JP4999574B2 - 重合性組成物及び重合体 - Google Patents

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本発明は、ジシクロヘキシル基をメソゲン基とする化合物と、2官能の(メタ)アクリル基を有する重合性化合物とからなる重合性組成物に関する。該重合性組成物は、良好な配向制御及び選択反射波長帯域が広いといった優れた効果を奏し、該重合性組成物を光重合してなる重合体は、配向が均一で、着色が無く透明性に優れたものとして、位相差フィルム、偏光板、光偏光プリズム、ディスプレイ用の光学フィルム等の光学材料として有用なものである。
液晶物質はTN型やSTN型に代表されるディスプレイ表示等の液晶分子の可逆的運動を利用した表示媒体への応用以外にも、その配向性と屈折率、誘電率、磁化率、弾性率、熱膨張率等の物理的性質の異方性を利用して、位相差板、偏光板、光偏光プリズム、輝度向上フィルム、ローパス・フィルター、各種光フィルター等の光学材料への応用が検討されている。
特に、液晶ポリマー又は重合性液晶化合物と光学活性化合物とを併用してなる組成物を、コレステリック配向させて得られる液晶配向フィルムは、選択反射特性を有し、ディスプレイ表示素子の発光効率を改善する選択反射フィルムとして検討が進められている。
上記選択反射特性の選択反射中心波長(λ)は、λ=n×p(式中、nは平均屈折率、pはピッチ長)で表され、また選択反射波長帯域(Δλ)は、Δλ=Δn×p(式中、Δnは光学(屈折率)異方性)で表される。従って、選択反射波長帯域(Δλ)は、Δλ=Δn×p=Δn/n×λと表され、選択反射波長帯域(Δλ)は、材料のΔn/nによって決まる。
通常、一層の選択反射波長フィルムによる選択反射波長帯域(Δλ)は、可視光領域よりも狭いため、選択反射フィルムは複数積層されて用いられている。もし、選択反射帯域(Δλ)が広くなれば、積層数が少なくなって生産性が向上し、透明性が向上する利点等が得られるため、選択反射波長帯域(Δλ)の広い材料、即ちΔn/nの大きな材料が求められている。
特許文献1に提案されているように、Δn/nが大である従来公知の重合性化合物は、Δnが高いが、一般に融点が高く液晶相発現温度が高い為に、該化合物を含有する組成物は、溶媒溶解性や塗工性が乏しく製膜制御や配向制御が困難であった。また従来公知の高Δn重合性化合物は、その吸収光帯域が可視光領域に及んで着色の問題がある為、長波長側に吸収を有する特殊なラジカル開始剤を併用する必要があると同時に該化合物を使用して作製したフィルムは着色し透過率が悪化する。このため、使用に供しうる選択反射フィルムを簡便に得られないという問題があった。
特開2002−308832号公報
従って、本発明の目的は、Δn/nが大きく、配向制御や光学特性に優れる重合性組成物を提供することにある。
本発明(請求項1記載の発明)は、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される重合性化合物を含んでなり、下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される重合性化合物との合計量を100質量部としたとき、下記一般式(1)で表される化合物の比率が10〜40質量部である重合性組成物を提供することにより、上記目的を達成したものである。
Figure 0004999574
(一般式(1)中、X1及びX2は、各々独立に、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基又は分岐を有してもよい炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、該アルキル基中の−CH2−は−O−、−CO−、−CO−O−又は−O−CO−で置換されていてもよく、一般式(1)中のシクロヘキサン環は何れもトランス体を表す。)
Figure 0004999574
(一般式(2)中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子又はメチル基を表し、環A、B及びCは、各々独立に、ベンゼン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、ナフタレン環、デカヒドロナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環又はフェナントレン環を表し、これらの環は、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基で置換されていてもよく、該アルキル基又は該アルコキシ基中の−CH2−は、−O−、−CO−、―CO−O―又は−O−CO−で置換されていてもよく、環Bは必ず上記の置換基を有する。L1、L2、L3及びL4は、各々独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、不飽和結合を有してもよく分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキレン基、又はこれらの組み合わせからなる構造を表す。)
また、本発明(請求項2記載の発明)は、上記一般式(1)中のX1又はX2の何れかが、CH2=C(R3)−又はC(R4)=C(R5)−の構造(但し、式中、R3、R4及びR5は、水素原子又はメチル基の何れかを表す。)を含む請求項1記載の重合性組成物を提供するものである。
また、本発明(請求項記載の発明)は、上記一般式(2)中の環A及びCの少なくとも一つが、縮合環である請求項1又は2に記載の重合性組成物を提供するものである。
