JP4986817B2 - 評価装置、評価方法、プログラム - Google Patents
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Description
図19(a)(b)(c)は、その様子について説明するための図として、同一の測定機(評価装置)による、光ディスクごとの標準偏差測定結果をそれぞれ示している。なお、これらの各図では立ち上がり側のエッジ位置についての標準偏差測定結果(実線)と、立ち下がり側のエッジ位置についての標準偏差測定結果(破線)の双方を示している。
この図20に示す結果より、同じ光ディスクについて測定しても、測定機が異なることによって度数分布の歪みの有無、また歪みの方向も異なる場合があることが理解できる。
度数分布の歪みが大きい場合、信号品質は低いものとなるが、従来の評価値としての標準偏差の値では、このような歪みを表現することはできないものとなる。このため、実際には歪みの大きさに差が生じている場合にも、標準偏差の値としては同値が得られるといったケースも生じ得るものとなっており、この点を考慮すると、標準偏差値を評価指標とする従来手法では、信号品質を適正に評価することができないということになる。
しかしながら、この手法は、測定された標準偏差値にのみ注目した校正を行うものであり、上述したような度数分布の歪みを考慮した校正を行うことはできない。具体的には、歪み0の場合を基準として一方の極性(方向)側に歪んだ度数分布が得られる場合と、他方の極性側に歪んだ度数分布となっている場合には、校正係数に大きな差が発生するという現象を解決することができない。
すなわち、上記光記録媒体に記録された信号を読み出す読出手段と、上記読出手段によって得られる読み出し信号のエッジ位置を検出するエッジ位置検出手段とを備える。
また、上記エッジ位置検出手段により検出された上記読み出し信号の立ち上がりエッジ位置と立ち下がりエッジ位置の情報を集積した結果に基づき、上記立ち上がりエッジ位置と上記立ち下がりエッジ位置についての度数分布表をそれぞれ生成する度数分布表生成手段を備える。
また、上記度数分布表生成手段により生成された上記立ち上がりエッジ位置についての度数分布表に基づく標準偏差と、上記立ち下がりエッジ位置についての度数分布表に基づく標準偏差とを計算する標準偏差計算手段を備える。
また、上記度数分布表生成手段により生成された度数分布表について、各階級の値をxi、各階級の度数をfi、度数の合計をF、加重平均値をAとしたとき、
で表されるT度としての値を上記立ち上がりエッジ位置と上記立ち下がりエッジ位置の双方について計算する第1の計算手段を備える。
また、上記標準偏差計算手段により計算された上記立ち上がりエッジ位置についての標準偏差の値に対し上記第1の計算手段により計算された上記立ち上がりエッジ位置についてのT度の値を乗算し、上記標準偏差計算手段により計算された上記立ち下がりエッジ位置についての標準偏差の値に対し上記第1の計算手段により計算された上記立ち下がりエッジ位置についてのT度の値を乗算することで、立ち上がりエッジ位置についてのT偏差と立ち下がりエッジ位置についてのT偏差をそれぞれ計算する共に、これら立ち上がりエッジ位置についてのT偏差の値と立ち下がりエッジ位置についてのT偏差の値との平均値を平均T偏差として計算する第2の計算手段を備える。
また、上記度数分布表生成手段により生成された上記立ち上がりエッジ位置についての度数分布表における各階級の度数をf1i、度数の合計をF1とし、上記立ち下がりエッジ位置についての度数分布表における各階級の度数をf2i、度数の合計をF2、さらに任意係数kとしたとき、
で表されるバランス度としての値を計算するバランス度計算手段を備える。
さらに、上記バランス度計算手段により計算された上記バランス度の値を、上記第2の計算手段によって計算された上記平均T偏差の値に対して乗算して、バランストT偏差としての値を計算する第3の計算手段を備えるものである。
すなわち、本発明の第2の構成としての評価装置は、光記録媒体からの読み出し信号についての評価値を得るための評価装置であって、上記光記録媒体に記録された信号を読み出す読出手段と、上記読出手段によって得られる読み出し信号のエッジ位置を検出するエッジ位置検出手段とを備える。
また、上記エッジ位置検出手段により検出された上記エッジ位置の情報を集積した結果に基づき、上記エッジ位置についての度数分布表を生成する度数分布表生成手段を備える。
また、上記度数分布表生成手段により生成された上記度数分布表について、各階級の値をxi、各階級の度数をfi、度数の合計をF、加重平均値をAとしたとき、
で表されるT度としての値を計算する第1の計算手段を備える。
また、上記度数分布表生成手段により生成された上記度数分布表に基づき標準偏差の値を計算する標準偏差計算手段を備える。
さらに、上記第1の計算手段によって計算されたT度の値に基づき上記標準偏差の値を校正するための校正係数を求め、該校正係数を上記標準偏差の値に与えることで上記評価値としての値を計算する校正評価値計算手段を備えるものである。
そして、従来の歪度γ1のように、標準偏差の値を用いて除算するものではないことから、偏差が小さい場合にその値が大きくなるといった問題はなく、この点でより正確に度数分布の歪み度合いを表現することができる。
このように度数分布の歪み度合いを正確に表すことのできるT度の値に基づき信号品質評価を行う上記本発明によれば、エッジ位置の度数分布の歪みを適切に考慮した正確な信号品質評価を行うことができる。
<第1の実施の形態>
[評価装置の全体構成]
図1は、本発明の実施の形態の評価装置としての、評価装置1の内部構成を示したブロック図である。
図1において、本実施の形態の評価装置1は、光の照射によって信号の読み出しが行われる光記録媒体として、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc:登録商標)などの光ディスク記録媒体(以下、単に光ディスクとする)についての信号読み出しが可能に構成される。評価装置1が対応する図中の光ディスクDとしては、例えばBDである場合を例示する。BDに対しては、レーザ光の波長λ=405nm、対物レンズの開口数NA=0.85により信号の読み出しが行われる。
