JP3693484B2 - 開環メタセシス共重合体の水素添加物及びその製造方法 - Google Patents

開環メタセシス共重合体の水素添加物及びその製造方法 Download PDF

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JP3693484B2 JP03860898A JP3860898A JP3693484B2 JP 3693484 B2 JP3693484 B2 JP 3693484B2 JP 03860898 A JP03860898 A JP 03860898A JP 3860898 A JP3860898 A JP 3860898A JP 3693484 B2 JP3693484 B2 JP 3693484B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な開環メタセシス共重合体水素添加物に関し、更には、耐熱性、耐熱分解性、光透過性等に優れた紫外線や遠紫外線(エキシマーレーザー等を含む)を用いた半導体微細加工用フォトレジストに適した開環メタセシス共重合体の水素添加物を提供し、かつそのような重合体の水素添加物の製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路は集積化が進んで大規模集積回路(LSI)や超大規模集積回路(VLSI)が実用化されており、また、これとともに、集積回路の最少パターンはサブミクロン領域に及び、今後更に微細化する傾向にある。微細パターンの形成には、薄膜を形成した被処理基板上をレジストで被覆し、選択露光を行って所望パターンの潜像を形成した後に、現像してレジストパターンを作り、これをマスクとしてドライエッチングを行い、その後にレジストを除去することにより所望のパターンを得るリソグラフィ技術の使用が必須である。
【0003】
このリソグラフィ技術において使用される露光光源としてg線(波長436nm)、i線(波長365nm)の紫外線光が使用されているが、パターンの微細化に伴い、より波長の短い遠紫外線光、真空紫外線光、電子線(EB)、X線などが光源として使用されるようになってきている。特に最近では、エキシマレーザ(波長248nmのKrFレーザー、波長193nmのArFレーザー)が露光光源として注目されており、微細パターンの形成に有効であると期待されている。
【0004】
より短波長である真空紫外領域の露光光を用いてサブミクロンパターンを形成するレジスト材料に用いられる重合体又は共重合体としては、例えば、エステル部にアダマンタン骨格及び酸により脱離する保護基を有するアクリル酸エステル又はα置換アクリル酸エステルの重合体又は共重合体(特開平4−39665号公報参照)、エステル部にノルボルナン骨格及び酸により脱離する保護基を有するアクリル酸エステル又はα置換アクリル酸エステルの重合体又は共重合体(特開平5−257281号公報参照)、シクロヘキシルマレイミドの重合体又は共重合体(特開平5−257285号公報参照)、セルロース骨格を主鎖に含み該主鎖が酸により開裂を起こす高分子化合物(特開平6−342212号公報参照)、ポリビニルアルコールまたはポリビニルアルコールの誘導体(特開平7−333850号公報参照)等数多くの重合体及び共重合体が提案されている。
【0005】
しかしながら、耐ドライエッチング性、遠紫外線に対する透明性、レジスト溶剤に対する溶解性、及び剥離剤に対する溶解性等レジスト材として用いられるのに必要な諸性質全てを満足し、しかも合成容易な重合体及び共重合体は未だなく、更なる開発が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、レジスト材として用いられるのに必要な上記の諸性能全てを満足し、しかも狭い分子量分布を有する開環メタセシス共重合体の水素添加物を提供し、かつそのような重合体の水素添加物の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点を解決するため種々検討し、環状オレフィン系単量体の開環メタセシス重合体及び開環メタセシス共重合体の水素添加物が、優れた光学特性、電気特性、高剛性、耐熱性及び耐候性を有するレジスト材として利用できる可能性を鋭意検討したところ、ある新規な開環メタセシス共重合体の水素添加物がこれらレジスト材としての諸性能を満足することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、少なくとも下記一般式[1]
【0009】
【化9】
Figure 0003693484
(式中、R1 〜R4 のうち少なくとも一つが酸により分解する基を含む置換基であり、その他は水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、またはハロゲン化アルキルから選ばれ、lは0または1〜3の整数を表す。)
で表される構造単位[A]10〜70モル%、下記一般式[2]
【0010】
【化10】
Figure 0003693484
(式中、R5 〜R8 の少なくとも1つがニトリルを含む置換基であり、その他は水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、またはハロゲン化アルキルから選ばれ、は0または1〜3の整数を表す。)で表される構造単位[B]1〜70モル%及び下記一般式[3]
【0011】
【化11】
Figure 0003693484
(式中、R9 〜R12のうち少なくとも一つが、カルボン酸、ヒドロキシルを含む置換基であり、その他は水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、またはハロゲン化アルキルから選ばれ、は0または1〜3の整数を表す。)で表される構造単位[C]1〜30モル%から構成され、かつ重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が1.0〜2.0であることを特徴とする開環メタセシス共重合体の水素添加物である。
【0012】
本発明は、一般式[4]と一般式[5]で表される少なくとも2種類の環状オレフィン系単量体をリビング開環メタセシス触媒で重合し、水素添加触媒のもとに水素添加した後に加水分解することを特徴とする開環メタセシス共重合体の水素添加物の製造方法である。
【0013】
【化12】
Figure 0003693484
(式中、R1 〜R4 のうち少なくとも一つが酸により分解する基を含む置換基であり、その他は水素または炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、またはハロゲン化アルキルから選ばれ、xは0または1〜3の整数を表す。)
【0014】
【化13】
Figure 0003693484
(式中、R5 〜R8 の少なくとも1つがニトリルを含む置換基であり、その他は水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、またはハロゲン化アルキルから選ばれ、yは0または1〜3の整数を表す。)
また、一般式[4]、一般式[5]及び一般式[6]で表される少なくとも3種類の環状オレフィン系単量体をリビング開環メタセシス触媒で重合し、水素添加触媒のもとに水素添加することを特徴とする開環メタセシス共重合体の水素添加物の製造方法である。
【0015】
【化14】
Figure 0003693484
(式中、R1 〜R4 のうち少なくとも一つが酸により分解する基を含む置換基であり、その他は水素または炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、またはハロゲン化アルキルから選ばれ、xは0または1〜3の整数を表す。)
【0016】
【化15】
Figure 0003693484
(式中、R5 〜R8 の少なくとも1つがニトリルを含む置換基であり、その他は水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、またはハロゲン化アルキルから選ばれ、yは0または1〜3の整数を表す。)
【0017】
【化16】
Figure 0003693484
(式中、R9 〜R12のうち少なくとも一つが、カルボン酸、ヒドロキシルを含む置換基であり、その他は水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、またはハロゲン化アルキルから選ばれ、zは0または1〜3の整数を表す。)
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明においてリビング開環メタセシス触媒で重合する一般式[4]、一般式[5]及び一般式[6]で表される環状オレフィン系単量体としては、x、yまたはzが0であるビシクロヘプトエンの誘導体、x、yまたはzが1であるテトラシクロドデセンの誘導体、x、yまたはzが2であるヘキサシクロヘプタデセンの誘導体、x、yまたはzが3であるオクタシクロドコセンの誘導体等が挙げられる。
【0019】
一般式[4]において、R1 〜R4 のうち少なくとも一つが酸により分解する基を含む置換基であり、例えば炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ、炭素数3〜20のアルコキシカルボニルアルキル、炭素数3〜20のアルキルカルボキシカルボニル、炭素数3〜20のアルコキシカルボニルオキシアルキルが挙げられる。
【0020】
さらに具体的には、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルとしては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル、テトラヒドロフラン−2−イルオキシカルボニル、1−エトキシエトキシカルボニル、または1−ブトキシエトキシカルボニル等が挙げられ、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシとしては、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、n−プロポキシカルボニルオキシ、イソプロポキシカルボニルオキシ、n−ブトキシカルボニルオキシ、tert−ブトキシカルボニルオキシ、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニルオキシ、テトラヒドロフラン−2−イルオキシカルボニルオキシ、1−エトキシエトキシカルボニルオキシ、または1−ブトキシエトキシカルボニルオキシ等が挙げられ、炭素数3〜20のアルコキシカルボニルアルキルとしては、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、イソプロポキシカルボニルメチル、tert−ブトキシカルボニルメチル、tert−ブトキシカルボニルエチル、tert−ブトキシカルボニルメンチル、シクロヘキシルオキシカルボニルメチル、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニルメチル、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニルメンチル、テトラヒドロフラン−2−イルオキシカルボニルメチル、1−エトキシエトキシカルボニルメチル、または1−ブトキシエトキシカルボニルメチル等が挙げられ、炭素数3〜20のアルキルカルボキシカルボニルとしては、メチルカルボキシカルボニル、エチルカルボキシカルボニル、イソプロピルカルボキシカルボニル、tert−ブチルカルボキシカルボニル、またはシクロヘキシルカルボキシカルボニル等が挙げられ、炭素数3〜20のアルコキシカルボニルオキシアルキルとしては、メトキシカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシメチル、イソプロポキシカルボニルオキシメチル、tert−ブトキシカルボニルオキシメチル、tert−ブトキシカルボニルオキシエチル、tert−ブトキシカルボニルオキシメンチル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニルオキシメチル、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニルオキシメンチル、テトラヒドロフラン−2−イルオキシカルボニルオキシメチル、1−エトキシエトキシカルボニルオキシメチル、または1−ブトキシエトキシカルボニルオキシメチル等が挙げられる。
