JP2004242850A - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明により、耐久性に優れ、かつ打撃時に低ヘッドスピードのゴルファーであってもミドルアイアンからドライバーでの打撃時に高打出角化および低スピン量化を実現することにより飛距離を向上させたマルチピースソリッドゴルフボールマルチピースソリッドゴルフボールを提供する。
【解決手段】本発明は、センター(1)、該センター上に形成された中間層(2)、および該中間層を被覆するカバー(3)から成るマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、該中間層(2)が貫通衝撃試験における最大荷重時の伸び9〜20mmおよび曲げ剛性率300〜2,000MPaを有する材料から形成されることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボールに関する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、センター(1)、該センター上に形成された中間層(2)、および該中間層を被覆するカバー(3)から成るマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、該中間層(2)が貫通衝撃試験における最大荷重時の伸び9〜20mmおよび曲げ剛性率300〜2,000MPaを有する材料から形成されることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボールに関する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチピースソリッドゴルフボールに関し、更に詳しくは耐久性に優れ、かつ打撃時に低ヘッドスピードのゴルファーであってもミドルアイアンからドライバーでの打撃時に高打出角化および低スピン量化を実現することにより飛距離を向上させたマルチピースソリッドゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフボールには、一般にツーピ―スゴルフボールやスリーピースゴルフボールなどのソリッドゴルフボールと糸巻きゴルフボールがある。ソリッドゴルフボールは、糸巻きゴルフボールに比べて、優れた飛行性能と耐久性を有するために市場においても大半を占めているが、打球感が硬く衝撃力も大きく、また打撃時のボール速度が大きいためスピンがかかりにくく、アプローチショットでのコントロール性の面で糸巻きゴルフボールに劣っていた。
【0003】
近年、ツーピ―スゴルフボールおよびスリーピースゴルフボールは、従来の糸巻きゴルフボールと同等のソフトな打球感や優れたコントロール性を維持したまま、飛距離を増大させることが可能となり、市場においても大半を占めている。また、スリーピースゴルフボールのようなマルチピースゴルフボールにおいては、ツーピースゴルフボールに比較して多種の硬度分布を得ることができ、飛行性能を損なうことなく打球感やコントロール性に優れたゴルフボールが提供されている。
【0004】
また、ゴルフクラブで打撃されたゴルフボールの弾道は、打出角とバックスピンとに大きく影響される。即ち、打出角が大きなゴルフボールは高弾道となる傾向にあり、逆に打出角が小さいゴルフボールは低弾道となる傾向がある。また、バックスピンによって打撃されたゴルフボールに揚力が生じるので、このバックスピン量が大きなゴルフボールは高弾道となる傾向にあり、逆にバックスピン量が小さいゴルフボールは低弾道となる傾向がある。ゴルフボールに対するゴルファーの要求性能として、飛距離、打球感、コントロール性等が挙げられる。特にゴルファーがウッド(ドライバー等)、ロングアイアン、ミドルアイアン等のゴルフクラブを使用する場合は、飛距離が重要な要求性能となる。
【0005】
ウッド等のゴルフクラブで打撃された場合の飛距離増大のためには、ゴルフボールはある程度の高い弾道および長い滞空時間を有する必要があることはよく知られている。前述のように、打出角が大きいゴルフボールや、バックスピン量の大きいゴルフボールは高弾道となるが、バックスピン量が大き過ぎるゴルフボールは飛距離が短い傾向がある。これは、運動エネルギーがバックスピンによって消費されることや、揚力が飛行方向に対して垂直にかかるので弾道最高点まではゴルフボールを後方に引き戻す力が揚力によって生じることに起因すると推測される。バックスピン量があまり大きくなく、高い打出角によって高弾道が達成されるゴルフボールが、ウッド等のゴルフクラブで打撃された場合の飛距離が大きいゴルフボールであると言える。
【0006】
このような知見に基づき、他の特性、例えば打球感、コントロール性や耐久性等を損なうことなく、打撃時のバックスピン量が小さく、かつ打出角が大きくて飛距離が大きいゴルフボールの開発が、材料の配合面からも構造面からも数多くなされている(例えば、特許文献1、特許文献2等)。
【0007】
特許文献1には、コアとカバーを有するゴルフボールにおいて、上記カバーは内層カバーと外層カバーとの2層からなり、上記内層カバーが、温度23℃、相対湿度50%の平衡時の曲げ弾性率が6000〜30000kgf/cm2のポリアミド樹脂と、JIS‐A硬度が30〜98°の熱可塑性エラストマーとが重量比95:5〜50:50の割合で配合され、温度23℃、相対湿度50%の平衡時の曲げ弾性率が5000〜12000kgf/cm2の樹脂組成物からなることを特徴とするゴルフボールが記載されている。
【0008】
特許文献2には、ソリッドコアと中間層とカバーとの3層構造からなるスリーピースソリッドゴルフボールにおいて、JIS‐C型硬度計での測定で、コアの中心硬度が75度以下、コア表面硬度が85度以下であり、コア表面硬度がコア中心硬度より8〜20度高硬度であると共に、中間層硬度がコア表面硬度より5度以上硬く、カバー硬度が中間層硬度より5度以上軟らかく、かつディンプル表面占有率が62%以上であることを特徴とするスリーピースソリッドゴルフボールが記載されている。
【0009】
しかしながら、ゴルファーのゴルフボール性能への要求は高く、前述のような他の特性を損なうことなく、打撃時のバックスピン量が小さく、かつ打出角が大きくて飛距離が大きいという要求をすべて満足するゴルフボールは未だに得られていない。
【0010】
【特許文献1】
特開平9‐38238号公報
【特許文献2】
特開平9‐239068号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来のソリッドゴルフボールの有する問題点を解決し、耐久性に優れ、かつ打撃時に低ヘッドスピードのゴルファーであってもミドルアイアンからドライバーでの打撃時に高打出角化および低スピン量化を実現することにより飛距離を向上させたマルチピースソリッドゴルフボールを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、センター、中間層およびカバーから成るマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、中間層の貫通衝撃試験における最大荷重時の伸びおよび曲げ剛性率を特定範囲内に規定することにより、耐久性に優れ、かつ打撃時に低ヘッドスピードのゴルファーであってもミドルアイアンからドライバーでの打撃時に高打出角化および低スピン量化を実現することにより飛距離を向上させたマルチピースソリッドゴルフボールが得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明は、センター(1)、該センター上に形成された中間層(2)、および該中間層を被覆するカバー(3)から成るマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、該中間層(2)が貫通衝撃試験における最大荷重時の伸び9〜20mmおよび曲げ剛性率300〜2,000MPaを有する材料から形成されることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボールに関する。
【0014】
本発明者等は、飛距離を向上するために、特に高打出角化および低スピン量化に注目して、ゴルフボールの構造および材料について鋭意検討を行った結果、中間層に貫通衝撃試験における最大荷重時の伸びが9〜20mmと大きく、かつ曲げ剛性率が300〜2,000MPaと高い材料を使用することによって、耐久性を損なうことなく、センターと中間層との曲げ剛性率の差が大きくなり、飛距離の重要な要素である打出角とスピン量とが高打出角化および低スピン量化されることにより、飛距離が増大することを可能としたものである。
【0015】
前述のように先行技術においても、曲げ弾性率の高い材料や硬度の高い材料を中間層に使用したゴルフボールは公知である。中間層を硬くして、軟らかいセンターと軟らかいカバーとを組み合わせる等により、諸性能のバランスを改善することはある程度可能である。しかしながら、例えば軟らかいセンターと軟らかいカバーとを組み合わせた場合、中間層が硬いため、中間層に応力が集中して中間層の耐久性が低下する。特に、特許文献2よりも更に中間層を硬くした場合、耐久性が大きく低下する。そこで、本発明では、中間層に硬くて、かつ伸びの大きな材料を用いることによって、耐久性をも十分に高めたものである。ここで、衝撃試験値の内で引張モード等でなく貫通モードを選択したのは、ミドルアイアンからドライバーでの打撃時の衝突現象により近いことによる。
【0016】
具体的には、本発明のゴルフボールはセンター(1)、中間層(2)およびカバー(3)から成り、
中間層(2)を貫通衝撃試験における最大荷重時の伸び9〜20mmを有する材料から形成することによって、反発性および耐久性に優れ、
中間層(2)を曲げ剛性率300〜2,000MPaを有する材料から形成することによって、ミドルアイアンからドライバーでの打撃時に高打出角化および低スピン量化を実現することにより飛距離を向上させ、
従って、耐久性に優れ、かつ打撃時に低ヘッドスピードのゴルファーであってもミドルアイアンからドライバーでの打撃時に高打出角化および低スピン量化を実現することにより飛距離を向上させたマルチピースソリッドゴルフボールを達成し得たものである。
【0017】
更に、本発明を好適に実施するためには、
上記中間層(2)が、貫通衝撃試験における最大荷重時の伸び9〜16mmおよび曲げ剛性率350〜1,500MPaを有する材料から形成され;
上記中間層(2)が、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、アイオノマー樹脂およびそれらの変性物から成る群から選択される材料から形成され;
上記中間層(2)が厚さ0.3〜2.0mmを有する;
ことが好ましい。
【0018】
本発明のスリーピースソリッドゴルフボールを図1を参照して説明する。図1は本発明のゴルフボールの1つの態様の概略断面図である。本発明のスリーピースソリッドゴルフボールでは、センター(1)上に中間層(2)を形成し、該中間層(2)上にカバー(3)を形成する。センター(1)は、基材ゴム、共架橋剤、有機過酸化物、充填材等を含有するゴム組成物を、通常のソリッドゴルフボールのコアに用いられる方法、条件を用いて加熱プレスして加硫することにより得られる。
【0019】
基材ゴムとしては、従来からソリッドゴルフボールに用いられている合成ゴムが用いられ、特にシス‐1,4‐結合少なくとも40%以上、好ましくは80%以上を有するいわゆるハイシスポリブタジエンゴムが好ましく、所望により、上記ポリブタジエンゴムには天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、エチレン‐プロピレン‐ジエンゴム(EPDM)等を配合してもよい。
【0020】
共架橋剤としては、特に限定されないが、アクリル酸またはメタクリル酸等のような炭素数3〜8個のα,β‐不飽和カルボン酸、またはその亜鉛、マグネシウム塩等の一価または二価の金属塩、またはそれらの混合物等が挙げられるが、高い反発性を付与するアクリル酸亜鉛が好適である。上記共架橋剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対して、好ましくは20〜40重量部、より好ましくは22〜35重量部、特に好ましくは22〜32重量部である。20重量部未満では加硫が十分に行われず軟らくなり過ぎて、反発性が低下して飛距離が低下し、40重量部より多いとボールが硬くなり過ぎて打球感が悪くなる。
【0021】
有機過酸化物は、架橋剤または硬化剤として作用し、例えばジクミルパーオキサイド、1,1‐ビス(t‐ブチルパーオキシ)‐3,3,5‐トリメチルシクロヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)へキサン、ジ‐t‐ブチルパーオキサイド等が挙げられ、ジクミルパーオキサイドが好適である。上記有機過酸化物の配合量は、ポリブタジエン100重量部に対して、0.1〜3.0重量部、好ましくは0.1〜2.8重量部、より好ましくは0.2〜2.5重量部である。0.1重量部未満では、軟らかくなり過ぎて、反発性が低下して飛距離が低下する。3.0重量部を越えると、硬くなり過ぎて打球感が悪くなる。
【0022】
充填材は、ゴルフボールのコアに通常配合されるものであればよく、例えば無機塩(具体的には、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム)、高比重金属粉末(例えば、タングステン粉末、モリブデン粉末等)およびそれらの混合物が挙げられる。配合量はカバーおよびセンターの比重、大きさ等に左右され限定的ではないが、基材ゴム100重量部に対して、通常用いられる5〜50重量部とする。
【0023】
更に本発明のゴルフボールのセンター(1)には、老化防止剤またはしゃく解剤、硫黄、その他ソリッドゴルフボールのセンターの製造に通常使用し得る成分を適宜配合してもよい。尚、使用する場合、配合量は基材ゴム100重量部に対して、老化防止剤は0.1〜2.0重量部、しゃく解剤は0.1〜2.0重量部、硫黄は0.01〜1.0重量部が好ましい。
【0024】
本発明のゴルフボールに用いられるセンター(1)は一般に、前述のゴム組成物を金型内で130〜180℃、圧力2.8〜9.8MPaで10〜50分間加硫成形することにより得ることができるが、前述のように特に限定されない。本発明のゴルフボールでは、センター(1)の直径は37.2〜41.2mm、好ましくは38.4〜41.2mm、より好ましくは39.4〜40.8mmである。上記センター(1)の直径が37.2mmより小さいと、中間層またはカバーが厚くなり、中間層が厚い場合には硬くなり過ぎ、カバーが厚い場合には反発性が低下する。上記センター(1)の直径が41.2mmより大きいと、中間層やカバーの厚さが小さくなり、耐久性が悪いものとなる。
【0025】
本発明のゴルフボールでは、センター(1)は初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量3.0〜6.0mm、好ましくは3.3〜5.5mm、より好ましくは3.5〜5.0mmを有することが望ましい。上記変形量が3.0mmより小さいと、センターが硬くなり過ぎて打撃時に変形しにくくなって打球感が悪くなる。上記変形量が6.0mmより大きいと、打撃時のセンターの変形量が大きくなって打球感が重くて悪いものとなると共に、得られるゴルフボールの耐久性が悪いものとなる。次いで、上記センター(1)上には、中間層(2)を被覆する。
【0026】
本発明のゴルフボールでは、中間層(2)が貫通衝撃試験における最大荷重時の伸び9〜20mmを有することを要件とするが、好ましくは9〜18mm、より好ましくは10〜16mmである。上記伸びが9mmより小さいと耐久性が悪くなって割れが発生し、20mmより大きいと材料自体の硬度が大きく低下してしまう。
【0027】
上記貫通衝撃試験における最大荷重時の伸びとは、上記中間層用材料から作製された厚さ約1mmの熱プレスシート(スラブ)を作製し、100mm×100mm×1mmの試験片を切り出し、図2に示すような落錐型衝撃試験装置ダイナタップ(Dynatup)‐8250(ゼネラル・リサーチ社(GeneralReserch Co.))を用いて貫通衝撃試験を行うことにより決定した。上記試験片を内径78mmを有するサポートリングで完全にクランプし、全重量5.91kgおよび先端直径10mmを有する半球状のストライカーを衝突速度4m/秒で落下させ、試料片を貫通させた。試験温度は、23℃とし、荷重およびストライカーの変位(伸び)をコンピュータ処理により測定し、最大荷重時の伸びを決定した。
【0028】
本発明のゴルフボールにおいては、上記中間層(2)は、曲げ剛性率300〜2,000MPaを有する材料から形成されることを要件とするが、上記材料の曲げ剛性率は好ましくは350〜1,500MPa、より好ましくは400〜1,300MPaである。上記中間層(2)用材料の曲げ剛性率が300MPaより小さいと高打出角化および低スピン量化する効果が十分に得られず、2,000MPaより大きいと打球感が硬くて悪くなり、また耐久性が悪いものとなる。
【0029】
上記曲げ剛性率とは、上記中間層用材料から作製された厚さ約2mmの熱プレスシート(スラブ)を作製し、23℃で2週間保存後、JIS K7106に準じて測定した曲げ剛性率を意味する。
【0030】
本発明では、中間層が上記のような特定範囲の貫通衝撃試験における最大荷重時の伸びおよび曲げ剛性率を有する材料から形成されれば特に限定されないが、一種の材料のみから形成されることが好ましい。これは、上記中間層に二種以上の材料をブレンドしてなる材料を用いると、一種の材料のみを用いた場合と比較して、主として耐久性が低下し、また反発性能も低下する。詳細については不明であるが、各材料間の相溶性が低下したり、中間層全体としての均一分散性が低下することによるものと考えられる。本発明のゴルフボールにおいて、中間層(2)が上記のように貫通衝撃試験における最大荷重時の伸び9〜20mmおよび曲げ剛性率300〜2,000MPaを有する一種の材料のみから形成される場合には、当然ながら形成された中間層(2)は、上記伸びおよび曲げ剛性率値を有する。