そして、このように回転駆動される光ディスクDに対し、光ピックアップ(OP)3による信号の読み出しが行われる。
図示は省略するが、光ピックアップ3内には、レーザ光源となるレーザダイオードや、反射光を検出するためのフォトディテクタ、レーザ光の出力端となる対物レンズ、レーザ光を対物レンズを介してディスク記録面に照射し、またその反射光をフォトディテクタに導く光学系等が形成される。
また、光ピックアップ3内において、上記対物レンズは2軸機構によってトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保持されている。また光ピックアップ3はスレッド機構により光ディスクDの半径方向に移動可能とされている。
マトリクス回路4には、フォトディテクタとしての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
例えば再生データに相当するRF信号(再生データ信号)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号などを生成する。また、グルーブのウォブリングに係る信号、即ちウォブリングを検出する信号としてプッシュプル信号を生成することもできる。
図示は省略したが、上記フォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号は、図示されないサーボ回路に供給され、サーボ回路がこれらエラー信号などに基づき上述した光ピックアップ3内の2軸機構を駆動制御することで、フォーカスサーボ制御やトラッキングサーボ制御などの各種サーボ制御が実現される。
また、上記クロック生成回路7は、PLL(Phase Locked Loop)処理を行って再生クロックを生成し、該再生クロックをエッジ位置検出回路8に供給する。
なお、確認のために述べておくと、上記エッジ位置の情報は、再生クロックの1クロック区間内における2値化信号のエッジ位置を表す情報となる。
具体的に、本例の場合、DSPとしての評価値演算部10による演算動作は、当該評価値演算部10が、メモリ9内に格納された評価値演算プログラム9aに基づくデジタル信号処理を行うことで実現される。
ここで、先にも述べたように、従来において光ディスクDからの読み出し信号の品質評価指標としては、信号エッジ位置の標準偏差(σ)を計算するようにされていた。
確認のために、標準偏差σは、度数分布表における各階級の値をxi、各階級の度数をfi、度数の合計をF、加重平均値をAとしたとき、次の[式1]で求められるものである。なお、加重平均値Aは、階級ごとに階級の値xiと度数fiを乗算し、その結果を合算した値を度数の合計Fによって除算したものである。
そこで、第1の実施の形態では、このような度数分布の歪みを考慮したより適正な信号品質評価指標を得ることができるようにするために、従来にはない、新たな評価指標を提案する。
第1の実施の形態では、このような新たな評価指標として、T偏差としての評価指標を提案する。
ここで、先にも説明したように、度数分布の歪みを表現するものとしては、統計学において歪度γ1なる指標が知られている。しかしながら、この歪度γ1は、最終的に標準偏差σの値を用いた除算が行われる関係から、偏差が小さいほど歪度の値が大きくなってしまうといった問題がある。
なお且つ、値を元のディメンジョンに戻すにあたっては、上述した歪度γ1のように3乗値を標準偏差σの3乗値で除算するものとはせず、3乗値を1/3乗するものとしているので、歪度γ1のように偏差が小さい場合にその値が大きくなるといったことはなく、この点でより正確に歪み度合いを表現できる評価指標を実現できる。
このため本例では、T度τの値に対して、標準偏差σの値を乗算することで、度数分布の歪み具合(及び歪み方向)と共に、度数の分布具合も表現することのできる評価指標を実現する。すなわち、このような評価指標を、
T偏差 : τ×σ
として新たに提案する。
第1の実施の形態の第1例では、上記T偏差の値を光ディスクDからの読み出し信号品質を評価するための評価値Evとして計算する。
図2は、上記T偏差の値を計算するための構成について説明するための図として、図1に示した評価値演算部10により実現される各機能動作をブロック化して示している。すなわち、図1に示した評価値演算プログラム9aに基づき、DSPとしての評価値演算部10が実行するデジタル信号処理により実現される各機能動作を、ブロック化して示すものである。
なお、以下では説明の便宜上、各機能ブロックをそれぞれの機能動作を実行するハードウエアとして扱う。また、図2においては、図1に示したエッジ位置検出回路8も併せて示している。
この平均T偏差の値が、評価値Evとして出力される。
上記により説明した第1の実施の形態の第1例では、立ち上がりエッジ位置についてのT偏差と立ち下がりエッジ位置についてのT偏差の絶対値の平均を評価値Evとして算出するものとしたが、さらに評価値としての感度を向上させるため、第1の実施の形態の第2例では、立ち上がりエッジ側と立ち下がりエッジ側のヒストグラム形状の同一性も含めた評価を行うことができるようにする。
このために、第2例では、先ずは次の[式3]により、このようなヒストグラム形状の同一性を評価するためのバランス度βを計算する。但し、[式3]において、f1i、F1は、それぞれ立ち上がりエッジ位置についての度数分布表における各階級の度数、度数の合計を表し、f2i、F2は立ち下がりエッジ位置についての度数分布表における各階級の度数、度数の合計を表す。また、kは任意係数である。
バランストT偏差 :T偏差×β=σ×τ×β
である。
図3は、第1の実施の形態の第2例としての動作を実現するための構成について説明するための図として、第2例としての評価装置1が備える評価値演算部20(DSP)のデジタル信号処理によって実現される各機能動作を、先の図2の場合と同様にブロック化して示している。
