JP5312292B2 - ゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフボールに関するものであり、より詳細には、新規なアイオノマー樹脂組成物を用いたゴルフボールに関するものである。
ゴルフボールを構成する材料として、アイオノマー樹脂やポリウレタンが使用されている。アイオノマー樹脂は、高剛性であり、ゴルフボールの構成部材として使用すると、飛距離の大きいゴルフボールが得られる。そのため、アイオノマー樹脂は、ゴルフボールを構成する中間層やカバーの材料として広く使用されている。しかし、アイオノマイー樹脂の剛性や流動性には改善の余地があり、これらの特性を改善するための提案がなされている。
例えば、特許文献1には、アイオノマー樹脂成分として(a)酸含量12重量%以下のオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体の金属イオン中和物からなる3元アイオノマー樹脂と(b)酸含量15重量%以下のオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体の金属イオン中和物からなる2元アイオノマー樹脂とを重量比40:60〜100:0の割合で含むアイオノマー樹脂成分と、(c)オレフィン及び不飽和カルボン酸をモノマーとする未中和のランダム共重合体とを重量比75:25〜100:0の割合で含有するベース樹脂に、(d)炭素原子数が29以下の有機酸を1〜3価金属イオンで中和した金属せっけんを重量比95:5〜80:20の割合で配合した混合物を主成分とし、かつメルトインデックス(MI)が1dg/秒以上であることを特徴とするゴルフボールカバー材が開示されている。
特許文献2には、コアおよびカバー、または糸巻きのセンターおよびカバーを有するゴルフボールにおいて、前記コアまたはセンターは;(i)a)エチレン、b)5から25重量パーセントの(メタ)アクリル酸、c)0から40重量パーセントのアルキルの炭素数が1から8のアルキルアクリレート、を含有し、該酸基が亜鉛、ナトリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムイオンおよびこれらのいずれかの混合物で10から90パーセントまで中和されたアイオノマー性ポリマーと、(ii)(i)と(ii)に基づいて5から45重量パーセントのステアリン酸金属塩、但し、該金属は、カルシウム、ナトリウム、亜鉛、リチウム、マグネシウムおよびバリウムから成る群から選択されるもの、または前記ステアリン酸金属塩の混合物と、を具えたことを特徴とするゴルフボールが開示されている。
特許文献3には、コアとカバーとを有し、前記カバーは、実質的に少なくとも一種のアイオノマー樹脂100質量部と、25質量部超、約100質量部までのステアリン酸金属塩を含み、前記アイオノマー樹脂は、炭素数が2〜8のオレフィンと、炭素数が3〜8の不飽和モノカルボン酸との反応生成物からなることを特徴とするゴルフボールが開示されている。特許文献4には、コアとカバーとを有し、前記カバーは、実質的に少なくとも一種のアイオノマー樹脂100質量部と、25質量部超、約100質量部までの脂肪酸金属塩を含み、前記アイオノマー樹脂は、炭素数が2〜8のオレフィンと、炭素数が3〜8の不飽和モノカルボン酸との反応生成物からなることを特徴とするゴルフボールが開示されている。特許文献5には、アルカリ金属またはアルカリ土類金属陽イオンによって部分的に中和されたα―オレフィン/C3〜8α,β−エチレン性不飽和カルボン酸のコポリマーおよび約0.05〜約10重量%(ポリマーの重量に基づく重量%)のメタルアクリレートから本質的になることを特徴とする、溶融膨潤度の高いポリマーが開示されている。
特開2000−157646号公報 特表2002−514112号公報 米国特許第5306760号公報 米国特許第5312857号公報 特表2003−506498号公報
アイオノマー樹脂の反発性を向上させるために、中和度を高めることが知られている。しかし、高中和度のアイオノマー樹脂は流動性が低く、中間層やカバーに成形することが困難である。そこで、高中和度のアイオノマー樹脂の流動性を向上させる技術として、例えば、脂肪酸などの低分子材料を添加することが行われている。しかしながら、反発性と流動性を両立させるためには、脂肪酸などの低分子材料を相当量添加する必要があり、材料強度が低下し、ゴルフボールの耐久性が低下するという問題がある。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、材料強度を維持しつつ、アイオノマー樹脂の反発性を向上させる新規な技術を提供することを課題とする。また、本発明は、アイオノマー樹脂を用いたゴルフボールであって、耐久性および反発性に優れるゴルフボールを提供することを課題とする。
上記課題を解決することのできた本発明のゴルフボールは、センターと前記センターを被覆するように配設された少なくとも一以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するように配設されたカバーとを有するゴルフボールであって、前記センター、中間層、または、カバーの少なくとも一つが、(A)エチレンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体のアイオノマー樹脂(以下、単に「(A)三元系アイオノマー樹脂」と称する場合がある)100質量部に対して、(B)不飽和カルボン酸の金属塩を0.05質量部〜10質量部含有するアイオノマー樹脂組成物(以下、単に「本発明のアイオノマー樹脂組成物」と称する場合がある)から形成されていることを特徴とする。すなわち、本発明は、(A)三元系アイオノマー樹脂に(B)不飽和カルボン酸の金属塩を添加して、材料強度を維持しつつ、三元系アイオノマー樹脂の反発性を向上させるところに要旨がある。また、(B)不飽和カルボン酸の金属塩を使用すれば、添加量が少なくても反発性の向上効果が得られる。
(A)前記三元系アイオノマー樹脂は、マグネシウム、亜鉛、およびナトリウムより成る群から選択される少なくとも1種の金属イオンで中和されていることが好ましい。前記(B)不飽和カルボン酸の金属塩としては、例えば、炭素数が3〜8の不飽和カルボン酸の金属塩が好ましく、アクリル酸またはメタクリル酸の金属塩がより好ましい。また、金属塩としては、亜鉛塩が好ましい。
本発明によれば、材料強度を維持しつつ、アイオノマー樹脂の反発性を向上させることができ、反発性および耐久性に優れるゴルフボールが得られる。
本発明のゴルフボールは、センターと前記センターを被覆するように配設された少なくとも一以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するように配設されたカバーとを有するゴルフボールであって、前記センター、中間層、または、カバーの少なくとも一つが、(A)エチレンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体のアイオノマー樹脂100質量部に対して、(B)不飽和カルボン酸の金属塩を0.05質量部〜10質量部含有するアイオノマー樹脂組成物から形成されていることを特徴とする。
