JP5012296B2 - 2−ノルボルネン単独付加重合体 - Google Patents

2−ノルボルネン単独付加重合体 Download PDF

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本発明は、新規なノルボルネン系付加重合体、その製造方法及びその製造方法に使用される重合用触媒並びに該ノルボルネン系付加重合体を用いたフィルムに関する。
ノルボルネン系単量体がチーグラー・ナッタ触媒で重合することは知られているが、得られるものは多くの場合開環重合体である。これに対し、ノルボルネン系単量体をビニル付加重合し、高分子量体を与える触媒系が最近報告されている。特開平3−205408号公報及び特開平4−63807号公報には、特定のPdまたはNi化合物とメチルアルミノキサンとからなる触媒を用いて、高分子量の付加型ポリノルボルネンを重合する方法が記載されている。特開平5−262821号公報(EP−A−504,418)には、Ni錯体とホウ素を含有するイオン性化合物及び有機アルミニウム化合物からなる触媒を用いて、高分子量のノルボルネン付加重合体を得ている。
Makromol.Chem.193,2915−2927(1992)には[Pd(CHCN)][BFを触媒として比較的高分子量のポリノルボルネンを得ている。米国特許US5,468,819号および国際特許WO95/14048号には、(1)弱い配位対アニオンを有するPd,Ni金属イオン錯体、特に[(η3−クロチル)(シクロオクタ−1,5−ジエン)ニッケル]ヘキサフルオロフォスフェ−トを用いた触媒系及び(2)Ni化合物と有機アルミニウム化合物、場合によっては第3成分としてルイス酸、またはブレンステッド酸、ハロゲン化物を反応させた触媒系が、ノルボルネンの高活性触媒となると記載されている。
一般に重合体のフィルムは、該重合体を有機溶剤に溶解して、硬化剤、可塑剤、老化防止剤などの添加物を配合した後、溶剤を除去することによって製造される。この際に用いられる有機溶媒としては、重合体に対しても、添加剤に対しても溶解性に優れ、沸点が低くて蒸発除去し易いクロロホルムやジクロロメタンが常用される。しかし、上述の触媒で得られたノルボルネン系付加重合体は、クロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族系炭化水素やデカヒドロナフタレンなどの脂環式炭化水素には比較的溶解するものの、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン系飽和炭化水素には、ほとんど溶解しないという問題点があった。例えばMakromol.Chem.,Rapid Commun.12,255−259(1991)に、[Pd(CHCN)][BFを用いて重合したポリノルボルネンが、クロロホルムとジクロロメタンには溶解しないことが記載されている。
本発明によれば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量がポリスチレン換算で10,000〜1,000,000であり、クロロホルム不溶分が0.1重量%以下であるノルボルネン系付加重合体が提供される。
本発明の好ましい実施の形態について、以下に項目に分けて説明する。
(ノルボルネン系付加重合体)
本発明により得られるノルボルネン系付加重合体は、一般式[I]
Figure 0005012296
(式中、R〜Rは水素原子、炭素数1〜3の炭化水素基またはハロゲン原子を示し、R〜R12は水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基または酸素原子もしくは窒素原子を含む置換基を示し、RとR11が結合して環を形成してもよい。さらにnは0〜2の整数を示す。)
で表される繰り返し単位を主として有する重合体である。この重合体の分子量は、機械的強度と溶液粘度の観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量がポリスチレン換算で10,000〜1,000,000であり、より好ましくは20,000〜500,000であり、さらに好ましくは30,000〜300,000である。
(重合触媒)
本発明において使用されるノルボルネン系付加重合体の重合触媒は、周期律表第8、9、10族から選ばれる少なくとも1種の遷移金属のハロゲン化合物(A)と、 B,Al,Ti,Zn,Ge,Sn,Sb原子から選ばれる金属元素を有する化合物であって、該金属元素に直接結合する炭素原子を有さない化合物(B)を反応させることにより得られるものである。
遷移金属ハロゲン化物(A)
本発明における化合物(A)は、上記遷移金属とハロゲン原子、所望によりその他の成分から構成される。遷移金属としては、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金などが挙げられ、中でもコバルト、ニッケル、パラジウム、白金が好ましく、特にニッケル、パラジウムが好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、これらのハロゲン原子は少なくとも1つ以上が該遷移金属と結合している。その他の成分としては、酸素原子;水酸基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジ(iso−プロピル)アミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基、ジ(t−ブチル)アミノ基、ジ(iso−ブチル)アミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などの炭素数1〜20のアルキル置換基を有するジアルキルアミノ基、又はジアリールアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などの炭素数1から20のアルコキシ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、ナフチルオキシ基などの炭素数6〜20のアリールオキシ基;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;エチルベンゾエートなどのエステル類;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類;サルフォキシド類、イソシアニド類、ホスホン酸類、チオシアネート類などのルイス塩基などが挙げられる。なかでも、ジアルキルアミノ基、エーテル類、ニトリル類、エステル類、ホスフィン類が好ましく、特に、ニトリル類、ホスフィン類が特に好ましい。