なお、本例において、評価装置1の全体構成は先の図1に示したものと同様となるので改めての説明は省略する。この場合は、評価値演算部10に代えて評価値演算部20が備えられる。また、この場合はバランストT偏差の計算動作を評価値演算部20のデジタル信号処理によって実行させるため、メモリ9内には、先の第1例で説明した評価値演算プログラム9aに代えて評価値演算プログラム9bが格納される。
この場合は、立ち上がりエッジ度数分布表生成部11Aにて生成された立ち上がりエッジ位置についての度数分布表と、立ち下がりエッジ度数分布表生成部11Bにて生成された立ち下がりエッジ位置についての度数分布表とに基づいてバランス度βを計算する、バランス度計算部21が追加される。具体的に、このバランス度計算部21では、上記立ち上がりエッジ位置についての度数分布表における各階級の度数f1i、度数の合計F1の情報と、上記立ち下がりエッジ位置についての度数分布表における各階級の度数f2i、度数F2の情報とに基づき、先の[式3]に示した計算を行ってバランス度βを算出する。
そして、このバランス度計算部21により計算されたバランス度βの値を、T偏差平均値計算部15で計算された平均T偏差の値に対して乗算してバランストT偏差としての値を計算するバランストT偏差計算部22が設けられる。第2例の場合、当該バランストT偏差計算部22にて計算されたバランストT偏差の値が、評価値Evとして出力される。
図4、図5は、第1の実施の形態の第1例、第2例の評価値を用いて実際に評価を行った結果について説明するための図である。図4(a)は、同一の光ディスクDを用いた各測定機(各評価装置1)の評価結果を示し、図5(a)は同一測定機による光ディスクDごとの評価結果を示している。これらの図において、(b)〜(e)図は、(a)図における丸印を打ったポイント(測定機または光ディスクD)での立ち上がりエッジ位置についての度数分布(実線)と立ち下がりエッジ位置についての度数分布(破線)を示す。
図4(a)においては、測定機(M01〜M20)ごとのT偏差(白抜き三角)、バランストT偏差(白抜き丸)、及びバランス度(白抜き四角)の計算結果を示し、図5(a)ではそれぞれ異なる光ディスクD(D01〜D07)についてのT偏差(白抜き三角)、バランストT偏差(白抜き丸)、及びバランス度(白抜き四角)の計算結果を示している。また、これらの図では比較のため、標準偏差の計算結果(黒丸)も併せて示している。
実際に、図4の測定機M08、測定機M09で得られたヒストグラム形状(図4(b)、図4(c))を参照してみると、比較的大きな歪み(特に立ち下がりエッジ側)が生じていることが示されている。従って、このことからも、T偏差によっては、度数分布の歪みも考慮したより適正な信号品質評価を行うことができるということが理解できる。
このように評価値としての感度の向上が図られることで、従来の標準偏差によって評価を行っていた場合よりもさらに厳密な評価を行うことができ、光ディスクDの品質管理の感度についても向上が図られる。
ここで、第1の実施の形態の評価装置1で算出された評価値Evは、例えばスタンパ等を用いてピット形状を転写して生成される読み出し専用のROMディスクとしての光ディスクDの品質管理を行うための評価指標として用いることができる。すなわち、図5に示されるようにして測定機ごとにそれぞれ異なる光ディスクDについて評価値Evを算出し、該評価値Evが所定の閾値以下となるか否かを判定することで、基準となる品質を満たす光ディスクDであるか否かを判定するものである。
これにより、測定機ごとの特性の違いに起因して生じる、各測定機ごとの基準機に対する評価値Evの計算誤差の値を把握することができ、その結果に応じて、各測定機での評価誤差を抑制するための対策を講じることができる。具体的には、評価値Evに対して校正値を与えるとした場合には、その校正値を決定することができる。また、校正そのものが必要であるか否かの判断も行うことができる。
または、光学ユニットを構成する個々の部品を逐次交換しながらその都度評価値Evを計算させ、その結果から、測定機ごとのバラツキの原因となる部品を特定するといったこともできる。その原因部品について解析を行うことで、バラツキの要因を特定することができ、その結果に基づき改善した部品を実装させることで、各測定機のバラツキを防止し、計算誤差の防止を図ることができる。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態のように新たな評価指標を提案するといったものではなく、評価指標としては従来と同様の標準偏差σを用いるものとするが、この標準偏差σの値に対し、度数分布の歪みの影響を加味した校正係数を与えることで、より適正な評価が行われるように図るものである。
なお、第2の実施の形態において、評価装置1の全体構成は先の図1に示したものと同様となるので改めての説明は省略する。
また、確認のために述べておくと、このような第2の実施の形態としての標準偏差σを用いる評価手法では、立ち上がりエッジ側と立ち下がり側の評価をそれぞれ独立して行うものとなる。すなわち、評価値Evとしては立ち上がり側の評価値Ev(Ev-1とする)と、立ち下がり側の評価値Ev(Ev-2)とを個別に求める。
第2の実施の形態の第1例は、先の[式2]で計算されるT度τの符号に応じて、標準偏差σに与えるべき校正係数を切り替えるものである。
ここで、本出願人は、基準機と各測定機とでそれぞれ同じ光ディスクDについて計算される標準偏差、及びT度について実験を行った結果、これら標準偏差とT度とに次のような相関があることを突き止めるに至った。すなわち、同じ光ディスクDについて基準機と他の測定機とで標準偏差の値を計算した結果、測定機で計算された標準偏差の値が基準機で計算された標準偏差の値よりも小さい場合には、その光ディスクDについて計算されるT度の値の符号(極性)が概ね[−](マイナス)となり、逆に基準機よりも大きな標準偏差の値が得られる光ディスクDについては、T度の値の符号が概ね[+]になる、というものである。
これは、T度τを基準として考えた場合、計算されたT度τの符号が[−]であれば標準偏差σの値は基準機での標準偏差σの値よりも小さく、逆にT度τの符号が[+]であれば標準偏差σの値は基準機での標準偏差σの値よりも概ね大きくなる、ということを意味している。
