JP5006104B2 - 電力平滑化方法、電力平滑化装置および同装置の設計方法 - Google Patents

電力平滑化方法、電力平滑化装置および同装置の設計方法 Download PDF

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Description

請求項に係る発明は、風力発電や太陽光発電などの自然エネルギーを利用した分散電源(集中型の発電所による系統電力の対概念として定義されるもの)からの電源出力を、電力貯蔵手段への充放電を通じて平滑化し目標出力として出力する電力平滑化方法と、そのための装置、および当該装置の設計方法に関するものである。
風力発電や太陽光発電などの自然エネルギーを利用した分散電源は出力変動が大きく、この変動が、連系する電力系統の電圧変動や周波数変動を引き起こし、電力系統につながる負荷に悪影響を及ぼす恐れがある。この対策として、分散電源の出力変動を抑制する手段として電力貯蔵手段(蓄電池やフライホィールなど)を併設した分散電源システムが提唱されている。
分散電源の出力変動を抑制することを出力の平滑化と呼ぶ。一般に、電力貯蔵手段を用いて分散電源出力を平滑化するには次のような方法を用いる。
1) 分散電源出力を検知する。
2) 分散電源出力の検出値を参考にして、電力系統への目標出力値を決定する。この場合、目標出力値は何らかの平滑化手段を用いて得られる変動量の小さな出力値とする。
3) 分散電源出力が目標出力値より大きい場合には、余剰分を電力貯蔵手段に蓄電し、逆に分散電源出力が目標値より小さい場合には、不足分を電力貯蔵手段から放出させる。
図9は分散電源出力の平滑化を例示したものである。分散電源出力が目標出力より大きい場合には、余剰分が電力貯蔵手段に充電され、逆に分散電源出力が目標出力より小さい場合には、不足分が電力貯蔵手段から放電されることが示されている。
すでに分散電源の容量が決められているとして、これに対しどのような容量の電力貯蔵手段を併設すればよいかが問題となる。分散電源出力と目標出力との差の分だけ電力貯蔵手段への入出力が行われるため、図10(a)に示すように双方の乖離が小さいほど電力貯蔵手段の容量が小さくてすみ、経済的なシステム構成となる。しかしこの場合、目標出力の変動は分散電源出力の変動に連動して比較的大きなものとなる(平滑化が不十分で、許容範囲外となることがある)。逆に、図10(b)のように目標出力の変動を小さくしようとすれば、分散電源出力と目標出力の乖離が大きくなり、電力貯蔵手段への充電量および放電量が増加するので、それだけのエネルギーを蓄積する必要が生じ、電力貯蔵手段に大きな容量が要求される。つまり、目標出力の平滑化を上げることと、経済的な要求に従って電力貯蔵手段容量を削減することとは二律背反の関係にある。そこで、目標出力の変動を許容範囲に収めながら、電力貯蔵手段の容量を如何に小さくできるかがシステム設計上の眼目となる。
分散電源出力の平滑化(目標出力を求める)には、一般にローパスフィルターもしくは平均法が用いられる。
ローパスフィルターは、自動制御回路等で用いられる高周波成分を除去する手法で、用途によってさまざまな次数を持ったものが想定できるが、通常は1次のものが使用され、これを1次位相遅れ(あるいは単に1次遅れ)と呼び、1/(1+Ts)の伝達関数で表される。1次遅れでは、ある時刻tにおける目標出力値Ytは、1時間問隔前の目標出力値Yt-1および時刻tにおける分散電源出力値Xtを用いて次のように表される。
Yt=Yt-1+(Xt−Yt-1)/N
ここでNは対象となるサンプル数で、Nに時間間隔(サンプリング時間)を掛けたものを時定数と呼ぶ。Nが大きいほど(時定数が大きいほど)除去される高周波成分の範囲が広くなり、平滑化の度合が進んだものとなる(結果的に大容量の電力貯蔵手段が必要となる)。風力発電出力にこれを適用する場合、用途に応じて10分〜120分程度の時定数が選択される。
平均法としては移動平均法が用いられる。これは、現時点から一定時間内の過去のデータを平均して現時点における目標値を求めるもので、ある時刻tにおける目標出力値Ytは、1時間間隔前の目標出力値Yt-1および時刻tにおける分散電源出力値Xt、また時刻t-Nにおける分散電源出力値Xt-Nを用いて次のように表される。
Yt=Yt-1+(Xt−Xt-N)/N
ここで、Nは一次遅れの場合と同様に対象となるサンプル数で、Nに時間問隔(サンプリング時間)を掛けたものが上記の「一定時問」となる(つまり、この一定時間なるものは、一次遅れの場合の時定数に相当する)。
これら一次遅れ法と移動平均法はどちらを用いてもほぼ同様な結果となる。これらの手法の優れた点は、制御条件が時定数だけであり、かつ時定数より十分長い期間を取れば電力貯蔵システムヘの入力と出力が等しくなるため、シンプルな平滑化手法が可能である点である。
なお、下記の特許文献1に記載されている技術も、移動平均法によって分散電源出力の平滑化をはかるものである。
特開2002−17044号公報
電力貯蔵手段を用いた分散電源出力の平滑化についての従来法の課題は、十分な平滑度の目標出力を得るには大きな容量を持った電力貯蔵手段が必要になることである。大容量の電力貯蔵手段が必要になる理由は次の通りである。
