JP5020696B2 - 磁性トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電印刷法、磁気記録法、及びトナージェット法の如き画像形成方法に使用される磁性トナーに関する。
電子写真法としては、多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像(静電潜像)を形成し、該潜像を、トナーを用いて現像し、必要に応じて転写材にトナー画像を転写した後、加熱、加圧、加熱加圧あるいは溶剤蒸気などにより定着し、被写物を得るものである。感光体上に転写されずに残った現像剤は種々の方法でクリーニングされ、上記工程が繰り返されるものである。
このうち、現像方式としては、シンプルな構造の現像器でトラブルが少なく、寿命も長く、メンテナンスも容易なことから、一成分現像方式が好ましく用いられる。
このような現像方式は、磁性トナーの性能により、形成される画像の品質が大きく左右される。磁性トナー中には微粉末状の磁性酸化鉄が相当量混合分散されており、該磁性酸化鉄の一部が磁性トナーの表面に露出している。このため磁性酸化鉄の種類が磁性トナーの流動性及び摩擦帯電性に影響し、結果として、磁性トナー現像特性、耐久性などの磁性トナーに要求される種々の特性に影響を与えるのである。そのため、従来から磁性トナーに含有される磁性酸化鉄に関して数々の提案が行われている。
磁性酸化鉄として、Siを含有し、磁性酸化鉄の最表面のFe/Si原子比を規定し、さらにAlで表面処理を施して得られる磁性酸化鉄が知られている(特許文献1)。このような磁性酸化鉄によれば、流動性に優れ、高温高湿下でも安定した帯電特性が得られるものの、さらに高速現像システムにおける帯電特性に起因するゴーストや飛び散りといった画質を改善するには至っておらず、改良の余地があった。
また、磁性酸化鉄として、Alを含有し、さらに疎水化処理を施し、磁気特性を規定した磁性酸化鉄が知られている(特許文献2)。これらの磁性酸化鉄においては、Alで3価の鉄の一部あるいは全部が置換されており、飽和磁化値が低くなっている。このような磁性酸化鉄を使用することで、トナー粒子間に働く磁気的な凝集力が弱く、消費量を低減できるトナーを得ることができる。また、高温多湿環境下においても良好な保存性を有し、かつ充分な画像濃度を維持することができ、更にカブリ、尾引きの発生が抑制された磁性トナーを得ることができる。またマグネタイト中の2価鉄の量やFeO量が維持されるため良好な黒色度を有する磁性トナーを提供することができる。ただし、長期使用した場合における、帯電の不均一化に起因する画質の低下や、低温低湿下における、画質の不安定化に関しては、十分な検討がなされていなかった。
磁性酸化鉄において、Si元素とAl元素を含有し、磁性酸化鉄表面のSiおよびAl含有比を規定した磁性酸化鉄が知られている(特許文献3)。このような磁性酸化鉄を使用することで、帯電制御性を従来よりも高めることができ、低温低湿環境下での連続画出しにおいても、トナー担持体上のコートの均一性に優れた磁性トナーを得ることができる。そして、このような磁性トナーを用いた場合には、ベタ画像においてもカスレ/波状のむらといった画像欠陥が抑制されており、高品位で鮮鋭な画像が得られる。しかしながら、高温高湿環境下での画像濃度の安定性に関しては、十分な検討がなされていなかった。
また、磁性酸化鉄として、Li、Be、B、Mg、Al、Si、P、Ge、Ti、Zr、Sn、Znからなる元素群より選ばれる一種以上の元素を含有する磁性酸化鉄が知られている(特許文献4)。このような磁性酸化鉄は、結着樹脂中への分散性が優れており、トナーの帯電性を安定化することができる。そして、近年進むトナーの小粒径化の流れにおいて、平均粒径10μm以下のトナーを用いる場合でも、優れた帯電均一性が得られ、トナーの凝集性も軽減され、高い画像濃度が得られ、カブリ等が抑制された現像性に優れた画像形成が可能になる。しかしながら、帯電性の面からのドット再現性の向上や尾引きの低減、環境安定性の改良に関しては十分に検討がなされていなかった。
異種元素を含有する磁性酸化鉄として、Mg、Na、K、Ca、Li、Ti、S、Al、Si、B、Cからなる元素群より選ばれる元素を中心部よりも外側に含有し、20℃における真比重が4〜5.2未満である磁性酸化鉄が知られている(特許文献5)。かかる磁性酸化鉄は、磁気特性のバランスが良好であり、真密度が小さく、樹脂との混合性も良好である。そして、磁性トナーに使用したとき、画像濃度が高く、カブリが少なく、またトナー粒子から脱落する磁性酸化鉄粉が少ない磁性トナーを得ることができる。しかしながら、画質の改善及び環境安定性に関しては未だ検討の余地が残されていた。
また、Alを含有し、更に、Co、Ni、Cu及びZnからなる元素群より選ばれる1種以上の金属元素を含有しており、該金属元素の含有量、及び磁性酸化鉄に含有される全Al量と表面に存在するAl量の比を規定した磁性体が知られている(特許文献6)。このような磁性酸化鉄を用いることによって、流動性に優れ、安定した現像性が得られ、かつ長期の使用においても感光体へのトナー融着を起こしにくい磁性トナーが得られる。しかしながら、ゴースト、飛び散りといった画質の改善には未だ検討の余地が残されていた。
さらに、Mg、Al、Si、P、S、Ca、Cu、Znからなる元素群より選ばれる元素を含有する磁性酸化鉄と、所定の水酸基価、エステル価を有する炭化水素系ワックスと、スチレン−アクリル共重合体とを併用して、トナー粒子中に磁性酸化鉄とワックスとを均一に分散させる技術を記載した文献もある(特許文献7)。このようなトナーにおいては、劣化や帯電の低下を抑制でき、長期耐久時においても安定した画像形成が可能な磁性トナーが得られる。しかしながら、結着樹脂としてポリエステル系樹脂を用いる場合は考慮されておらず、また、トナーの小粒径化が進んだ場合に関しては、未だ検討が不十分な点があった。
また、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Sn、Pbからなる元素群より選ばれる元素を含有する磁性酸化鉄と架橋系のビニル樹脂とを併用し、樹脂の性能と磁性酸化鉄の分散性の両立を図る技術も提案されている(特許文献8)。この場合には、低温定着性が維持されつつ、安定した現像性と耐久性とを有するトナーを得ることができる。しかしながら、小粒径化された際の尾引きといった課題に対しては十分な検討がなされていなかった。
また、マグネタイトを主たる結晶構造とし、非晶質Alをほぼ均一に含有する磁性酸化鉄が知られている(特許文献9)。このような磁性酸化鉄は、低抵抗、低残留磁化であり、更にFeOの割合が高く、良好な黒色度を有する磁性体である。しかしながら、一般的には電子写真用トナーは絶縁性に近い抵抗値を必要とするものであり、このような低抵抗の磁性酸化鉄は使用が困難であった。
以上、磁性トナー用の磁性酸化鉄において、これまで異種金属を含有させることにより、優れた流動性や帯電量の環境安定性を付与する検討はなされてきたが、諸問題の改善には余地が残されているのが現状である。
特開平7−175262号公報 特開平7−271089号公報 特開平8−272136号公報 特開平10−073950号公報 特開2000−335920公報 特開2002−169328号公報 特開2003−122044号公報 特開2003−221813号公報 特開2005−170689号公報
本発明の目的は、上述のごとき問題点を解決した磁性トナーを提供することにある。
即ち、本発明の目的は、画像濃度が高く、画像再現性に優れた画像を得ることができる磁性トナーを提供することにある。
また本発明の目的は、長期の使用においても、流動性ならびに帯電安定性、帯電均一性に優れており、カブリ、ゴースト、飛び散りが抑制された画像を得ることができる磁性トナーを提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、少なくとも結着樹脂及び磁性体を有する磁性トナーであって、該磁性体は、絶縁破壊電圧が160乃至1600V/cmである磁性酸化鉄であり、磁性トナーの100kHz、40℃における誘電正接(tanδ)が2.0×10−3乃至1.0×10−2であることにより、長期の使用においても画像濃度が高く、カブリ、ゴースト、飛び散りのない画像を提供することができる磁性トナーが得られることを見出した。
高温高湿、低温低湿のような厳しい環境下における長期の使用においても、高い現像性を維持することができ、かつカブリ、ゴースト、飛び散りといった帯電低下、帯電不均一に起因する画像問題の抑制された高品位な画像を得ることのできる磁性トナーを提供する。
本発明者らは、磁性トナーの構成材料について検討した結果、特に磁性酸化鉄からなる磁性体の絶縁破壊電圧が、磁性トナーの現像性と密接な関係があることを見出した。また、該磁性体が磁性トナー中で良好に分散していることで、磁性トナーとしての帯電調整能を十分発揮させることを見出した。