このような遷移金属ハロゲン化物の具体例を挙げると、鉄化合物としては、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)などのハロゲン原子のみを含む化合物; ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)鉄(II)、ジクロロビス(トリn−ブチルホスフィン)鉄(II)などのハロゲン原子とホスフィン類を含む化合物; コバルト化合物としては、塩化コバルト、臭化コバルトなどのハロゲン原子のみを含む化合物; ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)コバルトなどのハロゲン原子とホスフィン類を含む化合物;ニッケル化合物としては、塩化ニッケル、臭化ニッケルなどのハロゲン原子のみを含む化合物; ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケルなどのハロゲン原子とホスフィン類を含む化合物; ジクロロ(2,2‘−ピピリジル)ニッケル、ジクロロ(エチレンジアミン)ニッケルなどのハロゲン原子とジアルキルアミノ基を含む化合物; ルテニウム化合物としては、塩化ルテニウムなどのハロゲン原子のみを含む化合物; クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ヒドロクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどのハロゲン原子とホスフィン類を含む化合物; クロロテトラキス(アセトニトリル)ルテニウムなどのハロゲン原子とニトリル類を含む化合物; ジクロロテトラキス(ジメチルサルフォキシド)ルテニウムなどのハロゲン原子とサルフォキシド類を含む化合物; ロジウム化合物としては、塩化ロジウム、臭化ロジウムなどのハロゲン原子のみを含む化合物; トリクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウムなどのハロゲン原子とホスフィン類を含む化合物; パラジウム化合物としては、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、ヨウ化パラジウムなどのハロゲン原子のみを含む化合物; ジクロロ(トリメチルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどのハロゲン原子とホスフィン類を含む化合物; ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウムなどのハロゲン原子とニトリル類を含む化合物が挙げられる。なかでも、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル、ジクロロ(トリメチルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどのハロゲン原子とホスフィン類を含む化合物; ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ペンゾニトリル)パラジウムなどのハロゲン原子とニトリル類を含む化合物が特に好ましい。
化合物(B)
化合物(B)は、B,Al,Ti,Zn,Ge,Sn,Sb原子から選ばれる金属元素を必須成分とし、所望によりその他の成分から構成され、該金属元素にアルキル基、アルケニル基、などの炭化水素基、その他極性基を有する炭化水素基に起因する炭素原子が直接結合していないものである。該化合物(B)の金属元素には、ハロゲン原子が結合しているのが好ましく、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。これらのハロゲン原子は少なくとも1つ以上が該遷移金属と結合しているのが好ましい。金属元素の中では、重合活性という点でB,Al,Ti,Zn,Snが好ましく、特にB,Al,Tiがより好ましい。ハロゲン原子以外のその他の成分としては、酸素原子;水酸基;水;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジ(iso−プロピル)アミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基、ジ(t−ブチル)アミノ基、ジ(iso−ブチル)アミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などの炭素数1〜20のアルキル置換基を有するジアルキルアミノ基またはジアリールアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などの炭素数1から20のアルコキシ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、ナフチルオキシ基などの炭素数6〜20のアリールオキシ基;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;エチルベンゾエートなどのエステル類;トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類;イソシアニド類、ホスホン酸類、チオシアネート類などのルイス塩基などが挙げられ、これらの中でも、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基が好ましい。
