JP5011700B2 - パワーステアリング電動駆動装置 - Google Patents

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本発明は、操舵ハンドルの操舵操作に対してアシストトルクを付与すべく、検出された操舵トルクあるいはこの処理信号である基準トルクと車速とに基づきベースアシスト指令を決定するベースアシスト指令決定手段と、アシスト用電動機と、ベースアシスト指令決定手段の出力を利用して同電動機を駆動制御する電動機駆動制御装置と、を備えた車両のパワーステアリング電動駆動装置に係る。
従来のこの種のパワーステアリング電動駆動装置は、例えば、特開2002−249063号、特開2003−285752号等に開示されているように、アシスト用電動機の電流指令を決定するための最終トルク指令を、ベースアシスト指令に、メカ慣性補償トルク指令、ハンドル戻し補償トルク指令、ダンピング補償トルク指令等の各種の補償トルク指令を単純加算して(すなわち並列結合的な形で)、合成生成するものであった。当然のことながら、従来の並列結合的な最終トルク指令の生成には、並列的に加算されるべき各種の補償トルク指令を生成する必要があり、これらは個別に考慮され個別に生成されてきた。個別に考慮・生成された各種補償トルク指令の単純加算は、各種補償トルク指令が実際にはフィードバックシステム的に相互に深く関係しているため、最終トルク指令をフィードバックシステム的に複雑なものとした。この結果、操舵者が総合的に良好な操舵フィーリングを得るための各種補償トルク指令の総合チューニングは大変煩雑であり、最良の操舵フィーリングの達成は、チューニング機能の存在に反し、実際的には不可能に近い状態であった。
発明が解決しようとする課題
本発明は上記背景の下になされたものであり、その目的は、元来ベースとなるべきベースアシスト指令を当初より完成度の高い形で一元的に生成し、補償トルク指令の追加的加算を最小限に抑え、ひいては、操舵者が希望の操舵フィーリングを容易に得ることができるパワーステアリング電動駆動装置を提供することにある。
課題を解決するための手段
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、操舵トルクあるいはこの処理信号である基準トルクと車速とに基づきベーストルク指令あるいはこれに準じたベース電流指令であるベースアシスト指令を決定するベースアシスト指令決定手段と、アシスト用電動機と、該ベースアシスト指令を利用して該アシスト用電動機を駆動制御する電動機駆動制御手段とを備えて、操舵をアシストするパワーステアリング電動駆動装置において、該ベースアシスト指令決定手段は、少なくとも操舵トルクまたは基準トルクのいずれかの周波数に応じて振幅増幅を行なう動的振幅増幅手段と、処理対象信号の振幅と車速に応じて振幅増幅を行なう静的振幅増幅手段とを、直列結合した形で、備える。
さらに、請求項1に記載の発明は、該動的振幅増幅手段を、相対次数1以上の連続時間伝達関数あるいはこれと等価な離散時間伝達関数をもつ動的振幅増幅器を用いて構成することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパワーステアリング電動駆動装置であって、動的振幅増幅手段は、さらに、設定信号から係数信号を生成し、係数信号により動的増幅器の係数を決定する係数決定器を有し、係数決定器は、設定信号によって決定された動的増幅器の係数を記憶・保存可能な保存器と、設定信号を保存器に伝達するインターフェイス機能を司る入力器と、保存器に記憶・保存された動的増幅器の係数を動的増幅器へ伝達するインターフェイス機能を司る出力器と、を備える。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載のパワーステアリング電動駆動装置であって、該アシスト用電動機を、電動機への入力電力が交流電力である交流電動機とすることを特徴とする。
