JPH06322848A

JPH06322848A - 外壁縦目地の防水構造

Info

Publication number: JPH06322848A
Application number: JP10922393A
Authority: JP
Inventors: Masanori Morita; 賢範森田
Original assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Current assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date: 1993-05-11
Filing date: 1993-05-11
Publication date: 1994-11-22

Abstract

(57)【要約】【目的】簡易かつ迅速に施工できると共に、激しい風
雨に対しても、完全かつ確実に防水を達成できるように
する。【構成】壁パネル４ａと隣の壁パネル４ｂとの間に生
じる外壁縦目地Ｍの防水構造であって、目地隙間Ｇを隔
てて、互いに向かい合う、壁パネル４ａの垂直小口面
と、隣の壁パネル４ｂの垂直小口面とに、ブチルゴム５
ａ，５ｂを介して、一対の薄板状の水切り材６ａ，６ｂ
が粘着固定されている。これら一対の水切り材６ａ，６
ｂは、それぞれの屋内側の所定の位置にて互いに向かい
合う側にかつ屋外側に向けて折曲状態に癖付けされるこ
とで形成された合わせ片６２ａ，６２ｂを持つ。一対の
水切り材６ａ，６ｂの間にガスケット７が屋外側から圧
入されていて、ガスケット７の屋内側先端に設けられた
挟持片７４ｂ，７４ｂにより合わせ片６２ａ，６２ｂが
挟持されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、壁材又は壁パネルと
隣の壁材又は壁パネルとの間の隙間を塞いで防水するた
めの外壁縦目地の防水構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】壁材又は壁パネルを複数枚並べて建物の
壁部分に取り付けると、壁材又は壁パネルと隣の壁材又
は壁パネルとの間に縦目地と称する隙間が生じる。この
ような隙間（以下、他の隙間と区別するために、目地隙
間という）をそのままに放置していると、この目地隙間
から雨水が浸入し、室内が濡れたり、また、寒期におい
ては、浸入した雨水が壁内の微小な隙間の中で凍結膨張
して、隙間を広げ、壁材又は壁パネルを破砕する等のい
わゆる凍害が発生する。そこで、従来から、目地隙間を
防水するための工夫が数多くなされているが、目地隙間
に屋外側からガスケット（目地材）を挿入する、いわゆ
る乾式の防水構造が、セメントモルタル等を塗り込む、
いわゆる湿式の防水構造よりは、施工が簡単であり、施
工後、乾燥してひび割れ等がないため、広く採用されて
いる。乾式の防水構造としては、例えば、特開平３−２
６０２４０号公報に記載されているように、ユニット建
物を組立施工する際に、壁パネルと、隣の壁パネルとの
間に生じる目地隙間をファスナー付きの防水シートで塞
ぎ、さらに、外側からガスケットを挿入して防水する方
式のものが知られている。