具体的には、図7中の実線で示すように、T度τの極性が[−]の場合には、校正係数としては1.0より大きな値(第1係数とする)を選択し、逆にT度τの極性が[+]である場合には、校正係数として1.0より小さな値(第2係数)を選択する。
なお、この図では確認のために、従来手法によって与えられる校正係数を一点鎖線により示している。
図8は、上記により説明したT度τの極性に応じた校正を行うための構成について説明するための図として、第2の実施の形態の第1例としての評価装置1が備える評価値演算部25(DSP)のデジタル信号処理によって実現される各機能動作を、先の図2の場合と同様にブロック化して示した図である。
なお、この場合、メモリ9内には、本例としての校正動作を実現するための評価値演算プログラム9cが格納され、評価値演算部25は、この評価値演算プログラム9cに基づくデジタル信号処理により図中の各機能ブロックにより示される機能動作を実現する。
この場合は、T偏差計算のための構成(14A,14B,15)は省略され、立ち上がり側T度計算部13A、立ち下がり側T度計算部13Bにより計算されるT度τ1、τ2について、それぞれ極性判定を行う立ち上がり側極性判定部26A,立ち下がり側極性判定部26Bとしての機能ブロックが設けられる。また、上記立ち上がり側極性判定部26A,立ち下がり側極性判定部26Bによる極性判定結果に基づき、第1係数と第2係数を択一的に選択する立ち上がり側係数選択部27A,立ち下がり側係数選択部27Bと、立ち上がり側標準偏差計算部12A,立ち下がり側標準偏差計算部12Bにより計算された標準偏差σ1、σ2の値に対し、立ち上がり側、立ち上がり側ごとに校正係数を与える乗算部28A,乗算部28Bとしての機能ブロックが設けられる。
なお、図8において、立ち上がり側と立ち下がり側での処理内容は同様となるので、ここでは代表して立ち上がり側の各部の動作のみについて説明を行い、立ち下がり側の各部の動作については説明を省略する。立ち下がり側については、以下の説明における「立ち上がり」を「立ち下がり」に置き換えて考えればよい。
また、上記立ち上がり側係数選択部27Aは、上記立ち上がり側極性判定部26Aによる判定結果に基づき、校正係数として、第1係数と第2係数のうち何れかを選択する。具体的に、立ち上がり側極性判定部26Aの判定結果が極性[−]を表すものである場合は第1係数(1.0より大)を選択し、極性[+]を示すものである場合は第2係数(1.0より小)を選択する。
立ち上がり側乗算部28Aは、上記立ち上がり側係数選択部27Aによって選択された校正係数を立ち上がり側標準偏差計算部12Aによって計算された標準偏差σ1の値に対して乗算し、その結果を評価値Ev-1として出力する。
これによって、T度τの極性に応じて、標準偏差σの値を適正に校正した評価値Evを得ることができる。
図9は、このような第2の実施の形態の第1例による校正結果として、T度の極性を利用した校正結果を示している。この図9では、それぞれ同じ光ディスクD(D01〜D27)について各測定機で得られる校正後の標準偏差σの値を示している(図中細線の実線)。なおこの場合、基準機(太線の実線)については校正が行われないことは言うまでもない。
また、この図においても先の図6と同様に、T度τの符号が[−]となる光ディスクDについての結果はグルーピングして示してある。
第2の実施の形態の第2例は、先の第1例のように2種の校正係数から1種を択一的に選択するものとはせず、σ×τで表されるT偏差と、校正係数との相関関係を表す関数を求め、該関数と、上記T偏差の値とによって一意に定まる校正係数を用いて、標準偏差σの値を校正するものである。
特に第2例においては、上記関数として、T偏差の値をx、校正係数をyとしたときに、「y=ax+b」で表される一次関数を用いて校正係数を求めるという手法を採る。
この図10では、横軸にT偏差、縦軸に標準偏差σをとり、各光ディスクDについて計算されたT偏差の値と標準偏差σの値との関係を、基準機(M01)、及びその他の各測定機(M02〜M16)についてそれぞれ示している。基準機、及び個々の測定機の別は、プロット点のマークの別により表している。
また、これら基準機M01、測定機M16の二次近似結果からも理解されるように、二次近似して得られる二次曲線は、各測定機ごとに異なることも判明した。
このように標準偏差σの値と相関性を有することから、上記のようにして測定機ごとにT偏差の値と標準偏差σの値との相関関係を二次近似して表すことができるという点については理解できる。
一方で、測定機ごとに二次曲線が一致しないのは、測定機ごとの特性の違いに由来して、測定機ごとに度数分布の歪み態様が異なる点に起因するものと考えられる。
ここで、確認のために述べておくと、基準機で計算される標準偏差σと測定機で計算される標準偏差σとの比(基準機/測定機)の値は、校正係数に相当するものである。従って、このような基準機の標準偏差σと測定機の標準偏差σの比率が、T偏差の値に対して相関性を以て変化するものであるとすれば、その相関関係を表す関数を求めることで、該関数とT偏差の値とを用いて適正な校正係数を求めることができることになる。
なお、この図11においても、基準機、及び個々の測定機の別はプロット点のマークの別により表している。なおこの場合、基準機についての結果は「1」で一定となることは言うまでもない(図中実線)。
この図において、横軸(x)はT偏差、縦軸(y)は校正係数(標準偏差比)である。
また、この図12においても比較のため、従来の校正係数を一点鎖線により示している。
なお、これら光ディスクD-A,D-Bは、校正を行うにあたっての関数導出用に用いられるものであることから、以下、校正用ディスクと呼ぶこととする。光ディスクD-Aについては−側校正用ディスク(又は単に校正用ディスクA)、光ディスクD-Bについては+側校正用ディスク(校正用ディスクB)とする。
また、各測定機では、校正用ディスクA、校正用ディスクBについて、T偏差の値も計算する。校正用ディスクAについて計算されたT偏差はT偏差T-As、校正用ディスクBについて計算されたT偏差はT偏差T-Bsとする。