次に本発明の作用について説明する。請求項1の発明によれば、ベースアシスト指令決定手段は、少なくとも処理対象信号の周波数に応じて振幅増幅を行なう動的振幅増幅手段と、処理対象信号の振幅と車速に応じて振幅増幅を行なう静的振幅増幅手段とを、直列結合した形で、備えることになる。
特開2002−249063号、特開2003−285752号等に開示された従来の技術では、ベースアシスト指令決定手段は、静的振幅増幅手段のみしか有していなかった。すなわち、静的振幅増幅手段により、操舵トルクあるいはこの処理信号である基準トルクと車速とに基づきベースアシスト指令を決定していた。この静的振幅増幅手段は、入力信号に対して、予め用意したマップ化された入出力特性(入力信号:操舵トルクまたは基準トルク、車速、出力信号:ベースアシスト指令)に従って、出力信号たるベースアシスト指令を決定するものであった。このときのマップ化入出力特性は、入力信号の静的特性(静的な振幅の大小)のみに着目するものである。換言するならば、定常状態の特性のみを考慮するものである。
しかるに、操舵フィーリングは、入力信号の変化に起因する動的特性に大きく依存する。請求項1に記載の発明によれば、パワーステアリング電動駆動装置は、静的振幅増幅手段に加えて、動的振幅増幅手段を備えることになる。本動的振幅増幅手段は、入力信号の動的特性に応じた振幅増幅(周波数に応じた振幅増幅と同義、以下、周波数に応じた振幅増幅を「周波数振幅増幅」と略記)を行なうことができ、この結果、静的振幅増幅手段では不可能あるいは困難な操舵フィーリングを付与できるようになる。以上の説明より当業者には既に明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、静的振幅増幅手段のみでは生成が不可能あるいは困難であった操舵フィーリングを付与し得るベースアシスト指令を決定できるようになると言う作用が得られる。しかも、これを、本動的振幅増幅手段のみで、すなわち一元的に行なえるようになると言う作用も得られる。
さらに、請求項1に記載の発明は、動的振幅増幅手段を、相対次数1以上の連続時間伝達関数あるいはこれと等価な離散時間伝達関数をもつ動的振幅増幅器を用いて構成するものである。動的振幅増幅器の、相対次数1以上の連続時間伝達関数は、次の(1)式で与えることができる。
Figure 0005011700
ここに、sはラプラス演算子(複素数)である。(1)式に示した連続時間伝達関数の相対次数(すなわち、次数差=分母次数―分子次数)は明らかに1以上である。分子の上位次数の係数をゼロと選定することにより、相対次数は難なく上げることができる。周波数に応じた振幅増幅特性(以下、周波数振幅増幅特性と略記)は、複素数sを虚数jωで置換することにより、直ちに得られる。すなわち、
Figure 0005011700
図3に分母2次、分子1次(相対次数が1)の周波数振幅増幅特性の1例を示した。同図の横軸(周波数)の単位は(rad/s)であり、縦軸(振幅増幅)の単位はdBである。本例は、300(rad/s)近傍を中心とする中周波域で約10(dB)の振幅増幅を行ない、低周波域では振幅増幅ゼロ(dB)とし、1000(rad/s)以上の高周波域では反対に−20(dB/dec)で減衰特性を持たせる例となっている。レスポンスの良い操舵フィーリングには、中周波域で所要の振幅増幅特性を持たせる必要がある。一方、高周波域での振幅増幅は、検出された操舵トルクに含まれるノイズ成分を刺激することになるので、高周波域での振幅増幅は抑えむしろ振幅減衰が必要である。図3は、簡単な1例であるが、こうした良好な操舵フィーリングを得るための周波数振幅増幅特性を実現するものとなっている。
高周波域での減衰特性は、相対次数を2次、3次と上げることにより、−40(dB/dec)、−60(dB/dec)と簡単に向上させることができる。また、低周波域から中周波域にわたる振幅増幅特性も、(1)式伝達関数の次数を上げこれに伴う係数を設定することにより、細部にわたり設定可能である。所要の周波数振幅増幅特性をもつ連続時間伝達関数は、例えば次の(3)式に示した連続/離散変換を介して、簡単に離散時間伝達関数に変更できる。
