JP5025632B2 - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール

Info

Publication number
JP5025632B2
JP5025632B2 JP2008335264A JP2008335264A JP5025632B2 JP 5025632 B2 JP5025632 B2 JP 5025632B2 JP 2008335264 A JP2008335264 A JP 2008335264A JP 2008335264 A JP2008335264 A JP 2008335264A JP 5025632 B2 JP5025632 B2 JP 5025632B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
golf ball
component
cover
polyamide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008335264A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010154972A (ja
Inventor
勉 平宇
一彦 五十川
敏子 岡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dunlop Sports Co Ltd
Original Assignee
Dunlop Sports Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dunlop Sports Co Ltd filed Critical Dunlop Sports Co Ltd
Priority to JP2008335264A priority Critical patent/JP5025632B2/ja
Priority to US12/647,115 priority patent/US8314172B2/en
Publication of JP2010154972A publication Critical patent/JP2010154972A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5025632B2 publication Critical patent/JP5025632B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/0023Covers
    • A63B37/0029Physical properties
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/0038Intermediate layers, e.g. inner cover, outer core, mantle
    • A63B37/004Physical properties
    • A63B37/0045Thickness
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/0038Intermediate layers, e.g. inner cover, outer core, mantle
    • A63B37/004Physical properties
    • A63B37/0047Density; Specific gravity
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/005Cores
    • A63B37/006Physical properties
    • A63B37/0062Hardness
    • A63B37/00621Centre hardness
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/005Cores
    • A63B37/006Physical properties
    • A63B37/0062Hardness
    • A63B37/00622Surface hardness
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/005Cores
    • A63B37/006Physical properties
    • A63B37/0064Diameter
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/007Characteristics of the ball as a whole
    • A63B37/0077Physical properties
    • A63B37/0087Deflection or compression
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/12Special coverings, i.e. outer layer material