【０００３】図５は上記公報記載の防水構造を示し、こ
の防水構造を得るには、まず、噛合片がゴムで被覆され
ているファスナー１１ａ，１１ｂを防水シート１ａ，１
ｂの長手側の一側縁部に取り付ける。次に、工場におい
て、防水シート１ａ，１ｂの他方の側縁部を壁パネル２
ａ，２ｂの最外側の縦枠２１ａ，２１ｂの屋外側側面に
接着すると共に、この縦枠２１ａ，２１ｂと壁パネル２
ａ，２ｂの屋外側の面材２２ａ，２２ｂとで挟着するこ
とにより、ファスナー１１ａ，１１ｂの付いた防水シー
ト１ａ，１ｂを壁パネル２ａ，２ｂの垂直小口面に取り
付ける。そして、これら壁パネル２ａ，２ｂを、それぞ
れの床パネルの側縁に沿って立設することにより、相互
に隣接関係を有する建物ユニットを生産する。次に、こ
れら生産された建物ユニットを建築現場に輸送して、基
礎の上に隣接配置する。このとき、一方の建物ユニット
の壁パネル２ａと、隣の建物ユニットの壁パネル２ｂと
の間に、目地隙間Ｇが生じる。そこで、まず、目地
隙間Ｇから一対の防水シート１ａ，１ｂを引き出し、
互いのファスナー１１ａ，１１ｂを噛み合わせて両者
を接合する。次いで、接合によって一体化された防
水シート１ａ，１ｂを再びそれぞれの目地隙間Ｇへ挿入
し、この後、ガスケット３を目地隙間Ｇへ屋外側か
ら圧入する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の防水方式において必須の要件とされる、防
水シート１ａ，１ｂを目地隙間Ｇから引き出す作業、
ファスナー１１ａ，１１ｂを噛み合わせる作業、防
水シート１ａ，１ｂを目地隙間Ｇへ再挿入する作業等
は、いずれも大変煩雑な作業である。また、壁パネルの
垂直小口面は、建物の外からは見えず、建物の美的外観
を構成しないため、不陸のままとされることが多く、加
えて、表面塗装時に付着した塗液の飛沫が固化して、凸
部や凹部が形成されている。それ故、目地隙間に挿入さ
れたガスケットと垂直小口面との間には、小さな隙間が
散在し、激しい風雨の際には、この隙間から風雨が進入
して、防水シートを膨らませ、これにより、ファスナー
の噛合が緩んで雨水が進入する畏れがあった。また、図
６に示すように、面材２２ｃ，２２ｄの端部が、最外側
の縦枠２１ｃ，２１ｄの側面側にまで回り込んでいる構
造の壁パネル２ｃ，２ｄの場合には、目地隙間ｇから防
水シートを引き出す作業等は実際上困難であり、上記公
報記載の方式を適用することは不可能であった。

【０００５】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、簡易かつ迅速に施工できると共に、屋外側の面
材の端部が最外側の縦枠の側面側にまで回り込んでいる
構造の壁パネル間にも適用でき、しかも激しい風雨に対
しても、完全確実に防水を達成することができる外壁縦
目地の防水構造を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１記載の外壁縦目地の防水構造は、上記隙間
を隔てて互いに向かい合う、上記壁材又は壁パネルの垂
直小口面、及び上記隣の壁材又は壁パネルの垂直小口面
に、一対のフィルム状の水切り材が設けられ、これら一
対の水切り材は、それぞれの屋内側の所定の位置にて互
いに向かい合う側にかつ屋外側に向けて折曲状態又は湾
曲状態に癖付けされることで形成された合わせ片を備
え、これら一対の水切り材の間には、屋内側の側面に縦
に延びる溝部を有するガスケットが屋外側から圧入さ
れ、しかも上記両合わせ片の少なくとも屋外側先端部が
上記溝部内に挿入され、かつ、上記溝部の両縁から突設
される一対の挟持片によって挟持されていることを特徴
としている。

【０００７】また、請求項２記載の外壁縦目地の防水構
造は、上記一対の挟持片が、上記溝部の両縁から、互い
に近接すると共に、溝底の方向に向かう状態に突設され
ていることを特徴としている。

【０００８】また、請求項３記載の外壁縦目地の防水構
造は、上記各水切り材と、上記壁材又は壁パネルの対応
する垂直小口面との間には、防水層が設けられているこ
とを特徴としている。

【０００９】

【作用】この発明の構成において、各水切り材は、予め
工場において、例えば、壁パネルの垂直小口面に取付固
定される。この壁パネルは、床パネルの側縁に立設され
ることにより、建物ユニットを構成する。建築現場にお
いて、複数の建物ユニットが基礎の上に相互に隣接配置
されることにより、上記壁パネルが並べられて縦目地が
形成される。このとき、目地隙間内において、両側の水
切片の合わせ片同士が互いに接触し、目地隙間を閉ざ
す。この後、上記ガスケットが目地隙間に屋外側から挿
入される。ガスケットは、各水切り材の合わせ片の少な
くとも先端部が溝部内に入り込むまで、目地隙間に圧入
される。そして、ガスケットが目地隙間に圧入されるこ
とにより、ガスケットの弾力で水切り材と壁パネルの垂
直小口面との間に散在する隙間がシールされる。また、
ガスケットの溝部内に両水切り材の合わせ片の少なくと
も先端部が収容され、かつ溝部の両挟持片により合わせ
片が挟まれるので、合わせ片周辺もシールされる。ま
た、水切り材の合わせ片は、フィルム部材を折曲状態又
は湾曲状態に癖付けすることにより形成されたものであ
り、この癖は経時的に解かれるので、両合わせ片は日を
追って互いに密着状態になる。それ故、合わせ片周辺
は、日を追う毎に、確実にシールされてゆく。

