JP4990551B2 - ドライエッチング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ドライエッチング方法に関し、特に層間絶縁膜のドライエッチング方法に関する。
SiOから構成される低誘電率層間絶縁膜をエッチングして孔や溝を形成する方法として、真空チャンバー内にエッチングガスとしてフルオロカーボンガスを導入し、その後真空チャンバー内を所定の圧力にした後に駆動電圧を印加してプラズマを形成し、このプラズマ中で導入したガスを分解させて基板に照射し基板物質と反応させ、基板物質をガス化してエッチングを行なうドライエッチング方法が知られている。
この場合に、有機膜からなるレジストマスクが用いられるが、このレジストマスクはエッチングガスと反応してエッチングされやすいため、層間絶縁膜とレジストマスクとの選択比(層間絶縁膜のエッチングレート/レジストマスクのエッチングレート)が低いという問題があった。
この問題を解消すべく、エッチングガスとしてのCF系ガスにArガス、COガス及びOガスを添加した混合ガスを用いるエッチング方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
特開平11−31678号公報(特許請求の範囲の記載)
ところで、半導体装置の高集積化、微細化に伴い、より選択比の高いドライエッチング技術が求められている。
例えば、次世代光MEMSの場合、エッチング対象である層間絶縁膜のエッチング深さは10μm、有機膜からなるレジストマスクの厚みは1μm以下である。この場合に、CF系ガスにArガス等を添加した混合ガスによる1Pa以下の低圧プロセスでのエッチング方法では、SiOからなる層間絶縁膜と有機膜からなるレジストマスクとの選択比は5未満であり、十分ではない。別の方法として、フルオロカーボンガスに炭化水素を加えたガスを用いるエッチング方法も提案されているが、この方法では、水素によってレジストマスク表面に重合膜が形成されてレジストマスクのエッチングを抑制するので、選択比は高い反面、チャンバー壁面にも重合膜が堆積しやすく、エッチングが不安定になるという問題がある。
また、これらの方法において、装置の天板にシリコンプレートを設けたとしても、混合ガスによりスパッタリングされ、シリコンプレートの磨耗が非常に激しく、シリコンプレートの交換頻度が高く経済的ではないという問題もある。
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、有機膜からなるレジストマスクのエッチングを抑制して高選択比を得ることができる安定なドライエッチング方法であって、シリコンプレートの磨耗が少ないドライエッチング方法を提供することにある。
本発明のドライエッチング方法は、真空チャンバー内にフルオロカーボンガス及び希ガスからなるエッチングガスを導入し、真空チャンバー内を所定の圧力にしてプラズマを発生させて処理基板上に形成された層間絶縁膜をエッチングするドライエッチング方法において、前記真空チャンバー内に設けられたシリコンプレートに容量が100pFに設定された可変コンデンサーを介して高周波電源から200Vの電圧を印加し、シリコンプレート表面のシリコン原子とフッ素原子とを反応させて真空チャンバー内に存在するフッ素原子を消費しながらエッチングを行なうことを特徴とする。
真空チャンバー内に導入されたエッチングガスは、プラズマ中でCFx(x=1〜3)や、フッ素原子などに分解される。このフッ素原子はレジストマスクをエッチングするので、フッ素原子が真空チャンバー内に過剰に存在すると、選択比が低くなってしまう。そこで、本発明では、フッ素原子を真空チャンバー内に設けられたシリコンプレートの表面のシリコン原子と反応させることで、SiFを生成し(Si+4F → SiF)、真空チャンバー内のフッ素原子の一部を消費して、高選択比のエッチングを可能とする。
また、上記のように真空チャンバー内のシリコンプレート表面でシリコン原子とフッ素原子とを反応させ、過剰なフッ素原子を消費できるので、真空チャンバー内壁に膜が堆積するのを抑制し安定したエッチングを行なうことも可能となる。
さらに、シリコンプレート表面でフッ素原子がシリコン原子と表面反応をしているので、スパッタリングの場合と比べてシリコンプレートの磨耗が少なく、そして、シリコンプレートの交換頻度が低い。