その上で、上述のようにして基準機で校正用ディスクAについて計算された標準偏差σ-Arと、上記のように計算した標準偏差σ-Asとを用いて、標準偏差σ-Ar/標準偏差σ-Asを計算する。これにより、T偏差T-Asのときの標準偏差比(σ-Ar/σ-As)が求まる。すなわち、x座標=T-As、y座標=σ-Ar/σ-Asによる1点目の座標が求まる。
同様に、基準機で校正用ディスクBについて計算された標準偏差σ-Brと、校正用ディスクBについて計算した標準偏差σ-Bsとを用いて、標準偏差σ-Br/標準偏差σ-Bsを計算し、これによってx座標=T-Bs、y座標=σ-Br/σ-Bsによる2点目の座標を求める。
すなわち、
σ-Ar/σ-As=a×T-As+b
σ-Br/σ-Bs=a×T-Bs+b
による連立方程式を解くことで、y=ax+bのゲインaとオフセットbを求める。
具体的には、先ずは標準偏差σの値を計算する。また、これと共に、T偏差を計算し、該T偏差の値を一次関数におけるxの値として代入してこれを解くことで、yの値としての校正係数を求める。その上で、求められた校正係数を上記標準偏差σの値に乗算することで、最終的な評価値Evを計算する。
また、測定機ごとに一次関数を求めているので、測定機ごとに基準機との関係を表す適正な一次関数を求めることができ、この結果、校正をより適正に行うことができる。
図13、図14は、上記により説明した第2例としての校正動作を実現するための構成について説明するための図として、第2の実施の形態の第2例としての評価装置1が備える評価値演算部30(DSP)のデジタル信号処理によって実現される各機能動作を、先の図2の場合と同様にブロック化して示した図である。
この場合、メモリ9内には、本例としての校正動作を実現するための評価値演算プログラム9dが格納され、評価値演算部30は、この評価値演算プログラム9dに基づくデジタル信号処理により各図中の機能ブロックにより示される各機能動作を実現する。
このことからすると、この場合の評価装置1では、上記標準偏差σ-As,σ-Bs、及びT偏差T-As,T-Bsを得るために、装填された光ディスクDについて標準偏差σ、T偏差のみを計算する動作モードと、装填された光ディスクDについて評価値Evを計算する動作モードとの切り替えが可能に構成されている必要がある。
本例の評価装置1では、図13、図14に示される準備モード設定信号、測定モード設定信号により、評価値演算部30に各モードの切替を指示するようにされる。図示は省略したが、これら各モード設定信号は、評価装置1の全体制御を行うコントローラから供給されることになる。
一方、上記測定モードでは、予めメモリ9に格納される基準機側で計算された標準偏差σ-Ar,σ-Br、及び上記のように格納された標準偏差σ-As,σ-BsとT偏差T-As,T-Bsの値に基づいて一次関数を計算する動作、及び装填された光ディスクDについて標準偏差σ、及びT偏差を計算し、これらの値と上記一次関数とに基づき評価値Evを計算する動作を行うものとする。
図13、図14では図示の都合上、立ち上がり側の評価値Ev-1の計算のための機能ブロックのみを示しているが、実際には、立ち下がり側についても、各図に示す立ち上がり側の各機能ブロックによる機能動作と同様の機能動作が行われることになる。この場合も、立ち下がり側の機能動作については以下で説明する立ち上がり側についての機能動作と同様となることから、その説明は省略する。
また、立ち下がり側についての評価値Ev-2を計算するにあたっては、メモリ9内において、基準機において校正用ディスクA,Bの立ち下がりエッジ位置について計算された標準偏差σ-Ar,σ-Brの値も格納されることになる。ここでは基準機において校正用ディスクA,Bの立ち上がりエッジ位置について計算された標準偏差σ-Ar,σ-Brの値(図中9e)のみが格納されるものとして示しているが、実際には、このように立ち下がりエッジ位置について計算された標準偏差σ-Ar,σ-Brの値も格納され、該立ち下がりエッジ位置についての標準偏差σ-Ar,σ-Brの値を用いて、立ち下がり側の評価値Ev-2を計算するための関数の計算が行われることになる。
準備モード時の機能動作としては、先の図2に示した機能ブロックが表す機能動作のうち、T偏差の計算までに必要な機能動作のみが行われることなる。具体的には、立ち上がりエッジ度数分布表生成部11A、立ち上がり側標準偏差計算部12A、立ち上がり側T度計算部13A、及びT偏差平均値計算部14Aとしての機能動作が行われる。
この場合の立ち上がり側標準偏差計算部12Aは、校正用ディスクAについて計算した標準偏差σの値(例えば準備モード設定後に最初に装填された光ディスクDについて計算した標準偏差σの値)を、標準偏差σ-Asとしてメモリ9に格納する。
また、校正用ディスクBについて計算した標準偏差σの値(例えば準備モード設定後に2番目に装填された光ディスクDについて計算した標準偏差σの値)を、標準偏差σ-Bsとしてメモリ9に格納する。
また、校正用ディスクBについて計算したT偏差の値(例えば準備モード設定後に2番目に装填された光ディスクDについて計算したT偏差の値)を、T偏差T-Bsとしてメモリ9に格納する。
先ず、測定モード時には、先の準備モード時の動作が実行されたことで、メモリ9内には標準偏差σ-As,σ-Bsの値(図中符号9g)、及びT偏差T-As,T-Bsの値(図中9f)が格納された状態にある。
図14において、測定モード時の機能動作としては、図2に示した各機能ブロックとしての機能動作のうち、T偏差の計算までに必要な機能動作が行われる(立ち上がり側度数分布表生成部11A〜立ち上がり側T偏差計算部14A)。その上で、基準機と自機の標準偏差比を計算するための立ち上がり側標準偏差比計算部31A、一次関数を計算により求める立ち上がり側関数計算部32A、T偏差と一次関数とに基づく校正係数の計算を行う立ち上がり側校正係数計算部33A、及び立ち上がり側乗算部28Aとしての機能動作が行われる。
すなわち、先に説明した、
σ-Ar/σ-As=a×T-As+b
σ-Br/σ-Bs=a×T-Bs+b
による連立方程式の解を求めることで、ゲインaとオフセットbを計算する。