【0031】
本発明のゴルフボールにおいては、上記中間層(2)は上記のような貫通衝撃試験における最大荷重時の伸びおよび曲げ剛性率を有する材料から形成されれば特に限定されないが、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、アイオノマー樹脂およびそれらの変性物から成る群から選択される材料から形成されることが望ましい。
【0032】
上記中間層用材料の具体例として、BASFジャパン(株)から商品名「エラストランXHM76D」で市販されているポリウレタン系熱可塑性エラストマー、アトフィナジャパン(株)から商品名「ペバックス7233」で市販されているポリアミド系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー;三菱エンジニアリングプラスチックス(株)から商品名「ユーピロン」で市販されている(例えば、「ユーピロンPM1220」)ポリカーボネート樹脂およびその変性体;三菱エンジニアリングプラスチックス(株)から商品名「ユピタール」で市販されている(例えば、「ユピタールFU2025」)ポリアセタール樹脂およびその変性体;デュポン社から商品名「サーリン(Surlyn)」で市販されている(例えば、「サーリン8140(Na)」、「サーリン8150(Na)」、「サーリン8945(Na)」、「サーリン9120(Zn)」、「サーリン9150(Zn)」、「サーリン9945(Zn)」、「サーリン6120(Mg)」、「サーリンAD8546(Li)」、「サーリン7930(Li)」、「サーリン7940(Li)」)アイオノマー樹脂、三井デュポンポリケミカル社から商品名「ハイミラン(Hi‐milan)」で市販されている(例えば、「ハイミラン1605(Na)」、「ハイミラン1707(Na)」、「ハイミラン1706(Zn)」、「ハイミランAM7311(Mg)」)アイオノマー樹脂およびそれらの(金属塩や高級脂肪酸金属塩等による)変性体;等が挙げられる。
【0033】
本明細書中で、中間層が「一種の材料のみから形成される」とは、分散性や相溶性にほとんど影響のない材料を少量、例えば中間層用材料100重量部に対して3重量部未満ブレンドすることを含む意味である。
【0034】
本発明の中間層(2)は、ゴルフボールのカバーの形成に使用されている一般に公知の方法を用いて形成することができ、特に限定されるものではない。中間層用組成物を予め半球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてソリッドセンターを包み、加圧成形するか、または上記中間層用組成物を直接センター上に射出成形してセンターを包み込む方法を用いてもよい。成形性の面で射出成形法が好適に用いられる。
【0035】
本発明のゴルフボールでは、上記中間層(2)の厚さは、0.3〜2.0mm、好ましくは0.5〜1.8mm、より好ましくは0.8〜1.5mmであることが望ましい。上記中間層の厚さが0.3mmより小さいと薄くなり過ぎて中間層を高剛性化する効果が十分に得られなくなる。上記中間層の厚さが2.0mmより大きいとゴルフボール全体として硬くなり過ぎ、打球感が硬くて悪いものとなる。次いで、上記中間層(2)上には、カバー(3)を被覆する。
【0036】
本発明のゴルフボールに用いられるカバー(3)の材料は、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよく、特に限定されないが、例えばポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーおよびそれらの混合物またはそれらの変性物から成る群から選択される。耐擦過傷性およびコントロール性の面でポリウレタン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0037】
上記カバー材料の具体例として、BASFジャパン(株)から商品名「エラストランXNY97A」で市販されているポリウレタン系熱可塑性エラストマー、三菱化学(株)から商品名「サーモラン」で市販されている(例えば、「サーモラン3981N」)オレフィン系熱可塑性エラストマー、住友化学工業(株)から商品名「住友TPE」で市販されている(例えば、「住友TPE3682」、「住友TPE9455」等)ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル」で市販されている(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)ポリエステル系熱可塑性エラストマー、東レ(株)から商品名「ペバックス」で市販されている(例えば、「ペバックス2533」)ポリアミド系熱可塑性エラストマー、旭化成工業(株) から商品名「タフテック」で市販されている(例えば、「タフテックH1051」)スチレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0038】
また、本発明において、上記カバー用組成物には、主成分としての上記基材樹脂の他に必要に応じて、硫酸バリウム等の充填材や二酸化チタン等の着色剤や、その他の添加剤、例えば分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤並びに蛍光材料または蛍光増白剤等を、ゴルフボールカバーによる所望の特性が損なわれない範囲で含有していてもよいが、通常、着色剤の配合量はカバー用基材樹脂100重量部に対して0.1〜5.0重量部が好ましい。
【0039】
カバー(3)を被覆する方法も、上記中間層(2)を被覆する方法と同様の方法を用いることができる。本発明のゴルフボールにおいて、カバーの厚さは、0.3〜2.0mm、好ましくは0.5〜1.6mm、より好ましくは0.8〜1.2mmである。上記カバーの厚さが0.3mmより小さいと薄くなり過ぎてカバーの成形が困難となり、2.0mmより大きいと反発性が低下する。
【0040】
本発明のゴルフボールでは、カバー(3)がショアD硬度による硬度20〜55、好ましくは25〜52、より好ましくは30〜50を有することが望ましい。上記カバー硬度が20より小さいと反発性が低下し、55より大きいとアプローチショットでのスピン量が小さくなり過ぎてコントロール性が悪いものとなる。尚、本明細書中で中間層硬度およびカバー硬度とは、中間層用またはカバー用組成物から作製された厚さ約2mmの熱プレス成形シートを23℃で2週間保存後、そのシートを3枚以上重ねて測定した硬度を意味する。
【0041】
センターと中間層とカバーとから成るゴルフボールにおいて、中間層を硬くすることは、前述の特許文献2に開示されているように公知である。中間層を硬くすることにより、軟らかいセンターと軟らかいカバーとを組み合わせる等により、諸性能のバランスを改善することはある程度可能である。しかしながら、例えば軟らかいセンターと軟らかいカバーとを組み合わせた場合、中間層が硬いため、中間層に応力が集中して中間層の耐久性が低下する。特に、特許文献2よりも更に中間層を硬くした場合、耐久性が大きく低下する。そこで、本発明では、中間層に硬くて、かつ伸びの大きな材料を用いることによって、耐久性をも十分に高めたものである。
【0042】
従って、本発明のゴルフボールにおいては、そのような中間層と、
軟らかいセンター(圧縮変形量が3.0〜6.0mm)、
軟らかいカバー(ショアD硬度による硬度20〜55)、および
薄いカバー(厚さ0.3〜2.0mm)
との組み合わせにおいて最も有効である。尚、これらを組み合わせた場合には、
センターを軟らかくすることによって打球感がソフトで良好となり、
中間層を硬くすることにより高打出角化および低スピン量化により飛距離が増大し、
カバーを軟らかくすることによってコントロール性が良好となり、
カバーを薄くすることによって反発性が向上して飛距離が増大し、
飛距離、打球感およびコントロール性のすべてに優れたゴルフボールが得られるという効果もある。
【0043】
更に、カバーにポリウレタン系熱可塑性エラストマーを用いた場合、打撃時のクラブフェイスによるゴルフボール表面の歪みが大きくなり、中間層に加えられる応力も大きくなる。上記のような本発明の技術により、このようなポリウレタン系熱可塑性エラストマーカバーの問題も解消するという効果も発揮する。
【0044】
カバー成形時、ディンプルと呼ばれるくぼみを多数表面上に形成する。本発明のゴルフボールは美観を高め、商品価値を上げるために、通常ペイント仕上げ、マーキングスタンプ等を施されで市場に投入される。本発明のゴルフボールは、ゴルフボール規則に基づいて、直径42.67mm以上(好ましくは42.67〜42.82mm)、重量45.93g以下に形成される。
【0045】
本発明のゴルフボールは、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの変形量2.4〜3.5mm、好ましくは2.5〜3.2mm、より好ましくは2.6〜3.0mmを有することが望ましい。上記変形量が2.4mm未満では打球感が硬くて悪いものとなり、3.5mmを越えると軟らかくなり過ぎて打球感が重くて悪いものとなる。