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明はゴルフボールに関するものであり、より詳細には、常温耐久性および低温耐久性を維持するとともに、打撃時の飛距離、方向安定性および打球感を向上させる技術に関するものである。
従来、ゴルフボールのカバーを薄くして、反発性の高いゴム組成物からなるコアを大きくすることにより、ゴルフボールの飛距離を向上させる方法が知られている。しかし、薄カバー化に伴い、カバー層の体積が減少するため、カバー層としての剛性が低下してしまい、ドライバーなどのショット時にスピン量が増加するという問題があった。
このような問題を解決するため、カバーを形成するカバー用組成物に剛性の高い樹脂を使用することが提案されている。例えば、特許文献1,2にはカバー用組成物の樹脂成分として、高酸アイオノマーを用いたゴルフボールが開示されている。特許文献3には、カバー用組成物の樹脂成分として、ジアミン錯体アイオノマー樹脂を用いたゴルフボールが開示されている。しかしながら、カバー用組成物として、酸含量の高いアイオノマー樹脂やジアミン錯体アイオノマー樹脂を用いた場合、弾性率は向上するが打球感が悪いという問題があり、また、特に薄カバー構造では耐久性が悪いという問題があった。さらに、中和度の高いアイオノマー樹脂を用いた場合には、カバー用組成物の成形性が低下するという問題があった。
そこで、上記のような酸含量あるいは中和度の高いアイオノマー樹脂を用いることなく、高剛性化を図る技術が提案されている。例えば、特許文献4には、約4乃至95重量%の1種以上のアイオノマー樹脂、約95乃至4重量%の1種以上の非イオンポリマー、及びアイオノマー樹脂及び非イオンポリマー100部に対して約1乃至15phrの1種以上の、官能化されたブロック及びグラフトポリマー、オリゴマー、及びそれらの混合物からなる群から選択された物質を含む非カルボン酸相溶化剤を含み、非カルボン酸相溶化剤の少なくとも一部が1種以上のアイオノマーと混和性であり、かつ非カルボン酸相溶化剤の少なくとも一部が1種以上の非イオンポリマーと混和性である相溶化されたブレンドを用いることが開示されている。特許文献5には、約10〜約80wt%の少なくとも1種のアイオノマーと約90〜約20wt%の少なくとも1種のポリアミドポリマーとの実質的に融和剤を含まないブレンドを含む組成物を用いることが開示されている。
これらの特許文献4および5は、アイオノマー樹脂と、非イオンポリマーまたはポリアミドポリマーとを、混合して用いているが、打球感をよくするために比較的低弾性率を有する樹脂を配合している。そのため、薄カバー構造ではカバーの弾性率が不足し、ドライバーなどのショットに対してスピン量が多くなるという問題があった。
特許文献6には、アイオノマー樹脂もしくは非アイオノマー熱可塑性エラストマー又はこれらの混合物からなるベース樹脂に、官能性ゴム状共重合体を配合してなるゴム変性熱可塑性樹脂組成物を主成分とするゴルフボール用カバー材が開示されている。このカバー材は、打球感および耐久性が向上することを効果としている。しかしながら、当該カバー材は薄カバー構造では耐久性が不足するという問題がある。
特開平6−80718号公報 特開平9−10357号公報 特開平10−127822号公報 特表2001−509204号公報 特表2001−514561号公報 特開平10−314341号公報
従来、多層構造のゴルフボールにおいては、様々な手段(例えば、ゴム組成物から形成されたコアを大径化し、反発性を高める;中間層の比重を高めて、ゴルフボール慣性モーメントを高めることにより、バックスピン、サイドスピンを低減させる;コアを2層構造とし、中心となるセンター直径を小さくすることで、良好な打球感を維持したまま、バックスピンを低減させる;など)を講じるとともに、薄カバー化を図ることにより飛距離を向上させている。
しかし、薄カバー化を図る場合、薄カバー化に伴いカバー層の剛性が低下すると、バックスピン量が増加するという問題がある。ここで、従来は、薄カバー化に伴う剛性の低下を、カバー用材料を高剛性化することにより解消するという試みがされているが、剛性の高い樹脂を用いると、薄カバー構造ではゴルフボールの耐久性が不十分となったり、反発性が不足するという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、低温耐久性および常温耐久性に優れ、かつ、打撃時の飛距離、方向安定性および打球感に優れたゴルフボールを提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本発明のゴルフボールは、センターと前記センターを被覆する包囲層からなるコア、前記コアを被覆する一以上の中間層、および前記中間層を被覆するカバーを有するゴルフボールであって、前記カバーが、樹脂成分として、(A)(a−1)ポリアミド樹脂と、(a−2)水酸基、カルボキシル基、無水酸基、スルホン酸基およびエポキシ基(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂とを含有し、曲げ弾性率が700MPa〜4000MPa、メルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)が5.0g/10min以上であるポリアミド樹脂組成物と、(B)エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体、および、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物よりなる群から選択される少なくとも1種と、(C)流動改質材とを含有し、前記(A)ポリアミド樹脂組成物が、(a−1)ポリアミド樹脂と、(a−2)アミド基および/またはカルボキシル基と反応可能な官能基を有する樹脂とを含有し、スラブ硬度(H5)が、ショアD硬度で、65〜75であるカバー用組成物から形成されており、前記カバーの厚みが、0.3mm〜1.0mmであり、前記中間層の厚みが0.5mm〜1.2mmであって、その密度が1.10g/cm以上であり、前記センターの直径が35mm以下であることを特徴とする。
すなわち、本発明はカバー用組成物に、(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有させることで、カバー用組成物の反発性および流動性が向上する。その結果、このカバー用組成物からカバーを形成することにより、高弾性であり、かつ低温特性を向上したカバーを得ることができる。本発明は、上記カバー用組成物を用いてゴルフボールの常温耐久性および低温耐久性を維持しつつ、薄カバー化、コアの外剛内柔化およびセンターの小径化によりドライバーなどのショットに対して低スピン化を図り飛距離および方向安定性を向上させ、さらにカバーが高硬度でも打球感を損なわないところに、要旨がある。
前記カバー用組成物中の前記(A)成分および(B)成分の配合比率(合計100質量%としたとき)は、(A)成分/(B)成分=30質量%〜80質量%/70質量%〜20質量%とすることが好ましく、前記カバー用組成物中の(C)成分の配合量は、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して1質量部〜30質量部とすることが好ましい。
前記カバー用組成物のスラブ物性は、曲げ弾性率が400MPa〜1000MPaであることが好ましい。
前記(a−1)成分は、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9T、ポリアミドM5T、ポリアミド612およびポリエーテルブロックアミド共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
前記(a−2)アミド基および/またはカルボキシル基と反応可能な官能基を有する樹脂は、水酸基、カルボキシル基、無水酸基、スルホン酸基およびエポキシ基(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する熱可塑性エラストマーを含有することが好ましくい。前記熱可塑性エラストマーとしては、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマーおよび熱可塑性ポリスチレンエラストマーよりなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、特に、熱可塑性ポリスチレンエラストマーが好適である。
前記(B)成分は、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物、および/または、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物であって、Li、Na、Ca、Zn、MgおよびCuよりなる群から選択される少なくとも1種の金属により中和されていることが好ましい。
前記(C)成分が、脂肪酸金属塩、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が5Pa・s〜1000Pa・sである非イオン性熱可塑性樹脂、脂肪酸、および、ブルックフィールド型粘度計による溶融粘度(190℃)が1Pa・s〜10Pa・sであるアイオノマー樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
前記コアの中心硬度(H1)、前記中間層のスラブ硬度(H4)および前記コアの表面硬度(H3)は、H1≦H4<H3の関係を満足することが好ましい。
前記センターを形成するセンター用組成物および前記包囲層を形成する包囲層用組成物の主成分は、ゴム成分であることが好ましく、かつ、前記中間層を形成する中間層用組成物の主成分は、熱可塑性材料であることが好ましい。
本発明によれば、低温耐久性および常温耐久性に優れ、かつ、打撃時の飛距離、方向安定性および打球感に優れたゴルフボールが得られる。
本発明のゴルフボールは、センターと前記センターを被覆する包囲層からなるコア、前記コアを被覆する一以上の中間層、および前記中間層を被覆するカバーを有するゴルフボールであって、前記カバーが、樹脂成分として、(A)(a−1)ポリアミド樹脂と、(a−2)水酸基、カルボキシル基、無水酸基、スルホン酸基およびエポキシ基(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂とを含有し、曲げ弾性率が700MPa〜4000MPa、メルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)が5.0g/10min以上であるポリアミド樹脂組成物と、(B)エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体、および、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物よりなる群から選択される少なくとも1種と、(C)流動改質材とを含有し、スラブ硬度(H5)が、ショアD硬度で、65〜75であるカバー用組成物から形成されており、前記カバーの厚みが、0.3mm〜1.0mmであり、前記中間層の厚みが0.5mm〜1.2mmであって、その密度が1.10g/cm以上であり、前記センターの直径が35mm以下であることを特徴とする。
本発明に用いられる(A)曲げ弾性率が700MPa〜4000MPa、メルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)が5.0g/10min以上であるポリアミド樹脂組成物(以下、単に「(A)ポリアミド樹脂組成物」ということがある)について説明する。
前記(A)ポリアミド樹脂組成物のメルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)は、5.0g/10min以上、好ましくは6.0g/10min以上、より好ましくは7.0g/10min以上であり、150g/10min以下が好ましく、より好ましくは140g/10min以下、さらに好ましくは130g/10min以下である。前記(A)ポリアミド樹脂組成物のメルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)が5.0g/10min以上であれば、カバー用組成物の流動性が良好となり、カバーの薄肉化が可能となるため、ドライバーなどのショットに対して低スピン化が図られ飛距離が向上する。また、前記(A)ポリアミド樹脂組成物のメルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)が150g/10min以下であれば、カバー薄肉化が十分に可能であり、低スピン化により飛距離が向上する。
前記(A)ポリアミド樹脂組成物の曲げ弾性率は、700MPa以上、好ましくは750MPa以上、より好ましくは800MPa以上であり、4000MPa以下、好ましくは3500MPa以下、より好ましくは3000MPa以下である。前記(A)ポリアミド樹脂組成物の曲げ弾性率が700MPa以上であれば、カバーが十分に高弾性化されて、ドライバーなどのショットに対して低スピン化の効果が得られる。また、前記(A)ポリアミド樹脂組成物の曲げ弾性率が4000MPa以下であれば、カバーが硬くなりすぎないため、得られるゴルフボールの耐久性を低下させることなく、飛距離を向上させることができる。
また、前記(A)ポリアミド樹脂組成物は、(a−1)ポリアミド樹脂と、(a−2)水酸基、カルボキシル基、無水酸基、スルホン酸基およびエポキシ基(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂とを含有する。(a−2)成分を含有させることにより(A)ポリアミド樹脂組成物の耐衝撃性を向上させることができ、ゴルフボールの耐久性を向上させることができる。
前記(A)ポリアミド樹脂組成物に含有される(a−1)ポリアミド樹脂について説明する。前記(a−1)ポリアミド樹脂は、主鎖中にアミド結合(−NH−CO−)を複数有する重合体であれば特に限定されず、例えば、ラクタムを開環重合させたり、ジアミン成分とジカルボン酸成分とを反応させたりすることによって、アミド結合が分子内に形成された生成物が挙げられる。
前記ラクタムとしては、例えば、ε−カプロラクタム、ウンデカンラクタム、ラウリルラクタムなどが挙げられる。前記ジアミン成分としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、ノナンジアミン、メチルペンタジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、などが挙げられる。前記ジカルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などが挙げられる。
前記(a−1)ポリアミド樹脂としては、例えば、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9T、ポリアミドM5T、ポリアミド612などの脂肪族系ポリアミド;ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドなどの芳香族系ポリアミドが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12などの脂肪族系ポリアミドが好適である。
前記(a−1)ポリアミド樹脂の具体例を商品名で示すと、例えば、アルケマ社から市販されている「リルサン(登録商標)B(例えば、リルサンBESN TL、リルサンBESN P20 TL、リルサンBESN P40 TL、リルサンMB3610、リルサンBMF O、リルサンBMN O、リルサンBMN O TLD、リルサンBMN BK TLD、リルサンBMN P20 D、リルサンBMN P40 Dなど)」などが挙げられる。
前記(A)ポリアミド樹脂組成物に含有される(a−2)水酸基、カルボキシル基、無水酸基、スルホン酸基およびエポキシ基(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂(以下、単に「(a−2)官能基含有樹脂」ということがある)について説明する。