また、本発明(請求項記載の発明)は、上記一般式(2)中のL2及びL3が、−CO−O−及び−O−CO−から選択される請求項1〜の何れか項に記載の重合性組成物を提供するものである。
また、本発明(請求項記載の発明)は、さらに光学活性化合物を含んでなる請求項1〜の何れか1項に記載の重合性組成物を提供するものである。
また、本発明(請求項記載の発明)は、請求項1〜の何れか1項に記載の重合性組成物を光重合させることにより作製された重合体を提供するものである。
また、本発明(請求項記載の発明)は、波長350〜800nmの範囲内で選択反射色を有する請求項記載の重合体を提供するものである。
また、本発明(請求項記載の発明)は、請求項又は記載の重合体を使用してなるディスプレイ用光学フィルムを提供するものである。
本発明の重合性組成物は配向制御に優れる。該重合性組成物を液晶状態で配向制御して光重合させることにより作製された本発明の重合体は、選択反射波長帯域(Δλ)が広く、配向制御性及び光学特性に優れ、着色のない光学材料として有用である。
以下、本発明の重合性組成物及び該重合組成物を光重合させることにより作製される本発明の重合体について、その好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
先ず、本発明の重合性組成物について説明する。
本発明の重合性組成物は、液晶化合物である、上記一般式(1)で表される化合物及び上記一般式(2)で表される重合性化合物を含んでなる組成物である。
上記一般式(1)中のX1及びX2で表される分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル等が挙げられる。該アルキル基中の−CH2−は、−O−、−CO−、−CO−O−又は−O−CO−で置換されていても良い。
上記一般式(1)中のX1及びX2で表される分岐を有してもよい炭素原子数2〜8のアルケニル基としては、例えば、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、オクテニル等が挙げられる
上記一般式(2)中のL1、L2、L3及びL4で表される不飽和結合を有してもよく分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、1,3−ジメチルプロピレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、3−メチルブチレン、4−メチルブチレン、2,4−ジメチルブチレン、1,3−ジメチルブチレン、ペンチレン、へキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、エタン−1,1−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、ブタン−1,2−ジイル、ブタン−2,3−ジイル、ブテニレン、イソブテニレン、ヘキセニレン等が挙げられる。
上記一般式(2)中の環A、B及びCを置換する分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ペンチル、ヘキシル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、ヘプチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル又は2−エチルヘキシル等が挙げられる。該アルキル基中の−CH2−は、−O−、−CO−、−CO−O−又は−O−CO−で置換されていても良い。
上記一般式(2)中の環A、B及びCを置換する分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基としては、例えば、メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、第三アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、第三ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、第三オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ等が挙げられる。該アルコキシ基中の−CH2−は、−O−、−CO−、−CO−O−又は−O−CO−で置換されていても良い。
上記一般式(2)中の環A、B及びCを置換するハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が挙げられる。
上記一般式(1)で表される化合物の具体的な構造としては、下記化合物No.1−1〜1−6,1-10及び1−12が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により制限を受けるものではない。尚、化合物No.1−7〜1−9,1−11、1-13〜1−26は参考化合物である。
Figure 0004999574
Figure 0004999574
上記一般式(2)で表される重合性化合物の具体的な構造としては、下記化合物No.2−1〜2−78が挙げられる。ただし、本発明は以下の重合性化合物により制限を受けるものではない。
Figure 0004999574
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本発明の重合性組成物において、上記一般式(1)中のX1又はX2の何れかが、CH2=C(R3)−又はC(R4)=C(R5)−の構造(但し、式中、R3、R4及びR5は、水素原子又はメチル基の何れかを表す。)を含む化合物は、液晶性、溶媒溶解性及び液晶化合物との相溶性に優れるため好ましい。
