JP7475887B2 - 磁性トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、電子写真法、静電記録法及びトナージェット方式記録法を利用した記録方法に用いられる磁性トナーに関する。
近年、オフィスから家庭まで幅広い分野かつ、さまざまな環境において画像を出力する手段が要望されており、これらの状況すべてで高画質であることが求められる。一方で、画像出力装置自体についても小型化・省エネルギーが求められている。省エネルギーに対しては低温でトナーが十分に定着されることが重要となる。
この定着性改善の手段として、トナーの結着樹脂に迅速に相溶し、トナー粒子の溶融変形を促す結晶性ポリエステルをトナーに使用し、さらにトナーの粘弾特性を制御することが、幅広く検討されている。低温定着性に効果の高い結晶性ポリエステルは、その融点付近において、結着樹脂に相溶しやすいという特性を持ち、定着時にトナーが迅速に溶融変形しやすくなる。このため、結晶性ポリエステルを用いることでトナーの低温定着性は向上する。特許文献1では結晶性ポリエステルを含有したトナーが提案されている。
一方、画像出力装置を小型化する手段としては、現像剤が収容されるカートリッジの小型化が有効である。中でもキャリアを使用する二成分現像方式よりも一成分現像方式が好ましく、カートリッジの軽量化が可能となる。また、トナーへの機械的な負荷を低減するため、感光体とトナー担持体が接する接触現像方式よりも、非接触現像方式が好ましい。そのため、小型化や高画質を満足するには、一成分非接触現像方式が有効な手段となる。
一成分非接触現像方式は、トナー担持体と静電潜像担持体が非接触に配置された現像方式である。すなわち、磁石を内蔵した担持体を回転させることで、磁性体を含有したトナーを搬送している。磁性体の抵抗値は、結着樹脂に比較すると低くなるため、トナー内部における磁性体の存在状態によって、トナーの帯電性が変化する。
特許文献2では、結着樹脂の酸価及び水酸基価、並びに磁性体の吸油量及び真密度を制御することにより、トナー内部で磁性体を均一に分散させることが粉砕法トナーで提案されている。
特開2013-137420号公報 特開2005-338538号公報 特開2019-3129号公報 特開2019-15957号公報
しかしながら、特許文献2のトナーでは、磁性体の分散性向上が、磁性体のトナー表面への露出につながり、トナーの高温高湿環境における帯電量の維持に課題があることがわかった。
磁性体のトナー表面への露出を抑制するためにトナー粒子表面に表層を設けるコアシェル型トナーが考えられる。
特許文献3では、懸濁重合法において、磁性体を含有したコアシェル型トナーが提案されている。しかし、当該トナーでは磁性体が表面に偏在し、トナーの低温定着時にトナー同士の表面固着が不十分となり、画像の耐摩耗性が弱くなることがわかった。
また、特許文献4では、磁性体のトナー表面への露出を押さえながら、適度な分散性を保持させるために、乳化凝集法を用いて、磁性体が分散した磁性トナーが提案されている。
しかしながら、前述した省エネルギーの要請にこたえるため、低温定着性を向上させるために、シャープメルト性を有する結晶性ポリエステルを結着樹脂に多量に含有させる必要があることがわかった。
上記文献に開示されたトナーは、低温定着性を向上させるために結晶性樹脂を多量に添加した場合に、磁性体の分散性が低下して、トナー内部に磁性体が凝集してトナーの着色力が低下する。また、低極性の結晶性樹脂と磁性体との親和性が低く、トナー表面に磁性体が露出して、帯電がリークする可能性が高いことがわかった。その結果、高温高湿や低温低湿などの厳しい環境下において、トナー劣化が発生しやすいことがわかった。
多量に添加された結晶性ポリエステルの組成、結着樹脂の組成、磁性体の表面の極性や表面性状の組み合わせによっては、トナー内部における磁性体の分散状態が不均一になり、トナー間で含有される磁性体量にムラができる。そのような磁性体の存在状態が、トナーの帯電性を低下させて、現像性を低下させ、画像濃度の一様性が低下する。また、低温低湿環境におけるトナーの定着時の、磁性体による溶融ムラ及び静電オフセットの抑制には不十分であることがわかった。
本開示は、環境変化に強く、低温定着性に優れ、厳しい環境下でもトナーの溶融ムラ及び静電オフセットを抑制できる磁性トナーを提供する。
本発明者らは、磁性トナーにおける磁性体の分散状態と、該磁性トナーの貯蔵弾性率、を制御することにより、上記課題を解決することを見出した。
本開示は、結着樹脂、磁性体及び結晶性ポリエステルを含有する磁性トナー粒子を有する磁性トナーであって、
透過型電子顕微鏡を用いた該磁性トナー粒子の断面観察において、一辺が0.8μmの正方グリッドで該磁性トナー粒子の断面を区切った際の該磁性体の占有面積率の変動係数CV3が、40.0%以上80.0%以下であり、
該磁性トナーの粉体動的粘弾性測定において得られる、40℃における貯蔵弾性率をE’(40)[Pa]とし、85℃における貯蔵弾性率をE’(85)[Pa]としたときに、下記式(1)及び(2)を満たす
E’(85)≦ 2.0×10 ・・・(1)
[E’(40)-E’(85)]×100/E’(40)≧70 ・・・(2)ことを特徴とする磁性トナーに関する。
本開示によれば、環境変化に強く、低温定着性に優れ、厳しい環境下でもトナーの溶融ムラ及び静電オフセットを抑制できる
磁性トナーを提供することができる。
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
また、モノマーユニットとは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。
数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
以下、上記磁性トナーについてさらに詳しく説明するが、これらに限定されることはない。
本開示は、結着樹脂、磁性体及び結晶性ポリエステルを含有する磁性トナー粒子を有す
る磁性トナーであって、
透過型電子顕微鏡を用いた該磁性トナー粒子の断面観察において、
一辺が0.8μmの正方グリッドで該磁性トナー粒子の断面を区切った際の該磁性体の占有面積率の変動係数CV3が、40.0%以上80.0%以下であり、
該磁性トナーの粉体動的粘弾性測定において得られる、40℃における貯蔵弾性率をE’(40)[Pa]とし、85℃における貯蔵弾性率をE’(85)[Pa]としたときに、下記式(1)及び(2)を満たす磁性トナーに関する。
E’(85)≦ 2.0×10 ・・・(1)
[E’(40)-E’(85)]×100/E’(40)≧70 ・・・(2)
該磁性トナーでは、磁性トナー粒子(以下、単にトナー粒子ともいう)における磁性体の分散状態を制御し、磁性トナーの貯蔵弾性率を制御している。
本発明者らは、磁性トナーの貯蔵弾性率を特定の範囲にすることで、低温定着性の向上と静電オフセットの抑制の解決方法を見出した。
しかし、耐久性に関しては、耐久時の現像性に課題を有していた。
本発明者らは、結晶性樹脂を多量に添加したトナーにおいて、結晶性樹脂がドメインを形成しやすいように磁性体を含まない部位を含有させることで、シャープメルト性が向上すると考えた。
すなわち、磁性トナー粒子中で結着樹脂が偏在した箇所、つまり、トナー粒子が結着樹脂のドメインを有することが、トナー粒子のシャープメルト性に対して有効な解決手段であると考えた。
本発明者らは、トナー粒子の一つ一つにおいて、磁性体がある程度凝集した状態を形成させうる手段を見出した。その結果、低温定着性及び保存安定性に優れるトナーを見出し、本発明に至った。
上記磁性トナーは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた磁性トナー粒子の断面観察において、一辺が0.8μmの正方グリッドで磁性トナー粒子の断面を区切った際の、磁性体の占有面積率の変動係数CV3が、40.0%以上80.0%以下である。該CV3は、45.0%以上70.0%以下であることが好ましい。
該CV3が上記範囲にあるということは、磁性トナー粒子中で磁性体が局所に偏在していることを意味する。すなわち、磁性トナー粒子中で磁性体を偏在させることにより、磁性体が存在しない部分(つまり、結着樹脂のドメイン部分)を適度に設けることができ、その部分に結晶性ポリエステルを結晶化させることが可能となる。
その結果、トナー粒子のシャープメルト性が促進され、プロセススピードの速い条件で、多数の画像出力を行った際の紙などへの媒体へのトナーの密着性を向上させることができる。
また、磁性体がトナー粒子表面に過度に露出しないことにより、静電オフセットの少ない良好な画像を得ることができ、トナー粒子の帯電のリークを抑制でき、耐久時の現像性が改善する。また、磁性体が適度に凝集した状態でトナー粒子中に分散されることで、低温時の貯蔵弾性率を向上させることが可能となり、E’(40)[Pa]の値を高くすることが可能となる。
該CV3が40.0%未満の場合、磁性トナー粒子の断面を区切った各グリッド間において、磁性体の占有面積率の差が小さいことになる。すなわち、結晶化した結晶性ポリエステルを含んだ結着樹脂のドメイン部分が存在していない、又は結晶化した結晶性ポリエステルを含んだ結着樹脂のドメイン部分の存在量が少ないことを意味している。
この場合、結晶性ポリエステルは大半が細かいネットワーク構造を形成することになり、結晶性ポリエステル同士のつながりが細くなってしまう。その結果、トナー粒子のシャープメルト性が阻害されて、低温定着性が低下する。また、磁性体が過分散となり、溶融
時のトナー全体の弾性が保持しにくくなるため、定着分離性が低下する。
一方、該CV3が80.0%を超える場合、トナー内で磁性体が過度に局在した状態となる。この場合、磁性体同士が凝集し、定着時にトナーが濡れ広がった場合に、遮蔽力低下に伴う着色力の低下が発生し、画出し初期の画像濃度が低下する。また、トナー表面近傍に磁性体が存在しやすくなるため、磁性体がトナー表面から移行しやすくなり、耐久使用前後で画像濃度差が大きくなる(画像濃度一様性が低下する)。
該CV3を上記範囲に調整する方法としては、磁性体の表面の親疎水性、BET比表面積及び吸油量を制御すること、トナー粒子の製造時に磁性体の凝集度を制御することなどが挙げられる。
例えば、乳化凝集法を用いる場合、予め磁性体を凝集させてトナー粒子中に導入する方法や、合一工程において、キレート剤の添加、及び/又はpH調製を行うことで磁性体の凝集度を調整する方法などが挙げられる。
また、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた磁性トナー粒子の断面観察において、一辺が0.8μmの正方グリッドで磁性トナー粒子の断面を区切った際の、磁性体の占有面積率の平均値が、10.0%以上40.0%以下であることが好ましく、15.0%以上30.0%以下であることがより好ましい。
磁性体の占有面積率の平均値が上記範囲である場合、トナー粒子中の磁性体の分散状態が適正な状態となり、過度な凝集状態による着色力の低下を抑制することができる。
また、結着樹脂のドメインの存在量が適正であり、トナー粒子の割れが発生しにくい。その結果、静電オフセット、定着分離性の低下が発生しにくく、良好な画像が得られる。なお、磁性体の占有面積率の平均値を上記範囲に制御するための手法としては、磁性体の表面の親疎水性を制御すること、トナー粒子の製造時に磁性体の凝集度を制御することなどが挙げられる。
また、磁性トナーの粉体動的粘弾性測定において得られる、40℃における貯蔵弾性率をE’(40)[Pa]とし、85℃における貯蔵弾性率をE’(85)[Pa]としたとき、下記式(1)及び(2)を満たす。
E’(85)≦ 2.0×10 ・・・(1)
[E’(40)-E’(85)]×100/E’(40)≧70 ・・・(2)
E’(85)が上記式(1)を満たすことで、定着時のトナーの弾性が適切になり、紙への密着性が強固になることで低温定着性が向上し、画像のこすりに対する耐久性が向上するとともに、低温環境下での静電オフセットを抑制することが可能となり、良好な画像を得られる。
E’(85)が2.0×10を超える場合、弾性が高すぎ、紙への密着性が下がることで低温定着性が低下し、静電オフセットが発生しやすくなる。
E’(85)の制御は結着樹脂の貯蔵弾性率、結晶性ポリエステルの添加量により制御することが可能となる。結着樹脂の貯蔵弾性率は構成モノマーの種類、分子量を適宜調整することで制御できる。
また、E’(85)は、好ましくは1.0×10以下であり、より好ましくは0.7×10以下である。
E’(85)の下限は特に制限されないが、好ましくは0.1×10以上であり、より好ましくは0.2×10以上である。