ここで、第2の実施の形態では、光ディスクDについて計算したT偏差の値を基準として、校正係数を求めるものとしているが、このT偏差の値は、その絶対値によって度数分布の歪み量を表すものである。但し、先の第1の実施の形態の説明によると、このT偏差は、その計算にあたって3乗根を使用しているため、実際の歪み量に対してその値がリニアには反応しないものとなる。具体的には、度数分布の歪みが0近傍となる領域では、歪み量が大きな領域と比較してT偏差の値が大きく変化する傾向となる。
ここで、先に述べたようにしてT偏差の値は実際の度数分布の歪みが0近傍となる領域でその値が大きく変化する傾向となることを考慮すれば、T偏差=0近傍となる領域では、実際の度数分布の歪み量の変化はほぼ無いものとみなすことができる。第3例では、このようにT偏差=0近傍の領域では実際の歪み量がほぼ同程度であるとの前提に立ち、T偏差=0近傍の領域では傾きを0で一定とし、これによって実際の歪み量に応じたより適正な校正係数が得られるようにする。
先ず、第3例の場合、予め不感帯としてのT偏差の範囲情報が設定される。すなわち、図中におけるx2、x3によるT偏差についての範囲情報が設定される。
また、上記不感帯を設定するためのx2、x3の値も既知となる。
先ず、座標(x1,y1)と(x2,y2)を結ぶ直線y=ax+bの傾きaは、
a=(y1−y2)/(x1−x2)
で表すことができる。
また、座標(x3,y3)と(x4,y4)を結ぶ直線y=cx+dの傾きcは、
c=(y3−y4)/(x3−x4)
で表される。
yr=[y1(x3−x4)+y4(x1−x2)]/[(x3−x4)+(x1−x2)]
となる。つまりこれによりy2、y3の値が求まる。
すなわち、
a=(y1−yr)/(x1−x2)
b=(yr×x1−y1×x2)/(x1−x2)
c=(yr−y4)/(x3−x4)
d=(y4×x3−yr×x4)/(x3−x4)
を計算する。
すなわち、
x>x2のとき・・・・・・y=ax+b
x3≦x≦x2のとき・・・y=yr
x<x3のとき・・・・・・y=cx+d
により校正係数を求めるものである。
図17は、上記により説明した第3例としての校正動作を実現するための構成について説明するための図として、第3の実施の形態の第3例としての評価装置1が備える評価値演算部35(DSP)のデジタル信号処理によって実現される各機能動作を、先の図2の場合と同様にブロック化して示した図である。
この場合、メモリ9内には、本例としての校正動作を実現するための評価値演算プログラム9hが格納され、評価値演算部35は、この評価値演算プログラム9hに基づくデジタル信号処理により第3例としての各機能動作を実現する。
なお、この場合もメモリ9内には、予め基準機にて計算された標準偏差σ-Ar,σ-Brの値(9e)が格納されることは言うまでもない。
また、この場合も実際には立ち下がり側についての評価値Ev-2が計算されるので、測定モード時には、メモリ9内に立ち下がりエッジ位置について求められた標準偏差σ-As,σ-Bs、T偏差T-As,T-Bs、及び標準偏差σ-Ar,σ-Brの値が格納された状態にあるようにする。
さらにこの場合、メモリ9内には予め不感帯を設定するための情報(例えば2つのT偏差の値)が、図中の不感帯設定値9iとして格納される。
なお、この場合も機能動作は立ち上がり側についてのみ図示による説明を行い、立ち下がり側については立ち上がり側と同様の機能動作が行われればよいことから図示及び説明は省略する。
すなわち、立ち上がり側T偏差計算部14Aにて計算されるT偏差の値をx、校正係数の値をyとし、且つ不感帯設定値9iとして[+]極性の値をx2、[−]極性の値をx3としたとき、
x>x2のとき・・・・・・y=ax+b
x3≦x≦x2のとき・・・y=yr
x<x3のとき・・・・・・y=cx+d
により校正係数を求める。
続いて、第2の実施の形態の第2例、第3例の変形例について、次の図18を参照して説明する。なお、図18では一例として、第2例に対して当該変形例を適用した場合について示している。
ここで説明する変形例は、T偏差の値(絶対値)が所定の閾値より大となる領域では、校正係数の値にリミットをかけるというものである。具体的にこの場合は、T偏差の値から校正係数を求めるにあたって、計算されたT偏差の値が校正用ディスクAについて計算されたT偏差T-Asよりも大となる場合、またT偏差の値が校正用ディスクBについて計算されたT偏差T-Bsの値よりも小となる場合に、校正係数として所定の一定値を選択するものとしている。
このことを踏まえると、上記T偏差T-As,T-Bsを超える領域においても一次関数に基づく校正係数を求めることとした場合には、その領域で求まる校正係数の値は相当に大きな値となることが理解できる。このように校正係数が大きくなるということは、実際の計算値からかけ離れた値が評価値Evとして算出されてしまうことを意味し、従ってその場合の評価値Evとしては、異常値が計算されてしまう虞がある。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えばこれまでの説明では、各実施例における評価値演算部(10,20,25,30,35)としての動作がDSPによるデジタル信号処理によって実現される場合を例示したが、各評価値演算部としての動作がアナログ回路によって実現されるように構成することもできる。
また、第1の実施の形態において、立ち上がり側と立ち下がり側について計算したそれぞれのT偏差の値を平均化せずに、それぞれを立ち上がり側の評価値Ev-1、立ち下がり側の評価値Ev-2として出力するように構成することもできる。
Claims (14)
- 光記録媒体からの読み出し信号についての評価値を得るための評価装置であって、
上記光記録媒体に記録された信号を読み出す読出手段と、
上記読出手段によって得られる読み出し信号のエッジ位置を検出するエッジ位置検出手段と、
上記エッジ位置検出手段により検出された上記読み出し信号の立ち上がりエッジ位置と立ち下がりエッジ位置の情報を集積した結果に基づき、上記立ち上がりエッジ位置と上記立ち下がりエッジ位置についての度数分布表をそれぞれ生成する度数分布表生成手段と、