本発明の重合性組成物において、上記一般式(2)中の環A及び環Cの少なくとも一つが縮合環である重合性化合物は、光学屈折率異方性が高いため好ましい。尚、縮合環としては、ナフタレン環、デカヒドロナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環又はフェナントレン環が挙げられる。
また、上記一般式(2)中のL2及びL3が、−CO−O−又は−O−CO−から選択される重合性化合物は、溶媒溶解性に優れ、液晶相発現温度範囲が広いため特に好ましい。
本発明の重合性組成物において、上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される重合性化合物との合計量を100質量部としたとき、上記一般式(1)で表される化合物の比率は、10〜40質量部となる。本発明に係る上記一般式(1)で表される化合物の比率が10質量部より少ないと、本発明の効果が得られない場合があり、40質量部より多いと、重合体の膜表面に白化が現れる場合がある。
本発明の重合性組成物には、通常一般に使用される他の液晶化合物を使用することができ、該他の液晶化合物の具体例としては、特に制限するものではないが、例えば、下記〔化14〕に示す液晶化合物等が挙げられる。
尚、〔化14〕中のW1は水素原子、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基、分岐を有してもよい炭素原子数2〜8のアルケニル基、分岐を有してもよい炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基、分岐を有してもよい炭素原子数2〜8のアルコキシアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数2〜8のアルカノイルオキシ基又は分岐を有してもよい炭素原子数2〜8のアルコキシカルボニル基を表し、W3はシアノ基、ハロゲン原子、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数2〜8のアルカノイルオキシ基又は分岐を有してもよい炭素原子数2〜8のアルコキシカルボニル基を表し、W2及びW4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又はニトリル基を表す。
Figure 0004999574
また、上記他の液晶化合物として、重合性官能基を有する液晶化合物を使用してもよく、該重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基、フルオロアクリル基、クロロアクリル基、トリフルオロメチルアクリル基、オキシラン環(エポキシ)、オキセタン環、スチレン化合物(スチリル基)、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルケトン基、マレイミド基、フェニルマレイミド基等が好ましい。該重合性官能基を有する液晶化合物としては、通常一般に使用されるものを用いることができ、その具体例としては、特に制限するものではないが、特開2005−15473号公報明細書の段落[0172]〜[0314]に掲げられている化合物等が挙げられる
本発明の重合性組成物において、上記他の液晶化合物又は上記重合性官能基を有する液晶化合物を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができ、上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される重合性化合物との合計量を100質量部としたとき、100質量部を超えない添加量が好ましい。
本発明の重合性組成物には、必要に応じて用いられる他の単量体(エチレン性不飽和結合を有する化合物)をラジカル重合開始剤と共に溶剤に溶解して溶液にすることができる。
上記他の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、第二ブチル(メタ)アクリレート、第三ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、アリルオキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1−フェニルエチル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、ジフェニルメチル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ペンタクロルフェニル(メタ)アクリレート、2−クロルエチル(メタ)アクリレート、メチル−α−クロル(メタ)アクリレート、フェニル−α−ブロモ(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
上記他の単量体は、本発明の重合性組成物を用いて作製される重合体の配向制御、及び光学特性の効果が損なわれない範囲で使用することができるが、これらの効果を確実に確保するために、他の単量体の含有量は、上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される重合性化合物との合計量100質量部に対して、50質量部以下が好ましく、特に30質量部以下が好ましい。