【００１０】なお、上記ガスケットにおいて、上記溝部
の両挟持片を、溝底の方向に向かう状態に設けるように
すれば、合わせ片が溝部に挿入され易くなる一方、溝部
から離脱しにくくなる。また、水切り材と、壁パネル等
の対応する垂直小口面との間に、防水層を設けるように
すれば、ガスケットの弾力が一段と効果的となるので、
好ましい。防水層の設置の例としては、例えば、水切り
材を、防水性粘着材を介して、壁パネル等の垂直小口面
に粘着固定する場合が挙げられる。

【００１１】

【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて説明する。図１は、この発明の一実施例である外壁
縦目地の防水構造を示す水平断面図、図２は、同防水構
造に適用される水切り材の取付状態を示す斜視図、ま
た、図３は、同防水構造の施工手順を示す水平断面図で
ある。図１において、符号Ｍは、この例の防水構造が適
用される外壁縦目地を示し、この外壁縦目地Ｍは、ユニ
ット建物を組み立てる際に、基礎等の上に据え付けらた
建物ユニットの壁パネル４ａと、その隣に据え付けられ
た建物ユニットの壁パネル４ｂとの間に生じる。上記建
物ユニットは、建物の床部分となる方形の床パネルの側
縁に壁パネルを立設することにより運搬可能な所定の大
きさの箱形のものとし構成され、上記壁パネルは、上
枠、下枠及び複数の縦枠によって組み立てられた壁枠組
の内外両側に石膏ボードや木片セメント板等の面材を取
り付けることによって耐力壁として構成されている。

【００１２】上記外壁縦目地Ｍには、２つの壁パネル４
ａ，４ｂが、垂直小口面間を１０ｍｍ〜２０ｍｍ隔てた
状態で、並べて配置されることにより、幅１０ｍｍ〜２
０ｍｍの目地隙間Ｇが形成されている。ここで、各壁パ
ネル４ａ，４ｂの垂直小口面は、最外側の縦枠４１ａ，
４１ｂの側面と屋外側の面材４２ａ，４２ｂの垂直小口
面とによって概略構成され、面材４２ａ，４２ｂの外表
面には、防水塗装４３ａ，４３ｂが施されている。上記
目地隙間Ｇは、一対のブチルゴム膜５ａ，５ｂと、一対
の水切り材６ａ，６ｂと、ガスケット７とによって、閉
塞され、止水されている。上記ブチルゴム膜５ａ，５ｂ
は、自己粘着力を有し、かつ防水性に富む軟質ゴムであ
り、厚さ略２ｍｍ、横幅略２０ｍｍの帯状のものとして
形成され、目地隙間Ｇを画成する面材４２ａ，４２ｂの
相対向する垂直小口面に、上端から下端に亘って取り付
けられている。

【００１３】上記水切り材６ａ，６ｂは、それぞれ、厚
さ略０．３ｍｍ、横幅略８５ｍｍの帯状の例えばポリプ
ロピレンフィルムからなり、横幅略２０ｍｍの屋外側側
縁部６１ａ，６１ｂがブチルゴム膜５ａ，５ｂを介し
て、それぞれの面材４２ａ，４２ｂの垂直小口面に、上
端から下端に亘って均一に粘着固定され、さらに、屋外
側側端縁から幅略５５ｍｍの位置にて、互いに向かい合
う側にかつ屋外側に向けて折曲状態に癖付けされること
で形成され、その結果、互いに当接状態に配設された幅
略３０ｍｍの合わせ片６２ａ，６２ｂを備えている。こ
こで、各水切り材６ａ，６ｂの折曲部分は、断面Ｖ字状
ないしはＵ字状に湾曲され、万が一、雨水が内部に進入
した場合に、雨水がさらに先へ進むのを阻止するための
水切り部６３ａ，６３ｂとされている。