Figure 0005011700
ここに、zはz変換演算子(複素数)であり、Tsはサンプリング周期である。連続/離散変換には、(3)式に代わって、前進差分、後進差分等の他のものを利用しても、もちろんかまわない。以上の説明より当業者には既に明らかなように、請求項2の発明によれば、良好な操舵フィーリングを得るための周波数振幅増幅特性(すなわち動的な振幅増幅特性)を、難なく実現できると言う作用が得られる。
続いて、請求項3に記載の発明では、動的振幅増幅手段は、操舵者が、振幅増幅の特性を設定するための特性設定手段を備えることになる。動的振幅増幅手段は、請求項1に記載の発明で説明したように、操舵フィーリングを付与し得るベースアシスト指令を一元的に決定する作用をもつものである。請求項2に記載の発明によれば、動的振幅増幅手段が特性設定手段を備えることになるので、この結果、操舵者自身が、操舵者自身の好みに合わせて、操舵フィーリングを設定できるようになると言う作用が得られるようになる。
続いて、請求項3に記載の発明について説明する。アシスト用電動機としては、多くの先行発明が示すように、現状では主に、電動機への入力電力が直流電力である直流電動機が利用されている。直流電動機は、機構的制約からモータ慣性モーメントが大きく、直流電動機をアシスト電動機として利用する場合には、操舵者からみた慣性モーメントを不要に大きくする。また、このための特別の擬似慣性低減回路(モータ慣性補償トルク指令を生成するための回路)の構築が不可欠であった。一方、電動機への入力電力が交流電力である交流電動機は、直流電動機に比較し、モータ慣性モーメントが格段に小さいと言う特性をもっている。請求項1または請求項2のいずれかに記載のパワーステアリング電動駆動装置におけるアシスト用電動機として交流電動機を利用することにより、操舵者から見た慣性モーメントの増加を小さく抑えるという作用が得られる。ひいては、擬似慣性低減回路の必要のない(すなわち、補償トルク指令の追加的加算を抑えた)パワーステアリング電動駆動装置の実現が可能となり、この結果、請求項1または請求項2に記載の発明において、直流電動機利用に比較し、より際立たせることができると言う作用が得られる。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明を利用したパワーステアリング電動駆動装置の代表的な1実施形態例を図1に示す。本電動駆動装置を構成する主要機器は、ベースアシスト指令決定手段を実現したベースアシスト指令決定器1、アシスト用電動機2、及び、アシスト用電動機を駆動制御する電動機駆動制御手段を実現した電動機駆動制御装置3である。なお、本実施形態例は、アシスト用電動機として交流電動機を採用した例となっている。
ある車速で、操舵者により操舵されると、操舵トルクは操舵トルク検出器で検出され、これはベースアシスト指令決定器に入力される。操舵システムの全系の動特性に依存するが、検出された操舵トルクは位相補償器を通じて位相補償を施した上で、ベースアシスト指令決定器に入力してもよい。図1では、位相補償器を通じて位相補償された信号を基準トルクとしている。また、操舵トルク、基準トルクの何れをベースアシスト指令決定器の入力とするか、切換えが可能としている。操舵時の車速は、車速検出器で検出され、ベースアシスト指令決定器に入力されている。図1の実施形態例では、更に、本発明に基づき、設定信号をベースアシスト指令決定器に入力している。設定信号に関する説明は後に詳述する。ベースアシスト指令決定器はこれらの入力を得て、ベースアシスト指令を出力している。本実施形態例では、ベースアシスト指令は、ベーストルク指令としている。
ベーストルク指令に必要に応じて補償トルク指令を加算し、最終トルク指令が生成され、これが電動機駆動制御装置3に入力される。アシスト用電動機として直流電動機を利用する場合には、操舵者からみた慣性モーメントが不要に大きくなるため、操舵フィーリングの改善には、増大慣性モーメントに対する特別の擬似慣性低減回路(モータ慣性補償トルク指令を生成するための回路)の構築が不可欠である。補償トルク指令は、擬似慣性低減回路からの出力信号である。アシスト用電動機として交流電動機を利用する場合には、必ずしも、擬似慣性低減回路は必要ない。この点を考慮し、図1では、補償トルク指令を破線で示している。