化合物(B)の具体例は、チタン化合物としては、塩化チタン(IV)、臭化チタン(IV)などのハロゲン原子を含む化合物; テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタンなどのアルコキシ基を含む化合物; トリメトキシチタンモノクロリド、ジメトキシチタンジクロリド、メトキシチタントリクロリド、トリヒドロキシチタンモノクロリド、ジヒドロキシチタンジクロリド、ヒドロキシチタントリクロリドなどのハロゲン原子とアルコキシ基を含む化合物; 酸化チタンなどが挙げられる。亜鉛化合物としては、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛などのハロゲン原子を含む化合物; ジエトキシ亜鉛などのアルコキシ基を含む化合物; 酸化亜鉛などが挙げられる。ホウ素化合物としては、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三ヨウ化ホウ素などのハロゲン原子を含む化合物; トリエトキシホウ素などのハロゲン原子とアルコキシ基を含む化合物; 酸化ホウ素などが挙げられる。アルミニウム化合物としては、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウムなどのハロゲン原子を含む化合物; アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、クロロアルミノキサンなどのハロゲン原子とアルコキシ基を含む化合物; 酸化アルミニウムなどを挙げることができる。スズ化合物としては、フッ化スズ(IV)、塩化スズ(IV)、臭化スズ(IV)、ヨウ化スズ(IV)などのハロゲン原子を含む化合物; 酸化スズ(IV)などが挙げられる。アンチモン化合物としては、塩化アンチモン(V)、フッ化アンチモン(V)などのハロゲン原子とアルコキシ基を含む化合物; 酸化アンチモンなどが挙げられる。なかでも、ハロゲン化金属、アルコキシハロゲン化金属、ヒドロキシハロゲン化金属が好ましく、特にハロゲン化金属が好ましい。具体例としては、塩化チタン(IV)、臭化チタン(IV)、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三ヨウ化ホウ素、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、フッ化スズ(IV)、塩化スズ(IV)、臭化スズ(IV)、ヨウ化スズ(IV)を挙げることができる。さらに、このなかでも、塩化チタン(IV)、臭化チタン(IV)、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三ヨウ化ホウ素、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウムが特に好ましい。化合物(B)は、水、エーテル、エステル、カルボン酸などが配位した錯体を使用することもできる。具体的には、塩化チタン(IV)テトラヒドロフラン(1:2)錯体、三塩化ホウ素メチルサルファイド錯体、三フッ化ホウ素2水和物、三フッ化ホウ素t−ブチルメチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素ジ(n−ブチル)エーテル錯体、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体、三フッ化ホウ素酢酸(1:2)錯体、塩化アルミニウム水和物、塩化スズ(IV)水和物などを例示することができる。なかでも、ハロゲン化金属、アルコキシハロゲン化金属、ヒドロキシハロゲン化金属のエーテル錯体が好ましく、特にハロゲン化金属のエーテル錯体が好ましい。
(ノルボルネン系単量体)
本発明におけるノルボルネン系単量体は、特開平5−320268や特開平2−36224などに記載されているノルボルネン系単量体のことであり、一般式[II]
Figure 0005012296
(式中、R13〜R20は水素原子、炭素数1〜3の炭化水素基またはハロゲン原子を示し、R21〜R24は水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基または酸素原子もしくは窒素原子を含む置換基を示し、R21とR23が結合して環を形成してもよい。さらにnは0〜2の整数を示す。)
で示すことができる。これらのノルボルネン系単量体は、それぞれ独立で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。ノルボルネン系単量体は、一般式[IV]のmが0であるビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体(1)、mが1であるテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン誘導体(2)及びmが2以上のノルボルネン系単量体(3)に分類することができるが、いずれの単量体も使用することができる。これらのノルボルネン系単量体の中では、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体(1)またはテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン誘導体(2)が好ましく、特にビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体(1)が好ましい。ノルボルネン系単量体は、(a)重合反応に関与する炭素−炭素不飽和結合以外の不飽和結合を持たない単量体、(b)重合反応に関与する炭素−炭素不飽和結合以外の不飽和結合を持つ単量体、(c)芳香環を持つ単量体、(d)極性基を有する単量体に分類することができるが、いずれの単量体も使用することができる。特に極性基を有したノルボルネン系重合体を製造する場合には、上記(d)の単量体を必須成分として、必要に応じて上記(a)、(b)、(c)の単量体を適当に組み合わせることによって、目的の重合体を得ることができる。
(a)重合反応に関与する炭素−炭素不飽和結合以外に不飽和結合を持たない単量体の具体例としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、などのビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体;テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エンなどのテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン誘導体;トリシクロ[4.3.12,5.0]−デカ−3−エン;5−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロペンチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどの環状置換基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体、などが挙げられる。