E’(40)、及びE’(85)が式(2)を満たすことは、磁性トナーが40℃から85℃で急激な弾性変化が可能となることを示す。これにより、プロセススピードの速い定着工程においても、十分にトナーがシャープメルトして、紙へのトナーの密着性が高まり、低温定着が可能となる。
[E’(40)-E’(85)]×100/E’(40)が70未満の場合、40℃から85℃で弾性変化が起きず、トナーのシャープメルト性が不十分となるため、短時間でトナーが所定の弾性まで溶融しないため、低温定着性が低下する。
[E’(40)-E’(85)]×100/E’(40)は、72以上であることが好ましい。一方、上限は特に制限されないが、好ましくは90以下であり、より好ましくは85以下であり、さらに好ましくは80以下である。
E’(40)、E’(85)は結着樹脂の貯蔵弾性率、結晶性ポリエステルの添加量により制御することが可能となる。結着樹脂の貯蔵弾性率は構成モノマーの種類、分子量を適宜調整することで制御できる。
磁性トナー粒子は、ワックス(離型剤)を含有することが好ましい。
磁性トナーの示差走査熱量計測定において、結晶性ポリエステルに由来する1回目の昇温時の最大吸熱ピークのピーク温度をTm(1)℃とし、該最大吸熱ピークの吸熱量をH(1)J/gとし、ワックスに由来する最大吸熱ピークのピーク温度をTm(2)℃としたとき、下記式(3)~(5)を満足することが好ましい。
5.0 ≦ Tm(2)-Tm(1) ≦ 35.0 ・・・(3)
55.0 ≦ Tm(2)≦ 100.0 ・・・(4)
H(1)≧ 10.0 ・・・(5)
Tm(2)-Tm(1)が5.0℃以上であると、結晶性ポリエステルとワックスが相溶しにくく、結晶性ポリエステルの結晶化度が良好に維持され、トナーのシャープメルト性が向上し、低温定着性が良好になる。
Tm(2)-Tm(1)が35.0℃以下であると、高温での結着樹脂の溶融時にワックスがブリードアウトしやすくなるため、定着離型性が向上して、用紙の巻き付きを抑制できる。
Tm(2)-Tm(1)は、より好ましくは10.0℃~25.0℃である。
ワックスの融点Tm(2)は、55.0℃~100.0℃が好ましい。Tm(2)が55℃以上であると、ワックスがトナー粒子表面に露出しにくく、耐熱保存性が向上する。Tm(2)が100.0℃以下であると、結着樹脂の溶融時にワックスがブリードアウトし、低温定着性が向上する。
Tm(2)は、より好ましくは60.0℃~90.0℃である。
吸熱量H(1)が10.0J/g以上であると、結着樹脂中における結晶性ポリエステルのドメインが適度に大ききになるため、低温定着時に結晶性ポリエステルの溶融により結着樹脂を可塑しやすくなるため、低温定着性が向上する。
H(1)は、より好ましくは12.0J/g以上である。上限は特に制限されないが、好ましくは30.0J/g以下であり、より好ましくは27.0J/g以下である。
トナー粒子は、結晶性ポリエステルを含む。結晶性ポリエステルは、脂肪族ジオール及び/又は脂肪族ジカルボン酸を含むモノマーの縮重合物であることが好ましい。なお、結晶性樹脂とは、示差走査熱量計(DSC)を用いた測定により、明確な融点を示す樹脂をいう。
結晶性ポリエステルは、炭素数2~12の脂肪族ジオールに由来するモノマーユニット、及び/又は炭素数2~12の脂肪族ジカルボン酸に由来するモノマーユニットを含有することが好ましい。
炭素数2以上12以下の脂肪族ジオールとしては、以下の化合物が挙げられる。
1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8
-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール。
また、二重結合を持つ脂肪族ジオールを用いることもできる。二重結合を持つ脂肪族ジオールとしては、以下の化合物を挙げることができる。
2-ブテン-1,4-ジオール、3-ヘキセン-1,6-ジオール及び4-オクテン-1,8-ジオール。
炭素数2以上12以下の脂肪族ジカルボン酸としては、以下の化合物を挙げることができる。
蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,11-ウンデカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸。これら脂肪族ジカルボン酸の低級アルキルエステルや酸無水物も使用できる。
これらのうち、セバシン酸、アジピン酸及び1,10-デカンジカルボン酸、並びにそれらの低級アルキルエステルや酸無水物が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いることも可能である。
また、芳香族カルボン酸を用いることもできる。芳香族ジカルボン酸としては、以下の化合物を挙げることができる。テレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸及び4,4’-ビフェニルジカルボン酸。これらの中でも、テレフタル酸が入手の容易性や低融点のポリマーを形成しやすいという点で好ましい。
また、二重結合を有するジカルボン酸を用いることもできる。二重結合を有するジカルボン酸は、その二重結合を利用して樹脂全体を架橋させ得る点で、定着時のホットオフセットを抑制するために好適に用いることができる。
このようなジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、3-ヘキセンジオイック酸及び3-オクテンジオイック酸が挙げられる。また、これらの低級アルキルエステル及び酸無水物も挙げられる。これらの中でも、フマル酸及びマレイン酸がより好ましい。
結晶性ポリエステルの製造方法としては、特に制限はなく、ジカルボン酸成分とジオール成分とを反応させる一般的なポリエステルの重合法によって製造することができる。例えば、直接重縮合法又はエステル交換法を用い、単量体の種類によって使い分けて製造することができる。
結晶性ポリエステルの示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される最大吸熱ピークのピーク温度は、50.0℃以上100.0℃以下であることが好ましく、低温定着性の観点から、60.0℃以上90.0℃以下であることがより好ましい。
結晶性ポリエステルの重量平均分子量Mwは、好ましくは5000~50000であり、より好ましくは10000~45000である。
結晶性ポリエステルの数平均分子量Mnは、好ましくは1000~20000であり、より好ましくは2000~15000である。
結晶性ポリエステルの含有量は、結着樹脂及び結晶性ポリエステルの含有量の総和を基準として、30.0質量%以上であることが好ましい。より好ましくは31.0質量%以上60.0質量%以下である。
30.0質量%以上であると、結晶性ポリエステルが好適に含まれるため、結晶性ポリエステルが結着樹脂を可塑し、低温定着性が向上する。
また、含有量が上記範囲であると、磁性体の占有面積率が低下しにくいため、過度な磁性体の凝集を抑制でき、画像濃度の低下を抑制できる。
磁性トナー粒子は、ワックスを含有してもよい。
ワックスとしては、公知のワックスを用いるとよい。ワックスの具体例として以下のものが挙げられる。
パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムなどの石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスなど天然ワックス及びその誘導体、エステルワックスなど。
ここで、誘導体とは酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
また、エステルワックスとしては、1分子中にエステル結合を1つ含有するモノエステル化合物、1分子中にエステル結合を2つ含有するジエステル化合物をはじめ、1分子中にエステル結合を4つ含有する4官能エステル化合物や、1分子中にエステル結合を6つ含有する6官能エステル化合物などの多官能エステル化合物を用いることができる。
エステルワックスは、モノエステル化合物及びジエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含有することが好ましい。
モノエステル化合物の具体例としては、カルナウバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスなどのような脂肪酸エステル類から酸成分の一部又は全部を脱酸したもの、植物性油脂の水素添加などによって得られるもの、ヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニルなどの飽和脂肪酸モノエステル類が挙げられる。
また、ジエステル化合物の具体例としては、セバシン酸ジベヘニル、ノナンジオールジベヘネート、テレフタル酸ジベヘニル、テレフタル酸ジステアリルなどが挙げられる。
なお、ワックスは、上記化合物以外の公知の他のワックスを含有させることができる。また、ワックスは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上30.0質量部以下であることが好ましく、3.0質量部以上25.0質量部以下であることがより好ましい。
磁性体としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトなどの酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属、又はこれらの金属とアルミニウム、銅、マグネシウム、スズ、亜鉛、ベリリウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びそれらの混合物などが挙げられる。
磁性体の一次粒子の個数平均粒径は、0.50μm以下であることが好ましく、0.05μm以上0.30μm以下であることがより好ましい。
トナー粒子中に存在する磁性体の一次粒子の個数平均粒径は、透過型電子顕微鏡を用いて測定できる。
具体的には、エポキシ樹脂中へ観察すべきトナー粒子を十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させて硬化物を得る。得られた硬化物をミクロトームにより薄片状のサンプルとして、透過型電子顕微鏡(TEM)において1万~4万倍の拡大倍率の画像を撮影し、該画像中の100個の磁性体の一次粒子の投影面積を測定する。そして、該投影面積に等しい円の相当径を磁性体の一次粒子の粒子径とし、該100個の平均値を磁性体の一次粒子の個数平均粒径とする。
磁性体の吸油量は、15.0ml/100g~25.0ml/100gであることが好ましく、17.0ml/100g~23.0ml/100gであることがより好ましい。吸油量が、15.0ml/100g以上であると磁性体と結着樹脂のなじみが良くなり、磁性体が凝集しにくくなるため、トナーの着色性が向上する。
吸油量が25.0ml/100g以下であると、磁性体の分散性を良化させつつ、磁性体と結晶性ポリエステルのエステル結合との接触を抑制でき、トナーの帯電性が良好になる。
磁性体の等電点は、pH8.5~10.5であることが好ましく、8.5~10.0であることがより好ましい。
等電点が、pH8.5以上であると乳化凝集法において、凝集時に磁性体と結着樹脂の親和性が高くなり、磁性体が凝集しにくくなるため、トナーの着色性が良化する。等電点がpH10.5以下であると、磁性体の分散性を向上させつつ、乳化凝集法において、磁性体と分散媒体の水の親和性を適度に保つことができる。そのため、トナー粒子の表面に磁性体が露出しにくくなるとともに、高温高湿環境で水分がトナー表面に吸着しにくくなるため、帯電保持性が良好になる。
磁性体の795.8kA/m印加での磁気特性として、抗磁力(Hc)は、1.6~12.0kA/mであることが好ましい。また、磁化の強さ(σs)は、50~200Am/kgであることが好ましく、50~100Am/kgであることがより好ましい。一方、残留磁化(σr)は、2~20Am/kgであることが好ましい。
磁性トナー中の磁性体の含有量は、10.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましく、15.0質量%以上45.0質量%以下であることがより好ましい。
磁性体の含有量が10.0質量%以上であると、トナー粒子内部における磁性体の分散性を良化させつつ、トナー粒子の磁化を良好に維持できるため、一成分非接触現像方式における磁気を保持した現像剤担持体に対する吸着力を良好に制御できる。よって、交流の現像バイアスを印加した場合に、非接触現像方式におけるカブリを抑制できる。また、着色性も向上する。
上記の範囲内であれば、現像スリーブ内のマグネットロールとの磁気引力が適度となる。