【0021】
これらのうち、2級または3級のアルコキシを有するアルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアルキル、またはアルコキシカルボニルオキシアルキルが好ましく用いられ、特に、tert−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルアルキル、tert−ブトキシカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルオキシアルキル、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニルアルキル、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニルオキシ、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニルオキシアルキルが好ましく用いられる。
【0022】
その他は、水素、炭素数1〜20であるメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、またはメンチル等のアルキル、塩素、臭素、沃素またはフッ素等のハロゲン、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、またはトリブロモメチル等の炭素数1〜12のハロゲン化アルキルが具体例として挙げられる。
【0023】
一般式[5]において、R5 〜R8 のうち少なくとも一つがニトリルを含む置換基であり、例えばニトリル、炭素数2〜20のシアノアルキルが挙げられる。炭素数2〜20のシアノアルキルとしては、シアノメチル、シアノエチル、シアノプロピル、シアノブチル、シアノヘキシルが具体例として挙げられる。
【0024】
その他は、水素、炭素数1〜12であるメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、またはメンチル等のアルキル、塩素、臭素、沃素またはフッ素等のハロゲン、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、またはトリブロモメチル等の炭素数1〜12のハロゲン化アルキルが具体例として挙げられる。
【0025】
一般式[6]において、R9 〜R12のうち少なくとも1つが、カルボン酸、ヒドロキシルを含む置換基であり、例えば、カルボン酸、ヒドロキシル、炭素数2〜20のカルボキシアルキル、炭素数1〜20のヒドロキシアルキルが挙げられる。
【0026】
さらに具体的には、炭素数2〜20のカルボキシアルキルとしては、カルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシプロピル、カルボキシブチル、カルボキシイソブチル、またはカルボキシシクロヘキシル等が挙げられ、炭素数1〜20のヒドロキシアルキルとしては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシヘキシル、メントール、またはグルコース等の糖類等が挙げられる。
【0027】
その他は、水素、炭素数1〜20であるメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、またはメンチル等のアルキル、塩素、臭素、沃素またはフッ素等のハロゲン、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、またはトリブロモメチル等の炭素数1〜12のハロゲン化アルキルが具体例として挙げられる。
【0028】
本発明における一般式[4]の具体例としては、5−tert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブチルカルボキシルカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルオキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジtert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルオキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニル−6−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルオキシ−6−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−6−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−6−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニル−6−tert−ブトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルオキシ−6−tert−ブトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−6−tert−ブトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−6−tert−ブトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルオキシ−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルオキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルオキシシクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルシクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロヘプトエン類。
【0029】
または、8−tert−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニルオキシ−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,9−ジtert−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,9−ジ(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニルオキシ−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニル−9−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニルオキシ−9−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−9−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−9−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニル−9−tert−ブトキシカルボニルメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニルオキシ−9−tert−ブトキシカルボニルメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−9−tert−ブトキシカルボニルメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−9−tert−ブトキシカルボニルメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニルオキシ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニルメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニルオキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニルオキシシクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブトキシカルボニルシクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,0]−3−ドデセン等のテトラシクロドデセン類。
【0030】
または、11−tert−ブトキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニルオキシヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニル−11−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニルオキシ−11−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−11−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−11−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11,12−ジtert−ブトキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11,12−ジ(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニル−12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニルオキシ−12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニル−12−メトキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニルオキシ−12−メトキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−12−メトキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−12−メトキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニル−12−tert−ブトキシカルボニルメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニルオキシ−12−tert−ブトキシカルボニルメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−12−tert−ブトキシカルボニルメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−12−tert−ブトキシカルボニルメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニル−12−トリフルオロメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニルオキシ−12−トリフルオロメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−12−トリフルオロメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−12−トリフルオロメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニルメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニルオキシメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニルオキシシクロヘキシルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−tert−ブトキシカルボニルシクロヘキシルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン等のヘキサシクロヘプタデセン類。
【0031】
または、14−tert−ブトキシカルボニルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニルオキシオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニル−11−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニルオキシ−14−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−14−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−14−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14,15−ジtert−ブトキシカルボニルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14,15−ジ(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニル−15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニルオキシ−15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−(テトラ ヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニル−15−メトキシカルボニルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニルオキシ−15−メトキシカルボニルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−15−メトキシカルボニルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−15−メトキシカルボニルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニル−15−tert−ブトキシカルボニルメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニルオキシ−15−tert−ブトキシカルボニルメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−15−tert−ブトキシカルボニルメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−15−tert−ブトキシカルボニルメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニル−15−トリフルオロメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニルオキシ−15−トリフルオロメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニル−15−トリフルオロメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセ4−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシ−15−トリフルオロメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルオキシメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニルメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニルオキシメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニルオキシシクロヘキシルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−tert−ブトキシカルボニルシクロヘキシルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン等のオクタシクロドコセン類を挙げることができる。
【0032】
本発明における一般式[5]の具体例としては、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−ブロモビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノメチル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノエチル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノプロピル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノブチル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノメチル−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノエチル−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノプロピル−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノブチル−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロヘプトエン類、または、8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−シアノメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−シアノエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−シアノプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−シアノブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−ブロモテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−シアノメチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−シアノエチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−シアノプロピル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−シアノブチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−シアノメチル−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−シアノエチル−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−シアノプロピル−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−シアノブチル−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン等のテトラシクロドデセン類、または、11−シアノヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−シアノメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−シアノエチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−シアノメチル−12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−シアノエチル−12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−シアノメチル−12−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−シアノエチル−12−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン等のヘキサシクロヘプタデセン類、または、14−シアノオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−シアノメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−シアノエチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−シアノメチル−15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−シアノエチル−15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン等のオクタシクロドコセン類を挙げることができる。
【0033】