電動機駆動制御装置は、最終トルク指令を得ると、アシスト用電動機に、最終トルク指令に合致したアシストトルクを発生せしめるべく、これを駆動制御する。アシスト用電動機として交流電動機を利用する場合には、この駆動制御法はベクトル制御法によることになる。同期電動機、誘導電動機などの交流電動機のベクトル制御には、電動機の回転子の位置速度情報が必要である。これは、回転子に装着されたレゾルバー等により検出される。図1では、レゾルバー等により検出された位置速度情報を含む源信号を駆動補助信号として示している。電動機駆動制御装置では、源信号を信号検出器で処理して、所要の位置あるいは速度情報を得ている。
同期電動機、誘導電動機などの交流電動機においては、一般には、固定子電流と発生アシストトルクとの間に線形関係はない。ベクトル制御法により、固定子電流に特別の制約を課すことにより、固定子電流と発生アシストトルクの線形性の維持を図ることは可能であるが、本制御則を適用する場合には一般には効率を損なうことになる。図1における指令変換器は、効率を考慮して固定子電流の電流指令を決定する役割を担っている。電動機駆動制御装置3における主装置は、バッテリーなどから得られた直流電力からアシスト用電動機を駆動制御するに必要な交流電力を発生するベクトル制御されたインバータで構成されている。交流電動機の効率運転のためのベクトル制御法に関しては、例えば以下の文献等で当業者には既に公知であるので、これ以上の説明は省略する。
新中新二:「効率重視の電流制御に向けた突極形同期モータのベクトル信号による解析」、電気学会論文誌D、Vol.119,No.5,pp.648−658(1999−5)新中新二:「突極形永久磁石同期モータの広範囲高効率運転のための鉄損を考慮した実用的最適電流指令法」、電気学会論文誌D、Vol.123,No.11,pp.1360−1370(2003−11)新中新二:「固定子及び回転子に鉄損を有する誘導モータの最小損失制御方策」、電気学会論文誌D、Vol.118,No.3,pp.421−422(1998−3)
パワーステアリング電動駆動装置における本発明は、ベースアシスト指令決定手段を実現したベースアシスト指令決定器1にある。以下では、ベースベースアシスト指令決定器に焦点を当てて、図面を用いながらこれを詳しく説明する。図2は、本発明によるベースアシスト指令決定器1の内部構造を示したものである。ベースアシスト指令決定器1は、動的振幅増幅手段を実現した動的振幅増幅部1−1と静的振幅増幅手段を実現した静的振幅増幅部1−2との直列結合の形で構成されている。ベースアシスト指令決定器1への入力信号は、先ず動的振幅増幅部1−1で信号の周波数に応じた振幅増幅処理を受け、処理信号は、静的振幅増幅部1−2へと出力される。静的振幅増幅部は、動的振幅増幅部での処理信号に対して、その振幅と車速に応じて静的な振幅増幅を行ない、これを最終的な処理信号として(すなわち、ベースアシスト指令として)出力している。静的振幅増幅部の構成は、例えばマップ化された静的な入出力特性に従って、その入力信号に対して出力信号を決めるようにすればよい。マップ化された静的入出力関係に従った静的振幅増幅部の構成は、特開平7−267109号、特開2001−260925号等に既に詳しく開示されているので、これ以上の説明は省略する。
動的振幅増幅部1−1は、動的振幅増幅器1−1aと係数決定器1−1bから構成されている。動的振幅増幅器は、ベースアシスト指令決定器1への入力信号に対して、周波数に応じた振幅増幅処理を直接的に行なうものであり、この入出力の伝達関数は、相対次数1以上の(1)式で表現されるものである。その周波数振幅増幅特性の典型的1例は、図3に示した通りである。伝達関数及び周波数振幅増幅特性に関しては、本発明の請求項2、請求項3の作用説明に関連して既に詳述しているので、これ以上の説明は省略する。図4は、動的振幅増幅器のより詳細な構成の1例を示したものである。本図の構成例は、次の分母3次、分子2次伝達関数のための1構成例となっている。