まず、本発明で使用する(A)三元系アイオノマー樹脂について説明する。前記三元系アイオノマー樹脂としては、例えば、エチレンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したものを挙げることができる。前記炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられ、特にアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。また、α,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチルエステル等が用いられ、特にアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルが好ましい。これらのなかでも、前記三元系アイオノマー樹脂としては、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属イオン中和物が好ましい。
(A)前記三元系アイオノマー樹脂中の炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸成分の含有率は、2質量%以上が好ましく、3質量%以上が好ましく、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。
(A)前記三元系アイオノマー樹脂のカルボキシル基の中和度は、20モル%以上が好ましく、30モル%以上が好ましく、90モル%以下が好ましく、85モル%以下がより好ましい。中和度が20モル%以上であれば、アイオノマー樹脂組成物を用いて得られる構成部材の反発性および耐久性が良好になる。一方、中和度が90モル%以下であれば、アイオノマー樹脂組成物の流動性が良好になる(成形性が良い)。なお、(A)前記三元系アイオノマー樹脂のカルボキシル基の中和度は、下記式で求めることができる。
三元系アイオノマー樹脂の中和度=100×三元系アイオノマー樹脂中の中和されているカルボキシル基のモル数/三元系アイオノマー樹脂中のカルボキシル基の総モル数
(A)前記三元系アイオノマー樹脂のカルボキシル基の少なくとも一部を中和する金属イオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの1価の金属イオン;マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウムなどの2価の金属イオン;アルミニウムなどの3価の金属イオン;錫、ジルコニウムなどのその他のイオンが挙げられる。本発明で使用する(A)三元系アイオノマー樹脂は、マグネシウム、亜鉛、および、ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種の金属イオンで中和されていることが好ましい。
前記三元系アイオノマー樹脂の具体例を商品名で例示すると、三井デュポンポリケミカル(株)から市販されている「ハイミラン(Himilan)(登録商標)(例えば、ハイミランAM7327(Zn)、ハイミランAM7331(Na)、ハイミラン1855(Zn)、ハイミラン1856(Na)など)」が挙げられる。
さらにデュポン社から市販されている三元系アイオノマー樹脂としては、「サーリン6320(Mg)、サーリン8120(Na)、サーリン8320(Na)、サーリン9320(Zn)、サーリン9320W(Zn)など)」が挙げられる。
またエクソンモービル化学(株)から市販されている三元系アイオノマー樹脂としては、「アイオテック7510(Zn)、アイオテック7520(Zn)など)」が挙げられる。なお、商品名の後の括弧内に記載したNa、Zn、Mgなどは、中和金属イオンの種類を示している。
本発明のアイオノマー樹脂組成物は、樹脂成分として、上述した(A)三元系アイオノマー樹脂のみを含有することが好ましい態様であるが、本発明の効果を損なわない範囲で、他の熱可塑性エラストマーや熱可塑性樹脂を含有しても良い。他の熱可塑性エラストマーや熱可塑性樹脂を含有する場合、樹脂成分中、(A)前記三元系アイオノマー樹脂成分の含有率を50質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上とすることが望ましい。
前記他の熱可塑性エラストマーの具体例としては、例えばアルケマ(株)から商品名「ペバックス(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、BASFジャパン(株)から商品名「エラストラン(例えば、「エラストランXNY85A」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(例えば、「ラバロンT3221C」)」で市販されている熱可塑性ポリスチレンエラストマー等が挙げられる。前記他の熱可塑性樹脂としては、エチレンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とからなる二元共重合体系のアイオノマー樹脂を挙げることができる。
次に、本発明で使用する(B)不飽和カルボン酸の金属塩について説明する。前記不飽和カルボン酸の金属塩を構成する不飽和カルボン酸成分としては、例えば、炭素数が3〜8個のα、β−不飽和カルボン酸が好ましい。前記炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられ、特にアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。(B)不飽和カルボン酸の金属塩を構成する金属成分としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムなどの1価の金属、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ベリリウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムなどの2価の金属、アルミニウムなどの3価の金属を挙げることができる。前記金属成分は、単一の金属成分、あるいは、2種以上の金属成分であってもよい。これらのなかでも、(B)不飽和カルボン酸の金属塩としては、亜鉛塩が好ましく、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛がより好ましい。
本発明のアイオノマー樹脂組成物中における(B)不飽和カルボン酸の金属塩の含有量は、前記(A)三元系アイオノマー樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、0.08質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上がさらに好ましい。(B)不飽和カルボン酸の金属塩の含有量を0.05質量部以上とすることにより、三元系アイオノマー樹脂の反発性が向上する。また、(B)不飽和カルボン酸の金属塩の含有量が高すぎると、流動性が低下する。この観点から、(B)不飽和カルボン酸の含有量は、(A)三元系アイオノマー樹脂100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましく、5質量部以下がさらに好ましい。
本発明のアイオノマー樹脂組成物は、さらに、白色顔料(酸化チタン)、青色顔料などの顔料成分、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの比重調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、ゴルフボールの性能を損なわない範囲で含有してもよい。
前記白色顔料(酸化チタン)の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましい。白色顔料の含有量を0.5質量部以上とすることによって、ゴルフボール構成部材に隠蔽性を付与することができる。また、白色顔料の含有量が10質量部超になると、得られるゴルフボール構成部材の耐久性が低下する場合があるからである。
本発明のアイオノマー樹脂組成物は、例えば、(A)三元系アイオノマー樹脂と(B)不飽和カルボン酸の金属塩とを、ドライブレンドし、押出し、ペレット化することにより得ることができる。ドライブレンドには、例えば、ペレット状の原料を配合できる混合機を用いるのが好ましく、より好ましくはタンブラー型混合機を用いる。押出は、一軸押出機、二軸押出機、二軸一軸押出機など公知の押出機を使用することができる。押出条件としては、二軸押出機を使用する場合、例えば、スクリュー径45mm、スクリュー回転数50rpm〜400rpm、スクリューL/D=35以下、ダイ温度140℃以上、250℃以下の条件を挙げることができる。
前記アイオノマー樹脂組成物のメルトフローレイト(190℃×2.16kg)は、0.01g/10min以上が好ましく、0.05g/10min以上がより好ましく、0.1g/10min以上がさらに好ましく、100g/10min以下が好ましく、80g/10min以下がより好ましく、50g/10min以下がさらに好ましい。アイオノマー樹脂組成物のメルトフローレイトが、上記範囲内であれば、中間層やカバーへの成形性が良好である。
前記アイオノマー樹脂組成物の曲げ剛性率は、10MPa以上が好ましく、15MPa以上がより好ましく、20MPa以上がさらに好ましく、450MPa以下が好ましく、400MPa以下がより好ましく、350MPa以下がさらに好ましい。曲げ剛性率が10MPa以上のアイオノマー樹脂組成物を用いることにより、反発性(飛距離)に優れるゴルフボールが得られる。また、曲げ剛性率が450MPa以下であれば、得られるゴルフボールが適度に柔らかくなって、打球感が良好となる。
前記アイオノマー樹脂組成物の反発弾性率は、40%以上が好ましく、43%以上がより好ましく、46%以上がさらに好ましい。反発弾性率が、40%以上のアイオノマー樹脂組成物を用いることにより、反発性(飛距離)に優れるゴルフボールが得られる。前記曲げ剛性率と反発弾性率は、アイオノマー樹脂組成物をシート状に成形して測定した曲げ剛性率および反発弾性率であり、後述する測定方法により測定する。
前記アイオノマー樹脂組成物のスラブ硬度は、ショアD硬度で20以上が好ましく、25以上がより好ましく、30以上がさらに好ましく、70以下が好ましく、65以下がより好ましく、60以下がさらに好ましく、50以下が最も好ましい。スラブ硬度がショアD硬度で20以上のアイオノマー樹脂組成物を用いることにより、反発性(飛距離)に優れるゴルフボールが得られる。一方、スラブ硬度がショアD硬度で70以下のアイオノマー樹脂組成物を用いることにより、耐久性に優れるゴルフボールが得られる。ここで、アイオノマー樹脂組成物のスラブ硬度とは、アイオノマー樹脂組成物をシート状に成形して測定した硬度であり、後述する測定方法により測定する。
本発明のゴルフボールは、センターと前記センターを被覆するように配設された少なくとも一以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するように配設されたカバーとを有するゴルフボールであって、前記センター、中間層、または、カバーの少なくとも一つが、本発明のアイオノマー樹脂組成物から形成されている。
本発明のゴルフボールの好ましい態様としては、センターと前記センターを被覆するように配設された少なくとも一以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するように配設されたカバーとを有するゴルフボールであって、前記中間層の少なくとも一つが、本発明のアイオノマー樹脂組成物から形成されている態様;センターと前記センターを被覆するように配設された少なくとも一以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するように配設されたカバーとを有するゴルフボールであって、前記センターが、本発明のアイオノマー樹脂組成物から形成されている態様;および、センターと前記センターを被覆するように配設された少なくとも一以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するように配設されたカバーとを有するゴルフボールであって、前記カバーが、本発明のアイオノマー樹脂組成物から形成されている態様などを挙げることができる。
中間層が、本発明のアイオノマー樹脂組成物から形成されている場合、中間層の厚みは、2.0mm以下が好ましく、1.8mm以下がより好ましく、1.6mm以下がさらに好ましく、1.2mm以下が特に好ましい。中間層の厚みが2.0mm以下であれば、得られるゴルフボールの反発性や打球感がより良好となる。前記中間層の厚みは、0.1mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましく、0.5mm以上がさらに好ましい。中間層の厚みが0.1mm以上であれば、中間層の成形が容易となり、また得られるゴルフボールの耐久性がより向上する。
センターが、本発明のアイオノマー樹脂組成物から形成されている場合、センターの直径は、34.8mm以上が好ましく、35.0mm以上がより好ましく、35.2mm以上がさらに好ましく、41.2mm以下が好ましく、41.0mm以下がより好ましく、40.8mm以下がさらに好ましい。前記センターの直径が34.8mm以上であれば、中間層またはカバー層の厚みが厚くなり過ぎず、その結果、反発性が良好となる。一方、センターの直径が41.2mm以下であれば、中間層またはカバー層が薄くなり過ぎず、中間層またはカバー層の機能が十分に発揮される。