本発明における一般式[6]の具体例としては、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシシクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシシクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシメチル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシシクロヘキシル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシシクロヘキシル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシシクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシシクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロヘプトエン類。
【0034】
または、8−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−ヒドロキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシシクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−ヒドロキシシクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシ−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−ヒドロキシ−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシメチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシシクロヘキシル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−ヒドロキシメチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−ヒドロキシシクロヘキシル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−8−ドデセン−3,4−ジカルボン酸、8,9−ジヒドロキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,9−ジカルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,9−ジカルボキシシクロヘキシル、テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,9−ジヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,9−ジヒドロキシシクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン等のテトラシクロドデセン類。
【0035】
または、11−カルボキシヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−ヒドロキシヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−カルボキシメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−カルボキシシクロヘキシルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−ヒドロキシメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−ヒドロキシシクロヘキシルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−カルボキシ−12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−ヒドロキシ−12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−カルボキシメチル−12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−カルボキシシクロヘキシル−12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−ヒドロキシメチル−12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−ヒドロキシシクロヘキシル−12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−11−ヘプタデセン−4,5−ジカルボン酸、11,12−ジヒドロキシヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11,12−ジカルボキシメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11,12−ジカルボキシシクロヘキシルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11,12−ジヒドロキシメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11,12−ジヒドロキシシクロヘキシルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン等のヘキサシクロヘプタデセン類、
または、14−カルボキシオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−ヒドロキシオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−カルボキシメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−カルボキシシクロヘキシルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−ヒドロキシメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−ヒドロキシシクロヘキシルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−カルボキシ−15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−ヒドロキシ−15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−カルボキシメチル−15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−カルボキシシクロヘキシル−15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−ヒドロキシメチル−15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−ヒドロキシシクロヘキシル−15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、オクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−11−ドコセン−5,6−ジカルボン酸、14,15−ジヒドロキシオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14,15−ジカルボキシメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14,15−ジカルボキシシクロヘキシルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14,15−ジヒドロキシメチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14,15−ジヒドロキシシクロヘキシルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン等のオクタシクロドコセン類を挙げることができる。
【0036】
また、本発明の方法においては、一般式[4]、一般式[5]及び一般式[6]で表される環状オレフィン系単量体と共に、本発明の効果を妨げない範囲において、リビング開環メタセシス重合する他の環状オレフィン系単量体を用いて共重合しても良い。そのような環状オレフィン系単量体としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブロモビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロヘプトエン誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−ブロモテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−メチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン等のテトラシクロドデセン誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−クロロヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−ブロモヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−メチル−12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン等のヘキサシクロヘプタデセン誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、14−エチルオクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセン等のオクタシクロドコセン誘導体、またはシクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等のシクロオレフィン類等を挙げることができる。
【0037】
