36の現在温度を実際に計測して、現在温度が既定温度未満であった場合に、低速制御および紙間拡大制御を行なう構成としてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、定着装置の予熱状態を勘案して、定着装置における転写部材の通紙速度を制御し、作像プロセスの速度を低下させることなく、充分な定着性が得られる通紙速度によって定着プロセスを行なうことによって、制御の簡略化および効率的かつ高品質な画像形成処理を実現する画像形成装置および画像形成方法を提供することができる。
また上記機能は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)、などのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語などで記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD、SDカード、MOなど装置可読な記録媒体に格納して頒布することができる。
これまで本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
複合機の機械構成の実施形態を示す図。 本実施形態の複合機の制御機構を示す図。 本実施形態の複合機が実行する初期化処理のフローチャート。 本実施形態の複合機が実行する画像形成処理のフローチャート。 定着モータ制御および紙間制御の設定処理の第1の実施形態のフローチャート。 転写部材の搬送の様態を示す図。 定着モータ低速制御ON信号のアクティブ−非アクティブ間遷移のタイミングチャート。 定着モータが低速制御された場合の転写部材の搬送の様態を示す図。 定着モータ制御および紙間制御の設定処理の第2の実施形態のフローチャート。 定着モータ制御および紙間制御の設定処理の第3の実施形態のフローチャート。 定着モータ制御および紙間制御の設定処理の第4の実施形態のフローチャート。 定着モータ制御および紙間制御の設定処理の第5の実施形態のフローチャート。
符号の説明
6…給紙システム、8…作像システム、10…複合機、12…給紙カセット、14…転写部材、16…給紙コロ、18…給紙搬送ガイド、20…レジストローラ、22…感光体ドラム、24…帯電ローラ、26…光ビーム、28…現像ユニット、30…現像ローラ、32…転写ローラ、34…湾曲搬送ガイド、36…定着装置、38…加圧ローラ、40…定着加熱ローラ、42…ヒータ、44…サーミスタ、46…排紙搬送ガイド、48…排紙コロ、50…排紙トレイ、52…転写部材、54…CPU、56…メインモータドライバ、58…メインモータ、60…定着モータドライバ、62…定着モータ、64…給紙クラッチドライバ、66…給紙クラッチ、68…レジストクラッチドライバ、70…レジストクラッチ、72…ヒータコントローラ、74…電源ユニット、76…抵抗、A…紙間間隔、Q…平面、R…平面、s…回動軸、t…回動軸、θ…角度

Claims (2)

  1. 転写部材上に現像剤像を作像する作像手段と、前記転写部材上に作像された前記現像剤像を加熱定着させる定着手段とを含む画像形成装置であって、
    前記定着手段での前記転写部材の定着通紙速度を、前記作像手段での前記転写部材の作像通紙速度に一致する第1速度、または前記第1速度に比較して遅い第2速度に制御する制御手段と、
    前記作像通紙速度と前記定着通紙速度の前記第2速度との間に生じる速度差に起因した前記転写部材の撓みを受容し、前記転写部材を前記作像手段から前記定着手段へ導く搬送ガイド手段と
    を含み、前記制御手段は、
    前記定着手段が無給電状態から給電状態へ遷移した後、第1所定時間が経過するまでの期間、または、温度計測手段が計測する前記定着手段の現在温度が第1所定温度未満の期間は、前記定着手段での前記定着通紙速度を前記第2速度に制御し、
    前記定着通紙速度を前記第2速度に制御している前記期間の少なくとも一部では、前記転写部材の通紙間隔を、前記定着通紙速度を前記第1速度に制御する場合の第1通紙間隔よりも広い第2通紙間隔に制御し、
    前記定着手段が無給電状態から給電状態へ遷移してから、第2所定時間経過後、所定枚数の印刷が完了した後、または前記定着手段の現在温度が第2所定温度以上となった後は、前記転写部材の前記通紙間隔を前記第1通紙間隔に制御する、
    画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記定着手段の現在温度に応じて、前記第2所定時間または前記所定枚数を決定する、請求項1に記載の画像形成装置。
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