【0046】
本発明では、中間層に特定範囲の貫通衝撃試験における最大荷重時の伸びおよび曲げ剛性率を有する材料を使用することにより、耐久性に優れ、かつ打撃時に低ヘッドスピードのゴルファーであってもミドルアイアンからドライバーでの打撃時に高打出角化および低スピン量化を実現することにより飛距離を向上させたマルチピースソリッドゴルフボールを提供する。
【0047】
【実施例】
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0048】
センターの作製
以下の表1に示した配合のセンター用ゴム組成物を混練ロールにより混練し、170℃で15分間金型内で加熱プレスすることにより直径38.4mmを有する球状のセンターを得た。得られたセンターの圧縮変形量を測定し、その結果を同表に示した。試験方法は後記の通り行った。
【0049】
【表1】
【0050】
(注1)JSR(株)から商品名「BR‐18」で市販のハイシスポリブタジエンゴム
(注2)日本油脂(株)から商品名「パークミルD」で市販のジクミルパーオキサイド
(注3)住友精化(株)から市販のジフェニルジスルフィド
【0051】
中間層およびカバー用組成物の調製
以下の表2および3に示す中間層およびカバー用配合材料をそれぞれ二軸混練押出機によりミキシングし、ペレット状のカバー用組成物を得た。押出条件は、
スクリュー径 45mm
スクリュー回転数 200rpm
スクリューL/D 35
であり、配合物は押出機のダイの位置で200〜260℃に加熱された。得られた中間層用組成物から作製された厚さ約3mmの熱プレスシート(スラブ)から100mm×100mm×3mmの試験片を切り出し、落錐型衝撃試験装置ダイナタップ‐8250(ゼネラル・リサーチ社)を用いて貫通衝撃試験を行うことにより最大荷重時の伸びを決定し、得られた中間層およびカバー用組成物から厚さ約2mmの熱プレスシート(スラブ)を作製し、23℃で2週間保存後、JIS K7106に準じて曲げ剛性率を測定した。その結果を貫通衝撃伸びおよび曲げ剛性率として表2〜5に示す。得られたカバー用組成物から作製された厚さ約2mmの熱プレス成形シート(スラブ)を23℃で2週間保存後、そのシートを3枚以上重ねて、ASTM‐D2240に規定されるスプリング式硬度計ショアD型を用いて測定し、カバー硬度とした。それらの結果を表4に示した。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
(注4)商品名、アトフィナジャパン(株)製のポリアミド系熱可塑性エラストマー、曲げ剛性率:420MPa
(注5)BASFジャパン(株)から商品名「エラストランXHM76D」で市販の4,4’‐ジフェニルメタンジイソシアネートを使用したポリウレタン系熱可塑性エラストマー、曲げ剛性率:700MPa
(注6)三菱エンジニアリングプラスチックス(株)から商品名「ユピタールFU2025」で市販のポリアセタール樹脂(耐衝撃グレード)、曲げ剛性率:900MPa
(注7)三菱エンジニアリングプラスチックス(株)から商品名「ユーピロンPM1220」で市販のポリカーボネート樹脂(ポリマーアロイ(PC/ABS)グレード)、曲げ剛性率:1200MPa
(注8)日本ポリケム(株)から商品名「ノバテックXK1181」で市販のポリプロピレン樹脂、曲げ剛性率:500MPa
(注9)三菱エンジニアリングプラスチックス(株)から商品名「ノバデュラン5503R1」で市販のポリブチレンテレフタレート樹脂、曲げ剛性率:1000MPa
(注10)BASFジャパン(株)から商品名「エラストランXNY97A」で市販の4,4’‐ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)‐ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)系ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、JIS‐A硬度:97、曲げ剛性率:40MPa
(注11)三井デュポンポリケミカル(株)製のナトリウムイオン中和エチレン‐メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂、曲げ剛性率:200MPa
【0055】
中間層の形成
得られた中間層用組成物を、上記センター上に射出成形することにより、厚さ1.4mmを有する中間層を形成した。
【0056】
実施例1〜4および比較例1〜3
得られたカバー用組成物を、上記の中間層上にディンプル付き金型を用いて射出成形することにより、厚さ0.8mmを有するカバー層を形成し、バリ取りをした後、表面にペイントを塗装して、直径42.8mmおよび重量45.4gを有するゴルフボールを得た。得られたゴルフボールの圧縮変形量、飛行性能(打出角、スピン量および飛距離)および耐久性を測定し、その結果を以下の表4に示した。試験方法は以下の通り行った。
【0057】
(試験方法)
(1) 圧縮変形量
センターまたはゴルフボールに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの変形量を測定することにより決定した。
【0058】
(2) カバー硬度
各カバー用組成物から作製された厚さ約2mmの熱プレス成形シートを23℃で2週間保存後、そのシートを3枚以上重ねて、ASTM‐D2240に規定されるスプリング式硬度計ショアD型を用い、高分子計器(株)製自動ゴム硬度計LA1型にて測定した(スラブ硬度)。
【0059】
(3) 飛行性能
ツルーテンパー社製スイングロボットにメタルヘッド製ウッドl番クラブ(W#1、ドライバー)を取付け、ヘッドスピード45m/秒に設定して各ゴルフボールを打撃し、打ち出し直後の打出角およびスピン量(バックスピン)、並びに飛距離としてキャリー(打撃点からボール落下点までの距離)を測定し、実施例1の上記飛距離を100とした時の指数にて示した。測定は各ゴルフボールについて5回ずつ行って、その平均値を算出して各ゴルフボールの結果とした。
【0060】
(5)貫通衝撃試験
図2に示すような落錐型衝撃試験装置ダイナタップ(Dynatup)‐8250(ゼネラル・リサーチ社(General Reserch Co.))を用いて貫通衝撃試験を行った。試験片サイズ100mm×100mm×1mmを内径78mmを有するサポートリングで完全にクランプし、ストライカーを衝突速度4m/秒で落下させ、試料片を貫通させた。ストライカーは全重量5.91kgおよび先端直径10mmを有する半球状のものを使用した。試験温度は、23℃とし、コンピュータ処理により、荷重およびストライカーの変位(伸び)を測定して最大荷重時の伸びを決定し、その結果を各ゴルフボールの貫通衝撃伸びとして示した。
【0061】
(6)耐久性
ツルーテンパー社製スイングロボットにウッド1番クラブ(ドライバー、W#1)を取付け、ゴルフボールをヘッドスピード45m/秒で繰返し打撃し、割れが生じるまでの回数を調べた。その結果を、実施例3の割れが生じるまでの回数を100とした時の指数で示した。
【0062】
(試験結果)
【表4】
【0063】
以上の結果より、本発明の実施例1〜4のゴルフボールは、比較例1〜3のゴルフボールに比べて、耐久性が良好で高打出角化および低スピン量化されているため、飛距離が大きくなっていることがわかった。
【0064】
これに対して、比較例1のゴルフボールは、貫通衝撃伸びが小さいことにより、ボールの変形に中間層が追随せず、変形時にロスを生じるため、打出角が低く、スピン量が多くて、飛距離が低下しており、貫通衝撃伸びが小さくなり過ぎるため、耐久性が悪いものとなっている。比較例2のゴルフボールは、貫通衝撃伸びが小さいことにより、ボールの変形に中間層が追随せず、変形時にロスを生じ、かつボールの圧縮変形量が小さくなり過ぎたため、打出角が低く、スピン量が多くて、飛距離が低下しており、また貫通衝撃伸びが小さくなり過ぎるため、耐久性が悪いものとなっている。
【0065】
比較例3のゴルフボールは、中間層の曲げ剛性率が小さいため、低打出角、高スピン量となり、飛距離がでない。
【0066】
【発明の効果】
本発明のマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、中間層に特定範囲の曲げ剛性率を有する一種の材料を単独で使用することにより、耐久性に優れ、かつ打撃時に低ヘッドスピードのゴルファーであってもミドルアイアンからドライバーでの打撃時に高打出角化および低スピン量化を実現することにより飛距離を向上させ得たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴルフボールの1つの態様の断面概略図である。
の概略断面図である。
【図2】本発明の貫通衝撃試験方法の説明に用いる貫通衝撃試験装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 … センター
2 … 中間層
3 … カバー