なお、磁性トナー中の磁性体の含有量は、パーキンエルマー社製熱分析装置TGA Q5000IRを用いて測定することができる。測定方法は、窒素雰囲気下において昇温速度25℃/分で常温から900℃まで磁性トナーを加熱し、100~750℃の減量質量を磁性トナーから磁性体を除いた成分の質量とし、残存質量を磁性体量とする。
磁性体は、例えば、下記の方法で製造することができる。
第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量又は当量以上の水酸化ナトリウムなどのアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHを7以上に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応を行い、磁性酸化鉄の芯となる種晶をまず生成する。
次に、種晶を含むスラリー液に前に加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。混合液のpHを5から10に維持し、空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応を進め、種晶を芯にして磁性酸化鉄を成長させる。この時、任意のpH及び反応温度、撹拌条件を選択することにより、磁性体の形状及び磁気特性をコントロールすることが可能である。酸化反応が進むにつれて混合液のpHは酸性側に移行していくが、混合液のpHは5未満にしない方がよい。このようにして得られた磁性体を定法によりろ過、洗浄、乾燥することにより磁性体を得ることができる。
また、磁性体は必要に応じて公知の表面処理を行ってもよい。
磁性トナーの100kHzにおける誘電正接は、好ましくは0.01以上である。該誘電正接は0.04以上0.15以下であることがより好ましい。該誘電正接は誘電率と誘電損率の比率を示すものであり、数値が大きくなるほど誘電損率の割合が高くなり、分極
したあとの帯電緩和が起こりやすいことを示している。
一成分非接触現像では、現像剤担持体に担持されたトナーと感光体の間で、感光体の潜像を現像するため、交流バイアスを印加する。その際に交流バイアスの周波数に対する感度として、トナーの誘電正接値を制御する必要がある。
該誘電正接が上記範囲である場合、低温環境においてもトナーの帯電状態が適切になり、過度に帯電するチャージアップを起こさないことで静電オフセットを抑制し、良好な画像が得られる。
該誘電正接が0.01以上の場合、帯電緩和が起きやすく、過剰に電荷を保持しにくい。その結果、低温環境下でトナーを摩擦帯電させた際にチャージアップしにくくなり、静電オフセットを抑制できる。
該誘電正接は、トナー粒子内における磁性体の分散性(凝集性)により制御することができる。トナー粒子内で磁性体を凝集させずに分散させることで、誘電分極が起こり易くなり、誘電正接の値を小さくすることができる。逆に、凝集させ、誘電分極を起こりにくくすることによって、誘電正接の値を大きくすることができる。また、トナー粒子間での磁性体の分散状態によっても制御することができる。
ここで誘電正接を測定する基準として周波数を100kHzとしたのは、磁性体の分散状態を検証するために好適な周波数である為である。100kHzより低周波数であると誘電正接が小さくなるために、トナーの誘電正接の変化が分かり難く、また100kHzより高周波数の場合は、温度変化させた場合の誘電正接の差が小さくなるため好ましくない。
結着樹脂は、特に限定されるものではなく、トナー用の公知の樹脂を用いることができる。結着樹脂の具体例としては、非晶性ポリエステル、ポリウレタン樹脂、及びビニル樹脂が挙げられる。
ビニル樹脂の製造に使用可能なモノマーとしては、以下のモノマーが挙げられる。
脂肪族ビニル炭化水素:アルケン類、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα-オレフィン;
アルカジエン類、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,4-ペンタジエン、1,6-ヘキサジエン及び1,7-オクタジエン。
脂環式ビニル炭化水素:モノ-又はジ-シクロアルケン及びアルカジエン類、例えば、シクロヘキセン、シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン;
テルペン類、例えば、ピネン、リモネン、インデン。
芳香族ビニル炭化水素:スチレン及びそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体、例えば、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4-ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン;及びビニルナフタレン。
カルボキシ基含有ビニル系モノマー及びその金属塩:炭素数3以上30以下の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸並びにその無水物及びそのモノアルキル(炭素数1以上27以下)エステル。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸などのカルボキシ基含有ビニル系モノマー。
ビニルエステル、例えば、酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4-ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα-エトキシアクリレート、炭素数1以上22以下のアルキル基(直鎖若しくは分岐)を有するアルキルアクリレート及びアルキルメタクリレート(メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ミリスチルアクリレート、ミリスチルメタクリレート、セチルアクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、エイコシルアクリレート、エイコシルメタクリレート、ベヘニルアクリレート、ベヘニルメタクリレートなど)、ジアルキルフマレート(フマル酸ジアルキルエステル、2個のアルキル基は、炭素数2以上8以下の、直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(マレイン酸ジアルキルエステル、2個のアルキル基は、炭素数2以上8以下の、直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ポリアリロキシアルカン類(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン)、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー(ポリエチレングリコール(分子量300)モノアクリレート、ポリエチレングリコール(分子量300)モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノメタクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド(エチレンオキサイドを以下EOと略記する)10モル付加物アクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物メタクリレート、ラウリルアルコールEO30モル付加物アクリレート、ラウリルアルコールEO30モル付加物メタクリレート)、ポリアクリレート類及びポリメタクリレート類(多価アルコール類のポリアクリレート及びポリメタクリレート:エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート)。
カルボキシ基含有ビニルエステル:例えば、炭素数3以上20以下のアルキル鎖を有するカルボキシアルキルアクリレート、炭素数3以上20以下のアルキル鎖を有するカルボキシアルキルメタクリレート。
これらの中でも、スチレン、ブチルアクリレート、β-カルボキシエチルアクリレートなどが好ましい。
非晶性ポリエステルの製造に使用可能なモノマーとしては、従来公知の2価又は3価以上の多価カルボン酸と、2価又は3価以上の多価アルコールが挙げられる。これらモノマーの具体例としては、以下のものが挙げられる。
2価のカルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,11-ウンデカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,13-トリデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,16-ヘキサデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ドデセニルコハク酸などの二塩基酸、及びこれらの無水物又はこれらの低級アルキルエステル、並びに、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸などの脂肪族不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。これらジカルボン酸の
低級アルキルエステルや酸無水物も使用できる。
また、3価以上のカルボン酸としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、及びこれらの無水物又はこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
2価のアルコールとしては、アルキレングリコール(1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール及び1,20-イコサンジオール。);アルキレンエーテルグリコール(ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール);脂環式ジオール(1,4-シクロヘキサンジメタノール);ビスフェノール類(ビスフェノールA);脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド)付加物、ビスフェノール類(ビスフェノールA)のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド)付加物が挙げられる。
アルキレングリコール及びアルキレンエーテルグリコールのアルキル部分は、直鎖であっても分岐であってもよい。本発明においては、分岐構造のアルキレングリコールも好ましく用いることができる。
また、二重結合を持つ脂肪族ジオールを用いることもできる。二重結合を持つ脂肪族ジオールとしては、以下の化合物を挙げることができる。
2-ブテン-1,4-ジオール、3-ヘキセン-1,6-ジオール及び4-オクテン-1,8-ジオール。
また、3価以上のアルコールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、酸価や水酸基価の調整を目的として、必要に応じて酢酸及び安息香酸などの1価の酸や、シクロヘキサノール及びベンジルアルコールなどの1価のアルコールも使用することができる。
結着樹脂は、非晶性ポリエステルを含むことが好ましい。
これらの中でも、紙密着性の観点から、非晶性ポリエステルの重量平均分子量Mwは90000以下であることが好ましい。
また、繰り返し使用前後の画像濃度差の観点から、重量平均分子量は1500以上であることが好ましい。
非晶性ポリエステルの合成方法については特に限定されないが、例えばエステル交換法や直接重縮合法を、単独で又は組み合わせて用いることができる。
非晶性ポリエステルの数平均分子量Mnは、好ましくは1000~50000であり、より好ましくは5000~40000である。
非晶性ポリエステルには、炭素数6~18のアルケニル基で置換されたコハク酸又はその無水物を用いることが好ましい。すなわち、非晶性ポリエステルは、炭素数6~18のアルケニル基で置換されたコハク酸が多価アルコールと縮重合した構造を有することが好ましい。非晶性ポリエステルは、ドデセニルコハク酸又はその無水物が縮重合した構造を有することがより好ましい。
非晶性ポリエステルがアルケニルコハク酸由来の構造を有することで、結晶性ポリエステルが結晶構造をとりやすくなり、シャープメルト性が増大する。
非晶性ポリエステル中の、炭素数6~18のアルケニル基で置換されたコハク酸(好ましくはドデセニルコハク酸)又はその無水物が縮重合した構造の含有量は、好ましくは1
質量%~30質量%であり、より好ましくは5質量%~25質量%である。