上記度数分布表生成手段により生成された上記立ち上がりエッジ位置についての度数分布表に基づく標準偏差と、上記立ち下がりエッジ位置についての度数分布表に基づく標準偏差とを計算する標準偏差計算手段と、
上記度数分布表生成手段により生成された上記度数分布表について、各階級の値をxi、各階級の度数をfi、度数の合計をF、加重平均値をAとしたとき、
で表されるT度としての値を上記立ち上がりエッジ位置と上記立ち下がりエッジ位置の双方について計算する第1の計算手段と、
上記標準偏差計算手段により計算された上記立ち上がりエッジ位置についての標準偏差の値に対し上記第1の計算手段により計算された上記立ち上がりエッジ位置についてのT度の値を乗算し、上記標準偏差計算手段により計算された上記立ち下がりエッジ位置についての標準偏差の値に対し上記第1の計算手段により計算された上記立ち下がりエッジ位置についてのT度の値を乗算することで、立ち上がりエッジ位置についてのT偏差と立ち下がりエッジ位置についてのT偏差をそれぞれ計算する共に、これら立ち上がりエッジ位置についてのT偏差の値と立ち下がりエッジ位置についてのT偏差の値との平均値を平均T偏差として計算する第2の計算手段と、
上記度数分布表生成手段により生成された上記立ち上がりエッジ位置についての度数分布表における各階級の度数をf1i、度数の合計をF1とし、上記立ち下がりエッジ位置についての度数分布表における各階級の度数をf2i、度数の合計をF2、さらに任意係数kとしたとき、
で表されるバランス度としての値を計算するバランス度計算手段と、
上記バランス度計算手段により計算された上記バランス度の値を、上記第2の計算手段によって計算された上記平均T偏差の値に対して乗算して、バランストT偏差としての値を計算する第3の計算手段と
を備える評価装置。 - 光記録媒体からの読み出し信号についての評価値を得るための評価装置であって、
上記光記録媒体に記録された信号を読み出す読出手段と、
上記読出手段によって得られる読み出し信号のエッジ位置を検出するエッジ位置検出手段と、
上記エッジ位置検出手段により検出された上記エッジ位置の情報を集積した結果に基づき、上記エッジ位置についての度数分布表を生成する度数分布表生成手段と、
上記度数分布表生成手段により生成された上記度数分布表について、各階級の値をxi、各階級の度数をfi、度数の合計をF、加重平均値をAとしたとき、
で表されるT度としての値を計算する第1の計算手段と、
上記度数分布表生成手段により生成された上記度数分布表に基づき標準偏差の値を計算する標準偏差計算手段と、
上記第1の計算手段によって計算されたT度の値に基づき上記標準偏差の値を校正するための校正係数を求め、該校正係数を上記標準偏差の値に与えることで上記評価値としての値を計算する校正評価値計算手段と
を備える評価装置。 - 上記校正評価値計算手段は、
上記T度の値の極性に応じて選択した上記校正係数を、上記標準偏差の値に乗算する
請求項2に記載の評価装置。 - 上記校正評価値計算手段は、
予め定められた所定の2つの校正用光記録媒体について上記標準偏差計算手段によって計算された2つの上記標準偏差の値に対し、上記第1の計算手段によって上記2つの校正用光記録媒体について計算された2つの上記T度の値を上記校正用光記録媒体ごとに乗算することで、2つのT偏差の値を計算すると共に、
上記2つのT偏差の値と、予め定められた基準機としての他の評価装置において上記2つの校正用光記録媒体についてそれぞれ計算された2つの標準偏差の値とに基づき求められる、上記T偏差と上記校正係数との相関関係を表す関数の情報に基づき、上記校正係数を計算により求める
請求項2に記載の評価装置。 - 上記校正評価値計算手段は、
上記関数を、一方の上記校正用光記録媒体について上記基準機と自機とで計算されたそれぞれの標準偏差の値の比率の値と、他方の上記校正用光記録媒体について上記基準機と自機とで計算されたそれぞれの標準偏差の値の比率の値と、さらに自機において各校正用光記録媒体について計算した2つのT偏差の値とを用いた計算を行って求める
請求項4に記載の評価装置。 - 上記関数は、
上記基準機と自機とで計算されたそれぞれの標準偏差の値の比率の値をy軸、自機のT偏差の値をx軸においたとき、上記基準機と自機とで一方の上記校正用光記録媒体について計算されたそれぞれの標準偏差の値の比率の値と、自機において上記一方の校正用光記録媒体について計算したT偏差の値とで定まる座標点と、上記基準機と自機とで他方の上記校正用光記録媒体について計算されたそれぞれの標準偏差の値の比率の値と自機において上記他方の校正用光記録媒体について計算したT偏差の値とで定まる座標点とを通過する直線を表す一次関数として求められる
請求項4に記載の評価装置。 - 上記関数は、傾きに段階的な変化が与えられている請求項4に記載の評価装置。
- 上記関数は、
上記T偏差の絶対値が所定値以下となる領域では傾きがゼロとなり、それ以外の領域では傾きが所定値で一定となる関数とされる
請求項4に記載の評価装置。 - 上記基準機と自機とで計算されたそれぞれの標準偏差の値の比率の値をy軸、自機のT偏差の値をx軸においたとき、上記傾きがゼロとなる領域でのy軸の値、及び上記傾きがゼロとなる領域以外の領域における傾きの値は、
上記傾きをゼロとする領域を定義するために設定されたそれぞれのx軸の値のときのy軸の値が等しく、且つ上記傾きがゼロとなる領域以外の領域ではそれぞれの一次関数の傾きが等しくなるという条件をもとに、一方の上記校正用光記録媒体について上記基準機と自機とで計算されたそれぞれの標準偏差の値の比率と、他方の上記校正用光記録媒体について上記基準機と自機とで計算されたそれぞれの標準偏差の値の比率と、自機において上記一方の校正用光記録媒体と上記他方の校正用光記録媒体についてそれぞれ計算した2つのT偏差の値と、上記傾きをゼロとする領域を定義するために設定された2つのT偏差の値とに基づく計算によって求められる
請求項8に記載の評価装置。 - 上記関数は、
上記T偏差の絶対値が所定値を超える領域では傾きがゼロとなる関数とされる
請求項4に記載の評価装置。 - 光記録媒体からの読み出し信号についての評価値を得るための評価方法であって、