カバーが、本発明のアイオノマー樹脂組成物から形成されている場合、カバーの厚みは、2.0mm以下が好ましく、1.6mm以下がより好ましく、1.2mm以下がさらに好ましく、1.0mm以下が特に好ましい。カバーの厚みが2.0mm以下であれば、得られるゴルフボールの反発性や打球感がより良好となる。前記カバーの厚みは、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、0.3mm以上がさらに好ましい。カバーの厚みが0.1mm未満では、カバーの成形が困難になるおそれがあり、また、カバーの耐久性や耐摩耗性が低下する場合もある。
本発明のゴルフボールは、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときの圧縮変形量(圧縮方向に縮む量)は、2.0mm以上であることが好ましく、2.2mm以上がより好ましく、4.0mm以下であることが好ましく、3.5mm以下がより好ましい。前記圧縮変形量が2.0mm以上のゴルフボールは、硬くなり過ぎず、打球感が良い。一方、圧縮変形量を4.0mm以下にすることにより、反発性が高くなる。
以下、本発明のゴルフボールを、センターと前記センターを被覆するように配設された少なくとも一以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するように配設されたカバーとを有するゴルフボールであって、前記中間層の少なくとも一つが、本発明のアイオノマー樹脂組成物から形成されている好ましい態様に基づいて詳述するが、本発明は斯かる態様に限定されない。
前記好ましい態様において、本発明のゴルフボールのコアの構造としては、例えば、センターと前記センターを被覆するように配設された一以上の中間層とからなる多層コアを挙げることができる。コアの形状としては、球状であることが好ましい。コアの形状が球状でない場合には、カバーの厚みが不均一になる。その結果、部分的にカバー性能が低下する箇所が生じるからである。
センターの形状としては、球状が一般的であるが、球状センターの表面を分割するように突条が設けられていても良く、例えば、球状センターの表面を均等に分割するように突条が設けられていても良い。前記突条を設ける態様としては、例えば、球状センターの表面にセンターと一体的に突条を設ける態様、あるいは、球状センターの表面に突条の中間層を設ける態様などを挙げることができる。前記突条は、例えば、球状センターを地球とみなした場合に、赤道と球状センター表面を均等に分割する任意の子午線とに沿って設けられることが好ましい。例えば、球状センター表面を8分割する場合には、赤道と、任意の子午線(経度0度)、および、斯かる経度0度の子午線を基準として、東経90度、西経90度、東経(西経)180度の子午線に沿って設けるようにすれば良い。突条を設ける場合には、突条によって仕切られる凹部を、複数の中間層、あるいは、それぞれの凹部を被覆するような単層の中間層によって充填するようにして、コアの形状を球形とするようにすることが好ましい。前記突条の断面形状は、特に限定されることなく、例えば、円弧状、あるいは、略円弧状(例えば、互いに交差あるいは直交する部分において切欠部を設けた形状)などを挙げることができる。
センターは、公知のゴム組成物(以下、単に「センター用ゴム組成物」という場合がある)から形成され、例えば、基材ゴム、架橋開始剤、共架橋剤および充填剤を含むゴム組成物を加熱プレスして成形することができる。
基材ゴムとしては、天然ゴムおよび/または合成ゴムを使用することができ、例えば、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などを使用できる。これらの中でも、特に、反発に有利なシス結合が40質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上のハイシスポリブタジエンを用いることが好ましい。
架橋開始剤は、基材ゴム成分を架橋するために配合されるものである。前記架橋開始剤としては、有機過酸化物が好適である。具体的には、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられ、これらのうちジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。架橋開始剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.3質量部以上が好ましく、0.4質量部以上がより好ましく、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましい。0.3質量部未満では、コアが柔らかくなりすぎて、反発性が低下する傾向があり、5質量部を超えると、適切な硬さにするために、共架橋剤の使用量を増加する必要があり、反発性が不足気味になる。
共架橋剤としては、基材ゴム分子鎖にグラフト重合することによって、ゴム分子を架橋する作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸またはその金属塩を使用することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸またはこれらの金属塩を挙げることができる。前記金属塩を構成する金属としては、例えば、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ナトリウムなどを挙げることができ、反発性が高くなるということから、亜鉛を使用することが好ましい。
共架橋剤の使用量は、基材ゴム100質量部に対して、10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましく、20質量部以上がさらに好ましく、55質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、48質量部以下がさらに好ましい。共架橋剤の使用量が10質量部未満では、適当な硬さとするために架橋開始剤の量を増加しなければならず、反発性が低下する傾向がある。一方、共架橋剤の使用量が55質量部を超えると、コアが硬くなりすぎて、打球感が低下するおそれがある。
センター用ゴム組成物に含有される充填剤としては、主として最終製品として得られるゴルフボールの比重を1.0〜1.5の範囲に調整するための比重調整剤として配合されるものであり、必要に応じて配合すれば良い。前記充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タングステン粉末、モリブデン粉末などの無機充填剤を挙げることができる。前記充填剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、30質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。充填剤の配合量が0.5質量部未満では、重量調整が難しくなり、30質量部を超えるとゴム成分の重量分率が小さくなり反発性が低下する傾向があるからである。