また、本発明に使用される重合触媒としては、リビング開環メタセシス重合する触媒であればどのようなものでもよいが、開環メタセシス触媒の具体例としては、W(N−2,6−C6 3 Pri 2 )(CHBut )(OBut 2 、W(N−2,6−C6 3 Pri 2 )(CHBut )(OCMe2 CF3 2 、W(N−2,6−C6 3 Pri 2 )(CHBut )(OCMe2 (CF3 2 2 、W(N−2,6−C6 3 Pri 2 )(CHCMe2 Ph)(OBut 2 、W(N−2,6−C6 3 Pri 2 )(CHCMe2 Ph)(OCMe2 CF3 2 、W(N−2,6−C6 3 Pri 2 )(CHCMe2 Ph)(OCMe2 (CF3 2 2 、(式中のPri はiso−プロピル基、But はtert−ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。)等のタングステン系アルキリデン触媒、W(N−2,6−Me2 6 3 )(CHCHCMePh)(O−But 2 (PMe3 )、W(N−2,6−Me2 6 3 )(CHCHCMe2 )(O−But 2 (PMe3 )、W(N−2,6−Me2 6 3 )(CHCHCPh2 )(O−But 2 (PMe3 )、W(N−2,6−Me2 6 3 )(CHCHCMePh)(OCMe2 (CF3 ))2 (PMe3 )、W(N−2,6−Me2 6 3 )(CHCHCMe2 )(OCMe2 (CF3 ))2 (PMe3 )、W(N−2,6−Me2 6 3 )(CHCHCPh2 )(OCMe2 (CF3 ))2 (PMe3 )、W(N−2,6−Me2 6 3 )(CHCHCMe2 )(OCMe(CF3 2 2 (PMe3 )、W(N−2,6−Me2 6 3 )(CHCHCMe2 )(OCMe(CF3 2 2 (PMe3 )、W(N−2,6−Me2 6 3 )(CHCHCPh2 )(OCMe(CF3 2 2 (PMe3 )、W(N−2,6−Pri 2 6 3 )(CHCHCMePh)(OCMe2 (CF3 ))2 (PMe3 )、W(N−2,6−Pri 2 6 3 )(CHCHCMePh)(OCMe(CF3 2 2 (PMe3 )、W(N−2,6−Pri 2 6 3 )(CHCHCMePh)(OPh)2 (PMe3 )、(式中のPri はiso−プロピル基、But はtert−ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。)等のタングステン系アルキリデン触媒、Mo(N−2,6−Pri 2 6 3 )(CHBut )(OBut 2 、Mo(N−2,6−Pri 2 6 3 )(CHBut )(OCMe2 CF3 2 、Mo(N−2,6−Pri 2 6 3 )(CHBut )(OCMe(CF3 2 2 、Mo(N−2,6−Pri 2 6 3 )(CHCMe2 Ph)(OBut 2 、Mo(N−2,6−Pri 2 6 3 )(CHCMe2 Ph)(OCMe2 CF3 2 、Mo(N−2,6−Pri 2 6 3 )(CHCMe2 Ph)(OCMe(CF3 2 2 、(式中のPri はiso−プロピル基、But はtert−ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。)等のモリブデン系アルキリデン触媒、Re(CBut )(CHBut )(O−2,6−Pri 2 6 3 2 、Re(CBut )(CHBut )(O−2−But 6 4 2 、Re(CBut )(CHBut )(OCMe2 CF3 2 、Re(CBut )(CHBut )(OCMe(CF3 2 2 、Re(CBut )(CHBut )(O−2,6−MeC6 3 2 、(式中のBut はtert−ブチル基を表す。)等のレニウム系アルキリデン触媒、Ta[C(Me)C(Me)CHMe3 ](O−2,6−Pri 2 6 3 3 Py、Ta[C(Ph)C(Ph)CHMe3 ](O−2,6−Pri 2 6 3 3 Py、(式中のMeはメチル基、Phはフェニル基、Pyはピリジン基を表す。)等のタンタル系アルキリデン触媒、Ru(CHCHCPh2 )(PPh3 2 Cl2 、Ru(CHCHCPh2 )(P(C6 113 2 Cl2 (式中のPhはフェニル基を表す。)等のルテニウム系アルキリデン触媒やチタナシクロブタン触媒が挙げられる。上記開環メタセシス触媒は、単独にまたは2種以上混合してもよい。
【0038】
また、上記の他に、有機遷移金属錯体と助触媒としてのルイス酸との組合せによるリビング開環メタセシス触媒系、例えぱ、モリブデン、タングステン等の遷移金属ハロゲン錯体と助触媒として有機アルミニウム化合物、有機錫化合物またはリチウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛、カドミウム、ホウ素等の有機金属化合物とから成る開環メタセシス触媒を用いることもできる。
【0039】
有機遷移金属ハロゲン錯体の具体例としては、W(N−2,6−C6 3 Pri 2 )(thf)(OBut 2 Cl2 、W(N−2,6−C6 3 Pri 2 )(thf)(OCMe2 CF3 2 Cl2 、W(N−2,6−C6 3 Pri 2 )(thf)(OCMe2 (CF3 2 2 Cl2 、W(N−2,6−C6 3 Pri 2 )(thf)(OBut 2 Cl2 、W(N−2,6−C6 3 Pri 2 )(thf)(OCMe2 CF3 2 Cl2 、W(N−2,6−C6 3 Pri 2 )(thf)(OCMe2 (CF3 2 2 Cl2 、(式中のPri はiso−プロピル基、But はtert−ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基、thfはテトラヒドロフランを表す。)等のタングステン系ハロゲン錯体と下記有機金属化合物の組み合わせからなる触媒、
またはMo(N−2,6−Pri 2 6 3 )(thf)(OBut 2 Cl2 、Mo(N−2,6−Pri 2 6 3 )(thf)(OCMe2 CF3 2 Cl2 、Mo(N−2,6−Pri 2 6 3 )(thf)(OCMe(CF3 2 2 Cl2 、Mo(N−2,6−Pri 2 6 3 )(thf)(OBut 2 Cl2 、Mo(N−2,6−Pri 2 6 3 )(thf)(OCMe2 CF3 2 Cl2 、Mo(N−2,6−Pri 2 6 3 )(thf)(OCMe(CF3 2 2 Cl2 、(式中のPri はiso−プロピル基、But はtert−ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基、thfはテトラヒドロフランを表す。)等のモリブデン系ハロゲン錯体と下記有機金属化合物の組み合わせからなる触媒が挙げられる。
【0040】
また、助触媒としての有機金属化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジ−n−ブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノブロミド、ジエチルアルミニウムモノイオジド、ジエチルアルミニウムモノヒドリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等の有機アルミニウム化合物、テトラメチル錫、ジエチルジメチル錫、テトラエチル錫、ジブチルジエチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、トリオクチル錫フルオリド、トリオクチル錫クロリド、トリオクチル錫ブロミド、トリオクチル錫イオジド、ジブチル錫ジフルオリド、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫ジブロミド、ジブチル錫ジイオジド、ブチル錫トリフルオリド、ブチル錫トリクロリド、ブチル錫トリブロミド、ブチル錫トリイオジド等の有機錫化合物、n−ブチルリチウム等の有機リチウム化合物、n−ペンチルナトリウム等の有機ナトリウム化合物、メチルマグネシウムイオジド、エチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムブロミド、n−プロピルマグネシウムブロミド、t―ブチルマグネシウムクロリド、アリルマグネシウムクロリド等の有機マグネシウム化合物、ジエチル亜鉛等の有機亜鉛化合物、ジエチルカドミウム等の有機カドミウム化合物、トリメチルホウ素、トリエチルホウ素、トリ−n−ブチルホウ素等の有機ホウ素化合物等が挙げられる。
【0041】
本発明のリビング開環メタセシス重合において環状オレフィン系単量体と開環メタセシス触媒のモル比は、タングステン、モリブデン、レニウム、タンタル、またはルテニウム等の遷移金属アルキリデン触媒やチタナシクロブタン触媒の場合は、環状オレフィン系単量体が遷移金属アルキリデン錯体に対してモル比で2〜10000であり、好ましくは10〜5000である。また、有機遷移金属ハロゲン錯体と有機金属化合物から成る開環メタセシス触媒の場合、環状オレフィン系単量体が有機遷移金属ハロゲン錯体に対してモル比で2〜10000、好ましくは10〜5000であり、助触媒としての有機金属化合物が有機遷移金属ハロゲン錯体に対してモル比で0.1〜10、好ましくは1〜5となる範囲である。
【0042】
また、本発明の開環メタセシス重合は無溶媒でも溶媒を使用して良いが、特に使用する溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、デカリン等の脂肪族環状炭化水素、メチレンジクロライド、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられ、これらの2種類以上を混合使用しても良い。
【0043】
また、本発明において触媒効率を高めるために連鎖移動剤として用いられるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンが挙げられ、さらに、ビニルトリメチルシラン、アリルトリメチルシラン、アリルトリエチルシラン、アリルトリイソプロピルシラン等のケイ素含有オレフィンが挙げられ、また、ジエンとしては、1、4−ペンタジエン、1、5−ヘキサジエン、1、6−ヘプタジエン等の非共役系ジエンが挙げられる。さらに、これらオレフィンまたはジエンはそれぞれ単独または2種類以上を併用しても良い。
【0044】
本発明において共存させるオレフィンまたはジエンの使用量は、オレフィンまたはジエンが環状オレフィン系単量体に対して0.001〜1000、好ましくは0.01〜100の範囲である。また、オレフィンまたはジエンが遷移金属アルキリデン錯体のアルキリデンの1当量に対して0.1〜1000、好ましくは1〜500の範囲である。
【0045】
開環メタセシス重合では、単量体の反応性および重合溶媒ヘの溶解性によっても異なるが、単量体/開環メタセシス触媒と溶媒の濃度は0.1〜100mol/Lの範囲が好ましく、通常―30〜150℃の反応温度で1分〜10時間反応させ、ブチルアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン等のケトン類、メタノール等のアルコール類等の失活剤で反応を停止し、開環メタセシス重合体溶液を得ることができる。
【0046】
本発明において、リビング開環メタセシス重合によって得られる重合体は、開環メタセシス重合がリビング重合反応であるため、単量体と触媒のモル比を制御することによって、所望の分子量の重合体を得ることができる。また、連鎖移動剤としてオレフィンまたはジエンの存在下でリビング開環メタセシス重合を行うことでリビング重合反応を保ちながら、単量体と連鎖移動剤と触媒のモル比を制御することによっても、所望の分子量の重合体を得ることができる。このリビング重合で得られた分子量は、ポリスチレン換算での数平均分子量Mnが500〜100,000である。好ましくは、1,000〜50,000であり、特に、好ましくは3,000〜20,000である。また、単量体及び連鎖移動剤の性質によって多少の差異はあるものの重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が1.0〜2.0の狭い分子量分布の範囲に制御される。この範囲の分子量と狭い分子量分布は、レジスト剤を溶媒に溶解させ、シリコンウェハーに回転塗布機で塗布する工程において、均一な平滑コーティング膜を形成する上で極めて重要なことである。したがって、レジスト材として分子量及び分子量分布を決める重合をリビング重合で行うことは、その後に重合体の主鎖部分のオレフィンを水素添加し、官能基を加水分解して極性溶媒に対する溶解度を高めたレジスト材の機能を発現する上で極めて重要である。
【0047】