上記ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン/アミン、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。
また、上記ラジカル重合開始剤と増感剤の組合せも好ましく使用することができる。かかる増感剤としては、例えば、チオキサントン、フェノチアジン、クロロチオキサントン、キサントン、アントラセン、ジフェニルアントラセン、ルプレン等が挙げられる。上記ラジカル重合開始剤及び/又は上記増感剤を添加する場合、それらの添加量は、それぞれ、上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される重合性化合物との合計量100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下がさらに好ましく、0.1〜3質量部の範囲内がより好ましい。
上記溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチレン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等が挙げられる。溶剤は単一化合物であってもよいし、または混合物であってもよい。これらの溶剤の中でも、沸点が60〜250℃のものが好ましく、60〜180℃のものが特に好ましい。60℃より低いと塗布工程で溶媒が揮発して膜の厚さにムラが生じやすく、250℃より高いと脱溶媒工程で減圧しても溶媒が残留したり、高温での処理による熱重合を誘起したりして配向性が低下する場合がある。
また、本発明の重合性組成物には、選択反射波長及び液晶との相溶性を調節することを目的として、光学活性化合物を添加することができる。かかる他の光学活性化合物を添加する場合、その添加量は、上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される重合性化合物との合計量100質量部に対し、0.1〜100質量部の範囲内が好ましく、1〜50質量部がより好ましい。かかる光学活性化合物としては、例えば下記〔化15〕〜〔化33〕の化合物を挙げることができる。
Figure 0004999574
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また、本発明の重合性組成物には、空気界面側に分布する排除体積効果を有する界面活性剤をさらに含有させることができる。該界面活性剤としては、重合性組成物を支持基板等に塗布することを容易にしたり、液晶相の配向を制御したりする等の効果を与えるものが好ましい。かかる界面活性剤としては、例えば、4級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコール及びそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ペルフルオロアルキルスルホン酸塩、ペルフルオロアルキルカルボン酸塩、ペルフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、ペルフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。界面活性剤を使用する場合、その好ましい使用量は、界面活性剤の種類、組成物の成分比等に依存するが、上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される重合性化合物との合計量100質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲内であることが好ましく、0.05〜1質量部の範囲内がより好ましい。
また、本発明の重合性組成物には、必要に応じて添加物をさらに含有させてもよい。重合性組成物の特性を調製するための添加物としては、例えば、保存安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、無機物及び有機物等の微粒子化物、並びにポリマー等の機能性化合物が挙げられる。
上記保存安定剤は、重合性組成物の保存安定性を向上させる効果を付与することができる。使用できる安定剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ピロガロール類、チオフェノール類、ニトロ化合物類、2−ナフチルアミン類、2−ヒドロキシナフタレン類等が挙げられる。これらを添加する場合は、上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される重合性化合物との合計量100質量部に対して、1質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以下が特に好ましい。
上記酸化防止剤としては、特に制限がなく公知の化合物を使用することができ、例えば、ヒドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、トリフェニルホスファイト、トリアルキルホスファイト等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、特に制限がなく公知の化合物を使用することができ、例えば、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物又はニッケル錯塩系化合物等によって紫外線吸収能をもたせたものを用いることができる。