(1) 分散電源出力と目標出力の相互の位相にずれが生じる
これについてはすでに述べた通りであり、一次遅れ法も移動平均法も現時点より過去の分散電源出力値を用いてこれを平均化することにより目標出力を求めていることからして当然の結果であると言える。換言すれば、こうした手法に代わるどのような手法によっても、過去の分散電源出カデータを参照せざるを得ず、それにより発生する位相のずれは避けられないことであると言える。しかしながら、こうした従来手法は、分散電源出力の平滑化のみに主眼を置いており、位相のずれは結果的にやむなく発生するものであって本質的に避けられないものとして、これをできるだけ回避しようとする工夫がなされていないことが必要以上に位相のずれを助長している面があり、分散電源出力平滑化の最適手法であるとは必ずしもいえない。
(2) 急激な分散電源出力の変動への対応が不十分である
風力発電や太陽光発電のように自然エネルギーを利用した分散電源はときとして出力が急激な変動を起こすことがある。極端な場合には、0(ゼロ)出力から短時間に最大出力まで変動したり、またこの逆の場合もある。こうした変動は頻度が非常に少ないので、平滑化の例外として許容される場合もあるが、一般的には対応せざるを得ない場合が多い。また夜間は電力負荷が小さいため、風力発電のように夜間に出力があってもこれを電力系統に流さないことが要求される場合がある(夜間解列)。この場合、解列また接続の瞬間には時として出力に大きな変動が生じることとなり、この頻度は必ずしも小さいとはいえない。一次遅れ法や移動平均法など従来法による平滑化では、こうした大きな分散電源出力変動は比較的大きな目標出力変動を引き起こすことになる。これを抑止するためには時定数の大きな平滑化手法を用いればよいが、そのためにはより大きな容量の電力貯蔵手段が必要となる。
まれにしか発生しない急激な電源出力による大きな目標出力変動の変動量評価を緩和する方法として、所定時間(例えば20分)内の変動量で評価する手法が提唱されている。これは計測データ時間間隔(例えば1秒)における目標出力変動が許容範囲を超えることがあっても、計測データ時間間隔より大きな任意の所定時間内において目標出力変動が許容範囲内にあればよしとするものである。
例えば図11に示すような目標出力が得られたとして、任意の所定評価時間内における変動量が所定量(例えば電源定格値もしくは出力最大値の10%)以内であれば、平滑化の目的が達成されているとみなす。所定時間内における変動量は、その時間内における目標出力の最大値と最小値の差とする。この場合、図11に示すA点においては明らかに変動速度(変動量の変化速度:図11における傾き)が、所定時間内における変動速度を超えているが、それは無視することになる。このような手法を採用することにより、図11のA点のような瞬間的に大きな変動速度は考慮されないので、これを考慮する場合に比べて、平滑化の時定数は小さくでき、結果的に電力貯蔵手段の容量を小さくできる。
しかしながらこうした手法は、便宜上瞬間的な目標出力の変動量を無視しているために電力系統側に負担を強いることになり、万全の解決策とは言いがたい面がある。
請求項に係る発明は、電力貯蔵手段を併設した分散電源システムにおける電源出力の平滑化について、上記のような従来の課題を解決するためになしたものである。すなわち、従来の手法が有する欠点を克服し、いかなる時間帯(任意の時刻ならびに任意の時間幅)においても目標出力の変動速度を所定の範囲内に収め、かつ電力貯蔵手段の必要容量を従来法より小さくできることを目的としている。
請求項に係る発明の電力平滑化方法は、自然エネルギーを利用した分散電源からの電源出力を、電力貯蔵手段への充放電を通じて平滑化し目標出力として出力する方法であり、
・ 変動速度が所定範囲を超えないように目標出力を決定するとともに、
・ 電力貯蔵手段における電力貯蔵量が一方向(放電側または充電側)にシフトすることを避けるための補正を行う――ことを特徴とするものである。
この発明における大きな特徴は、目標出力の変動速度を所定の範囲内におさめることを制御システムの目的とすることにある。従来法では、電源出力の平均化処理により高周波成分を除くことを制御システムの目的としており、目標出力の変動速度の制限はその結果として得られているのであって、積極的な変動速度制限を行っているのではない。
上のようにする本発明の平滑化手法によれば、前記した従来法の問題点を解決することができる。
第一に、目標出力の平滑度が同程度であれば、本発明の手法の方が従来法より電力貯蔵手段の容量を小さくできる。これは、従来法が現時点より過去の電源出力を参照して現時点の目標出力を求めているために、電源出力と目標出力とで時定数に関連した位相のずれが生じるのに対し、本発明の手法によれば、制限変動速度の範囲内で目標出力を電源出力に近づけようとするために、位相のずれが従来法より小さくなるからである(変動速度の制限があるため本発明の手法によっても位相のずれは発生するが、その大きさは従来法よりも小さい)。