Figure 0005011700
図4における1/sは積分器を意味している。また、6個の係数は可調整であり、同図ではこの可調整性を、係数を貫く貫徹矢印で表現している。
係数決定器1−1bは、動的振幅増幅器1−1aにおける係数を決定するものである。より具体的には、係数決定器によって生成された係数信号により動的振幅増幅器の係数を決定している。係数決定器による動的振幅増幅器の係数決定の関係を明示すべく、図2では、これを、係数信号による動的振幅増幅器への貫徹矢印で示している。また、動的振幅増幅器の実現の1例を示した図4では、動的振幅増幅器の係数への貫徹矢印で示している。図4における貫徹矢印は、もちろん、係数信号を意味している。
図5は、係数決定器1−1bの内部構造の1例を示したものである。本例の係数決定器は、入力器1−1b1、保存器1−1b2、出力器1−1b3、指示器1−1b4から構成されている。設定信号によって設定された動的振幅増幅器の係数は一旦保存器に記憶・保存される。その後、記憶・保存された係数は動的振幅増幅器へ係数信号として出力される。入力器、出力器は、このためのインターフェース機能を司る手段である。記憶・保存機能をもつ保存器を有する本構成によれば、操舵者が、一度要望の係数を設定すれば、操舵の都度に設定を再入力する必要がなくなり、実用的な運転が可能となる。複数の操舵者が同一の車両を操舵する場合には、予め保存した係数を操舵者に応じて、係数信号として出力するようにすればよい。指示器1−1b4は、このための機能を司っている。すなわち、指示器は、操舵者に応じた係数を入力・保存・出力するための機能を司る手段である。本指示器の機能により、複数の操舵者が同一の車両を操舵する場合にも、操舵者好みの応じた操舵フィーリングを直ちに実現できるようになる。
以上、本発明によるパワーステアリング電動駆動装置に関し、各種の図を利用しつつ具体的かつ詳しく説明した。本発明の主眼であるベースアシスト指令決定器は、アナログ的に実現可能であるが、最近のディジタル技術の著しい進歩を考えるとディジタル的に構成することが好ましい。図4に示した動的振幅増幅器の構成例は、アナログ構成のためのものであるが、ディジタル構成もこれと同等である。アナログ構成をディジタル構成に変換するには、例えば、簡単には、図4における積分器を、(3)式に例示した連続/離散変換の関係を用いて離散実現すればよい。ディジタル構成はハードウェア的構成とソフトウェア的構成があるが、当業者にとっては既に自明のように本発明はいずれでも構成できる。
図1を利用した実施形態例では、アシスト用電動機として交流電動機を利用したが、本発明によるベースアシスト指令決定器は、アシスト用電動機として直流電動機を利用することも可能である。直流電動機の場合には、電動機への電流と発生アシストトルクとは比例関係にあるので、ベースアシスト指令は、ベーストルク指令に代わってベース電流指令としてよい。またこれにより、わずかながら計算量を軽減することができる。当然のことながら、直流電動機を利用する場合には、直流電動機のための電動駆動制御装置には、レゾルバー等を利用した回転子の位置速度情報の検出は不要である。
本発明によるパワーステアリング電動駆動装置は、コラムアシスト形、ラックアシスト形、ピニオンアシスト形等を含む各種の形式のパワーステアリングに適用可能である点を指摘しておく。
発明の効果
以上の説明より明白なように、本発明は以下の効果を奏する。請求項1の発明によれば、静的振幅増幅手段のみでは生成が不可能あるいは困難であった操舵フィーリングを付与し得るベースアシスト指令を決定できるようになると言う作用が得られた。しかも、これを、本発明の動的振幅増幅手段のみで、すなわちち一元的に行なえるようになると言う作用も得られた。本作用の結果、請求項1の発明によれば、ベースアシスト指令を当初より操舵フィーリングを考慮した完成度の高い形で一元的に生成できるようになると言う効果が得られるようになる。