希ガスは、エッチングガスの総流量基準で80〜95パーセントであることが好ましい。80パーセント未満であると、フッ素原子が多すぎて、シリコンプレートでの表面反応でフッ素原子を十分に消費しきれず、レジストがエッチングされてしまい、高選択比を得ることができない。他方で、95パーセントを超えると、フルオロカーボンガスが少なすぎるので十分にエッチングできない。
この場合、前記希ガスが、Ar、Kr及びXeから選ばれた少なくとも一種のガスであることが好ましい。これらのガスを選択した場合に、最も選択比を高くすることが可能である。
さらに、前記ドライエッチング方法は、1Pa以下の低圧プロセスで行なうことが好ましい。圧力が1Paより高いと、フッ素原子の平均自由行程は短くなるので、シリコンプレート近傍のフッ素原子はシリコンプレート表面で反応させて消費できるが、レジスト近傍のフッ素原子はシリコンプレート近傍まで到達できないのでレジスト近傍にフッ素原子が残ってしまう。その結果、レジストのエッチングを防止できず、高選択比のエッチングが実現できない。
本発明のドライエッチング方法によれば、レジストマスクをエッチングするフッ素原子を消費して選択比の高いエッチングを実現できるという効果を奏する。
また、本発明のドライエッチング方法によれば、フッ素原子を消費できるので、壁面での膜堆積が発生せず、安定したエッチングを行なうことができ、さらにシリコンプレート表面がスパッタリングされる場合と比べ、シリコンプレートの消耗も少ないという効果も奏する。
図1に本発明の層間絶縁膜のドライエッチング方法に用いるエッチング装置1を示す。エッチング装置1は、真空チャンバー11からなり、低温、高密度プラズマによるエッチングが可能である。この真空チャンバー11は、ターボ分子ポンプなどの真空排気手段12を備えている。
真空チャンバー11は、下部の基板処理室13とその上部のプラズマ発生室14とから構成されている。基板処理室13内の底部中央には、基板載置部2が設けられている。基板載置部2は、処理基板Sが載置される断面円形の基板電極21と、絶縁体22と、支持台23とから構成され、基板電極21と支持台23とは絶縁体22を介して設けられている。そして、基板電極21は、ブロッキングコンデンサー24を介して第1高周波電源25に接続され、電位的に浮遊電極となって負のバイアス電位となる。
この基板載置部2に対向してプラズマ発生室14上部に設けられた天板31は、プラズマ発生室14側壁に密封固定され、可変コンデンサー32を介して第2高周波電源33に接続されて、電位的に浮遊状態とされ対向電極を形成する。
また、天板31には、真空チャンバー11内にエッチングガスを導入するガス導入手段4のガス導入経路41が接続されている。このガス導入経路41は分岐し、それぞれガス流量制御手段42を介して希ガス用ガス源43及びフルオロカーボンガス用ガス源44に接続されている。
プラズマ発生室14は円筒形の誘電体側壁を備え、この側壁の外側には、磁場発生手段としての磁場コイル51が設けられていてもよく、この場合、磁場コイル51によって、プラズマ発生室14内に環状磁気中性線(図示せず)が形成される。
磁場コイル51とプラズマ発生室14の側壁の外側との間には、プラズマ発生用の高周波アンテナコイル52が配置されている。この高周波アンテナコイル52は、パラレルアンテナ構造のものであり、前述した可変コンデンサー32と第2高周波電源33との間の給電路に設けられた分岐点34に接続され、第2高周波電源33から電圧を印加できるように構成されている。そして、磁場コイル51によって磁気中性線が形成される場合には、形成された磁気中性線に沿って交番電場を加えてこの磁気中性線に放電プラズマを発生させる。
なお、本実施の形態ではアンテナコイル52には第2高周波電源33から電圧を印加したが、分岐路を設けずに第3の高周波電源を用意して、これとアンテナコイル52とを接続し、プラズマを発生させてもよい。また、アンテナコイルへの印加電圧値が所定の値になるようにする機構が設けられていてもよい。