前記(a−2)官能基含有樹脂は、水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、無水酸基(−CO−O−CO−)、スルホン酸基(−SOH)、エポキシ基(−COC)(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有するものであれば、特に限定されない。なお、(a−2)官能基含有樹脂には、後述する(B)エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体、および、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物、ならびに、後述する(C)流動改質剤として用いられるフローテスターによる溶融粘度(190℃)が5Pa・s〜1000Pa・sである非イオン性熱可塑性樹脂、および、ブルックフィールド型粘度計による溶融粘度(190℃)が1Pa・s〜10Pa・sであるアイオノマー樹脂は含まない。
前記(a−2)官能基含有樹脂を構成する樹脂としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性エラストマーが好ましい。前記熱可塑性エラストマーとしては、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリスチレンエラストマーなどが挙げられる。これらの中でも、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、熱可塑性ポリスチレンエラストマーが好ましく、熱可塑性ポリスチレンエラストマーが特に好適である。
前記熱可塑性ポリオレフィンエラストマーとしては、構成成分としてエチレンを含有するものが好ましい。官能基を含有する熱可塑性ポリオレフィンエラストマーとしては、例えば、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
前記熱可塑性ポリスチレンエラストマーとしては、ポリスチレンブロックと共役ジエン化合物を主体とするブロックとからなるブロック共重合体の水素添加物が挙げられる。ここで、ブロック共重合体の水素添加物とは、ブロック共重合体中の共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の少なくとも一部が水素添加されているものである。前記熱可塑性スチレンエラストマーとしては、共役ジエン化合物として1,3−ブタジエンを用いたブロック共重合体の水素添加物(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック(SEBS));共役ジエン化合物として2−メチル−1,3−ブタジエンを用いたブロック共重合体の水素添加物(スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS))が挙げられる。
前記(a−2)官能基含有樹脂の具体例を商品名で示すと、例えば、アルケマ社製の「ロタダー(LOTADER)AX8840」、東亜合成社製の「アルフォン(ARUFON)(登録商標)UG−4030」、住友化学社製の「ボンドファスト(登録商標)E」などの官能基を有する熱可塑性ポリオレフィンエラストマー;旭化成社製の「タフテック(登録商標)M1913、タフテックM1943」、デュポン社製の「FUSABOND(登録商標)NM052D」、JSR社製の「ダイナロン(登録商標)4630P」などの官能基を有する熱可塑性ポリスチレンエラストマーが挙げられる。
そして、(A)ポリアミド樹脂組成物の具体例を商品名で示すと、例えば、三菱エンジニアリング社製の「ノバミッド(登録商標)ST120」などが挙げられる。
前記カバー用組成物を構成する樹脂成分中の(A)ポリアミド樹脂組成物の含有率は、20質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、90質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。前記カバー用組成物を構成する樹脂成分中の(A)ポリアミド樹脂組成物の含有率が20質量%以上であれば、カバーの弾性率が高くなり、高打出角化および低スピン化の効果がより大きくなる。また、(A)ポリアミド樹脂組成物の含有率が90質量%以下であれば、カバーの弾性率が高くなりすぎず、ゴルフボールの耐久性や打球感がより良好となる。
本発明に用いられる(B)エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体、および、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物よりなる群から選択される少なくとも1種(以下、単に「(B)共重合体および/またはその金属中和物」ということがある)について説明する。
前記エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体(以下、単に「二元共重合体」ということがある)とは、エチレンと(メタ)アクリル酸とを含有する単量体組成物を共重合することにより得られる共重合体である。前記エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体(以下、単に「三元共重合体」ということがある)とは、エチレン、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステルとを含有する単量体組成物を共重合することにより得られる共重合体である。前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸へプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
前記二元共重合体または三元共重合体中の(メタ)アクリル酸成分の含有量は、2質量%以上が好ましく、より好ましくは3質量%以上であり、30質量%以下が好ましく、より好ましくは25質量%以下である。
また、前記二元共重合体および三元共重合体は、本発明の効果を損なわない程度で他の単量体が共重合されていてもよい。前記他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステル;一酸化炭素、二酸化硫黄などが挙げられる。前記他の単量体を用いる場合には、前記二元共重合体または三元共重合体中のこれら他の単量体成分の含有量は40質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
(B)成分として用いる二元共重合体および三元共重合体としてはフローテスターによる溶融粘度(190℃)が1000Pa・s超であるものが好ましい。
前記二元共重合体および三元共重合体の具体例を商品名でしめすと、三井・デュポンポリケミカル(株)から市販されている「ニュクレル(NUCREL)(登録商標)(例えば、ニュクレルN0903HCなどの二元共重合体)」などが挙げられる。
前記エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物(以下、単に「二元共重合体の金属中和物」ということがある)とは、前記二元共重合体が有するカルボキシル基の少なくとも一部が、金属イオンで中和された金属中和物である。前記エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物(以下、単に「三元共重合体の金属中和物」ということがある)とは、前記三元共重合体が有するカルボキシル基の少なくとも一部が、金属イオンで中和された金属中和物である。
前記二元共重合体の金属中和物および三元共重合体の金属中和物に用いられる金属(イオン)としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの1価の金属(イオン);マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウムなどの2価の金属(イオン);アルミニウムなどの3価の金属(イオン);錫、ジルコニウムなどのその他の金属(イオン)が挙げられる。これらの中でも、特にナトリウム、亜鉛、マグネシウム(イオン)が反発性、耐久性などから好ましく用いられる。
前記二元共重合体の金属中和物および三元共重合体の金属中和物において、二元共重合体または三元共重合体が有するカルボキシル基の中和度は、20モル%以上が好ましく、より好ましくは30モル%以上であり、90モル%以下が好ましく、より好ましくは85モル%以下である。なお、二元共重合体の金属中和物および三元共重合体の金属中和物中のカルボキシル基の中和度は、下記式で求めることができる。
Figure 0005025632
(B)成分として用いる二元共重合体の金属中和物および三元共重合体の金属中和物としては、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が500Pa・s〜100000Pa・sであるものが好ましい。
前記二元共重合体の金属中和物および三元共重合体の金属中和物の具体例を商品名で例示すると、三井・デュポンポリケミカル(株)から市販されている「ハイミラン(Himilan)(登録商標)(例えば、ハイミラン1555(Na)、ハイミラン1605(Na)、ハイミラン1706(Zn)、ハイミラン1707(Na)、ハイミランAM7311(Mg)、ハイミランAM7329(Zn)、ハイミラン1856(Na)、ハイミラン1855(Zn)など)」が挙げられる。
さらにデュポン社から市販されている「サーリン(Surlyn)(登録商標)(例えば、サーリン8945(Na)、サーリン9945(Zn)、サーリン8140(Na)、サーリン8150(Na)、サーリン9120(Zn)、サーリン9150(Zn)、サーリン6910(Mg)、サーリン6120(Mg)、サーリン7930(Li)、サーリン7940(Li)、サーリンAD8546(Li)などの二元共重合体アイオノマー;サーリン8120(Na)、サーリン8320(Na)、サーリン9320(Zn)、サーリン6320(Mg)などの三元共重合体アイオノマー)」が挙げられる。デュポン社から市販されている「HPF1000」、「HPF2000」などの三元共重合アイオノマーが挙げられる。
またエクソンモービル化学(株)から市販されているアイオノマー樹脂としては、「アイオテック(Iotek)(登録商標)(例えば、アイオテック8000(Na)、アイオテック8030(Na)、アイオテック7010(Zn)、アイオテック7030(Zn)などの二元共重合体アイオノマー;アイオテック7510(Zn)、アイオテック7520(Zn)など三元共重合体アイオノマー」が挙げられる。
前記二元共重合体の金属中和物および三元共重合体の金属中和物は、例示のものをそれぞれ単独または2種以上の混合物として用いてもよい。前記商品名の後の括弧内に記載したNa、Zn、Li、Mgなどは、これらの中和金属イオンの金属種を示している。
本発明に用いる(B)共重合体および/またはその金属中和物としては、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物、および/または、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物であって、Li、Na、Ca、Zn、MgおよびCuよりなる群から選択される少なくとも1種の金属により中和されているものが好ましい。
前記(B)共重合体および/またはその金属中和物の曲げ弾性率は250MPa以上が好ましく、より好ましくは260MPa以上、さらに好ましくは270MPa以上であり、1000MPa以下が好ましく、より好ましくは800MPa以下、さらに好ましくは600MPa以下である。前記(B)共重合体および/またはその金属中和物の曲げ弾性率が250MPa以上であれば、カバーが十分に高剛性化され、低スピン化の効果が得られる。また、前記(B)共重合体および/またはその金属中和物の曲げ弾性率が1000MPa以下であれば、カバーの剛性が高くなりすぎず、ゴルフボールの耐久性や打球感が向上する。
前記カバー用組成物を構成する樹脂成分中の(B)共重合体および/またはその金属中和物の含有率は、10質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、80質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。前記(B)共重合体および/またはその金属中和物の含有率が10質量%以上であれば、ゴルフボールの反発がより良好となり、また、ゴルフボールの耐久性がより良好となる。また、前記(B)共重合体および/またはその金属中和物の含有率が80質量%以下であれば、カバーの弾性率がより適正な範囲となり、高打出角化および低スピン化の効果がより大きくなる。
本発明に用いられる(C)流動改質材について説明する。
前記(C)流動改質材とは、前記(A)成分と前記(B)成分との混合物の、流動性を向上させる成分である。なお、(C)流動改質材は、カバー用組成物を構成する樹脂成分には含まれない。
前記(C)成分は、脂肪酸金属塩、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が5Pa・s〜1000Pa・sである非イオン性熱可塑性樹脂、脂肪酸、および、ブルックフィールド型粘度計による溶融粘度(190℃)が1Pa・s〜10Pa・sであるアイオノマー樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
前記脂肪酸としては、特に限定されず、例えば、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ペラルゴン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、イコサン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸などの飽和脂肪酸;パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸などが挙げられる。
前記脂肪酸金属塩としては、特に限定されず、例えば、前記脂肪酸の金属塩が挙げられる。前記脂肪酸金属塩としては、脂肪酸ナトリウム塩、脂肪酸カリウム塩、脂肪酸リチウム塩などの1価の金属塩;脂肪酸マグネシウム塩、脂肪酸カルシウム塩、脂肪酸亜鉛塩、脂肪酸バリウム塩、脂肪酸カドミウム塩などの2価の金属塩;脂肪酸アルミニウム塩などの3価の金属塩が挙げられる。これらの中でも、脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸銅などの飽和脂肪酸の2価の金属塩が好ましい。
前記フローテスターによる溶融粘度(190℃)が5Pa・s〜1000Pa・sである非イオン性樹脂とは、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体のカルボキシル基が中和されていないもの、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体のカルボキシル基が中和されていないもの、および、これらの混合物であって、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が、5Pa・s以上、1000Pa・s以下のものである。
前記フローテスターによる溶融粘度(190℃)が5Pa・s〜1000Pa・sである非イオン性樹脂の具体例を商品名で例示すると、例えば、三井・デュポンポリケミカル社から商品名「ニュクレル(NUCREL)(登録商標)(例えば、「ニュクレルN1560」、「ニュクレルN1050H」、「ニュクレルN2050H」、「ニュクレルAN4318」「ニュクレルN1110H」、「ニュクレルN0200H」)」で市販されているエチレン−メタクリル酸共重合体、ダウケミカル社から商品名「PRIMACOR(登録商標)5990I」で市販されているエチレン−アクリル酸共重合体などを挙げることができる。
前記ブルックフィールド型粘度計による溶融粘度(190℃)が1Pa・s〜10Pa・sであるアイオノマー樹脂は、特に限定されない。前記ブルックフィールド型粘度計による溶融粘度(190℃)が1Pa・s〜10Pa・sであるアイオノマー樹脂としては、例えば、前記(a−2)成分として例示した二元共重合体の金属中和物および三元共重合体の金属中和物であって、ブルックフィールド型粘度計による溶融粘度(190℃)が1Pa・s〜10Pa・sであるものが挙げられる。
