JP5001596B2 - 外壁パネル間防水構造および外壁パネル間防水施工方法 - Google Patents
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Description
上記課題に対し、外壁パネル間の防水として、一次防水部材をガスケットとし、二次防水にコーキングまたは発泡体(ゴム、EPDMなど)を用いるものが一般に採用されているが、この場合、長期的な防水信頼性に劣っていたし、また、コーキングする場合には、手間を要し、防水施工性に劣るものであった。
また、外壁パネル間防水構造としては、一次防水用部材としてガスケットを用い、二次防水用部材として薄板状の水切り材を用いたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
前記二次防水用部材は、前記隣接する外壁パネルの端部に沿ってそれぞれ設けられた合成樹脂製の第1水切り板材と第2水切り板材であり、かつ、両水切り板材は、接触力を持ちつつ板材同士を互いに重ね合わせて防水ラインを形成したことを特徴とする。
また、外壁パネル間防水構造を施工するにあたって、例えば、二次防水にコーキングを採用する場合には手間のかかるコーキング作業を要するし、二次防水にファスナー付きの防水シートを採用する場合には手間のかかるファスナー接合作業を要する。これに対し、二次防水部材として一対の水切り板材を採用したため、例えば、外壁パネルの端部に固定された一対の水切り板材を目地部隙間に押し込むだけの作業により、接触力を持ちつつ互いに重ね合わせることができるというように、短時間で手間を要することなく、防水施工を行うことができる。
この結果、外壁パネル間の防水信頼性向上と、外壁パネル間の防水施工性の向上と、の両立を図ることができる。
図1は実施例1の外壁パネル間防水構造を示す要部拡大断面図、図2は実施例1の外壁パネル間防水構造を示す断面図、図3は実施例1の外壁パネル間防水構造をユニット住宅の縦目地部隙間への適用状態を示す概略斜視図である。
なお、通常は、水切り板材を外面材相当品に断面L字状の鋼板に接着し、鋼板に接着した水切り板材を構造面材の角位置に取り付け、防水・防火ラインを形成する。しかし、実施例1の場合は、防止紙を介して構造面材12の角位置の段差面に両水切り板材3,4を接着固定することで、防水ラインのみを形成するようにしている。つまり、防火ラインは別手段による設定としている。
前記第1折り目31,41は、外壁パネル1,1の端部へ固定しただけの取り付け前の状態で、両水切り板材3,4を外壁パネル1,1の表面側に突出させ、この板材突出部分を前記目地部隙間Sに押し込むことで復元弾性力を生じさせるように、板材端部3A,4Aに対しほぼ直角の折り角θ1が付けられている。
前記第2折り目32,42と第3折り目33,43は、図1の仮想線および実線に示すように、外壁パネル1,1の端部へ固定しただけの取り付け前の状態から押し込みにより圧接重合による取り付け状態としたとき、前記目地部隙間Sの入り口部分に前記ガスケット2に対し抜き抵抗を与える断面三角形状の突部を形成するべく折り角θ3,θ4が付けられている。
前記第4折り目34,44は、図1の仮想線および実線に示すように、前記ガスケット2の両リップシール部2c,2dを包み込む形状を保持しながら互いに重なり合って断面V形状の防水ラインを形成する位置に折り角θ4が付けられている。
前記第5折り目35,45は、両水切り板材3,4の重合端部を前記目地部隙間Sの対向面に向かってそれぞれ押し付ける位置に折り角θ5が付けられている。
1Fと2Fとの目地部隙間位置に、合成樹脂製の折り目付き第1水切り板材3と折り目付き第2水切り板材4を、外壁パネル1,1の表面側に突出させながら隣接する外壁パネル1,1の端部に沿ってそれぞれ固定する(図4(a))。
ここで、縦方向の両水切り板材3,4は、接着部分のリケイ紙をはずしながらローラで転圧して貼り付ける。
妻外壁ユニット間に、横方向の壁下シート5と縦方向の壁下シートジョイント6を取り付けおく。そして、左右の壁下シートジョイント6を、ユニット間より外壁面へ引き出し、片方の外壁面上で、両方の粘着面を貼り合わせ、貼り合わせたシートを端から巻き込み、巻き込んだシートを、両水切り板材3,4の裏面側へ挿入し、外壁面に圧着させて固定する。つまり、壁下シートジョイント6の上に縦方向の両水切り板材3,4が200mm以上ラップし、その上にガスケット2がラップするように設定する。
1F部分における第1水切り板材3の外壁パネル1,1の表面側に突出する板材突出部分を、前記目地部隙間Sに押し込む(図4(b))。
1F部分における第2水切り板材4の外壁パネル1,1の表面側に突出する板材突出部分を、前記目地部隙間Sに押し込む(図4(c))。この場合、B部に示すように、第4折り目34,44による白い線が重なっていることを確認する。