本発明の環状オレフィン系単量体の開環メタセシス重合体の主鎖部分のオレフィンの水素添加反応は、公知の水素添加触媒を使用することができる。具体例として不均一系触媒ではパラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、ケイソウ土、合成ゼオライト等の担体に担持させた担持型金属触媒、または均一系触媒では、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムクロリド、酢酸ロジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等が挙げられ、さらに、均一系触媒として水素の存在下に下記一般式[7]で表わされる有機金属錯体とアミン化合物からなる水素添加触媒を用いて水素添加することもできる。
【0048】
【化17】
MHk h p q [7]
(式中、Mはルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、パラジウム、白金またはニッケルを表し、Hは水素を表し、Qはハロゲンを表し、TはCO、NO、トルエン、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランを表し、ZはPR´1 R´2 R´3 (Pはリンを示し、R´1 、R´2 、R´3 はそれぞれ同一もしくは異なる直鎖、分岐または環状のアルキル、アルケニル、アリール、アルコキシまたはアリロキシを示す。)で表せる有機リン化合物を表し、kは0または1の整数、hは1〜3の整数、pは0または1の整数、qは2〜4の整数を表す。)。
【0049】
一般式[7]におけるQは、ハロゲン原子を表し具体例として、塩素、フッ素、臭素または沃素原子を例示できる。更に、TはCO、NO、トルエン、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランを表し、Zは有機リン化合物を表し具体例として、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリn−プロピルホスフィン、トリt−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリn−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、トリo−トリルホスフィン、トリm−トリルホスフィン、トリp−トリルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジクロロ(エチル)ホスフィン、ジクロロ(フェニル)ホスフィン、クロロジフェニルホスフィン、トリメチルホスフィト、トリイソプロピルホスフィト、トリフェニルホスフィトを例示できる。
【0050】
一般式[7]で表せる有機金属錯体の具体例としては、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)オスミウム、ジクロロヒドリドビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、トリクロロニトロシルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロビス(アセトニトリル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロビス(テトラヒドロフラン)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリド(トルエン)トリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(ジエチルフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドニトロシルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリメチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリエチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリメチルジフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリジメチルフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリo−トリルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(ジクロロエチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(ジクロロフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリメチルホスフィト)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィト)ルテニウム等が挙げられる。
【0051】
また、アミン化合物の具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、アニリン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノシクロブタン等の一級アミン化合物、ジメチルアミン、メチルイソプロピルアミン、N−メチルアニリン等の二級アミン化合物、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、γ−ピコリン等の三級アミン化合物等を挙げることができ、特にトリエチルアミンを用いた場合が水素添加率の向上が著しい。これらの有機金属錯体またはアミン化合物は、それぞれ2種以上任意の割合で併用することもできる。
【0052】
本発明における開環メタセシス共重合体を水素添加する公知の水素添加触媒を使用する場合、開環メタセシス重合体と水素添加触媒の使用量は、公知の水素添加触媒が開環メタセシス重合体に対して5〜50000ppmであり、好ましくは100〜1000ppmである。また、有機金属錯体とアミン化合物からなる水素添加触媒を使用する場合は、有機金属錯体が開環メタセシス重合体に対して5〜50000ppmであり、好ましくは10〜10000ppm、特に好ましくは50〜1000ppmである。また、アミン化合物は使用する有機金属錯体に対して、0.1当量〜1000当量、好ましくは0.5当量〜500当量、特に好ましくは1〜100当量である。
【0053】
有機金属錯体とアミン化合物からなる水素添加触媒は、予め有機金属錯体とアミン化合物を接触処理したものを用いても可能であるが、有機金属錯体とアミン化合物を予め接触処理することなく、それぞれ直接反応系に添加してもよい。
【0054】
開環メタセシス共重合体の水素添加反応に於いて用いられる溶媒としては開環メタセシス重合体を溶解し溶媒自体が水素添加されないものであればどのようなものでもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、デカリンなどの脂肪族環状炭化水素、メチレンジクロリド、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロルベンゼン、トリクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素等が挙げられ、これらは2種以上混合して使用してもよい。
【0055】
開環メタセシス共重合体の水素添加反応は、水素圧力が通常、常圧〜30MPa、好ましくは0.5〜20MPa、特に好ましくは2〜15MPaの範囲で行われ、その反応温度は、通常0〜300℃の温度であり、好ましくは室温〜250℃、特に好ましくは50〜200℃の温度範囲である。
【0056】
本発明における開環メタセシス共重合体水素添加物の製造は、開環メタセシス共重合体溶液から開環メタセシス共重合体を単離した後再度溶媒に溶解しても可能であるが、単離することなく、上記有機金属錯体とアミン化合物からなる水素添加触媒を加えることにより水素添加反応を行う方法を採用することもできる。開環メタセシス重合または水素添加反応の終了後、公知の方法により共重合体に残存する開環メタセシス触媒または水素添加触媒を除去することができる。例えば、濾過、吸着剤による吸着法、良溶媒による溶液に乳酸等の有機酸と貧溶媒と水とを添加し、この系を常温下或いは加温下に於いて抽出除去する方法、更には良溶媒による溶液または重合体スラリーを塩基性化合物と酸性化合物で接触処理した後、洗浄除去する方法等が挙げられる。
【0057】
開環メタセシス重合体水素添加物溶液から重合体水素化物の回収法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、撹拌下の貧溶媒中に反応溶液を排出し重合体水素化物を凝固させ濾過法、遠心分離法、デカンテーション法等により回収する方法、反応溶液中にスチームを吹き込んで重合体水素化物を析出させるスチームストリッピング法、反応溶液から溶媒を加熱等により直接除去する方法等が挙げられる。
【0058】
本発明における水素添加方法を用いると水素添加率は90%以上が容易に達成でき、95%以上、特に99%以上とすることが可能であり、そうして得られる環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物は容易に酸化されることがなく、優れた開環メタセシス重合体の水素添加物となる。
【0059】
本発明において開環メタセシス共重合体を水素添加し、開環メタセシス共重合体の水素添加物とした後に官能基を部分的に加水分解し、カルボン酸またはアルコールに変換する。加水分解される開環メタセシス重合体の水素添加物の官能基は、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキルである。この加水分解は、硫酸、塩酸、硝酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸または酢酸等の酸性触媒存在下で行う酸性加水分解、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等のアルカリ性触媒存在下で行うアルカリ性加水分解、または酸、アルカリに代えて酢酸ナトリウム、ヨウ化リチウム等を用いる中性加水分解のいずれで行っても良い。
【0060】
本発明における加水分解反応は、水溶媒でも有機溶媒を使用して良いが、特に使用する有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、酢酸等のカルボン酸、ニトロメタン等のニトロ化合物、ピリジン、ルチジン等のピリジン類、ジメチルホルムアミド等のホルムアミド類などが挙げられ、水またはアルコール類と混合しても良く、また有機溶媒のみで使用しても良い。更に、これらの2種類以上を混合使用しても良い。反応温度は、通常0〜300℃の温度であり、好ましくは室温〜250℃の温度範囲である。
【0061】
また、酸性またはアルカリ性加水分解の後にアルカリまたは酸で適宜、中和処理しても良い。加水分解の後、開環メタセシス共重合体の水素添加物溶液またはスラリーからの重合体の回収法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、溶液の場合、撹拌下の貧溶媒中に反応溶液を排出し重合体水素化物を沈殿させスラリーとし、濾過法、遠心分離法、デカンテーション法等により回収する方法、反応溶液にスチームを吹き込んで重合体を析出させるスチームストリッピング法、反応溶液から溶媒を加熱等により直接除去する方法等が挙げられ、スラリーの場合、そのまま濾過法、遠心分離法、デカンテーション法等により回収する方法等が挙げられる。