結着樹脂は、非晶性ポリエステル、ポリウレタン、及びビニル樹脂などの樹脂を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。結晶性ポリエステルを用いる点から、結着樹脂は非晶性ポリエステルを含むことが好ましく、非晶性ポリエステルであることがより好ましい。2種類以上を併用する際は、樹脂同士が化学的に結合した複合樹脂の形態でもよい。
低温定着性の観点から、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は40.0℃以上120.0℃以下であることが好ましい。
磁性トナー粒子は、コアシェル構造を有することが好ましい。すなわち、磁性トナー粒子がシェル層を有することが好ましい。また、磁性トナー粒子は、結着樹脂、磁性体及び結晶性ポリステルを含むコア粒子、並びに該コア粒子表面のシェル層を有することがより好ましい。シェル層はコア粒子の全体を被覆している必要はなく、コア粒子が一部露出していてもよい。
シェル層の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、好ましくは1質量部~20質量部であり、より好ましくは5質量部~15質量部である。
シェル層は、エチレン性不飽和結合(二重結合)を有する非晶性ポリエステル(以下、「非晶性不飽和ポリエステル」ともいう)を含むことが好ましく、非晶性不飽和ポリエステルからなることがより好ましい。非晶性不飽和ポリエステルは、分子中にエチレン性不飽和結合を有するものであれば、特に限定されるものではない。
非晶性不飽和ポリエステルの不飽和結合当量は、4000g/eq以下であることが好ましく、1500g/eq以下であることがより好ましく、1000g/eq以下であることがさらに好ましい。
不飽和結合当量は以下の方法により測定された値をいう。樹脂のNMR分析(H分析)を実施し、モノマー種、組成比を同定し、そのうち、不飽和二重結合を有するモノマーの割合を求めることにより、不飽和結合1つあたりの分子量を算出する。非晶性不飽和ポリエステルは、分子中にエチレン性不飽和結合(例えばビニル基やビニレン基)を有する非晶性のポリエステルである。
具体的には、例えば、非晶性不飽和ポリエステルは、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体であって、多価カルボン酸及び多価アルコールの少なくとも一方として、不飽和ポリエステル成分となるエチレン性不飽和結合(例えばビニル基やビニレン基)を持つ単量体を用いたものがよい。
安定性の観点から、非晶性不飽和ポリエステルは、エチレン性不飽和結合(例えばビニル基やビニレン基)を持つ多価カルボン酸と、多価アルコールと、の縮重合体であることが好ましい。非晶性不飽和ポリエステルは、エチレン性不飽和結合(例えばビニル基やビニレン基)を持つ2価のカルボン酸と、2価のアルコールと、の縮重合体(つまり、直鎖状ポリエステル)であることがより好ましい。
非晶性不飽和ポリエステルがエチレン性不飽和結合を持つ多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体である場合、必要に応じて、エチレン性不飽和結合を持たない多価カルボン酸を、多価カルボン酸の一部として用いてもよい。エチレン性不飽和結合を持たない多価カルボン酸の具体例としては、非晶性ポリエステルの項に記載した多価カルボン酸が挙げられる。
エチレン性不飽和結合(例えばビニル基やビニレン基)を持つ2価のカルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、アリルマロン酸、イソプロピリデンコハク酸、アセチレンジカ
ルボン酸、これらの低級(炭素数1以上4以下)アルキルエステルが挙げられる。
エチレン性不飽和結合(例えばビニル基やビニレン基)を持つ3価以上のカルボン酸としては、アコニット酸、3-ブテン-1,2,3-トリカルボン酸、4-ペンテン-1,2,4,-トリカルボン酸、1-ペンテン-1,1,4,4,-テトラカルボン酸、これらの低級(炭素数1以上4以下)アルキルエステルが挙げられる。
これら多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
2価のアルコールとしては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
なお、多価アルコールと共に、必要に応じて、酸価や水酸基価の調整等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールを併用してもよい。これら多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体である非晶性不飽和ポリエステルのうち、特に、フマル酸、マレイン酸、及びマレイン酸無水物から選択される少なくとも1種の2価のカルボン酸と、2価のアルコールと、の縮重合体が好ましい。
つまり、非晶性不飽和ポリエステルの不飽和ポリエステル成分は、フマル酸、マレイン酸、及びマレイン酸無水物から選択される少なくとも1種の2価のカルボン酸に由来する成分であることが好ましい。
非晶性不飽和ポリエステルを構成する多価カルボン酸及び多価アルコールの合計に占めるエチレン性不飽和結合を持つ単量体の割合は、5モル%以上25モル%以下が好ましく10モル%以上22.5モル%以下がより好ましい。また、非晶性不飽和ポリエステルを構成する多価カルボン酸及び多価アルコールの合計に占めるエチレン性不飽和結合を持つ単量体の割合は、好ましくは1質量%~25質量%であり、より好ましくは5質量%~20質量%である。
また、多価カルボン酸の合計に占めるエチレン性不飽和結合を持つ単量体(多価カルボン酸)の割合は、12.5モル%以上22.5モル%以下が好ましく、12.5モル%以上20モル%以下がより好ましい。また、多価カルボン酸の合計に占めるエチレン性不飽和結合を持つ単量体(多価カルボン酸)の割合は、好ましくは10質量%~60質量%であり、より好ましくは20質量%~50質量%である。
非晶性不飽和ポリエステルの製造方法としては、特に制限はなく、例えばエステル交換法や直接重縮合法を、単独で又は組み合わせて用いることができる。
非晶性不飽和ポリエステルの重量平均分子量(Mw)は、例えば、30,000以上300,000以下であることが好ましく、30,000以上200,000以下であることがより好ましく、35,000以上150,000以下であることがさらに好ましい。
非晶性不飽和ポリエステルのガラス転移温度(Tg)は50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。なお、非晶性不飽和ポリエステルのガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られた吸熱ピークのピーク温度として求める。
磁性トナー粒子は、荷電制御剤を含有してもよい。なお、磁性トナーは、負帯電性トナーであることが好ましい。
負帯電用の荷電制御剤としては、有機金属錯化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯化合物;アセチルアセトン金属錯化合物;芳香族ハイドロキシカルボン酸又は芳香族ダイカルボン酸の金属錯化合物などが例示される。
市販品の具体例として、Spilon Black TRH、T-77、T-95(保土谷化学工業(株))、BONTRON(登録商標)S-34、S-44、S-54、E-84、E-88、E-89(オリエント化学工業(株))が挙げられる。
荷電制御剤は単独、又は二種以上組み合わせて用いることが可能である。
荷電制御剤の含有量は、帯電量の観点から、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上5.0質量部以下であることがより好ましい。
磁性トナーのガラス転移温度(Tg)は、45.0℃以上70.0℃以下であることが好ましく、50.0℃以上65.0℃以下であることがより好ましい。
ガラス転移温度が上記範囲にある場合、保存安定性及び低温定着性を高度に両立させることができる。ガラス転移温度は、結着樹脂の組成及び結晶性ポリエステルの種類、並びに結着樹脂の分子量などにより制御することができる。
磁性トナーの製造方法は、特に限定されず、乾式製法(例えば、混練粉砕法など)、湿式製法(例えば、乳化凝集法、懸濁重合法、溶解懸濁法など)のいずれを用いてもよい。これらの中でも、乳化凝集法を用いることが好ましい。
乳化凝集法を用いた場合、磁性体の占有面積率の変動係数の上記範囲への調整が容易である。
該乳化凝集法を用いたトナー粒子の製造方法について、具体例を挙げて説明する。
乳化凝集法は大きく分けて以下の4つの工程を含む。
(a)微粒子分散液を調製する工程、(b)凝集粒子を形成する凝集工程、(c)溶融、合一によりトナー粒子を形成する合一工程、(d)洗浄、乾燥工程。
(a)微粒子分散液を調製する工程
微粒子分散液は水系媒体中に、結着樹脂、磁性体及び結晶性ポリステルなどの各材料の微粒子が分散したものである。
水系媒体としては、蒸留水、イオン交換水などの水、アルコール類が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
水系媒体中に微粒子を分散させるための助剤を用いてもよく、助剤として界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤が挙げられる。
具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルのようなアニオン界面活性剤;アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンのようなアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムのような四級アンモニウム塩型のカチオン界面活性剤;脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体のようなノニオン界面活性剤;アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムベタインのような両性界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
微粒子分散液の調製方法は、分散質の種類により適宜選択することができる。
例えば、回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、
ダイノミルなどの一般的な分散機を用い、分散質を分散させる方法が挙げられる。また、有機溶剤に溶解する分散質の場合、転相乳化法を用いて水系媒体中に分散させてもよい。転相乳化法とは、分散すべき材料を、材料が可溶な有機溶剤中に溶解し、有機連続相(O相)を中和した後、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
転相乳化法で用いられる溶剤は樹脂が溶解する溶剤であれば特に制限されるものではないが、液滴を形成する目的から疎水性、又は両親媒性の有機溶剤を用いることが好ましい。
乳化重合のように水系媒体中で液滴を形成したのちに重合を行うことで微粒子分散液を調製することも可能である。乳化重合は、まず分散すべき材料の前駆体、水系媒体、重合開始材を混合した後に撹拌又は剪断することで材料が水系媒体に分散した微粒子分散液を得る方法である。この際乳化の助剤として有機溶剤、界面活性剤を用いてもよい。また、撹拌又は剪断する装置は一般的な装置を用いればよく、回転せん断型ホモジナイザーなどの一般的な分散機が挙げられる。
磁性体の分散は、一次粒径が目的の粒径のものを水系媒体に分散するとよい。分散には、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散機を用いるとよい。磁性体は、水に比べ比重が重く、沈降速度が速いため、分散後は即座に凝集工程に進むことが好ましい。
微粒子分散液の分散質の個数平均粒子径は、凝集速度の制御、合一の簡便性の観点から、例えば、0.01μm以上1μm以下であることが好ましく、0.08μm以上0.8μm以下であることがより好ましく、0.1μm以上0.6μm以下であることがさらに好ましい。
微粒子分散液中の分散質は、凝集速度の制御の観点から、分散液全量に対して、5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、10質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。
(b)凝集工程