第二に、本発明の手法によれば、目標出力の変動速度を完全に制限変動速度内に抑制することができる。従来法では、過去の電源出力の参照により現時点の目標出力を求めており、変動速度はその結果として与えられるのであって、積極的に変動速度制限を行っているのではない。そのために、目標出力の変動を完全に所定の範囲内に収めるためには非常に大きな容量を持った電力貯蔵手段が必要となる。これを回避するために所定時間内の変動量で評価する手法が提唱されているが、これは微小時間内における瞬間的に大きな変動速度を無視しようとするもので、平滑化手法としては完全なものとはいいがたい。本発明の手法によれば、変動速度制限を積極的に制御するため、このような手段をとる必要はなく、どのような時間幅をとっても確実に制限変動速度を保持することができる。また、システムの実際の運用において、設計段階で使用した電源出力通りに実際の電源出力が発生する保証はなく、従来法の制御では、目標出力の変動速度が所定の範囲を逸脱する事態も想定できる。本発明の手法は、このような場合でも、目標出力の変動速度は制限変動速度内に保持される。
第三に、これも変動速度の抑制に関することであるが、自然エネルギーを用いた分散電源の場合、出力が極端に変動することがある。例えば、出力が0付近から極短時間の間に定格出力まで急上昇、あるいは定格出力から0付近まで急低下することがある。特に風力発電では、系統電力の夜間負荷が昼間負荷より小さいため、夜間は分散電源による発電が不要となり、風車と系統電力を人為的に切り離す(解列)ことがあるが、このような場合も電源出力の急激な変動を引き起こす。こうした極端に電源出力が変動する場合には、従来法による平滑化手法では十分な対応はできない。勿論、極端に時定数を大きくすることによってこのような場合でも変動速度を所定の範囲内に収めることは可能であるが、発生頻度の少ないこのような場合のために極端に大きな容量を持った電力貯蔵手段を用意するのは通常コスト的に見合わない。本発明の手法によれば、このような場合でも目標出力を所定の変動速度内におさめることが可能である。
また、発明の平滑化手法では、上記のとおり、電力貯蔵手段における電力貯蔵量が一方向にシフトすることを避けるための補正を行うため、電力貯蔵手段の充電状態(SOC)を適切に保つことができる。これはつぎのように説明できる。
どのような電力貯蔵手段や電力変換器も効率は100%未満であり、入力された電力量より少ない電力量しか取り出せない。その差は熱として失われる。したがって、実際の制御において入力された電力量と等しい電力量を引き出そうとすれば、熱として失われた分を電力貯蔵手段から引き出さざるを得ず、その結果、電力貯蔵手段には予め不足電力量を貯蔵しておかねばならないことになる。長期間にわたるシステムの運転においてはこの量は非常に大きなものとなり、電力貯蔵手段には不当に大きな容量が要求されてしまう。
このような不都合を発生させないで分散電源出力の平滑化を行うためには、電力貯蔵手段や電力変換器等の効率を予め知った上でそれを考慮して、入力された電力量よりその分だけ少ない電力量を取り出すようにすれば良いが、実際にはこうした効率は、電流量や温度、それらの機器の経年変化等によって変化し正確に把握することは実用上極めて困難である。そこで、上記のように、電力貯蔵量が一方向にシフトすることを避けるための補正を行うのである。通常は、電力貯蔵手段の貯蔵量を逐次把握し、それに基づいて入出力量を加減する。例えば、電力貯蔵手段が蓄電池である場合には、目標電池状態(SOC)を50%とし、システム運転中に端子電圧等からそのときのSOCを推定し、それが50%より大きい場合には、放電量を多めにし(あるいは充電量を少なめにし)SOCが減少するように目標出力値に補正を加え、逆にSOCが50%より小さい場合には、放電量を少なめにし(あるいは充電量を多めにし)SOCが増加するような補正を加えるとよい。
上記における目標出力の決定は、現時点の電源出力と1ステップ前の目標出力とを比較して、電源出力が目標出力より大きい場合には、目標出力に制限変動量を加えた値でかつ電源出力最大値(分散電源の定格値)を超えない値を現時点の目標出力とし、電源出力が目標出力よりも小さい場合には、目標出力から制限変動量を減じた値でかつ0を下回らない値を現時点の目標出力とすることにより行う。制限変動量とは、制限変動速度から求められる1ステップ内で許容される変動量のことである。
上記を式で記述すれば次のようになる。
Wt≧Qt-1のとき、Qt=Qt-1+△Qとする。ただしQt>WmaxのときQt=Wmax
Wt<Qt-1のとき、Qt=Qt-1−△Qとする。ただしQt<OのときQt=0
ここで、Wt:電源出力、Qt:現時点の目標出力、Qt-1:1ステップ前の目標出力、Wmax:電源出力の最大値(分散電源の定格値)。
また、△Qは制限変動量で、△Q=Wmax×R×△tで与えられる。
ここで、R:制限変動速度、△t:1ステップの時間幅である。
こうすることにより、上述のとおり変動速度が所定範囲を超えないよう、円滑に目標出力を決定することができる。
ちなみに、従来法である一次遅れ法ならびに移動平均法を同様な式で記述すれば次のようになる。
[一次遅れ法]
Qt=Qt-1+(Wt−Qt-1)/N
ここで、N:時定数に含まれるデータ数(時定数÷△t)。その他の変数は上記に同じ。