【００１４】なお、水切り材６ａ，６ｂの材質として、
ポリプロピレンフィルムを用いるようにしたのは、ポリ
プロピレンには、耐候性やヒンジ性等に優れることに加
えて、自身に強制的に付けられた癖を経時的に解除しよ
うとする性質があるからである。このポリプロピレンフ
ィルムの持つ経時的癖解除力の作用により、両合わせ片
６２ａ，６２ｂは、経時的に押し合いを強めることな
り、この結果、両合わせ片は時の経過に伴って密着状態
で安定する。

【００１５】また、上記ガスケット７は、ＥＰＤＭ（エ
チレン−プロピレン−ジエン−ターポリマ）等の合成ゴ
ム系成形材料を押出成形して、耐候性、弾力性、防水性
に優れる縦目地材として得られ、このガスケット７は、
目地隙間Ｇよりも広幅で、縦目地Ｍを覆い隠す表面部７
１と、表面部７１の裏面中央から垂直に突設され、目地
隙間Ｇに挿入される基部７２と、この基部７２の両側面
から外方に突出する複数のひれ部７３，７３，…と、基
部７２の先端に設けられた挟持部７４とからなってい
る。上記ひれ部７３，７３，…は、基部７２に伴って目
地隙間Ｇに圧入され、水切り材６ａ，６ｂの屋外側側縁
部６１ａ，６１ｂとブチルゴム膜５ａ，５ｂとを面材４
２ａ，４２ｂの垂直小口面に押しつける作用をする。こ
の作用により、面材４２ａ，４２ｂの垂直小口面とブチ
ルゴム膜５ａ，５ｂ、ブチルゴム膜５ａ，５ｂと水切り
材６ａ，６ｂの屋外側側縁部６１ａ，６１ｂ、及び水切
り材６ａ，６ｂの屋外側側縁部６１ａ，６１ｂとひれ部
７３，７３，…とが、それぞれ、互いに密着状態にさ
れ、これらの間が止水されるようになされている。

【００１６】また、上記挟持部７４は、屋内側側面に縦
に延びる深い溝部７４ａを有し、この溝部７４ａの両上
縁から、相互に近接する方向に、かつ溝底に向かう方向
に突出する一対の挟持片７４ｂ，７４ｂによって、所定
幅のスリット７４ｃが形成されている。このスリット７
４ｃを経由して、水切り材６ａ，６ｂの合わせ片６２
ａ，６２ｂの先端部が、溝部７４ａに挿入され、一対の
挟持片７４ｂ，７４ｂによって、挟持されている。それ
故、合わせ片６２ａ，６２ｂは、ポリプロピレンフィル
ムの持つ経時的癖解除力が、作用しなくなった場合で
も、密着状態を維持し得るようになっている。なお、両
挟持片７４ｂ，７４ｂを、溝底の方向に向かう状態に設
けることとしたのは、合わせ片６２ａ，６２ｂが溝部７
４ａに挿入され易くする一方、溝部７４ａから離脱しに
くくするためである。