前記ブルックフィールド型粘度計による溶融粘度(190℃)が1Pa・s〜10Pa・sであるアイオノマー樹脂としては、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物、および/または、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物であって、Li、Na、Ca、Zn、MgおよびCuよりなる群から選択される少なくとも1種の金属により中和されているものが好ましい。
前記ブルックフィールド型粘度計による溶融粘度(190℃)が1Pa・s〜10Pa・sであるアイオノマー樹脂の具体例としては、ハネウェル社製の「Aclyn(登録商標)201(Ca)」、「Aclyn246(Mg)」、および、「Aclyn295(Zn)」などを挙げることができる。
上記の脂肪酸金属塩、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が5Pa・s〜1000Pa・sである非イオン性熱可塑性樹脂、脂肪酸、および、ブルックフィールド型粘度計による溶融粘度(190℃)が1Pa・s〜10Pa・sであるアイオノマー樹脂は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、本発明において(C)流動改質材としては、脂肪酸金属塩およびフローテスターによる溶融粘度(190℃)が5Pa・s〜1000Pa・sであるエチレン−アクリル酸共重合体が好ましい。
前記カバー用組成物中の(A)ポリアミド樹脂組成物と(B)共重合体および/またはその金属中和物との含有量比率(合計100質量%としたとき)は、(A)成分/(B)成分=20質量%〜80質量%/80質量%〜20質量%が好ましく、より好ましくは25質量%〜75質量%/75質量%〜25質量%、さらに好ましくは30質量%〜70質量%/70質量%〜30質量%である。前記(A)成分と(B)成分との含有量比率を上記範囲内とすることによりカバーが適正な剛性となり、高打出角化および低スピン化が図られてゴルフボールの飛距離が向上し、打球感も向上する。
前記カバー用組成物中の(C)流動改質材の含有量は、前記(A)ポリアミド樹脂組成物と(B)共重合体および/またはその金属中和物との合計100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上であり、30質量部以下が好ましく、より好ましくは25質量部以下、さらに好ましくは20質量部以下である。前記(C)成分の含有量が、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して1質量部以上であれば、(C)成分の持つ流動性向上効果が大きくなり、カバーの成形性がより向上する。また、前記(C)成分の含有量が、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して30質量部以下であれば、カバーの反発性が良好となり、ゴルフボールの飛距離がより向上する。
前記カバー用組成物は、本発明の効果を損なわない程度に、前記(A)ポリアミド樹脂組成物、(B)共重合体および/またはその金属中和物、および、(C)流動改質材以外の樹脂成分を含有させてもよいが、樹脂成分として、前記(A)ポリアミド樹脂組成物、(B)共重合体および/またはその金属中和物、および、(C)流動改質材のみを含有することが好適である。
本発明において、カバー用組成物は、上述した樹脂成分のほか、白色顔料(酸化チタン)、青色顔料、赤色顔料などの顔料成分、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの比重調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で含有してもよい。
前記白色顔料(酸化チタン)の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であって、10質量部以下、より好ましくは8質量部以下であることが望ましい。白色顔料の含有量を0.5質量部以上とすることによって、中間層に隠蔽性を付与することができる。また、白色顔料の含有量が10質量部超になると、得られる中間層の耐久性が低下する場合があるからである。
前記カバー用組成物のメルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)は、5.0g/10min以上が好ましく、より好ましくは7.0g/10min以上、さらに好ましくは10.0g/10minであり、50.0g/10min以下が好ましく、より好ましくは45.0g/10min以下、さらに好ましくは40.0g/10minである。前記メルトフローレイトが5.0g/10min以上であれば、カバー用組成物の流動性が良好となり、カバーの薄肉化が可能となるため、ドライバーなどのショットに対して低スピン化が図られ飛距離が向上する。。また、前記メルトフローレイトが50.0g/10min以下であれば、カバーが硬くなりすぎず、耐久性の低下を抑制しつつ、飛距離を向上させることができる。
前記カバー用組成物のスラブ硬度(H5)は、ショアD硬度で65以上であり、好ましくは66以上、より好ましくは67以上であり、75以下であり、好ましくは73以下、より好ましくは70以下である。前記カバー用組成物のスラブ硬度(H5)が、ショアD硬度で65以上では、カバーの硬度が低くなりすぎず、ドライバーなどのショットに対して高打出角化および低スピン化の効果がより大きくなって、飛距離がより向上する。また75以下であれば、カバーが硬くなりすぎず、ゴルフボールの打球感がより良好となる。
前記カバー用組成物の曲げ弾性率は、350MPa以上が好ましく、より好ましくは370MPa以上、さらに好ましくは400MPa以上であり、1000MPa以下が好ましく、より好ましくは950MPa以下、さらに好ましくは900MPa以下である。前記カバー用組成物の曲げ弾性率が、350MPa以上であれば、ドライバーなどのショットに対して高打出角化および低スピン化の効果がより大きくなり、一方、1000MPa以下であれば、カバー用組成物の成形性が良好であり、また、ゴルフボールの耐久性がより良好となる。
前記カバー用組成物の引張弾性率は、400MPa以上が好ましく、より好ましくは410MPa以上、さらに好ましくは420MPa以上であり、2000MPa以下が好ましく、より好ましくは1500MPa以下、さらに好ましくは1200MPa以下である。前記カバー用組成物の引張弾性率が、400MPa以上であれば、ドライバーなどのショットに対して高打出角化および低スピン化の効果がより大きくなり、一方、2000MPa以下であれば、ゴルフボールの耐久性がより良好となる。
ここで、前記カバー用組成物のメルトフローレイト、曲げ弾性率、スラブ硬度および引張弾性率は、後述する測定方法により測定する。なお、前記カバー用組成物のメルトフローレイト、曲げ弾性率、スラブ硬度および引張弾性率は、前記(A)ポリアミド樹脂組成物、(B)共重合体および/またはその金属中和物、および、(C)流動改質材との組合せ、添加剤の含有量などを適宜選択することによって、調整することができる。
カバー用組成物を用いてカバーを成形する態様は、特に限定されないが、カバー用組成物をコア上に直接射出成形する態様、あるいは、カバー用組成物から中空殻状のシェルを成形し、コアを複数のシェルで被覆して圧縮成形する態様(好ましくは、カバー用組成物から中空殻状のハーフシェルを成形し、コアを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法)を挙げることができる。カバー用組成物をコア上に射出成形してカバーを成形する場合、カバー成形用上下金型としては、半球状キャビティを有し、ピンプル付きで、ピンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねているものを使用することが好ましい。射出成形によるカバーの成形は、上記ホールドピンを突き出し、コアを投入してホールドさせた後、加熱溶融されたカバー用組成物を注入して、冷却することによりカバーを成形することができ、例えば、980kPa〜1500kPaの圧力で型締めした金型内に、150℃〜230℃に加熱溶融したカバー用組成物を0.1秒〜1秒で注入し、15秒〜60秒間冷却して型開きすることにより行う。
圧縮成形法によりカバーを成形する場合、ハーフシェルの成形は、圧縮成形法または射出成形法のいずれの方法によっても行うことができるが、圧縮成形法が好適である。カバー用組成物を圧縮成形してハーフシェルに成形する条件としては、例えば、1MPa以上、20MPa以下の圧力で、カバー用組成物の流動開始温度に対して、−20℃以上、+70℃以下の成形温度を挙げることができる。前記成形条件とすることによって、均一な厚みをもつハーフシェルを成形できる。ハーフシェルを用いてカバーを成形する方法としては、例えば、コアを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法を挙げることができる。ハーフシェルを圧縮成形してカバーに成形する条件としては、例えば、0.5MPa以上、25MPa以下の成形圧力で、カバー用組成物の流動開始温度に対して、−20℃以上、+70℃以下の成形温度を挙げることができる。上記成形条件とすることによって、均一なカバー厚みを有するゴルフボールカバーを成形できる。
カバーを被覆してゴルフボール本体を作製する際には、通常、表面にディンプルと呼ばれるくぼみが形成される。図1はゴルフボール2のディンプルを例示する拡大断面図である。この図には、ディンプル10の最深箇所Deおよびゴルフボール2の中心を通過する断面が示されている。図1における上下方向は、ディンプル10の深さ方向である。深さ方向は、ディンプル10の面積重心からゴルフボール2の中心へ向かう方向である。図1において二点鎖線14は、仮想球を示している。仮想球14の表面は、ディンプル10が存在しないと仮定されたときのゴルフボール2の表面である。ディンプル10は、仮想球14から凹陥している。ランド12の表面は、仮想球14の表面と一致している。
カバーに形成されるディンプルの総数は、200個以上500個以下が好ましい。ディンプルの総数が200個未満では、ディンプルの効果が得られにくい。また、ディンプルの総数が500個を超えると、個々のディンプルのサイズが小さくなり、ディンプルの効果が得られにくい。形成されるディンプルの形状(平面視形状)は、特に限定されるものではなく、円形;略三角形、略四角形、略五角形、略六角形などの多角形;その他不定形状;を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
また、カバーが成形されたゴルフボール本体は、金型から取り出し、必要に応じて、バリ取り、洗浄、サンドブラストなどの表面処理を行うことが好ましい。また、所望により、塗膜やマークを形成することもできる。前記塗膜の膜厚は、特に限定されないが5μm以上、より好ましくは7μm以上、25μm以下、より好ましくは18μm以下であることが望ましい。膜厚が5μm未満になると継続的な使用により塗膜が摩耗消失しやすくなり、膜厚が25μmを超えるとディンプルの効果が低下してゴルフボールの飛行性能が低下するからである。
本発明において、ゴルフボールのカバーの厚みは0.3mm以上、好ましくは0.4mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、1.0mm以下、好ましくは0.9mm以下、より好ましくは0.8mm以下である。カバーの厚みが0.3mm以上であれば、カバー層の形成が容易となり、作業性が向上する。また、カバーの厚みが1.0mm以下であれば、高比重である中間層が相対的にゴルフボールの外側に配置されるため、より外重内軽構造化が図られ、ドライバーなどによるショット時に低スピン化の効果がより大きくなる。なお、カバーの厚みとは、ディンプルが形成されていない部分、すなわち、ランド12(図1参照)の直下におけるカバーの厚みを、少なくとも4点測定して得られる平均値である。
次に、本発明のゴルフボールの構造について説明する。
本発明のゴルフボールは、センターと前記センターを被覆する包囲層からなるコア、前記コアを被覆する一以上の中間層、および前記中間層を被覆するカバーを有するゴルフボールであって、前記カバーが、前記カバー用組成物から形成されており、前記カバーの厚みが0.3mm〜1.0mmであり、前記中間層の厚みが0.5mm〜1.2mmであって、その密度が1.10g/cm以上であり、前記センターの直径が35mm以下であることを特徴とする。
本発明に用いられるコアは、センターと前記センターを被覆する包囲層とからなる2層コアである。
前記センターには、従来公知のゴム組成物(以下、単に「センター用ゴム組成物」という場合がある)を採用することができ、例えば、基材ゴム、架橋開始剤、共架橋剤および充填剤を含むゴム組成物を加熱プレスして成形することができる。
前記センター用ゴム組成物は、ゴム成分を主成分とすることが好ましい。すなわち、前記センター用ゴム組成物中の基材ゴム含有量を50質量%以上含有することが好ましい。前記基材ゴムとしては、天然ゴムおよび/または合成ゴムを使用することができ、例えば、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などを使用できる。これらの中でも、特に、反発に有利なシス結合が40質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上のハイシスポリブタジエンを用いることが好ましい。
前記架橋開始剤は、基材ゴム成分を架橋するために配合されるものである。前記架橋開始剤としては、有機過酸化物が好適である。具体的には、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられ、これらのうちジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。架橋開始剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.3質量部以上が好ましく、より好ましくは0.4質量部以上であり、5質量部以下が好ましく、より好ましくは3質量部以下である。0.3質量部未満では、コアが柔らかくなりすぎて、反発性が低下する傾向があり、5質量部を超えると、適切な硬さにするために、共架橋剤の使用量を増加する必要があり、反発性が不足気味になる。
前記共架橋剤としては、基材ゴム分子鎖にグラフト重合することによって、ゴム分子を架橋する作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸またはその金属塩を使用することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸またはこれらの金属塩を挙げることができる。前記金属塩を構成する金属としては、例えば、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ナトリウムなどを挙げることができ、反発性が高くなるということから、亜鉛を使用することが好ましい。
前記共架橋剤の使用量は、基材ゴム100質量部に対して、10質量部以上が好ましく、より好ましくは15質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上であり、55質量部以下が好ましく、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは48質量部以下である。共架橋剤の使用量が10質量部未満では、適当な硬さとするために架橋開始剤の量を増加しなければならず、反発性が低下する傾向がある。一方、共架橋剤の使用量が55質量部を超えると、センターが硬くなりすぎて、打球感が低下するおそれがある。
センター用ゴム組成物に含有される充填剤としては、主として最終製品として得られるゴルフボールの比重を1.0〜1.5の範囲に調整するための比重調整剤として配合されるものであり、必要に応じて配合すれば良い。前記充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タングステン粉末、モリブデン粉末などの無機充填剤を挙げることができる。前記充填剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であって、30質量部以下、より好ましくは20質量部以下であることが望ましい。充填剤の配合量が0.5質量部未満では、重量調整が難しくなり、30質量部を超えるとゴム成分の重量分率が小さくなり反発性が低下する傾向があるからである。
前記センター用ゴム組成物には、基材ゴム、架橋開始剤、共架橋剤および充填剤に加えて、さらに、有機硫黄化合物、老化防止剤、しゃく解剤などを適宜配合することができる。