4 … 試験片
5 … ストライカー
6 … クランプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチピースソリッドゴルフボールに関し、更に詳しくは耐久性に優れ、かつ打撃時に低ヘッドスピードのゴルファーであってもミドルアイアンからドライバーでの打撃時に高打出角化および低スピン量化を実現することにより飛距離を向上させたマルチピースソリッドゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフボールには、一般にツーピ―スゴルフボールやスリーピースゴルフボールなどのソリッドゴルフボールと糸巻きゴルフボールがある。ソリッドゴルフボールは、糸巻きゴルフボールに比べて、優れた飛行性能と耐久性を有するために市場においても大半を占めているが、打球感が硬く衝撃力も大きく、また打撃時のボール速度が大きいためスピンがかかりにくく、アプローチショットでのコントロール性の面で糸巻きゴルフボールに劣っていた。
【0003】
近年、ツーピ―スゴルフボールおよびスリーピースゴルフボールは、従来の糸巻きゴルフボールと同等のソフトな打球感や優れたコントロール性を維持したまま、飛距離を増大させることが可能となり、市場においても大半を占めている。また、スリーピースゴルフボールのようなマルチピースゴルフボールにおいては、ツーピースゴルフボールに比較して多種の硬度分布を得ることができ、飛行性能を損なうことなく打球感やコントロール性に優れたゴルフボールが提供されている。
【0004】
また、ゴルフクラブで打撃されたゴルフボールの弾道は、打出角とバックスピンとに大きく影響される。即ち、打出角が大きなゴルフボールは高弾道となる傾向にあり、逆に打出角が小さいゴルフボールは低弾道となる傾向がある。また、バックスピンによって打撃されたゴルフボールに揚力が生じるので、このバックスピン量が大きなゴルフボールは高弾道となる傾向にあり、逆にバックスピン量が小さいゴルフボールは低弾道となる傾向がある。ゴルフボールに対するゴルファーの要求性能として、飛距離、打球感、コントロール性等が挙げられる。特にゴルファーがウッド(ドライバー等)、ロングアイアン、ミドルアイアン等のゴルフクラブを使用する場合は、飛距離が重要な要求性能となる。
【0005】
ウッド等のゴルフクラブで打撃された場合の飛距離増大のためには、ゴルフボールはある程度の高い弾道および長い滞空時間を有する必要があることはよく知られている。前述のように、打出角が大きいゴルフボールや、バックスピン量の大きいゴルフボールは高弾道となるが、バックスピン量が大き過ぎるゴルフボールは飛距離が短い傾向がある。これは、運動エネルギーがバックスピンによって消費されることや、揚力が飛行方向に対して垂直にかかるので弾道最高点まではゴルフボールを後方に引き戻す力が揚力によって生じることに起因すると推測される。バックスピン量があまり大きくなく、高い打出角によって高弾道が達成されるゴルフボールが、ウッド等のゴルフクラブで打撃された場合の飛距離が大きいゴルフボールであると言える。
【0006】
このような知見に基づき、他の特性、例えば打球感、コントロール性や耐久性等を損なうことなく、打撃時のバックスピン量が小さく、かつ打出角が大きくて飛距離が大きいゴルフボールの開発が、材料の配合面からも構造面からも数多くなされている(例えば、特許文献1、特許文献2等)。
【0007】
特許文献1には、コアとカバーを有するゴルフボールにおいて、上記カバーは内層カバーと外層カバーとの2層からなり、上記内層カバーが、温度23℃、相対湿度50%の平衡時の曲げ弾性率が6000〜30000kgf/cm2のポリアミド樹脂と、JIS‐A硬度が30〜98°の熱可塑性エラストマーとが重量比95:5〜50:50の割合で配合され、温度23℃、相対湿度50%の平衡時の曲げ弾性率が5000〜12000kgf/cm2の樹脂組成物からなることを特徴とするゴルフボールが記載されている。
【0008】
特許文献2には、ソリッドコアと中間層とカバーとの3層構造からなるスリーピースソリッドゴルフボールにおいて、JIS‐C型硬度計での測定で、コアの中心硬度が75度以下、コア表面硬度が85度以下であり、コア表面硬度がコア中心硬度より8〜20度高硬度であると共に、中間層硬度がコア表面硬度より5度以上硬く、カバー硬度が中間層硬度より5度以上軟らかく、かつディンプル表面占有率が62%以上であることを特徴とするスリーピースソリッドゴルフボールが記載されている。
【0009】
しかしながら、ゴルファーのゴルフボール性能への要求は高く、前述のような他の特性を損なうことなく、打撃時のバックスピン量が小さく、かつ打出角が大きくて飛距離が大きいという要求をすべて満足するゴルフボールは未だに得られていない。
【0010】
【特許文献1】
特開平9‐38238号公報
【特許文献2】
特開平9‐239068号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来のソリッドゴルフボールの有する問題点を解決し、耐久性に優れ、かつ打撃時に低ヘッドスピードのゴルファーであってもミドルアイアンからドライバーでの打撃時に高打出角化および低スピン量化を実現することにより飛距離を向上させたマルチピースソリッドゴルフボールを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、センター、中間層およびカバーから成るマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、中間層の貫通衝撃試験における最大荷重時の伸びおよび曲げ剛性率を特定範囲内に規定することにより、耐久性に優れ、かつ打撃時に低ヘッドスピードのゴルファーであってもミドルアイアンからドライバーでの打撃時に高打出角化および低スピン量化を実現することにより飛距離を向上させたマルチピースソリッドゴルフボールが得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明は、センター(1)、該センター上に形成された中間層(2)、および該中間層を被覆するカバー(3)から成るマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、該中間層(2)が貫通衝撃試験における最大荷重時の伸び9〜20mmおよび曲げ剛性率300〜2,000MPaを有する材料から形成されることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボールに関する。
【0014】
本発明者等は、飛距離を向上するために、特に高打出角化および低スピン量化に注目して、ゴルフボールの構造および材料について鋭意検討を行った結果、中間層に貫通衝撃試験における最大荷重時の伸びが9〜20mmと大きく、かつ曲げ剛性率が300〜2,000MPaと高い材料を使用することによって、耐久性を損なうことなく、センターと中間層との曲げ剛性率の差が大きくなり、飛距離の重要な要素である打出角とスピン量とが高打出角化および低スピン量化されることにより、飛距離が増大することを可能としたものである。
【0015】
前述のように先行技術においても、曲げ弾性率の高い材料や硬度の高い材料を中間層に使用したゴルフボールは公知である。中間層を硬くして、軟らかいセンターと軟らかいカバーとを組み合わせる等により、諸性能のバランスを改善することはある程度可能である。しかしながら、例えば軟らかいセンターと軟らかいカバーとを組み合わせた場合、中間層が硬いため、中間層に応力が集中して中間層の耐久性が低下する。特に、特許文献2よりも更に中間層を硬くした場合、耐久性が大きく低下する。そこで、本発明では、中間層に硬くて、かつ伸びの大きな材料を用いることによって、耐久性をも十分に高めたものである。ここで、衝撃試験値の内で引張モード等でなく貫通モードを選択したのは、ミドルアイアンからドライバーでの打撃時の衝突現象により近いことによる。
【0016】
具体的には、本発明のゴルフボールはセンター(1)、中間層(2)およびカバー(3)から成り、
中間層(2)を貫通衝撃試験における最大荷重時の伸び9〜20mmを有する材料から形成することによって、反発性および耐久性に優れ、
中間層(2)を曲げ剛性率300〜2,000MPaを有する材料から形成することによって、ミドルアイアンからドライバーでの打撃時に高打出角化および低スピン量化を実現することにより飛距離を向上させ、
従って、耐久性に優れ、かつ打撃時に低ヘッドスピードのゴルファーであってもミドルアイアンからドライバーでの打撃時に高打出角化および低スピン量化を実現することにより飛距離を向上させたマルチピースソリッドゴルフボールを達成し得たものである。
【0017】
更に、本発明を好適に実施するためには、
上記中間層(2)が、貫通衝撃試験における最大荷重時の伸び9〜16mmおよび曲げ剛性率350〜1,500MPaを有する材料から形成され;
上記中間層(2)が、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、アイオノマー樹脂およびそれらの変性物から成る群から選択される材料から形成され;