センター用ゴム組成物には、基材ゴム、架橋開始剤、共架橋剤および充填剤に加えて、さらに、有機硫黄化合物、老化防止剤、しゃく解剤などを適宜配合することができる。
有機硫黄化合物としては、ジフェニルジスルフィド類を好適に使用することができる。前記ジフェニルジスルフィド類としては、例えば、ジフェニルジスルフィド;ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスルフィド,ビス(4−シアノフェニル)ジスルフィドなどのモノ置換体;ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−5−ブロモフェニル)ジスルフィドなどのジ置換体;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−4−クロロ−6−ブロモフェニル)ジスルフィドなどのトリ置換体;ビス(2,3,5,6−テトラクロロフェニル)ジスルフィドなどのテトラ置換体;ビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)ジスルフィドなどのペンタ置換体などが挙げられる。これらのジフェニルジスルフィド類はゴム加硫体の加硫状態に何らかの影響を与えて、反発性を高めることができる。これらの中でも、特に高反発性のゴルフボールが得られるという観点から、ジフェニルジスルフィド、ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィドを用いることが好ましい。前記有機硫黄化合物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、5.0質量部以下が好ましく、3.0質量部以下がより好ましい。
老化防止剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、1質量部以下であることが好ましい。また、しゃく解剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、5質量部以下であることが好ましい。
センターは、前述のセンター用ゴム組成物を混合、混練し、金型内で成形することにより得ることができる。この際の条件は、特に限定されないが、通常は130℃〜200℃、圧力2.9MPa〜11.8MPaで10分間〜60分間で行われ、例えば、前記ゴム組成物を130℃〜200℃で10分間〜60分間加熱するか、あるいは、130℃〜150℃で20分間〜40分間加熱した後、160℃〜180℃で5分間〜15分間の2段階で加熱することが好ましい。
センターの直径は、34.8mm以上が好ましく、35.0mm以上がより好ましく、35.2mm以上がさらに好ましく、41.2mm以下が好ましく、41.0mm以下がより好ましく、40.8mm以下がさらに好ましい。センターの直径が34.8mm以上であれば、中間層またはカバー層の厚みが厚くなり過ぎず、その結果、反発性が良好となる。一方、センターの直径が41.2mm以下であれば、中間層またはカバー層が薄くなり過ぎず、中間層またはカバー層の機能が十分に発揮される。
前記センターは、直径34.8mm〜41.2mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にセンターが縮む量)が、1.90mm以上が好ましく、2.00mm以上がより好ましく、2.10mm以上がさらに好ましく、4.00mm以下が好ましく、3.90mm以下がより好ましく、3.80mm以下がさらに好ましい。前記圧縮変形量が、1.90mm以上であれば打球感が良好となり、4.00mm以下であれば、反発性が良好となる。
センターの表面硬度は、ショアD硬度で40以上が好ましく、45以上がより好ましく、55以上がさらに好ましく、65以下が好ましく、62以下がより好ましく、60以下がさらに好ましい。センターの表面硬度を、ショアD硬度で40以上とすることにより、センターが軟らかくなり過ぎることがなく、良好な反発性が得られる。また、センターの表面硬度をショアD硬度で65以下とすることにより、センターが硬くなり過ぎず、良好な打球感が得られる。
センターの中心硬度は、ショアD硬度で30以上であることが好ましく、32以上がより好ましく、35以上がさらに好ましい。センターの中心硬度がショアD硬度で30未満であると、軟らかくなりすぎて反発性が低下する場合がある。また、センターの中心硬度は、ショアD硬度で50以下であることが好ましく、48以下がより好ましく、45以下がさらに好ましい。中心硬度がショアD硬度で50を超えると、硬くなり過ぎて、打球感が低下する傾向があるからである。本発明において、センターの中心硬度とは、センターを2等分に切断して、その切断面の中心点についてスプリング式硬度計ショアD型で測定した硬度を意味する。
上記好ましい態様において、中間層は、本発明のアイオノマー樹脂組成物(以下、単に「中間層用組成物」という場合がある)から形成され、例えば、センターを中間層用組成物で被覆することにより形成される。中間層を成形する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、中間層用組成物を予め半球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてセンターを包み、130℃〜170℃で1分間〜5分間加圧成形する圧縮成形法や、中間層用組成物をセンター上に直接射出成形する射出成形法を挙げることができる。
中間層用組成物をセンター上に射出成形して中間層を成形する場合、中間層成形用上下金型としては、半球状キャビティを有し、ピンプル付きで、ピンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねているものを使用することが好ましい。射出成形による中間層の成形は、上記ホールドピンを突き出し、センターを投入してホールドさせた後、加熱溶融された中間層用組成物を注入し、冷却することにより中間層を成形することができる。具体的には、980kPa〜1,500kPaの圧力で型締めした金型内に、150℃〜230℃に加熱溶融した中間層用組成物を0.1秒〜1秒で注入し、15秒〜60秒間冷却して型開きすることにより行うことが好ましい。
中間層の厚みは、2.0mm以下が好ましく、1.8mm以下がより好ましく、1.6mm以下がさらに好ましく、1.2mm以下が特に好ましい。中間層の厚みが2.0mm以下であれば、得られるゴルフボールの反発性や打球感がより良好となる。中間層の厚みは、0.1mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましく、0.5mm以上がさらに好ましい。中間層の厚みが0.1mm以上であれば、中間層の成形が容易となり、また得られるゴルフボールの耐久性がより向上する。
上記好ましい態様において、ゴルフボールのコアの直径は、39.0mm以上であることが好ましく、39.5mm以上がより好ましく、40.8mm以上がさらに好ましい。コアの直径が39.0mm未満では、カバーが厚くなり過ぎて反発性が低下するからである。また、コアの直径は、42.2mm以下であることが好ましく、42.0mm以下が好ましく、41.8mm以下がさらに好ましい。コアの直径が42.2mmを超えると相対的にカバーが薄くなり過ぎて、カバーによる保護効果が十分に得られないからである。