本発明において、磁性体としては磁性酸化鉄が用いられ、該磁性体は、絶縁破壊電圧が160乃至1600V/cm、好ましくは400乃至900V/cm、より好ましくは600乃至800V/cmである。磁性体の絶縁破壊電圧が上記範囲内にある場合には、摩擦帯電電荷のリークの抑制とチャージアップの抑制とのバランスをとることができる。更に、トナーの不均一帯電を抑制することができ、高い印字面積の画像を連続で現像するときに、後の画像の濃度が低下して画像上に濃淡差が生じてしまう、所謂ゴースト画像の発生を抑制することができる。又、高温環境下における耐久後であっても転写不良や、飛び散り、カブリを抑制することができる。
即ち、本発明においては、磁性体の絶縁破壊電圧が160乃至1600V/cmであることにより、磁性トナー表面での摩擦帯電電荷のリークに起因する不均一帯電、帯電の不安定さを改善することができる。また、過帯電を抑制することができ、磁性トナーの帯電量を適正な値に保つことができる。その結果、環境に依らず、高い画像濃度を維持し、ゴースト、飛び散り、カブリといった現象を抑制することができる。
磁性体の絶縁破壊電圧は、JIS C 2161に従い以下の方法により測定する。
磁性体を2g秤量し、内径1.3cmの錠剤成型器を用い、13720kPa(140kg/cm)の圧力を加え、面積1.33cm、厚さ0.50〜0.60cmの加圧サンプルを作製する。加圧サンプルをステンレス電極板に設置する。その際、ステンレス電極間をフッ素樹脂製ホルダーにて外部と完全に隔離する。設置したサンプルに抵抗測定器(YOKOGAWA−HEWLETT−PACKARD製:4329A HIGH RESISTANCE METER)を用いて10V〜1000Vの範囲で所定の電圧を印加して、加圧サンプルの抵抗値Rを測定する。印加電圧が低いところから測定を開始し、ある程度印加電圧が高くなると絶縁破壊が起こり、抵抗値Rが測定不能になる。この絶縁破壊が起こる前の最大印加電圧値を絶縁破壊電圧とする。なお、測定は、23℃、50%RH環境下で行われ、加圧サンプルも同環境下で24時間調温・調湿した後に使用する。
磁性体の絶縁破壊電圧は、Al、Mn、Znなどの異種金属を磁性体に含有させることで制御可能である。特に磁性体粒子表面にAl、Mn、Znなどの金属酸化物、あるいは金属水和物の被覆層を形成することによって広範に渡る制御が可能である。所望の磁気特性を維持しつつ、非常に高い絶縁破壊電圧を発現させるには、Alを含有させるのが最も好ましい。
磁性体は、Alを0.5乃至5.0質量%含有することが好ましく、より好ましくは1.0乃至3.0質量%であり、更に好ましくは1.0乃至2.0質量%である。Alの含有量が上記の範囲内にある場合には、Alで磁性体表面を適度に覆うことが可能となり、摩擦帯電電荷のリークの抑制とチャージアップの抑制とのバランスを良好にとることができるようになる。又、良好な流動性が得られるようになる。
また、磁性体は、下式
Al溶解率(S1)(%)={(1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で磁性体を洗浄したときのAlの溶解量)/(磁性体に含有される全Al量)}×100
で表されるアルミニウム溶解率(S1)が、40乃至60質量%であることが好ましく、45乃至60質量%であることがより好ましい。上記Al溶解率(S1)がこの範囲内にあるときに、特に摩擦帯電量の制御効果が高まる。
尚、1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液は磁性体の内部には浸透しないため、該水溶液によって溶解されるAlは磁性体の表面近傍に存在するAlだけである。その為、上記Al溶解率(S1)は、磁性体表面近傍に存在するAlの割合を表す。
また、磁性体は、Alを内部に含有しつつ、さらに表面にAlを含有する被覆層を有することが好ましい。この場合、磁性体表面におけるAlを含有する被覆層がより緻密になり、磁性トナーの電気抵抗値が上がり、高温高湿あるいは低温低湿といった環境下であっても、安定した帯電量を保持することができる。また、このような磁性体は流動性に優れるため、小粒径の磁性体において問題となりやすい粒子凝集に関しても発生を抑制することができる。
さらに、磁性体は、1モル/リットルの塩酸水溶液に磁性体を溶解させる過程において、Fe溶解率(鉄溶解率)が20質量%の時点での、磁性体に含有される全Al量に対するAl溶解率(S2)が60乃至85質量%であることが好ましい。そして、Fe溶解率が60質量%の時点での、該磁性体に含有される全Al量に対するAl溶解率(S3)が80乃至95質量%であることが好ましい。更に、Fe溶解率が80質量%の時点での、該磁性体に含有される全Al量に対するAl溶解率(S4)が95乃至99質量%であることが好ましい。また、Al溶解率(S2)が70乃至85質量%であることがより好ましく、Al溶解率(S3)が90乃至95質量%であることがより好ましい。
また、アルミニウム溶解率(S2)〜(S4)は、下式で示される。
アルミニウム溶解率(S2)(%)={(1モル/リットルの塩酸水溶液に磁性体を溶解させる過程において、Fe溶解率が20質量%の時点でのAlの溶解量)/(磁性体に含有される全Al量)}×100
アルミニウム溶解率(S3)(%)={(1モル/リットルの塩酸水溶液に磁性体を溶解させる過程において、Fe溶解率が60質量%の時点でのAlの溶解量)/(磁性体に含有される全Al量)}×100
アルミニウム溶解率(S4)(%)={(1モル/リットルの塩酸水溶液に磁性体を溶解させる過程において、Fe溶解率が80質量%の時点でのAlの溶解量)/(磁性体に含有される全Al量)}×100
尚、上式におけるFe溶解率は、下式で示される。
Fe溶解率(%)={(1モル/リットルの塩酸水溶液で磁性体を溶解する過程のある時点における溶解されたFe量)/(磁性体に含有される全Fe量)}×100
“Fe溶解率が20質量%となった時点”というのは、磁性体を1モル/リットルの塩酸水溶液に投入し、表面から溶解し始め、全Fe量に対して、20質量%のFeが溶解した時点のことであり、実質的には、磁性体の表面から20質量%が溶解した時点に相当する。そして、“Fe溶解率が20質量%の時点での、磁性体に含有される全Al量に対するAl溶解率(S2)”とは、磁性体の表面から20質量%の領域に含有されるAlの割合に相当する。
磁性体が良好な電気的特性を示し、特に、小粒径の磁性トナーに使用されたときに十分な効果を発揮するためには、上記したAlの全含有量と表面存在量、存在状態の規定を満たすことが好ましい。さらに、この場合には、磁気的特性も良好なものとなる。また、Alが上記のような状態で存在している場合には、磁性体内部に含有されるAlの影響によって、磁性体母粒子に対するAlを含有する被覆層の密着性が向上し、更に緻密な被覆層が形成されやすくなる。
また、磁性体は、結晶構造がマグネタイトであることが好ましい。そして、磁性体の内部に含有されるAlに関しては、マグネタイト結晶中に取り込まれているのではなく、非晶質の状態でAlがマグネタイト中に存在していることが好ましい。
更に、磁性体は、Alに加えて、第2族金属(Mg、Ca、Sr、Ba)のうち少なくとも1種類を含有していることが好ましく、中でもMgを含有していることが好ましい。第2族金属を用いた場合には、被覆層がより緻密に形成されるようになり、本発明で規定する範囲の絶縁破壊電圧が得られやすくなる。。詳細なメカニズムの解明はできていないが、発明者らはマグネタイトに対し、Mg2+が結晶格子に配位選択性を持って配位すること、MgとAlがマグネタイトと同じ結晶構造を持つMgAlを形成しうることから、上述のような緻密な被覆層を形成すると考えている。
ただし、本発明者らがX線回折によって確認したところ、本発明に用いられる磁性体の回折ピークは、マグネタイトの強い回折ピークが支配的であり、その他の結晶構造に由来する回折ピークはほとんど観察されなかった。即ち、磁性体において、Al成分は非晶質の形態の化合物として存在している。
なお、磁性体中のAl及びその他異種元素の含有量は、蛍光X線分析装置SYSTEM3080(理学電機工業社製)を使用し、JIS K 0119「蛍光X線分析通則」に従って、含有元素の定性・定量分析を行うことにより測定する。
また、磁性酸化鉄の結晶構造は、X線回折装置で格子定数を測定することにより、解析することができる。
また、磁性体中のAlの分布を示す、上記のAl溶解率、Fe溶解率は次のような方法によって求めることができる。
まず、5リットルのビーカーに約3リットルの脱イオン水を入れ45乃至50℃になるようにウォーターバスで加温する。磁性体25gを400mlの脱イオン水でスラリーにし、スラリーをさらに300mlの脱イオン水で水洗いしながら、加温してある5リットルビーカー中に加え、磁性体分散液を調製する。