上記構成のエッチング装置1でエッチングを行なう際には、真空チャンバー11内に導入されたエッチングガスによって、エッチング対象である層間絶縁膜だけでなく、プラズマ中のフッ素原子と反応しやすい有機膜からなるレジストマスクもエッチングされてしまう可能性がある。そこで、本発明の装置では、天板31の基板電極側の面にフッ素原子と反応しやすいシリコン単結晶からなるシリコンプレート6を装着する。このシリコンプレート6表面のシリコン原子と真空チャンバー内に過剰に存在するフッ素原子とを反応させてSiFを生成することにより、フッ素原子の一部を消費してレジストマスクのエッチングを抑制し、その結果、高選択比のエッチングが可能である。この場合の反応は、スパッタリングではないのでシリコンプレートの磨耗が少ないため、シリコンプレートの交換頻度も少ない。シリコンプレート6は、厚さ5mm、大きさは、最大で天板31の面積と同じである。また、シリコンプレート6は本実施の形態のように天板に装着してもよいが、天板自体をシリコンプレートから構成することも可能である。さらに、シリコンプレート6を側壁に設けてもよい。
シリコンプレート6には天板31及び可変コンデンサー32を介して第2高周波電源33から電圧が印加され、負の自己バイアスが生じる。この場合に、可変コンデンサー32の値を変化させると自己バイアスの値が変わって、シリコンプレート表面で反応するフッ素原子の量を調節することができる。レジストマスクのエッチングを抑制できる量のフッ素原子を反応させ、消費するためには、200〜500Vの電圧が必要である。この電圧範囲にするには、例えば、直径300mm程度のシリコンプレートの場合、第2高周波電源33から1800Vを印加し、可変コンデンサー32の値を100pF以上とすればよい。200V未満であると、シリコンプレート表面にポリマーが堆積しその表面が覆われて上記表面反応が生じないので、高選択比を得ることが出来ず、500Vよりも大きいと、シリコンプレート表面がスパッタリングされてしまい、基板上の層間絶縁膜の表面にシリコンが堆積されて層間絶縁膜がエッチングされない。
また、シリコンプレート6は、プラズマ室14内へのガスの導入を妨げないように、前述したガス導入手段4に接続されシャワープレートとしての役割を果たすように構成される。
上記のようにして構成されたエッチング装置は、簡単な構造からなり、印加する高周波電場が互いに干渉するという問題もなく、高効率のプラズマを形成することができる。
本発明のエッチング装置は、高周波アンテナコイル52の内側に図示しないファラディシールド(又は静電場シールド)様浮遊電極を設置してもよい。このファラディシールドは、既知のファラディシールドであり、例えば、複数のスリットが平行に設けられ、このスリットの長手方向の中間にスリットと直交してアンテナコイルが設けられた金属板である。スリットの長手方向の両端には、短冊状金属板の電位を同じにする金属縁が設けられている。アンテナコイル52の静電場は金属板によりシールドされるが、誘導磁場はシールドされない。この誘導磁場がプラズマ中に入り誘導電場を形成する。スリットの幅は、目的に応じて適宜設計でき、0.5〜10mm、好ましくは1〜2mmのスリットである。このスリットの幅が広すぎると静電場の浸みこみが起こり、好ましくない。スリットの厚みは、〜2mm程度であればよい。
上記エッチング装置1を用いて、ビアホールや配線用ホール、トレンチが形成される層間絶縁膜の材料としては、SiO及びこれを含む無機化合物、光学素子に用いられる材料が挙げられる。
SiO及びこれを含む無機化合物としては、例えば、水晶、TEOS−SiO、燐酸シリケートガラス、ホウ酸添加燐酸シリケートガラス、希土類をドープしたガラス、低膨張結晶化ガラスがある。光学素子に用いられる材料としては、例えば、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ビスマスがある。
また、層間絶縁膜は、HSQやMSQのようにスピンコートによって形成されたSiOCH系材料膜、CVDによって形成されるSiOC系材料で比誘電率2.0〜3.2のLow−k材料膜でもよく、多孔質材料膜を含む。
SiOCH系材料としては、例えば、商品名LKD5109r5/JSR社製、商品名HSG−7000/日立化成社製、商品名HOSP/Honeywell Electric Materials社製、商品名Nanoglass/Honeywell Electric Materials社製、商品名OCD T−12/東京応化社製、商品名OCD T−32/東京応化社製、商品名IPS2.4/触媒化成工業社製、商品名IPS2.2/触媒化成工業社製、商品名ALCAP−S5100/旭化成社製、商品名ISM/ULVAC社製がある。