【００１７】次に、この例の防水構造の施工手順につい
て説明する。まず、工場において、床パネルの側縁に複
数枚の壁パネル４ａ（４ｂ），…を立設して略箱形の建
物ユニットを必要個数形成した後に、図２に示すよう
に、外壁となる壁パネル４ａ（４ｂ）の屋外側の垂直小
口面に、ブチルゴム５ａ（５ｂ）を自己粘着させて貼着
し、さらに、ブチルゴム５ａ（５ｂ）の表面に水切り材
６ａ（６ｂ）の屋外側側縁部６１ａ（６１ｂ）を押し当
てて、壁パネル４ａ（４ｂ）の垂直小口面に水切り材６
ａ（６ｂ）を取り付ける。水切り材６ａ（６ｂ）の取付
後、壁パネル４ａ（４ｂ）の保管期間が長い場合には、
上記水切り材６ａ（６ｂ）の折曲状態（癖付け）が徐々
に解除される畏れがある。そこで、例えば、仮着フィル
ムの助けを借りて、合わせ片６２ａ（６２ｂ）の先端と
屋外側側縁部６１ａ（６１ｂ）とを連結して、上記水切
り材６ａ（６ｂ）の折曲状態を維持するようにする。

【００１８】上記建物ユニットは、建築現場に輸送され
て、仮着フィルムを除去した後、基礎の上に据え付けら
れてユニット建物を構成する。このとき、相隣る建物ユ
ニット間には、図３に示すように、目地隙間Ｇが形成さ
れ、形成された目地隙間Ｇ内において、両水切り材６
ａ，６ｂの合わせ片６２ａ，６２ｂが、これらの先端部
を屋外側に向けて互いに密着させられた状態になってい
る。そこで、目地隙間Ｇへ、同図に示すように、外側か
らガスケット７を、その溝部７４ａ内にスリット７４ｃ
を経由して水切り材６ａ，６ｂの合わせ片６２ａ，６２
ｂが入り込むようにして、圧入する。そして、ガスケッ
ト７の表面部７１が目地隙間Ｇの両縁に突き当たった段
階で圧入操作を止める。

【００１９】このように、この例の防水構造によれば、
建築現場においては、ガスケット７の挿入作業のみで防
水施工が完了するので、施工が非常に簡易かつ迅速とな
る。また、図４に示すように、面材４２ｃ，４２ｄの端
部が縦枠４１ｃ，４１ｄの側面側にまで回り込んでいる
構造の壁パネル４ｃ，４ｄ間の目地隙間ｇにも適用でき
る。また、壁パネル４ａ，４ｂ（面材４２ａ，４２ｂ）
の垂直小口面が不陸であるために、ブチルゴム膜５ａ，
５ｂと垂直小口面との間、又は水切り材６ａ，６ｂとブ
チルゴム膜５ａ，５ｂとの間に浮き上がりや隙間等の非
密着領域が散在する場合でも、水切り材６ａ，６ｂ及び
ブチルゴム膜５ａ，５ｂが、屋外側から挿入されるガス
ケット７のひれ部７３，７３，…の弾力により押圧され
るので、非密着領域も密着領域に移行して、浮き上がり
や隙間は完全に閉塞される。

【００２０】また、両水切り材６ａ，６ｂの合わせ片６
２ａ，６２ｂが有する上述した経時的密着移行性に加え
て、ガスケット７の溝部７４ａ内に両合わせ片６２ａ，
６２ｂの少なくとも先端部が収容され、かつ溝部７４ａ
の両挟持片７４ｂ，７４ｂにより合わせ片６２ａ，６２
ｂが挟まれるので、合わせ片周辺も確実にシールされ
る。さらに、ガスケット７に欠陥があるため、ガスケッ
ト７と水切り材６ａ，６ｂとの間に、万が一、隙間が生
じても、屋外側に折り返された水切り部６３ａ，６３ｂ
によって、その部位から先への雨水の進入は阻止され
る。それ故、全体として、完全かつ確実に防水を達成す
ることができる。