上記中間層(2)が厚さ0.3〜2.0mmを有する;
ことが好ましい。
【0018】
本発明のスリーピースソリッドゴルフボールを図1を参照して説明する。図1は本発明のゴルフボールの1つの態様の概略断面図である。本発明のスリーピースソリッドゴルフボールでは、センター(1)上に中間層(2)を形成し、該中間層(2)上にカバー(3)を形成する。センター(1)は、基材ゴム、共架橋剤、有機過酸化物、充填材等を含有するゴム組成物を、通常のソリッドゴルフボールのコアに用いられる方法、条件を用いて加熱プレスして加硫することにより得られる。
【0019】
基材ゴムとしては、従来からソリッドゴルフボールに用いられている合成ゴムが用いられ、特にシス‐1,4‐結合少なくとも40%以上、好ましくは80%以上を有するいわゆるハイシスポリブタジエンゴムが好ましく、所望により、上記ポリブタジエンゴムには天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、エチレン‐プロピレン‐ジエンゴム(EPDM)等を配合してもよい。
【0020】
共架橋剤としては、特に限定されないが、アクリル酸またはメタクリル酸等のような炭素数3〜8個のα,β‐不飽和カルボン酸、またはその亜鉛、マグネシウム塩等の一価または二価の金属塩、またはそれらの混合物等が挙げられるが、高い反発性を付与するアクリル酸亜鉛が好適である。上記共架橋剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対して、好ましくは20〜40重量部、より好ましくは22〜35重量部、特に好ましくは22〜32重量部である。20重量部未満では加硫が十分に行われず軟らくなり過ぎて、反発性が低下して飛距離が低下し、40重量部より多いとボールが硬くなり過ぎて打球感が悪くなる。
【0021】
有機過酸化物は、架橋剤または硬化剤として作用し、例えばジクミルパーオキサイド、1,1‐ビス(t‐ブチルパーオキシ)‐3,3,5‐トリメチルシクロヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)へキサン、ジ‐t‐ブチルパーオキサイド等が挙げられ、ジクミルパーオキサイドが好適である。上記有機過酸化物の配合量は、ポリブタジエン100重量部に対して、0.1〜3.0重量部、好ましくは0.1〜2.8重量部、より好ましくは0.2〜2.5重量部である。0.1重量部未満では、軟らかくなり過ぎて、反発性が低下して飛距離が低下する。3.0重量部を越えると、硬くなり過ぎて打球感が悪くなる。
【0022】
充填材は、ゴルフボールのコアに通常配合されるものであればよく、例えば無機塩(具体的には、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム)、高比重金属粉末(例えば、タングステン粉末、モリブデン粉末等)およびそれらの混合物が挙げられる。配合量はカバーおよびセンターの比重、大きさ等に左右され限定的ではないが、基材ゴム100重量部に対して、通常用いられる5〜50重量部とする。
【0023】
更に本発明のゴルフボールのセンター(1)には、老化防止剤またはしゃく解剤、硫黄、その他ソリッドゴルフボールのセンターの製造に通常使用し得る成分を適宜配合してもよい。尚、使用する場合、配合量は基材ゴム100重量部に対して、老化防止剤は0.1〜2.0重量部、しゃく解剤は0.1〜2.0重量部、硫黄は0.01〜1.0重量部が好ましい。
【0024】
本発明のゴルフボールに用いられるセンター(1)は一般に、前述のゴム組成物を金型内で130〜180℃、圧力2.8〜9.8MPaで10〜50分間加硫成形することにより得ることができるが、前述のように特に限定されない。本発明のゴルフボールでは、センター(1)の直径は37.2〜41.2mm、好ましくは38.4〜41.2mm、より好ましくは39.4〜40.8mmである。上記センター(1)の直径が37.2mmより小さいと、中間層またはカバーが厚くなり、中間層が厚い場合には硬くなり過ぎ、カバーが厚い場合には反発性が低下する。上記センター(1)の直径が41.2mmより大きいと、中間層やカバーの厚さが小さくなり、耐久性が悪いものとなる。
【0025】
本発明のゴルフボールでは、センター(1)は初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量3.0〜6.0mm、好ましくは3.3〜5.5mm、より好ましくは3.5〜5.0mmを有することが望ましい。上記変形量が3.0mmより小さいと、センターが硬くなり過ぎて打撃時に変形しにくくなって打球感が悪くなる。上記変形量が6.0mmより大きいと、打撃時のセンターの変形量が大きくなって打球感が重くて悪いものとなると共に、得られるゴルフボールの耐久性が悪いものとなる。次いで、上記センター(1)上には、中間層(2)を被覆する。
【0026】
本発明のゴルフボールでは、中間層(2)が貫通衝撃試験における最大荷重時の伸び9〜20mmを有することを要件とするが、好ましくは9〜18mm、より好ましくは10〜16mmである。上記伸びが9mmより小さいと耐久性が悪くなって割れが発生し、20mmより大きいと材料自体の硬度が大きく低下してしまう。
【0027】
上記貫通衝撃試験における最大荷重時の伸びとは、上記中間層用材料から作製された厚さ約1mmの熱プレスシート(スラブ)を作製し、100mm×100mm×1mmの試験片を切り出し、図2に示すような落錐型衝撃試験装置ダイナタップ(Dynatup)‐8250(ゼネラル・リサーチ社(GeneralReserch Co.))を用いて貫通衝撃試験を行うことにより決定した。上記試験片を内径78mmを有するサポートリングで完全にクランプし、全重量5.91kgおよび先端直径10mmを有する半球状のストライカーを衝突速度4m/秒で落下させ、試料片を貫通させた。試験温度は、23℃とし、荷重およびストライカーの変位(伸び)をコンピュータ処理により測定し、最大荷重時の伸びを決定した。
【0028】
本発明のゴルフボールにおいては、上記中間層(2)は、曲げ剛性率300〜2,000MPaを有する材料から形成されることを要件とするが、上記材料の曲げ剛性率は好ましくは350〜1,500MPa、より好ましくは400〜1,300MPaである。上記中間層(2)用材料の曲げ剛性率が300MPaより小さいと高打出角化および低スピン量化する効果が十分に得られず、2,000MPaより大きいと打球感が硬くて悪くなり、また耐久性が悪いものとなる。
【0029】
上記曲げ剛性率とは、上記中間層用材料から作製された厚さ約2mmの熱プレスシート(スラブ)を作製し、23℃で2週間保存後、JIS K7106に準じて測定した曲げ剛性率を意味する。
【0030】
本発明では、中間層が上記のような特定範囲の貫通衝撃試験における最大荷重時の伸びおよび曲げ剛性率を有する材料から形成されれば特に限定されないが、一種の材料のみから形成されることが好ましい。これは、上記中間層に二種以上の材料をブレンドしてなる材料を用いると、一種の材料のみを用いた場合と比較して、主として耐久性が低下し、また反発性能も低下する。詳細については不明であるが、各材料間の相溶性が低下したり、中間層全体としての均一分散性が低下することによるものと考えられる。本発明のゴルフボールにおいて、中間層(2)が上記のように貫通衝撃試験における最大荷重時の伸び9〜20mmおよび曲げ剛性率300〜2,000MPaを有する一種の材料のみから形成される場合には、当然ながら形成された中間層(2)は、上記伸びおよび曲げ剛性率値を有する。
【0031】
本発明のゴルフボールにおいては、上記中間層(2)は上記のような貫通衝撃試験における最大荷重時の伸びおよび曲げ剛性率を有する材料から形成されれば特に限定されないが、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、アイオノマー樹脂およびそれらの変性物から成る群から選択される材料から形成されることが望ましい。
【0032】
上記中間層用材料の具体例として、BASFジャパン(株)から商品名「エラストランXHM76D」で市販されているポリウレタン系熱可塑性エラストマー、アトフィナジャパン(株)から商品名「ペバックス7233」で市販されているポリアミド系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー;三菱エンジニアリングプラスチックス(株)から商品名「ユーピロン」で市販されている(例えば、「ユーピロンPM1220」)ポリカーボネート樹脂およびその変性体;三菱エンジニアリングプラスチックス(株)から商品名「ユピタール」で市販されている(例えば、「ユピタールFU2025」)ポリアセタール樹脂およびその変性体;デュポン社から商品名「サーリン(Surlyn)」で市販されている(例えば、「サーリン8140(Na)」、「サーリン8150(Na)」、「サーリン8945(Na)」、「サーリン9120(Zn)」、「サーリン9150(Zn)」、「サーリン9945(Zn)」、「サーリン6120(Mg)」、「サーリンAD8546(Li)」、「サーリン7930(Li)」、「サーリン7940(Li)」)アイオノマー樹脂、三井デュポンポリケミカル社から商品名「ハイミラン(Hi‐milan)」で市販されている(例えば、「ハイミラン1605(Na)」、「ハイミラン1707(Na)」、「ハイミラン1706(Zn)」、「ハイミランAM7311(Mg)」)アイオノマー樹脂およびそれらの(金属塩や高級脂肪酸金属塩等による)変性体;等が挙げられる。