SiOC系材料としては、例えば、商品名Aurola2.7/日本ASM社製、商品名Aurola2.4/日本ASM社製、商品名Orion2.2/ファーストゲート・TRIKON社製、商品名Coral/Novellus社製、商品名Black Diamond/AMAT社製、商品名NCS/富士通社製がある。また、商品名SiLK/Dow Chemical社製、商品名Porous-SiLK/Dow Chemical社製、商品名FLARE/Honeywell Electric Materials社製、商品名 Porous FLARE/Honeywell Electric Materials社製、商品名 GX‐3P/Honeywell Electric Materials社製などの有機系の低誘電率層間絶縁膜がある。
この層間絶縁膜に、ビアホールや配線用のホール、トレンチを形成するために、層間絶縁膜上には、公知のフォトリソグラフィ法を用いて所定のパターニングでもってレジストマスクが形成される。
この場合、フォトリソグラフィ法に用いられる公知の有機レジスト材としては、例えば、KrFレジスト材やArFレジスト材が挙げられる。
次に、前述したエッチング装置1(ただし、磁場コイルは設置されていない)を用いて処理基板S上の層間絶縁膜をエッチングする方法について説明する。
本発明によれば、真空チャンバー11内の基板電極21上に処理基板Sを載置し、エッチングガス導入手段4からエッチングガスを導入し、第2高周波電源33からRFパワーを印加してプラズマ発生室14内にプラズマを発生させ、シリコンプレート6表面のシリコン原子とフッ素原子とを反応させながら、処理基板S上に形成された層間絶縁膜を高選択比でエッチングすることができる。
エッチングガスとしては、フルオロカーボンガスに、Ar、Xe、Krなどの希ガスから選ばれた少なくとも1種のガスを添加したガスを用いることができる。フルオロカーボンガスとしては、例えばCF、C、CまたはCを用いることができ、特にC及びCが好ましい。この場合、希ガスは、エッチングガス総流量基準で80〜95パーセントとなるようにガス流量制御手段42によって制御され、導入される。このエッチングガスを、プラズマ雰囲気中1.0Pa以下の作動圧力下で、100〜300sccm真空チャンバ11内に導入してエッチングする。
上記の工程でエッチングを行なうと、シリコンプレート表面のシリコン原子とプラズマ中のフッ素原子とが反応してSiFが形成される。このSiFが存在することでエッチングが不安定になる場合があるので、真空排気手段12から排気して、これらの不純物を消費する必要がある。このようにして不純物を消費すれば、不純物がレジスト上及び真空チャンバー11内壁に堆積しにくく、もし堆積しても少量なので剥離しやすい。
この層間絶縁膜が熱によりダメージを受けないように、前記層間絶縁膜が形成される処理基板Sを30〜100℃の範囲内の温度に保持してエッチングするのが好ましい。また、レジストマスクのフッ素原子によるエッチングを十分抑制するには、シリコンプレート表面でシリコン原子とフッ素原子とが反応しやすいようにシリコンプレートの温度を115℃以上とすることが好ましい。
本実施例では、シリコン単結晶からなるシリコンプレート6を設置した図1に示すエッチング装置1(磁場コイル設置せず)を用いて、エッチングを行なって、層間絶縁膜及びレジストマスクのエッチングレートを測定した。
まず、処理基板S上に熱酸化法により厚さ1μmのSiOからなる層間絶縁膜を形成した。そして、この層間絶縁膜上にスピンコーターによりレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法で所定のパターンを形成した。得られたレジストマスクの膜厚は8000Åであった。
次に、層間絶縁膜を形成した処理基板Sをエッチング装置1の基板電極21上に載置して、第2高周波電源33によってプラズマを発生させると共に、CガスとArガスとからなるエッチングガスを100sccm(Arガスがエッチングガスの総流量基準で90パーセント)導入して、層間絶縁膜のエッチングを行なった。エッチング条件は、第1高周波電源(基板側)500W、第2高周波電源(アンテナ側)1800W、基板設定温度:−10℃、シリコンプレート温度:200℃、圧力:0.6Pa、可変コンデンサー:100pFであり、この場合にシリコンプレートに印加されている電圧は、300Vであった。
また、比較のため、シリコンプレートの代わりにアルミナプレートを天板31に設置したエッチング装置を用いて、上記のシリコンプレートを用いたエッチング装置の場合と同一条件でエッチング特性を調べた。各場合について、層間絶縁膜及びレジストマスクのエッチングレートを測定し、このエッチングレートから選択比(層間絶縁膜としてのSiOのエッチングレート/レジストマスクのエッチングレート)を求めた。結果を図2に示す。