【００２１】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、ガスケッ
ト７の成形材料としては、ＥＰＤＭに限らず、他の合成
ゴム、天然ゴムを用いても良く、軟質ウレタン樹脂、軟
質塩化ビニル樹脂、アクリル酸樹脂等の軟質合成樹脂等
を用いても良い。また、ブチルゴム膜５ａ，５ｂに代え
てアクリル系粘着部材を用いるようにしても良い。ま
た、水切り材６ａ，６ｂを形成する際のポリプロピレン
フィルムに対する癖付けは、熱的であると、機械的であ
るとを問わない。なお、目地隙間Ｇが比較的広幅な場合
には、外壁縦目地Ｍが形成された後に、ブチルゴム膜５
ａ，５ｂ、水切り材６ａ，６ｂ等を取付固定することも
可能である。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、この発明の外壁縦
目地の防水構造によれば、上記従来の防水構造において
は必要とされる、一対の水切り材（防水シート）を
目地隙間から引き出して、ファスナーでこれら水切
り材を接合した後、再び、水切り材を目地隙間へ挿
入する等の煩雑な作業が不要となるのに加えて、壁パネ
ル等の垂直小口面の不陸が、水切り材の貼着により緩和
され、この結果、ガスケットを目地隙間内に円滑に挿入
できるようになるので、防水施工を簡易かつ迅速に行う
ことができる。また、屋外側の面材の端部が縦枠の側面
側にまで回り込んでいる構造の壁パネル間の目地隙間
（図６）にも、水切り材を容易に装着できると共に、確
実にシールすることもできる。また、ガスケットの一部
に欠陥があるため、ガスケットと水切り材との間に、万
が一、隙間が生じても、水切り材が折り返された上で、
合わせ片が、ガスケットの溝部内に収容されているの
で、その部位から先への雨水の進入は阻止される。この
場合において、激しい風雨の時には、水切材の折り返し
部分に大きな風圧が作用し、折り返し部分を膨らませよ
うとする。この結果、合わせ片同士が互いに押し合いを
行うので、両者間の隙間が一段と緊密に閉ざされる。そ
れ故、激しい風雨の時ほど、完全かつ確実に防水を達成
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例である外壁縦目地の防水構
造を示す水平断面図である。

【図２】同防水構造に適用される水切り材の取付状態を
示す斜視図である。

【図３】同防水構造の施工手順を示す水平断面図であ
る。

【図４】同防水構造の変形例を示す水平断面図である。

【図５】従来における外壁縦目地の防水構造を示す水平
断面図である。

【図６】同外壁縦目地の変形例を示す水平断面図であ
る。

【符号の説明】

Ｍ外壁縦目地Ｇ，ｇ目地隙間（隙間）４ａ壁パネル（壁材又は壁パネル）４ｂ隣の壁パネル（隣の壁材又は壁パネル）５ａ，５ｂブチルゴム膜（防水層）６ａ，６ｂ水切り材６２ａ，６２ｂ合わせ片７ガスケット７４ａ溝部７４ｂ挟持片

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】壁材又は壁パネルと隣の壁材又は壁パネ
ルとの間の隙間を塞いで防水するための外壁縦目地の防
水構造であって、前記隙間を隔てて互いに向かい合う、前記壁材又は壁パ
ネルの垂直小口面、及び前記隣の壁材又は壁パネルの垂
直小口面に、一対のフィルム状の水切り材が設けられ、これら一対の水切り材は、それぞれの屋内側の所定の位
置にて互いに向かい合う側にかつ屋外側に向けて折曲状
態又は湾曲状態に癖付けされることで形成された合わせ
片を備え、これら一対の水切り材の間には、屋内側の側面に縦に延
びる溝部を有するガスケットが屋外側から圧入され、し
かも前記両合わせ片の少なくとも屋外側先端部が前記溝
部内に挿入され、かつ、前記溝部の両縁から突設される
一対の挟持片によって挟持されていることを特徴とする
外壁縦目地の防水構造。
【請求項２】前記一対の挟持片は、前記溝部の両縁か
ら、互いに近接すると共に、溝底の方向に向かう状態に
突設されていることを特徴とする請求項１記載の外壁縦
目地の防水構造
【請求項３】前記各水切り材と、前記壁材又は壁パネ
ルの対応する垂直小口面との間には、防水層が設けられ
ていることを特徴とする請求項１又は２記載の外壁縦目
地の防水構造。