上記微粒子化物は、光学(屈折率)異方性(Δn)を調整したり、重合体の強度を上げたりするために用いることができる。上記微粒子化物の材質としては無機物、有機物、金属等が挙げられる。凝集防止のため、上記微粒子化物としては、0.001〜0.1μmの粒子径が好ましく、0.001〜0.05μmの粒子径のものがさらに好ましい。また、粒子径の分布がシャープであるものが好ましい。上記微粒子化物を使用する場合は、上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される重合性化合物との合計量100質量部に対して、0.1〜30質量部の範囲内で使用することが好ましい。
上記無機物としては、例えば、セラミックス、フッ素金雲母、フッ素四ケイ素雲母、テニオライト、フッ素バーミキュライト、フッ素ヘクトライト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、カオリナイト、フライポンタイト、ZnO、TiO2、CeO2、Al23、Fe23、ZrO2、MgF2、SiO2、SrCO3、Ba(OH)2、Ca(OH)2、Ga(OH)3、Al(OH)3、Mg(OH)2、Zr(OH)4等が挙げられる。また、炭酸カルシウムの針状結晶等の微粒子は光学異方性を有し、このような微粒子によって重合体の光学異方性を調節できる。
上記有機物としては、例えば、カーボンナノチューブ、フラーレン、デンドリマー、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、ポリイミド等が挙げられる。
上記ポリマーは、重合体の電気特性や配向性を制御することができる。上記ポリマーとしては、上記溶剤に可溶性の高分子化合物が好ましく使用することができる。かかる高分子化合物としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエポキサイド、ポリエステル、ポリエステルポリオール等が挙げられる。
以上に述べた本発明の上記一般式(1)で表される化合物及び上記一般式(2)で表される重合性化合物以外の任意成分(但し、他の液晶化合物、ラジカル重合開始剤及び溶剤を除く)は、特に制限無く、作製される重合体の特性を損なわない範囲で適宜使用することができるが、好ましくは、上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される重合性化合物との合計量100質量部に対して、全任意成分の合計で好ましくは30質量部以下、より好ましくは10質量部以下となるようにすることが好ましい。
次に、本発明の重合体について説明する。
本発明の重合体は、例えば、上記重合性組成物を溶剤に溶解して溶液とした後、支持基板に塗布して、重合性組成物中の液晶分子を配向させた状態で脱溶媒し、次いでエネルギー線を照射して重合することにより得ることができる。
上記支持基板としては、特に限定されないが、好ましい例としては、例えば、ガラス板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリカーボネート板、ポリイミド板、ポリアミド板、ポリメタクリル酸メチル板、ポリスチレン板、ポリ塩化ビニル板、ポリテトラフルオロエチレン板、セルロース板、シリコン板、反射板、シクロオレフィンポリマー、方解石板等が挙げられる。このような支持基板上に、後述のようにポリイミド配向膜又はポリビニルアルコール配向膜を施したものが、特に好ましく使用することができる。
上記支持基板に本発明の重合性組成物の溶液を塗布する方法としては、公知の方法を用いることができ、該方法としては、例えば、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法及び流延成膜法等が挙げられる。尚、本発明の重合体の膜厚は用途等に応じて適宜選択されるが、好ましくは、0.001〜30μm、より好ましくは0.001〜15μm、特に好ましくは0.005〜10μmの範囲から選択される。
本発明の重合性組成物中の液晶分子を配向させる方法としては、例えば、支持基板上に事前に配向処理を施す方法が挙げられる。配向処理を施す好ましい方法としては、各種ポリイミド系配向膜又はポリビニルアルコール系配向膜からなる液晶配向層を支持基板上に設け、ラビング等の処理を行う方法が挙げられる。また、支持基板上の重合性組成物に磁場や電場等を印加する方法等も挙げられる。
本発明の重合性組成物を重合させる方法は、光、電磁波又は熱を用いる公知の方法を適用できる。光又は電磁波による重合反応としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合、リビング重合等が挙げられる。これらの重合反応によれば、重合性組成物が液晶相を示す条件下で、重合を行なわせることが容易である。また磁場や電場を印加しながら架橋させることも好ましい。支持基板上に形成した液晶(共)重合体は、そのまま使用してもよいが、必要に応じて、支持基板から剥離したり、他の支持基板に転写したりして使用してもよい。
上記光の好ましい種類は、紫外線、可視光線、赤外線等である。電子線、X線等の電磁波を用いてもよい。通常は、紫外線または可視光線が好ましい。好ましい波長の範囲は150〜500nmである。さらに好ましい範囲は250〜450nmであり、最も好ましい範囲は300〜400nmである。光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、またはショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)等が挙げられるが、高圧水銀ランプ又は超高圧水銀ランプを使用することが好ましい。光源からの光はそのまま重合性組成物に照射してもよく、フィルターによって選択した特定の波長(または特定の波長領域)を重合性組成物に照射してもよい。好ましい照射エネルギー密度は、2〜5000mJ/cm2であり、さらに好ましい範囲は10〜3000mJ/cm2であり、特に好ましい範囲は100〜2000mJ/cm2である。好ましい照度は0.1〜5000mW/cm2であり、さらに好ましい照度は1〜2000mW/cm2である。光を照射するときの温度は、重合性組成物が液晶相を有するように設定できるが、好ましい照射温度は100℃以下である。100℃以上の温度では熱による重合が起こりうるので良好な配向が得られない場合がある。