2F壁下シート(下屋水切り)ジョイントを取り付ける。
2F部分における第1水切り板材3の外壁パネル1,1の表面側に突出する板材突出部分を、前記目地部隙間Sに押し込む(図4(b))。
2F部分における第2水切り板材4の外壁パネル1,1の表面側に突出する板材突出部分を、前記目地部隙間Sに押し込む(図4(c))。この場合、B部に示すように、第4折り目34,44による白い線が重なっていることを確認する。
第1水切り板材3と第2水切り板材4により、接触力を持ちつつ板材同士を互いに重ね合わせて形成された防水ラインに沿って、外壁パネル1,1の表面側からガスケット2を押し込む(図4(d))。このガスケット2の押し込みに際し、ガスケット2の化粧板部2Aに力を加え、外壁面に当たるまで押し込む(図4(e))。
なお、図5において符号7で示すものは実施例1の外壁パネル間防水構造の奥側の目地部隙間Sを埋める断熱材によるグラスウールで、気密材と防火材を兼用している。
ユニット住宅等の場合、隣接する外壁パネル間に設けられた目地部隙間からの雨水の浸入防止という課題に対し、外壁パネル間の防水として、一次防水部材をガスケットとし、二次防水にコーキングまたは発泡体(ゴム、EPDMなど)を用いるものが一般に採用されているが、この場合、長期的な防水信頼性に劣っていたし、また、コーキングする場合には、手間を要し、防水施工性に劣るものであった。
すなわち、二次防水部材として水切り板材を選択し、水切り板材の長所である防水施工性に優れる点をそのまま生かしつつ、水切り板材の欠点である二次防止性能を向上させることができれば、防水信頼性の向上と防水施工性の向上との両立を図ることができる点に着目し、二次防水用部材として、合成樹脂製の第1水切り板材3と第2水切り板材4を選択し、かつ、接触力を持ちつつ両水切り板材3,4同士を互いに重ね合わせて防水ラインを形成する構成を採用した。
つまり、シール性を低下させる水切り板材3,4の相対位置変化や変形があっても、水の浸入を阻止する高いシール性を維持することができる。
また、外壁パネル間防水構造を施工するにあたって、例えば、二次防水にコーキングを採用する場合には手間のかかるコーキング作業を要するし、二次防水にファスナー付きの防水シートを採用する場合には手間のかかるファスナー接合作業を要する。
これに対し、二次防水部材として一対の水切り板材3,4を採用したため、上記施工方法にて説明したように、一対の水切り板材3,4を目地部隙間Sに押し込むだけの作業で接触力を持ちつつ互いに重ね合わせることができるというように、短時間で手間を要することなく、防水施工を行うことができる。
第1折り目31,41は、板材端部3a,4aに対しほぼ直角の折り角θ1が付けられている。
この第1折り目31,41によって、図1の仮想線に示すように、外壁パネル1,1の端部へ固定しただけの取り付け前の状態で、両水切り板材3,4を外壁パネル1,1の表面側に突出させることができるとともに、この板材突出部分を前記目地部隙間Sに押し込むことで復元弾性力を生じさせることができる。
この復元弾性力の発生方向は、第1水切り部材3の場合は、図1の矢印Cに示すように、第5折り目35の部分および第5折り目35から先の部分を目地部隙間Sの対向面に押し付ける圧接力となり、圧接面間でのシール性を向上させる。また、第2水切り部材4の場合は、図1の矢印Dに示すように、第4折り目44から第5折り目45までの部分を第1水切り部材3の第3折り目33から第4折り目34までの面に押し付ける圧接力となり、圧接面間でのシール性を向上させる。
この第2折り目32,42と第3折り目33,43によって、図1の仮想線および実線に示すように、外壁パネル1,1の端部へ固定しただけの取り付け前の状態から押し込みにより圧接重合による取り付け状態としたとき、断面三角形状の突部を形成することができる。
この断面三角形状の突部が形成されることで、ガスケット2を押し込むときには、多少の抵抗とはなるが、この抵抗が作業者へ押し込み節度感を与えることになり、両リップシール部2c,2dを押し込み案内する。一方、ガスケット2の押し込み装着後は、図2に示すように、目地部隙間Sの入り口部分において、ガスケット2に対し抜き抵抗を与え、ガスケット2が飛び出さないようにストッパーの役目をする。
このように断面V形状の防水ラインを形成する位置が規定されることで、ガスケット2が押し込まれると、ガスケット2の両リップシール部2c,2dから与えられる復元変形力により第4折り目34,44を挟んだ両水切り板材3,4の形状が全体的に膨らんでV字状からU字状に変形する。つまり、図2に示すように、両リップシール部2c,2dによる内側から両水切り板材3,4へ加える圧接力により、両水切り板材3,4は、ガスケット2の両リップシール部2c,2dを包み込むような形状に変形し、これらの間で生じる接触力により、高いシール性を確保することができる。