前記有機硫黄化合物としては、ジフェニルジスルフィド類を好適に使用することができる。前記ジフェニルジスルフィド類としては、例えば、ジフェニルジスルフィド;ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスルフィド,ビス(4−シアノフェニル)ジスルフィドなどのモノ置換体;ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−5−ブロモフェニル)ジスルフィドなどのジ置換体;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−4−クロロ−6−ブロモフェニル)ジスルフィドなどのトリ置換体;ビス(2,3,5,6−テトラクロロフェニル)ジスルフィドなどのテトラ置換体;ビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)ジスルフィドなどのペンタ置換体などが挙げられる。これらのジフェニルジスルフィド類はゴム加硫体の加硫状態に何らかの影響を与えて、反発性を高めることができる。これらの中でも、特に高反発性のゴルフボールが得られるという点から、ジフェニルジスルフィド、ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィドを用いることが好ましい。前記有機硫黄化合物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上であって、5.0質量部以下が好ましく、より好ましくは3.0質量部以下である。
前記老化防止剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、1質量部以下であることが好ましい。また、しゃく解剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、5質量部以下であることが好ましい。
前記センターは、前述のゴム組成物を混合、混練し、金型内で成形することにより得ることができる。この際の条件は、特に限定されないが、例えば、前記ゴム組成物を130℃〜200℃で10分間〜60分間加熱するか、あるいは、130℃〜150℃で20分間〜40分間加熱した後、160℃〜180℃で5分間〜15分間の2段階で加熱することが好ましい。
続いて、2層コアを構成する包囲層について説明する。
前記包囲層を形成する包囲層用組成物には、例えば、前記センター用組成物のようなゴム組成物、または、三井・デュポンポリケミカル社から商品名「ハイミラン(登録商標)(例えばハイミラン1605、ハイミラン1706)」、デュポン社から商品名「サーリン(Surlyn)(登録商標)(例えば、サーリン8140、サーリン9120)」で市販されているアイオノマー樹脂などの熱可塑性樹脂、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(登録商標)(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(登録商標)(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、BASFジャパン社から商品名「エラストラン(登録商標)(例えば、「エラストランXNY97A」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(登録商標)」で市販されている熱可塑性ポリスチレンエラストマーなどの熱可塑性エラストマーが挙げられる。前記熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマーは、単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。これらの中でも、包囲層用組成物は比較的低硬度かつ高反発性が求められるため、前記センター用組成物のように、ゴム成分を主成分とするゴム組成物が好適である。なお、反発性の観点から、前記基材ゴムとして、反発に有利なシス結合が40質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上のハイシスポリブタジエンを用いることが好ましい。
前記包囲層を形成する方法としては、例えば、前記センターを包囲層用組成物で被覆して包囲層を成形する。包囲層を成形する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、包囲層用組成物を中空殻状のハーフシェルに予備成型した後、センターに上下一対かぶせて、半球状キャビティを有する上下金型内で、170℃で20分間加熱プレスすることにより包囲層を形成する方法が挙げられる。
次に、センターと前記センターを被覆する包囲層とからなる2層コアの構造について説明する。
前記センターの直径は、35mm以下である。前記センターの直径を35mm以下とすることにより、包囲層の厚みを確保することができ、ドライバーなどのショットに対して低スピン化の効果が得られる。前記センターの直径は、33mm以下が好ましく、より好ましくは32mm以下であり、10mm以上が好ましく、より好ましくは15mm以上である。前記センターの直径が33mm以下であれば、包囲層をより厚く出来るため、ドライバーなどのショットに対する低スピン化の効果がより大きくなり、また、10mm以上であれば、コアの中心硬度(H1)と表面硬度(H3)との硬度差(H3−H1)を大きくできるため、ドライバーなどのショットに対するスピン抑制効果がより大きくなる。
前記センターは、直径15mm〜32mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にセンターが縮む量)が、2.5mm以上が好ましく、より好ましくは2.7mm以上、さらに好ましくは3.0mm以上であり、7.0mm以下が好ましく、より好ましくは6.5mm以下、さらに好ましくは6.0mm以下である。前記圧縮変形量が、2.5mm以上であれば、ドライバーショット時などのスピン抑制効果および打球感がより向上する。一方、7.0mm以下であれば、反発性がより良好となる。
前記包囲層の厚みは、15mm以下が好ましく、より好ましくは10mm以下、さらに好ましくは5mm以下であり、2mm以上が好ましく、より好ましくは2.5mm以上である。前記包囲層の厚みが15mm以下であれは、ドライバーなどのショット時の打球感がより良好となり、また、2mm以上であれば、センターの直径をより大きくできるため、ドライバーなどのショットに対する低スピン化の効果がより大きくなる。
前記コアの直径は、37mm以上が好ましく、より好ましくは38mm以上、さらに好ましくは38.5mm以上であり、41mm以下が好ましく、より好ましくは40.5mm以下、さらに好ましくは40mm以下である。コアの直径を上記範囲内であれば、ドライバーショット時などのスピン抑制効果がより向上する。
前記コアは、直径38.5mm〜40mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にコアが縮む量)が、2.7mm以上が好ましく、より好ましくは2.9mm以上、さらに好ましくは3.2mm以上であり、4.5mm以下が好ましく、より好ましくは4.2mm以下、さらに好ましくは3.8mm以下である。前記圧縮変形量が、2.7mm以上であれば、ドライバーショット時などのスピン抑制効果および打球感がより向上する。一方、4.5mm以下であれば、反発性がより良好となる。
前記コアの中心硬度(センターの中心硬度)(H1)は、ショアD硬度で22以上であることが好ましく、より好ましくは25以上であり、さらに好ましくは28以上である。コアの中心硬度(H1)をショアD硬度で22以上とすることにより、軟らかくなり過ぎることがなく、良好な反発性が得られる。また、コアの中心硬度(H1)は、ショアD硬度で42以下であることが好ましく、より好ましくは40以下であり、さらに好ましくは38以下である。前記中心硬度(H1)をショアD硬度で42以下とすることにより、硬くなり過ぎず、良好な打球感が得られる。本発明において、コアの中心硬度とは、コアを2等分に切断して、その切断面の中心点についてスプリング式硬度計ショアD型で測定した硬度を意味する。
前記センターの表面硬度(H2)は、ショアD硬度で44以上が好ましく、より好ましくは46以上、さらに好ましくは48以上である。前記表面硬度(H2)をショアD硬度で44以上とすることにより、センターが軟らかくなり過ぎることがなく、良好な反発性が得られる。また、センターの表面硬度(H2)は、ショアD硬度で60以下が好ましく、より好ましくは58以下、さらに好ましくは56以下である。前記表面硬度(H2)をショアD硬度で60以下とすることにより、センターが硬くなり過ぎず、良好な打球感が得られる。
前記コアの表面硬度(H3)は、ショアD硬度で55以上が好ましく、より好ましくは57以上、さらに好ましくは59以上である。前記表面硬度(H3)をショアD硬度で55以上とすることにより、軟らかくなり過ぎることがなく、良好な反発性が得られる。また、コアの表面硬度(H3)は、ショアD硬度で65以下が好ましく、より好ましくは64以下、さらに好ましくは63以下である。前記表面硬度(H3)をショアD硬度で65以下とすることにより、中間層との硬度差を大きくできるため、ドライバーショット時の低スピン化の効果がより高くなる。
本発明のゴルフボールに用いられるコアは、前記コアの中心硬度(H1)とコアの表面硬度(H3)との硬度差(H3−H1)が、ショアD硬度で、10以上である。前記硬度差(H3−H1)が、ショアD硬度で、10以上であれば、ドライバーなどのショットに対する低スピン化の効果がより大きくなる。前記硬度差(H3−H1)は、ショアD硬度で15以上であることが好ましく、さらに好ましくは20以上である。また、前記硬度差(H3−H1)は、ショアD硬度で、35以下であることが好ましく、より好ましくは32以下、特に好ましくは30以下である。硬度差が大きくなりすぎると、耐久性が低下するおそれがあるからである。
次に、前記2層コアを被覆する中間層について説明する。
前記中間層を形成する中間層用組成物のとしては、例えば、前記センター用組成物のようなゴム組成物、または、樹脂成分を含有する樹脂組成物が挙げられる。前記中間層用組成物としては、樹脂成分を主成分とすることが好ましい。すなわち、前記中間層用組成物中の樹脂成分含有量を50質量%以上含有することが好ましい。前記樹脂成分としては、三井・デュポンポリケミカル社から商品名「ハイミラン(登録商標)(例えばハイミランAM7329)」、デュポン社から商品名「サーリン(Surlyn)(登録商標)(例えば、サーリン8945)」で市販されているアイオノマー樹脂などの熱可塑性樹脂、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(登録商標)(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(登録商標)(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、BASFジャパン社から商品名「エラストラン(登録商標)(例えば、「エラストランXNY97A」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(登録商標)(例えば、「ラバロンT3221C」)」で市販されている熱可塑性ポリスチレンエラストマーなどが挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。上記の中でも、反発性の観点から、中間層用組成物は、樹脂成分として、アイオノマー樹脂と熱可塑性スチレンエラストマーとを混合することが好ましい。
また、前記中間層用組成物は、前記樹脂成分に加えて、比重調整剤、老化防止剤、顔料などを適宜配合することができる。
前記比重調整剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タングステン、モリブデンなどが挙げられる。前記比重調整剤の配合量は、中間層用組成物の樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上であり、50質量部以下が好ましく、より好ましくは47質量部以下、さらに好ましくは44質量部以下である。比重調整剤の配合量が1質量部以上であれば、中間層用組成物の密度をより容易に調整することができ、50質量部以下であれば、樹脂成分に対する分散性が良好となる。
前記中間層の密度は、1.10g/cm以上、好ましくは1.20g/cm以上、より好ましくは1.30g/cm以上である。中間層の密度が1.10g/cm以上であれば、ゴルフボールの慣性モーメントをより高めることができ、ドライバーなどのショットに対する低スピン化の効果がより大きくなり、飛距離および方向安定性がより向上する。一方、中間層の密度の上限は、特に限定されるものでないが、1.8g/cmが好ましく、より好ましくは1.6g/cm、さらに好ましくは1.5g/cmである。密度の高い中間層は、出来る限りゴルフボールの外側に配置することが好ましい。ここで、中間層の密度は後述する方法により測定する。
なお、この場合、前記センター用組成物の密度は、1.15g/cm以下が好ましく、より好ましくは1.13g/cm以下、さらに好ましくは1.10g/cm以下である。センター用組成物の密度が1.15g/cm以下であれば、ゴルフボールの慣性モーメントをより高めることができる。また、前記カバー用組成物の密度は、0.96g/cm以上が好ましく、より好ましくは0.98g/cm以上、さらに好ましくは1.00g/cm以上である。なお、カバー用組成物の密度は、高いことが好ましいが、通常高比重充填剤は有着色物であるため、カバー用組成物に多量に配合することは好ましくない。
前記中間層用組成物のスラブ硬度(H4)は、ショアD硬度で、35以上が好ましく、より好ましくは40以上、さらに好ましくは45以上であり、55以下が好ましく、より好ましくは53以下、さらに好ましくは50以下である。中間層用組成物のスラブ硬度(H4)が、ショアD硬度で、35以上であれば、ゴルフボールの反発性がより良好となる。一方、中間層用組成物のスラブ硬度が、ショアD硬度で、55以下であれば、ゴルフボールの打球感がより良好となる。ここで、中間層のスラブ硬度(H4)とは、中間層用組成物をシート状に成形して測定した硬度であり、後述する測定方法により測定する。
また、前記中間層用組成物のスラブ硬度(H4)、前記コアの中心硬度(H1)、および前記コアの表面硬度(H3)が、H1≦H4<H3の関係を満足することが好ましい。当該関係を満足することにより、よりソフトな打球感が得られる。
前記中間層を形成する方法としては、例えば、コアを中間層用組成物で被覆して中間層を成形する。中間層を成形する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、中間層用組成物を予め半球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてセンターを包み、130℃〜170℃で1分間〜5分間加圧成形するか、または中間層用組成物を直接センター上に射出成形してセンターを包み込む方法などが用いられる。
前記中間層の厚みは、1.2mm以下が好ましく、より好ましくは1.1mm以下、さらに好ましくは1.0mm以下であり、0.5mm以上が好ましく、より好ましくは0.6mm以上、さらに好ましくは0.7mm以上である。前記中間層の厚みが1.2mm以下であれは、相対的にセンターが大きくなるため、ゴルフボールの反発性がより良好となり、また、0.5mm以上であれば、高比重中間層の効果がより大きくなって、慣性モーメントがより大きくなるため、さらなる低スピン化が図られる。
前記コアと中間層との態様としては、例えば、コアを単層の中間層により被覆する態様;コアを複数片もしくは複数層の中間層により被覆する態様などを挙げることができる。
コアを中間層により被覆した後の形状としては、球状であることが好ましい。中間層の形状が球状でない場合には、カバーの厚みが不均一になる。その結果、部分的にカバー性能が低下する箇所が生じるからである。一方、コアの形状としては、球状が一般的であるが、球状コアの表面を分割するように突条が設けられていても良く、例えば、球状コアの表面を均等に分割するように突条が設けられていても良い。前記突条を設ける態様としては、例えば、包囲層の表面に包囲層と一体的に突条を設ける態様、あるいは、球状センターの表面に突条の包囲層を設ける態様などを挙げることができる。