本発明の重合体は、波長350〜800nmの範囲内で選択反射色を有し、光学異方性を有する成形体として利用することができる。この成形体は、例えば、位相差板(1/2波長板、1/4波長板等)、偏光素子、二色性偏光板、液晶配向膜、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜等の光学フィルム等に用いて光学補償に使用することができる。他に、液晶レンズ、マイクロレンズ等の光学レンズ、高分子分散型液晶(PDLC)電子ペーパー、デジタルペーパー等の情報記録材料にも利用することができる。
以下、合成例、実施例、比較例及び評価例をもって本発明を更に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例等によって制限を受けるものではない。尚、下記合成例1及び2は、参考例であり、下記実施例1−1及び2−1〜2−3は、本発明の重合性組成物及び該重合性組成物を用いた本発明の重合体の実施例であり、下記実施例1−2、3−1及び3−2は、参考例である。
〔合成例1〕
化合物No.1−25を〔化34〕の反応式に従い合成した。
Figure 0004999574
窒素雰囲気下において、n−プロピルシクロヘキサンカルボン酸5.05g(20mmol)、2−ヒドロキシエチルアクリル酸2.55g(22mmol)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン0.122g(1mmol)及びジクロロメタン35.35gを混合し、室温下(25℃前後)にて攪拌を行った。この混合溶液は白色スラリーの状態であった。
該混合溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド4.54g(22mmol)及びジクロロメタン9.08gを混合した溶液を滴下した。滴下前の系内温度は22℃であり、滴下終了時は28℃であった。
滴下終了後、2時間攪拌し、薄層クロマトグラフィーで分析したところ、原料由来のカルボン酸の消失を確認した。そして、反応で生じたジシクロヘキシル尿素を濾別し、残渣を酢酸エチルで洗浄し、得られた溶液を脱溶媒してクルード体を得た。該クルード体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒)にて精製し、無色液状の化合物2.64g(収率:27%)を得た。該化合物を1H−NMR及びIRで分析したところ、目的物の化合物No.1−25と同定した。これらの分析結果について下記に示す。
(1)1H−NMR[CDCl3](ppm)
1.0(m;14H)、1.3(m;4H)、1.7(m;6H)、2.0(d;2H)、2.2(m;1H)、4.3(t−t;4H)、5.9(d;1H)、6.1(q;1H)、6.4(d;1H)
(2)IR[KBr錠剤法](cm-1
436、737、808、865、897、985、1076、1147、1230、1273、1378、1407、1449、1535、1637、1652、1695、1725,2851、2915
〔合成例2〕
化合物No.1−26を〔化35〕の反応式に従い合成した。
Figure 0004999574
上記〔合成例1〕において、2−ヒドロキシエチルアクリル酸2.55g(22mmol)を、2−ヒドロキシブチルアクリル酸3.17g(22mmol)に変更した以外には、合成例1と同じ手順で実施し、無色液状の化合物2.50g(収率33%)を得た。該化合物を1H−NMR及びIRで分析したところ、目的物の化合物No.1−26と同定した。これらの分析結果について下記に示す。
(1)1H−NMR[CDCl3](ppm)
1.0(m;14H)、1.3(m;4H)、1.8(m;10H)、2.0(d;2H)、2.2(m;1H)、4.1(t;2H)、4.2(t;2H)、5.8(d;1H)、6.1(q;1H)、6.4(d;1H)
(2)IR[KBr錠剤法](cm-1
671、739、810、899、984、1043、1178、1267、1295、1407、1449、1636、1725、2119、2850、2916
〔実施例1〕重合性組成物及び重合体の作成
下記の手順([1]重合性組成物の調製、[2]支持基板の製作、[3]支持基板への塗布)に従い、本発明の重合性組成物から厚みが約3μmの重合体を作成した。
[1]重合性組成物溶液の調製
表1に記載の配合に従って、実施例1−1及び1−2の重合性組成物を調製した。
重合性組成物0.94g及び下記〔化36〕に示す光学活性化合物0.06gを溶媒(2−ブタノン)2.0gに添加して溶解し、ラジカル重合開始剤(N−1919;(株)ADEKA製)0.024gを加えて完全に溶解した後に、0.45μmフィルターでろ過処理を実施して、実施例1−1及び1−2の重合性組成物溶液をそれぞれ調製した。
Figure 0004999574
[2]支持基板の製作