図2から明らかなように、アルミナプレートを用いた装置の場合には、絶縁膜のエッチングレートは毎分0.45μmであったが、レジストのエッチングレートも毎分0.18μmと高く、その結果、選択比は2.5となった。これに対し、シリコン天板を用いた装置の場合には、絶縁膜のエッチングレートは毎分0.33μmであったが、レジストのエッチングレートがほぼ0であったため、選択比は無限大となった。
この結果から、エッチング装置内にシリコン単結晶からなるシリコンプレートを設置することで、非常に高い選択比を実現できることがわかった。
本実施例では、図1に示すエッチング装置1に設けたシリコンプレート6のプレート温度を変化させてエッチングを行い、各プレート温度におけるレジストマスクのエッチングレートを測定した。
実施例1と同一の条件で層間絶縁膜及びレジストマスクを形成した処理基板Sを、プレート温度200℃として実施例1と同様の条件でエッチングした。また、天板を50℃及び15℃の冷却水を用いて水冷し、シリコンプレート6の温度を下げてそれぞれエッチングした。各場合について、シリコンプレート温度、レジストマスク及び層間絶縁膜のエッチングレートを測定し、このエッチングレートから選択比を求めた。結果を図3に示す。
図3に示すように、プレート温度を下げても、層間絶縁膜のエッチングレートは変化しなかった。これに対し、レジストマスクのエッチングレートは高くなったので、これに合わせて選択比も200℃の場合の無限大から、150℃(冷却水:50℃)の場合は22、115℃(冷却水:15℃)の場合は12と減少した。レジストマスクのエッチングレートが高くなったのは、プレート温度が低くなるほど反応は起こりにくくなるからである。即ち、シリコン原子と反応して消費されるフッ素原子が少なくなり、その結果、消費されないで真空チャンバー内に存在するフッ素原子によるレジストマスクのエッチングレートが増加したのである。シリコンプレート表面がフッ素原子と反応しているのではなく、シリコンプレート表面がスパッタリングされているとすれば、このような温度変化によるエッチングレートの変化は生じないと考えられる。
従って、シリコンプレート表面でフッ素原子とシリコン原子との反応が生じていることがわかった。なお、実施例2において用いたシリコンプレート表面をエッチング終了後に目視で確認したところ、ほとんど磨耗されていないことが確認できた。
本実施例では、図1に示すエッチング装置1を用いてエッチングを行い、エッチング後のレジストマスク表面の表面分析を行なった。
実施例1と同一の条件で層間絶縁膜及びレジストマスクを形成した処理基板Sを、実施例1と同様の条件でエッチングした。ただし、装置内の排気は行なわなかった。そして、エッチング後のレジストマスク表面について、95〜110eVの範囲の結合エネルギーに対するXPSスペクトルを測定した。結果を図4に示す。
図4中、スペクトルにはノイズがあるものの、平坦であり、いかなるピークも観測されなかった。シリコンのピークは、結合エネルギー99eVから105eVの間に観測されるものであるが、このシリコンのピークが観測されなかったことから、レジスト表面にはシリコンが存在していないことが確認された。仮にシリコンプレート表面がスパッタリングされているとすると、スパッタリングによりシリコンプレートが削られ、シリコンがレジストマスク上に堆積すると考えられる。本実施例では、上記のようにシリコンがレジストマスク表面には存在しないことから、シリコンプレート表面で反応が生じていることがわかった。
本実施例では、図1に示すエッチング装置1を用いて、Arガスの混合条件と、可変コンデンサー32の設定条件と変えてエッチングを行い、各条件において層間絶縁膜及びレジストマスクのエッチングレートを測定した。
実施例1と同一の条件で層間絶縁膜及びレジストマスクを形成した処理基板Sを作製し、以下の条件でエッチングを行なった。
(1)Cガスからなるエッチングガス:総流量100sccm、可変コンデンサーの値:0F
(2)Cガスからなるエッチングガス:総流量100sccm、可変コンデンサーの値:100pF
(3)CガスとArガスとからなるエッチングガス:Cガス10sccm及びArガス90sccm、可変コンデンサーの値:0pF