前記突条は、例えば、球状コアを地球とみなした場合に、赤道と球状コア表面を均等に分割する任意の子午線とに沿って設けられることが好ましい。例えば、球状コア表面を8分割する場合には、赤道と、任意の子午線(経度0度)、および、斯かる経度0度の子午線を基準として、東経90度、西経90度、東経(西経)180度の子午線に沿って設けるようにすれば良い。コア表面に突条を設ける場合には、突条によって仕切られる凹部を、複数片の中間層、あるいは、それぞれの凹部を被覆するような単層の中間層によって充填するようにして、球形とするようにすることが好ましい。前記突条の断面形状は、特に限定されることなく、例えば、円弧状、あるいは、略円弧状(例えば、互いに交差あるいは直交する部分において切欠部を設けた形状)などを挙げることができる。
本発明のゴルフボールは、センターと前記センターを被覆する包囲層からなるコア、前記コアを被覆する一以上の中間層、および前記中間層を被覆するカバーを有するものであれば、特に限定されない。本発明のゴルフボールの構造の具体例としては、センターと前記センターを被覆する包囲層からなるコア、前記コアを被覆する中間層、および前記中間層を被覆するカバーを有するフォーピースゴルフボール;センターと前記センターを被覆する包囲層からなるコア、前記コアを被覆する複数片もしくは複数層の中間層、前記中間層を被覆するカバーを有するマルチピースゴルフボールを挙げることができる。これらの中でも本発明は、センターと前記センターを被覆する包囲層からなるコア、前記コアを被覆する中間層、および前記中間層を被覆するカバーを有するフォーピースゴルフボールに好適に適用できる。
本発明のゴルフボールは、直径40mm〜45mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にゴルフボールが縮む量)が、2.5mm以上が好ましく、より好ましくは2.7mm以上、さらに好ましくは3.0mm以上であり、4.0mm以下が好ましく、より好ましくは3.7mm以下、さらに好ましくは3.4mm以下である。前記圧縮変形量を、2.5mm以上とすることにより良好な打球感が得られ、また、4.0mm以下とすることにより、より良好な反発性が得られる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲に含まれる。
(1)中間層用組成物のスラブ硬度、カバー用組成物のスラブ硬度(ショアD硬度)
カバー用組成物または中間層用組成物を用いて、熱プレス成形により、厚み約2mmのシートを作製し、23℃で2週間保存した。このシートを、測定基板などの影響が出ないように、3枚以上重ねた状態で、ASTM−D2240に規定するスプリング式硬度計ショアD型を備えた高分子計器社製自動ゴム硬度計P1型を用いて測定した。
(2)センター中心硬度、コア表面硬度、センター表面硬度(ショアD硬度)
ASTM−D2240に規定するスプリング式硬度計ショアD型を備えた高分子計器社製自動ゴム硬度計P1型を用いて、センターまたはコアの表面部において測定したショアD硬度をセンター表面硬度、コア表面硬度とした。また、コアを半球状に切断し、切断面の中心において測定したショアD硬度をセンター中心硬度とした。
(3)圧縮変形量(mm)
センター、コアまたはゴルフボールに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮方向の変形量(圧縮方向にセンター、コアまたはゴルフボールが縮む量)を測定した。
(4)中間層の密度
中間層用組成物を用いてペレットを作製し、このペレットの密度を測定した。測定は、Chyo balance Corporation製、ARCHIMEDESを用いて行い、測定温度は23℃、溶媒はエタノールとした。
(5)曲げ弾性率(MPa)
(A)ポリアミド樹脂組成物の乾燥ペレットを用いて、射出成形により、長さ80.0±2mm、幅10.0±0.2mm、厚み4.0±0.2mmの試験片を作製し、直ちに防湿容器中で23℃±2℃で24時間以上保持した。この試験片を防湿容器から取り出した後、速やか(15分以内)に、曲げ弾性率をISO178に準じて測定した。測定は、温度23℃、湿度50%RHで行った。
(B)共重合体および/またはその金属中和物、または、カバー用組成物を用いて、射出成形により、長さ80.0±2mm、幅10.0±0.2mm、厚み4.0±0.2mmの試験片を作製し、23℃、50%RHで2週間保存した。この試験片の曲げ弾性率を、ISO 178に準じて測定した。測定は、温度23℃、湿度50%RHで行った。
(6)引張弾性率(MPa)
カバー用組成物を用いて、射出成形により、厚み約2mmのシートを作製し、23℃で2週間保存した。このシートからダンベル型試験片を作製し、当該試験片について引張弾性率をISO 527−1も準じて測定した。
(7)反発弾性率(%)
カバー用組成物を用いて、熱プレス成形にて厚み約2mmのシートを作製し、当該シートから直径28mmの円形状に打抜いたものを6枚重ねることにより、厚さ約12mm、直径28mmの円柱状試験片を作製した。この試験片についてリュプケ式反発弾性試験(試験温湿度23℃、50RH%)を行った。なお、試験片の作製および試験方法は、JIS K6255に準じて行った。
(8)メルトフローレイト(MFR)(g/10min)
MFRは、フローテスター(島津製作所社製、島津フローテスターCFT−100C)を用いて、JIS K7210に準じて測定した。なお、測定は、測定温度240℃×荷重2.16kg;測定温度240℃×荷重5kgの条件で行った。
(9)飛距離
ツルーテンパー社製のスイングロボットに、W#1ドライバー(SRIスポーツ社製、XXIO S ロフト10°)を取り付け、ヘッドスピード45m/秒でゴルフボールを打撃し、飛距離(発射始点から静止地点までの距離)を測定した。測定は、各ゴルフボールについて10回ずつ行って、その平均値をそのゴルフボールの測定値とした。
(10)方向安定性
ツルーテンパー社製のスイングロボットに、打撃方向に対してクラブフェースが直交するようにW#1ドライバー(SRIスポーツ社製、XXIO S ロフト10°)を取り付け、ヘッドスピード45m/秒に設定した。次に、クラブフェースを2°開いた状態と、クラブフェースを2°閉じた状態でそれぞれ打撃した。そして、クラブフェースを2°開いた状態で打撃した際の静止地点と、クラブフェースを2°閉じた状態で打撃した際の静止地点との距離を測定した。なお、2つの静止地点の距離は、打撃方向と平行となるように、それぞれの静止地点を通る平行線を2本引き、これら2本の平行線の間隔を測定した。測定は、各ゴルフボールについて10回ずつ行って、その平均値をそのゴルフボールの測定値とした。
(11)常温耐久性
ツルーテンパー社製のスイングロボットM/Cに、メタルヘッド製W#1ドライバーを取り付け、ヘッドスピードを45m/秒に設定した。各ゴルフボールを、恒温器にて23℃で12時間保管した。各ゴルフボールを恒温器から取り出した後、すみやかに打撃して、ゴルフボールが壊れるまでの繰返し打撃回数を測定した。なお、外見上は壊れていなくとも、中間層に割れが生じている場合もあるが、このような場合には、ゴルフボールの変形や打球音の違いから、壊れているかどうかを判断した。
各ゴルフボールの耐久性は、ゴルフボールNo.5の打撃回数を100として、各ゴルフボールについての打撃回数を指数化した値で示した。指数化された値が大きいほど、ゴルフボールが耐久性に優れていることを示す。
(12)低温耐久性
各ゴルフボールを10個ずつ、−10℃の温度で1日間保管した後、速やかにエアガンを用いて金属板に45m/秒の速度で衝突させて、ゴルフボールが壊れるまでの繰返し回数を測定し、10個の平均値を算出した。なお、外見上は壊れていなくとも、中間層に割れが生じている場合もあるが、このような場合には、ゴルフボールの変形や打球音の違いから、壊れているかどうかを判断した。
各ゴルフボールの低温耐久性は、ゴルフボールNo.4の回数を100として、各ゴルフボールについての打撃回数を指数化した値で示した。指数化された値が大きいほど、ゴルフボールが耐久性に優れていることを示す。
(13)打球感
アマチュアゴルファー(上級者)10人による、ドライバーを用いた実打テストを行い、打撃時の打球感を下記の4段階で評価させた。
◎:極めて良好(ソフト)
○:良好(ややソフト)
△:やや不良(やや硬い)
×:不良(硬い)
[ゴルフボールの作製]
(1)センターの作製
表1に示す配合のゴム組成物を混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で、170℃で20分間加熱プレスすることによりセンターを得た。
Figure 0005025632
ポリブタジエンゴム:JSR社製、「BR−730(ハイシスポリブタジエン)」
アクリル酸亜鉛:日本蒸溜工業社製、「ZNDA−90S」
酸化亜鉛:東邦亜鉛社製、「銀嶺(登録商標)R」
硫酸バリウム:堺化学社製、「硫酸バリウムBD」
ジフェニルジスルフィド:住友精化社製
ジクミルパーオキサイド:日油社製、「パークミル(登録商標)D」
なお、硫酸バリウムは、得られるゴルフボールの質量が、45.4gとなるように適量加えた。
(2)包囲層用組成物の調製
表2に示した配合材料を混合、混練りして得られた包囲層用組成物を中空殻状のハーフシェルに予備成型した後、上記により得られたセンターに上下一対かぶせて、半球状キャビティを有する上下金型内で、170℃で20分間加熱プレスすることにより包囲層を形成し、球状の2層コアを得た。
Figure 0005025632
ポリブタジエンゴム:JSR社製、「BR−730(ハイシスポリブタジエン)」
アクリル酸亜鉛:日本蒸溜工業社製、「ZNDA−90S」
酸化亜鉛:東邦亜鉛社製、「銀嶺(登録商標)R」
硫酸バリウム:堺化学社製、「硫酸バリウムBD」
ジフェニルジスルフィド:住友精化社製
ジクミルパーオキサイド:日油社製、「パークミル(登録商標)D」
(3)カバー用組成物および中間層用組成物の調製
表3,5,6に示した配合材料を用いて、二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状のカバー用組成物および中間層用組成物をそれぞれ調製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は、押出機のダイの位置で160〜230℃に加熱された。
Figure 0005025632
サーリン8945:デュポン社製のナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂
ハイミランAM7329:三井・デュポンポリケミカル社製の亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂
ラバロンT3221C:三井化学社製のスチレン系エラストマー
タングステン:アライドマテリアル社製、タングステン粉末C50G
(4)ゴルフボール本体の作製
上記で得た中間層用組成物を、前述のようにして得たコア上に射出成形することにより、前記コアを被覆する中間層を形成した。続いて、前記中間層上にカバー用組成物を射出成形することによりカバーを形成して、ゴルフボールを作製した。成形用上下金型は、半球状キャビティを有し、ピンプル付きで、ピンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねている。上記ホールドピンを突き出し、コアを投入後ホールドさせ、80トンの圧力で型締めした金型に210℃に加熱した樹脂を0.3秒で注入し、30秒間冷却して型開きしてゴルフボールを取り出した。得られたゴルフボール本体の表面をサンドブラスト処理して、マーキングを施した後、クリアーペイントを塗布し、40℃のオーブンで塗料を乾燥させ、直径42.8mm、質量45.4gのゴルフボールを得た。
ゴルフボールの表面には、表4及び図2、図3に示したディンプルパターンを形成した。なお、表4中のディンプルの「直径」は図1におけるDiを、「深さ」は接線Tと最深箇所Deとの距離を意味する。また、「曲率半径」はディンプルのボトム曲面の曲率半径であり、「面積」は、面積=(Di/2)2×πによって算出される。「占有率」は全てのディンプル10の面積の合計が仮想球14の表面積に占める比率である。
Figure 0005025632
得られたゴルフボール圧縮変形量、飛距離、方向安定性、常温耐久性、低温耐久性および打球感について評価した結果を表5、表6に示した。
Figure 0005025632
Figure 0005025632
サーリン8945:デュポン社製のナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂(フローテスターによる溶融粘度(190℃):1000Pa・s)
ハイミランAM7329:三井・デュポンポリケミカル社製の亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂(フローテスターによる溶融粘度(190℃):1100Pa・s)
ニュクレルN2050H:三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン・メタクリル酸共重合体(フローテスターによる溶融粘度(190℃):8Pa・s、メルトフローレイト(190℃×2.16kg):500g/10min)
ステアリン酸Mg:米山薬品工業社製(融点88℃)
ノバミッドST120:三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ポリアミド6と水酸基、カルボキシル基、無水酸基、スルホン酸基およびエポキシ基(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂との混合樹脂(曲げ弾性率:2000MPa、メルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)30g/10min)
ゴルフボールNo.1〜9は、カバーが、(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有し、スラブ硬度(H5)が、ショアD硬度で、65〜75であるカバー用組成物から形成されており、前記カバーの厚みが、0.3mm〜1.0mm、前記中間層の厚みが0.5mm〜1.2mmであって、その密度が1.10g/cm以上であり、前記センターの直径が35mm以下である場合である。これらはいずれも、飛距離、方向安定性、常温耐久性、低温耐久性および打球感に優れている。これらの中でも、ゴルフボールNo.1,3を比較すると、中間層用組成物の密度が高い方が方向安定性に優れることがわかる。
ゴルフボールNo.10は中間層の密度が1.10g/cm未満の場合であるが、常温耐久性、低温耐久性および打球感に優れるものの、飛距離および方向安定性が劣る。ゴルフボールNo.11は、センターの直径が35mmを超える場合であるが、常温耐久性、低温耐久性および打球感に優れるものの、飛距離および方向安定性が劣る。
ゴルフボールNo.12は、カバー用組成物のMFR(240℃×2.16kg荷重)が5.0g/10min未満の場合であるが、カバー用組成物の流動性が悪いため、カバーを成形することができなかった。ゴルフボールNo.13は、カバー用組成物のスラブ硬度(H5)が、65未満の場合であるが、常温耐久性、低温耐久性および打球感は向上しているものの、飛距離が向上していない。
ゴルフボールNo.14,15は、前記ゴルフボールNo.1〜9と同様のカバー用組成物を用いているが、中間層の厚みが1.2mmを超える場合(ゴルフボールNo.14)、カバーの厚みが1.0mmを超える場合(ゴルフボールNo.15)である。これらのゴルフボールNo.14,15は、常温耐久性、低温耐久性には優れるものの、飛距離および方向安定性に劣る。
本発明は、低温耐久性および常温耐久性に優れ、かつ、打撃時の飛距離、方向安定性および打球感に優れたゴルフボールに有用である。
ゴルフボール表面に形成したディンプルの断面の拡大図である。 ゴルフボール表面に形成したディンプルパターンの平面図である。 ゴルフボール表面に形成したディンプルパターンの正面図である。
符号の説明
2:ゴルフボール、10:ディンプル、12:ランド、14:仮想球、A:ディンプルA、B:ディンプルB、C:ディンプルC、D:ディンプルD、E:ディンプルE、F:ディンプルF、G:ディンプルG、H:ディンプルH、De:ディンプルの最深箇所、Di:ディンプルの直径、Ed:エッジ、P:極点、T:接線