実施例1の外壁パネル間防水構造および外壁パネル間防水施工方法にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
S 目地部隙間
1 外壁パネル
2 ガスケット
2a 化粧板部
2b 中央基部
2c 第1リップシール部
2d 第2リップシール部
2e 連結部
3 第1水切り板材
3a 板材端部
31 第1折り目
32 第2折り目
33 第3折り目
34 第4折り目
35 第5折り目
4 第2水切り板材
4a 板材端部
41 第1折り目
42 第2折り目
43 第3折り目
44 第4折り目
45 第5折り目
Claims (7)
- 隣接する外壁パネル間に形成される目地部隙間に、一次防水用のガスケットが前記外壁パネルの表面側からの押し込みにより取り付けられ、このガスケットの裏面側に二次防水用部材を備えた外壁パネル間防水構造において、
前記二次防水用部材は、前記隣接する外壁パネルの端部に沿ってそれぞれ設けられた合成樹脂製の第1水切り板材と第2水切り板材であり、かつ、両水切り板材は、これら板材同士を互いに重ね合わせて防水ラインを形成するとともに、これら板材同士の奥行き方向の重ね部は、前記外壁パネルの端面と前記ガスケットの側面との間にそれぞれ挟まれていることを特徴とする外壁パネル間防水構造。 - 請求項1に記載された外壁パネル間防水構造において、
前記第1水切り板材と第2水切り板材は、外壁パネルの端部へ固定しただけの取り付け前の状態で、両水切り板材を外壁パネルの表面側に突出させ、この板材突出部分を前記目地部隙間に押し込むことで復元弾性力を生じさせる第1折り目を有することを特徴とする外壁パネル間防水構造。 - 請求項2に記載された外壁パネル間防水構造において、
前記第1水切り板材と第2水切り板材は、圧接重合による取り付け状態で、前記目地部隙間の入り口部分に前記ガスケットに対し抜き抵抗を与える突部を形成する第2折り目と第3折り目を有することを特徴とする外壁パネル間防水構造。 - 請求項2または請求項3に記載された外壁パネル間防水構造において、
前記ガスケットは、表面側の化粧板部と、該化粧板部の中央部から裏面側に延出する中央基部と、該中央基部の両側からそれぞれ突出する第1リップシール部および第2リップシール部と、を有し、
前記第1水切り板材と第2水切り板材は、前記ガスケットの両リップシール部を包み込む形状を保持しながら互いに重なり合って断面V形状の防水ラインを形成する第4折り目を有することを特徴とする外壁パネル間防水構造。 - 請求項2乃至4の何れか1項に記載された外壁パネル間防水構造において、
前記第1水切り板材と第2水切り板材は、断面V形状の防水ラインを形成する両水切り板材の重合端部を前記目地部隙間の対向面に向かってそれぞれ押し付ける第5折り目を有することを特徴とする外壁パネル間防水構造。 - 請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載された外壁パネル間防水構造において、
前記一次防水部材としてのガスケットと、前記二次防水部材としての第1水切り板材および第2水切り板材とは、住宅の縦方向に形成された目地部隙間に沿って上端から下端まで装着されていることを特徴とする外壁パネル間防水構造。 - 合成樹脂製の折り目付き第1水切り板材と折り目付き第2水切り板材を、外壁パネルの表面側に突出させながら隣接する外壁パネルの端部に沿ってそれぞれ固定する板材固定工程と、
前記第1水切り板材の外壁パネルの表面側に突出する板材突出部分を、前記目地部隙間に押し込む第1水切り板材押し込み工程と、
前記第2水切り板材の外壁パネルの表面側に突出する板材突出部分を、前記目地部隙間に押し込む第2水切り板材押し込み工程と、
第1水切り板材と第2水切り板材により、これら板材同士を互いに重ね合わせて形成された断面V形状の防水ラインに沿って、前記外壁パネルの表面側からガスケットを押し込み、これら板材同士の奥行き方向の重ね部を、前記外壁パネルの端面と前記ガスケットの側面との間にそれぞれ挟み込むガスケット押し込み工程と、
を備えたことを特徴とする外壁パネル間防水施工方法。
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JP2006198360A JP5001596B2 (ja) | 2006-07-20 | 2006-07-20 | 外壁パネル間防水構造および外壁パネル間防水施工方法 |
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