微粒子分散液を調製した後、1種類の微粒子分散液、又は2種類以上の微粒子分散液を混合し、微粒子を凝集させた凝集粒子が分散した凝集粒子分散液を調製する。
混合方法は特に制限されるものではなく、一般的な攪拌機を用いて混合することができる。
凝集は凝集粒子分散液の温度、pH、凝集剤などで制御させるものであり、どの方法を用いてもよい。
凝集粒子を形成する温度に関しては、結着樹脂のガラス転移温度-30.0℃以上、結着樹脂のガラス転移温度以下であることが好ましい。時間は工業的な観点から1~120分程度が好ましい。
凝集剤としては無機金属塩、2価以上の金属錯体などが挙げられる。また、微粒子分散液に助剤として界面活性剤を用いた場合、逆極性の界面活性剤を用いることも有効である。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。無機金属塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウムなどの無機金属塩重合体などが挙げられる。
凝集剤は、Mg、Ca、Sr、Al、Fe及びZnからなる群より選択される少なくとも一の金属を含有する金属塩であることが、低温定着性及び帯電維持性の観点から好まし
い。すなわち、磁性トナー粒子は、多価金属を含有し、該多価金属がMg、Ca、Sr、Al、Fe及びZnからなる群より選択される少なくとも一の金属(より好ましくはMg)であることが好ましい。
上記のような金属塩である場合、耐久使用前後の帯電性の安定に寄与しやすくなる。
磁性トナー粒子中のMg、Ca、Sr、Al、Fe及びZnからなる群より選択される少なくとも一の多価金属の合計含有量(より好ましくはMgの含有量)は、質量基準で25ppm以上1000ppm以下であることが好ましい。上記範囲である場合、高温高湿下においても十分に帯電性が維持される。より好ましくは30ppm以上500ppm以下である。
微粒子分散液の混合のタイミングは特に制限されるものではなく、一度凝集粒子分散液を形成した後又は形成途中にさらに微粒子分散液を添加し、凝集させても構わない。
微粒子分散液の添加タイミングを制御することで、トナー粒子内部の構造を制御することが可能となる。
前述の磁性体の凝集度を制御するためには、例えば、各微粒子分散液を凝集させる前に、磁性体分散液に凝集剤を添加し、撹拌するプレ凝集工程を行うことができる。プレ凝集工程では、例えば、20℃~60℃程度で、磁性体100質量部に対し、0.3質量部~2.0質量部程度の凝集剤を添加し、5秒~5分程度撹拌することが好ましい。
あるいは、磁性体分散液以外の各微粒子分散液を凝集させた後に、磁性体分散液を添加しさらに凝集を行う方法も好ましい。
また、凝集工程では、撹拌速度を制御しうる撹拌装置を用いるとよい。撹拌装置に関しては特に限定するものではなく、乳化機、分散機として汎用のものであれば使用可能である。
例えば、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)、エバラマイルダー(荏原製作所(株)製)、TKホモミックラインフロー(特殊機化工業(株)製)、クレアミックス(エムテクニック社製)、フィルミックス(特殊機化工業(株)製)などのバッチ式の乳化機、又はバッチ式及び連続式両用の乳化機が挙げられる。
製造スケールに応じて撹拌速度を適宜調整するとよい。
特に比重の重い磁性体は撹拌速度の影響を受けやすい。撹拌速度と撹拌時間を調整することで、目的の粒径に制御することが可能となる。撹拌速度が速い場合、凝集が促進されやすく、磁性体の凝集が進み、輝度の低いトナーが最終的に形成されやすい。
また、撹拌速度が遅い場合、磁性体が沈降しやすく、凝集粒子分散液が不均一となり、粒子間での磁性体の導入量に差が出やすくなる。
一方、界面活性剤を添加することでも凝集状態を制御することが可能である。
凝集粒子が目的の粒径に達した段階で凝集を停止させることが好ましい。
凝集の停止には、希釈、温度の制御、pHの制御、キレート剤の添加、界面活性剤の添加などが挙げられ、キレート剤の添加が製造面から好ましい。また、キレート剤の添加とpHの調整により凝集の停止を行うことが、より好ましい方法である。キレート剤の添加とpHの調整を併用した場合、その後の合一工程後に磁性体がやや凝集したトナー粒子を形成させることができる。
また、トナーの製造方法において、金属イオンに対してキレート能を有するキレート化合物を、トナー粒子を含む分散液に添加して金属を除去する金属除去工程を有することが、低温定着性、耐ホットオフセット性、転写性、及び、帯電維持性の観点から好ましい。
pHは、水酸化ナトリウム水溶液などを用いて公知の方法で調製しうる。pHを、7.0~11.0にすることが好ましい。より好ましくは7.5~10.0である。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤が好ましい。キレート剤の具体例としては、
例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸などのオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)などが挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、磁性体100質量部に対して、10.0質量部以上100.0質量部以下であることが好ましく、20.0質量部以上70.0質量部以下であることがより好ましい。
(c)合一工程
凝集粒子を形成した後に加熱することで溶融、合一させ、トナー粒子を形成する。
加熱温度は結着樹脂のガラス転移温度以上であることが好ましい。例えば、45℃~130℃である。
時間は、工業的に1分~900分が好ましく、5分~500分がより好ましい。
また、凝集粒子を加熱、合一した後に、樹脂などの微粒子分散液を混合し、さらに(b)凝集粒子を形成する工程、(c)溶融、合一工程を経ることでコア/シェル構造のトナー粒子を形成させてもよい。
合一後は、公知の方法によりトナー粒子を冷却することができる。冷却速度は、0.1℃/分~500℃/分程度が好ましい。
(d)洗浄、乾燥工程
公知の洗浄方法、固液分離方法、乾燥方法を用いてよく、特に制限されるものではない。ただし、洗浄工程は、帯電性の観点から、充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、生産性の観点から吸引濾過、加圧濾過などを施すことがよい。また、乾燥工程は生産性の観点から、凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥などを施すことがよい。
磁性トナー粒子には、必要に応じて、トナーの流動性向上及び/又は帯電性向上のために、外添剤を混合し、磁性トナーとしてもよい。外添剤の混合には、公知の装置、例えば、ヘンシェルミキサーを用いるとよい。
外添剤としては、一次粒子の個数平均粒径が、4nm以上80nm以下の無機微粒子が好ましく、6nm以上40nm以下の無機微粒子がより好ましい。
無機微粒子は、疎水化処理が施された場合、トナーの帯電性及び環境安定性をより向上させることができる。疎水化処理に用いる処理剤としては、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機硅素化合物、有機チタン化合物などが挙げられる。該処理剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)により拡大撮影されたトナーの画像を用いて算出するとよい。
無機微粒子としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子などが挙げられる。シリカ微粒子としては、例えば、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された、いわゆる乾式法によるシリカ又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラスなどから製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能である。
しかし、表面及びシリカ微粒子の内部にあるシラノール基が少なく、またNaO、SO 2-などの製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。
また、乾式シリカにおいては、製造工程において、例えば、塩化アルミニウム、塩化チタンなど他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粒子を得ることも可能であり、それらも包含する。
無機微粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上3.0質量部以下であることが好ましい。無機微粒子の含有量は、蛍光X線分析計を用い、標準試料から作成した検量線から定量するとよい。
磁性トナーは、本発明の効果に悪影響を与えない範囲内において、他の添加剤を含有してもよい。
他の添加剤としては、フッ素樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末のような滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤;ケーキング防止剤などが挙げられる。他の添加剤は、その表面を疎水化処理して用いることも可能である。
磁性トナーの体積平均粒径(Dv)は、3.0μm以上8.0μm以下であることが好ましく、5.0μm以上7.0μm以下であることがより好ましい。
トナーの体積平均粒径(Dv)を上記範囲とすることで、トナーのハンドリング性を良好にしつつ、ドットの再現性を十分に満足させることができる。
また、磁性トナーの、体積平均粒径(Dv)の個数平均粒径(Dn)に対する比(Dv/Dn)は、1.25未満であることが好ましい。
磁性トナーの平均円形度は、0.970以上0.985以下であることが好ましく、0.975以上0.985以下であることがより好ましい。
平均円形度が上記範囲にある場合、一成分接触現像方式のような高シェアのかかるシステムにおいても、トナーの圧密化が発生しにくく、トナーの流動性を維持させやすい。その結果、多数の画像出力を行う際、定着分離性の低下をより抑制できる。
平均円形度は、トナーの製造時に、一般的に用いられる方法で、円形度を制御すればよく、例えば、乳化凝集法では合一工程の時間や界面活性剤の添加量を制御するとよい。
以下に、各物性値の測定方法を記載する。
<磁性トナー粒子中の磁性体の占有面積率、その平均値及びその変動係数(CV3)の算出方法>
磁性トナー粒子中の磁性体の占有面積率、その平均値及びその変動係数(CV3)は、以下のように算出する。
まず、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、磁性トナー粒子の断面の画像を取得する。得られた断面画像を区画法に基づき、各区画グリッドにおける磁性体の占有面積率の頻度ヒストグラムを得る。
さらに、得られた各区画グリッドの占有面積率の変動係数を求め、占有面積率の変動係数(CV3)とする。
具体的には、まず、磁性トナーを圧縮形成して錠剤とする。直径8mmの錠剤形成器に100mgの磁性トナーを充填し、35kNの力をかけて1分間静置することで錠剤を得る。
得られた錠剤を、超音波ウルトラミクロトーム(Leica社、UC7)により切削し、膜厚250nmの薄片サンプルを得る。
得られた薄片サンプルを、透過型電子顕微鏡(JEOL社、JEM2800)を用いてSTEM画像を撮影する。
STEM画像の撮影に用いるプローブサイズを1.0nmとし、画像サイズを1024×1024pixelとする。この際、明視野像のDetector ControlパネルのContrastを1425、Brightnessを3750、Image ControlパネルのContrastを0.0、Brightnessを0.5、Gammmaを1.00に調整することで、磁性体部分のみを暗く撮影することができる。該設定により、画像処理に好適なSTEM画像が得られる。
得られたSTEM画像は、画像処理装置(株式会社ニレコ、LUZEX AP)を用いて数値化する。
具体的には、区画法により、一辺が0.8μmの正方グリッドにおける磁性体の占有面積率の頻度ヒストグラムを得る。この際、ヒストグラムの階級間隔は5%とする。
さらに、得られた各区画グリッドの占有面積率から変動係数を求め、占有面積率の変動係数CV3とする。また、占有面積率の平均値は各区画グリッドの占有面積率の平均をとったものである。
<磁性トナーの誘電正接の測定>
磁性トナーの誘電特性は以下の方法で測定する。
磁性トナーを1g秤量し、20kPaの荷重を1分間かけて、直径25mm、厚さ1.5±0.5mmの円盤状の測定試料に成型する。