(b)重合反応に関与する炭素−炭素不飽和結合以外に不飽和結合を持つ単量体の具体例としては、例えば5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−プロペニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、などの環外に不飽和結合を持つビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体;8−メチリデンテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−プロペニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、などの環外に不飽和結合を持つテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン誘導体;トリシクロ[4.3.12,5.0]−デカ−3,7−ジエン;5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロペンテニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどの不飽和結合を持つ環状置換基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体、などが挙げられる。
(c)芳香環を有する単量体の具体例としては、例えば、5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[6.5.12,5.01,6.08,13]トリデカ−3,8,10,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[6.6.12,5.01,6.08,13]テトラデカ−3,8,10,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、などが挙げられる。
(d)極性基を有する単量体の具体例としては、例えば、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニル−6−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、などの酸素原子を含む置換基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体;8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−カルボキシテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、などの酸素原子を含む置換基を有するテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン誘導体;5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミドなどの窒素原子を含む置換基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体、などが挙げられる。これらの単量体のなかでも、特に好ましいビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体(1)の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[4.3.12,5.0]−デカ−3−エン、5−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロペンチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−プロペニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[4.3.12,5.0]−デカ−3,7−ジエン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロペンテニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[6.5.12,5.01,6.08,13]トリデカ−3,8,10,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニル−6−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、などが挙げられる。
(その他の単量体)
本発明のノルボルネン系重合体は、前述のノルボルネン系単量体以外に、該ノルボルネン系単量体と共重合可能なその他の単量体を共重合することができる。共重合可能なその他の単量体の具体例としては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの特開昭64−66216などに記載されている単環の環状オレフィン系単量体;1、3−シクロペンタジエン、1、3−シクロヘキサジエン、1、3−シクロヘプタジエン、1、3−シクロオクタジエンなどの、特開平7−258318などに記載されている環状共役ジエン系単量体;エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数2〜12からなるα−オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレンなどのスチレン類;1,3−ブタジエン、イソプレンなどの鎖状共役ジエン;エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類や一酸化炭素を挙げることができるが、共重合が可能であるならば、特にこれらに限定されるものではない。これらの単量体は、それぞれ独立で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(重合方法)