1)水酸化ナトリウム水溶液を用いた磁性体の洗浄
水酸化ナトリウム水溶液で磁性体を洗浄するときは、5リットルビーカー内の磁性体分散液を温度を約50℃に保ち、200rpmで攪拌しながら、磁性体濃度が5g/リットル、かつ水酸化ナトリウム水溶液濃度が1モル/リットルとなるように、脱イオン水と特級の水酸化ナトリウムを加える。その後、磁性体粒子表面のFe以外の金属の溶解を開始する。30分間放置した後、溶解液を0.1μmメンブランフィルターでろ過し、ろ液を20ml採取する。そして、プラズマ発光分光(ICP)測定装置によって、採取されたろ液中のAlの濃度の定量を行う。
2)塩酸水溶液による磁性体の溶解
酸に溶解させるときは、5リットルビーカー内の磁性体分散液に、磁性体濃度を5g/リットル、かつ塩酸水溶液の濃度が1モル/リットルとなるように、脱イオン水と特級塩酸とを加え、温度を約50℃に保ち、200rpmで攪拌しながら、溶解を行う。尚、磁性体全量を溶解するときには混酸も加えても良く、濃度3モル/リットル程度にして使用してもよい。
全ての磁性体が溶解して透明になるまで、10分間隔で溶解液を採取し、該溶解液を0.1μmメンブランフィルターでろ過し、ろ液を約20ml採取する。そして、プラズマ発光分光(ICP)測定装置によって、採取されたろ液中のAl及びFeの濃度の定量を行う。
得られた結果から、10分間隔で採取された各試料におけるAl溶解率及びFe溶解率を求め、Fe溶解率に対するAl溶解率のプロットを行い、それを滑らかに結びFe溶解率に対するAl溶解率の曲線を得る。
そして、Al溶解率(S1)は、水酸化ナトリウム水溶液で磁性体を洗浄したときのAl濃度と、塩酸水溶液で磁性体を完全に溶解させた時のAl濃度とから算出できる。また、Al溶解率(S2)〜(S4)は、上記のFe溶解率に対するAl溶解率の曲線から求めることができる。
磁性体は、等電点がpH7.0以上10.0以下であることが好ましく、より好ましくはpH8.0以上10.0以下、更に好ましくはpH9.0以上10.0以下である。尚、マグネタイトの等電点はpH6.5程度である。一般に、等電点は異種元素の添加量や、異種元素の磁性体表面における存在状態の影響を受ける。等電点が上記の範囲内にある場合には、Alによる磁性体表面の被覆が十分に行われているものと思われ、良好な流動性が得られる。そして、磁性トナーとしては、均一に近い帯電性が得られ、ゴーストや画像濃度の低下を抑制することができる。
磁性体の等電点は、以下の方法により測定する。
まず、磁性体を25℃のイオン交換水に分散させ、試料濃度が1.8質量%になるように調製する。超音波方式ゼータ電位測定装置DT−1200(Dispersion Technology社製)を使用し、1モル/リットルの塩酸水溶液もしくは水酸化ナトリウム水溶液で滴定してゼータ電位を測定する。ゼータ電位が0mVの時のpHを等電点とする。
また、磁性体は、23℃,50%RHの環境下で測定された体積抵抗は1×10乃至1×10Ω・cmであることが好ましい。一般に異種金属を含有させると、磁性体の体積抵抗は低下する傾向にあるが、上記範囲の比較的に高い体積抵抗を有することが、トナーが電荷をしっかり保持できるという観点で好ましい。
磁性体の体積抵抗を上記のように調整するには、Al等の異種金属の含有量や被覆量で調整することが可能であり、また、異種金属の被覆層を緻密にすることによっても調整可能である。特に第2族金属(Mg、Ca、Sr、Ba)を用いるのが好ましく、中でもMgを用いるのがより好ましい。Mgのような異種金属を用いることで、最終的なAlの被覆層がより緻密に形成することができるようになる。
また、磁性体は、主に板状面を有さない曲面で形成された球形状粒子から構成され、且つ八面体粒子を殆ど含まない磁性体であることが好ましい。
また、磁性体は、個数平均粒子径(D1)が0.08〜0.25μmであることが磁性体の結着樹脂中への分散性、及び黒色度、磁気特性等の観点から好ましい。
磁性体の個数平均粒子径は、以下の方法により測定する。磁性体の透過型電子顕微鏡写真(倍率30,000倍)を用い、写真上の粒子を無作為に100個選び、各粒子の最大長を計測し、その相加平均値をもって個数平均粒子径とする。
磁性体は、磁場795.8kA/m(10kエルステッド)下における磁気特性として、σ10kが10〜200Am/kg;残留磁化σrが1〜100Am/kg;保磁力Hcが1〜30kA/mであるものが好ましく用いられる。より好ましくは、σ10kが70〜90Am/kg;残留磁化σrが2〜20Am/kg;保磁力Hcが2〜15kA/mである。このような磁気特性を有することで、磁性トナーとしての良好な現像性を得ることができる。磁性体の磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−3S−15」(東英工業社製)を用い、外部磁場795.8kA/mの下で測定される。
以下、磁性体に用いられる具体的材料及びその製造方法について説明する。以下の説明において、被覆層を有する磁性体においては、被覆層より内部の部分を母体磁性体と呼び、母体磁性体を被覆層で被覆したものを磁性体と呼ぶ。
磁性体としては、異種元素を含有するマグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の磁性酸化鉄及びそれらの混合物がいずれも使用可能であるが、好ましくはFeO含有量の多いマグネタイトを主成分とするものである。マグネタイト粒子は、一般的に第一鉄塩水溶液とアルカリ溶液とを中和混合して得られた水酸化第一鉄スラリーを酸化することにより得られる。
また、本発明で規定されたような絶縁破壊電圧を有する磁性体を得るための1つの方法としては、磁性体中のAlの存在状態をコントロールする方法がある。例えば、母体磁性体の製造過程において、母体磁性体表面に多くのAlを存在させ、その上にAlを含有する被覆層を設けるという方法が挙げられる。母体磁性体表面にAlを多く含有させることにより、母体磁性体表面と被覆層との接着性を向上させ、緻密な被覆層を形成することができる。
詳細には、硫酸第一鉄水溶液に、鉄成分に対して4000〜6000ppm相当のAl成分と、鉄成分に対し当量または当量以上の水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリとを加え、水酸化第一鉄溶液を調製する。このとき、さらに第2族の金属元素(Mg、Ca、Sr、Ba)から選ばれる1種以上の金属塩を所定量添加することが好ましい。調製した水酸化第一鉄水溶液のpHを7以上(好ましくはpH8〜10、第2族金属元素を添加するときにはpH11以上)に維持しながら、該水溶液に空気を吹き込み、70℃以上に加温しながら酸化反応を行い、磁性体粒子のコアとなる母体磁性体粒子を生成する。
次に、母体磁性体を含むスラリー状の液に、4000〜6000ppm相当のAl成分を添加し、75〜85℃で攪拌し、pHを11以上に調整した後に第2族の金属元素(Mg、Ca、Sr、Ba)から選ばれる1種以上の金属の塩を磁性体全体に対して100〜2000ppmとなる第2族金属元素を含む水溶液を添加し、少なくとも10分以上混合する。その後、酸性水溶液を添加して、一旦pHを8〜10に調整して5分以上攪拌し、再度酸性水溶液を添加してpHを徐々に低下させて、最終的にpH6.5〜7.5にする。そして、スラリーを洗浄し、ろ過後、乾燥して、磁性体粒子を得る。さらに、平均粒子径、平滑度、比表面積を好ましい範囲に調整するために、ミックスマーラー又はらいかい機を用いて、圧密、せん断およびへらなでしても良い。
磁性体にAlを導入するために用いられるAl成分としては、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウムが挙げられる。
また、第一鉄塩としては、一般的な硫酸法チタンの製造において副生する硫酸鉄や、鋼板の表面洗浄に伴って副生する硫酸鉄の利用が可能であり、さらに塩化鉄なども利用できる。
また、磁性体は、P、S、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Znの総含有量が少ないことが好ましい。これらの元素は磁性酸化鉄製造時に原料由来の不可避成分として含有される場合が多いが、黒色度及び磁気特性を考慮した場合、上記成分の総含有量は低い方が好ましく、1質量%以下であることが好ましい。
また、磁性トナーにおいては、結着樹脂100質量部に対して、磁性体は50〜150質量部含有されることが好ましく、更には60〜120質量部含有されることが好ましい。磁性体の含有量が上記の範囲内である場合には、カブリや飛び散りの発生を抑制することができると共に、十分な着色力を得ることができる。また、トナー担持体からの飛翔も問題なく行うことができる。