【0062】
本発明において、一般式[1]で表される構成単位[A]は10〜70モル%、一般式[2]で表される構成単位[B]は1〜69モル%、一般式[3]で表される構成単位[C]は1〜30モル%である。構成単位[A]は、露光時に感光剤から発生する酸により分解される基を含んでおり、露光後、アルカリ水溶液で現像してレジストパターンを作るために必要であるが、10モル%未満であると、現像が不十分となる。ニトリルを含む構成単位[B]は、シリコン基板のような被処理基板との接着性を改善することができる。構成単位[C]は、シリコン基板のような被処理基板との接着性を発現するのに必要であるが、30モル%を越えると溶剤に対する溶解性が悪くなる。また、構成単位[C]がこの範囲にあることは、露光後のアルカリ水溶液による現像時に濡れ張力を改善し、現像むらを解決するのに重要である。これらの構成単位がこの範囲にあることは、レジスト組成を調製するのに好適であり、極性の高い感光剤と共に、例えば、2−ヘプタノンなどの極性溶媒に溶解し、シリコン基板のような被処理基板に塗布するレジスト材として極めて重要である。すなわち、開環メタセシス共重合体の水素添加物が、レジスト組成を調製する時に、極性溶媒に対する溶解度、または溶解速度を高めることで均一な平滑コーティング膜を形成することができる。
【0063】
【実施例】
以下、実施例にて本発明を詳細に説明するが、本発明がこれらによって限定されるものではない。
【0064】
なお、実施例において得られた重合体の物性値は、以下の方法により測定した。
【0065】
平均分子量;GPCを使用し、得られた環状オレフィン系開環メタセシス重合体、該重合体水素添加物または加水分解した該重合体水素添加物をテトラヒドロフランに溶解し、検出器として日本分光製830−RIおよびUVIDEC−100−VI、カラムとしてShodex k−805,804,803,802.5を使用し、室温において流量1.0ml/minでポリスチレンスタンダードによって分子量を較正した。
【0066】
水素添加率;環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物の粉末を重水素化クロロホルムに溶解し、90MHz−NMRを用いてδ=4.5〜6.0ppmの主鎖の炭素−炭素間二重結合に帰属するピークが、水素添加反応によって減少する大きさを算出した。
【0067】
重合体中に含まれる構成単位[C]の割合は、ブロモチモ−ルブル−を指示薬とする、中和滴定により測定した。重合体中に含まれる構成単位[B]の割合は、パ−キンエルマ−社製CHN分析装置PE2400IIで窒素含量を測定し、算出した。また島津FTIR−8100Mで赤外吸収スペクトル測定し、エステルのカルボニル伸縮振動1760〜1700cm-1とカルボン酸のカルボニル伸縮振動1740〜1780cm-1またはヒドロキシの伸縮振動3700〜3200cm-1及びニトリルの伸縮振動2200〜2300cm-1から構成単位[A]と[B]及び[C]の組成比を算出した。
【0068】
実施例1
窒素下で磁気撹件装置を備えた500mlのオートクレーブに環状オレフィン系単量体として8−tert−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(12.81g、49.2mmol)と8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(6.07g、32.8mmol)をテトラヒドロフラン(300ml)(以後THFと言う)に溶解し撹件を行った。これに開環メタセシス重合触蝶としてW(N−2,6−C6 3 Me2 )(CHCHCMe2 )(0But 2 (PMe3 )(0.973g、1.64mmol)を加え室温で1時間反応させた。その後、ブチルアルデヒド(590mg、8.20mmol)を加え30分間撹件し、反応を停止させた。
【0069】
この開環メタセシス重合体溶液にトリメチレンジアミン(1.82g、24.6mmol)を加え、水素分圧0.49MPa、80℃で1時間撹拌した後、メタノール(2000ml)中に加えて開環メタセシス重合体を析出させ、濾過、メタノール洗浄し、真空乾燥して18.88gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
【0070】
その後、5000mlのオートクレーブにこの開環メタセシス重合体粉末10.0gをTHF(800ml)に溶解して、水素添加触媒として予め調製したジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(5.0mg、0.004mmol)とトリエチルアミン(2.1mg、0.020mmol)のTHF(80ml)溶液を加え、水素圧8.1MPa、165℃で5時間水素添加反応を行った後、温度を室温まで戻し水素ガスを放出した。この開環メタセシス重合体水素添加物溶液をメタノールに加えて開環メタセシス重合体の水素添加物を沈殿させ、濾別分離後真空乾燥を行うことにより白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物10.0gを得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1 H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは11,600、Mw/Mnは1.00であった。
【0071】
得られた開環メタセシス重合体水素添加物8.0gを1000mlのフラスコ中でベンゼン800ml、トリフルオロ酢酸6.85mlに加え、70℃で3時間撹拌し、メタノールに加え、沈殿、濾過し、乾燥した。さらに、THFに溶解させ、メタノールに加え、沈殿、濾過し、真空乾燥して白色粉末状の部分的に加水分解した開環メタセシス重合体の水素添加物7.7gを得た。得られた重合体の算出した構成単位[A]/[B]/[C]の組成比は44/40/16であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは11,200、Mw/Mnは1.02であった。
【0072】
実施例2
開環メタセシス重合触蝶としてMo(N−2,6−C6 3 Pri 2 )(CHCMe3 )(0But 2 (800mg、1.64mmol)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、開環メタセシス重合及び水素添加反応を行い、白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1 H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であった。得られた開環メタセシス共重合体水素添加物8.0gを実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と反応させて、部分的に加水分解した開環メタセシス重合体の水素添加物7.7gを得た。得られた重合体の算出した構成単位[A]/[B]/[C]の組成比は45/40/15であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは11,300、Mw/Mnは1.03であった。
【0073】
実施例3
実施例1で得られた開環メタセシス重合体水素添加物8.0gを1000mlのフラスコ中でベンゼン800ml、トリフルオロ酢酸3.96mlに加え、70℃で3時間撹拌し、実施例1と同様にして白色粉末状の部分的に加水分解した開環メタセシス重合体の水素添加物7.8gを得た。得られた重合体の算出した構成単位[A]/[B]/[C]の組成比は54/40/6であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは11,100、Mw/Mnは1.02であった。
【0074】
実施例4
実施例1で得られた開環メタセシス重合体水素添加物8.0gを1000mlのフラスコ中でベンゼン800ml、トリフルオロ酢酸9.60mlに加え、70℃で3時間撹拌し、実施例1と同様にして白色粉末状の部分的に加水分解した開環メタセシス重合体の水素添加物7.5gを得た。得られた重合体の算出した構成単位[A]/[B]/[C]の組成比は34/40/26であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは11,100、Mw/Mnは1.02であった。
【0075】
実施例5
8−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(14,19g、49.2mmol)と8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(6.07g、32.8mmol)を環状オレフィン系単量体として用いた以外は実施例1と同様の方法で、開環メタセシス重合及び水素添加反応を行い、白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1 H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であった。得られた開環メタセシス共重合体水素添加物を実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と反応させて、部分的に加水分解した開環メタセシス重合体の水素添加物を得た。得られた重合体の算出した構成単位[A]/[B]/[C]の組成比は39/40/21であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは11,600、Mw/Mnは1.05であった。
【0076】
実施例6
8−tert−ブトキシカルボニルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(13.60g、49.2mmol)と8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(6.07g、32.8mmol)を環状オレフィン系単量体として用いた以外は実施例1と同様の方法で、開環メタセシス重合及び水素添加反応を行い、白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1 H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であった。得られた開環メタセシス共重合体水素添加物を実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と反応させて、部分的に加水分解した開環メタセシス重合体の水素添加物を得た。得られた重合体の算出した構成単位[A]/[B]/[C]の組成比は37/40/23であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは11,300、Mw/Mnは1.04であった。
【0077】
実施例7