【0033】
本明細書中で、中間層が「一種の材料のみから形成される」とは、分散性や相溶性にほとんど影響のない材料を少量、例えば中間層用材料100重量部に対して3重量部未満ブレンドすることを含む意味である。
【0034】
本発明の中間層(2)は、ゴルフボールのカバーの形成に使用されている一般に公知の方法を用いて形成することができ、特に限定されるものではない。中間層用組成物を予め半球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてソリッドセンターを包み、加圧成形するか、または上記中間層用組成物を直接センター上に射出成形してセンターを包み込む方法を用いてもよい。成形性の面で射出成形法が好適に用いられる。
【0035】
本発明のゴルフボールでは、上記中間層(2)の厚さは、0.3〜2.0mm、好ましくは0.5〜1.8mm、より好ましくは0.8〜1.5mmであることが望ましい。上記中間層の厚さが0.3mmより小さいと薄くなり過ぎて中間層を高剛性化する効果が十分に得られなくなる。上記中間層の厚さが2.0mmより大きいとゴルフボール全体として硬くなり過ぎ、打球感が硬くて悪いものとなる。次いで、上記中間層(2)上には、カバー(3)を被覆する。
【0036】
本発明のゴルフボールに用いられるカバー(3)の材料は、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよく、特に限定されないが、例えばポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーおよびそれらの混合物またはそれらの変性物から成る群から選択される。耐擦過傷性およびコントロール性の面でポリウレタン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0037】
上記カバー材料の具体例として、BASFジャパン(株)から商品名「エラストランXNY97A」で市販されているポリウレタン系熱可塑性エラストマー、三菱化学(株)から商品名「サーモラン」で市販されている(例えば、「サーモラン3981N」)オレフィン系熱可塑性エラストマー、住友化学工業(株)から商品名「住友TPE」で市販されている(例えば、「住友TPE3682」、「住友TPE9455」等)ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル」で市販されている(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)ポリエステル系熱可塑性エラストマー、東レ(株)から商品名「ペバックス」で市販されている(例えば、「ペバックス2533」)ポリアミド系熱可塑性エラストマー、旭化成工業(株) から商品名「タフテック」で市販されている(例えば、「タフテックH1051」)スチレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0038】
また、本発明において、上記カバー用組成物には、主成分としての上記基材樹脂の他に必要に応じて、硫酸バリウム等の充填材や二酸化チタン等の着色剤や、その他の添加剤、例えば分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤並びに蛍光材料または蛍光増白剤等を、ゴルフボールカバーによる所望の特性が損なわれない範囲で含有していてもよいが、通常、着色剤の配合量はカバー用基材樹脂100重量部に対して0.1〜5.0重量部が好ましい。
【0039】
カバー(3)を被覆する方法も、上記中間層(2)を被覆する方法と同様の方法を用いることができる。本発明のゴルフボールにおいて、カバーの厚さは、0.3〜2.0mm、好ましくは0.5〜1.6mm、より好ましくは0.8〜1.2mmである。上記カバーの厚さが0.3mmより小さいと薄くなり過ぎてカバーの成形が困難となり、2.0mmより大きいと反発性が低下する。
【0040】
本発明のゴルフボールでは、カバー(3)がショアD硬度による硬度20〜55、好ましくは25〜52、より好ましくは30〜50を有することが望ましい。上記カバー硬度が20より小さいと反発性が低下し、55より大きいとアプローチショットでのスピン量が小さくなり過ぎてコントロール性が悪いものとなる。尚、本明細書中で中間層硬度およびカバー硬度とは、中間層用またはカバー用組成物から作製された厚さ約2mmの熱プレス成形シートを23℃で2週間保存後、そのシートを3枚以上重ねて測定した硬度を意味する。
【0041】
センターと中間層とカバーとから成るゴルフボールにおいて、中間層を硬くすることは、前述の特許文献2に開示されているように公知である。中間層を硬くすることにより、軟らかいセンターと軟らかいカバーとを組み合わせる等により、諸性能のバランスを改善することはある程度可能である。しかしながら、例えば軟らかいセンターと軟らかいカバーとを組み合わせた場合、中間層が硬いため、中間層に応力が集中して中間層の耐久性が低下する。特に、特許文献2よりも更に中間層を硬くした場合、耐久性が大きく低下する。そこで、本発明では、中間層に硬くて、かつ伸びの大きな材料を用いることによって、耐久性をも十分に高めたものである。
【0042】
従って、本発明のゴルフボールにおいては、そのような中間層と、
軟らかいセンター(圧縮変形量が3.0〜6.0mm)、
軟らかいカバー(ショアD硬度による硬度20〜55)、および
薄いカバー(厚さ0.3〜2.0mm)
との組み合わせにおいて最も有効である。尚、これらを組み合わせた場合には、
センターを軟らかくすることによって打球感がソフトで良好となり、
中間層を硬くすることにより高打出角化および低スピン量化により飛距離が増大し、
カバーを軟らかくすることによってコントロール性が良好となり、
カバーを薄くすることによって反発性が向上して飛距離が増大し、
飛距離、打球感およびコントロール性のすべてに優れたゴルフボールが得られるという効果もある。
【0043】
更に、カバーにポリウレタン系熱可塑性エラストマーを用いた場合、打撃時のクラブフェイスによるゴルフボール表面の歪みが大きくなり、中間層に加えられる応力も大きくなる。上記のような本発明の技術により、このようなポリウレタン系熱可塑性エラストマーカバーの問題も解消するという効果も発揮する。
【0044】
カバー成形時、ディンプルと呼ばれるくぼみを多数表面上に形成する。本発明のゴルフボールは美観を高め、商品価値を上げるために、通常ペイント仕上げ、マーキングスタンプ等を施されで市場に投入される。本発明のゴルフボールは、ゴルフボール規則に基づいて、直径42.67mm以上(好ましくは42.67〜42.82mm)、重量45.93g以下に形成される。
【0045】
本発明のゴルフボールは、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの変形量2.4〜3.5mm、好ましくは2.5〜3.2mm、より好ましくは2.6〜3.0mmを有することが望ましい。上記変形量が2.4mm未満では打球感が硬くて悪いものとなり、3.5mmを越えると軟らかくなり過ぎて打球感が重くて悪いものとなる。
【0046】
本発明では、中間層に特定範囲の貫通衝撃試験における最大荷重時の伸びおよび曲げ剛性率を有する材料を使用することにより、耐久性に優れ、かつ打撃時に低ヘッドスピードのゴルファーであってもミドルアイアンからドライバーでの打撃時に高打出角化および低スピン量化を実現することにより飛距離を向上させたマルチピースソリッドゴルフボールを提供する。
【0047】
【実施例】
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0048】
センターの作製
以下の表1に示した配合のセンター用ゴム組成物を混練ロールにより混練し、170℃で15分間金型内で加熱プレスすることにより直径38.4mmを有する球状のセンターを得た。得られたセンターの圧縮変形量を測定し、その結果を同表に示した。試験方法は後記の通り行った。
【0049】
【表1】
【0050】
(注1)JSR(株)から商品名「BR‐18」で市販のハイシスポリブタジエンゴム
(注2)日本油脂(株)から商品名「パークミルD」で市販のジクミルパーオキサイド
(注3)住友精化(株)から市販のジフェニルジスルフィド
【0051】
中間層およびカバー用組成物の調製
以下の表2および3に示す中間層およびカバー用配合材料をそれぞれ二軸混練押出機によりミキシングし、ペレット状のカバー用組成物を得た。押出条件は、
スクリュー径 45mm
スクリュー回転数 200rpm