また、本発明の磁性トナーは、周波数100kHz、40℃において測定する誘電正接(誘電損失の損失率:tanδ)が2.0×10−3乃至1.0×10−2である。磁性トナーにおける誘電正接の値は、磁性体の分散状態の指標とすることができる。そして、磁性体の分散状態は、トナーの電荷保持能に影響を与えるため、トナーの電荷保持能の指標としても考えることができる。磁性トナーにおいて、誘電正接が上記範囲にある際には、磁性体の分散状態が適当な状態にあり、電荷の保持と放出のバランスが好適な状態となる。
トナー中における磁性体の分散状態は、温度や混合状態といった溶融混練条件や、磁性体の添加量、また磁性体の粒径や粒度分布を調整することによって制御することができる。また、磁性体合成後に機械的処理を行い、磁気凝集性を抑制したり、磁性体表面を改質したりすることによっても制御することができる。
磁性トナーの誘電正接は以下の方法で測定する。
1kHz及び1MHzの周波数で校正した4284AプレシジョンLCRメーター(ヒューレット・パッカード社製)を用いて、誘電率を測定し、その測定値から誘電正接が算出される。
具体的には、磁性トナーを1g秤量し、19600kPa(200kg/cm)の荷重を2分間かけて、直径25mm、厚さ1mm以下(好ましくは0.5〜0.9mm)の円盤状の測定試料に成型する。この測定試料を直径25mmの誘電率測定治具(電極)を装着したARES(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)に装着し、加熱して固定する。この際、トナー中の磁性体の分散状態が変化しないようにできるだけ低い温度で固定させるようにする。尚、後述の実施例においては80℃で固定した。その後、温度40℃まで冷却し、1.47N(150g)の荷重をかけた状態で、4284AプレシジョンLCRメーター(ヒューレット・パッカード社製)を用いて、500〜5×10Hzの周波数範囲を測定することにより、100kHzでのトナーの誘電率を測定する。
ここで、誘電正接(tanδ)を測定する基準として周波数を100kHzとしたのは、磁性体の分散状態を検証するために好適な周波数であるためである。
本発明の磁性トナーは、上記磁性体の他、少なくとも結着樹脂を含有する。結着樹脂としては、従来結着樹脂として知られている種々の樹脂化合物を使用することができる。例えば、ビニル系樹脂、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロインデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。
特に、結着樹脂は、少なくともポリエステルユニットを有する樹脂であることが好ましい。ポリエステルユニットを有する樹脂とは、ポリエステル樹脂そのものや、ポリエステル樹脂とビニル系樹脂とが化学的に結合したハイブリッド樹脂のことである。
酸成分及びアルコール成分から得られたポリエステルユニットを有する樹脂は、エステル結合を多く有していることから、Alを含有する磁性体を用いる場合には、磁性体表面のAlとの親和性が高くなり、磁性体との混合性に優れ、磁性体の脱離が生じにくくなる。
また、ポリエステルユニットを有する樹脂のポリエステルユニット部分においては、全成分中45〜55mol%がアルコール成分であり、55〜45mol%が酸成分であることが好ましい。
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記式(B)で表されるビスフェノール誘導体、下記式(C)で表されるジオール類、グリセリン、ソルビット、及びソルビタン等の多価アルコール類等が挙げられる。
Figure 0005020696
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、且つx+yの平均値は2〜10である。)
Figure 0005020696
また、3価以上の多価アルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼンが挙げられる。特に好ましい3価以上の多価アルコール成分として、下記式(D)で表されるノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルが挙げられる。
Figure 0005020696
(式中、Rはエチレン基又はプロピレン基であり、xは0以上の整数であり、y1〜y3は0以上の同一又は異なった整数であり、xが2以上であるとき、それぞれのy2は同じ値でも良いし異なる値でも良い。)
また、酸成分としてはカルボン酸が好ましくは例示することができる。2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのべンゼンジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられ、また、3価以上のカルボン酸としてはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等が挙げられる。
特に好ましいポリエステルユニットのアルコール成分としては上記式(B)で表されるビスフェノール誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその無水物、コハク酸、n−ドデセニルコハク酸又はその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのジカルボン酸類;トリメリット酸又はその無水物のトリカルボン酸類が挙げられる。これらの酸成分及びアルコール成分から得られたポリエステルユニットを有する樹脂を結着樹脂として使用した磁性トナーは、磁性体の分散が良好であり、現像性に優れ、定着性が良好で、耐オフセット性に優れる。
結着樹脂としては、上述した如く、ポリエステルユニットとビニル系樹脂ユニットとが化学的に結合しているハイブリッド樹脂であってもよく、その際のビニル系樹脂ユニットを構成する樹脂としては、以下のようなビニル系樹脂を用いることができる。尚、以下のビニル系樹脂を単独で用いても良く、又、他の樹脂とブレンドして用いても良い。
ビニル系樹脂としては、例えばスチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチレンスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエンなどの不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、沸化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸又はメタクリル酸誘導体;α,β−不飽和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸、ビニル酢酸、イソクロトン酸、アンゲリカ酸等のアクリル酸及びそのα−又はβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、アルケニルコハク酸、イタコン酸、メサコン酸、ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体又は無水物等のビニル系モノマーを用いた重合体が挙げられる。上記ビニル系樹脂では、前述したようなビニル系モノマーが単独又は二つ以上で用いられる。これらの中でもスチレン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ましい。
ビニル系単重合体又は共重合体からなる結着樹脂を合成する方法としては特に限定されず、従来から知られている種々の製法を利用することができ、例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの重合法が利用できる。カルボン酸モノマー又は酸無水物モノマーを用いる場合には、モノマーの性質上、塊状重合法又は溶液重合法を利用することが好ましい。
また、本発明に用いられる結着樹脂は、必要に応じて以下に例示するような架橋性モノマーで架橋された重合体又は共重合体であってもよい。架橋性モノマーとしては、架橋可能な二以上の不飽和結合を有するモノマーを用いることができる。
前記架橋性モノマーには、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロバンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレート類として例えば、商品名MANDA(日本化薬)等が挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート等が挙げられる。
上記の架橋性モノマーのうち、得られる磁性トナーの定着性、耐オフセット性の点から結着樹脂に好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