本発明の方法における触媒中の遷移金属化合物(A)成分と化合物(B)成分の使用割合は、各種の条件により異なり、一義的に定められないが、通常はA/B(モル比)として1/0.1〜1/10,000、好ましくは1/0.5〜1/5,000、さらに好ましくは1/1〜1/1,000とすれば良い。本発明の触媒は、水に対して比較的安定であるため、必ずしも溶剤などの脱水処理を必要としない。例えば、触媒中の遷移金属化合物(A)成分に対してモル比で0.01〜10,000倍、好ましくは0.01〜1、000倍存在しても重合活性を本質的に損なうことはない。重合は、塊状で行っても良いし、溶液中で行っても良い。使用する溶剤は触媒を失活させない限りにおいて特に限定されないが、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素系炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類の溶剤を使用することができる。重合反応は、ノルボルネン系単量体と触媒である遷移金属化合物(A)成分と化合物(B)成分を混合することによって開始され、混合する順序は特に制限されない。あらかじめ、遷移金属化合物(A)成分と化合物(B)成分を混合してできた反応組成物を単量体を含む溶液に添加してもよいし、単量体と遷移金属化合物(A)を混合した後、化合物(B)を添加して重合を開始してもよい。また逆に、単量体と化合物(B)の混合溶液中に遷移金属化合物(A)を添加してもよい。重合温度は特に制限はないが、一般には、−30℃〜150℃、好ましくは−10℃〜120℃である。重合時間は、1分間〜100時間で、特に制限はない。さらに、得られるノルボルネン系重合体の分子量を調整するには、遷移金属化合物(A)の量、遷移金属化合物(A)と化合物(B)の割合、重合温度を目的に応じて選択して行う。
このようにして得られた重合体の基本物性は、数平均分子量10,000〜1,000,000、好ましくは20,000〜300,000、重量平均分子量は10,000〜2,000,000、好ましくは20,000〜1,000,000、ガラス転移温度(Tg)は150〜400℃、好ましくは200〜350℃である。本発明の重合体は、25℃において、クロロホルム100重量部に対して10重量部溶解させた場合の不溶解成分が、重合体中0.1重量%以下、好ましくは0.05%以下、より好ましくは0.01%以下ある。
(液組成物)
本発明により得られるノルボルネン系付加重合体を主成分とする組成物は一般の芳香族炭化水素系溶剤、ハロゲン系有機溶剤に対して極めて溶解性に優れているため、ノルボルネン付加重合体組成物を10重量%以上溶解した有機溶媒溶液を容易に調製することができる。具体的には、まず、上記のノルボルネン系付加重合体を、該重合体を溶解し得る有機溶媒中に溶解し、有機溶媒溶液を調製するか、もしくはノルボルネン系単量体を、該重合体を溶解し得る有機溶媒中で重合した有機溶媒溶液をそのまま用いてもよい。ここで用いる有機溶媒は、常温または加温下で、ノルボルネン系付加重合体を主成分とする組成物を溶解し得るものであればよいが、通常、脂環式炭化水素、ハロゲン化炭化水素および芳香族炭化水素の中から選ばれる少なくとも1種の溶媒が用いられる。ここで脂環式炭化水素としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレンなどを挙げることができる。ハロゲン化炭化水素としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、トリフルオロエタン、トリクレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどを挙げることができる。また、芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン、テトラリンなどを挙げることができる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。さらに、これらの有機溶媒を主成分とし、該重合体の貧溶媒を混合して、混合液が重合体を溶解するならば、貧溶媒との混合溶液を用いることもできる。溶液中で重合した場合には、重合後の反応溶液をそのまま液組成物とすることもできる。なお、この液組成物には、所望に応じて、各種添加剤を添加することができる。具体的には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、レベリング剤、スリップ剤、滑剤、ワックス、防曇剤、硬化剤、有機充填剤、無機充填剤、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム性重合体などを挙げることができる。有機溶媒を揮散させる方法については特に制限はなく、室温で揮散させても良いし、適当な温度に加熱して揮散させてもよい。さらに、加熱により溶媒を揮散させる際に、硬化剤によって熱硬化させてもよい。また、常圧下や減圧下で揮散させる方法を採用してもよい。
(フィルム)
上記液組成物を塗布したのち、溶媒を揮散させることによって、フィルムを製造することができる。該フィルムを製造する際の液組成物中の重合体の濃度は、フィルム成形の方法や条件によって任意に選ぶことができるが、取扱い易い溶液粘度で適当な厚さのフィルムを作製するには、1重量%から50重量%の範囲が好ましい。有機溶媒を揮散させる方法については特に制限はなく、室温で揮散させても良いし、適当な温度に加熱して揮散させてもよい。さらに、加熱により溶媒を揮散させる際に、硬化剤によって熱硬化させてもよい。また、常圧下や減圧下で揮散させる方法を採用してもよい。このようにして前記したフィルムを製造することができる。本発明のフィルムの厚さは特に制限はないが、通常、1μm〜1000μm、好ましくは5μm〜500μmである。
以下に、実施例、及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。分子量は、特に断りのない限り、トルエンを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値として測定した。実施例中の「部」および「%」は、特に断りのない限り重量基準である。
[実施例1]