上記好ましい態様において、本発明のゴルフボールのカバーは、樹脂成分を含有するカバー用組成物から形成される。前記樹脂成分としては、ポリウレタン樹脂、アイオノマー樹脂、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(登録商標)(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(登録商標)(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(登録商標)(例えば、「ラボロンT3221C」)」で市販されている熱可塑性ポリスチレンエラストマーなどが挙げられる。これらの樹脂成分は単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記好ましい態様において、ゴルフボールのカバーを構成するカバー用組成物は、樹脂成分として、ポリウレタン樹脂またはアイオノマー樹脂を含有することが好ましい。カバー用組成物の樹脂成分中のポリウレタン樹脂またはアイオノマー樹脂の含有率は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。より好ましい態様では、カバー用組成物が、アイオノマー樹脂を含有する。カバーと中間層とがともにアイオノマー樹脂成分を含有することになり、カバーと中間層との密着性が一層高くなるからである。
カバー用組成物は、上述した樹脂成分のほか、白色顔料(酸化チタン)、青色顔料、赤色顔料などの顔料成分、酸化亜鉛、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの比重調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、カバーの性能を損なわない範囲で含有してもよい。
白色顔料(酸化チタン)の含有量は、カバーを構成する樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましい。白色顔料の含有量を0.5質量部以上とすることによって、カバーに隠蔽性を付与することができる。また、白色顔料の含有量が10質量部超になると、得られるカバーの耐久性が低下する場合があるからである。
本発明のゴルフボールのカバーを成形する方法としては、例えば、カバー用組成物から中空殻状のシェルを成形し、コアを複数のシェルで被覆して圧縮成形する圧縮成形法(好ましくは、カバー用組成物から中空殻状のハーフシェルを成形し、コアを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法)、あるいは、カバー用組成物をコア上に直接射出成形する射出成形法を挙げることができる。
カバー用組成物を射出成形してカバーを成形する場合、あらかじめ押出して得られたペレット状のカバー用組成物を用いて射出成形しても良いし、あるいは、基材樹脂成分や顔料などのカバー用材料をドライブレンドして直接射出成形してもよい。カバー成形用上下金型としては、半球状キャビティを有し、ピンプル付きで、ピンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねているものを使用することが好ましい。射出成形によるカバーの成形は、上記ホールドピンを突き出し、コアを投入してホールドさせた後、カバー用組成物を注入して、冷却することによりカバーを成形することができる。具体的には、9MPa〜15MPaの圧力で型締めした金型内に、200℃〜250℃に加熱したカバー用組成物を0.5秒〜5秒で注入し、10秒〜60秒間冷却して型開きすることにより行うことが好ましい。
カバーを成形する際には、通常、表面にディンプルと呼ばれるくぼみが形成される。カバーに形成されるディンプルの総数は、200個以上500個以下が好ましい。ディンプルの総数が200個未満では、ディンプルの効果が得られにくい。また、ディンプルの総数が500個を超えると、個々のディンプルのサイズが小さくなり、ディンプルの効果が得られにくい。形成されるディンプルの形状(平面視形状)は、特に限定されるものではなく、円形;略三角形、略四角形、略五角形、略六角形などの多角形;その他不定形状;を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
カバーの厚みは、2.0mm以下が好ましく、1.6mm以下がより好ましく、1.2mm以下がさらに好ましく、1.0mm以下が特に好ましい。カバーの厚みが2.0mm以下であれば、得られるゴルフボールの反発性や打球感がより良好となる。前記カバーの厚みは、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、0.3mm以上がさらに好ましい。カバーの厚みが0.1mm未満では、カバーの成形が困難になるおそれがあり、また、カバーの耐久性や耐摩耗性が低下する場合もある。
カバーが成形されたゴルフボール本体は、金型から取り出し、必要に応じて、バリ取り、洗浄、サンドブラストなどの表面処理を行うことが好ましい。また、所望により、塗膜やマークを形成することもできる。塗膜の膜厚は、特に限定されないが、5μm以上が好ましく、7μm以上がより好ましく、25μm以下が好ましく、18μm以下がより好ましい。膜厚が5μm未満になると継続的な使用により塗膜が摩耗消失しやすくなり、膜厚が25μmを超えるとディンプルの効果が低下してゴルフボールの飛行性能が低下するからである。
以上、本発明のアイオノマー樹脂組成物を中間層に用いる態様について説明したが、本発明のアイオノマー樹脂組成物は、センター、あるいは、カバーにも用いることもできる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)センター(ショアD硬度)
ASTM−D2240に規定するスプリング式硬度計ショアD型を備えた高分子計器社製自動ゴム硬度計P1型を用いて、センターの表面部において測定したショアD硬度をセンター表面硬度とし、センターを半球状に切断し、切断面の中心において測定したショアD硬度をセンター中心硬度とした。
(2)スラブ硬度(ショアD硬度)
アイオノマー樹脂組成物を用いて、射出成形により、厚み約2mmのシートを作製し、23℃で2週間保存した。このシートを、測定基板などの影響が出ないように、3枚以上重ねた状態で、ASTM−D2240に規定するスプリング式硬度計ショアD型を備えた高分子計器社製自動ゴム硬度計P1型を用いて測定した。
(3)圧縮変形量(mm)
センター、コアまたはゴルフボールに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮方向の変形量(圧縮方向にセンター、コアまたはゴルフボールが縮む量)を測定した。