上記架橋剤は、モノマーの種類や、結着樹脂に求められる物性等によって使用量を調整することが好ましいが、一般に結着樹脂を構成する他のモノマー成分100質量部に対して0.01〜10質量部(より好ましくは0.03〜5質量部)用いることができる。
また、上記以外のビニル系モノマーの単重合体又は共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等を、前述した結着樹脂に必要に応じて混合して用いることができる。結着樹脂として2種以上の樹脂を混合して用いる場合、分子量の異なるものを適当な割合で混合するのがより好ましい形態である。
また、結着樹脂のガラス転移温度は、好ましくは45〜80℃、より好ましくは55〜70℃である。また、結着樹脂の数平均分子量(Mn)は2,500〜50,000であることが好ましく、重量平均分子量(Mw)は10,000〜1,000,000であることが好ましい。
結着樹脂のガラス転移温度は、一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−P.139〜192(John Wiley & Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度が45〜80℃を示すように、結着樹脂の構成物質(重合性単量体)を選択することにより調整することができる。また結着樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量計、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7やTAインスツルメンツジャパン社製のDSC2920を用いて、ASTM D3418−82に準じて測定することができる。結着樹脂のガラス転移温度が上記範囲内にあれば、保存安定性と定着性を良好に両立することができる。
磁性トナーには、更にワックスを含有させてもよい。
ワックスとしては次のようなものが例示される。例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;又は、それらのブロック共重合物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろうなどの植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムなどの鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスなどの脂肪族エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスなどの脂肪族エステルを一部又は全部を脱酸化したものが挙げられる。更に、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、又は更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類などの飽和直鎖脂肪酸;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カウナビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、又は更に長鎖のアルキル基を有するアルキルアルコールなどの飽和アルコール;ソルビトールなどの多価アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪族アミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪族ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
また、これらのワックスを、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法又は融液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたものや、低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子量固形化合物、又はその他の不純物を除去したものも好ましく用いられる。
ワックスとしては、融点が60〜120℃、より好ましくは70〜110℃であるものがよい。上記範囲に融点を有するワックスを使用することで、結着樹脂中への磁性体の分散性を改善することができる。
また、トナーには、荷電制御剤を添加することが好ましく、公知の種々の荷電制御剤を用いることができる。負帯電性の荷電制御剤としては、例えば、特公昭41−20153号公報、特公昭42−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報などに記載されているモノアゾ染料の金属錯体;特開昭50−133838号公報に記載されているニトロフミン酸及びその塩或いはC.I.14645などの染顔料;特公昭55−42752号公報、特公昭58−41508号公報、特公昭58−7384号公報、特公昭59−7385号公報などに記載されているサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸のZn,Al,Co,Cr,Fe,Zr等の金属錯体;スルホン化した銅フタロシアニン顔料;ニトロ基、ハロゲンを導入したスチレンオリゴマー;塩素化パラフィン等を挙げることができる。特に磁性トナー中への分散性に優れ、画像濃度の安定性やカブリの低減に効果のある、下記一般式(I)で表されるアゾ系金属錯体や下記一般式(II)で表される塩基性有機酸金属錯体が好ましい。
Figure 0005020696
[式中、Mは配位中心金属を表し、Cr,Co,Ni,Mn,Fe,Ti又はAlを示す。Arは、フェニル基,ナフチル基などのアリール基であり、置換基を有してもよい。この場合の置換基としては、ニトロ基,ハロゲン基,カルボキシル基,アニリド基及び炭素数1〜18のアルキル基,炭素数1〜18のアルコキシ基がある。X,X’,Y,Y’は−O−,−CO−,−NH−,−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)である。Aは水素イオン,ナトリウムイオン,カリウムイオン,アンモニウムイオン又は脂肪族アンモニウムイオン、或いはそれらの混合イオンを示す。]
Figure 0005020696
〔式中、Mは配位中心金属を表し、Cr,Co,Ni,Mn,Fe,Ti,Zr,Zn,Si,B又はAlを示す。
(B)は、アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基を置換基として有していても良い芳香族系化合物であり、例えば、フェニレン、ナフチレンを表す。
A'は、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、脂肪族アンモニウムイオン、或いは、それらの混合イオンを示す。
Zは、−O−、或いは、−COO−を示す。〕
これらのうち上記式(I)で表されるアゾ系金属錯体がより好ましく、とりわけ、中心金属がFeであるアゾ系鉄錯体が最も好ましい。
これらの荷電制御剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることが可能である。これらの荷電制御剤の使用量は、磁性トナーの帯電量の点から結着樹脂100質量部当たり0.1〜5.0質量部が好ましい。
上記のような負荷電制御剤のうち市販品として好ましいものは、例えばSPILON BLACK TRH、T−77、T−95(保土谷化学工業社)、BONTRON(登録商標)S−34、S−44、S−54、E−84、E−88、E−89(オリエント化学工業社)などである。
一方、トナーを正帯電性に制御するものとして下記物質が挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類;これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記のような正荷電制御剤のうち市販品として好ましいものは、例えばTP−302、TP−415(保土谷化学工業社)、BONTRON(登録商標)N−01、N−04、N−07、P−51(オリエント化学工業社)、コピーブルーPR(クラリアント社)などである。
また、トナー母粒子表面に、外添剤として無機微粉体が外添されることが好ましく、無機微粉体は疎水化して用いることが好ましい。例えば、無機微粉体としては、シリカ微粉体を用いることができる。