[移動平均法]
Qt=Qt-1+(Wt−Wt-N)/N
ここで、Wt-N:現時点(時刻t)より時定数分だけ以前の電源出力。その他の変数は上記に同じ。
上記の補正としては、電力貯蔵手段に対する充放電の積算量に応じた補正量を、目標出力または電源出力に加えることとするとよい。
変動速度が所定範囲を超えないように目標出力を決定するだけでは、目標出力の平滑化についての目的は達成できるが、前述のように電力貯蔵手段への入力積算量と出力積算量が十分な長さの期間において一致しないため、電力貯蔵量が一方向にシフトしていく可能性があり、これがために電力貯蔵手段の必要とされる容量が不当に大きくなってしまう。
その点、電力貯蔵手段に対する充放電の積算量に応じた補正量を目標出力または電源出力に加える――具体的にはたとえば、1ステップ毎に、電力貯蔵手段からの入力積算量と出力積算量との差に入出力補正率を乗じて得られる補正量(入力積算量が出力積算量を上回る場合は正の値となり、逆の場合は負の値となる)を目標出力に加える――こととすれば、入力積算量と出力積算量を一致させることができ、上のような不都合が避けられる。
補正量を目標出力に加える場合には目標出力の変動速度が所定の値をわずかながら越えてしまうことがあるので、補正量を前記の式のWt(電源出力)に加えることとするのもよい。その場合には、目標出力の変動速度を所定値内に収めることが可能である。目標出力に補正を加える代わりに、目標出力算出前に補正を行ってしまうのである。この場合でも、電力貯蔵手段の入力積算量と出力積算量を十分な長時間内で一致させるという本補正の本来の目的も達成できるので、実用上はこちらの方法のほうが望ましい。
前記の補正としては、電力貯蔵手段における充電状態に応じた補正をさらに(または上記補正に代えて)加えるのもよい。
システム設計において電力貯蔵手段容量などの諸元を決定するには、上記のように電力貯蔵手段に対する充放電の積算量に応じた補正量を目標出力または電源出力に加えることで十分であるが、実際の制御においては、そうした補正に加えて(または代えて)、充電状態に応じた補正、つまり電力貯蔵手段の貯蔵量による補正を加えるのが好ましい(入出力積算量による補正の前に加えてもよいし、後に加えてもよい)。電力貯蔵手段や電力変換器の効率が100%未満であることに起因する補正が必要だからである。
なお、この貯蔵量による補正は、上記した電力貯蔵手段への入出力積算量による補正とともに2段階にわたって行ってもよいが、実用上は貯蔵量による補正のみでもよい。いずれの補正も、電力貯蔵手段の容量を適正に保つ(不当に大きくならない)ことを目的としており、その目的は、実用上は貯蔵量による補正のみで達成可能である。
請求項に係る発明の電力平滑化装置は、自然エネルギーを利用した分散電源からの電源出力を、電力貯蔵手段への充放電を通じて平滑化し、目標出力として出力する装置であって、
・ 分散電源および電力貯蔵手段とともに、
・ 分散電源から出力された電源出力を検知する電力検知部と、
・ 検知された電源出力をもとに、変動速度が所定範囲を超えないように目標出力を決定する演算部と、
・ 電源出力と目標出力とを比較して電力貯蔵手段への充放電を行う電力変換器と、
・ 電力貯蔵手段に対する充放電の積算量に応じた補正量を、目標出力または電源出力に加える補正部と――を有することを特徴とする。
こうした装置によれば、つぎのようにして上述の電力平滑化方法を実施することができる。
1) 分散電源から出力された電力を電力検知部が検知する。
2) 電源出力をもとに演算部が、上述の手法(変動速度制限法)により、変動速度が所定範囲を超えないように目標出力を算出する。
3) 電源出力と目標出力を比較して、電力変換器が電力貯蔵手段への入出力を行う。
4) 電力貯蔵手段への入出力を積算器で積算し、その値に比例器で適当な係数を乗じたうえ、それを補正部が補正値として電源出力に補正を加える。
発明の電力平滑化装置は、自然エネルギーを利用した分散電源からの電源出力を、電力貯蔵手段への充放電を通じて平滑化し目標出力として出力する装置として、
・ 分散電源および電力貯蔵手段とともに、
・ 分散電源から出力された電源出力を検知する電力検知部と、
・ 検知された電源出力をもとに、変動速度が所定範囲を超えないように目標出力を決定する演算部と、
・ 電源出力と目標出力とを比較して電力貯蔵手段への充放電を行う電力変換器と、
・ 電力貯蔵手段における充電状態に応じた補正を加える補正部と――を有するように構成するのもよい。
このように構成した装置では、つぎのようにして上述の電力平滑化方法を実施することができる。
1) 分散電源から出力された電力を電力検知部が検知する。
2) 電源出力をもとに演算部が、上述の手法(変動速度制限法)により、変動速度が所定範囲を超えないように目標出力を算出する。
3) 電源出力と目標出力を比較して、電力変換器が電力貯蔵手段への入出力を行う。
4)’ 電力貯蔵手段における充電状態(電力貯蔵量)を検出し、その値に比例器で適当な係数を乗じたうえ、それを補正部が補正値として電源出力に補正を加える。