(4)メルトフローレイト(MFR)(g/10min)
MFRは、フローテスター(島津製作所社製、島津フローテスターCFT−100C)を用いて、JIS K7210に準じて測定した。なお、測定は、測定温度190℃、荷重2.16kgの条件で行った。
(5)曲げ剛性率(MPa)
アイオノマー樹脂組成物を用いて、熱プレス成形にて厚み約2mmのシートを作製し、23℃で2週間保存した。曲げ剛性率を、JIS K 7106に準じて測定した。測定は、温度23℃、湿度50%RHで行った。
(6)反発弾性率(%)
アイオノマー樹脂組成物を用いて、熱プレス成形にて厚み約2mmのシートを作製し、当該シートから直径28mmの円形状に打抜いたものを6枚重ねることにより、厚さ約12mm、直径28mmの円柱状試験片を作製した。この試験片についてリュプケ式反発弾性試験(試験温湿度23℃、50RH%)を行った。なお、試験片の作製および試験方法は、JIS K6255に準じて行った。
(7)反発係数
各ゴルフボールに198.4gの金属製円筒物を40m/秒の速度で衝突させ、衝突前後の上記円筒物およびゴルフボールの速度を測定し、それぞれの速度および重量から各ゴルフボールの反発係数を算出した。測定は各ゴルフボールについて12個ずつ行って、その平均値を各ゴルフボールの反発係数とした。なお、反発係数は、ゴルフボールNo.1〜No.17については、ゴルフボールNo.13の反発係数を100.0として、ゴルフボールNo.18〜No.32については、ゴルフボールNo.28の反発係数を100.0として、ゴルフボールNo.33〜No.49については、ゴルフボールNo.45の反発係数を100.0として、指数化した値で示した。
(8)耐擦過傷性
ゴルフラボラトリー社製のスイングロボットに市販のサンドウエッジ(SRIスポーツ社製、シャフトS)を取り付け、ヘッドスピード36m/秒で、ボールの2箇所を各1回打撃し、各打撃部を観察して8段階で評価し、2箇所の平均値を求めた。なお、点数が低いほど耐擦過傷性が高いものであることを示している。
評価基準
0点:打撃痕が判別できない。
1点:点(最大3mm未満)でめくれがある。
2点:点(最大3mm以上)でめくれがある。
3点:線(最大5mm以上)でめくれがある。
4点:線(最大5mm以上)でしっかりとめくれがある。
5点:線(最大5mm以上)で深く、広くめくれがある。
6点:深く、広くめくれて、面になりかけている。
7点:面で削れている。
(9)打球感
ゴルファー10人により、メタルヘッド製W#1ドライバーを用いて実打テストを行った。打撃時の反発感を下記基準に基づいて評価を行い、最も多い評価結果をその打球感とした。
○:衝撃が少なくて良い
△:普通
×:衝撃が大きくて悪い
(10)耐久性
ゴルフラボラトリー社製のスイングロボットM/Cに、メタルヘッド製W#1ドライバー(SRIスポーツ社製、XXIO S ロフト11°)を取り付け、各ゴルフボールをヘッドスピード45m/秒で打撃して、ゴルフボールが壊れるまでの繰返し打撃回数を測定した。なお、外見上は壊れていなくとも、中間層に割れが生じている場合もあるが、このような場合には、ゴルフボールの変形や打球音の違いから、壊れているかどうかを判断した。ゴルフボールの耐久性は、ゴルフボールNo.1〜No.17については、ゴルフボールNo.13の耐久性を100として、ゴルフボールNo.18〜No.32については、ゴルフボールNo.28の耐久性を100として、ゴルフボールNo.33〜No.49については、ゴルフボールNo.45の耐久性を100として、指数化した値で示した。指数化された値が大きいほど、ゴルフボールが耐久性に優れていることを示す。
[ゴルフボールの作製]
(1)センターの作製
表1に示す配合のセンター用ゴム組成物を混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で170℃、15分間加熱プレスすることにより球状のセンターを得た。なお、硫酸バリウムは、得られるゴルフボールの質量が、45.4gとなるように適量加えた。
Figure 0005312292
ポリブタジエンゴム:JSR社製、「BR730(ハイシスポリブタジエン)」
アクリル酸亜鉛:日本蒸溜工業社製、「ZNDA−90S」
酸化亜鉛:東邦亜鉛社製、「銀嶺(登録商標)R」
ジクミルパーオキサイド:日油社製、「パークミル(登録商標)D」
ジフェニルジスルフィド:住友精化社製
硫酸バリウム:堺化学社製、「硫酸バリウムBD」
(2)アイオノマー樹脂組成物の調製
表2、表3に示した配合材料を、二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状のアイオノマー樹脂組成物を調製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は、押出機のダイの位置で160〜230℃に加熱された。
Figure 0005312292
サーリン6320:デュポン社製、マグネシウムイオン中和エチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル三元共重合体アイオノマー樹脂(メルトフローレイト(190℃×2.16kg):1.0g/10min)
ハイミランAM7327:三井・デュポンポリケミカル社製、亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル三元共重合体アイオノマー樹脂(メルトフローレイト(190℃×2.16kg):0.7g/10min)
ハイミランAM7329:三井・デュポンポリケミカル社製、亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸二元共重合体アイオノマー樹脂(メルトフローレイト(190℃×2.16kg):5g/10min)
表2から明らかなように、(A)三元共重合体のアイオノマー樹脂100質量部に対して、(B)不飽和カルボン酸の金属塩を0.05〜10質量部添加することにより、反発弾性率が向上していることが分かる。
Figure 0005312292
ハイミラン1555:三井デュポンポリケミカル社製、ナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸二元共重合体系アイオノマー樹脂(MFR:10g/10min、ショアD硬度:60)
ハイミラン1605:三井デュポンポリケミカル社製、ナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸二元共重合体系アイオノマー樹脂(MFR:2.8g/10min、ショアD硬度:65)
ハイミランAM7329:三井・デュポンポリケミカル社製、亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸二元共重合体アイオノマー樹脂(フローテスターによる溶融粘度(190℃):1100Pa・s、メルトフローレイト(190℃×2.16kg):5g/10min)
ラバロンT3221C:三菱化学社製のポリスチレン系エラストマー