シリカ微粉体としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されるいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両方が使用可能である。中でも、表面及び内部にあるシラノール基が少なく、製造残渣のない乾式シリカが好ましい。
また、シリカ微粉体を疎水化処理する場合、疎水化処理の方法としては、シリカ微粉体と反応するか、又は、シリカ微粉体に物理吸着する有機ケイ素化合物などで化学的にシリカ微粉体を処理する方法が挙げられる。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシラン化合物で処理した後、又はシラン化合物で処理すると同時にシリコーンオイルなどの有機ケイ素化合物で処理する方法が挙げられる。
疎水化処理に使用されるシラン化合物としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシランメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが挙げられる。
有機ケイ素化合物としては、シリコーンオイルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ3×10−5〜1×10−3/sのものが用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が好ましい。
無機微粉体は、磁性トナー母粒子100質量部に対して0.1〜5質量部(より好ましくは、0.1〜3質量部)使用するのが好ましい。
トナーには、必要に応じてシリカ微粉体以外の外添剤を添加してもよい。例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子である。具体的には、例えばポリ弗化エチレン、ステアリン酸亜鉛,ポリ弗化ビニリデンなどの滑剤が挙げられ、中でもポリ弗化ビニリデンが好ましい。又は、酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤が挙げられ、中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。又は、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム等の流動性付与剤が挙げられ、中でも特に疎水性のものが好ましい。他には、ケーキング防止剤;例えばカーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズ等の導電性付与剤;また現像性向上剤として逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子などを少量用いることもできる。
トナーは、重量平均粒径(D4)が4.0〜9.0μmであることが好ましく、5.0〜8.0μmであることがより好ましい。重量平均粒径が上記範囲にある場合には、現像性と細線再現性の良好な両立が可能となる。
なお、トナーの重量平均粒径は、コールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(ベックマン・コールター社製)を用いて測定する。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(ベックマン・コールター社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出し、それらから重量平均粒径(D4)を求めた。
本発明の磁性トナーを作製する方法は特に限定されないが、粉砕法で製造することが好ましい。結着樹脂及び磁性体、さらに必要に応じてワックス等の材料をヘンシェルミキサー又はボールミルなどの混合機により十分混合してから、ロール、ニーダー及びエクストルーダーなどの熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶させた中に磁性体を分散させる。そして、冷却固化後、粉砕及び分級を行って磁性トナー母粒子を得ることができる。そして、得られた磁性トナー母粒子に対し、必要に応じてシリカ微粉体及び/又は他の外添剤を外添混合する。
混錬工程においては、混練温度が上昇するために磁性体が酸化され、磁性トナーの色味が赤味を帯びる原因となることがあるが、表面がAlによって緻密に被覆された磁性体を用いた場合には、この現象を抑制することができる。又、より低い融点を持つワックスを使用することで、混練温度を低くすることができ、磁性体粒子の酸化を抑制して、磁性トナーが赤味を帯びるのを抑制することができる。
磁性トナーの製造に用いられる混合機としては、例えばヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられ、混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられ、粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング)が挙げられ、分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられ、粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社製);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製); ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
以下実施例に基づいて本発明について説明する。しかしながら、これによって本発明が何ら限定されるものではない。なお、実施例中の部数は質量部である。
≪磁性体の製造例1≫
硫酸第一鉄水溶液中に、磁性体中のAlの含有量が0.60質量%となるように硫酸アルミニウムを添加し、また磁性体中のMgの含有量が500ppmとなるように水酸化マグネシウムを添加した。その後、水酸化ナトリウム水溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。水溶液のpHを11以上に調整しながら空気を吹き込み、90℃で酸化反応を行い、母体磁性体を含有するスラリーを得た。
次に、母体磁性体を含むスラリーに、被覆層に含有されるAl量が0.50質量%(磁性体を基準)となるように硫酸アルミニウムを添加し、80℃で攪拌し、pHを11以上に調整した。その後に、被覆層に含有されるMg量が900ppm(磁性体を基準)になるように水酸化マグネシウムを添加し、少なくとも15分間攪拌した。その後、硫酸水溶液を添加して、pHを8〜10に調整して5分間攪拌し、再度、硫酸水溶液を添加してpHを徐々に低下させて、最終的にpH7.1にした。このスラリーを洗浄し、ろ過後、乾燥して、AlとMgとを含有する母体磁性体の表面に、AlとMgとからなる被覆層が形成された磁性体1を得た。得られた磁性体1は、個数平均粒子径(D1)が0.16μmであり、AlとMgとを含有し、結晶構造がマグネタイトである磁性酸化鉄からなるものであった。磁性体1の物性を表1に示す。
≪磁性体の製造例2≫
磁性体の製造例1において、母体磁性体の製造段階において、母体磁性体中のAlの含有量が1.20質量%、Mgの含有量が100ppmとなるよう、硫酸アルミニウム量と水酸化マグネシウム量をそれぞれ変更した。さらに、被覆層形成の工程において、被覆層中のAlの含有量が1.50質量%、Mgの含有量が650ppmとなるように、硫酸アルミニウム量と水酸化マグネシウム量をそれぞれ変更した。これらの点を変更した条件で磁性体を製造し、磁性体2を得た。磁性体2は、個数平均粒子径(D1)が0.17μmであり、AlとMgとを含有し、結晶構造がマグネタイトである磁性酸化鉄からなるものであった。磁性体2の物性を表1に示す。
≪磁性体の製造例3≫
磁性体の製造例1において、母体磁性体の製造段階において、母体磁性体中のAlの含有量が1.00質量%となるように硫酸アルミニウム量を変更し、更に、水酸化マグネシウムを用いないように変更した。又、水溶液のpHを10.5に変更した。さらに、被覆層形成の工程において、被覆層中のAlの含有量が1.20質量%、Mgの含有量が150ppmとなるように、硫酸アルミニウム量と水酸化マグネシウム量をそれぞれ変更した。これらの点を変更した条件で磁性体を製造し、磁性体3を得た。磁性体3は、個数平均粒子径(D1)が0.15μmであり、AlとMgとを含有し、結晶構造がマグネタイトである磁性酸化鉄からなるものであった。磁性体3の物性を表1に示す。
≪磁性体の製造例4≫