さらに、請求項1に記載の発明では、良好な操舵フィーリングを得るための周波数振幅増幅特性(すなわち動的な振幅増幅特性)を、難なく実現できると言う作用が得られた。本作用の結果、請求項1に記載の発明では、ベースアシスト指令生成において、良好な操舵フィーリングを容易に付与できるようになると言う効果が得られるようになる。
請求項2に記載の発明では、操舵者自身が、操舵者自身の好みに合わせて、操舵フィーリングを設定できるようになると言う作用が得られた。また、図5を用いた実施形態例で詳しく説明したように、一度要望の操舵フィーリングを動的振幅増幅器係数等を介して設定しておけばよかった。また、複数の操舵者が同一の車両を操舵する場合にも、操舵者個々に対応可能となった。このように、請求項2に記載の発明では、ベースアシスト指令生成において、操舵者が、操舵者個々の希望に副った操舵フィーリングを容易に得ることができるようになると言う効果が得られるようになる。
請求項3に記載の発明では、操舵者から見た慣性モーメントの増加を小さく抑えるという作用が得られた。ひいては、請求項1または請求項2のいずれかに記載の発明において、直流電動機利用と比較し、その効果をより際立たせることができると言う作用が得られた。この採用の結果、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2のいずれかに記載の発明の効果をより高めることができると言う効果(すなわち、補償トルク指令の追加的加算を必要としないと言う効果)が得られるようになる。

パワーステアリング電動駆動装置の1構成例を示すブロック図 1実施形態例におけるベースアシスト指令決定器の構成を示すブロック図 動的振幅増幅器の周波数振幅増幅特性の1例を示す図 1実施形態例における動的振幅増幅器の構成を示すブロック図 1実施形態例における係数決定器の構成を示すブロック図
符号の説明
1 ベースアシスト指令決定器
1−1 動的振幅増幅部
1−1a 動的振幅増幅器
1−1b 係数決定器
1−1b1 入力器
1−1b2 保存器
1−1b3 出力器
1−1b4 指示器
1−2 静的振幅増幅部
2 アシスト用電動機
3 電動機駆動制御装置

Claims (3)

  1. 操舵トルクあるいはこの処理信号である基準トルクと車速とに基づきベーストルク指令あるいはこれに準じたベース電流指令であるベースアシスト指令を決定するベースアシスト指令決定手段と、アシスト用電動機と、該ベースアシスト指令を利用して該アシスト用電動機を駆動制御する電動機駆動制御手段とを備えて、操舵をアシストするパワーステアリング電動駆動装置において、
    前記ベースアシスト指令決定手段は、
    少なくとも前記操舵トルクまたは前記基準トルクのいずれかの周波数に応じて振幅増幅を行なう動的振幅増幅手段と、処理対象信号の振幅と車速に応じて振幅増幅を行なう静的振幅増幅手段とを、直列結合した形で、備え、
    前記動的振幅増幅手段は、相対次数1以上の連続時間伝達関数あるいはこれと等価な離散時間伝達関数をもつ動的振幅増幅器を用いることを特徴とするパワーステアリング電動駆動装置。
  2. 前記動的振幅増幅手段は、さらに、
    設定信号から係数信号を生成し、前記係数信号により前記動的増幅器の係数を決定する係数決定器を有し、
    前記係数決定器は、前記設定信号によって決定された前記動的増幅器の係数を記憶・保存可能な保存器と、
    前記設定信号を前記保存器に伝達するインターフェイス機能を司る入力器と、
    前記保存器に記憶・保存された前記動的増幅器の係数を前記動的増幅器へ伝達するインターフェイス機能を司る出力器と、
    を備える請求項1に記載のパワーステアリング電動駆動装置。
  3. 前記アシスト用電動機を、電動機への入力電力が交流電力である交流電動機とすることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のパワーステアリング電動駆動装置。
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