この測定試料を、直径25mmの誘電率測定治具(電極)を装着したARES(TA Instruments社製)に装着する。測定温度30℃にて250g/cmの荷重をかけた状態で、4284AプレシジョンLCRメータ(ヒューレット・パッカード社製)を用いて、100kHz、温度30℃における複素誘電率の測定値より、誘電正接を算出する。
<磁性トナーの粉体動的粘弾性の測定方法>
動的粘弾性測定装置DMA8000(パーキンエルマー社製)を用いて測定を行う。
測定治具:マテリアルポケット(P/N:N533-0322)
磁性トナー80mgをマテリアルポケットに挟み、シングルカンチレバーに取り付け、トルクレンチでねじを締めて固定する。
測定は専用ソフト「DMA Control Software」(パーキンエルマー社製)を用いる。測定条件は、以下の条件で行う。
オーブン:Stnadard Air Oven
測定タイプ:温度スキャン
DMA条件:シングル周波数/ひずみ(G)
周波数:1Hz
ひずみ:0.05mm
開始温度:25℃
終了温度:180℃
走査速度:20℃/min
変形モード:シングルカンチレバー(B)
断面:直方体(R)
試験片サイズ(長さ):17.5mm
試験片サイズ(幅):7.5mm
試験片サイズ(厚さ):1.5mm
測定によって得られた貯蔵弾性率E’の曲線から、E’(40)、E’(85)を読み取り、[E’(40)-E’(85)]×100/E’(40)の値を計算する。
<磁性トナーの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)の測定方法>
磁性トナーの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、以下のようにして算出する。
測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数25000にて行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解水溶液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180°ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の、液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、磁性トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散については、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)を算出する。なお、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「50%D径」が体積平均粒径(Dv)、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「算術径」を個数平均粒径(Dn)とする。
<磁性トナーの平均円形度の測定方法>
磁性トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA-3000」(シスメックス社製)を用い、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下の通りである。
まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。さらに測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音
波分散器(「VS-150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、対物レンズとして「LUCPLFLN」(倍率20倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE-900A」(シスメックス社製)を使用する。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モード、トータルカウントモードにて2000個の磁性トナーを計測する。その結果から磁性トナーの平均円形度を算出する。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5100A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本件では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用する。
解析粒子径を円相当径1.977μm以上39.54μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行う。
<最大吸熱ピークのピーク温度(又は、融点)の測定方法>
最大吸熱ピークのピーク温度(Tm(1)及びTm(2))及び吸熱量H(1)は、示差走査熱量計(DSC) Q2000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料(磁性トナー)約5mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、一回測定を行う。リファレンスとしてはアルミニウム製の空パンを用いる。そのときの最大吸熱ピークのピーク温度及び吸熱量を測定する。吸熱ピークの吸熱量は、吸熱ピークの積分値である。
なお、結晶性ポリエステルに由来する最大吸熱ピーク及びワックスに由来する最大吸熱ピークは、以下の方法で分離した各材料の測定により区別することができる。
(トナーからの各材料の分離方法)
トナーに含まれる各材料の溶剤への溶解度の差を利用して、トナーから各材料を分離することができる。
第一分離:23℃のメチルエチルケトン(MEK)にトナーを溶解させ、可溶分(結着樹脂中の非晶性樹脂)と不溶分(結晶性ポリエステル、ワックス、磁性体、無機微粒子など)を分離する。
第二分離:100℃のMEKに、第一分離で得られた不溶分(結晶性ポリエステル、ワックス、磁性体、無機微粒子など)を溶解させ、可溶分(結晶性ポリエステル、ワックス)と不溶分(磁性体、無機微粒子など)を分離する。
第三分離:23℃のクロロホルムに、第二分離で得られた可溶分(結晶性ポリエステル、ワックス)を溶解させ、可溶分(結晶性ポリエステル)と不溶分(ワックス)を分離する。
分離した結晶性ポリエステルとワックスの最大吸熱ピークのピーク温度を測定し、トナー単体の測定結果と符合させる。
<ガラス転移温度(Tg)の測定方法>
磁性トナー又は樹脂などのガラス転移温度は、前記最大吸熱ピークのピーク温度の測定
の際、示差走査熱量測定によって得られた昇温時のリバーシングヒートフロー曲線から求めることができる。比熱変化が出る前と出た後のベースラインを延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、リバーシングヒートフロー曲線におけるガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度(℃)である。
<樹脂などの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピーク分子量(Mp)の測定方法>
樹脂及びその他の材料の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピーク分子量(Mp)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、以下のようにして測定する。
(1)測定試料の作製
試料とテトラヒドロフラン(THF)とを5.0mg/mLの濃度で混合し、室温にて5~6時間放置した後、充分に振とうし、THFと試料を、試料の合一体がなくなるまで良く混ぜる。さらに、室温にて12時間以上静置する。この時、試料とTHFの混合開始時点から、静置終了の時点までの時間が72時間以上となるようにし、試料のテトラヒドロフラン(THF)可溶分を得る。
その後、耐溶剤性メンブランフィルター(ポアサイズ0.45~0.50μm、マイショリディスクH-25-2[東ソー社製])でろ過して試料溶液を得る。
(2)試料の測定
得られた試料溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置 LC-GPC 150C(ウォーターズ社製)
カラム:Shodex GPC KF-801、802、803、804、805、806、807(昭和電工社製)の7連
移動相:THF
流速:1.0mL/min
カラム温度:40℃
試料注入量:100μL
検出器:RI(屈折率)検出器
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure ChemicalCo.製又は東ソー株式会社製の、分子量が6.0×10、2.1×10、4.0×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2.0×10、4.48×10のものを用いる。
<微粒子分散液における分散体の粒径の測定方法>
樹脂粒子分散液や磁性体分散液など各微粒子分散液の分散体の粒径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定する。具体的には、JIS Z 8825-1(2001年)に準じて測定される。
測定装置としては、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA-920」(堀場製作所社製)を用いる。
測定条件の設定及び測定データの解析は、LA-920に付属の専用ソフト「HORIBA LA-920 for Windows(登録商標) WET(LA-920) Ver.2.02」を用いる。また、測定溶媒としては、予め不純固形物などを除去したイオン交換水を用いる。測定手順は、以下の通りである。
(1)バッチ式セルホルダーをLA-920に取り付ける。
(2)所定量のイオン交換水をバッチ式セルに入れ、バッチ式セルをバッチ式セルホルダーにセットする。
(3)専用のスターラーチップを用いて、バッチ式セル内を撹拌する。
(4)「表示条件設定」画面の「屈折率」ボタンを押し、相対屈折率を微粒子に対応した
値に設定する。
(5)「表示条件設定」画面において、粒径基準を体積基準とする。
(6)1時間以上の暖気運転を行った後、光軸の調整、光軸の微調整、ブランク測定を行う。
(7)ガラス製の100mL平底ビーカーに微粒子分散液を3mL入れる。さらに57mlのイオン交換水を入れて微粒子分散液を希釈する。この中に分散剤として、「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(8)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。(9)前記(7)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(10)60秒間超音波分散処理を継続する。また、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(11)前記(10)で調製した微粒子分散液を、気泡が入らないように注意しながら直ちにバッチ式セルに少量ずつ添加して、タングステンランプの透過率が90%~95%となるように調整する。そして、粒度分布の測定を行う。得られた体積基準の粒度分布のデータを元に、微粒子分散液中の分散体の粒径を算出する。
<トナー粒子中の該多価金属の合計含有量の測定>
トナー粒子中の金属の含有量は、多元素同時型ICP発光分光分析装置Vista-PRO(日立ハイテクサイエンス社製)を用いて測定する。
試料:50mg
溶媒:硝酸6mL
上記を秤量し、マイクロ波試料前処理装置ETHOS UP(マイルストーンゼネラル
社製)を用いて分解処理を行う。
温度:20℃から230℃まで昇温し、230℃で30min保持
分解液を濾紙(5C)に通した後、50mLメスフラスコに移し、超純水で50mLに定容する。メスフラスコ中の水溶液を、多元素同時型ICP発光分光分析装置Vista-PROで下記の条件で測定することにより、トナー粒子中の多価金属元素(Mg、Ca、Al、及びZnなど)、及び一価金属元素(Na、Li、及びK)の含有量を定量することができる。含有量の定量は、定量する元素の標準試料を用いて検量線を作成し、その検量線をもとに算出する。
条件:RFパワー 1.20kW、
Arガス:プラズマフロー 15.0L/分、
補助フロー:1.50L/分、