磁性体の製造例1において、母体磁性体の製造段階において、母体磁性体中のAlの含有量が0.50質量%となるように硫酸アルミニウム量を変更し、更に、水酸化マグネシウムを用いないように変更した。又、水溶液のpHを10.5に変更した。さらに、被覆層形成の工程において、被覆層中のAlの含有量が0.40質量%、Mgの含有量が100ppmとなるように、硫酸アルミニウム量と水酸化マグネシウム量をそれぞれ変更した。これらの点を変更した条件で磁性体を製造し、磁性体4を得た。磁性体4は、個数平均粒子径(D1)が0.20μmであり、AlとMgとを含有し、結晶構造がマグネタイトである磁性酸化鉄からなるものであった。磁性体4の物性を表1に示す。
≪磁性体の製造例5≫
磁性体の製造例1において、母体磁性体の製造段階において、母体磁性体中のAlの含有量が0.20質量%、Mgの含有量が100ppmとなるよう、硫酸アルミニウム量と水酸化マグネシウム量をそれぞれ変更した。さらに、被覆層形成の工程において、被覆層中のAlの含有量が0.30質量%となるように、硫酸アルミニウム量を変更し、更に、水酸化マグネシウムを用いないように変更した。これらの点を変更した条件で磁性体を製造し、磁性体5を得た。磁性体5は、個数平均粒子径(D1)が0.18μmであり、AlとMgとを含有し、結晶構造がマグネタイトである磁性酸化鉄からなるものであった。磁性体5の物性を表1に示す。
≪磁性体の製造例6≫
磁性体の製造例1において、母体磁性体の製造段階において、母体磁性体中のAlの含有量が2.20質量%となるよう、硫酸アルミニウム量を変更し、更に、水酸化マグネシウムを用いないように変更した。又、水溶液のpHを10.5に変更し、撹拌の速度を低下させた。さらに、被覆層形成の工程において、被覆層中のAlの含有量が2.80質量%となるよう、硫酸アルミニウム量を変更し、更に、水酸化マグネシウムを用いないように変更した。これらの点を変更した条件で磁性体を製造し、磁性体6を得た。磁性体6は、個数平均粒子径(D1)が0.30μmであり、Alを含有し、結晶構造がマグネタイトである磁性酸化鉄からなるものであった。磁性体6の物性を表1に示す。
≪磁性体の製造例7≫
磁性体の製造例1において、母体磁性体の製造段階において、母体磁性体中のAlの含有量が0.30質量%となるよう、硫酸アルミニウム量を変更し、更に、水酸化マグネシウムを用いないように変更した。又、水溶液のpHを10.5に変更した。さらに、被覆層形成の工程において、被覆層中のAlの含有量が0.20質量%となるよう、硫酸アルミニウム量を変更し、更に、水酸化マグネシウムを用いないように変更した。これらの点を変更した条件で磁性体を製造し、磁性体7を得た。磁性体7は、個数平均粒子径(D1)が0.15μmであり、Alを含有し、結晶構造がマグネタイトである磁性酸化鉄からなるものであった。磁性体7の物性を表1に示す。
≪磁性体の製造例8≫
磁性体の製造例1において、AlもMgも添加せずに、磁性体8を得た。ただし、pHを調整し、八面体形状を有する磁性酸化鉄とした。磁性体8の物性を表1に示す。
≪磁性体の製造例9≫
磁性体の製造例1において、母体磁性体の製造段階において、母体磁性体中のAlの含有量が2.00質量%となるよう、硫酸アルミニウム量を変更し、更に、水酸化マグネシウムを用いないように変更した。又、水溶液のpHを10.5に変更し、撹拌の速度を低下させた。さらに、被覆層形成の工程において、被覆層中のAlの含有量が3.30質量%となるよう、硫酸アルミニウム量を変更し、更に、水酸化マグネシウムを用いないように変更した。これらの点を変更した条件で磁性体を製造し、磁性体9を得た。磁性体9は、個数平均粒子径(D1)が0.22μmであり、Alを含有し、結晶構造がマグネタイトである磁性酸化鉄からなるものであった。磁性体9の物性を表1に示す。
≪磁性体の製造例10≫
磁性体の製造例1において、母体磁性体の製造段階において、母体磁性体中のAlの含有量が0.40質量%、Mgの含有量が70ppmとなるよう、硫酸アルミニウム量、水酸化マグネシウム量をそれぞれ変更した。また、酸化反応における反応温度を80℃に変更した。さらに、被覆層形成の工程において、被覆層中のAlの含有量が0.60質量%、Mgの含有量が50ppmとなるように、硫酸アルミニウム量と水酸化マグネシウム量をそれぞれ変更し、また撹拌時間を10分間に変更した。さらに、撹拌後、pH8〜10で5分間撹拌することなく、pHを7.1まで落とすように変更した。これらの点を変更した条件で磁性体を製造し、磁性体10を得た。磁性体10は、個数平均粒子径(D1)が0.16μmであり、AlとMgとを含有し、結晶構造がマグネタイトである磁性酸化鉄からなるものであった。磁性体10の物性を表1に示す。
Figure 0005020696
≪結着樹脂の製造例1≫
(ポリエステル樹脂A)
・式(B)で表されるビスフェノール誘導体: 39部
(R:プロピレン基、x+yの平均値:2.2)
・式(B)で表されるビスフェノール誘導体: 18部
(R:エチレン基、x+yの平均値:2.2)
・テレフタル酸 : 20部
・イソフタル酸 : 11部
・フマル酸 : 0.2部
・ドデセニル無水琥珀酸 : 12部
これらに触媒としてテトラブチルチタネート:0.1質量%を添加し、230℃で縮合重合して、THF不溶分を含まない低分子量不飽和ポリエステル樹脂A(Tg:59℃、ピーク分子量(Mp):7,800)を得た。
得られた低分子量不飽和ポリエステル樹脂A:75部をメチルエチルケトン:75部に加熱溶解し、冷却後、スチレン:19部、アクリル酸ブチル:6部、重合開始剤としてパーカドックス12−XL25(化薬アクゾ社製):0.125部を混合した。モノマー混合ポリエステル溶液を、予め作製したポリビニルアルコール0.2質量%水溶液150部に、攪拌しながら添加し、分散させて懸濁液とした。
この懸濁液を窒素気流下で加熱し、メチルエチルケトンを還留しながら昇温した。フラスコ内温を85℃に保ち、メチルエチルケトンを留去しながら20時間重合を行った後、冷却した。得られた懸濁スラリーを脱水・乾燥してハイブリッド樹脂(Tg:59℃、THF不溶分40%、Mp:7,700、Mn:3,500、Mw:26,000、酸価:18mgKOH/g、水酸基価:35mgKOH/g)を得た。これを結着樹脂1とする。
≪結着樹脂の製造例2≫
(ポリエステル樹脂B)
・テレフタル酸 : 25部
・無水トリメリット酸 : 3部
・式(B)で表されるビスフェノール誘導体 : 72部
(R:プロピレン基、x+yの平均値:2.2)
これらに触媒としてジブチルスズオキサイド:0.5部を添加し、220℃で縮合重合して、低分子量ポリエステル樹脂B(Tg:55℃、THF不溶分:0質量%、Mp:7,600、Mn:4,000、Mw:9,200、酸価:11mgKOH/g、水酸基価:35mgKOH/g)を得た。
(ポリエステル樹脂C)
・テレフタル酸 : 18部
・イソフタル酸 : 3部
・無水トリメリット酸 : 7部
・前記式(B)で表されるビスフェノール誘導体 : 72部
(R:プロピレン基、x+yの平均値:2.2)
・前記式(D)で表されるノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル
2部
(R=エチレン基、xの平均値=2.6、y1〜y3の平均値=1.0)
これらの原料物質に触媒としてジブチルスズオキサイド0.5質量部を添加し、240℃で縮合重合して、架橋ポリエステル樹脂C(Tg:56℃、THF不溶分:39質量%、Mp:8,600、Mn:5,300、Mw:110,000、酸価:25mgKOH/g、水酸基価:21mgKOH/g)を得た。
次に、得られたポリエステル樹脂B50部とポリエステル樹脂C50部とをヘンシェルミキサー(混合機、三井三池化工機社製)で予備混合し、KRCニーダーS1(混練機、栗本鉄工所社製)にて、吐出される樹脂の温度が150℃になるような条件で混錬を行い、結着樹脂2(Tg:56℃、THF不溶分22質量%、Mp:8,800、Mn:5,600、Mw:130,000、酸価:16mgKOH/g、水酸基価:27mgKOH/g)を得た。
≪結着樹脂の製造例3≫
Tg:58℃、ピーク分子量(Mp):7,800、個数平均分子量(Mn):5,000、重量平均分子量(Mw):9,700、酸価:21mgKOH/g、水酸基価:2mgKOH/gのスチレン−アクリル系樹脂(モル基準で、スチレン/n−ブチルアクリレート/無水マレイン酸=50/45/5)を結着樹脂3とした。
実施例1
・結着樹脂1 : 100部
・磁性体1 : 90部
・フィッシャートロプシュワックス(融点:108℃) : 4部
・荷電制御剤 T−77(アゾ鉄化合物、保土谷化学工業社) : 2部
上記混合物を、140℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕粉を固定壁型風力分級機で分級して一次分級粉を生成した。更に、得られた一次分級粉を、コアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボージェット分級機)で処理することにより超微粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去して、重量平均粒径(D4)が5.7μmの負帯電性磁性トナー粒子を得た。この得られた磁性トナー粒子100部に対し、疎水化処理したBET比表面積120m/gの疎水性シリカ微粉体を1.2部外添混合して、磁性トナー1を調製した。