(4)実施例1と同一の条件
各場合について、層間絶縁膜及びレジストマスクのエッチングレートを測定し、このエッチングレートから選択比(層間絶縁膜としてのSiOのエッチングレート/レジストマスクのエッチングレート)を求めた。結果を図5に示す。
図5に示したように、(1)Arガスを添加せず、可変コンデンサーの値が0pFの場合は、選択比は2.3であった。(2)Arガスを添加せず、可変コンデンサーの値を100pFとした場合には、選択比は6.0であった。この場合、シリコンプレート表面でフッ素原子が消費されて選択比が上がるとともに、シリコンプレート表面のポリマーの堆積が抑制され、パーティクルが低減した。また、(3)Arガスを添加し、可変コンデンサーの値が0pFの場合には、選択比は6.0であった。この場合、Arガスが添加されたので選択比が(1)の場合に比べて高くなった。(4)Arガスを添加し、可変コンデンサーの値が100pFの場合には、レジストのエッチングレートが0となり、選択比が無限大となった。さらに、(2)と同様に、シリコンプレート表面のポリマーの堆積が抑制され、パーティクルが低減した。
従って、可変コンデンサーの値を最適化すること、そしてフルオロカーボンガスだけでなくアルゴンガスを添加することで、無限大という高い選択比のエッチングを行なうことがわかった。
本実施例では、図1に示すエッチング装置1を用いて、エッチングガス中の希ガスとフルオロカーボンガスとの流量比を変化させてエッチングを行い、各流量における層間絶縁膜及びレジストマスクのエッチングレートを測定した。
実施例1と同一の層間絶縁膜及びレジストマスクを形成した処理基板Sを作製し、Arガスの流量の割合を75パーセント、80パーセント、85パーセント、90パーセント、95パーセント、99パーセントに変えた(総流量は100sccmである)以外は実施例1と同様の条件でそれぞれエッチング行った。各場合について、層間絶縁膜及びレジストマスクのエッチングレートを測定し、このエッチングレートから選択比(層間絶縁膜としてのSiOのエッチングレート/レジストマスクのエッチングレート)を求めた。
Arガス流量が75パーセントである場合には、フッ素が多すぎて消費できず、高い選択比を得ることができなかった。また、Arガス流量が99パーセントである場合には、エッチングガスが少なすぎてエッチングできなかった。Arガス流量が80パーセントから95パーセントまでである場合には、レジストマスクのエッチングがほとんどなく高い選択比が得られると共に、真空チャンバー11内壁への膜堆積はほとんど観察されなかった。特に、Arガスが90パーセントである場合には、レジストマスクのエッチングは観察されず、非常に選択比が高いことがわかった。
なお、比較のために、エッチングガスを、Cガス(25sccm)、Arガス(220sccm)及びNHガス(10sccm)からなるエッチングガス(総流量255sccm)に変えた以外は、実施例1と同条件でエッチングを行なった。この場合には、選択比が3.0であった。従って、導入するエッチングガスは希ガス及びフルオロカーボンガスの2種類からなることが望ましいことがわかった。
本実施例では、図1に示すエッチング装置1を用いて可変コンデンサー32の値を変えてエッチングを行い、層間絶縁膜及びレジストマスクのエッチングレートを測定した。
実施例1と同一の層間絶縁膜及びレジストマスクを形成した処理基板Sを作製し、エッチング装置1内にCガスとArガスとからなるエッチングガス(Arガスがエッチングガスの総流量基準で90パーセント)を100sccm導入し、可変コンデンサー32の値を(1)0pF、(2)50pF、(3)100pF、(4)200pFに変え、それ以外は実施例1と同条件でエッチングを行なった。(1)〜(4)の各場合において、シリコンプレートに印加される電圧は、(1)20V、(2)120V、(3)200V、(4)500Vであった。各場合について層間絶縁膜及びレジストマスクのエッチングレートを測定し、測定したエッチングレートから求めた選択比を図6に示した。
コンデンサー32の値を(1)0pF、(2)50pFにした場合には、SiOのエッチングレートがそれぞれ約0.66、0.5(μm/分)と高かったが、レジストマスクのエッチングレートがそれぞれ約0.11、0.05(μm/分)であったため、各選択比は6、10となった。