なお、補正部には、電力貯蔵手段に対する充放電の積算量に応じた補正量を目標出力または電源出力に加えるものと、電力貯蔵手段における充電状態に応じた補正を加えるものとを併設しておき、前記4)の操作とこの4)’の操作とをともに行うこととしてもよい。
上記の電力貯蔵手段として、ニッケル水素電池を使用するのが好ましい。
上述の電力平滑化方法を実施する場合、急速な充放電が必要になることが多いが、ニッケル水素電池はそのような急速充放電に適していることがその主たる理由である。急速充放電が困難な電池では、大電流充放電に対応するため、より大容量を備えておく必要があある。また、自然エネルギーを利用した分散電源では、長時間にわたって発電出力がないために電力貯蔵手段が長く使用されない場合も想定される。ニッケル水素電池は、補機電力を必要としないので、その場合でも電池保護のために電力を使用することがなく、省エネルギーであり経済的でもある。さらに、ニッケル水素電池は充放電深度を大きくとれるため、繰り返し頻繁な充放電を行いながら分散電源出力の平滑化を行っても、長期間にわたって性能を損なうことなく使用できる利点もある。
請求項に係る発明である電力平滑化装置の設計方法は、自然エネルギーを利用した分散電源からの電源出力を、電力貯蔵手段への充放電を通じて平滑化し目標出力として出力する電力平滑化装置を設計するにあたり、
i) 分散電源を決定するとともに、それによる予測出力を設定し、
ii) 各時点の目標出力を、上記予測出力のうち当該各時点までの値から、変動速度が所定範囲を超えないように平滑化することにより決定するとともに、電力貯蔵手段における電力貯蔵量が一方向にシフトすることを避けるための補正を行い、
iii) 決定された目標出力(の変動)が許容範囲内にあるか否かを判断し、
iv) 目標出力がつねに許容範囲内にあれば、目標出力と電源出力とから最大充電量および最大放電量を算出し、それらの値より電力貯蔵手段の容量を決定する――ことを特徴とする。
上記i)における予測出力の設定は、たとえば、実際と近いと推測される実測データを採用することにより行う。自然エネルギーを利用した分散電源の場合、変動が激しいのでできるだけ小さな時間間隔で採取されたデータが望ましい。通常は、時間間隔が1秒から1分程度のもので、代表的な1日あるいは1月、場合によっては1年のデータを用いる。
上のような方法をとると、小容量の電力貯蔵手段を有する好ましい電力平滑化装置を設計することができる。
上記の設計方法において、決定された目標出力がつねに許容範囲内にあれば、目標出力と電源出力とから最大充放電速度を算出し、その速度を考慮して電力貯蔵手段の種類と容量を決定するのがさらに好ましい。
上述のように、電力平滑化方法においては最大充放電速度が高くなることが多く、電力貯蔵手段の種類によってはそのような場合への対応が難しいことがある。そこで、このように、最大充放電速度を考慮して電力貯蔵手段の種類と容量を決定するのが好ましいわけである。最大充放電速度が高い場合、電力貯蔵手段の種類を適切に決定しなければ同手段の容量を小さくすることが難しくなる。
請求項に係る発明の電力平滑化方法によれば、電力貯蔵手段の容量を小さくすることができるほか、目標出力の変動速度を完全に制限変動速度内に抑制することができる。また夜間解列を含め出力が極端に変動する場合でも、目標出力を所定の変動速度内におさめることが可能である。電力貯蔵手段の充電状態(SOC)を適切に保つこともできるため、好ましい。
請求項に係る発明の電力平滑化装置によれば、上記の電力平滑化方法を円滑に実施することができる。電力貯蔵手段としてニッケル水素電池を使用するのが、急速な充放電を行ううえでとくに好ましい。
請求項に係る発明の設計方法によれば、小容量の電力貯蔵手段を有する好ましい電力平滑化装置を適切に設計できる。
以下、発明の実施形態を紹介する。
図1に示す電力平滑化装置は、分散電源(風車等)1からの電源出力を、電力貯蔵手段7への充放電を通じて平滑化したうえ、目標出力として系統電力10へ出力する装置である。この装置には、分散電源1から出力された電源出力を検知する電力検知部2、検知された電源出力をもとに、変動速度が所定範囲を超えないように目標出力を決定する演算部3、電源出力と目標出力とを比較して電力貯蔵手段7への充放電を行う電力変換器4、および、電力貯蔵手段7に対する充放電の積算量に応じた補正量を電源出力に加える補正部5を有している。演算部3には変動速度制限部3aとリミッタ3bとが含まれ、補正部5には、電力貯蔵手段7への入出力電力の積算器5aと、その積算値に係数を乗じるための比例器5bとが含まれる。なお、系統電力10や分散電源1の出力電力は交流であり、蓄電力貯蔵手段(電池)7の電力は直流であるので、双方の連系にはインバータ(図示せず。通常は電力変換器内に含まれる)が接続されており、充電と放電が交互に行われることから通常は双方向インバータが使用されている。また、電圧調整のための変圧器やインバータ等を制御するための制御回路(いずれも図示せず)も通常は使用される。
この装置では、分散電源1からの出力をつぎのようにして平滑化する。すなわち、1)分散電源1から出力された電力を電力検知部2が検知する。2)電源出力をもとに、演算部3が、変動速度制限法により、変動速度が所定範囲を超えないように目標出力を算出する。3)電力変換器4が電源出力と目標出力を比較して電力貯蔵手段7への入出力を行う。4)電力貯蔵手段7への入出力を積算器5aで積算し、その値に比例器5bにて適当な係数を乗じた値を、補正部5が補正値として電源出力に加える。