この磁性トナー1の評価用画出し試験機として、市販のLBPプリンター(HP LaserJet 4250、ヒューレットパッカード製)の改造機を用いた。具体的には、プロセススピードを、120mm/sec(A4横で20枚/分)に改造し、さらに現像スリーブと静電潜像担持体との周速が同一になるように改造した。また、カートリッジ内に設置された、トナー攪拌部材のうち、現像スリーブから離れた位置に設置された攪拌部材を取り外した。この試験機を用いて、30℃,80%RH(高温高湿)の環境と15℃,10%RH(低温低湿)の環境下で、2万枚のプリント試験を行い、以下に示す評価を行った。評価結果を表3に示す。
(1)画像濃度
高温高湿、低温低湿のそれぞれの環境下で、通常の複写機用普通紙(75g/m)に2万枚プリントアウトし、終了時の画像濃度の評価を行った。なお、画像濃度はマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、原稿濃度が0.00の白地部分(即ち、画像形成前の複写機用普通紙)のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。また、高温高湿の環境下に2週間放置した後、1枚目のプリントアウト画像に関しても画像濃度の評価を行った。
(2)スリーブネガゴースト
低温低湿環境下で、通常の複写機用普通紙(75g/m)に2万枚プリントアウトし、5,000枚ごとにスリーブネガゴーストの評価を行った。ゴーストに関する画像評価に際しては、スリーブ1周分だけベタ黒の帯状の画像を出力した後ハーフトーンの画像を出力した。一枚のプリント画像のうち、スリーブ2周目に当る部分において、1周目で黒画像が形成された場所(ベタ黒印字部)と、1周目で黒画像を形成しなかった場所(非画像部)との、マクベス濃度反射計により測定された反射濃度の差を、下記式を用いて算出した。
反射濃度差=反射濃度(像形成されない場所)−反射濃度(像形成された場所)
尚、反射濃度差が小さいほどゴーストの発生はなく良好であることを示す。得られた反射濃度差を以下のA、B、C、Dの4段階に分けて評価し、5,000枚毎の評価の中での最悪の評価結果について評価を行った。
A:反射濃度差が0.02未満
B:反射濃度差が0.02以上0.04未満
C:反射濃度差が0.04以上0.06未満
D:反射濃度差が0.06以上
(3)カブリ
カブリは、低温低湿環境下での耐久試験中、10,000枚終了時点で、現像バイアスの交流成分の振幅を1.8kVに設定(デフォルトは1.6kV)し、べた白を2枚プリントし、2枚目について、カブリを以下の方法により測定した。
反射濃度計(リフレクトメーター モデル TC−6DS 東京電色社製)を用いて画像形成前後の転写材を測定し、画像形成後の反射濃度最悪値をDs、画像形成前の転写材の反射平均濃度をDrとし、Ds−Drを求め、これをカブリ量として評価した。数値の少ない方がカブリは少ないことを示す。
カブリの評価基準を以下に示す。
A:1.0未満
B:1.0以上2.0未満
C:2.0以上3.5未満
D:3.5以上
(4)飛び散り
飛び散りは、ライン及び文字を含む原稿を使用し、低温低湿環境下における耐久試験後の画像を、目視または拡大鏡を使用して、以下の基準で評価した。
A:文字画像及びライン画像ともに、細部まで忠実に再現している。
B:細部に多少の乱れまたは飛び散りが生じているが、目視では問題ないレベルである。
C:目視でも乱れや飛び散りがわかるレベルである。
D:乱れ、飛び散りが多数発生し、原稿を再現していない。
実施例2〜6
磁性トナーの処方のうち、磁性体、結着樹脂及びワックスを表2に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法により磁性トナー2〜6を製造した。
また、得られた磁性トナーをそれぞれ用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
比較例1
磁性トナーの処方を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法により磁性トナー7を製造した。
また、磁性トナー7を用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
比較例2
磁性トナーの処方を表2に示すように変更し、更に、溶融混練時の混練温度を100℃に変更した以外は実施例1と同様の方法により磁性トナー8を製造した。
また、磁性トナー8を用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
比較例3
磁性トナーの処方を表2に示すように変更し、更に、磁性体量を50部にした以外は実施例1と同様の方法により磁性トナー9を製造した。
また、磁性トナー9を用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
比較例4
磁性トナーの処方を表2に示すように変更し、さらに磁性体の添加量を90部から120部に変更した。また、実施例1において溶融混練時の混錬温度を140℃から160℃に変更する以外は同様にして、磁性トナー10を製造した。
また、磁性トナー10を用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
比較例5
磁性トナーの処方を表2に示すように変更し、さらに磁性体の添加量を90部から60部に変更した。また、実施例1において溶融混練時の混錬温度を140℃から120℃に変更する以外は同様にして、磁性トナー11を製造した。
また、磁性トナー11を用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
比較例6
磁性トナーの処方を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法により磁性トナー12を製造した。
また、磁性トナー12を用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
比較例7
磁性トナーの処方を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法により磁性トナー13を製造した。
また、磁性トナー13を用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
Figure 0005020696
Figure 0005020696

Claims (4)

  1. 少なくとも結着樹脂及び磁性体を有する磁性トナーであって、
    該磁性体は、絶縁破壊電圧が160乃至1600V/cmである磁性酸化鉄であり、
    磁性トナーの100kHz、40℃における誘電正接(tanδ)が2.0×10−3乃至1.0×10−2であることを特徴とする磁性トナー。
  2. 該磁性体がアルミニウム(Al)を0.5乃至5.0質量%含有しており、
    該磁性体を1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した時の該磁性体が有する全Al量に対するアルミニウム溶解率が40乃至60質量%であり、
    該磁性体を1モル/リットルの塩酸水溶液に溶解させた時の該磁性体が有する全Fe量に対する鉄溶解率が20質量%の時の、該磁性体が有する全Al量に対するアルミニウム溶解率が60乃至85質量%であり、
    該磁性体を1モル/リットルの塩酸水溶液に溶解させた時の該磁性体が有する全Fe量に対する鉄溶解率が60質量%の時の該磁性体が有する全Al量に対するアルミニウム溶解率が80乃至95質量%であり、
    該磁性体を1モル/リットルの塩酸水溶液に溶解させた時の該磁性体が有する全Fe量に対する鉄溶解率が80質量%の時の該磁性体が有する全Al量に対するアルミニウム溶解率が95乃至99質量%であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
  3. 該磁性体の等電点がpH7.0以上10.0以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性トナー。
  4. 前記結着樹脂が少なくともポリエステルユニットを有する樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
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