スクリューL/D 35
であり、配合物は押出機のダイの位置で200〜260℃に加熱された。得られた中間層用組成物から作製された厚さ約3mmの熱プレスシート(スラブ)から100mm×100mm×3mmの試験片を切り出し、落錐型衝撃試験装置ダイナタップ‐8250(ゼネラル・リサーチ社)を用いて貫通衝撃試験を行うことにより最大荷重時の伸びを決定し、得られた中間層およびカバー用組成物から厚さ約2mmの熱プレスシート(スラブ)を作製し、23℃で2週間保存後、JIS K7106に準じて曲げ剛性率を測定した。その結果を貫通衝撃伸びおよび曲げ剛性率として表2〜5に示す。得られたカバー用組成物から作製された厚さ約2mmの熱プレス成形シート(スラブ)を23℃で2週間保存後、そのシートを3枚以上重ねて、ASTM‐D2240に規定されるスプリング式硬度計ショアD型を用いて測定し、カバー硬度とした。それらの結果を表4に示した。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
(注4)商品名、アトフィナジャパン(株)製のポリアミド系熱可塑性エラストマー、曲げ剛性率:420MPa
(注5)BASFジャパン(株)から商品名「エラストランXHM76D」で市販の4,4’‐ジフェニルメタンジイソシアネートを使用したポリウレタン系熱可塑性エラストマー、曲げ剛性率:700MPa
(注6)三菱エンジニアリングプラスチックス(株)から商品名「ユピタールFU2025」で市販のポリアセタール樹脂(耐衝撃グレード)、曲げ剛性率:900MPa
(注7)三菱エンジニアリングプラスチックス(株)から商品名「ユーピロンPM1220」で市販のポリカーボネート樹脂(ポリマーアロイ(PC/ABS)グレード)、曲げ剛性率:1200MPa
(注8)日本ポリケム(株)から商品名「ノバテックXK1181」で市販のポリプロピレン樹脂、曲げ剛性率:500MPa
(注9)三菱エンジニアリングプラスチックス(株)から商品名「ノバデュラン5503R1」で市販のポリブチレンテレフタレート樹脂、曲げ剛性率:1000MPa
(注10)BASFジャパン(株)から商品名「エラストランXNY97A」で市販の4,4’‐ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)‐ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)系ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、JIS‐A硬度:97、曲げ剛性率:40MPa
(注11)三井デュポンポリケミカル(株)製のナトリウムイオン中和エチレン‐メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂、曲げ剛性率:200MPa
【0055】
中間層の形成
得られた中間層用組成物を、上記センター上に射出成形することにより、厚さ1.4mmを有する中間層を形成した。
【0056】
実施例1〜4および比較例1〜3
得られたカバー用組成物を、上記の中間層上にディンプル付き金型を用いて射出成形することにより、厚さ0.8mmを有するカバー層を形成し、バリ取りをした後、表面にペイントを塗装して、直径42.8mmおよび重量45.4gを有するゴルフボールを得た。得られたゴルフボールの圧縮変形量、飛行性能(打出角、スピン量および飛距離)および耐久性を測定し、その結果を以下の表4に示した。試験方法は以下の通り行った。
【0057】
(試験方法)
(1) 圧縮変形量
センターまたはゴルフボールに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの変形量を測定することにより決定した。
【0058】
(2) カバー硬度
各カバー用組成物から作製された厚さ約2mmの熱プレス成形シートを23℃で2週間保存後、そのシートを3枚以上重ねて、ASTM‐D2240に規定されるスプリング式硬度計ショアD型を用い、高分子計器(株)製自動ゴム硬度計LA1型にて測定した(スラブ硬度)。
【0059】
(3) 飛行性能
ツルーテンパー社製スイングロボットにメタルヘッド製ウッドl番クラブ(W#1、ドライバー)を取付け、ヘッドスピード45m/秒に設定して各ゴルフボールを打撃し、打ち出し直後の打出角およびスピン量(バックスピン)、並びに飛距離としてキャリー(打撃点からボール落下点までの距離)を測定し、実施例1の上記飛距離を100とした時の指数にて示した。測定は各ゴルフボールについて5回ずつ行って、その平均値を算出して各ゴルフボールの結果とした。
【0060】
(5)貫通衝撃試験
図2に示すような落錐型衝撃試験装置ダイナタップ(Dynatup)‐8250(ゼネラル・リサーチ社(General Reserch Co.))を用いて貫通衝撃試験を行った。試験片サイズ100mm×100mm×1mmを内径78mmを有するサポートリングで完全にクランプし、ストライカーを衝突速度4m/秒で落下させ、試料片を貫通させた。ストライカーは全重量5.91kgおよび先端直径10mmを有する半球状のものを使用した。試験温度は、23℃とし、コンピュータ処理により、荷重およびストライカーの変位(伸び)を測定して最大荷重時の伸びを決定し、その結果を各ゴルフボールの貫通衝撃伸びとして示した。
【0061】
(6)耐久性
ツルーテンパー社製スイングロボットにウッド1番クラブ(ドライバー、W#1)を取付け、ゴルフボールをヘッドスピード45m/秒で繰返し打撃し、割れが生じるまでの回数を調べた。その結果を、実施例3の割れが生じるまでの回数を100とした時の指数で示した。
【0062】
(試験結果)
【表4】
【0063】
以上の結果より、本発明の実施例1〜4のゴルフボールは、比較例1〜3のゴルフボールに比べて、耐久性が良好で高打出角化および低スピン量化されているため、飛距離が大きくなっていることがわかった。
【0064】
これに対して、比較例1のゴルフボールは、貫通衝撃伸びが小さいことにより、ボールの変形に中間層が追随せず、変形時にロスを生じるため、打出角が低く、スピン量が多くて、飛距離が低下しており、貫通衝撃伸びが小さくなり過ぎるため、耐久性が悪いものとなっている。比較例2のゴルフボールは、貫通衝撃伸びが小さいことにより、ボールの変形に中間層が追随せず、変形時にロスを生じ、かつボールの圧縮変形量が小さくなり過ぎたため、打出角が低く、スピン量が多くて、飛距離が低下しており、また貫通衝撃伸びが小さくなり過ぎるため、耐久性が悪いものとなっている。
【0065】
比較例3のゴルフボールは、中間層の曲げ剛性率が小さいため、低打出角、高スピン量となり、飛距離がでない。
【0066】
【発明の効果】
本発明のマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、中間層に特定範囲の曲げ剛性率を有する一種の材料を単独で使用することにより、耐久性に優れ、かつ打撃時に低ヘッドスピードのゴルファーであってもミドルアイアンからドライバーでの打撃時に高打出角化および低スピン量化を実現することにより飛距離を向上させ得たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴルフボールの1つの態様の断面概略図である。
の概略断面図である。
【図2】本発明の貫通衝撃試験方法の説明に用いる貫通衝撃試験装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 … センター
2 … 中間層
3 … カバー
4 … 試験片
5 … ストライカー
6 … クランプ
Claims (7)
- センター(1)、該センター上に形成された中間層(2)、および該中間層を被覆するカバー(3)から成るマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、該中間層(2)が貫通衝撃試験における最大荷重時の伸び9〜20mmおよび曲げ剛性率300〜2,000MPaを有する材料から形成されることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
- 前記中間層(2)が、貫通衝撃試験における最大荷重時の伸び9〜16mmおよび曲げ剛性率350〜1,500MPaを有する材料から形成される請求項1記載のゴルフボール。
- 前記中間層(2)が、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、アイオノマー樹脂およびそれらの変性物から成る群から選択される材料から形成される請求項1記載のゴルフボール。
- 前記中間層(2)が厚さ0.3〜2.0mmを有する請求項1または2記載のゴルフボール。
- 前記中間層(2)がポリカーボネート樹脂から形成される請求項1記載のゴルフボール。
- 前記中間層(2)がポリアセタール樹脂から形成される請求項1記載のゴルフボール。
- 前記中間層(2)が一種の材料のみから形成される請求項1記載のゴルフボール。
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