ガラス製容器に、トルエン100部と67%の2−ノルボルネン(NB)/トルエン溶液50部を加えた。次に、2.5mmol/lのジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム/トルエン溶液10部と500mmol/lの三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体/トルエン溶液10部を添加して、50℃で5時間重合反応を行った。反応終了後、多量のメタノール中に注いでポリマーを析出させ、濾別洗浄後、減圧乾燥することにより、30部の付加重合体(ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn)=68,200、重量平均分子量(Mw)=112,400)を得た。得られた重合体10部をクロロホルム90部に溶解したところ、重合体は完全に溶解した。10ミクロンのテフロンフィルターを用いてろ過して回収された不溶解成分は、0.1%以下であった。
[実施例2]
三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体の代わりに四塩化チタンを用いた以外は実施例1と同様にして行った。31部の付加共重合体(ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn)=79,200、重量平均分子量(Mw)=132,100)を得た。得られた重合体10部をクロロホルム90部に溶解したところ、重合体は完全に溶解した。10ミクロンのテフロンフィルターを用いてろ過して回収された不溶解成分は、0.1%以下であった。
[実施例3]
ガラス製容器に、塩化アルミニウム0.03部、トルエン100部と67%の2−ノルボルネン(NB)/トルエン溶液50部を加えた。次に、15mmol/lのジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル/塩化メチレン10部を添加して、50℃で5時間重合反応を行った。反応終了後、多量のメタノール中に注いでポリマーを析出させ、濾別洗浄後、減圧乾燥することにより、30部の付加重合体(ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn)=92,700、重量平均分子量(Mw)=186,400)を得た。得られた重合体10部をクロロホルム90部に溶解したところ、重合体は完全に溶解した。10ミクロンのテフロンフィルターを用いてろ過して回収された不溶解成分は、0.1%以下であった。
[比較例1]
ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウムの代わりにパラジウムアセチルアセトナートを用いた以外は実施例1と同様にして行った。重合体は得られなかった。
[比較例2]
ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウムの代わりにニッケルアセチルアセトナートを用い、三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体の代わりにメチルアルミノキサンを用いた以外は実施例1と同様にして行った。26部の付加重合体(ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn)=42,500、重量平均分子量(Mw)=92,400)を得た。得られた重合体10部をクロロホルム90部に溶解したところ、重合体は溶解しなかった。10ミクロンのテフロンフィルターを用いてろ過して回収された不溶分は、90%であった。
[比較例3]
三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体の代わりにエチルアルミニウムセスキクロリドを用いた以外は実施例1と同様にして行った。25部の付加重合体(ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn)=56,200、重量平均分子量(Mw)=146,300)を得た。得られた重合体10部をクロロホルム90部に溶解したところ、重合体は溶解しなかった。10ミクロンのテフロンフィルターを用いてろ過して回収された不溶分は、45%であった。
[実施例4]
500mmol/lの三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体/トルエン溶液10部の代わりに25mmol/lの三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体/トルエン溶液10部を添加した以外は実施例1と同様にして行った。28部の付加重合体(ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn)=87,100、重量平均分子量(Mw)=169,200)を得た。得られた重合体10部をクロロホルム90部に溶解したところ、重合体は完全に溶解した。10ミクロンのテフロンフィルターを用いてろ過して回収された不溶分は、0.1%以下であった。
[実施例5]
実施例1で得られたろ過前の重合体のクロロホルム溶液を、スピンコーターを用いてシリコンウェハ上に塗布した後に80℃、15分溶媒を除去・乾燥して厚さ30μmのキャストフィルムを形成した。得られたフィルムは無色透明であった。
比較例1で得られた重合体のクロロホルム溶液を用いる以外は、実施例5と同様にキャストフィルムを形成して評価した結果、得られたフィルムは不透明であり、粒子状の不溶分が分散していた。
[実施例6]
実施例1〜3で得られた重合体、及び比較例2〜3で得られた重合体を、その他のハロゲン系有機溶媒として、クロロベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素にそれぞれ実施例1同様の濃度、条件で溶解させたときの溶解性を表1に示した。
Figure 0005012296
本発明によれば、一般のハロゲン系飽和炭化水素によく溶解するノルボルネン系付加重合体および該ノルボルネン系付加重合体を効率良く製造する重合触媒および重合方法を提供することが可能である。

Claims (3)

  1. ルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量がポリスチレン換算で10,000〜1,000,000であり、クロロホルム不溶分が0.1重量%以下である、2−ノルボルネンの単独付加重合体。
  2. 請求項1に記載の2−ノルボルネンの単独付加重合体を10重量%以上の濃度で有機溶媒に溶解した液状組成物。
  3. 請求項1に記載の2−ノルボルネンの単独付加重合体からなるフィルム。
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