上記2)の過程で演算部3が行う目標出力の算出は、変動速度が所定範囲を超えないように目標出力を決定するもので、つぎのように行う。まず、現時点の電源出力と1ステップ前の目標出力とを変動速度制限部3aが比較し、電源出力が目標出力より大きい場合には、リミッタ3bが目標出力に制限変動量を加えた値でかつ電源出力最大値(分散電源の定格値)を超えない値を現時点の目標出力とする。電源出力が目標出力より小さい場合には、リミッタ3bが目標出力から制限変動量を減じた値でかつ0を下回らない値を現時点の目標出力とする。
こうすることにより、図1の装置によって、目標出力の変動速度をつねに所定の範囲内に収め、かつ電力貯蔵手段の必要容量を小さくしながら、電源出力の平滑化をはかることができる。
図2に示す電力平滑化装置も、風車等の分散電源1からの電源出力を平滑化して系統電力10へ出力する装置である。ただし図2の装置では、図1のものとは違って第二の補正部6が付加されている。第二の補正部6には、電力貯蔵手段7における電力貯蔵量を検出する検出器6aと第二比例器6bとが含まれている。
図1の装置による上記の過程に加えて、4)’電力貯蔵量検出器6aが電力貯蔵手段7における充電状態(電力貯蔵量)を検出し、その値に第二比例器6bが適当な係数を乗じ、それを第二補正部6が補正値として電源出力に加える。これにより、電力貯蔵手段7の電力貯蔵状態(SOC)を50%前後の好ましい状態に保つのである。
図2の平滑化装置は、図1の装置における補正部5に対して第二の補正部6を付け加えたものだが、図3の平滑化装置は、補正部5に代えて上記第二の補正部6のみを接続したものである。前記の補正部5とこの補正部6は、ともに電力貯蔵手段の容量を不当に大きくさせないことを目的とするもので、実用上はいずれか一方のみによる補正で足りる。
電力貯蔵手段を併設した分散電源システムについての実施例を、従来の方式による場合と比較しながら紹介する。分散型電源としてここでは風力発電に限定して説明するが、太陽光発電など他の分散型電源についても同様なことがいえる。
[時系列データによる平滑化手法の比較]
図4は、風力発電出力(風車定格出力:10MW)と、その平滑化出力を時系列的に示したものである。データ間隔は12秒で6時間の変化を示している。平滑化手法の従来法と本発明手法との比較のために、平滑化出力として、
1) 従来法である一次遅れ法(時定数:120分)
2) 本発明による変動速度制限法(入出力補正率:0.02%/分)
の2手法を示した。
図4では、風力発電出力は絶えず変動しているが、特に2hrを過ぎたあたりで急峻な変動となっている。いずれの平滑化曲線も風力発電出力を平滑化しているが、一次遅れ平滑化曲線が滑らかな曲線となっているのに対し、変動速度制限平滑化曲線は直線部が多い。これは変動速度制限により、曲線の傾きが制限されているためである。
図5は、それぞれの平滑化出力の20分間変動量を示している。概ね、一次遅れ平滑化の変動量の方が変動速度制限法によった場合より小さいが、風力発電出力が急峻な変動を示しているところでは、変動量が1.0MW(風車定格の10%)となっている。また、瞬時の変動量を20分換算した値では、1.0MWを超えていることも示されている(20分換算瞬時変動量を1.0MW以内に収めるためには、120分より長い時定数が必要である)。
これに対し、変動速度制限法によった場合は、変動量が何度も1.0MWに到達しているが、これを超えることはない。煩雑になるので図には示していないが、瞬時変動量の場合でも1.0MWを超えることはない。
[最小蓄電容量]
風況は、地域により、また季節により変化するが、平均的な風況に恵まれた1週間の風力発電出カデータを用いて、従来法と本発明手法による平滑化を行った場合の、必要とされる最小蓄電容量を示す。
ここで示す最小蓄電容量はあくまで計算上得られた値であり、実際のシステム設計においては、想定される様々な風況のもとで計算を行い、かつ電力貯蔵手段の特性も考慮した上で、ある程度の余裕をもって容量が決定されることになる。
図6は従来法の一次遅れ平滑化手法によった場合の、時定数と蓄電容量を示したものである。時定数が大きいほど、平滑化出力の変動量は小さくなる(平滑化度が大きい)が、風力発電出力と乖離が大きくなるため、大きな蓄電容量が必要となる。
図7は、本発明手法である変動速度制限法によった場合である。20分間変動率を10%以内に制限しており、その条件で、入出力補正率をパラメータとした場合の最小蓄電容量を示している。入出力補正率が小さすぎると、積算充電量と積算放電量との差が大きくなるので、大きな蓄電容量が必要となる。一方、入出力補正率が大きすぎると、積算充電量と積算放電量との差を早く縮めようとするので、平滑化出力が頻繁に変動し、その結果、やはり蓄電容量が大きくなってしまう。すなわち、入出力補正率には最適値が存在することになり、その値は図7によれぱ約0.02%/分である。