中性洗剤で洗浄後、純水で洗い流し乾燥したガラス板にポリビニルアルコール5%水溶液をスピンコーターで均一に塗工し、100℃で3分間乾燥させた。乾燥後、ガラス基板に支持されたポリビニルアルコールの表面をレーヨン布で一定方向に擦り、支持基板を製作した。
[3]支持基板への塗布
上記[1]で調製した重合性組成物溶液を、上記[2]で製作した支持基板上にスピンコーターで塗工を行った。塗工は、膜厚が約3.0μmになるように、スピンコーターの回転数及び時間を調整して実施した。塗工後、ホットプレートを用いて100℃で3分間乾燥して室温下で3分間冷却し、次いで、高圧水銀灯(120W/cm2)を20秒間照射し、塗工膜を硬化させて実施例1−1及び1−2の重合体を得た。
〔比較例1〕重合性組成物及び重合体の作製
重合性組成物の配合を変更した以外は〔実施例1〕と同様にして、比較例1−1〜1−6の重合性組成物を調製し、該重合性組成物を用いて比較例1−1〜1−6の重合体を作製した。尚、重合性組成物の配合は表1に記載した通りとした。
〔評価例1〕
上記実施例1及び比較例1で得られた重合体について、物性を以下のようにして評価した。また、これらの評価結果を下記表1に示す。
(1)配向の均質性
得られた重合体の均質性を、偏光顕微鏡を用いて評価した。クロスニコル下で重合体試料を設置したステージを回転させることによって、重合体の配向状態を観察し、配向の均質性について評価した。選択反射が一様で、配向欠陥が確認されなければ○、選択反射が確認できるが、オイリーストリーク状組織による配向欠陥が確認された場合は、△、結晶化や配向ムラが確認された場合は×とした。
(2)選択反射波長測定
5°正反射付属装置を取り付けた分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製;U−3010形)を使用して、25℃、波長800〜400nmの範囲で反射率測定を実施し、選択反射中心波長(λ)及び、選択反射波長帯域(Δλ)を測定した。
(3)Δn/n
上記選択反射中心波長(λ)は、λ=n×p(式中、nは平均屈折率、pはピッチ長)で表され、また選択反射波長帯域(Δλ)は、Δλ=Δn×p(式中、Δnは光学(屈折率)異方性)で表される。これらの式を組み合わせることにより、選択反射波長帯域(Δλ)は、Δλ=Δn×p=Δn/n×λと表され、Δλ/λ=Δn/nが導かれる。
従って、上記の選択反射測定で求めた選択反射波長帯域(Δλ)を選択反射中心波長(λ)で除して、重合体のΔn/nを求めた。
Figure 0004999574
〔実施例2〕重合性組成物の調製及び重合体の作製
重合性組成物の配合を変更した以外は〔実施例1〕と同様にして、実施例2−1〜2−3の重合性組成物を調製し、該重合性組成物を用いて実施例2−1〜2−3の重合体を作製した。尚、重合性組成物の配合は表2に記載した通りとした。
〔比較例2〕重合性組成物の調製及び重合体の作製
重合性組成物の配合を変更した以外は〔実施例1〕と同様にして、比較例2−1〜2−3の重合性組成物を調製し、該重合性組成物を用いて比較例2−1〜2−3の重合体を作製した。尚、重合性組成物の配合は表2に記載した通りとした。
〔評価例2〕
上記実施例2及び比較例2で得られた重合体について、上記〔評価例1〕の(1)配向の均質性の手順に従って評価した。各々の重合体の評価結果について表2に示す。
Figure 0004999574
〔実施例3〕重合性組成物、未硬化膜及び重合体の作成
重合性組成物の配合と、重合性組成物溶液を調製する際、ラジカル重合開始剤(N−1919;(株)ADEKA製)の添加量を0.024gから0.03gに変更した以外は、〔実施例1〕と同様にして、実施例3−1及び3−2の重合性組成物を調製した。該重合性組成物を、膜厚を3.0μmから2.5μmに変更した以外は、〔実施例1〕と同様にして、実施例3−1及び3−2の重合体を作成した。また、該重合性組成物をスピンコーターで塗工後、ホットプレートを用いて100度で3分間加熱乾燥したものを、未硬化膜として上記重合体とは別に作成した。
〔比較例3〕重合性組成物、未硬化膜及び重合体の作製
重合性組成物の配合を変更した以外は〔実施例3〕と同様にして、比較例3−1〜3−3の重合性組成物を調製し、該重合性組成物を用いて比較例3−1〜3−3の未硬化膜又は重合体を作製した。尚、重合性組成物の配合は表3に記載した通りとした。
〔評価例3〕
上記実施例3及び比較例3で得られた未硬化膜の膜の安定性及び重合体の配向の均質性、選択反射波長測定及びΔn/nを、以下のようにして実施した。これらの測定結果を下記表3に示す。
(1)膜の安定性
得られた未硬化膜を室温にて二時間静置した。二時間後、未硬化膜に変化が無く配向が均一な場合は○、結晶が析出した場合は×とした。
(2)配向の均質性
上記〔評価例1〕の(1)配向の均質性の手順に従って評価した。
(3)選択反射測定
上記〔評価例1〕の(2)選択反射波長測定の手順に従って、重合体の選択反射中心波長(λ)及び選択反射波長帯域(Δλ)を測定した。
(4)Δn/n
上記〔評価例1〕の(3)Δn/nの計算方法に従って、重合体のΔn/nを算出した。
Figure 0004999574
上記表1の結果において、本発明に係る一般式(1)で表される化合物とは異なるシクロヘキシル骨格の化合物(比較化合物1及び2)と本発明に係る一般式(2)で表される重合性化合物とを併用した場合(比較例1−1及び1−2)、得られた重合体は、配向に欠陥が表れ、Δn/nも満足できるものではなかった。また、シクロヘキシル骨格ではない化合物(比較化合物3、4及び5)と本発明に係る一般式(2)で表される重合性化合物を併用した場合(比較例1−3、1−4及び1−5)も、得られた重合体は、配向に欠陥があり、Δn/nも満足できるものではなかった。さらに比較例1−3、1−4及び1−5の重合体は黄変し、透明性が必要な光学フィルム用途では不向きであることが確認された。
また、本発明に係る一般式(2)で表される重合性化合物のみを使用した場合(比較例1−6)も、得られた重合体は、配向に欠陥があり、Δn/nも満足できるものではなかった。
これに対し、本願発明のように一般式(1)で表される化合物と本発明に係る一般式(2)で表される重合性化合物とを併用した場合(実施例1−1及び1−2)、得られた重合体は、配向が均一で選択反射色が重合体の膜表面一様に確認され、Δn/nが大きく、広帯域化が可能であることが確認された。
上記表2の結果において、本発明に係る一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される重合性化合物との比率が10/90〜40/60の範囲外で、上記一般式(1)で表される化合物の割合が低い重合性組成物から得られた重合体(比較例2−1及び2−2)は、配向欠陥が表れ、オイリーストリーク状組織が確認された。また、上記一般式(1)で表される化合物の割合が高い場合(比較例2−3)、得られた重合体の一部が白化し均一な配向を得ることはできなかった。
これに対し、本発明に係る上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される重合性化合物との比率が10/90〜40/60の範囲内である重合性組成物から得られた重合体(実施例2−1,2−2及び2−3)は、良好な配向が得られることが確認された。
上記表3の結果において、本発明に係る一般式(1)で表される化合物は、低Δnの化合物であるにもかかわらず(実施例3−1及び3−2)、高Δnの化合物で構成する重合体(比較例3−1〜3−3)よりも、良好なΔn/nを示した。また、未硬化膜の膜の安定性や選択反射等の配向性の向上効果が確認された。
以上より、本発明に係る上記一般式(1)で表される化合物及び上記一般式(2)で表される重合性化合物を含んでなる本発明の重合性組成物を光硬化して得られる重合体は、配向制御性及び光学特性に優れ、光学偏光子、位相差板、視角補償フィルム、輝度向上フィルム及び反射膜等の光学フィルムとして有用であることが確認できた。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される重合性化合物を含んでなり、下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される重合性化合物との合計量を100質量部としたとき、下記一般式(1)で表される化合物の比率が10〜40質量部である重合性組成物。
    Figure 0004999574
    (一般式(1)中、X1及びX2は、各々独立に、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基又は分岐を有してもよい炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、該アルキル基中の−CH2−は−O−、−CO−、−CO−O−又は−O−CO−で置換されていてもよく、一般式(1)中のシクロヘキサン環は何れもトランス体を表す。)
    Figure 0004999574
    (一般式(2)中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子又はメチル基を表し、環A、B及びCは、各々独立に、ベンゼン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、ナフタレン環、デカヒドロナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環又はフェナントレン環を表し、これらの環は、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基で置換されていてもよく、該アルキル基又は該アルコキシ基中の−CH2−は、−O−、−CO−、―CO−O―又は−O−CO−で置換されていてもよく、環Bは必ず上記の置換基を有する。L1、L2、L3及びL4は、各々独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、不飽和結合を有してもよく分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキレン基、又はこれらの組み合わせからなる構造を表す。)
  2. 上記一般式(1)中のX1又はX2の何れかが、CH2=C(R3)−又はC(R4)=C(R5)−の構造(但し、式中、R3、R4及びR5は、水素原子又はメチル基の何れかを表す。)を含む請求項1記載の重合性組成物。
  3. 上記一般式(2)中の環A及びCの少なくとも一つが、縮合環である請求項1又は2に記載の重合性組成物。
  4. 上記一般式(2)中のL2及びL3が、−CO−O−及び−O−CO−から選択される請求項1〜の何れか1項に記載の重合性組成物。
  5. さらに光学活性化合物を含んでなる請求項1〜の何れか1項に記載の重合性組成物。
  6. 請求項1〜の何れか1項に記載の重合性組成物を光重合させることにより作製された重合体。
  7. 波長350〜800nmの範囲内で選択反射色を有する請求項記載の重合体。
  8. 請求項又は記載の重合体を使用してなるディスプレイ用光学フィルム。
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