Claims (7)

  1. センターと前記センターを被覆する包囲層からなるコア、前記コアを被覆する一以上の中間層、および前記中間層を被覆するカバーを有するゴルフボールであって、
    前記カバーが、樹脂成分として、
    (A)(a−1)ポリアミド樹脂と、(a−2)水酸基、カルボキシル基、無水酸基、スルホン酸基およびエポキシ基(グリシジル基を含む)よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する熱可塑性エラストマーとを含有し、曲げ弾性率が700MPa〜4000MPa、メルトフローレイト(240℃×2.16kg荷重)が5.0g/10min以上であるポリアミド樹脂組成物と、
    (B)エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体、および、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物よりなる群から選択される少なくとも1種と、
    (C)流動改質材とを含有し、
    スラブ硬度(H5)が、ショアD硬度で、65〜75であるカバー用組成物から形成されており、
    前記カバーの厚みが、0.3mm〜1.0mmであり、
    前記中間層の厚みが0.5mm〜1.2mmであって、その密度が1.10g/cm 以上であり、
    前記センターの直径が35mm以下であり、
    前記コアの中心硬度(H1)、前記中間層のスラブ硬度(H4)および前記コアの表面硬度(H3)が、H1≦H4<H3の関係を満足することを特徴とするゴルフボール。
  2. 前記カバー用組成物中の前記(A)成分および(B)成分の配合比率(合計100質量%としたとき)が、(A)成分/(B)成分=20質量%〜80質量%/80質量%〜20質量%であり、
    前記カバー用組成物中の(C)成分の配合量が、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して1質量部〜30質量部である請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 前記カバー用組成物のスラブ物性が、曲げ弾性率が400MPa〜1000MPaである請求項1または2に記載のゴルフボール。
  4. 前記(a−1)成分が、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9T、ポリアミドM5T、ポリアミド612およびポリエーテルブロックアミド共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  5. 前記(B)成分が、エチレン−(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属中和物、および/または、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属中和物であって、
    Li、Na、Ca、Zn、MgおよびCuよりなる群から選択される少なくとも1種の金属により中和されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  6. 前記(C)成分が、脂肪酸金属塩、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が5Pa・s〜1000Pa・sである非イオン性熱可塑性樹脂、脂肪酸、および、ブルックフィールド型粘度計による溶融粘度(190℃)が1Pa・s〜10Pa・sであるアイオノマー樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  7. 前記センターを形成するセンター用組成物および前記包囲層を形成する包囲層用組成物の主成分がゴム成分であり、かつ、前記中間層を形成する中間層用組成物の主成分が熱可塑性材料である請求項1〜のいずれか一項に記載のゴルフボール。
JP2008335264A 2008-12-26 2008-12-26 ゴルフボール Expired - Fee Related JP5025632B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008335264A JP5025632B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 ゴルフボール
US12/647,115 US8314172B2 (en) 2008-12-26 2009-12-24 Golf ball