図8は、平滑化2方式による最小蓄電容量と20分変動率の関係を示したものである。パラメータは、一次遅れにおいては時定数、変動速度制限においては入出力補正率である。図には、一次遅れで瞬時変動率を20分換算した場合についても示している。一次遅れの場合、時定数が大きいほど最小蓄電容量は大きくなり、変動率は小さくなる。したがって右下がりの曲線となる。20分変動率が10%(変動量が1.0MW)であるためには15MWhの蓄電容量、また瞬時変動率でみた場合には17MWhの蓄電容量が必要であることがわかる。この場合の時定数は、それぞれ120分、140分である。一方、変動速度制限による場合は、20分変動率が10%となるように計算されているので、10%の水平な直線となる。図7を参照すれぱわかるように、入出力補正率を0.02%/分とすれぱ、直線の左端の点が得られ、このときの蓄電容量は8MWhとなる。
[風況の違いによる最小蓄電容量と変動速度制限法の利点]
前項では、平均的な風況の1週間の風力発電出カデータを用いて計算した結果を示したが、風況の違いによって、必要とされる最小蓄電容量がどのように変わるかを示したのが表1である。前項で使用した週は表1において「中風週」と記述している。一次遅れの場合でも、変動速度制限の場合でも、強風週、中風週、弱風週の順で最小蓄電容量が小さくなることがわかる。また、変動速度制限による方が、一次遅れの場合に比べて蓄電容量が1/3〜1/2程度で済むことがわかる。なお、変動速度制限の場合にも、20分換算瞬時変動率が10%の場合を示したが、これは比較しやすいように便宜上示したものであり、実際には20分変動率10%の場合とまったく同じであって、重複を避ける意味では表示を必要としない項である。変動速度制限法においては、どの瞬間をとっても必ず変動速度は制限以内に収まるからである。
Figure 0005006104
実際のシステム設計においては、様々な風況を想定しなければならず、したがって表1に示されるもっとも大きな最小蓄電容量が必要とされる。すなわち強風週での値を採用すればよいことになる。このことは、強風下では風車出力の変動が大きく、その中には急峻な変動も含まれることを勘案すれば、当然の帰結であるといえる。
[自然エネルギー利用分散型電源出力平滑化へのニッケル水素電池適用の利点]
風力発電のような出力変動の大きな自然エネルギー利用分散型電源の出力平滑化には、従来の鉛蓄電池よりハイレートな充放電が可能なニッケル水素電池が適している。
上記の平滑化解析計算においても、0.5C程度の充放電速度は頻繁に出現し、時には瞬間的に1.0C程度の充放電速度になることがある。鉛蓄電池では通常0.2Cまでの充放電、短時間なら0.3Cまでの充放電が可能とされるが、ニッケル水素電池では通常0.5C、短時間なら1.0C程度までの充放電が可能である。なお、充放電速度Cについては表2に示す。
Figure 0005006104
上記の解析においては、このような電池特性を考慮しておらず、したがって鉛蓄電池を使用した場合には、充放電速度による制限を受けるため、表1に示した蓄電容量よりさらに大きな容量が必要となる。一方、ニッケル水素電池の場合は殆どそのような制限を受けない。
また、一般的に蓄電池には充放電速度と取り出し可能な蓄電量に相関関係がある。すなわち、充放電速度が大きいほど取り出し可能な蓄電量は少なくなる。このような制限は、鉛蓄電池にもニッケル水素電池にもあるが、ニッケル水素電池は鉛蓄電池と比べて受ける制限が少ないという特長がある。鉛蓄電池では1C放電では電池容量の約55%しか使用できないのに対し、ニッケル水素電池では1.2C放電でも約80%が利用可能である。これも平滑化に必要な蓄電容量に関係する特性であり、ニッケル水素電池に比べて鉛蓄電池を使用した場合は、さらに大きな容量が必要となってくる。
発明の実施形態としての電力平滑化装置を示す機能ブロック図である。 発明の他の実施形態としての電力平滑化装置を示す機能ブロック図である。 発明のさらに他の実施形態としての電力平滑化装置を示す機能ブロック図である。 実施例として風力発電出力とその平滑化出力とを示す線図である。 実施例として平滑化出力の20分変動量を示す線図である。 実施例として、従来方式による場合の時定数と最小蓄電容量との関係を示す線図である。 実施例として、発明の方式による場合の入出力補正率と最小蓄電容量との関係を示す線図である。 実施例として、2方式による各場合の最小蓄電容量と20分変動率との関係を示す線図である。 分散電源出力の平滑化に関する概念図である。 分散電源出力の平滑化について(a)・(b)の2パターンを示す概念図である。 所定時間内における目標出力の変動量評価を示す概念図である。
符号の説明
1 分散電源
2 電力検知部
3 演算部
4 電力変換器
5・6 補正部
7 電力貯蔵手段
10 系統電力

Claims (8)

  1. 自然エネルギーを利用した分散電源からの電源出力を、電力貯蔵手段への充放電を通じて平滑化し目標出力として出力する電力平滑化方法であって、
    変動速度が所定範囲を超えないように目標出力を決定するとともに、
    電力貯蔵手段における電力貯蔵量が一方向にシフトすることを避けるための補正を行い、
    その目標出力の決定は、