これに対し、可変コンデンサー32の値を100pF以上、即ち、シリコンプレートに印加する電圧を200V以上とすると、シリコンプレート表面でのフッ素原子の反応量が最適となって、層間絶縁膜はエッチングされてもレジストマスクはエッチングされなかった。従って、この場合には、選択比はそれぞれ無限大と非常に高くなった。
本実施例では、実施例1とは層間絶縁膜材料を変え、そして、図1に示すエッチング装置1を用いて可変コンデンサー32の値を変えてエッチングを行い、層間絶縁膜及びレジストマスクのエッチングレートを測定した。
まず、各処理基板S上にCVD法によりSiOからなる厚さ1μmの層間絶縁膜を形成した。その後、実施例1と同条件(可変コンデンサー32の値を100pF)でエッチングを行なった。また、各処理基板S上にCVD法によりSiOからなる厚さ1μmの層間絶縁膜を形成した後、可変コンデンサー32の値を0pFに変えた以外は同条件でエッチングを行なった。図7に、可変コンデンサー32の値を0pFとして(シリコンプレートへの印加電圧:20V)エッチングした後の断面SEM写真と、可変コンデンサー32の値を100pFとして(シリコンプレートへの印加電圧:200V)エッチングした後の処理基板の断面SEM写真を示す。Aがレジストマスク、Bが層間絶縁膜、線Cがエッチング開始前である初期状態のレジストマスクの表面の位置を示している。0pFの場合には、レジストマスクAのエッチングが観察されたが、100pFの場合には、レジストマスクAのエッチングは観察されなかった。
以上により、シリコンプレートに印加される電圧値を最適化する(200〜500V)ことで、レジストマスクAのエッチングレートを低くして選択比を非常に高くできることがわかった。
本発明のドライエッチング方法によれば、選択比が非常に高く、しかもチャンバー内に堆積する膜が少なく、安定してエッチングできる。従って、本発明は半導体製造分野において利用することが可能である。
本発明のドライエッチング方法に用いられるエッチング装置の構成を示す模式図。 本発明のドライエッチング方法において、シリコンプレートを用いた場合とアルミナプレートとを用いた場合との層間絶縁膜及びレジストマスクのエッチングレートを示すグラフ。 本発明のドライエッチング方法において、プレート温度を変化させた場合の層間絶縁膜及びレジストマスクのエッチングレートを示すグラフ。 本発明のドライエッチング方法を実施した後のレジストマスク表面のXPSスペクトルを示すグラフ。 本発明のドライエッチング方法において、可変コンデンサーとエッチングガスとを変化させた場合の層間絶縁膜及びレジストマスクのエッチングレートを示すグラフ。 本発明のドライエッチング方法において、可変コンデンサーの値を変化させた場合の層間絶縁膜及びレジストマスクのエッチングレートを示すグラフ。 本発明のドライエッチング方法において、可変コンデンサーの値を変化させた場合の基板の断面SEM写真。
符号の説明
1 エッチング装置 2 基板載置部
4 ガス導入手段 6 シリコンプレート
11 真空チャンバ 12 真空排気手段
25 第1高周波電源 31 天板
32 可変コンデンサー 33 第2高周波電源
34 分岐点 51 磁場コイル
52 高周波アンテナコイル S 処理基板

Claims (4)

  1. 真空チャンバー内にフルオロカーボンガス及び希ガスからなるエッチングガスを導入し、真空チャンバー内を所定の圧力にしてプラズマを発生させて処理基板上に形成された層間絶縁膜をエッチングするドライエッチング方法において、前記真空チャンバー内に設けられたシリコンプレートに容量が100pFに設定された可変コンデンサーを介して高周波電源から200Vの電圧を印加し、シリコンプレート表面のシリコン原子とフッ素原子とを反応させて真空チャンバー内に存在するフッ素原子を消費しながらエッチングを行なうことを特徴とするドライエッチング方法
  2. 記希ガスの流量が、エッチングガスの総流量の80〜95パーセントであることを特徴とする請求項1記載のドライエッチング方法。
  3. 前記希ガスが、Ar、Kr及びXeから選ばれた少なくとも一種のガスであることを特徴とする請求項1又は2に記載のドライエッチング方法。
  4. 前記ドライエッチング方法を1Pa以下の低圧プロセスで行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のドライエッチング方法。
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