8−tert−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(12.81g、49.2mmol)と5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(3.90g、32.8mmol)を環状オレフィン系単量体として用いた以外は実施例1と同様の方法で、開環メタセシス重合及び水素添加反応を行い、白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1 H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であった。得られた開環メタセシス共重合体水素添加物を実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と反応させて、部分的に加水分解した開環メタセシス重合体の水素添加物を得た。得られた重合体の算出した構成単位[A]/[B]/[C]の組成比は43/40/17であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは10,100、Mw/Mnは1.03であった。
【0078】
実施例8
8−tert−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(12.81g、49.2mmol)と8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(3.03g、16.4mmol)を環状オレフィン系単量体として用いた以外は実施例1と同様の方法で、開環メタセシス重合及び水素添加反応を行い、白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1 H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であった。得られた開環メタセシス共重合体水素添加物を実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と反応させて、部分的に加水分解した開環メタセシス重合体の水素添加物を得た。得られた重合体の算出した構成単位[A]/[B]/[C]の組成比は59/20/21であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは11,100、Mw/Mnは1.05であった。
【0079】
実施例9
8−tert−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(12.81g、49.2mmol)と5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(1.95g、16.4mmol)を環状オレフィン系単量体として用いた以外は実施例1と同様の方法で、開環メタセシス重合及び水素添加反応を行い、白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1 H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であった。得られた開環メタセシス共重合体水素添加物を実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と反応させて、部分的に加水分解した開環メタセシス重合体の水素添加物を得た。得られた重合体の算出した構成単位[A]/[B]/[C]の組成比は58/20/22であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは11,100、Mw/Mnは1.04であった。
【0080】
実施例10
実施例1において、開環メタセシス重合触蝶としてW(N−2,6−C6 3 Me2 )(CHCHCMe2 )(0But 2 (PMe3 )(0.190g、0.32mmol)を使用し、1,5−ヘキサジエン(1.05g、12.8mmol)を共存させ、重合温度を60℃で行った以外は実施例1と同様にして開環メタセシス重合及び水素添加反応を行い、白色粉末状の開環メタセシス共重合体水素添加物を得た。得られた開環メタセシス共重合体水素添加物の1 H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは9100、Mw/Mnは1.37であった。得られた開環メタセシス重合体水素添加物8.0gを1000mlのフラスコ中でベンゼン800ml、トリフルオロ酢酸6.85mlに加え、70℃で3時間撹拌し、メタノールに加え、沈殿、濾過し、乾燥した。さらに、THFに溶解させ、メタノールに加え、沈殿、濾過し、真空乾燥して白色粉末状の部分的に加水分解した開環メタセシス重合体の水素添加物7.7gを得た。得られた重合体の算出した構成単位[A]/[B]/[C]の組成比は47/40/13であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは8800、Mw/Mnは1.34であった。
【0081】
比較例1
窒素下で磁気撹件装置を備えた500mlのオートクレーブに環状オレフィン系単量体として8−tert−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(6.41g、24.6mmol)と8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(3.03g、16.4mmol)を1,2ジクロロエタン(300ml)に溶解し撹件を行った。これに開環メタセシス重合触蝶として六塩化タングステンのクロロベンゼン溶液(0.23mmol)とパラアルデヒドの1,2−ジクロロエタン溶液(0.23mmol)と分子量調節剤として1−ヘキセン(0.68g)と助触媒としてイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(2.67mmol)を加え、60℃で2時間反応させたところ、重合液はゲル化した。
【0082】
【発明の効果】
本発明の開環メタセシス共重合体の水素添加物及びその製造方法は、耐熱性、耐熱分解性、光透過性等に優れた紫外線や遠紫外線を用いた半導体微細加工用フォトレジストに適した重合体であり、工業的に極めて価値がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた開環メタセシス共重合体の水素添加物のIRスペクトルである。

Claims (8)

  1. 少なくとも下記一般式[1]
    Figure 0003693484
    (式中、R1 〜R4 のうち少なくとも一つが酸により分解する基を含む置換基であり、その他は水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、またはハロゲン化アルキルから選ばれ、lは0または1〜3の整数を表す。)で表される構造単位[A]10〜70モル%、下記一般式[2]
    Figure 0003693484
    (式中、R5 〜R8 の少なくとも1つがニトリルを含む置換基であり、その他は水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、またはハロゲン化アルキルから選ばれ、は0または1〜3の整数を表す。)で表される構造単位[B]1〜70モル%及び下記一般式[3]
    Figure 0003693484
    (式中、R9 〜R12のうち少なくとも一つが、カルボン酸、ヒドロキシルを含む置換基であり、その他は水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、またはハロゲン化アルキルから選ばれ、は0または1〜3の整数を表す。)で表される構造単位[C]1〜30モル%から構成され、かつ重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が1.0〜2.0であることを特徴とする開環メタセシス共重合体の水素添加物。
  2. 一般式[1]で表される酸により分解する基を含む置換基がtert−ブトキシカルボニルまたはテトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニルである請求項1記載の開環メタセシス共重合体の水素添加物。
  3. 一般式[1]で表される酸により分解する基を含む置換基がtert−ブトキシカルボニルオキシまたはテトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニルオキシである請求項1記載の開環メタセシス共重合体の水素添加物。
  4. GPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量が500〜100,000である請求項1記載の開環メタセシス共重合体の水素添加物。
  5. 一般式[4]と一般式[5]で表される少なくとも2種類の環状オレフィン系単量体をリビング開環メタセシス触媒で重合し、水素添加触媒のもとに水素添加した後に加水分解することを特徴とする請求項1記載の開環メタセシス共重合体の水素添加物の製造方法。
    Figure 0003693484
    (式中、R1 〜R4 のうち少なくとも一つが酸により分解する基を含む置換基であり、その他は水素または炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、またはハロゲン化アルキルから選ばれ、xは0または1〜3の整数を表す。)
    Figure 0003693484
    (式中、R5 〜R8 の少なくとも1つがニトリルを含む置換基であり、その他は水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、またはハロゲン化アルキルから選ばれ、yは0または1〜3の整数を表す。)
  6. 一般式[4]、一般式[5]及び一般式[6]で表される少なくとも3種類の環状オレフィン系単量体をリビング開環メタセシス触媒で重合し、水素添加触媒のもとに水素添加することを特徴とする請求項1記載の開環メタセシス共重合体の水素添加物の製造方法。
    Figure 0003693484
    (式中、R1 〜R4 のうち少なくとも一つが酸により分解する基を含む置換基であり、その他は水素または炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、またはハロゲン化アルキルから選ばれ、xは0または1〜3の整数を表す。)
    Figure 0003693484
    (式中、R5 〜R8 の少なくとも1つがニトリルを含む置換基であり、その他は水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、またはハロゲン化アルキルから選ばれ、yは0または1〜3の整数を表す。)
    Figure 0003693484
    (式中、R9 〜R12のうち少なくとも一つが、カルボン酸、ヒドロキシルを含む置換基であり、その他は水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、またはハロゲン化アルキルから選ばれ、zは0または1〜3の整数を表す。)
  7. 一般式[4]と一般式[5]で表される少なくとも2種類の環状オレフィン系単量体を、オレフィンまたはジエンの存在下でリビング開環メタセシス触媒で重合することを特徴とする請求項5記載の開環メタセシス共重合体の水素添加物の製造方法。
  8. 一般式[4]、一般式[5]及び一般式[6]で表される少なくとも3種類の環状オレフィン系単量体を、オレフィンまたはジエンの存在下でリビング開環メタセシス触媒で重合することを特徴とする請求項6記載の開環メタセシス共重合体の水素添加物の製造方法。
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