    電源出力最大値(分散電源の定格値)と、現時点および1ステップ前の時間幅と、に基づいて制限変動量を求め、
    現時点の電源出力と1ステップ前の目標出力とを比較して、電源出力が目標出力より大きい場合には、目標出力に制限変動量を加えた値でかつ電源出力最大値を超えない値を現時点の目標出力とし、電源出力が目標出力より小さい場合には、目標出力から制限変動量を減じた値でかつ0を下回らない値を現時点の目標出力とすることに決定することにより行う
    ことを特徴とする電力平滑化方法。
  2. 上記の補正として、電力貯蔵手段に対する充放電の積算量に応じた補正量を、目標出力または電源出力に加えることを特徴とする請求項1に記載した電力平滑化方法。
  3. 上記の補正として、電力貯蔵手段における充電状態に応じた補正を加えることを特徴とする請求項1または2に記載した電力平滑化方法。
  4. 自然エネルギーを利用した分散電源からの電源出力を、電力貯蔵手段への充放電を通じて平滑化し目標出力として出力する電力平滑化装置であって、
    分散電源および電力貯蔵手段とともに、
    分散電源から出力された電源出力を検知する電力検知部と、
    検知された電源出力をもとに、変動速度が所定範囲を超えないように目標出力を決定し、
    その目標出力の決定は、
    電源出力最大値(分散電源の定格値)と、現時点および1ステップ前の時間幅と、に基づいて制限変動量を求め、現時点の電源出力と1ステップ前の目標出力とを比較して、電源出力が目標出力より大きい場合には、目標出力に制限変動量を加えた値でかつ電源出力最大値(分散電源の定格値)を超えない値を現時点の目標出力とし、電源出力が目標出力より小さい場合には、目標出力から制限変動量を減じた値でかつ0を下回らない値を現時点の目標出力とすることに決定することにより行う演算部と、
    電源出力と目標出力とを比較して電力貯蔵手段への充放電を行う電力変換器と、
    電力貯蔵手段に対する充放電の積算量に応じた補正量を、目標出力または電源出力に加える補正部と
    を有することを特徴とする電力平滑化装置。
  5. 自然エネルギーを利用した分散電源からの電源出力を、電力貯蔵手段への充放電を通じて平滑化し目標出力として出力する電力平滑化装置であって、
    分散電源および電力貯蔵手段とともに、
    分散電源から出力された電源出力を検知する電力検知部と、
    検知された電源出力をもとに、変動速度が所定範囲を超えないように目標出力を決定し、
    その目標出力の決定は、
    電源出力最大値(分散電源の定格値)と、現時点および1ステップ前の時間幅と、に基づいて制限変動量を求め、現時点の電源出力と1ステップ前の目標出力とを比較して、電源出力が目標出力より大きい場合には、目標出力に制限変動量を加えた値でかつ電源出力最大値(分散電源の定格値)を超えない値を現時点の目標出力とし、電源出力が目標出力より小さい場合には、目標出力から制限変動量を減じた値でかつ0を下回らない値を現時点の目標出力とすることに決定することにより行う演算部と、
    電源出力と目標出力とを比較して電力貯蔵手段への充放電を行う電力変換器と、
    電力貯蔵手段における充電状態に応じた補正を加える補正部と
    を有することを特徴とする電力平滑化装置。
  6. 電力貯蔵手段としてニッケル水素電池を有することを特徴とする請求項4または5に記載した電力平滑化装置。
  7. 自然エネルギーを利用した分散電源からの電源出力を、電力貯蔵手段への充放電を通じて平滑化し目標出力として出力する電力平滑化装置を設計するにあたり、
    i) 分散電源を決定するとともに、それによる予測出力を設定し、
    ii) 各時点の目標出力を、上記予測出力のうち当該各時点までの値から、変動速度が所定範囲を超えないように平滑化することにより決定し、その目標出力の決定は、電源出力最大値(分散電源の定格値)と、現時点および1ステップ前の時間幅と、に基づいて制限変動量を求め、現時点の電源出力と1ステップ前の目標出力とを比較して、電源出力が目
    標出力より大きい場合には、目標出力に制限変動量を加えた値でかつ電源出力最大値を超えない値を現時点の目標出力とし、電源出力が目標出力より小さい場合には、目標出力から制限変動量を減じた値でかつ0を下回らない値を現時点の目標出力とすることに決定することにより行うとともに、電力貯蔵手段における電力貯蔵量が一方向にシフトすることを避けるための補正を行い、
    iii) 決定された目標出力が許容範囲内にあるか否かを判断し、
    iv) 目標出力がつねに許容範囲内にあれば、目標出力と電源出力とから最大充電量および最大放電量を算出し、それらの値より電力貯蔵手段の容量を決定する
    ことを特徴とする電力平滑化装置の設計方法。
  8. 決定された目標出力がつねに許容範囲内にあれば、目標出力と電源出力とから最大充放電速度を算出し、その速度を考慮して電力貯蔵手段の種類と容量を決定することを特徴とする請求項7に記載した電力平滑化装置の設計方法。
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