上記光記録媒体に記録された信号を読み出して得られる読み出し信号について検出された立ち上がりエッジ位置と立ち下がりエッジ位置の情報を集積した結果に基づき、上記立ち上がりエッジ位置と上記立ち下がりエッジ位置についての度数分布表をそれぞれ生成する度数分布表生成手順と、
上記度数分布表生成手順により生成した上記立ち上がりエッジ位置についての度数分布表に基づく標準偏差と、上記立ち下がりエッジ位置についての度数分布表に基づく標準偏差とを計算する標準偏差計算手順と、
上記度数分布表生成手順により生成した上記度数分布表について、各階級の値をxi、各階級の度数をfi、度数の合計をF、加重平均値をAとしたとき、
で表されるT度としての値を上記立ち上がりエッジ位置と上記立ち下がりエッジ位置の双方について計算する第1の計算手順と、
上記標準偏差計算手順により計算した上記立ち上がりエッジ位置についての標準偏差の値に対し上記第1の計算手順により計算した上記立ち上がりエッジ位置についてのT度の値を乗算し、上記標準偏差計算手順により計算した上記立ち下がりエッジ位置についての標準偏差の値に対し上記第1の計算手順により計算した上記立ち下がりエッジ位置についてのT度の値を乗算することで、立ち上がりエッジ位置についてのT偏差と立ち下がりエッジ位置についてのT偏差をそれぞれ計算する共に、これら立ち上がりエッジ位置についてのT偏差の値と立ち下がりエッジ位置についてのT偏差の値との平均値を平均T偏差として計算する第2の計算手順と、
上記度数分布表生成手順により生成した上記立ち上がりエッジ位置についての度数分布表における各階級の度数をf1i、度数の合計をF1とし、上記立ち下がりエッジ位置についての度数分布表における各階級の度数をf2i、度数の合計をF2、さらに任意係数kとしたとき、
で表されるバランス度としての値を計算するバランス度計算手順と、
上記バランス度計算手順により計算した上記バランス度の値を、上記第2の計算手順によって計算した上記平均T偏差の値に対して乗算して、バランストT偏差としての値を計算する第3の計算手順と
を有する評価方法。 - 光記録媒体からの読み出し信号についての評価値を得るために信号処理装置において実行されるべきプログラムであって、
上記光記録媒体に記録された信号を読み出して得られる読み出し信号について検出された立ち上がりエッジ位置と立ち下がりエッジ位置の情報を集積した結果に基づき、上記立ち上がりエッジ位置と上記立ち下がりエッジ位置についての度数分布表をそれぞれ生成する度数分布表生成処理と、
上記度数分布表生成処理により生成した上記立ち上がりエッジ位置についての度数分布表に基づく標準偏差と、上記立ち下がりエッジ位置についての度数分布表に基づく標準偏差とを計算する標準偏差計算処理と、
上記度数分布表生成処理により生成した上記度数分布表について、各階級の値をxi、各階級の度数をfi、度数の合計をF、加重平均値をAとしたとき、
で表されるT度としての値を上記立ち上がりエッジ位置と上記立ち下がりエッジ位置の双方について計算する第1の計算処理と、
上記標準偏差計算処理により計算した上記立ち上がりエッジ位置についての標準偏差の値に対し上記第1の計算処理により計算した上記立ち上がりエッジ位置についてのT度の値を乗算し、上記標準偏差計算処理により計算した上記立ち下がりエッジ位置についての標準偏差の値に対し上記第1の計算処理により計算した上記立ち下がりエッジ位置についてのT度の値を乗算することで、立ち上がりエッジ位置についてのT偏差と立ち下がりエッジ位置についてのT偏差をそれぞれ計算する共に、これら立ち上がりエッジ位置についてのT偏差の値と立ち下がりエッジ位置についてのT偏差の値との平均値を平均T偏差として計算する第2の計算処理と、
上記度数分布表生成処理により生成した上記立ち上がりエッジ位置についての度数分布表における各階級の度数をf1i、度数の合計をF1とし、上記立ち下がりエッジ位置についての度数分布表における各階級の度数をf2i、度数の合計をF2、さらに任意係数kとしたとき、
で表されるバランス度としての値を計算するバランス度計算処理と、
上記バランス度計算処理により計算した上記バランス度の値を、上記第2の計算処理によって計算した上記平均T偏差の値に対して乗算して、バランストT偏差としての値を計算する第3の計算処理と
を上記信号処理装置に実行させるプログラム。 - 光記録媒体からの読み出し信号についての評価値を得るための評価方法であって、
上記光記録媒体に記録された信号を読み出して得られる読み出し信号について検出されたエッジ位置の情報を集積した結果に基づき、上記エッジ位置についての度数分布表を生成する度数分布表生成手順と、
上記度数分布表生成手順により生成した度数分布表について、各階級の値をxi、各階級の度数をfi、度数の合計をF、加重平均値をAとしたとき、
で表されるT度としての値を計算する第1の計算手順と、
上記度数分布表生成手順により生成した上記度数分布表に基づき標準偏差の値を計算する標準偏差計算手順と、
上記第1の計算手順によって計算したT度の値に基づき上記標準偏差の値を校正するための校正係数を求め、該校正係数を上記標準偏差の値に与えることで上記評価値としての値を計算する校正評価値計算手順と
を有する評価方法。 - 光記録媒体からの読み出し信号についての評価値を得るために信号処理装置において実行されるべきプログラムであって、
上記光記録媒体に記録された信号を読み出して得られる読み出し信号について検出されたエッジ位置の情報を集積した結果に基づき、上記エッジ位置についての度数分布表を生成する度数分布表生成処理と、
上記度数分布表生成処理により生成した度数分布表について、各階級の値をxi、各階級の度数をfi、度数の合計をF、加重平均値をAとしたとき、
で表されるT度としての値を計算する第1の計算処理と、
上記度数分布表生成処理により生成した上記度数分布表に基づき標準偏差の値を計算する標準偏差計算処理と、
上記第1の計算処理によって計算したT度の値に基づき上記標準偏差の値を校正するための校正係数を求め、該校正係数を上記標準偏差の値に与えることで上記評価値としての値を計算する校正評価値計算処理と
を上記信号処理装置に実行させるプログラム。
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