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008335264A JP5025632B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 ゴルフボール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010154972A JP2010154972A (ja) 2010-07-15
JP5025632B2 true JP5025632B2 (ja) 2012-09-12

Family

ID=42285638

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008335264A Expired - Fee Related JP5025632B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 ゴルフボール

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8314172B2 (ja)
JP (1) JP5025632B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8399563B2 (en) * 2008-10-08 2013-03-19 Sri Sports Limited Golf ball
JP5828645B2 (ja) * 2011-02-22 2015-12-09 ダンロップスポーツ株式会社 ゴルフボール
US20120302371A1 (en) * 2011-05-27 2012-11-29 Bridgestone Sports Co., Ltd. Golf ball
US20130172104A1 (en) * 2011-12-30 2013-07-04 Nike, Inc. Ionomer/Polyamide Alloy For Golf Balls
US20140171222A1 (en) * 2012-12-17 2014-06-19 Bridgestone Sports Co., Ltd Multi-piece solid golf ball
US20140187357A1 (en) * 2012-12-27 2014-07-03 Bridgestone Sports Co., Ltd. Golf ball
JP6344900B2 (ja) * 2013-10-29 2018-06-20 住友ゴム工業株式会社 ゴルフボール用樹脂組成物およびこれを用いたゴルフボール
JP6344899B2 (ja) * 2013-10-29 2018-06-20 住友ゴム工業株式会社 ゴルフボール用樹脂組成物およびこれを用いたゴルフボール

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6060867A (ja) * 1983-09-13 1985-04-08 住友ゴム工業株式会社 ゴルフボ−ル
JP2599794B2 (ja) * 1989-08-01 1997-04-16 三井・デュポンポリケミカル株式会社 アイオノマー組成物
CA2088140C (en) 1992-06-19 2000-08-22 Michael J. Sullivan High acid ionomers and golf ball cover compositions comprising same
JP2888197B2 (ja) * 1995-06-14 1999-05-10 ブリヂストンスポーツ株式会社 マルチピースソリッドゴルフボール
US6042488A (en) 1995-06-15 2000-03-28 Spalding Sports Worldwide, Inc. Multi-layer golf ball and method of making same
JPH0970451A (ja) * 1995-09-06 1997-03-18 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴルフボール用カバー材組成物
US6187864B1 (en) 1997-03-13 2001-02-13 Acushnet Company Golf balls comprising blends of polyamides and ionomers
JP2964952B2 (ja) * 1996-05-14 1999-10-18 ブリヂストンスポーツ株式会社 マルチピースソリッドゴルフボール
JP3428330B2 (ja) 1996-11-05 2003-07-22 ブリヂストンスポーツ株式会社 ゴルフボール
JPH10314341A (ja) 1996-12-24 1998-12-02 Bridgestone Sports Co Ltd ゴルフボール用カバー材
US5919862A (en) 1997-01-21 1999-07-06 Acushnet Company Golf ball compositions containing polymeric compatibilizers free of α,β-ethylenically unsaturated carboxylic acids
JP2003199846A (ja) * 2001-10-23 2003-07-15 Sumitomo Rubber Ind Ltd スリーピースソリッドゴルフボール
US6702694B1 (en) 2002-09-05 2004-03-09 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball
US6852043B2 (en) * 2002-12-12 2005-02-08 Acushnet Company Golf ball

Also Published As

Publication number Publication date
US8314172B2 (en) 2012-11-20
US20100167840A1 (en) 2010-07-01
JP2010154972A (ja) 2010-07-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9517385B2 (en) Golf ball and process for preparing the same
JP5247425B2 (ja) ゴルフボール
JP5165523B2 (ja) ゴルフボール
JP5341414B2 (ja) ゴルフボール
JP5025632B2 (ja) ゴルフボール
US9205305B2 (en) Golf ball
US8399563B2 (en) Golf ball
JP5068289B2 (ja) ゴルフボール
JP5484152B2 (ja) ゴルフボール
JP4751924B2 (ja) ゴルフボール
JP5350898B2 (ja) ゴルフボール
JP5322571B2 (ja) ゴルフボール
JP5312292B2 (ja) ゴルフボール
JP5247424B2 (ja) ゴルフボールおよびその製造方法
JP2010154971A (ja) ゴルフボール
WO2015098514A1 (ja) ゴルフボール
JP5068288B2 (ja) ゴルフボール
JP4948502B2 (ja) ゴルフボール
JP6474300B2 (ja) ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール
JP5247426B2 (ja) ゴルフボール
JP2004242850A (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
JP5031064B2 (ja) ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール
JP4746671B2 (ja) ゴルフボール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120612

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120619

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150629

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5025632

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees