JP4818047B2 - 重合性組成物 - Google Patents

重合性組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4818047B2
JP4818047B2 JP2006270577A JP2006270577A JP4818047B2 JP 4818047 B2 JP4818047 B2 JP 4818047B2 JP 2006270577 A JP2006270577 A JP 2006270577A JP 2006270577 A JP2006270577 A JP 2006270577A JP 4818047 B2 JP4818047 B2 JP 4818047B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
meth
polymerizable composition
general formula
rings
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006270577A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008088291A (ja
Inventor
正福 入沢
孝洋 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Adeka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Adeka Corp filed Critical Adeka Corp
Priority to JP2006270577A priority Critical patent/JP4818047B2/ja
Publication of JP2008088291A publication Critical patent/JP2008088291A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4818047B2 publication Critical patent/JP4818047B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明は、直鎖上に並んだ複数の環構造を有する単官能の(メタ)アクリル基を有する化合物及び二官能の(メタ)アクリル基を有する化合物を含有する重合性組成物に関する。かかる重合性組成物を重合してなる重合膜は、光学異方体として有用なものである。
液晶物質はTN型やSTN型に代表されるディスプレイ表示等の液晶分子の可逆的運動を利用した表示媒体への応用以外にも、その配向性と屈折率、誘電率、磁化率、弾性率、熱膨張率等の物理的性質の異方性を利用して、位相差板、偏光板、光偏光プリズム、輝度向上フィルム、ローパス・フィルター、各種光フィルター等の光学異方体への応用が検討されている。
上記光学異方体の製造は、例えば、重合性官能基を有する液晶性化合物又はこの液晶性化合物を含有する重合性組成物を液晶状態で均一に配向させた後、液晶状態を保持したまま紫外線等のエネルギー線を照射することにより光重合させて、均一な配向状態を半永久的に固定化して重合膜を得る方法が採られている。
この重合膜に用いられる重合性組成物において、液晶相発現温度が高い場合、エネルギー線による光重合だけでなく意図しない熱重合も誘起されて液晶分子の均一な配向状態が失われるため、所望する配向の固定が困難である。従って、硬化時の温度管理を容易にするために、室温付近で液晶相を示す重合性組成物が求められる。
また、重合膜は重合性組成物を基板に塗布して重合することによって得られるが、非重合性化合物が含まれると得られる重合膜の強度が不足したり、膜内に応力歪みが残存したりする欠点がある。また非重合性化合物を溶媒などで取り除くと、膜の均質性が保てずムラが生じたりする問題がある。従って、膜厚が均一な重合膜を得るためには重合性組成物を溶剤に溶かしたものを塗工する方法が好ましく用いられ、液晶性化合物又はそれを含む重合性組成物の溶媒溶解性が良好であることが必要とされる。
また、光学異方体のコントラスト比に関わるリターデーションRは、R=Δn・d(式中、Δnは光学(屈折率)異方性、dは膜厚)によって表される。Rは用途に応じて特定の値に設定する必要があるので、Δnを大きくすればdを小さくすることができる。この光学異方体の薄膜化は、重合時の液晶の配向制御が容易となり、製造時の歩溜まりが改善されて製造効率が向上する等の効果を得ることが可能である。
光学異方体に用いられる重合性液晶化合物としては、重合性官能基が(メタ)アクリル基である化合物は重合反応性が高く、高い透明性を有する重合物が得られるので、光学異方体としての利用が盛んに検討されている。
単官能(メタ)アクリル基を有する化合物としては、例えば、特許文献1〜特許文献4に開示されている。また、単官能(メタ)アクリレート化合物と二官能(メタ)アクリレート化合物を併用してなる重合性組成物としては、例えば、特許文献5〜特許文献7に開示されている。しかしながら、これらの文献に開示されている重合性組成物では、何れも膜厚を薄くした場合の製膜の制御が困難である問題があった。
一般に、重合膜の膜厚が厚い場合、重合性組成物中の液晶分子の配向制御が困難で重合膜の透過率が低下したり、着色が現れたりする等の問題がある。一方、膜厚の薄い重合膜を作製しようとすると、薄膜化により膜の全範囲にわたって良好な配向制御が得られるものの膜厚制御が困難で表面が不均一になったり、結晶化しやすくなったりする問題があった。また、製膜の際配向制御した液晶状態の安定性が乏しく、紫外線照射等の硬化前に配向が乱れる場合があり、従来既知の重合性組成物では満足できる重合膜は得られなかった。
尚、特許文献1及び特許文献2には、本発明を構成する単官能(メタ)アクリレート化合物を請求範囲に含む重合性組成物が開示されているが、特許文献1又は特許文献2に明示されている化合物は、液晶性骨格において、(メタ)アクリル基とは対極の位置にある液晶性骨格の末端がシアノ基又はアルキル基である化合物であり、末端が水素原子である本願発明化合物とは異なる。また、特許文献1の発明は、単官能(メタ)アクリレート化合物とオキセタニル基を有する化合物とを併用して重合することにより、コレステリック液晶として選択反射波長に優れた効果が得られることを示めしたものであり、特許文献2は、着色の低減する液晶組成物を提案した発明であって、特許文献1及び特許文献2のいずれにも、本願発明のように薄膜化した場合でも製膜の制御が優れるという効果については、何ら記載がなく示唆すらされていない。
特開2006−104307号公報 特許第3734041号公報 特開2002−308832号公報 特開2005−15473号公報 特開2003−55661号公報 特開2002−308831号公報 特開2005−206579号公報
従って、本発明の目的は室温付近で液晶相を示し、溶媒溶解性に優れる重合性組成物であって、かかる重合性組成物を硬化して得られる重合膜に対して、重合膜を薄膜化しても、均一な膜状態を維持し、耐熱性や配向制御及び光学特性に優れる重合性組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、特定の化学構造を有する化合物を含有する重合性組成物により、上記目的を達成できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、下記一般式(1)で表される単官能(メタ)アクリレート化合物及び下記一般式(3)で表される二官能(メタ)アクリレート化合物を含有し、該一般式(1)で表される単官能(メタ)アクリレート化合物に対する該一般式(3)で表される二官能(メタ)アクリレート化合物の質量比が10/90〜40/60の範囲内である重合性組成物を提供することにより、上記目的を達成したものである。
Figure 0004818047
(式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、L1は、単結合、−(CH2q−(O)r−又は−(CH2s−O−CO−O−を表し、L2及びL3は、各々独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−又は−C≡C−を表すが、少なくともL2及びL3の何れか一つは、−OCO−又は−COO−であり、p及びrは各々独立に0又は1を表し、q及びsは各々独立に1〜8の整数を表し、環A1、A2及びA3は、各々独立に、ベンゼン環、シクロヘキサン環又はナフタレン環を表し、これらの環は、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。但し、環A3は、下記一般式(2)で表されるものから選択される。)
Figure 0004818047
(式(2)中、Rは水素原子、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。)
Figure 0004818047
(式(3)中、R1及びR2は、各々独立に水素原子又はメチル基を表し、環A4、A5及びA6は、各々独立に、ベンゼン環、シクロヘキサン環又はナフタレン環を表し、これらの環は、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、環A4、A5及びA6の少なくとも一つは置換基を有し、これらの環中の−CH=は−N=で置換されていてもよく、これらの環中の−CH2−は−S−又は−O−で置換されていてもよい。L4、L5及びL6は、各々独立に、単結合、−COO−、−OCO−、−(CH2t−、−CH=CH−、−(CH2uO−、−CH=CHCH2O−、−C≡C−、−(CH22−COO−、−COO−(CH22−、−CF2−CF2−又は−CF=CF−を表す。t及びuは各々独立に1〜8の整数を表す。)
また、本発明は、上記一般式(1)において、環A1、A2及びA3のうちの少なくとも一つがナフタレン環である重合性組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記一般(1)において、pが0、L1が−(CH2l−O−、L2が−COO−、環A1及び環A3がナフタレン環である重合性組成物を提供するものである。
また、本発明の重合性組成物は、上記一般式(1)中において、pが0、L1が−(CH2l−O−、L2が−COO−、環A1がベンゼン環、環A3がナフタレン環である重合性組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記一般式(3)において、環A4、A5及びA6のうちの少なくとも一つがナフタレン環である重合性組成物を提供するものである。
また、本発明は、さらに光学活性化合物を含有し、コレステリック相を発現する重合性組成物を提供するものである。
また、本発明は、さらにラジカル重合開始剤及び界面活性剤を含有する重合性組成物を提供するものである。
また、本発明は、30℃以下で液晶相を示す重合性組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記重合性組成物が液晶相を示す状態で、光重合させることにより作製された重合膜を提供するものである。
また、本発明は、上記重合膜を使用してなるディスプレイ用光学フィルムを提供するものである。
本発明の重合性組成物は、室温付近において液晶状態で重合可能であり、溶媒溶解性に優れた重合性組成物である。該重合性組成物を光重合させることにより作製される本発明の重合膜は、均一な膜状態を維持し、耐熱性、耐溶剤性及び光学特性に優れた液晶物質として有用である。
以下、本発明の重合性組成物及び該組成物を光重合させることにより作製される本発明の重合膜について、その好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
上記一般式(1)中の環A1、A2、A3、及び上記一般式(3)中の環A4、A5及びA6を置換する分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、シアノメチル、エチル、ジクロロエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル又は2−エチルヘキシル等が挙げられ、
上記環A1、A2、A3、A4、A5及びA6を置換する分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基としては、例えば、メチルオキシ、クロロメチルオキシ、トリフルオロメチルオキシ、シアノメチルオキシ、エチルオキシ、ジクロロエチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、第三アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、第三ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、第三オクチルオキシ又は2−エチルヘキシルオキシ等が挙げられる。
上記一般式(1)で表される単官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、下記化合物No.1−1〜No.1−15が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により制限を受けるものではない。
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
これら単官能(メタ)アクリレート化合物の中でも、上記一般式(1)における環A1、A2及びA3のうちの少なくとも一つがナフタレン環である化合物は、結晶性が低く、溶媒溶解性及び相溶性に優れるため好ましい。
さらに、上記一般式(1)におけるpが0、L1が−(CH2)r−O−、L2が−COO−、環A1及び環A3がナフタレン環である化合物、及び、上記一般式(1)におけるpが0、L1が−(CH2)r−O−、L2が−COO−、環A1がベンゼン環、環A3がナフタレン環である化合物がより好ましい。
上記一般式(3)で表される二官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、下記化合物No.2−1〜No.2−18が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により制限を受けるものではない。
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
これら二官能(メタ)アクリレート化合物の中でも上記一般式(3)における環A4、A5及びA6のうちの少なくとも一つがナフタレン環である化合物は、結晶性が低く、溶媒溶解性及び相溶性に優れ、さらに光学(屈折率)異方性(Δn)が大きいため好ましい。
上記一般式(1)で表される単官能(メタ)アクリレート化合物に対する上記一般式(3)で表される二官能(メタ)アクリレート化合物の質量比は、10/90〜40/60である。上記一般式(1)で表される単官能(メタ)アクリレート化合物の比率が5より小さいと、重合性組成物の配向制御が困難となる場合があり、上記一般式(3)で表される二官能(メタ)アクリレート化合物の比率が50より小さいと、重合して得られる重合膜の耐熱性や耐溶剤性が不足する場合がある。また、上記単官能(メタ)アクリレート化合物及び上記二官能(メタ)アクリレート化合物の含有量の和は、本発明の重合性組成物(但し、溶剤を除く)100質量部中、少なくとも50質量部以上であることが好ましく、70質量部以上が特に好ましい。
また、本発明の重合性組成物は、少なくとも室温付近、具体的には30℃以下で液晶相を示すことが好ましく、特に25℃以下で液晶相を示すことがより好ましい。
また、本発明の重合性組成物には、必要に応じて用いられる他の単量体(エチレン性不飽和結合を有する化合物)をラジカル重合開始剤と共に溶剤に溶解して溶液にすることができる。
上記他の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、第二ブチル(メタ)アクリレート、第三ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、アリルオキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1−フェニルエチル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、ジフェニルメチル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ペンタクロルフェニル(メタ)アクリレート、2−クロルエチル(メタ)アクリレート、メチル−α−クロル(メタ)アクリレート、フェニル−α−ブロモ(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
ただし、本発明の重合性組成物を用いて作製される重合膜の耐熱性及び光学特性を付与するために、他の単量体の含有量は、上記単官能(メタ)アクリレート化合物及び上記二官能(メタ)アクリレート化合物の合計100質量部に対して、50質量部以下が好ましく、特に30質量部以下がより好ましい。
上記ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン/アミン、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。
また、上記ラジカル重合開始剤と増感剤の組合せも好ましく使用することができる。かかる増感剤としては、例えば、チオキサントン、フェノチアジン、クロロチオキサントン、キサントン、アントラセン、ジフェニルアントラセン、ルプレン等が挙げられる。上記ラジカル重合開始剤及び/又は上記増感剤を添加する場合は、本発明の重合性組成物100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下がさらに好ましく、0.5〜3質量部の範囲内がより好ましい。
上記溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチレン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブなどである。溶剤は単一化合物であってもよいし、または混合物であってもよい。これらの溶剤の中でも、沸点が60〜250℃のものが好ましく、60〜180℃のものが特に好ましい。60℃より低いと塗布工程で溶媒が揮発して膜の厚さにムラが生じやすく、250℃より高いと脱溶媒工程で減圧しても溶媒が残留したり、高温での処理による熱重合を誘起したりして配向性が低下する場合がある。
また、本発明の重合性組成物に、さらに光学活性化合物を含有させることによって、液晶骨格のらせん構造を内部に有する高分子を得ることができ、コレステリック液晶相を固定化することができる。かかる光学活性化合物を含有させる場合、本発明の重合性組成物(但し、溶剤を除く)100質量部に対して、0.1〜100質量部の範囲内が好ましく、1〜50質量部がより好ましい。かかる光学活性化合物としては、例えば下記〔化37〕〜〔化54〕の化合物を挙げることができる。
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
また、本発明の重合性組成物は、空気界面側に分布する排除体積効果を有する界面活性剤をさらに含有させることが好ましい。界面活性剤は重合性組成物を支持基板などに塗布することを容易にしたり、液晶相の配向を制御したりする等の効果を得られるものが好ましい。かかる界面活性剤としては、例えば、4級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコール及びそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ペルフルオロアルキルスルホン酸塩、ペルフルオロアルキルカルボン酸塩、ペルフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、ペルフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。界面活性剤の好ましい使用割合は、界面活性剤の種類、組成物の成分比などに依存するが、本発明の重合性組成物100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲内であることが好ましく、0.05〜1質量部の範囲内がより好ましい。
また、本発明の重合性組成物には、必要に応じて添加物をさらに含有してもよい。重合性組成物の特性を調製するための添加物としては、例えば、保存安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、無機物、有機物等の微粒子化物、ポリマー等の機能性化合物を含有させてもよい。
上記保存安定剤は、重合性組成物の保存安定性を向上させる効果を付与することができる。使用できる安定剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ピロガロール類、チオフェノール類、ニトロ化合物類、2−ナフチルアミン類、2−ヒドロキシナフタレン類等が挙げられる。これらを添加する場合は、本発明の重合性組成物100質量部に対して、1質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以下が特に好ましい。
上記酸化防止剤としては、特に制限がなく公知の化合物を使用することができ、例えば、ヒドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、トリフェニルホスファイト、トリアルキルホスファイト等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、特に制限がなく公知の化合物を使用することができ、例えば、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物又はニッケル錯塩系化合物等によって紫外線吸収能をもたせたものであってもよい。
上記微粒子化物は光学(屈折率)異方性(Δn)を調整したり、重合膜の強度を上げたりするために用いることができる。微粒子化物の材質としては無機物、有機物、金属などが挙げられ、凝集防止のため、微粒子化物は0.001〜0.1μmの粒子径が好ましく利用することができ、さらに好ましくは0.001〜0.05μmの粒子径である。粒子径の分布はシャープであるものが好ましい。本発明の重合性組成物100質量部に対して、微粒子化物は、0.1〜30質量部の範囲内で好ましく使用することができる。
上記無機物としては、例えば、セラミックス、フッ素金雲母、フッ素四ケイ素雲母、テニオライト、フッ素バーミキュライト、フッ素ヘクトライト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、カオリナイト、フライポンタイト、ZnO、TiO2、CeO2、Al23、Fe23、ZrO2、MgF2、SiO2、SrCO3、Ba(OH)2、Ca(OH)2、Ga(OH)3、Al(OH)3、Mg(OH)2、Zr(OH)4等が挙げられる。尚、炭酸カルシウムの針状結晶などの微粒子は光学異方性を有し、このような微粒子によって重合体の光学異方性を調節できる。上記有機物としては、例えばカーボンナノチューブ、フラーレン、デンドリマー、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、ポリイミド等が挙げられる。
上記ポリマーは、重合膜の電気特性や配向性を制御することができ、上記溶剤に可溶性の高分子化合物が好ましく使用することができる。かかる高分子化合物としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエポキサイド、ポリエステル、ポリエステルポリオール等が挙げられる。
本発明の重合膜は、上記重合性組成物を溶媒に溶解した後、支持基板に塗布して、重合性組成物中の液晶分子を配向させた状態で脱溶媒し、次いでエネルギー線を照射して重合することにより得ることができる。
上記支持基板としては、特に限定されないが、好ましい例としてはガラス板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリカーボネート板、ポリイミド板、ポリアミド板、ポリメタクリル酸メチル板、ポリスチレン板、ポリ塩化ビニル板、ポリテトラフルオロエチレン板、セルロース板、シリコン板、反射板、方解石板等が挙げられる。このような支持基板上にポリイミド配向膜又はポリビニルアルコール配向膜を施したものが特に好ましく使用することができる。
上記支持基板に塗布する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばカーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法及び流延成膜法等を用いることができる。尚、上記重合膜の膜厚は用途等に応じて適宜選択されるが、好ましくは0.05〜10μmの範囲から選択される。
本発明の重合性組成物中の液晶分子を配向させる方法としては、例えば支持基板上に事前に配向処理を施す方法が挙げられる。配向処理を施す好ましい方法としては、各種ポリイミド系配向膜又はポリビニルアルコール系配向膜からなる液晶配向層を支持基板上に設け、ラビング等の処理を行う方法が挙げられる。また、支持基板上の組成物に磁場や電場等を印加する方法等も挙げられる。
本発明の重合性組成物を重合させる方法は熱又は電磁波を用いる公知の方法を適用できる。電磁波による重合反応としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合、リビング重合等があげられる。重合性組成物が液晶相を示す条件下で、重合を行なわせることが容易だからである。また磁場や電場を印加しながら架橋させることも好ましい。支持基板上に形成した液晶(共)重合体は、そのまま使用しても良いが、必要に応じて、支持基板から剥離したり、他の支持基板に転写したりして使用してもよい。
上記光の好ましい種類は、紫外線、可視光線、赤外線等である。電子線、X線などの電磁波を用いてもよい。通常は、紫外線または可視光線が好ましい。好ましい波長の範囲は150〜500nmである。さらに好ましい範囲は250〜450nmであり、最も好ましい範囲は300〜400nmである。光源は、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、またはショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などが挙げられるが、超高圧水銀ランプが好ましく使用することができる。光源からの光はそのまま重合性組成物に照射してもよく、フィルターによって選択した特定の波長(または特定の波長領域)を重合性組成物に照射してもよい。好ましい照射エネルギー密度は、2〜5000mJ/cm2であり、さらに好ましい範囲は10〜3000mJ/cm2であり、特に好ましい範囲は100〜2000mJ/cm2である。好ましい照度は0.1〜5000mW/cm2であり、さらに好ましい照度は1〜2000mW/cm2である。重合性組成物が液晶相を有するように、光を照射するときの温度を設定できるが、好ましい照射温度は100℃以下である。100℃以上の温度では熱による重合が起こりうるので良好な配向が得られないときがある。
本発明の重合膜は、光学異方性を有する成形体として利用することができる。この成形体の用途としては、例えば、位相差板(1/2波長板、1/4波長板など)、偏光素子、二色性偏光板、液晶配向膜、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜等の光学補償に用いることができる。その他にも、液晶レンズ、マイクロレンズ等の光学レンズ、高分子分散型液晶(PDLC)電子ペーパー、デジタルペーパー等の情報記録材料にも利用することができる。
以下、合成例及び実施例をもって本発明を更に説明する。しかしながら、本発明は以下の合成例及び実施例によって制限を受けるものではない。尚、下記合成例1〜2は、本発明に係る化合物の製造例を示すものであり、下記製造例1は、本発明の重合性組成物の調製例及び、該重合性組成物を用いた本発明の重合膜の製造例を示すものであり、下記実施例1〜3は、本発明の重合膜の製造例及び評価例を示すものである。
〔合成例1〕(化合物No.1−1の製造)
化合物No.1−1を〔化55〕に示す反応式に従い、下記の手順で合成した。
Figure 0004818047
4−[6−(アクリロイルオキシ)−ヘキシルキシ]−2−ナフトエ酸 5.0g(14.6mmol)、β−ナフトール2.21g(15.3mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.09g(0.7mmol)をジクロロメタン50gに溶解した。水冷下において、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)3.16g(15.3mmol)をジクロロメタン4.7gに溶解させたものを滴下して1時間攪拌した。攪拌後、析出物をろ別して溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)により精製した後、エタノール/トルエンの混合溶媒で再結晶し、白色結晶(5.4g、収率78.9%)を得た。得られた白色結晶について分析を行ったところ、該白色結晶は目的物である化合物No.1−1であると確認された。これらの分析結果について下記に示す。
(1)IR[KBr錠剤法](cm-1
3059,2939,2858,1728,1628,1508,1466,1408,1389,1281,1246,1196,1157,1126,1069,988,961,899,856,806,741,475,451
(2)NMR[CDCl3](ppm)
1.2−2.2(m;8H),4.2(q;4H),5.7−6.5(m;3H),7.2−7.6(m;5H),7.7−8.0(m;6H),8.1(q;1H),8.7(d;1H)
(3)相転移温度(℃)
示差走査熱量測定機(サーモプラスTG8120;(株)リガク製)にて、窒素雰囲気下(10ml/min)、5℃/minの速度で室温(25℃)から120℃まで加熱し、化合物の相転移温度を求めた。尚、液晶相(ネマチック相)の同定は、上記示差走査熱量測定機による分析で転移熱を求め、さらに、化合物を二枚のガラス板間にはさみ、ホットステージ付き偏光顕微鏡による光学組織観察を行うことにより同定した。
Figure 0004818047
〔合成例2〕(化合物No.1−3の製造)
化合物No.1−3を〔化57〕に示す反応式に従い、下記の手順で合成した。
Figure 0004818047
4−[6−(メタクリロイルオキシ)−エチルオキシ]安息香酸 8.8g(35mmol)、β−ナフトール5.1g(35mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.4g(3.6mmol)をクロロホルム40mlに溶解した。水冷下において、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)7.6g(37mmol)をクロロホルム15mlに溶解させたものを滴下して1時間攪拌した。攪拌後、析出物はろ別して溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)により精製した後、メタノール/酢酸エチルの混合溶媒で再結晶し、白色結晶(10.5g、収率81%)を得た。得られた白色結晶について分析を行ったところ、該白色結晶は目的物である化合物No.1−3であると同定された。これらの分析結果について下記に示す。
(分析結果)
(1)IR[KBr錠剤法](cm-1
3059,2959,2928,1732,1713,1636,1605,1578,1512,1450,1412,1354,1281,1258,1211,1169,1065,961,941,853,814,748,691,660,629,478
(2)1H−NMR[CDCl3](ppm)
2.0(s;3H),4.3(t;2H),4.5(t;2H),5.6−6.2(m;2H),7.0−8.3(m;11H)
(3)融点(℃)
示差走査熱量測定機(サーモプラスTG8120;(株)リガク製)にて、窒素雰囲気下(10ml/min)、5℃/minの速度で室温(25℃)から100℃まで加熱して化合物の融点を求めたところ、87.9℃であった。
〔製造例1〕(重合膜の作製)
下記の手順([1]試料の調製、[2]支持基板の製作、[3]支持基板への塗布)に従い本発明の重合性組成物から重合膜を作製した。
[1]重合性組成物溶液の調製
表1に記載の重合性組成物1.0gを溶媒(シクロヘキサノン/2−ブタノン=1/1(質量比))4.0gに添加して溶解した後、ラジカル重合開始剤(N−1919;株式会社ADEKA製)0.03gを加えて完全に溶解した後に、0.45μmフィルターでろ過処理を実施して重合性組成物溶液を調製した。
[2]支持基板の製作
中性洗剤で洗浄後、純水で洗い流し乾燥したガラス板にポリビニルアルコール5%水溶液をスピンコーターで均一に塗工し、100℃で3分間乾燥させた。乾燥後、ガラス基板に支持されたポリビニルアルコールの表面をレーヨン布で一定方向に擦り、支持基板を製作した。
[3]支持基板への塗布
上記[1]で調製した重合性組成物溶液を、上記[2]で製作した支持基板上にスピンコーターで塗工を行った。塗工は膜厚が約1.0μmになるようにスピンコーターの回転数及び時間を調整して実施した。塗工後、ホットプレートを用いて100℃で3分間乾燥して室温下で3分間冷却した後に、高圧水銀灯(120W/cm)で20秒間照射し、膜を硬化させて重合膜を得た。
〔実施例1−1〜1−3、比較例1−1〜1−3〕
上記の方法で得られた重合膜について、下記の試験を実施し、これらの結果について下記表1に併せて示す。
(1)リターデーション(R)
上記製造例1で得た重合膜に対して、偏光顕微鏡を用いてセナルモン法に基づく複屈折測定法に従い、室温25℃で波長546nmにおけるリターデーション(R)を測定した。
(2)膜厚(d)
得られた重合膜に対して、触針式表面形状測定器(Dektak6M;(株)アルバック製)を用いて室温25℃で膜厚(d)を測定した。
(3)光学(屈折率)異方性(△n)
重合膜の光学(屈折率)異方性は、下記式(4)のリターデーション関係式において上記のリターデーション(R)及び膜厚(d)を代入して算出した。
光学(屈折率)異方性(Δn)=リターデーション(R)/膜厚(d)・・(4)
(4)均質性
重合膜の均質性について偏光顕微鏡を用いて評価した。試料を、クロスニコル下で重合膜を設置したステージを回転させることによって、重合膜の配向状態を観察し、膜の均質性について評価した。重合膜の配向が均一に得られていれば○、配向が得られても不均一であれば△、重合膜に結晶等が発生して配向が全く得られていなければ×とした。
(5)製膜の安定性
上記重合性組成物溶液をスピンコーターで塗工し、ホットプレートを用いて100℃で3分間乾燥後直ちに25℃の室温下に放置し、液晶状態の安定性を評価した。安定性の評価は、室温下に放置後30分間以上液晶状態を保った場合は○、15分を超えて30分までに結晶が析出した場合は△、15分以内に結晶が析出した場合は×とした。
〔実施例2−1〜2−3,比較例2−1、2−2〕
下記表2に記載の重合性組成物を製造例1と同様にして重合膜を作製し、均質性及び製膜の安定性を評価した。これらの結果について下記表2に併せて示す。
〔実施例3−1及び3−2、比較例3−1〕
下記表3に記載の重合性組成物1.0gを溶媒(メチルエチルケトン)4gに添加して溶解した後、ラジカル重合開始剤(N−1919;株式会社ADEKA製)0.0225gを加え、完全に溶解させた後に0.1μmフィルターでろ過処理を実施して溶液を調製し、上記製造例1で製作した支持基板上にスピンコーターで調整した溶液を均一に塗工し、ホットプレートを用いて100℃で3分間乾燥後、室温下で1分間冷却し、高圧水銀灯(120W/cm)で20秒間照射して硬化させることによって重合膜を得た。得られた重合膜について選択反射と膜の均質性の評価を実施した。これらの結果について下記表3に併せて示す。
Figure 0004818047
Figure 0004818047
Figure 0004818047
上記表1より、重合性組成物として、本発明以外の単官能(メタ)アクリレート化合物(比較化合物1又は2)及び本発明の二官能(メタ)アクリレート化合物を含有するもの(比較例1−1及び1−2)、並びに本発明の単官能(メタ)アクリレート化合物及び本発明以外の二官能(メタ)アクリレート化合物(比較化合物3)を含有するもの(比較例1−3)から作製された重合膜は、均質な膜が得られなかったり、結晶が析出したりして満足できるものが得られないのに対し、本発明の重合性組成物から作製された重合膜は、実施例1−1〜1−3より、配向制御及び製膜の安定性において優れた効果が得られた。
上記表2より、上記一般式(1)で表される単官能(メタ)アクリレート化合物及び上記一般式(3)で表される二官能(メタ)アクリレート化合物を含有する重合性組成物において、単官能(メタ)アクリレート化合物の比率が5より少ないと製膜の安定性が悪化し(比較例2−1)、上記一般式(3)で表される二官能(メタ)アクリレート化合物の比率が50より少ないと(比較例2−2)配向状態が悪く、膜の硬化も不安定であったのに対し、本発明の重合性組成物は均一な膜状態を維持し、光学的特性に優れた重合膜を得られることを確認した。
上記表3より、本発明の重合膜(実施例3−1及び3−2)は、赤色の選択反射が重合膜の全面にわたって、良好な配向が得られていることを確認できたのに対し、本発明の単官能(メタ)アクリレート化合物を含まない重合膜(比較例3−1)は、選択反射が確認されるものの、ムラがあり配向が不均一であることが確認された。以上より、本発明の重合性組成物にさらに光学活性化合物を含有させることによって、コレステリック液晶の重合膜作製用材料として好適に用いることができることが明らかである。また、本発明の重合膜は均一な光学特性を必要とするディスプレイ用光学フィルムに好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表される単官能(メタ)アクリレート化合物及び下記一般式(3)で表される二官能(メタ)アクリレート化合物を含有し、該一般式(1)で表される単官能(メタ)アクリレート化合物に対する該一般式(3)で表される二官能(メタ)アクリレート化合物の質量比が10/90〜40/60の範囲内である重合性組成物。
    Figure 0004818047
    (式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、L1は、単結合、−(CH2q−(O)r−又は−(CH2s−O−CO−O−を表し、L2及びL3は、各々独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−又は−C≡C−を表すが、少なくともL2及びL3の何れか一つは、−OCO−又は−COO−であり、p及びrは各々独立に0又は1を表し、q及びsは各々独立に1〜8の整数を表し、環A1、A2及びA3は、各々独立に、ベンゼン環、シクロヘキサン環又はナフタレン環を表し、これらの環は、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。但し、環A3は、下記一般式(2)で表されるものから選択される。)
    Figure 0004818047
    (式(2)中、Rは水素原子、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。)
    Figure 0004818047
    (式(3)中、R1及びR2は、各々独立に水素原子又はメチル基を表し、環A4、A5及びA6は、各々独立に、ベンゼン環、シクロヘキサン環又はナフタレン環を表し、これらの環は、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、環A4、A5及びA6の少なくとも一つは置換基を有し、これらの環中の−CH=は−N=で置換されていてもよく、これらの環中の−CH2−は−S−又は−O−で置換されていてもよい。L4、L5及びL6は、各々独立に、単結合、−COO−、−OCO−、−(CH2t−、−CH=CH−、−(CH2uO−、−CH=CHCH2O−、−C≡C−、−(CH22−COO−、−COO−(CH22−、−CF2−CF2−又は−CF=CF−を表す。t及びuは各々独立に1〜8の整数を表す。)
  2. 上記一般式(1)において、環A1、A2及びA3のうちの少なくとも一つがナフタレン環である請求項1記載の重合性組成物。
  3. 上記一般式(1)において、pが0、L1が−(CH2)r−O−、L2が−COO−、環A1及び環A3がナフタレン環である請求項1又は2記載の重合性組成物。
  4. 上記一般式(1)において、pが0、L1が−(CH2)r−O−、L2が−COO−、環A1がベンゼン環、環A3がナフタレン環である請求項1又は2記載の重合性組成物。
  5. 上記一般式(3)において、環A4、A5及びA6のうちの少なくとも一つがナフタレン環である請求項1〜4の何れか1項に記載の重合性組成物。
  6. さらに、光学活性化合物を含有し、コレステリック液晶相を発現する請求項1〜の何れか1項に記載の重合性組成物。
  7. さらに、ラジカル重合開始剤及び界面活性剤を含有する請求項1〜の何れか1項に記載の重合性組成物。
  8. 30℃以下で液晶相を示す請求項1〜の何れか1項に記載の重合性組成物。
  9. 請求項1〜の何れか1項に記載の重合性組成物が液晶相を示す状態で、光重合させることにより作製された重合膜。
  10. 請求項記載の重合膜を使用してなるディスプレイ用光学フィルム。
JP2006270577A 2006-10-02 2006-10-02 重合性組成物 Active JP4818047B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006270577A JP4818047B2 (ja) 2006-10-02 2006-10-02 重合性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006270577A JP4818047B2 (ja) 2006-10-02 2006-10-02 重合性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008088291A JP2008088291A (ja) 2008-04-17
JP4818047B2 true JP4818047B2 (ja) 2011-11-16

Family

ID=39372771

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006270577A Active JP4818047B2 (ja) 2006-10-02 2006-10-02 重合性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4818047B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5408841B2 (ja) * 2006-12-29 2014-02-05 株式会社Adeka 重合性化合物及び重合性組成物
JP4936930B2 (ja) * 2007-03-01 2012-05-23 株式会社Adeka 重合性化合物及び重合性組成物
JP5416889B2 (ja) * 2007-06-08 2014-02-12 三菱レイヨン株式会社 レジスト用重合体、レジスト組成物、およびパターンが形成された基板の製造方法
JP5568842B2 (ja) * 2008-05-01 2014-08-13 Jnc株式会社 重合性液晶組成物およびその用途
TWI622598B (zh) * 2011-03-29 2018-05-01 Dainippon Ink & Chemicals 聚合性化合物、聚合性組成物及光學各向異性體
WO2012144331A1 (ja) 2011-04-18 2012-10-26 Dic株式会社 末端環構造にラテラル置換基を有する重合性化合物
JP5905207B2 (ja) * 2011-04-21 2016-04-20 丸善石油化学株式会社 金属不純物量の少ない半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法及び該共重合体を製造するための重合開始剤の精製方法
CN103781879B (zh) * 2011-11-30 2015-07-08 Dic株式会社 聚合性液晶组合物、以及使用其的薄膜
JP6341401B2 (ja) * 2013-05-29 2018-06-13 Dic株式会社 重合性組成物溶液、および、それを用いた光学異方体

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4058786B2 (ja) * 1997-01-23 2008-03-12 旭硝子株式会社 液晶高分子を用いてなる光学素子、光学素子の製造方法および光ヘッド
JPH1195205A (ja) * 1997-09-18 1999-04-09 Dainippon Ink & Chem Inc 光学異方体フィルムとその製造方法及び液晶表示装置
JP4517416B2 (ja) * 1999-03-30 2010-08-04 Dic株式会社 重合性化合物、該化合物の合成中間体、該重合性化合物を含有する重合性液晶組成物、該組成物からなる光学異方体及び該光学異方体の製造方法
JP2003315553A (ja) * 2002-02-22 2003-11-06 Fuji Photo Film Co Ltd 光学補償シートおよび重合性化合物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008088291A (ja) 2008-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5408841B2 (ja) 重合性化合物及び重合性組成物
JP5345293B2 (ja) 重合性化合物及び重合性組成物
JP5311725B2 (ja) 重合性組成物
JP5441311B2 (ja) 重合性組成物
JP4818047B2 (ja) 重合性組成物
JP5437993B2 (ja) 三官能(メタ)アクリレート化合物及び該化合物を含有する重合性組成物
JP5063127B2 (ja) 重合性光学活性化合物及び該重合性光学活性化合物を含有する重合性組成物
JP5546093B2 (ja) 重合性化合物及び重合性組成物
JP4936930B2 (ja) 重合性化合物及び重合性組成物
JP5694067B2 (ja) 重合性組成物
JP4999574B2 (ja) 重合性組成物及び重合体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090612

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110802

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110830

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110830

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140909

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4818047

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140909

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113