MFC:1.50L/分、
ネブイザーフロー:0.90L/分、
送液ポンプ速度:15rpm、
測定繰り返し:3回、
測定時間:1.0s
(Mg、Ca、Al、及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含む無機微粒子が外添されているトナーを測定する場合)
Mg、Ca、Al、及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含む無機微粒子が外添されているトナーが有するトナー粒子中の金属の含有量を測定する場合、
極性部との架橋を形成する金属以外に、無機微粒子由来の金属の含有量を算出することを防ぐために、無機微粒子をトナーから分離した後に測定を行う。
無機微粒子をトナーから分離する手順は以下の通り。
イオン交換水100mLに、コンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)を6mL入れ分散媒を作製する。この分散媒に、磁性トナー5gを添加し、超音波分散機(アズワン(株)VS-150)で5分間分散させる。その後、いわき産業(株)製「KM Shaker」(model:V.SX)にセットし、1分当たり350往復の条件で20分間振盪する。
その後、ネオジム磁石を用いてトナー粒子を拘束し、上澄みを除去する。沈殿したトナー粒子を回収し、乾燥する。
<磁性体の吸油量の測定方法>
磁性体の吸油量は、JIS K 5101-1978(顔料試験方法:精製あまに油法)に記載されている方法に従って測定する。
具体的には、JIS規格に準じる。
<磁性体粒子の等電点の測定方法>
磁性体粒子を25℃のイオン交換水に溶解あるいは分散させ、試料濃度が2.0体積%になるように調製する。超音波方式ゼータ電位測定装置DT-1200(Dispersion Technology社製)を使用して、1mol/LのHClで滴定し、ゼー
タ電位を測定する。そして、ゼータ電位が0mVのときのpHを等電点とする。
<磁性トナー中の磁性体の含有量の測定>
磁性トナー粒子中の磁性体の含有量の測定は、パーキンエルマー社製熱分析装置[TGA7]を用いて測定することができる。測定方法は以下のとおりである。窒素雰囲気下において、昇温速度25℃/分で、常温から900℃まで磁性トナーを加熱する。100℃から750℃まで間の減量質量%を結着樹脂の量とし、残存質量を磁性体の量とする。
<結着樹脂中の結晶性ポリエステルの含有量の測定>
トナーに含まれる各材料の溶剤への溶解度の差を利用して、まず、トナーから各材料を分離する。下記分離に基づいて結晶性ポリエステルの含有量を測定する。
第一分離:23℃のメチルエチルケトン(MEK)にトナーを溶解させ、可溶分(結着樹脂)と不溶分(結晶性ポリエステル、ワックス、磁性体、無機微粒子など)を分離する。第二分離:100℃のMEKに、第一分離で得られた不溶分(結晶性ポリエステル、ワックス、磁性体、無機微粒子など)を溶解させ、可溶分(結晶性ポリエステル、ワックス)と不溶分(磁性体、無機微粒子など)を分離する。
第三分離:23℃のクロロホルムに、第二分離で得られた可溶分(結晶性ポリエステル、ワックス)を溶解させ、可溶分(結晶性ポリエステル)と不溶分(ワックス)を分離する。
第一分離の結着樹脂と第三分離の結晶性ポリエステルの総和を100質量%としたときの結晶性ポリエステル量の含有量を算出する。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は何らこれに制約されるものではない。なお、実施例及び比較例の部数及び%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
<非晶性ポリエステルA1の製造例>
・テレフタル酸 30.0部
・イソフタル酸 12.0部
・ドデセニルコハク酸 37.0部
・トリメリット酸 4.2部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド(2モル)付加物 80.0部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド(2モル)付加物 74.0部
・ジブチルスズオキシド 0.1部
上記材料を加熱乾燥した二口フラスコに入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち撹拌しながら昇温した。その後、150~230℃で約12時間縮重合反応させた後、210~250℃で徐々に減圧して、非晶性ポリエステルA1を得た。
非晶性ポリエステルA1の数平均分子量(Mn)は20500、重量平均分子量(Mw)は74100、ガラス転移温度(Tg)は58.6℃であった。
<非晶性ポリエステルA2~A5の製造例>
非晶性ポリエステルA1の製造例において、処方を表1のように変更した以外は同様にして非晶性ポリエステルA2~A5を得た。
Figure 0007475887000001

表中、略称は以下の通り。
BPA-EO:ビスフェノールAエチレンオキサイド(2モル)付加物
BPA-PO:ビスフェノールAプロピレンオキサイド(2モル)付加物
<結晶性ポリエステルB1の製造例>
・1,10-デカンジカルボン酸 79.0部
・1,6-ヘキサンジオール 56.0部
・酸化ジブチルスズ 0.1部
上記材料を加熱乾燥した二口フラスコに入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち撹拌しながら昇温した。その後、180℃にて6時間撹拌を行った。その後、撹拌を続けながら減圧下にて230℃まで徐々に昇温し、さらに2時間保持した。粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させることで、結晶性ポリエステルB1を合成した。結晶性ポリエステルB1の重量平均分子量(Mw)は22500、融点は73.0℃であった。
<結晶性ポリエステルB2~B3の製造例>
結晶性ポリエステルB1の製造例において、処方を表2のように変更した以外は同様にして結晶性ポリエステルB2~B3を得た。これらの結晶性ポリエステルは、明確な融点を有していた。
Figure 0007475887000002
<樹脂粒子分散液D-1の製造例>
撹拌装置のついたビーカーに、112.5部の酢酸エチル、37.5部の非晶性ポリエステルA1、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム0.3部、及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK)0.2部を投入し、60.0℃に加熱して、完全に溶解するまで撹拌を続け、樹脂溶解液D-1を調製した。
樹脂溶解液D-1をさらに撹拌しながら、徐々にイオン交換水112.5部を加え、転相乳化させ、脱溶剤することにより樹脂粒子分散液D-1(固形分濃度:25.0質量%)を得た。
樹脂粒子分散液D-1中の樹脂粒子の体積平均粒径は0.19μmであった。
<樹脂粒子分散液D-2~D-8の製造例>
樹脂粒子分散液D-1の製造例において、処方を表3のように変更した以外は同様にして樹脂粒子分散液D-2~D-8を得た。処方及び物性について、表3に示す。
Figure 0007475887000003
<ワックス分散液W-1の製造例>
・パラフィンワックス(融点73℃) 50.0部
・アニオン性界面活性剤 0.3部
(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK)
・イオン交換水 150.0部
以上を混合して95℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した。その後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、ワックス粒子を分散させてなるワックス分散液W-1(固形分濃度:25質量%)を調製した。得られたワックス粒子の体積平均粒径は0.21μmであった。
<ワックス分散液W-2の製造例>
・フィッシャートロプシュ系炭化水素ワックス(融点105℃) 50.0部
・アニオン性界面活性剤 0.3部
(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK)
・イオン交換水 150.0部
以上を混合して95℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した。その後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、ワックス粒子を分散させてなるワックス分散液W-2(固形分濃度:25質量%)を調製した。得られたワックス粒子の体積平均粒径は0.22μmであった。
<ワックス分散液W-3の製造例>
・フィッシャートロプシュ系炭化水素ワックス(融点90℃) 50.0部
・アニオン性界面活性剤 0.3部
(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK)
・イオン交換水 150.0部
以上を混合して95℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した。その後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、ワックス粒子を分散させてなるワックス分散液W-3(固形分濃度:25質量%)を調製した。得られたワックス粒子の体積平均粒径は0.23μmであった。
<磁性体1の製造例>
Fe2+を2.0mol/L含有する硫酸鉄第一水溶液50リットルに、4.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液55リットルを混合撹拌し、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液を得た。この水溶液を85℃に保ち、20L/minで空気を吹き込みながら酸化反応を2時間行い、コア粒子を含むスラリーを得た。
得られたスラリーをフィルタープレスにてろ過及び洗浄した後、コア粒子を水中に再度分散させた。得られたリスラリー液に、コア粒子100部当たり、珪素換算で0.20質量%となる珪酸ソーダを添加し、スラリー液のpHを6.0に調整し、撹拌することで珪素リッチな表面を有する磁性酸化鉄粒子を得た。
得られたスラリー液をフィルタープレスにてろ過、洗浄、さらにイオン交換水にてリスラリーを行った。このリスラリー液(固形分50部/L)に500部(磁性酸化鉄に対して10質量%)のイオン交換樹脂SK110(三菱化学製)を投入し、2時間撹拌してイオン交換を行った。その後、イオン交換樹脂をメッシュでろ過して除去し、フィルタープレスにてろ過及び洗浄し、乾燥及び解砕して、一次粒子の個数平均粒径が0.21μmの磁性体1を得た。
<磁性体2~5の製造例>
磁性体1の製造例において、表4に記載のように酸化反応時間を調整したこと以外は同様にして、磁性体2~5を得た。表4に各磁性体の物性を示す。
<磁性体分散液M-1の製造例>
・磁性体1 25.0部
・イオン交換水 75.0部
上記材料を混合して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて8000rpmで10分間分散し、磁性体分散液M-1を得た。磁性体分散液M-1中の磁性体の体積平均粒径は0.21μmであった。
<磁性体分散液M-2~M-5の製造例>
磁性体分散液M-1の製造例において、磁性体1を、それぞれ磁性体2~5に変更した以外は同様にして磁性体分散液M-2~M-5を製造した。表4に各磁性体の物性を示す。
Figure 0007475887000004
<磁性トナー粒子1の製造例>
(凝集工程)
・樹脂粒子分散液D-1(固形分25.0質量%) 104.0部
・樹脂粒子分散液D-6(固形分25.0質量%) 56.0部
・ワックス分散液W-1(固形分25.0質量%) 15.0部
・磁性体分散液M-1(固形分25.0質量%) 123.3部
ビーカーに、上記材料を投入し、水の総部数が250部になるように調整した後、30.0℃に温調した。その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、5000rpmで10分間撹拌することにより混合した。
さらに、凝集剤として10.0部の硫酸マグネシウム2.0質量%水溶液を徐々に添加した。
撹拌装置、温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、マントルヒーターで50.0℃に加熱し撹拌することで凝集粒子の成長を促進させた。