(3)ゴルフボール本体の作製
ゴルフボールNo.1〜No.17
中間層用組成物として、表2に示したアイオノマー樹脂組成物a〜lを用い、センターA上に射出成形することにより、前記センターを被覆する中間層を形成して、球状コアを作製した。続いて、前記球状コア上に、表3に示したアイオノマー樹脂組成物mを射出成型することによりカバーを形成して、ゴルフボールを作製した。
ゴルフボールNo.18〜No.32
表2に示したアイオノマー樹脂組成物a〜lを射出成形することによりセンターを作製した。前記センター上に、表3に示したアイオノマー樹脂組成物nを射出成型することにより中間層を形成して、コアを作製し、続いて、前記球状コア上に、表3に示したアイオノマー樹脂組成物mを射出成型することによりカバーを形成して、ゴルフボールを作製した。
ゴルフボールNo.33〜No.49
中間層用組成物として、表3に示したアイオノマー樹脂組成物oを用い、センターB上に射出成形することにより、前記センターを被覆する中間層を形成して、球状コアを作製した。続いて、前記球状コア上に、表2に示したアイオノマー樹脂組成物a〜lを射出成型することによりカバーを形成して、ゴルフボールを作製した。
中間層およびカバーを成形するための成形用上下金型は、半球状キャビティを有し、ピンプル付きで、ピンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねている。中間層成形時には、上記ホールドピンを突き出し、センターを投入後ホールドさせ、80トンの圧力で型締めした金型に260℃に加熱した中間層用組成物を0.3秒で注入し、30秒間冷却して型開きしてコアを取り出した。カバー成形時には、上記ホールドピンを突き出し、コアを投入後ホールドさせ、80トンの圧力で型締めした金型に210℃に加熱した樹脂を0.3秒で注入し、30秒間冷却して型開きしてゴルフボールを取り出した。得られたゴルフボール本体の表面をサンドブラスト処理して、マーキングを施した後、クリアーペイントを塗布し、40℃のオーブンで塗料を乾燥させ、直径42.8mm、質量45.4gのゴルフボールを得た。得られたゴルフボールの構成および評価結果を表4〜表6にまとめた。
Figure 0005312292
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表4〜表6から明らかなように、本発明のゴルフボールは、反発性および耐久性に優れ、打球感も良好である。本発明のアイオノマー樹脂をカバーに用いたゴルフボールは、耐擦過傷性にも優れる。
本発明は、ゴルフボールに関するものであり、アイオノマー樹脂組成物を用いたゴルフボールに好適である。

Claims (11)

  1. センターと前記センターを被覆するように配設された少なくとも一以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するように配設されたカバーとを有するゴルフボールであって、前記センター、中間層、または、カバーの少なくとも一つが、(A)エチレンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体のアイオノマー樹脂100質量部に対して、(B)アクリル酸の金属塩またはメタクリル酸の金属塩を0.05質量部〜10質量部含有し、スラブ硬度がショアD硬度で20〜60であるアイオノマー樹脂組成物から形成されていることを特徴とするゴルフボール。
  2. センターと前記センターを被覆するように配設された少なくとも一以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するように配設されたカバーとを有するゴルフボールであって、前記中間層の少なくとも一つが、(A)エチレンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体のアイオノマー樹脂100質量部に対して、(B)アクリル酸の金属塩またはメタクリル酸の金属塩を0.05質量部〜10質量部含有し、スラブ硬度がショアD硬度で20〜60であるアイオノマー樹脂組成物から形成されていることを特徴とするゴルフボール。
  3. センターと前記センターを被覆するように配設された少なくとも一以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するように配設されたカバーとを有するゴルフボールであって、前記センターが、(A)エチレンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体のアイオノマー樹脂100質量部に対して、(B)アクリル酸の金属塩またはメタクリル酸の金属塩を0.05質量部〜10質量部含有し、スラブ硬度がショアD硬度で20〜60であるアイオノマー樹脂組成物から形成されていることを特徴とするゴルフボール。
  4. センターと前記センターを被覆するように配設された少なくとも一以上の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆するように配設されたカバーとを有するゴルフボールであって、前記カバーが、(A)エチレンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体のアイオノマー樹脂100質量部に対して、(B)アクリル酸の金属塩またはメタクリル酸の金属塩を0.05質量部〜10質量部含有し、スラブ硬度がショアD硬度で20〜60であるアイオノマー樹脂組成物から形成されていることを特徴とするゴルフボール。
  5. 前記(A)三元共重合体のアイオノマー樹脂が、マグネシウム、亜鉛、およびナトリウムより成る群から選択される少なくとも1種の金属イオンで中和されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  6. 前記(B)アクリル酸の金属塩またはメタクリル酸の金属塩の含有量が、前記(A)三元共重合体のアイオノマー樹脂100質量部に対して、0.05質量部〜5質量部である請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  7. 前記(B)アクリル酸の金属塩またはメタクリル酸の金属塩は、アクリル酸の亜鉛塩またはメタクリル酸の亜鉛塩である請求項1〜のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  8. 前記中間層の厚みが、0.1〜2.0mmである請求項2に記載のゴルフボール。
  9. 前記センターの直径が、34.8mm〜41.2mmである請求項3に記載のゴルフボール。
  10. 前記カバーの厚みが、0.1〜2.0mmである請求項4に記載のゴルフボール。
  11. 初期荷重98Nから終荷重1275Nを負荷したときの圧縮変形量が、2.0mm〜4.0mmである請求項1〜10のいずれか一項に記載のゴルフボール。
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