60分間経過した段階でキレート剤としてエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)5.0質量%水溶液を200.0部添加し凝集粒子分散液1を調製した。
(シェル層形成工程)
続いて、凝集粒子分散液1を0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH10.0に調整した後、凝集粒子分散液1を85.0℃に加熱し、180分間放置(熟成時間)して、凝集粒子の合一を行った。さらに樹脂粒子分散液D-3を10部添加した。
180分間経過後、トナー粒子が分散したトナー粒子分散液1を得た。2.0℃/分の降温速度で冷却した後、トナー粒子分散液1をろ過し、イオン交換水で通水洗浄し、ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ状になったトナー粒子を取り出した。
次に、トナー粒子の質量の20倍量のイオン交換水中に、ケーキ状になったトナー粒子を投入し、スリーワンモータで撹拌し、充分にトナー粒子がほぐれたところで再度ろ過、通水洗浄し固液分離した。得られたケーキ状になったトナー粒子をサンプルミルで解砕して、40℃のオーブン中で24時間乾燥した。さらに得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間、追加の真空乾燥をして、磁性トナー粒子1を得た。
<磁性トナー1の製造例>
100部の磁性トナー粒子1に、一次粒子の個数平均粒径が115nmのゾルゲルシリカ微粒子を0.3部添加し、FMミキサ(日本コークス工業株式会社製)を用い混合した。その後、さらに一次粒子の個数平均粒径が12nmのシリカ微粒子をヘキサメチルジシラザンで処理をした後シリコーンオイルで処理し、処理後のBET比表面積値が120m/gの疎水性シリカ微粒子0.9部を添加し、同様にFMミキサ(日本コークス工業株式会社製)を用い混合し、磁性トナー1を得た。
得られた磁性トナー1についての下記結果を表6に示す。
<磁性トナー粒子2~29の製造例>
磁性トナー粒子1の製造例において、凝集工程とシェル層形成工程の条件を表5、表6に記載した条件に変更した以外は同様にして、磁性トナー粒子2~29を得た。
なお、磁性トナー19~22では、キレート剤はクエン酸5.0質量%水溶液を使用した。
Figure 0007475887000005
Figure 0007475887000006
<実施例1>
(画像形成装置)
評価機は、市販の磁性一成分方式のプリンターHP LaserJet Enterprise M609dn(ヒューレットパッカード社製:プロセススピード420mm/s)である。この評価機を用いて、トナー1を用いた下記の評価を実施した。
<低温低湿環境下における画像濃度の評価>
上記のように改造した装置に磁性トナー1を100g充填し、低温低湿環境下(15.0℃/10.0%RH)で繰り返し使用試験を行った。
試験用の出力画像としては、印字率が1%の横線画像を、2枚間欠通紙にて4000枚印字した。
なお、試験に用いる評価紙は、坪量が75g/mのbusiness4200(Xerox社製)を用いた。
ベタ黒画像部を形成し、このベタ黒画像の濃度をマクベス反射濃度計(マクベス社製)にて測定した。
繰り返し使用前のベタ黒画像の反射濃度の判断基準は以下の通りである。
[評価基準]
A:1.45以上
B:1.40以上1.45未満
C:1.35以上1.40未満
D:1.35未満
繰り返し使用後の画像濃度変化(一様性)の判断基準は以下の通りである。
繰り返し使用前のベタ黒画像の反射濃度と、上記繰り返し使用試験4000枚印字後に出力したベタ黒画像の反射濃度の差が小さいほど良好とする。
[評価基準]
A:濃度差が0.10未満
B:濃度差が0.10以上0.15未満
C:濃度差が0.15以上0.20未満
D:濃度差が0.20以上
<低温低湿環境下における静電オフセットの評価>
当該評価では、上記の画像形成装置の定着器の温度を180℃に設定し、低温低湿環境下(15.0℃/10.0%RH)に24時間放置したFox RIVER BOND紙(90g/m)に3cm四方の孤立ドット画像(画像濃度0.75以上0.80以下に設定)を出力した後、そのドット画像の下のベタ白部に発生する静電オフセットのレベルを目視で判断した。
[評価基準]
A:目視で確認できない
B:ごくわずかに確認できる
C:オフセットしている部分が一目でわかるが、オフセットしていない部分もある
D:3cm四方の四角がはっきりと確認できる
<定着分離性評価>
評価環境は、常温常湿環境(25.0℃/50%RH)、使用装置は、上記の画像形成装置、評価紙は、坪量が75g/mのbusiness4200(Xerox社製)を使用した。
次いで、充填したトナーを用いて、トナー載り量0.90mg/cmとなるように縦5.0cm、横20.0cmのベタ黒画像を、上記記録媒体上に形成した。この際、通紙方向における上端部の余白部分の範囲を変更しつつ、画像形成を行った。
設定温度を160℃として上記未定着画像の定着を行った。紙が定着ローラに巻きつかない最小の余白を以下の基準に沿って評価した。
[評価基準]
A:巻きつきなし
B:上端部からの余白が、1mm以上4mm未満
C:上端部からの余白が、4mm以上7mm未満
D:上端部からの余白が、7mm以上
<耐熱保存性の評価>
評価するトナーを100mlの樹脂製カップに10g入れて、53℃環境下で3日放置した後、目視で粉体の状態を評価した
(評価基準)
A:まったく凝集物は確認されず、初期とほぼ同様の状態。
B:凝集気味であるが、指でほぐすと簡単にほぐれる状態である。
C:凝集が発生しているが、指でほぐすとほぐれる。
D:固形化している。
<低温定着性の評価>
評価環境は、常温常湿環境(25.0℃/50%RH)、使用装置は、上記の画像形成装置、評価紙は、坪量が75g/mのbusiness4200(Xerox社製)とした。
(ポツ抜け)
評価画像はベタ黒画像とし、画像形成装置の定着器の設定温度を140℃に調整した。評価間には定着器を取り外し、定着器を、扇風機などを使用して十分に冷やした状態で以下の評価を実施した。評価後に定着器を十分に冷やしておくことで、画像出力後に上昇した定着ニップ部の温度が冷やされることで、トナーの定着性を厳しく、さらに再現良く評価することが可能である。
トナー1を用いて、定着器が十分に冷えた状態で、上記評価紙にベタ黒画像を出力した。この際、紙上のトナー載り量0.90mg/cmとなるように調節した。トナー1の評価結果においては、ポツ抜け画像のない良好なベタ黒画像が得られた。ポツ抜けについての判断基準を以下に述べる。
上記の手順で出力したベタ黒画像についてポツ抜けのレベルを目視で評価した。判断基準は以下の通りである。
[評価基準]
A:ポツ抜けが全くない
B:よく見るとポツ抜けが若干見られる
C:ポツ抜けが見られるが目立たない
D:ポツ抜けが目立つ
(紙密着性評価)
評価画像をハーフトーン画像とし、上記の画像形成装置の定着器の設定温度を200℃から5℃ずつ低下させて画出しを行う。そして、55g/cmの加重をかけたシルボン紙で定着画像を10回摺擦し、摺擦後の定着画像の濃度低下率が10%を超える温度を定着下限温度とした。
下記の判断基準に従い評価を行った。なお、定着下限温度が低いほど低温定着性に優れている。
[評価基準]
A:150℃未満
B:150℃以上160℃未満
C:160℃以上175℃未満
D:175℃以上
Figure 0007475887000007

表中、結晶性ポリエステルの含有量は、結着樹脂及び結晶性ポリエステルの含有量の総和を基準とした含有量である。磁性体含有量は、磁性トナー中の含有量である。「A」は、多価金属(Mg、Ca、Sr、Al、Fe及びZn)の合計含有量(ppm)を示す。
<実施例2~18、及び、比較例1~11>
磁性トナー2~29を用い、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表8に示す。
Figure 0007475887000008

Claims (12)

  1. 水系媒体中に樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を調製する工程、
    水系媒体中にワックスが分散したワックス分散液を調製する工程、
    水系媒体中に磁性体が分散した磁性体分散液を調製する工程、
    該樹脂粒子分散液、該ワックス分散液及び該磁性体分散液を混合する混合工程、
    該混合工程後、該樹脂粒子、該ワックス及び該磁性体を凝集させて凝集粒子を得る凝集工程、及び
    該凝集工程後、該凝集粒子を加熱することで、該凝集粒子を構成する該樹脂粒子、該ワックス及び該磁性体を合一する合一工程、
    を含む磁性トナーの製造方法であって、
    該凝集工程が、該混合工程で得られた混合液に凝集剤を添加し、該樹脂粒子、該ワックス及び該磁性体を凝集させた後、キレート剤を添加して凝集を停止して凝集粒子を得る工程であり、
    得られる磁性トナーが、結着樹脂、磁性体及び結晶性ポリエステルを含有する磁性トナー粒子を有する磁性トナーであ
    透過型電子顕微鏡を用いた該磁性トナー粒子の断面観察において、一辺が0.8μmの正方グリッドで該磁性トナー粒子の断面を区切った際の該磁性体の占有面積率の変動係数CV3が、40.0%以上80.0%以下であり、
    該磁性トナーの粉体動的粘弾性測定において得られる、40℃における貯蔵弾性率をE’(40)[Pa]とし、85℃における貯蔵弾性率をE’(85)[Pa]としたときに、下記式(1)及び(2)を満たす、
    E’(85)≦2.0×10 ・・・(1)
    [E’(40)-E’(85)]×100/E’(40)≧70 ・・・(2)ことを特徴とする磁性トナーの製造方法
  2. 前記磁性トナー粒子が、ワックスを含有し、
    前記磁性トナーの示差走査熱量計測定において、前記結晶性ポリエステルに由来する1回目の昇温時の最大吸熱ピークのピーク温度をTm(1)℃とし、該最大吸熱ピークの吸熱量をH(1)J/gとし、該ワックスに由来する最大吸熱ピークのピーク温度をTm(2)℃としたとき、下記式(3)~(5)を満足する、
    5.0 ≦ Tm(2)-Tm(1) ≦ 35.0 ・・・(3)
    55.0 ≦ Tm(2)≦ 100.0 ・・・(4)
    H(1)≧ 10.0 ・・・(5)
    請求項1に記載の磁性トナーの製造方法
  3. 前記磁性トナーの100kHzにおける誘電正接が、0.01以上である、請求項1又は2に記載の磁性トナーの製造方法
  4. 前記磁性体の吸油量が、15.0ml/100g~25.0ml/100gである、請求項1~3のいずれか一項に記載の磁性トナーの製造方法
  5. 前記磁性体の等電点が、pH8.5~10.5である、請求項1~4のいずれか一項に記載の磁性トナーの製造方法
  6. 前記磁性トナー粒子が、シェル層を有し、
    該シェル層がエチレン性不飽和結合を有する非晶性ポリエステルを含む、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の磁性トナーの製造方法
  7. 前記結晶性ポリエステルの含有量が、前記結着樹脂及び前記結晶性ポリエステルの含有量の総和を基準として、30.0質量%以上である、請求項1~のいずれか一項に記載の磁性トナーの製造方法
  8. 前記結着樹脂が、非晶性ポリエステルを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の磁性トナーの製造方法
  9. 前記非晶性ポリエステルが、炭素数6~18のアルケニル基で置換されたコハク酸が多価アルコールと縮重合した構造を有する、請求項に記載の磁性トナーの製造方法
  10. 前記磁性トナー粒子が、多価金属を含有し、
    該多価金属が、Mg、Ca、Sr、Al、Fe及びZnからなる群より選択される少なくとも一の金属であり、
    前記磁性トナー粒子中の該多価金属の合計含有量が、質量基準で25ppm以上1000ppm以下である、
    請求項1~のいずれか一項に記載の磁性トナーの製造方法
  11. 前記結晶性ポリエステルが、炭素数2~12の脂肪族ジオールに由来するモノマーユニット、及び/又は、炭素数2~12の脂肪族ジカルボン酸に由来するモノマーユニットを含有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の磁性トナーの製造方法
  12. 前記結晶性ポリエステルが、炭素数2~12の脂肪族ジオールに由来するモノマーユニット、及び、炭素数2~12の脂肪族ジカルボン酸に由来するモノマーユニットを含有する、請求項11に記載の磁性トナーの製造方法
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